以下、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例に挙げて図面に基づき説明する。なお、説明の便宜上、パチンコ遊技機に対して遊技者側を「前」または「表」と称し、パチンコ遊技機を挟んで遊技者とは反対側を「後」または「裏」と称す。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、矩形状の機枠(外枠)2の一側(図1中、左側)に前面枠(内枠)3を開閉可能な状態で軸着し、該前面枠3内には、発射装置(図示せず)により発射された遊技球が流下可能な遊技領域5が表面に区画形成された矩形状の遊技盤6(図2参照)を収納可能としている。また、前面枠3の表面のうち機枠2への軸着側(図1中、左側)には透明部材保持枠8を開閉可能に設け、該透明部材保持枠8に透視可能な透明部材9を保持し、透明部材9を通して遊技領域5をパチンコ遊技機1の前方から透視できるように構成している。さらに、透明部材保持枠8の上部の左右両側には、効果音を発する上スピーカ11を備え、透明部材保持枠8の下部には上皿ユニット13を備え、透明部材保持枠8の下方には下皿ユニット14を配置している。そして、透明部材保持枠8の一側縁(図1中、右側縁)には、パチンコ遊技機1の機種名やメーカー名を表記する等して装飾を施した保持枠突出部8aを前方へ突設し、隣の席から当該パチンコ遊技機1の遊技進行が覗き見られることを保持枠突出部8aにより抑制するように構成されている。また、下皿ユニット14の一側方(図1中、右側方)には、発射装置を操作するための発射操作ユニット(発射操作ハンドル)15を備え、下皿ユニット14の左右両側方には、効果音を発する下スピーカ16を備え、上皿ユニット13の前側には、遊技中に遊技者が操作するための遊技演出ボタン17を備えている。
遊技盤6は、図2および図3に示すように、遊技板21の表面に複数のサイドケース22を枠状に連結した状態で止着して遊技領域5を区画形成した遊技ベースユニット23を基部とし、該遊技領域5の側方(図2中、左側方)には、遊技球を発射装置から遊技領域5へ案内する縦長円弧状の発射球案内路24を備え、遊技領域5の中央部分には、遊技領域5を流下する遊技球を内部へ導入可能な変動入賞装置(大入賞口)25を配設し、該変動入賞装置25の一側部(図2中、右側部)の後方には、パチンコ遊技機1における特別遊技状態(賞特典)の発生の態様を決定するための特別遊技発生振分装置(振分装置)30と、特別遊技状態の発生を発光装飾により報知する特別遊技発生報知装置(特別遊技報知手段)31とを配設し、変動入賞装置25を通して遊技者側へ臨ませている。また、変動入賞装置25の側方(図2中、左側方)には一般入賞口36を配設し、変動入賞装置25の下方には複数の始動入賞口(第1始動入賞口37、第2始動入賞口38)を横に並んだ状態で遊技領域5の下端寄りに配置している。具体的には、変動入賞装置25の左右方向の中央部分の直下に第2始動入賞口(中始動口)38を配置し、該第2始動入賞口38の左右両側方に第1始動入賞口37(左始動口37L、右始動口37R)をそれぞれ配置している。そして、第2始動入賞口38の下方に位置する遊技領域5の下部(詳しくは下端)には、入賞せずに流下してきた遊技球を遊技領域5の外方へ排出するアウト口39を開設し、遊技領域5のうち変動入賞装置25や各入賞口36,37,38から外れた箇所には風車(図示せず)や複数の障害釘41を植設している。さらに、サイドケース22の一側の下部(図2中、右下部)には、遊技状態等を表示可能な一括表示装置43を備えている。なお、図2において、遊技領域5のうち一般入賞口36を挟んで変動入賞装置25とは反対側(図2中、左側)には何も配置されていないが、この箇所に遊技球の流下方向を変化させるための部材(例えば、風車、障害釘、球振分部材)や、発光装飾を行う発光装置を配置してもよい。
また、遊技ベースユニット23の裏面側には制御ユニット45を配置し、該制御ユニット45の基部となる大型箱状の制御ケース47を左側ケース構成部47Lと右側ケース構成部47Rとに分割可能とし(図4参照)、制御ユニット45の裏側には、遊技を統括的に制御する遊技制御装置51と、遊技における演出動作を制御する演出制御装置52とを装着している。そして、制御ユニット45(制御ケース47)の下部の前側には入賞球流路53を備えて変動入賞装置25や各入賞口36,37,38の後部へ接続され、遊技領域5を流下して入賞した遊技球(入賞球)を当該入賞球流路53へ回収可能としている。そして、両ケース構成部47L,47Rの間にはケース中央空間部47Cを開設して変動入賞装置25の後部を配置可能とし、右側ケース構成部47R内の下側には特別遊技発生振分装置30を装着し、上側には特別遊技発生報知装置31を装着している(図5参照)。このような構成の制御ユニット45においては、制御ケース47を左右に分割可能としたので、制御ケース47が大型化したとしても分割することにより取扱い易くなり、遊技盤1の組立作業やメンテナンス作業(例えば、特別遊技発生振分装置30の部品交換のための分解作業)を効率よく行い易い。
なお、右側ケース構成部47R内に収納される特別遊技発生報知装置31は、複数のレンズ部を放射状に配置した報知発光装飾部55を当該特別遊技発生報知装置31の上部に備え、報知発光装飾部55の下方には、7セグ表示器で構成された情報表示器56を備え、遊技の進行に伴って識別情報(数字、文字、記号など)を情報表示器56に表示したり、報知発光装飾部55にて発光装飾演出を行ったりするように構成されている。また、特別遊技発生振分装置30については、後で詳細に説明する。
変動入賞装置(大入賞口)25は、遊技板21に開設された変動入賞取付開口21aへ取り付けられる装置であり、図6に示すように、当該変動入賞装置25の前側に位置する枠状のケースユニット60と、該ケースユニット60の後部に装着される球誘導機構61と、該球誘導機構61の後部に装着される中継基板ユニット62とを備えている。そして、遊技領域5の上部から流下してくる遊技球をケースユニット60の上部から当該変動入賞装置25内へ導入(入賞)可能とし、さらには、導入された遊技球を球誘導機構61内へ受け入れるように構成されている。
ケースユニット60は、図2および図6に示すように、遊技板21の表面に止着される枠状のケース基部64を備え、該ケース基部64の上部のうち左右方向の中央部分には、遊技球の変動入賞装置25内への受け入れを許容する球通過開口部65を発射球案内路24の出口側へ向かって開放した状態で開設している。さらに、ケース基部64の周縁部のうち球通過開口部65から外れた箇所には球侵入阻止突部67を前方へ突設し、遊技球が球通過開口部65を通らずに変動入賞装置25内に侵入することを球侵入阻止突部67により阻止している。そして、図2および図7に示すように、球侵入阻止突部67のうち球通過開口部65を挟んで発射球案内路24とは反対側(図2中、右側)に位置する部分をサイドケース22から離間した状態で配置し、サイドケース22と球侵入阻止突部67との間に第1球流下路68を形成している。また、第1球流下路68の上流開口68aを発射球案内路24の出口側へ向けて開放する一方、第1球流下路68の下流開口68bを遊技領域5の下側へ向けて開放して、第1球流下路68を通過した遊技球がアウト口39へ向けて流下するように構成されている。
さらに、図6に示すように、ケース基部64のうち球通過開口部65の下方には、球誘導機構61、特別遊技発生振分装置30、情報表示器56を遊技者側へ臨ませるケース開口窓70を開設し、該ケース開口窓70のうち第1球流下路68側(図7中、右側)の縁には、前方へ突出した球誘導突部71を球侵入阻止突部67から離間した状態で備え、球誘導突部71と球侵入阻止突部67との間には、第1球流下路68に沿って延在する第2球流下路72を形成している。そして、第2球流下路72の上流開口72aを球通過開口部65へ連通空間部75を介して連通する一方、下流開口72bを右始動口37Rの上方に開設して、球通過開口部65に進入した遊技球が第2球流下路72へ流入すると、該第2球流下路72内を流下して右始動口37Rの上方に到達するように構成されている。
また、球通過開口部65と第2球流下路72とを連通する連通空間部75の後部を、透光部材で構成されたケース装飾パネル76で閉成し、該ケース装飾パネル76を通して報知発光装飾部55における発光を遊技者側から視認可能としている。なお、ケース装飾パネル76の前面には、遊技球が衝接可能な球流下変化部材77を連通空間部75内に突設し(図6参照)、連通空間部75を通過する遊技球が球流下変化部材77の表面(球衝接面)77aに衝接して流下方向(移動方向)を変え得るように構成されている。
そして、球通過開口部65の下方には、遊技球を球誘導機構61へ導入する球導入部80を備えている。球導入部80は、当該球導入部80の上部に鎧部81を前方へ向けて突設し、該鎧部81から下方へ離間した箇所には棚部82を前方へ向けて突設し、鎧部81と棚部82との間に形成された空間部の左右両側縁を遊技球が進入可能な大入賞口83にそれぞれ設定し、一方の大入賞口(図2中、左側の大入賞口)83を変動入賞装置25の側方に臨ませ、他方の大入賞口(図2中、右側の大入賞口)83を変動入賞装置25内の連通空間部75に臨ませている。また、各大入賞口83には、縦向き羽根状の可動部材87をその上端部が鎧部81の側方へ向けて開閉(回動)可能となる状態でそれぞれ軸着し、中継基板ユニット62の前方に配置された大入賞口ソレノイド88に可動部材87の回動中心軸87aの後端部を係合している(図6参照)。そして、大入賞口ソレノイド88を消磁して可動部材87を閉じた状態(常態)では、大入賞口83が閉成されて遊技球の球導入部80内への進入を阻止し(図7参照)、大入賞口ソレノイド88を励磁して可動部材87を開くと、大入賞口83が開放されて遊技球が球導入部80内へ進入することを許容するように構成されている。
さらに、棚部82の左右両側には、遊技球を棚部82の後方へ誘導する球導入路89をそれぞれ備え(図6参照)、各球導入路89を通過する遊技球を大入賞口スイッチ90(左大入賞口スイッチ90L、右大入賞口スイッチ90R)により検出可能としている。また、球導入部80のうち球導入路89よりも下流側には、球導入路89から流下してきた遊技球をケース開口窓70のうち発射球案内路24側の縁に沿って案内する球案内通路92を備え、該球案内通路92の下流開口を球誘導機構61に接続している。
なお、図8に示すように、ケース基部64のうち大入賞口83の後方に位置する箇所の近傍に位置する箇所には磁気センサ94を装着し、大入賞口83の前方から磁石を近づける不正行為(ひいては、大入賞口83の近傍に遊技球を磁力によって停留させようとする不正行為)を磁気センサ94により検出できるように構成されている。また、図6および図9に示すように、大入賞口ソレノイド88を横長な金属製の放熱プレート95に装着し、放熱プレート95のうち大入賞口ソレノイド88の近傍には放熱フィン96を立設して、大入賞口ソレノイド88への通電が長期に亘って行われることにより大入賞口ソレノイド88から大量の熱が生じたとしても、放熱を効率よく行うことができるように構成されている。
次に、球誘導機構61について説明する。
球誘導機構61は、図6,図10,図11,図12に示すように、球案内通路92から流下してきた遊技球を左右方向に転動させる第1転動棚101と、該第1転動棚101上から遊技球を上方へ揚送する球揚送ユニット102と、該球揚送ユニット102により揚送された遊技球を入賞可能とする特定入賞ユニット103と、第1転動棚101の下方に配置されて遊技球を左右方向に転動させる第2転動棚104と、該第2転動棚104から落下した遊技球を球誘導機構61の前側へ誘導する誘導ユニット105と、を備えて構成されている。なお、球揚送ユニット102の左右両側方には、人の形を模した誘導装飾部材106をそれぞれ配置している。
第1転動棚101は、左右両側部から中央部へ向けて上り傾斜する円弧状の棚であり、当該第1転動棚101の前縁部には第1棚落下阻止突起110を突設して遊技球の前方への落下を阻止し、当該第1転動棚101の後縁部と球揚送ユニット102との間を遊技球が通過不能な離間距離に設定している。さらに、当該第1転動棚101の側方(図12中、左側方)には、球案内通路92の下流開口に連通する球受部111を備え、該球受部111を介して遊技球が球案内通路92から第1転動棚101へ移動するように構成されている。また、第1転動棚101の左右両側部の前方には縦向きの球落下通路112をそれぞれ備えて第2転動棚104の左右両側部へ連通し、第1転動棚101の側部で移動勢が減衰した遊技球を球落下通路112へ通して第2転動棚104へ落下させるように構成されている。
球揚送ユニット102は、図12および図13に示すように、左右方向に延在する揚送回転軸115aを中心にして回転する横向き円筒状の球揚送部材(可動部)115と、該球揚送部材115の左右両側方にそれぞれ配置され、球揚送部材115を回動可能な状態で軸支する揚送支持部116と、一側(図13(a)中、左側)の揚送支持部116に配置され、揚送駆動モータ117の駆動力を揚送ギア118(図12参照)を介して伝達して球揚送部材115を回転させる揚送駆動機構119とを備えて構成されている。また、球揚送部材115の表面部のうち第1転動棚101の左右方向の中央部の後方に位置し得る箇所には、遊技球が1個だけ吸着可能な円形状の永久磁石(球吸着部)120を備えている。そして、球揚送部材115の表面の前側部分が上昇するように球揚送部材115を揚送駆動機構119により常時回転し、遊技球が第1転動棚101の左右方向の中央部に到達したタイミングで永久磁石120がこの遊技球の後方に移動(上昇)してくると、この遊技球が永久磁石120に吸着されて球揚送部材115により揚送されるように構成されている。
特定入賞ユニット103は、図12に示すように、球揚送ユニット102の後方に配置される特定入賞駆動機構123と、該特定入賞駆動機構123の上方に配置される特定入賞振分機構124とを備えて構成されており、特定入賞振分機構124の一部を特定入賞駆動機構123により動作させて、球揚送ユニット102が揚送してきた遊技球を特定入賞振分機構124内に入賞させたり、あるいは特定入賞振分機構124内への入賞を阻止して第1転動棚101へ落下させたりするように構成されている。
具体的に説明すると、図14から図16に示すように、特定入賞振分機構124には、前後方向に延在する特定入賞導入路127を備え、該特定入賞導入路127の下流となる後端部を下方へ開放して誘導機構内特定領域(特定領域)128を設定し、該誘導機構内特定領域128を通過した遊技球(誘導機構内特定領域128に入賞した遊技球)を誘導特定領域スイッチ129により検出可能としている。また、特定入賞導入路127の上流開口を下流よりも左右方向に拡幅し、該上流開口の前方には、球揚送部材115の上方から特定入賞導入路127側(後側)へ延在する特定入賞案内樋131を左右方向へ移動可能な状態で備え、該特定入賞案内樋131の下流開口を特定入賞導入路127の上流開口に連通し、特定入賞案内樋131の上流開口の左右両側には、球揚送部材115の上面に沿って湾曲した曲板状の球案内阻止部材132をそれぞれ備え、球案内阻止部材132同士の間隔を遊技球が通過可能な離間距離に設定している。さらに、特定入賞案内樋131の下部から案内樋駆動係合部133を延設し、該案内樋駆動係合部133には、前後方向に延在する案内樋駆動係合溝134を開設している。
また、特定入賞駆動機構123の内部には、図14に示すように、特定入賞駆動モータ136の出力軸と共回りする特定入賞駆動ギア137と、該特定入賞駆動ギア137に噛合する特定入賞回動ギア138とを備え、特定入賞駆動機構123の上部には、案内樋駆動突起139が回転中心から外れた位置に突設された特定入賞回転ベース140を配置し、特定入賞駆動機構123の下部には、誘導ユニット105に噛合される誘導駆動ギア141を配置し、特定入賞回動ギア138と特定入賞回転ベース140と誘導駆動ギア141とを共回り状態で連結している。そして、特定入賞回転ベース140の案内樋駆動突起139を案内樋駆動係合溝134へ係合し、特定入賞駆動モータ136の駆動力により案内樋駆動突起139を回動して案内樋駆動係合部133を左右方向へ押圧し、この押圧力により特定入賞案内樋131と球案内阻止部材132とを一体で左右方向へ往復移動するように構成されている(図15および図16参照)。
なお、図14に示すように、特定入賞回動ギア138のうち回転中心から外れた位置には案内樋位置検出片144を突設し、該案内樋位置検出片144を案内樋位置検出スイッチ145により検出することにより遊技制御装置51が特定入賞案内樋131の移動状態(詳しくは、特定入賞案内樋131が特定入賞導入路127の上流開口の左側に位置する状態(図16参照))を把握できるように構成されている。また、特定入賞ユニット103の後部には、誘導機構内特定領域128を通過した遊技球を流下させる特定入賞球流下路146を備え、該特定入賞球流下路146の下流部と入賞球流路53との間を特定入賞ユニット103の下部に備えられた特定入賞球排出樋147(図12参照)により連通し、遊技球が誘導機構内特定領域128を通過すると、特定入賞球流下路146および特定入賞球排出樋147を通って球誘導機構61の外方へ排出されて入賞球流路53に回収されるように構成されている。
このような構成の特定入賞ユニット103においては、特定入賞駆動モータ136を常時駆動することにより、特定入賞案内樋131と球案内阻止部材132とを左右方向へ往復移動している。そして、永久磁石120に吸着された遊技球が揚送されて球揚送部材115の上部に到達した時点で、往復移動中の特定入賞案内樋131が遊技球の直ぐ後ろに位置している場合には、この遊技球を両球案内阻止部材132の間へ通し、特定入賞案内樋131の縁部により永久磁石120から離して特定入賞案内樋131内へ進入させる。一方、往復移動中の特定入賞案内樋131が遊技球の直ぐ後ろから左右方向にずれて位置している場合には、遊技球を球案内阻止部材132の前縁部に当接して特定入賞案内樋131への到達を阻止する。さらに、球揚送部材115が回転し続けることにより、球案内阻止部材132に当接中の遊技球を永久磁石120から離して吸着状態を解除し、球揚送部材115の表面に沿って自由落下させて第1転動棚101上に戻す。
第2転動棚104は、図12に示すように、左右両側から中央部へ向けて下り傾斜した略円弧状の曲面を後方へ向けて僅かに下り傾斜した状態で形成されており、当該第2転動棚104の前縁部には第2棚落下阻止突起150を突設し、遊技球の後方への落下を許容する一方、前方への落下を第2棚落下阻止突起150により阻止するように構成されている。また、第2転動棚104の中央部を上方へ向けて緩やかに隆起し、該隆起部には、遊技球を後方へ案内可能な第2棚案内溝151を形成している。
誘導ユニット105は、図17および図18(b)に示すように、前後方向に延在するユニットベース155の前側の上面に、第2転動棚104から落下した遊技球を受ける球転動面156を前方へ下り傾斜した姿勢で形成し、該球転動面156の後端部には球侵入阻止壁157を立設して遊技球が球転動面156よりも後方に侵入することを阻止し、さらに、球侵入阻止壁157と第2転動棚104との間を遊技球が通過可能な離間距離に設定して、遊技球が球侵入阻止壁157と第2転動棚104との間を通って球転動面156上へ落下するように構成されている。また、球侵入阻止壁157の前面のうち左右方向の中央部には、縦向き樋状の球流下誘導部材158を下端が左右方向に揺動可能な状態で軸着し、球流下誘導部材158の前面には、前方が開放された縦向き溝状の球流下誘導路159を形成している。さらに、図19(a)および図20(a)に示すように、球流下誘導部材158の軸着部(揺動中心軸)を第2棚案内溝151の後方に配置し、球流下誘導部材158の揺動姿勢に拘らず球流下誘導路159の入口(上流部)が常時第2棚案内溝151の後方に位置して、第2棚案内溝151に案内された遊技球を球流下誘導路159内に受け入れるように構成されている。
なお、ユニットベース155のうち球侵入阻止壁157の後方には、球流下誘導部材158の揺動中心軸と誘導駆動ギア141とを接続する球流下誘導駆動機構部161(揺動中心軸と共回りする揺動リンク部材162、揺動リンク部材162に係合する揺動アーム163、揺動アーム163を回動させるアーム駆動ギア164、アーム駆動ギア164および誘導駆動ギア141に噛合する揺動伝達ギア165により構成された球流下誘導駆動機構部161)を備え、特定入賞駆動モータ136の駆動力を誘導駆動ギア141および球流下誘導駆動機構部161により球流下誘導部材158へ伝達して球流下誘導部材158を揺動可能としている(図19(b)および図20(b)参照)。
