JP2017077190A - コンバイン - Google Patents

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里路 久幸
Hisayuki Satoji
久幸 里路
淳 水島
Atsushi Mizushima
淳 水島
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Abstract

【課題】スクレーパの動力ユニットへのアクセス性を向上させること。
【解決手段】コンバイン1は、脱穀装置5と、スクレーパ61と、第1の伝達部PTと、駆動部63と、第2の伝達部62とを備える。脱穀装置5は、扱胴10からの脱穀処理物を所定の移送方向(移送方向M)へ移送しつつ選別するシーブ(前側第1シーブ15)を内蔵する。スクレーパ61は、移送方向Mと交差する方向へ揺動可能に設けられ、シーブ(前側第1シーブ15)に付着した付着物を除去する。第1の伝達部PTは、脱穀装置5の移送方向Mと交差する方向における一方の外側部に配置され、エンジンからの動力を脱穀装置5へ伝達する。駆動部63は、脱穀装置5の移送方向Mと交差する方向における他方の外側部に配置され、スクレーパ61へ動力を供給する。第2の伝達部62は、駆動部63からの動力をスクレーパ61へ伝達する。
【選択図】図4

Description

本発明は、コンバインに関する。
従来、稲や麦などの穀稈を収穫するいわゆる自脱式コンバインが知られている。このようなコンバインとしては、たとえば、脱穀装置において穀粒と異物とを選別するシーブに付着した藁屑などを掻き取るスクレーパを有するものがある(たとえば、特許文献1参照)。
特開2011−244727号公報
しかしながら、従来のコンバインでは、スクレーパを駆動する駆動ユニットが、エンジンから脱穀装置へ動力を伝達する伝達部と互いに近接させて配置されていた。このため、従来のコンバインでは、スクレーパの駆動ユニットが上記の伝達部と混在しており、スクレーパの駆動ユニットへのアクセスが容易であるとは言えなかった。したがって、従来のコンバインには、スクレーパの動力ユニットのアクセス性を向上させるうえで更なる改善の余地があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、スクレーパの動力ユニットへのアクセス性を向上させることができるコンバインを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載のコンバインは、扱胴10からの脱穀処理物を所定の移送方向(移送方向M)へ移送しつつ選別するシーブ(前側第1シーブ15)を内蔵する脱穀装置5と、前記移送方向Mと交差する方向へ揺動可能に設けられ、前記シーブ(前側第1シーブ15)に付着した付着物を除去するスクレーパ61と、前記脱穀装置5の前記移送方向Mと交差する方向における一方の外側部に配置され、エンジンからの動力を前記脱穀装置5へ伝達する第1の伝達部PTと、前記脱穀装置5の前記移送方向Mと交差する方向における他方の外側部に配置され、前記スクレーパ61へ動力を供給する駆動部63と、前記駆動部63からの動力を前記スクレーパ61へ伝達する第2の伝達部62とを備えることを特徴とする。
請求項2に記載のコンバインは、請求項1に記載のコンバインにおいて、前記脱穀装置5は、前記移送方向Mと交差する方向の前記他方側へ向けて張り出した張出部(二番処理室5P)を有し、前記駆動部63は、前記張出部(二番処理室5P)の下方に配置されることを特徴とする。
請求項3に記載のコンバインは、請求項1または2に記載のコンバインにおいて、前記第2の伝達部62は、それぞれの押し引き動作を介して前記スクレーパ61へ前記駆動部63からの動力を伝達する一対のワイヤ62aを備え、前記一対のワイヤ62aは、前記移送方向Mの上流側へ向けて前記駆動部63側から延伸し、屈曲部を経て前記移送方向Mの下流側に配置された前記スクレーパ61へ向けて配設されることを特徴とする。
請求項4に記載のコンバインは、請求項3に記載のコンバインにおいて、前記第2の伝達部62は、前記駆動部63の駆動軸の回転運動を直線方向の往復運動へ変換する第1の変換部63bと、前記第1の変換部63bに連結されて前記直線方向の往復運動を行う連結板62dと、一端を前記連結板62dに連結されるとともに第1の回転軸まわりに回転可能に設けられ、前記連結板62dの往復運動に連動して前記第1の回転軸まわりに揺動する第1の揺動アーム62bと、第2の回転軸まわりに回転可能に設けられ、前記スクレーパ61に連結された第2の揺動アーム62cと、前記第2の揺動アーム62cの揺動運動を前記スクレーパ61の前記移送方向Mと交差する方向の揺動運動へ変換する第2の変換部(ピン61c、溝621)とを備え、前記一対のワイヤ62aは、前記第1および第2の回転軸を挟んで配置され、前記第1および第2の揺動アーム62b、62cとともに回転リンク機構を形成し、前記第1の揺動アーム62bの揺動運動に連動して前記一対のワイヤ62aのそれぞれが前記第2の揺動アーム62cを交互に引っ張ることによって前記第2の揺動アーム62cを前記第2の回転軸まわりに揺動させることを特徴とする。
請求項5に記載のコンバインは、請求項4に記載のコンバインにおいて、前記駆動部63、前記第1の揺動アーム62bおよび前記一対のワイヤ62aは、前記移送方向Mの上流側へ向けて前記駆動部63、前記第1の揺動アーム62b、前記一対のワイヤ62aの順で配置されることを特徴とする。
請求項6に記載のコンバインは、請求項5に記載のコンバインにおいて、前記駆動部63および前記第1の揺動アーム62bを支持しつつ前記脱穀装置5に外部から着脱可能に取り付けられる基部64をさらに備えることを特徴とする。
請求項1に記載のコンバインによれば、スクレーパの駆動ユニット(すなわち駆動部および第2の伝達部)を、脱穀処理物の移送方向と交差する方向において、エンジンから脱穀装置へ動力を伝達する第1の伝達部と分離させて配置することが可能となる。これにより、上記のスクレーパの駆動ユニットのアクセス性を向上させることができる。
請求項2に記載のコンバインによれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、上記のスクレーパの駆動ユニットを張出部の下方のデッドスペースに配置することが可能となる。したがって、機体のスペース効率を向上させることができる。また、上記のスクレーパの駆動ユニットの上方が張出部に覆われるため、落下物や雨滴、塵埃などからスクレーパの駆動ユニットを保護することができる。
請求項3に記載のコンバインによれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、第1の揺動アームからの配索方向を揃えることができるので、一対のワイヤの配索経路を短縮化することが可能となる。したがって、第2の伝達部をコンパクト化することができる。また、一対のワイヤの屈曲部の数を少なくすることによって、一対のワイヤの耐久性を向上させることができる。
請求項4に記載のコンバインによれば、請求項3に記載の発明の効果に加えて、第2の伝達部が回転リンク機構を形成するので、簡易な構成で第2の伝達部を構成することができる。
請求項5に記載のコンバインによれば、請求項4に記載の発明の効果に加えて、駆動部、第1の揺動アームおよび一対のワイヤが動力の伝達方向に沿ってこの順で配置されるため、上流側(先側)へ向かうにつれて軽量となって構造的にも好ましく、また、スクレーパの駆動ユニットをコンパクト化することができる。
請求項6に記載のコンバインによれば、請求項5に記載の発明の効果に加えて、駆動部および第1の揺動アームが基部に支持されるので、スクレーパの駆動ユニットの着脱を容易化することができる。したがって、スクレーパの駆動ユニットのメンテナンス性を向上させることができる。
