1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、および、打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図5参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示(可変表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの変動表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図3参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば、大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、小当たりに当選した場合には「135」などの予め定めたチャンス目で演出図柄を停止表示する。また、ハズレであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能であり、小当たり当選時にバラケ目で演出図柄を停止表示するようにしてもよい。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出(「演出図柄可変表示演出」や単に「変動演出」ともいう)のほか、大当たり遊技(第2特別遊技)に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図3参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1始動入賞口、第1入球口)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、即ち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また第1始動口20の右上方には、第2始動口(第2始動入賞口、第2入球口)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる「電チュー」)22が設けられている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、即ち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
電チュー22は、前後に進退可能な可動部材(入球口開閉部材に相当)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図4参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開いているとき(つまり可動部材23が開状態をとっているとき)だけ遊技球が入球可能となる。即ち、可動部材23が閉じているとき(つまり可動部材23が閉状態をとっているとき)には遊技球が入球不可能となっている。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉じているときには開いているときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉じているときに完全に入球不可能となるものでなくてもよい。
また、遊技領域3における第1始動口20の下方には、第1大入賞口(他の特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置、他の特別入賞手段)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(他の特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図4参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の右方には、第2大入賞口(特別入賞口に相当)35を備えた第2大入賞装置(特別入賞手段に相当、第2特別可変入賞装置ともいう)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(特別入賞口開閉部材に相当)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、前後に進退する進退式のものであり、第2大入賞口ソレノイド38(図4参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
より詳細には、図2に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。なお、振分部材71は、振分部材ソレノイド73の通電時には、遊技球を特定領域39に振り分ける第1の状態(通過許容状態)をとり、振分部材ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非特定領域70に振り分ける第2の状態(通過阻止状態)をとる。
振分部材71は、図2に二点鎖線で示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、特定領域39への遊技球の通過を許容する通過許容状態にある。振分部材71が通過許容状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
また振分部材71は、図2に破線で示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、特定領域39への遊技球の通過を妨げる通過阻止状態にある。振分部材71が通過阻止状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71上を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過は、後述の大当たり遊技(第2特別遊技)の実行契機となっている。つまり本形態では、特定領域39への遊技球の通過の有無によっても大当たり抽選を行っている。上述の第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選により当選する大当たりを1種大当たりといい、特定領域39への遊技球の通過によって当選する大当たりを2種大当たりという。
また図1に示すように、遊技領域3における第2始動口21の上方には、遊技球が通過可能なゲート28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(即ち、普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
さらに遊技領域3の左下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口6が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打ち方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打ち方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口20と、第1大入賞装置31と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口20への入賞を狙う。
一方、第2流路R2上には、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート28への通過、電チュー22に係る第2始動口21、第1大入賞口30又は第2大入賞口35への入賞(さらには、第2大入賞口35内の特定領域39への入球)を狙う。
なお本形態では、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36とはユニット化されており、1つの構造体として遊技盤2に対して着脱可能となっている。また、固定入賞装置19と第1大入賞装置31とはユニット化されており、1つの構造体として遊技盤2に対して着脱可能となっている。
また、図1および図3に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、および、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお、以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄(識別情報)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり停止態様の特別図柄(大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(第2特別遊技)が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり停止態様の特別図柄(小当たり図柄)である場合には、停止表示された小当たり図柄の種類(つまり当選した小当たりの種類)に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる小当たり遊技(第1特別遊技)が行われる。なお、第1特別遊技又は第2特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的には、特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たり(後述の複数種類の小当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「●●●●○○●●」というように左から5,6番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄の変動表示(可変表示)における点灯態様としては、例えば、左端のLEDから右端のLEDへ光が繰り返し流れるような点灯態様など、停止表示時以外の点灯態様が挙げられる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)は、特図保留記憶部85(図4参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図4参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図4参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値(上限記憶数)は第1特図保留記憶部85a、第2特図保留記憶部85b共に4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、即ち、特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そして、このような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には、各特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示するものである。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄、即ち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には、普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図3参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また、抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。なお、普通ハズレ図柄として全てのLEDが消灯している態様を採用してもよい。また、普通図柄の変動表示(可変表示)における点灯態様としては、例えば、両LEDが交互に点灯する態様や一斉に点滅する態様など、停止表示時以外の点灯態様が挙げられる。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図4参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、即ち、普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そして、このような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には、普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.遊技機の電気的構成
次に図4および図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図4および図5に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100とランプ制御基板107と音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備えていればよい。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。
RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。具体的には、図6(a)に示すように、第1特図保留記憶部85a(第1入球口用記憶手段に相当)は、記憶可能な第1特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。また、図6(b)に示すように、第2特図保留記憶部85b(第2入球口用記憶手段に相当)は、記憶可能な第2特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。なお、各記憶領域は図6(c)に示すように、4つの記憶領域に分かれている。これらの4つの記憶領域とは、後述の大当たり乱数を記憶する領域、当たり種別乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域および変動パターン乱数を記憶する領域である。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70aおよび普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43bおよび普図保留表示器44が接続されている。即ち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また、払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお、遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお、本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また、主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。即ち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)97を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路97は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
上記演出制御用マイコン91のRAM94には、図7(a)に示すように、第1始動口20への入賞に基づいて特定された後述する第1始動入賞コマンド等を記憶可能な第1特図保留演出記憶部95aと、第2始動口21への入賞に基づいて特定された後述する第2始動入賞コマンド等を記憶可能な第2特図保留演出記憶部95bと、第1特別図柄および第2特別図柄に共通の当該変動用演出記憶部(第0記憶領域)95cとが設けられている。各特図保留演出記憶部は、図7(b)および図7(c)に示すように、記憶可能な特図保留の数に対応して4つの記憶領域(第1記憶領域〜第4記憶領域)に分けられている。さらに各記憶領域には、図7(d)に示すように、2つの記憶領域が含まれている。これらの2つの記憶領域とは、始動入賞コマンドを記憶(格納)する始動入賞コマンド記憶領域、および、後述する先読み演出乱数を記憶する先読み演出乱数記憶領域である。なお、当該変動用演出記憶部95cもこれらの2つの記憶領域を含んでいる。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106およびランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的には、キャラクタ、キャラクタ以外の物体ならびに図形などの画像であるオブジェクト画像や、文字、数字ならびに記号などの画像である文字画像や、背景画像といった画像データ、および、一連のストーリーを有する動画(映像)といった動画データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。具体的には、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には、サブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15を動作させる。なお、装飾可動体15とは、図1では図示を省略したが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆる「ギミック」のことである。具体的には、演出制御用マイコン91は、装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出スイッチ(演出ボタン検出SW)63aが接続されている。従って、演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」、「小当たり」および「ハズレ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「小当たり」のときには、特別図柄表示器41に「小当たり図柄」が停止表示される。「ハズレ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技(第2特別遊技に相当)」が実行される。小当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(小当たりの種類)に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる「小当たり遊技(第1特別遊技に相当)」が実行される。そして、小当たり遊技の実行中に第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が進入すると、当選している小当たりの種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技」が実行される。なお、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることに基づいて実行される大当たり遊技を1種大当たり遊技と称する。また、特定領域39への通過に基づいて実行される大当たり遊技を2種大当たり遊技と称する。
なお本形態では、大当たり遊技は、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
また本形態では、小当たり遊技は、第2大入賞口35を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると(つまり1種大当たりに当選すると)、第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行される。本形態では、図8に示すように、大当たりの種別として「15R(ラウンド)通常大当たり」、「4R時短大当たり」および「15R時短大当たり」がある。「15R通常大当たり」は、15Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「非時短状態且つ低ベース状態」に制御する大当たりである。「4R時短大当たり」は、4Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「時短状態且つ高ベース状態」に制御する大当たりである。「15R時短大当たり」は、15Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「時短状態且つ高ベース状態」に制御する大当たりである。なお、いずれの大当たりも、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。
