JP2017076555A - 液体処理装置 - Google Patents

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実 江川
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Abstract

【課題】プラズマを安定に多点生成する。【解決手段】液体処理装置10は、液体11を保持するための空間81を有する液体保持部80と、複数の第1電極30と、複数の第1電極30と空間81との間に配置された絶縁板40と、空間81内に配置された、又は、空間81に接して配置された第2電極50とを備え、絶縁板40は、複数の第1電極30の各々と第2電極50との間を連通させるように、複数の第1電極30の各々に対応する位置において絶縁板40を貫通する複数の連通孔43を有し、液体処理装置10は、複数の第1電極30の各々と第2電極50との間に交流又はパルス電圧を印加する。【選択図】図1

Description

本開示は、液体処理装置に関する。
従来、液体又は気体の浄化又は殺菌などにプラズマを利用する技術が研究されている。例えば、特許文献1には、プラズマによって発生した活性種により微生物及び細菌を殺菌するプラズマ発生装置が開示されている。
特許文献1に記載のプラズマ発生装置は、液状媒質が充填された本体と、本体内部の一側に備えられ、電力を受けるパワー電極と、本体内に備えられ、少なくとも1つ以上の孔又はスリット(slit)が形成される誘電体からなる隔膜部材と、隔膜部材を挟んでパワー電極に対向する接地電極とを含む構成である。パワー電極と接地電極との間に電圧が印加されることにより、放電が発生する。
特表2013―504157号公報
しかしながら、上記従来のプラズマ発生装置において複数のスリットが形成された場合、交流又はパルス電源を用いると、当該複数のスリットの各々において生成されるプラズマが安定しないという課題がある。
そこで、本開示は、プラズマを安定に多点(multipoint)生成することができる液体処理装置を提供する。
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る液体処理装置は、液体を保持するための空間を有する液体保持部と、複数の第1電極と、前記複数の第1電極と前記空間との間に配置された絶縁板と、前記空間内に配置された、又は、前記空間に接して配置された第2電極とを備え、前記絶縁板は、前記複数の第1電極の各々と前記第2電極との間を連通させるように、前記複数の第1電極の各々に対応する位置において前記絶縁板を貫通する複数の連通孔を有し、前記液体処理装置は、前記複数の第1電極の各々と前記第2電極との間に交流又はパルス電圧を印加する。
本開示によれば、プラズマを安定に多点生成することができる。
実施の形態1に係る液体処理装置の構成を示す図である。 実施の形態1に係る液体処理装置の電極近傍の構成を示す拡大図である。 実施の形態1に係る電極支持板の平面図である。 実施の形態1に係る電極支持板の断面図である。 実施の形態1に係る電極支持板に第1電極が保持されている状態を示す断面図である。 実施の形態1に係る絶縁板に設けられた連通孔と第2電極との配置を示す図である。 実施の形態1に係る液体処理装置においてプラズマが生成される様子を模式的に示す図である。 実施の形態1の変形例に係る液体処理装置の構成を示す図である。 実施の形態2に係る液体処理装置の構成を示す図である。 実施の形態2に係る電極支持板の平面図である。 実施の形態2に係る電極支持板の断面図である。 実施の形態2に係る電極支持板に第1電極が保持されている状態を示す断面図である。 実施の形態2に係る電極支持板に保持された第1電極と、当該第1電極に接触して形成されたバリア層及び銅電極とを示す断面図である。 実施の形態2に係る第1電極と隔壁との配置を示す平面図である。 実施の形態3に係る液体処理装置の構成を示す図である。 実施の形態3に係る電極支持板の断面図である。 実施の形態3に係る電極支持板に第1電極が保持されている状態を示す断面図である。
(本開示の基礎となった知見)
本開示の実施の形態を説明する前に、以下に従来のプラズマ発生装置について検討した結果を説明する。
特許文献1では、1つ以上のスリットが形成された隔膜部材が1つの接地電極に接して配置される構成を有するプラズマ発生装置を開示している。ここで、プラズマを多点生成することを目的として、接地電極を大面積化し、かつ、これに伴ってスリットを複数設けた構成を検討する。
当該構成において、交流又はパルス電圧が電極間に印加されると、いわゆる表皮効果によって接地電極の表面に電流が集中する。この現象によって、例えば接地電極の端部に近いスリットでプラズマが生成される一方で、接地電極の中心に近いスリットでプラズマが生成されないことがある。
以上より、特許文献1に記載のプラズマ発生装置は、1つの接地電極を使用しているため当該電極内の電流分布が不均一となり、プラズマの発生点数及び発生箇所が定まらないという課題がある。
(本開示の概要)
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る液体処理装置は、液体を保持するための空間を有する液体保持部と、複数の第1電極と、前記複数の第1電極と前記空間との間に配置された絶縁板と、前記空間内に配置された、又は、前記空間に接して配置された第2電極とを備え、前記絶縁板は、前記複数の第1電極の各々と前記第2電極との間を連通させるように、前記複数の第1電極の各々に対応する位置において前記絶縁板を貫通する複数の連通孔を有し、前記液体処理装置は、前記複数の第1電極の各々と前記第2電極との間に交流又はパルス電圧を印加する。
これにより、複数の第1電極の各々と第2電極との間に交流又はパルス電圧を印加することで、複数の連通孔の各々を介して電流を均等に流すことができる。したがって、複数の連通孔の各々で放電させてプラズマを生成することができるので、本態様に係る液体処理装置によれば、プラズマを安定に多点生成することができる。
例えば、本開示の一態様に係る液体処理装置では、複数の第1電極と複数の連通孔が一対一で対応していてもよい。これにより、複数の第1電極の各々と第2電極との間に交流又はパルス電圧を印加しても、複数の連通孔に電流を均等に流すことができる。したがって、安定に多点放電ができる。
