JP2017070936A - 空中浮遊物の捕捉装置および空中浮遊物の分離装置 - Google Patents

空中浮遊物の捕捉装置および空中浮遊物の分離装置 Download PDF

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Abstract

【課題】従来に比べ、より確実に空中浮遊物を捕捉するのに有用な装置を提供する。【解決手段】捕捉装置5は、第一パーツ6と第二パーツ7とを組み合わせて形成されたフィルタユニット50を複数備える。第一パーツ6と第二パーツ7は、夫々、間隔をあけて並設された複数の基部62、72と、隣接する基部62、72の間に形成された空気出入口(隙間領域65、75)とを含む。第一パーツ6と第二パーツ7は、夫々の基部62、72のプレート面が互いに向き合う向きで、一方のパーツの空気出入口が他方のパーツの基部62、72の何れかに向き合う配置で組み合わされている。複数のフィルタユニット50は、プレート面が互いに向き合うように隣接し、夫々の基部62、72の並設方向が互いに交差するように配置されている。一のフィルタユニット50の空気出入口と他のフィルタユニット50の空気出入口とは、隣接方向において互いに向き合う。【選択図】図2

Description

本発明は、空中浮遊物の捕捉装置および空中浮遊物の分離装置に関する。
工作機械や産業機械による作業時には、空気中に、オイルミスト、油煙、ヒューム、粉塵等が飛散し浮遊することがある。そこで、かかる空中浮遊物を捕集するための様々な装置が知られている。
例えば、特許文献1には、加湿空気中に残存する余剰水滴の捕集除去等に用いる液滴捕集装置が開示されている。この捕集装置では、風路幅方向に並設された板状の捕集具で構成された捕集具列が、風路内の気流通過方向の上流側と下流側とに配置されている。風路内を通過する気流に含まれる液滴は、捕集具に衝突し、捕集される。
特許第4731105号公報
上記液滴捕集装置によれば、気流が上流側および下流側の捕集具列を通過する間に、気流に含まれる液滴を効率的に捕集することができる。しかしながら、作業環境を更に改善するためには、空中浮遊物の捕集効果を更に向上させる技術が期待されている。
本発明は、従来に比べ、より確実に空中浮遊物を捕捉するのに有用な装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る空中浮遊物の捕捉装置は、複数のフィルタ装置を備えている。かかる空中浮遊物として、典型的には、オイルミストと呼ばれる、微粒子化して空気中に浮遊している液滴状のオイルが挙げられる。このほかの空中浮遊物の例として、油煙、金属ヒュームや溶接ヒューム、粉塵等がある。
複数のフィルタ装置の各々は、第一パーツと第二パーツとを組み合わせて形成されている。第一パーツと第二パーツの各々は、夫々がプレート状に形成され、間隔をあけて並設された複数の捕捉部と、複数の捕捉部のうち隣接する捕捉部間に形成された空気出入口とを含む。なお、ここでいう「プレート状」とは、薄く平たい形状をいい、典型的には平板状が挙げられるが、湾曲面等の非平面を有する板状、厚さが均一の板状、不均一の板状等、異なる態様も含みうる。更に、第一パーツおよび第二パーツは、夫々の複数の捕捉部のプレート面が互いに向き合う向きで、一方のパーツの空気出入口が他方のパーツの複数の捕捉部の何れかに向き合う配置で組み合わされている。典型的には、第一パーツおよび第二パーツの何れかの空気出入口から流入した空気の経路につき、その空気出入口に向き合う捕捉部により蛇行させる構成を採用することが好ましい。空気がこの経路を蛇行しながら通過する一方、空中浮遊物は、その慣性力により捕捉部に衝突あるいは接触することで捕捉される。特に、空中浮遊物がオイルミストの場合には、捕捉部の表面に油膜が形成されることで、オイルミストやその他の微粒子を油膜に付着させて捕捉することができる。
複数のフィルタ装置は、一のフィルタ装置の前記第一パーツまたは前記第二パーツの前記プレート面が、他のフィルタ装置の前記第一パーツまたは前記第二パーツの前記プレート面と向き合うように隣接する。また、複数のフィルタ装置は、一のフィルタ装置の複数の捕捉部の並設方向と、他のフィルタ装置の複数の捕捉部の並設方向とが交差するように配置されている。更に、一のフィルタ装置の空気出入口と他のフィルタ装置の空気出入口とは、複数のフィルタ装置の隣接方向において互いに向き合う。かかる構成により、フィルタ装置間で多様な空気の流れが形成されるので、捕捉装置全体では、より複雑に蛇行する空気の経路を形成することができる。また、一のフィルタ装置の空気出入口から流出した空気は、対向する空気出入口から他のフィルタ装置にスムーズに流入できる。従って、一のフィルタ装置内を通過する過程で捕捉しきれなかった空中浮遊物を他のフィルタ装置にスムーズに受け渡し、他のフィルタ装置内で捕捉できるため、捕捉装置全体で空中浮遊物をより確実に捕捉することができる。
本発明に係る空中浮遊物の捕捉装置の一態様として、一のフィルタ装置の空気出入口と他のフィルタ装置の前記空気出入口との間に形成される領域は、被処理空気が一のフィルタ装置の空気出入口と他のフィルタ装置の空気出入口との間を最短経路で移動する流動低減化領域とされる。この流動低減化領域では、被処理空気が一のフィルタ装置の空気出入口と他のフィルタ装置の空気出入口との間を最短経路で移動できるので、他の部位への空気の流動が低減化され、空気が一のフィルタ装置の空気出入口から他のフィルタ装置の空気出入口へとよりスムーズに流入する。
本発明の一態様によれば、前記第一パーツおよび前記第二パーツの各々は、前記複数の捕捉部の前記並設方向における夫々の両端部から、他方のパーツに向けて突出するプレート状の突出部を更に備えている。なお、ここでいう「プレート状」とは、薄く平たい形状をいい、典型的には平板状が挙げられるが、湾曲面等の非平面を有する板状、厚さが均一の板状、不均一の板状等、異なる態様も含みうる。また、「他方のパーツに向けて突出する」とは、単に、突出部が捕捉部と角をなして他方のパーツの方向へ延びていればよいとの意味である。かかる構成によれば、一方のパーツの空気出入口から流入した空気の経路は、他方のパーツの捕捉部に加え、その両端部の突出部によって曲げられることになる。よって、突出部がない場合に比べ、より長く複雑に蛇行する経路を形成することができ、捕捉部に加え突出部でより多くの浮遊物を捕捉できる。
本発明の一態様によれば、複数のフィルタ装置の各々は、複数の捕捉部の並設方向および第一パーツと第二パーツとが向き合う方向に直交する方向にみた断面の形状が、間隔をあけて噛み合った状態で互いに平行に向き合う2列のコの字状である。言い換えると、突出部は、捕捉部に対し直角をなして捕捉部から突出する。これにより、シンプルな構造で、空気の経路に急激に屈曲する部位を形成して乱流を発生させることで、より確実に浮遊物を捕捉することができる。
本発明の一態様によれば、前記断面において、隣接する突出部間の距離がすべて等しい。この場合、これらの距離が互いに異なる場合に比べ、フィルタ装置の空気の入口から出口に向かう空気の流れをより均一化できるため、全域でより均一に浮遊物を捕捉することができる。
本発明の一態様によれば、第一パーツおよび第二パーツの各々は、複数の捕捉部から突出する突出部の夫々の突出端を、隣接する別の捕捉部から突出する突出部の突出端とつなぐプレート状の連結部を更に備えている。そして、連結部は、空気出入口としての孔を有する。なお、ここでいう「プレート状」とは、薄く平たい形状をいい、典型的には平板状が挙げられるが、湾曲面等の非平面を有する板状、厚さが均一の板状、不均一の板状等、異なる態様も含みうる。かかる構成により、捕捉部、突出部、連結部を含む第一パーツ、第二パーツを、夫々、簡便に一体的に形成できる。