また、図17および図18(a)に示すように、ユニットベース155の下方には、球転動面156の左右両側方から球衝接部材168を球転動面156上へ出没させる球衝接機構部169を備えている。詳しくは、球衝接機構部169の基部となる横向き箱状の衝接機構ベース170を備え、該衝接機構ベース170の左右両側部には、前後方向に延在する衝接支持アーム171の後端部を回動可能な状態で軸着し、衝接支持アーム171の前端部を左右方向へ移動可能としている。また、衝接支持アーム171の前端部には球衝接部材168を立設し、衝接支持アーム171の中間部分には、衝接機構ベース170内に収納された衝接駆動ソレノイド172のプランジャを接続している。このような構成の球衝接機構部169において、衝接駆動ソレノイド172を消磁した常態では、衝接支持アーム171が衝接機構ベース170の側部に近づいて球衝接部材168を球転動面156の左右両側部の上方に配置し、遊技球が球転動面156上で球衝接部材168に衝接して転動方向を変化させ易くなるように構成されている(図21参照)。そして、衝接駆動ソレノイド172を励磁して衝接支持アーム171を衝接機構ベース170の側方へ向けて回動すると、球衝接部材168が球転動面156の上方から側方へ外れ、遊技球が球転動面156上で球衝接部材168に衝接不能となって転動方向を変化させ難い状態に変換する(図22参照)。
さらに、球転動面156の前縁部(傾斜下端部)には、上下方向に貫通する複数(本実施形態では3つ)の球通過口175を横並び状態で開設し、球転動面156上の遊技球をいずれかの球通過口175へ落下させて球誘導機構61の外方へ誘導し、入賞球流路53へ回収したり特別遊技発生振分装置30へ誘導したりするように構成されている。具体的に説明すると、球転動面156の前縁部の左右両側には、ハズレ口となる左側球通過口175Lおよび右側球通過口175Rをそれぞれ開設し、左側球通過口175Lおよび右側球通過口175R内には、遊技球を後方へ誘導する球誘導突起176をそれぞれ突設している。そして、左側球通過口175Lおよび右側球通過口175Rの下方には、球誘導突起176に誘導された遊技球を受け入れる横長な通過球回収樋177を左側球通過口175Lおよび右側球通過口175Rから後方へずらした位置に備えている。さらに、該通過球回収樋177内の底部を側方(図17中、左側方)へ下り傾斜させ、底部の傾斜下端側には、通過球回収樋177内から遊技球を入賞球流路53へ排出する排出口(図示せず)と、該排出口を通過する遊技球を検出する排出球検出スイッチ(左残存球排出口スイッチ)178とを備えている。
また、球転動面156の前縁部のうち左側球通過口175Lと右側球通過口175Rとの間には、当り口となる中央球通過口175Cを開設し、該中央球通過口175Cの下方には、当該中央球通過口175Cを通過した遊技球を検出する中央球通過検出スイッチ(V演出スイッチ)180を備えている。さらに、中央球通過検出スイッチ180の下方には、中央球通過口175Cを通過した遊技球を特別遊技発生振分装置30へ案内する振分案内流路181を後方へ屈曲した状態で備えている。
次に、特別遊技発生振分装置30について説明する。
特別遊技発生振分装置30は、球誘導機構61の中央球通過口(当り口)175Cを通って流下してきた遊技球を振り分けて複数の特定領域のいずれかへ通過(入賞)させて、複数の特別遊技状態の中から一の特別遊技状態(詳しくは、入賞した特定領域に対応して設定された態様の特別遊技状態)の発生を決定可能な装置である。そして、図23に示すように、球誘導機構61から下部に受け入れた遊技球を上部まで搬送(揚送)する球搬送ユニット184と、該球搬送ユニット184により搬送された遊技球を内部に受け入れて振り分ける球振分ユニット185と、該球振分ユニット185の前方を装飾する振分ユニット装飾パネル186と、球振分ユニット185の上部の後側を被覆する振分ユニットカバー187とを備えて構成されている。
球搬送ユニット184は、図24に示すように、振分案内流路181の下流開口に連通する球受入機構190と、該球受入機構190の後部に接続される縦長な球搬送機構191とを備えて構成されている。球受入機構190は、図25に示すように、振分案内流路181の下流開口と球搬送機構191とを連通する球受入樋193を備え、該球受入樋193の上流側の内側底部には、遊技球を球受入樋193の下方へ流下させる受入流下開口194を開設し、該受入流下開口194を受入樋シャッター(振分進入規制部材)195により開閉可能としている。また、球受入樋193の下方には球流下樋196を球受入樋193に沿って延設し、球流下樋196の上流部の上方に受入流下開口194を臨ませて、受入樋シャッター195を開くと球受入樋193の上流部と球流下樋196の上流部とが受入流下開口194を介して連通するように構成されている。
さらに、球流下樋196の下流部には、遊技球を球受入機構190の下方へ放出する球放出樋197を接続し、該球放出樋197と球流下樋196との間には、放出される遊技球を検出可能な放出球排出スイッチ(右残存球排出口スイッチ)198を備えている。また、球放出樋197の側方(図24中、左側方)には、受入樋シャッター195を開閉可能なシャッター開閉ソレノイド199を備え、該シャッター開閉ソレノイド199のプランジャと受入樋シャッター195とをシャッター駆動アーム200により係合している。そして、シャッター開閉ソレノイド199を消磁した常態では、受入樋シャッター195が受入流下開口194を開放して、振分案内流路181から球受入機構190へ受け入れた遊技球を受入流下開口194、球流下樋196、球放出樋197へ通して球搬送ユニット184の下方へ排出するように構成されている(図26(a)参照)。また、シャッター開閉ソレノイド199を励磁すると、受入樋シャッター195が受入流下開口194を閉成し、振分案内流路181から球受入機構190へ受け入れた遊技球を球受入樋193へ流下させて球搬送機構191へ送るように構成されている(図26(b)参照)。
球搬送機構191は、図24および図27に示すように、搬送機構ベース205上に縦長な円筒状の搬送ケース206を立設し、該搬送ケース206の下部には球搬送入口206aを開設して球受入樋193の下流端を接続し、搬送ケース206の上部には球搬送出口206bを開設して球振分ユニット185へ接続している。また、搬送ケース206の内部には、縦長な搬送回転軸207aの外周に螺旋フィン状の搬送押圧部207bが突設された球搬送部材207を回動可能な状態で収容している。そして、遊技球を球搬送入口206aから搬送ケース206内に受け入れて搬送ケース206の内周部へ係合し、この状態で球搬送部材207を回転させることにより遊技球を搬送押圧部207bで押圧して上方へ送り、球搬送出口206bから送り出すように構成されている。なお、球搬送部材207の下部には、球振分ユニット185に噛合する搬送回転ギア208を搬送回転軸207aおよび搬送押圧部207bと共回り状態で備え、球振分ユニット185からの駆動力を搬送回転ギア208で受けて球搬送部材207を回転するように構成されている。
球振分ユニット185は、図28,図29(a)図30に示すように、上側ユニットケース211と下側ユニットケース212とを上下に重ねて当該球振分ユニット185の基部とし、上側ユニットケース211の中央部に備えられた縦向き円管状の回転体収納部213には、円筒状の振分回転体(回転体)216を振分回転軸216aが縦向きに延在する状態で配置し、振分回転軸216aの上端部を回転体収納部213の上部に備えられた振分回転軸受部217へ軸着して、回転体収納部213内で振分回転体216を回転可能としている。さらに、上側ユニットケース211のうち振分回転体216の前方には、球搬送出口206bから送り出された遊技球を振分回転体216まで到達させる球転動通路218を備え、回転体収納部213の上部を切り欠いて形成された球振分導入口213a(図28参照)を介して、球転動通路218の下流部を振分回転体216の外周面の上部に臨ませている。なお、振分回転体216については、後で詳細に説明する。
また、下側ユニットケース212の下部には振分駆動モータ220を備えて出力軸220aを下側ユニットケース212の上部へ突出し、該出力軸220aと振分回転体216の振分回転軸216aとを軸継手222により共回り状態で接続して、振分回転体216が振分駆動モータ220の駆動力により回転するように構成されている。なお、軸継手222のうち振分回転体216の振分回転軸216aの下端に接続される上側継手構成部223(図30参照)には、振分回転軸216aの外周方向に沿って湾曲する反円弧状の上側継手係合突起223aを当該上側継手構成部223の下端から下方の振分駆動モータ220側へ向けて突設している。また、振分駆動モータ220の出力軸220aに接続される下側継手構成部224には、上側継手構成部223を嵌合する嵌合凹部224aを当該下側継手構成部224の上部に形成し、該嵌合凹部224a内には、上側継手係合突起223aと同じ湾曲状態に設定された半円弧状の下側継手係合突起224bを突設している(図31(b)参照)。そして、嵌合凹部224a内に上側継手構成部223を嵌合すると、上側継手係合突起223aと下側継手係合突起224bが同一円上に配置されて係合し、上側継手構成部223と下側継手構成部224との位相がずれることを阻止する(図31(a)参照)。このような軸継手222を用いれば、上側継手構成部223を下側継手構成部224へ嵌合するだけで振分回転体216の振分回転軸216aと振分駆動モータ220の出力軸220aとを共回り状態で接続することができ、球振分ユニット185の組立作業における効率の向上を図ることができる。
さらに、図28,図32,図33に示すように、軸継手222の外周部(詳しくは下側継手構成部224の外周部)には駆動ギア部227を備え、該駆動ギア部227と球搬送機構191の搬送回転ギア208とを回転伝達機構部230(駆動ギア部227に噛合する第1振分伝達ギア231、該第1振分伝達ギア231に噛合する第2振分伝達ギア232、該第2振分伝達ギア232と共回り状態で搬送回転ギア208に噛合する第3振分伝達ギア233)を介して接続し、振分駆動モータ220の駆動力により球搬送部材207を回転して遊技球を球搬送機構191内で搬送(揚送)するように構成されている。また、第1振分伝達ギア231には、第2振分伝達ギア232とは別個に回転位置検出ギア234を噛合し、該回転位置検出ギア234のうち回転中心から外れた位置には回転位置検出片235を突設し、該回転位置検出片235を回転位置検出スイッチ236により検出することにより遊技制御装置51が振分回転体216の回転位置(姿勢)を把握できるように構成されている。
そして、球振分ユニット185のうち振分回転体216の外方には、遊技球が入賞(流入)可能な複数(本実施形態では3つ)の特定領域を設定し、振分回転体216の外周面には、球転動通路218から受け入れた遊技球をいずれかの特定領域へ誘導する球特定誘導部(球誘導部)を備えている。具体的に説明すると、図23,図28,図29(a)に示すように、上側ユニットケース211のうち回転体収納部213の側面(図28中、右側面)には、互いに上下方向にずれた3つの球特定誘導樋(第1球特定誘導樋241,第2球特定誘導樋242、第3球特定誘導樋243)を側方(図28中、右側方)へ向けて延設し、上から第1球特定誘導樋241、第2球特定誘導樋242、第3球特定誘導樋243の順に低く位置するように設定している。さらに、図23に示すように、第1球特定誘導樋241の上流部を回転体収納部213の上部に開設された第1球特定誘導口213fへ連通して振分回転体216の側面の上部に臨ませ、第2球特定誘導樋242の上流部を回転体収納部213の上下方向の中間部に開設された第2球特定誘導口213sへ連通して振分回転体216の側面のうち上下方向の中間部に臨ませ、第3球特定誘導樋243の上流部を回転体収納部213の下部に開設された第3球特定誘導口213tへ連通して振分回転体216の側面の下部に臨ませている。また、第1球特定誘導樋241と第3球特定誘導樋243とを上側ユニットケース211の前側に揃えて配置し、第2球特定誘導樋242を第1球特定誘導樋241および第3球特定誘導樋243よりも上側ユニットケース211の後側に配置している。
さらに、各球特定誘導樋241,242,243には特定領域をそれぞれ設け、各球特定誘導樋241,242,243の下方には、特定領域毎に対応する特定領域スイッチ(球通過検出部,遊技球が流入可能な流入領域)をそれぞれ備えている。詳しくは、第1球特定誘導樋241の下流部を下方へ開放して第1特定領域(特定領域)251を開設し、該第1特定領域251の下方には第1特定領域スイッチ(第1球通過検出部)252を臨ませ、遊技球の第1特定領域251への進入(入賞)を第1特定領域スイッチ252により検出可能としている。また、第2球特定誘導樋242の下流部を下方へ開放して第2特定領域(特定領域)253を開設し、該第2特定領域253の下方には第2特定領域スイッチ(第2球通過検出部)254を臨ませ、遊技球の第2特定領域253への進入(入賞)を第2特定領域スイッチ254により検出可能としている。さらに、第3球特定誘導樋243の下流部を下方へ開放して第3特定領域(特定領域)255を開設し、該第3特定領域255の下方には第3特定領域スイッチ(第3球通過検出部)256を臨ませ、遊技球の第3特定領域255への進入(入賞)を第3特定領域スイッチ256により検出可能としている。そして、図34に示すように、各特定領域スイッチ252,254,256(詳しくは、各特定領域スイッチ252,254,256の球通過開口)を互いに上下にずらし、尚且つ、振分回転体216の振分回転軸216aを中心にして互いに位相をずらした状態で配置している。
また、図32(a)および図33に示すように、下側ユニットケース212のうち各特定領域スイッチ252,254,256の下方に位置する箇所には、各特定領域スイッチ252,254,256を通過した遊技球が落下する球落下回収棚258を球落下口259へ向けて下り傾斜した状態で備えている。そして、球落下口259を入賞球流路53へ連通し、球振分ユニット185内を流下した遊技球が球落下口259から球振分ユニット185の外方へ排出されて入賞球流路53へ回収されるように構成されている。なお、第1特定領域スイッチ252を通過した遊技球は、第2特定領域スイッチ254と第3特定領域スイッチ256との間を通って球落下回収棚258に到達するように構成されている。
振分回転体216は、図35に示すように、遊技球をいずれかの特定領域261,263,265へ誘導する円筒状の振分本体部261と、該振分本体部261の上部に形成された振分装飾部262とを振分回転軸216aが中心となって共回りする状態で備えて構成されている。また、振分本体部261の側面には、特定領域261,263,265毎に対応して複数の球特定誘導部(第1特定領域251に対応する第1球特定誘導部266,第2特定領域253に対応する第2球特定誘導部267,第2特定領域253に対応する第3球特定誘導部268)を振分回転軸216a側へ凹ませて形成し、各球特定誘導部266,267,268を振分回転軸216aが中心になって互いに位相をずらした状態であり、且つ振分回転体216の上方から見て第1球特定誘導部266、第2球特定誘導部267、第3球特定誘導部268の順に時計方向に沿って並ぶ状態で配置している。
なお、第1球特定誘導部266においては、遊技球が1個収納可能な上下寸法の凹みに設定し、振分本体部261の外方へ開放した開放口の全体が当該第1球特定誘導部266の球受入口266aおよび球送出口266bとなる。第2球特定誘導部267および第3球特定誘導部268においては、遊技球が上部から下部へ流下可能な縦向き溝状に設定しており、振分本体部261の外方へ開放した縦長な開放口の上部が当該各球特定誘導部267,268の球受入口267a,268aとなり、下部が球送出口267b,268bとなる。したがって、振分本体部261は、各球特定誘導部266,267,268の球受入口266a,267a,268aおよび球送出口266b,267b,268bを当該振分本体部261(振分回転体216)の外周方向に沿って配置している。
さらに、各球特定誘導部266,267,268の球受入口266a,267a,268aの上下方向の位置を揃えて球振分導入口213aよりも上方に設定し(図28参照)、第1球特定誘導部266の開放口(詳しくは、球受入口266aおよび球送出口266bとなる開放口)を第1球特定誘導口213fよりもわずかに上方へずらして配置し、第2球特定誘導部267の球送出口267bを第2球特定誘導口213sよりもわずかに上方へずらして配置し、第3球特定誘導部268の球送出口268bを第3球特定誘導口213tよりもわずかに上方へずらして配置している。また、各球特定誘導部266,267,268の球送出口266b,267b,268bの下側底部を振分回転軸216a側から振分本体部261の半径方向へ向けて下り傾斜させ、各球特定誘導部266,267,268の下側底部上に載った遊技球が振分本体部261の外方へ向けて転動するように構成されている(図35参照)。そして、図36に示すように、各球特定誘導部266,267,268のうち振分本体部261の外周方向に沿った開口幅(図36中、Wで示される幅)を等しく設定し、隣り合う球特定誘導部266,267,268同士(詳しくは、球特定誘導部266,267,268の球受入口266a,267a,268a同士)の間隔(図36中、A,B,Cで示される離間距離)を互いに異ならせている。
また、図35および図37に示すように、振分装飾部262のうち各球特定誘導部266,267,268の上方に位置する箇所には、球特定誘導部266,267,268毎の球受入口266a,267a,268aに対応する意匠部(第1意匠部271,第2意匠部272,第3意匠部273)をそれぞれ備えている。具体的には、第1球特定誘導部266の上方には第1意匠部271を備え、第2球特定誘導部267の上方には第2意匠部272を備え、第3球特定誘導部268の上方には第3意匠部273を備え、各意匠部271,272,273を振分回転軸216a側から振分本体部261の外周側へ向けて下り傾斜した扇状の傾斜面にそれぞれ設定している。さらに、互いに隣り合う意匠部271,272,273同士の間には、振分回転軸216a側および下方の振分本体部261側へ凹んで形成された窪み部(意匠接続部)275をそれぞれ配設し、該窪み部275内の振分本体部261側となる内底部には装飾用の穴部(視線基準部)276を形成し、該穴部276を基準にして遊技者が窪み部275に向けて視線を定められるように構成されている。また、互いに隣り合う意匠部271,272,273同士の間隔に応じて穴部276の態様(具体的には大きさ)をそれぞれ異ならせて設定するとともに、各窪み部275の大きさ(具体的には、各窪み部275のうち振分回転体216の外周方向に沿った横幅)を互いに異ならせ、窪み部275の大きさ(横幅寸法)と穴部276の大きさとの比率をいずれの窪み部275でも同じに設定して、窪み部275内での穴部276の見え方の印象が窪み部275の横幅の違いに拘らず同じに感じられるように構成されている。
このような構成を備えた球振分ユニット185においては、振分駆動モータ220を駆動して振分回転体216を常時回転しておき、各球特定誘導部266,267,268の球受入口266a,267a,268aを順番に球振分導入口213aへ臨ませる。そして、遊技球が球転動通路218を転動して球振分導入口213aに到達したときに、第1球特定誘導部266が球振分導入口213aに連通している場合には、遊技球が球転動通路218から球振分導入口213aを通って第1球特定誘導部266内に進入する。さらに、振分回転体216の回転により第1球特定誘導部266が球振分導入口213aから外れると、遊技球が回転体収納部213の内周面に当接して第1球特定誘導部266内に保持され、この状態で振分回転体216と共回りする。そして、第1球特定誘導部266と第1球特定誘導口213fとが連通すると、第1球特定誘導部266内の遊技球が第1球特定誘導口213fを通って第1球特定誘導樋241へ送出され、第1特定領域251を通過し(第1特定領域251へ入賞し)、第1特定領域スイッチ252により検出される。
また、遊技球が球振分導入口213aに到達したときに、第2球特定誘導部267の球受入口267aが球振分導入口213aに連通している場合には、遊技球が球転動通路218から球振分導入口213aを通って第2球特定誘導部267内に進入する。さらに、第2球特定誘導部267内を流下して球送出口267bに到達し、回転体収納部213の内周面に当接して第2球特定誘導部267内に保持され、この状態で振分回転体216と共回りする。そして、第2球特定誘導部267の球送出口267bと第2球特定誘導口213sとが連通すると、第2球特定誘導部267内の遊技球が第2球特定誘導口213sを通って第2球特定誘導樋242へ送出され、第2特定領域253を通過し(第2特定領域253へ入賞し)、第2特定領域スイッチ254により検出される。
