JP2017083284A - 回転機の異常検知装置、回転機の異常検知方法、及び、回転機 - Google Patents

回転機の異常検知装置、回転機の異常検知方法、及び、回転機 Download PDF

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Abstract

【課題】弾性波を検知するセンサーが配置されている箇所の温度が上昇することによるセンサーの感度低下に対して、温度補償ができる、回転機の異常検知装置を提供する。【解決手段】第1の判定部16は、第1のデータD(t)を構成する強度値を順次、基準強度値で割り算して強度比を算出し、強度比が第1のしきい値Th1を超えているか否かを判定する処理(第1の処理)をする(ステップS3,S4)。第2の判定部17は、所定期間が経過した場合、所定期間中の第1のデータD(t)の平均変化率を算出し、平均変化率が予め定められた範囲内であるか否かを判定する(ステップS9,S10)。平均変化率が上記範囲内であると判定された場合、基準強度値が更新され、下げられる(ステップS11)。第1の判定部16は、基準強度値が更新された場合、次の所定期間、更新された基準強度値を用いて第1の処理をする。【選択図】図5

Description

本発明は、回転機に備えられる回転体の異常を検知する技術に関する。
回転機(例えば、圧縮機、モータ、発電機)の異常を検知する様々な技術が提案されている。例えば、非接触型圧縮機のロータ回転時に雄ロータと雌ロータの接触により発生するAE波とその時のロータの回転信号とを検出し、その検出したAE信号と回転信号に基づきロータ接触の診断を行う圧縮機の診断方法において、上記AE信号を増幅および検波し、その出力を周波数分析および加算平均処理し、その結果を上記回転信号に基づき判定基準と比較して、ロータ接触の有無などの診断を行うことを特徴とする圧縮機の診断方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、第1のロータ及び第2のロータが対となって回転する回転機械の異常接触状態を検出する異常接触検出方法において、前記回転機械から放出される弾性波信号を検波し、前記第1のロータの回転周波数成分及び前記第2のロータの回転周波数成分のうち少なくとも一方が前記検波された弾性波信号に所定レベル以上含まれる場合にはロータ相互間の接触と同定し、前記第1のロータの羽根の枚数にロータの回転周波数を乗じた周波数成分及び前記第2のロータの羽根の枚数にロータの回転周波数を乗じた周波数成分が前記検波信号に所定レベル以上含まれる場合にはロータとケーシング間の接触と同定し、前記回転機械から放出される弾性波信号の波形レベルが所定レベルよりも大きいが、前述したロータ相互接触並びにロータ・ケーシング間接触と同定されない場合には、封止材とロータ間の接触と同定することを特徴とする異常接触検出方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−231361号公報 特開平9−133577号公報
回転機が異常となる主な原因は、回転体どうしの接触や回転体とケーシングとの接触である。回転機が運転中、回転機からは、弾性波が発生し続けており、上記接触が発生すると、比較的大きい弾性波が瞬間的に発生する。この原理を利用して回転機の異常が検知される。弾性波は、振動センサーや超音波センサーを用いて検知される。これらのセンサーは、圧電素子を利用しており、センサーが配置されている箇所の温度が上昇すると、センサーの感度が低下する。従って、温度上昇に対して温度補償をする必要がある。
本発明は、弾性波を検知するセンサーが配置されている箇所の温度が上昇することによるセンサーの感度低下に対して、温度補償ができる、回転機の異常検知装置、回転機の異常検知方法、及び、回転機を提供することを目的とする。
本発明の第1の局面に係る回転機の異常検知装置は、回転体を備える回転機から生じる弾性波を検出するセンサーを用いて、前記回転機の異常を検知する装置であって、前記センサーから出力された信号を用いて生成された、前記弾性波の強度を示す強度値を時系列に並べたデータを取得する取得部と、前記データに含まれる前記強度値を順次、予め定められた基準強度値で割り算して強度比を算出し、前記強度比を順次、予め定められた第1のしきい値と比較し、前記強度比が前記第1のしきい値を超えているか否かを判定する処理を第1の処理とし、前記第1の処理の結果、前記強度比が前記第1のしきい値を超えている場合、前記回転機が異常であると判定する第1の判定部と、所定期間が経過した場合、前記所定期間中の前記データの平均変化率を算出し、前記平均変化率が予め定められた範囲内であるか否かを判定する処理を第2の処理とし、前記所定期間が経過する毎に、前記第2の処理をする第2の判定部と、前記第2の処理の結果、前記平均変化率が前記範囲内であると判定された場合、前記基準強度値を下げる更新をする更新部と、を備え、前記第1の判定部は、前記基準強度値が更新された場合、次の前記所定期間、更新された前記基準強度値を用いて前記第1の処理をする。
