JP2017088649A - 防食ウレタン用ポリオール組成物及びその製造方法、並びに、防食用ウレタン樹脂用組成物及び防食用ウレタン樹脂 - Google Patents

防食ウレタン用ポリオール組成物及びその製造方法、並びに、防食用ウレタン樹脂用組成物及び防食用ウレタン樹脂 Download PDF

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Abstract

【課題】揮発分を含有させなくとも利用できる防食ウレタン用ポリオール組成物及びその製造方法、防食用ウレタン樹脂用組成物及び防食用ウレタン樹脂を提供する。【解決手段】(A1)及び(A2)から選択される少なくとも一方の(A)凝集抑制成分と、(B1)及び(B2)から選択される少なくとも一方の(B)エポキシ・アミン成分と、を用いて作成される防食ウレタン用ポリオール組成物。上記防食ウレタン用ポリオール組成物と、ポリイソシアネートと、を含む防食用ウレタン樹脂用組成物、この防食用ウレタン樹脂用組成物が硬化されてなる防食用ウレタン樹脂。(A1);多価アルコール系脂肪酸エステル(A2);多価アルコール及び脂肪酸(B1);エポキシ化合物及びアミン化合物(B2);エポキシ化合物及びアミン化合物を反応させて得られたエポキシポリオール組成物【選択図】なし

Description

本発明は、防食ウレタン用ポリオール組成物及びその製造方法、並びに、防食用ウレタン樹脂用組成物及び防食用ウレタン樹脂に関する。更に詳しくは、防食性能を発揮できる防食ウレタン用ポリオール組成物及びその製造方法、並びに、防食用ウレタン樹脂用組成物及び防食用ウレタン樹脂に関する。
従来、エポキシ化合物とアミノ化合物とを反応させると、エポキシ化合物中のエポキシ基が開環されるとともにヒドロキシ基が形成されて、エポキシポリオールと称されるポリオール化合物が得られることが知られている。このようにして得られたエポキシポリオールを含んだポリオール組成物は、ウレタン用ポリオールとして利用されている。なかでも、このポリオール組成物を用いて得られたウレタン樹脂は、防食性に優れることが知られており、この組成物は、塗料原料等として利用されている。
エポキシポリオールを含んだポリオール組成物をウレタン樹脂に利用する技術として、下記特許文献1〜3が知られている。
特開平09−194563号公報 特開2007−70472号公報 特開2000−281940号公報
上述のように、エポキシポリオールを含んだポリオール組成物(以下、単に「エポキシポリオール組成物」という)は、ウレタン樹脂に対して優れた防食性を付与できるものの、合成時から使用時に至るまで多量の揮発分と共存させなければ、エポキシポリオール組成物の流動性を維持できないという問題がある。
即ち、エポキシポリオール組成物は、エポキシ化合物とアミン化合物とを反応させて得られるが、その合成時に有機溶剤等の揮発分を共存させなければ、得られる組成物が凝集したり、又は、高温時には凝集しなくとも、反応終了後の温度低下に伴い流動性が低下して凝集してしまうという問題がある。そのため、有機溶剤等の揮発分を多量に添加し、凝集を抑制しながら反応を進める必要がある。
更に、得られたエポキシポリオール組成物には、合成時に共存された揮発分が含まれるが、この揮発分を除去すると、合成後においても凝集を生じるため、最終使用時に至るまで揮発分を除去できない。近年、化学分野では、揮発性有機化学物質(VOC)の低減が課題となっており、防食ウレタン用ポリオールにおいても、VOCの排除が強く望まれている。
上記特許文献1では、得られたエポキシポリオール組成物に50質量%のトルエン、メチルイソブチルケトン及びメチルエチルケトンの揮発分が含まれることが記載(特許文献1の段落[0029])されている。更に、この揮発分を含んだエポキシポリオール組成物を利用した塗料には、41.4〜78.8質量%(全ての実施例及び比較例)の揮発分が更に含まれることが記載(特許文献1の段落[0037]表1−[0055]表4)されている。このように、特許文献1では、エポキシポリオール組成物及びこれを用いた塗料のいずれにも揮発分が含まれる一方、揮発分を低減することの必要性や、揮発分の排除を目的とした検討はなされていない。
また、上記特許文献2には、揮発性有機化学物質の低減が課題(特許文献2の[0004])とされ、高分子量ビスフェノールと低分子量ビスフェノールとの併用、及び、ノニルフェノールの利用によって、揮発分の利用が低減されている。しかしながら、それでもなお、全ての実施例及び比較例のエポキシポリオール組成物の不揮発分が80%と記載されていることから、揮発分の含有量は20%に達していることが分かる。加えて、このエポキシポリオール組成物を利用した塗料用組成物には、シンナーとして更に揮発分が添加されており、その揮発分は20%に達し、揮発分低減は容易でないことが分かる。
更に、特許文献3では、エポキシポリオールに50質量%のトルエン、メチルイソブチルケトン及びメチルエチルケトンの混合溶媒として揮発分が含まれることが記載(特許文献3の段落[0029])されている。同様に、このエポキシポリオールを利用したウレタン組成物には、54.1〜58.4質量%(実施例1〜16及び比較例1〜5より算出)の揮発分が更に含まれることが記載(特許文献3の段落[0043]表1−[0056]表2)されている。また、このエポキシポリオールを利用した重防食塗料には、11.1〜12.1質量%(実施例17〜18及び比較例6〜7より算出)の揮発分が更に含まれることが記載(特許文献3の段落[0063]表3)されている。このように、特許文献3では、エポキシポリオール組成物及びこれを用いた樹脂用組成物や塗料用組成物のいずれにも揮発分が含まれる一方、揮発分を低減することの必要性や、揮発分の排除を目的とした検討はなされていない。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、揮発分を含有させなくともエポキシポリオールを利用することができる防食ウレタン用ポリオール組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。更に、この防食ウレタン用ポリオール組成物を用いた防食用ウレタン樹脂用組成物、この防食用ウレタン樹脂用組成物を硬化させて得られる防食用ウレタン樹脂を提供することを目的とする。
本発明は以下の通りである。
請求項1に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物は、下記(A1)及び下記(A2)から選択される少なくとも一方の(A)凝集抑制成分と、下記(B1)及び下記(B2)から選択される少なくとも一方の(B)エポキシ・アミン成分と、を用いて作成されたことを要旨とする。
(A1);多価アルコール系脂肪酸エステル
(A2);多価アルコール及び脂肪酸
(B1);エポキシ化合物及びアミン化合物
(B2);エポキシ化合物及びアミン化合物を反応させて得られたエポキシポリオール組成物
請求項2に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物は、請求項1に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物において、(A)凝集抑制成分が、前記(A1)多価アルコール系脂肪酸エステルを含み、
前記(A1)多価アルコール系脂肪酸エステルが、2価アルコール系脂肪酸エステル、3価アルコール系脂肪酸エステル、及び、4価アルコール系脂肪酸エステル、の群から選ばれる1種又は2種以上であることを要旨とする。
請求項3に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物は、請求項2に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物において、前記(A1)多価アルコール系脂肪酸エステルが、前記3価アルコール系脂肪酸エステルを含み、
前記3価アルコール系脂肪酸エステルが、ヒマシ油及び/又はその水添物を含むことを要旨とする。
請求項4に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物は、請求項1に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物において、前記(A)凝集抑制成分が、前記(A2)多価アルコール及び脂肪酸を含み、
前記多価アルコールが、2価アルコール、3価アルコール、及び、4価アルコール、の群から選ばれる1種又は2種以上であることを要旨とする。
請求項5に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物は、請求項4に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物において、前記多価アルコールが、前記3価アルコールを含み、
前記脂肪酸が、炭素数8〜24の脂肪酸であることを要旨とする。
請求項6に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物は、請求項1乃至5のうちのいずれかに記載の防食ウレタン用ポリオール組成物において、前記アミン化合物が、アミノアルコールを含むことを要旨とする。
請求項7に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物は、請求項1乃至6のうちのいずれかに記載の防食ウレタン用ポリオール組成物において、前記エポキシ化合物が、ビスフェノール型エポキシ樹脂を含むことを要旨とする。