そして、遊技球が球振分導入口213aに到達したときに、第3球特定誘導部268の球受入口268aが球振分導入口213aに連通している場合には、遊技球が球転動通路218から球振分導入口213aを通って第3球特定誘導部268内に進入する。さらに、第3球特定誘導部268内を流下して球送出口268bに到達し、回転体収納部213の内周面に当接して第3球特定誘導部268内に保持され、この状態で振分回転体216と共回りする。そして、第3球特定誘導部268の球送出口268bと第3球特定誘導口213tとが連通すると、第3球特定誘導部268内の遊技球が第3球特定誘導口213tを通って第3球特定誘導樋243へ送出され、第3特定領域255を通過し(第3特定領域255へ入賞し)、第3特定領域スイッチ256により検出される。
次に、パチンコ遊技機1の遊技進行等の制御を行う遊技制御装置51、および該遊技制御装置51を中心とする制御系統について説明する。
遊技制御装置51は、図38に示すように、遊技用マイコン281、入力部282、出力部283、RAM初期化スイッチ284等から構成されており、遊技用マイコン281には、遊技制御を司るCPU、遊技制御のためのプログラム等を記憶しているROM、および遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAMを備えている。そして、各種検出装置(一般入賞口36への入賞を検出する一般入賞口スイッチ290、大入賞口スイッチ90、第1始動入賞口37への入賞を検出する第1始動口スイッチ291(左始動口スイッチ291L,右始動口スイッチ291R)、第2始動入賞口38への入賞を検出する第2始動口スイッチ(中始動口スイッチ)292、モータスイッチ(案内樋位置検出スイッチ145,回転位置検出スイッチ236)、特定領域スイッチ(誘導特定領域スイッチ129,第1特定領域スイッチ252,第2特定領域スイッチ254,第3特定領域スイッチ256)、排出球検出スイッチ(左残存球排出口スイッチ)178、放出球排出スイッチ(右残存球排出口スイッチ)198、中央球通過検出スイッチ(V演出スイッチ)180、盤電波センサ294、磁気センサ94、振動センサ295、ガラス枠(透明部材保持枠)開放検出スイッチ296、本体枠(前面枠)開放検出スイッチ297、電源装置298等)からの検出信号を受けて、特別遊技状態(大当たり状態)、遊技者に対する報知、停電対応処理等、種々の処理を行う。さらに、演出制御装置52や払出制御装置299の他、大入賞口ソレノイド88、役物ソレノイド(衝接駆動ソレノイド172,シャッター開閉ソレノイド199)、役物モータ(揚送駆動モータ117,特定入賞駆動モータ136,振分駆動モータ220)、一括表示装置43、外部情報端子板300等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。また、試射試験時には、中継基板301を介して試射試験装置に接続される。
演出制御装置52は、図39に示すように、演出制御を司るCPU、演出制御のためのプログラムを格納したPROM、画像データ等を格納した画像ROM、演出制御時のワークエリアとして利用されるVRAM、画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP等から構成されている。そして、パチンコ遊技機1における遊技の進行に伴って発生する信号、具体的には、遊技制御装置51からの制御信号(演出コマンド)、遊技演出ボタン17に設けられた演出ボタンスイッチ303およびタッチパネル304からの信号、遊技盤6上の演出役物の位置を検出可能な位置検出スイッチ(案内樋位置検出スイッチ145,回転位置検出スイッチ236)からの信号等に基づいて、パチンコ遊技機1における演出動作を制御する。詳しくは、情報表示器56における表示、上スピーカ11や下スピーカ16からの効果音出力、遊技盤6に設けられた盤装飾装置306の発光や透明部材保持枠8に設けられたLED等の枠装飾装置307の発光、遊技盤6に設けられた盤演出装置308や透明部材保持枠8に設けられた演出部材(図示せず)を駆動するモータ等の枠演出装置(図示せず)の駆動を制御する。
次に、パチンコ遊技機1の作用、特に、変動入賞装置25の動作について説明する。なお、変動入賞装置25においては、可動部材87を閉じた状態(常態)にして大入賞口83を閉成しているものとする。また、球揚送ユニット102においては、揚送駆動モータ117を常時駆動して球揚送部材115をその表面の前側部分が上昇する方向へ常時回転し、特定入賞ユニット103においては、特定入賞駆動モータ136を常時駆動して特定入賞案内樋131と球案内阻止部材132とを左右方向へ常時往復移動し、誘導ユニット105においては、常時駆動する揚送駆動モータ117からの駆動力により球流下誘導部材158を左右方向へ常時揺動するとともに、衝接駆動ソレノイド172の消磁状態と励磁状態とを繰り返して球衝接部材168を球転動面156上に常時繰り返し出没させているものとする。さらに、特別遊技発生振分装置30においては、振分駆動モータ220を常時駆動して球搬送部材207および振分回転体216を常時回転し、シャッター開閉ソレノイド199を消磁状態にして受入流下開口194を開放しているものとする。
発射装置(図示せず)により発射されて遊技領域5の上部に飛入した遊技球は、障害釘41や風車40により方向を変えながら遊技領域5内を流下する。そして、一般入賞口36、第1始動入賞口37および第2始動入賞口38に入賞した場合には所定の賞球が遊技者に付与され、何れにも入賞しなかった場合にはアウト口39に回収される。
遊技球が第1始動入賞口37に入賞して第1始動口スイッチ291に検出されると、遊技制御装置51が特図1変動表示ゲームを実行して一括表示装置43にて特別図柄(特図)を変動表示し、停止図柄の結果態様に基づいて、特図が停止してから所定時間(例えば、368ms)の経過後に小当り状態(補助遊技)を開始して、可動部材87を所定の開放時間(例えば、400ms)に亘って1回開状態とする制御、言い換えると大入賞口83を1回開放する小当り動作の制御を行う。また、遊技球が第2始動入賞口38に入賞して第2始動口スイッチ292に検出されると、遊技制御装置51が特図1変動表示ゲームを実行して一括表示装置43にて特別図柄(特図)を変動表示し、停止図柄の結果態様に基づいて、特図が停止してから所定時間(例えば、368ms)の経過後に小当り状態(補助遊技)を開始して、可動部材87を2回開状態とする制御、言い換えると大入賞口83を2回開放する小当り動作の制御を行う。詳しくは、所定の開放時間(例えば、400ms)に亘って可動部材87の開放動作を実行した後、所定の閉成時間(例えば、1000ms)に亘って可動部材87を閉成し、再び所定の開放時間(例えば、400ms)に亘って可動部材87の開放動作を実行する。
大入賞口83の開放中に遊技領域5内の遊技球が大入賞口83を通過して変動入賞装置25内に進入すると、この遊技球が球導入路89を通過して大入賞口スイッチ90により検出され、球案内通路92を通って球誘導機構61の第1転動棚101に到達する。なお、大入賞口スイッチ90においては、大入賞口83の開放動作(1回開放,2回開放)の開始から開放動作終了後に設定された有効期間(例えば1900ms)が経過するまで遊技球を検出可能であり、有効時間の経過後における遊技球の検出を無効とする。
第1転動棚101に到達した遊技球は、第1転動棚101上を左右方向へ転動し、第1転動棚101の左右方向の中央部から球揚送部材115(詳しくは永久磁石120)に吸着されて揚送されたり、球揚送部材115には吸着されずに第1転動棚101の左右両側端へ流下したりする。球揚送部材115により揚送された遊技球は、左右方向に往復移動する特定入賞案内樋131と球案内阻止部材132の前方に到達し、球案内阻止部材132の前縁部に当接した場合には、移動する球案内阻止部材132により永久磁石120から引き離されて吸着状態が解除され、球揚送部材115の前側の表面に沿って落下して第1転動棚101上に戻り、さらには第1転動棚101の左右両側端へ流下する。一方、球揚送部材115に揚送された遊技球が球案内阻止部材132の前縁部には当接せずに両球案内阻止部材132の間に到達すると、この遊技球が特定入賞案内樋131内へ進入し、さらには、特定入賞導入路127を通って誘導機構内特定領域128を通過し、誘導特定領域スイッチ129により検出された後に、特定入賞球流下路146、特定入賞球排出樋147を通って入賞球流路53に回収される。
誘導特定領域スイッチ129が遊技球(誘導機構内特定領域128に入賞した遊技球)を検出すると、図40(a)に示すように、この検出信号の受信に基づいて遊技制御装置51が小当り状態の終了後に大当り状態(詳しくは、遊技者にとって有利な遊技価値(賞球)を付与する特別遊技状態(賞特典))を発生させる。なお、誘導機構内特定領域128への入賞により発生する大当り状態の態様については、後で詳細に説明する。
第1転動棚101の左右両側端に流下してきた遊技球は、球落下通路112を落下して第2転動棚104へ側方から進入し、第2転動棚104の後端部から揺動状態の球流下誘導部材158に当接したり、あるいは球流下誘導部材158への当接を避けたりしながら球転動面156上へ落下する。さらに、球転動面156上を前方へ向けて転動して球衝接部材168に衝接したり、あるいは球衝接部材168との衝接を避けたりしながら左側球通過口175L、右側球通過口175R、中央球通過口175Cのいずれかに落下する。このとき、遊技球が第2転動棚104の第2棚案内溝151から落下すると、この遊技球は球流下誘導路159内に進入し易い。さらに、球流下誘導部材158が傾斜せずに上下方向に延在する姿勢(図11参照)である場合には、球流下誘導路159内の遊技球が球転動路の左右方向の中央部に落下し、球衝接部材168に衝接せずに中央球通過口175Cへ向けて真っ直ぐに流下し易い。
球転動面156上を流下する遊技球が左側球通過口175Lまたは右側球通過口175Rへ流入すると、この遊技球は通過球回収樋177内を通り、排出球検出スイッチ(左残存球排出口スイッチ)178により検出された後、入賞球流路53へ回収される。一方、球転動面156上を流下する遊技球が中央球通過口175Cへ流入すると、中央球通過検出スイッチ180により検出された後、振分案内流路181を流下して特別遊技発生振分装置30へ案内される。また、遊技制御装置51においては、中央球通過検出スイッチ180から受信した検出信号に基づいてシャッター開閉ソレノイド199を励磁し、受入樋シャッター195により受入流下開口194を閉成する。したがって、振分案内流路181を流下して特別遊技発生振分装置30の球受入機構190に流入した遊技球は、球受入流下開口194へ落下せずに球受入樋193内を転動して球搬送機構191の球搬送入口206aに到達する。
球搬送入口206aに到達した遊技球は、球搬送部材207により搬送(揚送)されて球搬送出口206bから排出され、球転動通路218を通って球振分導入口213aに到達する。そして、回転中の振分回転体216のうち第1球特定誘導部266に流入すると、第1球特定誘導口213f、第1球特定誘導樋241を通って第1特定領域251へ流下(入賞)し、第1特定領域スイッチ252により検出される。また、第2球特定誘導部267に流入すると、第2球特定誘導口213s、第2球特定誘導樋242を通って第2特定領域253へ流下(入賞)し、第2特定領域スイッチ254により検出される。さらに、第3球特定誘導部268に流入すると、第3球特定誘導口213t、第3球特定誘導樋243を通って第3特定領域255へ流下(入賞)し、第3特定領域スイッチ256により検出される。そして、各特定領域251,253,255および各特定領域スイッチ252,254,256を通過した遊技球は、球落下回収棚258、球落下口259を通って入賞球流路53へ回収される。
このようにして遊技球が内部を通過する変動入賞装置25において、遊技球が誘導機構内特定領域128、第1特定領域251、第2特定領域253、第3特定領域255のいずれかに入賞すると、遊技制御装置51は、各特定領域128,251,253,255への入賞の検出信号に基づいて特別遊技状態を特定領域128,251,253,255毎に対応する態様で発生させる。説明の便宜上、まず、遊技球が特別遊技発生振分装置30内の第1特定領域251、第2特定領域253、第3特定領域255のいずれかに入賞した場合について具体的に説明すると、遊技制御装置51は、可動部材87を予め定められた開閉設定回数を上限として開閉する動作を1ラウンドとし、このラウンドを所定回数繰り返すサイクル遊技を行って特別遊技状態を発生させる(図40(a)参照)。また、各ラウンドにおいては、可動部材87の開閉動作の間に変動入賞装置25(大入賞口83)に入賞して大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)90により検出された遊技球(入賞球)の個数をカウントし、可動部材87の開閉回数が開閉設定回数に到達したか、あるいは大入賞口83への入賞球の個数が所定個数(例えば、10個)に到達したかのいずれかが先に成立すると、当該ラウンドを終了して可動部材87を閉じる。
そして、遊技球が第1〜第3特定領域251,235,255に入賞した場合には、特別遊技状態の態様が「16R大当り」,「8R大当り」,「3R大当り」に決定され、各ラウンドにおける可動部材87が予め設定された一定の開閉パターン(例えば、2秒間の開状態と1秒間の閉状態とを交互に繰り返すパターン)で動作する。また、大入賞口スイッチ90(左大入賞口スイッチ90L,右大入賞口スイッチ90R)により所定数の遊技球が検出されること(言い換えると、所定数の遊技球が大入賞口83に入賞すること)で次のラウンドへ移行する。なお、「3R大当り」では第1〜第3ラウンドまで実行され、
「8R大当り」では第1〜第8ラウンドまで実行され、「16R大当り」では第1〜第16ラウンドまで実行される。したがって、「3R大当り」、「8R大当り」、「16R大当り」の順に有利な遊技価値である賞球の獲得チャンスが多いことになる。
なお、特別遊技発生報知装置31においては、報知発光装飾部55の発光態様(発光パターンや発光色等)を異ならせて装飾演出を行ったり、情報表示器56の文字や記号の表示態様を異ならせて装飾演出を行ったりすることにより、特別遊技状態の態様が「3R大当り」、「8R大当り」、「16R大当り」のいずれに決定されたかを報知する。また、図40(a)に示すように、変動入賞装置25内で遊技球が中央球通過検出スイッチ(V演出スイッチ)180により検出されてから特別遊技発生振分装置30内のいずれかの特定領域スイッチ252,254,256により検出されるまでの間をラウンド決定期間に設定している。
このような作用を有する特別遊技発生振分装置30は、「3R大当り」、「8R大当り」、「16R大当り」の特別遊技状態の中から一の特別遊技状態の発生を決定可能な装置であり、該特別遊技発生振分装置30内には、態様が異なる特別遊技状態毎に対応する複数の特定領域251,253,255と、該特定領域251,253,255毎に対応する複数の球特定誘導部266,267,268とを備えている。そして、各球特定誘導部266,267,268は、互いに上下方向へずらして配置された特定領域スイッチ252,254,256毎に対応する上下位置へ遊技球を誘導するように構成されている。したがって、特別遊技発生振分装置30の構成要素が横方向に広がって配置されることを抑制することができ、パチンコ遊技機1の内部スペースの有効活用を図ることができる。また、各特定領域スイッチ252,254,256が振分回転軸216aを中心にして互いにずらした状態で配置されているので、特定領域スイッチ252,254,256同士が近づき過ぎる不都合、ひいては一の特定領域スイッチを通過した遊技球が他の特定領域スイッチで誤検出されてしまう不都合を避けることができる。
さらに、振分回転体216の振分装飾部262においては、球特定誘導部266,267,268毎の球受入口266a,267a,268aに対応して複数設けられた意匠部271,272,273と、互いに隣り合う意匠部271,272,273同士の間にそれぞれ配設された窪み部(意匠接続部)275と、各窪み部275内にそれぞれ形成され、窪み部275に向けられる遊技者の視線の基準となる穴部(視線基準部)276とを備えたので、振分装飾部262のデザインが球特定誘導部266,267,268に対応する位置毎に異なること、ひいてはデザインの統一感が崩れることを抑制でき、特別遊技発生振分装置30の見栄えが悪くなる不都合を抑えることができる。また、振分本体部261においては、隣り合う球特定誘導部266,267,268の球受入口266a,267b,268c同士の間隔を互いに異ならせること、言い換えると、互いに隣り合う球受入口266a,267b,268c同士の間隔の比率を設定することにより、回転中の各球受入口266a,267b,268cと球振分導入口213aとが連通するまでの時間を異ならせることになる。この結果、遊技球が球特定誘導部266,267,268内に進入するまで球転動通路218上で待機し得る時間の比率を設定することができ、第1特定領域251,第2特定領域235,第3特定領域255への遊技球の流入比率、ひいては、「3R大当り」、「8R大当り」、「16R大当り」の特別遊技状態の発生比率が定められる。したがって、球特定誘導部266,267,268同士の間隔を設定するだけでパチンコ遊技機1のスペックを設定することができ、パチンコ遊技機1の開発コストの削減を図ることができる。
そして、遊技制御装置51は、特別遊技状態の発生中に変動入賞装置25内に入賞した遊技球が球揚送ユニット102により揚送され、誘導機構内特定領域128に入賞して誘導特定領域スイッチ129により検出されたとしても、この検出を無効として認識する。なお、特別遊技状態の発生中には球揚送部材115の回転を停止するとともに、球揚送部材115を永久磁石120が第1転動棚101上の遊技球を吸着不能となる姿勢に設定して、遊技球が誘導機構内特定領域128に入賞不能となるように設定してもよい。さらに、図40(a)に示すように、特別遊技状態の発生中に変動入賞装置25内に入賞した遊技球が中央球通過口175Cを通過して中央球通過検出スイッチ(V演出スイッチ)180に検出されたとしても、この検出を無効として認識し、シャッター開閉ソレノイド199を消磁状態にして受入樋シャッター195を開いて受入流下開口194を開放する。したがって、特別遊技状態の発生中に変動入賞装置25内に入賞した遊技球が中央球通過口175C、振分案内流路181を通って球搬送ユニット184(特別遊技発生振分装置30)に到達したとしても、この遊技球は、受入流下開口194に落下して球流下樋196、球放出樋197を通り、球搬送ユニット184の外方へ排出される。このようにして受入樋シャッター(振分進入規制部材)195は、特別遊技状態の発生中には特別遊技発生振分装置30内への遊技球の進入を規制する一方、補助遊技中においては、該補助遊技の結果に基づいて特別遊技発生振分装置30内への遊技球の進入の規制を解除するので、特別遊技状態の発生中であるにも拘らず遊技球が特別遊技発生振分装置30内へ進入してしまう不都合、ひいては特別遊技状態の態様の決定が不必要な場面で遊技球が特別遊技発生振分装置30内で振り分けられるという不都合を避けることができる。
次に、遊技球が球誘導機構61内の誘導機構内特定領域128に入賞した場合について説明すると、遊技制御装置51は、誘導機構内特定領域128への入賞に基づく特別遊技状態を「16Rフルオープン」と称する態様で実行する。具体的には、図40(b)に示すように、特別遊技状態の発生を開始してから大入賞口スイッチ90(左大入賞口スイッチ90L,右大入賞口スイッチ90R)により所定数の遊技球が検出されるまで(言い換えると、所定数の遊技球が大入賞口83に入賞するまで)、可動部材87を開動作状態に維持して大入賞口83を開放し、次のラウンドに移行する。次のラウンドに移行するまでの期間(インターバル期間)中は、大入賞口ソレノイド88を消磁して可動部材87を閉状態とする。また、当該次のラウンドにおいても、大入賞口スイッチ90(左大入賞口スイッチ90L,右大入賞口スイッチ90R)により所定数の遊技球が検出されるまで(言い換えると、所定数の遊技球が大入賞口83に入賞するまで)、可動部材87を開動作状態に維持して大入賞口83を開放する。このような動作を特別遊技状態が終了するまで繰り返す。なお、一定時間(例えば、30秒)が経過しても所定数の遊技球が大入賞口スイッチ90によって検出されなかった場合には、自動的に次のラウンドに移行する。そして、誘導機構内特定領域128に入賞した場合では、特別遊技発生報知装置31が報知発光装飾部55の発光態様(発光パターンや発光色等)や情報表示器56の表示態様を「16Rフルオープン」に対応した態様に設定して装飾演出を行う。
