JP2017072366A - ねじおよびねじの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本実施形態は、電気部品箱を、直接、発泡樹脂材からなる保温材に取付け固定することで、支持板を不要として、コストの低減化を図り、組立工数を削減でき、筐体部品のサービス時に電気部品を外す必要が無く、サービス性の向上を得る貯湯式給湯機およびねじを提供する。【解決手段】貯湯式給湯機は、高温水を貯溜する貯湯タンクと、記貯湯タンクの全周面を覆う発泡樹脂材からなる保温材と、保温材で覆われる貯湯タンクを囲む金属板体からなる筐体と、筐体と保温材との空間スペースに位置し貯湯タンクから給湯先への給湯を電気的に制御する電気部品類を収容する電気部品箱とを備え、前記電気部品箱は、発泡樹脂材からなる保温材に固定部材を介して取付け固定される。【選択図】 図4
Description
本発明の実施形態は、貯湯タンク内の高温水と給水源からの水とを混合し、設定温度の温水にして給湯する貯湯式給湯機およびねじに係り、特に、電気部品箱の取付け構造に関する。
貯湯式給湯機の貯湯タンクユニットを構成する貯湯タンクは、直径寸法と比較して上下軸方向寸法がごく長く、全周面を発泡樹脂材からなる保温材で覆われる。保温材の周囲は、金属板体である前面パネルと、左側面パネルと、右側面パネルと、背面パネルと、上面パネルおよび底板を組合せた直方6面体の筐体で囲まれる。
さらに、貯湯タンクユニットは、混合弁、電磁弁等の弁類と、流量センサ、温度センサ等のセンサ類、その他ポンプ等の多数の電動水機能部品を備えていて、これらを電気的に制御する電気部品類を収容する電気部品箱を備える。電気部品箱は、筐体を構成する前面パネルや保温材との間に形成される空間スペースに、別途設けられた支持板等を介して筐体の一部に取付けられる。
この種の構造では、保守サービス等のため左右側面パネルを取外す際に、多数の電気部品類に多数本のリード線が接続された状態のままの電気部品箱を側面パネルとともに取外ししなければならず、作業性が悪い。支持板は、電気部品箱の左右幅方向の長さ分ばかりでなく、筐体の全幅方向の長さを必要とするので、材料的に無駄が多い。
本実施形態は、電気部品箱を、直接、発泡樹脂材からなる保温材に取付け固定することで、支持板等の別部材を不要として、コストの低減化を図り、組立工数を削減でき、筐体部品のサービス時に電気部品箱を外す必要が無く、サービス性の向上を得る貯湯式給湯機およびねじを提供しようとするものである。
本実施形態の貯湯式給湯機は、高温水を貯溜する貯湯タンクと、貯湯タンクを覆う発泡樹脂材からなる保温材と、保温材で覆われる貯湯タンクを囲む金属板体からなる筐体と、筐体と保温材との空間スペースに位置し貯湯タンクから給湯先への給湯を電気的に制御する電気部品類を収容する電気部品箱とを備え、電気部品箱は、発泡樹脂材からなる保温材に固定部材を介して取付け固定される。
また、発泡樹脂材からなる保温材に固定する固定部材として、樹脂材料で形成されたねじを用いる。
また、発泡樹脂材からなる保温材に固定する固定部材として、樹脂材料で形成されたねじを用いる。
以下、図面を参照しながら、第1の実施形態について詳細に説明する。
図1(A)は、貯湯タンクユニット1の外観斜視図、図1(B)は貯湯タンクユニット1の正面図。図2は、貯湯タンクユニット1の構成部品を分解して示す斜視図である。
図1(A)は、貯湯タンクユニット1の外観斜視図、図1(B)は貯湯タンクユニット1の正面図。図2は、貯湯タンクユニット1の構成部品を分解して示す斜視図である。
貯湯式給湯機は、後述する貯湯タンクユニット1と、この貯湯タンクユニット1と連通管を介して連通される加熱手段である、たとえばヒートポンプユニット(図示しない。以下、同様)とから構成される。
ヒートポンプユニットには、圧縮機と、凝縮器である冷媒−水熱交換器と、減圧手段である電子膨張弁と、送風機による強制空冷式の蒸発器とが備えられ、これらは冷媒管を介してヒートポンプ式冷凍サイクル回路を構成するよう連通される。