また、「15R通常大当たり」および「4R時短大当たり」は第1特別図柄(特図1)の抽選でのみ当選する可能性がある。これに対して「15R時短大当たり」は第2特別図柄(特図2)の抽選でのみ当選する可能性がある。なお、第1特別図柄の抽選によって「15R通常大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_通常図柄」が停止表示される。また、第1特別図柄の抽選によって「4R時短大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_時短図柄1」が停止表示される。また、第2特別図柄の抽選によって「15R時短大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_時短図柄2」が停止表示される。
一方、特別図柄抽選の結果、小当たりに当選すると、第2大入賞口35を1回開放させる小当たり遊技が実行される。小当たり遊技によって開放された第2大入賞口35へ遊技球が入賞し、その遊技球が第2大入賞装置36内の特定領域39を通過した場合には、大当たり当選となり、続けて15Rにわたって第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(2種大当たり)が実行される。この大当たり遊技(特定領域39への通過を契機とする大当たり遊技)が実行された場合には、小当たり遊技としての第2大入賞口35の開放が1R目に相当することになる。従って、このときの総ラウンド数は16Rとなる。なお、大当たり遊技や小当たり遊技を特別遊技と称することもある。また、特別遊技においては1ラウンド中に複数回大入賞口を開放させるラウンドがあってもよい。
本形態では、図8に示すように、小当たりの種別として「16R時短小当たりA」、「16R時短小当たりB」および「16R時短小当たりC」がある。各種別の小当たりは、小当たり遊技を行って、その小当たり遊技において特定領域39への遊技球の通過があれば大当たり遊技(2種大当たり遊技)を行うものである。小当たり遊技において特定領域39への遊技球の通過がなければ、大当たり遊技は実行されない。「16R時短小当たりA」は、特定領域39への通過(V通過ともいう)が実質的に不可能な小当たりである。これに対して、「16R時短小当たりB」および「16R時短小当たりC」は、V通過が必ず可能な小当たりである。小当たり遊技の実行中にV通過可能か否かは、振分部材71の作動パターンおよび開閉部材37の開放パターンによって決まる。この点については後に詳述する。
各種別の小当たり遊技では、第2大入賞口35の1.6秒開放が1回行われる。但し、各小当たり遊技におけるオープニングの時間は、小当たりの種別に応じて異なっている。具体的には、図8に示すように、「16R時短小当たりA」では4.6秒、「16R時短小当たりB」では21秒、「16R時短小当たりC」では0.008秒である。このように小当たりの種別に応じて小当たり遊技のオープニングの時間が異なっているのは、このオープニングの開始から一定の動作で動いている振分部材71に対する第2大入賞口35の開放タイミングを変えるためである。これにより、小当たり遊技の実行中にV通過が可能な通過開放パターンと、小当たり遊技の実行中にV通過が不可能(実質的を含む)な非通過開放パターンとをつくり出している。なお、通過開放パターンは、第1開放パターンに相当する。また、非通過開放パターンは、第2開放パターンに相当する。通過開放パターンおよび非通過開放パターンの詳細については後述する。
また、特定領域39への遊技球の通過に基づいて実行される大当たり遊技(2種大当たり遊技)では、小当たりの種別に応じて定められている開放パターンで第1大入賞口30を開放する。具体的には、「16R時短小当たりA」は、1R当たりの最大開放時間を29.5秒として15Rにわたって第1大入賞口30を開放させる2種大当たり遊技の実行後、遊技状態を後述の「時短状態且つ高ベース状態」に制御する当たりである。但し、「16R時短小当たりA」は、V通過が実質的に不可能な小当たりであるため、当該小当たりに続いて2種大当たり遊技が実行されることはほとんどない。
また、「16R時短小当たりB」および「16R時短小当たりC」は、1R当たりの最大開放時間を29.5秒として15Rにわたって第1大入賞口30を開放させる2種大当たり遊技の実行後、遊技状態を後述の「時短状態且つ高ベース状態」に制御する当たりである。なお、2種大当たり遊技における1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回である。
また、「16R時短小当たりA」および「16R時短小当たりB」は第1特別図柄の抽選でのみ当選する可能性がある。これに対して「16R時短小当たりC」は第2特別図柄の抽選でのみ当選する可能性がある。なお、第1特別図柄の抽選によって「16R時短小当たりA」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_時短有り小当たり図柄1」が停止表示される。また、第1特別図柄の抽選によって「16R時短小当たりB」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_時短有り小当たり図柄2」が停止表示される。また、第2特別図柄の抽選によって「16R時短小当たりC」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_時短有り小当たり図柄3」が停止表示される。本形態では、特典無し小当たり(2種大当たり遊技の実行後に遊技状態を後述の「非時短状態且つ低ベース状態」に制御する小当たり)はない。
なお、第1特別図柄(特図1)の抽選における各大当たりへの振分確率は、「15R通常大当たり」が50%、「4R時短大当たり」が50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全て「15R時短大当たり」となっている。また、第1特別図柄の抽選における各小当たりへの振分確率は、「16R時短小当たりA」、つまりV通過実質不可の小当たりが99%、「16R時短小当たりB」、つまりV通過可能な小当たりが1%となっている。これに対して、第2特別図柄の抽選において当選した小当たりは、全て「16R時短小当たりC」、つまりV通過可能な時短小当たりとなっている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たり又は小当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図9(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。このリーチ乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。また、ゲート28への通過に基づいて取得される乱数には、図9(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、変動時間短縮機能がある。
特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。即ち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターン判定テーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図11参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
普通図柄表示器42の変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。即ち、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図10(E)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図13参照)。即ち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。
普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、および、電チュー22の開放時間延長機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる「電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)」が実行されている状態である。そのため、高ベース状態を電サポ制御状態ともいう。また、低ベース状態を非電サポ制御状態ともいう。高ベース状態は「特典遊技状態」に相当する。
なお、高ベース状態(電サポ制御状態)において、電チュー22の開放回数増加機能が作動するようにしてもよい。即ち、高ベース状態で実行される補助遊技では、電チュー22の開放回数が非時短状態で実行される補助遊技よりも多くなるようにしてもよい。また、高ベース状態において、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動するようにしてもよい。即ち、低ベース状態における普通図柄抽選の当選確率を相対的に低く設定し、高ベース状態における普通図柄抽選の当選確率を相対的に高く設定してもよい。この場合、低ベース状態における普通図柄抽選の当選確率を「零」に設定するとよい。なぜなら、低ベース状態において第2特別図柄の抽選が実行されないようにすることが可能となるからである。つまり、このように構成すれば、低ベース状態にもかかわらず第2特別図柄の抽選に基づく小当たり遊技の実行を狙った攻略的な遊技を防止することが可能となる。
さらには、高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。即ち、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、電チュー22の開放回数増加機能、および、普通図柄表示器42の確率変動機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、図8に示すように、「4R時短大当たり」、「15R時短大当たり」、「16R時短小当たりA」、「16R時短小当たりB」又は「16R時短小当たりC」に当選して実行された大当たり遊技後の遊技状態は、時短状態かつ高ベース状態である。時短状態かつ高ベース状態は、所定回数(本形態では3回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、「15R通常大当たり」に当選して実行された大当たり遊技後の遊技状態は、非時短状態且つ低ベース状態である(図8参照)。この遊技状態を特に、「通常遊技状態」という。なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常遊技状態である。
また、小当たり遊技の実行中の遊技状態を小当たり遊技状態(第1特別遊技状態)、大当たり遊技の実行中の遊技状態を大当たり遊技状態(第2特別遊技状態)とそれぞれいう。後述するように、大当たり遊技中は、非時短状態且つ低ベース状態に制御されるが、通常遊技状態には含まれない。
高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。
5.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図14〜図32に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図14に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図9に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお、各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される、いわゆる「ハードウェア乱数」であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。即ち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図15に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図4参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図14の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図9に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、振分部材制御処理(S107)、特定領域センサ処理(S108)および保留球数処理(S109)を実行する。その後、その他の処理(S110)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S110)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図14参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[センサ検出処理]図16に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していなければ(S201でNO)、ステップS205に進む。遊技球が通過していれば(S201でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S202)。そして、普通図柄保留球数が「4」に達していれば(S202でYES)、ステップS205に進む。一方、普通図柄保留球数が「4」未満であれば(S202でNO)、普通図柄保留球数に1加算し(S203)、普通図柄乱数取得処理(S204)を行う。普通図柄乱数取得処理(S204)では、普通図柄乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Hの値、図9(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
ステップS205では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S205)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合には(S205でNO)ステップS211に進むが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S205でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S206)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合(S206でYES)には、ステップS211に進むが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S206でNO)、特図1保留球数に1加算する(S207)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S208)を行う。特図1関係乱数取得処理(S208)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた第1特図保留記憶部85aの記憶領域(図6(a)参照)に格納する。具体的には、特図1保留球数が「1」の場合には第1記憶領域に取得した乱数値群を格納し、特図1保留球数が「2」の場合には第2記憶領域に取得した乱数値群を格納し、特図1保留球数が「3」の場合には第3記憶領域に取得した乱数値群を格納し、特図1保留球数が「4」の場合には第4記憶領域に取得した乱数値群を格納する。
続いて第1始動入賞コマンド特定処理(S209)を行う。第1始動入賞コマンド特定処理(S209)では、ステップS208で第1特図保留記憶部85aの記憶領域に格納した乱数値群に基づき、図12に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第1始動入賞コマンド(第1入賞口情報に相当)を特定(生成)する。具体的には例えば、始動入賞コマンド特定テーブルを参照して、現在の特図1保留球数の値、現在の遊技状態、大当たり乱数の値、当たり種別乱数の値、リーチ乱数の値、および、変動パターン乱数の値から第1始動入賞コマンドを特定する。
なお本形態の第1始動入賞コマンドには、第1始動口20への入球(入賞)である旨の情報に加え、遊技状態を指定する情報、当たり(大当たりおよび小当たり)の当否に関する情報、特別図柄の種類に関する情報、リーチの有無を指定する情報、および、保留球数を指定する情報が含まれている。
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS209で特定した第1始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S210)。
続いてセンサ検出処理(S104)では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S211)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S211でNO)には本処理を終えるが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S211でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S212)。そして、特図2保留球数が「4」に達している場合(S212でYES)には本処理を終えるが、特図2保留球数が「4」未満である場合には(S212でNO)、特図2保留球数に1加算する(S213)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S214)を行う。特図2関係乱数取得処理(S214)では、特図1関係乱数取得処理(S208)と同様に、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた第2特図保留記憶部85bの記憶領域(図6(b)参照)に格納する。具体的には、特図2保留球数が「1」の場合には第1記憶領域に取得した乱数値群を格納し、特図2保留球数が「2」の場合には第2記憶領域に取得した乱数値群を格納し、特図2保留球数が「3」の場合には第3記憶領域に取得した乱数値群を格納し、特図2保留球数が「4」の場合には第4記憶領域に取得した乱数値群を格納する。
続いて第2始動入賞コマンド特定処理(S215)を行う。第2始動入賞コマンド特定処理(S215)では、ステップS214で第2特図保留記憶部85bの記憶領域に格納した乱数値群に基づき、図12に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第2始動入賞コマンド(第2入球口情報に相当)を特定(生成)する。具体的には例えば、始動入賞コマンド特定テーブルを参照して、現在の特図2保留球数の値、現在の遊技状態、大当たり乱数の値、当たり種別乱数の値、リーチ乱数の値、および、変動パターン乱数の値から第2始動入賞コマンドを特定する。
なお本形態の第2始動入賞コマンドには、第2始動口21への入球(入賞)である旨の情報に加え、上述の第1始動入賞コマンドと同じく、遊技状態を指定する情報、当たり(大当たりおよび小当たり)の当否に関する情報、特別図柄の種類に関する情報、リーチの有無を指定する情報、および、保留球数を指定する情報が含まれている。
続いて、ステップS215で特定した第2始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S216)、本処理を終える。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、センサ検出処理(S104)に次いで、図17に示す普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)ではまず、電チュー22の作動中か否かを判定する(S301)。電チューの作動中でなければ(S301でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S302)。普通図柄の停止表示中でなければ(S302でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S303)。普通図柄の変動表示中でなければ(S303でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S304)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S304でYES)、本処理を終える。
