JP2017082743A - 風力発電システムおよび風力発電方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】風車に気流発生装置を設ける上で、風車のメンテナンススペースを確保しかつの増加を抑制する。
【解決手段】風力発電システムは、風車、電源装置、第1の装置、第2の装置、取得部、電力供給先切替部を備える。風車は気流を受けて回転する。電源装置は電力を供給する。第1の装置は電力が供給されることで風車の回転力を増大させる。第2の装置は電力が供給されることで風車の回転力を減少させる。計測部は第1および第2の装置のいずれかを駆動するための条件となる気象および機器状態の少なくとも一つを計測する。電力供給先切替部は計測部により計測された計測値が予め設定された第1の閾値を超えた場合、電力を第2の装置へ供給し、計測値が予め設定された第2の閾値以下になった場合、電力を第1の装置へ供給する。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、風力発電システムおよび風力発電方法に関する。
風力発電装置は、一定の風力の範囲での風を受けて発電するよう構成されており、その範囲を超える場合、例えば強風時には風車のブレードを支持するハブに設けたピッチ角を調整するための角度調整装置を駆動して、風車が風を受け難くして強風から風車を保護するようにしている。
風力発電装置は、発電する電力をできるだけ送電に利用するように、角度調整装置に電源を供給するための電源装置をナセル内に搭載している。
近年、既設の風力発電装置の出力向上を目的に、風車のブレードに気流発生装置を増設することが検討されている。
気流発生装置はブレードに設けたプラズマ電極に高圧の電圧を印加することでプラズマ放電を発生させ、そこに気流の流れを作ることでブレードの揚力を高める働きがある。
この気流発生装置を増設するにあたり、従来からある角度調整装置を駆動するための電源装置に加えて気流発生装置を駆動するための専用の電源装置を新たに設置する必要がある。またナセル内に設けているスリップリングを、必要な電源容量のものに交換する必要がある。
この場合、ナセル内に複数の電源装置を収容することになり、風車の重量が増加すると共に、ナセル内部のメンテナンススペースがなくなる。またスリップリングを交換するとなると、風車の改造範囲が増えてしまい改造コストが高くなる。
このように、既設の風車に気流発生装置を増設する場合は風車の改造範囲を最小にし、風車のメンテナンススペースを確保し、改造コストを抑える必要がある。またこれは風車を新設する場合も同様である。
本発明が解決しようとする課題は、風車に気流発生装置を設ける上で、風車のメンテナンススペースを確保しかつコストの増加を抑制することができる風力発電システムおよび風力発電方法を提供することにある。
本発明の風力発電システムは、風車、電源装置、第1の装置、第2の装置、取得部、電力供給先切替部を備える。風車は気流を受けて回転する。電源装置は電力を供給する。第1の装置は電力が供給されることで風車の回転力を増大させる。第2の装置は電力が供給されることで風車の回転力を減少させる。計測部は第1および第2の装置のいずれかを駆動するための条件となる気象および機器状態の少なくとも一つを計測する。電力供給先切替部は計測部により計測された計測値が予め設定された第1の閾値を超えた場合、電力を第2の装置へ供給し、計測値が予め設定された第2の閾値以下になった場合、電力を第1の装置へ供給する。
以下、図面を参照して、実施形態を詳細に説明する。図1は一つの実施の形態の風力発電システムの構成を示す図、図2は図1の風力発電システムの気流発生装置の構成を示す図、図3は図1の風力発電システムの制御系の構成を示す図である。
図1に示すように、この実施形態の風力発電システム10は、地面20に設置されたタワー30、このタワー30の頂部に取り付けられたナセル35、このナセル35の上面に取り付けられた風向風速計36、風車40などを備える。
風車40はナセル35の先端部に回転可能に軸支されたハブ37と、このハブ37に放射状に設けられたブレード50とを有している。風車40は前方(横方向または水平方向)からの風(気流)がブレード50の隙間を流れることで回転する。
ナセル35の内部にはプログラマブル・ロジック・コントローラ110(以下「PLC110」と称す(図3参照))と発電機150(図3参照)と電源装置63(図3参照)などが収容されている。発電機150とハブ37は回転軸で接続されており、ハブ37の回転により発電機150が発電する。PLC110は、制御部112とメモリ113を備える。
