JP2017087172A - ストロンチウム吸着剤及びセシウム吸着剤 - Google Patents

ストロンチウム吸着剤及びセシウム吸着剤 Download PDF

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慎介 宮部
佐藤 清
Kiyoshi Sato
清 佐藤
かおり 杉原
Kaori Sugihara
かおり 杉原
出水 丈志
Takeshi Izumi
丈志 出水
小松 誠
Makoto Komatsu
誠 小松
貴志 佐久間
Takashi Sakuma
貴志 佐久間
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Abstract

【課題】海水においてCs及びSrの一方の吸着除去特性に優れた吸着剤、及び該吸着剤の製造に好適な吸着剤の製造方法を提供すること。【解決手段】本発明のストロンチウム吸着剤は、一般式;M14Ti4Si3O16・nH2O(式中、M1はCsと、Na及びKから選ばれる1種又は2種のアルカリ金属を示し、nは0〜8の数を示す。)で表されるセシウム含有結晶性シリコチタネートを含有する。また本発明のセシウム吸着剤は、一般式;M24Ti4Si3O16・nH2O(式中、M2はSrと、Na及びKから選ばれる1種又は2種のアルカリ金属を示し、nは0〜8の数を示す。)で表されるストロンチウム含有結晶性シリコチタネートを含有する。【選択図】図3

Description

本発明は、海水中のストロンチウム及びセシウムのうちの一方を選択的にかつ効率的に分離又は回収しうる吸着剤、及び該吸着剤に好適な製造方法に関する。
従来、放射性物質を含む排水の処理技術としては共沈処理が知られている(下記特許文献1参照)。しかし、水溶性である放射性セシウム及び放射性ストロンチウムについては、前記共沈処理は有効ではなく、現在、ゼオライトなどの無機系吸着剤による吸着除去が行われている(下記特許文献2参照)。
また、セシウム及びストロンチウムを両方吸着できる吸着剤として、本願出願人は先に、A4Ti4Si316・nH2O(AはNa及び/又はKであり、nは0〜8の数を示す。)で表される結晶性シリコチタネートと、A4Ti920・mH2O(AはNa及び/又はKであり、mは0〜10の数を示す。)で表されるチタン酸塩とを含む組成物を報告している(下記特許文献3参照)。
特開昭62−266499号公報 特開2013−57599号公報 特許5696244号公報
上述したように、特許文献3に記載された、結晶性シリコチタネート及びチタン酸塩を含む組成物は、セシウム及びストロンチウムの両方の吸着能を有する。
しかしながら、場合によっては、放射性ストロンチウム及び放射性セシウムを含有する液の処理にこの組成物を用いると、セシウム及びストロンチウムの両方を吸着することにより吸着後の吸着剤の放射線量が高すぎて吸着剤の処理が困難になることがある。このような場合に対応するため、セシウム及びストロンチウムのうち一方を選択的に吸着する吸着剤が望まれている。
したがって本発明の課題は、水中におけるセシウム及びストロンチウムのうち、一方を選択的に且つ効率良く吸着できる吸着剤、及び該吸着剤の工業的に有利な製造方法を提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の結晶性シリコチタネートにセシウムを含有させると、驚くべきことに、ストロンチウムの吸着効率を維持しつつ、セシウムの吸着性能を低減させることができることを見出した。
即ち本発明は、一般式;M1 4Ti4Si316・nH2O(式中、M1は、Cs並びに、Na及び/又はKを示し、nは0〜8の数を示す。)で表されるセシウム含有結晶性シリコチタネートを含有する、ストロンチウム吸着剤を提供するものである。
また本発明者は特定の結晶性シリコチタネートにストロンチウムを含有させると、驚くべきことに、セシウムの吸着効率を維持しつつ、ストロンチウムの吸着性能のみ低減させることができることを見出した。
即ち本発明は、一般式;M2 4Ti4Si316・nH2O(式中、M2はSr並びに、Na及び/又はKを示し、nは0〜8の数を示す。)で表されるストロンチウム含有結晶性シリコチタネートを含有する、セシウム吸着剤を提供するものである。
また本発明はストロンチウム吸着剤の製造方法であって、
一般式;一般式;M'4Ti4Si316・nH2O(式中、M'はNa及びKから選ばれる1種又は2種のアルカリ金属を示し、nは0〜8の数を示す。)で表される結晶性シリコチタネートと、セシウム塩の水溶液とを混合して、該水溶液中のセシウムイオンを該混合物に吸着させる、ストロンチウム吸着剤の製造方法を提供するものである。
また本発明はセシウム吸着剤の製造方法であって、
一般式;一般式;M'4Ti4Si316・nH2O(式中、M'はNa及びKから選ばれる1種又は2種のアルカリ金属を示し、nは0〜8の数を示す。)で表される結晶性シリコチタネートと、ストロンチウム塩の水溶液とを混合して、該水溶液中のストロンチウムイオンを該混合物に吸着させる、セシウム吸着剤の製造方法を提供するものである。
本発明のストロンチウム吸着剤は、ストロンチウム及びセシウムを含有する水等の媒体から、ストロンチウムを選択的かつ効率よく吸着できる。
本発明のセシウム吸着剤は、ストロンチウム及びセシウムを含有する水等の媒体から、セシウムを選択的かつ効率よく吸着できる。
本発明のストロンチウム吸着剤の製造方法は、前記のストロンチウム吸着剤を工業的に有利な方法で製造することができる。
本発明のセシウム吸着剤の製造方法は、前記のセシウム吸着剤を工業的に有利な方法で製造することができる。
図1は、本発明の製造例1で得られた吸着剤のベースライン補正後のX線回折チャートである。 図2は、本発明の製造例2で得られた吸着剤のベースライン補正後のX線回折チャートである。 図3は、本発明の実施例1−1で得られた吸着剤のベースライン補正後のX線回折チャートである。 図4は、本発明の実施例1−2で得られた吸着剤のベースライン補正後のX線回折チャートである。 図5は、実施例1−1、実施例1−2、実施例2、比較例1−1及び比較例1−2の吸着剤の吸着試験におけるCs吸着量の測定結果を示すグラフである。 図6は、実施例1−1、実施例1−2、実施例2、比較例1−1及び比較例1−2の吸着剤の吸着試験におけるSr吸着量の測定結果を示すグラフである。 図7は、本発明の実施例1−2で得られた吸着剤の吸着試験後にXRD測定した結果を示す、ベースライン補正後のX線回折チャートである。 図8は、本発明の実施例3で得られた吸着剤のベースライン補正後のX線回折チャートである。 図9は、実施例3及び比較例1−2の吸着剤の吸着試験におけるSr吸着量の測定結果を示すグラフである。 図10は、実施例3及び比較例1−2の吸着剤の吸着試験におけるCs吸着量の測定結果を示すグラフである。
本発明のストロンチウム吸着剤は、一般式;M1 4Ti4Si316・nH2O(式中M1は、Cs並びに、Na及び/又はKを示し、nは0〜8の数を示す。)で表されるセシウム含有結晶性シリコチタネートを含有するものである。つまりM1はCsとNa及びKから選ばれる少なくとも1種の金属との組み合わせである。セシウム含有結晶性シリコチタネートは、Cs4Ti4Si316・nH2O及び(Nax(1-x)4Ti4Si316・nH2O(式中、xは0以上1以下である)の組み合わせであってもよく、(CszNar(1-z-r)4Ti4Si316・nH2O(式中、zは0超1未満であり、rは0以上1未満であり、z+rは1以下である)であってもよく、これらの混合物であってもよい。
前記のストロンチウム吸着剤は、Cu−Kα線の線源及び回折角(2θ)が5〜80°の範囲でX線回折測定したときに、前記セシウム含有結晶性シリコチタネートのメーンピークが、回折角(2θ)10〜13°の範囲に観察されることが好ましい。この範囲で検出されるピークは、前記セシウム含有結晶性シリコチタネートのうち、結晶方位が(0,1,0)であり、nが5〜7であるものに由来する。
前記のストロンチウム吸着剤は、回折角(2θ)=10〜13°の範囲に前記セシウム含有結晶性シリコチタネートのメーンピークが検出される場合、本発明のストロンチウム吸着剤は、これに加えて、27°〜29°及び/又は34°〜35°の範囲に更に前記セシウム含有結晶性シリコチタネートのピークが検出されることが好ましい。