請求項8に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物は、請求項1乃至7のうちのいずれかに記載の防食ウレタン用ポリオール組成物において、前記(A)凝集抑制成分及び前記(B)エポキシ・アミン成分の合計質量を100質量%とした場合に、前記(A)凝集抑制成分の割合が、40〜95質量%であることを要旨とする。
請求項9に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物は、請求項1乃至8のうちのいずれかに記載の防食ウレタン用ポリオール組成物において、水酸基価が100〜350であることを要旨とする。
請求項10に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法は、下記(A1)及び下記(A2)から選択される少なくとも一方の(A)凝集抑制成分と、下記(B1)及び下記(B2)から選択される少なくとも一方の(B)エポキシ・アミン成分と、を反応させる反応工程を備えることを要旨とする。
(A1);多価アルコール系脂肪酸エステル
(A2);多価アルコール及び脂肪酸
(B1);エポキシ化合物及びアミン化合物
(B2);エポキシ化合物及びアミン化合物を反応させて得られたエポキシポリオール組成物
請求項11に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法は、請求項10に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法において、前記(B)エポキシ・アミン成分が、前記(B1)エポキシ化合物及びアミン化合物を含み、
前記反応工程は、前記エポキシ化合物と前記アミン化合物とを反応させて(B3)エポキシポリオール組成物を得る第1反応工程と、
前記(B3)エポキシポリオール組成物と前記(A)凝集抑制成分とを反応させて防食ウレタン用ポリオール組成物を得る第2反応工程と、を含むことを要旨とする。
請求項12に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法は、請求項10に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法において、前記(B)エポキシ・アミン成分が、前記(B2)エポキシポリオール組成物を含み、
前記反応工程は、前記(B2)エポキシポリオール組成物と前記(A)凝集抑制成分とを反応させて防食ウレタン用ポリオール組成物を得る工程、を含むことを要旨とする。
請求項13に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法は、請求項10乃至12のうちのいずれかに記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法において、前記(A)凝集抑制成分が、前記(A1)多価アルコール系脂肪酸エステルを含み、
前記(A1)多価アルコール系脂肪酸エステルが、2価アルコール系脂肪酸エステル、3価アルコール系脂肪酸エステル、及び、4価アルコール系脂肪酸エステル、の群から選ばれる1種又は2種以上であることを要旨とする。
請求項14に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法は、請求項13に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法において、前記(A1)多価アルコール系脂肪酸エステルが、前記3価アルコール系脂肪酸エステルを含み、
前記3価アルコール系脂肪酸エステルが、ヒマシ油及び/又はその水添物を含むことを要旨とする。
請求項15に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法は、請求項10乃至12のうちのいずれかに記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法において、前記(A2)多価アルコール及び脂肪酸を含み、
前記多価アルコールが、2価アルコール、3価アルコール、及び、4価アルコール、の群から選ばれる1種又は2種以上であることを要旨とする。
請求項16に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法は、請求項15に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法において、前記多価アルコールが、前記3価アルコールを含み、
前記脂肪酸が、炭素数8〜24の脂肪酸であることを要旨とする。
請求項17に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法は、請求項10乃至16のうちのいずれかに記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法において、前記アミン化合物が、アミノアルコールを含むことを要旨とする。
請求項18に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法は、請求項10乃至17のうちのいずれかに記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法において、前記エポキシ化合物が、ビスフェノール型エポキシ樹脂を含むことを要旨とする。
請求項19に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法は、請求項10乃至18のうちのいずれかに記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法において、前記(A)凝集抑制成分及び前記(B)エポキシ・アミン成分の合計質量を100質量%とした場合に、前記(A)凝集抑制成分の割合が、40〜95質量%であることを要旨とする。
請求項20に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法は、請求項10乃至19のうちのいずれかに記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法において、水酸基価が100〜350であることを要旨とする。
請求項21に記載の防食用ウレタン樹脂用組成物は、請求項1乃至9のうちのいずれかに記載の防食ウレタン用ポリオール組成物と、ポリイソシアネートと、を含むことを要旨とする。
請求項22に記載の防食用ウレタン樹脂は、請求項21に記載の防食用ウレタン樹脂用組成物が硬化されてなることを要旨とする。
本発明の防食ウレタン用ポリオール組成物によれば、揮発分を含有させなくともエポキシポリオールを利用した防食ウレタン用ポリオール組成物とすることができる。
本発明の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法によれば、揮発分を含有させなくともエポキシポリオールを利用することができる防食ウレタン用ポリオール組成物を得ることができる。
本発明の防食用ウレタン樹脂用組成物によれば、揮発分を含有させなくとも流動性を維持できる防食用ウレタン樹脂用組成物とすることができる。
本発明の防食用ウレタン樹脂によれば、優れた防食性を有するウレタン樹脂を、揮発分を用いず得ることができる。また、上述の通り、揮発分を含有させなくとも流動性を維持できる防食用ウレタン樹脂用組成物から得られるため、乾燥によって揮発分を除去する必要がなく、使用における自由度が高い防食用ウレタン樹脂とすることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[1]防食ウレタン用ポリオール組成物
本発明の防食ウレタン用ポリオール組成物は、下記(A1)及び下記(A2)から選択される少なくとも一方の(A)凝集抑制成分と、下記(B1)及び下記(B2)から選択される少なくとも一方の(B)エポキシ・アミン成分と、を用いて作成されたことを特徴とする。
(A1);多価アルコール系脂肪酸エステル
(A2);多価アルコール及び脂肪酸
(B1);エポキシ化合物及びアミン化合物
(B2);エポキシ化合物及びアミン化合物を反応させて得られたエポキシポリオール組成物
上記「凝集抑制成分(A)」は、エポキシ・アミン成分(B)の凝集(固化)を抑制する成分である。
エポキシ・アミン成分(B)は、揮発分(有機溶剤等)と共存されることで、流動性が確保され、防食ウレタン用ポリオールとして利用できる形態とされている。このため、揮発分を併存させないと、流動性を失い防食ウレタン用ポリオールとして利用できなくなる。
これに対し、本発明の防食ウレタン用ポリオールは、凝集抑制成分(A)を用いて作成されているために、揮発分を共存させなくとも、防食ウレタン用ポリオールとして利用できる流動性を得ることができる(当然ながら、必要に応じて揮発分を、更に、共存させることもできる)。より具体的には、本発明の防食ウレタン用ポリオールは、凝集抑制成分(A)とエポキシ・アミン成分(B)とが、反応されており、この成分単独で、防食ウレタン用ポリオールとしての流動性を確保することができるものである。
上記「多価アルコール系脂肪酸エステル(A1)」は、多価アルコールと脂肪酸との縮合によって得られる構造を有した化合物である。但し、多価アルコール系脂肪酸エステル(A1)が、実際に、多価アルコールと脂肪酸との縮合によって得られた化合物であるか否かは限定されない。即ち、例えば、同種の構造は、多価カルボン酸と級脂族アルコールとの縮合によって得ることもできる。
このうち、多価アルコール系脂肪酸エステル(A1)の多価アルコール由来構造を提供し得る多価アルコールとしては、2〜5価の多価アルコールが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのうちでは、2価アルコール、3価アルコール、4価アルコールが好ましい。
