JP2017073326A - 組電池の並列固定用部品および組電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】並列は位置された複数の円筒形素電池を含む組電池の寸法精度を確保し、製造時の工数を削減するための並列固定用部品を提供する。【解決手段】円筒形素電池(10L、10M、10R)の軸100方向を上下方向として、複数の素電池の上下両端面側に装着される有底キャップ状で、複数の素電池の端面形状を包括する平面形状を有する底部61と、底部の平面形状を維持して底部の周囲に立設した壁面からなる胴部62とを備え、底部の平面形状は複数の素電池の端面形状に対応して複数の円同士を隣接する素電池間に形成されるV字溝状の領域50を凹部63よって連続させた輪郭を有し、底部は複数の素電池のそれぞれの端面に形成されている電極端子(11、12)に対応する開口66を有し、胴部は凹部に対応する領域に壁面の立設方向に延長する突片部67を有している組電池の並列固定部品60としている。【選択図】 図3

Description

本発明は組電池を構成する複数の円筒形の素電池を並列に配置した状態で固定する際に用いる並列固定用部品に関する。またその並列固定用部品を用いて構成される組電池にも関する。
組電池は、複数の素電池が電気的に直列あるいは並列に接続された集合電池を熱収縮チューブなどの外装体によって被装して一体化したものである。そして組電池には複数の円筒形の素電池が並列に配置されたものがある。図1は3本の円筒形の素電池(10L、10M、10R)を並列に配置した状態で接続してなる組電池1の外観を示す図であり、図2は図1に示した集合電池を構成する3本の素電池(10L、10M、10R)の配置と各素電池間(10L−10M、10M−10R)の電気的な接続状態を示している。図1に示したように組電池1は三本の素電池(10L、10M、10R)が並列配置された状態で一括して熱収縮チューブからなる外装体20によって被装されている。それによって素電池(10L、10M、10R)の配列状態が維持されている。図2(A)は図1に示した組電池1から外装体20を除いた組電池の本体(以下、組電池本体2とも言う)を示す斜視図であり、図2(B)は外装体20内における組電池本体2の状態を示す図であり、図1に示した組電池1を円筒形の素電池(10L、10M、10R)の端面側から透視したときの平面図に対応している。
以下に図2に基づいて従来の組電池1の構造について説明する。なおここでは円筒形の素電池(10L、10M、10R)の軸方向100を上下方向とし、この上下方向と直行する方向を左右前後方向とする。ここでは素電池(10L、10M、10R)の配列方向を左右方向とする。なお上下左右前後の各方向については図中に示したように規定することとする。すなわち図2(A)では組電池本体2を右前上方から見たときの斜視図が示されており、図2(B)では組電池1を上方から透視して見たときの平面図が示されている。
まず図2に示したように、三つの素電池(10L、10M、10R)が左右方向に並列に配置されている。またこの例では3本の素電池(10L、10M、10R)が直列接続されている。したがって隣接する素電池同士(10L−10M、10M−10R)は互いに天地が逆方向となっている。ここでは左右両端の素電池(10L、10R)では負極端子11が上方を向き、中央の素電池10Mでは正極端子12が上方を向いている。そして組電池本体2の上端側では、左端の素電池10Lの負極端子11と中央の素電池10Mの正極端子12が金属板からなるタブ(以下、接続用タブ30とも言う)を介して接続され、図示されていない組電池本体2の下端側では中央の素電池10Mの負極端子と右端の素電池10Rの正極端子が接続用タブを介して接続されている。接続用タブ30は例えば溶接(スポット溶接など)によって電極端子(11、12)に取り付けられている。また右端の素電池10Rの負極端子11と左端の素電池10Lの正極端子(図示せず)には外部機器に電力を供給するためのリード線(以下、電源リード線31とも言う)が接続用タブ30とは別のタブ(以下、電源リード用タブ32とも言う)を介して取り付けられている。また各素電池(10L、10M、10R)の正極と負極の端子間(12−11)には過放電を防止するためのアキシャル型の保護素子(ダイオードなど)40が接続されている。保護素子40はその本体41の上下両端から上下方向にリード線(以下、素子リード線42とも言う)が導出されたものであり、素子リード線42の先端が接続用タブ30あるいは専用のタブ(以下、素子用タブ33とも言う)を介して接続されている。ここでは素子リード線42や電源リード線31が半田34によってそれぞれに対応するタブ(30、32、33)に接続されている。