本発明のストロンチウム吸着剤は、更に、一般式;A1 4Ti920・mH2O(式中、A1はNa、K及びCsから選ばれる1種又は2種の金属を示し、mは0〜10の数を示す。)で表されるチタン酸塩(1)を含有することが、いっそうストロンチウム吸着性能を向上させる観点から好ましい。チタン酸塩(1)は、Csを含むことが好ましい。従って、A1は、Cs並びに、Na及び/又はKを示すことが好ましい。チタン酸塩(1)がCsを含む場合、Cs4Ti920・mH2O及び(Nab(1-b)4Ti920・mH2O(式中、bは0以上1以下である)の組み合わせであってもよく、(CscNad(1-c-d)4Ti920・mH2O(式中、cは0超1未満であり、dは0以上1未満であり、c+dは1以下である)であってもよく、これらの混合物であってもよい。
本発明のストロンチウム吸着剤において、更にチタン酸塩(1)を含有させたものはX線源にCu−Kαを用いて回折角(2θ)が5〜80°の範囲でX線回折測定すると、前記セシウム含有結晶性シリコチタネートのピークが1以上観察されると共に前記チタン酸塩(1)のピークが1以上観察されるセシウム含有結晶性シリコチタネートとチタン酸塩(1)を含有したものが好ましい。
本発明のストロンチウム吸着剤において、更にチタン酸塩(1)を含有させたものは、前記の線源及び回折角の範囲でX線回折測定したときに前記チタン酸塩(1)のメーンピークが回折角(2θ)=8〜10°に観察されることが好ましい。8〜10°に検出されるピークは、前記チタン酸塩(1)のうち、結晶方位が(010)であり、チタン酸塩(1)の式におけるmが5〜7であるものに由来する。
回折角(2θ)=8〜10°の範囲に前記チタン酸塩(1)のメーンピークが検出される場合、これに加えて、27〜29°及び/又は47〜49°の範囲に更に前記チタン酸塩(1)のピークが検出されることが好ましい。回折角(2θ)=8〜10°の範囲に前記チタン酸塩(1)のメーンピークが検出される場合、このピークの高さは、前記セシウム含有結晶性シリコチタネートに由来する回折角(2θ)=10〜13°の範囲におけるメーンピークの高さに対する比が5%以上250%以下であることが好ましく、10%以上200%以下であることがより好ましい。
本発明のストロンチウム吸着剤は、組成分析によって得られる前記セシウム含有結晶性シリコチタネートに対する前記チタン酸塩(1)のモル比(前者:後者)が、1:0.25〜0.60であることが好ましく、1:0.30〜0.58であることがより好ましく、1:0.35〜0.55であることが更に好ましい。このモル比は、具体的には、以下の方法で求める。
<セシウム含有結晶性シリコチタネート:チタン酸塩(1)のモル比の求め方>
(a)吸着剤を、適当な容器(アルミリング等)に入れ、ダイスで挟みこんでからプレス機で10MPaの圧力をかけてペレット化することにより測定用試料を得る。この試料を蛍光X線装置(装置名:ZSX100e、管球:Rh(4kW)、雰囲気:真空、分析窓:Be(30μm)、測定モード:SQX分析(EZスキャン)、測定径:30mmφ、(株)リガク製)で全元素測定する。吸着剤中のSiO2及びTiO2の含有量(質量%)を、半定量分析法であるSQX法で計算することで算出する。
(b)求めたSiO2及びTiO2の含有量(質量%)をそれぞれの分子量で割り、吸着剤100g中のSiO2及びTiO2のモル数を得る。
(c)前記で求めた吸着剤中のSiO2のモル数の3分の1を吸着剤中の前記セシウム含有結晶性シリコチタネートのモル数と仮定する。また、前記セシウム含有結晶性シリコチタネート1モル中のTi原子のモル数が4であることから、下記式(1)により吸着剤中の前記チタン酸塩(1)のモル数を求める。
(d)得られたセシウム含有結晶性シリコチタネートのモル数及びチタン酸塩(1)のモル数から上記の比を得る。
続いて、本発明のストロンチウム吸着剤について更に詳述する。
本発明のストロンチウム吸着剤においては、前記セシウム含有結晶性シリコチタネートを含有している。
前記セシウム含有結晶性シリコチタネートのX線回折のピーク位置は、後述する一般式;M'4Ti4Si316・nH2O(式中、M'はNa及びKから選ばれる1種又は2種のアルカリ金属を示し、nは0〜8の数を示す。)で表されるセシウム非含有の結晶性シリコチタネートと共通するため、ストロンチウム吸着剤において、前記セシウム含有結晶性シリコチタネートを含有していることの確認は、X線回折と蛍光X線における元素分析とを併用して行うことが好ましい。すなわち、ストロンチウム吸着剤において、前記セシウム含有結晶性シリコチタネートを含有していることの確認は、ストロンチウム吸着剤をX線回折測定をしたときに、前記セシウム含有結晶性シリコチタネート又はセシウム非含有の前記結晶性シリコチタネートに由来する回折角(2θ)=10〜13°の範囲におけるメーンピークが観察されることを前提として、前記の<セシウム含有結晶性シリコチタネート:チタン酸塩のモル比の求め方>において記載した蛍光X線装置による半定量分析によりセシウムが検出されるか否かを確認することにより行うことができる。
また、前記セシウム含有結晶性シリコチタネートは、基本的には結晶性シリコチタネート中のアルカリ金属とのイオン交換により、得られるものであるがセシウム含有結晶性シリコチタネートは、イオン交換する前の結晶性シリコチタネートに比べて、結晶性が低くなり、また、セシウム含有結晶性シリコチタネートとチタン酸塩(1)の混合物については、回折角(2θ)=22〜23°の回折ピークが発達するというX線的特徴も有している。回折角(2θ)=22〜23°の回折ピークが観察される場合、このピークの高さは、前記セシウム含有結晶性シリコチタネートに由来する回折角(2θ)=10〜13°の範囲におけるメーンピークの高さに対する比が1%以上200%以下であることが好ましく、5%以上150%以下であることがより好ましい。
本発明のストロンチウム吸着剤において、前記セシウム含有結晶性シリコチタネート及び前記チタン酸塩(1)に含まれるセシウム含有量は、前記セシウム含有結晶性シリコチタネート及び前記チタン酸塩(1)の合計モル数に基づき算出されるアルカリ金属の合計量100モルに対し、0.05モル以上であることが、ストロンチウム吸着剤におけるセシウム吸着性能を十分抑制する観点から好ましい。また前記の合計量100モルに対してセシウム含有量が25モル以下であることが、セシウムの含有によるストロンチウム吸着性能を低下することを確実に防止する観点や吸着剤からのセシウムの放出を防止する観点から好ましい。この観点から、前記合計量100モルに対してセシウム含有量は0.05モル以上25モル以下であることがより好ましく、1モル以上18モル以下であることが更に好ましい。セシウム量は、前記の<セシウム含有結晶性シリコチタネート:チタン酸塩(1)のモル比の求め方>において記載した蛍光X線装置による半定量分析により測定し、これを前記セシウム含有結晶性シリコチタネート及び前記チタン酸塩(1)に含まれるセシウム量とする。なお、前記セシウム含有結晶性シリコチタネート及び前記チタン酸塩(1)の合計モル数に基づき算出されるアルカリ金属の合計量とは、本発明のストロンチウム吸着剤が前記チタン酸塩(1)を含有しない場合は、前記セシウム含有結晶性シリコチタネートのモル数に基づき算出されるアルカリ金属の合計量を意味する。また前記セシウム含有結晶性シリコチタネート及び前記チタン酸塩(1)に含まれるセシウム量とは、本発明のストロンチウム吸着剤が前記チタン酸塩(1)を含有しない場合は、前記セシウム含有結晶性シリコチタネートに含まれるセシウムの量を意味する。
前記セシウム含有結晶性シリコチタネート及び前記チタン酸塩(1)の合計モル数に基づき算出されるアルカリ金属の合計量のモル数は次式により求める。
アルカリ金属の合計量のモル数=(セシウム含有結晶性シリコチタネートのモル数+チタン酸塩(1)のモル数)×4
なおセシウム含有結晶性シリコチタネートのモル数及びチタン酸塩(1)のモル数は、上記<セシウム含有結晶性シリコチタネート:チタン酸塩のモル比の求め方>に記載の方法により求めることができる。
本発明のストロンチウム吸着剤は、前記セシウム含有結晶性シリコチタネート、好ましくは更に前記チタン酸塩(1)を含有することにより、前記結晶性シリコチタネートが有していたストロンチウム及びセシウムの吸着性能のうちストロンチウム吸着性能を維持しながらセシウムの吸着性能を低減できるため、ストロンチウム及びセシウムのうち、ストロンチウムを選択的に効率よく吸着することができる。セシウムを含有させることでストロンチウムを選択的に吸着できるようになる理由は不明である。但し、結晶性シリコチタネートでは、ストロンチウムとセシウムの吸着メカニズムが異なることが推定される。この違いが本発明の吸着剤の吸着性能と関係している可能性がある。