但し、この構成は風車40が増速機を備えない場合の例であり、風車40が増速機を備える場合は、ハブ37と発電機150は増速機を介して接続される。
この他、ナセル35内にはスイッチ65(図3参照)が設けられている。このスイッチ65は電源装置63からの電力の供給先としての気流発生装置60(第1の装置)と角度調整装置131(第2の装置)に接続されている。スイッチ65はPLC110の制御部112からのオン・オフ制御により電力の供給先を切り替える。すなわちスイッチ65は電源装置63からの電力の供給先を気流発生装置60および角度調整装置131のいずれか一方に切り替える。
気流発生装置60は電力が供給されることで風車40の回転力を増大させる。角度調整装置131は電力が供給されることで風車40の回転力を減少させる。
制御部112は定格風力以下の風力下での運転時にはスイッチ65を制御し電源装置63からの電力を、気流発生装置60に供給させてブレード50に気流AF(図2参照)を発生させてブレード50の揚力を増大し、これにより風車40の回転力を増大させる。
また制御部112は定格風力を超える風力下での運転時にはスイッチ65を制御し電源装置63からの電力を、ピッチ駆動装置130などの角度調整装置131へ供給させてブレード50のピッチを調整しブレード50への風あたりを抑制し、これにより風車40の回転力を減少させる。
つまり制御部112は風速の計測値が所定の閾値(例えば図4の定格風速52)に達したタイミングで、気流発生装置60および角度調整装置131のいずれかへ電力出力先を切り替える制御を行うものとする。風速以外にも所定の条件が満たされた場合に制御部112が電力供給先を自動で切り替えてもよい。
風向風速計36は風の風向や速度を計測しそれぞれの計測データをPLC110(図3参照)へ伝達する。風車40は、回転自在に支持されている。風車40は、横方向(水平方向)からの気流(風)を受けてハブ37の中心軸を中心に回転する。
風車40は、主に、例えば3本のブレード50と、これらブレード50を支持するハブ37と、各ブレード50にプラズマ電極が配設された気流発生装置60とを有する。この例では風車40を3本の翼で構成した例について説明するが、翼の数は2本でも4本でも5本以上でもよく、翼の数は限定されるものではない。
図2に示すように、ブレード50は、内部が空洞にされたブレード基材50aを備えている。ブレード基材50aの翼上面50bには気流発生装置60のプラズマ電極として第1の電極61、第2の電極62が設けられている。
ブレード基材50aは誘電材料で構成されている。誘電材料として、例えば、グラスファイバを合成樹脂により固形化したGFRP(グラスファイバ強化樹脂)などが挙げられるが、これに限られるものではなく、公知な風車翼本体を構成する誘電材料であればよい。
なお、ブレード50全体が誘電材料で構成されている必要はなく、少なくとも気流発生装置60を配設する部分が誘電材料で構成されていればよい。すなわち、気流発生装置60の電極どうし、および気流発生装置60の電極とブレード50との間が導通しないように構成されていればよい。
すなわち、気流発生装置60は、第1の電極61と、この第1の電極61と離間して配設された第2の電極62と、これら電極61、62と電源装置63とをスイッチ65およびスリップリング66を介して接続し電力を供給するケーブル配線64とを有する。スリップリング66は回動するブレード50側と固定のナセル35側との間で電力を伝達する。
第1の電極61は、板状の平板電極であり、ブレード50内に埋設されている。なお、第1の電極61は、その一主面がブレード50の翼上面50b、すなわちブレード50の背側に、表面に露出されて外気に接するように設けられている。
なお、第1の電極61は、ブレード50の腹側の表面に露出するように設けてもよい。また、第1の電極61の形状は、板状に限らず、例えば、断面が円、矩形などの棒状などであってもよい。
第2の電極62は、板状の平板電極であり、第1の電極61よりもブレード50の表面から深い位置、第1の電極61よりも気流の流れる方向にずらした位置に、第1の電極61と離間して配設されている。
なおこの場合、第1の電極61よりも気流の流れる方向とは逆方向にずらした位置に第2の電極62を配置してもよい。また、第1の電極61の一主面がブレード50の翼上面50bと同一面に露出されるように設けられる場合には、第2の電極62は、その一主面がブレード50の翼上面50bと同一面に露出され、かつ第1の電極61よりも気流の流れる方向またはその逆方向にずらした位置に、第1の電極61と離間して配置されてもよい。