貯湯タンクユニット1底部には、給水源と連通する給水管が接続される一方で、上部に出湯管が接続される。出湯管は、貯湯タンクユニットから浴室の浴槽に対向して設けられる給湯栓に接続される。出湯管の端末部は分岐されていて、この分岐出湯管は、たとえば厨房室、洗面所、浴室等にそれぞれ設けられる給湯栓に接続される。
上記出湯管の中途部には、混合弁と、流量センサと、混合湯温センサが順次、設けられる。さらに混合弁には、給水管から分岐し、貯湯タンクユニットをバイパスして給水する給水バイパス管が接続される。
混合弁において、貯湯タンクユニットから出湯管へ導かれる高温度の温水と、給水源から給水管を介して導かれる水とが混合する。混合弁の絞り制御により、設定温度の温水として導出できるようになっている。
貯湯タンクユニット1の外観は、支持脚2に支持される筐体3からなる。筐体3は、全て金属板体からなる前面パネル4と、左側面パネル5と、右側面パネル6と、背面パネル7と、上面パネル8および底板9を組合せた直方6面体であり、底板9が複数本(3本)の支持脚2上に載る。
筐体3の正面をなす前面パネル4は、上端から下部までが前面に突出する第1の前面パネル4aと、下部から下端までが第1の前面パネル4aよりもある程度背面側に引っ込んだ第2の前面パネル4bと、第1の前面パネル4a下端と第2の前面パネル4b上端を連結する水平の中間パネル4cとから構成されていて、いずれのパネルも矩形状をなす。
左側面パネル5と右側面パネル6も矩形状をなすとともに、それぞれの前端部位は第1の前面パネル4aと、第2の前面パネル4bおよび中間パネル4cの側端縁と一体となすよう、段状に形成される。
背面パネル7は、前面パネル4である、第1の前面パネル4aおよび第2の前面パネル4bの面積および形状を合わせた矩形状をなしている。上面パネル8は、左右側面パネル5,6と、前面パネル4のうちの第1の前面パネル4aおよび背面パネル7の幅方向寸法によって決められる矩形状をなす。
背面パネル7は、前面パネル4である、第1の前面パネル4aおよび第2の前面パネル4bの面積および形状を合わせた矩形状をなしている。上面パネル8は、左右側面パネル5,6と、前面パネル4のうちの第1の前面パネル4aおよび背面パネル7の幅方向寸法によって決められる矩形状をなす。
底板9は、左右側面パネル5,6と、前面パネル4のうちの第2の前面パネル4bおよび背面パネル7との幅寸法によって決められる矩形状をなす。この周端部から中心部に向かって低位置となるよう傾斜面が形成され、中心部には排水パイプ(図示しない)が取付けられる。
貯湯タンクユニット1は、以上説明した筐体3内に、保温材10で全周面を覆われた貯湯タンク11と、制御部を構成する多数の電気部品類が収容される電気部品箱12と、配管部品取付け板と混合弁等の弁類および給水管等の配管類からなる配管部品Hが収容されて構成される。
なお保温材10は、発泡樹脂材Sからなっていて、具体的には、主に、発泡ポリスチレン(PS)材が用いられるが、この他、発泡ポリプロピレン(PP)材や、発泡アクリルスチレン(AS)材でもよい。要するに、樹脂ビーズを金型等内で発泡形成したものである。
制御部は、タンク温度センサ等から検知信号を受けて演算をなし、混合弁等へ制御信号を送る。リモコンは、制御部とも接続されていて、貯湯式給湯機全体の制御を行う。具体的には、貯湯式給湯機の運転停止、給湯温度の設定、浴槽の湯はり量の設定、浴槽への湯はり開始を指示する湯はりスイッチおよび、各種運転モードの設定ができ、時刻や湯温などを表示する表示部を備えている。(以上、図示しない)
貯湯タンク11は、円筒状のタンク胴体11aと、このタンク胴体11aの上端部および下端部に、溶接等の手段で取付けられ一体化している半球状(椀状)の上部鏡板11bおよび下部鏡板11cからなる。タンク胴体11aの直径寸法に比較して、タンク胴体11aの軸方向寸法と上下部鏡板11b、11cの高さ寸法との合計寸法は極めて長い。
