JP2017082307A - 表面被覆層付き銅又は銅合金板条 - Google Patents

表面被覆層付き銅又は銅合金板条 Download PDF

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雄太郎 上田
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昌泰 西村
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Abstract

【課題】複数回挿抜を繰り返す間も低摩擦係数(低挿入力)が維持され、かつ耐微摺動摩耗性が優れる表面被覆層付き銅合金板条(接続部品用導電材料)の提供。【解決手段】銅又は銅合金板条を母材とし、前記母材表面に、表面被覆層としてNi、Co又はFe層のうちいずれか1つ又は2つからなる下地層、Cu−Sn合金層及びSn層をこの順に有し、前記下地層の平均の厚さが0.1〜3.0μmであり、前記Cu−Sn合金層がη相又はη相とε相からなり、平均の厚さが0.2〜3.0μmであり、その表面の算術平均高さSaが0.2μm以下、最大高さSzが5.0μm以下であり、前記Sn層の平均の厚さが0.02〜0.2μmであり、Cu−Sn合金層の全面を覆っている表面被覆層付き銅又は銅合金板条。【選択図】図3

Description

本発明は、主として自動車分野や一般民生機器分野で用いられる端子等の接続部品用導電材料として用いられ、低挿入力と耐微摺動摩耗性を兼備した表面被覆層付き銅又は銅合金板条に関する。
自動車等の電線の接続に用いられるコネクタには、オス端子とメス端子の組み合せからなる嵌合型接続端子が使用されている。自動車の電装分野では、電子制御の多用、高度化によりコネクタが多極化し、自動車の組立工程におけるコネクタの挿入力が増大し、作業者の肉体的負担の増大が問題となっている。そのため、複数回挿抜を繰り返しても低挿入性が維持できる特性が求められるようになってきた。
また、挿入力低減や端子小型化の進行により、端子の接圧力は小さくなっている。その結果、自動車のエンジンの振動や自動車走行による振動によって接点間に微摺動が発生し、接点部が摩耗して接触抵抗が増大する現象(微摺動摩耗)が問題となってきた。そのため、オス端子とメス端子を低挿入力で挿入でき、いったん挿入したのちは、オス端子とメス端子の接点部において振動、熱膨張・収縮による接点間の摺動が起きにくい、耐微摺動摩耗性の高い材料が求められている。
特許文献1には、銅又は銅合金板条を母材とし、前記母材表面に、表面被覆層として、Ni層(必要に応じて)、Cu−Sn合金層及びSn層がこの順に形成された接続部品用導電材料が記載されている。Cu−Sn合金層は、Cu含有量が20〜70at%で、平均の厚さが0.2〜3.0μmである。Sn層は、平均の厚さが0.2〜5.0μmである。この接続部品用導電材料の表面はリフロー処理されていて、Cu−Sn合金層の一部が最表面に露出し、その露出面積率が3〜75%である。また、この接続部品用導電材料の表面は、少なくとも一方向における算術平均粗さRaが0.15μm以上であり、全ての方向における算術平均粗さRaが3.0μm以下である。特許文献1によれば、この接続部品用導電材料は、摩擦係数が小さく(低挿入力)、耐微摺動摩耗性が優れるとされている。
特許文献2には、銅又は銅合金の母材上に、Ni層(必要に応じて)、Cu−Sn合金層及びSn層がこの順で形成されたコネクタ用金属材料が記載されている。Sn層の平均厚さは0.001〜0.05μmであり、表面の一辺100μmの正方形の視野内において、Sn粒子が面積比で10〜90%存在している。このコネクタ用金属材料は、銅又は銅合金の母材上に、Ni(必要に応じて)、Cu、Snの順でめっき層を形成し、リフロー処理を行ってCu−Sn合金層を形成した後、Snの薄層を再度めっきすることにより製造される。前記リフロー処理において、当初のSnめっき層は消滅している。特許文献2によれば、このコネクタ用金属材料は、摩擦係数が小さく(低挿入力)、はんだ付け性に優れるとされている。
特開2006−183068号公報 特開2011−12320号公報
特許文献1に記載された接続部品用導電材料は、摩擦係数が小さく(低挿入力)、耐微摺動摩耗性に優れるとされているが、コネクタの多極化及び小型化の進行に伴い、耐微摺動摩耗性のさらなる改善が求められている。特許文献2に記載されたコネクタ用金属材料は、摩擦係数が小さく(低挿入力)、はんだ付け性に優れるとされているが、複数回挿抜を繰り返す間も摩擦係数が小さく低挿入力が維持されるかどうか不明であり、また、耐微摺動摩耗性については検討されていない。