なお、特別遊技状態の発生中に変動入賞装置25内に入賞した遊技球が球揚送ユニット102により揚送され、誘導機構内特定領域128に入賞して誘導特定領域スイッチ129により検出されたとしても、この検出を無効として認識する。さらに、図40(a)に示すように、特別遊技状態の発生中に変動入賞装置25内に入賞した遊技球が中央球通過口175Cを通過して中央球通過検出スイッチ(V演出スイッチ)180に検出されたとしても、この検出を無効として認識し(「16Rフルオープン」態様の特別遊技状態においても同様)、シャッター開閉ソレノイド199を消磁状態にして受入樋シャッター195を開いて受入流下開口194を開放する。
このようにしてパチンコ遊技機1にて行われる補助遊技(小当り状態)は、誘導特定領域スイッチ(第1球通過検出手段)129によって遊技球を検出したことに基づいて「16Rフルオープン」態様の特別遊技状態(一の特別遊技状態,第1特別遊技状態)を発生可能な第1補助構成遊技と、第1特定領域スイッチ252、第2特定領域スイッチ254、第3特定領域スイッチ256のいずれか(第2球通過検出手段)によって遊技球を検出したことに基づいて「16R大当り」、「8R大当り」、「3R大当り」のいずれかの態様の特別遊技状態(他の特別遊技状態,第2特別遊技状態)を発生可能な第2補助構成遊技とにより構成されている。そして、「16Rフルオープン」態様の特別遊技状態では、所定数の遊技球が大入賞口スイッチ90により検出されるまで(言い換えると、所定数の遊技球が大入賞口83(変動入賞装置25)に入賞する)まで、可動部材87の開動作状態を維持し、「16R大当り」、「8R大当り」、「3R大当り」の態様の特別遊技状態では、可動部材87の一定の開閉動作を繰り返して変動入賞装置25を「16Rフルオープン」態様の特別遊技状態とは異なる態様で動作させるので、複数の特別遊技状態同士の差を生じさせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、遊技領域5には、アウト口39へ向けて遊技球を流下させる第1球流下路68と、該第1球流下路68に沿って延在する第2球流下路72と、を備え、該第2球流下路72が右始動口37R(第1始動入賞口37)へ向けて遊技球を流下させ得るので、遊技者が遊技領域5の右側を狙って遊技球を発射する操作(所謂「右打ち」)を行った場合と、左側を狙って遊技球を発射する操作(所謂「左打ち」)を行った場合とで、遊技進行の差が生じやすい。したがって、遊技の興趣を高めることができる。さらに、遊技店の営業終了後等に店員が発射装置から遊技球を取り出す作業をする場合には、発射装置を操作して右打ちを行い、遊技球を第1球流下路68へ流下させれば、前面枠3を開放せずに発射装置から遊技球を効率よく取り出すことができて好適である。
なお、第2球流下路72においては、遊技球を第1始動入賞口37へ向けて流下させることに限定されない。例えば、第2球流下路72の下方に第2始動入賞口や一般入賞口やアウト口を臨ませたり、あるいは、変動入賞装置25とは別個に遊技領域5に配置される変動入賞装置(可動部材により開状態と閉状態とに変換可能な変動入賞装置)を臨ませたりして、第2球流下路72を流下した遊技球が第2始動入賞口、一般入賞口、アウト口、変動入賞装置に向けて流下するように構成してもよい。
次に、パチンコ遊技機1の制御について説明する。まず、遊技制御装置51の遊技用マイコン281によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン281による制御処理は、主に、メイン処理(図41および図42参照)と、所定時間周期(例えば、4ミリ秒)で行われるタイマ割込み処理(図44参照)とからなる。
メイン処理は、遊技用マイコン281に強制的にリセットがかけられたことに基づいて開始する。すなわち、電源装置298の電源スイッチ(図示せず)がオン操作されると、所定のタイミングに(電源投入時の所定のリセット期間に)電源装置298の制御信号生成部からのリセット信号が遊技制御装置51に入力されて遊技用マイコン281のリセット端子がオンし、その後このリセット信号が解除されると、遊技用マイコン281が起動する。なお、停電からの電源復旧時にも、同様にリセット信号がオンした後に解除されて遊技用マイコン281が起動する。また、作業者が遊技制御装置51のユーザワークRAM等の初期化をしようとする場合には、遊技制御装置51に設けられたRAM初期化スイッチ284をオン操作しながら電源装置298の電源スイッチをオン操作する必要がある。
遊技用マイコン281が起動すると、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理を行う(ステップS2)。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。
その後、入力部282の入力ポート1(図38に示す第1入力ポート282a)の状態を読み込み(ステップS6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップS7)。さらに、電源装置298から入力されている停電監視信号をポートおよびデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS9)。停電監視信号がオンである場合(ステップS9;YES)は、ステップS8で設定したチェック回数分の停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分の停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;NO)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS9)に戻る。また、チェック回数分の停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;YES)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;NO)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップS11)、タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS12)。タイマの値が「0」でない場合(ステップS12;NO)、すなわち、待機時間が終了していない場合には、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻る。また、タイマの値が「0」である場合(ステップS12;YES)、すなわち、待機時間が終了した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップS14)。
次に、遊技用マイコン281に搭載されているシリアルポートを設定し(ステップS15)、先に読み込んだ入力ポート1(第1入力ポート282a)の状態からRAM初期化スイッチ284がオンにされたかを判定する(ステップS16)。初期化スイッチがオフである場合(ステップS16;NO)は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるかを判定し(ステップS17)、正常であれば(ステップS17;YES)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるかを判定する(ステップS18)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS18;YES)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップS19)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップS20)。チェックサムが一致する場合(ステップS20;YES)は、ステップS21(図42参照)へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。ステップS21では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップS21)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域およびエラー不正監視に係る領域である。次いで、モータ制御領域1、2の球噛み処理回数を0クリアし(ステップS22)、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置52)へ送信する(ステップS23)。
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップS16;YES)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS17;NOもしくはステップS18;NO)、チェックサムが正常でない(ステップS20;NO)と判定された場合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップS24)、ビジー信号ステータス領域やタッチスイッチ信号状態監視領域を含む全てのRAM領域を0クリアして(ステップS25)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定し(ステップS26)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS27)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域および演出モードの設定に係る領域である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置52)へ送信する(ステップS28)。
ステップS23の実行後、あるいは、ステップS28の実行後には、遊技用マイコン281(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号および乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理(ステップS29)、乱数生成回路を起動設定する処理(ステップS30)、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(具体的には、特図の当り図柄を決定する乱数(特図図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする処理(ステップS31)、接続モニタLED153のオンデータを出力する処理(ステップS32)、割込み許可の処理(ステップS33)を実行する。
続いて、特図図柄初期値乱数を+1更新する処理(特図図柄初期値乱数更新処理)を行い(ステップS34)、電源装置298から入力されている停電監視信号をポートおよびデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS35)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS36)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS36;NO)は、特図図柄初期値乱数更新処理(ステップS34)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、特図図柄初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。
一方、停電監視信号がオンである場合(ステップS36;YES)は、ステップS35で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS37)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS37;NO)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS36)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS37;YES)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、一旦割込みを禁止する処理(ステップS38)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS39)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS40)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS41)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS42)、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブする処理(ステップS43)、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS44)を行ってから、パチンコ遊技機1の電源が遮断されるのを待つ。
次に、上述のメイン処理におけるチェックサム算出処理(ステップS42)を図43に基づき説明する。
チェックサム算出処理においては、まず、算出アドレスの開始値としてRWMの先頭アドレスを設定し(ステップS51)、使用しているRWMのバイト数に対応する繰り返し数を設定する(ステップS52)。次いで、算出値として「0」を設定し(ステップS53)、算出値+算出アドレスの内容を新たな算出値として演算する(ステップS54)。次いで、算出アドレスを+1更新し(ステップS55)、繰り返し数を−1更新し(ステップS56)、繰り返した回数=RWMのバイト数になって算出終了であるか否かを判定する(ステップS57)。算出終了ではない場合(ステップS57;NO)には、ステップS54に戻ってルーチンを繰り返し、算出終了である場合(ステップS57;YES)には、チェックサム算出処理を終了する。
次に、タイマ割込み処理について説明する。
タイマ割込み処理は、図44に示すように、遊技用マイコン281に設けられたクロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPUに入力されることで開始される。タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS61)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS62)。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポート242a,242b,242c,242dの状態を読み込む入力処理(ステップS63)を行う。さらに、各種処理でセットされた出力データに基づき、大入賞口ソレノイド88、特定入賞駆動モータ136、振分駆動モータ220等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS64)を行う。なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置299に出力する払出コマンド送信処理(ステップS65)、乱数更新処理1(ステップS66)を行う。その後、一般入賞口スイッチ290、大入賞口スイッチ90、第1始動口スイッチ291、第2始動口スイッチ292、特定領域スイッチ129,252,254,256、残存球排出口スイッチ178,198、中央球通過検出スイッチ(V演出スイッチ)180から正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠3や透明部材保持枠8が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS67)、変動入賞装置25に入賞した遊技球が変動入賞装置25の内部に残存していないか否かを監視する残存球監視処理(ステップS68)、遊技を停止させるようなエラー(電波不正など)があった場合には遊技を停止させ、エラーを解除するためにRAM初期化スイッチ284からの入力があるか等を監視する遊技停止エラー処理を行う(ステップS69)。
次いで、エラー動作中であるか否かを判定し(ステップS70)、エラー動作中でなければ(ステップS70;NO)、エラー解除待ち中であるか否かを判定する(ステップS71)。エラー解除待ち中でなければ(ステップS71;NO)、特図変動表示ゲームに関する処理(特図ゲーム処理)を行う(ステップS72)とともに、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を一括表示装置43で表示する処理(セグメントLED編集処理)を行う(ステップS73)。
ステップS73の実行後、あるいはステップS70においてエラー動作中である場合(ステップS70;YES)には、変動入賞装置25に関するモータ制御を行うモータ制御処理を行う(ステップS74)とともに、変動入賞装置25を演出動作させるためのコマンドに関する役物演出コマンド編集処理を行う(ステップS75)。そして、ステップS75の実行後、あるいは、ステップS71においてエラー解除待ち中である場合(ステップS71;YES)には、異常排出監視処理を行う(ステップS76)。これは、変動入賞装置25に流入した遊技球と、変動入賞装置25から排出された遊技球とを監視し、流入した遊技球よりも排出された遊技球の数が多い場合には、不正で異常の可能性があると判断して遊技を停止する処理などを行うものである。次いで、磁気センサ94からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正の監視や盤電波センサ294からの検出信号をチェックして異常がないか判定する不正監視処理(ステップS77)、遊技停止をするようなエラーが発生している場合に、発射停止の出力データをセーブしたり、そのようなエラーが発生していない場合には発射許可の出力データをセーブしたりする発射制御処理(ステップS78)、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS79)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
次に、上述のタイマ割込み処理における入力処理(ステップS62)を図45に基づき説明する。
入力処理においては、入力ポート1(第1入力ポート282a)のアドレスをレジスタやメモリ等にセットして準備する(ステップS91)。同様に、RWM内のスイッチ制御領域1のアドレスの準備(ステップS92)、未使用のビットデータの準備(ステップS93)、反転するビットデータの準備(ステップS94)を行った後、入力ポート1(第1入力ポート282a)に関してスイッチ読込み処理を行う(ステップS95)。
次いで、入力ポート2(第2入力ポート282b)のアドレスをレジスタやメモリ等にセットして準備する(ステップS96)。同様に、RWM内のスイッチ制御領域1のアドレスの準備(ステップS97)、未使用のビットデータの準備(ステップS98)、反転するビットデータの準備(ステップS99)を行った後、入力ポート2(第2入力ポート282b)に関してスイッチ読込み処理を行う(ステップS100)。
次いで、入力ポート3(第3入力ポート282c)のアドレスをレジスタやメモリ等にセットして準備する(ステップS101)。同様に、RWM内のスイッチ制御領域1のアドレスの準備(ステップS102)、未使用のビットデータの準備(ステップS103)、反転するビットデータの準備(ステップS104)を行った後、入力ポート3(第3入力ポート282c)に関してスイッチ読込み処理を行う(ステップS105)。
次いで、入力ポート4(第4入力ポート282d)のアドレスをレジスタやメモリ等にセットして準備する(ステップS106)。同様に、RWM内のスイッチ制御領域1のアドレスの準備(ステップS107)、未使用のビットデータの準備(ステップS108)、反転するビットデータの準備(ステップS109)を行った後、入力ポート4(第4入力ポート282d)に関してスイッチ読込み処理を行う(ステップS110)。ステップS110を経ると、前回の確定状態と反転した今回の確定状態との排他的論理和をとり、立下りエッジとしてRWMにセーブして(ステップS111)、入力処理を終了する。
次に、上述の入力処理におけるスイッチ読込み処理(ステップS95、S100、S105、S110)を図46に基づき説明する。