貯湯タンク11は、円筒状のタンク胴体11aと、このタンク胴体11aの上端部および下端部に、溶接等の手段で取付けられ一体化している半球状(椀状)の上部鏡板11bおよび下部鏡板11cからなる。タンク胴体11aの直径寸法に比較して、タンク胴体11aの軸方向寸法と上下部鏡板11b、11cの高さ寸法との合計寸法は極めて長い。
この貯湯タンク11の全周面を、発泡樹脂材Sからなる保温材10が覆っている。保温材10は、複数(4体)に分割されていて、前部保温材10aと、後部保温材10bと、上部保温材10cおよび下部保温材10dとから構成される。
なお説明すると、貯湯タンク11を構成するタンク胴体11aの周面に、前部保温材10aおよび後部保温材10bが密着して取付けられる。前部保温材10aと後部保温材10bの合せ端縁aは、左右側面パネル5,6の前後方向(幅方向)の中心軸b位置と略一致する。
そして、前部保温材10aと後部保温材10bの合せ端縁aと、その周辺部における表面部分は平坦部mをなし、前部保温材10aと後部保温材10bの、それぞれの中心軸cと、その周辺部の表面部分も平坦部mをなしている。
前部保温材10aと後部保温材10bの平坦部m以外の表面部分は、貯湯タンク11に密着する裏面形状と同様、湾曲成され、同一の肉厚に形成される。したがって、それぞれの平坦部mは、薄肉に形成される。
前部保温材10aと後部保温材10bの平坦部m以外の表面部分は、貯湯タンク11に密着する裏面形状と同様、湾曲成され、同一の肉厚に形成される。したがって、それぞれの平坦部mは、薄肉に形成される。
第1の前面パネル4aは、前部保温材10aとの間に間隙を有して組立てられているが、第2の前面パネル4bは前部保温材10aの平坦部mに密着し、平坦部m以外の表面部分とは間隙を有して組立てられる。第1の前面パネル4aと前部保温材10aとの間隙には、電気部品箱12が後述するようにして取付けられる。
背面パネル7は、後部保温材10bの平坦部に密着していて、後部保温材10bの平坦部m以外の表面部分は背面パネル7と間隙を有して組立てられる。左側面パネル5と右側面パネル6は、前部保温材10aと後部保温材10bそれぞれの合せ端縁aと、その周辺部に形成される平坦部mに密着し、平坦部m以外の前後部保温材10a,10b表面とは間隙を有して組立てられる。
貯湯タンク11の上部を構成する上部鏡板11bに、上部保温材10cが取付けられる。貯湯タンク11の下部を構成する下部鏡板11cに、下部保温材10dが取付けられる。筐体3を構成する底板9は傾斜面となっていて、下部保温材10dとは間隙を有する。すなわち、底板9は貯湯タンク11および保温材10から滴下するドレン水を集溜して外部へ排出するドレンパンとしての機能を有する。
電気部品箱12は、後述するように固定部材Kを介して前部保温材10aに取付け固定される。先に述べたように、保温材10は発泡樹脂材Sからなるので、本来、発泡樹脂材Sに直接、たとえばねじ止め固定するには無理がある。しかしながら、ここでは発泡樹脂材Sに電気部品箱12の取付け固定を可能にした。
図3は、前面パネル4を取外した貯湯タンクユニット1の一部正面図。図4は、固定部材Kを介して前部保温材10aに電気部品箱12の取付けを説明する分解斜視図。図5(A)は、前部保温材10aにインサート金物15をインサート成形した斜視図、図5(B)は、インサート金物15の斜視図である。
前部保温材10aの左側上部には、左上部止め用突部13aが一体に設けられるとともに、この左上部止め用突部13aの直下部に間隙を有して左下部止め用突部13bが一体に設けられる。さらに、左下部止め用突部13bの右側部に間隙を有して右下部止め用突部13cが一体に設けられる。
左上部止め用突部13aは、前部保温材10aから前方に所定量突出していて、この突出面自体は平坦面である。そして、突出面には後述するインサート金物15が前部保温材10aの成形と同時に一体にインサートされる。