ステップS304において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S304でNO)、当たり判定処理(S305)を行う。当たり判定処理(S305)では、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)を読み出し、図10(D)に示す普通図柄当たり判定テーブル(当たり判定値が「1」〜「65535」)に基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S306)。つまり図柄決定処理(S306)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動時間決定処理(S307)を行う。普通図柄変動時間決定処理(S307)では、図10(E)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。
次いで遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S308)。そして、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S309)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン81は、ステップS307で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S310)。なおこれに伴い、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS303にて普通図柄の変動表示中であれば(S303でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S311)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S311でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S312)。そして、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S313)、普通図柄の停止時間をセットして(S314)本処理を終える。
また、上述のステップS302にて普通図柄の停止表示中であれば(S302でYES)、続いて、ステップS314でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S315)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S315でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S316)、普通当たり図柄のデータでなければ、つまり当たりでなければ(S316でNO)、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば、つまり当たりであれば(S316でYES)、電チュー22の開放パターンをセットする(S317)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図13の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図13の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS317でセットした開放パターンに従って、電チュー22を作動させる(S318)。
また、上述のステップS301にて電チュー22の作動中であれば(S301でYES)、続いて、電チュー22の作動時間が経過したか否かを判定し(S319)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S319でYES)、電チュー22の作動を終了させる(S320)。
[特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで、図18に示す特別動作処理(S106)を行う。特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41および大入賞口装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S901でYES)、特別図柄待機処理(S902)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S901でNO、S903でYES)、特別図柄変動中処理(S904)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S901,S903で共にNO、S905でYES)、特別図柄確定処理(S906)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S901,S903,S905で共にNO、S907でYES)、大当たり遊技としての特別電動役物処理1(S908)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には(S901,S903,S905,S907の全てがNO)、小当たり遊技としての特別電動役物処理2(S909)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図19に示すように、特別図柄待機処理(S902)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1001)。特図2保留球数が「0」である場合(S1001でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1007)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1007でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1013)、そうであれば(S1013でYES)処理を終え、そうでなければ(S1013でNO)、待機画面設定処理(S1014)を行う。待機画面設定処理(S1014)では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする。
ステップS1001において特図2保留球数が「0」でない場合(S1001でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1002)および特図2変動パターン選択処理(S1003)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1004)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1005)。このようにして、第2特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1006)を実行する。特図2変動開始処理(S1006)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1006)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1002)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1003)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1001でYES且つS1007でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1008)および特図1変動パターン選択処理(S1009)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1010)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1011)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1012)を実行する。特図1変動開始処理(S1012)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1012)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1008)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1009)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1001でYESの場合)に限って行われる。即ち、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選にて小当たり当選となると、その小当たり遊技では必ず特定領域39を通過することができるようになっている。この点については後に詳述する。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1002)と特図1大当たり判定処理(S1008)とは、処理の流れが同じであるため図20に基づいてまとめて説明する。図20に示すように、特図2大当たり判定処理(S1002)又は特図1大当たり判定処理(S1008)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1101)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1002)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域(即ち、第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また、特図1大当たり判定処理(S1008)では、RAM84の第1特図保留記憶部85aの第1記憶領域(即ち、第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図10(A))をセットする(S1102)。次いで、セットした大当たり判定テーブルに基づいて大当たりか否かを判定する(S1103)。即ち、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)が、大当たり判定値である「65300」〜「65535」の何れかと一致するか否か判定する(図10(A)参照)。大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」であれば(S1103でYES)、大当たりフラグをONするとともに(S1104)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図10(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1105)。その後、大当たり種別(大当たり図柄の種類)に応じた特図停止図柄データ(図8参照)をRAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(S1106)、本処理を終える。
一方、大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」でなければ(S1103でNO)、小当たりか否かを判定する(S1107)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1002)では、大当たり乱数カウンタ値が、小当たり判定値である「0」〜「9999」のいずれかと一致するか否か判定する(図10(A)の特図2の欄参照)。また特図1大当たり判定処理(S1008)では、大当たり乱数カウンタ値が、小当たり判定値である「0」〜「3500」のいずれかと一致するか否か判定する(図10(A)の特図1の欄参照)。なお小当たり当選確率は、特図1の抽選よりも特図2の抽選の方が高くなっている。より詳細には、特図1の抽選における小当たり当選確率がおよそ1/20程度であるのに対して、特図2の抽選における小当たり当選確率はおよそ1/7程度である。
小当たり判定(S1107)の結果が「小当たり」であれば(S1107でYES)、小当たりフラグをONするとともに(S1108)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図10(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて小当たり種別を判定する(S1109)。その後、小当たり種別(小当たり図柄の種類)に応じた特図停止図柄データ(図8参照)をRAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(S1110)、本処理を終える。なお、小当たりか否かを決める乱数を、大当たり乱数とは別に設けてもよい。
また、大当たりでなく(S1103でNO)、小当たりでもなければ(S1107でNO)、「ハズレ」であるので、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1111)、本処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1003)と特図1変動パターン選択処理(S1009)とは、処理の流れが同じであるため図21および図22に基づいてまとめて説明する。図21に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1003)又は特図1変動パターン選択処理(S1009)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1301)。
時短状態でなければ(S1301でNO)、即ち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1302)。ONであれば(S1302でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図11(A)に示す非時短状態における変動パターン判定テーブルのうち大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1303)。なお、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。
またステップS1302において、大当たりフラグがONでなければ(S1302でNO)、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1304)。ONであれば(S1304でYES)、非時短状態中小当たりテーブル(図11(A)に示す非時短状態における変動パターン判定テーブルのうち小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1305)。
またステップS1304において、小当たりフラグがONでなければ(S1304でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1306)。図10(C)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」〜「5」であり、非時短状態であれば「0」〜「13」である。即ち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1306でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11(A)に示す非時短状態における変動パターン判定テーブルのうちリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1307)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1306でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11(A)に示す非時短状態における変動パターン判定テーブルのうちリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1308)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。即ち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
またステップS1301において、遊技状態が時短状態であると判定した場合には(S1301でYES)、図22に示すように、後述する時短カウンタの値が「3」であるか否かを判定する(S1309)。後述するように時短カウンタの値は、遊技状態が時短状態且つ高ベース状態の場合に、特別図柄が1回変動する毎に1減っていく。また、大当たり遊技が終了したときに、時短カウンタの値には「3」がセットされる(ステップS2103参照)。よって、時短カウンタの値が「3」であるとは、大当たり遊技が終了して、遊技状態が時短状態且つ高ベース状態に移行した後、まだ1度も特別図柄が変動していないことを意味している。つまりステップS1309では、時短カウンタの値を用いて、遊技状態が時短状態且つ高ベース状態に移行してから特別図柄がまだ1度も変動していないのかどうかを判定する。
時短カウンタの値が「3」であれば(S1309でYES)、時短状態且つ高ベース状態への移行後の、特別図柄の変動初回の変動パターンとして、図11(B)に示す変動パターン「P20」を選択する(S1310)。変動パターン「P20」の変動時間は90000msであり、図11(B)に示す、移行後の特別図柄の変動表示が初回以外(2回目以降)の場合に選択され得る7つの変動パターン「P11」〜「P17」のいずれの変動時間よりも長い。なお、図10(E)に示すように時短状態における普通図柄の変動時間が1秒であり、また、図10(D)に示すように普通図柄の抽選ではほぼ当たりとなるため、変動パターン「P20」の変動時間が相対的に長い分、特別図柄の変動中に第2始動口21により多くの遊技球を入賞させることが可能となっている。このため、第2特図保留記憶部85bのより多くの記憶領域(即ち、最大で4つの記憶領域)に、上述した乱数値群を記憶させることが可能となっている。従って、直前の大当たり遊技の終了までに第2特図保留記憶部85bの記憶領域に乱数値群を記憶していないものがある場合には、時短状態への移行後の初回にあたる特別図柄の変動中に、乱数値群を記憶した記憶領域の数を増やすことが可能であり、後述する第2特別報知演出(図43のステップS5408参照)や第3大当たり示唆演出(図43のステップS5406参照)が実行される可能性を高めることが可能となっている。
なお、直前の大当たり遊技の終了までに第2特図保留記憶部85bの記憶領域に乱数値群を記憶していないものがある場合としては、例えば、その直前の大当たり遊技が「4R時短大当たり」の当選による場合や、「16R時短小当たりB」に当選後の2種大当たりによる場合などが挙げられる。本形態では、遊技状態が通常遊技状態(非時短状態且つ低ベース状態)に制御されているときには、図13に示すように電チュー22の開放時間が0.2秒と短いので、第2始動口21への入賞が困難である。そのため、通常遊技状態において当選する「4R時短大当たり」の大当たり遊技直後、および、通常遊技状態において当選する「16R時短小当たりB」に引き続いた2種大当たり遊技直後には、第2特図保留が無い可能性が高い。
一方、ステップS1309で時短カウンタが「3」でなければ(S1309でNO)、ステップS1311に進む。なお、参照する変動パターン判定テーブルを図11(B)に示す時短状態中のテーブルにする事以外は、上記ステップS1302〜S1308と同様の流れで処理(S1311〜S1317)を行う。即ち、大当たりフラグがONであれば(S1311でYES)、時短状態中大当たりテーブル(図11(B)に示す時短状態における変動パターン判定テーブルのうち、特別図柄の変動表示が「初回以外」且つ判定結果が「大当たり」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1312)。
また小当たりフラグがONであれば(S1313でYES)、時短状態中小当たりテーブル(図11(B)に示す時短状態における変動パターン判定テーブルのうち、「初回以外」且つ「小当たり」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1314)。また、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1315でYES)、時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11(B)に示す時短状態における変動パターン判定テーブルのうち、「初回以外」且つ「リーチ有りハズレ」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1316)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1315でNO)、時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11(B)に示す時短状態における変動パターン判定テーブルのうち、「初回以外」且つ「リーチ無しハズレ」に該当する部分)を参照し、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1317)。