スイッチ読込み処理においては、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態を読み込み(ステップS121)、8ビットのポートのうち未使用ビットがあれば、そのビットの状態をクリアし(ステップS122)、反転の必要なビットを反転(ステップS123)した後、RWM内の対象のスイッチ制御領域のポート入力状態にセーブ(格納)する(ステップS124)。その後、次回の読込みまでのディレイ時間(0.1ms=100μs)が経過するのを待つ(ステップS125)。
ディレイ時間(0.1ms)が経過すると、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態の2回目の読込みを行う(ステップS126)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあれば、そのビットの状態をクリアし(ステップS127)、反転の必要なビットを反転(ステップS128)した後、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態(1回目データ)をロードし、反転処理したデータ(2回目データ)をセーブ(格納)する(ステップS129)。その後、1回目と2回目の読込みで変化したビット、即ち、信号を検出し、確定ビットパターンを作成し(ステップS130)、確定ビットパターンとポート入力状態2との論理積をとり、今回確定ビットとする(ステップS131)。
次いで、1回目と2回目の読込みで状態が同じビットを0、違うビットを1とした未確定ビットパターンを作成し(ステップS132)、未確定ビットパターンと前回割り込み時の確定状態との論理積をとり、前回保持ビットとする(ステップS133)。そして、今回確定ビットと前回保持ビットを合成し、今回確定状態としてRWMにセーブし(ステップS134)、前回と今回の確定状態との排他的論理和をとり、立ち上がりエッジとしてRWMにセーブして(ステップS135)、スイッチ読み込み処理を終了する。
次に、上述のタイマ割込み処理における出力処理(ステップS64)を図47に基づき説明する。
出力処理では、まず、一括表示装置43のセグメントのデータを出力するポートの出力データを全てオフにし(ステップS141)、一括表示装置43のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を更新(0〜3の範囲で+1更新)する(ステップS142)。続いて、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データを取得(ロード)し(ステップS143)、取得したデータと外部情報データを合成し(ステップS144)、合成したデータをデジット・外部情報出力ポートに出力する(ステップS145)。
次いで、外部情報端子板300へ出力する外部情報の各種出力データをロードして合成し(ステップS146)、さらに、この合成したデータと発射許可信号領域の値とを合成し(ステップS147)、外部情報・発射許可信号出力ポートに出力する(ステップS148)。次いで、遊技停止するエラーは発生していないか否かを判定し(ステップS149)、遊技停止するエラーが発生していなければ(ステップS149;YES)、デジットカウンタの値に対応するRWM内のセグメントデータ領域からセグメント線の出力データをロード(取得)し、取得したセグメント出力データをセグメント出力用のポートに出力し(ステップS150)、ソレノイド出力ポートに出力するデータを合成し、出力する(ステップS151)。一方、遊技停止するエラーが発生していれば(ステップS149;NO)、ソレノイド出力ポートにオフデータを出力する(ステップS152)。ステップS151の実行後、あるいは、ステップS153の実行後には、エラー解除待ち中であるか否かを判定する(ステップS153)。エラー解除待ち中でなければ(ステップS153;NO)、遊技を進めてもよいと判断し、モータ出力ポートに出力するデータを合成し、出力する(ステップS154)。一方、エラー解除待ち中であれば(ステップS152;YES)、エラーが解除されるまで待機する必要があるので、遊技が進められないと判断し、モータ出力ポートにオフデータを出力する(ステップS155)。
ステップS154の実行後、あるいは、ステップS155の実行後には、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ1〜3をロードして合成し、中継基板301上に設けられている試験端子出力ポート1へ合成したデータを出力する(ステップS156)。その後、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ4〜6をロードして合成し、中継基板301上に設けられている試験端子出力ポート2へ合成したデータを出力する(ステップS157)。次いで、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ7〜8をロードして合成し、中継基板301上に設けられている試験端子出力ポート3へ合成したデータを出力する(ステップS158)。また、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ9〜10をロードして合成し、中継基板301上に設けられている試験端子出力ポート4へ合成したデータを出力する(ステップS159)。さらに、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ11をロードして合成し、中継基板301上に設けられている試験端子出力ポート5へ合成したデータを出力(ステップS160)して、出力処理を終了する。
次に、上述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(ステップS65)を図48に基づき説明する。
払出コマンド送信処理では、まず、賞球数別(例えば、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域2に「0」でないカウント数があるかを判定する(ステップS171)。入賞数カウンタ領域2にカウント数がない場合(ステップS171:NO)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新し(ステップS172)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS173)。そして、すべてのチェックが終了していないと判定すると(ステップS173;NO)、ステップS171へ戻って上記処理を繰り返す。
また、ステップS171において入賞数カウンタ領域2にカウント数があると判定した場合(ステップS171;YES)には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を−1更新し(ステップS174)、入賞数カウンタ領域2のアドレスに対応する払出数を取得する(ステップS175)。次いで、賞球残数領域の値と今回の払出数を加算し(ステップS176)、加算結果を賞球残数領域にセーブする(ステップS177)。これにより、今回の払出数が前回までの賞球残数領域の値と加算されて、今回の合計値が賞球残数領域にセーブされることになる。
次いで、ステップS177の加算結果から「10」を減算し(ステップS178)、減算結果が「0」以上であるか否かを判定する(ステップS179)。減算結果が「0」以上であれば(ステップS179;YES)、メイン賞球信号の出力回数を+1更新し(ステップS180)、続いて「0」以上である今回の減算結果を賞球残数領域にセーブし(ステップS181)、ステップS178に戻ってル−プを繰り返す。したがって、遊技により賞球が発生し、その払出数が前回までの賞球残数領域の値と加算され、その加算結果から「10」が減算され、減算結果が「0」以上である限り、ステップS178からステップS181の処理が繰り返される。
ステップS173においてすべてのチェックが終了した場合(ステップS173;YES)、または、ステップS179において減算結果が「0」未満の場合(ステップS179;NO)には、払出コマンド送信タイマが「0」でなければ、払出コマンド送信タイマを−1更新する(ステップS182)。次いで、払出コマンド送信タイマが「0」になったか否かを判定し(ステップS183)、払出コマンド送信タイマが「0」になっていなければ(ステップS183;NO)、払出コマンド送信処理を終了する。
また、ステップS183において払出コマンド送信タイマが「0」になっている場合(ステップS183;YES)には、払出ビジー信号がビジー中であるか否かを判定する(ステップS184)。払出ビジー信号がビジー中であれば(ステップS184;YES)、払出コマンド送信処理を終了する。一方、払出ビジー信号がビジー中でなければ(ステップS184;NO)、賞球数別(例えば、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域1に「0」でないカウント数があるかを判定する(ステップS185)。入賞数カウンタ領域1にカウント数がない場合(ステップS185:NO)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新し(ステップS186)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS187)。この判定で、すべてのチェックが終了したと判定すると(ステップS187;YES)、払出コマンド送信処理を終了する。一方、すべてのチェックが終了していないと判定すると(ステップS187;NO)、ステップS185へ戻って上記処理を繰り返す。
また、上記ステップS185で、入賞数カウンタ領域1にカウント数があると判定した場合(ステップS185;YES)には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を−1更新し(ステップS188)、入賞数カウンタ領域1のアドレスに対応する払出コマンドを取得し(ステップS189)、取得した払出コマンドを払出用シリアル送信バッファに書き込む(ステップS190)。これにより、遊技制御装置51から払出制御装置299へ払出コマンドが所定のタイミングで送信されることになる。次いで、払出コマンド送信タイマ領域に初期値をセ−ブし(ステップS191)、払出コマンド送信処理を終了する。以上の処理により、払出制御装置299に遊技球の払い出しを指示する払出コマンドが送信され、払出制御装置299ではこの払出コマンドに基づき遊技球を払い出す処理が行われる。
次に、上述のタイマ割込み処理における乱数更新処理1(ステップS66)を図49に基づき説明する。
乱数更新処理1は、特図図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理であり、まず、特図図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS201)。特図図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS201;NO)は、乱数更新処理1を終了する。一方、特図図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS201;YES)は、次回初期値として特図図柄初期値乱数をロードし(ステップS202)、ロードした特図図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定し(ステップS203)、乱数更新処理1を終了する。
次に、上述のタイマ割込み処理における入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS67)を図50に基づき説明する。
入賞口スイッチ/状態監視処理は、各種入賞口に設けられたスイッチから信号の入力(信号の変化)があるか否かの監視や、状態の監視を行う処理である。入賞口スイッチ/状態監視処理においては、まず、左大入賞口スイッチ90Lに対応する左大入賞口スイッチ監視テーブル(例えば、左大入賞口スイッチ90Lからの検出信号が入力されるポートの番号や該信号のポート内でのビット位置等を示すデータが格納されているテーブル)を準備する(ステップS211)。また、変動入賞装置25の可動部材87が開いていないにもかかわらず変動入賞装置25に不正な入賞がないか監視するとともに、正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理を実行する(ステップS212)。その後、右大入賞口スイッチ90Rに対応する右大入賞口スイッチ監視テーブル(例えば、右大入賞口スイッチ90Rからの検出信号が入力されるポートの番号や該信号のポート内でのビット位置等を示すデータが格納されているテーブル)を準備する(ステップS213)。また、変動入賞装置25の可動部材87が開いていないにもかかわらず変動入賞装置25に不正な入賞がないか監視するとともに、正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS214)、始動入賞口37,38でのエラーを監視する始動口エラー監視処理(ステップS215)を実行する。
次いで、常時入賞可能な入賞口スイッチ(一般入賞口スイッチ290,第1始動口スイッチ291,第2始動口スイッチ292)の入賞監視テーブルを準備し(ステップS216)、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理を行う(ステップS217)。さらに、状態スキャンカウンタの更新(ステップS218)、払出制御装置299からのシュート球切れスイッチ、オーバーフロースイッチ、払出制御装置299の異常監視用のエラーなどを監視するための遊技機状態監視テーブル1の準備(ステップS219)、監視テーブル1に関する遊技機状態のチェック処理(ステップS220)を行う。また、ステップS220の実行後には、ガラス枠(透明部材保持枠)開放検出スイッチ296、本体枠(前面枠)開放検出スイッチ297、払出制御装置299からの枠電波不正信号、タッチスイッチ信号などを監視するための遊技機状態監視テーブル2の準備(ステップS221)、監視テーブル2に関する遊技機状態のチェック処理(ステップS222)を行う。そして、状態スキャンカウンタが「0」であるか否かを判定し(ステップS223)、「0」でなければ(ステップS223;NO)、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。
一方、状態スキャンカウンタが「0」であれば(ステップS223;YES)、各種センサやスイッチにおけるコネクタ抜け等の異常を検出した場合のエラーなどを監視するための遊技機状態監視テーブル3の準備(ステップS224)、監視テーブル3に関する遊技機状態のチェック処理(ステップS225)を行い、次いで、払出ビジー信号がビジー状態かどうかをチェックする払出ビジー信号チェック処理(ステップS226)を行って、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。
次に、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における不正&入賞監視処理(ステップS212、ステップS214)を図51に基づき説明する。
不正&入賞監視処理においては、まず、エラー監視対象の入賞口スイッチの不正監視期間フラグをチェックし(ステップS231)、不正監視期間中かどうかを判定する(ステップS232)。不正監視期間である場合(ステップS232;YES)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定し(ステップS233)、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(ステップS233;YES)は、対象の不正入賞数を+1更新し(ステップS234)、加算後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数(例えば、5個)を超えたかを判定する(ステップS235)。そして、判定個数を超えた場合(ステップS235;YES)は、不正入賞数を不正発生判定個数に留め(ステップS236)、対象の不正入賞報知タイマ領域に初期値(例えば60000ms)をセーブする(ステップS237)。次に、対象の不正発生コマンドを準備し(ステップS238)、不正フラグとして不正入賞発生フラグを準備する(ステップS239)。
ステップS232において不正監視期間でない場合(ステップS232;NO)、またはステップS235において判定個数を超えていない場合(ステップS235;NO)は、対象の入賞口スイッチの入賞監視テーブルを準備し(ステップS240)、賞球の設定を行う入賞数カウンタ更新処理(ステップS241)を行う。そして、ステップS241の実行後、または、ステップS233において対象の入賞口スイッチに入力がない場合(ステップS233;NO)は、対象の報知タイマ更新情報をロードする(ステップS242)。そして、報知タイマの更新許可の有無を判定し(ステップS243)、報知タイマの更新が許可されない場合(ステップS243;NO)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、報知タイマの更新が許可される場合(ステップS243;YES)は、対象の報知タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS244)。なお、報知タイマの最小値は0に設定されている。
その後、報知タイマの値が「0」であるかを判定し(ステップS245)、値が「0」でない場合(ステップS245;NO)、すなわちタイムアップしていない場合には、不正&入賞監視処理を終了する。また、値が「0」である場合(ステップS245;YES)、すなわちタイムアップした(あるいは既にタイムアップしていた)場合には、対象の不正解除コマンドを準備し(ステップS246)、不正フラグとして不正入賞解除フラグを準備する(ステップS45)。
そして、報知タイマの値が「0」になった瞬間であるかを判定し(ステップS248)、報知タイマの値が「0」になった瞬間である場合(ステップS248;YES)、すなわち今回の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が「0」になった場合には、対象の不正入賞数をクリアする(ステップS249)。
そして、ステップS239の実行後、ステップS249の実行後、または、ステップS248において報知タイマの値が「0」になった瞬間でない場合(ステップS248;NO)、すなわち前回以前の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が「0」になった場合には、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS250)。準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致した場合(ステップS250;YES)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致しない場合(ステップS250;NO)は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域にセーブし(ステップS251)、演出コマンド設定処理を行い(ステップS252)、不正&入賞監視処理を終了する。以上の処理により、エラーの発生に伴いエラー報知コマンドが演出制御装置52に送信され、エラーの解除に伴い不正入賞エラー解除コマンドが演出制御装置52に送信されて、エラー報知の開始、終了が設定されることとなる。
次に、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における始動口エラー監視処理(ステップS215)を図52に基づき説明する。
始動口エラー監視処理においては、まず、始動口入賞監視タイマが「0」でなければ−1更新し(ステップS261)、始動口入賞監視タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS262)。値が「0」である場合(ステップS262;YES)は、始動口入賞監視タイマ領域に初期値をセーブし(ステップS263)、左始動口37Lの異常入賞領域数の0クリア(ステップS264)、右始動口37Rの異常入賞領域数の0クリア(ステップS265)、中始動口(第2始動入賞口38)の異常入賞領域数の0クリア(ステップS266)を実行する。
ステップS262において値が「0」でない場合(ステップS262;NO)、またはステップS266を実行した後には、左始動口37Lの異常入賞監視情報を準備し(ステップS267)、始動口異常入賞監視処理を実行する(ステップS268)。また、右始動口37Rの異常入賞監視情報を準備し(ステップS269)、始動口異常入賞監視処理を実行する(ステップS270)。さらに、中始動口(第2始動入賞口38)の異常入賞監視情報を準備し(ステップS271)、始動口異常入賞監視処理を実行する(ステップS272)。
