JP2017079940A - 光線力学的治療装置及びその作動方法 - Google Patents

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Takuya Ishii
琢也 石井
久直 間
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久直 間
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Kunio Awazu
邦男 粟津
視嗣 山内
Mitsugu Yamauchi
視嗣 山内
昌宏 石塚
Masahiro Ishizuka
昌宏 石塚
田中 徹
Toru Tanaka
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Abstract

【課題】PDTにおけるレーザー光のパルス照射による殺細胞効果を達成することができる光線力学的治療装置(PDT装置)やその作動方法を提供すること。【解決手段】5−アミノレブリン酸類を対象に投与し、病変部にプロトポルフィリンIX(PpIX)を蓄積させた後に、かかる病変部に波長400〜700nmのレーザー光を、平均パワー密度が10〜500mW/cm2、好ましくは20〜500J/cm2で、かつ、パルス周波数が100kHz以上、好ましくは1MHzとなる制御条件下で照射する。さらに、照射エネルギー密度が20〜500J/cm2となる制御条件下でパルス照射することが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、5−アミノレブリン酸類を用いる光線力学的治療装置やその作動方法に関し、より詳しくは、5−アミノレブリン酸類を投与後、パルス周波数が100kHz以上のレーザー光を病変部にパルス照射する光線力学的治療装置やその作動方法に関する。
光線力学的療法(以下「PDT」ともいう)は、光増感剤を投与し、患部に集積させ、光励起により生成される一重項酸素をはじめとする活性酸素種の殺細胞性を利用した治療法である。この光線力学的療法は、非侵襲的かつ治療痕が残りにくい治療法であるため、近年注目を集めている。また、光増感剤として用いられているものの多くはテトラピロールと呼ばれる構造を持ち、波長400nm付近に特徴的に高い吸光度を示す吸光スペクトルのピークや、波長600〜700nm付近に吸光スペクトルのピークをもち、腫瘍組織や新生血管へ特異的に集積することが知られている。光増感剤の吸光スペクトルのピークに対応する光を励起光として、腫瘍組織や新生血管に集積した光増感剤に照射することで生ずる一重項酸素が腫瘍組織や新生血管の細胞を変性・壊死させることができると考えられており、400nm付近の短波長の光照射により、にきび等の皮膚表面の疾患の治療が、600〜700nm付近の比較的組織深達性が良い長波長の光照射により、がん治療等が行われている(例えば、特許文献1参照)。
また、レーザー光をパルス照射するPDTにおいて、繰り返し周波数を1Hz〜1kHzとするなどレーザ照射条件を変えることにより、病変部の浅部から深部までの治療深度を制御でき、病変部を覆う健常な浅部を傷害させずに保存したまま、深部の病変部のみを傷害し得る光線力学的治療装置(例えば、特許文献2及び3参照)や、PDT及び光線力学的診断(以下「PDD」ともいう)を効率的に行うことができ、しかも、パルスレーザー光源のパルス発生器に連続発振から100kHzまでの繰り返し周波数の調節機能を備えた光線力学診断・治療用の多波長レーザー装置(例えば、特許文献4参照)が提案されている。また、光線力学的療法用剤「フォトフリン」の添付文書には、「レーザー光照射に際しては、エキシマ・ダイ・レーザー(型名PDTEDL−1 浜松ホトニクス社製)の取扱説明書を参照すること。」の記載と共に、パルス周波数が30〜40Hzである旨の表示がある。
他方、5−アミノレブリン酸(以下「ALA」ともいう)は動物や植物や菌類に広く存在する、生体内に含まれる天然アミノ酸の一種であるが、ALAはそれ自体には光感受性はないものの、細胞内でヘム生合成経路の一連の酵素群により代謝活性化されたプロトポルフィリンIX(以下「PpIX」ともいう)が410nm、545nm、580nm、630nm等にピークがある光増感剤として知られており(非特許文献1)、がん細胞内にPpIXを蓄積させた後に、600〜700nm付近の励起光を照射することにより疾患部位の細胞を変性・壊死させる、5−アミノレブリン酸−光線力学的療法(以下「ALA−PDT」ともいう)の研究が進められている(例えば、特許文献3及び5〜11参照)。
特開2011−001307号公報 特許第4504917号公報 特開2010−163445号公報 特開2012−232014号公報 特開2008−208072号公報 特開2007−015938号公報 特開2006−182753号公報 特開2005−350418号公報 特開2005−349028号公報 特開2005−132766号公報 特開平11−012197号公報
