JP2017082814A - ソレノイドバルブ装置およびソレノイドバルブの制御方法 - Google Patents

ソレノイドバルブ装置およびソレノイドバルブの制御方法 Download PDF

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純明 橋本
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雄介 岩▲崎▼
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Abstract

【課題】ソレノイドバルブの制御精度を向上させることができるソレノイドバルブ装置およびソレノイドバルブの制御方法を提供する。
【解決手段】ソレノイドバルブ装置10は、ソレノイドバルブ18と、決定部110と、制御部130とを備える。ソレノイドバルブ18は、流体が通過する流体経路に設けられ、流体の流量を調整する。決定部110は、ソレノイドバルブ18の目標弁開度を決定する。制御部130は、決定部110が決定した目標弁開度、および、ソレノイドバルブ18の前後における流体経路の差圧に基づき、ソレノイドバルブ18を制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ソレノイドバルブ装置およびソレノイドバルブの制御方法に関する。
従来、車両に搭載される内燃機関のEGRバルブとして、例えばリニアソレノイドを用いたソレノイドバルブが知られている。かかるEGRバルブでは、目標弁開度に一時遅れ処理を施した値をEGRバルブの弁開度として推定することで、例えばリフトセンサなどEGRバルブの弁開度を直接検出するセンサを省略しつつ、EGRの弁開度を制御している(例えば特許文献1参照)。
特開2004−218524号公報
しかしながら、従来のEGRバルブでは、目標弁開度を所定時間だけ遅延させたものを弁開度として推定しているに過ぎない。例えば外乱によってEGRバルブの実際の弁開度が変化したとしても、目標弁開度が一定である場合は、かかる弁開度の変化を検出することができないという問題があった。このように、従来のEGRバルブは、弁開度の制御精度が十分に高いとは言えなかった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ソレノイドバルブの制御精度を向上させることができるソレノイドバルブ装置およびソレノイドバルブの制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明のソレノイドバルブ装置は、ソレノイドバルブと、決定部と、制御部とを備える。ソレノイドバルブは、流体が通過する流体経路に設けられ、前記流体の流量を調整する。決定部は、前記ソレノイドバルブの目標弁開度を決定する。制御部は、前記決定部が決定した前記目標弁開度、および、前記ソレノイドバルブの前後における前記流体経路の差圧に基づき、前記ソレノイドバルブを制御する。
本発明によれば、ソレノイドバルブの制御精度を向上させることができるソレノイドバルブ装置およびソレノイドバルブの制御方法を提供することができる。
図1は、実施形態に係るソレノイドバルブの制御方法を示す説明図である。 図2は、実施形態に係る内燃機関の概要を示す図である。 図3は、実施形態に係るソレノイドバルブ装置のブロック図である。 図4は、実施形態に係るソレノイドバルブの構成を示す図である。 図5は、実施形態に係る吸気圧と弁開度との関係を説明するための図である。 図6は、実施形態に係るソレノイドバルブの弁開度と補正後の駆動電流との時間変化における関係を示すグラフである。 図7は、実施形態の変形例に係るソレノイドバルブの弁開度と補正後の駆動電流との関係を示すグラフである。 図8は、実施形態に係る駆動電流とソレノイドバルブ前後の差圧との関係を示す表である。 図9は、実施形態に係るソレノイドバルブ装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。 図10は、実施形態の変形例1に係るソレノイドバルブ装置の構成を示す図である。 図11は、実施形態の変形例1に係るソレノイドバルブ前後の差圧と目標弁開度との関係を示す表である。 図12は、実施形態の変形例2に係るソレノイドバルブ装置の構成を示す図である。 図13は、実施形態の変形例2に係るソレノイドバルブ装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。 図14は、実施形態に係るソレノイドバルブ装置のバルブ制御部の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示するソレノイドバルブ装置およびソレノイドバルブの制御方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<1.ソレノイドバルブの制御方法>
図1を用いて、本発明の実施形態に係るソレノイドバルブの制御方法を説明する。図1は、実施形態に係るソレノイドバルブの制御方法を示す説明図である。なお、本実施形態では、例えば自動車の内燃機関に搭載されるソレノイドバルブの制御方法について説明するが、かかるソレノイドバルブの制御方法は、必ずしもこれに限られるものではなく、種々のソレノイドバルブの制御方法に適用することができる。
自動車の内燃機関には、内燃機関での燃焼によって排出される排気ガス中の窒素酸化物(以下、「NOx」と記載する)を低減させるため、排気再循環機構(以下、EGR機構と記載する)と呼ばれる技術が取り入れられている。具体的に、EGR機構は、内燃機関の排気ガスの一部を吸気側へ送ることによって排気ガスを再度吸気させる技術である。
EGR機構には、吸気側へ送る排気ガスの量を調整するEGR弁が設けられている。本実施形態では、かかるEGR弁として用いられるソレノイドバルブ18の制御方法について説明する。なお、図1では、ソレノイドバルブ18の制御方法の説明に必要な構成を図示しており、一部構成の図示を省略している。
図1(a)に示すように、ソレノイドバルブ18は、EGR機構の排気環流管72に設けられており、バルブヘッド188と、バルブヘッド188を支持するバルブステム187とを図示しないリニアソレノイドによって上下に摺動させる。これにより、ソレノイドバルブ18が開閉し、排気側環流管72aから吸気側環流管72bへ流れる排気ガスの流量が変化する。このように、ソレノイドバルブ18は、いわゆるポペット式のバルブである。