本発明の一態様によれば、複数のフィルタ装置の各々は、複数の捕捉部の並設方向および第一パーツと第二パーツとが向き合う方向に直交する方向にみた断面において、隣接する突出部間の距離、および、連結部と連結部に向きあう他方のパーツの捕捉部との間の距離がすべて等しい。この場合、これらの距離が互いに異なる場合に比べ、フィルタ装置の空気の入口から出口に向かう空気の流れをより均一化できるため、全域でより均一に浮遊物を捕捉することができる。
本発明の一態様によれば、複数のフィルタ装置の各々において、第一パーツと第二パーツとは互いに分離可能に構成されている。この場合、第一パーツと第二パーツを分離して洗浄できるので、第一パーツと第二パーツの内部(互いに対向する側)に付着した浮遊物をより確実に除去できる。つまり、メンテナンスを容易かつ確実に行うことができる。
本発明の一態様によれば、複数のフィルタ装置は、夫々、紙で形成されている。紙の典型例として、厚紙が挙げられる。厚紙の中では、板紙が好ましい例であり、古紙を主体とする再生紙の板紙が更に好ましい例である。この場合、金属製に比べて製造コストを低減することができる。また、金属製に比べ、軽量で取り扱いが容易である。更に、空中浮遊物がオイルミスト等の液滴状の微粒子である場合、金属に比べて液体の浸透性が高い紙製のフィルタ装置では、液滴は捕捉部の表面に付着して浸透する。このため、金属製に比べ、フィルタ装置に付着して留まる浮遊物の量が増大する。更に、空中浮遊物がオイルミストの場合、捕捉部の表面には、金属製に比べてより厚い油膜が形成されやすい。このため、オイルミストやその他の微粒子を油膜に付着させてより確実に捕捉することができる。紙製のフィルタ装置は浮遊物を付着させたまま焼却できるため、浮遊物の処分が容易である。
本発明の一態様によれば、空中浮遊物の分離装置が提供される。分離装置は、上述の何れかの捕捉装置を備えた空中浮遊物の分離装置であって、吸気口および排気口を有する筐体と、筐体内において吸気口から排気口へ至る空気流を形成する空気流形成手段とを備えている。空気流形成手段として、典型的には、羽根車を回転させる構成の送風機が挙げられる。かかる送風機の典型例は、シロッコファンである。捕捉装置は、筐体内の空気流の経路上において空気流形成手段よりも上流側に配置されている。かかる構成により、吸気口から排気口へ至る空気流の経路上で捕捉装置により確実に空中浮遊物を捕捉することができる。捕捉装置によって、浮遊物が捕捉された後の空気が空気流形成手段へ流れるため、空気流形成手段を浮遊物の付着から保護することができる。
分離装置の全体構成と空気の流れを模式的に示す分離装置の正面図である。 第一実施形態の捕捉装置の斜視図である。 図2のIII−III線における第一実施形態のフィルタユニットの断面図である。 第一実施形態の捕捉装置における空気出入口の配置関係を説明するための捕捉装置の一部の模式的な平面図である。 図3の断面図に対応する、第二実施形態のフィルタユニットの断面図である。 第二実施形態の捕捉装置における空気出入口の配置関係を説明するための捕捉装置の一部の模式的な平面図である。
以下、図面を参照して、本発明の代表的な実施形態について説明する。
[第一実施形態]
図1〜図4を参照して、第一実施形態について説明する。本実施形態では、本発明に係る「空中浮遊物の捕捉装置」として、空中浮遊物の典型例であるオイルミストを捕捉するオイルミスト捕捉装置5(以下、単に捕捉装置5という)を例示する。また、「空中浮遊物の分離装置」として、このオイルミスト捕捉装置5を備えたオイルミスト分離装置1(以下、単に分離装置1という)を例示する。但し、捕捉装置5および分離装置1は、オイルミスト以外の空中浮遊物を捕捉、分離する装置としても適用可能である。なお、捕捉装置5、分離装置1は、後述する特徴的な構成および作用に鑑み「チャンネルクロスセパレータ」、「チャンネルクロスミストセパレータ」とも把握可能である。
まず、図1を参照して、分離装置1の概略構成について説明する。なお、図1の上下方向、左右方向、紙面の表裏方向が、分離装置1の上下方向、左右方向、前後方向に対応する。分離装置1は、吸気口21、排気口22を有する筐体2と、送風機3と、捕捉装置5とを少なくとも備える。分離装置1は、送風機2によって、吸気口21から排気口22に至る空気流を形成させ、空気流の経路上に配置された捕捉装置5によって、オイルミストを空気から分離して捕捉するよう構成された装置である。オイルミストが分離された後の空気は、排気口22から筐体2外部へ排出される。なお、本実施形態では、分離装置1は、更に、吸引ダクト4とオイルパン9とを備えており、装置外部の空気は吸引ダクト4を介して吸気口21から筐体2内部へ吸い込まれ、捕捉されたオイルはオイルパン9に回収されるよう構成されている。
次に、図1を参照して、分離装置1の各構成要素について説明する。筐体2は金属製の箱状体である。筐体2の内部空間は、上段部23、中段部24、下段部25に大別されている。上段部23には、送風機3と、送風機3を駆動するモータ(図示略)とが収容されている。中段部24、下段部25には、夫々、捕捉装置5、オイルパン9が収容されている。筐体2の前面には、上段部23、中段部24、下段部25に夫々対応して、ヒンジを介して開閉可能な扉26、27、28が設けられている。
筐体2の右側面下部には、筐体2内へ外部から空気を取り込むための吸気口21が設けられている。筐体2の上面中央部には、筐体2から外部へ空気を排出するための排気口22が設けられている。更に、筐体2の下面の四隅には、ストッパ機能付きのキャスタ20が取り付けられている。これにより、作業者は、分離装置1を所望の位置へ移動して設置することができる。また、筐体2の左面上部には、送風機3の稼働開始や停止の指示を入力するためのスイッチを含む操作部29が設けられている。
送風機3は、周知の送風機であって、筐体2内において、吸気口21から排気口22へ至る所定の流量(風量)の空気流を形成する機能を有する。送風機3として、例えば、モータ(図示略)を駆動源として、羽根車を回転させる構成の送風機を採用することができる。かかる構成の典型的な送風機として、シロッコファンが挙げられる。送風機3は、羽根車を回転させることで、オイルミストを含む空気(以下、オイル含有空気という)を筐体2内に吸い込み、吸気口21から排気口22へ向けて流れさせる。本実施形態では、送風機3の稼働により、筐体2の右側面下部に設けられた吸気口21の右方から下段部25に流入した空気は、筐体2内を排気口22に向けて上方へと流れる。なお、本実施形態では、送風機3は、筐体2内の上段部23において排気口22の直下に配置されているが、筐体2外部に排気口22に連通する排気ダクトを設け、排気ダクトに送風機を設置してもよい。
吸引ダクト4は、吸気口21に接続されている。吸引ダクト4は、例えば、曲げ動作(操作)が自在なフレキシブルホースで構成される。この場合、作業者は、分離装置1を所望の位置に移動して設置した後、吸引ダクト4の吸引口を、局所的に発生した、または滞留しているオイルミストに向けて容易に配置できる。例えば、金属の切断、切削、研磨等の作業で発生したオイルミストは、一般的に、熱気によって上昇し、作業場内の天井付近に滞留することが多い。従って、かかる環境では、吸引ダクト4の吸引口を天井に近い位置に配置することで、滞留しているオイルミストを確実かつ効率的に分離装置1内に吸い込むことができる。
