JP2017083210A - 気体状の被検試料中に含まれる標的物質の検出方法及び装置 - Google Patents

気体状の被検試料中に含まれる標的物質の検出方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】気体状の被検試料中に含まれる、検出すべき標的物質を簡便、迅速、高感度に検出することができる、気体状の被検試料中に含まれる標的物質の検出方法及びそのための装置を提供すること。
【解決手段】気体状の被検試料中に含まれる標的物質の検出装置は、被検試料と直接接触する、第1の領域に配置されたヒドロゲルと、該ヒドロゲルと脂質二重膜を介して隣接する、第2の領域に配置された脂質二重膜形成性の脂質溶液/水系媒体と、これらの領域の間に電圧を印加してこれらの領域間に流れる電流を測定する手段とを具備する。ヒドロゲルと脂質溶液との界面に存在する脂質二重膜は透孔を有し、電流は該透孔を介して流れ、該電流の流れ方が、被検試料中に標的物質が含まれる場合と含まれない場合とで異なる。
【選択図】図1

Description

本発明は、気体状の被検試料中に含まれる標的物質の検出方法及び装置に関する。本発明は、例えば大気中に含まれる残留農薬や環境物質等の、種々の物質の検出に有用である。
従来、例えば大気中に含まれる残留農薬等の検出は、ガスクロマトグラフィー、ガス検知管、酸化物半導体表面への吸着による導電性や共振周波数の変化の検出等により行われている。
これらの方法のうち、ガスクロマトグラフィーや酸化物半導体を利用する方法は、定量的な感度は比較的高いが、装置が大型となり携帯はできない。一方、ガス検知管は携帯型ではあるものの、物質特異性及び定量的感度が共に十分ではない。
一方、本願発明者らは先に、脂質二重膜中にチャネルタンパク質を保持し、膜を介するイオンチャネルを形成することに成功しており(非特許文献1)、この脂質二重膜中に保持されるチャネルタンパク質のイオンチャネルの開放及び閉塞を電気的に測定することにより、微量のコカイン等の麻薬を検出することに成功し、特許出願している(特許文献1)。
特開2012-103055号公報
R. Kawano, T. Osaki, H. Sasaki, S. Takeuchi Small 2010, 6, 2100-2104. Ryuji Kawano et al., Sci. Rep. 2013, 3, 1995
本願発明者らが先に特許出願した、特許文献1に記載された方法は、携帯可能な簡便な装置を用いて微量のコカイン等を高い特異性と感度をもって検出することが可能である。しかしながら、この方法を、大気中に含まれる残留農薬等の検出に適用しようとすると、残留農薬等を高感度に検出できないことがわかった。
したがって、本発明の目的は、気体状の被検試料中に含まれる、検出すべき標的物質を簡便、迅速、高感度に検出することができる、気体状の被検試料中に含まれる標的物質の検出方法及びそのための装置を提供することである。
本願発明者らは、特許文献1記載の方法により気体状の被検試料中に含まれる標的物質の高感度検出が困難である理由について検討した。特許文献1記載の方法では、ダブルウェルチャンバーの各ウェルには、脂質溶液の膜で被覆される緩衝液が含まれる。本願発明者らは、気体状の被検試料中に含まれる標的物質は、この脂質溶液の膜を通過することができないので検出できないのではないかと考えた。そして、この問題を解決すべく鋭意検討の結果、一方のウェルにヒドロゲルを配置し、このヒドロゲルに気体状の被検試料を接触させて標的物質をヒドロゲルに吸収させれば、気体状の被検試料中の標的物質を高感度に検出可能ではないかと考えた。そして、一方のウェルにヒドロゲルを配置した場合であっても、ヒドロゲルと脂質溶液との界面に脂質二重膜が形成され、この脂質二重膜にチャネルタンパク質が保持されることを見出し、かつ、ヒドロゲルに気体状の被検試料を直接接触させることにより、高感度に被検試料中の標的物質を検出可能であることを実験的に確認して本発明を完成した。
すなわち、本発明は、気体状の被検試料中に含まれる標的物質の検出装置であって、前記被検試料と直接接触する、第1の領域に配置されたヒドロゲルと、該ヒドロゲルと脂質二重膜を介して隣接する、第2の領域に配置された脂質二重膜形成性の脂質溶液/水系媒体と、これらの領域の間に電圧を印加してこれらの領域間に流れる電流を測定する手段とを具備し、