図1(a)に示す例では、バルブヘッド188を開口面から距離D1(移動量D1)だけ排気側環流管72a側に摺動させることで、ソレノイドバルブ18が開口する。これにより、矢印F11、F12に示すように、排気ガスが排気側環流管72aから吸気側環流管72bへと流れる。このように、バルブヘッド188の移動量D1に応じてソレノイドバルブ18の弁開度A1が変化する。
ここで、例えばソレノイドバルブ18が開口した直後の過渡期などにおいて、排気側環流管72aの内部の圧力P1と、吸気側環流管72bの内部の圧力P2とに差が生じる場合がある。例えば、図1(b)に示すように、排気側環流管72aの圧力P1が吸気側環流管72bの圧力P2より大きい場合(P1>P2)、排気側環流管72aの圧力P1によってバルブヘッド188が吸気側環流管72b側に押し戻されてしまう。
例えばソレノイドバルブ18の目標弁開度がA1であり、ソレノイドバルブ18がバルブヘッド188を移動量D1だけ移動させようとしたとする。このとき、排気側環流管72aの圧力P1によってバルブヘッド188が押し戻されるため、実際のバルブヘッド188の移動量はD2(D1>D2)となり、ソレノイドバルブ18の弁開度は、目標弁開度A1より小さい弁開度A2(A1>A2)となる。
そのため、排気側環流管72aから吸気側環流管72bへと流れる排気ガスの流量が所望の流量(図1(a)の矢印F11、F12)より小さい流量(図1(b)の矢印F21、F22)となってしまう。このように、流体である排気ガスが通過する流体経路(排気環流管72)の前後の差圧が外乱となり、ソレノイドバルブ18の弁開度に悪影響を与える。
そのため、かかる外乱の影響を検出するために、ソレノイドバルブ18に弁開度センサを設けることが一般的である。ところが、弁開度センサを設けることによりコストアップや大型化につながる。そこで、駆動電流の値と弁開度が比例関係にあることを利用し、開度センサをなくして駆動電流値を用いて弁開度を推定する技術が開発されてきている。
しかしながら、駆動電流値でもって弁開度を推定する場合、上述した排気環流管72におけるソレノイドバルブ18の前後の差圧による影響を検出することができない。すなわち、ソレノイドバルブ18の前後の差圧が変化しても駆動電流値は変化しないため、駆動電流値を検出するだけでは差圧の影響を検出することができない。そのため、かかる差圧の影響によって、ソレノイドバルブ18を高精度に制御できない可能性がある。EGR弁としてソレノイドバルブ18を利用する場合、EGR弁の弁開度の制御精度が低いと、排気ガス(特にNOx)に悪影響を及ぼす恐れがある。
そこで、本実施形態に係るソレノイドバルブ18の制御方法では、弁開度センサをなくしつつ、流体経路である排気環流管72の前後の差圧に応じて、ソレノイドバルブ18を制御することで、ソレノイドバルブ18の制御精度を向上させる。
具体的には、図1(b)に示すように、差圧(P1−P2)に基づいて、バルブヘッド188が押し戻された外乱量D(D=D1−D2)を推定する(ステップS1)。次に、図1(c)に示すように、外乱量Dだけバルブヘッド188が排気側環流管72a側に移動するよう、ソレノイドバルブ18を制御する(ステップS2)。
以上のように、本実施形態に係るソレノイドバルブ18の制御方法では、排気環流管72の前後の差圧に応じて、ソレノイドバルブ18を制御することで、ソレノイドバルブ18を高精度に制御することができる。以下、かかるソレノイドバルブ18の制御方法を実行するソレノイドバルブ装置10および内燃機関についてさらに説明する。
<2.内燃機関の概要>
図2は、本発明の実施形態に係る内燃機関の概要を示す図である。図2に示す内燃機関は、例えばガソリンを燃料とする自動車のエンジンである。内燃機関は、電子制御装置(ECU)1によって燃焼制御等の各種制御が行われるものである。つまり、本実施形態のソレノイドバルブ装置10は、かかる電子制御装置1およびソレノイドバルブ18によって構成される。
図2を用いて内燃機関の構成を説明する。なお、図2では1気筒の内燃機関を示しているが、これに限られず多気筒の内燃機関であってもよい。
図2の内燃機関に備えるシリンダ51には、吸気管60と排気管70とが、吸気弁16と排気弁17とを介して連結されている。さらに、排気管70と排気側環流管72aおよび吸気側環流管72bとはEGR弁18(ソレノイドバルブ18)を介して連結されており、吸気管60には、スロットル弁92や燃料を吸気管60内に噴射するインジェクタ93を備える。また、吸気管60におけるサージタンク内に吸気管圧センサ15を設けている。
エアクリーナが設けられた吸気口107から吸気管61を介して吸気された空気は、吸気管60へ流れ込む。また、排気管70から排出される排気ガスの一部は排気側環流管72aへ流れ込み、さらにEGR弁18を開けた際に、吸気側環流管72b経由で吸気管60側へ流れ込む。
なお、吸気弁16および排気弁17は、エンジンの回転軸に連結され、エンジンの回転状態に応じて機械的に開閉が行われる構成のものや、エンジンの回転軸とは機械的に連結されておらず、モータの駆動力によって開閉が行われる構成のものがある。
排気管70と排気管71との間には、三元触媒装置80を備えており、排気管71および排気口91の間には、NOx吸蔵還元型三元触媒装置81を備えている。
三元触媒装置80およびNOx吸蔵還元型三元触媒装置81は、触媒を利用することによって排気ガス中の有害成分を浄化する装置である。自動車の排気ガス中に含まれる有害成分としては、主に炭化水素、一酸化炭素、および、窒素酸化物(NOx)などが挙げられる。
三元触媒装置80やNOx吸蔵還元型三元触媒装置81では、かかる有害成分を、たとえば、プラチナ、パラジウム、および、ロジウム等の触媒によって酸化もしくは還元させることで同時に除去することができる。
<3.ソレノイドバルブ装置10>
図3を用いてソレノイドバルブ装置10を説明する。図3は、本実施形態に係るソレノイドバルブ装置10のブロック図である。ソレノイドバルブ装置10は、ソレノイドバルブ18と、吸気管圧センサ15と、バルブ制御部100とを備える。
<3.1.ソレノイドバルブ18>
図4を用いてソレノイドバルブ18の概要を説明する。図4は、ソレノイドバルブ18の構成を示す図である。