本発明のストロンチウム吸着剤は、前記セシウム含有結晶性シリコチタネート及び前記チタン酸塩(1)以外に各種バインダ等の他の成分を含んでいても良いが、吸着性能を高めることができる観点から、他の成分の含有量は低いことが好ましい。ストロンチウム吸着剤中、前記セシウム含有結晶性シリコチタネート及び前記チタン酸塩(1)以外の成分の含有量の合計量は10質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。
続いて、本発明のセシウム吸着剤について更に詳述する。
本発明のセシウム吸着剤においては、一般式;M2 4Ti4Si316・nH2O(式中、M2はSrと、Na及び/又はKを示し、n2は0〜8の数を示す。)で表されるストロンチウム含有結晶性シリコチタネートを含有している。M2は、Srと、Na及びKから選ばれる少なくとも1種の金属との組み合わせを示す。ストロンチウム含有結晶性シリコチタネートはSr2Ti4Si316・nH2O、及び(Nax(1-x)4Ti4Si316・nH2O(式中、xは0以上1以下である)の組み合わせであってもよく、(Sr(1-p-q)/2Napq4Ti4Si316・nH2O(式中、pは0以上1未満であり、qは0以上1未満であり、p+qは1未満である)であってもよく、これらの混合物であってもよい。
前記のセシウム吸着剤は、Cu−Kα線の線源及び回折角(2θ)が5〜80°の範囲でX線回折測定したときに、前記ストロンチウム含有結晶性シリコチタネートのメーンピークが、回折角(2θ)10〜13°の範囲に観察されることが好ましい。この範囲で検出されるピークは、前記ストロンチウム含有結晶性シリコチタネートのうち、結晶方位が(0,1,0)であり、nが5〜7であるものに由来する。
前記のセシウム吸着剤は、回折角(2θ)=10〜13°の範囲に前記ストロンチウム含有結晶性シリコチタネートのメーンピークが検出される場合、本発明のセシウム吸着剤は、これに加えて、27°〜29°及び/又は34°〜35°の範囲に更に前記ストロンチウム含有結晶性シリコチタネートのピークが検出されることが好ましい。
本発明のセシウム吸着剤は、更に、一般式;A2 4Ti920・mH2O(式中、A2はNa、K及びSrから選ばれる1種又は2種の金属を示し、mは0〜10の数を示す。)で表されるチタン酸塩(2)を含有することが、いっそうセシウム吸着性能を向上させる観点から好ましい。チタン酸塩(2)は、Srを含むことが好ましい。従って、A2は、Sr並びに、Na及び/又はKを示すことが好ましい。チタン酸塩(2)がSrを含む場合、Sr2Ti920・mH2O及び(Nae(1-e)4Ti920・mH2O(式中、eは0以上1以下である)の組み合わせであってもよく、(Sr(1-g-f)/2Nafg4Ti920・mH2O(式中、gは0以上1未満であり、fは0以上1未満であり、g+fは1未満である)であってもよく、これらの混合物であってもよい。
本発明のセシウム吸着剤において、更にチタン酸塩(2)を含有させたものはX線源にCu−Kαを用いて回折角(2θ)が5〜80°の範囲でX線回折測定すると、前記ストロンチウム含有結晶性シリコチタネートのピークが1以上観察されると共に前記チタン酸塩(2)のピークが1以上観察されるストロンチウム含有結晶性シリコチタネートとチタン酸塩(2)を含有したものが好ましい。
本発明のセシウム吸着剤において、更にチタン酸塩(2)を含有させたものは、前記の線源及び回折角の範囲でX線回折測定したときに前記チタン酸塩(2)のメーンピークが回折角(2θ)=8〜10°に観察されることが好ましい。8〜10°に検出されるピークは、前記チタン酸塩(2)のうち、結晶方位が(010)であり、チタン酸塩(2)の式におけるmが5〜7であるものに由来する。回折角(2θ)=8〜10°の範囲に前記チタン酸塩(2)のメーンピークが検出される場合、このピークの高さは、前記ストロンチウム含有結晶性シリコチタネートに由来する回折角(2θ)=10〜13°の範囲におけるメーンピークの高さに対して1%以上150%以下であることが好ましく、30%以上100%以下であることがより好ましい。
回折角(2θ)=8〜10°の範囲に前記チタン酸塩(2)のメーンピークが検出される場合、これに加えて、27〜29°及び/又は47〜49°の範囲に更に前記チタン酸塩(2)のピークが検出されることが好ましい。
また、本発明のセシウム吸着剤において、更にチタン酸塩(2)を含有させたものは、通常、吸着剤を前記線源及び前記走査範囲のX線回折測定に供したときに特徴的なパターンを有する。具体的には、吸着剤は、2θ=25〜26°の範囲にX線回折ピークが観察されることが好ましい。回折角(2θ)=25〜26°の回折ピークが観察される場合、このピークの高さは、前記ストロンチウム含有結晶性シリコチタネートに由来する回折角(2θ)=10〜13°の範囲におけるメーンピークの高さに対して5%以上100%以下であることが好ましく、10%以上80%以下であることがより好ましい。
本発明のセシウム吸着剤は、組成分析によって得られる前記ストロンチウム含有結晶性シリコチタネートに対する前記チタン酸塩(2)のモル比(前者:後者)が、1:0.25〜0.60であることが好ましく、1:0.30〜0.58であることがより好ましく、1:0.35〜0.55であることが更に好ましい。このモル比は、具体的には、前述した<セシウム含有結晶性シリコチタネート:チタン酸塩(1)のモル比の求め方>と同様にして求めることができる。
前記ストロンチウム含有結晶性シリコチタネートのX線回折のピーク位置は、後述する一般式;M'4Ti4Si316・nH2O(式中、M'はNa及びKから選ばれる1種又は2種のアルカリ金属を示し、nは0〜8の数を示す。)で表されるセシウム非含有の結晶性シリコチタネートと共通するため、セシウム吸着剤において、前記ストロンチウム含有結晶性シリコチタネートを含有していることの確認は、X線回折と蛍光X線における元素分析とを併用して行うことが好ましい。すなわち、セシウム吸着剤において、前記ストロンチウム含有結晶性シリコチタネートを含有していることの確認は、セシウム吸着剤がX線回折測定において、前記ストロンチウム含有結晶性シリコチタネート又はストロンチウム非含有の前記結晶性シリコチタネートに由来する回折角(2θ)=10〜13°の範囲におけるメーンピークが観察されることを前提として、前記の<セシウム含有結晶性シリコチタネート:チタン酸塩のモル比の求め方>において記載した蛍光X線装置による半定量分析によりストロンチウムが検出されるか否かを確認することにより行うことができる。
また、前記ストロンチウム含有結晶性シリコチタネートは、基本的にはM'4Ti4Si316・nH2O(式中、M'はNa及びKから選ばれる1種又は2種のアルカリ金属を示し、nは0〜8の数を示す。)で表される結晶性シリコチタネート中のアルカリ金属とSrイオンとのイオン交換により、得られるものであるがストロンチウム含有結晶性シリコチタネートは、イオン交換する前の結晶性シリコチタネートとその結晶性についてほとんど変わらない、また、ストロンチウム含有結晶性シリコチタネートとチタン酸塩(2)の混合物については、回折角(2θ)=25〜26°に少し発達した回折ピークが出現するというX線的特徴も有している。
本発明のセシウム吸着剤において、セシウム吸着剤中の前記ストロンチウム含有結晶性シリコチタネート及び前記チタン酸塩(2)の合計モル数に基づき算出されるアルカリ金属の合計量のモル数100モルに対し、ストロンチウム含有結晶性シリコチタネート及び前記チタン酸塩(2)に含まれるストロンチウムのアルカリ金属換算の含有量が0.05モル以上であることが、セシウム吸着剤におけるストロンチウム吸着性能を十分抑制する観点から好ましい。また前記の合計量100モルに対して前記のストロンチウムのアルカリ金属換算の含有量が25モル以下であることが、ストロンチウムの含有によるセシウム吸着性能を低下することを確実に防止する観点や吸着剤からのストロンチウムの溶出を防止する観点から好ましい。この観点から、前記の合計量100モルに対して前記のストロンチウムのアルカリ金属換算含有量は0.05モル以上25モル以下であることがより好ましく、1モル以上18モル以下であることが更に好ましい。なお、前記結晶性シリコチタネート及び前記チタン酸塩の合計モル数に基づき算出されるアルカリ金属の合計量の求め方は、上述したセシウム含有結晶性シリコチタネート及びチタン酸塩(1)の合計モル数に基づき算出されるアルカリ金属の合計量のモル数の求め方と同様である。またストロンチウムのアルカリ金属換算含有量は、ストロンチウムのモル数を2倍することにより算出される。ストロンチウム含有結晶性シリコチタネート及び前記チタン酸塩(2)に含まれるストロンチウム含有量は、前記の<セシウム含有結晶性シリコチタネート:チタン酸塩(1)のモル比の求め方>において記載した蛍光X線装置による半定量分析により測定することができる。