また、例えば、複数の第1電極は、アレイ状に配置されてもよい。例えば、本開示の一態様に係る液体処理装置は、前記複数の第1電極を支持する電極支持体を、さらに備えてもよい。より具体的には、液体処理装置は、アレイ状に配列された複数の孔を有する電極支持板を、さらに備え、複数の孔の各々に複数の第1電極が支持されてもよい。
これにより、プラズマが生成される空間を広げることができる。このように、広い範囲でプラズマを生成するので、複数の第1電極の各々で生成するプラズマを小さくしても、全体として十分な量のプラズマを生成することができる。したがって、複数の第1電極の各々と第2電極との間に印加する電圧を低くすることができ、消費電力を削減することができる。また、低電圧(例えば、1kV以下の電圧)でプラズマを生成することができるので、高耐圧の部品を用いなくてもよい。よって、低耐圧の安価な部品を利用することができ、製造コストを削減することができる。
また、例えば、前記複数の第1電極と前記交流又はパルス電圧を印加する電源との間で、前記複数の第1電極の各々に接続された複数のインピーダンス素子を、さらに備えてもよい。このとき、例えば、前記複数の第1電極の各々と、当該各々の第1電極に接続されたインピーダンス素子とを合わせたインピーダンスは、互いに等しくてもよい。
これにより、複数の第1電極の各々に均等に電流が流れるので、安定に多点のプラズマを発生させることができる。
また、例えば、前記複数の連通孔の各々に前記液体を浸入させ、前記複数の第1電極と前記第2電極との間に前記交流又はパルス電圧を印加することで、前記複数の連通孔の各々に浸入した液体を気化させることで気体を生成し、生成した気体中で放電させてプラズマを生成してもよい。
これにより、複数の連通孔の各々でプラズマを生成するので、プラズマが生成される空間を広げることができる。また、例えば、連通孔の径を小さくすることで、放電に必要な電界強度を低い電圧で実現することができる。したがって、消費電力を削減しつつ、十分な量のプラズマを効率良く生成することができる。
また、例えば、前記複数の第1電極の各々は、対応する連通孔に接していてもよい。
これにより、複数の第1電極の各々と第2電極との距離を均一化できるため、インピーダンスのバラつきを抑制することができる。
また、例えば、複数の第1電極と絶縁板とが接触していてもよい。当該接触により、絶縁板の寄生容量を使用することができる。電圧印加時に蓄積された寄生容量の電荷は、非電圧印加時に、連通孔内の水に対して電圧を印加するように働き、各第1電極の表面に形成される電気二重層の漏れ抵抗成分を低減する効果をもつ。
これにより、各第1電極の漏れ抵抗値が収斂するため、インピーダンスのバラつきをさらに抑制することができる。
また、例えば、電極支持板は、絶縁板の主面と接していてもよい。
これにより、電極支持板と絶縁板との間に液体が浸入し、第1電極同士が短絡されることを抑制することができる。短絡パスはインピーダンスのバラつきの原因となるため、短絡の抑制によりインピーダンスのバラつきを抑制し、プラズマを安定に多点生成することができる。また、各第1電極と絶縁板との間にできうる空間の寸法が制限されることにより、発生した気体及び活性種が、第2電極が配置される空間のみで使用されるため、効率良く液体処理(プラズマ処理)を行うことができる。
また、例えば、前記複数の第1電極の各々の形状は、球状又は針状であってもよい。
これにより、複数の第1電極の各々の表面への電界集中を促進し、放電に必要な電力を低い電圧で実現することができる。
また、例えば、複数の連通孔は、親水化処理されていてもよい。
これにより、連通孔への水の浸入を促進することができるので、浸入した液体の気化を促進することができ、プラズマを効率良く生成することができる。
また、例えば、前記複数の連通孔の各々の径は、250μm以下であってもよい。
これにより、連通孔の径が250μm以下であるので、放電に必要な電界強度を低い電圧で実現することができる。したがって、消費電力を削減しつつ、十分な量のプラズマを効率良く生成することができる。また、連通孔の径を250μm以下にすることで、連通孔への電流集中効果を高め、連通孔内の液体の蒸発速度を速めることができる。これにより、気泡生成時に圧力波を生じ、カルシウムやマグネシウムなどのスケール又はシリカの付着を抑制することができる。
また、例えば、電極支持板は、所定の隙間を介して絶縁板の主面に対向して配置され、本開示の一態様に係る液体処理装置は、当該隙間に設けられた、複数の第1電極を互いに隔離する絶縁性の隔壁を備えてもよい。
これにより、隙間に浸入した水によって複数の第1電極同士が短絡するのを抑制することができる。したがって、プラズマを安定して多点生成することができる。
以下では、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
[1−1.構成]
まず、実施の形態1に係る液体処理装置の構成について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る液体処理装置10の構成を示す図である。図2は、本実施の形態に係る液体処理装置の電極近傍(図1の一点鎖線で示す領域II)の構成を拡大して示す図(断面図)である。なお、図1では、電源60、制御回路70及びインピーダンス素子90を除く構成の断面を示している。
本実施の形態に係る液体処理装置10は、アレイ状に配置された複数の第1電極30を備え、複数の第1電極30の各々の近傍でプラズマを生成する。つまり、液体処理装置10では、アレイ状にプラズマの発生源が配置された多点放電型のプラズマ生成装置である。
図1及び図2に示すように、液体処理装置10は、電極支持板20と、複数の第1電極30と、絶縁板40と、複数の第2電極50と、電源60と、制御回路70と、複数のインピーダンス素子90とを備える。また、液体処理装置10は、液体11を保持するための空間81を有する液体保持部80を備える。具体的には、絶縁板40を基準として、電極支持板20(複数の第1電極30)とは反対側には、液体11が入れられる空間81が存在する。
ここで、液体11は、例えば、純水若しくは水道水などの水又は水溶液である。液体処理装置10は、液体11内でプラズマを多点生成することで、液体11にOHラジカル(ヒドロキシルラジカル)などの活性種を発生させる。
これにより、液体11そのものを殺菌することができる。あるいは、活性種を含む液体11(すなわち、プラズマ処理された液体11)を用いて他の液体又は気体を殺菌することができる。なお、プラズマ処理された液体11は、殺菌に限らず、その他の様々な目的に用いることができる。
