JP2017087808A - ハイブリッド車両の駆動力制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの動力を用いて走行している状態からエンジンの停止を迅速にすることができるHV車両の駆動力制御装置を提供する。
【解決手段】HV車両の駆動力制御装置において、前記シリーズモードが選択されている状態から前記エンジンを停止する場合には前記第1係合装置CSを係合した状態で前記エンジンを停止させ、前記第1シリーズパラレルモードが選択されている状態から前記エンジンを停止する場合には前記第2係合装置C0を係合した状態で前記エンジンを停止させ、前記第2シリーズパラレルモードが選択されている状態から前記エンジンを停止する場合には前記第2係合装置C0を解放しかつ前記第1係合装置CSを係合した状態で前記エンジンを停止させる。
【選択図】図1
【解決手段】HV車両の駆動力制御装置において、前記シリーズモードが選択されている状態から前記エンジンを停止する場合には前記第1係合装置CSを係合した状態で前記エンジンを停止させ、前記第1シリーズパラレルモードが選択されている状態から前記エンジンを停止する場合には前記第2係合装置C0を係合した状態で前記エンジンを停止させ、前記第2シリーズパラレルモードが選択されている状態から前記エンジンを停止する場合には前記第2係合装置C0を解放しかつ前記第1係合装置CSを係合した状態で前記エンジンを停止させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、エンジンとモータとを動力源として備えた駆動力制御装置に関し、特に、エンジンに加えて少なくとも二つのモータもしくはモータ・ジェネレータを備えたハイブリッド車両の駆動力制御装置に関するものである。
特許文献1に記載された駆動装置では、エンジンが出力した動力の一部を第1MG(モータ・ジェネレータ)によって電力に変換し、その電力によって第2MGを駆動して走行のための駆動力を出力することによって走行するシリーズパラレルモードや、第1MGと第2MGとの少なくとも一方のMGを駆動力源として走行する電気走行モード(EV走行モード)など、走行モードを切り換えて走行することができる。また、特許文献2には、シリーズモード、ハイブリッドモード、EVモードとを切り換えることができるように構成された駆動装置が開示されている。
特許文献1および2に開示されている駆動装置では、走行モードを切り換えることにより、作動しているエンジンを停止するように制御する場合がある。例えば、特許文献1で開示されている駆動装置では、シリーズパラレルモードからEVモードに切り換えるときに、第1クラッチを解放し、その後に第2クラッチを係合状態に切り換え、第1MGのトルクによってエンジンを停止させている。
しかしながら、特許文献1の駆動装置では、エンジンを作動させて走行する走行モードとして、シリーズモードやシリーズパラレルモードなど複数の走行モード備えている。そのため、設定されている走行モードによっては、上述したような方法でエンジンを停止するときに、各クラッチを係合あるいは解放させる必要が生じる場合がある。そのため、このクラッチの切り換えによってエンジンを停止するまでに時間を要してしまい、迅速にエンジンを停止できないおそれがあった。
本発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、エンジンの動力を用いて走行している状態から、エンジンの停止を迅速に行うことができるハイブリッド車両の駆動力制御装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記の目的を達成するために、エンジンと、発電機能のある第1モータと、前記エンジンからトルクが伝達される入力要素および前記第1モータからトルクが伝達される反力要素ならびに出力要素の少なくとも三つの回転要素によって差動作用を行う動力分割機構と、前記出力要素からトルクが伝達される出力部材と、前記エンジンから前記第1モータのロータに対するトルクの伝達と遮断とを行う第1係合装置と、前記第1係合装置とは異なる係合装置であってかつ前記エンジンから前記動力分割機構を介して出力部材に到るトルクの伝達を可能にする第2係合装置と、走行のための駆動トルクを出力する第2モータとを備え、前記第1係合装置を係合させるとともに前記エンジンによって前記第1モータを駆動し、かつ前記第1モータが発電した電力で前記第2モータを駆動して走行するシリーズモードと、前記第2係合装置を係合させるとともに前記エンジンが出力する駆動力の一部と前記第2モータが出力する駆動力とによって走行する第1シリーズパラレルモードと、前記第1係合装置および前記第2係合装置を係合させるとともに前記エンジンと前記第1モータと前記第2モータとが出力する駆動力によって走行する第2シリーズパラレルモードとの少なくとも三つの走行モードを設定可能なハイブリッド車両の駆動力制御装置において、前記エンジンを始動あるいは停止させる制御を実行するコントローラを備え、前記コントローラは、前記シリーズモードが選択されている状態から前記エンジンを停止する場合には、前記第1係合装置を係合した状態で前記エンジンを停止させ、前記第1シリーズパラレルモードが選択されている状態から前記エンジンを停止する場合には、前記第2係合装置を係合した状態で前記エンジンを停止させ、前記第2シリーズパラレルモードが選択されている状態から前記エンジンを停止する場合には、前記第2係合装置を解放しかつ前記第1係合装置を係合した状態で前記エンジンを停止させるように構成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、直前に設定されている走行モードにおける各係合装置の係合あるいは解放の状態に応じてエンジンを停止する制御を実行している。