捕捉装置5は、複数のフィルタユニットから構成されている。本実施形態では、捕捉装置2が2つのフィルタユニット(第一フィルタユニット51および第二フィルタユニット52)から構成される例を説明するが、フィルタユニットの数は2に限定されず、3以上の数であってもよい。捕捉装置5は、送風機3により形成される筐体2内部の空気流の経路上において、送風機3よりも上流側に配置される。本実施形態では、捕捉装置5は中段部24に配置されており、吸気口21から排気口22へ向けて下から上へと流れる空気流の経路において、上段部23に配置された送風機3よりも上流側に位置する。この配置関係により、送風機3をオイルミストの付着から保護することができる。捕捉装置5の筐体2への設置態様は、空気流が捕捉装置5を通過可能である限り特に限定されない。本実施形態では、筐体2の左右の内側面に前後方向に延びる断面L字型の一対のレール8が設けられており、捕捉装置5は、レール8によって前後方向にスライド可能かつ着脱可能に支持されている。なお、捕捉装置5の詳細については後述する。
オイルパン9は、筐体2内で捕捉装置5の下方に配置され、捕捉装置5で捕捉されたオイルミストを液体のオイルとして回収するための部材である。オイルパン9は、例えば、金属製の箱状容器である。
以下、図2〜図4を参照して、捕捉装置5の詳細について説明する。上述の通り、本実施形態の捕捉装置5は、第一フィルタユニット51と、第二フィルタユニット52の2つのフィルタユニットとから構成されている。本実施形態では、第一フィルタユニット51と第二フィルタユニット52とは、同一構成を有する。よって、以下の説明では、第一フィルタユニット51と第二フィルタユニット52とを総称する場合、および、何れか1つを区別せずに指す場合、フィルタユニット50という。また、説明の便宜上、分離装置1に捕捉装置5が設置されたときの分離装置1における方向に対応して、図2に示すように捕捉装置5の方向を定義する。
図2および図3を参照して、各フィルタユニット50の詳細な構成について説明する。各フィルタユニット50は、互いに分離可能に構成された2つのパーツが組み合わされることで形成されている。より詳細には、本実施形態では、各フィルタユニット50は、第一パーツ6と第二パーツ7とから形成されている。第一パーツ6と第二パーツ7は、何れも、オイルミストを捕捉するための複数の捕捉板と、これらの捕捉板を固定するための固定部材とで構成されており、全体では互いによく似た形状を有する。
図2および図3に示すように、第一パーツ6の捕捉板61の各々は、長手方向にみたときの断面形状がコの字型の長尺状の部材であり、細長い長方形状の基部62と、基部62の2つの長辺から基部62に直交する方向に突出する一対の突出部63とを含む。基部62および突出部63は、何れもプレート状である。本実施形態では、各捕捉板61は、1枚の長方形状の金属製の薄板(典型的には鋼板)を曲げ加工することで形成されている。基部62の長手方向における両端部には、ネジ穴64が形成されている。
第一パーツ6の固定部材66は、所定幅を有する正方形枠状の枠板部67と、枠板部67の外縁を取り巻くように、枠板部67に直交する方向に外縁から突出する囲み部68とを含む。枠板部67と囲み部68は、何れもプレート状である。本実施形態では、固定部材66は、捕捉板61と同様、1枚の金属製の薄板(典型的には鋼板)を曲げ加工することで形成されている。枠板部67の対向する一対の辺に対応する部分には、所定間隔で貫通孔が並設されている。囲み部68の突出方向と突出部63の突出方向とが一致する向きで、捕捉板61が固定部材66の内側に配置され、枠板部67の貫通孔を介して基部62のネジ穴64に外側からネジ53が螺合されることで、捕捉板61が固定部材66に固定されている。
固定部材66に固定された複数の捕捉板61の基部62は、その長手方向(延在方向)が互いに平行となる向きで、間隔をあけて並設されている。隣接する2つの捕捉板61の突出部63は間隔をあけて対向している。なお、本実施形態では、捕捉板61(より詳細には基部62)は等間隔で並設されている。そして、捕捉板61は、基部62のプレート面が同一平面上にあるように配置されている。本実施形態では、捕捉板61(より詳細には基部62)の間には、基部62の長手方向(延在方向)に延在する隙間領域65が形成される。隙間領域65は、フィルタユニット50の内部と外部とを連通させ、フィルタユニット50を通過する空気の入口または出口として機能する部位である。
第二パーツ7と第一パーツ6とは、構成においてはほぼ同じであるが、大きさにおいて若干異なる。具体的には、第二パーツ7も、第一パーツ6と同様の形状の複数の捕捉板71と固定部材76とから構成されるが、第二パーツ7の方が、第一パーツ6よりも一回り小さく形成されている。これは、第二パーツ7が、第一パーツ6に内側に若干の遊びがある状態で嵌め込まれるためである。
捕捉板71は、捕捉板61と同様、長手方向にみたときの断面形状がコの字型の長尺状の部材であり、基部72と、一対の突出部73とを含む。但し、捕捉板71の長さ(基部72の延在方向における長さ)は、捕捉板61よりも若干短い。基部72の長手方向における両端部には、ネジ穴74が形成されている。
また、固定部材76は、固定部材66と同様、正方形枠状の枠板部77と、枠板部77の外縁から突出する囲み部78とを含む。但し、枠板部77の外形寸法は枠板部67の外形寸法よりも若干小さい。枠板部77において対向する一対の辺に対応する部分には、所定間隔で貫通孔が並設されている。但し、枠板部67と枠板部77とを中心を合わせて対向配置したときの枠板部77における貫通孔の位置は、その並設方向において枠板部67の貫通孔の位置に対してずらされて(オフセットされて)いる。また、枠板部77の貫通孔の数は、枠板部67の貫通孔の数より1つ少ない。囲み部78の方向と突出部73の突出方向が一致する向きで、捕捉板71が固定部材76の内側に配置され、ネジ留めされることで、捕捉板71が固定部材76に固定されている。なお、貫通孔の数に対応して、捕捉板71の数も、捕捉板61の数より1つ少ない。
第二パーツ7でも、第一パーツ6と同様、固定部材76に固定された複数の捕捉板71の基部72は、その長手方向(延在方向)が互いに平行となる向きで、間隔をあけて並設されている。隣接する2つの捕捉板71の突出部73は間隔をあけて対向している。なお、捕捉板71は、捕捉板61と同様、等間隔で並設され、基部72のプレート面が同一平面上にあるように配置されている。捕捉板71(より詳細には基部72)の間には、基部72の長手方向(延在方向)に延在する隙間領域75が形成される。隙間領域75は、フィルタユニット50の内部と外部とを連通させ、フィルタユニット50を通過する空気の入口または出口として機能する部位である。
上述のように構成された第一パーツ6に第二パーツ7が嵌め込まれることで、フィルタユニット50が形成される。より詳細には、第一パーツ6と第二パーツ7とは、少なくとも、捕捉板61の基部62のプレート面と、捕捉板71の基部72のプレート面とが互いに向き合う向きで、一方のパーツの空気出入口(すなわち隙間領域65または75)、が他方のパーツの基部62または72の何れかに向き合う配置で組み合わせられる。本実施形態では、捕捉板61(基部62)の並設方向と捕捉板71(基部72)の並設方向とが一致し、枠板部67、77が外側に配置された状態で、第二パーツ7が第一パーツ6に嵌め込まれればよい。上述の通り、枠板部67、77に設けられた貫通孔の位置が並設方向においてずらされていることで捕捉板61、71の位置も互いにずれている。これによい、第一パーツ6の隙間領域65が第二パーツ7の基部72に向き合い、第二パーツ7の隙間領域75が第一パーツ6の基部62に向き合う配置関係が得られる。
また、本実施形態のように捕捉板61、71が突出部63、73を含む場合には、第一パーツ6と第二パーツ7とは、突出部63が第二パーツ7へ向けて突出し、突出部73が第一パーツ6へ向けて突出するように組み合わせられる。本実施形態では、捕捉板61、71(基部62、72)の並設方向と、第一パーツ6と第二パーツ7とが向き合う方向とに直交する方向にみたときのフィルタユニット50の断面形状は、間隔をあけて噛み合った状態で互いに平行に向き合う2列のコの字状となる。