以下、本実施の形態に係る液体処理装置10を構成する各構成要素について、図1から図6を参照しながら詳細に説明する。
[1−1−1.電極支持板]
図3は、本実施の形態に係る電極支持板20の平面図である。図4は、本実施の形態に係る電極支持板20の断面図である。具体的には、図3は、上方(すなわち、空間81側)から見たときの電極支持板20を示している。図4は、電極支持板20に設けられた孔21を通る断面(図3の一点鎖線で示すIV−IV線における断面)を示している。
電極支持板20は、複数の第1電極30を支持する絶縁性の電極支持体の一例である。具体的には、電極支持板20は、図3に示すように、アレイ状に配列した複数の孔21を有する板状の部材である。本実施の形態では、耐熱性の樹脂材料又はセラミックから構成される。例えば、電極支持板20としては、ガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸させた材料又はアルミナセラミックなどを用いることができる。
電極支持板20は、例えば、厚さが280μm、縦及び横がそれぞれ3cmの略矩形の平板である。なお、電極支持板20の形状は、これに限らず、円板、楕円板などいかなるものでもよい。また、電極支持板20は、平板に限らず、湾曲した板でもよい。
図3に示すように、電極支持板20には、複数の孔21が二次元状に配列されている。本実施の形態では、例えば、複数の孔21は、行方向及び列方向にそれぞれ規則正しく配列されている。なお、複数の孔21の配列は、これに限らず、ハニカム様、一次元状、ランダムなどいかなるものでもよい。
複数の孔21はそれぞれ、電極支持板20を厚み方向に貫通している。複数の孔21はそれぞれ、第1電極30を支持するための貫通孔である。
図5は、本実施の形態に係る電極支持板20に第1電極30が保持されている状態を示す断面図である。図5は、図4と同様に、図3の一点鎖線で示すIV−IV線における断面を示している。
図5に示すように、電極支持板20の1つの面(主面22)と、保持された第1電極30の1つの面(端面31)とは、略同じ高さに配置され平坦面を形成する。当該平坦面、具体的には、電極支持板20の主面22及び第1電極30の端面31は、図1に示すように、絶縁板40側の面である。この平坦面を有する構造は、例えば、電極支持板20に第1電極30を圧入し、複数の孔21からはみ出した第1電極30の部分を研磨して平坦化することで作製できる。
これにより、複数の第1電極30を厚み方向において同じ位置に配置することができる。したがって、複数の第1電極30と絶縁板40との距離を均一にすることができ、複数の第1電極30の各々と第2電極50との間のインピーダンスのバラつきを抑制することができる。
以上は、電極支持板20について説明した。電極支持板20の主な目的は、第1電極の支持である。この意味で、電極支持体であれば、板には限定されない。また、例えば、第1電極30が絶縁板40に固定されていれば、電極支持体は、必ずしも必須ではない。
[1−1−2.第1電極]
本実施の形態に係る複数の第1電極30は、電極支持板20に設けられた複数の孔21の各々に保持された棒状の電極である。例えば、複数の第1電極30は、複数の孔21の各々に嵌合するように保持されている。複数の第1電極30の各々が、プラズマを多点生成するときの反応電極として機能する。
本実施の形態では、複数の第1電極30の各々は、対応する連通孔43に接している。具体的には、複数の第1電極30の各々の端面31が、対応する連通孔43の第2主面42側の開口面に一致し、かつ、第2主面42に接触している。つまり、複数の第1電極30の各々の端面31が、対応する連通孔43の第2主面42側の開口を蓋している。
第1電極30は、例えば、タングステンやタングステン合金などの耐プラズマ性の金属材料から構成される。第1電極30としては、他の耐プラズマ性の金属材料を用いてもよく、あるいは、耐久性は悪化するものの、銅、アルミニウム、鉄及びこれらの合金などを用いてもよい。
第1電極30は、例えば、円柱状の電極である。具体的には、第1電極30がタングステンから構成される場合、その径は、例えば、1mmである。なお、第1電極30の径はこれに限らない。なお、「円柱状」とは、その断面形状が真円及び長方形であることに加えて、数%の誤差を含む形状も含む概念である。第1電極30の形状は、円柱状に限らず、角柱状などでもよい。
[1−1−3.絶縁板]
絶縁板40は、複数の第1電極30と空間81との間に配置された絶縁性を有する板材である。本実施の形態では、絶縁板40は、電極支持板20に対向するように配置されている。具体的には、絶縁板40は、電極支持板20の主面22及び端面31に接している。図2に示すように、絶縁板40は、第1主面41と、第1主面41の反対側の主面である第2主面42とを有する。
絶縁板40は、例えば、厚さが0.3mm、縦及び横がそれぞれ3cmの略矩形の平板である。なお、絶縁板40の形状は、これに限らず、円板、楕円板などいかなるものでもよい。絶縁板40は、例えば、アルミナセラミックなどの絶縁性材料から構成される。
第1主面41は、電極支持板20及び複数の第1電極30に接している。具体的には、第1主面41は、電極支持板20の主面22と、第1電極30の端面31によって形成される平坦面に接して配置される。これにより、複数の第1電極30と第2電極50との距離を均一化できるため、インピーダンスのバラつきを抑制することができる。
第2主面42は、液体11が入れられる空間81に面している。つまり、第2主面42は、空間81に露出しており、液体11に接触している。本実施の形態では、図2に示すように、第2主面42に接して複数の第2電極50が配置されている。
絶縁板40は、複数の連通孔43を有する。複数の連通孔43は、複数の第1電極30の各々と第2電極50との間を連通させるように、複数の第1電極30の各々に対応する位置において絶縁板40を貫通する貫通孔である。
具体的には、複数の連通孔43の各々は、絶縁板40を厚み方向に貫通している。複数の連通孔43は、二次元状に配列され、複数の第1電極30の各々に対向する位置に設けられている。より具体的には、複数の連通孔43は、それぞれの軸が第1電極30の中心軸を通るように設けられている。例えば、複数の連通孔43の各々の軸と、電極支持板20に設けられた複数の孔21の各々の軸とは、一致している。つまり、複数の第1電極30と複数の連通孔43が一対一で対応している。これにより、複数の第1電極30の各々と第2電極50との間に交流電圧又はパルス電圧を印加しても、複数の連通孔43を介して電極間に電流を均等に流すことができる。