第1の判定部は、強度値を順次、第1のしきい値と比較するのではなく、上記第1の処理、すなわち、データに含まれる前記強度値を順次、基準強度値で割り算して強度比を算出し、強度比を順次、第1のしきい値と比較し、強度比が第1のしきい値を超えているか否かを判定する処理をする。強度値は、好ましくは、センサーから出力された信号の二乗平均平方根(RMS(root mean square)値)である。第1の判定部は、第1の処理の結果、強度比が第1のしきい値を超えている場合、回転機が異常であると判定する。
一方、所定期間が経過した場合、第2の判定部は、第2の処理、すなわち、所定期間中のデータの平均変化率を算出し、平均変化率が予め定められた範囲内であるか否かを判定する処理をする。予め定められた範囲とは、回転機に異常が発生していないが、センサーが配置されている箇所の温度が上昇することにより、センサーの感度が徐々に低下し、その結果、弾性波の強度が徐々に低下する範囲である。平均変化率が、予め定められた範囲内にあるとは、回転機が正常の状態にあることを意味する。更新部は、平均変化率が予め定められた範囲内であると判定されたとき、基準強度値を下げる更新をする。第1の判定部は、基準強度値が更新された場合、次の所定期間、更新された基準強度値を用いて第1の処理をする。
このように、本発明の第1の局面に係る回転機の異常検知装置によれば、回転機に異常はないが、センサーが配置されている箇所の温度が徐々に上昇することにより、強度値が徐々に低下した場合、基準強度値を更新して、基準強度値を下げ、この更新した基準強度値を用いて強度比を算出する。すなわち、本発明の第1の局面に係る回転機の異常検知装置では、データをそのまま用いて、第1のしきい値と比較するのではなく、データを正規化して第1のしきい値と比較する。このため、センサーが配置されている箇所の温度が徐々に上昇することにより、強度値が徐々に低下しても、回転機に異常が発生することによる強度値の上昇を検知することができる。
なお、温度センサーと弾性波を検知するセンサーとを組み合わせることにより、温度補償をする態様も考えられる。この態様では、温度センサーは、弾性波を検知するセンサーやこのセンサーの周辺に配置される。温度センサーから得られた温度データを基にして、弾性波を検知するセンサーの感度が補正される。これに対して、本発明の第1の局面に係る回転機の異常検知装置によれば、温度センサーを用いることなく、温度補償をすることができる。
上記構成において、前記更新部は、前記平均変化率が前記範囲外であると判定されたとき、前記基準強度値を更新しない。
平均変化率が予め定められた範囲外であると判定されたとき(すなわち、平均変化率が予め定められた範囲内でないと判定されたとき)、基準強度値を下げれば、第1の判定部は、回転機に異常が発生した否かを正しく判定できないおそれがある。そこで、更新部は、平均変化率が予め定められた範囲外であると判定されたとき、基準強度値を更新しない。
上記構成において、前記第2の判定部は、下記式を用いて前記平均変化率を算出し、前記更新部は、前記基準強度値の更新において、前記所定期間の最後の前記強度値を前記基準強度値にする。
平均変化率=|VF−VL|÷T
(Tは、前記所定期間を示し、VFは、前記所定期間の最初の前記強度値を示し、VLは、前記所定期間の最後の前記強度値を示す。)
この構成は、更新される基準強度値の一例である。
上記構成において、前記第2の判定部は、前記所定期間が経過した場合、前記所定期間での前記平均変化率を予め定められた基準傾きで割り算して、傾き比を算出し、前記傾き比が予め定められた第2のしきい値を超えているか否かを判定する処理を第3の処理とし、前記所定期間が経過する毎に、前記第2の処理に加えて、前記第3の処理をし、前記第2の処理の結果、前記平均変化率が前記範囲内であると判定され、かつ、前記第3の処理の結果、前記傾き比が前記第2のしきい値以下と判定されたとき、前記更新部は、前記基準強度値を更新して、前記所定期間の最後の前記強度値を前記基準強度値にし、かつ、前記基準傾きを更新して、前記所定期間での前記平均変化率を前記基準傾きにし、前記第2の判定部は、前記基準傾きが更新された場合、次の前記所定期間、更新された前記基準傾きを用いて前記第3の処理をする。
この構成によれば、平均変化率に加えて、傾き比(平均変化率を基準傾きで割り算した値)が考慮される。これにより、強度値が急激に上昇せずに、徐々に上昇する場合でも、回転機に異常が発生したことを迅速に検知することができる。
本発明の第2の局面に係る回転機の異常検知方法は、回転体を備える回転機から生じる弾性波を検出するセンサーを用いて、前記回転機の異常を検知する方法であって、前記センサーから出力された信号を用いて生成された、前記弾性波の強度を示す強度値を時系列に並べたデータを取得する第1のステップと、前記データに含まれる前記強度値を順次、予め定められた基準強度値で割り算して強度比を算出し、前記強度比を順次、予め定められた第1のしきい値と比較し、前記強度比が前記第1のしきい値を超えているか否かを判定する処理を第1の処理とし、前記第1の処理の結果、前記強度比が前記第1のしきい値を超えている場合、前記回転機が異常であると判定する第2のステップと、所定期間が経過した場合、前記所定期間中の前記データの平均変化率を算出し、前記平均変化率が予め定められた範囲内であるか否かを判定する処理を第2の処理とし、前記所定期間が経過する毎に、前記第2の処理をする第3のステップと、前記第2の処理の結果、前記平均変化率が前記範囲内であると判定された場合、前記基準強度値を下げる更新をする第4のステップと、を備え、前記第2のステップは、前記基準強度値が更新された場合、次の前記所定期間、更新された前記基準強度値を用いて前記第1の処理をする。