本発明のセシウム吸着剤は、前記ストロンチウム含有結晶性シリコチタネート及び前記チタン酸塩(2)以外に各種バインダ等の他の成分を含んでいても良いが、吸着性能を高めることができる観点から、他の成分の含有量は低いことが好ましい。セシウム吸着剤中、前記ストロンチウム含有結晶性シリコチタネート、前記チタン酸塩(2)以外の成分の含有量の合計量は10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
本発明のセシウム吸着剤は、前記ストロンチウム含有結晶性シリコチタネート、好ましくは更に前記チタン酸塩(2)を含有することにより、結晶性シリコチタネートが有していたストロンチウム及びセシウムの吸着性能のうちセシウム吸着性能を維持しながらストロンチウムの吸着性能のみを低減できるため、ストロンチウム及びセシウムのうち、セシウムを選択的に効率よく吸着することができる。
セシウム吸着剤であっても、ストロンチウム吸着剤であっても、本発明の吸着剤の形態としては、粉末状、顆粒状、顆粒以外の成型体(球状、円柱状)等を挙げることができ、粉末状又は顆粒状であることが好ましい。
本発明の吸着剤が粒状体である場合、200μm以上1000μm以下の粒度を有することが好ましい。この粒度の粒状体からなる本発明の吸着剤には、200μmよりも細かい粒子が存在しないか或いは存在しても極微量であるため、本発明の吸着剤を吸着塔に充填して通水した場合に、粒子が吸着塔内で詰まる問題を防止することができる。また、粒径が1000μm以下である場合、吸着剤の吸着性能を向上しやすい。
具体的には、本発明の吸着剤が粒状体である場合、JIS Z8801規格による目開きが212μmの篩と、前記の目開きが1mmの篩とを用いたときに、本発明の吸着剤の98質量%以上、特に99質量%以上が目開き1mmの篩を通り且つ98質量%以上、特に99質量%以上が目開き212μmの篩を通らないことが好ましい。特に、本発明の吸着剤は、300μm以上600μm以下の粒度を有する粒状体からなることが好ましい。具体的には、JIS Z8801規格による目開きが300μmの篩と、目開きが600μmの篩とを用いたときに、本発明の吸着剤の98質量%以上、特に99質量%以上が前記の600μmの篩を通り且つ98質量%以上、特に99質量%以上が前記の300μmの篩を通らないことが好ましい。
続いて、本発明のストロンチウム吸着剤の好適な製造方法について説明する。
本製造方法では、一般式;M'4Ti4Si316・n12O(式中、M'はNa及びKから選ばれる1種又は2種のアルカリ金属を示し、n1は0〜8の数を示す。)で表される結晶性シリコチタネート(以下、単に「結晶性シリコチタネート」又は「前記結晶性シリコチタネート」と呼ぶことがある)、又は該結晶性シリコチタネート及びA’4Ti920・mH2O(式中、A’はNa及びKから選ばれる1種又は2種のアルカリ金属を示し、mは0〜10の数を示す。)で表されるチタン酸塩(3)の混合物と、セシウム塩の水溶液とを混合して、該水溶液中のセシウムイオンを吸着させる。以下、「結晶性シリコチタネート」、又は「結晶性シリコチタネートとチタン酸塩(3)の混合物」を単に「結晶性シリコチタネートを含む原料」と呼ぶことがある。
本製造方法にて結晶性シリコチタネートを含む原料として前記結晶性シリコチタネートのみを用いる場合には、線源としてCu−Kα線を用い5〜80°の範囲で該原料を測定したときに、前記結晶性シリコチタネートのピークのうち最も強度の高いピーク(以下メーンピークともいう。)が回折角(2θ)10〜13°の範囲に観察されることが好ましく、これに加えて、27°〜29°及び/又は34°〜35°の範囲にも前記結晶性シリコチタネートのピークが検出されることがより好ましい。
結晶性シリコチタネート及びチタン酸塩(3)を含む原料を得る場合、チタン酸塩(3)のメーンピークは回折角(2θ)=8〜10°に観察されることが好ましく、これに加えて、27〜29°及び/又は47〜49°の範囲に更に前記チタン酸塩(3)のピークが検出されることがより好ましい。結晶性シリコチタネートのメーンピーク高さに対する、前記チタン酸塩(3)のメーンピークの高さの比が5%以上70%以下であることが好ましく、5%以上60%以下であることがより好ましく、5%以上50%以下であることが更に好ましい。
本明細書中に記載のピーク高さの比は、ベースライン補正したX線回折ピークパターンに基づいて行う。ベースライン補正はsonneveld-visser法により行う。前記の回折ピークパターンからピーク高さを求める際には、次のようにする。まず、一つのピークが有する2つの底点を結んで直線を得る。そして当該ピークの頂点から垂線を引いて該直線と交わらせ、得られた交点と該ピークの頂点との距離をピーク高さとする。
また前記結晶性シリコチタネートを含む原料が前記チタン酸塩(3)を含有する場合、その好ましいモル比は、本発明のストロンチウム吸着剤中における前記セシウム含有結晶性シリコチタネートと前記チタン酸塩(1)の好ましいモル比として上記で挙げたモル比率と同様のモル比を挙げることができる。
前記結晶性シリコチタネートを含む原料における結晶性シリコチタネート以外の成分の量(但し、前記チタン酸塩(3)を除く)は10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがより一層好ましい。
本発明で用いる結晶性シリコチタネートを含む原料における結晶性シリコチタネートとしては、市販品を用いてもよいが、例えば、下記の製造方法により製造したものであってもよい。まずその製造方法について詳細に説明する。
本製造方法は、ケイ酸源と、ナトリウム化合物及び/又はカリウム化合物と、四塩化チタンと、水とを混合し混合ゲルを製造する第一工程と、第一工程により得られた混合ゲルを水熱反応させる第二工程とを有し、
第一工程において、混合ゲルに含まれるTiとSiとのモル比がTi/Si=0.5以上3.0以下となるように、ケイ酸源及び四塩化チタンとを添加する。この製造方法によれば、チタン化合物として結晶性シリコチタネートのみを含有する原料、並びに結晶性シリコチタネート及びチタン酸塩の両方を含有する原料のいずれも製造することができる。
第一工程において用いられるケイ酸源としては、例えば、ケイ酸ソーダが挙げられる。また、ケイ酸アルカリ(すなわちケイ酸のアルカリ金属塩)をカチオン交換することにより得られる活性ケイ酸も挙げられる。
活性ケイ酸は、ケイ酸アルカリ水溶液を例えばカチオン交換樹脂に接触させてカチオン交換して得られるものである。ケイ酸アルカリ水溶液の原料としては、通常水ガラス(水ガラス1号〜4号等)と呼ばれるケイ酸ナトリウム水溶液が好適に用いられる。このものは比較的安価であり、容易に手に入れることができる。また、Naイオンを嫌う半導体用途では、ケイ酸カリウム水溶液が原料としてふさわしい。固体状のメタケイ酸アルカリを水に溶かしてケイ酸アルカリ水溶液を調製する方法もある。メタケイ酸アルカリは晶析工程を経て製造されるので、不純物の少ないものがある。ケイ酸アルカリ水溶液は、必要に応じて水で希釈して使用する。
活性ケイ酸を調製するときに使用するカチオン交換樹脂は、公知のものを適宜選択して使用することができ、特に制限されない。ケイ酸アルカリ水溶液とカチオン交換樹脂との接触工程では、例えばケイ酸アルカリ水溶液をシリカが濃度3質量%以上10質量%以下となるように水に希釈し、次いで、希釈したケイ酸アルカリ水溶液をH型強酸性又は弱酸性カチオン交換樹脂に接触させて脱アルカリする。更に必要に応じてOH型強塩基性アニオン交換樹脂に接触させて脱アニオンすることができる。この工程によって、活性ケイ酸水溶液が調製される。ケイ酸アルカリ水溶液とカチオン交換樹脂との接触条件の詳細については、従来、様々な提案が既にあり、それら公知のいかなる接触条件も採用することができる。
第一工程において用いられるナトリウム化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムが挙げられる。これらのナトリウム化合物のうち、炭酸ナトリウムを用いると炭酸ガスが発生するため、そのようなガスの発生がない水酸化ナトリウムを用いることが、中和反応を円滑に進める観点から好ましい。第一工程において用いられるカリウム化合物としては、水酸化カリウムや炭酸カリウムが挙げられ、ナトリウム化合物と同様の理由から水酸化カリウムが好ましい。
第一工程においてナトリウム化合物及びカリウム化合物を用いる場合は、ナトリウム化合物とカリウム化合物との合計モル数に対し、カリウム化合物のモル数の割合0%超50%以下であることが好ましく、5%以上30%以下であることがより好ましい。
