<第1の実施形態>
以下、図面に基づいて本発明の第1の実施形態の概要を説明する。図1は、第1の実施形態の映像情報管理システム1の概要を示す図である。
一般的に、複数の当事者を撮影する場合において、一部の当事者が優位であって、他の当事者との利益が相反する場合、撮影された映像を他の当事者が取得することは困難といえる。また、他の当事者が映像を取得できたとしても、該当事者にとって必要な部分が、優位な当事者によって削除されている可能性がある。特に、当事者間の利害が対立する場合において、一部の当事者が優位な状況で撮影された映像を他方の当事者が公平に得ることは困難である。映像情報管理システム1は、当事者が映像を取得する際の公平性を担保する。
図1には、医療機関において映像情報管理システム1を用いる例を記載している。医療機関において患者が診察を受ける状況を撮影する場合、医療機関の任意に基づいて編集されたものでない、公平な映像を患者側が取得することは、困難である場合がある。映像情報管理システム1は、医療機関の任意に基づかずに自動的に患者ごとに映像を切り出し、患者側を含む当事者に提供することを目的とする。
医療機関には、1又は複数の診察室があり、各々の診察室において医師が患者を診察する。特定の医師が診察室にいる間、1又は複数の患者が診察室を出入りする。診察室では、複数の患者に渡って診察状況が撮影されている。
医者は医者用カードを有し、患者は患者用カードを有している。映像情報管理システム1では、医者用カードと患者用カードとに含まれる情報に基づいて、医者と患者とが対面状況にあるか否かを判定する。各々が対面状況にあると判定する場合、映像情報管理システム1は映像を切り出し、患者ごとに管理する。
映像情報管理システム1は、映像情報管理装置10と、医療機関端末装置20と、再生端末装置30と、読取装置40と、撮影装置50とを含む。映像情報管理装置10と、医療機関端末装置20と、再生端末装置30とは、ネットワーク60を介して接続される。読取装置40及び撮影装置50は、医療機関端末装置20と無線LAN(Local Area Network)を介して接続される。なお、読取装置40及び撮影装置50は、Bluetooth(登録商標)等、他のローカルネットワークを介して医療機関端末装置20と接続されていてもよい。
なお、ネットワーク60は、インターネット等の公衆通信網、WAN(Wide Area Network)、又はVPN(Virtual Private Network)等の一般公衆回線を一部又は全部に用いた通信網である。また、読取装置40及び撮影装置50は医療機関端末装置20に含まれるものであってもよいし、再生端末装置30は映像情報管理装置10又は医療機関端末装置20に含まれるものであってもよい。
医療機関端末装置20は、医療機関の内部に設置されるPC(Personal Computer)、スマートフォン、又はタブレット等の情報処理装置である。映像情報管理装置10は、PC又はサーバーコンピューター等の装置であって、医療機関の外部に設置されることが望ましい。映像情報管理装置10は、例えば映像情報管理サービスを行う事業主体に設置される。
医師は医師用カードを有し、患者は患者用カードを有する。医師用カード、及び患者用カードは、RFID(radio frequency identifier)等のIC(integrated circuit)タグを内蔵している。ICタグにはタグ情報が記憶される。タグ情報には、カードを有する者の択一的な属性を含む値が記憶される。属性は、例えば「医師」、「患者」、又は「看護師」等を示す値であって、カードを有する者の立場を示す情報であるともいえる。なお、患者用カードはICタグを含む診察券でもよい。また、医師用カード及び患者用カードに含まれるICタグは、読取装置40からの通信要求に応じて情報を送信する機器であるといえる。
読取装置40は、ICタグからタグ情報を読み取ることのできる装置である。読取装置40は、通信可能範囲に定期的に電波を送信しており、ICタグが通信可能範囲に入ると電波への応答としてタグ情報を受信する。撮影装置50は、音声情報付き動画の撮影が可能なカメラである。
例えば診察開始時刻になり、医療機関端末装置20が起動されると、撮影装置50は撮影を開始する。撮影装置50は診察室に出入りする複数の患者に渡って診察状況の撮影を継続し、診察終了時刻になると撮影を終了する。医療機関端末装置20は撮影装置50により撮影された映像を映像オリジナルファイルとして取得し、映像情報管理装置10へと送信する。なお、撮影装置50は、医療機関端末装置20を介さずに直接映像情報管理装置10に映像オリジナルファイルを送信してもよい。
診察時間中に、医師用カードを有する医師が読取装置40の通信可能範囲に入ると、読取装置40は医師用カードに含まれるタグ情報を読み取り、医療機関端末装置20に送信する。また、患者が読取装置40の通信可能範囲に入ると、読取装置40は患者用カードに含まれるICタグからタグ情報を読み取り、医療機関端末装置20に送信する。医療機関端末装置20は、医師用カード及び患者用カードのタグ情報と該タグ情報を読み取った時刻とを映像情報管理装置10に送信する。
また、医療機関端末装置20は、患者用カードのタグ情報を受信すると、患者の身体状況に関するカルテ情報を表示する。医師は医療機関端末装置20を操作せずとも、診察室に入った患者のカルテ情報を閲覧可能である。患者が退出のため読取装置40の通信可能範囲から外れると、医療機関端末装置20はカルテ情報を保存し、映像情報管理装置10に送信する。
