JP5758057B1 - 結晶性シリコチタネートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】海水においてもCs及びSrの吸着除去特性に優れた吸着材、及び該吸着材に好適な結晶性シリコチタネートの製造方法を提供すること。【解決手段】本発明の吸着材は、Na4Ti4Si3O16・nH2O、(NaxK(1-x))4Ti4Si3O16・nH2O及びK4Ti4Si3O16・nH2O(これらの式中、xは0超1未満の数を示し、nは0〜8の数を示す。)で表される結晶性シリコチタネートから選ばれる少なくとも一種と、Na4Ti9O20・mH2O、(NayK(1-y))4Ti9O20・mH2O及びK4Ti9O20・mH2O(yは0超1未満の数を示し、mは0〜10の数を示す。)で表されるチタン酸塩から選ばれる少なくとも一種とを含む。該吸着材は、ケイ酸源と、ナトリウム及び/又はカリウム化合物と、四塩化チタンと、水とを混合して混合ゲルを得、該混合ゲルを水熱反応させる結晶性シリコチタネートの製造方法により好適に製造される。【選択図】図2

Description

本発明は、海水中のセシウム又はストロンチウムを選択的にかつ効率的に分離・回収しうる吸着材、及び該吸着材に好適に用い得る結晶性シリコチタネートの製造方法に関する。
従来、放射性物質を含む排水の処理技術としては共沈処理が知られている(下記特許文献1参照)。しかし、水溶性である放射性セシウム及び放射性ストロンチウムについては、前記共沈処理は有効ではなく、現在、ゼオライトなどの無機系吸着材による吸着除去が行われている(下記特許文献2参照)。
しかしながら、海水中に放射性セシウム及び放射性ストロンチウムが流出した場合においては、海水成分のナトリウム濃度の増加はセシウムと吸着材とのイオン交換反応を抑制する方向に作用する(下記非特許文献1参照)といった問題が知られている。
セシウム及び/又はストロンチウムの吸着性についてこれまでに研究されている無機系吸着材の一つとして、結晶性シリコチタネートが挙げられる。結晶性シリコチタネートは、Ti/Si比が1:1のもの、5:12のもの、2:1のもの等、複数種類の組成のものが知られているが、その他に、Ti/Si比が4:3である結晶性シリコチタネートが存在することが知られている。非特許文献2には、Ti源としてTi(OET)というアルコキシドを用い、Si源としてコロイダルシリカを用いた水熱処理により製造した製造物3B及び3Cは、そのX線回折パターンから、3次元的な8員環構造を有していること、この構造の結晶性シリコチタネートは、理想的にはMTiSi16(MはNa、K等)で表される組成を有することを報告し、この構造の結晶性シリコチタネートにGrace titanium silicate(GTS−1)と名付けている。また、非特許文献3にはTi/Si比が4:3である結晶性シリコチタネートを、Ti/Si比が0.32の混合溶液に水熱合成処理を行うことにより製造した旨が記載されている。同文献には、合成した結晶性シリコチタネートが、ストロンチウムイオン交換能を有する旨が記載されている。
特開昭62−266499号公報 特開2013−57599号公報
JAEA−Research 2011−037 ZEOLITES,1990,Vol 10,November/December 藤原 恵子、"ヒートポンプ吸着材としてのマイクロポーラスクリスタルの改質と評価"、[online]、[2014年3月3日検索]、インターネット<URL:http://kaken.nii.ac.jp/pdf/2011/seika/C-19/15501/21560846seika.pdf>
上記の通り、従来、Ti/Si比が4:3である結晶性シリコチタネートについてはストロンチウム交換能を有することが報告されているものの、更なるストロンチウムやセシウムの吸着性能の向上が望まれている。したがって本発明の課題は、海水中においてもセシウム及びストロンチウムの吸着性能の高い吸着材、及び該吸着材として有効な結晶性シリコチタネートの工業的に有利な製造方法を提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、前記の特定組成の結晶性シリコチタネートが、特定のチタン酸塩を含む場合、海水からのセシウム及びストロンチウムの吸着性能が高いことを見出した。
更に、本発明者らは、ケイ酸源と、ナトリウム化合物及び/又はカリウム化合物と、四塩化チタンと、水とを添加して、Ti:Siの比が特定比である混合ゲルを得た後、得られた混合ゲルを水熱反応させることで、海水からのセシウム及びストロンチウムの吸着材として有用な結晶性シリコチタネート、特に、前記の特定のチタン酸塩を含む結晶性シリコチタネートが効率よく得られること、を見いだした。
すなわち本発明は、一般式;Na4Ti4Si316・nH2O、(Nax(1-x)4Ti4Si316・nH2O及びK4Ti4Si316・nH2O(これらの式中、xは0超1未満の数を示し、nは0〜8の数を示す。)で表される結晶性シリコチタネートから選ばれる少なくとも一種と、一般式;Na4Ti920・mH2O、(Nay(1-y)4Ti920・mH2O及びK4Ti920・mH2O(これらの式中、yは0超1未満の数を示し、mは0〜10の数を示す。)で表されるチタン酸塩から選ばれる少なくとも一種を含む、セシウム又はストロンチウムの吸着材を提供するものである。
また、本発明は、一般式;Na4Ti4Si316・nH2O、(Nax(1-x)4Ti4Si316・nH2O及びK4Ti4Si316・nH2O(これらの式中、xは0超1未満の数を示し、nは0〜8の数を示す。)で表される結晶性シリコチタネートから選ばれる少なくとも一種の製造方法であって、
ケイ酸源と、ナトリウム化合物及び/又はカリウム化合物と、四塩化チタンと、水とを混合して混合ゲルを得る第一工程と、
第一工程により得られた混合ゲルを水熱反応させる第二工程とを有し、
第一工程において、混合ゲルに含まれるTiとSiとのモル比がTi/Si=0.5以上3.0以下となるように、ケイ酸源及び四塩化チタンとを添加する、結晶性シリコチタネートの製造方法を提供するものである。
本発明によれば、海水においてもセシウム及びストロンチウムの吸着除去特性に優れた吸着材を提供できるとともに、該吸着剤として有効な結晶性シリコチタネートを工業的に有利な方法で製造することができる。
図1は、本発明の実施例1で得られた吸着材(結晶性シリコチタネート)のX線回折チャートである。 図2は、本発明の実施例1で得られた吸着材(結晶性シリコチタネート)のベースライン補正後のX線回折チャートである。 図3は、本発明の実施例2で得られた吸着材(結晶性シリコチタネート)のベースライン補正後のX線回折チャートである。 図4は、本発明の実施例3で得られた吸着材(結晶性シリコチタネート)のベースライン補正後のX線回折チャートである。 図5は、本発明の比較例1で得られた吸着材(結晶性シリコチタネート)のベースライン補正後のX線回折チャートである。 図6は、本発明の実施例6で得られた吸着材(結晶性シリコチタネート)のベースライン補正後のX線回折チャートである。
