JP2017072267A - 工業窯炉のライニングの施工方法及び工業窯炉のライニング - Google Patents

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Abstract

【課題】セラミック断熱ボードに吹付プラスチック耐火物を簡便に吹付施工できる工業窯炉のライニングの施工方法及び工業窯炉のライニングを提供する。
【解決手段】鉄鋼用加熱炉の天井部のライニング1は、鉄鋼用加熱炉内に設けられたセラミック断熱ボード2と、セラミック断熱ボード2の炉内側の表面2aに塗装された樹脂系塗料の層3と、樹脂系塗料の層3の上に積層された吹付プラスチック耐火物4とから形成されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、工業窯炉のライニングの施工方法及び工業窯炉のライニングに係り、特に、鉄鋼用加熱炉などの工業窯炉の天井や側壁に用いられる、吹付プラスチック耐火物のライニングの施工方法及び吹付プラスチック耐火物の施工された工業窯炉のライニングに関する。
鉄鋼用加熱炉などの工業窯炉では高い断熱性が求められ、セラミックファイバーライニングが一般的に行われている。加熱炉におけるセラミックファイバーは、ブロック、ボードが主として使用され、ブランケットが補助的に使用される。ブランケットは、セラミックファイバーをニードリングによって繊維同士を絡み合わせて綿状、毛布状にしたものである。ブロックはモジュールとも呼ばれ、セラミックファイバーブランケットを積層し所定の形状に切断、あるいはブランケットを所定の形状に折り曲げて作成する。一方、ボードは、セラミックファイバーに無機質バインダーを加えプレス等で成形したもので、硬く自立性に富んでいるという特徴がある。また、セラミックファイバー製ボードの代わりに、シリカ製や珪酸カルシウム製などの断熱性多孔質セラミック製ボードが用いられることもある(以下、セラミックファイバー製ボードと断熱性多孔質セラミック製ボードを合わせてセラミック断熱ボードとする)。
それに対し、より高温での処理が必要な場合やミルスケールなど被処理物からの飛来物による損傷が大きい加熱炉等の場合、セラミックファイバーブロックやセラミック断熱ボードだけでは十分な耐用性が得られない。その場合、背面の冷却側はセラミック断熱ボードとし、炉内側には、より耐熱性、耐飛来物性に優れた緻密質耐火物を施工することがしばしば行われている。その方法としては、ラミング施工、湿式吹付施工等の施工方法が一般的であった。
ラミング施工の側壁の場合、まず裏張りとして鉄皮にセラミック断熱ボードを貼り付ける。そのボードの炉内側にスライス状のラミング材を置き、ランマーで打ち込み施工する。ラミング材側壁は、鉄皮に取り付けたアンカー煉瓦をラミング材内に埋め込んだ状態となるため、倒れや変形を防止することができる。また天井部のラミング施工は、鉄鋼用の鋳片加熱炉を例にすると、梁状に架け渡した天井金物に吊り下げたアンカー煉瓦下面にラミング施工用枠を設置し、側壁同様にアンカー煉瓦を埋め込むようにラミング材を充填して施工体を形成し、ラミング材上部をならしてセラミック断熱ボードを乗せる形で天井を形成する。しかしこの方法は、所定の施工範囲ごとに施工枠の設置・解体を繰り返し行う必要があるうえ、ラミング材を施工場所まで荷揚げする等、多大な労力を必要とする。
また、湿式吹付材施工の場合も同様に、裏張りとして鉄皮に貼り付けたセラミック断熱ボードの炉内側に湿式吹付材を吹付施工する。湿式吹付材は、予め水と混練したスラリー状の耐火材料をポンプで圧送し吹付ノズルで硬化剤等を加えて吹付施工する材料であるが、ラミング材に比較して耐用性、特に耐スポーリング性が劣るという問題点があった。また、セラミック断熱ボード等への付着性が悪いという問題点もあり、特許文献1には、窯炉ショルダー部の施工に際し断熱ボードの上にモルタルを施工し、その上から吹付材を施工することで付着性を向上させるなどの対策が取られている。しかし、モルタルの施工はショルダー部では可能だとしても、天井部ではモルタルの施工ができないという問題点があった。
それに対し、近年では吹付プラスチック耐火物工法が多く採用されている。吹付プラスチック耐火物は、一般的には打ち込み施工を行うプラスチック耐火物を吹付によって施工するもので、湿式吹付材に比べ耐スポーリング性に優れ耐用性が高いという特徴がある。湿式吹付材と同様に吹付施工が可能であるため施工能率に優れるという特徴もある。