映像情報管理装置10は、タグ情報を用いて、医者と患者とが対面状況にあるか否かを判定する。映像情報管理装置10は、医師と患者との距離が所定距離以下である場合に対面状況にあると判定し、医者と患者との距離が所定距離以下である時刻帯を特定し、診察室を撮影した映像オリジナルファイルから該時刻帯の映像を切り出す。切り出された映像は、編集映像として映像情報管理装置10に記憶される。また、映像情報管理装置10は、編集映像に映った患者のカルテ情報を、編集映像と関連付けて記憶する。
再生端末装置30は、編集映像を表示するための装置である。患者を特定する情報と診察日時との入力を受け付けると、再生端末装置30は映像情報管理装置10に編集映像を要求し、要求の結果取得した編集映像を表示する。
本実施形態では、複数の患者に渡って撮影された映像から、患者ごとの診察映像を効率的に得ることができる。また、患者ごとの診察映像を得る過程で医療機関側の操作を要しないため、公平性が担保された診察映像を得ることができる。
図2は、第1の実施形態における映像情報管理システム1の機能構成の一例を示すブロック図である。
映像情報管理装置10は、制御部110と、通信部120と、入力部130と、出力部140と、記憶部150と、を備える。制御部110は、映像オリジナルファイルからの編集映像の取得に関する制御や、編集映像及びカルテ情報等の管理に関する制御を行う。通信部120は、医療機関端末装置20や再生端末装置30に対して、情報の送信や受信を行う。
入力部130は、操作者からの入力操作を受け付ける。出力部140は、映像情報管理装置10が記憶する情報を表示装置やプリンタ等へ出力する。記憶部150は、映像オリジナルファイル、編集映像、及びカルテ情報等を記憶するほか、映像オリジナルファイルから編集映像を取得するために必要な情報を記憶する。
制御部110は、映像取得部111と、タグ情報取得部112と、対面判定部113と、映像編集部114と、カルテ情報取得部115と、を備える。映像取得部111は、医療機関端末装置20から映像オリジナルファイルを取得する。
タグ情報取得部112は、読取装置40により読み取られたタグ情報と、該タグ情報を読み取った読取装置40を特定する情報とを医療機関端末装置20から取得する。対面判定部113は、異なる属性を有するタグ情報を含む複数のICタグが、対面状況にあるか否かを判定する。対面判定部113は、「患者」の属性を含むタグ情報のICタグと、他の属性を含むタグ情報のICタグとが所定距離内にある場合に、両者が対面状況にあると判定する。対面判定部113は、対面判定部113は、共通する読取装置40により読み取られたICタグを所定距離内にあると判定する。
また、対面判定部113は、複数のICタグの間隔が所定距離以下となった時刻を開始時刻として特定し、その後所定距離を上回る距離となった時刻を終了時刻として時刻帯を特定する。
映像編集部114は、対面判定部113が特定した開始時刻から開始され終了時刻で終了する編集映像を映像オリジナルファイルから切り出して記憶部150に記憶させる。映像編集部114は、編集映像を切り出した後、映像オリジナルファイルに対して、編集映像に対する処理と異なる処理を行う。
具体的には、映像編集部114は、編集映像を切り出した後に映像オリジナルファイルを削除する。なお、映像編集部114は、例えば編集映像と異なる圧縮アルゴリズムで映像オリジナルファイルを圧縮し、記憶部150に記憶させるものであってもよい。例えば、映像編集部114は、画素数を削減したり、フレームレートを低下させたり、インターレース画像への変換を行う等により、映像オリジナルファイルの情報量を削減する。
また、映像編集部114は、医療機関端末装置20から受信したカルテ情報を、タグ情報が関連する編集映像に関連付けて記憶部150に記憶させる。
カルテ情報取得部115は、医療機関端末装置20からカルテ情報を受信する。カルテ情報は、タグ情報に含まれる、患者を特定する識別情報と関連付けられている。
記憶部150は、映像オリジナルファイル151と、カルテ情報152と、編集映像153と、読取情報154と、録画録音個別情報155と、を記憶する。
映像オリジナルファイル151は、撮影装置50により撮影された映像であって、例えば診察開始時刻から診察終了時刻まで継続して撮影されている。映像オリジナルファイル151には、撮影日時と、撮影装置50から該映像オリジナルファイル151を受信した医療機関端末装置20を特定する医療機関端末装置識別子とが関連付けられている。カルテ情報152は、医療機関端末装置20から送信される電子カルテである。編集映像153は、開始時刻から終了時刻までの時刻帯における映像であって、映像オリジナルファイル151から切り出された映像である。
読取情報154は、読取装置40により読み取られたタグ情報に関する情報である。録画録音個別情報155は、編集映像153に関する情報である。読取情報154及び録画録音個別情報155については後述する。
医療機関端末装置20は、制御部210と、記憶部220とを備える。制御部210は、映像オリジナルファイルやタグ情報の映像情報管理装置10への送信や、カルテ情報の表示等の制御を行う。記憶部220は、カルテ情報を記憶する。
制御部210は、撮影部211と、タグ読取部212と、表示制御部213とを備える。撮影部211は、撮影装置50により撮影された所定の撮影範囲の映像を映像オリジナルファイルとして記録し、映像情報管理装置10に送信する。なお、撮影部211は、属性が「医師」であるタグ情報と、属性が「患者」であるタグ情報とがタグ読取部212により読み取られた場合に、医師が有するICタグと、患者が有するICタグとの中間地点を自動的に追尾するよう撮影装置50を制御してもよい。これにより、例えば診察室が狭小であるなど、診察位置に対して撮影装置50の撮影可能範囲が限定される場合等にも、確実に両者を撮影することができる。