なお並列配置されている3本の素電池(10L、10M、10R)は、その配置を維持するために絶縁性の接着テープ3によって一括されている。それによって外装体が装着される前にタブ(30、32、33)や電源リード線31を取り付ける際の作業性が確保されている。また各素電池(10L、10M、10R)の電池缶は正負一方の電極を兼ねていることから素電池(10L、10M、10R)自体にも外装体が被装されている。そしてこの例では、接着テープ3に加え、保護素子40の素子リード線42に沿う方向に延長する帯状の絶縁性のテープ4が、互いに隣接する素電池(10L−10M、10M−10R)の側面間に架け渡されている。それによって素子リード線42が発熱した際に、各素電池(10L、10M、10R)の外装体がその熱で破れ、電池缶に素子リード線42が接触して短絡しないようにしている。さらに隣接する素電池(10L―10M、10M―10R)の電極端子間(11−12)に架け渡されている接続タブ30のエッジによって円筒形の素電池(10L、10M、10R)の端面と側面との境界近傍の外装体が破れて短絡する可能性もあることから、素電池(10L―10M、10M―10R)の端面にリング状の絶縁体5を配置している。この例では凸状の正極端子12のある端面側にリング状の絶縁体5を配置している。そして図2(A)に示した組電池本体2に熱収縮チューブを被装すると、その外形がより強固に維持され、図1や図2(B)に示した組電池1が完成する。なお組電池の構造については例えば以下の特許文献1などに記載されている。
特開2000−340200号公報
上述したように円筒形の複数本の素電池を並列配置させて一体化した組電池では、製造過程において複数本の素電池からなる集合電池の周囲に接着テープを巻回する工程が別途必要となる。また接着テープを用いて相互の位置関係を固定しているものの、接着テープでは素電池の形状を強固に固定することができず、各種タブの取付け工程など、その後の製造工程における振動や衝撃によって素電池同士の位置関係がずれる可能性があった。素電池同士の位置関係がずれた状態で組み電池を完成させてしまうと、その組電池の外形寸法がばらついてしまい、組電池を使用する電子機器に組電池を収納できなくなる可能性がある。一方、位置ずれを防止するために集合電池の周囲に接着テープをきつく巻回すれば、接着テープがV字溝状の領域に直線的に架け渡されるため、V字溝状の領域内に保護素子を納めることができなくなる。そのため組電池本体を外装体で被装した際に保護素子が組電池の外周から大きく突出してしまう。すなわち組電池の外形が不要に大きくなる。
また従来の組電池では、アキシャル型の保護素子の素子リード線や接続用タブのエッジから素電池の外装体を保護するために絶縁性のテープやリング部材を取り付けていた。したがってこれらの部材やこれらの部材を取り付けるための工程に係るコストによって組電池をより安価に提供することが難しかった。
そこで本発明は、複数の円筒形電池が並列配置された状態で一体化されてなる組電池の製造過程において、寸法精度を確保しつつ、工数や部材を削減して製造コストを低減させることができる組電池の並列固定用部品とその並列固定用部品を用いた組電池を提供することを目的としている。
上記目的を達成するための本発明は、組電池を構成する複数の円筒形の素電池を並列配置させた状態で固定するための部品であって、
有底キャップ状で、前記円筒形の素電池の軸方向を上下方向として、複数の素電池の上下両端面側に装着され、
並列状態にある複数の前記素電池の端面形状を包括する平面形状を有する底部と、
当該底部の平面形状を維持して底部の周囲に立設した壁面からなる胴部と、
を備え、