即ち、多価アルコール系脂肪酸エステル(A1)としては、2価アルコール系脂肪酸エステル、3価アルコール系脂肪酸エステル及び4価アルコール系脂肪酸エステルの群から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
上述の2価アルコールとしては、エチレングリコール、プロパンジオール(1,2−、1,3−)、ブタンジオール(1,2−、1,3−、1,4−、2,3−)、2−メチル−1,2−プロパンジオール、ペンタンジオール(1,2−、1,5−、2,4−、2,3−)、2−メチル−2,3−ブタンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、ヘキサンジオール(1,2−、1,6−、2,5−)、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール、シクロヘキサンジオール(1,2−、1,3−、1,4−)、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−2,4−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2−ブチン−1,4−ジオール、ビスフェノールA等が挙げられる。加えて、下記3価アルコールのヒドロキシ基のうちのいずれか1つがエステル結合又はエーテル結合によって失われた化合物、下記4価アルコールのヒドロキシ基のうちのいずれか2つがエステル結合又はエーテル結合によって失われた化合物等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、3価アルコールとしては、グリセリン、ブタントリオール(1,2,3−、1,2,4−)、ペンタントリオール(1,2,5−)、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール(1,2,3−、1,2,6−、1,3,5−)、ヘプタントリオール(1,2,7−)、オクタントリオール(1,2,8−)、ノナントリオール(1,2,9−)、デカントリオール(1,2,10−)、ジトリメチロールプロパン等が挙げられる。加えて、下記4価アルコールのヒドロキシ基のうちのいずれか1つがエステル結合又はエーテル結合によって失われた化合物等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
更に、4価アルコールとしては、ペンタエリトリトール、1,2,3,4−ブタンテトラオール等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
一方、多価アルコール系脂肪酸エステル(A1)の脂肪酸由来構造を提供し得る脂肪酸としては、炭素数2以上(例えば、炭素数2〜36)の脂肪酸が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのうちでは、炭素数4〜32の脂肪酸が好ましく、炭素数8〜24の脂肪酸がより好ましい。
また、脂肪酸は、飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸であってもよい。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。得られる防食用ウレタン樹脂の耐食性を向上させる観点から飽和脂肪酸が好ましい。また、不飽和脂肪酸であっても、水添により飽和させることができる。
更に、脂肪酸は、直鎖構造を有する直鎖脂肪酸であってもよく、分枝構造を有する分枝脂肪酸であってもよく、環状構造を有する環状脂肪酸であってもよい。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、直鎖脂肪酸及び/又は分枝脂肪酸が好ましい。
このような脂肪酸としては、酢酸、グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、酪酸、ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、イタコン酸、ヘキサン酸、クエン酸、イソクエン酸、アコニット酸、メバロン酸、パントイン酸、キナ酸、シキミ酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、リシノレイン酸(リシノール酸)、リノレン酸、リノール酸、オレイン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ベヘン酸、イワシ酸、ドコサヘキサエン酸、リグノセリン酸、セレブロン酸等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらのなかでも、上述の通り、炭素数8〜24の脂肪酸がより好ましい。即ち、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、リシノレイン酸、リノレン酸、リノール酸、オレイン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、エイコペンタエン酸、ベヘン酸、イワシ酸、ドコサヘキサエン酸、リグノセリン酸、セレブロン酸等が好ましい。
これらの炭素数8〜24の脂肪酸は、植物油(植物性油脂)又は動物油(動物性油脂)内に、多価アルコール系脂肪酸エステルとして多く含まれる。従って、多価アルコール系脂肪酸エステル(A1)には、植物油を用いることができる。植物油としては、ヒマシ油、アマニ油、ゴマ油、菜種油、ココナッツ油、とうもろこし油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、ひまわり油、大豆油、ベニバナ油等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、ヒマシ油が好ましい。即ち、ヒマシ油には、リシノレイン酸、リノール酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノレン酸等が含まれる。
尚、これらの植物油等は、必要に応じて水添物を、単用又は併用できる。即ち、例えば、3価アルコール系脂肪酸エステルとして、ヒマシ油を選択する場合、ヒマシ油の水添物を用いることもできる。
また、脂肪酸は、ヒドロキシ基を有するヒドロキシ脂肪酸であってもよく、ヒドロキシ基を有さない脂肪酸であってもよい。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。本発明において、好適な脂肪酸は、その少なくとも一部として、ヒドロキシ脂肪酸を含むことが好ましい。ヒドロキシ脂肪酸としては、グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、酒石酸、メバロン酸、パントイン酸、セレブロン酸、キナ酸、シキミ酸、ヒドロキシデカン酸、ヒドロキシステアリン酸、リシノレイン酸、ジヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、炭素数8〜24のヒドロキシ脂肪酸がより好ましい。即ち、例えば、ヒドロキシステアリン酸、リシノレイン酸等が挙げられる。
上記「多価アルコール及び脂肪酸(A2)」は、多価アルコール系脂肪酸エステル(A1)を構成している、多価アルコールと、脂肪酸と、が利用できる。従って、多価アルコール及び脂肪酸(A2)における多価アルコール(A21)としては、多価アルコール系脂肪酸エステル(A1)において説明した多価アルコールをそのまま適用できる。また、多価アルコール及び脂肪酸(A2)における脂肪酸(A22)としては、多価アルコール系脂肪酸エステル(A1)において説明した脂肪酸をそのまま適用できる。
凝集抑制成分(A)は、多価アルコール系脂肪酸エステル(A1)と、多価アルコール及び脂肪酸(A2)と、から選択される少なくとも一方である。従って、凝集抑制成分(A)は、多価アルコール系脂肪酸エステル(A1)のみから構成されてもよいし、多価アルコール及び脂肪酸(A2)のみから構成されてもよいし、多価アルコール系脂肪酸エステルと多価アルコールと脂肪酸との全てを含んでもよい。
上記「エポキシ・アミン成分(B)」は、本防食ウレタン用ポリオールを用いて得られる防食用ウレタン樹脂に対し、防食性を付与できる成分である。これは、エポキシ・アミン成分(B)によって、「−C(OH)−NH−構造」が提供されるためと考えられる。この「−C(OH)−NH−構造」は、エポキシ化合物に由来するエポキシ基(グリシジルエーテル基)「−CO」が、アミン化合物に由来するアミノ基「−NH−」(少なくとも1つの活性水素を有するアミノ基)によって開環されて得られると考えられる。
そして、本発明の防食ウレタン用ポリオール組成物は、「−C(OH)−NH−構造」が有する少なくとも一部のOH基に、「多価アルコール系脂肪酸エステル(A1)」を構成する脂肪酸や、「多価アルコール及び脂肪酸(A2)」に含まれる脂肪酸が、縮合された化合物を含むと考えられる。
上記「エポキシ化合物及びアミン化合物(B1)」を構成する「エポキシ化合物(B11)」は、エポキシ基(−CO)を有する化合物であればよいが、更には、少なくとも2つ以上のエポキシ基を有する化合物であることが好ましい。即ち、架橋し得るエポキシ基を含むモノマー(エポキシモノマー)、架橋し得るエポキシ基を含むオリゴマー(エポキシオリゴマー)、架橋し得るエポキシ基を含む樹脂(未硬化エポキシ樹脂)、を用いることができる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
具体的には、グリシジルエーテル型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、グリシジルアミン型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