左下部止め用突部13bには、左上部止め用突部13aの突出量と同一量突出する突出面と、この突出面の下部のみさらに前方へ段状になって突出する段部130bが一体に成形される。そして、突出面には、同一形状のインサート金物15が前部保温材10aの成形と同時に一体にインサートされる。
右下部止め用突部13cは、前部保温材10aから前方に所定量突出していて、この突出面からさらに前方へ鍵状(略L字状)となって突出する段部130cが一体に成形される。この突出面にも、同一形状のインサート金物15が前部保温材10aの成形と同時に一体にインサートされる。
左上部止め用突部13aと、左下部止め用突部13bおよび右下部止め用突部13cの各突出面を互いに連結することで、同一平面を形成できる。左下部止め用突部13bに設けられる段部130bおよび右下部止め用突部13cに設けられる段部130cの突出量も、互いに同一である。
インサート金物15は、上下方向に所定の長さを有する金属板体を、平面視で略コ字状に折曲されるとともに、この両側端はさらに外方に折曲形成される。突出面の中央部にねじ孔16が設けられ、このねじ孔16の上部と下部には抜き孔17が設けられる。さらに、両側折曲部にも矩形状の抜き孔18が設けられる。
これら抜き孔17,18には、前部保温材10aの成形時に、前部保温材10aを構成する発泡樹脂材Sが充満し、よってインサート金物15は確実に発泡樹脂材Sにインサートされ、固定されることとなる。
これら抜き孔17,18には、前部保温材10aの成形時に、前部保温材10aを構成する発泡樹脂材Sが充満し、よってインサート金物15は確実に発泡樹脂材Sにインサートされ、固定されることとなる。
インサート金物15がインサートされた左上部止め用突部13aと、左下部止め用突部13bおよび右下部止め用突部13bの各突出面に電気部品箱12の背面部が当てられ、左下部止め用突部13bおよび右下部止め用突部13cに設けられる各段部130b,130cに電気部品箱12の隅部が位置決めされるとともに、重量方向に支えられる。
電気部品箱12の背面隅部には孔部dが設けられていて、ここに固定具である取付けねじ20が挿通し、インサート金物15のねじ孔16に螺挿される。取付けねじ20は、市販されている一般的なねじであり、これにより電気部品箱12は前部保温材10aに確実に取付け固定される。
このように、前部保温材10aを構成する発泡樹脂材Sに電気部品箱12を直接取付け固定する固定部材Kは、発泡樹脂材Sにインサートされるインサート金物15と、固定具である取付けねじ20とから構成される。従来のような筐体に取付けられる支持板を不要化して、部品コストの低減化および組立工数の削減化を図ることができる。
電気部品箱12は筐体3の構成部品から独立することとなり、筐体3の分解作業の容易化を図ることができ、サービス性が向上する。電気部品箱12内に収容する電気部品類に不具合が生じ、たとえ短絡した場合でも、電気部品箱12が筐体3構成部品から電気的に隔離された状態となっているので、信頼性の向上を図れる。
図6は、同実施形態の変形例に係る、貯湯タンクユニット1の一部正面図である。
上述の実施形態では、電気部品箱12の右側上部のみインサート金物15に取付け固定していないが、これに限定されるものではなく、先に左上部止め用突部13aで説明したような止め用突部を前部保温材10aに一体に設け、インサートされたインサート金物15に取付けねじ20を用いて電気部品箱12を取付け固定するようにしてもよい。
上述の実施形態では、電気部品箱12の右側上部のみインサート金物15に取付け固定していないが、これに限定されるものではなく、先に左上部止め用突部13aで説明したような止め用突部を前部保温材10aに一体に設け、インサートされたインサート金物15に取付けねじ20を用いて電気部品箱12を取付け固定するようにしてもよい。