すなわち、エンジンを停止するときに、各係合装置に係合が生じないあるいは係合状態の切り換えが生じないため、各係合装置の切り換えに要する時間を短縮することができる。また、第2係合装置を解放した状態では、エンジン停止によるトルク変化を駆動輪に伝達しないため、ショックが生ずることを抑制または回避することができる。したがって、各係合装置を常に特定の係合状態に切り換えてエンジンを停止する制御を実行する場合と比較して、エンジンを迅速に停止させることができる。
図2は、実施形態を示すスケルトン図であり、フロントエンジン・フロントドライブ車に適するように構成した例である。なお、図2は各構成部材の連結関係を示し、特に説明していない限り、各構成部材の相対位置を示すものではない。ここに示す例は、複軸式でかつ二つのモータを備えたハイブリッド駆動装置である。複軸式とは、駆動力の伝達に関与する複数の回転軸が互いに平行な複数の軸線上に配置されている形式である。二つのモータは、内燃機関(以下、エンジンと記す)と共に駆動力源となっており、永久磁石式同期電動機などの発電機能のあるモータである。
図2に示すエンジン(ENG)1は、ガソリンエンジンあるいはディーゼルエンジンであって、出力軸(クランクシャフト)2と同一の回転中心軸線上に、動力分割機構3および発電機能のある第1モータ(MG1)4が、ここに挙げた順に配置されている。動力分割機構3は、入力要素と、反力要素と、出力要素との三つの回転要素によって差動作用を行う機構であって、図2に示す例では、シングルピニオン型の遊星歯車機構によって構成されている。すなわち、動力分割機構3は、反力要素に相当するサンギヤ5と、サンギヤ5に対して同心円上に配置されかつ出力要素に相当するリングギヤ6と、これらサンギヤ5およびリングギヤ6に噛み合っているプラネタリピニオンを自転可能かつ公転可能に保持し入力要素に相当するキャリヤ7を有している。なお、この実施形態ではシングルピニオン型の遊星歯車を用いた動力分割機構によって構成しているが、この構成に限らず、ダブルピニオン型の遊星歯車など、少なくとも三つの回転要素によって差動作用を行うことができる動力分割機構であればよい。
エンジン1の出力軸2に連結された入力軸8が、この動力分割機構3の回転中心軸線に沿って配置されている。これら入力軸8とキャリヤ7とを選択的に連結する入力クラッチC0が設けられている。入力クラッチC0は、この発明の実施形態における第2係合装置に相当し、係合することでエンジン1のトルクを後述する駆動輪23に伝達することができる。また、入力軸8およびエンジン1の出力軸2の回転を選択的に止めるためのブレーキB0が設けられている。
動力分割機構3を挟んでエンジン1とは反対側に第1モータ4が配置されており、第1モータ4の第1ロータ9と一体の第1ロータ軸10がサンギヤ5に連結されている。第1ロータ軸10は、中空軸であって、第1ロータ軸10の内部にその回転中心軸線に沿って中間軸11が挿入されている。中間軸11と第1ロータ軸10とは相対回転できるように構成されている。また、中間軸11は前述した入力軸8に連結され、入力軸8と一体となって回転する。さらに、中間軸11と第1ロータ軸10とを選択的に連結するシリーズクラッチCSが設けられている。このシリーズクラッチCSは、この発明の実施形態における第1係合装置に相当し、図2に示すように、エンジン1から第1ロータ9に対するトルクの伝達と遮断とを行うことができる。
動力分割機構3におけるリングギヤ6に、この実施形態における出力部材の一例である出力ギヤ12が連結され、これらリングギヤ6と出力ギヤ12とは一体となって回転する。したがって、前述した入力クラッチC0が係合し、かつ第1モータ4が反力トルクを発生している状態では、エンジン1の出力トルクが動力分割機構3を介して出力ギヤ12に伝達される。このようなエンジン1から動力分割機構3を介して出力ギヤ12に到るトルクの伝達を、上記の入力クラッチC0によって行い、またそのトルク伝達を入力クラッチC0によって遮断するようになっている。
エンジン1の出力軸2やこれと一体となって回転する入力軸8および中間軸11などに対して平行にカウンタ軸13が配置されている。カウンタ軸13にはドリブンギヤ14と第1ドライブギヤ15とが設けられており、ドリブンギヤ14が上記の出力ギヤ12に噛み合っている。
さらに、カウンタ軸13と平行に、発電機能のある第2モータ(MG2)16が配置されている。第2モータ16における第2ロータ17と一体となっている第2ロータ軸18には第2ドライブギヤ19が設けられており、第2ドライブギヤ19は上記のドリブンギヤ14に噛み合っている。第2モータ16は、前述した第1モータ4と同様に、例えば永久磁石式の同期電動機であって、電力が供給されることによりトルクを出力し、出力ギヤ12から出力されたトルクに第2モータ16の出力トルクを加えるように構成されている。