このうち、グリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシモノマー、ビスフェノールA型エポキシオリゴマー、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシモノマー、ビスフェノールF型エポキシオリゴマー、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシモノマー、クレゾールノボラック型エポキシオリゴマー、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシモノマー、フェノールノボラック型エポキシオリゴマー、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、グリシジルエステル化合物としては、グリシジルアクリレート及びグリシジルメタクリレート等が挙げられる。
これらのエポキシ化合物のエポキシ当量(EEW)は特に限定されないが、1000以下であることが好ましい。エポキシ当量が1000を超えて大きくなると、次第に、凝集抑制成分(A)を用いても、得られるポリオール組成物の流動性を十分に確保することが困難となる傾向にある。このエポキシ当量の上限値は、700以下がより好ましく、500以下が更に好ましく、更には、350以下が特に好ましい。一方、エポキシ当量の下限値は、通常、100以上である。このエポキシ当量の下限値は、110以上が好ましく、125以下がより好ましく、150以下が特に好ましい。
尚、このエポキシ当量は、JIS K7236に準拠して測定される。
上記「エポキシ化合物及びアミン化合物(B1)」を構成する「アミン化合物(B12)」は、アミノ基を有する化合物である。このアミノ基は、少なくとも1つの活性水素を有するアミノ基であればよい。従って、アミン化合物は、1つの活性水素を有するアミン化合物「R−NH−R」(第二級アミン)であってもよく、2つの活性水素を有するアミン化合物「R−NH」(第一級アミン)であってもよい。ここで、上記「R」及び「R」は、各々一価の置換基であり、「R」と「R」とは同じであってもよく異なっていてもよい。
アミン化合物を構成する置換基「R」及び「R」としては、ヒドロキシアルキル基、アルキル基、フェニル基等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。このうち、アルキル基には、直鎖状アルキル基、分枝状アルキル基、環状アルキル基が含まれる。環状アルキル基としては、シクロヘキシル基が挙げられる。
即ち、アミン化合物としては、アミノアルコール(アルカノールアミンを含む)、アルキルアミン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、本発明においては、アミノアルコールが好ましい。
アミノアルコールとしては、モノメタノールアミン、ジメタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、1−アミノ−2−プロパノール、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−イソプロピルエタノールアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、2−(2−アミノメトキシ)エタノール、スフィンゴシン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらのなかでは、炭素数1〜5のアルカノールアミンが好ましく、炭素数2〜4のアルカノールアミンがより好ましい。
上記「エポキシポリオール組成物(B2)」は、エポキシ化合物及びアミン化合物を反応させて得られたポリオール組成物である。これらのうち、エポキシ化合物としては、エポキシ化合物及びアミン化合物(B1)として説明したエポキシ化合物をそのまま適用できる。また、これらのうち、アミン化合物としては、エポキシ化合物及びアミン化合物(B1)として説明したアミン化合物をそのまま適用できる。
エポキシ・アミン成分(B)は、エポキシ化合物及びアミン化合物(B1)と、エポキシポリオール組成物(B2)と、から選択される少なくとも一方である。従って、エポキシ・アミン成分(B)は、エポキシ化合物及びアミン化合物(B1)のみから構成されてもよいし、エポキシポリオール組成物(B2)のみから構成されてもよいし、エポキシ化合物、アミン化合物及びエポキシポリオール組成物の全てを含んでもよい。
凝集抑制成分(A)とエポキシ・アミン成分(B)との割合は、特に限定されないが、合計質量を100質量%とした場合に、凝集抑制成分(A)の割合は、40質量%以上95質量%以下であることが好ましい。凝集抑制成分(A)の割合がこの範囲にあることで、得られる防食ウレタン用ポリオール組成物の流動性を十分に確保できるとともに、得られ防食ウレタン用ポリオール組成物を、ポリオール成分として用いて得られる防食用ウレタン樹脂の防食性を十分に得ることができる。この割合は、50質量%以上93質量%以下がより好ましく、55質量%以上90質量%以下が更に好ましく、58質量%以上87質量%以下がより更に好ましく、65質量%以上85質量%以下が特に好ましい。
本発明の防食ウレタン用ポリオール組成物の酸価(mgKOH/g)は、特に限定されないが、15以下が好ましい。また、通常、0.2以上である。即ち、0.2以上15以下が好ましい。この範囲では、特に硬化剤としてイソシアネート成分を用いる場合に良好なポットライフを確保でき、外観の綺麗な塗膜を得ることができる。本防食ウレタン用ポリオール組成物の酸価(mgKOH/g)は、更に、0.2以上10以下がより好ましく、0.2以上5以下が更に好ましく、0.2以上4以下が特に好ましい。
尚、本発明において、酸価(mgKOH/g)はJIS K0070に準拠する。
本発明の防食ウレタン用ポリオール組成物の水酸基価(mgKOH/g)は、特に限定されないが、100以上350以下が好ましい。この範囲では、特に硬化剤としてイソシアネート成分を用いる場合に十分な塗膜物性を確保できる。本防食ウレタン用ポリオール組成物の水酸基価(mgKOH/g)は、更に、110以上345以下がより好ましく、120以上340以下が更に好ましく、130以上335以下が特に好ましい。
尚、本発明において、水酸基価(mgKOH/g)はJIS K0070に準拠する。
本発明の防食ウレタン用ポリオール組成物の粘度(揮発分を含まない状態での粘度)は、特に限定されないが、25000mPa・s以下であることが好ましい。また、通常、500mPa・s以上である。即ち、500mPa・s以上25000mPa・s以下が好ましい。この範囲では、十分な流動性を確保して利用することができる。特に防食用ウレタン樹脂組成物を調整する際に、イソシアネート成分等の硬化剤と問題なく混合を行うことができる。本防食ウレタン用ポリオール組成物の粘度は、更に、1000mPa・s以上22000mPa・s以下がより好ましく、1350mPa・s以上15000mPa・s以下が更に好ましく、1700mPa・s以上8000mPa・s以下が特に好ましい。
尚、本発明において、粘度は、JIS Z8803に準拠し、B型回転粘度計を用いて測定される。
また、上述の揮発分とは、温度25℃以下の大気下で揮発させることができる成分であるとする。
本発明の防食ウレタン用ポリオール組成物は、揮発分を含有してもよいが、揮発分を含有しないものとすることができる。即ち、揮発分を含有しなくとも(例えば、本発明の防食ウレタン用ポリオール組成物全体を100質量部とした場合に、揮発分が5質量部以下というように、実質的に揮発分を含有されない態様)、必要な粘度範囲等の流動性を確保することができる。
尚、当然ながら、揮発分を含有しなくとも利用できるため、揮発分を含有させて利用することもできる。この場合、例えば、酢酸エステル、キシレン、ケトン類等が挙げられる。
また、これらの揮発分を含有する場合、本発明の防食ウレタン用ポリオール組成物全体を100質量部として、揮発分は50質量部以下の配合とすることが好ましく、20質量部以下がより好ましい。
尚、凝集抑制成分(A)とエポキシ・アミン成分(B)とを「用いて作成された」とは、具体的には、凝集抑制成分(A)とエポキシ・アミン成分(B)とを反応させることを意味する。この反応形態等については、防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法において後述する。
[2]防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法
本発明の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法は、下記(A1)及び下記(A2)から選択される少なくとも一方の(A)凝集抑制成分と、下記(B1)及び下記(B2)から選択される少なくとも一方の(B)エポキシ・アミン成分と、を反応させる反応工程を備えることを特徴とする。
(A1);多価アルコール系脂肪酸エステル
(A2);多価アルコール及び脂肪酸
(B1);エポキシ化合物及びアミン化合物
(B2);エポキシ化合物及びアミン化合物を反応させて得られたエポキシポリオール組成物
本方法における(A)凝集抑制成分、多価アルコール系脂肪酸エステル(A1)、及び、多価アルコール及び脂肪酸(A2)については、前述の通りである。同様に、本方法におけるエポキシ・アミン成分(B)、エポキシ化合物及びアミン化合物(B1)、及び、エポキシ化合物及びアミン化合物を反応させて得られたエポキシポリオール組成物(B2)についても、前述の通りである。