複数の連通孔43は、例えば、円柱状の貫通孔である。複数の連通孔43の各々の径は、例えば、10μm以上250μm以下である。
複数の連通孔43は、例えば、親水化処理されている。具体的には、複数の連通孔43が形成された絶縁板40をプラズマ処理することで、複数の連通孔43は親水化処理される。プラズマ処理は、例えば、酸素ガス又はヘリウムガスを用いた大気圧プラズマ処理である。
連通孔43を親水化することで、空間81に入れられる液体11が連通孔43に浸入しやすくなる。
なお、親水化処理は、プラズマ処理に限らない。例えば、連通孔43が形成された絶縁板40を所定の薬液に浸すことで、連通孔43を親水化してもよい。
[1−1−4.第2電極]
第2電極50は、液体11が入れられる空間81内に配置される。第2電極50は、空間81に入れられた液体11に接触する位置に配置されている。本実施の形態では、第2電極50は、絶縁板40の第2主面42に接触して配置されている。第2電極50は、プラズマを生成するときの第1電極30に対する対向電極として機能する。
第2電極50は、導電性の金属材料から構成される。例えば、第2電極50は、タングステン、銅、アルミニウム若しくは鉄、又は、これらの合金(ステンレス鋼など)などから構成される。
本実施の形態では、複数の第2電極50が設けられ、複数の第2電極50の各々が、図6に示すように、複数の連通孔43の各々を囲むように形成されている。なお、図6は、本実施の形態に係る絶縁板40に設けられた連通孔43と第2電極50との配置を示す平面図である。具体的には、図6は、上方(すなわち、空間81側)から見たときの絶縁板40及び第2電極50を示している。
本実施の形態では、図6に示すように、複数の第2電極50の各々の形状は、円環状である。第2電極50は、円環の中心と連通孔43の中心軸とが一致するように配置されている。
なお、第2電極50の個数、形状及び配置は、これらに限らない。第2電極50は、空間81内に配置され、又は、空間81に接して配置されていればよい。すなわち、第2電極50は、少なくとも一部が空間81に露出しており、液体11と接触するように配置されていればよい。
例えば、第2電極50は、絶縁板40から離れた位置に少なくとも1つ配置されてもよい。また、第2電極50は、環状で連通孔43を囲む必要はなく、例えば、円柱状、格子状、又は、平板状の電極でもよい。例えば、第2電極50は、連通孔43より一回り大きい貫通孔が、連通孔43に対応する位置に設けられた平板電極(具体的には、電極支持板20と同様の形状)でもよい。第2電極50の異なる形状及び配置については、他の実施の形態で例示する。
[1−1−5.電源]
電源60は、複数の第1電極30の各々と第2電極50との間に交流又はパルス電圧を印加する。
例えば、印加する電圧は、第1電極30と第2電極50との間の電界強度が2kV/cm〜50kV/cmになるような電圧である。本実施の形態では、連通孔43の径に応じて、印加する電圧は定められる。例えば、連通孔43の径が約30μmのときは、電源60は、約1.6kVの電圧を印加し、連通孔43の径が約10μmのときは、電源60は、約600Vの電圧を印加する。
印加する電圧は、例えば、1Hz〜100kHzの負極性の高電圧パルスである。電圧波形は、例えば、パルス状、正弦半波形及び正弦波状のいずれでもよい。また、第1電極30と第2電極50との間に流れる電流値は、例えば、1mA〜1Aである。
[1−1−6.制御回路]
制御回路70は、例えば、マイコンなどであり、液体処理装置10の動作を制御する処理部である。具体的には、制御回路70は、電源60を制御することで、第1電極30と第2電極50との間に交流又はパルス電圧を印加する。つまり、制御回路70は、電源60のオン及びオフの制御を行う。これにより、制御回路70は、連通孔43内に浸入した液体11を気化させることで気体を生成し、生成した気体中で放電させてプラズマを生成する。
[1−1−7.液体保持部]
液体保持部80は、液体11を保持するための空間81を有する。空間81は、例えば、液体11で満たされている。具体的には、液体保持部80は、例えば、液体11が入れられる貯液槽(タンク)又は配管などである。すなわち、空間81は、貯液槽又は配管の内部空間である。空間81内の液体11は、静水でもよく、あるいは、動水(流水)でもよい。
なお、貯液槽又は配管の壁面の一部が絶縁板40でもよい。すなわち、液体保持部80が、絶縁板40を備えてもよい。
[1−1−8.インピーダンス素子]
複数のインピーダンス素子90は、例えば、バラストコンデンサ、リード線、プリント基板配線などである。本実施の形態では、複数のインピーダンス素子90は、複数の第1電極30の各々に接続されている。複数のインピーダンス素子90は、複数の第1電極30の各々と電源60との間に接続されている。具体的には、複数のインピーダンス素子90は、図1に示すように、複数の第1電極30の各々への配線の分岐点よりも、第1電極30に近い側に接続する。
本実施の形態では、一の第1電極30と、当該一の第1電極30に接続されたインピーダンス素子90とを合わせたインピーダンスは、複数の第1電極30間で互いに等しい。これによって、複数の第1電極30と第2電極50との間に流れる電流を均一に分配することができる。
例えば、複数の第1電極30の各々の形状、材料及び大きさなどが互いに略等しい場合、複数のインピーダンス素子90のインピーダンスは、互いに等しい。これによって、インピーダンス素子90と第1電極30との合計のインピーダンスを、略等しくすることができる。
また、別の例としては、インピーダンス素子90と第1電極30との合計のインピーダンスを略等しくするために、第1電極30のインピーダンスに応じて、インピーダンス素子90のインピーダンスを異なる適当な値に選択してもよい。例えば、インピーダンス素子90は、可変インピーダンス素子でもよい。
インピーダンス素子90として、リード線を使用する場合、全てのインピーダンス素子90の形状を均一にすることにより、複数のインピーダンスを均一にすることができる。
また、インピーダンス素子90として、プリント基板配線を使用する場合、各配線パターンの形状(幅及び長さ)を適切に設計することによって、複数のインピーダンスを均一にすることができる。
また、インピーダンス素子90として、バラストコンデンサを使用する場合、バラストコンデンサは、複数の第1電極30の各々に対して、直列に接続される。なお、この場合の電源60は、交流電圧を供給する交流電源に限られる。これは、パルス電源では、直流成分がバラストコンデンサにより除去されるため、放電部に印加される電圧が低くなってしまうためである。