本製造方法では、Ti/Si比(モル比)が0.5以上3.0以下となるような量でケイ酸源及び四塩化チタンを添加する。チタン化合物として結晶性シリコチタネートのみを含む原料を得る場合、混合ゲル中のTi/Si比は1.2以上1.5以下であることが好ましい。結晶性シリコチタネートとチタン酸塩とを含む原料を得る場合は、混合ゲル中のTi/Si比は1.8以上2.2以下であることが好ましい。
また、混合ゲルに占めるSiO2換算のケイ酸源濃度とTiO2換算の四塩化チタン濃度の総量が2.0質量%以上40質量%以下であり、かつ混合ゲルに占めるA2OとSiO2のモル比がM’2O/SiO2=0.5以上3.0以下となるようにケイ酸源及び四塩化チタンを添加することが望ましい。ここでM’はNa及びKを示す。前記範囲内にケイ酸源及び四塩化チタンの添加量を調整することで、目的とする結晶性シリコチタネートの収率を満足すべき程度に高くすることができる。
なおチタン化合物として結晶性シリコチタネートのみを含む原料を得る場合は、M’2O/SiO2のモル比=0.5以上2.5以下となるようにケイ酸源及び四塩化チタンを添加することが好ましく、結晶性シリコチタネートとチタン酸塩とを含む原料を得る場合は、混合ゲル中のM’2O/SiO2のモル比=1.0以上1.8以下となるようにケイ酸源及び四塩化チタンを添加することが好ましい。
第一工程において用いられる四塩化チタンは、工業的に入手可能なものであれば、特に制限なく用いることができる。
第一工程において、ケイ酸源、ナトリウム化合物、カリウム化合物、及び四塩化チタンは、それぞれ水溶液の形態で反応系に添加することができる。場合によっては固体の形態で添加することもできる。更に第一工程では、得られた混合ゲルに対して、必要があれば純水を用いて該混合ゲルの濃度を調整することができる。
第一工程において、ケイ酸源、ナトリウム化合物、カリウム化合物、及び四塩化チタンは、種々の添加順序で添加することができる。例えば(1)ケイ酸源、ナトリウム化合物及び/又はカリウム化合物、並びに水を混合したものに、四塩化チタンを添加することにより混合ゲルを得ることができる(この添加順序のことを、以下、単に「(1)の実施」ということもある。)。この(1)の実施は、四塩化チタンから塩素の発生をおさえる点で好ましい。
第一工程における別の添加順序として、(2)ケイ酸アルカリをカチオン交換することによって得られる活性ケイ酸(以下、単に「活性ケイ酸」ということもある。)水溶液と四塩化チタンと水とを混合したものに、ナトリウム化合物及び/又はカリウム化合物を添加する、という態様を採用することもできる。この添加順序を採用しても、(1)の実施と同様に混合ゲルを得ることができる(この添加順序のことを、以下、単に「(2)の実施」ということもある。)。四塩化チタンはその水溶液の形態又は固体の形態で添加することができる。同様に、ナトリウム化合物及びカリウム化合物も、その水溶液の形態又は固体の形態で添加することができる。
(1)及び(2)の実施において、ナトリウム化合物及びカリウム化合物は、混合ゲル中のナトリウム及びカリウムの合計濃度がNa2O換算で0.5質量%以上15質量%以下、特に0.7質量%以上13質量%以下となるように添加されることが好ましい。混合ゲル中におけるナトリウム及びカリウムの合計のNa2O換算質量及び混合ゲル中におけるナトリウム及びカリウムの合計のNa2O換算の濃度(以下「ナトリウム及びカリウムの合計濃度(第一工程でカリウム化合物を用いない場合、ナトリウム濃度)」と言う)は、以下の式で計算される。
混合ゲル中におけるナトリウム及びカリウムの合計のNa2O換算質量(g)=ケイ酸ソーダ由来のナトリウムイオンのモル数+水酸化ナトリウム等のナトリウム化合物由来のナトリウムイオンのモル数+水酸化カリウム等のカリウム化合物由来のカリウムイオンのモル数−四塩化チタン由来の塩化物イオンのモル数)×0.5×Na2O分子量

混合ゲル中におけるナトリウム及びカリウムの合計のNa2O換算の濃度(質量%)=
混合ゲル中におけるナトリウム及びカリウムの合計のNa2O換算質量/(混合ゲル中の水分量+混合ゲル中におけるナトリウム及びカリウムの合計のNa2O換算質量)×100
ケイ酸源の選択と混合ゲル中のナトリウム及びカリウムの合計濃度の調整を組み合わせることにより、Ti:Siのモル比が4:3の結晶性シリコチタネート以外の結晶性シリコチタネートの生成を抑制することができる。ケイ酸源としてケイ酸ソーダ又はケイ酸カリを用いた場合、混合ゲル中のナトリウム及びカリウムの合計濃度をNa2O換算で2.0質量%以上とすることで、Ti:Siのモル比が5:12の結晶性シリコチタネートの生成を効果的に抑制することが可能となり、一方、混合ゲル中のナトリウム及びカリウムの合計濃度をNa2O換算で6.0質量%以下とすることで、Ti:Siのモル比が1:1の結晶性シリコチタネートの生成を効果的に抑制することが可能となる。また、ケイ酸源としてケイ酸アルカリをカチオン交換することにより得られる活性ケイ酸を用いた場合、Na2O換算で1.0質量%以上とすることで、Ti:Siのモル比が5:12の結晶性シリコチタネートの生成を効果的に抑制することが可能となり、一方、混合ゲル中のナトリウム及びカリウムの合計濃度をNa2O換算で6.0質量%以下とすることで、Ti:Siのモル比が1:1の結晶性シリコチタネートの生成を効果的に抑制することが可能となる。
なお、ケイ酸源としてケイ酸ナトリウムを用いた場合は、ケイ酸ナトリウム中のナトリウム成分は、同時に混合ゲル中のナトリウム源となる。したがって、ここで言う「混合ゲル中におけるナトリウムのNa2O換算質量(g)」とは、混合ゲル中のすべてのナトリウム成分の和として計数される。
(1)及び(2)の実施において、四塩化チタンの添加は、均一なゲルを得るため一定の時間をかけて、四塩化チタン水溶液として段階的又は連続的に行うことが望ましい。このため、四塩化チタンの添加にはペリスタポンプ等を好適に用いることができる。
第一工程により得られた混合ゲルは、後述する第二工程である水熱反応を行う前に、0.1時間以上5時間以下の時間にわたり、10℃以上100℃以下で熟成を行うことが、均一な生成物を得る点で好ましい。熟成工程は、例えば静置状態で行ってもよく、あるいはラインミキサーなどを用いた撹拌状態で行ってもよい。
本発明においては第一工程において得られた前記混合ゲルを、第二工程である水熱反応に付して結晶性シリコチタネートを得る。水熱反応としては、結晶性シリコチタネートが合成できる条件であれば、いかなる条件であってもよく制限されない。通常、オートクレーブ中で好ましくは120℃以上200℃以下、より好ましくは140℃以上180℃以下の温度において、好ましくは6時間以上90時間以下、更に好ましくは12時間以上80時間以下の時間にわたって、加圧下に反応させる。反応時間は、合成装置のスケールに応じて選定できる。
前記第二工程で得られた含水状態の結晶性シリコチタネートは乾燥させ、得られた乾燥物を必要により解砕又は粉砕して粉末状(粒状を含む)とすることができる。また、含水状態の結晶性シリコチタネートを複数の開孔が形成された開孔部材から押出成形して棒状成形体を得、得られた該棒状成形体を乾燥させて柱状にしてもよいし、乾燥させた該棒状成形体を球状に成形したり、解砕又は粉砕して粒子状としてもよい。後者の場合つまり乾燥前に押出成形を行う場合、後述する分級方法により回収される結晶性シリコチタネートの収率を高めることができる。ここで、解砕とは、細かい粒子が集まって一塊になっているものをほぐす操作をいい、粉砕とはほぐされた固体粒子に対し,機械的な力を作用させさらに細かくする操作をいう。
開孔部材に形成された孔の形状としては、円形、三角形、多角形、環形等を挙げることができる。開孔の真円換算径は0.1mm以上10mm以下が好ましく、0.3mm以上5mm以下がより好ましい。ここでいう真円換算径は、孔一つの面積を円面積とした場合の該面積から算出される円の直径である。押出成形後の乾燥温度は例えば例えば50℃以上200℃以下とすることができる。また乾燥時間は1時間以上120時間以下とすることができる。
乾燥させた棒状成形体は、そのままでも前記結晶性シリコチタネートを含む原料として用いることができるし、軽くほぐして用いてもよい。また乾燥後の棒状成形体は粉砕して用いてもよい。これら各形状の結晶性シリコチタネートは、更に分級してから焼成の原料として用いることが、本発明の吸着剤のストロンチウムの吸着効率を高める等の観点から好ましい。分級は、例えばJISZ8801−1に規定する公称目開きが1000μm以下、特に800μm以下の第1の篩を用いることが好ましい。また前記の公称目開きが100μm以上、特に300μm以上の第2の篩を用いて行うことも好ましい。更に、これら第1及び第2の篩を用いて行うことが好ましい。