本発明の第2の局面に係る回転機の異常検知方法によれば、本発明の第1の局面に係る回転機の異常検知装置と同様の作用効果を有する。
本発明の第3の局面に係る回転機は、上記異常検知装置を備える回転機である。
本発明の第3の局面に係る回転機によれば、本発明の第1の局面に係る回転機の異常検知装置と同様の作用効果を有する。
本発明によれば、弾性波を検知するセンサーが配置されている箇所の温度が上昇することによるセンサーの感度低下に対して、温度補償ができる。
回転機の一例を示す模式図である。 本実施形態に係る回転機の異常検知装置の構成を示すブロック図である。 回転機が正常な状態において、信号処理部で生成された第1のデータD(t)及び第2のデータD(t)を示すグラフである。 第1のデータD(t)としきい値Thとの関係を示すグラフである。 本実施形態に係る回転機の異常検知装置の動作を説明するフローチャートである。 第1のデータD(t)、所定期間T、所定期間の最初の強度値VF、及び、所定期間の最後の強度値VLの関係を示すグラフである。 強度比と時間との関係を示すグラフである。 平均変化率がゼロに近い場合の第1のデータD(t)を示すグラフである。 回転機に異常が発生したときに、強度値が徐々に上昇する例を示すグラフである。 図9の矢印Pで示す部分を拡大した拡大図である。 本実施形態の変形例の動作を説明するフローチャートの一部である。
回転機に異常が発生すると、センサーから出力された信号を用いて生成された弾性波の強度を示す強度値は、瞬間的に上昇する。センサーが配置されている箇所の温度が上昇すると、センサーの感度が低下し、強度値が低下する。強度値が低下すると、回転機に異常が発生することにより、強度値が瞬間的に上昇する量が小さくなる。従って、強度値をしきい値と比較して、強度値がしきい値を超えれば、回転機が異常と判定する手法では、回転機の異常を検知できないおそれがある。センサーの感度は、得たい信号成分のみならず、ノイズとなる振動成分等についても低下するので、ある程度の温度範囲内では、センサーから出力された信号のSN比があまり変化しない。本発明者は、以上の点に着目して、本発明の一実施形態及びその変形例を創作した。
以下、図面に基づいて、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、回転機1の一例を示す模式図である。回転機1は、第1の回転体2と、第1の回転体2と所定のギャップGを設けて配置された第2の回転体3と、第1の回転体2及び第2の回転体3が収容されるケーシング4と、を備える。
第1の回転体2は、回転軸5を備え、回転軸5を中心に矢印A方向(例えば、反時計回りの方向)に回転駆動される。第2の回転体3は、回転軸6を備え、回転軸6を中心に矢印A方向と逆の矢印B方向(例えば、時計回りの方向)に回転駆動される。
ケーシング4の外壁には、二つのセンサー11a,11bが取り付けられている。センサー11a,11bは、それぞれ、回転機1から生じる弾性波を検出し、弾性波の強度と時間との関係を示す信号S1,S2を出力する。弾性波とは、例えば、振動波や超音波を意味する。
センサー11aは、第1の回転体2の一方端部2aの側に位置する。センサー11bは、第1の回転体2の他方端部2bの側に位置する。このように、センサー11a,11bは、回転体を備える回転機1の予め定められた複数の異なる箇所に配置され、回転体が回転中に回転機1から生じる弾性波を検出する。一つのセンサーでは、異常が発生した箇所が、センサーから離れていれば、異常を検知できないおそれがある。そこで、二つのセンサー11a,11bが互いに離されて、回転機1の異なる所定の箇所に配置されている。なお、センサー11a,11bの取り付け箇所は、上記箇所に限定されない。また、本実施形態では、複数のセンサーとして、二つのセンサー11a,11bを例に説明するが、センサーの数は、二以上であればよい。
図2は、本実施形態に係る回転機の異常検知装置10の構成を示すブロック図である。回転機の異常検知装置10は、センサー11a,11b及びコンピュータ12を備える。
センサー11a,11bは、第1の回転体2や第2の回転体3が回転中に何らかと接触することにより生じる弾性波を検出することができればよい。接触により生じる超音波を、弾性波として検出する場合、AE(Acoustic Emission)センサーが用いられる。接触により生じる振動を、弾性波として検出する場合、振動センサーが用いられる。本実施形態では、センサー11a,11bとして、AEセンサーを例にして説明する。
コンピュータ12は、表示部13及び制御部14を備える。表示部13は、液晶パネルのようなディスプレイである。制御部14は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及び、ROM(Read Only Memory)等によって実現される。ROMには、回転機1の異常検知を実行するための各種プログラムやソフトウェアが格納されている。