しかし、吹付プラスチック耐火物をセラミック断熱ボードに直接吹付施工すると、セラミック断熱ボードの表面が破損し吹付けたプラスチック耐火物が剥がれ落ちるという問題点があった。その対策として、一般的には、セラミック断熱ボードに中間ライニングとして断熱煉瓦または吹付断熱キャスタブルを施工後、吹付プラスチック耐火物の吹付施工を実施していた。
特開2010−266075号公報
上述のように中間ライニングを施工する従来の吹付プラスチック耐火物の吹付施工の場合、以下のような問題点があった。
まず、中間ライニングとして吹付断熱キャスタブルを用いて加熱炉天井等に吹付プラスチック耐火物を吹付施工する場合は、天井金物にアンカー煉瓦を吊り下げ固定し、セラミック断熱ボードをアンカー煉瓦周りに配置し、下面より吹付断熱キャスタブルを吹付施工した後、プラスチック吹付施工を行っていた。この方法だと断熱キャスタブル吹付に時間を要するうえ、断熱キャスタブルがアンカー煉瓦に付かないよう、アンカー煉瓦に袋をかぶせる等の処置が必要となる。中間ライニングとして断熱煉瓦を施工する場合、一度セラミック断熱ボードにモルタルを塗布してから断熱煉瓦を積み上げることになる。
また、断熱煉瓦と断熱キャスタブルの施工には一定のライニング厚みを要するうえ、さらにそれらはセラミック断熱ボードより断熱性が劣るため、壁または天井に必要とされる断熱性を確保するためには、よりライニング厚みを厚くしなければならなかった。結果、ライニング寸法に制約があり断熱性を確保しなければならないような炉では、吹付プラスチック耐火物を施工できず、ラミング施工を余儀なくされた。
その結果、吹付プラスチック耐火物を直接吹付施工する場合に比べ、中間ライニング施工、ラミング施工とも、工数や施工時間が余分にかかり、コストアップを招くという問題点があった。このことから、中間ライニングを介さずセラミック断熱ボードに吹付プラスチック耐火物を直接吹付施工できる方法が望まれていた。
この発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、セラミック断熱ボードに吹付プラスチック耐火物を簡便に吹付施工できる工業窯炉のライニングの施工方法及び工業窯炉のライニングを提供することを目的とする。
セラミック断熱ボードに吹付プラスチック耐火物を直接吹付施工する場合、前述の通り施工した吹付プラスチック耐火物は剥がれ落ちるが、発明者らはその原因について鋭意検討した。初めは、セラミック断熱ボードと吹付プラスチック耐火物との接着が不十分であるからではないかと推定し、セラミック断熱ボードに吹付けて剥がれ落ちた吹付プラスチック耐火物の表面を観察したところ、吹付プラスチック耐火物の表面にはセラミック断熱ボードの一部が強固に付着していたことが観察された。
このことより以下が結論された。つまり、セラミック断熱ボードに吹付けた吹付プラスチック耐火物が剥がれ落ちる原因は、吹付プラスチック耐火物とセラミック断熱ボードとの接着が弱いためではなく、セラミック断熱ボードの強度が十分には大きくないためである。そのため、吹付プラスチック耐火物とセラミック断熱ボードとの接着は強固であるにもかかわらず、セラミック断熱ボードの表面より少し内部に入った部分から吹付プラスチック耐火物とともに剥がれ落ちるのである。
そこで、吹付プラスチック耐火物の吹付施工時に吹付プラスチック耐火物ごとセラミック断熱ボードの表面が剥がれ落ちないように、セラミック断熱ボードの表面付近の強度を上げる方法を検討した。また、その方法は、施工作業に著しい負荷がかからない簡便な方法である必要がある。その結果、セラミック断熱ボードに樹脂系塗料を塗布することが有効であることを見出し、本発明に至ったのである。
したがって、この発明に係る工業窯炉のライニングの施工方法は、工業窯炉内にセラミック断熱ボードを設けるステップと、セラミック断熱ボードの炉内側の表面に樹脂系塗料を塗装するステップと、樹脂系塗料の塗装後に、塗装された樹脂系塗料の上に吹付プラスチック耐火物を吹付施工するステップとを含む。
樹脂系塗料を塗装するステップにおいて、樹脂系塗料の使用量は0.2〜2kg/mであることが好ましい。
