JP2017084973A - 一次実装半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 大径化させた半田バンプでも一次実装基板側の根元部分を補強可能であるバンプ根元補強型の一次実装半導体装置の製造方法を提供すること。【解決手段】 基材シートと該基材シート上に積層された熱硬化性樹脂シートとを備える補強用シートを準備する工程A、第1主面に半田バンプが形成された一次実装半導体装置を準備する工程B、前記一次実装半導体装置の第1主面に前記補強用シートの熱硬化性樹脂シートを、前記熱硬化性樹脂シートから前記半田バンプを露出させながら加熱加圧下にて貼り合わせる工程C、前記工程Cの後、前記補強用シートにおける熱硬化性樹脂シートと基材シートとを剥離して前記熱硬化性樹脂シート付きの一次実装半導体装置を得る工程D、及び前記工程Dの後、前記熱硬化性樹脂シートを加熱処理する工程Eを含むバンプ根元補強型の一次実装半導体装置の製造方法。【選択図】 図2A

Description

本発明は、一次実装半導体装置の製造方法に関する。
電子機器の小型・薄型化による高密度実装の要求が、特に、携帯電話等の携帯用電子機器用途において急激に増加している。このため、半導体パッケージは、従来のピン挿入型に代わり、高密度実装に適した表面実装型が主流になっている。この表面実装型では、半導体素子が樹脂封止された半導体装置を半田バンプ等の接続用端子を介して二次実装用のプリント基板等に直接はんだ付けする。
ここで、携帯用電子機器用途では落下衝撃が加わることが多いことから、耐衝撃性が要求される。これに対し、上記のような二次実装においては、一次実装半導体装置と配線基板との間の接続信頼性を確保するべく、一次実装半導体装置と基板との間の空間への封止樹脂の充填が行われている。このような封止樹脂としては、液状の封止樹脂が広く用いられているものの、液状であるがゆえに封止樹脂の注入位置や注入量の調整が困難となったり、二次実装用の比較的大きい半田バンプでは半田バンプと基板との間の間隔が広くなって注入量が多量になったりする。そこで、熱硬化樹脂シートを用いて半導体装置と基板との間の空間全体ではなく半田バンプと二次実装基板との接続部付近の領域を集中的に補強する技術が提案されている(特許文献1)。
特許第4699189号
しかしながら、特に径(高さ)を200μm程度にまで大きくした半田バンプでは、携帯用電子機器に加わった落下衝撃や半田バンプと一次実装基板との線膨張係数の差等により、二次実装基板側のハンダ接続部ではなく、半田バンプの一次実装基板側の根元部分においてクラックが生じてしまい、接続不良等の機能障害を引き起こすことがある。また、大径の半田バンプでは、半田バンプの熱硬化樹脂シートへの埋め込みが不十分となって半田バンプが露出しなかったり、半田バンプが押し潰されたりして、二次実装基板との電気的接続を図れなくなる場合がある。
本発明は、大径化させた半田バンプでも一次実装基板側の根元部分を補強可能であるバンプ根元補強型の一次実装半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討したところ、下記構成を採用することにより前記目的を達成できることを見出して、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、基材シートと該基材シート上に積層された熱硬化性樹脂シートとを備える補強用シートを準備する工程A、
第1主面に半田バンプが形成された一次実装半導体装置を準備する工程B、
前記一次実装半導体装置の第1主面に前記補強用シートの熱硬化性樹脂シートを、前記熱硬化性樹脂シートから前記半田バンプを露出させながら加熱加圧下にて貼り合わせる工程C、
前記工程Cの後、前記補強用シートにおける熱硬化性樹脂シートと基材シートとを剥離して前記熱硬化性樹脂シート付きの一次実装半導体装置を得る工程D、及び
前記工程Dの後、前記熱硬化性樹脂シートを加熱処理する工程E
を含むバンプ根元補強型の一次実装半導体装置の製造方法に関する。
当該製造方法では、補強用シートを一次実装半導体の半田バンプ形成面に加熱加圧下にて貼り合わせるので、熱硬化性樹脂シートを半田バンプの一次実装基板側の根元部分まで埋め込むことができ、半田バンプの根元部分を補強することができる。その結果、一次実装半導体装置と半田バンプとの線膨張係数の差の影響が緩和されて、半田バンプの根元部分でのクラックを防止することができる。さらに、一次実装半導体装置を配線基板に実装した際の二次実装半導体装置の信頼性を向上させることができる。また、所定の加熱加圧下での熱硬化性樹脂シートの貼り合わせにより、半田バンプの潰れを起こすことなく半田バンプを熱硬化性樹脂シートから露出させることができ、その結果、半田バンプと二次実装基板との良好な電気的接続を図ることができる。
前記工程Cおける加熱温度が130℃以上であることが好ましい。これにより貼り合わせの際に熱硬化性樹脂シートが十分軟化させることができ、熱硬化性樹脂シートの半田バンプの根元への埋め込みを容易に行うことができる。
前記基材シートがフッ素系シートであることが好ましい。フッ素系シートは柔軟性と剛性とのバランスが良好である。これにより、基材シートに半田バンプ形状に追従可能な柔軟性を付与することができ、半田バンプを押し潰すことなく半田バンプの頭頂部を熱硬化性樹脂シートから露出させることができる。また、基材シートに適度な剛性を付与可能となり、半田バンプの頭頂部付近に存在する樹脂を押し流すことができ、半田バンプの頭頂部を熱硬化性樹脂シートから露出させることができる。さらに、フッ素系シートは離型性を有しているので、従来のPETシート等に設けていた離型材を必要とせず、これにより熱硬化性樹脂シートへの離型材の転写も防止することができる。
前記半田バンプの高さが150μm以上250μm以下であってもよい。このように大径化した半田バンプであっても、当該製造方法では、半田バンプの根元補強と半田バンプの頭頂部の露出を効率良く達成することができる。
前記基材シートの厚みの前記半田バンプの高さに対する割合が0.2〜0.67であることが好ましい。これにより、半田バンプの根元への熱硬化性樹脂シートの埋め込みと、半田バンプの変形を伴わない半田バンプの頭頂部の露出をより効率良く達成することができる。
前記工程Eにおける加熱温度が150℃以上であることが好ましい。これにより、熱硬化性樹脂シートを効率良く熱硬化させることができる。
本発明の一実施形態に係る補強用シートを示す断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造工程の一工程を示す断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造工程の一工程を示す断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造工程の一工程を示す断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造工程の一工程を示す断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造工程の一工程を示す断面模式図である。 本発明の他の実施形態に係る半導体装置の製造工程の一工程を示す断面模式図である。
本発明の実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。ただし、図の一部又は全部において、説明に不要な部分は省略し、また説明を容易にするために拡大または縮小等して図示した部分がある。上下等の位置関係を示す用語は、単に説明を容易にするために用いられており、本発明の構成を限定する意図は一切ない。
《第1実施形態》
第1実施形態では、一次実装半導体装置として半導体チップがインターポーザーにフリップチップ実装されたパッケージを用いる。
<工程A>
工程Aでは、基材シートと該基材シート上に積層された熱硬化性樹脂シートとを備える補強用シートを準備する。