制御部14は、機能ブロックとして、信号処理部15、第1の判定部16、第2の判定部17及び更新部18を備える。
信号処理部15は、センサー11aから出力されたアナログの信号S1について、二乗平均平方根を演算し(RMS値を演算し)、これをA/D(Analog/Digital)変換し、デジタルのデータである第1のデータを生成する。信号処理部15は、センサー11bから出力されたアナログの信号S2についても同様にして、デジタルのデータである第2のデータを生成する。これらのデータは、弾性波の強度を示す値である強度値を時系列に並べたデータの具体例である。信号処理部15は、取得部として機能する。取得部は、センサーから出力された信号を用いて生成された、弾性波の強度を示す強度値を時系列に並べたデータを取得する。
図3は、回転機1が正常な状態において、信号処理部15で生成された第1のデータD(t)及び第2のデータD(t)を示すグラフである。グラフの縦軸は、強度値を示す、横軸は、時間を示す。
回転機1が正常な状態であれば、第2のデータD(t)は、ほぼ一定であるが、第1のデータD(t)は、徐々に低下して、その後、ほぼ一定となる。後者の原因は、図1を参照して、第1のデータD(t)の基になる信号S1を出力するセンサー11aが、回転機1の運転中に温度が上昇する箇所に配置されているからである。
回転機1が圧縮機であるとして、詳しく説明すると、回転機1の運転中、回転機1の吸込口部(不図示)からガスが、回転機1内に吸い込まれ、回転機1でガスが圧縮されて、回転機1の吐出口部からガスが吐き出される。圧縮されたガスは、高温なので、圧縮されたガスが通過する吐出口部では、回転機1の運転開始から温度が徐々に上昇して、ある時間で飽和して一定となる。センサー11a,11bは、圧電素子を利用しており、センサー11a,11bが配置されている箇所の温度が上昇すると、センサー11a,11bの感度が低下する。センサー11aは、回転機1の吐出口部に配置されている。このため、回転機1が正常な状態であっても、センサー11aから出力された信号S1を用いて生成された第1のデータD(t)で示される強度値は、徐々に低下して、その後、ほぼ一定となるのである。
第2のデータD(t)の基になる信号S2を出力するセンサー11bは、回転機1の吸込口部に配置されている。回転機1の運転中、吸込口部では温度が上昇しないので、第2のデータD(t)は、ほぼ一定となる。
第1のデータD(t)、第2のデータD(t)のいずれも、回転機1に異常が発生すれば、強度値が瞬間的に大きくなる。しかし、第1のデータD(t)の場合、時間が経過するにつれて、回転機1が正常な状態での強度値が小さくなり、これに応じて、回転機1に異常が発生したときの強度値が小さくなる。これを図4に示す。図4は、第1のデータD(t)としきい値Thとの関係を示すグラフである。グラフの縦軸は、図3のグラフの縦軸と同じであり、グラフの横軸は、図3のグラフの横軸と同じである。
回転機1の運転開始からあまり時間が経過していない場合(例えば、時刻t1)、回転機1に異常が発生すれば、強度値が大きく変化する。これにより、強度値がしきい値Thを超えるので、回転機1の異常が検知される。しかし、運転開始からある程度時間が経過した場合(例えば、時刻t2)、回転機1に異常が発生しても、強度値が小さく変化する。よって、強度値がしきい値Thを超えることはないので、回転機1の異常が検知されない。
そこで、本実施形態は、図2に示す第1の判定部16、第2の判定部17及び更新部18を備える。これらについては、本実施形態に係る回転機の異常検知装置10の動作で詳細に説明する。図5は、本実施形態に係る回転機の異常検知装置10の動作を説明するフローチャートである。第1のデータD(t)を例にして説明する。
図2及び図5を参照して、回転機1の運転が開始すると、センサー11aは、信号S1を生成して、コンピュータ12に送る。信号処理部15は、信号S1を基にして、第1のデータD(t)の生成を開始する(ステップS1)。第1のデータD(t)は、弾性波の強度を示す強度値が時系列に並ぶ構造を有する。1番目の強度値は、D(1)であり、2番目の強度値は、D(2)であり、・・・・、n番目の強度値は、D(n)である。tは、1〜nの範囲の時刻である。
第1の判定部16は、所定期間の計測を開始する(ステップS2)。第1の判定部16は、次に説明するように、回転機1が正常の状態において、強度比がほぼ1となるように、図3に示す第1のデータD(t)を正規化して(図7)、回転機1に異常が発生しているか否かを判定する。所定期間は、回転機1が正常の状態において、強度比がほぼ1となる所望の大きさである。
第1の判定部16は、第1のデータD(t)に含まれる時系列がi番目の強度値D(i)を、基準強度値で割り算して強度比を算出する(ステップS3)。ここでは、1番目の強度値D(1)が、基準強度値で割り算される。第1の判定部16は、基準強度値の初期値を予め記憶している。初期値は、回転機1の運転開始時に、センサー11aから出力された信号S1を用いて求められた強度値である。