各始動入賞口37,38に対する異常入賞監視処理を実行したならば、左始動口スイッチ291Lの球詰まり監視情報を準備し(ステップS273)、始動口球詰まり監視処理を実行する(ステップS274)。また、右始動口スイッチ291Rの球詰まり監視情報を準備し(ステップS275)、始動口球詰まり監視処理を実行する(ステップS276)。さらに、中始動口スイッチ(第2始動口スイッチ)292の球詰まり監視情報を準備し(ステップS277)、始動口球詰まり監視処理を実行し(ステップS278)、始動口エラー監視処理を終了する。
次に、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における入賞数カウンタ更新処理(ステップS217)および不正&入賞監視処理における入賞数カウンタ更新処理(ステップS241)を図53に基づき説明する。
入力数カウンタ更新処理においては、まず、遊技停止する必要があるエラーが発生中であるか否かを判定し(ステップS281)、エラーが発生中である場合(ステップS281;YES)には、入力数カウンタ更新処理を直ちに終了する。また、エラーが発生中ではない場合(ステップS281;NO)には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理にて取得した入賞口監視テーブルから監視する入賞口スイッチの個数を取得する(ステップS282)。次いで、監視対象の入賞口スイッチから検出信号の入力(正確には入力の変化)があるか否かを判定し(ステップS283)、入力がある場合(ステップS283;YES)には、対象の入賞数カウンタ領域1の値のロード(ステップS284)、ロードした入賞数カウンタの+1更新(ステップS285)を実行し、入賞数カウンタがオーバーフローしているか否かの判定を行う(ステップS286)。そして、入賞数カウンタのオーバーフローが発生していない場合(ステップS286;NO)には、更新後の値を入賞数カウンタ領域1にセーブする(ステップS287)。
ステップS287の実行後、または、ステップS286において入賞数カウンタのオーバーフローが発生している場合(ステップS286;YES)には、対象の入賞数カウンタ領域2の値のロード(ステップS288)、ロードした入賞数カウンタの+1更新(ステップS289)を実行し、入賞数カウンタがオーバーフローしているか否かの判定を行う(ステップS290)。そして、入賞数カウンタのオーバーフローが発生していない場合(ステップS290;NO)には、更新後の値を入賞数カウンタ領域2にセーブする(ステップS291)。
ステップS291の実行後、または、ステップS290において入賞数カウンタのオーバーフローが発生している場合(ステップS290;YES)、または、ステップS283において監視対象の入賞口スイッチから検出信号の入力がない場合(ステップS283;NO)には、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新し(ステップS292)、全部のスイッチの監視処理が終了したか否かを判定して(ステップS293)、終了している場合(ステップS293;YES)には、入力数カウンタ更新処理を終了する。一方、終了していない場合(ステップS293;NO)には、ステップS283へ戻り、上記処理を繰り返す。以上の処理により、入賞数カウンタ領域1により入賞に応じた賞球が設定されるとともに、入賞数カウンタ領域2によりメイン賞球信号生成のためのデータが設定されることになる。
次に、上述の始動口エラー監視処理における始動口異常入賞監視処理(ステップS268,S270,S272)を図54に基づき説明する。
始動口異常入賞監視処理においては、まず、対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定し(ステップS301)、入力がある場合(ステップS301;YES)には、対象の始動口の異常入賞数を+1更新し(ステップS302)、対象の始動口の異常入賞数が規定数未満であるか否かを判定する(ステップS303)。そして、規定数以上であると判定された場合(ステップS303;NO)には、対象の始動口の異常入賞数領域に規定数をセーブし(ステップS304)、対象の始動口の報知タイマ領域に初期値をセーブし(ステップS305)、対象の始動口の異常入賞発生コマンドを準備する(ステップS306)。さらに、対象の始動口にて既に異常入賞が発生中であるか否かを判定し(ステップS307)、発生中ではないと判定された場合(ステップS307;NO)には、異常中フラグを対象のステータス領域にセーブし(ステップS308)、演出コマンド設定処理を実行する(ステップS309)。
また、ステップS309の実行後、あるいは、ステップS301において対象の始動口スイッチに入力がないと判定された場合(ステップS301;NO)、あるいは、ステップS303において対象の始動口の異常入賞数が規定数未満であると判定された場合(ステップS303;YES)、あるいは、ステップS307において対象の始動口にて既に異常入賞が発生中であると判定された場合(ステップS307;YES)には、対象の始動口の報知タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS310)。さらに、報知タイマが「0」であるか否かを判定し(ステップS311)、「0」である場合(ステップS311;YES)には、対象の始動口にて異常入賞が発生したか否かを判定する(ステップS312)。異常入賞が発生していると判定された場合(ステップS312;YES)には、正常中である旨を示すフラグを対象のステータス領域にセーブし(ステップS313)、演出コマンド設定処理を実行する(ステップS314)。そして、ステップS314の実行後、あるいは、ステップS311において報知タイマが「0」ではない場合(ステップS311;NO)、あるいは、ステップS312において異常入賞が発生していないと判定された場合(ステップS312;NO)には、始動口異常入賞監視処理を終了する。
次に、上述の始動口エラー監視処理における始動口異常監視処理(ステップS274,S276,S278)を図55に基づき説明する。
始動口球詰まり監視処理においては、まず、対象の始動口スイッチがオンになっているか否かを判定し(ステップS321)、オンになっていない場合(ステップS321;NO)には、対象の始動口のスイッチオン監視タイマ領域を0クリアし(ステップS322)、オンになっている場合(ステップS321;YES)には、対象の始動口のスイッチオン監視タイマ領域を+1更新し(ステップS323)、対象の始動口のスイッチオン監視タイマが規定時間未満であるか否かを判定する(ステップS324)。そして、規定時間以上であると判定された場合(ステップS324;NO)には、対象の始動口のスイッチオン監視タイマ領域に規定時間値をセーブし(ステップS325)、対象の始動口の報知タイマ領域に初期値をセーブし(ステップS326)、対象の始動口の球詰まり発生コマンドを準備する(ステップS327)。さらに、対象の始動口にて既に球詰まりが発生中であるか否かを判定し(ステップS328)、発生中ではないと判定された場合(ステップS328;NO)には、異常中フラグを対象のステータス領域にセーブし(ステップS329)、演出コマンド設定処理を実行する(ステップS330)。
また、ステップS322の実行後、あるいは、ステップS324において対象の始動口のスイッチオン監視タイマが規定時間未満であると判定された場合(ステップS324;YES)、あるいは、ステップS328において対象の始動口にて既に球詰まりが発生中であると判定された場合(ステップS328;YES)には、対象の始動口の報知タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS331)。さらに、報知タイマが「0」であるか否かを判定し(ステップS332)、「0」である場合(ステップS332;YES)には、対象の始動口にて球詰まりが発生したか否かを判定する(ステップS333)。球詰まりが発生していると判定された場合(ステップS333;YES)には、正常中である旨を示すフラグを対象のステータス領域にセーブし(ステップS334)、演出コマンド設定処理を実行する(ステップS335)。そして、ステップS335の実行後、あるいは、ステップS332において報知タイマが「0」ではない場合(ステップS332;NO)、あるいは、ステップS333において球詰まりが発生していないと判定された場合(ステップS333;NO)には、始動口球詰まり監視処理を終了する。
次に、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における遊技機状態チェック処理(ステップS220,S222,S225)を図56に基づき説明する。
遊技機状態チェック処理においては、まず、遊技機状態を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチまたは信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタに対応する状態監視テーブルを取得する(ステップS341)。次いで、今回取得した対象の信号の状態をチェックし、監視対象である信号がオンであるか、すなわち遊技機状態に変化があるかを判定する(ステップS342)。そして、信号オンでない場合(ステップS342:NO)は、状態フラグとして状態オフフラグ(エラーではない状態を示すフラグ)を準備し(ステップS343)、対象の状態オフコマンドを取得して準備し(ステップS344)、対象の状態オフ監視タイマ比較値を取得する(ステップS345)。一方、対象の信号がオンである場合(ステップS342:YES)は、状態フラグとして状態オンフラグ(エラー状態を示すフラグ)を準備し(ステップS346)、対象の状態オンコマンドを取得して準備し(ステップS347)、対象の状態オン監視タイマ比較値を取得する(ステップS348)。
ステップS345の実行後、または、ステップS348の実行後には、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態を比較し(ステップS349)、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態が一致しない場合(ステップS349;NO)、すなわち信号の状態が変化した場合は、まだエラーの処置まで必要ないと判断して対象の信号制御領域に今回の信号状態をセーブし(ステップS350)、対象の状態監視タイマをクリアする(ステップS351)。そして、ステップS351の実行後、あるいは、ステップS349において対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態が一致した場合(ステップS349;YES)、すなわち信号の状態が変化していない場合には、エラーの処置が必要かどうかのタイマを判断するために対象の状態監視タイマを+1更新して(ステップS352)、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値(エラーへの処置が必要と判断する基準値)に達したかを判定する(ステップS353)。
対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値に達した場合(ステップS353:YES)は、状態監視タイマを−1更新して比較値−1の値に留め(ステップS354)、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域の値と比較する(ステップS355)。設定した状態フラグと対象の状態フラグ領域の値とが一致しない場合(ステップS35;NO)は、新たなエラー状態に変化したことになるので、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域にセーブし(ステップS356)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS357)。そして、ステップS357の実行後、あるいは、ステップS353において対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値に達していない場合(ステップS353;NO)、あるいは、ステップS355において準備した状態フラグと対象の状態フラグ領域の値とが一致する場合(ステップS355;YES)には遊技機状態チェック処理を終了する。
次に、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における払出ビジー信号チェック処理(ステップS226)を図57に基づき説明する。
払出ビジー信号チェック処理においては、まず、払出ビジー信号がオンであるか否かを判定し(ステップS361)、払出ビジー信号がオンでなければ(ステップS361;NO)、状態フラグとしてアイドル状態フラグを準備し(ステップS362)、オフ確定監視タイマ比較値を設定する(ステップS363)。一方、払出ビジー信号がオンであれば(ステップS361;YES)、状態フラグとしてビジー状態フラグを準備し(ステップS364)、オン確定監視タイマ比較値を設定する(ステップS365)。
ステップS363の実行後、あるいは、ステップS365の実行後、ビジー信号状態領域の値と今回の信号の状態とが同じであるかを判定し(ステップS366)、同じでなければ(ステップS366;NO)、ビジー信号状態領域に今回の信号の状態をセーブし(ステップS367)、ビジー信号監視タイマの0クリアする(ステップS368)。そして、ステップS368の実行後、あるいは、ステップS366においてビジー信号状態領域の値と今回の信号の状態とが同じである場合(ステップS366;YES)には、ビジー信号監視タイマを+1更新する(ステップS369)。
ステップS369を経ると、続いて、ビジー信号監視タイマの値が監視タイマ比較値(エラーへの処置が必要と判断する基準値)に達したかを判定し(ステップS370)、ビジー信号監視タイマの値が監視タイマ比較値に達していない場合(ステップS370;NO)は、払出ビジー信号チェック処理を終了する。また、ビジー信号監視タイマの値が監視タイマ比較値に達した場合(ステップS370:YES)は、ビジー信号監視タイマを−1更新して「比較値−1」の値に留め(ステップS371)、準備した状態フラグを払出ビジー信号フラグ領域にセーブして(ステップS372)、払出ビジー信号チェック処理を終了する。
次に、上述のタイマ割込み処理における残存球監視処理(ステップS68)を図58に基づき説明する。
残存球監視処理においては、まず、左残存球排出口スイッチ(排出球検出スイッチ)178に入力があるか否か、すなわち遊技球が左側球通過口175Lまたは右側球通過口175Rを通って変動入賞装置25の外方へ排出されたか否かを判定し(ステップS381)、左残存球排出口スイッチ(排出球検出スイッチ)178に入力があると判定すると(ステップS381;YES)、残存球カウンタ(変動入賞装置25内に残存している遊技球数のカウンタ)が「0」でなければ、残存球カウンタを−1更新する(ステップS382)。そして、ステップS382の実行後、あるいは、ステップS381において左残存球排出口スイッチ(排出球検出スイッチ)178に入力なしと判定した場合(ステップS381;NO)には、右残存球排出口スイッチ(放出球検出スイッチ)198に入力があるか否か、すなわち遊技球が球受入機構190を通って変動入賞装置25の外方へ排出されたか否かを判定し(ステップS383)、右残存球排出口スイッチ(放出球検出スイッチ)198に入力があると判定すると(ステップS383;YES)、残存球カウンタが「0」でなければ、残存球カウンタを−1更新する(ステップS384)。
ステップS384の実行後、あるいは、ステップS383において右残存球排出口スイッチ(放出球検出スイッチ)198に入力なしと判定した場合(ステップS383;NO)には、左大入賞口スイッチ90Lに入力があるか否かを判定する(ステップS385)。そして、左大入賞口スイッチ90Lに入力があると判定した場合(ステップS385;YES)には、残存球カウンタを+1更新する(ステップS386)。そして、ステップS386の実行後、あるいは、ステップS385において左大入賞口スイッチ90Lに入力がないと判定した場合(ステップS385;NO)には、右大入賞口スイッチ90Rに入力があるか否かを判定する(ステップS387)。そして、右大入賞口スイッチ90Rに入力があると判定した場合(ステップS387;YES)には、残存球カウンタを+1更新する(ステップS388)。
そして、ステップS388の実行後、あるいは、ステップS387において右大入賞口スイッチ90Rに入力がないと判定した場合(ステップS387;NO)には、残存球カウンタが「0」であるか否かを判定する(ステップS389)。残存球カウンタが「0」でなければ(ステップS389;NO)、残存球エラー(変動入賞装置25の内部に残存球が留まるというエラー)が発生中であるか否かを判定する(ステップS390)。残存球エラーが発生中であれば(ステップS390;YES)、残存球監視処理を終了する。
一方、残存球エラーが発生中でなければ(ステップS390;NO)、残存球監視タイマを−1更新する(ステップS391)。次いで、残存球監視タイマが「0」になったか否かを判定し(ステップS392)、残存球監視タイマが「0」になっていなければ(ステップS392;NO)、残存球監視処理を終了する。そして、残存球監視タイマが「0」になれば(ステップS392;YES)、残存球エラーが発生していると判断して、残存球エラー発生中フラグを準備する(ステップS393)とともに、残存球エラー発生コマンドを準備する(ステップS394)。
また、ステップS389において残存球カウンタが「0」であれば(ステップS389;YES)、残存球が無くなったと判断して、残存球エラー解除中フラグを準備する(ステップS395)とともに、残存球エラー解除コマンドを準備する(ステップS396)。そして、ステップS394の実行後、あるいは、ステップS396の実行後には、準備した状態フラグが残存球エラーフラグ領域の値と同じであるか否かを判定する(ステップS397)。準備した状態フラグが残存球エラーフラグ領域の値と同じであれば(ステップS397;YES)、前回の状態フラグから変化していないと判断し、残存球監視処理を終了する。一方、準備した状態フラグが残存球エラーフラグ領域の値と同じでなければ(ステップS397;NO)、今回の状態フラグが前回から変化したと判断し、今回準備した状態フラグを残存球エラーフラグ領域にセーブする(ステップS398)とともに、演出コマンド設定処理を行い(ステップS399)、残存球監視処理を終了する。
このように、変動入賞装置25の可動部材87が始動条件の成立により開放されて、遊技球が変動入賞装置25に流入すると、流入した遊技球は左大入賞口スイッチ90Lまたは右大入賞口スイッチ90Rの何れかにより検出されるとともに、左大入賞口スイッチ90Lまたは右大入賞口スイッチ90Rからの検出信号の入力が遊技制御装置51にあってから、その後、左残存球排出口スイッチ(排出球検出スイッチ)178または右残存球排出口スイッチ(放出球検出スイッチ)198により遊技球が変動入賞装置25から排出されることが検出されなければ、残存球が変動入賞装置25の内部に留まっていると判断され、残存球エラー発生コマンドが演出制御装置52へ送られると、タイマ割込み処理で示すように、エラー動作中は特図ゲームが行われないことになる。また、残存球が無くなり、残存球エラー解除コマンドが演出制御装置52へ送られると、遊技(特図ゲーム)が再開されることになる。
次に、上述のタイマ割込み処理における遊技停止エラー処理(ステップS69)を図59に基づき説明する。
遊技停止エラー処理においては、まず、エラー解除待ち中であるか否かを判定し(ステップS401)、エラー解除待ち中でなければ(ステップS401;NO)、エラー動作中であるか否かを判定する(ステップS402)。エラー動作中でなければ(ステップS402;NO)、遊技停止エラー処理を終了する。一方、エラー動作中であれば(ステップS402;YES)、遊技停止エラー制御タイマを−1更新し(ステップS403)、遊技停止エラー制御タイマが「0」になったか否かを判定する(ステップS404)。遊技停止エラー制御タイマはパチンコ遊技機1にエラーが発生したとき、一定期間遊技停止をしておくため、その一定期間をカウントするためのものである。