本発明の吸着材は、一般式;Na4Ti4Si316・nH2O、(Nax(1-x)4Ti4Si316・nH2O及びK4Ti4Si316・nH2O(これらの式中、xは0超1未満の数を示し、nは0〜8の数を示す。)で表される結晶性シリコチタネートから選ばれる少なくとも一種(以下、特に断りがない場合、単に「結晶性シリコチタネート」又は「前記結晶性シリコチタネート」という)と、一般式;Na4Ti920・mH2O、(Nay(1-y)4Ti920・mH2O及びK4Ti920・mH2O(これらの式中、yは0超1未満の数を示し、mは0〜10の数を示す。)で表されるチタン酸塩から選ばれる少なくとも一種(以下、特に断りがない場合、単に「チタン酸塩」又は「前記チタン酸塩」という)とを含む。本発明は前記結晶性シリコチタネートと前記チタン酸塩とを安定的に共存させて吸着材とした点に特徴の一つを有する。本発明の吸着材は、この特徴を有することにより、優れたセシウム及びストロンチウムの吸着除去性能を有するものである。
本発明の吸着材の形態としては、粉末状、顆粒状、顆粒以外の成型体(球状、円柱状)等を挙げることができ、粉末状又は顆粒状であることが好ましい。粉末状の吸着材は、例えば、前記チタン酸塩を副生物として含む前記結晶性シリコチタネートを、後述する製造方法で製造することで得ることができる。また、顆粒状の吸着材は、粉末状の吸着材を後述する造粒工程により造粒することで得ることができる。
本発明の吸着材は、前記結晶性シリコチタネートと前記チタン酸塩とを安定に共存させたことを反映して、これをX線回折測定すると、特定の回折ピークパターンを有する。この回折ピークパターンについて以下詳述する。
本発明の吸着材を、X線源にCu−Kαを用いて回折角(2θ)が5〜80°の範囲でX線回折測定すると、前記結晶性シリコチタネートのピークが1以上観察されると共に前記チタン酸塩のピークが1以上観察される。
本発明の吸着材は、前記の線源及び回折角の範囲でX線回折測定したときに、前記結晶性シリコチタネートのピークのうち最も強度の高いピーク(以下メーンピークともいう。)の高さに対する、前記チタン酸塩のメーンピークの高さの比が5%以上70%以下であることが好ましく、5%以上60%以下であることがより好ましく、5%以上50%以下であることが更に好ましい。ピーク高さ比が前記の範囲の吸着材を製造するには、例えば、後述する製造方法により結晶性シリコチタネートを製造し、且つその際に、ケイ酸源、ナトリウム化合物、カリウム化合物、四塩化チタン等の材料比を調整すればよい。前記のピーク高さ比は、実際のX線回折測定で得られた回折ピークパターンをベースライン補正した回折ピークパターンに基づいて算出する。このベースライン補正はsonneveld-visser法により行う。前記の回折ピークパターンからピーク高さを求める際には、次のようにする。まず、一つのピークが有する2つの底点を結んで直線を得る。そして当該ピークの頂点から垂線を引いて該直線と交わらせ、得られた交点と該ピークの頂点との距離をピーク高さとする。
本発明の吸着材は、前記の線源及び回折角の範囲でX線回折測定したときに前記チタン酸塩のメーンピークは回折角(2θ)=8〜10°に観察されることが好ましい。8〜10°に検出されるピークは、前記チタン酸塩のうち、結晶方位が(010)であり、一般式(2)におけるmが5〜7であるものに由来する。従って、このような吸着材は、前記チタン酸塩としてmが5〜7である含水塩を多く含むものである。チタン酸塩のメーンピークが前記の回折角範囲にある吸着材を製造するには、例えば、後述する製造方法を用いて結晶性シリコチタネートを製造し、且つその際に、ケイ酸源、ナトリウム化合物、カリウム化合物、四塩化チタン等の材料比を調整すればよい。
回折角(2θ)=8〜10°の範囲に前記チタン酸塩のメーンピークが検出される場合、これに加えて、27〜29°及び/又は47〜49°の範囲に更に前記チタン酸塩のピークが検出されることが好ましい。また、これらのピークは、前述したチタン酸塩のメーンピークの高さに対して10%以上70%以下の高さを有することが好ましい。
前記結晶性シリコチタネートのメーンピークは、回折角(2θ)10〜13°の範囲に観察されることが好ましい。この範囲で検出されるピークは、前記結晶性シリコチタネートのうち、結晶方位が(0,1,0)であり、nが5〜7であるものに由来する。
回折角(2θ)=10〜13°の範囲に前記結晶性シリコチタネートのメーンピークが検出される場合、これに加えて、27°〜29°及び/又は34°〜35°の範囲に更に前記結晶性シリコチタネートのピークが検出されることが好ましい。また、これらのピークは、前述した結晶性シリコチタネートのメーンピークの高さに対して5%以上40%以下の高さを有することが好ましい。
本発明の吸着材は、組成分析によって得られる前記結晶性シリコチタネートに対する前記チタン酸塩のモル比(前者:後者)が、1:0.25〜0.45であることが好ましく、1:0.30〜0.40であることがより好ましく、1:0.35〜0.38であることが更に好ましい。このモル比は、具体的には、以下の方法で求める。
<結晶性シリコチタネート:チタン酸塩のモル比の求め方>
(a)吸着材を、適当な容器(アルミリング等)に入れ、ダイスで挟みこんでからプレス機で10MPaの圧力をかけてペレット化することにより測定用試料を得る。この試料を蛍光X線装置(装置名:ZSX100e、管球:Rh(4kW)、雰囲気:真空、分析窓:Be(30μm)、測定モード:SQX分析(EZスキャン)、測定径:30mmφ、(株)リガク製)で全元素測定する。吸着材中のSiO2及びTiO2の含有量(質量%)を、半定量分析法であるSQX法で計算することで算出する。
(b)求めたSiO2及びTiO2の含有量(質量%)をそれぞれの分子量で割り、吸着材100g中のSiO2及びTiO2のモル数を得る。
(c)前記で求めた吸着材中のSiO2のモル数の3分の1を吸着材中の前記結晶性シリコチタネート(Na4Ti4Si316・nH2O、(Nax(1-x)4Ti4Si316・nH2O及びK4Ti4Si316・nH2Oから選ばれる少なくとも1種)のモル数と仮定する。また、前記結晶性シリコチタネート1モル中のTi原子のモル数が4であることから、下記式(1)により吸着材中の前記チタン酸塩のモル数を求める。
(d)得られた結晶性シリコチタネートのモル数及びチタン酸塩のモル数から上記の比を得る。
前記結晶性シリコチタネートは、Na4Ti4Si316・nH2O、(Nax(1-x)4Ti4Si316・nH2O及びK4Ti4Si316・nH2Oで表される結晶性シリコチタネートから選ばれる少なくとも1種である。前記結晶性シリコチタネートはこれらの結晶性シリコチタネートのうち1種のみからなるものであってもよいし、2種以上の混合物であってもよい。また、これらのうち(Nax(1-x)4Ti4Si316・nH2Oで表される結晶性シリコチタネートは、xが一つの値をとる単一の化合物であってもよいし、xが2つの値をとるものの混合物であってもよい。また前記結晶性シリコチタネートは、nは1つの値のみをとっていてもよいし、nが2つ以上の値をとるものが混合していてもよい。