なお、図11(B)に示す時短状態中の変動パターン判定テーブルのうち、特別図柄の変動表示が「初回以外」では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。即ち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、大当たり当選時に変動時間の長い変動パターンが選択される確率が非時短状態中よりも低くなっている。即ち、非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図21に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1318)、本処理を終える。ステップS1318でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S902)におけるステップS1006又はS1012でセットされる変動開始コマンドに含められる。
[特別図柄変動中処理]図23に示すように、特別図柄変動中処理(S904)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1003又はS1009で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図11(A),11(B)参照)が経過したか否かを判定する(S1501)。経過していなければ(S1501でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1501でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1502)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1503)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1504)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図24に示すように、特別図柄確定処理(S906)ではまず、特別図柄の停止時間(例えば500ms)が経過したか否かを判定する(S1601)。経過していなければ(S1601でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S1601でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1602)。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1603)。大当たりフラグがONであれば(S1603でYES)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1604)。そして、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONか否かを判定し(S1605)、ONでなければステップS1607に進むが、ONであれば時短フラグをOFFして(S1606)ステップS1607に進む。これにより、大当たり遊技の実行中は非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S1607)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1608)。ステップS1608に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図8を参照)をセットする(S1609)。このときに、特別遊技中の大入賞口の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じた値にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
一方、ステップS1603において大当たりフラグがONでなければ(S1603でNO)、続いて小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1610)。小当たりフラグがONであれば(S1610でYES)、特別動作ステータスを「5」にセットする(S1611)。なお、小当たりフラグがONである場合には、時短フラグがONであってもOFFにはしない。その後、小当たり遊技を開始するべく、小当たりのオープニングコマンドをセットして(S1612)、小当たり遊技のオープニングを開始する(S1613)。
ステップS1613に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した小当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図8を参照)をセットする(S1614)。なおこのときに、大入賞口開放カウンタの値を、当選した小当たりの種類に応じた値にセットする。その後遊技制御用マイコン81は、振分部材作動フラグをONにして(S1615)、本処理を終える。振分部材作動フラグは、振分部材71を作動させる期間であることを示すフラグである。つまり本形態では、振分部材71の作動は小当たり遊技のオープニングとともに開始される。なお、振分部材の作動パターンについては後に詳述する。
ステップS1610において小当たりフラグがONでなければ(S1610でNO)、大当たり遊技も小当たり遊技も開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1616)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図25に示すように、遊技状態管理処理(S1602)ではまず、時短フラグがONか否か判定し(S1701)、ONであれば(S1701でYES)、時短状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1702)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S1703)。そして「0」であれば(S1703でYES)、時短フラグをOFFする(S1704)。なお、本パチンコ遊技機1では、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「3」にセットされるようになっている。この点については後述する。
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、1種大当たり遊技や2種大当たり遊技といった大当たり遊技(第2特別遊技)の実行のための処理である。図26に示すように、特別電動役物処理1(S908)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当たり終了フラグは、当選した大当たり遊技において第1大入賞装置31の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2001でNO)、第1大入賞口30の開放中か否か(即ち、第1大入賞装置31の開放中か否か)を判定する(S2002)。開放中でなければ(S2002でNO)、第1大入賞口30を開放させる時間に至ったか否か、即ち、大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口30の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2003)。
ステップS2003の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2003の判定結果がYESであれば、セットされている開放パターンに従って第1大入賞口30を開放させる(S2004)。
ステップS2002において第1大入賞口30の開放中であれば(S2002でYES)、その単位開放遊技における第1大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では8個)に達しているか否かを判定する(S2005)。規定の最大入賞個数に達していなければ(S2005でNO)、第1大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったか否か(即ち第1大入賞口30を開放してから所定の開放時間(図8参照)が経過したか否か)を判定する(S2006)。そして、第1大入賞口30の開放時間が経過していなければ(S2006でNO)、本処理を終える。
これに対して、規定の最大入賞個数に達している場合(S2005でYES)、又は、第1大入賞口30の開放時間が経過した場合(S2006でYES)、即ち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第1大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2007)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2008)、大入賞口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2009)。「0」でなければ(S2009でNO)、次の開放を開始するためにそのまま本処理を終える。
一方、「0」であれば(S2009でYES)、大当たり遊技を終了させるべく、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2010)、大当たりのエンディングを開始する(S2011)。そして、大当たり終了フラグをセットして(S2012)本処理を終える。
またステップS2001において大当たり終了フラグがONであれば(S2001でYES)、大当たり遊技における第1大入賞口30の開放が全て終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2013)、エンディング時間が経過していなければ(S2013でNO)本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2013でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2014)、大当たりフラグをOFFする(S2015)。そして、特別動作ステータスを「1」にセットした後(S2016)、後述の遊技状態設定処理を行って(S2017)本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図27に示すように、遊技状態設定処理(S2017)ではまず、今回実行した大当たり遊技が時短当たり(即ち「4R時短大当たり」、「16R時短小当たりA」、「16R時短小当たりB」、「15R時短大当たり」又は「16R時短小当たりC」)への当選を契機として実行された大当たり遊技であるか否か判定する(S2101)。ステップS2101の判定結果がNOであれば、そのまま本処理を終えるが、ステップS2101の判定結果がYESであれば、時短フラグをONする(S2102)。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が時短状態且つ高ベース状態(特典遊技状態)になる。
続いて、時短カウンタの値として「3」をセットして(S2103)、本処理を終える。時短カウンタは、遊技状態が特典遊技状態中(時短状態且つ高ベース状態中)に実行した特別図柄変動の回数をカウントするためのものである。本形態では、時短カウンタにセットした値(「3」)を、上述したステップS1702の処理で1ディクリメントする。即ち、特典遊技状態中に特別図柄の変動表示が終了する毎に、時短カウンタの値を1ずつカウントダウンする。なお、時間カウンタの値が「0」になった場合には、上述したステップS1704の処理で時短フラグをOFFして、特典遊技状態が終了する。なお本形態では、特典遊技状態は、特別図柄の変動表示が3回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]特別電動役物処理2は、特定領域39を備えた第2大入賞装置36を開放させる小当たり遊技(第1特別遊技)の実行のための処理である。図28および図29に示すように、特別電動役物処理2(S909)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。小当たり終了フラグは、小当たり遊技において第2大入賞装置36の開放が終了したことを示すフラグである。
小当たり終了フラグがONでなければ(S2301でNO)、第2大入賞口35の開放中か否か(即ち第2大入賞装置36の開放中か否か)を判定する(S2302)。開放中でなければ(S2302でNO)、第2大入賞口35を開放させる時間に至ったか否か、即ち所定の開放前インターバル(小当たりのオープニング)の時間が経過して第2大入賞口35の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2303)。
ステップS2303の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2303の判定結果がYESであれば、当選している小当たりの種類に応じた開放パターン(図8参照)に従って第2大入賞口35を開放させる(S2304)。
ステップS2302において第2大入賞口35の開放中であれば(S2302でYES)、第2大入賞口35への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では8個)に達しているか否かを判定する(S2305)。規定の最大入賞個数に達していなければ(S2305でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時間に至ったか否か(即ち、第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(図8に示すように本形態では1.6秒)が経過したか否か)を判定する(S2306)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2306でNO)、本処理を終える。
これに対して、規定の最大入賞個数に達している場合(S2305でYES)、又は、第2大入賞口35の開放時間が経過した場合(S2306でYES)、即ち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞口35を閉鎖(閉塞)する(S2307)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2308)、小当たり終了フラグをセットして(S2309)、本処理を終える。
また、ステップS2301において小当たり終了フラグがONであれば(S2301でYES)、図29に示すように、小当たり遊技における第2大入賞口35の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバルの時間)が経過したか否かを判定し(S2310)、閉鎖後インターバルの時間が経過していなければ(S2310でNO)本処理を終える。なお、小当たり遊技の閉鎖後インターバルの時間については後述する。一方、閉鎖後インターバルの時間が経過していれば(S2310でYES)、小当たり終了フラグをOFFするとともに(S2311)、小当たりフラグをOFFして(S2312)、ステップS2313に進む。
ステップS2313では、VフラグがONか否かを判定する。Vフラグは、小当たり遊技の実行中に特定領域39への遊技球の通過があったことを示すフラグであり、後述するステップS2603(図31参照)でONされるフラグである。このVフラグがONでなければ(S2313でNO)、2種大当たり遊技を実行しないため、大入賞口開放カウンタの当たりを「0」にクリアするとともに(S2314)、特別動作ステータスを「1」にセットして(S2315)、本処理を終える。
一方、VフラグがONであれば(S2313でYES)、2種大当たり遊技を実行するため、遊技制御用マイコン81は、VフラグをOFFするとともに(S2317)、大当たりフラグをONして(S2318)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S2319)。続いて、時短フラグがONであれば(S2320でYES)時短フラグをOFFする(S2321)。そして、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S2322)、大当たりのオープニングを開始する(S2323)。これにより、第2大入賞口35を短時間にわたって開放する小当たり遊技から2種大当たり遊技に移行する。
[振分部材制御処理]遊技制御用マイコン81は、特別動作処理(S106)に次いで振分部材制御処理(S107)を行う(図15参照)。振分部材制御処理(S107)では図30に示すように、まず、振分部材作動フラグがONか否かを判定する(S2501)。振分部材作動フラグがONでなければ(S2501でNO)本処理を終える。一方、振分部材作動フラグがONであれば(S2501でYES)、小当たり遊技のオープニングが開始しているため(図24参照)、振分部材71を所定の作動パターンにて作動させるべく振分部材作動処理(S2502)を行うとともに、V有効期間設定処理(S2503)を行う。
振分部材作動処理(S2502)では、振分部材71の作動時間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、振分部材71の開放タイミングになったら振分部材ソレノイド73をONし、振分部材71の閉鎖タイミングになったら振分部材ソレノイド73をOFFする。これにより、振分部材71は、小当たり遊技のオープニングの開始から一定の動作で動くこととなる。
具体的には図45(c)に示すように、振分部材71をまず、小当たり遊技のオープニングの開始から8msにわたって通過阻止状態(図2に破線で示す状態)に制御する。これを開放前インターバルという。続いて、4600msにわたって通過許容状態(図2に二点鎖線で示す状態)に制御する。これを、第1V開放という。次いで、16392msにわたって通過阻止状態に制御する。これを、開放間インターバルという。その後、再び4600msにわたって通過許容状態に制御する。これを第2V開放という。そして、3000msにわたって通過阻止状態に制御する。これを閉鎖後インターバルという。このような、「開放前インターバル⇒第1V開放⇒開放間インターバル⇒第2V開放⇒閉鎖後インターバル」からなる一連の動作が振分部材71の一定動作である。
また、V有効期間設定処理(S2503)では、上記のような振分部材71の一定動作に対してV有効期間を設定する。V有効期間とは、特定領域センサ39aによる検知があった場合にその検知を有効なものとみてVフラグをONにする期間である。図45(d)に示すように、V有効期間は、特定領域39の開放開始(振分部材71を通過許容状態に制御した時点)から所定の時間が経過するまでである。所定の時間は、特定領域39の開放時間(振分部材71を通過許容状態に制御している時間)よりも長い時間に設定されている。これは、振分部材71の配置位置を通過した遊技球が特定領域39に至るまでのタイムラグを考慮してのことである。
具体的にはV有効期間設定処理(S2503)では、V有効期間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、特定領域39を有効にするタイミングになったらV有効フラグをONし、特定領域39を無効にするタイミングになったらV有効フラグをOFFする。なお、後述する特定領域センサ検出処理(S108)のステップS2602では、このV有効フラグがONか否かを判断することにより、V有効期間中か否かを判定する。
V有効期間設定処理(S2503)に続いて遊技制御用マイコン81は、振分部材71の動作が終了したか否かを判定する(S2504)。具体的には、ステップS2502でセットした振分部材71の作動時間を計測するためのタイマに基づいて、振分部材71が一定動作を開始してから終了するまでの総作動時間(28600ms(図45(c)参照))が経過したか否かを判定する。そして、振分部材71の動作が終了していなければそのまま本処理を終える。これに対して、振分部材71の動作が終了していれば、振分部材作動フラグをOFFしてから(S2505)本処理を終える。