前記底部の平面形状は、前記複数の前記素電池の端面形状に対応する複数の円同士を隣接する素電池間に形成されるV字溝状の領域を凹部よって連続させた輪郭を有し、
前記底部は、前記並列状態にある複数の前記素電池のそれぞれの端面に形成されている電極端子に対応する複数の開口を有し、
前記胴部は、前記凹部に対応する領域に前記壁面の立設方向に延長する突片部を有している、
ことを特徴とする組電池の並列固定部品としている。
前記突片部は、先端側の外面が内方に向かう段付き形状に成形されて、当該先端側が基端側に対して薄肉になっていることを特徴とする組電池の並列固定部品とすることもできる。
前記並列固定部品を備えた組電池も本発明の範囲あって、当該組電池は、
前記並列配置された複数の素電池の上下両端側に前記並列固定部品が装着され、
前記底部の前記開口を介して外方に露出する前記素電池の所定の電極端子間に接続用タブが取り付けられて、前記複数の素電池が電気的に直列あるいは並列に接続され、
アキシャル型の保護素子の本体が、前記突片部に沿いつつ前記突片部の先端同士の対面位置を跨ぐ領域に配置されているとともに、当該本体から上方および下方に導出されているリード線が前記突片部の延長方向に沿いつつ前記各素電池の前記正負の電極端子のそれぞれに接続され、
前記保護素子と前記複数の素電池が外装体によって被装されている、
ことを特徴とする組電池としている。
前記複数の素電池のそれぞれの前記電極端子に専用タブが取り付けられ、
前記専用タブは、前記素電池の電極端子に対応する平面領域と当該平面領域から互いに交差する方向に突出する第1の突起と第2の突起を有する一体的な金属板で形成され、
前記第1の突起は、前記凹部方向に延長しつつ前記突片部に沿って屈曲し、
前記素電池の上下両端の電極端子のそれぞれに取り付けられている前記専用タブの前記第1の突起の先端同士が前記保護素子の本体の上下長よりも大きな間隙を有して対面し、
当該間隙に前記保護素子の本体が配置されているとともに、前記第1の突起の前記突片部に沿う領域に、当該本体から上方および下方に直線状に導出されたリード線が取り付けられている、
ことを特徴とする組電池とすることもできる。
そして複数の素電池を電気的に接続させた集合電池の正極と負極のそれぞれに対応する電極端子に取り付けられている前記専用タブの第2の突起に外部回路に電源を供給するためのリード線が取り付けられている組電池とすることもできる。
本発明に係る組電池の並列固定用部品によれば、並列配置された複数の素電池を含んで構成される組電池の製造過程において、寸法精度を確保しつつ、工数を削減して製造コストを低減させることができる。そしてこの並列固定用部品を用いた本発明の組電池によれば、外形寸法にバラツキがなく、安価に提供することができる。なおその他の効果については以下の記載で明らかにする。なおその他の効果については以下の記載で明らかにする。
従来の組電池の外観を示す図である。 従来の組電池の構成を示す図である。 本発明の第1実施例に係る並列固定用部品の構造を示す図である。 本発明の第2の実施例に係る組電池の構成を示す図である。 本発明の第3の実施例に係る組電池の構成を示す図である。 上記第2の実施例に係る組電池を構成する専用タブの形状を示す図である。 本発明のその他の実施例に係る並列固定用部品の構造を示す図である。
本発明の実施例について、以下に添付図面を参照しつつ説明する。なお以下の説明に用いた図面において、同一または類似の部分に同一の符号を付して重複する説明を省略することがある。ある図面において符号を付した部分について、不要であれば他の図面ではその部分に符号を付さない場合もある。
===並列固定用部品===
本発明の第1の実施例として、並列配置された3本の円筒形素電池を一括して固定するための配列固定用部品を挙げる。図3は本実施例に係る並列固定用部品60の概略構造を示す図である。ここに示した並列固定用部品(以下、固定部品60とも言う)は、並列配置された3本の円筒形素電池に一括して装着されるキャップ状の部品である。なお以下の各図では、図2と同様にして上下左右前後の各方向が規定されているものとする。