図4に示すように、ソレノイドバルブ18は、ハウジング181と、リニアソレノイド182と、スプリング185と、軸受け186と、バルブステム187と、バルブヘッド188と、を備える。ソレノイドバルブ18は、例えば図2に示す内燃機関のEGR弁として用いられる。そのため、ソレノイドバルブ18は、排気側環流管72aと吸気側環流管72bとの間に設けられ、排気側環流管72aから吸気側環流管72bへ流れる排気ガスの流量を調整する。
ハウジング181は、中空筒状に形成されており、内部にリニアソレノイド182と、スプリング185と、軸受け186とが配置される。ハウジング181は、例えば排気側環流管72aおよび吸気側環流管72bと一体形成される。
バルブヘッド188およびかかるバルブヘッド188を支持するバルブステム187は、スプリング185によって付勢され、ハウジング181、排気側環流管72aおよび吸気側環流管72b内を直線的に摺動可能に配置される。軸受け186は、バルブステム187を直線的に摺動可能に支持する。バルブヘッド188は、例えば排気側環流管72aおよび吸気側環流管72bとの間の開口部Aを塞ぐように配置される。
リニアソレノイド182は、バルブステム187に連結されたプランジャ184と、プランジャ184の外周と空隙を介して対向するコイル183とを備える。コイル183に駆動信号が入力されると、かかる駆動信号に応じてリニアソレノイド182のプランジャ184が移動する。プランジャ184の移動に応じてバルブステム187およびバルブヘッド188が摺動する。これにより、開口部Aが開口または閉口することで、ソレノイドバルブ18が開弁または閉弁し、排気ガスが排気側環流管72aから吸気側環流管72bへと流れる。
<3.2.吸気管圧センサ15>
図3に示す吸気管圧センサ15は、吸気管60のサージタンク内に設けられ(図2参照)、吸気管60内の圧力(すなわち、吸気圧)を検出する。例えば、図2のスロットル弁92が開弁している状態では、吸気管60内の圧力が大気圧に近い状態となり、スロットル弁92が閉弁している状態では、吸気管60内の圧力が真空に近い状態となる。吸気管圧センサ15は、かかる吸気管60内の圧力を検出し、バルブ制御部100に通知する。
なお、ここでは、ソレノイドバルブ装置10が吸気管圧センサ15を備えるとしたが、これに限られない。例えば吸気管圧センサ15の検出結果をソレノイドバルブ装置10が受け取るようにしてもよい。このように、ソレノイドバルブ装置10は、必ずしも吸気管圧センサ15を備えていなくともよい。
<3.3.バルブ制御部100>
図3に示すバルブ制御部100は、開度決定部110と、状態判定部120と、ソレノイド制御部130と、記憶部140とを備える。
<3.3.1.開度決定部110>
開度決定部110は、例えばEGR機構の制御状態に応じてソレノイドバルブ18の目標弁開度を決定する決定部である。具体的には、開度決定部110は、例えば吸気側へ送る排気ガスの目標量を図示しないEGR制御部から受け取ると、記憶部140を参照し、排気ガスの目標量に対応する目標弁開度を決定する。開度決定部110は、決定した目標弁開度をソレノイド制御部130に通知する。
<3.3.2.状態判定部120>
状態判定部120は、ソレノイドバルブ18が過渡状態であるか否かを判定する。状態判定部120は、例えばソレノイド制御部130が目標弁開度に応じてソレノイドバルブ18の制御を開始したタイミングに応じて、ソレノイドバルブ18が過渡状態であるか定常状態であるかを判定する。
具体的には、状態判定部120は、ソレノイド制御部130が目標弁開度に応じてソレノイドバルブ18の制御を開始してから所定期間が経過するまでは、ソレノイドバルブ18が過渡状態であると判定する。また、状態判定部120は、所定期間経過後は、ソレノイドバルブ18が定常状態であると判定する。状態判定部120は、判定結果をソレノイド制御部130に通知する。
<3.3.3.ソレノイド制御部130>
ソレノイド制御部130は、例えば開度決定部110が決定した目標弁開度やソレノイドバルブ18の前後における排気環流管72の差圧に基づいて、ソレノイドバルブ18を制御する制御部である。ソレノイド制御部130は、開度推定部131と、補正部132と、設定部133と、を備える。
<3.3.3.1.開度推定部131>
開度推定部131は、設定部133が設定する駆動信号およびソレノイドバルブ18の前後における排気環流管72の差圧に基づいてソレノイドバルブ18の弁開度を推定する。具体的には、開度推定部131は、駆動信号および吸気管圧センサ15が検出する吸気圧に基づいてソレノイドバルブ18の弁開度を推定する。
ここで、図5〜図8を用いて、開度推定部131が吸気管60内の圧力、すなわち吸気圧に基づいてソレノイドバルブ18の弁開度を推定する方法について説明する。図5は、吸気圧と弁開度との関係を説明するための図である。
図5(a)は、ソレノイドバルブ18に流れる駆動電流の時間変化を示すグラフであり、縦軸は電流を示している。図5(b)は、スロットル弁92の弁開度の時間変化を示すグラフであり、縦軸は弁開度としてスロットル弁92の弁角度を示している。図5(c)は、ソレノイドバルブ18の前後における排気環流管72の差圧の時間変化を示すグラフであり、縦軸は差圧を示している。
図5(d)は、ソレノイドバルブ18の弁開度の時間変化を示すグラフである。図5(d)では、ソレノイドバルブ18の弁開度として、バルブヘッド188の移動量をリフトセンサ(図示せず)で検出した結果を示しており、縦軸は移動量を示している。なお、図5(d)では、ソレノイドバルブ18の弁開度と差圧とを比較するために、リフトセンサによる検出結果を示すものであって、ソレノイドバルブ装置10が必ずリフトセンサを備えているわけではない。図5(e)は、吸気管60内の圧力(吸気圧)の時間変化を示すグラフであり、縦軸は吸気圧を示している。また、図5(a)〜図5(e)の横軸はいずれも時間を示している。
図5(a)では、ソレノイドバルブ18に一定の駆動電流を流している。すなわち、ソレノイドバルブ18の弁開度が一定になるようにソレノイドバルブ18を制御している。この場合、図5(e)の時刻T1から時刻T2に示すように、バルブヘッド188は、弁開度が目標弁開度となるように所定量だけ移動し、一定の弁開度を維持する。なお、図5(a)では、ソレノイドバルブ18に流れる駆動電流を一定値として示しているが、ソレノイドバルブ18には、かかる駆動電流を平均値とする駆動信号が入力される。かかる駆動信号は、例えば所定デューティ比を有するPWM信号である。