前記カウンタ軸13や第2モータ16と平行に終減速機であるデファレンシャルギヤ20が設けられている。このデファレンシャルギヤ20のリングギヤ21が、カウンタ軸13上の第1ドライブギヤ15に噛み合っている。そして、第2モータ16などから出力された駆動トルクがデファレンシャルギヤ20からドライブシャフト22を介して左右の駆動輪23に伝達される。
また、第1モータ4および第2モータ16は、図示しないバッテリやキャパシタなどからなる蓄電装置やインバータを含む電源部にそれぞれ電気的に接続されている。そして、第1モータ4および第2モータ16は、図示しない電源部によって制御されて、それぞれモータとして動作し、あるいは発電機として動作し、さらには第1モータ4で発電した電力で第2モータ16をモータとして動作させるように構成されている。
上述した駆動装置は、複数の走行モードを設定することができる。その走行モードは、大きく分けて電気走行(EV=Electric Vehicle)モードとハイブリッド(HV)モードとであり、HVモードにはシリーズモードとシリーズパラレルモードとがある。これらの走行モードの選択や各走行モードでの駆動力の制御などを行うためのハイブリッド用電子制御装置(HV−ECU)100が設けられている。図3はそのHV−ECU100を中心とした制御信号系統を示すブロック図である。HV−ECU100は、この発明におけるコントローラに相当し、マイクロコンピュータを主体にして構成され、入力されるデータおよび予め記憶しているデータならびにプログラムを使用して演算を行い、演算結果を制御指令信号として出力するように構成されている。その入力されるデータの例を挙げると、車速、アクセル開度(もしくは駆動要求量)、第1モータ4の回転数、第2モータ16の回転数、出力軸回転数(前記出力ギヤ12もしくはカウンタ軸13の回転数)、蓄電装置の充電残量(SOC:State Of Charge)、エンジン水温センサ(ENG水温センサ)などである。制御指令信号の例を挙げると、第1モータ4のトルク指令信号、第2モータ16のトルク指令信号、エンジン1のトルク指令信号、シリーズクラッチCSの油圧指令信号PbCS、入力クラッチC0の油圧指令信号PbC0、ブレーキB0の油圧指令信号PbB0などである。なお、各クラッチC0,CSおよびブレーキB0の油圧は、それぞれの油圧指令信号PbCS,PbC0,PbB0によって図示しないソレノイドバルブの電流を制御することにより行われる。これは、従来知られている車両用自動変速機における油圧の制御と同様である。
さらに、モータ用電子制御装置(MG−ECU)101およびエンジン用電子制御装置(ENG−ECU)102が設けられている。これらの電子制御装置101,102は、上記のHV−ECU100と同様に、マイクロコンピュータを主体に構成され、入力されるデータおよび予め記憶しているデータならびにプログラムを使用して演算を行い、演算結果を制御指令信号として出力するように構成されている。MG−ECU101は、HV−ECU100から伝送される第1モータ4および第2モータ16のトルク指令信号に基づいて演算を行い、第1モータ4の電流および第2モータ16の電流を制御する信号を出力する。また、ENG−ECU102は、HV−ECU100から伝送されるエンジントルク指令信号に基づいて演算を行い、エンジン1に付設されている図示しない電子スロットルバルブの開度信号やエンジン1に対する燃料の供給を制御する噴射信号を出力するように構成されている。
図4は、各走行モードを設定するためのクラッチC0,CSおよびブレーキB0の係合および解放の状態をまとめて示す係合作動表である。なお、図4で「〇」印は係合していることを示し、空欄は解放していることを示す。EVモードは、蓄電装置の電力で走行するモードであって、第1モータ4が出力する駆動力と第2モータ16が出力する駆動力とのうち少なくとも第2モータ16が出力する駆動力で走行するように構成され、第2モータ16のみを駆動する単駆動モードと、二つのモータ4,16を駆動する両駆動モードとがある。さらに、単駆動モードでは、第1モータ4を回転させないMG1切り離しモードと、第1モータ4を連れ回すMG1引き摺りモードとが可能である。
MG1切り離しモードは、入力クラッチC0およびブレーキB0を解放状態にし、シリーズクラッチCSの係合あるいは解放を適宜決定することによって設定することができる。また、第2モータ16が蓄電装置の電力で駆動される。したがって、第2モータ16による駆動トルクがカウンタ軸13を経由してデファレンシャルギヤ20に伝達される。その場合、ドリブンギヤ14が回転することにより出力ギヤ12が回転するが、キャリヤ7が自由に回転することができるために、エンジン1や第1モータ4は停止状態を維持することができる。このとき第1モータ4の回転数を0に維持するために、コギングトルクを利用する、あるいはHV−ECU100によって回転数を0に維持するように制御する、さらにd軸ロックによって回転数を0に維持するように制御するなどの方法が挙げられる。
これに対して、後者のMG1引き摺りモードは、入力クラッチC0のみを係合させ、その状態で第2モータ16を蓄電装置の電力で駆動する。この場合、動力分割機構3のキャリヤ7が入力軸8に連結され、その回転が止められるから、サンギヤ5およびこれに連結されている第1ロータ軸10ならびに第1ロータ9が第2モータ16とは反対方向(負方向)に回転する。なお、減速時に第2モータ16において回生エネルギーによる発電ができないときに、入力クラッチC0を係合することによってエンジンブレーキを併用することができる。具体的には、入力クラッチC0を係合することによってエンジン1が駆動輪23と連結され、その状態で第1モータ4によってエンジン1の回転数を上げることによってエンジンブレーキを作用させることができる。