図1は、本実施形態に係るコンバインの概略左側面図である。 図2は、脱穀装置の内部構造の説明図である。 図3は、脱穀装置の概略平面図である。 図4は、脱穀装置が有する脱穀部を示す概略平面図である。 図5は、脱穀装置が有する選別部を示す概略平面図である。 図6は、図3におけるA−A矢視図である。 図7は、図3におけるB−B矢視図である。 図8は、図3におけるC−C矢視図である。 図9は、図3におけるD−D矢視図である。 図10は、選別部が有するそれぞれのフィンの間隔を示す図である。 図11は、後側シーブの傾斜変更機構を示す図である。 図12は、清掃装置が有する伝達部の動作説明図である。 図13は、清掃装置の要部を示す概略左側面図である。 図14は、選別棚の要部を示す概略平面図である。 図15は、拡散板の変形例(その1)を示す概略平面図である。 図16は、拡散板の変形例(その2)を示す概略平面図である。 図17は、拡散板の変形例(その3)を示す概略平面図である。 図18は、拡散板の変形例(その4)を示す概略左側面図である。 図19は、拡散板の変形例(その4)の拡大図である。 図20は、拡散板の変形例(その5)の動作説明図である。 図21は、拡散板の変形例(その6)の動作説明図である。 図22は、拡散板の変形例(その7)の動作説明図である。 図23は、拡散板の変形例(その8)の動作説明図である。 図24は、選別棚の変形例を示す概略背面図である。
以下、添付図面を参照して本願の開示するコンバインの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換または変更を行うことができる。
また、以下では、説明の便宜上、図示のように互いに直交する3つの方向をそれぞれ前後方向、左右方向および上下方向とし、この定義に従い各部の構成を説明する。前後方向は、コンバイン1の長さ方向であり、左右方向は幅方向、上下方向は高さ方向である。このうち、前方は、刈り取り作業時におけるコンバイン1の進行方向であり、左方は、前方に向かって左手方向であり、右方は、前方に向かって右手方向であり、下方は、重力が作用する方向である。なお、これらの方向は、説明をわかりやすくするために便宜上定めたものに過ぎない。
<コンバインの全体構成>
コンバイン1は、図1に示すように、機体フレーム2に取り付けられた走行装置3および脱穀装置5を備えている。走行装置3は、コンバイン1に搭載されるエンジンなどの動力発生源からの動力を、左右一対の履帯4に伝えてコンバイン1を走行させる。コンバイン1の前方側、すなわち、運転席8Aから操作装置8Bへ向かう方向側に、刈取装置5Yが取り付けられている。
脱穀装置5の側部には、脱穀装置5が脱穀した穀粒を一時的に貯蔵するためのグレンタンク7が配置されている。グレンタンク7の後側(操作装置8Bから運転席8Aへ向かう方向側)には、穀粒排出装置が設けられている。穀粒排出装置は、筒体の内部に螺旋軸を有した装置である。上記の螺旋軸は、自身が回転することによって、グレンタンク7内の穀粒を搬送し、グレンタンク7の外部へ排出させる。次に、脱穀装置5について説明する。
<脱穀装置>
脱穀装置5は、図1に示す刈取装置5Yが刈り取った穀稈から穀粒を切り離し(脱粒)、藁などの夾雑物と穀粒とを分離する装置である。脱穀装置5は、図2に示すように、グレンタンク7(図1参照)が配置される側とは反対側に配置された穀稈供給装置9を有する。穀稈供給装置9は、挟扼杆9Bと供給搬送チェーン9Cとを有する。穀稈供給装置9は、刈取装置5Yが刈り取った穀稈を挟扼杆9Bと供給搬送チェーン9Cとの間に挟み込み、供給搬送チェーン9Cによって脱穀装置5に搬送しつつ供給する。
脱穀装置5を通過し、穀粒が扱ぎ取られた穀稈(排藁)は、穀稈供給装置9の後方に配置された排藁搬送装置22A、22Bによって、コンバイン1の後部に配置された排藁切断装置23へ搬送される。排藁切断装置23は、複数の回転刃23A、23Bを備える。一対の回転刃23A、23Bは、回転軸方向からみると、一部が重なり合っている。排藁搬送装置22A、22Bから排藁切断装置23に投入された排藁は、回転刃23A、23Bの間で切断され、たとえば、圃場に放出される。
脱穀装置5は、図2に示すように、脱穀部5Aと選別部5Bとを有する。脱穀部5Aは、扱室5Dと、二番処理室5P(図3参照)と、排塵処理室5W(図3参照)とを有する。選別部5Bは、選別棚(揺動選別棚)18と、唐箕13と、排塵排出手段としての排塵ファン24と、一番回収部19と、二番回収部21とを有する。
選別部5Bは、脱穀部5Aの下方に配置されている。脱穀部5Aは、穀稈の穂先部から穀粒を脱粒させる。選別部5Bは、選別部5Bで脱粒された穀粒を含む被処理物(以下、被処理物という)から夾雑物を除去して、穀粒を回収する。ここで、被処理物とは、脱穀装置5の扱胴10が穀稈から脱穀したものに相当する。
<脱穀部>
まず、脱穀部5Aについて説明する。脱穀部5Aの扱室5Dと、二番処理室5Pと、排塵処理室5Wとは、脱穀装置5の筐体5Cで囲まれる空間である。扱室5Dの内部には、扱胴10が配置されている。扱胴10は、円筒形状の構造物であり、外周面から複数の扱歯10Bが径方向外側へ向かって延出している。扱胴10は、図6に示す回転軸Zrを中心に回転する回転体である。なお、本実施形態において、扱胴10の回転方向は図6、図7の矢印R1で示す方向である。扱胴10は、図1に示すコンバイン1の動力発生手段から取り出された動力により駆動されて回転する。
図2に示すように、扱胴10の下方側には、扱網11が配置されている。具体的には、図7に示すように、扱網11は、扱胴10の下方から二番処理室5Pの上方まで、扱胴10の外側を包囲している。扱網11は、扱胴10が脱穀した被処理物に含まれる穀粒寸法の大きい藁屑を取り除き、被処理物に含まれる穀粒および寸法の小さい藁屑などを選別部5Bに落下させる。図7には、扱網11を通過した穀粒(図7の穀粒GP参照)の落下方向の一例を矢印106として模式的に示している。
二番処理室5Pおよび排塵処理室5Wは、脱穀装置5の右方(第1の側部側)に配置される。第1の側部は、後述する選別部5Bの選別棚18が被処理物を移送する方向(移送方向、図2、図3などの矢印Mで示す方向、すなわち前から後へ向かう方向)と交差する方向の一方の側部である。排塵処理室5Wは、二番処理室5Pの後方に配置される。二番処理室5Pは、後方から前方へ向けて被処理物を移送する。
二番処理室5P内には、二番処理胴29が配置され、排塵処理室5W内には排塵処理胴30が配置される。二番処理胴29および排塵処理胴30は、いずれも円筒形状の構造体であり、それぞれの外周面から径方向外側に向かって複数の処理歯が延出している。本実施形態において、二番処理胴29と排塵処理胴30とは一体の構造物であり、両者はともに回転する。
二番処理胴29および排塵処理胴30の回転軸は、扱胴10の回転軸Zrと平行な軸である。二番処理胴29および排塵処理胴30は、扱胴10と同様に、図1に示すコンバイン1の動力発生手段から取り出された動力により駆動されて回転する。
二番処理室5Pには、後述する選別部5Bの二番回収部21で回収された被処理物が移送される。二番回収部21で回収された被処理物は、図3に示す二番還元装置26により二番処理室5Pへ移送される。二番処理室5P内の二番処理胴29は、回転する過程で、二番回収部21で回収された被処理物に含まれる穀粒と穀粒に付着する枝梗(細かい枝)とを分離し、二番処理室5Pの前方に設けられた前排出口5Paから選別棚18(後述する移送棚18T)へ戻す。なお、図7には、前排出口5Paから選別棚18へ落下する穀粒(図7の穀粒GP参照)の落下方向の一例を矢印108として模式的に示している。
図6に示すように、排塵処理室5Wは、一部が扱室5Dの後端部近傍と連通部Tで連通している。扱網11を通過しなかった寸法の大きい藁屑(少量の穀粒を含む)は、連通部Tから排塵処理室5Wへ移動する。排塵処理室5Wへ移動する被処理物は、排塵処理室5Wの後部において受け網5R(図2参照)上へ排出される。被処理物の中の穀粒は、受け網5Rから選別棚18上へ漏下し、後側シーブ17に誘導されて二番回収部21へ落下する。
<選別部>
次に、選別部5Bについて説明する。選別部5Bは、図2に示すように、脱穀部5Aの下方に、唐箕13からの送風等により穀粒と異物とを風選する風選室5Sを有する。選別部5Bは、選別棚18の揺動運動と、唐箕13による選別風および排塵ファン24による吸引の作用により、脱穀部5Aからの被処理物から穀粒を選別する。選別部5Bの選別棚18は、風選室5Sに内蔵されており、図1に示すコンバイン1の動力発生手段から取り出された動力により駆動されて、コンバイン1の前後方向に揺動する。
扱室5Dからの被処理物は、選別棚18の前後方向の揺動によって、コンバイン1の後方(すなわち移送方向M)へ移送される。選別棚18は、移送棚18Tと、前側第1シーブ15と、前側第2シーブ16と、後側シーブ17とを有している。なお、以下では前側第1シーブ15と前側第2シーブ16とを合わせて、「前側シーブ」ということがある。