上記「反応工程」は、凝集抑制成分(A)とエポキシ・アミン成分(B)とを反応させる工程である。この反応工程には、下記(1)〜(4)の形態が含まれる。即ち、
(1)凝集抑制成分(A)が(A1)を含み、エポキシ・アミン成分(B)が(B1)を含む場合
(2)凝集抑制成分(A)が(A2)を含み、エポキシ・アミン成分(B)が(B1)を含む場合
(3)凝集抑制成分(A)が(A1)を含み、エポキシ・アミン成分(B)が(B2)を含む場合
(4)凝集抑制成分(A)が(A2)を含み、エポキシ・アミン成分(B)が(B2)を含む場合
上記の(1)〜(4)のうち、形態(1)及び形態(2)の場合は、(B1)として含まれるエポキシ化合物(B11)とアミン化合物(B12)とを、予め反応させてエポキシポリオール組成物(B3)としたうえで、上記反応に供することができる。
即ち、形態(1)及び形態(2)において、反応工程は、エポキシポリオール組成物(B3)を得る第1反応工程と、防食ウレタン用ポリオール組成物を得る第2反応工程と、を含むことができる。
「第1反応工程」は、エポキシ化合物(B11)とアミン化合物(B12)とを反応させてエポキシポリオール組成物(B3)を得る工程である。
この第1工程は、凝集抑制成分(A)の存在下で行ってもよく、凝集抑制成分(A)の非存在下で行ってもよい。特に、エポキシ化合物(B11)とアミン化合物(B12)とを反応させてエポキシポリオール組成物(B3)を得ようとすると、得られるエポキシポリオール組成物(B3)の流動性が低くなる場合には、第1工程を、凝集抑制成分(A)の存在下で行うことが好ましい。これにより、得られるエポキシポリオール組成物(B3)の流動性の低下を抑制することができる。
「第2反応工程」は、エポキシポリオール組成物(B3)と凝集抑制成分(A)とを反応させて防食ウレタン用ポリオール組成物を得る工程である。
尚、エポキシポリオール組成物(B3)は、必要に応じて、前述のエポキシポリオール組成物(B2)と併用できる。
即ち、例えば、エポキシポリオール組成物(B3)が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とアミノアルコールとの反応によって得られたビスフェノールA型エポキシポリオール組成物(B31)であり、エポキシポリオール組成物(B2)が、ビスフェノールF型エポキシ樹脂と、アミノアルコールとの反応によって得られたビスフェノールF型エポキシポリオール組成物(B21)である場合、が挙げられる。
一方、エポキシポリオール組成物(B3)が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とアミノアルコールとの反応によって得られたビスフェノールA型エポキシポリオール組成物(B31)であり、エポキシポリオール組成物(B2)も、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と、アミノアルコールとの反応によって得られたビスフェノールA型エポキシポリオール組成物(B21)である場合には、組成物(B31)と組成物(B21)とは同じ組成物となる。
上記の(1)〜(4)のうち、形態(3)の場合、反応工程は、多価アルコール系脂肪酸エステル(A1)と、エポキシ化合物及びアミン化合物を反応させて得られたエポキシポリオール組成物(B2)とを、反応させる工程である。
また、形態(4)の場合、反応工程は、多価アルコール及び脂肪酸(A2)と、エポキシ化合物及びアミン化合物を反応させて得られたエポキシポリオール組成物(B2)とを、反応させる工程である。
即ち、これらの形態(3)及び形態(4)で用いる、エポキシポリオール組成物(B2)は、エポキシ化合物とアミン化合物とを、予め反応させて得られたエポキシポリオール組成物(B2)を用いるものである。
上述の第1反応工程では、エポキシ化合物(B11)とアミン化合物(B12)とを、反応させることができればよく、適宜の反応条件を用いることができる。例えば、エポキシ化合物(B11)とアミン化合物(B12)とは、常温において重合(硬化)させることができ、この際、触媒を用い無くとも進行させることができる。また、重合時に低温である場合には、必要に応じて、公知のフェノール系助剤を添加し、反応促進することができる。また、加温によって反応促進することもできる。加温する場合には、反応温度を、常温(25℃)以上100℃以下の温度範囲に管理することが好ましい。
また、第1反応工程における反応温度は特に限定されないが、50℃以上213℃以下とすることが好ましく、70℃以上210℃以下とすることがより好ましく、80℃以上205℃以下とすることが特に好ましい。
更に、第1反応工程における反応時間は、用いる原料の量によって適宜の範囲を選択できるが、例えば、20分以上300分以下とすることが好ましく、30分以上200分以下とすることがより好ましく、40分以上100分以下とすることが特に好ましい。
尚、通常、反応時間は、加温により反応を活性化する場合には、必要な反応温度に維持する時間である。
また、第1反応工程では、液体の媒体を用いてもよく用いなくてもよいが、液体の媒体を用いる場合には、非水系媒体が好ましく、特に芳香族系炭化水素が好ましい。また、芳香族系炭化水素のなかでもトルエン、キシレンが好ましい。
更に、第1反応工程を行う雰囲気は限定されないが、非酸化性雰囲気が好ましく、不活性ガス雰囲気がより好ましい。具体的には、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等が特に好ましい。
また、第1反応工程において用いるエポキシ化合物(B11)とアミン化合物(B12)との割合は特に限定されないが、エポキシ化合物(B11)に含まれるエポキシ基(−CO)と、アミン化合物(B12)に含まれるアミノ基(−NH−)とのモル比(エポキシ基のモル量/アミノ基のモル量)は、0.8以上1.5以下が好ましく、0.9以上1.1以下がより好ましく、0.95以上1.05以下が特に好ましい。
上述の第2反応工程では、エポキシポリオール組成物(B3)と、凝集抑制成分(A)とを、反応させることができればよく、適宜の反応条件を用いることができる。
具体的には、触媒を用いることができる。即ち、触媒の存在下で上記反応を行うことができる。
触媒としては、金属アルコキシドを用いることができる。具体的には、ナトリウムメトキシド等のアルカリ金属のアルコキシド、チタニウムイソプロポキシド等のチタンのアルコキシド、スズアルコキシド化合物、亜鉛アルコキシド化合物等が挙げられる。
また、第2反応工程における反応温度は特に限定されないが、214℃以上250℃以下とすることが好ましく、215℃以上240℃以下とすることがより好ましく、216℃以上230℃以下とすることが特に好ましい。
更に、第2反応工程における反応時間は、用いる原料の量によって適宜の範囲を選択できるが、例えば、60分以上600分以下とすることが好ましく、120分以上400分以下とすることがより好ましく、180分以上200分以下とすることが特に好ましい。
尚、通常、反応時間は、加温により反応を活性化する場合には、必要な反応温度に維持する時間、触媒を利用する場合には、触媒を活性な状態に維持する時間である。
また、第2反応工程では、液体の媒体を用いてもよく用いなくてもよいが、液体の媒体を用いる場合には、非水系媒体が好ましく、特にアルコールが好ましい。また、アルコールのなかでも、除去が容易なメタノール及び/又はエタノールが好ましい。
更に、第2反応工程を行う雰囲気は限定されないが、非酸化性雰囲気が好ましく、不活性ガス雰囲気がより好ましい。具体的には、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等が特に好ましい。
また、第2反応工程において用いるエポキシポリオール組成物(B3)の酸価(mgKOH/g)は特に限定されないが、0.2以上15以下とすることが好ましく、0.2以上10以下とすることがより好ましく、0.2以上4以下とすることが特に好ましい。更に、エポキシポリオール組成物(B3)の水酸基価(mgKOH/g)は特に限定されないが、200以上700以下とすることが好ましく、250以上670以下とすることがより好ましく、300以上650以下とすることが特に好ましい。
一方、第2反応工程において用いる凝集抑制成分(A)の酸価(mgKOH/g)は特に限定されないが、0.2以上15以下とすることが好ましく、0.2以上10以下とすることがより好ましく、0.2以上4以下とすることが特に好ましい。更に、凝集抑制成分(A)の水酸基価(mgKOH/g)は特に限定されないが、40以上300以下とすることが好ましく、80以上250以下とすることがより好ましく、100以上200以下とすることが特に好ましい。
上記(1)〜(4)の反応工程における各形態のうち、形態(3)及び形態(4)における反応は、上述の第2反応工程における記載をそのまま適用できる。
本発明の防食ウレタン用ポリオール組成物の粘度は、特に限定されないが、500mPa・s以上23000mPa・s以下とすることができ、700mPa・s以上15000mPa・s以下とすることができ、900mPa・s以上9000mPa・s以下とすることができる。
また、本発明の防食ウレタン用ポリオール組成物の酸価(mgKOH/g)は、特に限定されないが、0.2以上15以下とすることができ、0.2以上10以下とすることができ、0.2以上4以下とすることができる。
更に、本発明の防食ウレタン用ポリオール組成物の水酸基価(mgKOH/g)は、特に限定されないが、100以上350以下とすることができ、120以上340以下とすることができ、150以上330以下とすることができる。