このMG1引き摺りモードの動作状態を動力分割機構3を構成している遊星歯車機構についての共線図として、前進走行時の共線図を図5の(a)に示し、後進走行時の共線図を図5(b)に示してある。なお、図5において、各クラッチC0,CSやブレーキB0について付記してある「OFF」は解放していることを示し、「ON」は係合していることを示している。また、太い矢印はトルクの方向を示している。
両駆動モードは、第1モータ4および第2モータ16を蓄電装置の電力でモータとして駆動し、これらのモータ4,16が出力するトルクで走行するモードである。この両駆動モードは、入力クラッチC0とブレーキB0とを係合して設定される。動力分割機構3では、キャリヤ7が固定されるから、第1モータ4がモータとして動作して負方向に回転すると、リングギヤ6およびこれと一体の出力ギヤ12が前進走行する方向(正方向)に回転する。こうして第1モータ4の出力したトルクが出力ギヤ12からカウンタ軸13を経由してデファレンシャルギヤ20に伝達される。また、第2モータ16がモータとして動作して正方向に回転すると、その出力トルクがカウンタ軸13上で、前記出力ギヤ12から伝達されたトルクに加算され、こうして合算されたトルクがデファレンシャルギヤ20に伝達される。また、EVモードにおける後進走行時は、前進走行の際の動作状態と後進走行の際の動作状態と同じであって、第2モータ16の回転(トルク)を前進時とは反対の方向にし、両駆動モードであれば第1モータ4も前進時とは反対の方向に回転させることによって後進走行が可能である。
HVモードのうちのシリーズモードは、シリーズクラッチCSのみを係合させることにより設定される。シリーズモードにおける動作状態を図5の(c)および図5の(d)に、動力分割機構3を構成している遊星歯車機構についての共線図で示してある。エンジン1の出力トルクはシリーズクラッチCSを介して第1モータ4に伝達され、第1モータ4が発電機として機能する。その場合、動力分割機構3におけるキャリヤ7が自由に回転する状態になっているので、出力ギヤ12にはエンジン1のトルクが伝達されない。第1モータ4で発生した電力は第2モータ16に供給されて第2モータ16がモータとして動作し、その出力トルクがカウンタ軸13を経由してデファレンシャルギヤ20に伝達され、その結果、第2モータ16による駆動トルクで車両が走行する。図5の(c)は前進時の状態を示してあり、リングギヤ6が車速に応じた回転数で正方向に回転し、これに対してサンギヤ5はエンジン1と同じ回転数になるので、キャリヤ7はリングギヤ6の回転数およびサンギヤ5の回転数ならびに遊星歯車機構のギヤ比(サンギヤ5の歯数とリングギヤ6の歯数との比)に応じた回転数で空転する。なお、第2モータ16は正方向および負方向のいずれにも回転することができるから、第2モータ16の回転方向に応じて、車両は前進し、あるいは後進する。すなわち、図5(d)に示すように、エンジン1の回転数は前進走行時と比較して小さくし、第2モータ16はモータとして動作して負方向に回転させることによって、車両が後進走行することができる。
HVモードのうちのシリーズパラレルモードは、エンジン1の出力トルクとモータ4,16の出力トルクとによって走行するモードであり、前進時には、エンジン1の回転数と出力軸回転数(例えば出力ギヤ12の回転数)との比を無段階に変化させることのできる無段状態と、動力分割機構3の全体を一体化させる固定段状態とを設定することが可能である。なお、無段状態は、この発明の実施形態における第1シリーズパラレルモードに相当し、固定段状態は、この発明の実施形態における第2シリーズパラレルモードに相当する。
無段状態は入力クラッチC0のみを係合させて設定され、エンジン1が駆動力を出力する。その動作状態を動力分割機構3を構成している遊星歯車機構の共線図として図5の(e)に示してある。エンジン1の出力トルクは入力クラッチC0を介して動力分割機構3のキャリヤ7に伝達され、キャリヤ7が正方向に回転する。その状態で、第1モータ4を発電機として動作させることによりサンギヤ5に負方向のトルク(負トルク)を加える。こうすることによりリングギヤ6およびこれと一体の出力ギヤ12に正方向のトルクが伝達される。一方、第1モータ4によって発電された電力は、第2モータ16に供給されて第2モータ16がモータとして機能し、その出力トルクが前記出力ギヤ12から伝達されるトルクにカウンタ軸13を介して加えられる。したがって、エンジン1が出力する動力の一部が、動力分割機構3を介して出力ギヤ12からデファレンシャルギヤ20に向けて出力され、かつエンジン1が出力する動力の他の部分が一旦電力に変換された後、第2モータ16から駆動トルクとしてデファレンシャルギヤ20に向けて出力される。そして、第1モータ4の回転数を変化させることによりエンジン1の回転数が変化する。したがって、エンジン1の回転数を例えば燃費が最適になる回転数に制御することができる。また、シリーズパラレルモードで後進走行する場合、入力クラッチC0のみを係合させた状態で、エンジン1を駆動し、かつ第1モータ4を発電機として機能させて正方向に回転させる。また、第2モータ16はモータとして機能させ、負方向に回転させ、その出力トルクによって後進走行する。