タグ読取部212は、読取装置40を用いたタグ情報の読み取りを行う。表示制御部213は、属性が「医師」であるタグ情報と、属性が「患者」であるタグ情報とが読み取られたか否かを判定する。表示制御部213が、「医師」の属性を有するタグ情報及び「患者」の属性を有するタグ情報が読み取られたと判定すると、表示制御部213は、属性が「患者」であるタグ情報の識別情報を用いて患者のカルテ情報を特定し、表示装置に表示させる。
記憶部220は、カルテ情報221を記憶する。カルテ情報221は、患者の電子カルテであって、患者を特定する識別情報と関連付けられている。
再生端末装置30は、制御部310を備える。制御部310は、映像情報管理装置10が有する編集映像の取得及び再生に関する制御を行う。制御部310は、映像要求部311と、表示制御部312とを備える。
映像要求部311は、映像情報管理装置10に対して編集映像の要求情報を送信する。編集映像の要求情報には、診察日時と、患者を特定する識別情報とが含まれている。表示制御部312は、患者を特定する識別情報と診察日時との入力を受け付ける編集映像要求画面と、医療機関端末装置20から取得した編集映像を表示する編集映像表示画面とを表示装置に対して表示させる。
次に、記憶部150に含まれる各情報について説明する。
図3は、第1の実施形態における読取情報154のデータ構造の一例を示す図である。読取情報154は、読取装置識別子154aと、タグ識別子154bと、タグ属性154cと、読取日時154dと、医療機関端末装置識別子154eとを含む。
読取装置識別子154aは、読取装置40を特定する識別情報である。タグ識別子154bは、読取装置識別子154aにより特定される読取装置40により読み取られたタグ情報を特定する識別情報である。なお、タグ識別子154bにより、カードを有する医者又は患者を特定しうるため、タグ識別子154bは医者を特定する識別情報又は患者を特定する識別情報として機能する。
タグ属性154cは、カードを有する者の択一的な属性を示す値である。例えば、タグ属性154cは、「医者」、「患者」、又は「看護師」を示す情報である。読取日時154dは、読取装置識別子154aにより特定される読取装置40がタグ識別子154bにより特定されるタグ情報を読み取った日時を示す情報である。医療機関端末装置識別子154eは、読取情報154を映像情報管理装置10に送信した医療機関端末装置20を特定する識別情報である。
図4は、第1の実施形態における録画録音個別情報155のデータ構造の一例を示す図である。録画録音個別情報155は、編集映像識別子155aと、開始時刻155bと、終了時刻155cと、映像オリジナルファイル識別子155dと、カルテ情報識別子155eと、読取装置識別子155fと、を含む。
編集映像識別子155aは、編集映像を特定する識別情報である。開始時刻155bは、編集映像識別子155aにより特定される編集映像の録画開始時刻を示す情報である。終了時刻155cは、該編集映像の録画終了時刻を示す情報である。映像オリジナルファイル識別子155dは、編集映像識別子155aにより特定される編集映像の切り出し元である映像オリジナルファイルを特定する識別情報である。
カルテ情報識別子155eは、編集映像識別子155aにより特定される編集映像の生成の際に用いられた、患者用カードの識別情報と関連付けられたカルテ情報を特定する識別情報である。読取装置識別子155fは、編集映像識別子155aにより特定される映像の生成の際に用いたタグ情報を読み取った読取装置40を特定する情報である。
図5は、第1の実施形態における映像情報管理装置10のハードウェア構成例を示す図である。映像情報管理装置10は、演算装置11と、メモリ12と、外部記憶装置13と、入力IF(Interface)14と、出力IF15と、通信IF16と、記憶媒体駆動装置17とを備え、各構成要素はバスにより接続されている。
演算装置11はCPU(Central Processing Unit)等の演算装置であり、メモリ12又は外部記憶装置13に記録されたプログラムに従って処理を実行する。映像情報管理装置10では、メモリ12又は外部記憶装置13上に読み出されたプログラムに従って動作する演算装置11により処理が行われる。制御部110を構成する各処理部は、演算装置11がプログラムを実行することにより各々の機能を実現する。
メモリ12は、RAM(Random Access Memory)又はフラッシュメモリ等の記憶装置であり、プログラムやデータが一時的に読み出される記憶エリアとして機能する。外部記憶装置13は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、CD-R(Compact Disc- Recordable)、DVD-RAM(Digital Versatile Disk-Random Access Memory)等の書き込み及び読み出し可能な記憶メディア及び記憶メディア駆動装置等である。記憶部150は、メモリ12又は外部記憶装置13によりその機能が実現される。なお、記憶部150は、通信IF16を介して接続される記憶装置によってその機能が実現されてもよい。
入力IF14は、操作者からの入力操作を受け付けるためのインターフェイスであり、例えばタッチパネル、キーボード、マウス、マイク等の入力装置が接続される。出力IF15は、映像情報管理装置10に内蔵されたLCD(Liquid Crystal Display)ディスプレイ等の表示装置等に対して情報を出力するためのインターフェイスである。
