JP2017071569A - 重合度の高い縮合型タンニンの抽出方法 - Google Patents
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Description
また、媒染剤、清酒等の清澄剤、防腐剤、インクの成分等として利用され、また、種々の茶処理品、ハーブ等の食用とされる植物(処理品)にも含まれるため、食品、健康食品、嗜好品等として利用されてきた。
このうち、縮合型タンニンは、プロアントシアニジンと呼ばれることもあり、後述する式(1)で表される物質である。
縮合型タンニンは、上記した作用・性質以外に、老化や癌等を抑制する抗酸化性、精神安定性、接着(向上)性、物質を吸着させる吸着性等の作用・性質を有し、また、化学構造や物性が類似する人工物(合成物)であるフェノール樹脂にない優れた種々の作用・性質を有しているため有用である。
例えば、非特許文献1には、タンパク質の吸着能やタンパク質の不溶化能が、「重合度が大きい縮合型タンニン」の方が優れていることが記載されている。
例えば、特許文献1には、天然資源から、低級アルコール又は「低級アルコールと水との混合溶媒」を用いて、縮合型タンニンを抽出する方法が記載されている。
また、特許文献2には、木質系成形材料から、オートクレーブ中で加圧した110℃の熱水を用いて、タンニンを抽出する方法が記載されている。
また、たとえ縮合型タンニン全体として収率良く抽出できても、重合度の大きい縮合型タンニンの抽出効率が低い、すなわち抽出された縮合型タンニン全体に占める重合度の大きい縮合型タンニンの占める割合が低いものであった。
例えば、特許文献3や非特許文献2には、100℃より高い水蒸気の発生装置について記載されており、特許文献4には、多孔質炭素材料を過熱水蒸気で処理して高比表面積活性炭を製造する方法が記載されている。また、特許文献5には、リグノセルロース系材料を過熱水蒸気で処理してヘミセルロースを分解除去する方法が記載されている。
本発明の抽出方法は、他の抽出方法に比較して、重合度の高い縮合型タンニンの抽出効率が高い、言い換えると、抽出された縮合型タンニン全体に占める重合度の高い縮合型タンニンの占める割合が大きい。例えば、比較的良好な亜臨界水抽出法と比較しても、重合度の高い縮合型タンニン(特に7量体以上の縮合型タンニン)を良好に抽出可能である。
抽出直後のものは、重合度の異なる縮合型タンニンの混合物であるが、本発明の抽出方法により初めて、数平均分子量1250より大きい、具体的には数平均分子量1680の縮合型タンニンを得た。かかる縮合型タンニンは、前記及び後記した種々の優れた作用・性質を示し得る。
例えば、抽出に有機溶媒を用いると、該有機溶媒を完全に除去することができない場合があったり、得られた抽出液が「全て天然物と水である」という特長が失われたりする場合があるが、本発明によればそのような問題が起こらない。すなわち、本発明によれば、「有機溶媒不使用」又は「天然物以外不使用」が達成できる。
ただし、本発明においては、過熱水蒸気を用いることは必須であるが、例えば、抽出後の精製が必要になる場合、後工程を施す場合等は、抽出後の工程での有機溶媒の使用を排除するものではない。
また、重合度の高い縮合型タンニンが抽出されるということは、重合度の高い縮合型タンニンが溶解抽出し易いことが考えられるが、その他に、抽出時に縮合型タンニンが分解も「別位置での不要の重合」も起こり難く、特に「重合度の高い(例えば重合度7以上の)縮合型タンニン」が分解し難いことも考えられる。
また、抽出にコストがかかり過ぎるということがない。
更に、抽出対象である「縮合型タンニンを含有する植物の部位」を廃棄物中に求めるならば、重合度の高い縮合型タンニンと言う有用物が取得できると共に、廃棄物の処理が可能になる。
ここで、「重合度の高い縮合型タンニンの抽出方法」の意味は、他の抽出方法に比べて、抽出物中の縮合型タンニンの平均の又は最大の重合度がより高いタンニンの抽出方法という意味である。