これにより、インピーダンス素子90と第1電極30との合計のインピーダンスを均一にすることができ、電流をさらに均等に分配できる。これにより、プラズマを安定に多点生成できる。具体的なプラズマの生成の仕組みについては、液体処理装置10の動作として以下で説明する。
[1−2.動作]
続いて、本実施の形態に係る液体処理装置10の動作について、図7を用いて説明する。図7は、本実施の形態に係る液体処理装置10においてプラズマが生成される様子を模式的に示す図である。
なお、図7では、1つの第1電極30及び1つの連通孔43について説明するが、本実施の形態では、複数の第1電極30及び複数の連通孔43の全てで同様の現象が発生し、プラズマを多点生成することができる。
まず、制御回路70は、電源60を制御することで、第1電極30と第2電極50との間に交流又はパルス電圧を印加する。電極間に交流又はパルス電圧が印加されると、図7の(a)に示すように、液体11が連通孔43に浸入する。例えば、電極間に交流又はパルス電圧が印加されることで、電極間に電界が発生し、液体11に分極が生じる。これにより、液体11は、第1電極30に引っ張られて連通孔43内に浸入する。なお、連通孔43が親水化処理されている場合などは、電圧の印加に依らずに、液体11は、連通孔43に浸入する場合もある。
連通孔43に浸入した液体11は、図7の(b)に示すように、第1電極30に接触する。これにより、第1電極30と第2電極50との間に、連通孔43に浸入した液体11によって電流パス(図中の両矢印)が形成される。
電流パスが形成されて、第1電極30と第2電極50との間に電流が流れることによって熱が発生する。発生した熱によって、連通孔43に浸入した液体11が気化することで、図7の(c)に示すように、気体12が発生する。
気体12が連通孔43内に発生することで、第1電極30と第2電極50との間に形成された電流パスが分断されて、気体12中で放電が起き、プラズマ13が生成される。これにより、気体12中にプラズマ13が生成されるので、OHラジカルなどの活性種が発生する。発生した活性種は、液体11に拡散される。
本実施の形態では、複数の連通孔43が二次元状に配置されているので、広い範囲でプラズマが生成され、効率良くプラズマを生成することができる。
[1−3.効果など]
以上のように、本実施の形態に係る液体処理装置10は、液体11を保持するための空間81を有する液体保持部80と、複数の第1電極30と、複数の第1電極30と空間81との間に配置された絶縁板40と、空間81内に配置された、又は、空間81に接して配置された第2電極50とを備え、絶縁板40は、複数の第1電極30の各々と第2電極50との間を連通させるように、複数の第1電極30の各々に対応する位置において絶縁板40を貫通する複数の連通孔43を有し、液体処理装置10は、複数の第1電極30の各々と第2電極50との間に交流又はパルス電圧を印加する。
これにより、複数の第1電極30の各々と第2電極50との間に交流又はパルス電圧を印加することで、複数の連通孔43の各々を介して電流を均等に流すことができる。したがって、複数の連通孔43の各々で放電させてプラズマを生成することができるので、本実施の形態に係る液体処理装置10によれば、プラズマを安定に多点生成することができる。
[1−4.変形例]
ここで、本実施の形態に係る液体処理装置10の変形例について、図8を用いて説明する。図8は、本変形例に係る液体処理装置10aの構成を示す図である。
図8に示すように、液体処理装置10aは、図1に示す液体処理装置10と比較して、インピーダンス素子90を備えない点が異なっている。本変形例では、複数の第1電極30の各々が、対応するインピーダンス素子90を兼ねている。具体的には、複数の第1電極30の各々のインピーダンスは、互いに等しい。例えば、複数の第1電極30の各々の材料、形状及び大きさなどの構成が互いに同一である。
このように、第1電極30とは別部材としてのインピーダンス素子90を備えなくてもよい。本変形例に係る液体処理装置10aであっても、複数の第1電極30の各々のインピーダンスが互いに等しいので、プラズマを安定に多点生成することができる。
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2に係る液体処理装置について説明する。
本実施の形態では、実施の形態1の構成と比較して、複数の第1電極の各々の形状が球状である点が異なっている。第1電極の形状を球状にすることにより、各第1電極の表面への電解集中を促進し、放電に必要な電力を低い電圧で実現することができる。以下では、実施の形態1と異なる点を中心に説明し、共通する点は説明を省略又は簡略化する。
図9は、本実施の形態に係る液体処理装置100の構成を示す図である。図9に示すように、液体処理装置100は、図1に示す実施の形態1に係る液体処理装置10と比較して、電極支持板20、複数の第1電極30及び複数の第2電極50の代わりに、電極支持板120、複数の第1電極130及び第2電極150を備える。さらに、本実施の形態に係る液体処理装置100は、絶縁性の隔壁101を備える。
[2−1.電極支持板]
図10は、本実施の形態に係る電極支持板120の平面図である。図11は、本実施の形態に係る電極支持板120の断面図である。具体的には、図10は、上方(すなわち、空間81側)から見たときの電極支持板120を示している。図11は、電極支持板120に設けられた孔121を通る断面(図10の一点鎖線で示すXI−XI線における断面)を示している。
本実施の形態では、図9に示すように、電極支持板120は、絶縁板40の第2主面42に対向する位置に配置されている。具体的には、電極支持板120は、絶縁板40に対して、所定の距離を空けて平行に配置されている。これにより、電極支持板120と絶縁板40との間には、隙間(空間182)が形成されている。
空間182の幅(厚み方向における長さ)は、複数の第1電極130の電極支持板120からの突出量に略一致する。本実施の形態では、球状の第1電極130は、絶縁板40に接している。これにより、第1電極130と絶縁板40との距離を一定に保つことができる。
電極支持板120は、実施の形態1に係る電極支持板20と比較して、複数の孔21の代わりに複数の孔121を有する点が異なっている。複数の孔121の各々は、電極支持板120を厚み方向に貫通している。複数の孔121の各々は、図12に示すように第1電極130を支持するための貫通孔である。