上記の製造方法により、反応条件を適宜選択するだけで、X線回折的に結晶性シリコチタネートが実質単相の原料を製造できるだけでなく、結晶性シリコチタネート及びチタン酸塩(3)を含有する原料を一気に製造できる。
なお、結晶性シリコチタネート及びチタン酸塩(3)を含む原料は、上記の製造方法により結晶性シリコチタネート及びチタン酸塩を一度に製造してもよいし、また上記の製造方法のように結晶性シリコチタネートをX線回折的に単相のものを製造した後、別途市販又は公知の方法で製造したチタン酸塩(3)を混合処理して結晶性シリコチタネート及びチタン酸塩(3)を含む原料を得てもよい。
セシウム塩の水溶液におけるセシウム塩は水溶性セシウム塩を用いることが好ましく、例えば、塩化セシウム、硫酸セシウム、硝酸セシウム、酢酸セシウム、フッ化セシウム、臭化セシウム、ヨウ化セシウム、炭酸セシウム、水酸化セシウム等を好適に用いることができる。セシウム塩の水溶液の25℃におけるpHは4以上13以下が好ましく、8以上12以下がより好ましい。
セシウム塩の水溶液におけるセシウムの含有量は、0.01質量%以上であることが、セシウムの吸着性能を効率よく低減させる観点から好ましい。またセシウム塩の水溶液におけるセシウムの含有量は、25質量%以下であることが、本発明の効果の高い吸着剤を安定的に得る観点から好ましい。この観点から、セシウム塩の水溶液におけるセシウムの含有量は、0.01質量%以上25質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上10質量%以下であることが更に好ましい。なお、このセシウムの含有量は、セシウム塩ではなく、セシウム単体の含有量を指す。
前記結晶性シリコチタネートを含む原料と、セシウム塩の水溶液とを混合する。この混合は、セシウム塩の水溶液中に前記混合物を分散することにより行うことができる。セシウム塩の水溶液と前記結晶性シリコチタネートを含む原料との混合比率は、前記結晶性シリコチタネートを含む原料中におけるNa及びKの合計モル数100モルに対し、水溶液中のセシウムのモル数が0.1モル以上であることが、セシウムの吸着性能を十分に低減させた吸着剤を得る観点から好ましい。また混合物の含有量は混合物中のNa及びKの合計モル数100モルに対し、水溶液中のセシウムのモル数が100モル以下であることが、ストロンチウムの吸着性能を十分に高い吸着剤を得る観点から好ましい。この観点から前記結晶性シリコチタネートを含む原料のNa及びKの合計モル数100モルに対し、水溶液中のセシウムのモル数は0.1モル以上100モル以下であることが好ましく、1モル以上20モル以下であることがより好ましい。
分散時における撹拌は行っても良く行わなくても良い。好ましくは、セシウム塩の水溶液中において、前記結晶性シリコチタネートを含む原料を分散させた状態を一定時間を維持することにより、混合物に水溶液中のセシウムを吸着させる。これは、単に、前記結晶性シリコチタネートを含む原料を分散させた状態で一定時間静置しておけばよいが、連続的に或いは不連続的に撹拌を行いながら混合物に水溶液中のセシウムを吸着させてもよい。前記結晶性シリコチタネートを含む原料にセシウムを吸着させる時間は、0.5時間以上24時間以下であることが好ましく、1時間以上24時間以下であることがより好ましい。
また前記結晶性シリコチタネートを含む原料にセシウムを吸着させる温度としては、例えば0℃以上100℃以下で行うことが、好ましく、5℃以上50℃以下で行うことがより好ましい。
前記の吸着処理後、混合物はそのまま吸着剤として使用してもよいし、適宜洗浄や乾燥、成形、分級、解砕等の各種の処理を行った後に吸着剤として使用してもよい。
以上の製造方法で得られる吸着剤は、未成形体又は成形体である吸着剤として各種の用途に用いることができる。なお、本発明のストロンチウム吸着剤を成形体とする場合、粉末状等の未成形体の結晶性シリコチタネートを含む原料とセシウム塩の水溶液とを混合し、結晶性シリコチタネートを含む原料にセシウムを吸着させた後に成形してもよく、顆粒等の成形体である結晶性シリコチタネートを含む原料とセシウム塩の水溶液とを混合し、成型体である結晶性シリコチタネートを含む原料にセシウムを吸着させてもよい。
続いて、本発明のセシウム吸着剤の好適な製造方法について説明する。
本製造方法において用いる結晶性シリコチタネートを含む原料としては、上記で説明したストロンチウム吸着剤の好適な製造方法において用いる前記結晶性シリコチタネートを含む原料と同様のものを用いることができる。
ストロンチウム塩の水溶液におけるストロンチウム塩は水溶性ストロンチウム塩を用いることが好ましく、例えば、塩化ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、フッ化ストロンチウム、臭化ストロンチウム、ヨウ化ストロンチウム、酢酸ストロンチウム、水酸化ストロンチウム等を好適に用いることができる。ストロンチウム塩の水溶液の25℃におけるpHは1以上12以下が好ましく、2以上6以下がより好ましい。
ストロンチウム塩の水溶液におけるストロンチウムの含有量は、0.01質量%以上であることが、ストロンチウムの吸着性能を効率よく低減させる観点から好ましい。またストロンチウム塩の水溶液におけるストロンチウムの含有量は、25質量%以下であることが、本発明の効果の高い吸着剤を安定的に得る観点から好ましい。この観点から、ストロンチウム塩の水溶液におけるストロンチウムの含有量は、0.01質量%以上25質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上10質量%以下であることが更に好ましい。なお、このストロンチウムの含有量は、ストロンチウム塩ではなく、ストロンチウム単体の含有量を指す。
前記結晶性シリコチタネートを含む原料とストロンチウム塩の水溶液とを混合する。混合は、ストロンチウム塩の水溶液中に前記原料を分散することにより行うことができる。ストロンチウム塩の水溶液と前記結晶性シリコチタネートを含む原料との混合比率は、前記結晶性シリコチタネートを含む原料中におけるNa及びKの合計モル数100モルに対し、水溶液中のストロンチウムのアルカリ金属換算のモル数が0.1モル以上であることが、ストロンチウムの吸着性能を十分に低減させた吸着剤を得る観点から好ましい。また原料の含有量は混合物中のNa及びKの合計モル数100モルに対し、水溶液中のストロンチウムのモル数が100モル以下であることが、セシウムの吸着性能の十分に高い吸着剤を得る観点から好ましい。この観点から前記結晶性シリコチタネートを含む原料のNa及びKの合計モル数100モルに対し、水溶液中のストロンチウムのモル数は0.1モル以上100モル以下であることが好ましく、1モル以上20モル以下であることがより好ましい。
その他、前記結晶性シリコチタネートを含む原料とストロンチウム塩の水溶液との混合方法は、ストロンチウム吸着剤の製造方法の説明について上記で述べた前記結晶性シリコチタネートを含む原料とセシウム塩の水溶液との混合方法の条件を適宜採用することができる。また、前記結晶性シリコチタネートを含む原料にストロンチウムを吸着させる時間及び当該原料にストロンチウムを吸着させる温度についても、上記ストロンチウム吸着剤の製造方法の説明について述べた、当該結晶性シリコチタネートを含む原料にセシウムを吸着させる時間及び温度についての条件を適宜採用することができる。
上述したストロンチウム吸着剤の製造方法及びセシウム吸着剤の製造方法によって得られる顆粒状の吸着剤は、放射性物質吸着剤を充填してなる吸着容器及び吸着塔を有する水処理システムの吸着剤として好適に使用することが出来る。
また、本発明のストロンチウム吸着剤及びセシウム吸着剤は、これを例えば不織布などの各種の吸着シートやマットに使用する場合、そのまま粉末状体として材料を加工する際に添加することにより用いられる。不織布に吸着剤を固定する具体的な方法としては、粉末状の吸着剤を、エマルジョン化した樹脂バインダとともに、水に分散させ、これに、不織布を含浸添着させたのち乾燥する方法が挙げられる。この樹脂バインダとしては、例えば、ラテックスバインダ、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、アクリレートの共重合体、メタクリレートの共重合体、スチレンブタジエン共重合体、スチレンアクリル共重合体、エチレンビニルアセテート共重合体、ニトリルゴム、アクリルニトリルブタジエン共重合体、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。不織布としては例えばポリエステル及び/又はポリオレフィン繊維で構成されるものが用いられる。不織布に固定する前に必要に応じ、吸着剤の粒度を上記の平均粒子径2μm以上10μm以下の範囲に調整することが好ましい。