フィルタユニット50内で目詰まりが生じることを防止し、圧力損失の低減を図るためには、この断面において、突出部63、73のうち隣接する2つの間の距離が、3〜6mm程度となるように捕捉板61、71を配置することが好ましい。なお、「突出部63、73のうち隣接する2つの間の距離」とは、第一パーツ6において隣接する2つの捕捉板61の隙間領域65を挟んで隣接する突出部63の間の距離d1と、第二パーツ7において隣接する2つの捕捉板71の隙間領域75を挟んで隣接する突出部73の間の距離d2と、間隔をあけて噛合った状態で向き合う2つの捕捉板61、71において隣接する突出部63、73の間の距離d3である。更に、フィルタユニット50内の空気の流れをできるだけ均一化するためには、これらの距離d1、d2、d3がすべて等しいことが好ましい。本実施形態のフィルタユニット50は、これらの距離d1、d2、d3がすべて6mmに設定されている。
ここで、図3を参照して、1つのフィルタユニット50において空気が流れる経路について簡単に説明する。なお、フィルタユニット50において第一パーツ6および第二パーツ7のどちら側から空気が流入するかは、分離装置1で送風機3がどういう向きの空気流を形成するか、および、フィルタユニット50がどういう向きに配置されるかによる。ここでの説明では、図3の下から上に向かう方向に空気流が形成され、この空気流に対して第一パーツ6の基部62のプレート面がほぼ直交するようにフィルタユニット50が配置された例を用いる。また、図3では、見やすさを考慮して、フィルタユニット50の中央部のみに矢印で空気の流れを示したが、その他の同じ構成の部分でも、同様の空気の流れが存在する。
下方から上方へ流れる空気は、まず、第一パーツ6の基部62の間に形成された隙間領域65(空気出入口)を入口として、基部62から上方に突出する突出部63の間を通ってフィルタユニット50内部に流入する。その後、空気は、この空気出入口に上方から向き合う第二パーツ7の基部72のプレート面(内面)によってその経路を曲げられ、基部62から突出する突出部63と基部72から突出する突出部73との間を案内されて、下方へ流れる。空気は、そこで第一パーツ6の基部62のプレート面(内面)によってその経路を曲げられ、基部72から下方へ突出する突出部73の間を案内されて上方へ流れ、第二パーツ7の基部72の間に形成された隙間領域75(空気出入口)を出口として、フィルタユニット50外部へ流出する。このように、空気は、フィルタユニット50内で、捕捉板61、71によって蛇行させられた経路を流れる。このように空気が流れる過程で、空気中に含まれるオイルミストは捕捉板61、71で捕捉されるが、この捕捉作用については後で詳述する。
図2および図4を参照して、捕捉装置5における第一フィルタユニット51および第二フィルタユニット52の配置関係について説明する。本実施形態では、第一フィルタユニット51および第二フィルタユニット52は、次の3つの条件を満たすように隣接して配置されている。第一の条件は、第一フィルタユニット51および第二フィルタユニット52のうち一方のユニットの第一パーツ6の基部62または第二パーツ7の基部72のプレート面が、他方のユニットの第一パーツ6の基部62または第二パーツ7の基部72のプレート面と向き合うことである。第二の条件は、第一フィルタユニット51における基部62、72の並設方向と、第二フィルタユニット52における基部62、72の並設方向とが交差することである。第三の条件は、第一フィルタユニット51および第二フィルタユニット52の隣接方向において、一方のユニットの空気出入口と他方のユニットの空気出入口とが互いに向き合うことである。
上述の配置関係を詳しく説明する。第一の条件に関しては、図2に示すように、捕捉装置5において、第二フィルタユニット52は、第一フィルタユニット51の上方に隣接している。そして、第一フィルタユニット51の第二パーツ7の基部72のプレート面と第二フィルタユニット52の第一パーツ6の基部62のプレート面とが上下方向において向き合っている。
第二の条件に関しては、捕捉装置5において、第一フィルタユニット51の基部62、72は左右方向に延在し、前後方向に並設されている。一方、第二フィルタユニット51の基部62、72は、前後方向に延在し、左右方向に並設されている。すなわち、第一フィルタユニット51の基部62、72の並設方向と、第二フィルタユニット52の基部62、72の並設方向とは直交している。
ところで、図1に矢印で示すように、分離装置1内で空気は捕捉装置5の下方から上方へ向けて流れるため、図3を参照して上述した通り、空気は、第一フィルタユニット51の第一パーツ6側の空気出入口である隙間領域65から流入し、第二パーツ7側の空気出入口である隙間領域75から流出する。そして、第二フィルタユニット52の第一パーツ6側の空気出入口である隙間領域65から流入し、第二パーツ7側の空気出入口である隙間領域75から流出する。
第三の条件に関しては、図2に示すように、第一フィルタユニット51の空気の出口である隙間領域75は左右方向に延在し、前後方向に並設されている。第二フィルタユニット52の空気の入口である隙間領域65は前後方向に延在し、左右方向に並設されている。従って、図4に示すように、第一フィルタユニット51の隙間領域75と第二フィルタユニット52の隙間領域65とは、上からみると、互いに直交する格子状に配置されている。そして、第一フィルタユニット51の隙間領域75と第二フィルタユニット52の隙間領域65とが交差して重なる位置では、第一フィルタユニット51の空気出入口(より詳細には空気の出口)と、第二フィルタユニット52の空気出入口(より詳細には空気の入口)とが、第一フィルタユニット51と第二フィルタユニット52とが隣接する上下方向において互いに向き合っている。
第一フィルタユニット51の空気出入口(出口)と第二フィルタユニット52の空気出入口(入口)とをつなぐ領域55は、第一フィルタユニット51から流出した空気が、第二フィルタユニット52へ受け渡される領域である。そして、第一フィルタユニット51から流出した空気が、第二フィルタユニット52へ最短経路で移動する領域でもある。
なお、図2では、説明の便宜上、第一フィルタユニット51と第二フィルタユニット52とが上下方向に離間して隣接する例が図示されているが、第一フィルタユニット51と第二フィルタユニット52とは、互いの隣接方向において離間していても接触していても構わない。本実施形態では、分離装置1には前後方向に延在する左右1対のレール8が設けられており、第一フィルタユニット51は、レール8上に載置されている。第二フィルタユニット52は、第一フィルタユニット51上に直接載置されている。第一フィルタユニット51と第二フィルタユニット52とが上下方向に離間した状態で分離装置1に設置される場合、例えば、分離装置1に、同様に2対のレールが設けられればよい。第一フィルタユニット51および第二フィルタユニット52は、隣接方向に離間した状態または接触した状態で連結されていてもよい。例えば、各フィルタユニット50にネジ穴を設け、別部材の連結板にネジ留めする構成が採用されてもよい。各フィルタユニット50の枠板部67、77に夫々、凹部と、凹部に係合可能な凸部が形成されていてもよい。
以下、上述した構成の捕捉装置5および捕捉装置5を備えた分離装置1におけるオイルミストの捕捉、分離作用と効果について説明する。図1に矢印で示すように、送風機3の稼働に伴い、外部からオイル含有空気が吸引ダクト4を介して吸気口21から流入し、下段部25から上段部23の排気口22へと上方へ向かって流れる。この過程で、オイル含有空気は、中段部24に設置された捕捉装置5を通過する。上述の通り、オイル含有空気は、下方に配置された第一フィルタユニット51の隙間領域65から第一フィルタユニット51に流入し、捕捉板61、71によってその経路を大きく曲げられ、第一フィルタユニット51内を蛇行しながら流れる。これにより、オイルミストは捕捉板61、71に捕捉される。