(補強用シート)
図1に示すように、補強用シート8は、基材シート1と、基材シート1上に積層された熱硬化性樹脂シート2とを備える。なお、熱硬化性樹脂シート2は、一次実装半導体装置10(図2A参照)の樹脂封止集合体との貼り合わせに十分なサイズで設けられている限り、基材シート1の全面に積層されていてもよく、基材シート1の一部に積層されていてもよい。
(基材シート)
基材シート1は、補強用シート8の強度母体となる部材である。基材シート1の形成材料は、柔軟性と剛性とを付与可能であれば特に限定されない。基材シート1はフッ素系シートであることが好ましい。フッ素系シートとしては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニールエーテルの共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)、ポリビニルフルオライド(PVF)等により形成されたシートが挙げられる。中でも、柔軟性と剛性とのバランスの観点から、フッ素含有モノマーとエチレンモノマーとの共重合体が好ましく、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)がより好ましい。フッ素系シートであるとそれ自体が離型性を有することから、特段離型剤を用いる必要がない。これにより、補強用シートの製造プロセスの簡素化やコストダウンを図ることができる。
フッ素含有モノマーとエチレンモノマーとの配合割合としては、モル比でフッ素含有モノマー100に対してエチレンモノマーが60〜110であることが好ましい。このような配合割合とすることにより、基材シートの柔軟性と剛性とのバランスが良好になるとともに、目的とする補強対象に応じて基材シートの柔軟性と剛性とを制御することができる。
前記基材シートの厚みは40〜100μmであることが好ましく、50〜75μmであることがより好ましい。基材シートの厚みを上記範囲とすることで、半田バンプ根元の補強及び二次実装基板との電気的接続を効率良く達成することができる。
基材シート1の175℃における貯蔵弾性率E’は5×10Pa以上5×10Pa以下であることが好ましく、9×10Pa以上4×10Pa以下であることがより好ましい。上記上限以下とすることにより、基材シートが半田バンプ形状に追従可能な柔軟性を付与することができ、半田バンプを押し潰すことなく半田バンプの頭頂部を熱硬化性樹脂シートから露出させることができる。また、上記下限以上とすることにより、基材シートに適度な剛性を付与可能となり、半田バンプの頭頂部付近に存在する樹脂を押し流すことができ、半田バンプの頭頂部を熱硬化性樹脂シートから露出させることができる。
基材シートの貯蔵弾性率は、次のように測定される。基材シートを長さ20mm×幅2mm×厚さ200μmとして測定試料を得る。この測定試料の貯蔵弾性率をTAインスツルメント製RSA3で測定する。具体的には、−50〜300℃の温度域での貯蔵弾性率を、周波数1Hz、歪み0.05%、昇温速度10℃/minの条件下で測定し、175℃での貯蔵弾性率(E’)を読み取ることにより求めることができる。
基材シート1の表面は、隣接する熱硬化性樹脂シート2との密着性、保持性等を高めるため、慣用の表面処理、例えば、プラズマ処理、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の化学的又は物理的処理を施すことができる。
(熱硬化性樹脂シート)
本実施形態における熱硬化性樹脂シート2は、一次実装半導体装置の半田バンプの一次実装基板側の根元部分を補強する補強用フィルムとして好適に用いることができる。
熱硬化性樹脂シートを形成する樹脂組成物の好適な態様について以下説明する。樹脂組成物としては、熱硬化性樹脂シート硬化後の耐熱性や安定性を向上させる観点から、熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。具体的な成分として以下のA成分からE成分を含有するエポキシ樹脂組成物が好適な一例として挙げられる。
A成分:エポキシ樹脂
B成分:フェノール樹脂
C成分:エラストマー
D成分:無機充填剤
E成分:硬化促進剤
(A成分)
熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂(A成分)としては、特に限定されるものではない。例えば、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂等の各種のエポキシ樹脂を用いることができる。これらエポキシ樹脂は単独で用いてもよいし2種以上併用してもよい。
エポキシ樹脂の硬化後の靭性及びエポキシ樹脂の反応性を確保する観点からは、エポキシ当量150〜250、軟化点もしくは融点が50〜130℃の常温で固形のものが好ましく、中でも、信頼性の観点から、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂が好ましい。
また、低応力性の観点から、アセタール基やポリオキシアルキレン基等の柔軟性骨格を有する変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましく、アセタール基を有する変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、液体状で取り扱いが良好であることから、特に好適に用いることができる。
エポキシ樹脂(A成分)の含有量は、エポキシ樹脂組成物全体に対して1〜10重量%の範囲に設定することが好ましい。
(B成分)
フェノール樹脂(B成分)は、熱硬化性樹脂として用いることができるとともに、エポキシ樹脂(A成分)との間で硬化反応を生起するものであれば特に限定されるものではない。例えば、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、クレゾールノボラック樹脂、レゾール樹脂、等が用いられる。これらフェノール樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
フェノール樹脂としては、エポキシ樹脂(A成分)との反応性の観点から、水酸基当量が70〜250、軟化点が50〜110℃のものを用いることが好ましく、中でも硬化反応性が高いという観点から、フェノールノボラック樹脂を好適に用いることができる。また、信頼性の観点から、フェノールアラルキル樹脂やビフェニルアラルキル樹脂のような低吸湿性のものも好適に用いることができる。
エポキシ樹脂(A成分)とフェノール樹脂(B成分)の配合割合は、硬化反応性という観点から、エポキシ樹脂(A成分)中のエポキシ基1当量に対して、フェノール樹脂(B成分)中の水酸基の合計が0.7〜1.5当量となるように配合することが好ましく、より好ましくは0.9〜1.2当量である。
(C成分)
エポキシ樹脂(A成分)及びフェノール樹脂(B成分)とともに用いられるエラストマー(C成分)は特に限定するものではなく、例えば、各種アクリル系共重合体やゴム成分等を用いることができる。エポキシ樹脂(A成分)への分散性や、得られる熱硬化性樹脂シートの耐熱性、可撓性、強度を向上させることができるという観点から、ゴム成分を含むことが好ましい。このようなゴム成分としては、ブタジエン系ゴム、スチレン系ゴム、アクリル系ゴム、シリコーン系ゴムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併せて用いてもよい。
エラストマー(C成分)の含有量は、エポキシ樹脂組成物全体の1.0〜3.5重量%であることが好ましく、1.0〜3.0重量%であることがより好ましい。エラストマー(C成分)の含有量が1.0重量%未満では、熱硬化性樹脂シート2の柔軟性及び可撓性を得るのが困難となり、さらには熱硬化性樹脂シートの反りを抑えた樹脂封止も困難となる。逆に上記含有量が3.5重量%を超えると、熱硬化性樹脂シート2の溶融粘度が高くなって半田バンプの埋まり込み性が低下するとともに、熱硬化性樹脂シート2の硬化体の強度及び耐熱性が低下する傾向がみられる。