通信IF16は、映像情報管理装置10をネットワーク60に接続するためのインターフェイスであって、例えばLAN(Local Area Network)カード等の通信デバイスが接続される。通信部120は、通信IF16によりその機能が実現される。記憶媒体駆動装置17は、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)等の可搬性のメディア18から情報を入出力する装置である。
なお、映像情報管理装置10の各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。また、映像情報管理装置10の各構成要素の処理は、1つのプログラムで実現されてもよいし、複数のプログラムで実現されてもよい。
また、医療機関端末装置20、及び再生端末装置30のハードウェア構成は、映像情報管理装置10と同様であるため、説明を省略する。医療機関端末装置20の通信IFには、読取装置40及び撮影装置50が接続される。
図6は、第1の実施形態における医療機関端末装置20による映像オリジナルファイル取得処理の一例を示すフローチャートである。本処理は、例えば医療機関端末装置20が起動した時に開始される。
まず、撮影部211が撮影装置50を用いて撮影を開始する(ステップS101)。
次に、タグ読取部212が医師用カードを検知する(ステップS102)。タグ読取部212は、定期的に通信可能範囲に電波を送信しており、医師用カードを有する医師が読取装置40の通信可能範囲に近づくと、タグ読取部212は医師用カードに含まれるICタグのタグ情報を読み取る。
次に、タグ読取部212は、読み取った医師用カードのタグ情報を映像情報管理装置10に送信する(ステップS103)。なお、タグ読取部212は、電波への応答として受信したタグ情報を、例えば受信の都度映像情報管理装置10に送信している。
次に、タグ読取部212は、患者用カードを検知する(ステップS104)。患者用カードを有する患者が読取装置40の通信可能範囲に近づくと、タグ読取部212は患者用カードに含まれるICタグのタグ情報を読み取る。
次に、タグ読取部212は、読み取った患者用カードのタグ情報を映像情報管理装置10に送信する(ステップS105)。なお、ステップS102からステップS103において行われる処理と、ステップS104からステップS105において行われる処理とは、順序を問わない。
また、前述したように、医師用カードと患者用カードとが読み取られた場合に、これらのカードが有するICタグの中間地点を自動追尾するよう撮影部211が撮影装置50を制御してもよい。その場合、撮影部211は、属性が「患者」であるICタグと、属性が「医師」であるICタグとの中間地点を例えば定期的に特定し、撮影装置50に通知して自動追尾させる。
次に、表示制御部213は、カルテを表示する(ステップS106)。表示制御部213は、タグ読取部212が読み取ったタグ情報の属性を参照し、「医師」の属性を有するタグ情報と、「患者」の属性を有するタグ情報が読み取られたと判定すると、「患者」の属性を有するタグ情報のタグ識別子を参照する。表示制御部213は、該タグ識別子を用いて、記憶部220から患者の電子カルテを特定し、出力部を介して電子カルテを表示させる。
図10は、カルテ表示画面230の一例を示す図である。カルテ表示画面230は、医師識別子表示領域231と、患者識別子表示領域232と、電子カルテ表示領域233と、を含む。医師識別子表示領域231は、診察を行っている医師を特定する識別情報を表示する領域である。表示制御部213は、タグ読取部212により読み取られたタグ情報のうち、属性が「医師」であるタグ情報のタグ識別子を、医師識別子表示領域231に表示させる。
患者識別子表示領域232は、診察を受ける患者を特定する識別情報を表示する領域である。表示制御部213は、タグ読取部212により読み取られたタグ情報のうち、属性が「患者」であるタグ情報のタグ識別子を、患者識別子表示領域232に表示させる。
電子カルテ表示領域233は、診察対象である患者の電子カルテを表示する領域である。表示制御部213は、患者識別子表示領域232に表示する患者の識別情報と関連付けられた電子カルテを記憶部220から特定し、電子カルテ表示領域233に表示させる。
説明を図6に戻す。次に、タグ読取部212は、患者用カードの読み取りを終了する(ステップS107)。患者が通信可能範囲から退出すると、タグ読取部212は患者用カードを検知しなくなる。
次に、タグ読取部212は、患者用カードの非検知を映像情報管理装置10に送信する(ステップS108)。タグ読取部212は、定期的に送信している電波への応答として受信したタグ情報を、例えば受信の都度映像情報管理装置10に送信するが、患者用カードが読み取られなくなった場合には、読み取っているタグ情報(現時点では医師用カードのタグ情報)のみを映像情報管理装置10に送信する。
次に、表示制御部213はカルテ情報を映像情報管理装置10に送信する(ステップS109)。表示制御部213は、タグ読取部212により属性が「患者」であるタグ情報が読み取られなくなると、表示しているカルテ情報を記憶部220に記憶させる。また、表示制御部213は、カルテ情報を映像情報管理装置10に対して送信する。
なお、カルテ情報の記憶及び送信は、医療機関端末装置20への操作に基づいて行われてもよい。例えば医療機関端末装置20の制御部210は、カルテ情報の保存指令の操作を受け付けると、カルテ情報を記憶部220に記憶させ、映像情報管理装置10に対して送信する。
本ステップの処理の後、他の患者が診察室に入った場合には、ステップS104からステップS109までの処理が繰り返される。