本実施形態では、捕捉板61、71は金属製であるため、捕捉されたオイルミストは、液滴として捕捉板61、72の表面に付着する。これが繰り返されることで、捕捉板61、72の表面には薄い油膜が形成される。油膜が形成されると、オイル含有空気がフィルタユニット50内を通過する過程で、オイルミストは油膜に付着するので、油膜がない場合に比べ、より確実に捕捉される。オイルミストのみならず、オイル含有空気中の微細な粉塵等の微粒子も、油膜に付着することである程度が捕捉される。捕捉されたオイルミストの液滴は、凝集作用によってより大きな液滴となる。ある程度の大きさとなった液滴は、上下方向に延びる突出部63、73を伝って下方に流れる。その結果、第一パーツ6の基部62上に液体のオイルが溜まり、最終的には、基部62の端部から固定部材66を経由して、下段部25に設置されたオイルパン9に滴下して回収される。なお、固定部材66には、オイルをフィルタユニット50から容易に排出するための排出孔が設けられていてもよい。また、捕捉部材5からオイルパン9へ液体のオイルを導く流路が設けられていてもよい。
本実施形態では、捕捉板61、71は、基部62、72と、基部62、72から突出する突出部63、73とで構成されているため、第一フィルタユニット51内には、複雑に蛇行する空気流の経路が形成される。特に、捕捉板61、71の並設方向と、第一パーツ6と第二パーツ7とが向き合う方向とに直交する方向にみたときの第一フィルタユニット51の断面形状は、間隔をあけて噛み合った状態で互いに平行に向き合う2列のコの字状である。かかる形状の捕捉板61、71は、容易に作成することができる。この構成により、経路に急激に屈曲させ、オイルミストを捕捉板61、71でより確実に捕捉することができる。
さらに、フィルタユニット50は、上述のように、第一フィルタユニット51の断面において、突出部63、73のうち隣接する2つの間の距離d1、d2、d3がすべて等しくなるように構成されている。この場合、これらの距離d1、d2、d3が互いに異なる場合に比べ、第一フィルタユニット51の空気の入口から出口に向かうオイル含有空気の流れをより均一化できるため、捕捉板61、71の全域で、より均一にオイルミストを捕捉することができる。
第一フィルタユニット51を通過する過程で、オイル含有空気からは大部分のオイルミストが除去される。第一フィルタユニット51の隙間領域75から上方へ流出した、オイルミストの含有率が低下したオイル含有空気は、上方に配置された第二フィルタユニット52の隙間領域65から第二フィルタユニット52に流入する。このとき、上下方向に正対する第一フィルタユニット51の空気出入口(出口)と第二フィルタユニット52の空気出入口(入口)とをつなぐ領域55では、オイル含有空気は最短距離で移動し、他の領域に流動しにくい。すなわち、領域55では、オイル含有空気の他領域への流動が低減化される。よって、オイル含有空気の出口と入口とが正対しない場合に比べ、オイル含有空気が第一フィルタユニット51から第二フィルタユニット52へとスムーズに受け渡されるので、捕捉装置5全体として、より効率的にオイルミストを捕捉することができる。
第二フィルタユニット52では、第一フィルタユニット51と同様、内部に複雑に蛇行する空気流の経路(ラビリンス状流路、蛇行流路とも称する)が形成されている。従って、第一フィルタユニット51と同様のオイルミストの捕捉作用と効果を発揮することができる。そして、第一フィルタユニット51で捕捉しきれなかったオイルミストを捕捉し、空気流から分離することができる。第二フィルタユニット52の捕捉板61、71の並設方向は、第一フィルタユニットと51の捕捉板61、71の並設方向に対して交差しているため、第一フィルタユニット51内を蛇行して流れた後に第二フィルタユニット52に流入したオイル含有空気は、第二フィルタユニット52に流入するとすぐに方向を変えられ、異なる方向に蛇行して流れる。第二フィルタユニット52と第二フィルタユニット52とで、捕捉板61、71の並設方向が同じ場合に比べ、捕捉装置5全体として、より長く複雑に蛇行する経路を形成できるため、より確実にオイルミストを捕捉することができる。
本実施形態では、フィルタユニット50は金属製であるため、捕捉されたオイルミストの大部分は、捕捉板61、71の表面には付着せずオイルパン9に滴下して回収される。それでもなお、オイルミストの一部はフィルタユニット50内に残留する。本実施形態では、フィルタユニット50は第一パーツ6と第二パーツ7とに容易に分離できるため、フィルタユニット50を再使用するためのメンテナンス作業(内部の洗浄等)が容易である。また、フィルタユニット50は、空気の通過面積が大きく、従来の濾過式や遠心分離式の捕捉装置に比べて目詰まりが少ないため、メンテナンス作業自体を少なくすることができる。更に、圧力損失が少なく、送風機3の吸引力の低下を抑えることができる。
また、本実施形態では、第一フィルタユニット51と第二フィルタユニット52とは同一の構成であり、しかも平面視形状は正方形である。従って、実際には第一フィルタユニット51と第二フィルタユニット52を区別することなく、何れか一方のフィルタユニット50の上に、水平方向に90度回転させた他方のフィルタユニット50を載置するだけで捕捉装置5を構成することができる。これにより、第一フィルタユニット51と、第二フィルタユニット52とで形状や大きさが異なる場合に比べ、フィルタユニット50の製造コストを抑えることができる。
以下、本実施形態の変形例として、捕捉装置5を、上述のフィルタユニット50(図2および図3参照)を3つ備えた構成に変更し、分離装置1(図1参照)に設置して、重量法に基づきミストの捕集効率を測定した結果について説明する。まず、3つのフィルタユニット50は、その捕捉板61、71の並設方向が、下から順に、前後方向、左右方向、前後方向となるように中段部24に重ねて載置された。各フィルタユニット50は亜鉛鋼板製であり、そのサイズは、前後および左右方向の長さ(長さと幅)が何れも30cm、上下方向の長さ(厚み)が3cmである。
排気口22を濾材で覆った状態で送風機3を稼働させることで、吸気口21を介してスプレー缶から筐体2内部にミストを吹き込み、稼働前後の濾材の重量変化によって、捕集効率を算出した。このときの処理風量は5.5m/分、通過風速は1m/秒、圧力損失は35Paであった。装置稼働前の濾材の重量は0.06kgであり、ミストスプレー缶の重量は0.18kgであったのに対し、装置稼働後の濾材の重量は0.06kgであり、ミストスプレー缶の重量は0.08kgであった。つまり、0.10kgのミストが分離装置1により処理されたが、排気口22に設置された濾材の重量変化はみられなかった。よって、分離装置1のミスト捕集効率は、誤差を考慮しても99%程度である。この結果から、捕捉装置5によってミストを確実に捕捉できることがわかる。
よって、例えば、分離装置1を、吸引ダクト4を介して天井付近に滞留するオイルミストを吸引し、床面から2m程度の位置に排気口22を設けて処理後の空気を排出するように構成することで、上空間循環換気装置として機能させ、オイルミストが発生しやすい工場の作業環境を改善することができる。また、捕捉装置5は、分離装置1以外の装置に適用されてもよい。例えば、金属の切断、切削、研磨等を行う工作機械の局所排気装置の排気経路に捕捉装置5を設置することで、排気装置中でオイルミストを確実に捕捉、分離し、液体のオイルとして回収することがきる。
[第二実施形態]
以下、図5および図6を参照して、第二実施形態について説明する。本実施形態では、第一実施形態と同様、空中浮遊物の典型例であるオイルミストを捕捉する捕捉装置と分離装置とを例示する。本実施形態の捕捉装置と分離装置の構成は、フィルタユニットの構成以外、第一実施形態と同一であるため、以下では、同一の点については説明を省略または簡略化し、主に第一実施形態と異なる点について説明する。第二実施形態の捕捉装置は、取り扱いがとりわけ容易であり、オイルミストを捕捉、分離して処分する際にも優れた効果を発揮するものである。