前記結晶性シリコチタネートが、Na4Ti4Si316・nH2O及びK4Ti4Si316・nH2Oを含むか、或いは(Nax(1-x)4Ti4Si316・nH2Oを含む場合、結晶性シリコチタネートの結晶化度が高いものとなりやすく、これにより吸着材の性能、特にセシウムの吸着性能を高めることが可能でありうる。
本発明の吸着材は、前記結晶性シリコチタネートは、A4Ti4Si316・nH2O(ここでAはNa、K又はNa及びKである)以外の結晶性シリコチタネートを含んでいてもよい。しかしながら、本発明の吸着材を、回折角(2θ)5〜80°の範囲でX線回折測定したときに、結晶性シリコチタネートとして、少なくとも、TiとSiのモル比が1:1の結晶性シリコチタネートのピーク及び、TiとSiのモル比が5:12の結晶性シリコチタネートのピークが観察されないことが好ましい。とりわけ、本発明の吸着材を回折角(2θ)5〜80°の範囲でX線回折測定したときに、A4Ti4Si316・nH2Oのみのピークが観察されることが好ましい。また、本発明の吸着材はX線回折測定したときに、酸化チタンのピークである2θ=25°が検出されないことが好ましい。
前記チタン酸塩は、Na4Ti920・mH2O、(Nay(1-y)4Ti920・mH2O及びK4Ti920・mH2Oで表されるチタン酸塩から選ばれる少なくとも一種である。
前記チタン酸塩は、これらのチタン酸塩のうち1種のみからなるものであってもよいし、2種以上の混合物であってもよい。また、これらのうち(Nay(1-y)4Ti920・mH2Oで表されるチタン酸塩は、yが、一つの値をとる単一の化合物であってもよいし、yが2つの値をとるものの混合物であってもよい。また前記チタン酸塩は、mは1つの値のみをとっていてもよいし、mが2つ以上の値をとるものが混合していてもよい。
本発明の吸着材は、A4Ti920・mH2O(ここでAはNa、K又はNa及びKである)以外のチタン酸塩、例えばNa2Ti37等を含んでいても良いが、本発明の吸着材を前記の線源で回折角(2θ)5〜80°の範囲でX線回折測定したときに、チタン酸塩として、A4Ti920・mH2Oのみの回折ピークが観察されることが好ましい。
前記チタン酸塩はNa4Ti920・mH2O及びK4Ti920・mH2Oを含むか、又は(Nay(1-y)4Ti920・mH2Oを含むことが、セシウム及びストロンチウムの選択的吸着性が一層向上する観点から好ましい。
なお、(Nay(1-y)4Ti920・mH2Oで表されるチタン酸塩におけるyの値と、(Nax(1-x)4Ti4Si316・nH2Oで表される結晶性シリコチタネートにおけるxの値とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。x及びyの値は、それぞれ独立に0超1未満であり、この範囲内で任意の値を採用することができる。
結晶性シリコチタネートのNa及びKの量比及びチタン酸塩のNa及びKの量比は、本発明の吸着材におけるNa及びKの量比からある程度推定可能である。本発明の吸着材におけるNa及びKの量比は、Na及びKのモル数の合計を100としたときに、Kのモル数の割合が3〜50であることが好ましく、5〜30であることがより好ましい。この割合は例えば、前記の<結晶性シリコチタネート:チタン酸塩のモル比の求め方>の(a)で記載した全元素測定により吸着材中のNa2O及びK2Oの含有量(質量%)を求めることにより算出することができる
上記で説明した本発明の吸着材は、以下で説明する本発明の結晶性シリコチタネートの製造方法により製造することができる。具体的には、本発明の結晶性シリコチタネートの製造方法は、前記一般式で表される結晶性シリコチタネートに加えて副生物として一般式;Na4Ti920・mH2O、(Nay(1-y)4Ti920・mH2O及びK4Ti920・mH2O(これらの式中、yは0超1未満の数を示し、mは0〜10の数を示す。)で表されるチタン酸塩から選ばれる少なくとも一種を生成することにより、本発明の吸着材を製造できる。しかしながら、本発明の製造方法は、前記チタン酸塩を生成しない方法も含むものである。
以下、本発明の結晶性シリコチタネートの製造方法について詳細に説明する。
本発明の結晶性シリコチタネートの製造方法における第一工程は、ケイ酸源と、ナトリウム化合物及び/又はカリウム化合物と、四塩化チタンと、水とを混合し混合ゲルを製造する工程である。
第一工程において用いられるケイ酸源としては、例えば、ケイ酸ソーダが挙げられる。また、ケイ酸アルカリ(すなわちケイ酸のアルカリ金属塩)をカチオン交換することにより得られる活性ケイ酸も挙げられる。
活性ケイ酸は、ケイ酸アルカリ水溶液を例えばカチオン交換樹脂に接触させてカチオン交換して得られるものである。ケイ酸アルカリ水溶液の原料としては、通常水ガラス(水ガラス1号〜4号等)と呼ばれるケイ酸ナトリウム水溶液が好適に用いられる。このものは比較的安価であり、容易に手に入れることができる。また、Naイオンを嫌う半導体用途では、ケイ酸カリウム水溶液が原料としてふさわしい。固体状のメタケイ酸アルカリを水に溶かしてケイ酸アルカリ水溶液を調製する方法もある。メタケイ酸アルカリは晶析工程を経て製造されるので、不純物の少ないものがある。ケイ酸アルカリ水溶液は、必要に応じて水で希釈して使用する。
活性ケイ酸を調製するときに使用するカチオン交換樹脂は、公知のものを適宜選択して使用することができ、特に制限されない。ケイ酸アルカリ水溶液とカチオン交換樹脂との接触工程では、例えばケイ酸アルカリ水溶液をシリカが濃度3質量%以上10質量%以下となるように水に希釈し、次いで、希釈したケイ酸アルカリ水溶液をH型強酸性又は弱酸性カチオン交換樹脂に接触させて脱アルカリする。更に必要に応じてOH型強塩基性アニオン交換樹脂に接触させて脱アニオンすることができる。この工程によって、活性ケイ酸水溶液が調製される。ケイ酸アルカリ水溶液とカチオン交換樹脂との接触条件の詳細については、従来、様々な提案が既にあり、本発明ではそれら公知のいかなる接触条件も採用することができる。
例えば、非特許文献3においてケイ素源として高分散SiO2粉末を用いているのに対し、本発明の製造方法においてケイ酸源として、ケイ酸ソーダ又は活性ケイ酸を用いることは、汎用シリカ原料使用による製造コストの低減がはかれるという利点を有する。
第一工程において用いられるナトリウム化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムが挙げられる。これらのナトリウム化合物のうち、炭酸ナトリウムを用いると炭酸ガスが発生するため、そのようなガスの発生がない水酸化ナトリウムを用いることが、中和反応を円滑に進める観点から好ましい。
例えば、第一工程においてカリウム化合物及びナトリウム化合物のうちナトリウム化合物のみを用いた場合、結晶性シリコチタネートとしてNa4Ti4Si316・nH2Oで表される結晶性シリコチタネートが得ることができる。またこの場合、副産物として、Na4Ti920・mH2Oで表されるチタン酸ナトリウムが得られうる。