図3に一つだけ示した固定部品60は、一つの組電池において二つ一組で使用され、組電池の上下両端面側に装着される。図3に示した固定部品60は組電池の下端面側に装着されるときの状態に対応している。固定部品60は樹脂の一体成形品であり、左右に並列配置される3本の円筒形の素電池の端面形状を包括する平面形状を有する底部61と、その底部61の周囲に立設する壁面によって形成される胴部62とを有している。具体的には、図3に示した状態において、底部61は左右に並列配置される3本の円筒形の素電池の端面形状に対応する三つの円同士を隣接する素電池間に形成されるV字溝状の領域(図2、符号50)を凹部63を介して連続させてなる平面形状を有している。この例では凹部63は丸溝状で上記V字溝状の領域を滑らかに連続させている。胴部62は底部61の平面形状を維持しながら当該底部61の周囲に上方に立設する壁面で形成されている。そして図示した固定部品60では、胴部62の内面64と底部61の上面65とによって形成された空間に3本の素電池の下端側が一括して挿入されることになる。なお固定部品60は素電池が圧入状態で挿入されるようにそのサイズが設定されている。
また底部61には3本の素電池の電極端子を外方に露出させるための開口部66が形成されており、さらに胴部62において底部61の凹部63に対応する位置には、その凹部63の平面形状を維持しながら上方に延長する突片部67が形成されている。なおここに示した固定部品60では、突片部67の内側に先端から底部61の上面65にまで至るリブ68が形成され、突片部67はそのリブ68によって容易に屈曲しないように補強されている。また突片部67は、先端側の外面が内方に向かう段付き形状に成形されて、先端側が基端側に対して薄肉になっている領域69を有している。
===第2の実施例===
本発明の第2の実施例は、上記第1の実施例に係る固定部品60を用いた組電池であり、図4に第2の実施例に係る組電池を示した。ここでは組電池の組み立て手順を図4(A)〜図4(D)に示した。まず図4(A)に示したように、二つの固定部品(60−60)を互いの突片部67の先端同士が対向するように上下方向で対面させ、その二つの固定部品間(60−60)に3本の素電池(10L、10M、10R)を並列に配置する。そして図4(B)に示したように素電池(10L、10M、10R)の上と下の端面側に固定部品60を嵌め込む。それによって3本の素電池(10L、10M、10R)が正しい相対位置関係を維持したまま並列状態で固定される。そして固定部品60の底部61の開口部66から各素電池(10L、10M、10R)の電極端子(11、12)が露出し、突片部67が隣接する素電池間(10L−10M、10M−10R)のV字溝状の領域50に配置される。また上下の固定部品60の突片部67の先端同士が近接して対面する。すなわちこの例では固定部品60の底部61から突片部67の先端までの高さが素電池(10L、10M、10R)の電池缶の高さのほぼ1/2になっている。
固定部品60によって3本の素電池(10L、10M、10R)を固定したならば、図4(C)に示したように、底部61の開口部66から露出した素電池(10L、10M、10R)の電極端子(11、12)に各種タブ(30、32、33)を取り付け、その上で保護素子40の素子リード線42や電源リード線31をそれぞれに対応するタブ(30、32、33)に取り付ける。保護素子40を取り付ける際には素子リード線42を突片部67の延長方向に沿わせるように屈曲させた上でその素子リード線42の両端を所定のタブ(30、33)に半田34によって取り付ける。それによって厚さのある保護素子40の本体41が凹部63の形状に沿って配置され、その素子本体41が素電池(10L、10M、10R)に対して前後方向に大きく突出しないようになっている。さらに突片部67の先端側は薄肉の領域(以下、薄肉部69とも言う)であり、素子本体41がこの薄肉部69に沿って配置されることで素子本体41の前後方向への突出がさらに抑制されている。このようにして組電池本体2aが組み立てられたならば、組電池本体2aを熱収縮チューブからなる外装体20で被装し組電池を完成させる。図4(D)に組電池1aを上方から透視したときの平面図を示した。固定部品60の突片部67における丸溝状の外面形状に沿って保護素子40の本体41が配置され、組電池1aの前後左右の側面が並列配置された素電池(10L、10M、10R)の外周を滑らかに連続させる形状に成形されている。