ここで、図5(b)の時刻T2から時刻T3に示すように、スロットル弁92の弁開度、すなわち弁角度が変化したとする。これにより、図5(c)に示すように、ソレノイドバルブ18前後の差圧が変化する。
例えば、スロットル弁92が開弁している場合、吸気管60内の圧力は、大気圧とほぼ同じ圧力となる。また排気管70内の圧力は大気圧とほぼ同じ圧力であるため、吸気管60と排気管70との圧力はほぼ同じとなり、ソレノイドバルブ18前後の差圧はほぼゼロとなる。一方、スロットル弁92が閉弁している場合、吸気管60は真空状態となり、吸気管60内の圧力は大気圧より小さくなる。排気管70内の圧力は大気圧とほぼ同じ圧力であるため、吸気管60と排気管70との圧力に差が生じ、ソレノイドバルブ18前後に圧力差(差圧)が発生する。
なお、図5(b)では、スロットル弁92の弁角度が小さいほど弁開度が小さく、弁角度が大きいほど弁開度が大きくなる。したがって、図5(c)の時刻T2から時刻T3においてソレノイドバルブ18前後の差圧が大きくなる。
かかる差圧の変化により、図5(d)に示すように、時刻T2から時刻T3の間にバルブヘッド188の移動量が変化してしまう。このように、ソレノイドバルブ18前後の差圧が変化すると、ソレノイドバルブ18の弁開度が変化し、例えば排気ガスの流量が変化してしまう恐れがある。しかしながら、図5(a)にしめすように、ソレノイドバルブ18に流れる駆動電流は、時刻T2から時刻T3の間でも変化がなく一定値のままである。そのため、駆動電流の値のみで弁開度を推定すると、ソレノイドバルブ18前後の差圧の変化による弁開度の変化を検出することができない。
一方、図5(e)に示すように、時刻T2から時刻T3の間の吸気管60内の圧力は、時刻T1から時刻T2の間の圧力より小さくなる。このように、吸気管60内の圧力(吸気圧)は、スロットル弁92の弁開度の変化、すなわちソレノイドバルブ18前後の差圧に応じて変化する。本実施形態では、かかる点に注目し、ソレノイドバルブ18の駆動電流を吸気圧に応じて補正することで、ソレノイドバルブ18前後の差圧に応じたソレノイドバルブ18の弁開度を推定する。
図6および図7を用いてソレノイドバルブ18の弁開度と補正後の駆動電流との関係について説明する。図6は、ソレノイドバルブ18の弁開度と補正後の駆動電流との時間変化における関係を示すグラフである。図6では、図5(d)と同様に、ソレノイドバルブ18の弁開度として、バルブヘッド188の移動量をリフトセンサ(図示せず)で検出した結果を点線で示しており、縦軸は移動量を示している。また、図6では、補正後の駆動電流として、駆動電流に吸気圧を乗算した結果を実線で示している。また、横軸は時間を示している。
図6に示すように、点線で示すリフト量と実線で示す補正後の駆動電流はほぼ重なっており、ソレノイドバルブ18の弁開度と同様に補正後の駆動電流も変化することがわかる。したがって、補正後の駆動電流に基づいてソレノイドバルブ18の弁開度を推定することで、例えばスロットル弁92の開閉による外乱が生じたとしても、本実施形態に係るソレノイドバルブ装置10の開度推定部131は、ソレノイドバルブ18の弁開度を精度よく推定することができる。
図7は、ソレノイドバルブ18の弁開度と補正後の駆動電流との関係を示すグラフである。図7の縦軸は補正後の駆動電流を示しており、横軸は図5(d)と同様に、ソレノイドバルブ18の弁開度としてリフトセンサ(図示せず)で検出した結果を示している。なお、図7では、補正前の駆動電流を一定の値とし、内燃機関の回転数や吸気圧などの条件を変更した場合の補正後の駆動電流と弁開度(移動量)との関係を示している。
図7に示すように、補正後の駆動電流と弁開度との関係は線形性を有しており、相関があることがわかる。したがって、リフトセンサを用いなくとも、差圧に応じて駆動電流を補正することでソレノイドバルブ18の弁開度を推定することができる。
次に、図8を用いて、開度推定部131によるソレノイドバルブ18の弁開度推定方法の具体例について説明する。図8は、駆動電流とソレノイドバルブ18前後の差圧との関係を示す表である。具体的には、図8は、かかる吸気圧と駆動電流とに基づいて決定されるソレノイドバルブ18の弁開度を示している。
例えば、吸気圧が「100hPa」、駆動電流が「300mA」の場合、弁開度は「0.5mm」となる。かかる弁開度等は、例えば実験等によって算出される値である。図8に示す表は、例えば記憶部140に記憶されている。
開度推定部131は、設定部133からソレノイドバルブ18に流れる駆動電流を受け取る。また、開度推定部131は、吸気管圧センサ15から吸気管60内の吸気圧を受け取る。開度推定部131は、駆動電流、吸気圧および図8に示す表に基づいて、ソレノイドバルブ18の弁開度を推定する。開度推定部131は、推定した弁開度を補正部132に出力する。
なお、図8では、差圧として吸気圧を横軸とする表を示しているが、差圧を横軸とする表であってもよい。大気圧は約101hPaであるため、吸気圧が「100hPa」であるとき、差圧は「約0hPa」となる。また、吸気圧が小さくなるほど差圧は大きくなる。
また、ここでは、表を用いて弁開度を推定する方法について説明したが、これに限られない。例えば、駆動電流および吸気圧に基づいて弁開度を算出する関数をあらかじめ記憶部140に記憶しておき、開度推定部131がかかる関数を用いて弁開度を推定するようにしてもよい。なお、かかる関数は例えば実験等に基づきあらかじめ決定しておくものとする。
<3.3.3.2.補正部132>
補正部132は、ソレノイドバルブ18の目標弁開度およびソレノイドバルブ18前後の差圧に基づき、駆動信号を補正する。具体的には、開度決定部110が決定する目標弁開度に応じて設定部133が設定する目標駆動電流を補正する。例えば、開度推定部131が推定する弁開度が目標弁開度と異なる場合、補正部132は、推定した弁開度と目標弁開度に応じた補正電流を、目標弁開度に応じた目標駆動電流に加えることで目標駆動電流を補正する。
具体的には、補正部132は、例えば推定した弁開度と目標弁開度の差分(外乱量D)を推定し、外乱量Dだけバルブヘッド188が排気側環流管72a側に移動するために必要な電流を推定する。補正部132は、推定した電流を補正電流として目標駆動電流に加えることで目標駆動電流を補正する。