第1の判定部16は、ステップ3で算出した強度比を、第1のしきい値Th1と比較し、強度比が第1のしきい値Th1を超えているか否かを判定する(ステップS4)。第1の判定部16は、第1のしきい値Th1を予め記憶している。回転機1が正常な状態での強度比<第1のしきい値Th1の関係が成立するように、第1のしきい値Th1が決められている。第1のしきい値Th1の大きさは、固定されている。
第1の判定部16が、強度比が第1のしきい値Th1を超えていると判定した場合(ステップS4でYes)、第1の判定部16は、回転機1に異常が発生していると判定する(ステップS5)。第1の判定部16は、回転機1に異常が発生していることを記録する。
ステップS5の後、又は、第1の判定部16が、強度比が第1のしきい値Th1以下と判定した場合(ステップS4でNo)、第1の判定部16は、ステップS2で計測を開始した所定期間が経過したか否かを判定する(ステップS6)。
第1の判定部16が、所定期間が経過していないと判定した場合(ステップS6でNo)、制御部14は、回転機1の運転が終了したか否かを判断する(ステップS7)。制御部14が、回転機1の運転が終了したと判断した場合(ステップS7でYes)、回転機の異常検知装置10は動作を終了する。
制御部14が、回転機1の運転が終了していないと判断した場合(ステップS7でNo)、制御部14は、強度値の順番を次の順番にする(ステップS8)。そして、制御部14は、ステップS3に戻り、第1の判定部16は、次の強度値(ここでは、2番目の強度値D(2))を基準強度値で割り算して強度比を算出する。
以上説明したように、第1の判定部16は、第1のデータD(t)に含まれる強度値を順次、予め定められた基準強度値で割り算して強度比を算出し、強度比を順次、予め定められた第1のしきい値Th1と比較し、強度比が第1のしきい値を超えているか否かを判定する処理(第1の処理)をする(ステップS3、ステップS4)。第1の判定部16は、第1の処理の結果、強度比が第1のしきい値を超えている場合(ステップS4でYes)、回転機1が異常であると判定する(ステップS5)。
第1の判定部16が、所定期間が経過したと判定した場合を説明する(ステップS6でYes)。この場合、第2の判定部17は、平均変化率を算出する(ステップS9)。平均変化率は、下記式で示される。
平均変化率=|VF−VL|÷T
Tは、ステップS2及びステップS6で説明した所定期間を示し、VFは、所定期間の最初の強度値を示し、VLは、所定期間の最後の強度値を示す。図6は、第1のデータD(t)、所定期間T、所定期間の最初の強度値VF、及び、所定期間の最後の強度値VLの関係を示すグラフである。例えば、所定期間Tが、時刻t3で開始し、時刻t4で終了する場合、強度値D(t3)が所定期間の最初の強度値VFであり、強度値D(t4)が所定期間の最後の強度値VLである。各所定期間Tは、同じ長さである。
平均変化率は、所定期間の最初の強度値VFから所定期間の最後の強度値VLを引き算した値の絶対値を、所定期間Tで割り算した値である。図1に示すセンサー11aが配置されている箇所では、回転機1の運転開始により温度が徐々に上昇する。このため、第1のデータD(t)を構成する強度値は、徐々に低下する傾向を示す。しかしながら、何らかの原因により、ある所定期間において、センサー11aが配置されている箇所の温度が僅かに下降し、その結果、強度値が僅かに上昇することがあり得る。この場合、所定期間の最初の強度値VFから所定期間の最後の強度値VLを引き算した値は、負となる。平均変化率は、次に説明するように、下限値と上限値との範囲内であるか否か判定されるので、平均変化率が負の値になれば、判定不能となる。そこで、絶対値が用いられる。
第2の判定部17は、ステップS9で算出した平均変化率が、下限値と上限値との範囲内(予め定められた範囲内)か否かを判定する(ステップS10)。この範囲では、回転機1に異常が発生していないが、センサー11aが配置されている箇所の温度が上昇することにより、センサー11aの感度が徐々に低下し、その結果、弾性波の強度が徐々に低下する。平均変化率が、下限値と上限値との範囲内にあるとは、回転機1が正常の状態にあることを意味する。
このように、第2の判定部17は、所定期間が経過した場合(ステップS6でYes)、所定期間中の第1のデータD(t)の平均変化率を算出し(ステップS9)、平均変化率が予め定められた範囲内であるか否かを判定する(ステップS10)。この一連の処理を第2の処理とする。第2の判定部17は、所定期間が経過する毎に第2の処理をする。
第2の判定部17が、平均変化率が下限値と上限値との範囲内と判定した場合(ステップS10でYes)、更新部18は、基準強度値を下げる更新をする(ステップS11)。本実施形態では、所定期間の最後の強度値が、基準強度値にされる。例えば、図6を参照して、所定期間T(時刻t3から時刻t4までの期間)において、強度値D(t3)が、基準強度値である。更新部18は、基準強度値を更新し、所定期間Tの最後の強度値D(t4)を基準強度値にする。これにより、次の所定期間T(時刻t4から時刻t5までの期間)において、強度値D(t4)が、基準強度値となる。
ステップS11の後、制御部14は、回転機1の運転が終了したか否かを判断する(ステップS12)。制御部14が、回転機1の運転が終了したと判断した場合(ステップS12でYes)、回転機の異常検知装置10は動作を終了する。制御部14が、回転機1の運転が終了していないと判断した場合(ステップS12でNo)、制御部14は、ステップS8と同様に、強度値の順番を次の順番にする(ステップS13)。そして、制御部14は、ステップS2に戻る。