また、例えば第一工程においてナトリウム化合物及びカリウム化合物を用いると、結晶性シリコチタネートとして、Na4Ti4Si316・nH2O及びK4Ti4Si316・nH2Oを含むか、或いは(Nax(1-x)4Ti4Si316・nH2Oを含むものを得ることができる。またこの場合、副産物のチタン酸塩として、Na4Ti920・mH2O及びK4Ti920・mH2Oを含むか、(Nay(1-y)4Ti920・mH2Oを含むものが得られうる。
第一工程においてナトリウム化合物及びカリウム化合物を用いる場合は、ナトリウム化合物とカリウム化合物との合計モル数に対し、カリウム化合物のモル数の割合が3〜50%であることが好ましく、5〜30%であることがより好ましい。第一工程において用いられるカリウム化合物としては、水酸化カリウムや炭酸カリウムが挙げられ、ナトリウム化合物と同様の理由から水酸化カリウムが好ましい。
本発明の結晶性シリコチタネートの製造方法においては、チタン源として四塩化チタンを用いる。酸化チタン等の他のチタン化合物をチタン源とした場合には、後述する比較例1において例証されるとおり、未反応の酸化チタンが残存したり、あるいはTi:Siのモル比が4:3の結晶性シリコチタネート以外の結晶性シリコチタネートが生成しやすい。そこで本発明ではチタン源として四塩化チタンを用いている。
ケイ酸源及び四塩化チタンの添加量を、混合ゲル中の四塩化チタン由来のTiとケイ酸源由来のSiとのモル比であるTi/Siが特定比となる量とすることも、本発明の結晶性シリコチタネートの製造方法の特徴の一つである。例えば、非特許文献3においては、チタン源として四塩化チタンを用いているが、ケイ酸源及び四塩化チタンは、Ti/Si比が0.32となる量で混合溶液に添加されている。これに対し、本発明では、Ti/Si比が0.5以上3.0以下となるような量でケイ酸源及び四塩化チタンを添加する。本発明者らが検討した結果、混合ゲル中のTi/Si比を前記のモル範囲に設定することで、A4Ti4Si316・nH2Oで表される結晶性シリコチタネートとして結晶化度の高いものが得やすく、この結晶性シリコチタネートを吸着材として用いた場合に特にセシウムの吸着性能が向上することを見出した。この観点から、混合ゲル中のTi/Si比は、1.0以上3.0以下であることが好ましく、1.5以上2.5以下であることがより好ましく、1.8以上2.2以下であることが更に好ましい。
本発明の混合ゲルにおいて、Ti/Si比が前記の範囲以内であることは、得られる結晶性シリコチタネートが、副生物として特定のチタン酸塩を含みやすく、前述した本発明の吸着材を好適に製造しうる点でも好ましい。一般に、通常結晶性シリコチタネートを吸着材として使用する場合、副生物が含有されない組成を採用することが一般的であるところ、本発明の製造方法の好ましい態様の一つは、このように比較的高いTi/Si比を採用して敢えて副生物を生成させることで意外にも、セシウム及びストロンチウムの吸着性能を高めたものである。
また、混合ゲルに占めるSiO2換算のケイ酸源濃度とTiO2換算の四塩化チタン濃度の総量が2.0質量%以上40質量%以下であり、かつ混合ゲルに占めるA’2OとSiO2のモル比がA’2O/SiO2=0.5以上3.0以下となるようにケイ酸源及び四塩化チタンを添加することが望ましい。ここでA’はNa及びKを示す。前記範囲内にケイ酸源及び四塩化チタンの添加量を調整することで、目的とする結晶性シリコチタネートの収率を満足すべき程度に高くすることができ、かつ、TiとSiのモル比が1:1の生成物が生成することを効果的に防止することができる。
また、これらの範囲は、前記チタン酸塩を副生させる観点からも好ましい。
第一工程において用いられる四塩化チタンは、工業的に入手可能なものであれば、特に制限なく用いることができる。
第一工程において、ケイ酸源、ナトリウム化合物、カリウム化合物、及び四塩化チタンは、それぞれ水溶液の形態で反応系に添加することができる。場合によっては固体の形態で添加することもできる。更に第一工程では、得られた混合ゲルに対して、必要があれば純水を用いて該混合ゲルの濃度を調整することができる。
第一工程において、ケイ酸源、ナトリウム化合物、カリウム化合物、及び四塩化チタンは、種々の添加順序で添加することができる。例えば(1)ケイ酸源、ナトリウム化合物及び/又はカリウム化合物、並びに水を混合したものに、四塩化チタンを添加することにより混合ゲルを得ることができる(この添加順序のことを、以下、単に「(1)の実施」ということもある。)。この(1)の実施は、四塩化チタンから塩素の発生をおさえる点で好ましい。
第一工程における別の添加順序として、(2)ケイ酸アルカリをカチオン交換することによって得られる活性ケイ酸(以下、単に「活性ケイ酸」ということもある。)水溶液と四塩化チタンと水とを混合したものに、ナトリウム化合物及び/又はカリウム化合物を添加する、という態様を採用することもできる。この添加順序を採用しても、(1)の実施と同様に混合ゲルを得ることができる(この添加順序のことを、以下、単に「(2)の実施」ということもある。)。四塩化チタンはその水溶液の形態又は固体の形態で添加することができる。同様に、ナトリウム化合物及びカリウム化合物も、その水溶液の形態又は固体の形態で添加することができる。
(1)及び(2)の実施において、ナトリウム化合物及びカリウム化合物は、混合ゲル中のナトリウム及びカリウムの合計濃度がNa2O換算で0.5質量%以上15質量%以下、特に0.7質量%以上13質量%以下となるように添加されることが好ましい。混合ゲル中におけるナトリウム及びカリウムの合計のNa2O換算質量及び混合ゲル中におけるナトリウム及びカリウムの合計のNa2O換算の濃度(以下「ナトリウム及びカリウムの合計濃度(第一工程でカリウム化合物を用いない場合、ナトリウム濃度)」と言う)は、以下の式で計算される。
混合ゲル中におけるナトリウム及びカリウムの合計のNa2O換算質量(g)=ケイ酸ソーダ由来のナトリウムイオンのモル数+水酸化ナトリウム等のナトリウム化合物由来のナトリウムイオンのモル数+水酸化カリウム等のカリウム化合物由来のカリウムイオンのモル数−四塩化チタン由来の塩化物イオンのモル数)×0.5×Na2O分子量
混合ゲル中におけるナトリウム及びカリウムの合計のNa2O換算の濃度(質量%)=混合ゲル中におけるナトリウム及びカリウムの合計のNa2O換算質量/(混合ゲル中の水分量+混合ゲル中におけるナトリウム及びカリウムの合計のNa2O換算質量)×100
ケイ酸源の選択と混合ゲル中のナトリウム及びカリウムの合計濃度の調整を組み合わせることにより、Ti:Siのモル比が4:3の結晶性シリコチタネート以外の結晶性シリコチタネートの生成を抑制することができる。ケイ酸源としてケイ酸ソーダを用いた場合、Na2O換算で2.8質量%以上とすることで、Ti:Siのモル比が5:12の結晶性シリコチタネートの生成を効果的に抑制することが可能となり、一方、混合ゲル中のナトリウム及びカリウムの合計濃度をNa2O換算で4.5質量%以下とすることで、Ti:Siのモル比が1:1の結晶性シリコチタネートの生成を効果的に抑制することが可能となる。また、ケイ酸源としてケイ酸アルカリをカチオン交換することにより得られる活性ケイ酸を用いた場合、Na2O換算で1質量%以上とすることで、Ti:Siのモル比が5:12の結晶性シリコチタネートの生成を効果的に抑制することが可能となり、一方、混合ゲル中のナトリウム及びカリウムの合計濃度をNa2O換算で6質量%以下とすることで、Ti:Siのモル比が1:1の結晶性シリコチタネートの生成を効果的に抑制することが可能となる。