このように、補正部132は、開度推定部131が推定した弁開度に基づいて目標駆動電流を補正することで、目標弁開度および差圧に基づいて駆動信号を補正する。かかる補正電流は、例えば実験等によってあらかじめ決められる値であり、記憶部140に記憶されている。補正部132は、補正後の目標駆動電流を設定部133に出力する。
<3.3.3.3.設定部133>
設定部133は、ソレノイドバルブ18を駆動する駆動信号を設定する。設定部133は、例えば、ソレノイドバルブ18が定常状態の場合、開度決定部110が決定した目標弁開度に基づいて駆動信号を設定する。具体的には、設定部133は、開度決定部110に応じて目標駆動電流を設定し、ソレノイドバルブ18に流れる駆動電流が目標駆動電流になるようにソレノイドバルブ18に入力する駆動信号を設定する。
また、設定部133は、例えばソレノイドバルブ18が過渡状態の場合、補正部132が補正した目標駆動電流に基づいて駆動信号を設定する。具体的には、設定部133は、ソレノイドバルブ18に流れる駆動電流が補正後の目標駆動電流になるようにソレノイドバルブ18に入力する駆動信号を設定する。
このように、設定部133がソレノイドバルブ18の状態に応じて目標駆動電流を変更する理由について説明する。ソレノイドバルブ18が過渡状態の場合、ソレノイドバルブ18の排気側環流管72a側の圧力は排気管70とほぼ等しく、吸気側環流管72b側の圧力は吸気管60とほぼ等しくなる。したがって、ソレノイドバルブ18前後の差圧は、吸気管60および排気管70の圧力の差、すなわち吸気圧に従って変化する。
一方、ソレノイドバルブ18が定常状態の場合、ソレノイドバルブ18が開弁状態になってから十分な時間が経過しており、排気ガスが排気側環流管72aから吸気側環流管72bへと十分に流れている。したがって、ソレノイドバルブ18の排気側環流管72a側の圧力は、吸気側環流管72b側の圧力とほぼ等しくなる。したがって、ソレノイドバルブ18前後の差圧は、吸気管60および排気管70の圧力の差、すなわち吸気圧の影響を受けにくくなる。
そこで、本実施形態に係るソレノイドバルブ装置10の設定部133は、吸気圧の影響を大きく受ける過渡状態において、補正後の目標駆動電流に基づいて駆動信号を設定する。これにより、吸気圧の影響を受けてソレノイドバルブ18の弁開度が変化した場合であっても、かかる変化を検出し、ソレノイドバルブ18の弁開度を目標弁開度にすることができる。
なお、ここでは、定常状態の場合は、設定部133が、補正後の目標駆動電流ではなく、目標弁開度に基づいて設定した目標駆動電流に応じて駆動信号を設定するとしたがこれに限られない。例えば定常状態の場合でも、設定部133が補正後の目標駆動電流に応じて駆動信号を設定するようにしてもよい。定常状態の場合、吸気側環流管72bから吸気管60へと流れ込む排気ガスの影響で吸気圧も変化するため、定常状態の場合であっても吸気圧に基づいて駆動信号を補正することでソレノイドバルブ18の制御精度を向上させることができる。
また、ここでは、設定部133が、状態判定部120の判定結果に基づいて目標駆動電流を変更するとしたが、これに限られない。例えば開度推定部131が、状態判定部120の判定結果に基づいて、過渡状態の場合に差圧に基づいて弁開度を推定するようにしてもよい。あるいは、補正部132が、過渡状態の場合に目標駆動電流を補正するようにしてもよい。
また、ここでは、設定部133が、開度決定部110が決定した目標弁開度に応じて目標駆動電流を設定するとしたが、これに限られない。例えば、目標設定部(図示せず)をさらに設け、かかる目標設定部が目標駆動電流を設定するようにしてもよい。あるいは、補正部132が目標駆動電流を設定するようにしてもよい。
<3.3.4.記憶部140>
記憶部140は、例えば開度推定部131が弁開度を推定する場合に使用する表など、ソレノイドバルブ装置10の各部が行う処理に必要な情報を記憶する。また、記憶部140は、例えば、開度推定部131が推定した弁開度など、ソレノイドバルブ装置10の各部が行った処理の結果を記憶する。
記憶部140は、例えばRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置である。
<4.ソレノイドバルブ制御処理>
次に、本実施形態に係るソレノイドバルブ装置10が実行する処理手順について図9を用いて説明する。図9は、本実施形態に係るソレノイドバルブ装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。本実施形態のソレノイドバルブ装置10は、例えば図示しない上位層からEGRを実行するため、ソレノイドバルブ18を制御する旨の通知を受けると、ソレノイドバルブ制御処理を実行する。
図9に示すように、ソレノイドバルブ装置10は、目標弁開度を設定する(ステップS101)。ソレノイドバルブ装置10は、ステップS101で設定した目標弁開度に応じて目標駆動電流を設定する(ステップS102)。
ソレノイドバルブ装置10は、吸気圧および駆動信号に基づいてソレノイドバルブ18の弁開度を推定する(ステップS103)。また、ソレノイドバルブ装置10は、ステップS103で推定した弁開度に応じて目標駆動電流を補正する(ステップS104)。
ソレノイドバルブ装置10は、ソレノイドバルブ18が過渡状態であるか否かを判定する(ステップS105)。ソレノイドバルブ18が過渡状態である場合(ステップS105のYes)、ソレノイドバルブ装置10は、ステップS104で補正した補正後の目標駆動電流に基づいてソレノイドバルブ18に入力する駆動信号を設定し(ステップS106)、処理を終了する。
ソレノイドバルブ18が過渡状態でない、すなわち定常状態である場合(ステップS105のNo)、ソレノイドバルブ装置10は、ステップS102で設定した目標駆動電流に基づいてソレノイドバルブ18に入力する駆動信号を設定し(ステップS107)、処理を終了する。
ソレノイドバルブ装置10は、EGRを実行している間、図9の処理を繰り返し実行する。なお、例えばソレノイドバルブ18を通過する排気ガスの流量に変更があった場合にのみステップS101を実行するようにし、それ以外の場合はステップS101を省略するようにしてもよい。ここで、排気ガスの流量は、例えば図示しない上位層から通知されるものとする。