(D成分)
無機質充填剤(D成分)は、特に限定されるものではなく、従来公知の各種充填剤を用いることができ、例えば、石英ガラス、タルク、シリカ(溶融シリカや結晶性シリカ等)、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素の粉末が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
中でも、エポキシ樹脂組成物の硬化体の熱線膨張係数が低減することにより内部応力を低減し、その結果、一次実装半導体装置の補強後の熱硬化性樹脂シート2の反りを抑制できるという点から、シリカ粉末を用いることが好ましく、シリカ粉末の中でも溶融シリカ粉末を用いることがより好ましい。溶融シリカ粉末としては、球状溶融シリカ粉末、破砕溶融シリカ粉末が挙げられるが、流動性という観点から、球状溶融シリカ粉末を用いることが特に好ましい。中でも、平均粒径が55μm以下の範囲のものを用いることが好ましく、0.1〜30μmの範囲のものを用いることがより好ましく、0.5〜20μmの範囲のものを用いることが特に好ましい。上記平均粒径が上記上限を超えると、熱硬化性樹脂シートと一次実装基板との間への無機粒子の噛み込みが生じやすくなり、補強レベルが低下して二次実装半導体装置の耐衝撃性や接続信頼性が低下するおそれがある。上記無機充填剤の平均粒径が上記下限を下回ると、粒子の凝集が発生しやすくなり、熱硬化性樹脂シートの形成が困難となると同時に、無機充填剤の充填可能量が少なくなり熱硬化性樹脂シートの封止、硬化後に反りが生じる場合がある。
なお、平均粒径は、母集団から任意に抽出される試料を用い、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定することにより導き出すことができる。
無機質充填剤(D成分)の含有量は、好ましくはエポキシ樹脂組成物全体の70〜90体積%(シリカ粒子の場合、比重2.2g/cmであるので、81〜94重量%)であり、より好ましくは74〜85体積%(シリカ粒子の場合、84〜91重量%)であり、さらに好ましくは76〜83体積%(シリカ粒子の場合、85〜90重量%)である。無機質充填剤(D成分)の含有量が70体積%未満では、有機成分量が多いため熱硬化による収縮量が増大し、封止後に樹脂を熱硬化させた際の一次実装半導体装置に反りが生じる場合がある。また貯蔵弾性率が低下し半田バンプの根元領域の応力緩和信頼性が大きく損なわれる場合がある。一方、上記含有量が90体積%を超えると、熱硬化性樹脂シート2の柔軟性や流動性が悪くなるために、一次実装基板の凹凸や半田バンプの根元の空間に十分に埋まり込まずにボイドやクラックの原因となったりする場合がある。
(E成分)
硬化促進剤(E成分)は、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の硬化を進行させるものであれば特に限定されるものではないが、硬化性と保存性の観点から、トリフェニルホスフィンやテトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等の有機リン系化合物や、イミダゾール系化合物が好適に用いられる。これら硬化促進剤は、単独で用いても良いし、他の硬化促進剤と併用しても構わない。
硬化促進剤(E成分)の含有量は、エポキシ樹脂(A成分)及びフェノール樹脂(B成分)の合計100重量部に対して0.1〜5重量部であることが好ましい。
(その他の成分)
エポキシ樹脂組成物には、A成分からE成分に加えて、難燃剤成分を加えてもよい。難燃剤組成分としては、例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄、水酸化カルシウム、水酸化スズ、複合化金属水酸化物等の各種金属水酸化物を用いることができる。また、難燃剤成分としては上記金属水酸化物のほか、ホスファゼン化合物を用いることができる。ホスファゼン化合物としては、例えばSPR−100、SA−100、SP−100(以上、大塚化学株式会社)、FP−100、FP−110(以上、株式会社伏見製薬所)等が市販品として入手可能である。環状ホスファゼンオリゴマーは、例えばFP−100、FP−110(以上、株式会社伏見製薬所)等が市販品として入手可能である。少量でも難燃効果を発揮するという観点から、ホスファゼン化合物に含まれるリン元素の含有率は、12重量%以上であることが好ましい。
なお、エポキシ樹脂組成物は、上記の各成分以外に必要に応じて他の添加剤を適宜配合することができ、例えばカーボンブラックをはじめとする顔料、シランカップリング剤又はイオントラップ剤等が挙げられる。前記シランカップリング剤としては、例えば、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。これらの化合物は、単独で又は2種以上を併用して用いることができる。前記イオントラップ剤としては、例えばハイドロタルサイト類、水酸化ビスマス等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
熱硬化性樹脂シート2には、半田バンプの表面の酸化膜を除去して一次実装半導体装置の配線基板への実装を容易にするために、フラックスを添加してもよい。フラックスとしては特に限定されず、従来公知のフラックス作用を有する化合物を用いることができ、例えば、ジフェノール酸、アジピン酸、アセチルサリチル酸、安息香酸、ベンジル酸、アゼライン酸、ベンジル安息香酸、マロン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、サリチル酸、o−メトキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、コハク酸、2,6−ジメトキシメチルパラクレゾール、安息香酸ヒドラジド、カルボヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、チオカルボヒドラジド、ベンゾフェノンヒドラゾン、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド及びアジピン酸ジヒドラジド等が挙げられる。フラックスの添加量は上記フラックス作用が発揮される程度であればよく、通常、熱硬化性樹脂シートに含まれる樹脂成分100重量部に対して0.1〜20重量部程度である。
本実施形態において、熱硬化前の熱硬化性樹脂シート2の130〜200℃における最低溶融粘度ηは1000Pa・s以下であることが好ましく、60Pa・s以上500Pa・s以下であることがより好ましい。貼り合わせ時温度に相当する130〜200℃での最低溶融粘度ηを上記範囲とすることにより、半田バンプ4(図2A参照)の熱硬化性樹脂シート2への進入を容易にすることができるとともに、半田バンプ上の樹脂の押し流しが容易となって半田バンプの露出が可能となる。上記上限を超えると、封止時に半田バンプ上の樹脂が流動しにくくなり、そのまま半田バンプ頭頂部を被覆した状態のままになってしまうか、そのまま樹脂を押し込んでしまい半田バンプを潰してしまう場合がある。
熱硬化性樹脂シートの130〜200℃の範囲内での最低溶融粘度は次の手順で測定することができる。補強用シートから直径25mmの円状の小片を複数切り出す。小片から基材シート及び剥離ライナーを剥離しながら、厚みが約1mmとなるまで熱硬化性樹脂シートを積層させて測定サンプルとする。この測定サンプルについて、Rheometric Scientific社製の粘弾性測定装置「ARES」(測定条件:測定温度範囲50〜200℃、昇温速度10℃/min、周波数1Hz、歪み量10%)で粘度変化を追跡した際、130〜200℃における粘度の最低値を読み取ることで最低溶融粘度を求める。