前記ヒドロゲルと前記脂質溶液との界面に存在する前記脂質二重膜は透孔を有し、前記電流は該透孔を介して流れ、該電流の流れ方が、前記被検試料中に前記標的物質が含まれる場合と含まれない場合とで異なる、気体状の被検試料中に含まれる標的物質の検出装置を提供する。
また、本発明は、気体状の被検試料中に含まれる標的物質の検出装置の部品であって、前記被検試料と直接接触する、第1の領域に配置されたヒドロゲルと、該ヒドロゲルと脂質二重膜を介して隣接する、第2の領域に配置された脂質二重膜形成性の脂質溶液/水系媒体とを具備する、気体状の被検試料中に含まれる標的物質の検出装置部品を提供する。
さらに、本発明は、気体状の被検試料中に含まれる標的物質の検出方法であって、
前記被検試料との接触の結果前記標的物質を含む、第1の領域に配置されたヒドロゲルと、該ヒドロゲルと脂質二重膜を介して隣接する、第2の領域に配置された脂質二重膜形成性の脂質溶液/水系媒体との間に電圧を印加してこれらの領域間に流れる電流を測定することを含み、
前記ヒドロゲルと前記脂質溶液との界面に存在する前記脂質二重膜は、透孔を有しており、該透孔を介して前記第1の領域と第2の領域は連通しており、前記電流は該透孔を介して流れ、該電流の流れ方が、前記被検試料中に前記標的物質が含まれる場合と含まれない場合とで異なり、測定した電流に基づき標的物質を検出する、気体状の被検試料中に含まれる標的物質の検出方法を提供する。
本発明の装置及び方法によれば、大気等の気体状の被検試料中に含まれる、残留農薬や環境物質等の、広範囲の所望の物質を簡便、迅速、高感度に検出することができる。
本発明の方法に用いられる装置の好ましい一具体例の模式断面図である。 図1における脂質二重膜の模式拡大図である。 本発明の好ましい態様の原理を説明するための模式図である。 本発明の実施例で得られた、オメトエートの測定結果を示す図である。
本発明の装置及び方法に供される気体状の被検試料は、検出すべき標的物質を含む気体であれば何ら限定されるものではなく、代表的な例として大気や室内の空気等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
本発明の装置及び方法により検出される標的物質としては、これと特異的に結合できるアプタマーのような特異結合性物質を作出可能な物質であれば何ら限定されるものではなく、例えば大気中に含まれる、例えば、オメトエート等の有機リン系農薬のような残留農薬や、大気や室内空気に含まれる様々な臭気物質、大気中に含まれる種々の病原体等を例示することができるがこれらに限定されるものではない。また、後述のように、チャネルタンパク質と特異的に結合してチャネルタンパク質のチャネルを開閉可能な、該チャネルタンパク質のリガンドは、特異的結合性物質がなくても検出が可能であるので、このようなリガンドも標的物質とすることができる。
本発明の装置及び方法では、ヒドロゲルを用いる。ヒドロゲルとしては、アガロース、寒天、ゼラチン等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の装置及び方法の一実施形態では、標的物質と特異的に結合する物質(本発明において「特異結合性物質」と呼ぶ)が用いられる。ここで、「特異的に結合する」とは、標的物質とは結合するが、標的物質以外の物質とは結合しないか、又は少なくとも標的物質以外の物質であって被検試料中に存在する可能性がある他の物質とは結合しないことを意味する。なお、標的物質は、互いに区別することを意図しない一群の類似物質である場合も包含される。
特異結合性物質は、標的物質と特異的に結合でき、結合後の結合物のサイズが結合前の特異結合性物質のサイズよりも大きくなる物質であり、アプタマー並びに抗体及びその抗原結合性断片等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
特異結合性物質としては、アプタマーが好ましい。アプタマーは、DNAやRNA等のポリヌクレオチド(安定性の観点から好ましくはDNA)から成るものであり、特定の物質と特異的に結合するものである。アプタマーは、通常、数十〜百数十のヌクレオチドから成るポリヌクレオチドであり、市販の核酸合成機を用いて任意の塩基配列を有するものを容易に化学合成できるので、抗体よりも容易、安価、迅速に製造することができる。このため、種々の免疫測定における抗体に代わるものとして近年盛んに研究されている。