また、この発明に係る工業窯炉のライニングは、工業窯炉内に設けられたセラミック断熱ボードと、セラミック断熱ボードの炉内側の表面に塗装された樹脂系塗料の層と、樹脂系塗料の層の上に積層された吹付プラスチック耐火物とを備える。
樹脂系塗料の層の厚みは0.1〜1mmであることが好ましい。
この発明によれば、セラミック断熱ボードの炉内側の表面に樹脂系塗料を塗装後に、塗装された樹脂系塗料の上に吹付プラスチック耐火物を吹付施工することにより、中間ラニングを介さずに吹付プラスチック耐火物をセラミック断熱ボードに吹付施工することが可能になるので、袋掛け時間も含め、工数及び施工時間とも大幅に削減され、セラミック断熱ボードに吹付プラスチック耐火物を簡便に吹付施工することができる。また、中間ラニングを介さないことから、その分ライニング厚さを薄くでき、炉の小型化、炉内容積の大容量化、炉材使用量の低減、低コスト化につながる。
この発明の実施の形態に係る工業窯炉のライニングの断面図である。 この発明の実施の形態に係る工業窯炉のライニングの施工方法を説明するための断面図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
この発明の実施の形態に係る工業窯炉のライニング及びその施工方法について、工業窯炉である鉄鋼用加熱炉の天井部を構築する場合を例にして説明する。
図1に示されるように、鉄鋼用加熱炉の天井部のライニング1は、鉄鋼用加熱炉内に設けられたセラミック断熱ボード2と、セラミック断熱ボード2の炉内側の表面2aに塗装された樹脂系塗料の層3と、樹脂系塗料の層3の上に積層された吹付プラスチック耐火物4とから形成されている。
鉄鋼用加熱炉の内部の上方に設けられた円柱形状の天井金物11に、吊り金具12が連結されており、吊り金具12にアンカー煉瓦13が固定されている。セラミック断熱ボード2は、動かないように、アンカー煉瓦13に差し込み固定されている。
セラミック断熱ボード2には、さまざまな材質のセラミックファイバー製ボードや断熱性多孔質セラミック製ボードが使用可能であるが、工業窯炉用のセラミック断熱ボードであれば材質や耐熱温度に関係なく適用でき、工業窯炉に要求されるスペックに応じて選択すればよい。生体溶解性ファイバー製ボードなどでもよい。例としては、イソウール、ファイバーマックス、エコボード、スーパーボード(以上、イソライト工業製)、スーパーテンプボード、RFボード(以上、ニチアス製)、SCボード、スーパーウールボード(以上、新日本サーマルセラミックス製)などがある。
樹脂系塗料としては、エポキシ樹脂系塗料、変性エポキシ樹脂系塗料、ポリウレタン樹脂系塗料、ポリエステル樹脂系塗料、ビニル樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料、アクリルシリコーン樹脂系塗料、シリコーン樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗料等、樹脂によるセラミック断熱ボード表面の硬化が可能な樹脂系塗料であれば適用可能である。特に浸透形エポキシ樹脂系錆止め塗料がセラミック断熱ボード2への浸透力及びコスト面で好ましい。
吹付プラスチック耐火物4は特に規定されず、工業窯炉用の吹付プラスチック耐火物であれば材質に関係なく適用でき、工業窯炉に要求されるスペックに応じて選択すればよい。一般にアルミナ30〜90%、シリカ5〜70%のものが使用される。
アンカー煉瓦(セラミックスアンカーとも言う)13は、工業窯炉用として使用されている既存のものが適用可能である。材質は吹付プラスチック耐火物4と同系統のものが、熱間膨張の差が小さいので好ましい。また金属製アンカーを用いることもできるが、耐熱性や耐用性の面からアンカー煉瓦が好ましい。
次に、この発明の実施の形態に係る工業窯炉のライニングの施工方法について説明する。
図2に示されるように、アンカー煉瓦13の周りに、セラミック断熱ボード2を動かないように、アンカー煉瓦13に差し込み固定する。次に、セラミック断熱ボード2の炉内側の表面2aに樹脂系塗料を塗装する。その際、セラミック断熱ボード2の炉内側の表面2aの全体が樹脂系塗料で覆われ樹脂系塗料がダレ落ちない程度の厚塗り状態とする。