ここで図45に基づいて、上記のような振分部材71の一定動作と、小当たり遊技における第2大入賞口35(開閉部材37)の開放パターンとの関係について説明する。本形態では、小当たり遊技における第2大入賞口35の開放パターンとして、図45(b)、図45(e)および図45(f)に示す3つの開放パターンがある。なお、図45(a)は、小当たり遊技の開始のタイミングをわかりやすくするために、特別図柄の変動表示および停止表示のタイミングを示したものである。
図45(b)に示す開放パターンは、特図2の抽選にて小当たりに当選した場合に選択される開放パターンである。つまり、「16R時短小当たりC」(図8参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンは、特定領域39への通過が可能な通過開放パターン(第1通過開放パターン)である。
より詳細には、この第1通過開放パターンは、8msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、6000msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、8msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、6000msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、1600msにわたる第2大入賞口35の開放期間中および第2大入賞口35の閉鎖後の3000msの期間中は、振分部材71の第1V開放にあたり、振分部材71が通過許容状態をとっている(図45(b)および図45(c)参照)。従って、どのような入賞タイミングで第2大入賞口35へ遊技球が入賞したとしても、その遊技球は特定領域39を通過することが可能である。なお本形態では、右打ちにて遊技球を連続的に発射し続けていれば、1.6秒にわたる開放期間中に必ず第2大入賞口35へ遊技球が入賞するように、第2大入賞装置36等の各装置が配されている。また、第2大入賞口35を通過した遊技球が振分部材71の配置位置に至るまでの所要時間は3000msよりも短い。
図45(e)に示す開放パターンは、特図1の抽選にて「16R時短小当たりB」(図8参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンも、特定領域39への通過が可能な通過開放パターン(第2通過開放パターン)である。この第2通過開放パターンと、上述の第1通過開放パターンとはオープニングの時間が異なっている。
より詳細には、この第2通過開放パターンは、21000msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、6000msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、21000msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、6000msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、1600msにわたる第2大入賞口35の開放期間中および第2大入賞口35の閉鎖後の3000msの期間中は、振分部材71の第2V開放にあたり、振分部材71が通過許容状態をとっている(図45(c)および図45(e)参照)。従って、どのような入賞タイミングで第2大入賞口35へ遊技球が入賞したとしても、その遊技球は特定領域39を通過することが可能である。
図45(f)に示す開放パターンは、特図1の抽選にて「16R時短小当たりA」(図8参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンは、特定領域39への通過が実質的に不可能な非通過開放パターンである。
より詳細には、この非通過開放パターンは、4568msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、2008msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、4568msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、2008msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、オープニング中に振分部材71の第1V開放がほぼ終了する(図45(c)および図45(f)参照)。振分部材71の第1V開放と、第2大入賞口35の開放とが一致している期間は、第2大入賞口35の開放開始直後のわずか40msだけである。従って、仮に第2大入賞口35の開放開始とともに遊技球が入球しても、その遊技球が振分部材71の位置に到達する頃には振分部材71は通過阻止状態に制御されている。よって、この開放パターンが選択された場合には、遊技球が特定領域39を通過することはほぼない。つまり、遊技球が特定領域39を通過することは実質的に不可能となっている。
以上、図45に基づいて説明したように、本形態では小当たり遊技のオープニングの開始に伴って振分部材71の動作を開始するようにしている。そして、小当たりの種類に応じた3つの開放パターンのいずれかにて小当たり遊技が実行される。各開放パターンは、オープニングの時間が異なっている。従って、それぞれの開放パターンでは、振分部材71の変位タイミングに対する第2大入賞口35の開放タイミングが異なることとなる。かくして、第2大入賞口35への入賞タイミングにかかわらず特定領域39を通過可能な小当たり遊技(図45(b)の特2V通過小当たり、および、図45(e)の特1V通過小当たり)と、どのようなタイミングで第2大入賞口35に入賞しても特定領域39を通過することができない小当たり遊技(図45(f)の特1V非通過小当たり)とを実行することが可能となっている。
なお、仮に第2大入賞口35の開放開始から振分部材71の一定動作を開始することとした場合には、通過開放パターンと非通過開放パターンとを設けようとすると、第2大入賞口35の開放時間が4秒程度以上は必要となる。例えば、図46(c)に示すように振分部材を動作させ、これに対して、図46(a)に示すように第2大入賞口を開放させることで通過開放パターンとし、図46(b)に示すように第2大入賞口を開放させることで非通過開放パターンとするといった具合である。これでは、図46(a)に示すように通過開放パターンにおける第2大入賞口の開放時間を長く設定する必要が生じ、本形態のような1.6秒という短時間の開放とした場合に両方の開放パターンを設けることができない。そこで本形態では、小当たり遊技のオープニングの開始から振分部材71の一定動作を開始することとしている(図45参照)。このようにすれば、1.6秒という短時間の開放であっても、通過開放パターンと非通過開放パターンとの両方を設けることが可能となる。
また本形態では、小当たり遊技中は、第2大入賞装置36内に入球した遊技球の数を第2大入賞口センサ35aによる検知に基づいてカウントしているとともに、第2大入賞装置36外へ排出された遊技球の数を特定領域センサ39a又は非特定領域センサ70aによる検知に基づいてカウントしている。つまり本形態では、特定領域センサ39aおよび非特定領域センサ70aは、第2大入賞装置36外へ排出された遊技球の数をカウントする排出口センサとしても機能している。そして、振分部材71の一定動作の終了時点で、両カウント値が一致していないときにはエラー報知を行うようにしている。なお、第2大入賞口35の閉鎖後、両カウント値が一致したときに振分部材71の作動を停止するようにしてもよい。このようにすれば、第2大入賞口35の閉鎖後に特別図柄の変動表示をスムーズに開始することが可能となる。
[特定領域センサ検出処理]遊技制御用マイコン81の動作の説明に戻る。遊技制御用マイコン81は、振分部材制御処理(S107)に次いで特定領域センサ検出処理(S108)を行う(図15参照)。特定領域センサ検出処理(S108)では図31に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2601)。検知がなければ(S2601でNO)処理を終了するが、検知があれば(S2601でYES)V有効期間中か否かを判定する(S2602)。V有効期間は、前述の振分部材制御処理におけるV有効期間設定処理(S2503)にて設定される期間である。具体的にはV有効期間は、図45(d)に示す期間である。
ステップS2602でV有効期間中であると判定した場合には(S2602でYES)、VフラグをONするとともに(S2603)、V通過コマンドをセットして(S2604)本処理を終える。一方、ステップS2602でV有効期間中でないと判定した場合には(S2602でNO)、ステップS2603およびS2604の処理を行うことなく、特定領域センサ検出処理を終える。なお、V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過(特定領域39の通過)の報知を行わせるためのコマンドである。
[保留球数処理]遊技制御用マイコン81は、特定領域センサ検出処理(S108)に次いで保留球数処理(S109)を行う(図15参照)。保留球数処理(S109)では図32に示すように、まず、RAM84に記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数および普通図柄保留球数を読み出す(S2801)。続いて、その保留球数のデータ(その保留球数をサブ制御基板90に通知するための保留球数コマンド)を、RAM84の出力バッファにセットして(S2802)、本処理を終了する。
6.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図33〜図44に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図33に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。即ち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、特別遊技に伴うオープニング演出、開放遊技演出、エンディング演出や、後述する第1特別報知演出、第2特別報知演出、第1大当たり示唆演出、第2大当たり示唆演出および第3大当たり示唆演出等)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり、装飾可動体15を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、図34に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、即ち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ(S4101でNO)本処理を終え、ONであれば(S4101でYES)主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図35に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63a(図5参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータおよびレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理を行う(S4202)。ランプデータ出力処理では、演出に合うタイミングで盤ランプ5や枠ランプ66を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S4304)で作成したランプデータをランプ制御基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ5や枠ランプ66を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理を行う(S4203)。駆動制御処理では、演出に合うタイミングで装飾可動体15を駆動させるべく、駆動データ(装飾可動体15の駆動ためのデータ)を作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、装飾可動体15を所定の動作態様で駆動させる。
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行って(S4204)、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図36に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。
その後、演出制御用マイコン91は、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力をしたり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4304)。
[受信コマンド解析処理]図37に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から第1始動入賞コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば後述する第1事前判定処理を行う(S4402)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から第2始動入賞コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば後述する第2事前判定処理を行う(S4404)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から保留球数コマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば保留球数更新処理を行う(S4406)。保留球数更新処理(S4406)では、保留球数コマンドに含まれている特図1保留球数、特図2保留球数および普通図柄保留球数の情報に基づいて、RAM94に設けられた第1特図保留演出カウンタの値、第2特図保留演出カウンタの値および普図保留演出カウンタの値を更新する。これにより、主制御基板80側だけでなく、サブ制御基板90側でも各保留球数の情報を保持するようにしている。
なお、第1特図保留演出カウンタは、RAM84の第1特図保留記憶部85aに記憶されている乱数値群(数値情報)の個数である第1特図保留の数を計数するカウンタである。また、第2特図保留演出カウンタは、RAM84の第2特図保留記憶部85bに記憶されている乱数値群(数値情報)の個数である第2特図保留の数を計数するカウンタである。また、普図保留演出カウンタは、RAM84の普図保留記憶部86に記憶されている乱数値の個数である普図保留の数を計数するカウンタである。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S4408)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していれば後述する変動演出終了処理を行う(S4410)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していれば後述する特別遊技演出選択処理を行う(S4412)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4413)、受信していれば後述するエンディング演出選択処理を行う(S4414)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否か判定し(S4415)、受信していればV通過報知演出開始処理を行う(S4416)。V通過報知演出開始処理(S4416)では、V通過報知演出を開始するためのV通過報知演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。V通過報知演出とは、V通過(特定領域39への通過)があったことを遊技者に報知するための演出である。本形態では、所定のV通過報知画像(例えば「V」の文字を示す文字画像)を表示画面7aに表示する演出である。このV通過報知演出としての「V」の文字画像の表示は、特定領域39への通過に基づいて大当たり遊技を実行する本パチンコ遊技機1では、大当たり当選報知としての意味をもつ。なお、V通過報知演出は、特別の効果音をスピーカ67から出力するなど、他の態様であってもよい。
続いて、その他の処理(S4417)として上記のコマンド以外の受信コマンド(例えば普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。
[第1事前判定処理]図38に示すように、第1事前判定処理(S4402)ではまず、演出制御用マイコン91は、RAM94の受信バッファに格納されている第1始動入賞コマンドをRAM94の第1特図保留演出記憶部95aに記憶(格納)する(S4601)。なお、第1始動入賞コマンドは、第1特図保留演出記憶部95aにおいて第1記憶領域〜第4記憶領域のうち当該コマンドが記憶されていない最も小さい番号の記憶領域に記憶される。これにより、特図保留の記憶順に対応した順で第1始動入賞コマンドが記憶されていくことになる。
続いて演出制御用マイコン91は、大当たり遊技や小当たり遊技といった当たり遊技(特別遊技)の実行中であるか否かを判定する(S4602)。当たり遊技の実行中であれば(S4602でYES)、そのまま本処理を終える。一方、当たり遊技の実行中でなければ(S4602でNO)、続いて、遊技状態が通常遊技状態であるかどうかを判定する(S4603)。具体的には、第1始動入賞コマンドに含まれる情報のうち、遊技状態に関する情報を用いて通常遊技状態であるかどうかを判定する。第1始動入賞コマンドには、上述したように第1始動口20への入球(入賞)情報、遊技状態を指定する情報、当たり(大当たりおよび小当たり)の当否に関する情報、特別図柄の種類に関する情報、リーチの有無を指定する情報、および、保留球数を指定する情報が含まれている(図12参照)。従って、第1始動入賞コマンドを解析すれば、演出制御用マイコン91は、遊技状態が通常遊技状態であるかどうかが判る。
遊技状態が通常遊技状態でない場合には(S4603でNO)本処理を終えるが、通常遊技状態である場合には(S4603でYES)、ステップS4604に進み、第1始動入賞コマンドに対応する数値情報が大当たりの当選を示す数値情報であるか否かを判定する。第1始動入賞コマンドには、上述したように大当たりの当否に関する情報が含まれているため、第1始動入賞コマンドを解析することによってその第1始動入賞コマンドに係る数値情報が大当たりの当選を示す数値情報であるか否かが判る。なお、本処理における大当たりとは「15R通常大当たり」又は「4R時短大当たり」である。
第1始動入賞コマンドに係る数値情報が大当たりの当選を示すものでなければ(S4604でNO)本処理を終えるが、第1始動入賞コマンドに係る数値情報が大当たりの当選を示すものであれば(S4604でYES)、ステップS4605に進んで先読み演出乱数を取得する。即ち、先読み演出乱数に係る乱数カウンタが示す乱数値を、第1特図保留演出記憶部95aにおける、ステップS4601で格納した第1始動入賞コマンドが記憶されている記憶領域の先読み演出乱数記憶領域(図7(d)参照)に記憶する。
続いて演出制御用マイコン91は、図47に示す先読み演出乱数判定テーブルをセットする(S4606)。そしてこのテーブルに基づいて、後述する第1大当たり示唆演出の実行抽選を行う(S4607)。即ち、ステップS4605で取得した先読み演出乱数の値が、「0」〜「79」のいずかと一致するか否か判定する。先読み演出乱数の値が「0」〜「79」のいずれにも一致しなかったために第1大当たり示唆演出を行わない場合には(S4607でNO)、そのまま本処理を終える。一方、先読み演出乱数の値が「0」〜「79」のいずれかと一致して第1大当たり示唆演出を行う場合には(S4607でYES)、第1大当たり示唆演出の演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4608)、本処理を終了する。
ステップS4608でセットされた第1大当たり示唆演出の演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像(後述する第1特別演出画像NV1(図48参照))をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて第1大当たり示唆演出を行う。
第1大当たり示唆演出は、遊技者に対して、大当たりの当選が確定したことを第1特別図柄の抽選前に示唆するための先読み演出である。具体的には、図48に示すように、キャラクタ人形の頭部のキャラオブジェクト画像NX、および、このキャラオブジェクト画像NXの左方に位置し、文字列を内部に配した「吹き出し」形状の図形オブジェクト画像NYからなる第1特別演出画像NV1を用いた演出である。この第1大当たり示唆演出では、所定の期間(例えば5000msの期間)の間、第1特別演出画像NV1が表示画面7a上に表示される。