任意の物質と特異的に結合するアプタマーは、SELEX (Systematic Evolution of Ligands by EXponential Enrichment)と呼ばれる方法により作出可能である。SELEX法自体は既に周知であり、これに基づき、様々な物質と特異的に結合するアプタマーが既に得られている。また、所望の物質と特異的に結合するアプタマーを効率良く作出する、SELEX法の改良法も種々提案されている。SELEX法は、核酸の自動合成装置を用いてランダムな塩基配列を有する非常に多数のポリヌクレオチドのライブラリーを形成し、固相に結合した標的物質とこのライブラリーを反応させ、標的物質に結合したポリヌクレオチドを回収し、これをPCRにより増幅して再び標的物質を固定化した固相に添加するという工程を10回〜数十回程度繰り返して標的物質との結合力が高いポリヌクレオチドを濃縮していく方法であり、偶然を積極的に利用する方法であるので、ほとんど全ての物質に対して特異的に結合可能なアプタマーを作出することができると考えられている。標的物質に特異的に結合するアプタマーが得られ、その塩基配列を決定した後には、その塩基配列を持つポリヌクレオチドは、自動合成装置により容易に化学合成することができる。また、SELEX法によれば、所望の物質と特異的に結合するアプタマーは、通常、複数種類得られるので、その中から、標的物質と未結合の状態で後述する透孔を通過できるものを選択することも可能である。
特異結合性物質として用いられるアプタマーは、その一端に、同一の塩基が15個〜50個、さらに好ましくは20個〜40個連続する同一塩基の繰り返し領域を有することが好ましい。このような同一塩基の繰り返し領域は、アプタマー分子内の他の領域や他のアプタマー分子とハイブリダイズすることがほとんどなく、標的物質と結合後も直線状で存在するので、標的物質と結合後、この領域が後述する透孔に突き刺さって、透孔が標的物質とアプタマーの結合物により閉塞されやすくなるので好ましい。同一塩基としては特にシトシン(c)が好ましい。これは、ポリグアニン(g)は化学合成されないので、同一塩基がシトシンであれば、繰り返し領域が同一分子内又は他分子内の領域とハイブリダイズする可能性を排除できるからである。一端にこのような繰り返し領域を持つアプタマーは、標的物質と特異的に結合するアプタマーの一端にこのような繰り返し領域を単に付加することにより通常得ることができるし、上記したSELEX法に用いられるライブラリーとして、一端に繰り返し領域を有するものを用いることによっても作出することができる。
特異的結合物質は、前記ヒドロゲル中に含まれる。ヒドロゲル中の特異結合性物質の終濃度は、特に限定されないが、標的物質が存在する場合にチャネルタンパク質のチャネルが閉塞されることを促進するために、想定される標的物質の濃度範囲の上限値の全量と結合できる量であることが好ましい。特異結合性物質の終濃度の具体的な濃度範囲は、ケースバイケースで適宜設定されるが、通常、1nM〜1mM程度である。なお、特異結合性物質と、前記標的物質の結合は、通常、室温において速やかに起きる。
本発明の装置及び方法においては、脂質二重膜に形成する透孔であって、標的物質と結合していない前記特異結合性物質は通過できるが、前記標的物質と結合した前記特異結合性物質は通過できないサイズの透孔としては、このようなサイズのチャネルを持つチャネルタンパク質を用いることができる。チャネルタンパク質は、分子内にチャネルと呼ばれる透孔を有するタンパク質であり、生体内ではこのチャネルを介して各種イオン等の輸送が行われる。チャネルタンパク質としては、α−ヘモリシン、外膜タンパク質(Outer membrane protein) F (OmpF)、マイコバクテリウム・スメグマチスポリン(Mycobacterium smegmatis porin) A (MspA)、ストレプトリジンO等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。また、脂質二重膜に形成することが可能な、このような透孔として、金属錯体や人工ペプチドも利用することができる。ここで、利用可能な金属錯体としては、MOP(Metal organic polyhedra)を挙げることができる。また、利用可能な人工ペプチドとしては、相互に架橋を施し透孔を安定化した人工アラメチシンを挙げることができる。これらは、脂質二重膜に保持可能であることが報告されている。
チャネルタンパク質は、ヒドロゲルと、該ヒドロゲルに隣接する脂質溶液/水系媒体(後述)との界面に形成される脂質二重膜中に保持される。そして、この脂質二重膜は、自己支持性フィルムに設けられた微小な貫通孔を塞ぐ形で形成することが安定性の観点から好ましい。すなわち、自己支持性フィルムの微小な貫通孔(好ましくは直径が200μm未満、特に100nm〜100μm)を塞ぐ形で脂質二重膜を形成し、この脂質二重膜にチャネルタンパク質を保持し、このチャネルタンパク質のチャネルを透孔として利用することが好ましい。