図12は、本実施の形態に係る電極支持板120に第1電極130が保持されている状態を示す断面図である。図12は、図11と同様に、図10の一点鎖線で示すXI−XI線における断面を示している。
複数の孔121の各々は、絶縁板40側の第1開口122と、第1電極130側の第2開口123とを有する。本実施の形態では、図11及び図12に示すように、第1開口122の開口面積は、第2開口123の開口面積より大きい。
本実施の形態では、第1開口122及び第2開口123に平行な断面における孔121の断面積は、第1開口122から第2開口123に向かうにつれて、漸次小さくなる。例えば、孔121は、図11及び図12に示すように、逆円錐台状の貫通孔である。つまり、第1開口122は、円形の開口であり、その径は、球状の第1電極130の径より大きい。また、第2開口123は、円形の開口であり、その径は、球状の第1電極130の径より小さい。これにより、第1電極130は、第2開口123を通り抜けることなく、孔121の内面に接触して支持される。
複数の孔121を全て同じ形状にすることで、第1開口122から球状の第1電極130を挿入するだけで、複数の第1電極130を厚み方向において同じ位置に配置することができる。したがって、複数の第1電極130と絶縁板40との距離を均一にすることができ、複数の第1電極130の各々と第2電極150との間のインピーダンスを容易に一定にすることができる。これにより、プラズマを安定して多点生成することができる。
なお、孔121の形状は、逆円錐台状に限らない。例えば、孔121は、第1電極130の形状に沿って滑らかに湾曲した内面を有してもよい。
[2−2.第1電極]
複数の第1電極130は、実施の形態1に係る複数の第1電極30と比較して、その形状が異なっている。本実施の形態では、複数の第1電極130の各々の形状は、球状である。
図12に示すように、複数の第1電極130は、第1開口122から挿入されて、孔121の内面に接触している。このとき、第1電極130の一部(下部)は、第2開口123より下方(空間81とは反対側)に突出している。また、第1電極130の別の一部(上部)は、第1開口122より上方(空間81(絶縁板40)側)に突出している。
ここで、第1電極130の上方への突出量は、下方への突出量より大きい。つまり、第1電極130の中心(球の中心)は、電極支持板120の厚み方向において、電極支持板120の中心よりも上方に位置している。このように、第1電極130は、電極支持板120の両側に突出するように電極支持板120によって支持される。
第1電極130は、例えば、タングステンなどの耐プラズマ性の金属材料から構成される。第1電極130としては、他の耐プラズマ性の金属材料を用いてもよく、あるいは、耐久性は悪化するものの、銅、アルミニウム、鉄及びこれらの合金などを用いてもよい。
第1電極130は、例えば、球状の電極である。具体的には、第1電極130がタングステンから構成される場合、その径は、例えば、540μmである。また、第1電極130がタングステン合金から構成される場合、その径は、例えば、500μmである。タングステン合金は、例えば、タングステンカーバイドとコバルトとの合金(WC−Co系合金)、タングステンとニッケルとチタンとクロムとの合金(W−Ni−Ti−Cr系合金)、タングステンカーバイドとコバルトとクロムとの合金(WC−Co−Cr系合金)などである。なお、第1電極130の径は、これに限らない。なお、「球状」とは、完全な球体(真球)であることに加えて、数%の誤差を含む形状も含む概念である。
図13は、本実施の形態に係る電極支持板120に保持された第1電極130と、第1電極130に接触して形成されたバリア層131及び銅電極132とを示す断面図である。図13は、図11及び図12と同様に、図10の一点鎖線で示すXI−XI線における断面を示している。
本実施の形態では、図13に示すように、第2開口123と、第2開口123から突出した第1電極130とを覆うように、スパッタリングなどによって金属材料を成膜することで、バリア層131及び銅電極132を形成してもよい。バリア層131としては、例えば、チタンなどの金属材料を用いることができる。また、バリア層131の膜厚は、例えば、チタンの場合、200nmである。バリア層131を設けることで、第1電極130と銅電極132との密着性を向上し、複数の第1電極130に均一な電圧を印加することができる。
銅電極132は、バリア層131上にスパッタリングなどによって形成された銅膜である。なお、銅電極132の代わりに、その他の導電性の金属薄膜を用いてもよい。例えば、電源60に接続されたプリント基板配線が銅電極132に接続されている。バリア層131及び銅電極132は、例えば、インピーダンス素子90に相当する。
[2−3.第2電極]
第2電極150は、実施の形態1に係る第2電極50と比較して、その形状が異なっている。また、実施の形態1では、複数の第1電極30の各々に一対一に対応するように、複数の第2電極50を設けたのに対して、本実施の形態に係る液体処理装置100は、1つのみの第2電極150を備える。
図9に示すように、第2電極150は、液体11が入れられる空間81に接して配置されている。具体的には、第2電極50は、空間81に露出しており、空間81に入れられる液体11に接触する位置に配置されている。
本実施の形態では、第2電極150は、絶縁板40の第1主面41に対向する位置に設けられている。第2電極150と絶縁板40との間が、空間81である。
第2電極150は、導電性の金属材料から構成される。例えば、第2電極150は、タングステン、銅、アルミニウム若しくは鉄、又は、これらの合金(ステンレス鋼など)などから構成される。
第2電極150は、例えば、平板状の電極である。例えば、第2電極150は、電極支持板120(又は、絶縁板40)と同じ大きさ及び形状を有する。
[2−4.隔壁]
隔壁101は、図9に示すように、絶縁板40と電極支持板120との間に設けられている。隔壁101は、空間182に設けられ、複数の第1電極130を互いに隔離する。
隔壁101は、液体11を堰き止めるための水分バリア壁である。具体的には、隔壁101としては、接着性の樹脂材料を用いることができる。例えば、隔壁101としては、シリコーン樹脂又はポリイミド樹脂などを用いることができる。
本実施の形態では、隔壁101は、電極支持板120と、絶縁板40の第2主面42とを接着する。これにより、複数の第1電極130が露出した空間を個々に分離する。