また、この場合は、前面パネル4に孔部dを設けておき、取付けねじ20を前面パネル4から電気部品箱12を介してインサート金物15に螺挿すれば、電気部品箱12のより正確な位置決めを可能とする。
図7は、同実施形態のさらに変形例に係る、電気部品箱12と引っ掛け用段付きねじ22の分解斜視図である。
上述の実施形態では、固定具として、市販されている一般的な取付けねじ20を用いたが、これに限定されるものではなく、後述するような引っ掛け用段付きねじ22を用いてもよい。この引っ掛け用段付きねじ22は、頭部とねじ部との間に、頭部直径よりも小さく、ねじ部よりも直径が大なる引っ掛け用段部22aを備えたものである。
上述の実施形態では、固定具として、市販されている一般的な取付けねじ20を用いたが、これに限定されるものではなく、後述するような引っ掛け用段付きねじ22を用いてもよい。この引っ掛け用段付きねじ22は、頭部とねじ部との間に、頭部直径よりも小さく、ねじ部よりも直径が大なる引っ掛け用段部22aを備えたものである。
一方、電気部品箱12の背面部における右上隅部を除く左上部と左下部および右下部の三隅部に、いわゆる、「だるま孔」と呼ばれる、小径孔部23aと、大径孔部23bが上下に一部重なった状態の引っ掛け用孔23を設けておく。
予め、引っ掛け用段付きねじ22のねじ部を、インサート金物15に螺挿し取付け固定して待機する。この状態で、引っ掛け用段付きねじ22の頭部とともに引っ掛け用段部22aがインサート金物15から突出する。
予め、引っ掛け用段付きねじ22のねじ部を、インサート金物15に螺挿し取付け固定して待機する。この状態で、引っ掛け用段付きねじ22の頭部とともに引っ掛け用段部22aがインサート金物15から突出する。
電気部品箱12に設けられる引っ掛け用孔22の大径孔部23bを、引っ掛け用段付きねじ22の頭部に挿通し、電気部品箱12の背面部をインサート金物15と各止め用突部13a,13b,13cの突出面に密着させた後、電気部品箱12を落とし込む。電気部品箱12は各段部130b、130cに位置決め支持されるとともに、引っ掛け用孔22の小径孔部23aが引っ掛け用段付きねじ22の引っ掛け用段部22aに引っ掛かる。
すなわち、電気部品箱12は引っ掛け用段付きねじ22に引っ掛け固定された状態となる。上述の実施形態のように、電気部品箱12の隅部を全て市販の取付けねじ20で取付け固定するのと比較して、電気部品箱12のインサート金物15への取付けと分解の作業性が向上する。
つぎに、第2の実施形態について、詳細に説明する。
図8(A)は、第2の実施形態に係る、発泡樹脂用ねじ25の正面図、図8(B)は、発泡樹脂材Sの表面説明図である。
図8(A)は、第2の実施形態に係る、発泡樹脂用ねじ25の正面図、図8(B)は、発泡樹脂材Sの表面説明図である。
ここでは、固定部材Kとして、前部保温材10aを構成する発泡樹脂材Sに電気部品箱12を取付け固定可能な、発泡樹脂用のねじ(以下、「発泡樹脂用ねじ」と呼ぶ)25を備えることとする。
本実施形態では先に説明したインサート金物15を有していないが、図4および図9に示すような、前部保温材10aに左上部止め用突部13aと、段部130bを有する左下部止め用突部13bおよび段部130cを有する右下部止め用突部13cを一体に設け、電気部品箱12をセットした状態で、電気部品箱12の位置決めと重力方向の支えをなしていることは変わりがない。
発泡樹脂用ねじ25は、たとえば硬質プラスチック等の合成樹脂材製であり、六角状もしくは六角孔やドライバ用孔を有する頭部25aと、所定厚さおよび直径のフランジ部25bと、後述するねじ部25cとが一体に連設されたものである。
ねじ部25cは、先端が先細りとなった円筒状のねじ幹部25dと、ねじ幹部25dの周囲に所定ピッチPで螺旋状に形成されるねじ山部25eを有している。
ねじ部25cは、先端が先細りとなった円筒状のねじ幹部25dと、ねじ幹部25dの周囲に所定ピッチPで螺旋状に形成されるねじ山部25eを有している。