自己支持性フィルムの微小な貫通孔を塞ぐ形で脂質二重膜を形成し、この脂質二重膜にチャネルタンパク質を保持する方法は、特許文献1等に記載されており、公知である。本発明においても、特許文献1等に記載された、微小な貫通孔を持つ自己支持性フィルムを、ヒドロゲルと脂質溶液/水系媒体との境界面に配置することが好ましい。なお、自己支持性フィルムを構成する物質としては、特許文献1等に記載のとおり、パラキシレン系ポリマー(商品名パリレン)を好ましく用いることができる。
本発明の方法に用いられる検出装置の模式断面図を図1に示す。図1中、10は、第1の領域である、ダブルウェルチャンバー(2個のウェルを持つ基板)の一方のウェルに配置されたヒドロゲルを示す。ヒドロゲル10には、上記した特異的結合物質(図示せず)が含まれる。さらに、ヒドロゲルには、気体状の被検試料中に含まれる標的物質12が、ヒドロゲルと被検試料の接触の結果として含まれる。なお、図1中、標的物質12は理解のために図示されているが、縮尺は実物とは全く異なっており、実際には標的物質は分子であるから目に見えず、自己支持性フィルムの透孔よりも遥かに小さいことはいうまでもない。第2の領域11を構成する、ダブルウェルチャンバーのもう一方のウェルには、脂質溶液/水系媒体が含まれる。図1中、脂質溶液は14で示され、水系媒体は16で示される。水系媒体は、好ましくは水系緩衝液又は水である。図示のように、水系媒体16の周囲を脂質溶液14の膜が被覆している。第1の領域と第2の領域は、上記した、透孔を有する自己支持性フィルム18により隔てられている。自己支持性フィルム18の透孔部分には脂質二重膜20が形成されている。各ウェルの底部にはそれぞれ電極21が配置され、これらの電極の間に電圧を印加して流れる電流を測定する回路が接続されている。なお、電圧の印加と電流の測定のための回路は、図1に示されるものに限定されるものではなく、電極間に電圧を印加して、電極間に流れる電流を測定可能な回路であればいずれのものでもよい。
脂質二重膜20の模式拡大図を図2に示す。図2中、20が脂質二重膜である。脂質二重膜20には、チャネルタンパク質22が保持され、チャネルタンパク質22のチャネルが透孔となって脂質二重膜20を貫通している。24は、特異結合性物質であるアプタマーであり、図2は、アプタマー24が標的物質12と結合してチャネルタンパク質22のチャネルを閉塞している状態を模式的に示している。
次に、図1及び図2に示す装置の作製方法を説明する。
まず、ダブルウェルチャンバーの一方のウェル(第1の領域)に、加熱溶融したヒドロゲルを入れる。次に、溶融状態のヒドロゲルに上記した特異結合物質とチャネルタンパク質を添加する。ここで、チャネルタンパク質の濃度は、特に限定されるものではなく、適宜選択することができるが、通常、1pM〜1μM程度、好ましくは0.1nM〜100nM程度である。また、特異結合物質の濃度は、上記のとおり、通常、1nM〜1mM程度である。
次に、ヒドロゲルを室温に放置する等して固化させた後、気体状の被検試料と接触させる。ここで、接触時間は、特に限定されないが、通常、1分間〜3時間程度、好ましくは10分間〜2時間程度である。この接触により、被検試料中に標的物質が含まれる場合には、標的物質がヒドロゲル内に吸収され、特異結合性物質と結合する。
次に、他方のウェル(第2の領域)に脂質溶液を入れる。ここで、脂質としては、脂質二重膜、すなわち、親水性領域と疎水性領域を1分子中に有する脂質分子が、疎水性領域を内側、親水性領域を外側に向けて2層に並んだ膜を形成できる脂質であれば特に限定されないが、生体膜における反応を模するためには、生体膜と同じか類似したものが好ましく、この分野において従来から広く用いられているリン脂質、例えば、ジフィタノイルフォスファチジルコリン(diphytanoyl phosphatidylcholine, DPhPC)、ジパルミトイルフォスファチジルコリン(dipalmytoyl phosphatidylcholine)、パルミトイルオレオイルフォスファチジルコリン(1-Palmitoyl 2-Oleoyl phosphatidylcholine, POPC)、ジオレオイルフォスファチジルコリン(Dioleoyl phosphatidylcholine, DOPC)等を好ましい例として挙げることができる。これらの多くは市販されているので、市販品を好ましく用いることができる。