図2、図4、図5に示すように、前側第1シーブ15は、移送方向Mの上手側(上流側)に配置され、後側シーブ17は、移送方向Mの下手側(下流側)に配置される。前側第2シーブ16は、前側第1シーブ15と後側シーブ17との間に配置される。移送棚18Tは、前側第1シーブ15よりも移送方向Mの上手側に配置される。すなわち、移送棚18Tと、前側第1シーブ15と、前側第2シーブ16と、後側シーブ17とは、移送方向Mの下手側に向かってこの順に配置される。
また、図4、図7に示すように、移送棚18Tには、寄せ板18Pが設けられる。寄せ板18Pは、前後方向における後端を、前端よりも左方に寄せて移送棚18T上に立設される。
ここで、図7に示すように、扱網11および二番処理室5P(前排出口5Pa)からの穀粒や藁屑などは、移送棚18Tの右方(二番処理室5P側)へ落下することがある(図7の矢印106、108参照)。これにより、扱網11および二番処理室5Pから供給された穀粒や藁屑などが、移送棚18T上において右方(二番処理室5P側)へ偏在する場合がある。
このように偏在した穀粒や藁屑などは、選別棚18の揺動によって、移送棚18Tの右方の側壁と寄せ板18Pとの間で左右方向へ広げられ、上下方向の層厚を均一にならされつつ前側第1シーブ15へ移送される。
前側シーブ(前側第1シーブ15および前側第2シーブ16)は、扱網11から落下した被処理物に含まれる穀粒および異物から穀粒を選別して、一番回収部19または二番回収部21へ落下させる。後側シーブ17は、排塵処理室5Wから排出された被処理物に含まれる穀粒および裁断された排藁から穀粒を選別して二番回収部21へ落下させる。
図2、図5に示すように、移送棚18Tは、唐箕カバー13Cの上方に配置される。移送棚18Tは、移送棚18Tの移送方向の下手側に配置された前側第1シーブ15へ向けて扱網11から落下する被処理物を移送する。
図4、図5に示すように、前側第1シーブ15は、複数の前側シーブ部材として、複数の第1フィン15Pを有している。前側第2シーブ16は、複数の前側シーブ部材として、複数の第2フィン16Pを有している。また、後側シーブ17は、複数の後側シーブ部材として、複数の後側フィン17Pを有している。第1フィン15P、第2フィン16Pおよび後側フィン17Pは、いずれも平面視において長方形の板状部材であり、長手方向が移送方向と交差(本実施形態では直交)する方向(すなわち左右方向)に延在している。第1フィン15P、第2フィン16Pおよび後側フィン17Pは、いずれも移送方向Mへ向かって所定の間隔をおいてそれぞれ配置されている。
移送方向Mにおいて隣接する後側シーブ部材同士の間隔は、移送方向において隣接する前側シーブ部材同士の間隔よりも大きく設定されている。具体的には、図10に示すように、後側シーブ部材としての後側フィン17P同士の間隔Ppcは、前側シーブ部材としての第1フィン15P同士の間隔Ppaおよび前側シーブ部材としての第2フィン16P同士の間隔Ppbよりも大きい。このように、前側シーブ部材同士の間隔を後側シーブ部材同士の間隔よりも大きくすることで、前側シーブ部材からの藁屑の落下を抑制することができる。
図5に示すように、第1フィン15P、第2フィン16Pおよび後側フィン17Pは、いずれも移送方向Mの下手側に向かうにしたがって、移送方向Mの下手側(後側)が上方すなわち脱穀部5Aへ向かって傾斜している。
後側フィン17Pは、移送方向Mの上手側(前方)における端部が、移送方向Mの下手側(後方)へ向かって折れ曲がっている。このようにすることで、後側フィン17Pの移送方向Mの上手側の折れ曲がり部が、後側シーブ17からの穀粒の放出を抑制するため、穀粒の回収効率が向上する。また、上記の折れ曲がり部が選別風の流れを乱すことにより、後側フィン17Pの上部に被処理物が滞留する時間を長くすることができる。これにより、選別棚18での選別時間を確保することが可能となり、穀粒の選別精度を向上させることができる。
図5に示すように、前側シーブ、すなわち前側第1シーブ15および前側第2シーブ16の下方には、精選別網12が配置される。具体的には、図2、図5に示すように、精選別網12は、前側第1シーブ15および前側第2シーブ16と、一番回収部19との間に配置されている。精選別網12は、扱網11よりも目合いが細かい網である。精選別網12は、前側シーブを通過し、夾雑物(主として比重の小さい藁屑)が除去された被処理物から、穀粒を通過させて一番回収部19へ落下させる。精選別網12を通過する穀粒の大半は清粒である。ここで、清粒とは、枝梗などが付着していない籾のみの穀粒のことを指す。次に、選別部5Bの唐箕13について説明する。
唐箕13は、回転することにより、選別棚18に向かって風(選別風)を送る。唐箕13から送られる風により、脱穀部5Aを通過した被処理物から穀粒が比重選別される。唐箕13は、図1に示すコンバイン1の動力発生手段から取り出された動力により駆動されて回転する。図5には、上記の選別風の流れ方向の一例を、矢印WIとして示している。
唐箕13が選別風を吹き出す部分には、導風板としてのフラッパ14が設けられる。フラッパ14は、唐箕13から送られる選別風の向きを変更して選別棚18へ送る。すなわち、フラッパ14は、唐箕13から送られる選別風の流れ方向(送風方向)上流側(ただし、選別風の送風方向における唐箕13よりも下流側)に設けられ、上記の選別風の送風方向を選別棚18における移送方向の上手側の部位と下手側の部位との間で変更する。
<清掃装置>
次に、清掃装置6について説明する。図4、図5、図7、図12に示すように、本実施形態に係るコンバイン1は、前側第1シーブ15を清掃する清掃装置6を備える。なお、図12では、説明をわかりやすくする観点から、脱穀装置5(図7参照)を透視して示している。また、図12には、揺動する第1の揺動アーム62bおよび一対のワイヤ62aの一例を点線で示している。
図4、図12に示すように、清掃装置6は、スクレーパ61と、伝達部62と、駆動部63と、基部64とを備えている。スクレーパ61は、本体部61aと、支持部61bと、ピン61cとを有している。伝達部62は、図4、図12に示すように、一対のワイヤ62aと、第1の揺動アーム62bと、第2の揺動アーム62cと、連結板62dとを有している。駆動部63は、図12に示すように、モータ63aと、変換部63bとを有している。
基部64は、伝達部62および駆動部63を支持する部材である。基部64は、筐体5Cにおける上記の第1の側部(図7参照)に着脱可能に取り付けられる。図12には、基部64が後端部において駆動部63を支持しつつ、駆動部63の前方において第1の揺動アーム62bを第1の回転軸AX1まわりに回転可能に支持する場合を例にとって示している。
駆動部63は、図7に示すように、脱穀装置5の右方において二番処理室5Pの下方に配置され、伝達部62を介してスクレーパ61を駆動する。また、本実施形態におけるコンバイン1では、図4に示すように、コンバイン1の動力発生手段から脱穀装置5内の装置(唐箕13や排塵ファン24など)への動力はプーリを介して伝達される(図4の動力伝達部PT参照)。かかる動力伝達部PTは、図4、図9に示すように、脱穀装置5の左方に配置される。
スクレーパ61は、図4、図5に示すように、前側第1シーブ15が有する複数の第1フィン15Pのうち少なくとも一つに付着した、たとえば藁屑などの塵埃を掻き取ることによって前側第1シーブ15を清掃する。なお、本実施形態では、スクレーパ61が複数の第1フィン15Pのうちのすべてに設けられた場合を例にとって示している。
スクレーパ61は、第1フィン15Pの上手側の表面と接し、第1フィン15Pが延在する方向(すなわち左右方向)と平行な方向に往復運動する。すなわち、スクレーパ61は、第1フィン15Pをレール(案内体)として左右方向に移動する。
スクレーパ61の本体部61aは、支持部61bに支持されている。支持部61bからは、図5に示すように、ピン61cが一番回収部19へ向かって(すなわち下方)突出する。ピン61cは、第2の揺動アーム62cに設けられた溝(図4の溝621参照)と係合する。第2の揺動アーム62cは、図4に示すように、平面視がともに長方形である第1の板状部材622と、第2の板状部材623とを有する略T字形状の部材である。第2の板状部材623は、第1の板状部材622と直交して第1の板状部材622の長手方向中央部近傍から延出する。溝621は、第2の板状部材623の後端に設けられる。
第1の板状部材622は、長手方向中央近傍で第2の回転軸AX2まわりに回転可能に支持される。また、第1の板状部材622の両端部には、一対のワイヤ62aが取り付けられる。一対のワイヤ62aのうちの一方を引っ張ることにより、第2の揺動アーム62cが第2の回転軸AX2まわりに回転する。伝達部62および駆動部63は、一対のワイヤ62aのうちの一方と他方とを交互に引っ張る。これにより、第2の揺動アーム62cが第2の回転軸AX2まわりに揺動し、スクレーパ61が左右方向に往復運動する。