図5に示すように、本実施形態のフィルタユニット10は、第一実施形態のフィルタユニット50(図2参照)と同様、互いに分離可能な第一パーツ80と第二パーツ90とを組み合わせることで形成されている。第一パーツ80は、1枚の捕捉板81と、固定部材87とで構成されている。第二パーツ90は、1枚の捕捉板91と、固定部材97とで構成されており、第一パーツ80とよく似た形状を有する。第一パーツ80、第二パーツ90において、少なくとも、オイルミストを捕捉するための捕捉板81、91は、紙で形成されている。採用可能な紙の典型例は厚紙である。紙は、金属に比べて液体が浸透しやすい。本実施形態は、紙のこの特性を利用してオイルミストを確実に捕捉することを狙うものである。この観点から、厚紙の中でも板紙が好ましく、古紙を主体とする再生紙の板紙が更に好ましい。捕捉板81、91の形状を保ち固定するための固定部材87、97は、本実施形態では捕捉板81、91と同じく厚紙で形成されるが、他の材質であってもよい。
第一パーツ80の捕捉板81は、複数の基部82と、複数の突出部83と、複数の連結部84とを含む。基部82、突出部83、連結部84は、各々が細長い長方形のプレート状である。1枚の長方形状の厚紙をその一辺に平行な線に沿って順に所定幅で折り曲げることで、基部82、突出部83、連結部84、突出部83のセットが複数形成され、捕捉板81とされている。折り曲げ方向に直交する方向にみた捕捉板81の断面形状は、矩形状の凸凹が連続する形状である。より詳細には、各基部82と、その両端から直角に突出する2つの突出部83がコの字型を形成している。そして、各連結部84が、隣接する2つの基部81の突出部83の突出端をつないでいる。また、連結部84には、長手方向に沿って所定間隔で円形の貫通孔86が設けられている。
固定部材87は、厚紙で形成されていることを除き、第一実施形態のフィルタユニット50の固定部材66と同一の構成を有する。すなわち、固定部材87は、枠板部88と囲み部89とを含む。本実施形態では、各基部81の長手方向の両端部が枠板部88に接着されることで、捕捉板81が固定部材87に固定されているが、捕捉板81の固定方法は接着に限られない。
第一パーツ80において、複数の基部82は、その長手方向(延在方向)が互いに平行となる向きで、間隔をあけて並設されている。なお、本実施形態では、基部82は等間隔で並設されている。そして、基部82は、そのプレート面が同一平面上にあるように配置されている。隣接する2つの基部82の端部から突出する突出部83は、間隔をあけて対向している。本実施形態では、隣接する突出部83の突出端を、貫通孔86を有する連結部84がつないでいる。連結部84の貫通孔86は、フィルタユニット10の内部と外部とを連通させ、フィルタユニット10を通過する空気の入口または出口として機能する部位である。なお、基部82の間には、基部82の長手方向(延在方向)に延在する隙間領域85が形成されているが、本実施形態では、連結部84が設けられているために、フィルタユニット10の内部と外部とを連通させるのは、連結部84の貫通孔86である。
第二パーツ90は、第一実施形態と同様、第一パーツ80よりも一回り小さく形成されている点と、捕捉板91の基部92の数が、捕捉板81の基部82の数より1つ少ない点を除き、第二パーツ90とほぼ同じ構成を有する。よって、簡単に説明すると、捕捉板91は、捕捉板81と同様、複数の基部92と、複数の突出部93と、複数の連結部94とを含む。基部92の間には、基部92の長手方向(延在方向)に延在する隙間領域95が形成されている。連結部94には、貫通孔96が設けられている。貫通孔96は、フィルタユニット10の内部と外部とを連通させ、フィルタユニット10を通過する空気の入口または出口として機能する部位である。捕捉板91は、枠板部98と囲み部99とを含む固定部材97に固定されている。なお、第一パーツ80と第二パーツ90とでは、枠板部88と枠板部98とを中心を合わせて対向配置したとき、枠板部98に対して基部92が固定される位置が、枠板部88に対して基部82が固定される位置とはずらされている。
第一パーツ80に第二パーツ90が嵌め込まれることで、フィルタユニット10が形成されている。第一パーツ80と第二パーツ90の配置関係は、第一実施形態のフィルタユニット50と同じである。すなわち、第一パーツ80と第二パーツ90とは、少なくとも、捕捉板81の基部82のプレート面と、捕捉板91の基部92のプレート面とが互いに向き合う向きで、一方のパーツの空気出入口(すなわち貫通孔86または96)が他方のパーツの基部82または92の何れかに向き合う配置で組み合わせられる。また、本実施形態でも、捕捉板81、91が突出部83、93を含むため、第一パーツ80と第二パーツ90とは、突出部83が第二パーツ90へ向けて突出し、突出部93が第一パーツ80へ向けて突出するように組み合わせられる。本実施形態では、基部82、92の並設方向と、第一パーツ80と第二パーツ90とが向き合う方向とに直交する方向にみたときのフィルタユニット10の断面形状は、矩形状の連続的な凸凹が、間隔をあけて噛み合った状態で互いに平行に向き合う形となる。
更に、フィルタユニット10は、この断面において、突出部83、93のうち隣接する2つの間の距離D1、D2、D3と、連結部84、94とこの連結部84、94に向きあう基部92、82との間の距離D4、D5がすべて等しくなるように構成されている。距離D1、D2、D3は、第一実施形態で説明した距離d1、d2、d3に対応する。また、「連結部84、94とこの連結部84、94に向きあう基部92、82との間の距離D4、D5」は、連結部84とこれに向き合う基部92との間の距離D4と、連結部94とこれに向き合う基部82との間の距離D5である。本実施形態では、これらの距離D1、D2、D3、D4、D5はすべて6mmに設定されている。これにより、フィルタユニット10内の目詰まり防止しつつ、空気の入口から出口に向かうオイル含有空気の流れをより均一化することができる。
ここで、図5を参照して、1つのフィルタユニット10において空気が流れる経路について簡単に説明する。なお、ここでの説明では、図5の下から上に向かう方向に空気流が形成され、この空気流に対して第一パーツ80の基部82のプレート面がほぼ直交するようにフィルタユニット10が配置された例を用いる。また、図5では、見やすさを考慮して、フィルタユニット10の中央部のみに矢印で空気の流れを示したが、その他の同じ構成の部分でも、同様の空気の流れが存在する。
下方から上方へ流れる空気は、まず、第一パーツ80の基部82の間に形成された隙間領域85を通過し、連結部84の貫通孔86(空気出入口)を入口として、フィルタユニット10内部に流入する。その後、空気は、空気出入口に上方から向き合う第二パーツ90の基部92のプレート面(内面)によってその経路を曲げられ、基部92から突出する突出部93と基部82から突出する突出部83との間を案内されて、下方へ流れる。空気は、そこで第一パーツ80の基部82のプレート面(内面)によってその経路を曲げられ、基部92から下方へ突出する突出部93を連結する連結部94の貫通孔96(空気出入口)を出口として、フィルタユニット10外部へ流出し、隙間領域95を通過して上方へ流れる。このように、第一実施形態のフィルタユニット50の場合と同様、空気は、フィルタユニット10内でも、捕捉板81、91によって蛇行させられた経路を流れる。