脂質二重膜の形成に用いられる溶液中のリン脂質の濃度は、脂質二重膜が形成可能な濃度であれば特に限定されないが、通常、1g/L〜50g/L程度、好ましくは5g/L〜25g/L程度である。また、リン脂質溶液の溶媒は、特に限定されないが、有機溶媒が好ましく、n-デカンのような脂肪族炭化水素溶媒が好ましい。また、リン脂質は、この溶液中でリポソームを形成してもよく、この場合には、用いられる液はリポソーム懸濁液になる。なお、チャネルタンパク質は、上記の通り、ヒドロゲルに入れてもよいが、脂質溶液に添加してもよい。
次に、脂質溶液に、水系媒体をスポイトで添加する。水系媒体としては、上記の通り、水又は水を溶媒とする緩衝液が用いられる。緩衝液としては、生物適合性があることが知られている、例えばリン酸緩衝液等の周知の緩衝液を用いることができる。水系媒体を添加すると、水系媒体の周囲を脂質溶液の膜が被覆する形に自発的になる。「脂質溶液/水系媒体」は、このように水系媒体の周囲を脂質溶液の膜が被覆したものを意味する。
なお、上記のとおり、ヒドロゲルと被検試料を接触させてから、第2の領域に脂質溶液/水系媒体を入れて界面に脂質二重膜を形成してもよいが、先にこの脂質二重膜を形成した後、ヒドロゲルを被検試料と接触させてもよい。この場合も、上記と同様の条件で、被検試料中の標的物質を検出することができる。
次に、図1に示す装置を用いた標的物質の検出方法の原理を図3を参照して説明する。
図3の左図は、被検試料中に標的物質が含まれていない場合を模式的に示す。標的物質が存在しない場合、アプタマー24は、直線状になり得るので、チャネルタンパク質22のチャネルを速やかに通過することができる。図3中、下側の図は、横軸に時間、縦軸に測定された電流値をプロットした図である。アプタマー24がチャネルタンパク質22のチャネルを通過する際、一時的にチャネルが部分的に閉塞されるため、チャネルを流れる電流が急激に減少する。しかし、アプタマー24は、チャネルを迅速に通過するので、電流はすぐに元に復帰する。従って、電流の低下は一時的であり、この一時的な電流の低下はスパイクシグナルとなって現れる。
一方、被検試料中に標的物質12が含まれる場合を、図3の右図に模式的に示す。標的物質12が含まれる場合、標的物質12はアプタマー24と結合する。そうすると、アプタマー24が所定の構造をとってチャネルを通過できない大きさとなり、チャネルを閉塞し、これにより電流値が低下する。アプタマーは、チャネルを通過できないので、この閉塞は長時間持続し、このため電流値の低下も長時間持続する(図3右図の下側の図)。
以上のとおり、被検試料中に標的物質が含まれる場合には、持続的な電流の低下が観測され、含まれない場合には、スパイクシグナルが観察される。したがって、電流測定により、被検試料中の標的物質を検出することができる。
なお、図3左図に模式的に示されるように、アプタマー等の特異結合性物質は、チャネルを通過しやすいように、図3左図に示すような直線状の形状を有するものが好ましい。また、標的物質と結合した結合物が、しっかりとチャネルに突き刺さって長時間に亘ってチャネルを閉塞することが望まれるので、標的物質と結合した結合物もチャネル内に挿入される部分、すなわち、好ましくは直線状の部分を一端に有することが好ましい。アプタマーの場合、これは、上記した通り、一端に同一塩基の繰り返し領域を付加することにより達成することができるが、繰り返し領域を付加しなくても直線状となる部分が存在していれば繰り返し領域を付加する必要はない。
また、下記実施例に具体的に説明するように、チャネルの閉塞率(ここで、閉塞率とは、透孔を本来流れる電流に対して、標的物質と特異結合性物質の結合物等が閉塞したことにより阻害される電流の分率)と閉塞時間は、標的物質と特異結合性物質の結合物が閉塞した場合に特徴的な閾値(一般的には高い閉塞率、長い閉塞時間)をとる。また、この閾値を満たす閉塞の頻度は、被検試料中に含まれる標的物質の濃度に依存するので、種々の既知濃度の標準試料を複数準備し、その閉塞率と閉塞時間を測定して検量線を作成することにより、標的物質の定量も可能になる。なお、標的物質を「定量」する場合、必然的に検出も行われるので、本発明の「検出方法」には標的物質を定量する場合も包含される。