次に、医療機関端末装置20の制御部210は、当該医療機関端末装置20の電源切断指示を受け付ける(ステップS110)。制御部210は、例えば診察時間が終了する際に、操作者の操作による電源切断指示を受け付ける。
次に、撮影部211は、撮影装置50を用いた撮影を終了する(ステップS111)。撮影が終了されると、撮影部211は撮影装置50から映像オリジナルファイルを取得する。
次に、撮影部211は、取得した映像オリジナルファイルを映像情報管理装置10に送信する(ステップS112)。なお、映像オリジナルファイルを受信した映像情報管理装置10では、受信した映像オリジナルファイルが記憶部150に記憶される。その後、医療機関端末装置20の制御部210は、医療機関端末装置20の電源を切断し、本フローチャートの処理を終了する。
なお、ステップS103、ステップS105、及びステップS108において行われるタグ情報の送信は、本フローチャートに示す順序に従って映像情報管理装置10に送信されるものでなくともよい。例えば、ステップS112に示す映像オリジナルファイルの送信後に送信されるものであってもよい。
また、ステップS112に示す映像オリジナルファイルの送信についても、本順序に限定されない。例えば、ステップS101において撮影が開始された後に、撮影した分の映像オリジナルファイルを順次映像情報管理装置10に送信してもよい。
本実施形態により、医療機関端末装置20を操作する医師は、患者を特定する情報を入力せずとも診察対象である患者の電子カルテを閲覧することができる。
図7は、第1の実施形態における映像オリジナルファイル加工処理の一例を示すフローチャートである。映像情報管理装置10は、医療機関端末装置20から受信した映像オリジナルファイルを加工し、編集映像を生成する。なお、本処理開始前に、映像情報管理装置10の映像取得部111は、医療機関端末装置20から取得した映像オリジナルファイルを記憶部150に記憶させている。また、タグ情報取得部112は、医療機関端末装置20から送信されたタグ情報を取得し、読取情報154を生成して記憶部150に記憶させている。映像情報管理装置10は、例えば定期的に本フローチャートの処理を実行する。
まず、映像編集部114は、映像オリジナルファイルを特定する(ステップS201)。映像編集部114は、記憶部150に記憶されている映像オリジナルファイル151から、加工対象となる任意の映像オリジナルファイルを特定する。前述したように、映像オリジナルファイルには、映像オリジナルファイルを撮影装置50から取得した医療機関端末装置20を特定する医療機関端末装置識別子と、撮影を開始した日時と、が関連付けられている。
次に、映像編集部114は、特定した映像オリジナルファイルの撮影日に読み取られた読取情報154を抽出する(ステップS202)。映像編集部114は、ステップS201で特定された映像オリジナルファイルの撮影日時及び医療機関端末装置識別子を用いて読取情報154を参照し、対応する読取日時154d及び医療機関端末装置識別子154eを含む読取情報154のレコードを抽出する。
次に、映像編集部114は、属性の異なる複数のタグ情報が読み取られている期間を抽出する(ステップS203)。映像編集部114は、ステップS202で抽出した読取情報154のレコードのうち、読取日時154dが同時であってタグ属性154cが異なる複数のレコードの組み合わせを抽出する。なお、読取日時154dが同時であるとは、一般的に許容しうる時間差(例えば5秒以内)を有する場合を含む。
映像編集部114は、抽出した組み合わせのうち、タグ属性154cが「患者」であるタグ情報が読み取られている期間をさらに抽出する。映像編集部114は、抽出した組み合わせに基づいて、異なる属性のうち「患者」の属性を含むタグ情報が読み取られている1又は複数の期間を抽出する。
次に、映像編集部114は、抽出した期間のうち1つを特定する(ステップS204)。
次に、制御部110は、編集映像を生成する(ステップS205)。本ステップにおける処理は後に詳述する。本ステップの処理の結果、ステップS201において特定した映像オリジナルファイルから編集映像が生成される。
次に、映像編集部114は、ステップS204で抽出した期間をすべて特定したか否かを判定する(ステップS206)。
映像編集部114が、抽出した期間をすべて特定していないと判定する場合(ステップS206で「NO」の場合)、映像編集部114は、また特定していない他の期間を特定する(ステップS207)。その後、映像編集部114はステップS205以降の処理を行う。
映像編集部114が、抽出した期間をすべて特定したと判定する場合(ステップS206で「YES」の場合)、映像編集部114は、ステップS201で特定した映像オリジナルファイルを削除する(ステップS208)。なお、先述したように、映像編集部114は、ステップS201で特定した映像オリジナルファイルを削除する代わりに、編集映像とは異なる圧縮率で映像オリジナルファイルを圧縮し、記憶部150の図示しない領域に記憶させるものであってもよい。その後、映像情報管理装置10の制御部110は本フローチャートの処理を終了する。
図8は、第1の実施形態における編集映像生成処理の一例を示すフローチャートである。本フローチャートは、図7のステップS205で行われる編集映像の生成処理をより詳細に説明するものである。
まず、対面判定部113は、特定した期間が開始された時刻を開始時刻として特定する(ステップS2051)。対面判定部113は、図7に示すステップS204で特定した期間が開始される時刻を、開始時刻として特定する。換言すれば、対面判定部113は、属性の異なる複数のタグ情報が読み取られ始めたタイミング、つまり属性の異なる複数のカードが所定距離以下となったタイミングを、開始時刻として特定する。