図14は、本実施の形態に係る第1電極130と隔壁101との位置関係を示す平面図である。
本実施の形態では、隔壁101は、図14に示すように、格子状に設けられている。格子状に設けられた隔壁101は、複数の第1電極130を互いに隔離している。なお、隔壁101の形状は、これに限らない。例えば、隔壁101は、複数の第1電極130の各々を囲むように、円環状に設けられていてもよい。
空間81から連通孔43を介して空間182に浸入した液体11は、隔壁101によって遮られるので、他の第1電極130には接触しない。これにより、第1電極130同士の液体11を介した短絡を抑制することができる。
なお、第1電極130同士が短絡した場合は、短絡箇所に電力集中が起きるので、他の第1電極130では、放電が発生しにくくなり、プラズマが生成されなくなる。本実施の形態では、隔壁101を設けることで、第1電極130同士の短絡を抑制し、プラズマを安定して生成することができる。
また、隔壁101を設けることで、電極支持板120と絶縁板40との距離を均一にしやすくなる。これにより、複数の第1電極130の各々と絶縁板40との距離が一定に保たれるので、複数の第1電極130の各々と第2電極150との間のインピーダンスが一定になり、プラズマを安定して生成することができる。
以上は、隔壁101を電極支持板120とは、別個に設ける場合について説明した。別の形態としては、電極支持板120と隔壁101とが一体の構造物として設けられてもよい。あるいは、絶縁板40と隔壁101とを一体として設けてもよい。
なお、本実施の形態では、複数の第1電極130が絶縁板40に接する例について説明したが、複数の第1電極130は絶縁板40に接していなくてもよい。具体的には、複数の第1電極130の先端と、連通孔43の第2主面42側の開口とが所定距離、離れていてもよい。当該所定距離は、例えば、100μm以下である。なお、複数の第1電極130の先端とは、複数の第1電極130が連通孔43に対向する部分であり、連通孔43に最も近い部分である。
[2−5.効果など]
以上のように、本実施の形態に係る液体処理装置100は、複数の第1電極130の各々の形状は、球状でもよい。
これにより、複数の第1電極130の各々の表面への電解集中を促進し、放電に必要な電力を低い電圧で実現することができる。つまり、本実施の形態に係る液体処理装置100によれば、消費電力を抑制しつつ、プラズマを安定に多点生成することができる。
(実施の形態3)
続いて、実施の形態3に係る液体処理装置について説明する。
本実施の形態では、実施の形態2の構成と比較して、複数の第1電極の各々の形状が針状である点が異なっている。第1電極の形状を針状にすることにより、各第1電極の表面への電界集中を一層促進し、放電に必要な電力をより低い電圧で実現することができる。以下では、実施の形態2と異なる点を中心に説明し、共通する点は説明を省略又は簡略化する。
図15は、本実施の形態に係る液体処理装置200の構成を示す図である。図15に示すように、液体処理装置200は、図9に示す実施の形態2に係る液体処理装置100と比較して、電極支持板120、複数の第1電極130及び第2電極150の代わりに、電極支持板220、複数の第1電極230及び第2電極250を備える。
[3−1.電極支持板]
図16は、本実施の形態に係る電極支持板220の断面図である。なお、電極支持板220の平面視形状は、図10に示す実施の形態2に係る電極支持板120と同じである。図16に示す断面は、図10の一点鎖線で示すXI−XI線における断面に対応している。
電極支持板220は、実施の形態2に係る電極支持板120と比較して、複数の孔121の代わりに複数の孔221を有する点が異なっている。複数の孔221の各々は、電極支持板220を厚み方向に貫通している。複数の孔221の各々は、図17に示すように複数の第1電極230を支持するための貫通孔である。
図17は、本実施の形態に係る電極支持板220に第1電極230が保持されている状態を示す断面図である。図17は、図16と同様に、図10の一点鎖線で示すXI−XI線における断面を示している。
複数の孔221の各々は、絶縁板40側の第1開口222と、第1電極230側の第2開口223とを有する。本実施の形態では、図16に示すように、第1開口222の開口面積は、第2開口223の開口面積より小さい。
本実施の形態では、第1開口222及び第2開口223に平行な断面における孔221の断面積は、第1開口222から第2開口223に向かうにつれて、漸次大きくなる。例えば、孔221は、図16に示すように、円錐台状の貫通孔である。
第1開口222は、円形の開口であり、その径は、針状の第1電極230の先端部の径より大きい。また、第2開口223は、円形の開口であり、その径は、球状の第1電極230の根元部の径より小さい。
複数の孔221を全て同じ形状にすることで、第2開口223から針状の第1電極230を挿入するだけで、複数の第1電極230を厚み方向において同じ位置に配置することができる。したがって、複数の第1電極230と絶縁板40との距離を均一にすることができ、複数の第1電極230の各々と第2電極250との間のインピーダンスを容易に一定にすることができる。これにより、プラズマを安定して多点生成することができる。
なお、孔221の形状は、円錐台状に限らない。例えば、孔221は、第1電極230の形状に沿った形状を有してもよい。
[3−2.第1電極]
複数の第1電極230は、実施の形態2に係る複数の第1電極130と比較して、その形状が異なっている。本実施の形態では、複数の第1電極230の各々の形状は、針状である。
図17に示すように、複数の第1電極230は、第2開口223から挿入されて、孔221の内面に接触している。このとき、第1電極230の一部(下部)は、第2開口123より下方(空間81とは反対側)に突出している。また、第1電極230の別の一部(上部)は、第1開口222より上方(空間81(絶縁板40)側)に突出している。
第1電極230は、例えば、タングステンなどの耐プラズマ性の金属材料から構成される。第1電極230としては、他の耐プラズマ性の金属材料を用いてもよく、あるいは、耐久性は悪化するものの、銅、アルミニウム、鉄及びこれらの合金などを用いてもよい。
第1電極230は、例えば、針状の電極である。具体的には、第1電極230は、高さ方向に長尺の円錐状の電極である。第1電極230は、連通孔43に近づくにつれて、その径が小さくなる。