固定段状態は、入力クラッチC0およびシリーズクラッチCSを係合させることによって設定される。その動作状態を動力分割機構3を構成している遊星歯車機構の共線図として図5の(f)に示してある。これら二つのクラッチC0,CSを係合させることにより動力分割機構3におけるキャリヤ7とサンギヤ5とが連結されるので、動力分割機構3はその全体が一体となって回転する。したがって、エンジン1が出力したトルクは、動力分割機構3によって増減されることなく出力ギヤ12に伝達される。その場合、第1モータ4は動力分割機構3を介してエンジン1に連結された状態になるので、蓄電装置の電力で第1モータ4をモータとして動作させることにより、第1モータ4の出力トルクを駆動トルクとして、エンジン1の出力トルクに加えることができる。また同様に、蓄電装置の電力で第2モータ16をモータとして動作させることにより、第2モータ16の出力トルクを駆動トルクとして、エンジン1の出力トルクに加えることができる。
上述したEVモードおよびシリーズモードは、各モータ4,16の出力トルクで走行し、もしくは第2モータ16の出力トルクで走行するモードであるから、最大駆動トルクはモータ4,16の特性に応じて制限される。例えばシリーズモードで出力できる最大駆動トルクは、図6に示すように、第2モータ16の特性に応じたものとなり、車速がある程度増大した後は、車速の増大に従って低下する。したがって、シリーズモードとシリーズパラレルモードとの切り換え制御を行うためには、図6に示すように、車速と出力軸トルク(もしくは要求トルク)とによって各モードの領域を定めたマップを用意しておき、実際の走行状態が属しているモードを設定することとすればよい。
つぎに、この発明における駆動力制御装置が搭載された車両において、エンジン1が作動している走行モードが設定されている状態からエンジン1を停止する場合に実行される制御を図1のフローチャートを用いて説明する。
上述したように、HV−ECU100は、シリーズモードあるいはシリーズパラレルモードで走行している状態の車両に、エンジン1を停止する要求があるか否か(ステップS1)を判断する。エンジン1を停止するか否かの判断は、アクセル開度の大きさ、あるいは車速、充電残量(SOC)などを基準としている。エンジン1を停止する要求が生じていない(ステップS1でNO)場合には、リターンする。
HV−ECU100からエンジン1を停止する要求が生じた(ステップS1でYES)場合には、現在の走行モードが判断される(ステップS2)。現在の走行モードがシリーズパラレルモードである(ステップS2でYES)場合には、シリーズクラッチが係合されているかが判断される(ステップS3)。上述したように、シリーズパラレルモードには、入力クラッチC0のみ係合されている無段状態と、入力クラッチC0およびシリーズクラッチCSのいずれも係合されている固定段状態とがある。すなわち、このステップS3では、各クラッチの係合状態を判断していることに換えて、シリーズパラレルモードにおける2つのモードのうち、いずれかのモードが設定されているかを判断してもよい。
シリーズクラッチCSが係合されていた(ステップS3でYES)場合、つまり、シリーズパラレルモードにおける固定段状態が設定されていた場合には、シリーズクラッチCSを係合した状態を維持し、入力クラッチC0を解放した後に、エンジン1を停止する制御を実行する(ステップS4)。エンジン1を停止する制御は、シリーズクラッチCSを介してエンジン1の回転を停止させるように第1モータ4がトルクを出力する。つまり、シリーズクラッチCSが係合されていることによってエンジン1と第1モータ4とが直接連結されている状態であるため、第1モータ4がそれまでとは反対の方向である負トルクを出力することによってエンジン1の回転数を下げることができる。
シリーズクラッチCSが係合されていなかった(ステップS3でNO)場合、つまり、シリーズパラレルモードにおける無段状態が設定されていた場合には、入力クラッチC0の係合された状態およびシリーズクラッチCSの解放された状態を維持して、エンジン1を停止する制御を実行する(ステップS5)。このときに実行されるエンジン1を停止する制御は、上述したステップS4と同様に、第1モータ4によって実行される。具体的には、シリーズクラッチCSが解放されていて、入力クラッチC0が係合されている状態であるため、第1モータ4が出力するトルクが動力分割機構3を介してエンジン1に伝達される。つまり、第1モータ4がそれまでとは反対の方向である負トルクを出力することによって、動力分割機構3のサンギヤ5およびキャリヤ7から入力クラッチC0の順にエンジン1まで伝達され、エンジン1の回転数が下がる方向にトルクが作用する。
また、上述したステップS2において、現在の走行モードがシリーズパラレルモードでなかった(ステップS2でNO)場合には、この実施形態においてエンジン1が作動している走行モードがシリーズモードもしくはシリーズパラレルモードであるため、設定されている走行モードはシリーズモードである。上述したように、シリーズモードでは、入力クラッチC0が解放されていて、シリーズクラッチCSが係合されている。そのため、ステップS4で実行したように、第1モータ4がそれまでとは反対の方向である負方向にトルクを出力し、その負トルクがシリーズクラッチCSを介してエンジン1に伝達されることでエンジン1の回転数を下げることができる。