本発明の防食ウレタン用ポリオール組成物は、上記ポリオール成分以外にも他の成分を含有できる。他の成分としては、触媒、架橋剤及び鎖延長剤等が挙げられる。これらは各々1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。更に、得られる防食用ウレタン樹脂が発泡体であることを目的とする場合は発泡剤及び整泡剤等を配合できる。これらは各々1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記触媒としては、金属触媒及びアミン触媒の少なくとも一方を用いることができる。
上記架橋剤及び鎖延長剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール及び1,4−ブタンジオール等のジオール類、グリセリン及びトリメチロールプロパン等のトリオール類、ベンタエリスリトール等のテトラオール類、ヘキサメチレンジアミン等のジアミン類、ジエタノールアミン等のアミノアルコール等が挙げられる。これらの架橋剤及び鎖延長剤は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記発泡剤としては、水及び低沸点化合物等が用いられる。
上記整泡剤としては、線状又は分枝ポリエーテル−シロキサン共重合体等を用いることができる。
更に、本発明の防食ウレタン用ポリオール組成物には、上記以外にも用途及び目的等に応じて各種の添加剤等を配合できる。
添加剤等としては、顔料及び充填剤等の無機フィラー、可塑剤、界面活性剤、消泡剤、油脂類、有機溶剤、希釈剤、脱水剤、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、離型剤、樹脂類、香料、防黴剤、カップリング剤等が挙げられる。これらは各々1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[3]防食用ウレタン樹脂用組成物
本発明の防食用ウレタン樹脂用組成物は、前述の本発明の防食ウレタン用ポリオール組成物と、ポリイソシアネートと、を含むことを特徴とする。
上記「ポリイソシアネート」は特に限定されず、種々のポリイソシアネート化合物を用いることができる。
即ち、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,4−テトラメチルキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、trans−1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、1,3−(ジイソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−(ジイソシアネートメチル)シクロヘキサン、ジアニシジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、トリフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ジメチルトリフェニルメタンテトライソシアネート及びトリス(イソシアネートフェニル)−チオリン酸などのモノマー体又はポリマー体等が挙げられる。これらは各々1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、これらの化合物のウレタン変性体、アロハネート変性体、ビウレット変性体、カルボジイミド変性体、ウレトニミン変性体、ウレトジオン変性体(二量体)、イソシアヌレート変性体、ウレア変性体、アシル化尿素変性体及びブロック化物(フェノール類、オキシム類、イミド類、メルカプタン類、アルコール類、ε−カプロラクタム、エチレンイミン、α−ピロリドン、マロン酸ジエチル、亜硫酸水素ナトリウム、ホウ酸等でブロック化したもの)、並びに通常のプレポリマーなども用いることができる。更に、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメライズドジフェニルメタンジイソシアネート及び水添ジフェニルメタンジイソシアネート等を用いることもできる。また、上記プレポリマーは、NCO末端プレポリマーでも、OH末端プレポリマーでもよい。更に、NCO末端プレポリマーをブロック化剤によりブロック化し、このブロック化されたNCO末端プレポリマーを用いることもできる。これらは各々1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのポリイソシアネート化合物のなかでも、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)が好ましい。このジフェニルメタンジイソシアネートの構造は特に限定されないが、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、及び2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。また、ジフェニルメタンジイソシアネートは、ポリメライズドジフェニルメタンジイソシアネート(ポリメリックMDI)を用いてもよく、クルードジフェニルメタンジイソシアネート(クルードMDI)を用いてもよく、ジフェニルメタンジイソシアネートの純品等を用いてもよい。
本発明の防食用ウレタン樹脂用組成物に含有されるポリイソシアネートの含有量は特に限定されないが、例えば、イソシアネートインデックス(NCO/OHの当量比)において0.9以上1.25以下(より好ましくは0.95以上1.2以下、更に好ましくは1以上1.1以下)が好ましい。
[4]防食用ウレタン樹脂
防食用ウレタン樹脂用組成物が硬化されてなることを特徴とする防食用ウレタン樹脂。
本発明の防食用ウレタン樹脂によれば、優れた防食性を有するウレタン樹脂を、揮発分を用いず得ることができる。また、上述の通り、揮発分を含有させなくとも流動性を維持できる防食用ウレタン樹脂用組成物から得られるため、乾燥によって揮発分を除去する必要がなく、使用における自由度が高い防食用ウレタン樹脂とすることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
[1]防食ウレタン用ポリオール組成物の合成
表1の配合割合となるように、各成分を混合した後、反応させて試験例PO1〜PO8の防食ウレタン用ポリオール組成物を得た。
Figure 2017088649
上記表1における各成分は以下の通りである。
(A)凝集抑制成分
ヒマシ油(A1):伊藤製油製、精製ヒマシ油、品名「URIC H−30」
トリメチロールプロパン(A21)
ヒマシ油脂肪酸(A22):伊藤製油製、品名「CO−FA」
12−ヒドロキシステアリン酸(A22):伊藤製油製、品名「12−ヒドロキシステアリン酸」
(B)エポキシ・アミン成分
ビスフェノールA(B11):ビスフェノールA型エポキシ樹脂(EEW=188):三井化学株式会社製、品名「EPOMIK R−140」
ビスフェノールA(B11):ビスフェノールA型エポキシ樹脂(EEW=470):三菱化学株式会社製、品名「JER1001」
ビスフェノールF(B11):ビスフェノールF型エポキシ樹脂(EEW=170):株式会社ADEKA製、品名「アデカレンジ EP−4901」
ジエタノールアミン(B12)
N−メチルエタノールアミン(B12)
(1)試験例PO1の防食ウレタン用ポリオール組成物
攪拌機、温度計、窒素導入管及び還流コンデンサを備える反応器に、表1に示す割合で、ヒマシ油(A1)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(EEW=188)(B11)、ジエタノールアミン(B12)、及び、ナトリウムメトキシド(触媒)のメタノール溶液(28質量%濃度)を投入した。尚、ナトリウムメトキシドは、凝集抑制成分(A)とエポキシ・アミン成分(B)との合計を100質量部とした場合に0.15質量部となる量を投入した。
次いで、窒素気流下、反応器内の温度(即ち、反応温度)が200℃となるようにコントロールしながら1時間攪拌し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(B11)とジエタノールアミン(B12)とを反応(第1反応工程)させてエポキシポリオール組成物(B3)を得た。
引き続き、反応器内の温度が220℃となるようにコントロールしながら4時間攪拌して、ヒマシ油(A1)とエポキシポリオール組成物(B3)とを反応(第2反応工程)させた。
その後、100℃以下に冷却し、リン酸(75質量%水溶液)を加えて、触媒を中和し、除去して、試験例PO1の防食ウレタン用ポリオール組成物を得た。
得られた試験例PO1の防食ウレタン用ポリオール組成物の酸価は1.6mgKOH/g、水酸基価は185.4mgKOH/g、25℃における粘度は1150mPa・sであった。
(2)試験例PO2の防食ウレタン用ポリオール組成物
各種原料成分の配合割合を表1に示す割合に変更した以外は、試験例PO1と同様にして、試験例PO2の防食ウレタン用ポリオール組成物を得た。
得られた試験例PO2の防食ウレタン用ポリオール組成物の酸価は1.7mgKOH/g、水酸基価は250.0mgKOH/g、25℃における粘度は3500mPa・sであった。
(3)試験例PO3の防食ウレタン用ポリオール組成物
各種原料成分の配合割合を表1に示す割合に変更した以外は、試験例PO1と同様にして、試験例PO3の防食ウレタン用ポリオール組成物を得た。
得られた試験例PO3の防食ウレタン用ポリオール組成物の酸価は2.6mgKOH/g、水酸基価は321.8mgKOH/g、25℃における粘度は20000mPa・sであった。
(4)試験例PO4の防食ウレタン用ポリオール組成物