本発明は、複数回挿抜を繰り返す間も低摩擦係数(低挿入力)が維持され、かつ耐微摺動摩耗性が優れる表面被覆層付き銅又は銅合金板条(接続部品用導電材料)を提供することを目的とする。
接続部品用導電材料が低摩擦係数であれば、コネクタの挿入力を低減できるが、その一方で、振動により接点間の摺動が生じやすくなり、耐微摺動摩耗性が低下する。このように、低摩擦係数と耐摺動摩耗性は一般的に相反する特性といえる。本発明では、銅又は銅合金板状からなる母材の表面に、Ni、Co、Fe等の下地めっき、Cuめっき及びSnめっきをこの順に行った後、リフロー処理し、さらにSnめっきを行うことで低摩擦係数と耐微摺動摩耗性を高いレベルで両立させることができた。
本発明に係る表面被覆層付き銅又は銅合金板条は、銅又は銅合金板条を母材とし、前記母材表面に、表面被覆層としてNi、Co又はFe層のうちいずれか1つ又は2つからなる下地層、Cu−Sn合金層及びSn層がこの順に形成され、前記下地層の平均の厚さが0.1〜3.0μmであり、前記Cu−Sn合金層がη相又はη相とε相からなり、平均の厚さが0.2〜3.0μmであり、その表面の算術平均高さSaが0.2μm以下、最大高さSzが5.0μm以下であり、前記Sn層の平均の厚さが0.02〜0.2μmであり、Cu−Sn合金層の全面を覆っている。前記下地層とCu−Sn合金層の間にさらにCu層が形成されていてもよい。ここで、算術平均高さSa及び最大高さSzは、ISO25178−2:2012で規定される面粗さである。
なお、本発明において板条とは、板又は条(コイル)を意味する。また、本発明においてNi層、Co層、Fe層、Sn層は、それぞれNi、Co、Fe、Sn金属のほか、Ni合金、Co合金、Fe合金、Sn合金を含む。
本発明に係る表面被覆層付き銅又は銅合金板条は、耐微摺動摩耗性が優れ、複数回の挿抜の間も低摩擦係数(低挿入力)が維持され、はんだ付け性にも優れている。
試験例No.3の表面被覆層付き銅合金板の表面を走査電子顕微鏡で観察して得られた表面組織写真(表面反射電子像)である。 試験例No.3の表面被覆層付き銅合金板の表面を走査電子顕微鏡で観察して得られた表面組織写真(二次電子像)である。 試験例No.3の表面被覆層付き銅合金板の断面を走査電子顕微鏡で観察して得られた断面組織写真(断面反射電子像)である。 微摺動摩耗試験機の概略図である。 摩擦係数測定機の概略図である。
以下、本発明に係る表面被覆層付き銅又は銅合金板条について、より詳細に説明する。
<Cu−Sn合金層>
(Cu−Sn合金層の平均厚さ)
Cu−Sn合金層は、コネクタを接合したときのオス−メス端子間の摩擦力を高め、コネクタに加わる振動の影響(接点間に生じる摺動)を抑制する効果を有する。接点間の摺動が抑制されることで、電気的接続の信頼性を高める効果(低い接触抵抗値の維持)がある。しかし、Cu−Sn合金層の平均厚さが0.2μm未満では接点間の摺動を抑制する効果が小さい。また、Cu−Sn合金層は、下地層の成分であるNi、Co、FeがSn層へ拡散するのを防止する。Cu−Sn合金層の平均厚さが0.2μm未満では、拡散防止効果が不十分であり、Ni、Co、FeがSn層まで拡散して酸化物を形成する。Ni、Co、Feの酸化物は体積抵抗率がSnの酸化物よりも大きいため、接触抵抗が高くなり電気的信頼性が低下する。一方、Cu−Sn合金層の平均厚さが3.0μmを超えると、曲げ加工で割れが発生するなど、端子への成形加工性が低下する。従って、Cu−Sn合金層の平均厚さは0.2〜3.0μmとする。Cu−Sn合金層の平均厚さの下限は、好ましくは0.3μm、上限は、好ましくは1.0μmである。
(Cu−Sn合金層の表面粗さ)
端子嵌合時(オス端子の挿入時)に接点間に摺動が生じ、あるいはエンジン振動又は自動車走行時の振動により接点間に微摺動が生じると、Sn層が摩耗し、Cu−Sn合金層同士がコンタクトして接点間の摩擦力が増大し、接点間の摺動が抑制される。しかし、Cu−Sn合金層の表面に大きい凹凸があると、凹部にSnが残存し易くなり、Snの残存量が多いと、潤滑効果により、摩擦力が増大せず、接点間の摺動が生じ易くなる。接点間に摺動が生じると、Snが酸化して削れ、摩耗粉となり接点間に介在することで、接触抵抗が増大する。