熱硬化性樹脂シート2の厚み(複層の場合は総厚)は特に限定されず、半田バンプ4において補強すべき根元部分の範囲を考慮して適宜設定すればよい。熱硬化性樹脂シート2の強度や半田バンプ4の根元部分の補強性を考慮すると、熱硬化性樹脂シート2の厚みは半田バンプの高さよりも薄いことが好ましく、具体的には30μm以上100μm以下程度であってもよい。
熱硬化性樹脂シート2の基材シート1とは反対側の面は、セパレータにより保護されていることが好ましい(図示せず)。セパレータは、実用に供するまで熱硬化性樹脂シート2を保護する保護材としての機能を有している。セパレータは補強用シート8の熱硬化性樹脂シート2上に一次実装半導体装置10を貼着する際に剥がされる。セパレータとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレンや、フッ素系剥離剤、長鎖アルキルアクリレート系剥離剤等の剥離剤により表面コートされたプラスチックフィルムや紙等も使用可能である。
(熱硬化性樹脂シートの作製方法)
熱硬化性樹脂シートの作製方法としては、混練押出法や塗工法を好適に採用することができる。以下それぞれ説明する。
(混練押出法)
混練押出法は、混練物を調製する混練工程、及び前記混練物をシート状に成形して熱硬化性樹脂シートを得る成形工程を含む。
まず、上述の各成分を混合することによりエポキシ樹脂組成物を調製する。混合方法は、各成分が均一に分散混合される方法であれば特に限定するものではない。その後、各配合成分を直接ニーダー等で混練することにより混練物を調製する。
具体的には、上記A〜E成分及び必要に応じて他の添加剤の各成分をミキサーなど公知の方法を用いて混合し、その後、溶融混練することにより混練物を調製する。溶融混練する方法としては、特に限定されないが、例えば、ミキシングロール、加圧式ニーダー、押出機などの公知の混練機により、溶融混練する方法などが挙げられる。このようなニーダーとしては、例えば、軸方向の一部においてスクリュー羽のスクリュー軸からの突出量が他の部分のスクリュー羽のスクリュー軸からの突出量よりも小さい部分を有する混練用スクリュー、又は軸方向の一部においてスクリュー羽がない混練用スクリューを備えたニーダーを好適に用いることができる。スクリュー羽の突出量が小さい部分又はスクリュー羽がない部分では低せん断力かつ低攪拌となり、これにより混練物の圧縮率が高まって噛みこんだエアを排除可能となり、得られる混練物における気孔の発生を抑制することができる。
混練条件としては、温度が、上記した各成分の軟化点以上であれば特に制限されず、例えば30〜150℃、エポキン樹脂の熱硬化性を考慮すると、好ましくは40〜140℃、さらに好ましくは60〜120℃であり、時間が、例えば1〜30分間、好ましくは5〜15分間である。これによって、混練物を調製することができる。
得られる混練物をシート状に押出成形により成形することにより、熱硬化性樹脂シート2を得ることができる。具体的には、溶融混練後の混練物を冷却することなく高温状態のままで、押出成形することで、熱硬化性樹脂シート2を形成することができる。このような押出方法としては、特に制限されず、Tダイ押出法、ロール圧延法、ロール混練法、共押出法、カレンダー成形法などが挙げられる。押出温度としては、上記した各成分の軟化点以上であれば、特に制限されないが、エポキシ樹脂の熱硬化性および成形性を考慮すると、例えば40〜150℃、好ましくは、50〜140℃、さらに好ましくは70〜120℃である。以上により、熱硬化性樹脂シート2を形成することができる。
このようにして得られた熱硬化性樹脂シートは、必要により所望の厚みとなるように積層して使用してもよい。すなわち、熱硬化性樹脂シートは、単層構造にて使用してもよいし、2層以上の多層構造に積層してなる積層体として使用してもよい。
(塗工法)
塗工法では、熱硬化性樹脂シートの各成分を有機溶剤等に溶解又は分散したワニスを塗工してシート状に形成する。
ワニスを用いる具体的な作製手順としては、上記A〜E成分及び必要に応じて他の添加剤を常法に準じて適宜混合し、有機溶剤に均一に溶解あるいは分散させ、ワニスを調製する。ついで、上記ワニスをポリエステル等の支持体上に塗布し乾燥させることにより封止シートを得ることができる。そして必要により、封止シートの表面を保護するためにポリエステルフィルム等の剥離シートを貼り合わせてもよい。
上記有機溶剤としては、特に限定されるものではなく従来公知の各種有機溶剤、例えばメチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジエチルケトン、トルエン、酢酸エチル等を用いることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併せて用いてもよい。また通常、ワニスの固形分濃度が30〜95重量%の範囲となるように有機溶剤を用いることが好ましい。
有機溶剤乾燥後のシートの厚みは、特に制限されるものではないが、厚みの均一性と残存溶剤量の観点から、通常、5〜100μmに設定することが好ましく、より好ましくは20〜70μmである。また、乾燥後のシートを複数枚積層させて所望の厚さとしてもよい。なお、ワニス塗工後の乾燥条件としては100〜150℃で1〜5分間程度である。
<工程B>
工程Bでは、第1主面に半田バンプが形成された一次実装半導体装置を準備する。
(一次実装半導体装置)
図2Aに示すように、本実施形態に係る一次実装半導体装置10は、第1主面3aに半田バンプ4が形成された半導体装置であればよい。例えば、半導体チップ又は半導体素子5が、いわゆるインターポーザー又は基板3を介して、半田バンプ4(ハンダボール、導電性ボールなどともいう。)と接続された形態の半導体装置を指し、通常は、封止樹脂6により封止されてパッケージを構成している。従って、厳密には、図2Aに示されているのは複数の一次実装半導体装置が樹脂封止された封止集合体ということになるが、本明細書では両者を区別せずに一次実装半導体装置ということがある。また、マルチ・チップ・モジュール(MCM)やチップ・サイズ・パッケージ(CSP)、ボール・グリッド・アレイ(BGA)等も一次実装半導体装置に含まれる。
具体的には、本実施形態の一次実装半導体装置10は、主として、切り出し可能なインターポーザー3と、インターポーザー3上にXY平面状に配列されて封止樹脂6によって封止された半導体チップ5と、インターポーザー3を挟んで半導体チップ5に形成された電極(図示せず)と電気的に接続された半田バンプ4とから形成される。なお、半導体チップ5は、インターポーザー3との間で電極接合が行われており、複数が一括して封止樹脂6によって封止されていることが好ましい。
インターポーザー3としては特に限定されず、例えば、セラミック基板、プラスチック(エポキシ、ビスマレイミドトリアジン、ポリイミド等)基板、シリコン基板等が挙げられる。
半導体チップ5とインターポーザー3との電極接合の形態は、特に限定されるものではなく、金線、銅線によるワイヤーボンドや、バンプ接合等が挙げられる。また、半田バンプとしては、金、銅、ニッケル、アルミ、ハンダ及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。
半田バンプの高さは特に限定されないものの、150μm以上250μm以下が好ましく、160μm以上230μm以下がより好ましい。このように大径化した半田バンプであっても、当該製造方法では、半田バンプの根元補強と半田バンプの頭頂部の露出を効率良く達成することができる。
補強用シート8では、熱硬化性樹脂シート2の厚みは、半田バンプ4の高さより薄いことが好ましく、半田バンプ4の高さの60%以下であることがより好ましく、58%以下がよりさらに好ましく、55%以下が特に好ましい。これにより半田バンプ4が熱硬化性樹脂シート2を越えて基材シート1まで到達することができる。その結果、その後の基材シート1の剥離の際には、半田バンプ4は熱硬化性樹脂シート2から露出することになるので(図2B参照)、配線基板との良好な電気的接続を達成可能となる。同時に、半田バンプの熱硬化性樹脂シートからの露出量の調整が容易となるので、半田バンプの根元部分の集中的な補強を効率良く行うことができる。