なお、ケイ酸源としてケイ酸ナトリウムを用いた場合は、ケイ酸ナトリウム中のナトリウム成分は、同時に混合ゲル中のナトリウム源となる。したがって、ここで言う「混合ゲル中におけるナトリウムのNa2O換算質量(g)」とは、混合ゲル中のすべてのナトリウム成分の和として計数される。
(1)及び(2)の実施において、四塩化チタンの添加は、均一なゲルを得るため一定の時間をかけて、四塩化チタン水溶液として段階的又は連続的に行うことが望ましい。このため、四塩化チタンの添加にはペリスタポンプ等を好適に用いることができる。
第一工程により得られた混合ゲルは、後述する第二工程である水熱反応を行う前に、0.5時間以上2時間以下の時間にわたり、30℃以上100℃以下で熟成を行うことが、均一な生成物を得る点で好ましい。熟成工程は、例えば静置状態で行ってもよく、あるいはラインミキサーなどを用いた撹拌状態で行ってもよい。
本発明においては第一工程において得られた前記混合ゲルを、第二工程である水熱反応に付して結晶性シリコチタネートを得る。水熱反応としては、結晶性シリコチタネートが合成できる条件であれば、いかなる条件であってもよく制限されない。通常、オートクレーブ中で好ましくは120℃以上300℃以下、より好ましくは120℃以上200℃以下、更に好ましくは140℃以上180℃以下の温度において、好ましくは6時間以上72時間以下、更に好ましくは12時間以上36時間以下の時間にわたって、加圧下に反応させる。反応時間は、合成装置のスケールに応じて選定できる。
前記第二工程で得られた含水状態の結晶性シリコチタネートは乾燥させ、得られた乾燥物を必要により解砕又は粉砕して粉末状(粒状を含む)とすることができる。また、含水状態の結晶性シリコチタネートを複数の開孔が形成された開孔部材から押出成形して棒状成形体を得、得られた該棒状成形体を乾燥させて柱状にしてもよいし、乾燥させた該棒状成形体を球状に成形したり、解砕又は粉砕して粒子状としてもよい。後者の場合つまり乾燥前に押出成形を行う場合、後述する分級方法により回収される結晶性シリコチタネートの収率を高めることができる。ここで、解砕とは、細かい粒子が集まって一塊になっているものをほぐす操作をいい、粉砕とはほぐされた固体粒子に対し,機械的な力を作用させさらに細かくする操作をいう。
開孔部材に形成された孔の形状としては、円形、三角形、多角形、環形等を挙げることができる。開孔の真円換算径は0.1mm以上10mm以下が好ましく、0.3mm以上5mm以下がより好ましい。ここでいう真円換算径は、孔一つの面積を円面積とした場合の該面積から算出される円の直径である。押出成形後の乾燥温度は例えば例えば50℃以上200℃以下とすることができる。また乾燥時間は1時間以上120時間以下とすることができる。
乾燥させた棒状成形体は、そのままでも吸着材として用いることができるし、軽くほぐして用いてもよい。また乾燥後の棒状成形体は粉砕して用いてもよい。これら各種の方法で得られた粉末状の結晶性シリコチタネートは、更に分級してから吸着材として用いることが、セシウム及び/又はストロンチウムの吸着効率を高める等の観点から好ましい。分級は、例えばJISZ8801−1に規定する公称目開きが1000μm以下、特に710μm以下の第1の篩を用いることが好ましい。また前記の公称目開きが100μm以上、特に300μm以上の第2の篩を用いて行うことも好ましい。更に、これら第1及び第2の篩を用いて行うことが好ましい。
本発明の製造方法で得られる結晶性シリコチタネートは、一般式;Na4Ti4Si316・nH2O、(Nax(1-x)Ti316・nH2O及びK4Ti4Si316・nH2O(これらの式中、xは0超1未満の数を示し、nは0〜8の数を示す。)で表される結晶性シリコチタネートから選ばれる少なくとも一種である。本発明の製造方法で得られる結晶性シリコチタネートの第一の特徴は、これらの一般式から明らかなように、Ti:Siのモル比が4:3である点にある。前記結晶性シリコチタネートにおけるTi:Siのモル比がこの値であることは、該結晶性シリコチタネートをX線回折による構造解析で確認することができる。
本発明の製造方法で得られる結晶性シリコチタネートの第二の特徴は、不純物として酸化チタンを含まない点にある。酸化チタンを含まないことは、前記結晶性シリコチタネートをX線回折測定して得られる回折ピーク中に、酸化チタンのピークである2θ=25°が検出されないことによって確認することができる。
なお、本発明の製造方法によって得られる結晶性シリコチタネートは、一般式;Na4Ti4Si316・nH2O、(Nax(1-x)4Ti4Si316・nH2O及びK4Ti4Si316・nH2Oで表されるTi:Siのモル比が4:3であるものを主成分とするものであり、他の結晶性シリコチタネートが本発明の効果を損なわない範囲で含有されていてもよい。また、本製造方法に由来するチタン酸ナトリウム(Na4Ti920)又はその含水塩等のチタン酸塩の副生物が含有されていても差し支えない。このチタン酸塩は、むしろストロンチウムの吸着除去特性を向上させる成分となりうるため、セシウム及びストロンチウムを同時に除去する吸着剤として用いる場合に、本発明の製造方法において、この種の化合物は好ましい副生物であると言える。
本発明の製造方法で得られる結晶性シリコチタネート、特に前記チタン酸塩を含む前記結晶性シリコチタネートは、セシウム及び/又はストロンチウムの吸着除去特性に優れている。この特性を利用して、この結晶性シリコチタネートを必要に応じて常法に従い成形加工し、それによって得られた成形体をセシウム及び/又はストロンチウムの吸着材として好適に用いることができる。
前記の成形加工としては、例えば粉末状の結晶性シリコチタネート又はそれを含む粉末状の吸着材を顆粒状に成型するための造粒加工や粉末状の結晶性シリコチタネートをスラリー化して塩化カルシウム等の硬化剤を含む液中に滴下して結晶性シリコチタネートをカプセル化する方法、樹脂芯材の表面に結晶性シリコチタネートの粉末を添着被覆処理する方法、天然繊維または合成繊維で形成されたシート状基材の表面及び/又は内部に粉末状の結晶性シリコチタネート又はそれを含む粉末状の吸着材を付着させて固定化してシート状にする方法などを挙げることができる。造粒加工の方法としては、公知の方法が挙げられ、例えば攪拌混合造粒、転動造粒、押し出し造粒、破砕造粒、流動層造粒、噴霧乾燥造粒(スプレードライ)、圧縮造粒等を挙げることができる。造粒の過程において必要に応じバインダーや溶媒を添加、混合してもよい。バインダーとしては、公知のもの、例えばポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、デンプン、コーンスターチ、糖蜜、乳糖、ゼラチン、デキストリン、アラビアゴム、アルギン酸、ポリアクリル酸、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等を挙げることができる。溶媒としては水性溶媒や有機溶媒等各種のものを用いることができる。