マルホ皮膚科セミナー「光線力学療法(PDT)」2010年2月25日放送、第25回日本皮膚悪性腫瘍学会(2)ワークショップ2より、松本義也
従来のALA−PDTの効果を向上させるためには、ALAの用量を増やすこと、励起光の強度を上げること、又は他の薬剤(ABCG2基質の抗がん剤等)と併用することが考えられていた。しかし、ALA−PDTにおいて、高用量のALAを投与することは光線過敏等の有害事象を引き起こす可能性があること、励起光の強度を上げることは細胞内への酸素供給が追い付かず、その治療効率が低下すること、さらには、がん患者以外には抗がん剤を投与できないことから、ALAの高用量化及び励起光の高強度化をせずに、ALA−PDTの治療効果を高める方法が切望されていた。また、従来のPDTにおけるレーザー光のパルス照射は、主としてより生体深部でもPDTによる殺細胞効果を達成する目的で行われていた。そのため、大きなピーク強度のレーザー光を照射して、生体成分の光吸収による発熱を回避しながら生体深部に励起光を到達させていた。本発明の課題は、PDTにおけるレーザー光のパルス照射による殺細胞効果を達成することができる光線力学的治療装置(PDT装置)やその作動方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討し、従来の光増感剤を用いたPDTでは、レーザー光のパルス照射における最適周波数は30〜40Hz程度とされていたが、ALA−PDTでは、それ以上の周波数である100kHz以上を使用することによって、最適周波数を上回る癌細胞死滅効果が得られることを見いだした。このように、PDTにおけるレーザー光のパルス周波数が100kHz以上、好ましくは1MHz以上となるようにレーザー光を制御すると、殺細胞効果が顕著に上昇することを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の事項により特定されるものである。
(1)5−アミノレブリン酸類を用いて病変部を治療するための光線力学的治療装置(PDT装置)であって、波長400〜700nmのレーザー光を病変部にパルス照射する照射手段と、該照射手段によりパルス照射するレーザー光の平均パワー密度及びパルス周波数を制御する制御手段とを備え、前記病変部の治療において、前記制御手段により平均パワー密度が10〜500mW/cmで、かつ、パルス周波数が100kHz以上となるように設計されていることを特徴とする、前記PDT装置。
(2)制御手段により、パルス周波数が1MHz以上となるように設計されていることを特徴とする前記(1)記載のPDT装置。
(3)さらに、制御手段により、照射エネルギー密度が20〜500J/cmとなるように設計されていることを特徴とする前記(1)又は(2)記載のPDT装置。
(4)5−アミノレブリン酸類が、5−アミノレブリン酸若しくはそのメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、ペンチルエステルから選ばれるエステル類、又はそれらの塩であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか記載のPDT装置。
(5)5−アミノレブリン酸類を用いて病変部を治療するための光線力学的治療装置(PDT装置)の作動方法であって、前記PDT装置が、波長400〜700nmのレーザー光を、前記病変部にパルス照射する照射手段と、前記照射手段により照射するレーザー光の平均パワー密度及びパルス周波数を制御する制御手段とを備え、前記病変部の治療において、前記制御手段により平均パワー密度が10〜500mW/cmで、かつ、パルス周波数が100kHz以上となるように制御することを特徴とする、前記作動方法。
(6)制御手段により、パルス周波数が1MHz以上となるように制御されていることを特徴とする前記(5)記載の作動方法。
(7)さらに、制御手段により、照射エネルギー密度が20〜500J/cmとなるように制御されていることを特徴とする前記(5)又は(6)記載の作動方法。
(8)5−アミノレブリン酸類が、5−アミノレブリン酸若しくはそのメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、ペンチルエステルから選ばれるエステル類、又はそれらの塩であることを特徴とする前記(5)〜(7)のいずれか記載の作動方法。
(9)5−アミノレブリン酸類を対象に投与し、病変部にプロトポルフィリンIX(PpIX)を蓄積させた後に、かかる病変部に波長400〜700nmのレーザー光を、平均パワー密度が10〜500mW/cmで、かつ、パルス周波数が100kHz以上となる制御条件下で照射することを特徴とする光線力学的治療方法。
(10)パルス周波数が1MHz以上となる制御条件下でパルス照射することを特徴とする前記(9)記載の治療方法。
(11)さらに、照射エネルギー密度が20〜500J/cmとなる制御条件下でパルス照射することを特徴とする前記(9)又は(10)記載の治療方法。