植物に含まれる縮合型タンニンとしては、以下の式(1)で表される化合物が確認されている。従って、本発明における「縮合型タンニン」としては、具体的には、例えば、式(1)で表されるものが挙げられる。
「重合度の高い縮合型タンニン」とは、具体的には、重合度が4以上(式(1)において4≦n)の縮合型タンニンであることが好ましく、重合度が6以上の縮合型タンニンであることがより好ましく、重合度が8以上(式(1)において8≦n)の縮合型タンニンであることが特に好ましい。上記重合度以上であると、本発明の抽出方法の特異性が発揮される。抽出物には、重合度の異なる縮合型タンニンが混合されていてもよい。
従って、本発明の態様は、抽出される縮合型タンニンが、少なくとも重合度が4(より好ましくは7)から9までの全ての縮合型タンニンを含有する前記の抽出方法でもある。
本発明の抽出方法によって、数平均分子量1600以上、具体的には数平均分子量1640〜1680の縮合型タンニンを「物」として初めて得た。
すなわち、R1がOH、R2がH、R3がOHの縮合型タンニンで重合度の高い縮合型タンニンが抽出されたので、R1がOH、R2がH、R3がOHではない縮合型タンニン全体でも、重合度の高い縮合型タンニンが抽出されることは明らかである。
また、アカシアから重合度の高い縮合型タンニンが実際に抽出されたので、アカシア以外の植物から抽出される構造(R1、R2及びR3(の組み合わせ))の異なる縮合型タンニンでも、重合度の高い縮合型タンニンが抽出されることは明らかである。
従って、後述の実施例から、本発明は、式(1)で表される縮合型タンニンのうち重合度の高い縮合型タンニンの抽出法であると言える。
本発明の抽出方法では、縮合型タンニンを含有する植物の部位から過熱水蒸気を用いて縮合型タンニンを抽出する。
ここで、「過熱水蒸気」とは、100℃より高い温度(以下、該温度を「T℃」とする)で、「T℃における水の飽和蒸気圧」より低い圧力の水蒸気(の混合気体)のことである。
抽出時の過熱水蒸気は常圧であること(常圧で抽出すること)が、抽出装置の簡便さから好ましい。なお、常圧(1気圧)は、「100℃より高い温度であるT℃における水の飽和蒸気圧」より低い。
誘導加熱をする方法としては、金属管により構成される導電性の発熱体を誘導加熱により過熱(スーパーヒート)し、その発熱体に(100℃の)飽和水蒸気を通すことにより圧力を加えることなく過熱水蒸気を発生させる方法が好適に用いられる。
図1のように、該発熱体と過熱水蒸気の温度を常時モニターして、温度監視ボックスに信号を送り、高周波加熱電源にフィードバックされることが好ましい。
本発明においては、「縮合型タンニンを含有する植物の部位」から過熱水蒸気を用いて、「重合度の高い縮合型タンニン」を抽出するが、抽出対象として用いられる植物としては、特に限定はないが、アカシア属、カキノキ属、クリ属、マツ属、ダイオウ属、ブドウ属及びニッケイ属よりなる群から選ばれた属に属する植物であることが、縮合型タンニン(重合度の高い縮合型タンニン)を多く有するために好ましい。また、該植物を廃棄物(中)に求めるときには、廃棄物として得られ易いために好ましい。
本発明においては、植物の特定の部位から抽出するが、抽出対象として用いられる植物の部位としては、特に限定はないが、樹皮、木質部、果皮、果実、種子、葉及び莢よりなる群から選ばれた部位が挙げられる。これらの部位には、縮合型タンニンが含有されることが多い。縮合型タンニンが多く含有されることから、特に好ましくは樹皮である。
また、抽出対象である植物の部位を廃棄物(中)に求めるときには、樹内部の木質部を木材として使用した後に、樹皮が廃棄物として大量に得られるために、抽出対象である植物の部位として樹皮が特に好ましい。
本発明の好ましい態様は、重合度の高い縮合型タンニンの抽出方法であって、アカシア属の植物(好ましくはアカシア)の部位(好ましくは樹皮)から、過熱水蒸気を用いて抽出することを特徴とする抽出方法でもあり、該抽出方法を使用して得られた下記式(1)で表される縮合型タンニン(又は重合度の異なる混合物)でもある。アカシア属の植物(好ましくはアカシア)の部位(好ましくは樹皮)に含まれる縮合型タンニンと言えば、その繰り返し単位の化学構造は特定されている。