本発明の製造方法によって得られる含水状態の結晶性シリコチタネートを造粒加工した顆粒状のものは、放射性物質吸着材を充填してなる吸着容器及び吸着塔を有する水処理システムの吸着材として好適に使用することが出来る。
この場合、含水状態の結晶性シリコチタネートを造粒加工して得られる顆粒状のものの形状や大きさは、吸着容器や充填塔に充填して、セシウム及び/又はストロンチウムを含む処理水を通水するのに適応するようにその形状及び大きさを適宜調整することが好ましい。
また、本発明の製造方法によって得られる含水状態の結晶性シリコチタネートを造粒加工した顆粒状のものは、更に磁性粒子を含有させることにより、セシウム及び/又はストロンチウムを含む水から磁気分離で回収可能な吸着材として使用することが出来る。磁性粒子としては、例えば鉄、ニッケル、コバルト等の金属またはこれらを主成分とする磁性合金の粉末、四三酸化鉄、三二酸化鉄、コバルト添加酸化鉄、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等の金属酸化物系磁性体の粉末が挙げられる。
含水状態の結晶性シリコチタネートを造粒加工した顆粒状のものに磁性粒子を含有させる方法としては、例えば、前述した造粒加工操作を磁性粒子を含有させた状態で行えばよい。
本発明の製造方法によれば前記結晶性シリコチタネートと前記チタン酸塩とを含む本発明の吸着材を効率よく製造することができるが、本発明の吸着材は、前記結晶性シリコチタネートと前記チタン酸塩とを別々に製造し、それを任意の配合で混合することによって製造することもできる。
以下に、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。特に断らない限り「%」は「質量%」を表す。実施例及び比較例で使用した評価装置及び使用材料は以下のとおりである。
<評価装置>
X線回折:Bruker社 D8 AdvanceSを用いた。線源としてCu−Kαを用いた。測定条件は、管電圧40kV、管電流40mA、走査速度0.1°/secとした。
ICP−AES:Varian社720−ESを用いた。Csの測定波長は697.327nm、Srの測定波長は216.596nmとしてCs及びSrの吸着試験を行った。標準試料はNaClを0.3%含有したCs:100ppm、50ppm及び10ppmの水溶液、並びにNaClを0.3%含有したSr:100ppm、10ppm及び1ppmの水溶液を使用した。
<使用材料>
・3号ケイ酸ソーダ:日本化学工業株式会社製(SiO2:28.96%、Na2O:9.37%、H2O:61.67%、SiO2/Na2O=3.1)。
・苛性ソーダ水溶液:工業用25%水酸化ナトリウム(NaOH:25%、H2O:75%)。
・苛性カリ:固体試薬 水酸化カリウム(KOH:85%)。
・四塩化チタン水溶液:株式会社大阪チタニウムテクノロジーズ社製36.48%水溶液(実施例4〜6では、濃度を15.3%としたものを用いた。)
・二酸化チタン:石原産業ST−01
・模擬海水:Cs及びSrをそれぞれ100ppm含有した0.3%NaCl水溶液を模擬海水とした。模擬海水はNaCl(99.5%):3.0151g、SrCl・6H2O(99%):0.3074g、CsNO3(99%):0.1481g、H2O:996.5294gを混合して得た。
〔実施例1〕
<吸着材(結晶性シリコチタネート)の合成>
(1)第一工程
3号ケイ酸ソーダ90g、苛性ソーダ水溶液667.49g及び純水84.38gを混合し撹拌して混合水溶液を得た。この混合水溶液に、四塩化チタン水溶液443.90gをペリスタポンプで1時間20分にわたって連続的に添加して混合ゲルを製造した。当該混合ゲルは、四塩化チタン水溶液の添加後、1時間にわたり室温で静置熟成した。このとき混合ゲル中のTiとSiとのモル比はTi:Si=2:1であった。また混合ゲル中のSiO2の濃度は2%、TiO2の濃度は5.3%、Na2O換算したナトリウム濃度は3
.22%であった。
(2)第二工程
第一工程で得られた混合ゲルをオートクレーブに入れ、1時間かけて170℃に昇温したのち、この温度を維持しながら撹拌下に24時間反応を行った。反応後のスラリーをろ過、洗浄、乾燥して吸着材(結晶性シリコチタネート)を得た。得られた吸着材のX線回折構造から判断される組成を以下の表1に示す。また、得られた吸着材のX線回折チャートを図1に示す。また、得られた吸着材のX線回折チャートを前記の方法によりベースライン補正して得られた補正後のX線回折チャートを図2に示す。図1及び図2に示すように、これらのX線回折チャートにおいては、2θ=10〜13°の範囲に、前記結晶性シリコチタネートのメーンピーク(M.P.)(Na4Ti4Si316・6H2Oに由来、以下実施例2及び3も同様)が検出されるとともに、2θ=8〜10°に前記チタン酸塩であるチタン酸ナトリウムのメーンピーク(Na4Ti920・5〜7H2Oに由来、以下実施例2及び3も同様)が検出された。図2に示す補正後のX線回折チャートに基づき、結晶性シリコチタネートのメーンピークの高さに対してチタン酸ナトリウムのメーンピークの高さの比(%)を求めた。その結果を表2に示す。また得られた吸着材について、上述した方法で組成分析を行い、上述した方法で結晶性シリコチタネートとチタン酸ナトリウムとのモル比を求めた。これらの結果を表2に示す。
<Cs及びSrの吸着試験>
得られた吸着材(結晶性シリコチタネート)を100mlのポリ容器に2.00g取り、模擬海水100.00gを添加し、蓋をした後、よく振り混ぜた。その後、静置して1時間経過した後、再び振り混ぜて、約50mlを5Cのろ紙でろ過し、ろ過によって得られたろ液を採取した。また、残りの50mlはそのまま静置し、更に23時間後(最初に振り混ぜてから24時間後)に再び振り混ぜた。そして、5Cのろ紙でろ過し、ろ過によって得られたろ液を採取した。採取されたろ液を対象として、ICP−AESを用い、ろ液中のCs及びSrの含有量を測定した。その結果を以下の表3に示す。
〔実施例2〕