具体的には、図12に示すように、モータ63aは、変換部63bを介して連結板62dへ動力を伝達する。変換部63bは、たとえば偏心クランクであり、モータ63aの回転軸の回転運動を、前後方向の往復運動を含む運動へ変換する。図12には、変換部63bの入力軸および入力軸からオフセットさせて設けられた偏心軸の一例を、それぞれ順に入力軸63cおよび偏心軸63dとして示している。
連結板62dは、図12に示すように、第1の揺動アーム62bの一端と回転可能に連結されている。第1の揺動アーム62bは、たとえば、平面視において一方向に延伸する形状の板状部材である。第1の揺動アーム62bは、基部64によって第1の揺動アーム62bの長手方向中央近傍で第1の回転軸AX1まわりに回転可能に支持されている。第1の揺動アーム62bの他端には、一対のワイヤ62aの一方が連結されている。また、一対のワイヤ62aの他方は、連結板62dに連結される。すなわち、一対のワイヤ62a、第1の揺動アーム62b、第2の揺動アーム62cおよび連結板62dは、5節の回転リンク機構を形成している。
したがって、伝達部62の入力軸63cが、たとえば図12の実線で示す状態から矢印110方向に回転すると、連結板62dが前方へ移動し(図12の矢印112参照)、第1の揺動アーム62bが回転する(図12の矢印114参照)。かかる第1の揺動アーム62bの回転に連動して一対のワイヤ62aの一方が後方へ引っ張られるとともに、一対のワイヤ62aの他方が第2の揺動アーム62cによって前方へ押し戻される。図12には、かかる状態の第1の揺動アーム62bおよび一対のワイヤ62aを点線で示している。
また、伝達部62の入力軸63cがさらに回転して連結板62dが後方へ移動すると(図12の矢印116参照)、第1の揺動アーム62bが矢印114とは反対方向へ回転する(図12の矢印118参照)。一対のワイヤ62aの他方は、後方へ引っ張られるとともに、一対のワイヤ62aの一方は、第2の揺動アーム62cによって前方へ押し戻される。これにより、第1の揺動アーム62bおよび一対のワイヤ62aは、図12に実線で示した状態へ戻る。
このように、伝達部62および駆動部63は、一対のワイヤ62aのうちの一方と他方とを交互に押し引きする。これにより、第2の揺動アーム62cが揺動し、溝621と係合するピン61cは、左右方向に移動する。また、ピン61cと連結された支持部61bおよび本体部61aは、ピン61cと同様に移動する。すなわち、ピン61cおよび溝621は、第2の揺動アーム62cの揺動運動を、スクレーパ61の第1フィン15Pの左右方向の往復運動へ変換する。
スクレーパ61は、図4に示すように、たとえば三角錐台形状の部材である。具体的には、スクレーパ61は、三角形状の「底面」と、底面と相似形かつ底面よりも小さい「頂面」と、底面および頂面のそれぞれの辺を接続する3個の「側面」とを有する。スクレーパ61の底面は、第1フィン15Pの表面(移送方向Mの上手側における表面)に接するか、あるいは近接させて設けられる。
このため、スクレーパ61の側面は、第1フィン15Pの表面に対して傾斜することとなる。したがって、スクレーパ61が往復運動すると、第1フィン15Pの表面(または表面近傍)の被処理物が、スクレーパ61の移動方向における三角錐台形状の部材の底面の端縁および側面によって掻き取られる。
このように、本実施形態に係るコンバイン1では、清掃装置6において、脱穀装置5の移送方向Mと交差する方向(すなわち左右方向)の一方に動力伝達部PTを配置し、他方にスクレーパ61の駆動部63を配置した。これにより、スクレーパ61の駆動ユニット(すなわち伝達部62および駆動部63)が、移送方向Mと交差する方向において動力伝達部PTと離間する。したがって、上記のスクレーパの駆動ユニットのアクセス性を向上させることができる。
ここで、従来では、スクレーパの駆動部と、コンバインの動力発生手段から脱穀装置へ動力を伝達する動力伝達部とが、左右方向の同じ側において近接させて配置されることがあった。このため、従来では、スクレーパの駆動部と、コンバインの動力発生手段から脱穀装置へ動力を伝達する動力伝達部とが混在し、スクレーパの駆動ユニットへのアクセスが困難であることがあった。一方、実施形態に係るコンバイン1では、スクレーパ61の駆動ユニットと動力伝達部PTとを離間することが可能となる。したがって、実施形態に係るコンバイン1によれば、スクレーパ61の駆動ユニットのアクセス性やメンテナンス性、作業性を向上させることができる。
また、本実施形態に係るコンバイン1では、清掃装置6において、駆動部63を脱穀装置5の二番処理室5Pの下方に配置することとした。これにより、脱穀装置5において外部に張り出した張出部(二番処理室5P)の下方のデッドスペースを有効に活用することが可能となる。したがって、機体のスペース効率を向上させることができる。また、スクレーパ61の駆動ユニットの上方が二番処理室5Pに覆われるため、落下物や雨滴、塵埃などからスクレーパ61の駆動ユニットを保護することができる。
また、本実施形態に係るコンバイン1では、清掃装置6において、一対のワイヤ62aを駆動部63から前方(すなわち移送方向Mの上流側)へ向けて延伸させることとした。また、一対のワイヤ62aを、1回のみ屈曲させる屈曲部を経て後方(すなわち移送方向Mの下流側)へ向けて配設することとした。
これにより、一対のワイヤ62aの第1の揺動アーム62bへの接続方向を同じにして配索方向を揃え、一対のワイヤ62aの配索経路を短縮化することが可能となる。したがって、伝達部62をコンパクト化することができる。また、一対のワイヤ62aの屈曲部の数を少なくすることによって、一対のワイヤ62aの耐久性を向上させることができる。
また、本実施形態に係るコンバイン1では、清掃装置6において、一対のワイヤ62aを、第1の回転軸AX1および第2の回転軸AX2を挟むように配置し、一対のワイヤ62a、第1の揺動アーム62bおよび第2の揺動アーム62cを含む回転リンク機構を形成することとした。これにより、簡易な構成でスクレーパ61の駆動ユニット(すなわち伝達部62および駆動部63)を構成することができる。
また、本実施形態に係るコンバイン1では、清掃装置6において、駆動部63、第1の揺動アーム62bおよび一対のワイヤ62aを、一対のワイヤ62aの配索方向(すなわち移送方向Mの上流側、前方)へ向けてこの順で配置することとした。これにより、上流側(先側)へ向かうにつれて軽量になるため構造的にも好ましく、また、スクレーパ61の駆動ユニットをコンパクト化することができる。
また、本実施形態に係るコンバイン1では、清掃装置6において、基部64が第1の揺動アーム62bおよび駆動部63を支持しつつ筐体5C(図7参照)における上記の第1の側部に着脱可能に取り付けられる。これにより、スクレーパ61の駆動ユニットの着脱を容易化することが可能となる。したがって、スクレーパ61の駆動ユニットのメンテナンス性を向上させることができる。
なお、ここでは清掃装置6の伝達部62が、5節の回転リンク機構を形成する場合を例にとって説明した。しかしながら、これに限らず、伝達部62は、たとえば一対のワイヤ62aの両方を第1の揺動アーム62bと接続して、一対のワイヤ62a、第1の揺動アーム62bおよび第2の揺動アーム62cの4節の回転リンク機構を形成してもよい。また、一対のワイヤ62a、第1の揺動アーム62bおよび第2の揺動アーム62cを含む6節以上の回転リンク機構を形成することとしてもよい。
<前(移送棚)拡散板>
次に、前(移送棚)拡散板611について説明する。図4、図7、図13、図14に示すように、本実施形態に係るコンバイン1は、前拡散板611を備えている。前拡散板611は、スクレーパ61とともに移動して、移送棚18Tの被処理物を拡散させる。なお、図13には、側面視における排塵ファン24、排塵処理室5Wおよび受け網5Rを点線で模式的に示している。また、図14には、扱網11や前排出口5Paから落下した被処理物の左右方向における存在範囲の一例を矢印G1から矢印G3として模式的に示している。
図13、図14に示すように、前拡散板611は、支持部61bに取り付けられる。前拡散板611は、支持部61bから前方へ延伸する板状の部材である。前拡散板611は、スクレーパ61(支持部61b)とともに左右方向に往復運動する(図14の矢印SW1参照)。なお、支持部61bと前拡散板611とは、別体あるいは一体のいずれに設けられても構わない。