前記基材シートの厚みの前記半田バンプの高さに対する割合が0.2〜0.67であることが好ましく、0.23〜0.65であることがより好ましい。これにより、半田バンプの根元への熱硬化性樹脂シートの埋め込みと、半田バンプの変形を伴わない半田バンプの頭頂部の露出をより効率良く達成することができる。
<工程C>
工程Cでは、図2Aに示すように、一次実装半導体装置の第1主面に前記補強用シートの熱硬化性樹脂シートを、前記熱硬化性樹脂シートから前記半田バンプを露出させながら加熱加圧下にて貼り合わせる。加熱加圧条件下での貼り合わせは、汎用性および生産性の観点から、温調可能なロール圧着又はプレス圧着方式等が好適に用いられる。これにより、バンプ根元補強用シートを一次実装半導体の半田バンプ形成面に貼り合わせる際に、熱硬化性樹脂シートを半田バンプの一次実装基板側の根元部分まで埋め込むことができ、半田バンプの根元部分を補強することができる。その結果、一次実装半導体装置と半田バンプとの線膨張係数の差の影響が緩和されて、半田バンプの根元部分でのクラックを防止することができる。さらに、一次実装半導体装置を配線基板に実装した際には、二次実装半導体装置の信頼性を向上させることができる。また、半田バンプの潰れを起こすことなく半田バンプを熱硬化性樹脂シートから露出させることができ、その結果、半田バンプと二次実装基板との良好な電気的接続を図ることができる。
加熱温度は、熱硬化性樹脂シート2の流動性の観点から、熱硬化性樹脂シート2を構成する樹脂の軟化点以上かつ硬化反応開始温度以下であることが好ましい。そのような温度としては、通常、130℃〜200℃程度の温度範囲から選択される。これにより、樹脂の流動性を確保して、半田バンプ間を熱硬化性樹脂シート2によって十分埋め込むことができるとともに、インターポーザー3の第1主面3aに対する十分な密着性を得ることができる。また、基材シート1も軟化し得るので、熱硬化性樹脂シート2を越えた半田バンプ4に追従可能となり、半田バンプ4の押し潰しを防止することができる。
加圧は、半導体装置の強度および熱硬化樹脂シートの流動性の観点から、好ましくは0.5〜5MPa、より好ましくは1〜3MPaの圧力を負荷して押圧しながら行われる。また必要に応じて、減圧雰囲気下(1〜1000Pa)で圧着してもよい。
工程Cの後であって工程Dの前に、上記一次実装半導体装置10の第1主面3aとは反対側の第2主面(すなわち、裏面)3b側から研削を行う裏面研削工程を行ってもよい(図示せず)。裏面研削工程では、封止樹脂6のみの研削を行ってもよく、半導体チップ5の裏面を研削するようにしてもよい。半導体チップ5の裏面が樹脂封止されていない場合は、そのまま半導体チップ5の裏面を研削することになる。一次実装半導体装置10の裏面研削に用いる薄型加工機としては特に限定されず、例えば研削機(バックグラインダー)、研磨パッド等を例示できる。また、エッチング等の化学的方法にて裏面研削を行ってもよい。裏面研削は、一次実装半導体装置が所望の厚み(例えば、10〜500μm)になるまで行われる。
<工程D>
工程Cの後、補強用シートにおける熱硬化性樹脂シート2と基材シート1とを剥離して熱硬化性樹脂シート2付きの一次実装半導体装置10を得る(図2B)。基材シート1がフッ素系シートである場合、それ自体の離型性により基材シート1をスムーズに剥離することができる。
<工程E>
工程Eでは、熱硬化性樹脂シート2に加熱処理を施すことで熱硬化性樹脂シートの硬化を図る。熱硬化性樹脂シート2の加熱処理の条件は、加熱温度として好ましくは130℃から200℃、より好ましくは150℃から180℃、加熱時間として好ましくは3分から200分、より好ましくは30分から120分の間であり、必要に応じて加圧しても良い。加圧の際は、好ましくは0.1MPaから10MPa、より好ましくは0.5MPaから5MPaを採用することができる。基材シート1が耐熱性を有し、かつ加熱処理後でも離型性を維持するのであれば、熱硬化性樹脂シート2の加熱処理後に基材シート1を剥離してもよい。
以上の工程により、半田バンプ4の一次実装基板側の根元が熱硬化性樹脂シートにより補強された一次実装半導体装置10を製造することができる。さらに、以下の工程を経ることにより、一次実装半導体装置が半田バンプを介して配線基板に接合された二次実装半導体装置を製造することができる。
<工程F(ダイシング工程)>
本実施形態のように、半導体素子5が基板3を介して半田バンプ4と接続された一次実装半導体装置が封止樹脂6により複数封止されたパッケージが構成されている場合、1つの一次実装半導体装置を1単位とするパッケージに個片化するダイシング工程を行うことができる。
まず、熱硬化性樹脂シート2付き一次実装半導体装置10とダイシングテープ11とを貼り合わせる(図2C参照)。ダイシングテープ11との貼り合わせの際、一次実装半導体装置の第2主面3b側とダイシングテープ11の粘着剤層11bとが対向するように貼り合わせる。従って、一次実装半導体装置10の第1主面3aに貼り合わされた熱硬化性樹脂シート2は露出した状態(図2C中、上向き)となる。
ダイシングテープ11は、基材層11a上に粘着剤層11bが積層された構造を有する。また、市販のダイシングテープも好適に用いることができる。
(基材層)
上記基材層11aはダイシングテープ11の強度母体となるものである。例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ランダム共重合ポリプロピレン、ブロック共重合ポリプロピレン、ホモポリプロレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(ランダム、交互)共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、全芳香族ポリアミド、ポリフェニルスルフイド、アラミド(紙)、ガラス、ガラスクロス、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セルロース系樹脂、シリコーン樹脂、金属(箔)、紙等が挙げられる。粘着剤層11bが紫外線硬化型である場合、基材層11aは紫外線に対し透過性を有するものが好ましい。
また基材層11aの材料としては、上記樹脂の架橋体等のポリマーが挙げられる。上記プラスチックフィルムは、無延伸で用いてもよく、必要に応じて一軸又は二軸の延伸処理を施したものを用いてもよい。
基材層11aの表面は、隣接する層との密着性、保持性等を高めるため、慣用の表面処理、例えば、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の化学的又は物理的処理、下塗剤(例えば、後述する粘着物質)によるコーティング処理を施すことができる。
上記基材層11aは、同種又は異種のものを適宜に選択して使用することができ、必要に応じて数種をブレンドしたものを用いることができる。また、基材層11aには、帯電防止能を付与するため、上記の基材層11a上に金属、合金、これらの酸化物等からなる厚みが30〜500Å程度の導電性物質の蒸着層を設けることができる。基材層に帯電防止剤を添加することによっても帯電防止能を付与することができる。基材層11aは単層又は2種以上の複層でもよい。
基材層11aの厚みは適宜に決定でき、一般的には5μm以上200μm以下程度であり、好ましくは35μm以上120μm以下である。
なお、基材層11aには、各種添加剤(例えば、着色剤、充填剤、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、界面活性剤、難燃剤等)が含まれていてもよい。
(粘着剤層)