また、第2の電極62の形状は、板状に限らず、例えば、断面が円、矩形などの棒状などであってもよい。なお第2の電極62は、第1の電極61と同じ形状であってもよい。
電源装置63は、電力供給装置として機能し、第1の電極61と第2の電極62との間に電圧を印加するものである。この電源装置63は、例えば、パルス状(正極性、負極性、正負の両極性(交番電圧))や交流状(正弦波、断続正弦波)の波形を有する電圧を出力する。
ここで、風車40は、例えば次のように製作される。例えば、ブレード50を、プリプレグやレジントランスファ等の製法により、ガラス繊維を積層したものに樹脂を含浸して作製する際、繊維の間に金属箔帯や金属板を積層して、気流発生装置60の第1の電極61および第2の電極62を形成し、風車40が製造される。なお、風車40の製造方法は、これに限られるものではない。
ここで、気流発生装置60によって気流が発生する原理について説明する。
電源装置63から第1の電極61と第2の電極62との間に電圧が印加され、一定の閾値以上の電位差となると、第1の電極61と第2の電極62との間に放電が誘起される。
電源装置63から第1の電極61と第2の電極62との間に電圧が印加され、一定の閾値以上の電位差となると、第1の電極61と第2の電極62との間に放電が誘起される。
この放電は、両電極がブレード50の翼上面50bに露出している場合にはコロナ放電、一方、少なくとも一方の電極がブレード50に埋設されている場合にはバリア放電とよばれ、低温プラズマが生成される。つまり気流発生装置60は放電プラズマの作用により気流を発生させる。
これらの放電においては、気体中の電子のみにエネルギーを与えることができるため、気体をほとんど加熱せずに気体を電離して電子およびイオンを生成することができる。生成された電子やイオンは、電界によって駆動され、それらが気体分子と衝突することで運動量が気体分子に移行する。
すなわち、放電を印加することで電極付近に気流AFを発生することができる。この気流AFの大きさや向きは、電極に印加する電圧、周波数、電流波形、デューティ比などの電流電圧特性を変化させることで制御可能である。
なお、ここでは、ブレード50の翼上面50bの前縁から後縁に沿う方向に気流AFを発生させるように、気流発生装置60が配設されているが、電極の設置方法によって気流の向きを変えることもできる。
続いて、図3を参照してこの実施形態の風力発電システムの制御系の構成を説明する。この実施形態の風力発電システムの制御系は、図3に示すように、電源装置63、風速センサ100および風向センサ101を含む風向風速計36と、回転数センサ102と、歪みセンサ103と、トルクセンサ104と、PLC110と、スイッチ65と、気流発生装置60と、ピッチ駆動装置130などを含む角度調整装置131と、発電機150とを備える。PLC110とスイッチ65とを電力供給先切替部という。
発電機150は、ブレード50の回転により発電し風車40の回転を抑える方向にトルクを発生する。
風速センサ100は、風車40に流入する風の速度を計測するセンサである。風向センサ101は、風車40に流入する風の方向、つまり風向を計測するセンサである。これらの風速センサ100や風向センサ101は、例えば図1に示したナセル35の上側面に設けられた風向風速計36の一部に相当する。
回転数センサ102は、風車40の回転数を計測するセンサであり、例えばナセル35内に設けられる回転軸またはその付近に取り付けられている。
歪みセンサ103は、風車40のブレード50における翼上面50bの歪みを計測するものであり、例えば、翼上面50bに複数の半導体歪みセンサを設けることで構成される。歪みセンサ103により計測される翼上面50bの歪みから風速や風の強度が推定できる。なお、この歪みセンサ103を備えずに、風力発電システム10を構成することもできる。
トルクセンサ104は、発電機150に設けられており、回転軸(風車40)の回転を抑制するための負荷となるトルク(風車側の回転トルクと異なるため、以下では「発電機トルク」称す)を計測する。トルクセンサ104は、トルクを直接的に計測するものでなくても、発電出力を角速度で割って算出する方式でもよい。
上述した各センサ100〜104は、気流発生装置60および角度調整装置131のいずれかを駆動するための条件となる気象および機器状態の少なくとも一つを計測する計測部である。
気象には、風の速さ、風向きなどが含まれる。機器状態には、例えばトルク、回転数、歪みなどの他、発電出力なども含まれる。これら計測された計測値の少なくとも一つが気流発生装置60および角度調整装置131のいずれかを駆動するための条件として用いられる。