これにより、仮に被処理物が移送棚18Tにおいて右方に偏在する場合(図14の矢印G1参照)においても、選別棚18の揺動とともに被処理物の左端が寄せ板18Pに沿って左右方向に広がりつつ前拡散板611へ移送される(図14の矢印G2参照)。また、移送方向Mにおいて寄せ板18Pを通過した被処理物は、前拡散板611の往復運動(図14の矢印SW1参照)により移送棚18Tの幅全体に均一にならされる(図14の矢印G3参照)。
これにより、スクレーパ61の動力を利用して移送棚18T上の被処理物を左右方向に均一にならしつつ前側第1シーブ15の全幅にわたって移送することが可能となる。したがって、本実施形態に係るコンバイン1によれば、前拡散板611において、前側第1シーブ15の活用面積を増加させ、選別棚18における被処理物の選別能力を向上させることができる。
なお、前拡散板611は、図7に示すように、上下方向において移送棚18Tとほぼ隙間なく密着させることが好ましい。これにより、移送棚18T上に異物が付着した場合であっても、かかる異物を前拡散板611によって除去することができる。図7には、前拡散板611と移送棚18Tとの隙間を間隔L2として示している。
また、二番処理室5P(前排出口5Pa)から移送棚18Tへ送られる被処理物は、穀粒よりもかさ高い藁屑などを含むことがあるため、前拡散板611は、ある程度の高さを有することが好ましい。一方、前側第1シーブ15上において被処理物を拡散させる観点からは、スクレーパ61(支持部61b)の上端は、前側第1シーブ15の上端から突出させないことが好ましい。
図13には、前拡散板611の上端を、スクレーパ61(支持部61b)の上端よりも高く位置させる場合を示している。また、図13には、このように設けた前拡散板611の上端と支持部61bの上端との間隔を、間隔L1として示している。
<後(前側第2シーブ)拡散板>
次に、後(前側第2シーブ16)拡散板613について説明する。図4、図13、図14に示すように、本実施形態に係るコンバイン1は、後拡散板613を備える。後拡散板613は、スクレーパ61とともに移動して、前側第2シーブ16上の被処理物を拡散させる。なお、以下では、前拡散板611と後拡散板613とを合わせて、「拡散板」ということがある。
図13、図14に示すように、後拡散板613は、支持部61bに取り付けられ、支持部61bから前側第2シーブ16の後端(すなわち後方側の端部)付近まで延伸する板状の部材である。後拡散板613は、スクレーパ61(支持部61b)とともに左右方向に往復運動する(図14の矢印SW1参照)。なお、支持部61bと後拡散板613とは、別体あるいは一体のいずれに設けてもよい。また、後拡散板613と前拡散板611と(すなわち拡散板)を一体に設けても構わない。
これにより、前側第2シーブ16上の被処理物の上下方向の層厚を、前側第2シーブ16の全幅(左右方向)にわたって均一化することが可能となる。したがって、前側第2シーブ16の活用面積を増加させ、選別棚18における被処理物の選別能力を向上させることができる。また、後拡散板613によって前側第2シーブ16上の穀粒を下方へ押し付けることが可能となるので、前側第2シーブ16における穀粒のろ過を促進させることができる。
また、前側第2シーブ16上の被処理物は、移送方向Mへ移送されつつ後拡散板613によって左右方向へ移動するため、移送方向M(すなわち前後方向)に対してジグザグの軌跡をとる。すなわち、前側第2シーブ16上における被処理物の移動距離を、後拡散板613を設けない場合よりも長くすることが可能となる。したがって、本実施形態に係るコンバイン1によれば、後拡散板613において、前側第2シーブ16上のろ過能力(選別能力)を向上させることができる。
ここで、前拡散板611および後拡散板613のうちいずれか一方のみを設けた場合、前拡散板611や後拡散板613に働く慣性力や摩擦力によってスクレーパ61へ曲げモーメントが発生する可能性がある。しかしながら、本実施形態に係るコンバイン1では、前拡散板611および後拡散板613を設けることとした。これにより、前拡散板611および後拡散板613のそれぞれからの曲げモーメントが互いに打ち消し合うようになる。したがって、スクレーパ61と第1フィン15Pとの間の摩擦抵抗が増大する事態を回避して、スクレーパ61の耐久性を向上させることができる。
また、上記した拡散板(前拡散板611および後拡散板613)は、たとえば金属やセラミックなどの硬質部材に限らず、ゴムや樹脂などの弾性部材としてもよい。拡散板を弾性部材とした場合、スクレーパ61の左右方向の運動にともなって拡散板が左右方向にたわみ、被処理物は、かかるたわみの反発力によって拡散板に弾かれるようになる。これにより、被処理物の拡散効果をさらに高めることができる。
ここで、後拡散板613の更なる効果について図13を用いて説明しておく。図13に示すように、本実施形態に係る後拡散板613の後端は、前後方向において排塵ファン24の前方付近に位置する。これにより、排塵処理室5Wからの被処理物が後拡散板613によって拡散される際に発生する、塵埃や夾雑物などを排塵ファン24に効率的に吸引させることができる。
ところで、排塵処理室5Wからの被処理物には比較的に長い藁屑が含まれる。かかる藁屑は、後拡散板613の左右方向の揺動とともに互いに絡まることによって塊状となり、穀粒の移送を妨げることがある。この場合、後拡散板613を前後方向において短縮化してもよい。具体的には、後拡散板613を、たとえば受け網5Rの前端部などの、排塵処理室5Wからの被処理物が落下する範囲の前端近傍まで短縮することとすればよい。図13には、受け網5Rの前端部まで短縮した場合の後拡散板613の後端を、後端部613aとして点線で示している。
これにより、排塵処理室5Wからの被処理物を前側第2シーブ16上において拡散するとともに、塊状の藁屑の発生を抑制して選別棚18における穀粒の移送を円滑化することができる。
<排塵ファン>
次に、排塵ファン24について説明する。図2に示す排塵ファン24は、唐箕13からの選別風によって上方(脱穀部5A側)に吹き飛ばされた藁屑を吸引して、脱穀装置5の外部へ排出する。排塵ファン24は、図1に示すコンバイン1の動力発生手段から取り出された動力により駆動されて回転する。排塵ファン24は、図3、図4、図9に示すように、移送方向Mと交差する方向(すなわち左右方向)の一方側、かつ後側シーブ17の上方(脱穀部5A側)に開口した吸引口24I(図3、図9参照)を有する。
本実施形態において、排塵ファン24は、排塵処理室5Wと対向している。すなわち、本実施形態において、排塵ファン24は、移送方向Mに対して左右方向の一方に配置され、排塵処理室5Wは左右方向の他方に配置される。なお、排塵ファン24は移送方向Mに対して右方に、排塵処理室5Wは移送方向Mに対して左方に配置される。
排塵ファン24は、左右方向の一方に配置されるため、左右方向から選別部5B内の空気を吸引する。また、排塵処理室5Wは、排塵ファン24と対向して配置されて、排塵処理胴30の後端部(移送方向Mの下手側における端部)から排出される藁屑などを多く含んだ被処理物を、選別棚18の後側シーブ17上に排出する。
排塵処理室5Wは、受け網5Rを介して後側シーブ17上へ被処理物を排出する。これにより、篩い選別が促進されるとともに、穀粒と選別された藁屑などの夾雑物が後側フィン17Pの間から流出する選別風によって浮き上がり、排塵ファン24に吸引される。
また、後側シーブ17は、穀粒の選別性能がストローラックよりも高いため、排塵処理室5Wが排出した被処理物から穀粒を効率よく選別することができる。さらに、排塵ファン24によって、選別棚18による前後方向(移送方向Mに対する両方向)の動きと交差(本実施形態では直交)する方向の流れができるので、被処理物の選別工程を長くすることができる。
これらの作用により、被処理物から穀粒を選別する精度が向上するとともに、選別処理の能力も向上する。さらに、排塵ファン24は、排塵処理室5Wと対向する位置に配置されているので、排塵処理室5Wの排出方向の延長線上で藁屑等の夾雑物を吸引することができる。このため、排塵ファン24による夾雑物の排出効率が向上し、二番回収部21に落下する夾雑物の量を低減することが可能となる。したがって、二番処理室5Pでの処理量を低減できるので、穀粒の選別効率を向上させることができる。
<一番回収部>