なお本形態では、キャラオブジェクト画像NXに示すキャラクタの表示画面7a上への出現が極めて稀な構成としているため、このキャラオブジェクト画像NXの出現によって、第1特別図柄の抽選前に大当たりの当選を遊技者に確信させることが可能となっている。さらに、図形オブジェクト画像NY内の文字列の背景をレインボー柄としているため、これによっても、第1特別図柄の抽選前に大当たりの当選を遊技者に確信させることが可能となっている。
また、第1特別演出画像NV1は、画像表示装置7の表示画面7aの中央および右側部に表示される(図48参照)。その際、変動中の、又は、停止した演出図柄8L,8C,8Rに一部重なって(具体的には、演出図柄8L,8C,8Rよりも図中手前側に重なって)表示される。よって、表示画面7a上に演出図柄8L,8C,8Rが表示されていても、第1特別演出画像NV1を用いた第1大当たり示唆演出について遊技者は視認し易い。なお、図48には、演出図柄8L,8C,8Rの変動中に第1特別演出画像NV1を表示した態様を例示している。
[第2事前判定処理]次に、図39に示す第2事前判定処理(S4404)ではまず、演出制御用マイコン91は、RAM94の受信バッファに格納されている第2始動入賞コマンドをRAM94の第2特図保留演出記憶部95bに記憶(格納)する(S4701)。なお、第2始動入賞コマンドは、上述した第1始動入賞コマンドと同じように、第2特図保留演出記憶部95bにおいて第1記憶領域〜第4記憶領域のうち当該コマンドが記憶されていない最も小さい番号の記憶領域に記憶される。これにより、特図保留の記憶順に対応した順で第2始動入賞コマンドが記憶されていくことになる。
続いて演出制御用マイコン91は、当たり遊技の実行中であるか否かを判定する(S4702)。当たり遊技の実行中であれば(S4702でYES)、そのまま本処理を終えるが、当たり遊技の実行中でなければ(S4702でNO)、遊技状態が時短状態且つ高ベース状態であるかどうかを判定する(S4703)。具体的には、第2始動入賞コマンドに含まれる情報のうち遊技状態に関する情報を用いて、時短状態且つ高ベース状態であるかどうかを判定する。第2始動入賞コマンドには、上述したように第2始動口21への入球(入賞)情報、遊技状態を指定する情報、当たり(大当たりおよび小当たり)の当否に関する情報、特別図柄の種類に関する情報、リーチの有無を指定する情報、および、保留球数を指定する情報が含まれている。従って、第2始動入賞コマンドを解析することによって、演出制御用マイコン91は、遊技状態が時短状態且つ高ベース状態であるかどうかが判る。
遊技状態が時短状態且つ高ベース状態でない場合には(S4703でNO)本処理を終了する一方、遊技状態が時短状態且つ高ベース状態である場合には(S4703でYES)、第2始動入賞コマンドに対応する数値情報が大当たりの当選を示す数値情報であるか否かを判定する(S4704)。第2始動入賞コマンドには、上述したように大当たりの当否に関する情報が含まれているため、第2始動入賞コマンドを解析することで、その第2始動入賞コマンドに係る数値情報が大当たりの当選を示す数値情報であるか否かが判る。なお、本処理における大当たりとは「15R時短大当たり」である。
第2始動入賞コマンドに係る数値情報が大当たりの当選を示すものであれば(S4704でYES)、先読み演出乱数を取得する(S4705)。即ち、上述した第1事前判定処理(S4402)と同じように、先読み演出乱数に係る乱数カウンタが示す乱数値を、第2特図保留演出記憶部95bにおける、ステップS4701で格納した第2始動入賞コマンドが記憶されている記憶領域の先読み演出乱数記憶領域(図7(d)参照)に記憶する。
続いて、上述した先読み演出乱数判定テーブル(図47)をセットし(S4706)、このテーブルに基づいて、後述する第2大当たり示唆演出の実行抽選を行う(S4707)。即ち、ステップS4705で取得した先読み演出乱数の値が、「0」〜「79」のいずかと一致するか否か判定する。先読み演出乱数の値が「0」〜「79」のいずれにも一致しなかったために第2大当たり示唆演出を行わない場合には(S4707でNO)、そのまま本処理を終える。一方、先読み演出乱数の値が「0」〜「79」のいずれかと一致して第2大当たり示唆演出を行う場合には(S4707でYES)、第2大当たり示唆演出の演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4708)、本処理を終了する。
ステップS4708でセットした第2大当たり示唆演出の演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、上述した第1特別演出画像NV1(図48参照)をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて第2大当たり示唆演出を行う。つまり、第2大当たり示唆演出でも、上述した第1大当たり示唆演出と同じく第1特別演出画像NV1を用いる。
第2大当たり示唆演出は、遊技者に対して、大当たりの当選が確定したことを第2特別図柄の抽選前に示唆するための先読み演出である。この第2大当たり示唆演出では、上記第1大当たり示唆演出と同様、所定の期間(例えば5000msの期間)の間、第1特別演出画像NV1が表示される。また、キャラオブジェクト画像NXの出現や図形オブジェクト画像NYのレインボー柄によって、第2特別図柄の抽選前に大当たりの当選を遊技者に確信させることが可能となっている。
ステップS4704で、第2始動入賞コマンドに係る数値情報が大当たりの当選を示すものでなければ(S4704でNO)、第2始動入賞コマンドに対応する数値情報が小当たりの当選を示す数値情報であるか否かを判定する(S4709)。第2始動入賞コマンドには、上述したように小当たりの当否に関する情報が含まれているため、第2始動入賞コマンドを解析することで、その第2始動入賞コマンドに係る数値情報が小当たりの当選を示す数値情報であるか否かが判る。なお、本処理における小当たりとは「16R時短小当たりC」である。
第2始動入賞コマンドに係る数値情報が小当たりの当選を示すものでなければ(S4709でNO)本処理を終えるが、第2始動入賞コマンドに係る数値情報が小当たりの当選を示すものであれば(S4709でYES)、上述したステップS4605からステップS4607までの一連の処理と同じ処理を行う。即ち、先読み演出乱数を取得して(S4710)、上述した先読み演出乱数判定テーブルをセットして(S4711)、その先読み演出判定テーブルに基づき後述する第1特別報知演出の実行抽選を行う(S4712)。
先読み演出乱数が「0」〜「79」のいずれにも一致しなかったために後述の第1特別報知演出を行わない場合には(S4712でNO)、そのまま本処理を終える。一方、先読み演出乱数が「0」〜「79」のいずれかと一致して第1特別報知演出を行う場合には(S4712でYES)、第1特別報知演出の演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4713)、本処理を終了する。
ステップS4713でセットした第1特別報知演出の演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、上述した第1特別演出画像NV1(図48参照)をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて第1特別報知演出を行う。つまり、第1特別報知演出でも、上述した第1大当たり示唆演出および第2大当たり示唆演出と同じく第1特別演出画像NV1を用いる。
第1特別報知演出は、遊技者に対して、大当たり(2種大当たり)の当選が実質的に確定したことを第2特別図柄の抽選前に示唆するための先読み演出である。上述したように、「16R時短小当たりC」の小当たり遊技では、当該小当たり遊技中に第2大入賞口35に入賞した遊技球が特定領域39にほぼ通過し得る(図45(b)および図45(d)参照)。よって、「16R時短小当たりC」に当選した場合に正しく遊技していれば、当該小当たり遊技に引き続いて、2種大当たりの大当たり遊技が実行される。そこで本形態では、第1特別報知演出を行うことにより、大当たり当選が実質的に確定したことを遊技者に示唆するようにしている。
第1特別報知演出は、上記の第1大当たり示唆演出および第2大当たり示唆演出と同様、図48に示す第1特別演出画像NV1を用いた演出である。この第1特別報知演出では、上記第1大当たり示唆演出,第2大当たり示唆演出と同様、所定の期間(例えば5000msの期間)の間、第1特別演出画像NV1が表示される。また、キャラオブジェクト画像NXの出現や図形オブジェクト画像NYのレインボー柄によって、第2特別図柄の抽選前に2種大当たりの実質的な当選を遊技者に確信させることが可能となっている。
[変動演出開始処理]図40に示すように、変動演出開始処理(S4408)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する(S5001)。変動開始コマンドには、特図2変動パターン選択処理(S1003)又は特図1変動パターン選択処理(S1009)でセットされた変動パターンの情報が含まれている。変動パターンの情報には、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、特図1又は特図2の大当たり判定処理の判定結果としての図柄を指定する図柄情報等が含まれている(図11参照)。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能である。次に演出制御用マイコン91は、モードステータスを参照する(S5002)。
モードステータスは、実行する演出モードを示すものである。ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、登場するキャラクタや背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。
続いて演出制御用マイコン91は、モードステータスおよび変動パターンに応じて設けられている複数の変動演出パターンテーブルの中から、ステップS5002で参照したモードステータス、および、ステップS5001で解析した変動開始コマンドが示す変動パターンに対応する変動演出パターンテーブルを選択してセットする(S5003)。そして、このテーブルに基づいて変動演出パターンを選択する(S5004)。
このとき演出決定用乱数の取得および判定も行う。これにより、いわゆる「ステップアップ予告演出」や「チャンスアップ予告演出」などの予告演出の内容や、停止表示する演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせなどを含めて、変動演出としてどのような演出を行うかが決定される。そして、選択した変動演出パターンにて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S5005)。出力バッファにセットされた変動演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて変動演出を行う。
本形態では、モードステータスに応じた演出モードで変動演出が実行される。具体的には、モードステータスが「1」であれば、図49(a)に示すように、背景画像として昼の画像を表示画面7aに表示する昼背景モードにて変動演出を実行する。また、モードステータスが「2」であれば、図49(b)に示すように、背景画像として夜の画像を表示画面7aに表示する夜背景モードにて変動演出を実行する。
夜背景モードは、大当たりを獲得し易い状態であることを遊技者に対して報知する演出モードである。この夜背景モードは、有利モードに相当する。詳しく述べれば、夜背景モードは、現在の遊技状態が時短状態且つ高ベース状態(特典遊技状態)であるとき、又は、時短状態が終了して通常遊技状態(非時短状態且つ低ベース状態)となったがその時短状態の終了時点で第2特図保留があったときに実行される。これらの場合は、第2特図保留に基づく小当たり当選から、V通過を経て大当たり遊技を実行させることが可能である。つまり、大当たりを獲得し易い状態といえる。
これに対して昼背景モードは、大当たりを獲得し易い状態ではないことを遊技者に対して報知する演出モードである。この昼背景モードは、通常モードに相当する。詳しく述べれば、通常モードは、原則として現在の遊技状態が通常遊技状態(非時短状態且つ低ベース状態)であるときに実行される。なお、例外は既に述べたとおりである。通常遊技状態において第2特図保留がなくなった場合には、特図1の抽選にて大当たりを獲得しなければならない。そのため、特図2の抽選のように容易に大当たりを獲得することはできない。つまり、第2特図保留のない通常遊技状態は、大当たりを獲得し易い状態ではない。
上述したステップS5005に続いて、ステップS5006では格納した始動入賞コマンドについて特図保留演出記憶部95における記憶領域をシフトして、本処理を終了する。記憶領域のシフトとは、具体的には、特図1の変動開始時であれば、第1特図保留演出記憶部95aに記憶されている第1始動入賞コマンドを、現在の記憶領域から読み出される側の記憶領域に一つシフトするとともに、第1特図保留演出記憶部95aの第4記憶領域内をクリアする。特図2の変動開始時であれば、第2特図保留演出記憶部95bに記憶されている第2始動入賞コマンドを、現在の記憶領域から読み出される側の記憶領域に一つシフトするとともに、第2特図保留演出記憶部95bの第4記憶領域内をクリアする。
[変動演出終了処理]図41に示すように、変動演出終了処理(S4410)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動停止コマンドを解析するとともに(S5201)、モードステータスを参照する(S5202)。次に、モードステータスが「1」か否か、即ち昼背景モードか否かを判定する(S5203)。そして、モードステータスが「1」であれば(S5203でYES)、ステップS5211に進む。
一方、モードステータスが「1」でなければ(S5203でNO)、続いて特2保留有りフラグがONであるか否かを判定する(S5204)。特2保留有りフラグは、時短状態が終了して通常遊技状態に制御されたがまだ第2特図保留が残っていることを示すフラグであり、後述するステップS5208でセットされるフラグである。
ステップS5204において特2保留有りフラグがONでなければ(S5204でNO)、時短状態且つ高ベース状態であるため、RAM94に設けられた演出モードカウンタの値Mを1ディクリメントして(S5205)、その値Mが「0」になったか否かを判定する(S5206)。演出モードカウンタは、時短状態且つ高ベース状態にて実行した変動演出の回数をカウントするためのカウンタである。ステップS5206において「0」でなければ(S5206でNO)、そのままステップS5211に進む。これに対して、「0」であれば(S5206でYES)、ステップS5207に進む。また、ステップS5204において特2保留有りフラグがONである場合も(S5204でYES)、ステップS5207に進む。
ステップS5207では、現在の第2特図保留が「0」か否かを判定する。この判定では、RAM94の第2特図保留演出カウンタの値を参照する。なお、以降の処理においても、演出制御用マイコン91が第2特図保留の有無を確認する際には、第2特図保留演出カウンタの値が参照される。ステップS5207において現在の第2特図保留が「0」でないと判定した場合には、時短状態且つ高ベース状態は終了したがまだ第2特図保留が残っているため、夜背景モードを継続させる。そのため、まだモードステータスを「1」には戻さず、特2保留フラグをONして(S5208)、ステップS5211に進む。
これに対して、ステップS5207において現在の第2特図保留が「0」であると判定した場合には、時短状態且つ高ベース状態の終了時に残っていた第2特図保留が全て消化されたため、特2保留有りフラグをOFFするとともに(S5209)、昼背景モードに戻すべくモードステータスに「1」をセットして(S5210)、ステップS5211に進む。
ステップS5211では、演出制御用マイコン91は、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをセットして、本処理を終了する。
[特別遊技演出選択処理]図42に示す特別遊技演出選択処理(S4412)は、特別遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)時に実行する特別遊技演出のパターン(内容)を選択する処理である。ここで選択される特別遊技演出には、大当たり遊技又は小当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出と、大入賞口の開放中および開放間のインターバル中に実行する開放遊技演出が含まれている。
図42に示すように、特別遊技演出選択処理(S4412)ではまず、オープニングコマンドを解析する(S5301)。なお本形態では、オープニングコマンドには、大当たり又は小当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(図8参照)に関する情報が含まれている。
続いて演出制御用マイコン91は、解析したオープニングコマンドが示す当たり種別が「16R時短小当たりB」であるか否か、即ち、特図1の抽選にて当選し得るV通過可能な小当たりか否かを判定する(S5302)。「16R時短小当たりB」であれば(S5302でYES)、オープニング演出として打込報知演出を伴う特別遊技演出の演出パターンを選択して(S5303)、ステップS5305に進む。打込報知演出とは、図50に示すような演出画像を表示画面7aに表示する演出である。図50に示す演出画像は、第2大入賞装置36を狙って右打ちにて遊技球を発射すべき旨を示唆する演出画像である。つまり、第2大入賞口35への入賞(特定領域39への通過)を狙って右打ちにて遊技球を発射すべき旨を示唆する演出画像である。この打込報知演出は、「16R時短小当たりB」のオープニング中に表示される。つまり、「16R時短小当たりB」(特1V通過小当たり)に当選すると、21000msにわたるオープニングの期間中に(図45(e)参照)、遊技者に対して遊技方法が示されることとなる。このため、遊技者はV通過の機会を逃すことなく、確実に2種大当たりを獲得することが可能である。なお、右打ち報知を小当たり当選時の変動演出の一部として行う構成も考えられる。しかしこのような構成とすると、まだ小当たり遊技も開始されていないのに遊技者が右打ちを始め、いわゆる「ムダ球(第2大入賞口35に入ることのない遊技球)」を多数生じさせてしまうおそれがある。これに対して本形態では、小当たり遊技のオープニング中に右打ち報知を行うため、そのような構成よりもムダ球の発生を抑えることが可能となっている。
ステップS5302において「16R時短小当たりB」でないと判定した場合には、各当たりの種別に応じて予め定められている通常の特別遊技演出の演出パターンを選択して(S5304)、ステップS5305に進む。ステップS5305では演出制御用マイコン91は、選択した演出パターンにて特別遊技演出を開始するための特別遊技演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする。その後、本処理を終える。
ステップS5205でセットされた特別遊技演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の特別遊技演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。ステップS5303が実行されていたのであれば、図50に示す打込報知演出の演出画像が表示画面7aに表示されることとなる。
[エンディング演出選択処理]図43に示すエンディング演出選択処理(S4414)は、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する処理である。図43に示すように、エンディング演出選択処理(S4414)ではまず、エンディングコマンドを解析する(S5401)。なお本形態では、エンディングコマンドには、大当たり又は小当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(図8参照)に関する情報が含まれている。
続いて演出制御用マイコン91は、後述するモードステータス設定処理を行う(S5402)。次に、第2特図保留演出記憶部95bに第2始動入賞コマンドが存在するかどうかを判定する(S5403)。第2特図保留演出記憶部95bに第2始動入賞コマンドが1つも存在しなければ(S5403でNO)、後述するステップS5409に進むが、第2特図保留演出記憶部95bに第2始動入賞コマンドが1つでも存在すれば(S5403でYES)、当該第2始動入賞コマンドを読み出す(S5404)。このとき、第2特図保留演出記憶部95bに格納している全ての第2始動入賞コマンドを読み出す。