樹脂系塗料の塗装方法については、刷毛塗りやローラー、吹付など、既存の塗装方法を用いることができる。そのなかでも、図2に示すようにスプレーガン10を用いた吹付塗装が簡便であり好ましい。さらに、一度で厚塗りが可能なエアーレススプレーによる吹付塗装がより好ましい。また、樹脂系塗料がダレ落ちない程度の若干厚めに塗装する必要があるが、樹脂系塗料の使用量を0.2〜2kg/m、好ましくは0.5〜1kg/mとすることにより、樹脂系塗料の層3(図1参照)の厚みを0.1〜1mm、好ましくは0.3〜0.5mmとすれば、セラミック断熱ボード2の表面2aを十分な強度で硬化できる。これより多い樹脂系塗料を塗装しても施工面での問題はないが経済的とはいえない。
樹脂系塗料が乾燥してセラミック断熱ボード2の表面2aが硬化後、吹付プラスチック耐火物4を吹付施工する。なお、樹脂系塗料がアンカー煉瓦13に付着しても特に問題は無いため、従来の吹付キャスタブル施工時のようなアンカー煉瓦13への袋掛けは不要となる。
樹脂系塗料を塗装することの効果は、以下のように考えられる。すなわち、セラミック断熱ボード2の表面2aに樹脂系塗料を塗装することで、表面2aに強固な樹脂の皮膜を形成する。さらに、セラミック断熱ボード2の表面2aには多数の気孔が存在し、樹脂系塗料はその気孔中に浸透して硬化する。その結果、気孔に浸透した樹脂はアンカー効果を発揮して、表面2aの皮膜を強固に保持するのみならず、セラミック断熱ボード2の表面2a付近の強度を向上させることができる。そのため、吹付プラスチック耐火物4を吹付施工しても、セラミック断熱ボード2の内側が壊れることがなくなり、吹付プラスチック耐火物4が剥がれ落ちることがなくなる。
このように、セラミック断熱ボード2の炉内側の表面2aに樹脂系塗料を塗装後に、塗装された樹脂系塗料の上に吹付プラスチック耐火物4を吹付施工することにより、中間ラニングを介さずに吹付プラスチック耐火物4をセラミック断熱ボード2に吹付施工することが可能になるので、袋掛け時間も含め、工数及び施工時間とも大幅に削減され、セラミック断熱ボード2に吹付プラスチック耐火物4を簡便に吹付施工することができる。また、中間ラニングを介さないことから、その分ライニング厚さを薄くでき、炉の小型化、炉内容積の大容量化、炉材使用量の低減、低コスト化につながる。
この実施の形態では、鉄鋼用加熱炉の天井部を構築する場合を例にして説明したが、この形態に限定するものではない。鉄鋼用加熱炉の側壁に適用することもできる。また、工業窯炉として鉄鋼用加熱炉を例に挙げているが、あらゆる用途の炉であってもよい。
次に、セラミック断熱ボード2の炉内側の表面2aに樹脂系塗料を塗装することにより得られる効果を、実施例に基づいて検証する。
一辺が30cmの正方形及び3cmの厚さの形状を有するセラミック断熱ボードに対し、表面に樹脂系塗料を塗装したもの(実施例1)と、表面処理をしないもの(比較例1)と、表面に水系塗料を塗装したもの(比較例2)とのそれぞれについて、手による表面状態の確認を行うとともに、それぞれの表面に吹付プラスチック耐火物を吹付けた後の状態を比較した。
セラミック断熱ボードとしてスーパーボード(イソライト工業製、密度220kg/m、曲げ強さ0.4MPa、耐熱温度1000℃)を用いた。実施例1における樹脂系塗料としてはエポキシさび止め塗料(スーパー油性エポキシさびどめ,大日本塗料製)を用い、使用量は0.5kg/mとした。セラミック断熱ボードの表面に形成された樹脂系塗料の層の厚みは0.3mmであった。比較例2の水系塗料としてはコンクリート外壁用の防水塗料(水性かべ凹凸塗料ツヤ無し,アサヒペン製)を用い、使用量は0.5kg/mとした。セラミック断熱ボードの表面に形成された水系塗料の層の厚みは0.3mmであった。
まず、実施例1と比較例1及び2とのそれぞれにおいて、手による表面状態の確認を行った。比較例1では、手で少しこすると表面が削り取られた。比較例2では、少しこすっても表面は削り取れないが、少し押す程度で塗装面が割れ、表面処理されていないものと同等になる。つまり、強度が十分には得られず対策としては適切ではない。これに対し、実施例1では、表面が強固に硬化しており、少々押してもひび割れも少なく表面が削り取られることはなかった。これであれば、中間ライニングを介さずセラミック断熱ボードに直接吹付施工しても、吹付プラスチック耐火物が剥がれ落ちることがないと判断された。