すなわち外装体20の外面には素子本体41の厚さに起因する不要な突出領域がなく、組電池1aの外形寸法が必要最小限に抑制されている。また従来の組電池では、保護素子を取り付ける前に変形しやすい接着テープを用いて並列配置された素電池の形状を維持していたが、第2の実施例に係る組電池1aでは変形し難い樹脂の一体成形品からなる固定部品60を用いて素電池(10L、10M、10R)を一括して固定している。そして素子本体41がやはり変形し難い突片部67の外面に沿って配置されている。そのため、熱収縮チューブによる外装体20を組電池本体2aに被装しても組電池本体2aの形状が変形せず、組電池1aの外形やその寸法のバラツキが極めて小さくなる。また突片部67に保護素子40の素子リード線42を沿わせているため、素子リード線42の熱から素電池(10L、10M、10R)の外装体を確実に保護することができる。また円筒形の素電池(10L、10M、10R)の端面と側面との境界近傍の外装体については、固定部品60の外側底面によって接続タブ30のエッジから保護されている。そして第2の実施例に係る組電池1aでは、従来の組電池における帯状の絶縁性テープ(図2、符号4)やリング状の絶縁体(図2、符号5)などの部材、およびこれらの部材を取り付けるための工程に掛かるコストを削減することもできる。
===第3の実施例===
従来の組電池では、アキシャル型の保護素子を取り付ける場合、保護素子のリード線を屈曲させる工程が必要となる。保護素子は素子本体の両端にリード線が導出された構造であり、素電池において端子が配置されている端面にリード線(以下、素子リード線とも言う)の先端がタブを介して半田付けされている。すなわち素子リード線はその延長途上で素電池の端面側から側面に沿う方向に屈曲している。そのためリード線の屈曲形状やリード線の先端をタブに取付ける際の精度をある程度厳密に管理しないと、保護素子の取付け位置や素子本体の配置にずれが生じる。保護素子の位置ずれは組電池の外形やその寸法のバラツキに繋がる。また限られた狭小な素電池の電極端子の領域に保護素子と電源リード線のそれぞれに対応するタブ、あるいは接続用タブとを取り付ける必要がある。素電池の外径が小さい場合には、保護素子と電源リード線のそれぞれに対応するタブを取り付けること自体が困難となる。そこで本発明の第3の実施例として、アキシャル型の保護素子を取り付ける際の位置ずれをも防止できる構造を備えた組電池を挙げる。
図5に第3の実施例に係る組電池の概略構造を示した。ここでは外装チューブが装着されていない組電池本体2bを左前上方から見たときの斜視図を示した。この図に示したように、第3の実施例では、第2の実施例に係る組電池に対してタブ70の形状が異なっている。このタブ70は一体的な金属平板からなり、各素電池(10L、10M、10R)の正極と負極の電極端子(11、12)に溶接などによって取り付けられている。そして電源リード線31や保護素子40の素子リード線42が所定のタブ70に半田付けなどによって取り付けられている。
タブ(以下、専用タブ70とも言う)は素電池(10L、10M、10R)の電極端子(11、12)に溶接などによって取り付けられる平面領域(以下、取付部71とも言う)に対して複数の突起(72、73)を有し、一つの突起72がその延長途上で固定部品60の突片部67に沿うように上下方向に屈曲している。図5に示した専用タブ70は、長い突起(以下、第1の突起72とも言う)と短い突起(以下、第2の突起73)を有し、第2の突起73は、六角形状の取付部71から互いに反対方向に突出し、第1の突起72はこの第2の突起73に対して交差する方向に突出している。専用タブ70は第2の突起73の延長方向が前後方向に向くように取り付けられ、第1の突起72が固定部品60の凹部63の方向に向かって延長し、その延長途上で突片部67に沿う方向に屈曲している。各素電池(10L、10M、10R)の上下両端の電極端子(11、12)に取り付けられたそれぞれの専用タブ70の第1の突起72は、突片部67に沿って延長しつつ、その先端同士が所定の間隙を介して対面している。この間隙の上下長Dは保護素子40の本体41の上下長dよりも大きくなっている。そして保護素子40がこの間隙間に配置され、素子リード線42が屈曲されることなく第1の突起72に半田付けや溶接などによって取り付けられている。この例では半田34によって取り付けられている。