特に、上記式(1)において、nが7、8及び9の混合物である縮合型タンニン(特に、n=9の縮合型タンニン)が新規に見出された。
本発明の抽出方法は、抽出対象に過熱水蒸気を接触させて重合度の高い縮合型タンニンを抽出するものであるが、具体的には、例えば、以下のような工程を行って抽出することが特に好ましい。
(1)植物を(好適には縮合型タンニンを含有する植物の部位のみを)粉砕する工程
(2)工程(1)で得られたものを抽出セル(抽出容器)に充填する工程
(3)過熱水蒸気を上記抽出セル(容器)に通過させる工程
(4)工程(3)で得られた過熱水蒸気と抽出物との混合物を回収する工程
(5)工程(4)で回収した混合物を液体に溶解して全溶液を得る工程
(6)上記全溶液から縮合型タンニンを精製して得る工程
(7)上記縮合型タンニンを重合度の異なる縮合型タンニンに分離する工程
過熱水蒸気の温度が低過ぎると、縮合型タンニン画分の抽出率が落ちる、抽出速度が落ちる、重合度の高い縮合型タンニンが抽出されない等の場合があり、過熱水蒸気の温度が高過ぎると、縮合型タンニンが熱分解したり、重合を起こしたりする場合がある。
流量が少な過ぎると、抽出速度が遅くなる、収量を確保するために抽出時間を長くせざるを得ずその間試料が高温状態になっているので縮合型タンニンが分解すると同時に重合を起こす等の場合がある。
一方、流量が多過ぎると、過熱水蒸気が無駄になる、抽出物が希釈され、抽出物の濃縮に時間がかかる等の場合がある。
比較的低温の過熱水蒸気で、(低分子量の)不純物や低分子量の縮合型タンニンを抽出し、その後に、比較的高温の過熱水蒸気で、高分子量の(重合度の高い)縮合型タンニンを抽出することによって、高温状態にしておく時間を短縮できて重合度の高い縮合型タンニンの熱分解が抑制される、不純物や低分子量成分を先に抽出除去することで重合度の高い縮合型タンニンが抽出し易くできる等の効果がある。
回収方法は特に限定はないが、工程(3)で得られた抽出物の入った抽出セルに、水等の液体を加えて撹拌したり洗い出したりして、得られた(水)溶液や分散液を回収する方法が好ましい。
抽出物は、抽出セルのセル壁面や、抽出に用いた植物の表面に付着していることがあるので、その場合は上記方法が好ましい。なお、該水は蒸留水が好ましい。
上記一旦溶解する液体は、縮合型タンニンが溶解する溶媒であり、例えば、水/エタノール混合溶媒、水等が挙げられる。該液体に溶解しないものは濾別することが好ましい。
精製は、精製用カラムを用いる方法等が挙げられる。例えば、縮合型タンニン画分は水/アセトン混合溶媒等で流出させ、低分子量画分はエタノール、エタノール/水混合溶媒等で流出させることが好ましい。具体的には、例えば、実施例に記載の方法が挙げられる。
分離には、GPC(Gel Permeation Chromatography)等が用いられる。
本発明は、前記の抽出方法を使用することを特徴とする重合度の高い縮合型タンニンの製造方法でもある。
製造される「重合度の高い縮合型タンニン」は、単一の重合度に精製されていてもよいし、縮合型タンニンの混合物であって、全体の(数平均)分子量が大きいものであってもよい。
また、本発明は、上記の重合度の高い縮合型タンニンの製造方法を使用した、重合度の高い縮合型タンニンを含有する複合剤の製造方法であって、該複合剤が、抗酸化剤、精神安定剤、接着剤及び吸着剤よりなる群から選ばれた複合剤であることを特徴とする複合剤の製造方法でもある。
<本発明の抽出方法(過熱水蒸気による抽出)>
図1に概念図を示した装置とシステムを用いて抽出した。
アカシア属のAcacia mangiumの廃棄樹皮を、最大粒子径が約0.1mmになるよう解砕し、そのうちの200mgを試料として、15mLの抽出セル内に充填した。
次いで、温度120℃の過熱水蒸気を、高周波加熱装置(第一高周波工業株式会社製「DHF Super−HI」)を用いて生成させ、流量を18L/分に設定して上記抽出セル内に導入した。すなわち、単位質量の試料当たり、過熱水蒸気を、90L/(分・g)の流量で抽出セルに流した。抽出時間10分で抽出した。