次に、実施例1と比較例1及び2とのそれぞれのセラミック断熱ボードを垂直に立て、それぞれの表面に吹付プラスチック耐火物を吹付施工して状態を観察した。吹付プラスチック耐火物としてPA−45G(品川リフラクトリーズ製、アルミナ44%、シリカ49%)を吹付圧力0.24MPa、吹付厚み5cmの条件で吹付けた。
その結果、比較例1では、吹付時のリバウンド量が多く、接着したかのように見えても吹付施工後のセラミック断熱ボードを持ち上げた途端、吹付プラスチック耐火物が脱落した。比較例2では、未処理品より吹付時のリバウンド量が少なく接着性も向上したものの、手で押すと吹付プラスチック耐火物が剥がれ落ちた。一方、実施例1では、手で押しても吹付プラスチック耐火物は剥がれ落ちることなく、従来の方法のように中間ライニング施工後に吹付プラスチック耐火物を吹付施工したものと比べ、ほぼ遜色ない吹付施工が可能であることが確認できた。
実施例1に対し、樹脂系塗料の使用量を0.2kg/m、1kg/m、2kg/mとしたものをそれぞれ実施例2〜4として、実施例1と同じ確認を行った。実施例2〜4それぞれの樹脂系塗料の層の厚みは0.1mm、0.5mm、1mmであった。実施例2〜4のそれぞれについて、手による表面状態の確認を行ったところ、実施例1と同様に、表面が強固に硬化しており、少々押してもひび割れも少なく表面が削り取られることはなかった。また、実施例2〜4のそれぞれについて、実施例1と同様に、セラミック断熱ボードを垂直に立て、それぞれの表面に吹付プラスチック耐火物を吹付施工して状態を観察した。その結果、実施例1と同様に、手で押しても吹付プラスチック耐火物は剥がれ落ちることはなかった。したがって、セラミック断熱ボードに樹脂系塗料を塗装する際に、樹脂系塗料の使用量を0.2〜2kg/mの範囲にすることにより、セラミック断熱ボードの表面に塗装された樹脂系塗料の層の厚さが0.1〜1mmの範囲では、この発明の効果が得られることがわかった。
次に、この発明に係るライニングを炉内設計温度1200℃の鋼片加熱炉の天井部の施工に適用することにより得られる効果を、以下の実施例5に基づいて検証する。
天井の施工面積は,5m×5mの25mであった。セラミック断熱ボードとしてスーパーボード(イソライト工業製、密度220kg/m、曲げ強さ0.4MPa、耐熱温度1000℃)を用いた。天井にセラミック断熱ボード及びアンカー煉瓦を施工した後、エポキシ樹脂塗料(スーパー油性エポキシさびどめ,大日本塗料製)をセラミックボードにスプレーした。塗料使用量は0.5kg/mであった。2時間乾燥して,塗料の効果を確かめた。その後、吹付プラスチック耐火物としてPA−45G(品川リフラクトリーズ製、アルミナ44%、シリカ49%)を吹付圧力0.24MPa、吹付厚み5cmの条件で吹付け施工した。
施工体は、セラミック断熱ボードからの剥落もなく、従来方法であるセラミックボードに断熱キャスタブルを吹付け施工し、その上にプラスチック吹付を行ったものと遜色ない吹付状況あった。また、その後の加熱炉の使用に際しても、従来方法と遜色のない耐用状況であった。
1 ライニング、2 セラミック断熱ボード、2a (セラミック断熱ボードの炉内側の)表面、3 樹脂系塗料の層、4 吹付プラスチック耐火物。

Claims (4)

  1. 工業窯炉内にセラミック断熱ボードを設けるステップと、
    該セラミック断熱ボードの炉内側の表面に樹脂系塗料を塗装するステップと、
    前記樹脂系塗料の塗装後に、塗装された樹脂系塗料の上に吹付プラスチック耐火物を吹付施工するステップと
    を含む、工業窯炉のライニングの施工方法。
  2. 前記樹脂系塗料を塗装するステップにおいて、前記樹脂系塗料の使用量は0.2〜2kg/mである、請求項1に記載の工業窯炉のライニングの施工方法。
  3. 工業窯炉内に設けられたセラミック断熱ボードと、
    該セラミック断熱ボードの炉内側の表面に塗装された樹脂系塗料の層と、
    該樹脂系塗料の層の上に積層された吹付プラスチック耐火物と
    を備える工業窯炉のライニング。
  4. 前記樹脂系塗料の層の厚みは0.1〜1mmである、請求項3に記載の工業窯炉のライニング。
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