このように吸着剤を塗布した不織布を、例えば吸着剤を塗布した面を内側にして巻回した形態とすることで、水処理に好適に用いることができる。
以下に、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。特に断らない限り「%」は「質量%」を表す。実施例及び比較例で使用した評価装置及び使用材料は以下のとおりである。
<評価装置>
X線回折:Bruker社 D8 AdvanceSを用いた。線源としてCu−Kαを用いた。測定条件は、管電圧40kV、管電流40mA、走査速度0.1°/secとした。
ICP−AES:Varian社720−ESを用いた。Csの測定波長は697.327nm、Srの測定波長は216.596nmとしてCs及びSrの吸着試験を行った。標準試料はNaClを0.3%含有したCs:100ppm、50ppm及び10ppmの水溶液、並びにNaClを0.3%含有したSr:100ppm、10ppm及び1ppmの水溶液を使用した。
<使用材料>
・3号ケイ酸ソーダ:日本化学工業株式会社製(SiO2:28.96%、Na2O:9.37%、H2O:61.67%、SiO2/Na2O=3.1)。
・苛性ソーダ水溶液:工業用25%水酸化ナトリウム(NaOH:25%、H2O:75%)。
・苛性カリ:固体試薬 水酸化カリウム(KOH:85%)。
・四塩化チタン水溶液:株式会社大阪チタニウムテクノロジーズ社製36.48%水溶液
・塩化セシウム:固体試薬CsCl
・塩化ストロンチウム:固体試薬SrCl2
〔製造例1〕
<結晶性シリコチタネートの合成>
(1)第一工程
3号ケイ酸ソーダ60g、苛性ソーダ水溶液224.3g、苛性カリ34.6g及びイオン交換水82.5gを混合し撹拌して混合水溶液を得た。この混合水溶液に、四塩化チタン水溶液203.3gをペリスタポンプで0.5時間にわたって連続的に添加して混合ゲルを製造した。当該混合ゲルは、四塩化チタン水溶液の添加後、1時間にわたり室温(25℃)で静置熟成した。混合ゲル中のTi/Siモル比:1.33、K2O/N2Oモル比:25/75、SiO2換算濃度a:2.83%、TiO2換算濃度b:5.14%、a+b:7.97、A2O/SiO2モル比:0.926、Na2O換算濃度:3.71%であった。
(2)第二工程
第一工程で得られた混合ゲルをオートクレーブに入れ、1時間かけて170℃に昇温したのち、この温度を維持しながら撹拌下に96時間反応を行った。反応後のスラリーを濾過し、得られたケーキを直径0.6μmの円形の開孔部材で押出成形した後、乾燥し、分級して粒度が300μm以上600μm以下の粒状物を得た。得られた粒状物をX線回折測定した。その結果を図1に示す。図1に示すX線回折測定の結果より、得られた粒状物は一般式;M’4Ti4Si316・nH2O(式中、M’はNa及びKから選ばれる1種又は2種のアルカリ金属を示し、nは0〜8の数を示す。)で表される結晶性シリコチタネートの単相と判断された。尚、図1以降において「GTS」は前記結晶性シリコチタネートを表す。
〔製造例2〕
<結晶性シリコチタネート及びチタン酸塩(3)の混合物の合成>
(1)第一工程
3号ケイ酸ソーダ90g、苛性ソーダ水溶液667.49g及び純水84.38gを混合し撹拌して混合水溶液を得た。この混合水溶液に、四塩化チタン水溶液443.90gをペリスタポンプで1時間20分にわたって連続的に添加して混合ゲルを製造した。当該混合ゲルは、四塩化チタン水溶液の添加後、1時間にわたり室温で静置熟成した。
(2)第二工程
第一工程で得られた混合ゲルをオートクレーブに入れ、1時間かけて170℃に昇温したのち、この温度を維持しながら撹拌下に24時間反応を行った。反応後のスラリーを濾過し、得られたケーキを0.6μmの押し出し径で押し出し成形した後、乾燥し、分級して粒度が300μm以上600μm以下の粒状物を得た。得られた粒状物をX線回折構造した。その結果を図2に示す。図2に示すように、得られた粒状物は主相Na4Ti4Si316・nH2Oであり、Na4Ti920・mH2Oが検出され、前記結晶性シリコチタネート及び前記チタン酸塩(3)の混合物であることが確認された。また粒状物は2θ=10〜13°の範囲に観察されるNa4Ti4Si316・6H2Oに由来するメーンピーク(M.P.)の高さに対して、2θ=8〜10°に範囲に観察されるNa4Ti920・5〜7H2Oに由来するM.P.の高さの比が38.5%であった。
〔実施例1-1〕
5%Cs(6.3%CsCl)水溶液200gに、製造例1で得た粒状物100gを分散して軽く撹拌後、1昼夜、室温で静置した。その後、白濁しなくなるまでデカンテーションをして微粒子を除去し、結晶性シリコチタネートにセシウムを含有させた吸着剤を得た。得られた吸着剤を上記の方法にてX線回折測定した。その結果を図3に示す。図3に示すように、結晶性シリコチタネートにセシウムを含有させたものは、セシウム含有前の結晶性シリコチタネート(図1)に比べて、特に回折角(2θ)10〜13°の範囲に観察されるメーンピークの強度が低くなっており、結晶性が低くなっていた。尚、図3において「Cs−GTS」はセシウム含有結晶性シリコチタネートを表す。
〔実施例1-2〕
5%Cs(6.3%CsCl)水溶液200gに、製造例2で得た粒状物100gを分散して軽く撹拌後、1昼夜、室温で静置した。その後、白濁しなくなるまでデカンテーションをして微粒子を除去し、結晶性シリコチタネートとチタン酸塩の混合物にセシウムを含有させた吸着剤を得た。得られた吸着剤を上記の方法にてX線回折測定した。その結果を図4に示す。図4に示すように、結晶性シリコチタネートとチタン酸塩の混合物にセシウムを含有させたものは、セシウム含有前の結晶性シリコチタネートとチタン酸塩(3)の混合物(図2)に比べて、特に2θ=10〜13°の範囲に観察されるメーンピークの強度が低くなっており、結晶性シリコチタネートの結晶性が低くなっていた。2θ=10〜13°の範囲に観察される上記メーンピークに対する2θ=8〜10°に観察されるチタン酸塩(1)のピーク高さの比は160%であった。また、2θ=22.81°にセシウム含有結晶性シリコチタネートとセシウム含有チタン酸塩(1)の混合物に特徴的と見られるやや発達したピークが現れた。2θ=10〜13°の範囲に観察される上記メーンピークに対する2θ=22.81°に観察されるピーク高さの比は105%であった。尚、図4において「Cs(GTS+SNT)」はセシウム含有結晶性シリコチタネート及びセシウム含有チタン酸塩(1)を表す。
〔実施例2〕
用いたCsCl水溶液を、CsCl濃度が5%のものから0.5%のものに変更した以外は、実施例1−2と同様にして、吸着剤を得た。
〔比較例1−1及び比較例1−2〕
製造例1及び製造例2で得た粒状物をそのまま比較例1−1(製造例1)〜1−2(製造例2)の吸着剤とした。
製造例1、製造例2、実施例1−1、1−2及び2で得られた吸着剤について、上記蛍光X線装置にて、元素分析を行い、吸着剤中の各成分のモル数を測定した。その結果を表1に示す。下記表1に記載するように、製造例1に比べて実施例1−1ではCsを新たに含有している一方で、Na及びKのモル数が減少している。また、製造例2に比べて実施例1−2ではCsを新たに含有している一方で、Naのモル数が減少している。このように、実施例1−1及び実施例1−2の吸着剤では、製造例1及び2で得られた結晶性シリコチタネート及びチタン酸塩におけるNa及び/又はKの一部がCsに置換されていることが判る。また得られたCsのモル数をセシウム含有結晶性シリコチタネート及びチタン酸塩(1)におけるセシウムのモル数とみなして、上記の方法にて、セシウム含有結晶性シリコチタネート及びチタン酸塩(1)の合計モル数に基づき算出されるアルカリ金属の合計量100モルに対するセシウム含有結晶性シリコチタネート及びチタン酸塩(1)におけるセシウム量を算出した。その結果を表1に示す。
実施例1―1〜1−2及び実施例2、比較例1−1〜1−2の吸着剤について、以下の<Cs及びSrの吸着試験>に供した。
<Cs及びSrの吸着試験>
カラムとして内径φ12mmのものを用いた。このカラムに高さが4.5cm(容積5ml)となるように、吸着剤試料を充填した。カラムに、下記組成の模擬海水を通液した。通液流量は、16.7(ml/min)、LV=8.9(m/h)、SV=200(1/h)とした。定期的にサンプリングした試験液におけるセシウム濃度とストロンチウム濃度をICP-AESにて測定し、初期濃度Coに対する通液後濃度Cの比率(Co/C)を求めた。結果を図5及び図6に示す。