Cu−Sn合金層表面の算術平均高さSaが0.2μmを超え、又は最大高さSzが5.0μmを超えると、接点間で微摺動が生じてSn層が摩耗しても、Cu−Sn合金層の表面(凹部)にSnが残存し易い。従って、Cu−Sn合金層の表面粗さは、算術平均粗さSaが0.2μm以下、かつ最大高さSzが5.0μm以下とする。算術平均高さSa及び最大高さSzは、先に記載したとおり、ISO25178−2:2012で規定される面粗さである。Cu−Sn合金層の表面粗さを上記のようにするには、母材表面の算術平均粗さRaを0.2μm以下、最大高さRzを5.0μm以下とし、後述するリフロー処理において、Cu−Sn合金層を均一に成長させる必要がある。算術平均粗さRa、最大高さRzは、JIS B0601:2001で規定される線粗さである。Cu−Sn合金層表面の算術平均高さSaは、下限値が好ましくは0.05μmであり、上限値が好ましくは0.15μm、より好ましくは0.1μmである。最大高さSzは、下限値が好ましくは2.5μm、上限値が好ましくは3.5μmである。
(Cu−Sn合金層の相構成)
Cu−Sn合金層はη相(CuSn)のみ又はε相(CuSn)とη相からなり、ε相は下地層とη相の間に形成され(Cu−Sn合金層がε相とη相からなる場合)、前記下地層に接している。Cu−Sn合金層は、Cuめっき層のCuとSnめっき層のSnがリフロー処理により反応して形成される層である。リフロー処理前のSnめっき層の厚さ(ts)とCuめっき層の厚さ(tc)の関係をts/tc>2としたとき、平衡状態ではη相のみが形成されるが、リフロー処理条件により、実際には非平衡な相であるε相も形成される。ε相はη相に比べて硬いため、ε相が存在すると被覆層が硬くなり、摩擦係数の低減に寄与する。
しかし、ε相の平均厚さが厚い場合、ε相はη相に比べて脆いため、曲げ加工で割れが発生するなど、端子への成形加工性が低下する。また、150℃以上の温度で、非平衡相であるε相が平衡相であるη相へ転化し、ε相のCuがη相及びSn層へ熱拡散し、Sn層の表面に達すると材料表面のCuの酸化物(CuO)量が多くなる。その結果、接点間の接触抵抗を増加させ易く、電気的接続の信頼性(低接触抵抗)を維持することが困難となる。さらに、ε相のCuが熱拡散することにより、ε相が存在していた箇所においてCu−Sn合金層と下地層の界面にボイドが生じ、Cu−Sn合金層と下地層の界面での剥離が発生しやすくなる。
以上の理由から、Cu−Sn合金層の平均厚さに対するε相の平均厚さの比率は30%以下(0%を含む)とする。ε相の平均厚さの比率は20%以下が好ましく、15%以下であることがさらに好ましい。全てη相であればさらに好ましい。
Cu−Sn合金層と下地層の界面での剥離をより効果的に抑制するには、上記の限定に加え、さらに表面被覆層の断面において、下地層の長さに対するε相の長さの比率を50%以下にすることが望ましい。これは前記ボイドがε相が存在していた箇所に発生するためである。下地層の長さに対するε相の長さの比率は40%以下が望ましく、30%以下であることがさらに望ましい。
なお、ε相の平均厚さの比率を30%以下とし、下地層の長さに対するε相の長さの比率を50%以下とすることは、特開2015−151570号公報、特開2014−62322号公報に記載されている。
<Sn層>
(Sn層の平均の厚さ)
Snは軟らかいため、Sn層が硬いCu−Sn合金層の全面に薄く存在すると、潤滑効果により摩擦係数が低減する。Sn層の平均の厚さが0.02μm未満では、Cu−Sn合金層の全面をSn層で覆うことが困難になるとともに、複数回の挿抜によりSnの潤滑効果が失われて摩擦係数が上昇し、コネクタの挿入力が上昇する。また、はんだ濡れ性や耐食性も悪くなる。一方、Sn層の平均厚さが0.2μmを超える場合には、Snの凝着及び掘起しにより摩擦係数が増大する。また、耐微摺動摩耗性が低下する。従って、Sn層の平均厚さは0.02〜0.2μmとする。Sn層の平均厚さは、好ましくは0.04μm以上であり、より好ましくは0.05μm超、さらに好ましくは0.06μm以上である。
Sn層がSn合金からなる場合、Sn合金のSn以外の構成成分としては、Pb,Bi,Zn,Ag,Cuなどが挙げられる。Pbについては50質量%未満、他の元素については10質量%未満が好ましい。
(Sn層の表面粗さ)