PLC110は、制御部112、メモリ113を有する。メモリ113には、風速、風向、回転数、歪み、発電機トルクなどの計測値に基づく、回転数、トルク、ピッチ(ブレード50の取付け角)、ブレード50の歪みなどのデータと、電力の供給先を切り替えるための閾値(図4の定格風速52の値)を記憶している。
つまり、メモリ113は、風速に応じて気流発生装置60か角度調整装置131かのいずれかへ電源供給先を切り替えるための閾値(切り替え条件)が記憶された記憶部である。
メモリ113に対しては、図示しない、キーボード、マウス、外部入力インターフェースなどを介してデータの入力、修正および削除などが可能である。
制御部112は、発電機150の発電量を計測する電力計測部として機能する。制御部112は、風速センサ100、風向センサ101、回転数センサ102、歪みセンサ103、トルクセンサ104などの各計測部により計測された計測値および発電機150の発電量の計測値(発電出力)に基づいて、迎角、レイノルズ数、風車側の回転トルク、ピッチ、ブレード50の歪みなどを算出し、メモリ113に記憶された閾値と比較する。
制御部112は、上記比較結果に基づいて、気流発生装置60、ピッチ駆動装置130、などの角度調整装置131、発電機150および電源装置63を制御する。このPLC110は、例えば、演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)などから主に構成されている。
CPUでは、ROMやRAMに格納されたプログラムやデータなどを用いて各種の演算処理を実行する。このPLC110が実行する処理は、例えばコンピュータ装置などで実現される。
制御部112は、スイッチ65、風速センサ100、風向センサ101、回転数センサ102、歪みセンサ103、トルクセンサ104、メモリ113、気流発生装置60、ピッチ駆動装置130、発電機150および電源装置63の各機器と電気信号の出入力が可能に接続されている。
制御部112は、スイッチ65を気流発生装置60側に切り替え制御することにより、電源装置63から第1の電極61(図2参照)と第2の電極62(図2参照)との間に電圧を印加し、気流発生装置60が駆動状態となり、翼上面50b(図2参照)の前縁から後縁に沿う方向に気流AFを発生させ、ブレード50を高揚力の状態とする。
また制御部112は、スイッチ65を角度調整装置131側に切り替え制御することにより、角度調整装置131が動作してブレード50のピッチが可変し風車40の回転が抑制されると共に、電源装置63から第1の電極61と第2の電極62との間の電圧の印加が停止され、気流発生装置60の動作が停止した状態となり、翼上面50bの前縁から後縁に沿う方向に気流AFが発生しなくなる。
制御部112は、メモリ113の閾値(図4の定格風速52)を参照し、風速センサ100により計測された風速に応じて気流発生装置60または角度調整装置131のいずれかへ電力の供給先を切り替えるスイッチ制御を行う。
制御部112は、風速センサ100の計測値が閾値を超えて風力が増大する方向へ変化した場合、電力の供給先を角度調整装置131へ切り替えるようスイッチ65を制御し、風速センサ100の計測値が閾値以下になり風力が減少する方向へ変化した場合、電力の供給先を気流発生装置60へ切り替えるようスイッチ65を制御する。
すなわち、制御部112およびスイッチ65は、風速センサ100などの計測部により計測された計測値が予め設定された閾値を超えた場合、電源装置63からの電力を角度調整装置131(第2の装置)へ供給し、計測値が閾値以下になった場合、電源装置63からの電力を気流発生装置60(第1の装置)へ供給する電力供給先切替部として機能する。
なおメモリ113に予め設定する閾値は一つとは限らず、第1の閾値と第2の閾値というように異なる複数の閾値を設定しておいてもよい。第1の閾値は第2の閾値よりも大きな値とする。
この場合、制御部112は、各計測部により計測された計測値が予め設定された第1の閾値を超えた場合、電力を角度調整装置131(第2の装置)へ供給し、計測値が予め設定された第2の閾値以下になった場合、電力を気流発生装置60(第1の装置)へ供給するものとする。
この他、制御部112は、気流発生装置60に対して、例えばプラズマ電極に印加する電圧、周波数、電流波形、デューティ比などの電流電圧特性などを制御する。
ピッチ駆動装置130は、PLC110により制御されてブレード50を駆動し、風速に応じてブレード50のピッチを可変するものである。この例では、ピッチ駆動装置130を駆動することで、ブレード50への風当たりが減少し、風車40の回転が抑制され、風車40の回転数が減少する。