粘着剤層11bの形成に用いる粘着剤は、ダイシングの際に一次実装半導体装置10の封止体をしっかり保持するとともに、ダイシング後に熱硬化性樹脂シート付きの一次実装半導体装置を剥離可能に制御できるものであれば特に制限されない。例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等の一般的な感圧性接着剤を用いることができる。上記感圧性接着剤としては、半導体ウェハやガラス等の汚染をきらう電子部品の超純水やアルコール等の有機溶剤による清浄洗浄性などの点から、アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤が好ましい。
上記アクリル系ポリマーとしては、アクリル酸エステルを主モノマー成分として用いたものが挙げられる。上記アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、s−ブチルエステル、t−ブチルエステル、ペンチルエステル、イソペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、イソオクチルエステル、ノニルエステル、デシルエステル、イソデシルエステル、ウンデシルエステル、ドデシルエステル、トリデシルエステル、テトラデシルエステル、ヘキサデシルエステル、オクタデシルエステル、エイコシルエステル等のアルキル基の炭素数1〜30、特に炭素数4〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキルエステル等)及び(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル(例えば、シクロペンチルエステル、シクロヘキシルエステル等)の1種又は2種以上を単量体成分として用いたアクリル系ポリマー等が挙げられる。なお、(メタ)アクリル酸エステルとはアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルをいい、本発明の(メタ)とは全て同様の意味である。
上記アクリル系ポリマーは、凝集力、耐熱性などの改質を目的として、必要に応じ、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル又はシクロアルキルエステルと共重合可能な他のモノマー成分に対応する単位を含んでいてもよい。このようなモノマー成分として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有モノマー;アクリルアミド、アクリロニトリルなどがあげられる。これら共重合可能なモノマー成分は、1種又は2種以上使用できる。これら共重合可能なモノマーの使用量は、全モノマー成分の40重量%以下が好ましい。
さらに、上記アクリル系ポリマーは、架橋させるため、多官能性モノマーなども、必要に応じて共重合用モノマー成分として含むことができる。このような多官能性モノマーとして、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどがあげられる。これらの多官能性モノマーも1種又は2種以上用いることができる。多官能性モノマーの使用量は、粘着特性等の点から、全モノマー成分の30重量%以下が好ましい。
上記アクリル系ポリマーは、単一モノマー又は2種以上のモノマー混合物を重合に付すことにより得られる。重合は、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合等の何れの方式で行うこともできる。清浄な被着体への汚染防止等の点から、低分子量物質の含有量が小さいのが好ましい。この点から、アクリル系ポリマーの数平均分子量は、好ましくは30万以上、さらに好ましくは40万〜300万程度である。
また、上記粘着剤には、ベースポリマーであるアクリル系ポリマー等の数平均分子量を高めるため、外部架橋剤を適宜に採用することもできる。外部架橋方法の具体的手段としては、ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、メラミン系架橋剤などのいわゆる架橋剤を添加し反応させる方法があげられる。外部架橋剤を使用する場合、その使用量は、架橋すべきベースポリマーとのバランスにより、さらには、粘着剤としての使用用途によって適宜決定される。一般的には、上記ベースポリマー100重量部に対して、5重量部程度以下、さらには0.1〜5重量部配合するのが好ましい。さらに、粘着剤には、必要により、上記成分のほかに、従来公知の各種の粘着付与剤、老化防止剤などの添加剤を用いてもよい。
粘着剤層11bは放射線硬化型粘着剤により形成することができる。放射線硬化型粘着剤は、紫外線等の放射線の照射により架橋度を増大させてその粘着力を容易に低下させることができ、熱硬化性樹脂シート付きの一次実装半導体装置の剥離を容易に行うことができる。放射線としては、X線、紫外線、電子線、α線、β線、中性子線等が挙げられる。
放射線硬化型粘着剤は、炭素−炭素二重結合等の放射線硬化性の官能基を有し、かつ粘着性を示すものを特に制限なく使用することができる。放射線硬化型粘着剤としては、例えば、上記アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等の一般的な感圧性粘着剤に、放射線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分を配合した添加型の放射線硬化性粘着剤を例示できる。
配合する放射線硬化性のモノマー成分としては、例えば、ウレタンオリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレートなどがあげられる。また放射線硬化性のオリゴマー成分はウレタン系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリブタジエン系など種々のオリゴマーがあげられ、その重量平均分子量が100〜30000程度の範囲のものが適当である。放射線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分の配合量は、上記粘着剤層の種類に応じて、粘着剤層の粘着力を低下できる量を、適宜に決定することができる。一般的には、粘着剤を構成するアクリル系ポリマー等のベースポリマー100重量部に対して、例えば5〜500重量部、好ましくは40〜150重量部程度である。
また、放射線硬化型粘着剤としては、上記説明した添加型の放射線硬化性粘着剤のほかに、ベースポリマーとして、炭素−炭素二重結合をポリマー側鎖または主鎖中もしくは主鎖末端に有するものを用いた内在型の放射線硬化性粘着剤があげられる。内在型の放射線硬化性粘着剤は、低分子成分であるオリゴマー成分等を含有する必要がなく、または多くは含まないため、経時的にオリゴマー成分等が粘着剤在中を移動することなく、安定した層構造の粘着剤層を形成することができるため好ましい。
上記炭素−炭素二重結合を有するベースポリマーは、炭素−炭素二重結合を有し、かつ粘着性を有するものを特に制限なく使用できる。このようなベースポリマーしては、アクリル系ポリマーを基本骨格とするものが好ましい。アクリル系ポリマーの基本骨格としては、上記例示したアクリル系ポリマーがあげられる。
上記アクリル系ポリマーへの炭素−炭素二重結合の導入法は特に制限されず、様々な方法を採用できるが、炭素−炭素二重結合はポリマー側鎖に導入するのが分子設計が容易である。例えば、予め、アクリル系ポリマーに官能基を有するモノマーを共重合した後、この官能基と反応しうる官能基および炭素−炭素二重結合を有する化合物を、炭素−炭素二重結合の放射線硬化性を維持したまま縮合または付加反応させる方法があげられる。
これら官能基の組合せの例としては、カルボン酸基とエポキシ基、カルボン酸基とアジリジル基、ヒドロキシル基とイソシアネート基などがあげられる。これら官能基の組合せのなかでも反応追跡の容易さから、ヒドロキシル基とイソシアネート基との組合せが好適である。また、これら官能基の組み合わせにより、上記炭素−炭素二重結合を有するアクリル系ポリマーを生成するような組合せであれば、官能基はアクリル系ポリマーと上記化合物のいずれの側にあってもよいが、上記の好ましい組み合わせでは、アクリル系ポリマーがヒドロキシル基を有し、上記化合物がイソシアネート基を有する場合が好適である。この場合、炭素−炭素二重結合を有するイソシアネート化合物としては、例えば、メタクリロイルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートなどがあげられる。また、アクリル系ポリマーとしては、上記例示のヒドロキシ基含有モノマーや2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングルコールモノビニルエーテルのエーテル系化合物などを共重合したものが用いられる。