つぎに、上述した制御を実行したときの挙動を図7および図8に示すタイムチャートを用いて説明する。図7は、シリーズパラレルモードにおける固定段状態からエンジン1を停止するときに実行される制御を示している。先ず、シリーズパラレルモードにおける固定段状態であるため、入力クラッチC0およびシリーズクラッチCSが係合されている。そして、エンジン1、第1モータ4および第2モータ16が出力する動力が駆動力として作用している(t0時点)。
そして、運転者の操作によりアクセル開度が小さくなる、つまりアクセルを戻す操作が行われると、それに伴い第2モータ16が出力するトルクが小さくなる。第2モータ16が出力するトルクが小さくなることで車速も次第に下がり始める(t1時点)。そして、HV−ECU100に記憶されている予め定められた所定の閾値よりアクセル開度が小さくなると、エンジン1を停止する制御が開始される(t2時点)。
エンジン1を停止するために、HV−ECU100は、先ず入力クラッチC0に作用している油圧を小さくするように油圧指令信号PbC0を出力する。作用する油圧が小さくなり、油圧が作用しなくなることで入力クラッチC0は解放される(t3時点)。なお、アクセル開度が低下した後、その低下したアクセル開度で一定になると、それに伴って第2モータ16が出力するトルクにおいても低下したトルクで一定になる。
入力クラッチC0が解放されると、エンジン1は、出力するトルクを次第に小さくするように制御され、第1モータ4は、それまでとは反対の負トルクを出力するように制御される。このとき、シリーズクラッチCSは係合されている状態であるため、第1モータが出力した負トルクによってエンジン1の回転数が次第に小さくなる。また、第1モータ4は負トルクを出力しているが、シリーズクラッチCSが係合されているため、第1モータ4の回転数とエンジン1の回転数とは同一回転数で次第に小さくなる。そして、エンジン1の回転数が小さくなり完全に停止するときに、第1モータ4が出力する負トルクおよび第1モータ4の回転も停止するように制御される(t4時点)。このようにしてシリーズパラレルモードにおける固定段状態からエンジン1を停止する制御が実行される。
この構成によれば、直前に設定されている走行モード、つまりシリーズパラレルモードの固定段状態において、シリーズクラッチCSの係合を維持した状態でエンジン1を停止する制御を実行している。また、入力クラッチC0を解放する制御は、係合する制御と比較して、切り換えまでに要する時間が短くなるとともに、ショックなどの違和感が生じにくい。すなわち、各クラッチCS,C0を常に特定の係合状態に切り換えてエンジン1を停止する制御と比較して、各クラッチCS,C0に生じる係合あるいは解放によって要する時間を短縮することができるため、エンジン1を停止するまでに要する時間を短縮することができる。さらに、入力クラッチC0を解放した状態では、エンジン1停止によるトルク変化を駆動輪23に伝達しないため、ショックが生じることを抑制または回避することができる。したがって、シリーズパラレルモードの固定段状態からエンジン1の停止をスムースに実行することができる。
次いで、シリーズパラレルモードにおける無段状態からエンジン1を停止するときに実行される制御を図8を用いて説明する。シリーズパラレルモードにおける無段状態であるため、入力クラッチC0は係合されていて、シリーズクラッチCSは解放されている状態である。そして、エンジン1の動力が、第1モータ4における発電と駆動輪23への駆動力とに分配して伝達されている。つまり、エンジンの動力の一部によって第1モータ4で発電し、その発電によって発生した電力によって第2モータ16が駆動力を出力するとともに、エンジン1の動力の他の部分が駆動力として駆動輪23に作用している状態である(t10時点)。
運転者の操作によりアクセル開度が小さくなる、つまりアクセルを戻す操作が行われると、それに伴い第2モータ16が出力するトルクが小さくなる。第2モータ16が出力するトルクが小さくなるため、車速も次第に下がり始める(t11時点)。そして、HV−ECU100に記憶されている予め定められた所定の閾値よりアクセル開度が小さくなると、エンジン1を停止する制御が開始される(t12時点)。
シリーズパラレルモードにおける無段状態からエンジン1を停止するときには、各クラッチC0,CSの係合あるいは解放の状態は維持される。つまり、シリーズクラッチCSは解放された状態が維持され、入力クラッチC0は係合された状態が維持される。エンジン1を停止すると判断されると、エンジン1は出力するトルクを次第に小さくするように制御され、第1モータ4はそれまでとは反対のトルク、つまり負トルクを出力するように制御される。このとき、入力クラッチC0が係合されているため、第1モータ4が出力する負トルクがエンジン1に伝達される。そのため、エンジン1の回転数は、第1モータ4が出力する負トルクによって次第に小さくなる。また、第1モータ4の負トルクが入力クラッチC0を介して伝達されるため、第1モータ4の回転は、一度停止した後にそれまでとは反対の方向である負方向に回転する。そして、エンジン1の回転数が小さくなりエンジン1が完全に停止するときに、第1モータ4が出力する負トルクも停止するように制御される(t13時点)。
なお、アクセル開度が低下した後、その低下したアクセル開度で一定になると、それに伴って第2モータ16が出力するトルクにおいても低下したトルクで一定になる。また、アクセル開度に合わせて車速は緩やかに低下しているため、エンジン1を停止する制御が実行された後、第1モータ4の負方向の回転数は、車速の低下する速度に応じて緩やかに小さくなっている。