本実施形態でも、かかる構成のフィルタユニット10が複数組み合わせられることで、捕捉装置が構成される。本実施形態のフィルタユニット10が2つ組み合わせられる場合の配置関係は、図2に示す捕捉装置5と同様であるため、図示は省略する。すなわち、2つのフィルタユニット10は、第一実施形態で説明した第一の条件から第三の条件までの3つの条件を満たすように、隣接して配置される。図2に示すのと同様に、下側のフィルタユニット10の第二パーツ90の基部92のプレート面が、上側のフィルタユニット10の第一パーツ80の基部82のプレート面と向き合うように、2つのフィルタユニット10が上下方向に隣接する。これが第一の条件である。下側のフィルタユニット10の基部82、92の並設方向と上側のフィルタユニット10の基部82、92の並設方向とは交差する。これが第二の条件である。
第三の条件は、複数のフィルタユニット10の隣接方向において、一方のユニットの空気出入口と他方のユニットの空気出入口とが互いに向き合うことである。この点について図6を参照して説明する。本実施形態において、第三の条件を満たすためには、2つの同一構成のフィルタユニット10を第一の条件と第二の条件を満たすように上下に重ねたとき、図6に示すように、下側のフィルタユニット10の空気の出口として機能する貫通孔96と、上側のフィルタユニット10の空気の入口として機能する貫通孔86とが上下に対向する位置になければならない。
貫通孔86は、連結部84の延在方向に沿って並設され、貫通孔96は、連結部94の延在方向に沿って並設されている。2つのフィルタユニット10を重ねた状態で上からみると、連結部84、94と、上側のフィルタユニット10の連結部84、94とは、互いに直交する格子状に配置されている。そこで、各フィルタユニット10の連結部84において、他方のフィルタユニットの連結部94と交差して重なる位置に貫通孔86が設けられ、各フィルタユニット10の連結部94において、他方のフィルタユニットの連結部84と交差して重なる位置に貫通孔96が設けられればよい。このように貫通孔86、96を配置することで、2つのフィルタユニット10の上下方向の配置関係が逆転されたとしても、第三の条件を満たす配置関係が実現できる。なお、2つのフィルタユニット10を重ねた状態で上からみたとき、貫通孔96と貫通孔86とは完全に重なる必要はなく、少なくとも一部が重なっていればよい。つまり、フィルタユニット10の隣接方向において、貫通孔96と貫通孔86とは少なくも一部が正対していればよい。よって、貫通孔86、96の形状も、円形である必要はなく、長方形状等の異なる形状であってもよい。
以下、上述した構成の本実施形態の捕捉装置および分離装置におけるオイルミストの捕捉、分離作用と効果について説明する。なお、本実施形態の捕捉装置を備えた分離装置の構成は、図1に示す分離装置1の捕捉装置5を本実施形態の捕捉装置に置き換えたものに相当するため、装置内での空気の流れは第一実施形態で説明した通りである。また、フィルタユニット10において空気が流れる経路は、第一実施形態のフィルタユニット50と若干異なるが、内部に複雑に蛇行する空気流の経路が形成される点では変わりはない。また、捕捉装置における複数のフィルタユニット10の配置関係も、第一実施形態と共通である。一方、フィルタユニット50が金属製であるのに対し、フィルタユニット10は厚紙製である。従って、本実施形態の捕捉装置および分離装置におけるオイルミストの捕捉、分離作用と効果は、フィルタユニット50が金属製であることに由来する部分を除けば、第一実施形態で説明した通りである。以下では、フィルタユニット10の捕捉板81、91が、厚紙製であることに由来する特有の作用と効果について説明する。
上述の通り、本実施形態では、フィルタユニット10の捕捉板81、91は、金属に比べてオイルの浸透性が高い厚紙製である。捕捉板81、91の表面に液滴として付着したオイルミストは、捕捉板81、91に吸収される。順次捕捉されたオイルミストが吸収されることで、捕捉板81、91全体に徐々にオイルが浸透し、捕捉板81、91の表面は油膜で覆われた状態となる。油膜が形成されると、オイル含有空気がフィルタユニット10内を通過する過程で、オイルミストは油膜に付着するので、油膜がない場合に比べ、より確実に捕捉される。オイルミストのみならず、オイル含有空気中の微細な粉塵等の微粒子も、油膜に付着することである程度が捕捉される。捕捉板81、91がオイルで飽和状態になると、オイルは液体として流れ出し、最終的には、捕捉板81および固定部材87からオイルパン9に滴下し回収される。
特に、捕捉板81、91を、古紙を主体とする再生紙の板紙で作成した場合、捕捉板81、91の表面に油膜ができやすく、オイルミストやその他の微粒子の付着効果を更に高めることができる。このように、油膜を利用することで、粒径が異なるオイルミストやその他の微粒子をまとめて捕捉できる効果は、従来の濾過式および遠心分離式の捕捉装置では得られないものである。
金属製のフィルタユニット50の場合、洗浄して再利用できるというメリットがある一方で、洗浄作業には手間がかかるという課題もある。一般的に、洗浄作業を行うのは、工場で工作機械の操作等を行う作業者である。従って、作業効率の低下を防ぐためには、できるだけメンテナンス作業を減らしたいという要望もある。これに対し、厚紙製のフィルタユニット10は、オイルの捕捉効果が著しく低下した時点で廃棄し、新しいフィルタユニット10に交換するだけでよいため、メンテナンス作業を減らすことができる。なお、捕捉装置100では、オイル含有空気の流れ方向上流側にあるフィルタユニット10の方が先に捕捉効果が低下するため、これを廃棄した上で、下流側にあったフィルタユニット10を上流側に移動し、上流側に新しいフィルタユニット10を配置することで、フィルタユニット10を無駄なく使用することができる。
また、厚紙製の捕捉板81、91は、金属製に比べ、材料費が安く、加工も容易であるため、製造コストを大幅に低減することができる。更に、金属製に比べて軽量なため、取り扱いも容易である。
ここで、金属と厚紙とでオイルミストの付着量を比較した実験結果について説明する。実験では、217mm×305mmの同じ大きさの鋼板と板紙の試験片に対して同量のミストを噴霧し、噴霧前後の試験片の重量変化を測定した。ミスト噴霧前の鋼板の重量は0.43kg、噴霧後の重量は0.44kgであった。ミスト噴霧前の板紙の重量は、0.04kg、噴霧後の重量は0.06kgであった。つまり、鋼板へのミスト付着量が0.01kgであるのに対し、板紙へのミスト付着量は0.02kgであった。この結果から、厚紙製のフィルタユニット10は、金属製に比べてより多くのオイルを浸透、付着させることができることがわかる。従って、上述のように厚紙製のフィルタユニット10を使い捨ての消耗品として利用することは非常に有用である。オイルミストは熱で蒸発し、その後、常温で紛体に固化する場合がある。厚紙製のフィルタユニット10は紛体が付着した状態のまま廃棄することができるため、処分が容易である。
上述のような厚紙製のフィルタユニット10のメリットを活かし、例えば、本実施形態の捕捉装置は、屋外排気用の有圧換気扇に、オイルミスト捕集を兼ねた保護部材として取り付けられてもよい。また、パッケージエアコン、スポットクーラ等の空調機器の吸気口に、機器内部に空中浮遊物が侵入するのを防止する保護フィルタとして取り付けられてもよい。
本発明に係る空中浮遊物の捕捉装置および分離装置は、上述の実施形態に限られない。上述の実施形態に種々の変更が加えられてもよい。例えば、フィルタユニット50、10の形状は、平面視正方形である必要はなく、平面視長方形状であってもよい。フィルタユニット50、10における捕捉板51、61、81、91の形状も、適宜変更が可能である。例えば、捕捉板51、61は、厳密な断面コの字状である必要はなく、例えば、突出部63、73の距離が、突出端に向かって若干広がっていたり狭まっていたりしてもよい。突出部63、73を含まず、基部62、72のみで形成されていてもよい。捕捉板51、61、81、91を固定する固定部材66、76、87、97は、他の形状であってもよいし、フィルタユニット50、10において捕捉板51、61、81、91が所定の配置関係にあれば、固定部材66、76、87、97は設けられなくてもよい。