以上のように、本実施形態に係るソレノイドバルブ装置10は、目標弁開度およびソレノイドバルブ18前後の差圧に基づいてソレノイドバルブ18を制御する。これにより、差圧が発生したとしても、ソレノイドバルブ18の弁開度を目標弁開度に維持することができ、ソレノイドバルブ18の制御精度を向上させることができる。
また、ソレノイドバルブ18前後の差圧と吸気圧とが比例関係にあるという知見に基づき、吸気管圧センサ15の検出結果に応じて、ソレノイドバルブ18を制御する。吸気管圧センサ15は、内燃機関の吸気圧を検出するために設けられているため、ソレノイドバルブ18前後の差圧を検出するためのセンサを別途設ける必要がなく、部品点数を増加させることなくソレノイドバルブ18の制御精度を向上させることができる。
<5.変形例>
図10〜図13を用いて本実施形態に係るソレノイドバルブ装置10の変形例について説明する。
<5.1.変形例1>
図10は、変形例1に係るソレノイドバルブ装置11の構成を示す図である。変形例1に係るソレノイドバルブ装置11では、ソレノイドバルブ18前後の差圧に基づいて目標駆動電流を補正する点で、差圧に基づいて弁開度を推定する図3に示すソレノイドバルブ装置10と異なる。
したがって、変形例1に係るソレノイドバルブ装置11は、開度推定部131を備えていない点を除き、図3に示すソレノイドバルブ装置10と同じ構成である。なお、図3に示すソレノイドバルブ装置10と同じ構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
補正部134は、ソレノイドバルブ18の目標弁開度およびソレノイドバルブ18前後の差圧に基づき、駆動信号を補正する。補正部134は、例えば図11に示すような、ソレノイドバルブ18前後の差圧と目標弁開度との関係を示す表に基づいて駆動信号を補正する。なお、図11は、ソレノイドバルブ18前後の差圧と目標弁開度との関係を示す表である。具体的には、図11は、かかる吸気圧と駆動電流とに基づいて決定されるソレノイドバルブ18の目標駆動電流を示している。
例えば、吸気圧が「100hPa」、目標弁開度が「0.5mm」の場合、目標駆動電流は「300mA」となる。かかる目標駆動電流等は例えば実験によって算出される値である。図11に示す表は、例えば記憶部140に記憶されている。
補正部134は、開度決定部110から目標弁開度を受け取る。また、補正部134は、吸気管圧センサ15から吸気管60内の吸気圧を受け取る。補正部134は、目標弁開度、吸気圧および図11に示す表に基づいて、ソレノイドバルブ18の目標駆動電流を補正する。補正部134は、補正後の目標駆動電流を設定部133に出力する。
なお、図11では、差圧として吸気圧を横軸とする表を示しているが、差圧を横軸とする表であってもよい。大気圧は約101hPaであるため、吸気圧が「100hPa」であるとき、差圧は「約0hPa」となる。また、吸気圧が小さくなるほど差圧は大きくなる。
なお、上述した実施形態では、設定部133が目標駆動電流を設定するとしたが、本変形例のように、目標弁開度および吸気圧に応じて目標駆動電流を補正する場合、例えば差圧が「0」の場合の目標駆動電流を目標弁開度における目標駆動電流とし、設定部133による目標駆動電流の設定を省略することもできる。
また、ここでは、表を用いて目標駆動電流を補正する方法について説明したが、これに限られない。例えば、目標弁開度および吸気圧に基づいて目標駆動電流を算出する関数をあらかじめ記憶部140に記憶しておき、補正部134がかかる関数を用いて目標駆動電流を補正するようにしてもよい。なお、かかる関数は例えば実験等に基づきあらかじめ決定しておくものとする。
以上のように、変形例1に係るソレノイドバルブ装置11は、図3に示すソレノイドバルブ装置10と同様の効果が得られるとともに、開度推定部131を省略することができる。これにより、弁開度を推定する処理を省略することができ、ソレノイドバルブ装置11の処理速度を向上させることができる。
<5.2.変形例2>
図12は、変形例2に係るソレノイドバルブ装置12の構成を示す図である。変形例2に係るソレノイドバルブ装置12のソレノイド制御部130は、比較部135を備える。なお、図3に示すソレノイドバルブ装置10と同じ構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
比較部135は、ソレノイドバルブ18前後の差圧と所定の閾値とを比較する。比較部135は、比較結果を設定部133に出力する。設定部133は、比較部135の比較結果、差圧が所定閾値より小さい場合、開度決定部110に応じて目標駆動電流を設定し、ソレノイドバルブ18に流れる駆動電流が目標駆動電流になるようにソレノイドバルブ18に入力する駆動信号を設定する。
また、設定部133は、比較部135の比較結果、差圧が所定閾値以上の場合、補正部132が補正した目標駆動電流に基づいて駆動信号を設定する。具体的には、設定部133は、ソレノイドバルブ18に流れる駆動電流が補正後の目標駆動電流になるようにソレノイドバルブ18に入力する駆動信号を設定する。このように、比較部135の比較結果、差圧が所定閾値以上の場合に、ソレノイド制御部130は目標弁開度および差圧に基づいてソレノイドバルブ18を制御する。
したがって、変形例2に係るソレノイドバルブ装置12では、設定部133は、ソレノイドバルブ18が過渡状態であり、差圧が所定閾値以上の場合に、補正部132が補正した目標駆動電流に基づいて駆動信号を設定する。ソレノイドバルブ18前後の差圧が小さい場合、ソレノイドバルブ18の弁開度に与える影響が小さい。
そこで、変形例2に係るソレノイドバルブ装置12では、弁開度に与える影響が大きい差圧の場合に、差圧に基づいてソレノイドバルブ18を制御するようにしている。これにより、ソレノイドバルブ装置12は、差圧が小さい場合に目標弁開度に基づいてソレノイドバルブ18を制御することができ、ソレノイドバルブ18の制御処理速度を低下させることなく、制御精度を向上させることができる。
図13は、変形例2に係るソレノイドバルブ装置12が実行する処理手順を示すフローチャートである。図13に示す処理手順は、ステップS104まで図9に示す処理手順と同じであるため説明を省略する。