図6を参照して、次の所定期間T(時刻t4から時刻t5までの期間)、第1の判定部16は、強度値D(t4)を基準強度値として、ステップS3及びステップS4の処理をする。このように、第1の判定部16は、所定期間Tが経過する毎に、基準強度値を下げて、強度比を算出する。すなわち、第1の判定部16は、第1のデータD(t)を正規化する。図7は、強度比と時間との関係を示すグラフである。グラフの縦軸は、強度比を示し、グラフの横軸は、時間を示す。第1の判定部16は、第1のデータD(t)を正規化して、第1のしきい値Th1と判定する。
第2の判定部17が、平均変化率が下限値と上限値との範囲外と判定した場合(ステップS10でNo)、更新部18は、基準強度値を更新しない(ステップS14)。平均変化率が上記範囲外であると判定されたとき(すなわち、平均変化率が上記範囲内でないと判定されたとき)、更新部18が、基準強度値を更新して、基準強度値を下げれば、第1の判定部16は、回転機1に異常が発生した否かを正しく判定できないおそれがある。そこで、基準強度値は、更新されない。以下、詳しく説明する。
平均変化率が、下限値より小さい場合とは、平均変化率がゼロに近い場合である。図8は、平均変化率がゼロに近い場合の第1のデータD(t)を示すグラフである。グラフの縦軸は、強度値を示し、グラフの横軸は、時間を示す。時刻t6から時刻t7までの所定期間Tにおいて、平均変化率((D(t6)−D(t7)/T)は、ゼロに近い。センサー11aが配置されている箇所の温度が安定していたり、回転機1から生じる振動が安定していたりすれば、平均変化率がゼロに近くなる。平均変化率がゼロに近い場合に、基準強度値が更新されて、基準強度値が、D(t6)からD(t7)に下がれば、次の所定期間T(時刻t7から時刻t8までの期間)において、強度値が僅かでも上昇すれば、図7に示す強度比が第1のしきい値Th1を超える。そこで、平均変化率が下限値より小さい場合、基準強度値が更新されず、次の所定期間Tにおいて、D(t6)で示す基準強度値が引き続き用いられる。
平均変化率が、上限値より大きい場合、強度比が第1のしきい値Th1以下であっても(ステップS4でNo)、回転機1に異常が発生している可能性がある。このため、平均変化率が上限値より大きい場合、基準強度値が更新されないようにする。
ステップS14後、制御部14は、ステップS12の処理をする。
本実施形態の主な効果を説明する。図2及び図5を参照して、第1の判定部16は、強度値を順次、第1のしきい値Th1と比較するのではなく、第1の処理、すなわち、第1のデータD(t)に含まれる強度値を順次、基準強度値で割り算して強度比を算出し、強度比を順次、第1のしきい値と比較し、強度比が第1のしきい値を超えているか否かを判定する処理をする(ステップS3、ステップS4)。第1の判定部16は、第1の処理の結果、強度比が第1のしきい値を超えている場合(ステップS4でYes)、回転機1が異常であると判定する(ステップS5)。
一方、所定期間が経過した場合(ステップS6でYes)、第2の判定部17は、第2の処理、すなわち、所定期間中のデータの平均変化率を算出し、平均変化率が予め定められた範囲内であるか否かを判定する処理をする(ステップS9、ステップS10)。予め定められた範囲とは、回転機1に異常が発生していないが、センサー11aが配置されている箇所の温度が上昇することにより、センサー11aの感度が徐々に低下し、その結果、弾性波の強度が徐々に低下する範囲である。平均変化率が、予め定められた範囲内にあるとは、回転機1が正常の状態にあることを意味する。更新部18は、平均変化率が予め定められた範囲内であると判定されたとき(ステップS10でYes)、基準強度値を下げる更新をする(ステップS11)。第1の判定部16は、基準強度値が更新された場合、次の所定期間、更新された基準強度値を用いて第1の処理をする(ステップS3、ステップS4、ステップS5)。
このように、本実施形態によれば、回転機1に異常はないが、センサー11aが配置されている箇所の温度が徐々に上昇することにより、強度値が徐々に低下した場合、基準強度値を更新して、基準強度値を下げ、この更新した基準強度値を用いて強度比を算出する。すなわち、本実施形態では、図3に示す第1のデータD(t)をそのまま用いて、しきい値と比較するのではなく、図7に示すように、第1のデータD(t)を正規化してしきい値(第1のしきい値Th1)と比較する。このため、センサー11aが配置されている箇所の温度が徐々に上昇することにより、強度値が徐々に低下しても、回転機1に異常が発生することによる強度値の上昇を検知することができる。
なお、温度センサーと弾性波を検知するセンサーとを組み合わせることにより、温度補償をする態様も考えられる。この態様では、温度センサーは、弾性波を検知するセンサーやこのセンサーの周辺に配置される。温度センサーから得られた温度データを基にして、弾性波を検知するセンサーの感度が補正される。これに対して、本実施形態によれば、温度センサーを用いることなく、温度補償をすることができる。