Sn層は、後述するように、リフロー処理後の材料の表面(Cu−Sn合金層の表面)にめっき(Snめっき)により形成される。このSn層はCu−Sn合金層の表面に薄く形成されるため、Sn層表面は、Cu−Sn合金層の表面の凹凸をほぼそのまま反映したものとなる。従って、Sn層の表面粗さは、Cu−Sn合金層の表面粗さと同じく、算術平均高さSaが0.2μm以下、かつ最大高さSzが5.0μm以下である。Sn層の表面粗さは、算術平均高さSaの下限値が好ましくは0.05μm、上限値が好ましくは0.15μm、最大高さSzの下限値が好ましくは2.5μm、上限値が好ましくは3.5μmである。
<Cu層>
Cu層はリフロー処理後にCuめっき層が残留したものである。Cu層は厚くなりすぎると成形加工性などが劣化し、経済性も悪くなることから、Cu層の平均厚さは3.0μm以下が好ましい。より好ましくは1.0μm以下であり、さらに好ましくは0.3μm以下(0μmを含む)である。また、Cu層がCu合金からなる場合、Cu合金のCu以外の構成成分としてはSn、Zn等が挙げられる。Snの場合は10質量%未満、他の元素については5質量%未満が望ましい。
<下地層>
(Ni層の平均厚さ)
母材とCu−Sn合金層の間(Cu層がない場合)、又は母材とCu層の間に、下地層としてNi層が形成される。Ni層は、銅合金母材のCu及び合金元素が材料表面へ拡散するのを抑制し、高温長時間使用後も接触抵抗の上昇を抑制するとともに、Cu−Sn合金層の成長を抑制してSn層の消耗を防止する。また、Ni層自身の材料表面への拡散はCu−Sn合金層やCu層により抑制される。このことから、Ni層が形成された導電材料は、耐熱性が求められる接続部品に特に適する。また、Ni層が形成されることにより、材料の亜硫酸ガス耐食性が向上する。Ni層は厚くなりすぎると成形加工性などが劣化し、経済性も悪くなることから、Ni層の平均の厚さは3.0μm以下とする。一方、Ni層の平均の厚さが0.1μm未満の場合、Ni層中のピット欠陥が増加することなどにより、上記効果を充分に発揮できなくなる。従って、Ni層の平均厚さは、0.1〜3μmとする。
Ni層には、母材に含まれる成分元素等が少量混入していてもよい。また、Ni層がNi合金からなる場合、Ni合金のNi以外の構成成分としては、Cu、P、Coなどが挙げられる。Cuについては40質量%以下、P、Coについては10質量%以下が望ましい。
(Co層、Fe層)
Co層とFe層は、Ni層と同様に、銅合金母材のCu及び合金元素が表面被覆層の表面へ拡散するのを抑制し、Cu−Sn合金層の成長を抑制してSn層の消耗を防止し、高温長時間使用後において接触抵抗の上昇を抑制する。また、Co層とFe層は、Ni層と同様に、銅合金母材のCu及び合金元素が表面被覆層の表面へ拡散するのを抑制し、良好なはんだ濡れ性を得るのに役立つ。このため、Co層又はFe層を、下地めっき層としてNi層の代わりに用いることができる。しかし、Co層又はFe層の平均厚さが0.1μm未満の場合、Ni層と同様に、Co層又はFe層中のピット欠陥が増加することなどにより、上記効果を充分に発揮できなくなる。また、Co層又はFe層の平均厚さが3.0μmを超えて厚くなると、Ni層と同様に、上記効果が飽和し、また曲げ加工で割れが発生するなど端子への成形加工性が低下し、生産性や経済性も悪くなる。従って、下地層としてCo層又はFe層をNi層の代わりに用いる場合、Co層又はFe層の平均厚さは0.1〜3.0μmとする。
また、下地めっき層として、Ni層、Co層又はFe層のうちいずれか2層の組合せ(Co層とNi層、Fe層とNi層、Co層とFe層)もあり得る。2層の合計の平均厚さは、下地めっき層をNi層のみ、Co層のみ又はFe層のみとした場合と同じ理由で、0.1〜3.0μmとする。
Co層及びFe層には、母材に含まれる成分元素等が少量混入していてもよい。また、Co層がCo合金からなる場合、Co以外の合金元素としてNi、Cu、Pなどが挙げられ、これらの合金元素は合計で10質量%以下が好ましい。Fe層がFe合金からなる場合、Fe以外の合金元素としてNi、Cr、Cなどが挙げられ、これらの合金元素は合計で10質量%以下が好ましい。
<銅合金母材>
本発明に係る銅又は銅合金板条(銅又は銅合金母材)の素材として、純銅のほか、Cu−Ni−Si系、Cu−Ni−Sn−P系、Cu−Fe−P系、Cu−Zn系、Cu−Cr−Ti−Si系等、種々の銅合金を用いることができる。
Cu−Sn合金層の表面粗さを、算術平均高さSaが0.2μm以下、かつ最大高さSzが5.0μm以下とするには、先に記載したとおり、銅合金母材の表面粗さを、算術平均粗さRaが0.2μm以下、最大高さRzが5.0μm以下とする必要がある。