なお、上記の説明では、第1の領域及び第2の領域として、ダブルウェルチャンバーの各ウェルを用いた実施形態について説明したが、第1の領域及び第2の領域はダブルウェルチャンバーの各ウェルに限定されるものではなく、例えば、特開2014-21025号公報に示される、基板上の親水性パターン上に第1の水性溶液、脂質溶液、第2の水性溶液を順次積層していく方法により作製したものでもよく、この場合、第2の水性溶液として上記ヒドロゲルを用いることができる。すなわち、この場合、ヒドロゲルが存在する領域が第1の領域となり、第1の水性溶液と脂質溶液が存在する領域が第2の領域となる。
なお、上記の説明では、特異結合性物質を用い、特異結合性物質は通過できるが、該特異結合性物質と前記標的物質との結合物は通過できないサイズのチャネルを持つチャネルタンパク質を用いる場合について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、非特許文献2には、リガンドと結合することによりチャネルの開閉が影響されるチャネルタンパク質を脂質二重膜に保持した装置が記載されている。本発明においてもこのようなチャネルタンパク質を脂質二重膜に保持して用いることができる。この場合、ヒドロゲルに含まれるリガンドがチャネルタンパク質と結合すると、チャネルの開閉が影響される(例えば、閉じているチャネルが開く、若しくは開く確率が高くなる、又は開いている時間が長くなる等)ので、リガンドを標的物質とすれば、特異結合性物質がなくても標的物質の検出が可能となる。このようなチャネルタンパク質の例として、非特許文献2に記載されているhBKやKcsA等、さらにコネキシン等を挙げることができる。また、標的物質とすることができるリガンドとしては、揮発性有機物質等を含む臭気物質を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
実施例1
図1に模式的に示すダブルウェルチャンバーを作製した。パリレン(商品名)フィルム中の透孔の直径は、100μmであり、特許文献1記載の方法で作製した。
このダブルウェルチャンバーの一方のウェルに、上記のとおり、溶融したヒドロゲルを入れ、α−ヘモリシンとオメトエート結合性DNAアプタマーを添加し、ヒドロゲルの固化後、揮発性の有機リン系農薬であるオメトエートを含む空気とヒドロゲルを接触させた。次に、他方のウェルに脂質溶液、次いで緩衝液を入れ、パリレンフィルムの透孔部に脂質二重膜を自動的に形成させ、図1に示す装置を作製した。なお、図1に示すように、各ウェルには電極を配置し、電極間に電圧を印加してその間に流れる電流を測定可能とする、図1に示す回路を形成した。
上記実験の詳細を以下に記載する。
試料・材料
・膜タンパク質α-ヘモリシン: 黄色ブドウ球菌由来の毒素。7量体を形成して脂質二重膜に直径1.5 nmのナノ孔を形成する。Sigma Aldrichより購入。
・DNAアプタマー: AAG CTT TTT TGA CTG ACT GCA GCG ATT CTT GAT CGC CAC GGT CTG GAA AAA GAG CCC CCC CCC CCC CCC CCC CCC CCC CCC CCC (5’→3’)(配列番号1) [1]。Sigma Aldrichより購入。
・脂質: DPhPC(1,2-ジフィタノイル-sn-グリセロ-3-ホスフォコリン)。Avanti Polar Lipids, Inc.より購入。
・油相: n-デカン。和光純薬より購入。
・アガロース: 低融点36℃(1.5% gel, ±1.5 ℃)。Sigma Aldrichより購入。
・緩衝溶液: 1.0 M KCl、10 mM リン酸緩衝溶液、pH 7.0。試薬は和光純薬より購入。
・標的物質オメトエート: 有機リン系農薬、揮発性のある物質、本実施例では残留農薬を気体から検知した。和光純薬より購入。
実験手順
1. 1wt%のアガロースを緩衝溶液で調製する。
2. アース側のチャンバーに60 度に加熱したアガロース溶液を20 μL入れる。
3. ゲル化した後に、500 μMのDNAアプタマーと300 nMヘモリシンをそれぞれ0.4μLと2 μL加え、終濃度をそれぞれ10 μMと30 nMに調製する。
4. 2.1 μLのオメトエートを 10 mLの緩衝溶液に溶かし、1 mMのオメトエート緩衝溶液を調製した後、不織紙に100 μL含ませ、デバイスと不織紙をビニール袋により密封し、1.5時間保持する。(ただし、不織布がアガロース部分などに接触しないよう留意する)
5. 電圧印加側のチャンバーに、オイルに分散させた脂質(DPhPC、20 mg/mL)を5 μL加え、さらに緩衝溶液を20 μL加える。