以下、図4〜図6を参照してこの実施形態の動作を説明する。図4はこの風力発電システム10の風速−出力特性における気流発生装置と角度調整装置の駆動関係を示す図、図5は気流発生装置を駆動したときの回路の状態を示す図、図6は角度調整装置を駆動したときの回路の状態を示す図である。
この風力発電システム10は、図4に示すように、特性カーブ51のような風速と出力との関係があり、定格風速52で定格出力が得られる。定格風速52よりも風速が速い領域を強風域といい、定格風速52よりも風速が遅い領域を定格以下の風域という。
本実施形態では、PLC110の制御部112が、この定格風速52を閾値として、電力供給先を切り替えることで、気流発生装置60のON(プラズマ放電開始)/OFF(プラズマ放電停止)と角度調整装置131の駆動/固定とを切り替える。
例えば定格以下の風域においては、図5に示すように、PLC110から電源装置63へ電力供給開始を指示すると共に、スイッチ65を気流発生装置60側へ切り替え制御することで、電源装置63からの電力が気流発生装置60へ供給されるようになり、気流の発生でブレード50の揚力が増し、風車40の回転が増す。
また強風域においては、図6に示すように、PLC110から電源装置63へ電力供給開始を指示したまま、スイッチ65を角度調整装置131側へ切り替え制御することで、電源装置63からの電力が角度調整装置131へ供給されるようになり、ブレード50のピッチが調整されて、風車40の回転が抑制される。
このようにこの実施形態によれば、既設の風車40に気流発生装置60を増設する場合に、定格風速52を基準にして、気流発生装置60などの高揚力装置とピッチ駆動装置130などの角度調整装置131のいずれか一方に一つの電源装置63からの電力供給を切り替えて運転することで、一つの電源装置63を共用して風力発電システム10を低コストに運用することができる。
気流発生装置60および角度調整装置131それぞれの装置へ同時に電力を供給しないため、電源装置63の容量は従来のままでよく、スリップリング66などの部品交換も不要になる。また新たに電源装置を増設する必要がないためナセル35内のメンテナンススペースを従来のまま確保することができる。
すなわちこの実施形態によれば、風車40に気流発生装置60を設ける上で、一つの電源装置63を気流発生用と角度調整用に共用し一方を駆動中は他方を駆動しないことで、電源装置を複数設置せずに済み、風車40のナセル35内のメンテナンススペースを確保しつつコストの増加を抑制することができる。また既設の風車40に気流発生装置60を増設する場合は改造コストを抑えることができる。電源装置を増設しない分、ナセル35の重量も重くならずに済む。
上記実施形態では、高揚力装置として、放電プラズマの作用により気流を発生させる気流発生装置60を設けた例について説明したが、この他、例えばMEMS素子を用いたシンセティックジェットを用いてもよく、またフラップなどを用いてもよい。MEMS素子を用いたシンセティックジェットとは、翼に孔を設け、孔の中に設置したMEMS素子を駆動することで、孔から空気を噴出、吸入することのできるものである。
また上記実施形態では、定格風速52で角度調整装置131か気流発生装置60かのいずれか一つに電源供給先を切り替えることについて説明したが、定格風速52を超える強風域において角度調整装置131の電力の使用状況に応じて、気流発生装置60側の複数あるプラズマ電極の使用個数を調整(使用数を少なく)し、電源装置63の出力容量を調整することで、角度調整装置131と共に気流発生装置60の駆動状態(プラズマONの状態)を継続させてもよい。
また気流発生装置60の異常発生を検知するセンサを設け、このセンサにより気流発生装置60の異常が発生したことが検知された場合に定格風速以下においても気流発生装置60に電力供給をしない、つまり気流発生装置60をOFFのままとしてもよい。
上記実施形態では、電源供給先切り替えのための閾値を定格風速52に設定した例(図4)を示したが、これ以外に、例えば図7に示すように、風速が上がる場合に気流発生装置60をONからOFFに切り替える閾値74と、風速が下がる場合に気流発生装置60をOFFからONに切り替える閾値75との2つの閾値を設定し、風速の変化方向に応じてヒステリシス特性を持たせることにより、図4の定格風速52近傍における気流発生装置60のONとOFFの過剰な繰り返し(チャタリング)を避けることができる。
すなわち風速センサ100の計測値が風車40の回転力を増大させる方向へ変化した場合72(風速が速くなった場合)と風車40の回転力を減少させる方向へ変化した場合(風速が遅くなった場合)73とで異なる閾値74、75を設定する。なお閾値74は閾値75よりも大きな値とする。