なお、銅合金母材の表面を機械的に研磨すると、加工変質層が比較的厚く形成されるが、このような加工変質層の存在は本発明の効果に特に影響しない。
<製造方法>
本発明に係る表面被覆層付き銅又は銅合金板条は、銅又は銅合金母材の表面に下地めっき(Ni、Co、Feめっき)、Cuめっき及びSnめっきをこの順に行い、次いでリフロー処理を行った後、再度Snめっきを行うことで製造することができる。Cuめっき層とSnめっき層の当初厚さは、リフロー処理によりCuめっき層とSnめっき層が完全に消費されるように設定することが好ましい。また、リフロー処理において、Cu−Sn合金層としてη(CuSn)相を形成させるには、Cuめっき層とSnめっき層の当初厚さの比を約1:2にすることが好ましい。
リフロー処理では、Cuめっき層のCuとSnめっき層のSn(溶融Sn)が相互拡散し、Cu−Sn合金層が形成される。Cu−Sn合金層は多数のCu−Sn合金結晶(柱状晶)からなり、リフロー処理の過程でCu−Sn合金層の表面には多数の凹凸が形成される(Cu−Sn合金結晶の先端部が凸部となり、隣接するCu−Sn合金結晶同士の間が凹部となる)。このため、Cu−Sn合金層が全面で成長している間、すなわち溶融SnがCu−Sn合金層の全面を覆うほど残存している間は、Cu−Sn合金層の表面は比較的表面粗さが大きい(凹凸が大きい)。
リフロー処理の過程でさらにSnの消費が進むと、残存する溶融SnがCu−Sn合金層の前記凹部に流入し、前記凸部においてCu−Sn合金結晶の成長が止まり、前記凹部においてCu−Sn合金結晶が成長を継続する。このため、溶融Snがほぼ完全に消費されたとき、Cu−Sn合金層の表面粗さは小さくなり、算術平均高さSaを0.2μm以下、最大高さSzを5.0μm以下とすることができる。
なお、リフロー処理後にCu−Sn合金層の全面を覆うSn層を残留させるケース(例えば特開2004−68026号公報参照)では、Cu−Sn合金層の表面粗さは小さくならない。
本発明において、Cuめっき層とSnめっき層の当初厚さの比、又はリフロー処理の条件によっては、リフロー処理後もCu層又はSn層が残留することがある。リフロー処理後にCu層が残留するとき、前記Cu層の平均厚さは3.0μm以下でなくてはならない。Sn層は、リフロー処理後にCu−Sn合金層の凹部に残留することがある。Sn層の残留は、Cu−Sn合金層の表面粗さ(算術平均高さSa,最大高さSz)が上記の数値を満たすことを条件に許容される。ただし、リフロー処理後に残留したSn層は、次のSnめっきの前に除去される。
リフロー処理の温度及び時間は、300〜600℃×5〜400秒の条件で行うことが好ましい。Cuめっき層のCuとSnめっき層のSn(溶融Sn)から、Cu−Sn合金層を形成するため、リフロー時間は高温では短く設定し、低温では長く設定する必要がある。リフロー処理後のCu−Sn合金層の表面粗さを上記の範囲とするには、Cu−Sn合金結晶を均一に成長させることが好ましく、そのためには、リフロー処理は450℃以下のできるだけ少ない熱量で行うことが好ましい。
リフロー処理後に行われるSnめっきは、光沢Snめっき、無光沢Snめっき、あるいはその中間の光沢度が得られる半光沢Snめっきのいずれでもよい。また、電気めっき、無電解めっきのいずれでもよい。リフロー処理後のCu−Sn合金層表面にSn層が残留している場合、前記Sn層を剥離液により除去後に、Snめっきを施す必要がある。Cu−Sn合金層表面にSn層が残留していると、Snめっきが材料表面の全面に付着しない。剥離液として、p−ニトロフェノール及び苛性ソーダを成分とする水溶液を用いることができる。Snめっきの前に(Sn層を剥離する場合は剥離前に)、フッ化アンモニウム水溶液でCu−Sn合金層の酸化膜及びSn層の酸化膜(Sn層が残留している場合)を除去すると、Snめっきの全面付着性が更に良くなる。
なお、試験例No.3の表面組織写真及び断面組織写真を図1〜3に示す。図1に示す表面組織写真は走査電子顕微鏡による表面反射電子像であり、全面が淡い同色であることから、リフロー処理後に新たに形成されたSnめっき層が、Cu−Sn合金層の全面を被覆していることが分かる。図2に示す表面組織写真は、走査電子顕微鏡による二次電子像であり、Snめっき層が全面を被覆し、その表面粗さが小さい状態が分かる。図3に示す表面組織写真は、走査電子顕微鏡による断面反射電子像であり、リフロー処理後のSnめっき層がCu−Sn合金層の全面を被覆していることが分かる。