次に、対面判定部113は、特定した期間が終了する時刻を終了時刻として特定する(ステップS2052)。対面判定部113は、ステップS204で特定した期間が終了する時刻を、終了時刻として特定する。換言すれば、対面判定部113は、開始時刻以降、タグ属性の異なる複数のタグ情報の少なくとも1つが非検知となったタイミング、つまり属性の異なる複数のカードの距離が上記の所定距離を超える距離となったタイミングを、対面状況を解消したタイミングすなわち終了時刻として特定する。
次に、映像編集部114は、開始時刻と終了時刻とを用いて映像オリジナルファイルから切り出して、編集映像を生成する(ステップS2053)。具体的には、映像編集部114は、映像オリジナルファイルと関連付けられている該映像オリジナルファイルの撮影開始日時と、ステップS2501及びステップS2052で特定した開始時刻及び終了時刻とを用いて、編集映像の切り出し位置を特定する。映像編集部114は、開始時刻から終了時刻までの時刻帯における映像を映像オリジナルファイルから切り出し、編集映像153として記憶部150に記憶させる。
次に、カルテ情報取得部115は、患者のタグ識別子を用いてカルテ情報を取得する(ステップS2054)。具体的には、カルテ情報取得部115は、ステップS204で特定した期間を読取日時154dとし、「患者」のタグ属性154cを有し、ステップS201で特定された映像オリジナルファイルと関連付けられた医療機関端末装置識別子を医療機関端末装置識別子154eに有する読取情報154のレコードを特定する。カルテ情報取得部115は、特定した読取情報154のレコードに含まれるタグ識別子154bと読取日時154dとを特定する。
カルテ情報取得部115は、特定した読取時刻とタグ識別子とを用いて、医療機関端末装置20に対してカルテ情報を要求する。医療機関端末装置20の制御部210は、記憶部220を参照し、該読取時刻と対応する時刻に生成されたカルテ情報のうち、要求された患者のカルテ情報を特定し、映像情報管理装置10に送信する。カルテ情報取得部115は、取得したカルテ情報をカルテ情報152として記憶部150に記憶させる。
なお、医療機関端末装置20の制御部210は、カルテ情報の生成の都度、映像情報管理装置10にカルテ情報を送信してもよい。その場合には、カルテ情報取得部115は、受信したカルテ情報を記憶部150に記憶させる。また、カルテ情報取得部115は、編集映像を生成した後、記憶部150に記憶されたカルテ情報から編集映像に係る患者について生成されたカルテ情報を特定する。
次に、映像編集部114は、録画録音個別情報155を生成する(ステップS2055)。映像編集部114は、ステップS2051で特定した開始時刻を開始時刻155bに、ステップS2052で特定した終了時刻を終了時刻155cに、ステップS201で特定した映像オリジナルファイルを特定する識別情報を映像オリジナルファイル識別子155dに、ステップS2054で取得したカルテ情報を特定する識別情報をカルテ情報識別子155eに、編集映像の生成に用いたタグ情報を読み取った読取装置40を識別する識別情報を読取装置識別子155fに、各々関連付けて録画録音個別情報155を生成し、編集映像識別子155aを付与して記憶部150に記憶させる。
その後、映像情報管理装置10の制御部110は、処理を図7に示すステップS206に進める。
本実施形態では、医療機関端末装置20とは別の映像情報管理装置10の処理により、患者ごとの診察状況を記録した編集映像が得られる。編集映像の取得は操作を介さずに行われるため、操作者の恣意により編集が行われることを予防しうる。また、患者ごとの診察映像を得るために操作を必要としないため、効率的である。
また、必要な部分の映像を編集映像として切り取り、他の部分を削除又は圧縮して保存するため、診察開始時刻から診察終了時刻まで継続する映像情報を保存する場合に比べ、必要とする記憶容量を削減することができる。
図9は、第1の実施形態における編集映像表示処理の一例を示すシーケンス図である。再生端末装置30において、編集映像要求画面の表示指示の入力を受け付けた場合に、本シーケンスが開始される。
まず、再生端末装置30の表示制御部312は、編集映像要求画面を表示する(ステップS301)。
図11は、第1の実施形態における編集映像要求画面240及び編集映像表示画面250の一例を示す図である。図11(a)は、編集映像要求画面240の一例を示す。編集映像要求画面240は、患者識別子入力領域241と、撮影日入力領域242と、を含む。
患者識別子入力領域241は、患者を特定する識別情報の入力を受け付ける領域である。撮影日入力領域242は、患者の診察を行った日付の入力を受け付ける領域である。
説明を図9に戻す。次に、映像要求部311は、患者の識別情報と、撮影日との入力を受け付ける(ステップS302)。映像要求部311は、患者識別子入力領域241に入力された患者の識別情報と、撮影日入力領域242に入力された撮影日と、を取得して編集映像の要求情報を生成し、映像情報管理装置10に送信する。
次に、映像情報管理装置10の映像編集部114は、録画録音個別情報155を参照して編集映像識別子を特定する(ステップS303)。映像編集部114は、編集映像の要求情報に含まれる患者の識別情報と、撮影日と、を用いて録画録音個別情報155を参照し、対応する編集映像識別子155aを特定する。
次に、映像編集部114は、特定した編集映像識別子で識別される編集映像を再生端末装置30に送信する(ステップS304)。
