JP2017077589A - チャック - Google Patents
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Abstract
Description
このようなチャックにおいては、長期の使用につれてガイド溝の内面やスライダの外面が摩耗すると、スライダとガイド溝との間でがたつきが生じてチャック爪によるクランプ精度の低下に繋がる。そこで、特許文献1には、ガイド溝とスライダとの間に、ライナを介在させて、摩耗したライナを交換することでスライダとガイド溝との間のがたつきをなくし、チャック爪によるクランプ精度を維持する発明が開示されている。
各ライナにおけるスペース内に位置する部位には、被係止部が形成される一方、チャック本体には、各ライナとの直交方向でチャック本体内にねじ込まれ、ライナの被係止部にそれぞれ係止するネジ部材が設けられることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、スペース及びライナは、チャック本体の軸線回り方向でスライダを挟む両側位置と、チャック本体の軸線方向でスライダを挟む両側位置との4箇所に設けられることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、差込収納状態で露出するライナの端面に、抜き取り用ネジ孔を設けたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかの構成において、ライナに、誤挿入防止用の表示を付したことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかの構成において、各ライナにおけるスライダとの当接面に、油溝を設けたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、スライダの摺動部位をライナによって確実にカバーすることができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、ライナを交換等する際に、抜き取り用ネジ孔に工具をねじ込めば、工具を介して速やかにライナを外すことができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の何れかの効果に加えて、ライナの摩耗程度を確認するために全てのライナを取り外した際、誤挿入防止用の表示によって同じ場所にライナを戻すことができる。すなわち、各ライナの摩耗程度が異なっているため、同じ場所にライナを戻さなければライナによってスライダががたつき、チャックの破損やクランプ精度に影響を与えることになるが、ここでは誤挿入防止用の表示によって同じ場所にライナを戻すことができるため、ライナの取り外しによってスライダのがたつきを招くおそれがない。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の何れかの効果に加えて、ライナの油溝に入れたグリスによってチャック半径方向に移動するスライダやライナの早期摩耗が防止され、ライナの交換頻度が減少する。
図1は、チャックの一例を示す正面図、図2はそのA−A断面図である。このチャック1は、工作機械として例示する旋盤等の図示しない主軸に組み付けられる正面視円形状のチャック本体2を有している。チャック本体2の軸心には、軸孔3が前後方向(図2の右側を前方とする。)に形成されて、軸孔3内に、ドロー部材としてのドローチューブ4が設けられている。このドローチューブ4は、主軸に設けた駆動機構によって進退動する図示しない入力部材にドロースクリュー5によって固定されて、入力部材と一体に進退動するもので、中間部に設けたフランジ6には、チャック本体2に固定されてドローチューブ4の進退動をガイドするガイドピン7が貫通している。ドロースクリュー5の前方で軸孔3内には、軸方向に長いワークWを受け入れて前後方向に位置決めする有底筒8が、ホルダ9によって保持されている。
このとき、摩耗したライナ24に係止する係止ボルト28が収容される収容孔29において、差込孔31から工具等を差し込んで係止ボルト28を緩めると、係止ボルト28をライナ24から後退させて切欠き27への係止を解除することができる。よって、当該ライナ24を折曲片25を介してライナ用スペース23から引き抜くことができる。そして、新しいライナ24を同じ向きでライナ用スペース23に差し込んだ後、係止ボルト28をネジ孔30にねじ込むと、再び係止ボルト28の先端が切欠き27に係止してライナ24を抜け止めする。このように係止ボルト28の単純なネジ送り操作でライナ24の係止及びその解除が行える。係止ボルト28は常にネジ孔30に螺合した状態を維持されるため、緩めた状態でも収容孔29から落下することはない。
また、各ライナ24における突条部22との当接面に、油溝24aが設けられているので、油溝24aに入れたグリスによってチャック半径方向に移動するマスタジョー14の突条部22やライナ24の早期摩耗が防止され、ライナ24の交換頻度が減少する。
また、上記形態では、係止ボルトをチャック本体の軸線と直交する面上で、且つ各ライナとの直交方向でチャック本体にねじ込んでいるが、例えば係止ボルトをチャック本体の前面側からねじ込むことでチャック前面側にあるライナは係止できるため、全てのネジ部材がチャック本体の軸線と直交する面上にある必要はない。
さらに、上記形態では、幅広部のコーナー部にそれぞれ単独でライナを差込収納しているが、例えばマスタジョーの左右において、突条部の前後に位置する2つのライナを一体に形成してコ字状のライナを一対設けるようにしてもよい。この場合、係止ピンは前後何れかを省略して1本にしたり、コ字状のライナの中間部に係止する1本としたりすることができる。また、突条部の後側に位置する左右のライナを一体に形成することも可能である。
図5はその一例を示すもので、ここでは各ライナ24において、差込収納状態で露出する端面に、抜き取り用ネジ孔33と、誤挿入防止用の表示としての刻印34,34・・(前側の左右を示す「1F1」「1F2」と、後側の左右を示す「1R1」「1R2」、頭の数字は複数あるガイド溝12を区別するためである。)とがそれぞれ設けられている。また、チャック本体2の周面にも、各ライナ用スペース23に隣接して刻印34との対応位置を示す同じ文字の刻印35,35・・が設けられている。
このように抜き取り用ネジ孔33を設けたことで、ライナ24を交換等する際に、抜き取り用ネジ孔33に工具をねじ込めば、工具を介して速やかにライナ24を外すことができる。
但し、誤挿入防止用の表示としては刻印に限らず、色分け塗装やシール等も採用でき、具体的な表示も文字以外に記号等も採用できる。また、ライナの数等によってはチャック本体側の表示は省略して差し支えない。
Claims (5)
- 軸心にドロー部材を進退動可能に設けたチャック本体と、
前記チャック本体の軸線と直交する面上で放射方向に設けられた複数のガイド溝と、
各前記ガイド溝内に収容されてチャック爪が取り付けられ、前記ドロー部材の進退動に連動して前記ガイド溝内で同調して放射方向へスライドするスライダと、
前記チャック本体の軸線方向で各前記ガイド溝と前記スライダとの間に形成した放射方向のスペースにそれぞれ差込収納されるライナと、を含んでなるチャックであって、
各前記ライナにおける前記スペース内に位置する部位には、被係止部が形成される一方、
前記チャック本体には、各前記ライナとの直交方向で前記チャック本体内にねじ込まれ、前記ライナの前記被係止部にそれぞれ係止するネジ部材が設けられることを特徴とするチャック。 - 前記スペース及び前記ライナは、前記チャック本体の軸線回り方向で前記スライダを挟む両側位置と、前記チャック本体の軸線方向で前記スライダを挟む両側位置との4箇所に設けられることを特徴とする請求項1に記載のチャック。
- 差込収納状態で露出する前記ライナの端面に、抜き取り用ネジ孔を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のチャック。
- 前記ライナに、誤挿入防止用の表示を付したことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のチャック。
- 各前記ライナにおける前記スライダとの当接面に、油溝を設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のチャック。
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- 2015-10-19 JP JP2015205785A patent/JP6519438B2/ja active Active
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