発泡樹脂用ねじ25が直接螺挿される左上部止め用突部13a等の厚さが約50mm〜60mmある場合、発泡樹脂用ねじ25のねじ部25cの長さLは、約30mm程度あればよい。
一般的に、断熱材として使用される発泡樹脂材Sは、発泡後の発泡ビーズSaの平均的な粒径が1.5mm〜3mm程度であり、本実施形態の発泡樹脂材Sの発泡ビーズSaの粒径も同様である。発泡ビーズSaの平均的な粒径は、発泡前のビーズ粒径と発泡倍率により決定される。
図9は、発泡樹脂用ねじ25を用いて電気部品箱12を前部保温材10aに取付ける分解斜視図である。
発泡樹脂材Sを構成する発泡ビーズSaの平均的な粒径をDaとした場合、ねじ山部25eのねじ山ピッチPおよびねじ山高さHは、発泡ビーズSaの平均的な粒径Daと同等、もしくは、それ以上に定める。すなわち、 P≧Da であり、 H≧Da である。また、円筒状の外周部を有するねじ幹部25dの直径をDdとすると、 H≧Dd/2 とすることが好ましい。
発泡樹脂材Sを構成する発泡ビーズSaの平均的な粒径をDaとした場合、ねじ山部25eのねじ山ピッチPおよびねじ山高さHは、発泡ビーズSaの平均的な粒径Daと同等、もしくは、それ以上に定める。すなわち、 P≧Da であり、 H≧Da である。また、円筒状の外周部を有するねじ幹部25dの直径をDdとすると、 H≧Dd/2 とすることが好ましい。
すなわち、ねじ山高さHおよびねじ山ピッチPは発泡断熱材に用いられる一般的な発泡後の発泡ビーズ粒径1.5mm〜3mmと同等か、2倍程度の大きさであることが好ましく、具体的には 1.5mm≦P≦6mm、 1.5mm≦H≦6mm とすることが好ましい。
本実施形態の発泡樹脂用ねじ25においては、ねじ山高さHを約4mm程度、ねじ山ピッチPを約6mm程度、ねじ幹部25dの直径Ddを約6mm程度としている。ねじ山25eの基部の幅Weと、隣り合うねじ山25eの基部間隔Pdとは、 Pd≧We となっている。本実施形態では、PdおよびWeは3mm程度となっている。
このような構成とすることで、発泡樹脂材Sに発泡樹脂用ねじ25を螺挿した際に、ねじ山が発泡ビーズSaを1〜2粒毎に噛み込むことによって、発泡ビーズSaの脱落を防止しつつ、発泡樹脂用ねじ25の締結を行うことができる。
このような構成とすることで、発泡樹脂材Sに発泡樹脂用ねじ25を螺挿した際に、ねじ山が発泡ビーズSaを1〜2粒毎に噛み込むことによって、発泡ビーズSaの脱落を防止しつつ、発泡樹脂用ねじ25の締結を行うことができる。
実際には、発泡樹脂材Sからなる前部保温材10aに発泡樹脂用ねじ25を、前部保温材10aの左上部止め用突部13aと、左下部止め用突部13bおよび右下部止め用突部13cにそれぞれ設けられる位置決め用の下穴gに螺挿し、ねじ止め固定する。発泡樹脂用ねじ25のフランジ部25bは各突部13a,13b,13cの突出面に密着し、フランジ部25bと頭部25aが突出面から突出する。
そのあと、電気部品箱12に設けられる上述した引っ掛け用孔23の大径孔部23bを発泡樹脂用ねじ25の頭部25aに通しつつ、小径孔部23aに頭部25aとフランジ部25bとの間に形成される凹み部25iに掛止する。したがって、電気部品箱12は前部保温材10aに発泡樹脂用ねじ25を介して取付けられることとなる。
前部保温材10aは発泡樹脂材Sからなり、発泡樹脂用ねじ25のねじ部25cのねじ山ピッチPは発泡樹脂材Sを構成する発泡ビーズSaの平均的な粒径Dbと同等、もしくはそれ以上(P≧Db)に設定し、ねじ山高さHは発泡ビーズSaの平均的な粒径Dbと同等、もしくはそれ以上(H≧Db)に設定した。
本来、発泡樹脂材Sの強度は、発泡樹脂材Sを構成する発泡ビーズSa同士の接着力で決まるので、ここにねじを打ち込む場合、同一の発泡ビーズSa内に発泡樹脂用ねじ25のねじ部25cのねじ山が複数噛み込んでも強度的なメリットがない。すなわち、ねじ部25cのねじ山ピッチPは発泡樹脂材Sを構成する発泡ビーズSaの平均的な粒径Dbもしくはそれ以上が妥当である。ねじ部25cのねじ山高さHについても同様である。