次に、再生端末装置30の表示制御部312は、編集映像を表示する(ステップS305)。その後、映像情報管理装置10の制御部110、及び再生端末装置30の制御部310は、本シーケンスを終了する。
説明を図11に戻す。図11(b)は、編集映像表示画面250の一例である。表示制御部312は、編集映像表示画面250の編集映像表示領域251に、映像情報管理装置10から受信した編集映像を表示させる。
以上が、第1の実施形態における編集映像表示処理である。本実施形態により、患者ごとに編集された編集映像を容易に表示させることができる。なお、再生端末装置30を医療機関外部に設ければ、医療機関と利害が対立する患者においても容易に編集映像を参照することができ、公平性が担保される。換言すれば、当事者の一方が優位な状況で撮影された映像についても、優位な当事者の恣意によらずに当事者毎に映像を得ることができ、優位でない当事者においても得られた映像を公平に取得し得る。
なお、本実施形態では、編集映像の生成に用いるタグ情報を読み取った読取装置40と、カルテ情報の表示に用いる読取装置40とは、共通するものとして説明を行った。しかしながら、各々の読取装置40は異なるものであってもよい。その場合、記憶部220の図示しない領域に、読取装置40を特定する情報と、「編集映像の生成」又は「カルテ情報の表示」等の読取装置40の用途を示す情報とを関連付けて記憶させる。
図6に示す映像オリジナルファイル取得処理において、医療機関端末装置20の表示制御部213は、「カルテ情報の表示」の用途と関連付けられた読取装置40に、属性が「患者」であるタグ情報が読み取られた場合に、カルテ情報を表示する(ステップS106)。また、図8に示す編集映像生成処理において、対面判定部113は、「編集映像の生成」の用途と関連付けられた読取装置40に読み取られたレコードを読取情報154から抽出することにより、編集映像の生成対象となる時刻帯を特定する。
これにより、電子カルテの表示タイミングと、編集映像の開始タイミングとを異ならせることができる。例えば、電子カルテの表示タイミングを、編集映像の開始タイミングよりも早くなるよう読取装置40を定義付けることで、医師は編集映像の開始時刻よりも早く電子カルテを閲覧することができる。なお、また、カルテ表示画面230が映像オリジナルファイルに映るように撮影装置50を設置すれば、カルテ表示画面230を確実に編集映像に写り込ませることができる。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態における映像情報管理システム1について説明する。本実施形態では、医師及び患者がGPSモジュールを有しており、映像情報管理装置10はGPSモジュールを用いて取得される位置情報に基づいて編集映像の生成を行う。なお、医者及び患者はGPSモジュールの他にICタグを含むカードも有しており、カードが読み取られると医療機関端末装置20に電子カルテが表示される。以下、上述の実施形態と異なる点について説明する。
図12は、第2の実施形態における映像情報管理システム1の機能構成の一例を示すブロック図である。本実施形態における映像情報管理装置10の制御部110は、位置情報取得部116を備える。また、映像情報管理装置10の記憶部150は、位置関連情報156を記憶する。
位置情報取得部116は、医療機関端末装置20がGPSモジュールから受信した位置情報を取得する。記憶部150には、医師又は患者が有するGPSモジュールを特定する情報と、医師又は患者が有するカードに含まれるICタグのタグ情報とが予め関連付けられている。位置情報取得部116は、GPSモジュールを特定する情報に少なくとも位置情報を関連付けた位置関連情報156を生成し、記憶部150に記憶させる。なお、GPSモジュールは、位置情報を捕捉可能な機器であるといえる。
位置関連情報156は、GPSモジュールを特定する情報と、該GPSモジュールを有する者が有するICタグのタグ情報と、GPSモジュールの位置情報とを関連付けた情報である。
医療機関端末装置20の制御部210は、位置情報受信部214を備える。位置情報受信部214は、GPSモジュールからBluetooth(登録商標)等の通信回線を介して位置情報を受信する。位置情報受信部214は、受信した位置情報を映像情報管理装置10に送信する。
なお、映像情報管理装置10の位置情報取得部116は、医療機関端末装置20を介さずに直接GPSモジュールから位置情報を取得してもよい。位置情報取得部116は、GPSロガーとしての機能を有するGPSモジュールにおいて蓄積された位置情報を直接取得する。その場合、医療機関端末装置20は位置情報受信部214を有しないものであってもよい。
図13は、第2の実施形態における位置関連情報156のデータ構造の一例を示す図である。位置関連情報156は、モジュール識別子156aと、タグ識別子156bと、タグ属性156cと、位置情報156dと、取得日時156eと、を含む。
モジュール識別子156aは、GPSモジュールを特定する識別情報である。タグ識別子156bは、モジュール識別子156aにより特定されるGPSモジュールを有する者が有するタグ情報を特定する識別情報である。タグ属性156cは、タグ識別子156bにより特定されるICタグを有する者の属性を示す情報である。
位置情報156dは、モジュール識別子156aにより特定されるGPSモジュールの位置を示す情報である。取得日時156eは、モジュール識別子156aにより特定されるGPSモジュールが、位置情報156dにより特定される位置にいるものとしてGPSモジュールから出力された日時を示す情報である。