3号ケイ酸ソーダ146gを、カチオン交換により脱ナトリウム処理を行うことで、4.16%活性ケイ酸水溶液1000gを得た。カチオン交換には、弱酸性陽イオン交換樹脂であるアンバーライトIR−120Bを用いた。その活性ケイ酸水溶液に、四塩化チタン水溶液720.18gを4時間かけて添加し撹拌して混合水溶液を得た。この混合水溶液に、苛性ソーダ水溶液1107.85gを添加し、60分撹拌することで、混合ゲルを製造した。当該混合ゲルは、苛性ソーダ水溶液の添加後、1時間にわたり室温で静置熟成した。このとき混合ゲル中のTiとSiとのモル比はTi:Si=2:1であった。混合ゲル中のSiO2の濃度は1.47%、TiO2の濃度は3.91%、Na2O換算したナトリウム濃度は1.82%であった。この後は実施例1と同様にして吸着材(結晶性シリコチタネート)を得た。得られた吸着材のベースライン補正後のX線回折チャートを図3に示す。図3に示すように、このX線回折チャートにおいては、実施例1で得られた吸着材と同様の回折角範囲に、結晶性シリコチタネートのメーンピーク及びチタン酸ナトリウムのメーンピークが検出された。得られた吸着材(結晶性シリコチタネート)について実施例1と同様の分析及び吸着試験を行った。得られた吸着材のX線回折構造から判断される組成を以下の表1に示す。また図3から得られたメーンピークの高さ比、及び組成分析で得られたモル比を表2に示す。またCs及びSrの吸着試験の結果を以下の表3に示す。
〔実施例3〕
混合ゲルにおける純水の添加量を361.30gとしたこと以外は実施例1と同様にして混合ゲルを製造し、その混合ゲルから吸着材(結晶性シリコチタネート)を製造した。混合ゲル中のTiとSiとのモル比はTi:Si=2:1であった。混合ゲル中のSiO2の濃度は1.67%、TiO2の濃度は4.36%、Na2O換算したナトリウム濃度は2.51%であった。得られた吸着材のベースライン補正後のX線回折チャートを図4に示す。図4に示すように、このX線回折チャートにおいては、実施例1で得られた吸着材と同様の回折角範囲に結晶性シリコチタネートのメーンピーク及びチタン酸塩のメーンピークが検出された。得られた吸着材(結晶性シリコチタネート)について実施例1と同様の分析及び吸着試験を行った。得られた吸着材のX線回折構造から判断される組成を以下の表1に示す。また図4から得られたメーンピークの高さ比、及び組成分析により得られたモル比を表2に示す。またCs及びSrの吸着試験の結果を以下の表3に示す。
〔比較例1〕
本比較例は、チタン源として四塩化チタンに代えて二酸化チタンを用いた例である。3号ケイ酸ソーダ90g、苛性ソーダ水溶液121.2g及び純水776.1gを混合し撹拌して混合水溶液を得た。この混合水溶液に、四塩化チタン水溶液に代えて二酸化チタン68.2gを添加した。これ以外は実施例1と同様にして混合ゲルを製造し、その混合ゲルから吸着材(結晶性シリコチタネート)を製造した。混合ゲル中のTiとSiとのモル比はTi:Si=2:1であった。混合ゲル中のSiO2の濃度は2.47%、TiO2の濃度は6.46%、Na2O換算したナトリウム濃度は3.32%であった。得られた吸着材(結晶性シリコチタネート)について実施例1と同様の分析及び吸着試験を行った。得られた吸着材(結晶性シリコチタネート)のベースライン補正後のX線回折チャートを図5に示す。得られた吸着材(結晶性シリコチタネート)のX線回折構造から判断される組成を以下の表1に示す。結果として、不純物として酸化チタンの存在が確認された。またCs及びSrの吸着試験の結果を以下の表3に示す。
表1ないし表3に示す結果から明らかなとおり、各実施例によれば、Na4Ti4Si316・nH2Oで表される結晶性シリコチタネートをNa4Ti920・mH2Oで表されるチタン酸ナトリウムと安定的に共存した状態で得られる、つまり本発明の吸着材が得られることが判る。また、この吸着材(結晶性シリコチタネート)は、模擬海水中に含まれるCs及びSrを高吸着率で吸着除去できることが判る。特にCsを高吸着率で吸着除去できることが判る。また、実施例1及び2の製造条件を採用することで、未反応のチタン源が残存したり、あるいはTi:Siのモル比が4:3の結晶性シリコチタネート以外の結晶性シリコチタネートが副生したりすることを抑制できることが判る。
これに対し、チタン源として二酸化チタンを用いた比較例1によれば、Ti:Siのモル比が4:3以外の結晶性シリコチタネートや、酸化チタンが副生し、またNa4Ti920・mH2Oが生成されないことが判る。そして、この比較例1で得られた吸着材(結晶性シリコチタネート)は、Srは高吸着率で吸着除去できても、Csの吸着効率に劣ることが判る。
〔実施例4〜6〕<吸着材(結晶性シリコチタネート)の合成>
(1)第一工程
3号ケイ酸ソーダ120g、苛性ソーダ水溶液674g及び苛性カリ103g、純水247.4gを混合し撹拌して混合水溶液を得た。この混合水溶液に、四塩化チタン水溶液(濃度15.3%)610gをペリスタポンプで1時間にわたって連続的に添加して混合ゲルを製造した。当該混合ゲルは、四塩化チタン水溶液の添加後、1時間にわたり室温で撹拌して熟成した。このとき混合ゲル中のTiとSiとのモル比はTi:Si=2:1であった。また混合ゲル中のSiO2の濃度は2.8%、TiO2の濃度は7.4%、Na2O換算したナトリウム及びカリウムの合計濃度は3.5%であった。
(2)第二工程
第一工程で得られた混合ゲルをオートクレーブに入れ、3時間かけて140℃に昇温したのち、この温度を維持しながら撹拌下に表4に示す時間にわたり反応を行った。反応後のスラリーをろ過、洗浄、乾燥して吸着材(結晶性シリコチタネート)を得た。得られた吸着材(結晶性シリコチタネート)について実施例1と同様の分析を行った。得られた吸着材(結晶性シリコチタネート)についてX線回折構造から判断される組成を以下の表4に示す。また実施例6で得られた吸着材(結晶性シリコチタネート)のベースライン補正後のX線回折チャートを図6に示す。このX線回折チャートにおいては、実施例1で得られた吸着材と同様の回折角範囲に結晶性シリコチタネートのメーンピーク(Na4Ti4Si316・5〜7H2O、(Nax(1-x)4Ti4Si316・5〜7H2O又はK4Ti4Si316・5〜7H2Oに由来)及びチタン酸塩のメーンピーク(Na4Ti920・5〜7H2O、(Nay(1-y)4Ti920・5〜7H2O又はK4Ti920・5〜7H2Oに由来)が検出された。図6から得られたピーク高さの比及び組成分析により得られたモル比を表5に示す。また実施例6で得られた吸着材(結晶性シリコチタネート)について以下のCs及びSrの吸着試験を行った。
<Cs及びSrの吸着試験>
吸着材(結晶性シリコチタネート)0.3gを模擬海水300mlに分散し、スターラーで撹拌した。この模擬海水から、分散後1、2、4及び6時間の各時間の経過後に、約50mlずつを採取した。採取した模擬海水はNo.5Cろ紙でろ過し、得られたろ液を採取した。採取されたろ液を対象にICP−AESを行い、ろ液中のCs及びSrの含有量を測定した。その結果を、表6に示す。また、実施例1で得られた吸着材(結晶性シリコチタネート)について実施例6で得られた吸着材(結晶性シリコチタネート)と同様な条件でCs及びSrの吸着試験を行い、その結果を表6に併記した。
表4ないし表6に示す結果から、第1工程においてナトリウム化合物に加えてカリウム化合物を用いた実施例4〜6においても、前記結晶性シリコチタネートを、前記チタン酸塩と安定的に共存した状態で得られる、つまり本発明の吸着材が得られることが判る。また得られた吸着材(結晶性シリコチタネート)が、模擬海水中に含まれるCs及びSrを高吸着率で吸着除去できることが判る。
また、これら実施例の吸着材(結晶性シリコチタネート)はNaの一部をKで置換した結晶性シリコチタネートを主成分として含むことにより更にCsの吸着率が向上することが分かる。