模擬海水の組成:NaCl:0.13%、Mg:63ppm、Ca:20ppm、K:19ppm、Cs:120ppm、Sr:30ppm、pH5.5〜6
図5の結果より、結晶性シリコチタネート或いは結晶性シリコチタネート及びチタン酸塩の混合物にセシウムを含有させた本発明の吸着剤は、セシウムを含有しない、結晶性シリコチタネート(比較例1−1)或いは結晶性シリコチタネート及びチタン酸塩の混合物(比較例1―2)を用いた場合に比べて、セシウムの吸着性能が低下していた。
一方図6の結果より、結晶性シリコチタネート或いは結晶性シリコチタネート及びチタン酸塩の混合物にセシウムを含有させた本発明の吸着剤は、ストロンチウムの吸着性能については、セシウムを含有しない、結晶性シリコチタネート或いは結晶性シリコチタネート及びチタン酸塩の混合物を用いた場合に比べて、ストロンチウムの吸着性能は変わらなかった。
従って、本発明の吸着剤は、結晶性シリコチタネート及びチタン酸塩中にセシウムを含有することにより、セシウム及びストロンチウムのうちストロンチウムを選択的かつ効率良く吸着する吸着剤として好適に用いることができることが判る。
また、吸着試験後のストロンチウム吸着剤を上記の方法でX線回折測定して得られたXRDチャートを図7に示す。図7に示すように当該チャートでは2θ=25.12°の位置にSr吸着前のセリウム含有結晶性シリコチタネート及びチタン酸塩(1)では観察されなかった回折ピークが観察された。
〔実施例3〕
1.25%Sr(2.26%SrCl2)水溶液200gに、製造例2で得た粒状物100gを分散して軽く撹拌後、1昼夜室温で放置した。その後、白濁しなくなるまでデカンテーションをして微粒子を除去し、結晶性シリコチタネート及びチタン酸塩にストロンチウムを含有させた吸着剤を得た。この吸着剤を上記の方法でX線回折測定して得られたXRDチャートを図8に示す。図8に示すように当該チャートでは2θ=25.15°の位置にストロンチウム含有結晶性シリコチタネート及びストロンチウム含有チタン酸塩(2)の混合物に特徴的とみられる回折ピークが観察された。図8において、2θ=10〜13°の範囲に観察される上記メーンピークに対する2θ=8〜10°に観察されるチタン酸塩(2)のピーク高さの比は74%であった。また、2θ=10〜13°の範囲に観察される上記メーンピークに対する2θ=25.15°に観察されるピークの高さ比は36%であった。尚、図8において「Sr(GTS+SNT)」はストロンチウム含有結晶性シリコチタネート及びストロンチウム含有チタン酸塩(2)を表す。
また、吸着剤について、蛍光X線装置にて、元素分析を行い、吸着剤中の各成分のモル数を測定した。その結果を表2に示す。下記表1及び表2に記載するように、製造例2に比べて実施例3ではSrを新たに含有している一方で、Naのモル数が減少している。このように、実施例3の吸着剤では、製造例2で得られた結晶性シリコチタネート及びチタン酸塩(3)におけるNaの一部がSrに置換されていることが判る。また得られたSrのモル数をストロンチウム含有結晶性シリコチタネート及びチタン酸塩(2)におけるストロンチウムのモル数とみなして、上記の方法にて、ストロンチウム含有結晶性シリコチタネート及びチタン酸塩(2)の合計モル数に基づき算出されるアルカリ金属の合計量100モルに対するストロンチウム含有結晶性シリコチタネート及びチタン酸塩(2)におけるストロンチウム量を算出した。その結果を表2に示す。
実施例3及び比較例1―2の吸着剤について、上記の<Cs及びSrの吸着試験>に供した。その結果を図9及び図10に示す。
図9の結果より、結晶性シリコチタネート及びチタン酸塩の混合物にストロンチウムを含有させた本発明の吸着剤は、ストロンチウムを含有しない、結晶性シリコチタネート及びチタン酸塩の混合物を用いた場合に比べて、ストロンチウムの吸着性能が低下していた。
一方図10の結果より、結晶性シリコチタネート及びチタン酸塩の混合物にストロンチウムを含有させた本発明の吸着剤は、ストロンチウムの吸着性能については、ストロンチウムを含有しない、結晶性シリコチタネート及びチタン酸塩の混合物を用いた場合に比べて、セシウムの吸着性能は変わらなかった。
従って、本発明の吸着剤は、結晶性シリコチタネート及びチタン酸塩の混合物にストロンチウムを含有させることにより、セシウム及びストロンチウムのうちセシウムを選択的に吸着可能であることが判る。

Claims (13)

  1. 一般式;M1 4Ti4Si316・nH2O(式中、M1は、Cs並びに、Na及び/又はKを示し、nは0〜8の数を示す。)で表されるセシウム含有結晶性シリコチタネートを含有する、ストロンチウム吸着剤。
  2. 更に、一般式;A1 4Ti920・mH2O(式中、A1はNa、K及びCsから選ばれる1種又は2種の金属を示し、mは0〜10の数を示す。)で表されるチタン酸塩(1)を含有する、ストロンチウム吸着剤。
  3. 前記セシウム含有結晶性シリコチタネート及び前記チタン酸塩(1)の合計モル数に基づき算出されるアルカリ金属の合計量100モルに対し、前記セシウム含有結晶性シリコチタネート及び前記チタン酸塩(1)に含まれるセシウムの含有量が0.05モル以上25モル以下である、請求項2に記載のストロンチウム吸着剤。
  4. 一般式;M2 4Ti4Si316・nH2O(式中、M2はSr並びに、Na及び/又はKを示し、nは0〜8の数を示す。)で表されるストロンチウム含有結晶性シリコチタネートを含有する、セシウム吸着剤。
  5. 更に、一般式;A2 4Ti920・mH2O(式中、A2はNa、K及びSrから選ばれる1種又は2種の金属を示し、mは0〜10の数を示す。)で表されるチタン酸塩(2)を含有する、請求項4に記載のセシウム吸着剤。
  6. ストロンチウム含有結晶性シリコチタネート及び前記チタン酸塩(2)の合計モル数に基づき算出されるアルカリ金属の合計量100モルに対し、前記ストロンチウム含有結晶性シリコチタネート及び前記チタン酸塩(2)に含まれるストロンチウムのアルカリ金属換算の含有量が0.05モル以上25モル以下である、請求項5に記載のセシウム吸着剤。
  7. X線源にCu−Kαを用いて粉末X線回折測定したときに、回折角(2θ)=25〜26°の範囲にピークが観察される、請求項4乃至6のいずれか1項に記載のセシウム吸着剤。
  8. ストロンチウム吸着剤の製造方法であって、
    一般式;M'4Ti4Si316・nH2O(式中、M'はNa及びKから選ばれる1種又は2種のアルカリ金属を示し、nは0〜8の数を示す。)で表される結晶性シリコチタネートと、セシウム塩の水溶液とを混合して、該水溶液中のセシウムイオンを該混合物に吸着させる、ストロンチウム吸着剤の製造方法。
  9. ストロンチウム吸着剤の製造方法であって、
    一般式;M'4Ti4Si316・nH2O(式中、M'はNa及びKから選ばれる1種又は2種のアルカリ金属を示し、nは0〜8の数を示す。)で表される結晶性シリコチタネートと、A’4Ti920・mH2O(式中、A’はNa及びKから選ばれる1種又は2種のアルカリ金属を示し、mは0〜10の数を示す。)で表されるチタン酸塩(3)との混合物と、セシウム塩の水溶液とを混合して、該水溶液中のセシウムイオンを該混合物に吸着させる、ストロンチウム吸着剤の製造方法。
  10. セシウム吸着剤の製造方法であって、
    一般式;M'4Ti4Si316・nH2O(式中、M'はNa及びKから選ばれる1種又は2種のアルカリ金属を示し、nは0〜8の数を示す。)で表される結晶性シリコチタネートと、ストロンチウム塩の水溶液とを混合して、該水溶液中のストロンチウムイオンを該混合物に吸着させる、セシウム吸着剤の製造方法。
  11. セシウム吸着剤の製造方法であって、
    一般式;M'4Ti4Si316・nH2O(式中、M'はNa及びKから選ばれる1種又は2種のアルカリ金属を示し、nは0〜8の数を示す。)で表される結晶性シリコチタネートと、A’4Ti920・mH2O(式中、A’はNa及びKから選ばれる1種又は2種のアルカリ金属を示し、mは0〜10の数を示す。)で表されるチタン酸塩(3)との混合物と、ストロンチウム塩の水溶液とを混合して、該水溶液中のストロンチウムイオンを該混合物に吸着させる、セシウム吸着剤の製造方法。
  12. 請求項1乃至3の何れか1項に記載のストロンチウム吸着剤をセシウム及びストロンチウムを含む溶液に接触させる、ストロンチウムの吸着方法。
  13. 請求項4乃至6の何れか1項に記載のセシウム吸着剤をセシウム及びストロンチウムを含む溶液に接触させる、セシウムの吸着方法。
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