(12)5−アミノレブリン酸類が、5−アミノレブリン酸若しくはそのメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、ペンチルエステルから選ばれるエステル類、又はそれらの塩であることを特徴とする前記(9)〜(11)のいずれか記載の治療方法。
本発明によると、PDTにおけるレーザー光のパルス照射によって優れた殺細胞効果を達成することができる。
異なるパルス周波数(100kHz、1MHz)によるPDTにおけるマウスEMT6細胞株の生存率を示す図である。照射時間100秒及び200秒共に、左から順にCW(波長635nmの半導体連続レーザー光)、100kHz(周波数100kHzに変調した波長635nmの半導体パルスレーザー光)、1MHz(周波数1MHzに変調した波長635nmの半導体パルスレーザー光)を示す。
本発明の光線力学的治療装置(PDT装置)は、5−アミノレブリン酸類を用いて病変部を治療するための装置であり、波長400〜700nmのレーザー光を病変部にパルス照射する照射手段と、照射手段によりパルス照射するレーザー光の平均パワー密度を10〜500mW/cmで、かつ、パルス周波数を100kHz以上となるように制御する制御手段とを備えていれば特に制限されず、本発明のPDT装置の作動方法は、上記本発明のPDT装置におけるパルス照射するレーザー光の平均パワー密度を20〜500mW/cmで、かつ、パルス周波数を100kHz以上となるように制御する作動方法であれば特に制限されないが、レーザー光としては、波長480〜580nm、好ましくは波長490〜570nm、より好ましくは波長500〜550nm、さらに好ましくは500〜530nmの励起光や、波長625nm〜642nm、好ましくは波長630〜640nm、より好ましくは波長635nmの励起光を好適に例示することができる。
本発明のPDT装置の照射手段における光源としては、青色〜赤色の半導体レーザーを好適に例示することができる。かかる半導体レーザーを光源とする場合、上記制御手段により、レーザーのパルス周波数は1MHz以上で5MHz以下に、平均パワー密度は20〜200mW/cmにそれぞれ設計・制御することが好ましい。また、上記制御手段により、照射エネルギー密度は20〜500J/cm、好ましくは25〜100J/cmに設計・制御することが好ましい。また照射時間は、パルス周波数、平均パワー密度、照射エネルギー密度にもよるが、30秒〜5分程度に制御することができる。そして、レーザー光のパルス照射により、正常な皮膚表面への損傷を小さくできる。照射手段は、光源に加えて、病変部にレーザー光をパルス照射可能な光ファイバケーブルを通常備えている。例えば、子宮頸部病変をコルポスコープにて観察しながら、光ファイバケーブルの出射端部から100J/cmのエネルギー密度で周波数1MHzのパルス照射を3分間するPDTを挙げることができ、患部に照射したときの照射径が、10mm以上であることが好ましく、15mm以上であることが、患部への照射時間が短くなることから好ましい。
本発明のPDT装置は、PDDシステムを兼ね備えておくこともできる。かかるPDDシステムとしては、例えば、病変部に蓄積した光感受性物質を励起させるための励起光の光源と、励起光を導光照射する光源用光ファイバーと、該光源用光ファイバーと一体化され、前記励起光によって励起されたPpIXが発する蛍光を受光し、検出器に導光する計測用光ファイバーと、検出器を有するシステムを挙げることができる。
上記制御手段は、レーザー光の波長、平均パワー密度を調整したり、繰り返し周波数、照射エネルギー密度等の光照射条件を制御することにより、上記病変部の治療において、平均パワー密度が10〜500mW/cmで、かつ、パルス周波数が100kHz以上となる波長400〜700nmのパルスレーザー光を発生させるものであり、かかるパルスレーザー光の発生は、通常外部変調方式や直接変調方式により行われる。
本発明において5−アミノレブリン酸類(ALA類)とは、5−アミノレブリン酸(ALA)若しくはその誘導体、又はこれらの塩をいう。ALAは公知の化合物であり、それ自身は可視光の吸収も弱く光照射で蛍光も活性酸素も発生しないが、投与後体内で光増感物質であるプロトポルフィリンに代謝されるため光増感剤として有利に作用する。ALA類を投与した場合のPpIXの蓄積は、がん、異形成、細菌・真菌感染部位、ウイルス感染細胞などの病変部に特異的であり、また、ALA類は安全性も高い化合物であるためもっとも有望な光増感剤として作用する。