上記内在型の放射線硬化性粘着剤は、上記炭素−炭素二重結合を有するベースポリマー(特にアクリル系ポリマー)を単独で使用することができるが、特性を悪化させない程度に上記放射線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分を配合することもできる。放射線硬化性のオリゴマー成分等は、通常ベースポリマー100重量部に対して30重量部の範囲内であり、好ましくは0〜10重量部の範囲である。
上記放射線硬化型粘着剤には、紫外線等により硬化させる場合には光重合開始剤を含有させることが好ましい。光重合開始剤としては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α´−ジメチルアセトフェノン、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのα−ケトール系化合物;メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフエノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−1などのアセトフェノン系化合物;ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アニソインメチルエーテルなどのベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタールなどのケタール系化合物;2−ナフタレンスルホニルクロリドなどの芳香族スルホニルクロリド系化合物;1−フェニル−1,2―プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシムなどの光活性オキシム系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物;チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソンなどのチオキサンソン系化合物;カンファーキノン;ハロゲン化ケトン;アシルホスフィノキシド;アシルホスフォナートなどがあげられる。光重合開始剤の配合量は、粘着剤を構成するアクリル系ポリマー等のベースポリマー100重量部に対して、例えば0.05〜20重量部程度である。
なお、放射線照射の際に、酸素による硬化阻害が起こる場合は、放射線硬化型の粘着剤層11bの表面よりなんらかの方法で酸素(空気)を遮断するのが望ましい。例えば、上記粘着剤層11bの表面をセパレータで被覆する方法や、窒素ガス雰囲気中で紫外線等の放射線の照射を行う方法等が挙げられる。
なお、粘着剤層11bには、各種添加剤(例えば、着色剤、増粘剤、増量剤、充填剤、粘着付与剤、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、界面活性剤、架橋剤等)が含まれていてもよい。
粘着剤層11bの厚みは特に限定されないが、破断強度の調整や熱硬化性樹脂シート2の固定保持の両立性等の観点から1〜100μm程度であるのが好ましい。好ましくは2〜80μm、さらには好ましくは5〜60μmである。
ダイシング工程では、図2Dに示すように一次実装半導体装置10及び熱硬化性樹脂シート2をダイシングして個片化された熱硬化性樹脂シート2付きの一次実装半導体装置10を形成する。ここで得られる一次実装半導体装置10は同形状に切断された熱硬化性樹脂シート2と一体になっている。ダイシングは、一次実装半導体装置10の熱硬化性樹脂シート2を貼り合わせた第1主面3a側から常法に従い行われる。
本工程では、例えば、ダイシングテープ11まで切込みを行うフルカットと呼ばれる切断方式等を採用できる。本工程で用いるダイシング装置としては特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
なお、ダイシング工程に続いてダイシングテープのエキスパンドを行う場合、該エキスパンドは従来公知のエキスパンド装置を用いて行うことができる。エキスパンド装置は、ダイシングリングを介してダイシングテープを下方へ押し下げることが可能なドーナッツ状の外リングと、外リングよりも径が小さくダイシングテープを支持する内リングとを有している。このエキスパンド工程により、熱硬化性樹脂シート2付きの一次実装半導体装置10のピックアップの際に、隣り合うもの同士が接触して破損するのを防ぐことが出来る。
次に、二次実装工程である工程Gに先立ち、個片化された一次実装半導体装置10を回収するために、ピックアップを行う。ピックアップの方法としては特に限定されず、従来公知の種々の方法を採用できる。例えば、個々の一次実装半導体装置10をダイシングテープの基材層側からニードルによって突き上げ、突き上げられた一次実装半導体装置10をピックアップ装置によってピックアップする方法等が挙げられる。なお、ピックアップされた一次実装半導体装置10は、第1主面3aに貼り合わされた熱硬化性樹脂シート2と一体となって積層体を構成している。
ここでピックアップは、粘着剤層11bが紫外線硬化型の場合、該粘着剤層11bに紫外線を照射した後に行う。これにより、粘着剤層11bの一次実装半導体装置10に対する粘着力が低下し、一次実装半導体装置10の剥離が容易になる。その結果、一次実装半導体装置10を損傷させることなくピックアップが可能となる。紫外線照射の際の照射強度、照射時間等の条件は特に限定されず、適宜必要に応じて設定すればよい。また、紫外線照射に使用する光源としては、例えば低圧水銀ランプ、低圧高出力ランプ、中圧水銀ランプ、無電極水銀ランプ、キセノン・フラッシュ・ランプ、エキシマ・ランプ、紫外LED等を用いることができる。
<工程G(二次実装工程)>
工程Gでは、熱硬化性樹脂シート2付きの一次実装半導体装置10を配線基板23に半田バンプ4を介して電気的に接続する(図2E参照)。具体的には、一次実装半導体装置10の第1主面3aが配線基板23と対向する形態で、配線基板23に常法に従い固定させる。例えば、一次実装半導体装置10に形成されている半田バンプ4を、配線基板23の接続パッドに被着された接合用の導電材(図示せず)に接触させて押圧しながら導電材を溶融させることにより、一次実装半導体装置10と配線基板23との電気的接続を確保することができる。一次実装半導体装置10の第1主面3a側には熱硬化性樹脂シート2が貼り付けられているので、半田バンプ4の根元部分を補強しつつ、半田バンプ4と配線基板23との電気的接続を図ることができる。
二次実装工程における一般的な加熱条件としては200〜300℃であり、加圧条件としては0〜1000Nである。また、二次実装工程での熱圧着処理を多段階で行ってもよい。例えば、150℃、50Nで10秒間処理した後、280℃、10〜100Nで10秒間処理するという手順を採用することができる。多段階で熱圧着処理を行うことにより、半田バンプ4とパッド間の樹脂を効率よく除去し、より良好な金属間接合を得ることが出来る。
配線基板23としては、リジッド配線基板やフレキシブル配線基板、セラミック配線基板、メタルコア配線基板、有機基板等の公知の配線基板が挙げられる。
なお、二次実装工程では、半田バンプ4及び導電材の一方又は両方を溶融させて、両者を接続させているが、この半田バンプ4及び導電材の溶融時の温度としては、通常、260℃程度(例えば、250℃〜300℃)となっている。本実施形態に係る補強用シートは、熱硬化性樹脂シート2をエポキシ樹脂等により形成することにより、この実装工程における高温にも耐えられる耐熱性を有するものとすることができる。