次いで、遊技停止エラー制御タイマが「0」になっていなければ(ステップS404;NO)、遊技停止エラー処理を終了し、遊技停止エラー制御タイマが「0」になれば(ステップS404;YES)、遊技停止エラー状態領域にエラー解除待ち中フラグをセーブする(ステップS405)。さらに、客待ちデモを実行中であるか否かを判定し(ステップS406)、客待ちデモを実行中である場合(ステップS406;YES)には、客待ちデモコマンドを準備し(ステップS407)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS408)。そして、ステップS408の実行後、あるいは、ステップS406において客待ちデモが実行中ではない場合(ステップS406;NO)には、遊技停止エラー解除コマンドを準備する(ステップS409)とともに、演出コマンド設定処理を行って(ステップS410)、遊技停止エラー処理を終了する。
また、ステップS401においてエラー解除待ち中であれば(ステップS401;YES)、RAM初期化スイッチ284に入力があるか否かを判定する(ステップS411)。RAM初期化スイッチ284に入力がなければ(ステップS411;NO)、遊技停止エラー処理を終了し、RAM初期化スイッチ284に入力があれば(ステップS411;YES)、遊技停止エラー解除コマンドを準備する(ステップS412)とともに、演出コマンド設定処理を行う(ステップS413)。
次いで、異常排出フラグ領域への解除中フラグのセーブ(ステップS414)、異常排出カウンタ領域の0クリア(ステップS415)、磁石不正フラグ領域への解除中フラグのセーブ(ステップS416)、磁石不正監視タイマ領域の0クリア(ステップS417)、振動不正フラグ領域への解除中フラグのセーブ(ステップS418)、振動不正監視無効タイマ領域の0クリア(ステップS419)。電波不正フラグ領域への解除中フラグのセーブ(ステップS420)、遊技停止エラーフラグ領域への正常中フラグのセーブ(ステップS421)を行って、遊技停止エラー処理を終了する。
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS72)を図60に基づき説明する。
特図ゲーム処理においては、まず、始動口スイッチ監視処理を行う(ステップS431)。始動口スイッチ監視処理では、第1始動口スイッチ291(左始動口スイッチ291L、右始動口スイッチ291R)、第2始動口スイッチ(中始動口スイッチ)292への入賞を監視し、これらへの遊技球の始動入賞があると、特図図柄乱数の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。次いで、大入賞口スイッチ監視処理(ステップS432)を行う。この大入賞口スイッチ監視処理では、変動入賞装置25内に設けられた左大入賞口スイッチ90L、右大入賞口スイッチ90Rでの遊技球の検出を監視する処理等を行う。次いで、特定領域スイッチ監視処理(ステップS433)を行う。この特定領域スイッチ監視処理では、特定領域スイッチ129,252,254,256への遊技球の入賞を監視し、演出コマンドを設定する処理を行う
次いで、中央球通過検出スイッチ(V演出スイッチ)180に入力があるか否かを判定する(ステップS434)。中央球通過検出スイッチ(V演出スイッチ)180に入力があれば(ステップS434;YES)、演出スイッチ通過コマンドを準備し(ステップS435)、続いて演出コマンド設定処理を行う(ステップS436)。ステップS436の実行後、あるいはステップS434において中央球通過検出スイッチ(V演出スイッチ)180に入力がなければ(ステップS434;NO)、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS437)。そして、特図ゲーム処理タイマの値が「0」であるかを判定し(ステップS438)、「0」である場合(ステップS438;YES)、すなわちタイムアップしたまたはすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップS439)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し(ステップS440)、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップS441)。
ステップS441にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、電源投入動作処理を行う(ステップS442)。電源投入動作処理では、電源投入に伴い初期状態に戻す等の処理を行って、遊技が開始できるような状態にすることを行う。また、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図変動ゲームの変動開始を監視し、特図変動ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップS443)を行い、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップS444)を行う。
さらに、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、特図変動ゲームの遊技結果に対応する小当り開放動作を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップS445)を行い、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、小当りにおける大入賞口開放に関する設定処理を実行する小当り開放中処理(ステップS446)を行い、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、小当り中処理の際に変動入賞装置25内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップS447)を行う。
そして、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、小当りを終了してファンファーレ/インターバル処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り終了処理(ステップS448)を行い、特図ゲーム処理番号が「7」の場合は、大入賞口83の開放情報とラウンド数に対応する大入賞口開放時間値の設定等のファンファーレ/インターバルに関する処理を行うために必要な情報の設定等を実行するファンファーレ/インターバル中処理(ステップS449)を行い、特図ゲーム処理番号が「8」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する処理等を行う大入賞口開放中処理(ステップS450)を行う。
また、特図ゲーム処理番号が「9」の場合は、変動入賞装置25内にある残存球が排出されるのを待つための期間(大入賞口残存球処理期間)を強制終了する処理や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報を設定する処理等を行う大入賞口残存球処理(ステップS451)を行い、特図ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップS452)を行う。
ステップS452の実行後、あるいは、ステップS438において特図ゲーム処理タイマの値が「0」ではない場合(ステップS438;NO)には、一括表示装置43における特図1の変動を制御するためのテーブル(特図1変動制御テーブル)を準備し(ステップS453)、一括表示装置43の特図1に係る図柄変動制御処理(ステップS454)を行う。次いで、一括表示装置43における特図2の変動を制御するためのテーブル(特図2変動制御テーブル)を準備し(ステップS455)、一括表示装置43の特図2に係る図柄変動制御処理(ステップS456)を行い、特図ゲーム処理を終了する。
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップS431)を図61に基づき説明する。
始動口スイッチ監視処理においては、まず、左始動口入賞監視テーブルを準備し(ステップS461)、ハード乱数取得処理(ステップS462)を行う。そして、左始動口37Lへの入賞があるか否かを判定し(ステップS463)、左始動口37Lへの入賞があると判定した場合(ステップS463;YES)には、特図1始動口スイッチ処理を行う(ステップS464)。
ステップS464の実行後、あるいは、ステップS463において左始動口37Lへの入賞がないと判定した場合(ステップS463;NO)には、右始動口入賞監視テーブルを準備し(ステップS465)、ハード乱数取得処理(ステップS466)を行う。そして、右始動口37Rへの入賞があるか否かを判定し(ステップS467)、右始動口37Rへの入賞があると判定した場合(ステップS467;YES)には、特図1始動口スイッチ処理を行う(ステップS468)。
ステップS468の実行後、あるいは、ステップS467において右始動口37Rへの入賞がないと判定した場合(ステップS467;NO)には、中始動口入賞監視テーブルを準備し(ステップS469)、ハード乱数取得処理(ステップS470)を行う。そして、第2始動入賞口38への入賞があるか否かを判定し(ステップS471)、第2始動入賞口38への入賞があると判定した場合(ステップS471;YES)には、特図2始動口スイッチ処理を行って(ステップS472)、始動口スイッチ監視処理を終了し、第2始動入賞口38への入賞がないと判定した場合(ステップS471;NO)には、直ちに始動口スイッチ監視処理を終了する。
次に、上述の始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(ステップS462、S466、S470)を図62により説明する。
ハード乱数取得処理においては、まず、第1始動入賞口37および第2始動入賞口38のうち、監視対象の始動口の入賞なし情報を設定して(ステップS481)、第1始動入賞口37および第2始動入賞口38のうち、監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップS482)。そして、監視対象の始動口スイッチに入力がない場合(ステップA482;NO)は、ハード乱数取得処理を終了する。一方、監視対象の始動口スイッチに入力がある場合(ステップS482;YES)は、乱数ラッチレジスタステータスを読み込み(ステップS483)、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるかを判定する(ステップS484)。
対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがない場合(ステップS484;NO)、すなわち乱数が抽出されていない場合は、ハード乱数取得処理を終了する。一方、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合(ステップS484;YES)は、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された変動パターン乱数(一括表示装置43における特図変動の表示態様を決定するための乱数)をロードし、準備する(ステップS485)。次いで、第1始動入賞口37および第2始動入賞口38のうち、監視対象の始動口の入賞あり情報を設定して(ステップS486)、ハード乱数取得処理を終了する。
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図1始動口スイッチ処理(ステップS464、S468)を図63に基づき説明する。
特図1始動口スイッチ通処理においては、まず、第1始動入賞口37のうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を外部装置に対して出力する回数である始動口1信号出力回数をロードし(ステップS491)、ロードした値を+1更新して(ステップS492)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップS493)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップS493;NO)は、更新後の値をRWMの始動口1信号出力回数領域にセーブする(ステップS494)。
ステップS494の実行後、あるいは、ステップS493において出力回数がオーバーフローする場合(ステップS493;YES)は、普段処理中であるか否かを判定し(ステップS495)、普段処理中でなければ(ステップS495;NO)、特図1始動口スイッチ処理を終了し、普段処理中であれば(ステップS495;YES)、特図2に保留があるか否かを判定する(ステップS496)。ここで、遊技球が第2始動入賞口(中始動口)38に入賞した場合には1個に限り特図の保留(特図2の保留)が行われる。一方、遊技球が第1始動入賞口37に入賞した場合には特図の保留(特図1の保留は無し)は行われない。
ステップS496において特図2に保留があれば(ステップS496;YES)、特図1始動口スイッチ処理を終了する。一方、特図2に保留がなければ(ステップS496;NO)、残存球カウンタが「0」であるか否かを判定する(ステップS497)。残存球カウンタが「0」でなければ(ステップS497;NO)、特図1始動口スイッチ処理を終了し、残存球カウンタが「0」であれば(ステップS497;YES)、特図1始動口入賞フラグがあるか否かを判定する(ステップS498)。特図1始動口入賞フラグがあれば(ステップS498;YES)、第1始動入賞口37に既に遊技球が入賞していて、特図1始動口入賞フラグがセットされていると判断され、特図1始動口入賞フラグを再度セットする必要はないので、特図1始動口スイッチ処理を終了する。一方、特図1始動口入賞フラグがなければ(ステップS498;NO)、特図1始動口入賞フラグをセットする(ステップS499)。
次いで、上述のハード乱数取得処理におけるステップS485で準備した変動パターン乱数をRWMの特図1変動パターン乱数格納領域にセーブし(ステップS500)、特図図柄乱数を抽出する(ステップS501)とともに、抽出した特図図柄乱数をRWMの特図1図柄乱数格納領域にセーブして(ステップS502)、特図1始動口スイッチ処理を終了する。
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図2始動口スイッチ処理(ステップS472)を図64に基づき説明する。
特図2始動口スイッチ処理では、まず、第2始動口スイッチ292への入賞の回数に関する情報を外部装置に対して出力する回数である始動口2信号出力回数をロードし(ステップS511)、ロードした値を+1更新して(ステップS512)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップS513)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップS513;NO)は、更新後の値をRWMの始動口2信号出力回数領域にセーブする(ステップS514)。
ステップS514の実行後、あるいは、ステップS513において出力回数がオーバーフローする場合(ステップS513;YES)は、特図2保留数が上限値未満であるか否かを判定し(ステップS515)、特図保留数が上限値未満でない場合(ステップS515;NO)は、特図2始動口スイッチ共通処理を終了し、特図2保留数が上限値未満である場合(ステップS515;YES)は、更新対象の特図2保留数を+1更新する(ステップS516)とともに、特図2保留数に対応する飾り保留数コマンドを準備し(ステップS517)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS518)。なお、飾り保留数は、演出制御装置52の制御により情報表示器56に表示される。
次いで、上述のハード乱数取得処理におけるステップS485で準備した変動パターン乱数をRWMの特図2変動パターン乱数格納領域にセーブし(ステップS519)、特図図柄乱数を抽出する(ステップS520)とともに、抽出した特図図柄乱数をRWMの特図2図柄乱数格納領域にセーブして(ステップS521)、特図2始動口スイッチ処理を終了する。
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口スイッチ監視処理(ステップS432)を図65に基づき説明する。
大入賞口スイッチ監視処理においては、まず、左大入賞口スイッチ90Lに入力があるか否かを判定し(ステップS531)、入力があれば(ステップS531;YES)、大入賞口カウント更新処理を行う(ステップS532)。ステップS532の実行後、あるいはステップS532において入力がなければ(ステップS531;NO)、右大入賞口スイッチ90Rに入力があるか否かを判定する(ステップS533)。右大入賞口スイッチ90Rに入力があれば(ステップS533;YES)、大入賞口カウント更新処理を行って(ステップS534)、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、右大入賞口スイッチ90Rに入力がなければ(ステップS533;NO)、直ちに大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
次に、上述の大入賞口スイッチ監視処理における大入賞口カウント更新処理(ステップS532、S534)を図66に基づき説明する。
大入賞口カウント更新処理においては、まず、変動入賞装置25の大入賞口83に流入した遊技球をカウントする左大入賞口スイッチ90Lおよび右大入賞口スイッチ90Rへの入賞の回数に関する情報を外部装置に対して出力する回数である役物入賞個数信号出力回数をロードし(ステップS541)、ロードした値を+1更新する(ステップS542)。次いで、役物入賞個数信号出力回数がオーバーフローするかを判定し(ステップS543)、オーバーフローしない場合(ステップS543;NO)は、更新後の値をRWMの役物入賞個数信号出力回数領域にセーブする(ステップS544)。
ステップS544の実行後、あるいは、ステップS543において役物入賞個数信号出力回数がオーバーフローする場合(ステップS543;YES)は、変動入賞装置25(大入賞口83)の開放処理中であるか否かを判定する(ステップS545)。大入賞口開放中でなければ(ステップS545;NO)、大入賞口残存球処理中であるか否かを判定し(ステップS546)、大入賞口残存球処理中でなければ(ステップS546;NO)、小当り開放中処理の実行中であるか否かを判定し(ステップS547)、小当り開放中処理の実行中でなければ(ステップS547;NO)、小当り残存球処理中であるか否かを判定し(ステップS548)、小当り残存球処理中でなければ(ステップS548;NO)、大入賞口カウント更新処理を終了する。
ステップS545において大入賞口開放中処理の実行中である場合(ステップS545;YES)、あるいは、ステップS546において大入賞口残存球処理中である場合(ステップS546;YES)、あるいは、ステップS547において小当り開放中処理の実行中である場合(ステップS547;YES)、あるいは、ステップS548においてお当り残存球処理中である場合(ステップS548;YES)には、大入賞口カウントコマンドを準備し(ステップS549)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS550)。次いで、大入賞口開放中処理の実行中であるか否かを判定し(ステップS551)、大入賞口開放中処理の実行中でなければ(ステップS551;NO)、小当り開放中処理の実行中であるか否かを判定し(ステップS552)、小当り開放中処理の実行中でなければ(ステップS552;NO)、大入賞口カウント更新処理を終了する。
ステップS551において大入賞口開放中処理の実行中である場合(ステップS551;YES)、あるいは、ステップS552において小当り開放中処理の実行中である場合(ステップS552;YES)には、大入賞口カウント数を+1更新する(ステップS553)。そして、一のラウンドで入賞可能な遊技球数を示す大入賞口カウント数が上限値(例えば「9」)以上となったかを判定し(ステップS554)、大入賞口カウント数が上限値以上となった場合(ステップS554;YES)は、大入賞口カウント数を上限値に留めて、特図ゲーム処理タイマ領域を0クリアし(ステップS555)、特図当り中処理制御ポインタ上限値領域から上限値をロードし(ステップS556)、特図当り中処理制御ポインタ領域にロードした値をセーブして(ステップS557)、大入賞口カウント更新処理を終了する。また、ステップS554において大入賞口カウント数が上限値以上となっていない場合(ステップS554;NO)は、大入賞口カウント更新処理を終了する。