これにより、閾値74、75の間の風域では電源供給先が切り替わらなくなり、一つの閾値52(図4の例)のように電源供給先が閾値52付近で頻繁に切り替えられるのを回避することができる。
上記実施形態では、風速の計測値と定格風速52(閾値)を比較することで、電力供給先を切り替えたが、これ以外に、例えば歪みセンサ103によるブレード50の歪みの計測値や発電機150から受信される発電機出力信号の計測値などを風力に換算し、予め設定した閾値と比較して電力供給先を切り替えてもよい。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、風車に気流発生装置を設ける上で、風車のメンテナンススペースを確保しかつコストの増加を抑制することができる。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
また、上記実施形態に示した制御系(図3)の各構成要素の少なくとも一部を、コンピュータのハードディスク装置などのストレージにインストールしたプログラムで実現してもよく、また上記プログラムを、コンピュータ読取可能な電子媒体:electronic mediaに記憶しておき、プログラムを電子媒体からコンピュータに読み取らせることで本発明の機能をコンピュータが実現するようにしてもよい。
電子媒体としては、例えばCD−ROM等の記録媒体やフラッシュメモリ、リムーバブルメディア:Removable media等が含まれる。さらに、ネットワークを介して接続した異なるコンピュータに構成要素を分散して記憶し、各構成要素を機能させたコンピュータ間で通信することで実現してもよい。
10…風力発電システム、20…地面、30…タワー、35…ナセル、36…風向風速計、40…風車、50…ブレード、50a…ブレード基材、50b…翼上面、60…気流発生装置、61…第1の電極、62…第2の電極、63…電源装置、64…ケーブル配線、65…スイッチ、66…スリップリング、100…風速センサ、101…風向センサ、102…回転数センサ、103…歪みセンサ、104…トルクセンサ、110…PLC、112…制御部、113…メモリ、130…ピッチ駆動装置、131…角度調整装置、150…発電機、AF…気流。
Claims (4)
- 気流を受けて回転する風車と、
電力を供給する電源装置と、
前記電力が供給されることで前記風車の回転力を増大させる第1の装置と、
前記電力が供給されることで前記風車の回転力を減少させる第2の装置と、
前記第1および第2の装置のいずれかを駆動するための条件となる気象および機器状態の少なくとも一つを計測する計測部と、
前記計測部により計測された計測値が予め設定された第1の閾値を超えた場合、前記電力を前記第2の装置へ供給し、前記計測値が予め設定された第2の閾値以下になった場合、前記電力を前記第1の装置へ供給する電力供給先切替部と
を具備する風力発電システム。 - 前記電力供給先切替部は、
前記電源装置からの電力の供給先を前記第1および第2の装置のいずれか一方に切り替えるスイッチと、
前記計測値が前記第1の閾値を超えて前記風力が増大する方向へ変化した場合、前記電力の供給先を前記第2の装置へ切り替えるよう前記スイッチを制御し、前記計測値が前記第2の閾値以下になり前記風力が減少する方向へ変化した場合、前記電力の供給先を前記第1の装置へ切り替えるよう前記スイッチを制御する制御部と
を備える請求項1記載の風力発電システム。 - 前記計測部は、
ナセルに取り付けた風速センサ、前記風車のブレードに取り付けた歪みセンサ、前記発電機の発電量を計測する電力計測部のいずれかである請求項1記載の風力発電システム。 - 気流を受けて回転する風車と、電力を供給する電源装置と、前記電力が供給されることで前記風車の回転力を増大させる第1の装置と、前記電力が供給されることで前記風車の回転力を減少させる第2の装置とを備える風力発電システムにおける風力発電方法において、
前記第1および第2の装置のいずれかを駆動するための条件となる気象および機器状態の少なくとも一つを計測し、
計測した計測値が予め設定された第1の閾値を超えた場合、前記電力を前記第2の装置へ供給し、前記計測値が予め設定された第2の閾値以下になった場合、前記電力を前記第1の装置へ供給する風力発電方法。
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-
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