この構成によれば、直前に設定されている走行モード、つまりシリーズパラレルモードの無段状態において、シリーズクラッチCSの係合および入力クラッチC0の解放を維持した状態でエンジン1を停止する制御を実行している。すなわち、各クラッチCS,C0を常に特定の係合状態に切り換えてエンジン1を停止する制御と比較して、各クラッチCS,C0に生じる係合あるいは解放に要する時間が短縮されるため、エンジン1を停止するまでに要する時間を短縮することができる。さらに、各クラッチCS,C0の係合状態の切り換えが生じないため、ショックなどの違和感の発生を抑制することができる。したがって、シリーズパラレルモードの無段状態からエンジン1の停止をスムースに実行することができる。
また、直前に設定されている走行モードがシリーズモードであった場合においては、シリーズクラッチCSの係合を維持するとともに、入力クラッチC0の解放を維持した状態でエンジン1を停止する制御を実行している。すなわち、各クラッチCS,C0を常に特定の係合状態に切り換えてエンジン1を停止する制御と比較して、各クラッチCS,C0に生じる係合あるいは解放に要する時間が短縮されるため、エンジン1を停止するまでに要する時間を短縮することができる。さらに、各クラッチCS,C0の係合状態の切り換えが生じないため、ショックなどの違和感の発生を抑制することもできる。したがって、シリーズモードからエンジン1の停止をスムースに実行することができる。
つぎに、この発明における駆動力制御装置の対象とすることができる他の車両の構成について説明する。他の車両の構成における入力クラッチC0は、エンジン1から動力分割機構3を介して出力ギヤ12にトルクを伝達する経路をトルク伝達可能な状態にし、またそのトルク伝達を遮断するように構成されていればよく、またシリーズクラッチCSはエンジン1の出力トルクを第1モータ4に伝達し、その伝達を遮断するように構成されていればよい。したがって、この発明の実施形態では、入力クラッチC0は図9に示すように、動力分割機構3のリングギヤ6と出力ギヤ12との間に設けられていて、またシリーズクラッチCSはキャリヤ7と第1ロータ軸10との間に設けられている。図9に示す他の構成は、前述した図2に示す構成と同様であるから、図9に図2と同様の符号を付してその説明を省略する。
図9に示す構成の駆動装置であっても、前述した図4に示すように、各クラッチC0,CSおよびブレーキB0を係合もしくは解放することにより、EVモードやHVモードを設定することができる。第2モータ16によって走行するEVモードでは、各クラッチC0,CSおよびブレーキB0を解放する。その結果、出力ギヤ12と動力分割機構3におけるリングギヤ6との連結が解除されるので、動力分割機構3を構成しているサンギヤ5およびリングギヤ6ならびにキャリヤ7は停止している。これに対して、入力クラッチC0を係合させれば、リングギヤ6が出力ギヤ12と共に回転し、またキャリヤ7がエンジン1と共に停止しているので、サンギヤ5およびこれに連結されている第1モータ4が負方向に回転する。すなわち、第1モータ4を連れ回すMG1引き摺りモードになる。この動作状態を動力分割機構3を構成している遊星歯車機構についての共線図として図10(a)に示してある。さらに、その状態でブレーキB0を係合させて入力軸8およびキャリヤ7を固定すれば、第1モータ4がトルクを出力することに対する反力トルクをキャリヤ7で受け持つことができるので、第1モータ4を負方向に回転させ、かつ第2モータ16を正方向に回転させて、これら二つのモータ4,16のトルクで走行する両駆動モードとなる。なお、MG1引き摺りモードにおける後進走行時の共線図は、上述したように、各クラッチC0,CSの位置が異なるものの、サンギヤ5およびリングギヤ6ならびキャリヤ7の回転方向などは同じであり、図10(b)に示す共線図によって表すことができる。
シリーズモードは、シリーズクラッチCSを係合させてエンジン1によって第1モータ4を駆動し、その第1モータ4で発電した電力によって第2モータ16を駆動して走行するモードである。したがって、図9に示す構成では、シリーズクラッチCSによってサンギヤ5とキャリヤ7とが連結されることにより動力分割機構3の全体が一体となって回転する。その結果、第1モータ4がエンジン1によって駆動されて発電する。しかしながら、入力クラッチC0が解放していてリングギヤ6と出力ギヤ12とが連結されていないので、エンジン1の出力トルクは出力ギヤ12に伝達されることはない。図10の(c)はその状態を共線図で示しており、サンギヤ5およびリングギヤ6ならびにキャリヤ7は同一回転数になっている。なお、シリーズモードによる後進走行時は、エンジン1および第1モータ4の動作は同様であり、第2モータ16のみ負方向に回転することによって後進する。
シリーズパラレルモードでの前進時における無段状態は、エンジン1の回転数を第1モータ4によって制御し、その結果、第1モータ4で発生した電力を第2モータ16に供給して第2モータ16が駆動トルクを出力する。その動作状態を図10の(d)に共線図で示してある。これは、前述した図5の(e)に示す共線図と各クラッチC0,CSの位置が異なるものの、サンギヤ5およびリングギヤ6ならびキャリヤ7の回転方向などは同じである。また、後進走行時には、入力クラッチC0のみを係合させた状態で、エンジン1を駆動し、かつ第1モータ4を発電機として機能させて正方向に回転させる。そして、第2モータ16はモータとして機能させ、負方向に回転させ、その出力トルクによって後進走行する。