さらに、本実施形態によれば、複数のセンサー(センサー11a,11b)を回転機1に配置する場合、センサーが配置される箇所の温度が相違していても、複数のセンサーの全てについて、同じ値の第1のしきい値Th1を用いることができる。このため、センサーが配置される箇所の温度の相違を考慮して、それに応じて第1のしきい値Th1を設定する手間を省くことができる。
本実施形態の変形例を説明する。図4を用いて、回転機1に異常が発生すれば、強度値が急激に上昇することを説明した。しかし、回転機1に異常が発生して、強度値が徐々に上昇する場合もある。これを図9で説明する。図9は、回転機1に異常が発生したときに、強度値が徐々に上昇する例を示すグラフである。グラフの縦軸は、強度値を示し、グラフの横軸は、時間を示す。変形例は、平均変化率(図5のステップS9、ステップS10)に加えて、傾き比(平均変化率を基準傾きで割り算した値)を考慮する。これにより、強度値が急激に上昇することなく、徐々に上昇する場合でも、回転機1に異常が発生したことを迅速に検知することができる。以下、変形例について詳しく説明する。
図9の矢印Pは、第1のデータD(t)のうち、回転機1に異常が発生することにより、強度値が上昇を始める部分を示す。図10は、矢印Pで示す部分を拡大した拡大図である。変形例では、平均変化率が下限値と上限値との範囲内か否かの判定(図5のステップS10)に加えて、傾き比が、予め定められた第2のしきい値Th2以下か否かの判定がされる。
傾き比は、平均変化率を基準傾きで割り算した値である。例えば、所定期間T(時刻t11から時刻t12までの期間)の傾き比は、この所定期間Tでの第1のデータD(t)の平均変化率を、前回の所定期間T(時刻t10から時刻t11までの期間)での第1のデータD(t)の平均変化率で割り算した値である。前回の所定期間Tでの平均変化率が基準傾きとなる。
第2の判定部17は、傾き比が、第2のしきい値Th2を超えていれば、第1のデータD(t)が徐々に上昇を始めたと判断し、更新部18は、基準強度値及び基準傾きを更新しない。第2のしきい値Th2は、第1のデータD(t)が徐々に上昇を始めたことが判定できる値であり、例えば、1である。
本実施形態では、所定期間T(例えば、期間t11から期間t12までの期間)において、第1のデータD(t)の平均変化率が、下限値と上限値との範囲内であれば(図5のステップS10でYes)、基準強度値が強度値D(t11)から強度値D(t12)に更新され、次の所定期間T(時刻t12から時刻t13までの期間)において、強度値D(t12)を基準強度値として強度比が算出される。
これに対して、変形例では、所定期間T(例えば、時刻t11から時刻t12までの期間)において、第1のデータD(t)の平均変化率が、下限値と上限値の範囲の範囲内であっても、この所定期間T(時刻t11から時刻t12までの期間)での傾き比が、第2のしきい値Th2を超えれば、基準強度値が更新されず、次の所定期間(時刻t12から時刻t13までの期間)において、強度値D(t11)が引き続き基準強度値とされる。このように、変形例によれば、基準強度値が更新されないので、図5のステップS4において、強度比が第1のしきい値Th1より大きくなることを迅速に判定することができる。よって、回転機1に異常が発生し、強度値が徐々に上昇する場合でも、迅速に、異常を検知できる。
図11は、本実施形態の変形例の動作を説明するフローチャートの一部である。図5に示すフローチャートのステップS6でYesとステップS12との間の処理が、本実施形態と異なる。
図2及び図11を参照して、第1の判定部16が、所定期間が経過したと判定した場合(ステップS6でYes)、第2の判定部17は、平均変化率及び傾き比を算出する(ステップS21)。平均変化率は、図5のステップS9と同じ方法で算出される。
傾き比は、所定期間での平均変化率を予め定められた基準傾きで割り算して算出される。基準傾きの初期値は、回転機1の運転開始(回転機の異常検知装置10の動作開始)から最初の所定期間において、第1のデータD(t)の平均変化率である。
第2の判定部17は、ステップS21で算出した平均変化率が、下限値と上限値との範囲内(予め定められた範囲内)か否かを判定する(ステップS22)。これは、図5のステップS10と同じ処理である。第2の判定部17は、ステップS21で算出した傾き比が、第2のしきい値Th2以下であるか否かを判定する(ステップS22)。
第2の判定部17が、平均変化率が下限値と上限値との範囲内と判定し、かつ、傾き比が第2のしきい値Th2以下と判定した場合(ステップS22でYes)、更新部18は、基準強度値を更新し、所定期間の最後の強度値を基準強度値にする(ステップS23)。この処理は、図5のステップS11と同じである。また、更新部18は、基準傾きを更新し、この所定期間での平均変化率を基準傾きにする(ステップS23)。
第2の判定部17が、平均変化率が下限値と上限値との範囲外と判定し、又は、傾き比が第2のしきい値Yh2を超えている判定した場合(ステップS22でNo)、更新部18は、基準強度値及び基準傾きを更新しない(ステップS24)。次の所定期間Tにおいて、今回使用した基準強度値及び基準傾きが引き続き用いられる。