Ni:0.8質量%、Sn:1.2質量%、Zn:0.15質量%、及びP:0.07質量%を含有し、残部Cu及び不可避不純物からなる厚さ0.25mmの銅合金板を母材とした。めっき前に測定した銅合金板の特性は、圧延平行方向の引張り強さが590MPa、圧延平行方向の伸びが12%、ビッカース硬さHvが185、導電率が32%IACSであり、圧延平行方向及び圧延直角方向ともR/t=1のW曲げで割れが発生しなかった。銅合金板の表面粗さは、算術平均粗さRaが0.12μm、最大高さRzが0.84μmであった。
一部の試験例で、上記銅合金板に圧延平行方向に機械的な研磨を施したものを母材として用いた。研磨後の銅合金板の表面粗さは、算術平均粗さRaが0.13μm、最大高さRzが0.93μmであった。研磨の有無を表1に示す。
No.1〜12,16〜20の銅合金板に対し、各々の厚さにNiめっき、Cuめっき及びSnめっきをこの順に施した後、リフロー処理を施した。Cuめっき層とSnめっき層の厚さの比は、リフロー処理後にCuめっき層とSnめっき層を共に消滅させることをねらい、約1:2に設定した。リフロー処理後の銅合金板を、剥離液(p−ニトロフェノール及び苛性ソーダを成分とする水溶液)に浸漬し、残留したSn層を剥離した。No.1〜12,17〜20については、さらにフッ化アンモニウム水溶液に浸漬して表面の酸化膜を除去した後、Snめっきを施した。
No.13〜15の銅合金板に対しては、Niめっきを施した後(又は施さず)、Cuめっき及びSnめっきをこの順に施し、リフロー処理を施した。No.13〜15では、リフロー処理後に所定厚さのSnめっき層が残留するように、Snめっき層の厚さを上記比率より厚めに設定した。
リフロー処理前のNiめっき、Cuめっき及びSnめっきのめっき液は、特開2004−68026号公報に記載されたものを用いた。めっき条件は、Niめっきは電流密度を5A/dm、浴温を60℃とし、Cuめっきは電流密度を3.5A/dm、浴温を35℃とし、Snめっきは、電流密度を3.0A/dm、浴温を35℃とした。No.1〜20のリフロー処理条件を表1に示す。リフロー処理後のSnめっきは、めっき液を特開2004−68026号公報に記載されたものと同じとし、浴温を25℃として無電解めっきで実施した。
作製した表面被覆層付き銅合金板(No.1〜20)を試験材として、Sn全面被覆の有無(Snめっき層がCu−Sn合金層の全面を被覆しているか否か)を下記要領で観察した。また、Cu−Sn合金層の平均の厚さ、Sn層の平均の厚さ、ε相厚さ比率(Cu−Sn合金層の平均の厚さに対するε相の平均の厚さの比率)、Cu−Sn合金層の表面粗さ(Sa,Sz)、Sn層の表面粗さ(Sa,Sz)を下記要領で測定した。Ni層の平均の厚さは、リフロー処理前に下記要領で測定した。
また、表面被覆層付き銅合金板(No.1〜20)を試験材として、動摩擦係数(3回摺動)、微摺動摩耗特性(摩擦力)、はんだ濡れ性、耐食性、高温信頼性(接触抵抗値)を、下記要領で測定した。各測定結果を表2に示す。
(Sn全面被覆の有無)
試験材の表面組織を、走査電子顕微鏡による表面反射電子像及び二次電子像で観察し、ミクロトーム法にて加工した試験材の断面組織を、走査電子顕微鏡による断面反射電子像(倍率:70,000倍)で観察し、Sn全面被覆の有無を調査した。試験例No.3の表面反射電子像、二次電子像及び断面反射電子像を図1〜3に示す。
(Sn層の平均の厚さ)
ミクロトーム法にて加工した試験材の断面組織を、走査電子顕微鏡により70,000倍の倍率で観察し、断面反射電子像から実測でSn層の平均の厚さを算出した。算出手順は、断面反射電子像(図3参照)のSn層ではない部分を黒く塗りつぶし、画像解析ソフト(フリーソフトのImageJ1.49)でSn層(白い部分)の面積Sを算出し、面積Sを測定エリアの幅Lで除した値T(=S/L)をSn層の平均の厚さとした。
(Cu−Sn合金層の平均の厚さ)
まず、試験材をp−ニトロフェノール及び苛性ソーダを成分とする水溶液に10分間浸漬し、Sn層を除去した。その後、蛍光X線膜厚計(セイコーインスツルメンツ株式会社;SFT3200)を用いて、Cu−Sn合金層に含有されるSn成分の膜厚を測定した。測定条件は、検量線にSn/母材の単層検量線又はSn/Ni/母材の2層検量線を用い、コリメータ径をφ0.5mmとした。得られた値をCu−Sn合金層の平均の厚さと定義して算出した。
(Cu層の平均の厚さ)