また、ねじ山高さHに対して、フランジ部25bの高さHfは1.5〜3倍程度にすることが好ましい。これによりねじの締結力に対しフランジ部25bの回転防止ストッパとしての機能が十分に発揮され、ねじの締めすぎを防止し発泡樹脂材Sの破壊を防止することとなる。
さらに、第1の実施形態で説明したインサート金物15を前部保温材10aにインサートするのと比較して成形工数の低減を図ることができ、その分、部品コストの低減を得られる。インサート金物15は前部保温材10aのリサイクル時に破壊しないと分割は不可能であるが、上述の発泡樹脂用ねじ25を用いることで前部保温材10aを非破壊のままで取外しが可能であり、リサイクル性の向上を図れる。
図10(A)は、同実施形態の変形例に係る、発泡樹脂用ねじ250Aの正面図、図10(B)は、図10(A)のB−B線に沿う縦断面図、図10(C)は、発泡樹脂用ねじ250Aの斜視図である。
基本的には、図9(A)で説明した発泡樹脂用ねじ25の形状構造と同一でよく、ねじ部25cの長さL、ねじ山ピッチPおよびねじ山高さH等、何ら変わりがない。ここでは、発泡樹脂用ねじ250Aのねじ部25cに、突起30を一体に設けたことを特徴としている。
突起30は、ねじ部25cを構成するねじ幹部25dとねじ山25eとの基端部分に亘って設けられ、発泡樹脂用ねじ250Aの成形時に、固定金型(キャビティ)と可動金型(コア)との境目(パーティングライン)に成形される。突起30は、発泡樹脂用ねじ250Aの締め込み方向に抵抗が少なく、緩み方向に抵抗が大きくなるように傾斜して突出する。
このことで、発泡樹脂用ねじ250Aを電気部品箱12を介して発泡樹脂材Sに円滑にねじ込むことができて、作業性の向上を図れる。一旦、電気部品箱12を取付けた後は、発泡樹脂用ねじ250Aに緩み方向に力が働いても、突起30により抵抗が大であり、容易には緩まない。
図11(A)は、同実施形態のさらに変形例に係る、発泡樹脂用ねじ250Bの正面図、図11(B)は発泡樹脂用ねじ250Bの斜視図である。
基本的には、図9(A)で説明した発泡樹脂用ねじ25の形状構造と同一でよく、ねじ部25cの長さL、ねじ山ピッチPおよびねじ山高さH等、何ら変わりがない。ここでは、発泡樹脂用ねじ250Bのフランジ部25bに、緩み止め用突条40を一体に設けたことを特徴としている。
基本的には、図9(A)で説明した発泡樹脂用ねじ25の形状構造と同一でよく、ねじ部25cの長さL、ねじ山ピッチPおよびねじ山高さH等、何ら変わりがない。ここでは、発泡樹脂用ねじ250Bのフランジ部25bに、緩み止め用突条40を一体に設けたことを特徴としている。
緩み止め用突条40は、発泡樹脂用ねじ250Bを前部保温材10aに螺挿したとき、前部保温材10aを構成する発泡樹脂材Sとの接触面に設けられていて、締め込み方向の抵抗が小さく、緩み方向の抵抗が大であるような傾斜をなす。
この発泡樹脂用ねじ250Bを電気部品箱12を介して発泡樹脂材Sに円滑に螺挿することができて、作業性の向上を図れる。一旦、電気部品箱12を取付けた後は、発泡樹脂用ねじ250Bに緩み方向に力が働いても、フランジ部25bに設けた緩み止め用突条40が発泡樹脂材Sに食い込んで抵抗が大であり、容易には緩まない。
さらに、ねじ山25eに突起30を設けた場合に比較して、ねじ込む対象となる発泡樹脂材のねじ孔を傷つけることなく螺合することができ、緩み防止の効果を得ることができる。
また、緩み止め用突条40も、発泡樹脂用ねじ250Bの成形時に、固定金型(キャビティ)と可動金型(コア)との境目(パーティングライン)に成形してもよい。
また、緩み止め用突条40も、発泡樹脂用ねじ250Bの成形時に、固定金型(キャビティ)と可動金型(コア)との境目(パーティングライン)に成形してもよい。