次に、一番回収部19について説明する。一番回収部19は、図2に示すように、一番回収棚19Lと、一番回収装置20とを含む。一番回収棚19Lおよび一番回収装置20は、選別棚18および精選別網12の下方に配置される。一番回収棚19Lは、図2に示すように、移送方向Mの下手側に向かって上方、すなわち選別棚18に向かって傾斜させて設けられる。そして、一番回収棚19Lは、棚先が後側シーブ17に向かうように設けられる。
一番回収棚19Lの底部には、一番回収装置20が配置される。図6に示すように、一番回収装置20は、左右方向へ延在する螺旋軸である。また、図6には、説明の便宜上、図3のA−Aにおける断面と、一番回収装置20と、一番揚穀装置25と、一番揚穀筒25Tとを同じ図面に示している。
一番回収装置20は、図1に示すコンバイン1の動力発生手段から取り出された動力により駆動されて回転する。一番回収装置20は、回転することによって、一番回収棚19Lの底部に貯まった穀粒を、図1に示すグレンタンク7が配置される側(排塵処理室5W側であり、移送方向Mの左方)へ移送する。
図6に示すように、一番回収装置20の排塵処理室5W側における端部は、一番揚穀装置25の一端部と向かい合わせて配置される。図6、図3に示す一番揚穀装置25は、螺旋軸であって円筒形状の一番揚穀筒25Tの内部に配置される。一番回収装置20の排塵処理室5W側における端部と一番揚穀装置25の一端部とは、たとえば傘歯車を介して連結され、一番回収装置20が回転すると一番揚穀装置25も回転する。また、一番回収装置20と一番揚穀装置25とは、それぞれの回転軸が互いに直交している。
一番回収装置20によって排塵処理室5W側へ移送された穀粒は、一番揚穀装置25によって上方に移送され、図1に示すグレンタンク7内へ投入される。
<二番回収部>
次に、二番回収部21について説明する。二番回収部21は、図2に示すように、二番回収棚21Lと、二番回収装置22とを含む。二番回収棚21Lおよび二番回収装置22は、前側第2シーブ16および後側シーブ17の下方に配置される。二番回収部21には、選別棚18上を後方すなわち移送方向Mの下手側へ、一番回収部19へ落下することなく移送された被処理物(枝梗付着粒および鍵叉など)の一部が落下する。なお、二番回収部21に落下しなかった残りの被処理物は、選別棚18の後方に開口した三番排塵口53から排出される。
二番回収棚21Lは、図2に示すように、移送方向Mの下手側へ向かって上方、すなわち後側シーブ17へ向かって傾斜している。二番回収装置22は、二番回収棚21Lの底部であって一番回収棚19Lの下方に配置されている。二番回収装置22は、一番回収装置20と同様に、脱穀装置5の幅方向(左右方向)に延在する螺旋軸である。二番回収装置22は、図1に示すコンバイン1の動力発生手段から取り出された動力により駆動されて回転する。
二番回収装置22は、回転することによって、二番回収棚21Lの底部に貯まった被処理物を、図1に示すグレンタンク7が配置される側へ移送する。グレンタンク7が配置される側は、図7に示す二番処理室5P側であり、移送方向Mの下手側に向かって左側である。なお、図7には、説明の便宜上、図3のB−Bにおける断面と、二番還元装置26と、二番還元筒26Tとを同じ図面に示している。
図7、図3に示す二番還元装置26は、螺旋軸であって円筒形状の二番還元筒26Tの内部に配置されている。二番回収装置22の排塵処理室5W側における端部と二番還元装置26の一端部とは、たとえば傘歯車を介して連結され、二番回収装置22が回転すると二番還元装置26も回転する。二番回収装置22と二番還元装置26とは、それぞれの回転軸が互いに直交している。
二番回収装置22によって二番処理室5P側に移送された被処理物は、二番還元装置26によって上方に移送されて、図7に示す二番処理室5P内へ投入される。二番処理室5P内へ投入された被処理物は、二番処理胴29が回転することによって脱穀装置5の前方、すなわち、選別棚18における移送方向Mとの上手側に移送される過程において、穀粒に付着した枝梗の分離(穀粒の単純化)が行われる。
枝梗が分離された穀粒は、選別棚18、具体的には選別棚18の移送棚18Tに放出され、扱室5Dから落下してきた被処理物と合流する。これらは、選別棚18の前側第1シーブ15、前側第2シーブ16および後側シーブ17において穀粒と夾雑物とに選別される。
<後側シーブの傾斜変更機構>
次に、後側シーブの傾斜変更機構について説明する。図11に示す前側第2シーブ16が有する複数の第2フィン16Pは、それぞれの傾斜が変更できるようにしてもよい。それぞれの第2フィン16Pは、移送方向Mの下手側における端部(後端部)16T側に回動軸16Saを有する。このため、それぞれの第2フィン16Pは、回動軸16Saを中心として回転可能である。それぞれの第2フィン16Pは、移動方向上手側における端部(前端部)16Sb側で、後側フィン連結部材40によってピン結合される。これにより、前側第2シーブ16が有する複数の第2フィン16Pは、それぞれの回動軸16Saを中心として同時に回動する。
最も移動方向上手側の前側第2シーブ16には、傾斜変更入力部材39が取り付けられる。傾斜変更入力部材39は、最も移動方向上手側の第2フィン16Pとともに、回動軸16Saを中心として回動する。回動軸16Saとは反対側には、傾斜変更入力ワイヤ38が連結される。また、傾斜変更入力部材39には、リターンスプリング48が取り付けられる。リターンスプリング48は、傾斜変更入力ワイヤ38が引き出される方向とは反対方向の力を傾斜変更入力部材39に与える。
これにより、たとえば不図示の駆動装置などが傾斜変更入力ワイヤ38を引っ張ると、それぞれの第2フィン16Pは、後端部16Tが下方へ向かい、図5に示す一番回収棚19Lに対する傾斜が緩い傾斜(より一番回収棚19Lと平行に近くなる)になる。また、傾斜変更入力ワイヤ38を緩めると、それぞれの第2フィン16Pは、後端部16Tが上方に向かい、図5に示す一番回収棚19Lに対する傾斜が急傾斜(一番回収棚19Lとのなす角度がより大きくなる)になる。
このようにすることで、前側第2シーブ16が有する複数の第2フィン16Pの傾斜を変更することができる。第2フィン16Pの傾斜を変更できるようにすると、二番還元量を調整することができるので、処理効率の向上を図ることができる。なお、図11では、隣接する第2フィン16Pの後端部16Tにおける高さが、移送方向Mの下手側に進むにしたがって高さhずつ高くなる場合を例にとって示した。しかしながら、これに限らず、隣接する第2フィン16Pの後端部16Tにおける高さは、それぞれ同じであったり、少なくとも1つが他より高くなるなど、任意に定められてよい。
<拡散板の変形例>
ところで、図13、図14では、拡散板(前拡散板611および後拡散板613)が、前後方向に同様の長さを有する薄板状の部材である場合について例示したが、拡散板の態様は、かかる例示に限られない。そこで、以下では、拡散板の変形例について図15から図23を用いて説明する。なお、これらの変形例は、図13、図14に示した拡散板の変形例であって、同じ構成要素には同一の符号を付し、重複する記載を省略する。
<拡散板の変形例(その1)>
まず、拡散板の変形例(その1)について、図15を用いて説明する。図15に示すように、変形例に係る前拡散板612は、前拡散板612が左右方向に沿って二番処理室5P(前排出口5Pa)から遠くに位置するほど短く設けられている。これにより、移送棚18Tにおいて前排出口5Pa側(すなわち右側)に偏在する穀粒や藁屑などを効率的に拡散させることができる。
なお、左右方向において、移動範囲が寄せ板18Pと重複する前拡散板612(図15の前拡散板612a参照)は、前後方向において寄せ板18Pと重複させて設けることが好ましい。これにより、移送棚18Tにおいて穀粒や藁屑などが右方に偏在する場合であっても、寄せ板18Pに加えて前拡散板612aによって効率的に拡散させることができる。
<拡散板の変形例(その2)>
次に、拡散板の変形例(その2)について、図16を用いて説明する。図16に示すように、変形例(その2)に係る後拡散板614は、左右方向に沿って排塵処理室5Wから遠くに位置するほど短く設けられる。これにより、前側第2シーブ16上において、被処理物の供給側である右方において被処理物を重点的に拡散することができる。したがって、変形例(その2)に係る後拡散板614によれば、前側第2シーブ16上の被処理物の層厚の均一化を促進することができる。また、前側第2シーブ16における穀粒の選別能力を向上することができる。
<拡散板の変形例(その3)>