図14は、第2の実施形態における映像オリジナルファイル加工処理の一例を示すフローチャートである。本処理開始前に、医療機関端末装置20はGPSモジュールとタグ情報との入力を受け付け、医者又は患者ごとにモジュール識別子とタグ識別子とを関連付けて映像情報端末装置に送信している。また、映像情報管理装置10の位置情報取得部116は、医療機関端末装置20からGPSモジュールの位置情報を受信し、位置関連情報156を生成している。映像取得部111が本処理開始前に映像オリジナルファイルを記憶部150に記憶させている点は、上述の実施形態と同様である。映像情報管理装置10は、例えば定期的に本フローチャートの処理を実行する。
ステップS401及びステップS402において行われる処理は、図7に示すステップS201及びステップS202において行われる処理と同様であるため、説明を省略する。
次に、映像編集部114は、読取情報154に含まれるタグ情報を抽出する(ステップS403)。映像編集部114は、ステップS402で抽出した読取情報154に含まれるタグ識別子154bを抽出する。
次に、映像編集部114は、映像オリジナルファイルの撮影日及び抽出したタグ情報と対応する位置情報を抽出する(ステップS404)。映像編集部114は、映像オリジナルファイルの撮影日と取得日時156eが対応し、かつステップS403で抽出したタグ識別子をタグ識別子156bに含む位置関連情報156を抽出する。
次に、対面判定部113は、取得日時が同時であって、属性の異なる複数の位置関連情報156間の距離を特定する(ステップS405)。上述の実施形態と同様に、取得日時が同時であるとは、一般的に許容しうる時間差(例えば5秒)を有する場合を含む。対面判定部113は、ステップS404で抽出した位置関連情報156を参照し、取得日時156eが同時であって、かつタグ属性156cが異なる複数のレコードの組み合わせを抽出する。対面判定部113は、抽出した位置関連情報156の組み合わせの位置情報156dを参照し、各々の組み合わせに対して位置情報間の距離を特定する。
次に、対面判定部113は、距離が所定距離以下となる期間を抽出する(ステップS406)。対面判定部113は、ステップS405で特定した距離が所定距離以下である位置情報156dの組み合わせを抽出する。対面判定部113は、抽出した組み合わせに基づいて、異なるタグ属性156cと関連付けられた複数のGPSモジュール間の距離が所定距離以下となる1又は複数の期間を抽出する。
ステップS407からステップS411において行われる処理は、ステップS204からステップS208において行われる処理と同様であるため、説明を省略する。
なお、ステップS408において、図8に示す編集映像生成処理が行われる。この際、対面判定部113は、図14に示すステップS407で特定した期間が開始された時刻を開始時刻とする(ステップS2051)。換言すれば、対面判定部113は、複数のGPSモジュールの間隔が所定距離以下となったタイミングを、開始時刻として特定する。
また、対面判定部113は、ステップS407で特定した期間が終了する時刻を終了時刻として特定する(ステップS2052)。換言すれば、対面判定部113は、複数のGPSモジュールの間隔が所定距離以下となった後、該所定距離を上回る距離となったタイミングを、終了時刻として特定する。
本実施形態によれば、医師及び患者の位置に基づいて、適切に編集映像を得ることができる。また、カルテ情報の表示にはタグ情報を用い、編集映像の生成にはGPSモジュールを用いるため、カルテ情報の表示と編集映像の開始及び終了時刻との間に時間差を設けることができる。例えば診察室の扉付近に読取装置40を設ければ、編集映像の開始前からカルテ情報を表示させることが可能である。
以上、本発明に係る各実施形態及び変形例の説明を行ってきたが、本発明は、上記した実施形態の一例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態の一例は、本発明を分かり易くするために詳細に説明したものであり、本発明は、ここで説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ある実施形態の一例の構成の一部を他の一例の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施形態の一例の構成に他の一例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の一例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることもできる。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、図中の制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、全てを示しているとは限らない。ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
例えば、上述の第1の実施形態及び第2の実施形態は、医療機関において映像情報管理システム1が用いられる例を説明した。しかしながら、映像情報管理システム1が利用可能な場所は医療機関に限定されない。
また、上記の映像情報管理装置10、医療機関端末装置20、及び再生端末装置30の機能構成は、理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。構成要素の分類の仕方や名称によって、本願発明が制限されることはない。上述の通り、映像情報管理装置10、医療機関端末装置20、及び再生端末装置30の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。