上記ALAの誘導体は、式RNCHCOCHCHCOR [式中、R及びRは各々独立に、水素原子、アルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリール基又はアラルキル基を示し;Rはヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基又はアミノ基を示す。但し、R及びRが水素原子でRがヒドロキシ基のALAは除く。]で示すことができる。ALA誘導体としては、ALAメチルエステル、ALAエチルエステル、ALAプロピルエステル、ALAブチルエステル、ALAペンチルエステル、ALAヘキシルエステル等を挙げることができる。また、ALA誘導体として、エステル基とアシル基を有するALA誘導体を好適に例示することができる。エステル基とアシル基を有するALA誘導体としては、メチルエステル基とホルミル基、メチルエステル基とアセチル基、メチルエステル基とn-プロパノイル基、メチルエステル基とn−ブタノイル基、エチルエステル基とホルミル基、エチルエステル基とアセチル基、エチルエステル基とn−プロパノイル基、エチルエステル基とn−ブタノイル基の組合せを具体的に例示することができる。
ALA又はその誘導体の塩としては特に制限されないが、薬学的に許容される無機酸又は有機酸の酸付加塩が好ましい。無機酸の付加塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩を挙げることができ、有機酸の付加塩としては、酢酸塩、プロピオン酸塩、トルエンスルホン酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、グリコール酸塩、メタンスルホン酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩等を挙げることができる。その他、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等の金属塩や、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩等も挙げることができる。なお、これらの塩は使用時において溶液として用いられる。
これらのALA類のうち、もっとも望ましいものはALA、ALAメチルエステル、ALAエチルエステル、ALAプロピルエステル、ALAブチルエステル、ALAペンチルエステル、及びこれらの塩酸塩、リン酸塩、硫酸塩である。
以上のALA類は、水和物又は溶媒和物を形成していてもよく、またいずれかを単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。また、ALA類は、化学合成、微生物による生産、酵素による生産のいずれの方法によって製造したものも用いることができる。
上記ALA類を水溶液として調製する場合には、ALA類の分解を防ぐため、水溶液がアルカリ性とならないように留意する必要がある。アルカリ性となってしまう場合は、酸素を除去することによって分解を防ぐことができる。
上記ALA類には、安定化剤、分散剤、溶剤、増量剤、栄養剤、賦形剤等の担体を必要に応じて配合することができる。配合される担体としては、摂取するために適した有機若しくは無機の固体又は液体の、通常は不活性な製薬学的に許容できる担体材料が用いられ、例えば結晶性セルロース、ゼラチン、乳糖、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、タルク、植物性および動物性脂肪および油、ガム、ポリアルキレングリコール等を挙げることができる。本発明の組成物を治療剤として用いる場合の剤型としては、注射剤、点滴剤、膀胱内注入剤、錠剤、カプセル剤、細粒剤、シロップ剤、発布剤、座薬等を例示することができる。
上記ALA類は静脈内注射や点滴に限らず、舌下投与も含む経口投与、パップ剤等による経皮投与、座薬、膀胱内注入などの各種の投与形態が適用可能であるが、患者の負担を考えると経口投与が有利である。また、ALA類の投与量は、ALA塩酸塩換算で、体重1kgあたり、1mg〜100mg、好ましくは10mg〜50mg、より好ましくは15mg〜25mg、さらに望ましくは20mgである。
本発明のPDT装置によると、病変部に特異的に集積されたPpIXに波長400〜700nmのレーザー光を、平均パワー密度が10〜500mW/cmで、かつ、パルス周波数が100kHz以上となる制御条件下でパルス照射することにより、選択的に病変部組織を傷害壊滅することができる。かかるPDT装置による治療の対象となる病変部は、組織において細胞の異常増殖や粥腫を伴う疾患の病変部であり、このような病変部を有する疾患としては、疣、子宮頸部がん、皮膚がん、甲状腺がん、悪性脳腫瘍などの表在性のがんや皮下性のがんを挙げることができる。
以下に、実施例を挙げてこの発明をさらに具体的に説明するが、この発明の技術的範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