このように第3の実施例に係る組電池では、アキシャル型の保護素子40における直線状の素子リード線42に対し、位置ずれの原因となる屈曲工程を施す工程が不要となる。また第2の突起73には電源リード線31を取り付けることができ、電源リード線31を取り付けるための電源用タブと素子リード線を取り付けるための素子用タブを個別に設ける必要がない。したがって部品点数を削減することができ組電池の製造コストを低減させることが可能となる。図6に第1の突起72を屈曲させていない状態の専用タブ70の平面図を示した。専用タブ70は一つの素電池の上下両端の電極端子のそれぞれに取り付けられ、上下の専用タブ70(70u、70d)はその平面形状が互いに上下対称となっている。そして各専用タブ(70u、70d)のそれぞれの第1の突起72を図中点線で示した所定の位置74で屈曲させておけば、専用タブ(70u、70d)を素電池の正極と負極の電極端子に取り付ける際、第1の突起72の屈曲位置74から先端側の領域を固定部品の突片部に沿わせるように位置決めするだけでよい。専用タブ(70u、70d)の第1の突起72に保護素子の素子リード線も事前に取り付けておいてもよい。
なお第3の実施例における専用タブ70では、第2の突起73が取付部71に対して反対方向に突出しており、第1の突起72は第2の突起73の突出方向に対して所定の角度θで交差している。この角度θは、第2の突起73の突出方向を素電池の配列方向と直交する前後方向に一致させたときに第1の突起72が自動的に突片部の形成領域に向けて延長するように設定されている。あるいは固定部品60の底部61の外面に第1の突起72を沿わせる矩形断面を有する浅い溝を形成しておけば、専用タブ70を電極端子に取り付ける際に素電池の配列方向と第2の突起の延長方向とを調整しなくても、第1の突起72が所定の方向に正確に延長することになる。
また一般的に、円筒形の素電池は凸状の正極端子と平坦な負極端子を有しており、負極端子が固定部品の底部より外方に突出しない場合もあり得る。このような場合では、専用タブ70の取付部を電極端子に取り付ける際に第1および第2の突起(72、73)が底部の開口部の縁に干渉してしまう。そこでこのような場合に対応して、第1および第2の突起(72、73)の基端側をクランク状に事前に屈曲させておいてもよい。それによって第1および第2の突起(72、73)が固定部品の開口部の縁を乗り越え、底部の開口部の縁に干渉することがない。いずれにしても金属平板からなる専用タブ70はプレス加工などによって事前に任意の形状に容易に成形しておくことができる。
===その他の実施例===
上記角実施例では固定部品の突片部は隣接する素電池間のV字溝状領域の全てに対応して形成されていたが、組電池に取り付けられる保護素子の数以上であれば、いずれかの突片部を省略してもよい。また素電池の表面に温度センサなどをV字溝状領域内の素電池の側面に貼着するような場合では、その貼着位置に対応する突片部のみを省略してもよい。なお過放電を防止する機能を有するのであれば、保護素子はダイオードに限らず、例えばPTCやヒューズなどであってもよい。いずれにしてもアキシャル型の保護素子であればよい。
第3の実施例における専用タブは例示した構成に限らず、例えば第1および第2の突起が1本ずつ形成された平面形状や、あるいは第2の突起が3本以上あってもよい。いずれにしても延長途上で固定部品の突片部に沿う方向に屈曲する1本の突起とそれ以外の第2の突起が互いに交差する方向に突出していればよい。もちろん第2の突起には電源リード線に限らず、例えば外部の電圧モニタに接続される信号線や組電池に付帯する各種センサ部品などを取り付けることができる。