ジエタノールアミンに変えてN−メチルエタノールアミン(B12)を用い、各種原料成分の配合割合を表1に示す割合に変更した以外は、試験例PO1と同様にして、試験例PO4の防食ウレタン用ポリオール組成物を得た。
得られた試験例PO4の防食ウレタン用ポリオール組成物の酸価は1.6mgKOH/g、水酸基価は215.8mgKOH/g、25℃における粘度は2100mPa・sであった。
(5)試験例PO5の防食ウレタン用ポリオール組成物
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(EEW=188)に変えてビスフェノールF型樹脂(EEW=170)(B11)を用い、各種原料成分の配合割合を表1に示す割合に変更した以外は、試験例PO1と同様にして、試験例PO5の防食ウレタン用ポリオール組成物を得た。
得られた試験例PO5の防食ウレタン用ポリオール組成物の酸価は2.0mgKOH/g、水酸基価は253.6mgKOH/g、25℃における粘度は3250mPa・sであった。
(6)試験例PO6の防食ウレタン用ポリオール組成物
攪拌機、温度計、窒素導入管及び還流コンデンサを備える反応器に、表1に示す割合で、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(EEW=188)及びジエタノールアミンを投入した。
次いで、窒素気流下、反応器内の温度が180℃となるようにコントロールしながら1時間攪拌し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とジエタノールアミンとを反応させてエポキシポリオール組成物(B2)を得た。
引き続き、上記反応器に表1に示す割合のトリメチロールプロパン(A21)、ヒマシ油脂肪酸(A22)と、チタニウムイソプロポキシド(エポキシポリオール組成物(B2)、トリメチロールプロパン(A21)及びヒマシ油脂肪酸(A22)の合計100質量%とした場合には、0.02質量%のチタニウムイソプロポキシド)と、を投入し、窒素気流下、反応器内の温度が220℃となるようにコントロールしながら4時間攪拌し、トリメチロールプロパン(A21)とヒマシ油脂肪酸(A22)とエポキシポリオール組成物(B2)とを反応させた。
その後、100℃以下に冷却し、リン酸(75質量%水溶液)を加えて、触媒を中和し、除去して、試験例PO6の防食ウレタン用ポリオール組成物を得た。
得られた試験例PO6の防食ウレタン用ポリオール組成物の酸価は1.8mgKOH/g、水酸基価は249.2mgKOH/g、25℃における粘度は6420mPa・sであった。
(7)試験例PO7の防食ウレタン用ポリオール組成物
ヒマシ油脂肪酸(A22)に加えて、12−ヒドロキシステアリン酸(A22)を添加し、各種原料成分の配合割合を表1に示す割合に変更した以外は、試験例PO6と同様にして、試験例PO7の防食ウレタン用ポリオール組成物を得た。
得られた試験例PO7の防食ウレタン用ポリオール組成物の酸価は1.5mgKOH/g、水酸基価は246.7mgKOH/g、25℃における粘度は9760mPa・sであった。
(8)試験例PO8の防食ウレタン用ポリオール組成物
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(EEW=188)に変えてビスフェノールA型エポキシ樹脂(EEW=470)を用い、各種原料成分の配合割合を表1に示す割合に変更した以外は、試験例PO6と同様にして、試験例PO8の防食ウレタン用ポリオール組成物を得た。
得られた試験例PO8の防食ウレタン用ポリオール組成物の酸価は1.1mgKOH/g、水酸基価は204.3mgKOH/g、25℃における粘度は10800mPa・sであった。
[2]比較品のポリオール組成物の合成
表1の配合割合となるように、各成分を混合した後、反応させて試験例PO9〜PO10の比較品のポリオール組成物を得た。
(1)試験例PO9の比較品のポリオール組成物
攪拌機、温度計、窒素導入管及び還流コンデンサを備える反応器に、表1に示す割合で、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(EEW=188)、ジエタノールアミン及びメチルエチルケトン(揮発分、表1の「MEK」)を投入した。尚、メチルエチルケトンの配合は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジエタノールアミン及びメチルエチルケトンの合計を100質量%とした場合に、メチルエチルケトンが40質量%となるように配合している。
次いで、窒素気流下、反応器内の温度が90℃となるようにコントロールしながら1時間攪拌し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とジエタノールアミンとを反応させて試験例PO9の比較品のポリオール組成物を得た。
得られた試験例PO9の比較品のポリオール組成物の水酸基価は207.5mgKOH/g、25℃における粘度は3000mPa・sであった。
(2)試験例PO10の比較品のポリオール組成物
攪拌機、温度計、窒素導入管及び還流コンデンサを備える反応器に、表1に示す割合で、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(EEW=188)及びジエタノールアミンを投入した。
次いで、窒素気流下、反応器内の温度が100℃となるようにコントロールしながら1時間攪拌し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とジエタノールアミンとを反応させて試験例PO10の比較品のポリオール組成物を得た。
得られた試験例PO10の比較品のポリオール組成物は、常温で凝集固化し、流動性を失ったために、扱えなくなった。
[3]防食用ウレタン樹脂用組成物
上記[1]及び[2]で得られた試験例PO1〜PO8の防食ウレタン用ポリオール組成物(実施例)、及び、試験例PO9の防食ウレタン用ポリオール組成物(比較例)を用い、表2の配合割合となるように、各成分を混合して、試験例U1〜U8の防食用ウレタン樹脂用組成物、及び、試験例U9の比較品のウレタン樹脂用組成物を得た。
尚、MDIは、イソシアネート過剰率が1.05となるように混合した。
Figure 2017088649
上記表2における成分は以下の通りである。
MDI:ジフェニルメタンジイソシアネート、東ソー株式会社製、品名「ミリオネートMR−200」
[4]防食用ウレタン樹脂
上記[3]で得られた試験例U1〜U8の防食ウレタン樹脂用組成物(実施例)、及び、試験例U9の防食ウレタン樹脂用組成物(比較例)を、両表面をサンドブラスト処理した冷間圧延鋼板(130×50×1.0mm)に膜厚約200μmとなるように塗布し、85℃で16時間硬化させて、実施例1〜8の防食用ウレタン樹脂からなる塗膜、及び、比較例9の防食ウレタン樹脂からなる塗膜を形成した。
[5]評価
(1)ポリオール組成物の作業性
上記[1]及び[2]で得られた試験例PO1〜PO8の防食ウレタン用ポリオール組成物(実施例)、及び、試験例PO9の比較品のポリオール組成物(比較例)について、その作業性を以下の基準で評価し、表1に併記した。
「◎」・・・粘度が9000mPa・s未満であり、特に塗料用組成物としての利用性に優れている。
「○」・・・粘度が9000mPa・s以上22000mPa・s未満であり、特に 用組成物としての利用性に優れている。
「△」・・・粘度が22000mPa・s以上であり、溶剤を利用しなければ流動性を確保することが困難である。
「×」・・・固化してしまい、B型回転粘度計を用いて粘度を測定することができなかった。
(2)塗膜の防食性(塩水浸漬試験)
上記[4]で得られた実施例1〜8の防食用ウレタン樹脂からなる塗膜、比較例9の防食ウレタン樹脂からなる塗膜の各々の塗膜を、60度にXカットしたのち、3%NaCl水溶液(40℃)に7日間浸漬した。
その後、塗膜を洗浄(水洗)し、Xカットした部位の剥離長さを測定し、その剥離長さを以下の基準で評価し、表2に併記した。尚、剥離長さとは、Xカットした部位から剥離した最大長さである。また、この測定に際しては、カッターで塗膜を持ち上げるようにして、剥離した場合には剥離長さとして換算し、剥離しなかった場合には、剥離長さとして換算していない。
「◎」・・・剥離長さが13mm未満である。
「○」・・・剥離長さが13mm以上25mm未満である。
「×」・・・剥離長さが25mm以上である。
[6]実施例の効果
表1及び2の試験例PO9及び試験例U9として示すように、エポキシ化合物とアミン化合物とを、揮発分を配合することによって、凝集を抑制しながら反応させ、流動性を保持したエポキシポリオールとして利用する方法が知られている。即ち、表1の試験例PO9は、従来、汎用されている揮発分を用いたタイプのエポキシポリオール組成物である。試験例PO9の粘度は、3000mPa・sと低く抑えられているものの、そのために、揮発分が40質量%も含まれていることが分かる。しかしながら、試験例PO9(表1)をポリオール成分として用いた試験例U9(表2)の塗膜では、必ずしも満足な防食性が得られていない。
また、試験例PO9に対し、揮発分を配合していない例が、試験例PO10である。この試験例PO10では、エポキシ化合物とアミン化合物とを反応させる過程で、凝集を生じ、エポキシポリオール組成物が固化して利用できないものとなることが分かる。このように、従来型のエポキシポリオール組成物は、揮発分を多量に利用しなければ、ポットライフも流動性をも得ることができず、揮発分が非常に重要な機能を果たしていることが分かる。
これに対し、試験例PO1〜8の本発明品は、いずれも、揮発分を用いることなく、流動性が得られていることが分かる。そして、この流動性が凝集抑制成分の配合によってもたらされた効果であることが分かる。更に、表2の結果から、試験例PO1〜8のポリオール組成物を用いた、U1〜8の防食ウレタン樹脂は、いずれも、優れたものであることが分かる。