次に、拡散板の変形例(その3)について、図17を用いて説明する。なお、図17には、前後方向における受け網5R(図2参照)の前端部の位置を、前端部5Raとして点線で示している。図17に示すように、変形例(その3)に係る後拡散板615は、左右方向に沿って後方へ長短交互に配置される。これにより、前側第2シーブ16上の被処理物の層厚を均一化することができ、前側第2シーブ16における穀粒の選別能力を向上することができる。また、被処理物が後拡散板615によって左右方向へ揺動されるので、前側第2シーブ16上における被処理物の移動距離を、後拡散板615を設けない場合よりも長くすることが可能となる。したがって、変形例(その3)に係る後拡散板615によれば、前側第2シーブ16上のろ過能力(選別能力)を向上させることができる。
また、変形例(その3)に係る後拡散板615は、前後方向についての後端が、受け網5Rの前端部5Raの近傍に位置する。これにより、排塵処理室5Wからの被処理物を前側第2シーブ16上において効率的に拡散することができる。また、塊状の藁屑の発生を抑制して選別棚18における穀粒の移送を円滑化することができる。
<拡散板の変形例(その4)>
次に、拡散板の変形例(その4)について、図18、図19を用いて説明する。なお、図19は、図18に示す点線で囲まれた領域ENを拡大して示した図である。また、図19には、可動範囲の両端に位置する第2フィン16Pをそれぞれ点線で示している。
図18、図19に示すように、変形例(その4)に係る拡散板(後拡散板616)は、前側第2シーブ16の第2フィン16P間に入り込む突起部616aを有する。これにより、第2フィン16Pの表面に付着する異物を取り除くことができる。また、突起部616aが第2フィン16P間を移動することによって、第2フィン16P間に詰まった穀粒の塊をほぐすことが可能となる。したがって、前側第2シーブ16における穀粒のろ過を促進することができる。
なお、図18、図19には、突起部616aを一部の第2フィン16P間に設ける場合を例にとって示した。しかしながら、これに限らず、突起部616aは、たとえば、すべての第2フィン16P間や左右方向における一部の後拡散板616などに設けられることとしてよい。
また、図19に示すように、突起部616aの形状は、第2フィン16Pの可動範囲(図19の点線で示す第2フィン16P参照)端に位置する第2フィン16Pに沿うように設けることが好ましい。これにより、突起部616aが第2フィン16Pと干渉する事態を回避しつつ、効率的に前側第2シーブ16における穀粒のろ過を促進することができる。
<拡散板の変形例(その5)>
次に、拡散板の変形例(その5)について、図20を用いて説明する。なお、図20は、選別棚18を後方から前方へ向けてみた場合を示している。また、図20には、選別棚18における被処理物の一例として穀粒(図20の穀粒GP参照)を模式的に示している。
図20に示すように、変形例(その5)に係る拡散板(後拡散板617)は、上部を左方へ傾斜させて設けられている。これにより、仮に選別棚18(前側第2シーブ16)上の被処理物が右方に偏った場合であっても、被処理物の左方への移動を促進することができる。したがって、左右方向における被処理物の層厚の均一化を促進することができる。
具体的には、後拡散板617が左方へ移動する場合(図20の矢印120参照)、後拡散板617間の穀粒は、後拡散板617の下面617bによって右下方へ押し下げられつつ(図20の矢印122参照)左方へ移動する。
また、後拡散板617が右方へ移動する場合(図20の矢印124参照)では、後拡散板617間の穀粒は、後拡散板617の上面617tに沿って左上方へ浮き上がる(図20の矢印126参照)。このように浮き上がった穀粒には後拡散板617からの右方への力が働かない。したがって、後拡散板617が右方へ移動しても、後拡散板617間の穀粒は、右方へ移動しない(図20の矢印128参照)。
このように、変形例(その5)に係る拡散板(後拡散板617)では、後拡散板617の上部を左方へ傾斜させて設けることとした。これにより、前側第2シーブ16上における穀粒の左方への移送能力を、右方への移送能力よりも大きくすることができる。したがって、被処理物の左方への移動を促進することによって、左右方向における被処理物の層厚の均一化を促進することができる。
なお、ここでは、後拡散板617の上部を左方へ傾斜させて設ける場合を例にとって説明したが、前拡散板611の上部を左方へ傾斜させて設けることとしてもよい。これにより、移送棚18T上における被処理物の層厚の均一化を促進することができる。また、前拡散板および後拡散板の両方の一部または全部を傾斜させることとしてもよい。
<拡散板の変形例(その6)>
次に、拡散板の変形例(その6)について、図21を用いて説明する。なお、図21は、選別棚18を後方から前方へ向けてみた場合を示している。また、図21には、選別棚18における被処理物の一例として穀粒(図21の穀粒GP参照)を模式的に示している。
図21に示すように、変形例(その6)に係る拡散板(後拡散板618)は、下部において左右方向へ突出しつつ下方に向けて拡大する拡大部618eを有する。図21には、拡大部618eの傾斜面を傾斜面618sとして示している。これにより、後拡散板618の左右方向の移動にともない穀粒を流動させることによって、選別棚18(前側第2シーブ16)からの穀粒の落下を促進することができる。
具体的には、後拡散板618が、たとえば左方へ移動する場合(図21の矢印130参照)、後拡散板618間の穀粒は、傾斜面618sによって上方へすくい上げられて流動する(図21の矢印132参照)。これにより、仮に互いに凝集した塊状の穀粒が存在したとしても、上記の流動によって解きほぐされて選別棚18上へ供給される。また、後拡散板618の底面は、拡大部618eによって拡大されているため、拡大部618eを設けない場合よりも多くの穀粒を下方へ押し付ける(図21の矢印134参照)。なお、上記の穀粒の流動は、後拡散板618が右方へ移動する場合においても同様である。
このように、変形例(その6)に係る拡散板(後拡散板618)では、左右方向へ突出しつつ下方に向けて拡大する拡大部618eを設けることとした。これにより、流動により解きほぐした穀粒を選別棚18へ供給し、さらに拡大部618eによって、より多くの穀粒を下方へ押し付けることが可能となる。したがって、選別棚18(前側第2シーブ16)からの穀粒の落下を促進することができる。
<拡散板の変形例(その7)>
次に、拡散板の変形例(その7)について、図22を用いて説明する。なお、図22は、選別棚18を後方から前方へ向けてみた場合を示している。また、図22には、選別棚18における被処理物の一例として穀粒(図22の穀粒GP参照)を模式的に示している。
図22に示すように、変形例(その7)に係る拡散板(後拡散板619)は、上部において左方へ傾斜する傾斜部619d、および、下部において左右方向へ突出しつつ下方に向けて拡大する拡大部619eを有する。変形例(その7)に係る拡散板(後拡散板619)によれば、図21および図22を用いて既に説明した拡散板の効果(その5)および(その6)に加え、選別棚18(前側第2シーブ16)における選別能力をさらに向上させることができる。
具体的には、後拡散板619が、左方へ移動する場合(図22の矢印136参照)、後拡散板619間の穀粒は、拡大部619eによって上方へすくい上げられつつ流動する。また、かかる流動と共に、傾斜部619dによって右方への移動を規制される(図22の矢印138参照)。これにより、穀粒を流動させるとともに穀粒を効率的に左方へ移送することができる。
また、後拡散板619が、右方へ移動する場合(図22の矢印140参照)では、穀粒は傾斜部619dに沿って左上方へ押し上げられるので右方へ移動しない(図22の矢印142参照)。これにより、変形例(その7)に係る拡散板(後拡散板619)によれば、左右方向における被処理物の層厚の均一化をさらに促進することができる。また、選別棚18(前側第2シーブ16)における選別能力を向上させることができる。
<拡散板の変形例(その8)>
次に、拡散板の変形例(その8)について、図23を用いて説明する。なお、図23は、選別棚18を後方から前方へ向けてみた場合を示している。また、図23には、選別棚18における被処理物の一例として穀粒(図23の穀粒GP参照)を模式的に示している。
図23に示すように、変形例(その8)に係る拡散板(後拡散板620)は、底部において左上方および右上方へそれぞれ傾斜する傾斜面620bを有する。これにより、後拡散板620が、たとえば左方へ移動する場合(図23の矢印142参照)、選別棚18上の穀粒は、傾斜面620bに沿って下方へ押し付けられる。図23には、左方へ移動する傾斜面620bに押し付けられて下方へ移動する穀粒の軌跡の一例を矢印144として示している。