第2特図保留演出記憶部95bに格納した全ての第2始動入賞コマンドを読み出したら、続いて、1又は複数の第2始動入賞コマンドの少なくとも1つが大当たり当選を示す始動入賞コマンドであるか否かを判定する(S5405)。上述したように第2始動入賞コマンドは、第2始動口21への入球時に取得した上記乱数値群等に応じて生成されているので、第2特図保留演出記憶部95b内の第2始動入賞コマンドについて判定することで、遊技制御用マイコン81の第2特図保留記憶部85bに格納している数値情報の中に、大当たりの当選を示す数値情報(大当たり数値情報)が1つでも含まれているかどうかが判る。つまりは、ステップS5405では、第2特図保留に大当たり当選予定の保留があるか否かを判定している。なお、本処理における大当たりとは「15R時短大当たり」である。
1又は複数の第2始動入賞コマンドに係る数値情報の中に1つでも大当たりの当選を示すものがあれば(S5405でYES)、後述の第3大当たり示唆演出の演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S5406)、本処理を終了する。
ステップS5406でセットした第3大当たり示唆演出の演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、図51に示す第2特別演出画像NV2をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて第3大当たり示唆演出を行う。
第3大当たり示唆演出は、現在実行中の大当たり遊技の契機となる大当たりとは別の新たな大当たりの当選が確定していることを、大当たり遊技のエンディング中に遊技者に示唆するための先読み演出である。つまり、いわゆる「保留連」を遊技者に示唆するための演出である。この第3大当たり示唆演出は、具体的には、図51に示す「激熱!」といった文字画像NZ、この文字画像NZの上方に位置する、「まだまだ終わらない!?」といった文字画像NP、および、これら文字画像NZ,NPの背景画像NBからなる第2特別演出画像NV2を用いた演出である。第3大当たり示唆演出では、エンディングの期間中、第2特別演出画像NV2が表示される。なお、第2特別演出画像NV2の背景画像NBをレインボー柄としているため、これによって、大当たり遊技中にその後の新たな大当たりの当選を遊技者に確信させることが可能となっている。また、上記の文字画像NPを用いることで、当該大当たり遊技後に間もなく、新たな大当たり遊技が実行されるのを遊技者に期待させることが可能となっている。
ステップS5405で、1又は複数の第2始動入賞コマンドに係る数値情報の中に1つも大当たりの当選を示すものがなければ(S5405でNO)、続いて1又は複数の第2始動入賞コマンドの少なくとも1つが小当たり当選を示す始動入賞コマンドであるか否かを判定する(S5407)。上記第2始動入賞コマンドについて判定することで、遊技制御用マイコン81の第2特図保留記憶部85bに格納している数値情報の中に、小当たりの当選を示す数値情報(小当たり数値情報)が1つでも含まれているかどうかが判る。つまりは、ステップS5407では、第2特図保留に小当たり当選予定の保留があるか否かを判定している。なお、本処理における小当たりとは「16R時短小当たりC」である。
1又は複数の第2始動入賞コマンドに係る数値情報の中に1つでも小当たりの当選を示すものがあれば(S5407でYES)、後述の第2特別報知演出の演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S5408)、本処理を終了する。
ステップS5408でセットした第2特別報知演出の演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、上述した第2特別演出画像NV2(図51参照)をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて第2特別報知演出を行う。つまり、第2特別報知演出でも、上述した第3大当たり示唆演出と同じく第2特別演出画像NV2を用いる。
第2特別報知演出は、現在実行中の大当たり遊技の契機となる大当たりとは別の新たな大当たり(2種大当たり)の当選が実質的に確定していることを、大当たり遊技のエンディング中に遊技者に示唆するための先読み演出である。つまり、上記第3大当たり示唆演出と同じように、実質的な「保留連」を遊技者に示唆するための演出である。上述したように、「16R時短小当たりC」の小当たり遊技では、当該小当たり遊技中に第2大入賞口35に入賞した遊技球が特定領域39にほぼ通過し得る。よって、「16R時短小当たりC」に当選した場合に正しく遊技していれば、当該小当たり遊技に引き続いて2種大当たりの大当たり遊技が実行される。そこで本形態では、第2始動入賞コマンドの中に1つでも小当たりの当選を示すものがあれば、大当たり遊技のエンディング中に第2特別報知演出を行い、大当たり当選が実質的に確定していることを遊技者に示唆する。
第2特別報知演出は、上記の第3大当たり示唆演出と同様、図51に示す第2特別演出画像NV2を用いた演出である。また第2特別報知演出では、第3大当たり示唆演出と同様、エンディングの期間中、第2特別演出画像NV2が表示される。さらに、背景画像NBのレインボー柄によって、大当たり遊技中にその後の新たな大当たり(2種大当たり)の当選を遊技者に確信させることが可能となっている。
ステップS5407でNOの判定の場合には、ステップS5409に進む。ステップS5409では、ステップS5401で解析したエンディングコマンドが示す当たり種別が時短当たりか否かを判定する。時短当たりとは、「4R時短大当たり」、「16R時短小当たりA」、「16R時短小当たりB」、「16R時短小当たりC」又は「15R時短大当たり」である。ステップS5409で時短当たりであると判定した場合には(S5409でYES)、続いて、通常遊技状態における第1特別図柄の抽選にて当選した時短当たりであるか否かを判定する(S5410)。つまり、いわゆる「初当たり」であるか否かを判定する。そして、「初当たり」であれば(S5410でYES)、第1エンディング演出の演出パターンを選択する(S5411)。第1エンディング演出は、図52(a)に示す演出画像を表示画面7aに表示する演出である。即ち、「夜背景モード突入!」の文字画像を表示画面7aに表示する演出である。この演出によって、遊技者に対して時短状態且つ高ベース状態(特典遊技状態)に移行する旨を報知することが可能となっている。
一方、ステップS5410において「初当たり」でないと判定した場合には(S5410でNO)、第2エンディング演出の演出パターンを選択する(S5412)。第2エンディング演出は、図52(b)に示す演出画像を表示画面7aに表示する演出である。即ち、「夜背景モード継続!」の文字画像を表示画面7aに表示する演出である。この演出によって、遊技者に対して再び時短状態且つ高ベース状態(特典遊技状態)に制御される旨を報知することが可能となっている。
またステップS5409において時短当たりでないと判定した場合には(S5409でNO)、演出制御用マイコン91は、第3エンディング演出の演出パターンを選択する(S5413)。第3エンディング演出は、図52(c)に示す演出画像を表示画面7aに表示する演出である。即ち、「またね!」の文字画像を表示画面7aに表示する演出である。この演出によって、遊技者に対して通常遊技状態に制御される旨を報知することができる。なお、この演出は、昼背景モードへの移行示唆にもなっている。
上記のようにしてエンディング演出の演出パターンを選択した後は、演出制御用マイコン91は、選択した演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5414)。ステップS5414でセットされたエンディング演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定のエンディング演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。つまり、図52に示す各演出画像のいずれかが表示画面7aに表示されることとなる。
[モードステータス設定処理]図44に示すように、モードステータス設定処理(S5402)ではまず、演出制御用マイコン91は、ステップS5401で解析したエンディングコマンドが示す当たり種別が時短当たりか否かを判定する(S5501)。そして、時短当たりであれば(S5501でYES)、モードステータスを「2」にセットする(S5502)。モードステータスが「2」であることは、夜背景モードに対応している。よって、その後の変動演出では、背景画像として図49(b)に示す夜の背景画像が表示される。なおこのとき、時短状態且つ高ベース状態にて実行した変動演出の回数をカウントするための演出モードカウンタの値Mを「3」にセットする。
一方、ステップS5502において第2特図保留がなければ、演出制御用マイコン91は、モードステータスを「1」にセットする(S5503)。モードステータスが「1」であることは、昼背景モードに対応している。よって、その後の変動演出では、背景画像として図49(a)に示す昼の背景画像が表示される。
7.本形態における遊技の流れ
次に、本形態のパチンコ遊技機1における遊技の進行の流れについて、図53に基づいて説明する。図53に示すように、まず、通常遊技状態においては左打ちにて遊技を進行する。これにより、特図1の抽選に基づく大当たりの当選を狙う。なお、当選確率は低いが、特図1の抽選によって、「16R小当たりB」(図8参照)に当選すれば、V通過に基づく2種大当たり遊技を獲得することができる。この遊技開始時点の通常遊技状態では昼背景モードに設定されている。従って、表示画面7aには、図49(a)に示す昼の背景画像が表示される。なお、この昼の背景画像は、変動演出を実行していないときにも表示される。
特図1の抽選にて大当たりに当選した場合、その大当たりが通常大当たりであれば、大当たり遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態に制御される。一方、時短当たりであれば、大当たり遊技の終了後の遊技状態は時短状態に制御される。この振分率は各50%である。なお本明細書においては、V通過を経ないで当選する大当たりを、直撃大当たりと記載することがある。当選した大当たりが通常大当たりであった場合には、再び通常遊技状態において特図1の抽選に基づく大当たりの当選を狙って遊技を進行する。
これに対して、時短当たりであった場合には、時短状態且つ高ベース状態に制御される。この時短状態且つ高ベース状態では、遊技者は右打ちにて遊技を進行する。これにより、特図2の抽選に基づく大当たりの当選を狙う。本形態では、時短状態且つ高ベース状態は、最大で3回の特別図柄の変動表示の実行が終了するまで継続する。また、この時短状態中には、第2特図保留を上限記憶数まで貯めることができる。本形態の第2特図保留の上限記憶数は「4」である。つまり、3回の特別図柄の変動表示で大当たりに当選しなくても、時短状態が終了して通常遊技状態に移行する時点では、4個の第2特図保留が貯まっていることとなる。従って、本形態では、最大で時短状態の上限実行回数「3」に第2特図保留の上限記憶数「4」を加えた「7」回の特図2の抽選の機会が与えられる。なお、この間は、夜背景モードに設定される(図53の破線による囲み部分参照)。従って、表示画面7aには、図49(b)に示す夜の背景画像が表示される。このように本形態では、時短状態中の演出モードと、時短状態ではなく通遊技状態ではあるが第2特図保留が残っているときの演出モードを同じ演出モードとしている。これにより、両方の遊技期間に遊技者にとって有利な状態である遊技期間としての統一感をもたせるようにしている。
そして、この特図2の抽選では、特図1の抽選よりも著しく高いおよそ1/7程度の確率で小当たり当選となる(図10(A)参照)。しかも、特図2の抽選にて当選する小当たりは、その小当たり遊技における開放パターンを通過開放パターン(第2大入賞口35への入賞タイミングにかかわらず特定領域39を通過可能な開放パターン)とする小当たりである(図45(b),45(c)参照)。従って、遊技者が正しく遊技を実行している限り(つまり右打ちを継続している限り)、特図2の抽選にて小当たりに当選すれば必ず、大当たり遊技が実行されることとなる。そのため、特図2の抽選の機会が7回しかなくても十分に大当たりを獲得することが可能となっている。なお、このように大当たりを獲得し易い最大で7回に及ぶ特図2の変動を、チャンス変動と称する。
また、この特図2の抽選にて当選する小当たりは、全て時短当たり(詳細には図8に示す「16R時短小当たりC」)である。よって、特図2の抽選にて小当たりに当選した場合、V通過に基づく2種大当たり遊技の終了後の遊技状態は、再び時短状態且つ高ベース状態に制御される。なお、特図2の抽選における直撃大当たりも時短当たりである(図8参照)。よって、特図2の抽選にて大当たりに当選した場合も、時短状態且つ高ベース状態に制御される。つまり、チャンス変動にて大当たりに当選した場合には、再び最大で7回のチャンス変動が付与されることとなる。よって本形態では、チャンス変動にて大当たりに当選し続ける限り大当たりの連チャンが続く遊技機となっている。
これに対して、7回のチャンス変動にて大当たりに当選しなかった場合には、第2特図保留のない通常遊技状態となる。よって、大当たり遊技の実行され易さの点で遊技者にとって有利な状態は終了したこととなる。つまり、大当たりの連チャンが終了したこととなる。なお、この状態では昼背景モードに設定される。よって、表示画面7aには図49(a)に示す昼の背景画像が表示される。この昼の背景画像の表示によれば、遊技者に対して有利な状態が終了したことを示唆することが可能である。
8.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機1によれば、時短状態且つ高ベース状態では第2始動口21への入球が容易となる。そして、第2始動口21への入球に基づく当否判定(S1002)において小当たりに当選した場合には、第2大入賞口35へ入賞した遊技球はその入賞タイミングにかかわらず特定領域39を通過する(図45(b),(c)参照)。つまり、特図2の抽選において小当たりに当選すれば、必ず遊技者に有利な大当たり遊技が実行される。従って、第2始動口21への入球に基づく小当たり当選は、大当たり当選と同等の遊技上の意味を持つこととなる。つまり、第2始動口21への入球に基づく小当たり当選は、実質的には大当たり当選確定である。よって、大当たりの当選確率に依らず、特図2の抽選における小当たりの当選確率の設定次第で、高ベース状態において大当たり当選確定(実質的を含む)の第2特図保留の発生確率を自在に高めることが可能である。つまり、高ベース状態において従来よりも早いスピードで次の大当たりを引き当てられる従来にない斬新な遊技性を創出することが可能である。
しかも、本形態のパチンコ遊技機1では、特図2の抽選において小当たり当選と判定される予定の数値情報の記憶がある場合には、その数値情報に基づく特図2の抽選よりも前に、第1特別報知演出および第2特別報知演出が実行され得る。第1特別報知演出は、上述した第1特別演出画像NV1(図48参照)を用いた先読み演出であり、第2特別報知演出は、上述した第2特別演出画像NV2(図51参照)を用いた先読み演出である。これら特別報知演出は、小当たり当選を示唆する演出であって大当たり当選の報知と同等の演出的意味をもつ演出である。従って、第2始動口21への入球に基づいて小当たりに当選する場合には、上記特別報知演出によって、遊技者に対して大当たり遊技が実行されることを暗に示唆することが可能となっている。そして、上記特別報知演出によって、第2始動口21への入球後であって、その入球に基づく特図2の抽選よりも前に遊技者に嬉しい驚きを与えることで、遊技興趣を高めることが可能となっている。なお、「大当たり報知と同等の演出的意味をもつ演出」とは、言い換えれば、大当たりの当選予定であることを示唆する演出や、大当たりの当選確定とは言い切れないが、当選濃厚となっていることを示唆する演出である。
特に本形態では、特図2の抽選における小当たり当選確率を1/7程度と比較的高くしているので、第1特別報知演出も第2特別報知演出もそれぞれ高頻度で実行可能となっている。よって、遊技興趣を一層高めることが可能である。
また、本形態のパチンコ遊技機1によれば、第2始動口21への入球に基づく小当たり当選時には特別報知演出(第1特別報知演出,第2特別報知演出)が実行され、第2始動口21への入球に基づく大当たり当選時には大当たり示唆演出(第2大当たり示唆演出,第3大当たり示唆演出)が実行され得る。よって、第2始動口21への入球に基づく小当たり当選時のみならず大当たり当選時においても、その入球に基づく特図2の抽選前の興趣を高めることが可能となっている。
また、本形態のパチンコ遊技機1によれば、大当たり当選時に実行され得る大当たり示唆演出と、小当たり当選時に実行され得る特別報知演出とが同じである。即ち、第1大当たり示唆演出および第2大当たり示唆演出と第1特別報知演出とは、同じ第1特別演出画像NV1(図48参照)を用いている。また、第3大当たり示唆演出と第2特別報知演出とは、同じ第2特別演出画像NV2(図51参照)を用いている。上述したように、第1大当たり示唆演出および第2大当たり示唆演出はいずれも、上記第1特別演出画像NV1を用いて、第3大当たり示唆演出は、上記第2特別演出画像NV2を用いて、大当たりの当選が確定したことをそれぞれ示唆している。よって、そのような大当たり示唆演出と同じ特別演出画像NV1,NV2を用いている上記特別報知演出が大当たり当選の報知と同等の位置づけであることを遊技者に容易に認識させることが可能となっている。
また、本形態のパチンコ遊技機1によれば、第2始動口21への入球に基づく先読み演出(第1特別報知演出、第2特別報知演出、第2大当たり示唆演出および第3大当たり示唆演出)に加えて、第1始動口20への入球に基づく大当たり当選時には大当たり示唆演出のうち第1大当たり示唆演出が実行され得る。よって、第2始動口21への入球に基づく小当たり当選時、および、大当たり当選時に加えて、第1始動口20への入球に基づく大当たり当選時においても、その入球に基づく特別図柄の抽選前の興趣を高めることが可能となっている。
また、本形態のパチンコ遊技機1によれば、第1事前判定処理(S4402)において、遊技状態が時短状態且つ高ベース状態のときには第1始動口20への入球に基づく第1大当たり示唆演出を実行しない構成としている。よって、高ベース状態において第1大当たり示唆演出が実行されることはない。従って、当該第1大当たり示唆演出を見た遊技者が、第2始動口21よりも優先されない第1始動口20への入球に基づく第1図柄の変動表示を開始させるべく遊技球の発射を止めたり、逆に第1始動口20よりも優先される第2始動口21への入球に基づく第2図柄の変動表示ばかりが実行されるように遊技球を打ち続けたりするのを防ぐことが可能となっている。つまり、このような遊技球の打ち分けによって遊技者間で獲得利益に差が生じるのを防ぐことが可能となっている。
また、第2特別図柄の変動表示が第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行されるので、高ベース状態において第2特別図柄の変動表示が実行されずに第1特別図柄の変動表示ばかりが実行されることにより、高ベース状態にて実行される変動表示の残回数がいたずらに減少してしまう不利益の発生を防止することが可能である。つまり、特図2の抽選に基づく小当たり当選という利益(実質的には大当たり当選と同等の利益)の獲得機会が適正に遊技者に与えられることなく高ベース状態が終了してしまうのを防ぐことが可能である。
また、本形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技状態が時短状態且つ高ベース状態に移行した初回の変動表示の変動時間が初回以外の変動表示の変動時間よりも相対的に長く設定される(図11(B)参照)。そのため、時短状態且つ高ベース状態における初回の変動表示の実行中に、遊技制御用マイコン81のRAM84における第2特図保留記憶部85bに上記乱数値群の記憶を貯め易くなる。従って、通常遊技状態における特図1の抽選に基づく大当たり遊技を経て、時短状態且つ高ベース状態に制御された場合(つまり初当たり後)であっても、特別報知演出(第1特別報知演出,第2特別報知演出)が実行される可能性を高めることが可能となっている。
また、本形態のパチンコ遊技機1によれば、大当たり遊技中に第2特別報知演出が実行される。つまり第2特別報知演出は、実質的な「保留連」の報知として実行される。従って、大当たり遊技中に第2特別報知演出が実行されるか否かに期待を持たせることで、大当たり遊技中の興趣を向上させることが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、特図2の抽選にて小当たりに当選した場合には、第2大入賞口35への入賞タイミングにかかわらず特定領域39を通過可能な、図45(b)に示す第1開放パターン(通過開放パターン)に設定される。一方、特図1の抽選にて小当たりに当選した場合には、第2大入賞口35へ入賞しても特定領域39を通過することが不可能又は実質的に不可能な、図45(f)に示す第2開放パターン(非通過開放パターン)に設定され得る。従って、パチンコ遊技機1全体として第2大入賞口35へ入賞した遊技球の特定領域39への通過率が不当に高くなるのを抑制することが可能となる。