6. 電圧印加側チャンバーの電極に+100 mVの電圧を印加する。電流計測には、CEZ-2400(日本光電工業株式会社製)およびDigidata 1322a(Molecular Devices製)を用いた。サンプリング周波数は5 kHzとし、ベッセルフィルター1 KHz下にてデータ取得を行った。
計測結果
実験手順4により、標的物質であるオメトエートが不織紙から気相へと揮発し、アガロース(水溶液相)との接触によって気相から水溶液相へと分配係数に従って溶解すると考えられる。
実験手順5および6によって、接触法[2]の原理に従って、アガロースと緩衝溶液の界面に脂質二重膜が形成される。また、ゲル中のヘモリシンが脂質二重膜に導入し、数分程度で脂質二重膜にナノ孔を形成する。ナノ孔は1.5 nmの最狭部を持ち、1 M KCl溶液中では1 nSの導電率を示す。100 mV印加下では、100 pAのステップとして観測される。
オメトエート無しの場合(図3左図)
ヘモリシンのナノ孔はセンサ素子、DNAアプタマーは標的物質のインジケータ(指示薬)の役割を果たす。上述の通り、ナノ孔が形成されると1 nSの階段状の電流増加が観察された。強い負電荷を有するDNAアプタマーは、印加電圧により泳動力を受けてナノ孔へ到達し、ナノ孔の入口付近に滞留、あるいはナノ孔を通過する。これらの現象は、ナノ孔のイオン電流を阻害するが、閉塞率が低い(80%に満たない)、あるいは閉塞時間が短い(1秒未満)のブロッキングとして観測される。なお、図3左図の下側の図が実際の測定結果を示す。
オメトエート有りの場合(図3右図)
標的物質(オメトエート)が存在する場合、DNAアプタマーと標的物質が複合体を形成する。この複合体はかさ高いためにナノ孔を通過できない。イオン電流を高い閉塞率(80%以上)で長時間(1秒以上)阻害する結果が得られ、標的物質が溶液中に存在することを示すことができる。なお、図3右図の下側の図が実際の測定結果を示す。
標的物質判定の閾値の決定
緩衝液に標的物質を混合した条件、あるいは混合しない条件において、図3と同様の電気シグナルを取得し、閉塞現象の1つ1つについて閉塞率および時間を求めて図4を作成した。先行研究により、ナノ孔をDNAが閉塞する場合、3末端のC配列は85%の電流低下率を示すと知られている [3,4]。本実験結果においても、3末端側の長いC配列がナノ孔を閉塞すると考えられるオメトエート存在下では閉塞率90%程度の閉塞現象が多く観察された。その中で、オメトエートの有無を判定するために閉塞時間を加えた閾値を設定すると、閉塞時間1.0s以上かつ閉塞率80%以上が妥当と考えられた。
文献
[1] L. Wang, X. Liu, Q. Zhang, C. Zhang, Y. Liu, K. Tu, and J. Tu, “Selection of DNA aptamers that bind to four organophosphorus pesticides”, Biotechnol Letters, vol. 34, pp. 869-874, 2012.
[2] K. Funakoshi, H. Suzuki, and S.Takeushi, “Lipid Bilayer Formation by Contacting Monolayers in a Microfluidic Device for Membrane Protein Analysis”, Anal. Chem., vol. 78, pp. 8169-8174, 2006.
[3] M. Akeson, D. Branton, J. J. Kasianowicz, E. Brandin, and D. W. Deamer., “Microsecond Time-Scale Discrimination Among Polycytidylic Acid, Polyadenylic Acid, and Polyuridylic Acid as Homopolymers or as Segments Within Single RNA Molecules”, Biophysical Journal, vol. 77, pp. 3227-3233, 1999.
[4] T. Z. Butler, J. H. Gundlach, and M.Troll, “Ionic Current Blockades from DNA and RNA Molecules in the α-Hemolysin Nanopore”, Biophysical Jounal, vol. 93, pp. 3229-3240, 2007.