その後、抽出物の入った抽出セルに蒸留水を加えて撹拌し、抽出セルの壁面や、アカシアの表面に付着している抽出物を洗い出し、(水)溶液として回収した。
得られた溶液を、Sephadex LH20(GEヘルスケア・ジャパン社製)15gに、50mLのエタノール/水(4:1)を加えて膨潤させ、それをカラム(長さ300mm、内径20mm、柴田科学株式会社製)に流し込み、スラリーを作製した。
その後、上記で得られた抽出物の溶液を注入してカラム上部に担持した。次に、エタノール/水(4:1)の混合溶媒を注ぎ込み、縮合型タンニン以外の加水分解性タンニンや没食子酸等の低分子量成分を溶離した。この作業を溶離液の色が透明になるまで続けた。
縮合型タンニン画分の抽出率は7.14質量%であり、低分子量画分の抽出率と不溶物率との合計は5.06質量%であった。
比較例1で後述する亜臨界水抽出法と比較すると、3〜5量体のピーク面積は両抽出方法でほぼ同じであるにもかかわらず、7量体同士、8量体同士を比較すると、本発明の抽出方法の方が大きかった。更に、亜臨界水抽出法では9量体は確認できなかったが、本発明の抽出方法では9量体が確認できた。
すなわち、7量体も8量体も9量体も、本発明の抽出方法の方が、抽出効率が高く、縮合型タンニン画分全体に占める含有割合が高かった。
また、「6量体以上の縮合型タンニンの混合物」同士で、亜臨界水抽出法と比較すると、本発明の抽出方法の方が、「6量体以上の縮合型タンニンの混合物」の含有割合が有意に高かった。
<亜臨界水抽出法(亜臨界水による抽出)>
実施例1で用いたものと同様の試料を使用して、亜臨界水を用い常法に従い、150℃で10分間抽出した。
縮合型タンニン画分を、実施例1と同様に処理してMALDI質量分析スペクトルを得た。結果を図2(b)に示す。
最大重合度については、8量体までであり、実施例1で確認された9量体は確認されなかった。
また、実施例1と同様に測定・計算した数平均分子量は1250であり、実施例1における数平均分子量1680より小さかった。
<有機溶媒抽出法(水−アセトン混合溶媒による抽出)>
実施例1で用いたものと同様の試料を使用して、有機溶媒として、水−アセトン混合溶媒(1:1)を、試料の10倍(質量)用い、常法に従い、室温(25℃)で3日間撹拌して抽出した。
縮合型タンニン画分を、実施例1と同様にしてMALDI質量分析スペクトルを得た。結果を図3(a)に示す。
最大重合度については、8量体までであり、実施例1で確認された9量体は確認されなかった。
実施例1と同様に測定・計算した数平均分子量は1240であり、実施例1における数平均分子量1680より小さかった。
また、抽出物から有機溶媒を除去する後工程が必要となり、該後工程を行っても有機溶媒の残存量を皆無にすることはできない。
<水熱抽出法(100℃以上の加圧水による抽出)>
実施例1で用いたものと同様の試料200mLを、長さ12cm、内容量10mLのステンレス管の内部に充填し、蒸留水6mLを用いて、常法に従い抽出した。
抽出温度を100℃〜180℃の範囲で変化させ、抽出時間を10分〜30分の間で変化させて抽出した。
次いで、濾過し凍結乾燥した。得られた抽出乾固物500mLを、水/エタノール=1/4(質量比)の混合溶媒10mLに溶解させて不溶物は濾過で除いた。
得られた溶液を、実施例1と同様の精製用カラムで、上記抽出物を精製した。
実施例1と同様に低分子量画分を得て、実施例1と同様に縮合型タンニン画分を得た。
縮合型タンニン画分を、実施例1と同様にしてMALDI質量分析スペクトルを得た。結果を図3(b)に示す。
最大重合度については、8量体までであり、実施例1で確認された9量体は確認されなかった。
また、同様に測定・計算した数平均分子量は1250であり、実施例1における数平均分子量1680より小さかった。
<抽出温度(過熱水蒸気の温度)変化>
実施例1において、過熱水蒸気の温度120℃に代えて、100℃、120℃、150℃及び180℃と変化させ、実施例1において、流量18L/分に代えて、流量13L/分とした以外は、実施例1と同様にして抽出を10分間行った。