〔実施例7〜10〕
実施例1の第二工程の水熱反応により得られたスラリーを洗浄し、含水率69.5%(固形分30.5%)に調整した。この含水結晶性シリコチタネートを、真円換算径0.5mmのスクリーンを先端部に備えた筒型の手押し押出成形器に投入して押出成形した。スクリーンから押し出された含水成形体を、下記表7に記載の温度で1日、常圧で乾燥させた。得られた乾燥物をメノウ乳鉢にて軽く粉砕した。得られた粉砕物を目開き710μmの篩にかけた。このとき篩上は再度粉砕し、粉砕物を全て目開き710μmの篩に通した。篩下を回収して目開き300μmの篩にかけた。この篩上を回収しサンプルとした。
〔実施例11〕
含水成形体から得られた乾燥物を粉砕せず、PP(ポリプロピレン)袋に入れてゴムハンマーで軽く叩いてほぐして解砕した以外は、実施例9と同様にして、サンプルを得た。但し解砕物を目開き710μmの篩にかけた後、篩上を更に粉砕することは行わず、解砕によって目開き710μmの篩を通ったもののみを目開き300μmの篩にかけた。この篩上を回収しサンプルとした。
〔実施例12〕
孔径0.5mmのスクリーンに代えて、真円換算径1.5mmのスクリーンを備えた押出成形器を用いた以外、実施例9と同様にしてサンプルを得た。
<Cs及びSrの吸着試験>
実施例7〜12で得られた吸着材(結晶性シリコチタネート)を100mlのポリ容器にサンプルを0.5g取り、模擬海水100.00gを添加し、蓋をした後、よく振り混ぜた。その後、静置して1時間経過した後、再び振り混ぜて、約50mlを5Cのろ紙でろ過し、ろ過によって得られたろ液を採取した。また、残りの50mlはそのまま静置し、更に23時間後(最初に振り混ぜてから24時間後)に再び振り混ぜた。そして、5Cのろ紙でろ過し、ろ過によって得られたろ液を採取した。2回目に採取されたろ液(吸着時間が24時間のもの)を対象として、ICP−AESを用い、ろ液中のCs及びSrの含有量を測定して、吸着率を求めた。その結果を以下の表7に示す。

Claims (14)

  1. 一般式;Na4Ti4Si316・nH2O、(Nax(1-x)4Ti4Si316・nH2O及びK4Ti4Si316・nH2O(これらの式中、xは0超1未満の数を示し、nは0〜8の数を示す。)で表される結晶性シリコチタネートから選ばれる少なくとも一種の製造方法であって、
    ケイ酸源と、ナトリウム化合物及び/又はカリウム化合物と、四塩化チタンと、水とを混合して、混合ゲルを得る第一工程と、
    第一工程により得られた混合ゲルを水熱反応させる第二工程とを有し、
    第一工程において、混合ゲルに含まれるTiとSiとのモル比がTi/Si=0.5以上3.0以下となるように、ケイ酸源及び四塩化チタンとを添加する、結晶性シリコチタネートの製造方法。
  2. 一般式;Na4Ti920・mH2O、(Nay(1-y)4Ti920・mH2O及びK4Ti920・mH2O(これらの式中、yは0超1未満の数を示し、mは0〜10の数を示す。)で表されるチタン酸塩から選ばれる少なくとも一種を副生する、請求項1に記載の結晶性シリコチタネートの製造方法。
  3. 前記第一工程においてナトリウム化合物及びカリウム化合物を用い、Na4Ti4Si316・nH2O及びK4Ti4Si316・nH2Oを含むか、或いは(Nax(1-x)4Ti4Si316・nH2Oを含む結晶性シリコチタネートを得る、請求項1又は2に記載の結晶性シリコチタネートの製造方法。
  4. 前記第一工程において、ケイ酸源が、ケイ酸ソーダであるか、又はケイ酸アルカリをカチオン交換することにより得られる活性ケイ酸である請求項1ないし3の何れか1項に記載の結晶性シリコチタネートの製造方法。
  5. 前記第一工程において、ケイ酸源がケイ酸ソーダであり、該ケイ酸ソーダ並びにナトリウム化合物及び/又はカリウム化合物を混合したものと、四塩化チタンとを混合して前記混合ゲルを得る請求項4に記載の結晶性シリコチタネートの製造方法。
  6. 前記第一工程において、ケイ酸源がケイ酸アルカリをカチオン交換することにより得られる活性ケイ酸であり、該活性ケイ酸と四塩化チタンを混合したものと、ナトリウム化合物及び/又はカリウム化合物を混合して前記混合ゲルを得る請求項4に記載の結晶性シリコチタネートの製造方法。
  7. 前記第一工程において、混合ゲルに占めるナトリウム及びカリウムの合計濃度がNa2O換算で0.5質量%以上15質量%以下となるように前記ナトリウム化合物及び/又は前記カリウム化合物を添加する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の結晶性シリコチタネートの製造方法。
  8. 第一工程において、ケイ酸源がケイ酸ソーダであり、混合ゲルに占めるナトリウム及びカリウムの合計濃度がA’ 2O換算(前記A’は、Na及びKを示す。)で2.8質量%以上4.5質量%以下となるように前記ナトリウム化合物及び/又は前記カリウム化合物を添加する請求項7に記載の結晶性シリコチタネートの製造方法。
  9. 第一工程において、ケイ酸源がケイ酸アルカリをカチオン交換することにより得られる活性ケイ酸であり、混合ゲルに占めるナトリウム及びカリウムの合計濃度がA’ 2O換算(前記A’は、Na及びKを示す。)換算で1質量%以上6質量%以下となるように前記ナトリウム化合物及び/又は前記カリウム化合物を添加する請求項7に記載の結晶性シリコチタネートの製造方法。
  10. 前記第一工程において、混合ゲルに占めるSiO2換算のケイ酸源濃度とTiO2換算の四塩化チタン濃度の総量が2.0質量%以上40質量%以下であり、かつ混合ゲルに占めるA’2OとSiO2のモル比がA’2O/SiO2=0.5以上3.0以下となるように(前記式中A’は、Na及びKを示す。)、ケイ酸源及び四塩化チタンを添加する請求項1ないし9のいずれか1項に記載の結晶性シリコチタネートの製造方法。
  11. 前記第一工程において、ナトリウム化合物及びカリウム化合物が水酸化物である請求項1ないし10のいずれか1項に記載の結晶性シリコチタネートの製造方法。
  12. 前記第二工程における水熱反応により得た含水状態の結晶性シリコチタネートを乾燥させ、得られた乾燥物を解砕又は粉砕する、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の結晶性シリコチタネートの製造方法。
  13. 前記第二工程における水熱反応により得た含水状態の結晶性シリコチタネートを、複数の開孔が形成された開孔部材を通じて押出成形して棒状成形体を得、得られた該棒状成形体を乾燥させる、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の結晶性シリコチタネートの製造方法。
  14. 前記棒状成形体を乾燥させることにより乾燥成形体を得、該乾燥成形体を解砕又は粉砕する、請求項13に記載の結晶性シリコチタネートの製造方法。
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