[二次実装半導体装置]
次に、当該補強用シートを用いて得られる二次実装半導体装置について図面を参照しつつ説明する(図2F参照)。本実施形態に係る半導体装置20では、一次実装半導体装置10と配線基板23とが、一次実装半導体装置10上に形成された半田バンプ4及び配線基板23上に設けられた導電材(図示せず)を介して電気的に接続されている。また、半田バンプ4の根元部分には、当該部分を補強するように熱硬化性樹脂シート2が配置されていることから、優れた耐衝撃性を発揮することができる。
《第2実施形態》
第1実施形態では、一次実装半導体装置として、半導体チップがインターポーザーにフリップチップ実装されたパッケージを用いたが、第2実施形態では、ウェハ・レベル・チップ・サイズ・パッケージ(WS−CSP。以下、「CSP」ともいう。)を用いる。
図3には、配線基板43にCSPが二次実装された二次実装半導体装置40を示している。CSPはチップ45と、チップ45の片面に形成された導電性ピラー49及び再配線層46と、再配線層46上に積層された封止樹脂層47と、導電性ピラー49の先端に設けられた半田バンプ44とを備えており、このCSPの封止樹脂層47上にさらに半田バンプの根元部分を補強するための熱硬化性樹脂シート42が積層されている。二次実装半導体装置40は、CSPを一次実装半導体装置として用いること以外は、第1実施形態で説明した工程を経ることで好適に製造することができる。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている材料や配合量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、部とあるのは、重量部を意味する。
<実施例1>
(熱硬化性樹脂シートの配合例)
エポキシ樹脂1:新日鐵化学(株)製のYSLV−80XY(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキン当量200g/eq.、軟化点80℃)
100部
エポキシ樹脂2:三菱化学社製のJER828(エポキシ当量185g/eq.、常温で液状)
96.9部
フェノール樹脂:明和化成社製のMEH7500−3S(水酸基当量103g/eq.、軟化点83℃)
89.6部
無機充填剤1:電気化学工業社製のFB−5SDC(溶融球状シリカ、平均粒子径5μm)
923.6部
無機充填剤2:(株)アドマテックス製のSO−25R(溶融球状シリカ、平均粒子径0.5μm)
245.5部
硬化促進剤:四国化成工業社製の2PHZ−PW(2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール)
2.9部
シランカップリング剤:信越化学社製のKBM−403(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)
1.55部
カーボンブラック:三菱化学社製の#20
2.9部
(補強用シートの作製)
基材シートとして、厚み50μmのフッ素系シート(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)含有)を準備した。フッ素系シートにプラズマ処理を施した。
上記配合比に従い、各成分を配合し、ロール混練機により60〜120℃、10分間、減圧条件下(0.01kg/cm)で溶融混練し、混練物を調製した。次いで、得られた混練物を剥離ライナー上に載置し、平板プレス法によりシート状(50mm×50mm)に成形することで、厚み50μmの熱硬化性樹脂シートを作製した。
基材シートのプラズマ処理面と熱硬化性樹脂シートとをハンドローラーで貼り合わせることで(貼り合わせ温度70℃)補強用シートを作製した。
(評価)
作製した補強用シートを用い、半田バンプの根元部分への樹脂充填性を以下の手順にて評価した。
まず、評価チップとほぼ同サイズとした熱硬化性樹脂シート上の剥離ライナーを剥離した後、貼り合わせ装置(ミカドテクノス社製のVS008−1515)を用い、補強用シートの熱硬化性樹脂シートを平板真空プレス(10秒陰圧とし、その後60秒プレス)によりチップの半田バンプ形成面へ貼り合わせて補強用シート付きチップを作製した。
<評価チップ>
平面視サイズ:4.3mm×4mm
チップ厚み:700μm
半田バンプ高さ:200μm
<貼り合わせ条件>
温度:175℃
圧力:2MPa
減圧雰囲気:−100kPa(ゲージ圧力)
次に、基材シートを剥離し、150℃のオーブンにて熱硬化性樹脂シートを60分間加熱処理して硬化させた。顕微鏡観察用の包埋樹脂にてチップ全体を包埋し、半田バンプのチップとの接合部分が現れるまで研磨した。断面を走査型電子顕微鏡(SEM;700倍)にて観察し、半田バンプの頭頂部の潰れがなく、かつ熱硬化性樹脂シートが半田バンプの頭頂部を被覆していなかった(半田バンプが熱硬化性樹脂シートから露出していた)場合を「○」、半田バンプの頭頂部が潰れていたか、又は熱硬化性樹脂シートが半田バンプの頭頂部を被覆していた(半田バンプが熱硬化性樹脂シートから露出していなかった)場合を「×」として評価した。
<比較例1>
補強用シートとチップとの貼り合わせの際の温度を室温(25℃)としたこと以外は、実施例1と同様にして補強用シート付きチップについての評価を行った。
Figure 2017084973
表1より、実施例1では半田バンプの潰れもなく、半田バンプが熱硬化性樹脂シートから露出しており、半田バンプの根元部分が熱硬化性樹脂シートにて充填されていた。一方、比較例1では、半田バンプの頭頂部の潰れが確認された。これは、補強用シートのチップへの貼り合わせ時に加熱を行わなかったことにより、補強用シートの柔軟性が低下して剛性が高くなり過ぎたことに起因すると考えられる。
1 基材シート
2 熱硬化性樹脂シート
3、43 インターポーザー
3a インターポーザーの第1主面
3b インターポーザーの第1主面とは反対側の第2主面
4、44 半田バンプ
5、45 半導体チップ(半導体素子)
6 封止樹脂
8 バンプ根元補強用シート
11 ダイシングテープ
10 一次実装半導体装置
20、40 二次実装半導体装置

Claims (6)

  1. 基材シートと該基材シート上に積層された熱硬化性樹脂シートとを備える補強用シートを準備する工程A、
    第1主面に半田バンプが形成された一次実装半導体装置を準備する工程B、
    前記一次実装半導体装置の第1主面に前記補強用シートの熱硬化性樹脂シートを、前記熱硬化性樹脂シートから前記半田バンプを露出させながら加熱加圧下にて貼り合わせる工程C、
    前記工程Cの後、前記補強用シートにおける熱硬化性樹脂シートと基材シートとを剥離して前記熱硬化性樹脂シート付きの一次実装半導体装置を得る工程D、及び
    前記工程Dの後、前記熱硬化性樹脂シートを加熱処理する工程E
    を含むバンプ根元補強型の一次実装半導体装置の製造方法。
  2. 前記工程Cおける加熱温度が130℃以上である請求項1に記載の一次実装半導体装置の製造方法。
  3. 前記基材シートがフッ素系シートである請求項1又は2に記載の一次実装半導体装置の製造方法。
  4. 前記半田バンプの高さが150μm以上250μm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の一次実装半導体装置の製造方法。
  5. 前記基材シートの厚みの前記半田バンプの高さに対する割合が0.2〜0.67である請求項1〜4のいずれか1項に記載の一次実装半導体装置の製造方法。
  6. 前記工程Eにおける加熱温度が150℃以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の一次実装半導体装置の製造方法。
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