10 第1の領域
11 第2の領域
12 標的物質
14 脂質溶液
16 水系媒体
18 自己支持性フィルム
20 脂質二重膜
21 電極
22 チャネルタンパク質
24 アプタマー

Claims (19)

  1. 気体状の被検試料中に含まれる標的物質の検出装置であって、前記被検試料と直接接触する、第1の領域に配置されたヒドロゲルと、該ヒドロゲルと脂質二重膜を介して隣接する、第2の領域に配置された脂質二重膜形成性の脂質溶液/水系媒体と、これらの領域の間に電圧を印加してこれらの領域間に流れる電流を測定する手段とを具備し、
    前記ヒドロゲルと前記脂質溶液との界面に存在する前記脂質二重膜は透孔を有し、前記電流は該透孔を介して流れ、該電流の流れ方が、前記被検試料中に前記標的物質が含まれる場合と含まれない場合とで異なる、気体状の被検試料中に含まれる標的物質の検出装置。
  2. 前記透孔は、前記脂質二重膜に保持されたチャネルタンパク質のチャネルである、請求項1記載の装置。
  3. 前記チャネルタンパク質がα−ヘモリシンである、請求項2記載の装置。
  4. 前記ヒドロゲルは、前記標的物質と特異的に結合する特異結合性物質を含み、前記透孔は、該特異結合性物質は通過できるが、該特異結合性物質と前記標的物質との結合物は通過できないサイズを有する請求項1〜3記載の装置。
  5. 前記特異結合性物質がアプタマーである請求項4記載の装置。
  6. 前記アプタマーは、その一端に、同一の塩基が15個〜50個連続する同一塩基の繰り返し領域を有する請求項5記載の装置。
  7. 前記同一塩基がシトシンである請求項6記載の装置。
  8. 前記第1の領域及び前記第2の領域は、それぞれ、ダブルウェルチャンバーの各ウェルである請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置。
  9. 気体状の被検試料中に含まれる標的物質の検出装置の部品であって、前記被検試料と直接接触する、第1の領域に配置されたヒドロゲルと、該ヒドロゲルと脂質二重膜を介して隣接する、第2の領域に配置された脂質二重膜形成性の脂質溶液/水系媒体とを具備する、気体状の被検試料中に含まれる標的物質の検出装置部品。
  10. 気体状の被検試料中に含まれる標的物質の検出方法であって、
    前記被検試料との接触の結果前記標的物質を含む、第1の領域に配置されたヒドロゲルと、該ヒドロゲルと脂質二重膜を介して隣接する、第2の領域に配置された脂質二重膜形成性の脂質溶液/水系媒体との間に電圧を印加してこれらの領域間に流れる電流を測定することを含み、
    前記ヒドロゲルと前記脂質溶液との界面に存在する前記脂質二重膜は、透孔を有しており、該透孔を介して前記第1の領域と第2の領域は連通しており、前記電流は該透孔を介して流れ、該電流の流れ方が、前記被検試料中に前記標的物質が含まれる場合と含まれない場合とで異なり、測定した電流に基づき標的物質を検出する、気体状の被検試料中に含まれる標的物質の検出方法。
  11. 前記ヒドロゲルと前記被検試料とを接触させた後、前記ヒドロゲルと前記脂質溶液/水系媒体とを接触させて前記脂質二重膜を形成するか、又は、前記ヒドロゲルと前記脂質溶液/水系媒体とを接触させて前記脂質二重膜を形成させた後、前記ヒドロゲルと前記被検試料とを接触させる請求項10記載の方法。
  12. 前記透孔は、前記脂質二重膜に保持されたチャネルタンパク質のチャネルである、請求項10又は11記載の方法。
  13. 前記チャネルタンパク質がα−ヘモリシンである、請求項12記載の方法。
  14. 前記ヒドロゲルは、前記標的物質と特異的に結合する特異結合性物質を含み、前記透孔は、該特異結合性物質は通過できるが、該特異結合性物質と前記標的物質との結合物は通過できないサイズを有する請求項10〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記特異結合性物質がアプタマーである請求項14記載の方法。
  16. 前記アプタマーは、その一端に、同一の塩基が15個〜50個連続する同一塩基の繰り返し領域を有する請求項15記載の方法。
  17. 前記同一塩基がシトシンである請求項16記載の方法。
  18. 前記第1の領域及び前記第2の領域は、それぞれ、ダブルウェルチャンバーの各ウェルである請求項10〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記標的物質が、有機リン系農薬である請求項10〜18のいずれか1項に記載の方法。
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