ソレノイドバルブ装置12は、ソレノイドバルブ18前後の差圧が所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS201)。差圧が所定の閾値以上である場合(ステップS201のYes)、ソレノイドバルブ装置12は、ステップS105に進み、ソレノイドバルブ18が過渡状態であるか否かを判定する。一方、差圧が所定の閾値より小さい場合(ステップS201のNo)、ソレノイドバルブ装置12は、ステップS107に進む。以下の処理は図9に示す処理手順と同じであるため、説明を省略する。
なお、ここでは、差圧が所定の閾値以上であるか否かを判定してから、ソレノイドバルブ18が過渡状態であるか否かを判定しているが、かかる判定順序は逆であってもよい。あるいは、かかる2つの判定を同時に行うようにしてもよい。
以上のように、変形例2に係るソレノイドバルブ装置12は、差圧が所定の閾値以上である場合に、差圧に基づいてソレノイドバルブ18を制御する。したがって、ソレノイドバルブ装置12は、差圧が小さい場合に目標弁開度に基づいてソレノイドバルブ18を制御することができ、ソレノイドバルブ18の制御処理速度を低下させることなく、制御精度を向上させることができる。
<5.3.その他の変形例>
なお、上述した実施形態および変形例では、ソレノイドバルブ18がEGR弁である場合について説明したが、これに限られない。ソレノイドバルブ18として用いられるアクチュエータとしては、例えば内燃機関の油圧制御等に用いられるソレノイドバルブなどがある。例えばポペット式のバルブやスロットル弁など差圧の影響を受けやすいソレノイドバルブに有用である。
なお、上述した実施形態および変形例では、補正部132は、吸気管圧センサ15が検出する吸気圧に基づいて駆動信号を補正しているが、これに限られない。例えば図5に示すように、スロットル弁92の弁角度に応じて差圧が変化している。したがって、補正部132が、スロットル弁92の弁角度に基づいて駆動信号を補正するようにしてもよい。
なお、上述した実施形態および変形例の構成に加え、ソレノイドバルブ18の温度や内燃機関内部の温度など、ソレノイドバルブ18の周辺温度に応じてソレノイドバルブ18の駆動信号を補正するようにしてもよい。
具体的には、例えばソレノイドバルブ装置10がソレノイドバルブ18の周辺温度を検出する温度センサ(図示せず)を有する。ソレノイドバルブ装置10は、例えば図8に示すような駆動電流とソレノイドバルブ18前後の差圧との関係を示す表を周辺温度ごとに記憶部140に記憶している。ソレノイドバルブ装置10は、温度センサの検出結果に応じた表に基づいて駆動信号を補正する。
これにより、ソレノイドバルブ装置10は、ソレノイドバルブ18の周辺温度が変化してもソレノイドバルブ18を高精度に制御することができる。なお、上述した温度補償方法は一例であり、その他の方法を用いてソレノイドバルブ18の温度補償を行ってもよい。例えば補正部132によって補正した駆動信号をさらに周辺温度に応じて補正するようにしてもよい。
<6.ハードウェア構成>
本実施形態および変形例に係るソレノイドバルブ装置10〜12のバルブ制御部100は、図14に一例として示す構成のコンピュータ600で実現することができる。図14は、ソレノイドバルブ装置10〜12のバルブ制御部100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
コンピュータ600は、CPU(Central Processing Unit)610と、ROM(Read Only Memory)620と、RAM(Random Access Memory)630と、HDD(Hard Disk Drive)640とを備える。また、コンピュータ600は、通信インターフェイス(I/F)660を備える。
なお、コンピュータ600は、SSD(Solid State Drive)を備え、かかるSSDがHDD640の一部または全ての機能を実行するようにしてもよい。また、HDD640に代えてSSDを設けることとしてもよい。
CPU610は、ROM620およびHDD640の少なくとも一方に格納されるプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM620は、コンピュータ600の起動時にCPU610によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ600のハードウェアに依存するプログラムなどを格納する。HDD640は、CPU610によって実行されるプログラムおよびかかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。
通信I/F660は、ネットワーク690を介して他の機器からデータを受信してCPU610に送り、CPU610が生成したデータを、ネットワーク690を介して他の機器へ送信する。あるいは、通信I/F660は、ネットワーク690を介して他の機器からプログラムを受信してCPU610に送り、CPU610がかかるプログラムを実行する。
例えば、コンピュータ600がソレノイドバルブ装置10〜12のバルブ制御部100として機能する場合、コンピュータ600のCPU610は、ROM620上に格納されたプログラムを実行することにより、ソレノイドバルブ装置10〜12のバルブ制御部100の開度決定部110、状態判定部120、ソレノイド制御部130の開度推定部131、補正部132、134、設定部133および比較部135の各機能を実現する。また、HDD640は、記憶部140が記憶する情報を記憶することができる。
以上のように、本実施形態および変形例に係るソレノイドバルブ装置10〜12は、ソレノイドバルブ18と、開度決定部110と、ソレノイド制御部130とを備える。ソレノイドバルブ18は、流体(例えば、排気ガス)が通過する流体経路(例えば排気環流管72)に設けられ、流体の流量を調整する。開度決定部110は、ソレノイドバルブ18の目標弁開度を決定する。ソレノイド制御部130は、開度決定部110が決定した目標弁開度、および、ソレノイドバルブ18の前後における流体経路の差圧に基づき、ソレノイドバルブ18を制御する。
これにより、排気環流管72の前後の差圧に応じて、ソレノイドバルブ18を制御することができ、ソレノイドバルブ18を高精度に制御することができる。