なお、上述の実施形態は例として提示したものであり、実施形態の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11…貯湯タンク、10…保温材、3…筐体、12…電気部品箱、K…固定部材、15…インサート金物、20…取付けねじ(固定具)、22…引っ掛け用段付きねじ(固定具)、25,250A,250B…発泡樹脂用ねじ(発泡樹脂用のねじ)、30…突起、40…緩み止め用突条。
本発明の実施形態は、貯湯タンク内の高温水と給水源からの水とを混合し、設定温度の温水にして給湯する貯湯式給湯機に用いられるねじおよびねじの製造方法に関する。
本実施形態は、電気部品箱を、直接、発泡樹脂材からなる保温材に取付け固定することで、支持板等の別部材を不要として、コストの低減化を図り、組立工数を削減でき、筐体部品のサービス時に電気部品箱を外す必要が無く、サービス性の向上を得る貯湯式給湯機に用いられるねじおよびねじの製造方法を提供しようとするものである。
本実施形態のねじは、樹脂材料で形成されたねじであり、ねじのねじ山の幅(We)より、ねじ山の基部の間隔(Pd)が大で、ねじ山高さ(H)がねじ幹部の半径(Dd/2)よりも大である。
また、ねじは、樹脂材料で形成されたねじであり、発泡樹脂材にねじ止め固定可能である。
ねじの製造方法として、ねじの突起およびねじの緩み止め突条は、ねじの成形時に固定金型と可動金型との境目に成形する。
また、ねじは、樹脂材料で形成されたねじであり、発泡樹脂材にねじ止め固定可能である。
ねじの製造方法として、ねじの突起およびねじの緩み止め突条は、ねじの成形時に固定金型と可動金型との境目に成形する。
Claims (8)
- 高温水を貯溜する貯湯タンクと、
前記貯湯タンクを覆う、発泡樹脂材からなる保温材と、
前記保温材で覆われる前記貯湯タンクを囲む、金属板体からなる筐体と、
前記筐体と前記保温材との空間スペースに位置し、前記貯湯タンクから給湯先への給湯を電気的に制御する電気部品類を収容する電気部品箱とを備え、
前記電気部品箱は、前記発泡樹脂材からなる前記保温材に固定部材を介して取付け固定されることを特徴とする貯湯式給湯機。 - 前記発泡樹脂材からなる前記保温材は、
前記電気部品箱を位置決めし、重力方向に支えるための段部を有することを特徴とする請求項1記載の貯湯式給湯機。 - 前記固定部材は、前記発泡樹脂材からなる前記保温材にインサートされたインサート金物と、
前記インサート金物に、前記電気部品箱を取付け固定する複数本の固定具とからなることを特徴とする請求項1記載の貯湯式給湯機。 - 前記複数本の固定具のうち、少なくとも1本の固定具は、前記電気部品箱を引っ掛け固定する引っ掛け用段付きねじであることを特徴とする請求項3記載の貯湯式給湯機。
- 前記固定部材は、前記発泡樹脂材からなる前記保温材に、ねじ止め固定できるねじであり、
前記ねじのねじ山のピッチ(P)は、前記発泡樹脂材を構成する発泡ビーズの平均的な大きさ(Da)と同等、もしくは前記発泡ビーズの平均的な大きさ以上(P≧Da)であり、
前記ねじのねじ山の高さ(H)は、前記発泡樹脂材を構成する前記発泡ビーズの平均的な大きさ(Da)と同等、もしくは前記発泡ビーズの平均的な大きさ以上(H≧Da)であることを特徴とする請求項1記載の貯湯式給湯機。 - 前記ねじの前記ねじ山に、締め込み方向の抵抗よりも緩み方向の抵抗が大である突起を設けたことを特徴とする請求項5記載の貯湯式給湯機。
- 前記ねじの頭部にフランジを設けるとともに、前記フランジの前記発泡樹脂材からなる前記保温材との接触面に、締め込み方向の抵抗よりも緩み方向の抵抗が大である緩み止め用突条を設けたことを特徴とする請求項5記載の貯湯式給湯機。
- 樹脂材料で形成されたねじであり、前記ねじのねじ山の幅(We)より、ねじ山の基部の間隔(Pd)が大で、ねじ山高さ(H)がねじ幹部の半径(Dd/2)よりも大あることを特徴とするねじ。
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