フィルタユニット50は、金属製でなく紙製であってもよい。逆に、フィルタユニット10は、紙製でなく金属製であってもよい。また、捕捉装置は、1つ以上の金属製のフィルタユニット(例えば、フィルタユニット50)と、1つ以上の紙製のフィルタユニット(例えば、フィルタユニット10)とから構成されていてもよい。フィルタユニットの材質は、捕捉対象の空中浮遊物の種類や浮遊量に応じて適宜変更されればよい。例えば、多量のオイルミスト対策用の捕捉装置では、すべてのフィルタユニットを、より耐用性に優れた金属製とすることができる。一方、少量のオイルミスト対策用の捕捉装置では、作業効率を考慮して、すべてのフィルタユニットを、使い捨ての紙製とすることができる。また、中程度の量のオイルミスト対策用の捕捉装置では、上流側に配置される1つのフィルタユニットを金属製とし、下流側に配置される他のフィルタユニットを紙製とすることができる。上述の通り、下流側のフィルタユニットになるほど、流入する空気中のオイルミストの含有量は低下するので、これは、耐用性と作業効率とのバランスを考慮した合理的な構成である。
本実施形態の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係を以下に示す。なお、本実施形態は、本発明を実施するための単なる例示であって、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではない。第一実施形態の捕捉装置5および第二実施形態の捕捉装置は、夫々、本発明の「空中浮遊物の捕捉装置」に対応する構成の一例である。フィルタユニット50、10の各々は、本発明の「フィルタ装置」に対応する構成の一例である。第一パーツ6、80の各々は、本発明の「第一パーツ」に対応する構成の一例である。第二パーツ7、90の各々は、本発明の「第一パーツ」に対応する構成の一例である。基部62、72、82、92の各々は、本発明の「捕捉部」に対応する構成の一例である。突出部63、73、83、93の各々は、本発明の「突出部」に対応する構成の一例である。連結部84、94の各々は、本発明の「連結部」に対応する構成の一例である。隙間領域65、75の各々は、夫々「空気出入り口」に対応する構成の一例である。貫通孔86、96の各々は、本発明の「空気出入口としての孔」に対応する構成の一例である。領域55は、本発明の「流動低減化領域」に対応する構成の一例である。分離装置1は、本発明の「空中浮遊物の分離装置」に対応する構成の一例である。筐体2、吸気口21、排気口22は、夫々、本発明の「筐体」、「吸気口」、「排気口」に対応する構成の一例である。送風機3は、本発明の「空気流形成手段」に対応する構成の一例である。
1 分離装置
2 筐体
3 送風機
4 吸引ダクト
5 捕捉装置
6、80 第一パーツ
7、90 第二パーツ
8 レール
9 オイルパン
20 キャスタ
21 吸気口
22 排気口
23 上段部
24 中段部
25 下段部
26、27、28 扉
29 操作部
50、10 フィルタユニット
51 第一フィルタユニット
52 第二フィルタユニット
53 ネジ
55 領域
61、71、81、91 捕捉板
62、72、82、92 基部
63、73、83、93 突出部
64、74 ネジ穴
65、75、85、95 隙間領域
66、76、87、97 固定部材
67、77、88、98 枠板部
68、78、89、99 囲み部
84、94 連結部
86、96 貫通孔

Claims (10)

  1. 複数のフィルタ装置を備えた空中浮遊物の捕捉装置であって、
    前記複数のフィルタ装置の各々は、第一パーツと第二パーツとを組み合わせて形成され、
    前記第一パーツと前記第二パーツの各々は、夫々がプレート状に形成され、間隔をあけて並設された複数の捕捉部と、前記複数の捕捉部のうち隣接する捕捉部間に形成された空気出入口とを含み、
    前記第一パーツおよび前記第二パーツは、夫々の前記複数の捕捉部のプレート面が互いに向き合う向きで、一方のパーツの前記空気出入口が他方のパーツの前記複数の捕捉部の何れかに向き合う配置で組み合わされ、
    前記複数のフィルタ装置は、一のフィルタ装置の前記第一パーツまたは前記第二パーツの前記プレート面が、他のフィルタ装置の前記第一パーツまたは前記第二パーツの前記プレート面と向き合うように隣接し、
    前記複数のフィルタ装置は、前記一のフィルタ装置の前記複数の捕捉部の並設方向と、前記他のフィルタ装置の前記複数の捕捉部の並設方向とが交差するように配置され、
    前記一のフィルタ装置の前記空気出入口と前記他のフィルタ装置の前記空気出入口とは、前記複数のフィルタ装置の隣接方向において互いに向き合うことを特徴とする空中浮遊物の捕捉装置。
  2. 前記一のフィルタ装置の前記空気出入口と前記他のフィルタ装置の前記空気出入口との間に形成される領域は、被処理空気が前記一のフィルタ装置の前記空気出入口と前記他のフィルタ装置の前記空気出入口との間を最短経路で移動する流動低減化領域とされることを特徴とする請求項1に記載の空中浮遊物の捕捉装置。
  3. 前記第一パーツおよび前記第二パーツの各々は、前記複数の捕捉部の前記並設方向における夫々の両端部から、他方のパーツに向けて突出するプレート状の突出部を更に備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の空中浮遊物の捕捉装置。
  4. 前記複数のフィルタ装置の各々は、前記複数の捕捉部の前記並設方向および前記第一パーツと前記第二パーツとが向き合う方向に直交する方向にみた断面の形状が、間隔をあけて噛み合った状態で互いに平行に向き合う2列のコの字状であることを特徴とする請求項3に記載の空中浮遊物の捕捉装置。
  5. 前記断面において、隣接する前記突出部間の距離がすべて等しいことを特徴とする請求項4に記載の空中浮遊物の捕捉装置。
  6. 前記第一パーツおよび前記第二パーツの各々は、前記複数の捕捉部から突出する前記突出部の夫々の突出端を、隣接する別の捕捉部から突出する前記突出部の突出端とつなぐプレート状の連結部を更に備え、
    前記連結部は、前記空気出入口としての孔を有することを特徴とする請求項3に記載の空中浮遊物の捕捉装置。
  7. 前記複数のフィルタ装置の各々は、前記複数の捕捉部の前記並設方向および前記第一パーツと前記第二パーツとが向き合う方向に直交する方向にみた断面において、隣接する前記突出部間の距離、および、前記連結部と前記連結部に向きあう他方のパーツの捕捉部との間の距離がすべて等しいことを特徴とする請求項6に記載の空中浮遊物の捕捉装置。
  8. 前記複数のフィルタ装置の各々において、前記第一パーツと前記第二パーツとは互いに分離可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1つに記載の空中浮遊物の捕捉装置。
  9. 前記複数のフィルタ装置は、夫々、紙で形成されていることを特徴とする請求項1〜8の何れか1つに記載の空中浮遊物の捕捉装置。
  10. 請求項1〜9の何れか1つに記載の捕捉装置を備えた空中浮遊物の分離装置であって、
    吸気口および排気口を有する筐体と、
    前記筐体内において前記吸気口から前記排気口へ至る空気流を形成する空気流形成手段とを備え、
    前記捕捉装置は、前記筐体内の前記空気流の経路上において前記空気流形成手段よりも上流側に配置されていることを特徴とする空中浮遊物の分離装置。
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