より詳細には、本形態では、特図1の抽選における小当たり当選確率がおよそ1/20であり、特図2の抽選における小当たり当選確率がおよそ1/7程度である(図10(A)参照)。また、特図1の抽選におけるV通過可能な小当たりとV通過不可能な小当たりとの振分率は1:99であり、特図2の抽選におけるV通過可能な小当たりの振分率は100%である(図8参照)。このような設定によって、本パチンコ遊技機1におけるV通過率が1/10を超えないようにしている。
なお本形態では、特図2の抽選による小当たり当選からV通過を経て大当たり遊技が実行されると、その大当たり遊技の終了後の遊技状態は必ず時短状態且つ高ベース状態に制御される。よって、その高ベース状態において再び第2始動口21への入球に基づく小当たり当選を狙うことが可能である。従って、高ベース状態の終了後に残っている第2特図保留の全てがハズレとなるまで2種大当たりに当選し続けられるという新たな遊技性を提供することが可能である。
また本形態では、特図2の抽選における小当たり当選確率をある程度高く設定している(図10(A)参照)。そのため、一旦高ベース状態に制御された後は、「保留連」の発生確率はそれなりに高くなる。ここで、所定の遊技状態に制御された後の保留連の発生確率を高めるためには、その遊技状態における大当たり当選確率自体を高める構成が考えられる。しかしながら、このような構成を採用した場合に本形態のような高い保留連の発生確率に設定しようとすると、高確率状態ではない通常確率状態での大当たり当選確率まである程度高く設定しておく必要が生じる。高確率状態と通常確率状態との大当たり当選確率の確率差が大きくなり過ぎないようにする必要があるからである。また、このように両遊技状態において高い大当たり当選確率に設定すると、一回の大当たり遊技において払い出される賞球数を少なく設定する必要が生じる。あまりにも多数の賞球を遊技者が獲得可能となると適正な遊技性が害されてしまうからである。但しこれでは、遊技者にとっていわゆる「出玉感(十分な賞球を得ているという感覚)」の感じられない面白みの少ない遊技機になる虞もある。
これに対して本形態では、大当たり当選確率を高めることなく、特図2の抽選の小当たり当選確率をある程度まで高め、且つ、特図2の抽選で当選する小当たりを必ず大当たり遊技を獲得できる当たりとすることで、特図2の抽選が頻繁に生じる高ベース状態における実質的な大当たり発生確率を高めている。よって、大当たり当選確率(1種大当たりの当選確率)自体を高める場合とは異なり、小当たりに当選してもV通過できない場合を設けておくことで(本形態のように特1V非通過小当たりである「16R時短小当たりA」を設けておくことで)、大当たり発生確率と賞球数との適正なバランスを保つことが可能である。従って、大当たり遊技において払い出される賞球数を上記のようにあえて少なく設定する必要はない。そのため本形態では、特図2の抽選が頻繁に生じる特定の遊技期間(高ベース状態に制御されている期間)においては、実質的な大当たり発生確率の向上と高い出玉感との両立が可能となっている。
また本形態では、特図1の抽選にて小当たりに当選した場合でも、特定領域39を通過可能な第2通過開放パターン(図45(e)参照)にて第2大入賞口35が開放されることがある。よって、特図1の抽選にて小当たりに当選した場合にも、2種大当たり遊技が実行される可能性を遊技者に期待させることが可能となっている。従って、第1始動口20への入球に基づいて遊技を進行している通常遊技状態における遊技興趣を向上することが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、小当たり遊技では第2大入賞口35が開放されるが、大当たり遊技では第1大入賞口30が開放される。そのため、どちらの特別遊技が実行されているかを遊技者に明確に認識させることが可能となっている。
9.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記第1形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、上記第1形態と同じ符号を付して説明を省略する。
上記第1形態では、2種類の特別報知演出(第1特別報知演出および第2特別報知演出)を備えたパチンコ遊技機1を示した。即ち、高ベース状態における第2特別図柄の変動表示の際、又は、停止表示の際に行われる第1特別報知演出、および、大当たり遊技のエンディング中に行われる第2特別報知演出の両方を備えたパチンコ遊技機1を示した。しかしながら、特典遊技状態において実行される特別報知演出、および、第2特別遊技中に実行される特別報知演出の一方を備えた遊技機としてもよい。特別報知演出は、取得した数値情報に基づく当否判定前に実質的に大当たり当選が確定していることを報知できれば、どのような演出内容でもよい。
また上記第1形態では、高ベース状態における第2特別図柄の変動表示の際、又は、停止表示の際に行われる第2大当たり示唆演出、および、大当たり遊技のエンディング中に行われる第3大当たり示唆演出を備えたパチンコ遊技機1とした。しかしながら、特典遊技状態において実行される大当たり示唆演出、および、第2特別遊技中に実行される大当たり示唆演出の一方を備えた遊技機としてもよい。また、大当たり示唆演出を備えていない遊技機としてもよい。大当たり示唆演出は、取得した数値情報に基づく当否判定前に大当たり当選を示唆できれば、どのような演出内容であってもよい。
また第1形態では、第1特別報知演出には第1特別演出画像NV1を、第2特別報知演出には第1特別演出画像NV1とは異なる第2特別演出画像NV2をそれぞれ用いることで、第1特別報知演出の演出態様と第2特別報知演出の演出態様とが互いに異なるパチンコ遊技機1を示した。しかしながら、第1特別報知演出および第2特別報知演出で同一の演出画像を用いることによって、第1特別報知演出と第2特別報知演出とを同じ演出態様としてもよい。このような場合の演出画像としては、例えば、レインボー柄の背景画像からなる演出画像や第1特別演出画像NV1のキャラオブジェクト画像NXからなる演出画像が挙げられる。また、大当たり示唆演出に関して、第2大当たり示唆演出および第3大当たり示唆演出で同一の演出画像を用いることにより、第2大当たり示唆演出と第3大当たり示唆演出とを同じ演出態様としてもよい。
また上記第1形態では、キャラクタや図形を用いたオブジェクト画像(キャラオブジェクト画像NX,図形オブジェクト画像NY)からなる第1特別演出画像NV1を所定の期間(5000msの期間)の間、表示画面7a上に出現させる第1特別報知演出を示した。しかしながら、所定の期間としては、実行する特別報知演出が遊技者にとって十分に視認可能な程度の期間であればよく、上記5000msに特に限定されない。また、オブジェクト画像からなる演出画像に代えて、例えば、上述した「昼背景」および「夜背景」とは異なる特別な背景画像(例えば、「朝背景」や「夕方背景」といった背景画像や、全体がレインボー柄の背景画像)からなる演出画像を用いた第1特別報知演出としてもよい。
なお、上記の特別な背景画像からなる演出画像を用いた第1特別報知演出の場合には、例えば、特別報知演出の実行契機となった小当たり当選を第2特別図柄が停止表示により示すまでにわたって、特別報知演出を連続して実行するように構成してもよい。つまり、上記「所定の期間」を、演出の実行開始から、上記小当たり当選を第2特別図柄が停止表示により示すまでの期間(ゾーン)とし、その間、上記演出画像を表示画面7a上に連続表示する第1特別報知演出としてもよい。
また、表示画面7aにオブジェクト画像を出現させる第1特別報知演出に代えて、例えば、上述した演出保留9Bの表示態様を変化させる特別報知演出としてもよい。このような特別報知演出としては、例えば、演出保留9Bのうち小当たり当選となる特図保留に対応する演出保留のみの表示態様や、そのような演出保留を含む全ての演出保留の表示態様を、通常時に用いている画像とは異なる特別な画像を用いた表示態様に変化させる演出が挙げられる。なお、特別な画像としては、例えば、図1に示す演出保留9Bの三角形状とは異なる形状の図形画像や、キャラクタを模したオブジェクト画像や、同じ形状で色彩の異なる図形画像等が挙げられる。
また上記第1形態では、第1特別報知演出、第2特別報知演出、第1大当たり示唆演出、第2大当たり示唆演出および第3大当たり示唆演出のいずれの演出についても、演出手段を画像表示装置7として表示画面7a上に演出画像を表示する演出を示した。しかしながら、上記2つの特別報知演出および上記3つの大当たり示唆演出の少なくともいずれかを、例えば、演出手段としてランプ類を用いた演出としてもよい。この場合、演出制御用マイコン91が、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプ類を点灯(又は点滅)させる。このときの点灯の態様(又は点滅の態様)としては、例えば、通常時には点灯しないランプを点灯させたり、ランプ類の全点灯をさせたり、通常時とは異なる色で点灯させたりするなど、通常の態様とは異なる態様が挙げられる。
また例えば、音声等の音を用いた演出としてもよい。この場合、演出制御用マイコン91が、スピーカ67(演出手段に相当)から音を出力する。このときにスピーカ67から出力する音としては、例えば、通常時とは異なる特別な楽曲を流したり、特殊な効果音や音声を発したりするなど、通常とは異なる内容(態様)の音が挙げられる。また例えば、装飾可動体15に特定の動作を実行させる演出としてもよい。この場合、装飾可動体15が演出手段に相当する。
また上記2つの特別報知演出および上記3つの大当たり示唆演出の少なくともいずれかを、画像を用いた演出、ランプ類の発光態様を用いた演出、音を用いた演出、および、装飾可動体を用いた演出のうちから少なくとも2つの演出を組み合わせた「組合せ演出」としてもよい。また、このような場合として、例えば、大当たり示唆演出を「画像を用いた演出」および「ランプ類の発光態様を用いた演出」からなる「組合せ演出」とし、特別報知演出を上記第1形態と同様「画像を用いた演出」とした形態が挙げられる。このような形態では、大当たり示唆演出と特別報知演出との間の演出態様に差異を設けることが可能である。即ち、どちらの演出(「組合せ演出」,「画像を用いた演出」)でも実質的に大当たり当選が確定していることを遊技者に報知可能な上で、遊技中にどちらの演出が実行されるのかといった遊技者の期待感を向上させることが可能である。
このような形態の場合、具体的には、上記の第2事前判定処理(S4404)のステップS4708の処理で第2大当たり示唆演出の演出開始コマンドをセットしたら、10msタイマ割り込み処理(S4010)のステップS4304の処理で第2大当たり示唆演出に用いるランプデータを作成する。そして、1msタイマ割り込み処理(S4009)のステップS4202で、上記ランプデータを出力するように構成すればよい。これにより、上述した第1特別演出画像NV1にランプの特別な発光態様を伴う第2大当たり示唆演出が実行可能となる。
さらに、上記のエンディング演出選択処理(S4414)のステップS5406の処理で第3大当たり示唆演出の演出開始コマンドをセットしたら、上記10msタイマ割り込み処理で第3大当たり示唆演出に用いるランプデータを作成し、上記1msタイマ割り込み処理でそのランプデータを出力するように構成する。これにより、上述した第2特別演出画像NV2にランプの特別な発行態様を伴う第3大当たり示唆演出が実行可能となる。
また例えば、大当たり示唆演出を「画像を用いた演出」および「音を用いた演出」からなる「組合せ演出」とした場合、具体的には、上記の第2事前判定処理で第2大当たり示唆演出の演出開始コマンドをセットしたら、上記10msタイマ割り込み処理のステップS4304の処理で第2大当たり示唆演出に用いる音声データを作成し、それを音声制御基板106に出力するように構成する。これにより、上述した第1特別演出画像NV1にスピーカ67から出力される特別な音声を伴う第2大当たり示唆演出が実行可能となる。
さらに、上記のエンディング演出選択処理で第3大当たり示唆演出の演出開始コマンドをセットしたら、上記10msタイマ割り込み処理で作成した第3大当たり示唆演出に用いる音声データを音声制御基板106に出力するように構成する。これにより、上述した第2特別演出画像NV2にスピーカ67から出力される特別な音声を伴う第3大当たり示唆演出が実行可能となる。
また例えば、大当たり示唆演出を「画像を用いた演出」および「装飾可動体を用いた演出」からなる「組合せ演出」とした場合、具体的には、上記の第2事前判定処理で第2大当たり示唆演出の演出開始コマンドをセットしたら、上記1msタイマ割り込み処理の駆動制御処理(S4203)で第2大当たり示唆演出に用いる駆動データを作成してランプ制御基板107に出力するように構成する。これにより、上述した第1特別演出画像NV1に装飾可動体15の動作を伴う第2大当たり示唆演出が実行可能となる。
さらに、上記のエンディング演出選択処理で第3大当たり示唆演出の演出開始コマンドをセットしたら、上記駆動制御処理で第3大当たり示唆演出に用いる駆動データを作成してランプ制御基板107に出力するように構成する。これにより、上述した第2特別演出画像NV2に装飾可動体15の動作を伴う第3大当たり示唆演出が実行可能となる。
また第1形態では、第1特別報知演出および第2大当たり示唆演出には同じ第1特別演出画像NV1を用いることで、第1特別報知演出の演出態様と第2大当たり示唆演出の演出態様とを同一とした。しかしながら、特別報知演出は、取得した数値情報に基づく当否判定前に実質的に大当たり当選が確定していることを報知可能で、且つ、大当たり示唆演出は、取得した数値情報に基づく当否判定前に大当たり当選を示唆可能であれば、例えば、第1特別報知演出および第2大当たり示唆演出で互いに異なる演出画像を用いることによって、第1特別報知演出と第2大当たり示唆演出とを互いに異なる演出態様としてもよい。また、例えば、第2特別報知演出および第3大当たり示唆演出で互いに異なる演出画像を用いることによって、第2特別報知演出と第3大当たり示唆演出とを互いに異なる演出態様としてもよい。
また上記第1形態では、大当たり遊技中のエンディング中に、第3大当たり示唆演出又は第2特別報知演出を実行する構成を示した。しかしながら、第2特別遊技(大当たり遊技)のオープニング、又は、第1大入賞口の開放中および開放間のインターバル中において、大当たり示唆演出又は特別報知演出を実行する構成としてもよい。つまり、大当たり示唆演出又は特別報知演出を第2特別遊技のオープニング演出やラウンド演出としてもよい。
また上記第1形態では、第2始動口21への入賞に基づいて行われる先読み演出(第1特別報知演出、第2特別報知演出、第2大当たり示唆演出および第3大当たり示唆演出)のほかに、第1始動口20への入賞に基づいて行われる先読み演出(第1大当たり示唆演出)を備えるパチンコ遊技機1を示した。しかしながら、第1始動口20への入賞に基づく先読み演出のない形態でもよい。また、第1始動口20への入賞に基づく先読み演出として、1種大当たりの当選を示唆する第1大当たり示唆演出のみを設けた形態を示した。しかしながら、第1始動口20への入賞に基づく先読み演出として、「16R時短小当たりB」の当選を示唆(つまり、2種大当たりの当選を実質的に示唆)する特別報知演出を設けてもよい。この場合、第1事前判定処理において、第1始動入賞コマンドに対応する数値情報が「16R時短小当たりB」の当選を示す数値情報であるか否かを判定して、YESの判定の場合には、「16R時短小当たりB」の当選を示唆する特別報知演出の演出開始コマンドをRAM94にセットするように構成とすればよい。
また上記第1形態では、第1特別報知演出、第1大当たり示唆演出および第2大当たり示唆演出に関して、先読み演出乱数および先読み演出乱数判定テーブルを用いた抽選によって実行の有無を決定する構成を示した。しかしながら、始動入賞コマンドに対応する数値情報が大当たり又は小当たりの当選を示す数値情報である場合には必ず先読み演出を行う構成としてもよい。また上記第1形態では、第2始動入賞コマンドに対応する数値情報が大当たりの当選を示す数値情報である場合には第3大当たり示唆演出を、小当たりの当選を示す数値情報である場合には第2特別報知演出を必ず実行する構成とした。しかしながら、抽選によって、第2特別報知演出および第3大当たり示唆演出の実行の有無を決定する構成としてもよい。
また上記第1形態では、高ベース状態移行後の特別図柄の変動表示が初回にあたる変動パターンとして、変動時間が90000msの変動パターン「P20」を選択する構成を示した。しかしながら、変動初回の変動パターンの変動時間は、例えば、普通図柄の変動表示に要する時間、普通図柄の停止表示から電チューの開放までに要する時間、電チューの開放時間、遊技球の発射に要する時間等を総合的に勘案して適宜設定すればよい。
また上記第1形態では、大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で、小当たりに当選した場合には「135」などの予め定めたチャンス目で演出図柄をそれぞれ停止表示する形態を示した。しかしながら、例えば、小当たり当選のうちV通過小当たりに当選した場合には、大当たりに当選した場合と同じく、ゾロ目で演出図柄を停止表示させてもよい。このようにすることで、演出図柄の停止表示からも、大当たり当選が実質的に確定していることを示唆可能である。
また上記第1形態では、遊技状態が時短状態且つ高ベース状態である場合に限り、第2始動入賞コマンドに対応する数値情報が大当たりの当選を示す数値情報であるか否かを判定する構成を示した。しかしながら、遊技状態が時短状態且つ高ベース状態である場合に加えて、通常遊技状態(非時短状態且つ低ベース状態)でも、第2始動入賞コマンドに対応する数値情報が大当たりの当選を示す数値情報であるか否かを判定する構成としてもよい。この場合、第2事前判定処理(S4404)のステップS4703の処理をスキップするように構成すればよい。
また上記第1形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(数値情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種類、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また、始動入賞コマンドの生成に関するルール(図12参照)は、適宜変更してもよい。例えば、始動入賞コマンドに遊技状態の情報を含めないようにしてもよい。なお、始動入賞コマンドには、少なくとも小当たりの当否に関する情報が含まれていればよい。
また、遊技制御用マイコン81が、始動入賞時に、その入賞により取得した各種乱数値のコピー(事前判定用乱数という)を作成し、その事前判定用乱数に基づいて大当たりおよび小当たりか否か、当たりの種類、リーチの有無および変動パターンの種類を、事前に判定して(その入賞に基づく特別図柄の変動表示の実行前に判定して)、その判定結果を反映させた始動入賞コマンドを生成するようにしてもよい。このようにしても、始動入賞コマンドを受信した演出制御用マイコン91は、その始動入賞コマンドを解析することにより、大当たりおよび小当たりの当否を判断することが可能となる。また、遊技制御用マイコン81が、始動口への入賞に基づき取得した各種乱数値の情報をそのまま演出制御用マイコン91に送信し、これを受信した演出制御用マイコン91が、大当たりおよび小当たりか否か、当たりの種類、リーチの有無および変動パターンの種類を事前に判定してもよい。この場合には、演出制御用マイコン91のROM93に各種乱数値の判定テーブルを格納しておく。このようにしても、演出制御用マイコン91は当たりの当否を判断することが可能となる。
また上記第1形態では、3回の特別図柄の変動表示が実行されると高ベース状態を終了するように構成したが、高ベース状態の終了条件としての特別図柄の変動表示の実行回数(所定の上限実行回数)は、任意に変更可能である。
なお、本発明の「第1の判定条件」とは、上記実施形態では、特別図柄の変動中および特別遊技の実行中でなく、第2特図保留の数が「0」であり、第1特図保留の数が「0」でないことである。
また、本発明の「第2の判定条件」とは、上記実施形態では、特別図柄の変動中および特別遊技の実行中でなく、第2特図保留の数が「0」でないことである。
また、本発明の「所定の終了条件」とは、上記実施形態では、大当たり遊技の実行が開始されること、又は、予め定めた上限実行回数に及ぶ特別図柄の変動表示の実行が終了することである。
また、本発明の「大当たり報知と同等の演出的意味をもつ特別報知演出」とは、演出実行時には大当たり当選とはなっていないが、その後ほぼ確実に大当たり当選となることを遊技者に報知可能な演出である。