第1電極230の先端部(上端)の径を小さくすることで、電界集中を一層促進することができる。第1電極230の根元部(下端)の径は、例えば、1mmであるが、特に限定されない。なお、「針状」とは、円錐形状に限らず、角錐形状も含む概念であり、先端部が尖っている状態、具体的には、先端部程、径が小さくなる状態を意味する。
第1電極230の先端は、連通孔43内に挿入されていてもよい。あるいは、第1電極230の先端は、連通孔43に接する、すなわち、連通孔43の開口に接していてもよい。あるいは、第1電極230の先端は、連通孔43から所定距離、離れていてもよい。当該所定距離は、例えば、100μm以下である。
[3−3.第2電極]
第2電極250は、実施の形態2に係る第2電極150と比較して、その形状が異なっている。第2電極250は、例えば、棒状の電極である。具体的には、第2電極250の形状は、円柱状である。第2電極250の大きさは、例えば、実施の形態1に示す第1電極30と同じでもよい。
[3−4.効果など]
以上のように、本実施の形態に係る液体処理装置200は、複数の第1電極230の各々の形状は、針状でもよい。
これにより、複数の第1電極230の各々の表面への電解集中を一層促進し、放電に必要な電力をより低い電圧で実現することができる。つまり、本実施の形態に係る液体処理装置200によれば、消費電力を一層抑制しつつ、プラズマを安定に多点生成することができる。
(他の実施の形態)
以上、1つ又は複数の態様に係る液体処理装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、及び、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
例えば、上記の実施の形態では、複数の孔21、複数の第1電極30及び複数の連通孔43が二次元のアレイ状に配列される例について示したが、これに限らない。例えば、複数の孔21、複数の第1電極30及び複数の連通孔43は、一次元、すなわち、所定の直線に沿って配列されてもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、電極支持板20及び絶縁板40が平板である例について示したが、これに限らない。電極支持板20及び絶縁板40は、湾曲した板又は筒であってもよい。
また、例えば、液体処理装置10は、電源60及び制御回路70を備えなくてもよい。例えば、外部電源によって、第1電極30と第2電極50との間に所定の電圧を印加してもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、連通孔43に親水化処理を行ったが、これに限らない。例えば、連通孔43の径を大きくすることで、液体11を浸入しやすくすることもできる。ただし、連通孔43の径が大きすぎる場合(例えば、700μm)は、連通孔43内の液体11を気化させるためのエネルギー量が増加する、電界集中効果が小さくなるなどの理由から好ましくない。
また、上記の各実施の形態は、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、効率良くプラズマを生成することができる液体処理装置として利用でき、例えば、殺菌装置、水浄化装置、材料加工装置などに利用することができる。
10、10a、100、200 液体処理装置
11 液体
12 気体
13 プラズマ
20、120、220 電極支持板
21、121、221 孔
22 主面
30、130、230 第1電極
31 端面
40 絶縁板
41 第1主面
42 第2主面
43 連通孔
50、150、250 第2電極
60 電源
70 制御回路
80 液体保持部
81 空間
90 インピーダンス素子
101 隔壁
122、222 第1開口
123、223 第2開口
131 バリア層
132 銅電極
182 空間

Claims (9)

  1. 液体処理装置であって、
    液体を保持するための空間を有する液体保持部と、
    複数の第1電極と、
    前記複数の第1電極と前記空間との間に配置された絶縁板と、
    前記空間内に配置された、又は、前記空間に接して配置された第2電極とを備え、
    前記絶縁板は、
    前記複数の第1電極の各々と前記第2電極との間を連通させるように、前記複数の第1電極の各々に対応する位置において前記絶縁板を貫通する複数の連通孔を有し、
    前記液体処理装置は、
    前記複数の第1電極の各々と前記第2電極との間に交流又はパルス電圧を印加する、
    液体処理装置。
  2. 前記複数の第1電極と前記交流又はパルス電圧を印加する電源との間で、前記複数の第1電極の各々に接続された複数のインピーダンス素子を、さらに備える、
    請求項1に記載の液体処理装置。
  3. 前記複数の第1電極の各々と、当該各々の第1電極に接続されたインピーダンス素子とを合わせたインピーダンスは、互いに等しい、
    請求項2に記載の液体処理装置。
  4. 前記複数の連通孔の各々に前記液体を浸入させ、前記複数の第1電極と前記第2電極との間に前記交流又はパルス電圧を印加することで、前記複数の連通孔の各々に浸入した液体を気化させることで気体を生成し、生成した気体中で放電させてプラズマを生成する、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体処理装置。
  5. 前記複数の第1電極の各々は、対応する連通孔に接している、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体処理装置。
  6. 前記複数の第1電極を支持する電極支持体を、さらに備える、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体処理装置。
  7. 前記複数の第1電極の各々の形状は、球状である、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の液体処理装置。
  8. 前記複数の第1電極の各々の形状は、針状である、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の液体処理装置。
  9. 前記複数の連通孔の各々の径は、250μm以下である、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の液体処理装置。
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