また、本実施形態および変形例に係るソレノイドバルブ装置10〜12のソレノイド制御部130は、設定部133と、補正部132とを備える。設定部133は、ソレノイドバルブ18を駆動する駆動信号を設定する。補正部132は、目標弁開度および差圧に基づき、駆動信号を補正する。
このように、排気環流管72の前後の差圧に応じて、ソレノイドバルブ18の駆動信号を補正することで、ソレノイドバルブ18を高精度に制御することができる。
また、本実施形態および変形例に係るソレノイドバルブ装置10〜12のソレノイド制御部130は、開度推定部131をさらに備える。開度推定部131は、駆動信号および差圧に基づいてソレノイドバルブ18の弁開度を推定する。補正部132は、開度推定部131が推定した弁開度が目標弁開度になるように駆動信号を補正する。
このように、排気環流管72の前後の差圧に応じて、ソレノイドバルブ18の弁開度を推定することで、ソレノイドバルブ18の弁開度を高精度に推定することができ、ソレノイドバルブ18を高精度に制御することができる。
また、本実施形態および変形例に係るソレノイドバルブ装置10〜12は、状態判定部120をさらに備える。状態判定部120は、ソレノイドバルブ18が過渡状態であるか否かを判定する。ソレノイド制御部130は、状態判定部120の判定の結果、ソレノイドバルブ18が過渡状態である場合、目標弁開度および差圧に基づき、ソレノイドバルブ18を制御する。
これにより、吸気圧の影響を大きく受ける過渡状態において、かかる吸気圧、すなわち差圧に基づいて駆動信号を補正することができ、ソレノイドバルブ18を高精度に制御することができる。
また、変形例2に係るソレノイドバルブ装置12は、比較部135をさらに備える。比較部135は、差圧と閾値とを比較する。ソレノイド制御部130は、比較部135による比較の結果、差圧が閾値より大きい場合に、目標弁開度および差圧に基づき、ソレノイドバルブ18を制御する。
これにより、弁開度に与える影響が大きい差圧の場合に、差圧に基づいてソレノイドバルブ18を制御するようにし、ソレノイドバルブ装置12は、差圧が小さい場合に目標弁開度に基づいてソレノイドバルブ18を制御することができ、ソレノイドバルブ18の制御処理速度を低下させることなく、制御精度を向上させることができる。
また、本実施形態および変形例に係るソレノイドバルブ装置10〜12は、吸気管圧センサ15をさらに備える。吸気管圧センサ15は、内燃機関の吸気管60内の吸気圧を検出する。ソレノイドバルブ18は、内燃機関に配置される。ソレノイド制御部130は、吸気管圧センサ15が検出した吸気圧に基づき、ソレノイドバルブ18を制御する。
吸気管圧センサ15は、内燃機関の吸気圧を検出するために設けられているため、差圧を検出するためのセンサを新たに設ける必要がなく、部品点数を増加させることなくソレノイドバルブ18を高精度に制御することができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
10〜12 ソレノイドバルブ装置
15 吸気管圧センサ
18 ソレノイドバルブ
100 バルブ制御部
110 開度決定部
120 状態判定部
130 ソレノイド制御部
131 開度推定部
132、134 補正部
133 設定部
135 比較部
140 記憶部
187 バルブステム
188 バルブヘッド

Claims (7)

  1. 流体が通過する流体経路に設けられ、前記流体の流量を調整するソレノイドバルブと、
    前記ソレノイドバルブの目標弁開度を決定する決定部と、
    前記決定部が決定した前記目標弁開度、および、前記ソレノイドバルブの前後における前記流体経路の差圧に基づき、前記ソレノイドバルブを制御する制御部と、
    を備えることを特徴とするソレノイドバルブ装置。
  2. 前記制御部は、
    前記ソレノイドバルブを駆動する駆動信号を設定する設定部と、
    前記目標弁開度および前記差圧に基づき、前記駆動信号を補正する補正部と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のソレノイドバルブ装置。
  3. 前記制御部は、
    前記駆動信号および前記差圧に基づいて前記ソレノイドバルブの弁開度を推定する開度推定部をさらに備え、
    前記補正部は、
    前記開度推定部が推定した前記弁開度が前記目標弁開度になるように前記駆動信号を補正すること
    を特徴とする請求項2に記載のソレノイドバルブ装置。
  4. 前記ソレノイドバルブが過渡状態であるか否かを判定する状態判定部をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記状態判定部の判定の結果、前記ソレノイドバルブが前記過渡状態である場合、前記目標弁開度および前記差圧に基づき、前記ソレノイドバルブを制御すること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のソレノイドバルブ装置。
  5. 前記差圧と閾値とを比較する比較部をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記比較部による比較の結果、前記差圧が前記閾値より大きい場合に、前記目標弁開度および前記差圧に基づき、前記ソレノイドバルブを制御すること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のソレノイドバルブ装置。
  6. 内燃機関の吸気管内の吸気圧を検出する吸気管圧センサをさらに備え、
    前記ソレノイドバルブは、
    前記内燃機関に配置され、
    前記制御部は、
    前記吸気管圧センサが検出した前記吸気圧に基づき、前記ソレノイドバルブを制御すること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のソレノイドバルブ装置。
  7. 流体が通過する流体経路に設けられたソレノイドバルブによって前記流体の流量を調整する工程と、
    前記ソレノイドバルブの目標弁開度を決定する工程と、
    前記目標弁開度、および、前記ソレノイドバルブの前後における前記流体経路の差圧に基づき、前記ソレノイドバルブを制御する工程と、
    を含むことを特徴とするソレノイドバルブの制御方法。
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