また、試験例PO9は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(EEW=188)とジエタノールアミンとの反応物をポリオール組成物とし、ビスフェノールA型エポキシ樹脂がジエタノールアミンの約1.8倍(質量比)となるように配合している。そして、このポリオール組成物を用いた防食ウレタン樹脂U9の防食性は「×」となっている。
これに対し、試験例PO1−PO3及びPO6−PO7は、PO9と同様に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(EEW=188)とジエタノールアミンとの反応物をポリオール組成物とし、ビスフェノールA型エポキシ樹脂がジエタノールアミンの約1.8倍(質量比)となるように配合している。そして、これらのポリオール組成物を用いた防食ウレタン樹脂U1−U3及びU6−U7の防食性は「◎」又は「○」となっている。
このことから、結果的に、凝集抑制成分(A)を用いることで、防食性が向上されているといえる。このような結果となる理由は定かではないものの、凝集抑制成分(A)が塗膜に柔軟性を与えているためであると考えることができる。
即ち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びジエタノールアミンの反応物をポリオール組成物とした防食ウレタン樹脂は、比較的、強直な塗膜を形成する。これに対し、凝集抑制成分(A)は、ポリオール組成物を形成する際に、縮合反応を伴ってポリオール組成物内に取り込まれ、得られる防食ウレタン樹脂内で塗膜を構成する成分に組み込まれて、塗膜に柔軟性を与えていると考えられる。この柔軟性向上によって、塗膜の下地への密着性が増して防食性が向上されたと考えることができる。
本発明の防食ウレタン用ポリオール組成物及びその製造方法、並びに、防食用ウレタン樹脂用組成物及び防食用ウレタン樹脂は、塗料(屋内外の塗料、防水塗料、防食塗料、ハイソリッド塗料、無溶剤塗料等)、コーティング材、ライニング材、接着剤、粘着剤、シート、フォーム、ガスケット、バインダ、パッキング、シーラント、コーキング、注型材、封止材及び電気絶縁材料等の各種の用途において有用である。これらのなかでも、特に塗料として有用であり、更には屋外用途の塗料として有用であり、とりわけ、防食性が要求される防食塗料として好適である。

Claims (22)

  1. 下記(A1)及び下記(A2)から選択される少なくとも一方の(A)凝集抑制成分と、下記(B1)及び下記(B2)から選択される少なくとも一方の(B)エポキシ・アミン成分と、を用いて作成されたことを特徴とする防食ウレタン用ポリオール組成物。
    (A1);多価アルコール系脂肪酸エステル
    (A2);多価アルコール及び脂肪酸
    (B1);エポキシ化合物及びアミン化合物
    (B2);エポキシ化合物及びアミン化合物を反応させて得られたエポキシポリオール組成物
  2. 前記(A)凝集抑制成分が、前記(A1)多価アルコール系脂肪酸エステルを含み、
    前記(A1)多価アルコール系脂肪酸エステルが、2価アルコール系脂肪酸エステル、3価アルコール系脂肪酸エステル、及び、4価アルコール系脂肪酸エステル、の群から選ばれる1種又は2種以上である請求項1に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物。
  3. 前記多価アルコール系脂肪酸エステル(A1)が、前記3価アルコール系脂肪酸エステルを含み、
    前記3価アルコール系脂肪酸エステルが、ヒマシ油及び/又はその水添物を含む請求項2に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物。
  4. 前記(A)凝集抑制成分が、前記(A2)多価アルコール及び脂肪酸を含み、
    前記多価アルコールが、2価アルコール、3価アルコール、及び、4価アルコール、の群から選ばれる1種又は2種以上である請求項1に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物。
  5. 前記多価アルコールが、前記3価アルコールを含み、
    前記脂肪酸が、炭素数8〜24の脂肪酸である請求項4に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物。
  6. 前記アミン化合物が、アミノアルコールを含む請求項1乃至5のうちのいずれかに記載の防食ウレタン用ポリオール組成物。
  7. 前記エポキシ化合物が、ビスフェノール型エポキシ樹脂を含む請求項1乃至6のうちのいずれかに記載の防食ウレタン用ポリオール組成物。
  8. 前記(A)凝集抑制成分及び前記(B)エポキシ・アミン成分の合計質量を100質量%とした場合に、前記(A)凝集抑制成分の割合が、40〜95質量%である請求項1乃至7のうちのいずれかに記載の防食ウレタン用ポリオール組成物。
  9. 水酸基価が100〜350である請求項1乃至8のうちのいずれかに記載の防食ウレタン用ポリオール組成物。
  10. 下記(A1)及び下記(A2)から選択される少なくとも一方の(A)凝集抑制成分と、下記(B1)及び下記(B2)から選択される少なくとも一方の(B)エポキシ・アミン成分と、を反応させる反応工程を備えることを特徴とする防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法。
    (A1);多価アルコール系脂肪酸エステル
    (A2);多価アルコール及び脂肪酸
    (B1);エポキシ化合物及びアミン化合物
    (B2);エポキシ化合物及びアミン化合物を反応させて得られたエポキシポリオール組成物
  11. 前記(B)エポキシ・アミン成分が、前記(B1)エポキシ化合物及びアミン化合物を含み、
    前記反応工程は、前記エポキシ化合物と前記アミン化合物とを反応させて(B3)エポキシポリオール組成物を得る第1反応工程と、
    前記(B3)エポキシポリオール組成物と前記(A)凝集抑制成分とを反応させて防食ウレタン用ポリオール組成物を得る第2反応工程と、を含む請求項10に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法。
  12. 前記(B)エポキシ・アミン成分が、前記(B2)エポキシポリオール組成物を含み、
    前記反応工程は、前記(B2)エポキシポリオール組成物と前記(A)凝集抑制成分とを反応させて防食ウレタン用ポリオール組成物を得る工程を含む請求項10に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法。
  13. 前記(A)凝集抑制成分が、前記(A1)多価アルコール系脂肪酸エステルを含み、
    前記(A1)多価アルコール系脂肪酸エステルが、2価アルコール系脂肪酸エステル、3価アルコール系脂肪酸エステル、及び、4価アルコール系脂肪酸エステル、の群から選ばれる1種又は2種以上である請求項10乃至12のうちのいずれかに記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法。
  14. 前記(A1)多価アルコール系脂肪酸エステルが、前記3価アルコール系脂肪酸エステルを含み、
    前記3価アルコール系脂肪酸エステルが、ヒマシ油及び/又はその水添物を含む請求項13に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法。
  15. 前記(A)凝集抑制成分が、前記(A2)多価アルコール及び脂肪酸を含み、
    前記多価アルコールが、2価アルコール、3価アルコール、及び、4価アルコール、の群から選ばれる1種又は2種以上である請求項10乃至12のうちのいずれかに記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法。
  16. 前記多価アルコールが、前記3価アルコールを含み、
    前記脂肪酸が、炭素数8〜24の脂肪酸である請求項15に記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法。
  17. 前記アミン化合物が、アミノアルコールを含む請求項10乃至16のうちのいずれかに記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法。
  18. 前記エポキシ化合物が、ビスフェノール型エポキシ樹脂を含む請求項10乃至17のうちのいずれかに記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法。
  19. 前記(A)凝集抑制成分及び前記(B)エポキシ・アミン成分の合計質量を100質量%とした場合に、前記(A)凝集抑制成分の割合が、40〜95質量%である請求項10乃至18のうちのいずれかに記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法。
  20. 水酸基価が100〜350である請求項10乃至19のうちのいずれかに記載の防食ウレタン用ポリオール組成物の製造方法。
  21. 請求項1乃至9のうちのいずれかに記載の防食ウレタン用ポリオール組成物と、ポリイソシアネートと、を含むことを特徴とする防食用ウレタン樹脂用組成物。
  22. 請求項21に記載の防食用ウレタン樹脂用組成物が硬化されてなることを特徴とする防食用ウレタン樹脂。
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