ミクロトーム法にて加工した試験材の断面組織を、走査電子顕微鏡による断面反射電子像(倍率:10,000倍)で観察した。全ての試験材において、Cu層は観察されなかった。
(Ni層の平均の厚さ)
蛍光X線膜厚計(セイコーインスツルメンツ株式会社;SFT3200)を用いて、リフロー処理前の試験材のNiめっきの平均の厚さを算出した。測定条件は、検量線にSn/Ni/母材の2層検量線を用い、コリメータ径をφ0.5mmとした。なお、Ni層の平均の厚さはリフロー処理前後で実質的に変化しない。
(ε相厚さ比率)
ミクロトーム法にて加工した試験材の断面組織を、走査電子顕微鏡による断面反射電子像(倍率70,000倍)で観察した。全ての試験材において、Cu−Sn合金層中にε相は観察されなかった(ε相厚さ比率がゼロ)。
(銅合金板(母材)の表面粗さ)
表面粗さ(算術平均粗さRa,最大高さRz)は、接触式表面粗さ計(株式会社東京精密;サーフコム1400)を用いて、JIS B0601:2001に基づいて測定した。表面粗さ測定条件は、カットオフ値を0.8mm、基準長さを0.8mm、評価長さを4.0mm、測定速度を0.3mm/s、及び触針先端半径を5μmRとした。表面粗さの測定方向は、圧延又は研磨方向に直角な方向(表面粗さが最も大きく出る方向)とした。
(Cu−Sn合金層の表面粗さ)
各試験材のCu−Sn合金層の表面粗さ(算術平均高さSa,最大高さSz)は、Sn層の剥離処理を行った後(No.1〜15,17〜20)、又は行うことなく(No.16)、非接触式表面粗さ計(株式会社キーエンス製レーザ顕微鏡、型式VK−X250)を用い、300μm×300μmの四角形の範囲で測定した。算術平均高さSa及び最大高さSzは、ISO25178−2:2012に規定された面粗さである。
(Sn層の表面粗さ)
各試験材(No.16を除く)の最表面の表面粗さ(算術平均高さSa,最大高さSz)を、非接触式表面粗さ計(株式会社キーエンス製レーザ顕微鏡、型式VK−X250)を用い、300μm×300μmの四角形の範囲で測定した。その測定結果をSn層の表面粗さとした。
(微摺動摩耗特性)
微摺動摩耗特性(摩擦力)は、嵌合型接続部品における電気接点のインデント部の形状を模擬し、図4に示すような摺動試験機を用いて測定した。まず、各試験材から切り出した板材のオス試験片1を水平な台2に固定し、その上に各試験材から切り出した半球加工材(外径をφ1.8mmとした)のメス試験片3を置いて被覆層同士を接触させた。なお、オス試験片1とメス試験片3は同一の材料を使用した。メス試験片3に7.0N(錘4)の荷重をかけてオス試験片1を押さえ、オス試験片1とメス試験片3の間に1Aの定電流を印加し、ステッピングモータ5を用いてオス試験片1を水平方向に摺動させ、摺動回数5000回までの最大摩擦力を測定した。摺動距離は90〜150μm、摺動周波数は1Hzとした。図4中の矢印は摺動方向であり、オス試験片1及びメス試験片3のいずれも、圧延垂直方向を摺動方向に平行な向きとした。最大摩擦力は4.8N以上を合格と判定した。
(動摩擦係数)
嵌合型接続部品における電気接点のインデント部の形状を模擬し、図5に示すような装置を用いて評価した。まず、各試験材から切り出した板材のオス試験片6を水平な台7に固定し、その上にNo.11の試験材の半球加工材(外径をφ1.8mmとした)のメス試験片8をおいて被覆層同士を接触させた。続いて、メス試験片8に3.0Nの荷重(錘9)をかけてオス試験片6を押さえ、横型荷重測定器(アイコーエンジニアリング株式会社;Model−2152)を用いて、オス試験片6を水平方向に往復摺動させ、3回往復させた時の最大摩擦力F(単位:N)を測定した。摺動距離は5mm、摺動速度は80mm/minとした。図5において、10はロードセル、矢印は摺動方向であり、オス試験片6及びメス試験片8のいずれも、圧延垂直方向を摺動方向に平行な向きとした。動摩擦係数は、0.45以下を合格と判定した。
(はんだ濡れ性)
各試験材から切り出した試験片に対して、大気中にて160℃×24hrの熱処理を行った後、非活性フラックスを1秒間浸漬塗布し、各試験片を255℃のSn−3.0Ag−0.5Cuはんだに浸漬した。浸漬条件は、浸漬速度が25mm/sec、浸漬深さが12mm、浸漬時間が5.0secとした。はんだ浸漬後の試験片について、はんだ濡れ不良の有無を外観評価した。
(耐食性)
各試験材から切り出した試験片に対し、JISZ2371に基づき、5%NaCl水溶液を用いて35℃×120hrの塩水噴霧試験を行った。耐食性の評価は、塩水噴霧後の断面SEM観察により母材に腐食が認められないレベルを○、腐食が認められるレベルを×とした。