その後、実施例1と同様に評価を行った。
縮合型タンニン画分の抽出率、及び、「低分子量画分の抽出率と不溶物率との合計」は、100℃〜180℃の範囲でほぼ同一であった。
結果を図4に示す。抽出温度(過熱水蒸気の温度)は、図4(a)100℃、図4(b)120℃、図4(c)150℃、図4(d)180℃である。MALDI質量分析スペクトルには、抽出温度による相違が見られた。
更に、図4(a)の図中の拡大図に示すよう、各グループを構成するイオンピークは、それぞれm/z16の間隔をもって観測されており、この間隔はヒドロキシル基が置換した際の増分と合致する。
これに対して、100℃の水蒸気を用いた場合では、数平均分子量は1500であり有意差で低かった。このことは、100℃では十分な熱エネルギーを得ることができず、高重合度の縮型タンニンを抽出することができなかったためと考えられる。
100℃より高い温度の水蒸気であれば、100℃の水蒸気より熱エネルギーが高い上に、それらの水蒸気は比較的低誘電率の抽出場を与えることから、高重合度の縮合型タンニンが効率的に抽出できたと考えられる。
この理由として、亜臨界水抽出法では、高温高圧下で抽出を行うため、縮合型タンニンの分解や重合等の副反応が進行したためと考えられる。
以上から、過熱水蒸気を用いた場合には、亜臨界抽出法よりも温和な条件で抽出することが可能であり、より高重合度の縮合型タンニンを抽出できることが分かった。
実施例2における過熱水蒸気の温度を以下のように変えた以外は実施例2と同様に抽出した。
280℃で抽出したときは、120〜180℃で抽出したときに比べて、アカシアの樹皮に含まれる縮合型タンニンが、より分解又は重合はしたが、数平均分子量は約1600で9量体まで確認できた。
また、320℃で抽出したときは、数平均分子量は大きかったが、8量体までしか確認できなかった。
また、500℃で抽出すると、アカシアの樹皮に含まれる縮合型タンニンの分解と重合が起こり、数平均分子量が低下し、9量体の確認ができなかったことは勿論、重合度の高い縮合型タンニンの収率が減少した。
Claims (10)
- 重合度の高い縮合型タンニンの抽出方法であって、
該縮合型タンニンを含有する植物の部位から過熱水蒸気を用いて抽出することを特徴とする抽出方法。 - 抽出される縮合型タンニンが、少なくとも重合度が4から9までの全ての縮合型タンニンを含有する請求項1に記載の抽出方法。
- 抽出される縮合型タンニンの数平均分子量が1200以上である請求項1又は請求項2に記載の抽出方法。
- 抽出温度が100℃より高く300℃以下である請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載の抽出方法。
- 抽出時間が1分以上60分以下である請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載の抽出方法。
- 過熱水蒸気の温度域の異なる抽出領域を多段階配置して、過熱水蒸気の温度が低い方から順に抽出する請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載の抽出方法。
- 上記植物の部位が、樹皮、木質部、果皮、果実、種子、葉及び莢よりなる群から選ばれた部位である請求項1ないし請求項6の何れかの請求項に記載の抽出方法。
- 上記植物が、アカシア属、カキノキ属、クリ属、マツ属、ダイオウ属、ブドウ属及びニッケイ属よりなる群から選ばれた属に属する植物である請求項1ないし請求項7の何れかの請求項に記載の抽出方法。
- 請求項1ないし請求項8の何れかの請求項に記載の抽出方法を使用することを特徴とする重合度の高い縮合型タンニンの製造方法。
- 請求項9に記載の重合度の高い縮合型タンニンの製造方法を使用した、重合度の高い縮合型タンニンを含有する複合剤の製造方法であって、
該複合剤が、抗酸化剤、精神安定剤、接着剤及び吸着剤よりなる群から選ばれた複合剤であることを特徴とする複合剤の製造方法。
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