本実施形態に係る回転機の異常検知装置10及びその変形例は、二つの回転体(第1の回転体2と第2の回転体3)を備える回転機1を対象にしているが、一つの回転体を備える回転機1を対象にすることもできる。
本実施形態に係る回転機の異常検知装置10及びその変形例によって、異常の検知対象となる回転機1として、例えば、圧縮機があるが、圧縮機に限定されない。
1 回転機
2 第1の回転体
3 第2の回転体
4 ケーシング
10 回転機の異常検知装置
11a,11b センサー
15 信号処理部(取得部の一例)
16 第1の判定部
17 第2の判定部
18 更新部
S1,S2 信号

Claims (7)

  1. 回転体を備える回転機から生じる弾性波を検出するセンサーを用いて、前記回転機の異常を検知する装置であって、
    前記センサーから出力された信号を用いて生成された、前記弾性波の強度を示す強度値を時系列に並べたデータを取得する取得部と、
    前記データに含まれる前記強度値を順次、予め定められた基準強度値で割り算して強度比を算出し、前記強度比を順次、予め定められた第1のしきい値と比較し、前記強度比が前記第1のしきい値を超えているか否かを判定する処理を第1の処理とし、前記第1の処理の結果、前記強度比が前記第1のしきい値を超えている場合、前記回転機が異常であると判定する第1の判定部と、
    所定期間が経過した場合、前記所定期間中の前記データの平均変化率を算出し、前記平均変化率が予め定められた範囲内であるか否かを判定する処理を第2の処理とし、前記所定期間が経過する毎に、前記第2の処理をする第2の判定部と、
    前記第2の処理の結果、前記平均変化率が前記範囲内であると判定された場合、前記基準強度値を下げる更新をする更新部と、を備え、
    前記第1の判定部は、前記基準強度値が更新された場合、次の前記所定期間、更新された前記基準強度値を用いて前記第1の処理をする、回転機の異常検知装置。
  2. 前記更新部は、前記平均変化率が前記範囲外であると判定されたとき、前記基準強度値を更新しない、請求項1に記載の回転機の異常検知装置。
  3. 前記第2の判定部は、下記式を用いて前記平均変化率を算出し、
    前記更新部は、前記基準強度値の更新において、前記所定期間の最後の前記強度値を前記基準強度値にする、請求項1又は2に記載の回転機の異常検知装置。
    平均変化率=|VF−VL|÷T
    (Tは、前記所定期間を示し、VFは、前記所定期間の最初の前記強度値を示し、VLは、前記所定期間の最後の前記強度値を示す。)
  4. 前記第2の判定部は、前記所定期間が経過した場合、前記所定期間での前記平均変化率を予め定められた基準傾きで割り算して、傾き比を算出し、前記傾き比が予め定められた第2のしきい値を超えているか否かを判定する処理を第3の処理とし、前記所定期間が経過する毎に、前記第2の処理に加えて、前記第3の処理をし、
    前記第2の処理の結果、前記平均変化率が前記範囲内であると判定され、かつ、前記第3の処理の結果、前記傾き比が前記第2のしきい値以下と判定されたとき、前記更新部は、前記基準強度値を更新して、前記所定期間の最後の前記強度値を前記基準強度値にし、かつ、前記基準傾きを更新して、前記所定期間での前記平均変化率を前記基準傾きにし、
    前記第2の判定部は、前記基準傾きが更新された場合、次の前記所定期間、更新された前記基準傾きを用いて前記第3の処理をする請求項3に記載の回転機の異常検知装置。
  5. 前記取得部は、前記センサーから出力された前記信号の二乗平均平方根を前記強度値にする請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転機の異常検知装置。
  6. 回転体を備える回転機から生じる弾性波を検出するセンサーを用いて、前記回転機の異常を検知する方法であって、
    前記センサーから出力された信号を用いて生成された、前記弾性波の強度を示す強度値を時系列に並べたデータを取得する第1のステップと、
    前記データに含まれる前記強度値を順次、予め定められた基準強度値で割り算して強度比を算出し、前記強度比を順次、予め定められた第1のしきい値と比較し、前記強度比が前記第1のしきい値を超えているか否かを判定する処理を第1の処理とし、前記第1の処理の結果、前記強度比が前記第1のしきい値を超えている場合、前記回転機が異常であると判定する第2のステップと、
    所定期間が経過した場合、前記所定期間中の前記データの平均変化率を算出し、前記平均変化率が予め定められた範囲内であるか否かを判定する処理を第2の処理とし、前記所定期間が経過する毎に、前記第2の処理をする第3のステップと、
    前記第2の処理の結果、前記平均変化率が前記範囲内であると判定された場合、前記基準強度値を下げる更新をする第4のステップと、を備え、
    前記第2のステップは、前記基準強度値が更新された場合、次の前記所定期間、更新された前記基準強度値を用いて前記第1の処理をする、回転機の異常検知方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の異常検知装置を備える回転機。
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