マウス乳癌EMT6培養細胞の総生数カウントをBurker-Turk計算盤を用いて行い、細胞濃度が5.0×10cells/wellとなるように濃度調整を行い、96wellプレートに100μLずつ播種した。24時間のインキュベーションをした後、250μMの5−ALAを含む無血清培地100μLに置換し、インキュベータ内で4時間浸漬させた。浸漬後、各wellの薬剤含有無血清培地をPBSに置換して洗浄した後、無血清培地に交換し、波長635nmの半導体連続レーザー光(CW)、及び周波数100kHzと1MHzに変調した波長635nmの半導体パルスレーザー光を用いて、平均パワー密度100mW/cmで100秒又は200秒照射した。照射後、有血清培地に交換してCOインキュベータ内で24時間培養した後、WSTアッセイ法により、細胞生存率を評価した。EMT6細胞の生存率の結果を図1に示す。図1からわかるように、100秒照射及び200秒照射とも高周波数に変調したパルスレーザーを使用した場合は、連続光(CW)レーザーを使用した場合と比較してEMT6細胞株の生存率は低い値となった。この結果から、CWレーザーより100kHz以上のパルスレーザーを用いた方が高い癌細胞殺傷効果が確認された。なお、レーザーのパルス化においては、波長635nmの半導体レーザー(HL6388MG, Thorabs社)にパルスジェネレーター(8112A、Hewlett-Packard社)を接続してパルス化し、フォトダイオード(818-BB-21、Newport社)で検出された光強度の時間変化を、オシロスコープ(TDS3054C、Tektronix社)で測定した。レーザーの平均出力の測定にはパワーメーター(3A、Ophir Optronics社)を使用した。
本発明のPDT装置は、腫瘍等の治療の医療分野において有効利用される。

Claims (12)

  1. 5−アミノレブリン酸類を用いて病変部を治療するための光線力学的治療装置(PDT装置)であって、波長400〜700nmのレーザー光を病変部にパルス照射する照射手段と、該照射手段によりパルス照射するレーザー光の平均パワー密度及びパルス周波数を制御する制御手段とを備え、前記病変部の治療において、前記制御手段により平均パワー密度が10〜500mW/cmで、かつ、パルス周波数が100kHz以上となるように設計されていることを特徴とする、前記PDT装置。
  2. 制御手段により、パルス周波数が1MHz以上となるように設計されていることを特徴とする請求項1記載のPDT装置。
  3. さらに、制御手段により、照射エネルギー密度が20〜500J/cmとなるように設計されていることを特徴とする請求項1又は2記載のPDT装置。
  4. 5−アミノレブリン酸類が、5−アミノレブリン酸若しくはそのメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、ペンチルエステルから選ばれるエステル類、又はそれらの塩であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のPDT装置。
  5. 5−アミノレブリン酸類を用いて病変部を治療するための光線力学的治療装置(PDT装置)の作動方法であって、前記PDT装置が、波長400〜700nmのレーザー光を、前記病変部にパルス照射する照射手段と、前記照射手段により照射するレーザー光の平均パワー密度及びパルス周波数を制御する制御手段とを備え、前記病変部の治療において、前記制御手段により平均パワー密度が10〜500mW/cmで、かつ、パルス周波数が100kHz以上となるように制御することを特徴とする、前記作動方法。
  6. 制御手段により、パルス周波数が1MHz以上となるように制御されていることを特徴とする請求項5記載の作動方法。
  7. さらに、制御手段により、照射エネルギー密度が20〜500J/cmとなるように制御されていることを特徴とする請求項5又は6記載の作動方法。
  8. 5−アミノレブリン酸類が、5−アミノレブリン酸若しくはそのメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、ペンチルエステルから選ばれるエステル類、又はそれらの塩であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか記載の作動方法。
  9. 5−アミノレブリン酸類を対象に投与し、病変部にプロトポルフィリンIX(PpIX)を蓄積させた後に、かかる病変部に波長400〜700nmのレーザー光を、平均パワー密度が10〜500mW/cmで、かつ、パルス周波数が100kHz以上となる制御条件下で照射することを特徴とする光線力学的治療方法。
  10. パルス周波数が1MHz以上となる制御条件下でパルス照射することを特徴とする請求項9記載の治療方法。
  11. さらに、照射エネルギー密度が20〜500J/cmとなる制御条件下でパルス照射することを特徴とする請求項9又は10記載の治療方法。
  12. 5−アミノレブリン酸類が、5−アミノレブリン酸若しくはそのメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、ペンチルエステルから選ばれるエステル類、又はそれらの塩であることを特徴とする請求項9〜11のいずれか記載の治療方法。
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