シリーズパラレルモードでの前進時の固定段状態は各クラッチC0,CSを係合させることにより設定され、したがって動力分割機構3の全体が一体となって回転する。したがって、エンジン1に加えて各モータ4,16をモータとして駆動させてトルクを出力させることにより、エンジン1および各モータ4,16のトルクで走行するいわゆる両駆動状態となる。その動作状態を図10の(e)に共線図で示してある。これは、前述した図5の(f)に示す共線図とクラッチC0,CSの位置が異なるものの、サンギヤ5およびリングギヤ6ならびキャリヤ7の回転方向などは同じである。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な例について説明したが、本発明は上述した構成に限定されない。すなわち、上述した構成は、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。また、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上述した実施形態では前進走行中の制御について説明したが、後進走行時において実行することとしてもよい。
1…エンジン、 2…出力軸、 3…動力分割機構、 4…第1モータ(MG1)、 5…サンギヤ、 6…リングギヤ、 7…キャリヤ、 9…第1ロータ 12…出力ギヤ、 16…第2モータ(MG2)、 23…駆動輪、 24…シフト装置、100…HV−ECU(コントローラ)、 CS…シリーズクラッチ、 C0…入力クラッチ。
Claims (1)
- エンジンと、発電機能のある第1モータと、前記エンジンからトルクが伝達される入力要素および前記第1モータからトルクが伝達される反力要素ならびに出力要素の少なくとも三つの回転要素によって差動作用を行う動力分割機構と、前記出力要素からトルクが伝達される出力部材と、前記エンジンから前記第1モータのロータに対するトルクの伝達と遮断とを行う第1係合装置と、前記第1係合装置とは異なる係合装置であってかつ前記エンジンから前記動力分割機構を介して出力部材に到るトルクの伝達を可能にする第2係合装置と、走行のための駆動トルクを出力する第2モータとを備え、
前記第1係合装置を係合させるとともに前記エンジンによって前記第1モータを駆動し、かつ前記第1モータが発電した電力で前記第2モータを駆動して走行するシリーズモードと、前記第2係合装置を係合させるとともに前記エンジンが出力する駆動力の一部と前記第2モータが出力する駆動力とによって走行する第1シリーズパラレルモードと、前記第1係合装置および前記第2係合装置を係合させるとともに前記エンジンと前記第1モータと前記第2モータとが出力する駆動力によって走行する第2シリーズパラレルモードとの少なくとも三つの走行モードを設定可能なハイブリッド車両の駆動力制御装置において、
前記エンジンを始動あるいは停止させる制御を実行するコントローラを備え、
前記コントローラは、
前記シリーズモードが選択されている状態から前記エンジンを停止する場合には、前記第1係合装置を係合した状態で前記エンジンを停止させ、
前記第1シリーズパラレルモードが選択されている状態から前記エンジンを停止する場合には、前記第2係合装置を係合した状態で前記エンジンを停止させ、
前記第2シリーズパラレルモードが選択されている状態から前記エンジンを停止する場合には、前記第2係合装置を解放しかつ前記第1係合装置を係合した状態で前記エンジンを停止させるように構成されている
ことを特徴とするハイブリッド車両の駆動力制御装置。
Priority Applications (1)
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JP2015216789A JP2017087808A (ja) | 2015-11-04 | 2015-11-04 | ハイブリッド車両の駆動力制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2015216789A JP2017087808A (ja) | 2015-11-04 | 2015-11-04 | ハイブリッド車両の駆動力制御装置 |
Publications (1)
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JP2017087808A true JP2017087808A (ja) | 2017-05-25 |
Family
ID=58770147
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015216789A Pending JP2017087808A (ja) | 2015-11-04 | 2015-11-04 | ハイブリッド車両の駆動力制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2017087808A (ja) |
-
2015
- 2015-11-04 JP JP2015216789A patent/JP2017087808A/ja active Pending
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