(接触抵抗)
各試験剤から切り出した試験片の高温放置(大気中160℃×24hr保持)前後の接触抵抗を、四端子法により測定した。Auプローブを水平方向に摺動させ、荷重を3.0N、摺動距離を0.30mm、摺動速度を1.0mm/min、開放電圧20mV、電流10mAの条件にて測定した。接触抵抗値は加熱前後において0.70mΩ未満を合格と判定した。
表1,2に示すように、本発明の規定を満たす表面被覆層を有するNo.1〜12は、動摩擦係数(3回摺動時)が小さく、微摺動摩耗時の摩擦力が大きい。従って、No.1〜12は、複数回挿抜を繰り返す間も低摩擦係数(低挿入力)が維持され、かつ耐微摺動摩耗性が優れる。また、No.1〜12は、はんだ濡れ性、耐食性が優れ、高温放置後も低接触抵抗が維持できる。
これに対し、本発明の規定を満たす表面被覆層を有しないNo.13〜20は、上記特性のうち、いずれか1つ以上の特性が劣る。
No.13〜15は、Cu−Sn合金層の表面粗さが大きく、微摺動摩耗時の摩擦力が小さい。このうちSn層の平均の厚さが大きいNo.13は、動摩擦係数が大きい。また、Ni層が形成されていないNo.13,14は、高温放置前後の接触抵抗の上昇率が大きい。なお、No.13〜15のCu−Sn合金層の表面粗さが大きく、Sn層の表面粗さが小さいのは、Cu−Sn合金層の表面全面を、リフロー処理の間ずっと溶融Snが覆っていたためである。
No.16は、Cu−Sn合金層の表面にSn層が形成されていないため、動摩擦係数が大きい。また、はんだ濡れ性及び耐食性が劣る。
No.17は、Sn層の平均の厚さが小さく、Cu−Sn合金層の表面の一部しかSn層に覆われていないため、動摩擦係数が大きい。また、はんだ濡れ性及び耐食性が劣る。
No.18は、Sn層の平均の厚さがやや大きいため、微摺動摩耗時の摩擦力が小さい。
No.19は、Sn層の平均の厚さが大きいため、動摩擦係数が大きく、微摺動摩耗時の摩擦力が小さい。
No.20は、Cu−Sn合金層の平均の厚さが小さいため、微摺動摩耗時の摩擦力が小さい。また、高温放置前後の接触抵抗が大きい。
1,6 オス試験片
2,7 台
3,8 メス試験片
4,9 錘
5 ステッピングモータ
10 ロードセル

Claims (7)

  1. 銅又は銅合金板条を母材とし、前記母材表面に、表面被覆層としてNi、Co又はFe層のうちいずれか1つ又は2つからなる下地層、Cu−Sn合金層及びSn層をこの順に有し、前記下地層の平均の厚さが0.1〜3.0μmであり、前記Cu−Sn合金層がη相又はη相とε相からなり、平均の厚さが0.2〜3.0μmであり、その表面の算術平均高さSaが0.2μm以下、最大高さSzが5.0μm以下であり、前記Sn層の平均の厚さが0.02〜0.2μmであり、Cu−Sn合金層の全面を覆っていることを特徴とする表面被覆層付き銅又は銅合金板条。
  2. 前記Sn層の表面の算術平均高さSaが0.2μm以下、最大高さSzが5.0μm以下であることを特徴とする請求項1に記載された表面被覆層付き銅又は銅合金板条。
  3. 前記Cu−Sn合金層がε相とη相からなり、前記ε相が前記下地層と前記η相の間に存在し、前記Cu−Sn合金層の平均厚さに対する前記ε相の平均厚さの比率が30%以下であり、かつ前記表面被覆層の断面において前記下地層の長さに対する前記ε相の長さの比率が50%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載された表面被覆層付き銅又は銅合金板条。
  4. 前記下地層とCu−Sn合金層の間にさらにCu層を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載された表面被覆層付き銅銅又は銅合金板条。
  5. 前記Cu−Sn合金層のCuの一部が、前記下地層の元素で置換されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載された表面被覆層付き銅又は銅合金板条。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載された表面被覆層付き銅又は銅合金板条からなる嵌合型接続端子。
  7. 請求項6に記載された嵌合型接続端子を含む嵌合型コネクタ。
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