上記各実施例における固定部品は左右方向に1列に並列配置された3本の素電池を一括するように構成されていたが、並列配置されていれば、素電池の数は2本でもよいし、4本以上であってもよい。また組電池に含まれる素電池は1列にかぎらず、2列に並列配置されていてもよい。図7に3行2列(以下、3×2)に並列配置された6本の素電池10によって構成される組電池の例を示した。ここでは外装体を省略した組電池本体2cを上方から透視したとき平面図を示した。固定部品160は、3×2の行列状に並列配置された素電池10の端面側に一括して装着され、前後で隣接する素電池間(10−10)のV字溝状の領域150も凹部161によって連続させている。またこの例では底部に上方(紙面手前側)に立設する円弧状の壁面162が形成されて、胴部62とこの円弧状の壁面162とで各素電池10が確実に保持されるようになっている。
1,1a 組電池、2,2a〜2c 組電池本体、3 接着テープ、
4 絶縁性のテープ、5 リング状の絶縁体、10,10L,10M,10R 素電池、20 外装体、30 接続用タブ、31 電源リード線、32 電源用タブ、
33 素子用タブ、40 保護素子、41 保護素子の本体、42 素子リード線、
50 V字溝状の領域、60,160 並列固定部品、61 底部、62 胴部、
63、161 凹部、66 開口部、67 突片部、70 専用タブ、71 取付部、
72 第1の突起、73 第2の突起

Claims (5)

  1. 組電池を構成する複数の円筒形の素電池を並列配置させた状態で固定するための部品であって、
    有底キャップ状で、前記円筒形の素電池の軸方向を上下方向として、複数の素電池の上下両端面側に装着され、
    並列状態にある複数の前記素電池の端面形状を包括する平面形状を有する底部と、
    当該底部の平面形状を維持して底部の周囲に立設した壁面からなる胴部と、
    を備え、
    前記底部の平面形状は、前記複数の前記素電池の端面形状に対応する複数の円同士を隣接する素電池間に形成されるV字溝状の領域を凹部よって連続させた輪郭を有し、
    前記底部は、前記並列状態にある複数の前記素電池のそれぞれの端面に形成されている電極端子に対応する複数の開口を有し、
    前記胴部は、前記凹部に対応する領域に前記壁面の立設方向に延長する突片部を有している、
    ことを特徴とする組電池の並列固定部品。
  2. 請求項1において、前記突片部は、先端側の外面が内方に向かう段付き形状に成形されて、当該先端側が基端側に対して薄肉になっていることを特徴とする組電池の並列固定部品。
  3. 請求項1または2に記載の前記並列固定部品を備えた組電池であって、
    前記並列配置された複数の素電池の上下両端側に前記並列固定部品が装着され、
    前記底部の前記開口を介して外方に露出する前記素電池の所定の電極端子間に接続用タブが取り付けられて、前記複数の素電池が電気的に直列あるいは並列に接続され、
    アキシャル型の保護素子の本体が、前記突片部に沿いつつ前記突片部の先端同士の対面位置を跨ぐ領域に配置されているとともに、当該本体から上方および下方に導出されているリード線が前記突片部の延長方向に沿いつつ前記各素電池の前記正負の電極端子のそれぞれに接続され、
    前記保護素子と前記複数の素電池が外装体によって被装されている、
    ことを特徴とする組電池。
  4. 請求項3において、
    前記複数の素電池のそれぞれの前記電極端子に専用タブが取り付けられ、
    前記専用タブは、前記素電池の電極端子に対応する平面領域と当該平面領域から互いに交差する方向に突出する第1の突起と第2の突起を有する一体的な金属板で形成され、
    前記第1の突起は、前記凹部方向に延長しつつ前記突片部に沿って屈曲し、
    前記素電池の上下両端の電極端子のそれぞれに取り付けられている前記専用タブの前記第1の突起の先端同士が前記保護素子の本体の上下長よりも大きな間隙を有して対面し、
    当該間隙に前記保護素子の本体が配置されているとともに、前記第1の突起の前記突片部に沿う領域に、当該本体から上方および下方に直線状に導出されたリード線が取り付けられている、
    ことを特徴とする組電池。
  5. 請求項4において、複数の素電池を電気的に接続させた集合電池の正極と負極のそれぞれに対応する電極端子に取り付けられている前記専用タブの第2の突起に外部回路に電源を供給するためのリード線が取り付けられていることを特徴とする組電池。
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