変形例(その8)に係る拡散板(後拡散板620)によれば、後拡散板620の進行方向に位置するより多くの穀粒を傾斜面620bによって選別棚18へ押し付けることが可能となる。したがって、選別棚18(前側第2シーブ16)からの穀粒の落下をさらに促進することができる。なお、上記した穀粒の選別棚18における落下の促進は、後拡散板620が右方へ移送する場合においても同様である。
<選別棚の変形例>
次に、選別棚の変形例について、図24を用いて説明する。なお、本変形例は、図7などに示した選別棚18の変形例であり、同じ構成要素には同一の符号を付し、重複する記載を省略する。図24に示すように、変形例に係る選別棚18aでは、移送棚18Taの右端を左端よりも高くして傾斜させて設けられる。
これにより、仮に被処理物が移送棚18Taの右方に偏在する場合であっても、被処理物は、選別棚18aの揺動とともに重力によって移送棚18Taの左方へ滑り落ちながら移送方向Mへ移送される。したがって、移送棚18Ta上を左右方向へ移動する前拡散板611(図24の矢印146参照)とともに被処理物を効率的に移送棚18Taの左右方向にならすことができる。
また、前側第1シーブ15を移送棚18Taと同様に傾斜させることとすれば、スクレーパ(前拡散板)の移動方向を移送棚18Taと平行にすることができる。これにより、移送棚18Ta上における前拡散板の拡散効率をさらに向上させることが可能となる。したがって、被処理物を効率的に移送棚18Taの左右方向の幅全体にわたって均一にならすことができる。なお、図24には、このように設けられたスクレーパおよび前拡散板を、スクレーパ61eおよび前拡散板611eとして点線で示している。また、図24には、スクレーパ61e(前拡散板611e)の移動方向を矢印148として示している。
上述してきたように、実施形態の一態様に係るコンバインは、扱胴からの脱穀処理物を移送しつつ揺動選別するシーブを内蔵する脱穀装置と、シーブ上において移送方向と交差する方向へ揺動可能に設けられるスクレーパと、移送方向と交差する方向の一方に配置され、エンジンからの動力を脱穀装置へ伝達する第1の伝達部と、移送方向と交差する方向の他方に配置され、スクレーパへ動力を供給する駆動部と、駆動部からの動力をスクレーパへ伝達する第2の伝達部とを備える。
これにより、スクレーパの駆動ユニット(すなわち駆動部および第2の伝達部)を、脱穀処理物の移送方向と交差する方向において、エンジンから脱穀装置へ動力を伝達する第1の伝達部と分離させて配置することが可能となる。したがって、上記のスクレーパの駆動ユニットのアクセス性を向上させることができる。
なお、前拡散板および後拡散板は、上述した実施形態およびいずれの変形例を組み合わせることとしてもよい。たとえば、変形例(その1)に係る前拡散板と、変形例(その2)に係る後拡散板とを組み合わせたり、拡散板の変形例(その5)に係る前拡散板と、変形例(その6)に係る後拡散板とを組み合わせたりしてもよい。
また、上述した実施形態では、選別棚にスクレーパ、前(前側第1シーブ)拡散板および後(前側第2シーブ)拡散板が設けられる場合を例にとって説明した。しかしながら、これに限らず、スクレーパに加えて、選別棚に前拡散板および後拡散板のいずれか一方のみを設けることとしてもよい。また、選別棚に前拡散板および後拡散板を設けることなく、スクレーパのみを設けることとしてもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 コンバイン
2 機体フレーム
3 走行装置
4 履帯
5 脱穀装置
5A 脱穀部
5B 選別部
5C 筐体
5D 扱室
5P 二番処理室
5Pa 前排出口
5R 受け網
5Ra 前端部
5S 風選室
5W 排塵処理室
5Y 刈取装置
6 清掃装置
7 グレンタンク
8A 運転席
8B 操作装置
9 穀稈供給装置
9B 挟扼杆
9C 供給搬送チェーン
10 扱胴
10B 扱歯
11 扱網
12 精選別網
13 唐箕
13C 唐箕カバー
14 フラッパ
15 前側第1シーブ
15P 第1フィン
16 前側第2シーブ
16P 第2フィン
16Sa 回動軸
16T 後端部
17 後側シーブ
17P 後側フィン
18 選別棚
18P 寄せ板
18T、18Ta 移送棚
19 一番回収部
19L 一番回収棚
20 一番回収装置
21 二番回収部
21L 二番回収棚
22 二番回収装置
22A 排藁搬送装置
22B 排藁搬送装置
23 排藁切断装置
23A 回転刃
23B 回転刃
24 排塵ファン
24I 吸引口
25 一番揚穀装置
25T 一番揚穀筒
26 二番還元装置
26T 二番還元筒
29 二番処理胴
30 排塵処理胴
38 傾斜変更入力ワイヤ
39 傾斜変更入力部材
40 後側フィン連結部材
48 リターンスプリング
53 三番排塵口
61、61e スクレーパ
61a 本体部
61b 支持部
61c ピン
611、611e、612 前拡散板
613、614、615、616、
617、618、619、620 後拡散板
62 伝達部
62a 一対のワイヤ
62b 第1の揺動アーム
62c 第2の揺動アーム
62d 連結板
621 溝
622 第1の板状部材
623 第2の板状部材
63 駆動部
63a モータ
63b 変換部
63c 入力軸
63d 偏心軸
64 基部

Claims (6)

  1. 扱胴からの脱穀処理物を所定の移送方向へ移送しつつ選別するシーブを内蔵する脱穀装置と、
    前記移送方向と交差する方向へ揺動可能に設けられ、前記シーブに付着した付着物を除去するスクレーパと、
    前記脱穀装置の前記移送方向と交差する方向における一方の外側部に配置され、エンジンからの動力を前記脱穀装置へ伝達する第1の伝達部と、
    前記脱穀装置の前記移送方向と交差する方向における他方の外側部に配置され、前記スクレーパへ動力を供給する駆動部と、
    前記駆動部からの動力を前記スクレーパへ伝達する第2の伝達部と
    を備えることを特徴とするコンバイン。
  2. 前記脱穀装置は、
    前記移送方向と交差する方向の前記他方側へ向けて張り出した張出部を有し、
    前記駆動部は、
    前記張出部の下方に配置されること
    を特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
  3. 前記第2の伝達部は、
    それぞれの押し引き動作を介して前記スクレーパへ前記駆動部からの動力を伝達する一対のワイヤを備え、
    前記一対のワイヤは、
    前記移送方向の上流側へ向けて前記駆動部側から延伸し、屈曲部を経て前記移送方向の下流側に配置された前記スクレーパへ向けて配設されること
    を特徴とする請求項1または2に記載のコンバイン。
  4. 前記第2の伝達部は、
    前記駆動部の駆動軸の回転運動を直線方向の往復運動へ変換する第1の変換部と、
    前記第1の変換部に連結されて前記直線方向の往復運動を行う連結板と、
    一端を前記連結板に連結されるとともに第1の回転軸まわりに回転可能に設けられ、前記連結板の往復運動に連動して前記第1の回転軸まわりに揺動する第1の揺動アームと、
    第2の回転軸まわりに回転可能に設けられ、前記スクレーパに連結された第2の揺動アームと、
    前記第2の揺動アームの揺動運動を前記スクレーパの前記移送方向と交差する方向の揺動運動へ変換する第2の変換部と
    を備え、
    前記一対のワイヤは、
    前記第1および第2の回転軸を挟んで配置され、前記第1および第2の揺動アームと共に回転リンク機構を形成し、前記第1の揺動アームの揺動運動に連動して前記一対のワイヤのそれぞれが前記第2の揺動アームを交互に引っ張ることによって前記第2の揺動アームを前記第2の回転軸まわりに揺動させること
    を特徴とする請求項3に記載のコンバイン。
  5. 前記駆動部、前記第1の揺動アームおよび前記一対のワイヤは、
    前記移送方向の上流側へ向けて前記駆動部、前記第1の揺動アーム、前記一対のワイヤの順で配置されること
    を特徴とする請求項4に記載のコンバイン。
  6. 前記駆動部および前記第1の揺動アームを支持しつつ前記脱穀装置に外部から着脱可能に取り付けられる基部をさらに備えること
    を特徴とする請求項5に記載のコンバイン。
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