次に、上述の特図ゲーム処理における特定領域スイッチ監視処理(ステップS433)を図67に基づき説明する。
特定領域スイッチ監視処理においては、まず、特定領域有効中であるか否か(具体的には、特図ゲーム処理番号が「4(小当り開放中処理)」または「5(小当り残存球処理)」であるか否か)を判定し(ステップS571)、特定領域有効中でなければ(ステップS571;NO)、特定領域スイッチ監視処理を終了し、特定領域有効中であれば(ステップS571;YES)、特定領域スイッチ129,252,254,256に入力があるか否かを判定する(ステップS572)。特定領域スイッチ129,252,254,256に入力がなければ(ステップS572;NO)、特定領域スイッチ監視処理を終了し、特定領域スイッチ129,252,254,256に入力があれば(ステップS572;YES)、既に特定領域128,251,253,255を遊技球が通過しているか否かを判定する(ステップS573)。既に特定領域128,251,253,255を遊技球が通過していれば(ステップS573;YES)、特定領域スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技球が特定領域128,251,253,255を通過していなければ(ステップS573;NO)、特定領域通過フラグ領域に通過あり情報をセーブする(ステップS574)。次いで、特定領域通過コマンドを準備し(ステップS575)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS576)。さらに大当りの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップS577)、遊技状態表示番号領域に大当り中の番号をセーブし(ステップS578)、特定領域スイッチ監視処理を終了する。
次に、上述の特図ゲーム処理における特図電源投入動作処理(ステップS442)を図68に基づき説明する。
特図電源投入動作処理は、パチンコ機1の電源投入時にだけ実行されるものであり、まず、特定入賞駆動モータ136を駆動制御するためのM1制御ポインタが停止動作であるか否かを判定する(ステップS581)。M1制御ポインタが停止動作であれば(ステップS581;YES)、次いで、振分駆動モータ220を駆動制御するためのM2制御ポインタが停止動作であるか否かを判定する(ステップS582)。M2制御ポインタが停止動作であれば(ステップS582;YES)、M1制御ポインタ領域にM1普段動作の値をセーブする(ステップS583)とともに、M1制御タイマ領域を0クリアする(ステップS584)。さらに、M2制御ポインタ領域にM2普段動作の値をセーブする(ステップS585)とともに、M2制御タイマ領域を0クリアする(ステップS586)。次いで、特図ゲームの処理番号として「1」を設定し(ステップS587)、特図ゲーム処理番号領域にステップS587で設定した番号をセーブして(ステップS588)、特図電源投入動作処理を終了する。また、ステップS581においてM1制御ポインタが停止動作でないとき(ステップS581;NO)、あるいは、ステップS582においてM2制御ポインタが停止動作でないとき(ステップS582;NO)には、直ちに特図電源投入動作処理を終了する。
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップS443)を図69に基づき説明する。
特図普段処理においては、まず、残存球カウンタが「0」であるか否かを判定し(ステップS591)、残存球カウンタが「0」であれば(ステップS591;YES)、特図1始動口入賞フラグがあるか否かを判定する(ステップS592)。特図1始動口入賞フラグがあれば(ステップS592;YES)、特図1変動開始処理を行い(ステップS593)、特図普段処理を終了する。一方、特図1始動口入賞フラグがなければ(ステップS592;NO)、特図2保留数が「0」でないか否かを判定し(ステップS594)、特図2保留数が「0」でなければ(ステップS594;YES)、特図2保留数を−1更新する(ステップS595)。次いで、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップS596)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS597)。さらに、特図2変動開始処理を行い(ステップS598)、特図普段処理を終了する。
ステップS591において残存球カウンタが「0」でない場合(ステップS591;NO)、あるいは、ステップS594において特図2保留数が「0」である場合(ステップS593;NO)には、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップS599)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップS599;NO)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップS600)。続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップS601)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS602)。ステップS602の実行後、あるいは、ステップS599において客待ちデモが開始済みである場合(ステップS599;YES)には、処理番号として「1」を設定し(ステップS603)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ステップS604)した後、特図普段処理を終了する。
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップS593)を図70(a)に基づき説明する。
特図1変動開始処理においては、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブし(ステップS611)、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップS612)を行う。次いで、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理を行い(ステップS613)、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を行う(ステップS614)。次いで、処理番号として「2」を設定し(ステップS615)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップS616)。
さらに、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップS617)、特図1変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS618)。次いで、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップS619)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ初期値(例えば、100ms)をセーブする(ステップS620)。そして、特図1始動口入賞フラグをクリアし(ステップS621)、特図1変動開始処理を終了する。
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップS598)を図70(b)に基づき説明する。
特図2変動開始処理においては、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブし(ステップS631)、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップS632)を行う。次いで、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理を行い(ステップS633)、第2特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を行う(ステップS634)。次いで、処理番号として「2」を設定し(ステップS635)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップS636)。
さらに、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップS637)、特図2変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS638)。次いで、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップS639)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ初期値(例えば、100ms)をセーブし(ステップS640)、特図2変動開始処理を終了する。
次に、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップS612)を図71(a)に基づき説明する。
特図1停止図柄設定処理においては、まず、特図1図柄乱数格納領域から特図1の停止図柄を決定するための乱数をロードし(ステップS651)、特図1図柄乱数格納領域を0クリアする(ステップS652)。次いで、小当り図柄テーブルを設定し(ステップS653)、ロードした乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(ステップS654)。この処理により0から49までの50通りの図柄番号の何れかの図柄番号が選出されることになる。
次いで、特図1小当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップS655)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップS656)。次いで、停止図柄番号に対応する小当り動作判定情報を取得し、小当り動作判定情報領域にセーブする(ステップS657)。小当り動作判定情報は、1回開きまたは2回開きの何れの小当り動作を行うかを判定する情報である。
次いで、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得し、大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップS658)。大入賞口開放情報は、16R大当り、3R当り、7R当りの何れの当り動作に対応して大入賞口83(変動入賞装置25)を開放制御するかを判定する情報である。次いで、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備し(ステップS659)、準備した飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップS660)、演出コマンド設定処理を行って(ステップS661)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
次に、上述の特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(ステップS632)を図71(b)に基づき説明する。
特図2停止図柄設定処理においては、まず、特図2図柄乱数格納領域から特図2の停止図柄を決定するための乱数をロードし(ステップS671)、特図2図柄乱数格納領域を0クリアする(ステップS672)。次いで、小当り図柄テーブルを設定し(ステップS673)、ロードした乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図2停止図柄番号領域にセーブする(ステップS674)。この処理により0から49までの50通りの図柄番号の何れかの図柄番号が選出されることになる。
次いで、特図2小当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップS675)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップS676)。次いで、停止図柄番号に対応する小当り動作判定情報を取得し、小当り動作判定情報領域にセーブする(ステップS677)。小当り動作判定情報は、2回開きの小当り動作を判定する情報である。
次いで、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得し、大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップS678)。次いで、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備し(ステップS679)、準備した飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップS680)、演出コマンド設定処理を行って(ステップS681)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
次に、上述の特図1変動開始処理および特図2変動開始処理における変動パターン設定処理(ステップS613、S633)を図72に基づき説明する。
変動パターン設定処理においては、まず、変動グループアドレステーブルを設定し(ステップS691)、変動図柄判別フラグと停止図柄パターンに対応する変動パターン選択テーブルを取得し、準備する(ステップS692)。また、対象の変動パターン乱数格納領域から特図1や特図2の変動パターンを抽選で決めるための乱数(変動パターン乱数)をロードし、準備し(ステップS693)、対象の変動パターン乱数格納領域を0クリアする(ステップS694)。次いで、変動パターン乱数に基づいて変動パターン選択テーブルから特図変動表示ゲームの変動パターン番号を選択するための2バイト振り分け処理を行い(ステップS695)、振り分けられた結果得られた変動パターン番号を取得し、変動パターン番号領域にセーブし(ステップS696)、変動パターン設定処理を終了する。
次に、上述の特図1変動開始処理および特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップS614、S634)を図73に基づき説明する。
変動開始情報設定処理においては、変動時間値テーブルを設定し(ステップS701)、変動パターン番号に対応する変動時間値を取得し、特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップS702)。その後、変動パターン番号に対応する変動コマンドを準備し(ステップS703)、演出コマンド設定処理を行い(ステップS704)、変動開始情報設定処理を終了する。
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップS444)を図74に基づき説明する。
特図変動中処理においては、まず、処理番号として「3」を設定し(ステップS711)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップS712)。次いで、特図ゲーム処理タイマ領域に表示時間(例えば、100ms)をセーブし(ステップS713)、特図1変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップS714)、特図2変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS715)。次いで、特図1変動制御フラグ領域に停止フラグをセーブし(ステップS716)、特図2変動制御フラグ領域に停止フラグをセーブし(ステップS717)、特図変動中処理を終了する。
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップS445)を図75に基づき説明する。
特図表示中処理においては、まず、飾り特図コマンド領域からコマンドをロードし、準備する(ステップS721)。次いで、演出コマンド設定処理を行う(ステップS722)。さらに、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップS723)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS724)。
また、小当り動作が2回開きであるか否かを判定し(ステップS727)、小当り動作は2回開きでなければ(ステップS727;NO)、特図当り中処理制御ポインタ領域に1回開きのスタート値をセーブする(ステップS728)とともに、特図当り中処理制御ポインタ上限値領域に1回開きの上限値をセーブする(ステップS729)。一方、小当り動作は2回開きであれば(ステップS727;YES)、特図当り中処理制御ポインタ領域に2回開きのスタート値をセーブする(ステップS730)とともに、特図当り中処理制御ポインタ上限値領域に2回開きの上限値をセーブする(ステップS731)。
ステップS729の実行後、あるいは、ステップS731の実行後、特図1の変動中であるか否かを判定し(ステップS732)、特図1の変動中であれば(ステップS732;YES)、特図1小当りの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップS733)、特図1の変動中でなければ(ステップS732;NO)、特図2小当りの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS734)。ステップS733の実行後、あるいは、ステップS734の実行後、小当り開放動作開始コマンドを準備し(ステップS735)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS736)。
次いで、処理番号として「4」を設定し(ステップS737)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし(ステップS738)、小当り開放時間(例えば、400ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップS739)。次いで、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブし(ステップS740)、特定領域通過フラグ領域をクリアし(ステップS741)、大入賞口カウント数領域をクリアする(ステップS742)。さらに、役物回数信号制御タイマ領域に出力タイマ初期値(例えば、128ms)をセーブする(ステップS743)とともに、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブし(ステップS744)、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップS745)、特図表示中処理を終了する。
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り開放中処理(ステップS446)を図76に基づき説明する。
小当り開放中処理においては、まず、特図当り中制御ポインタをロードし、準備する(ステップS751)。次いで、ロードした特図当り中制御ポインタの値を小当り動作終了値と比較し、ロードした特図当り中制御ポインタの値が小当り動作終了値以上であるか否かを判定し(ステップS752)、小当り動作終了値以上でなければ(ステップS752;NO)、小当り動作移行設定処理を行い(ステップS753)、特図当り中制御ポインタを+1更新し(ステップS754)、特図当り中制御ポインタに対応する小当り動作中コマンドを準備し(ステップS755)、演出コマンド設定処理を行い(ステップS756)、小当り開放中処理を終了する。
一方、ロードした特図当り中制御ポインタの値が小当り動作終了値以上であれば(ステップS752;YES)、処理番号として「5」を設定し(ステップS757)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし(ステップS758)、小当り大入賞口閉鎖のコマンドを準備し(ステップS759)、演出コマンド設定処理を行い(ステップS760)、小当り開放中処理を終了する。
次に、上述の小当り開放中処理における小当り動作移行設定処理(ステップS753)を図77に基づき説明する。
小当り動作移行設定処理においては、まず、特図当り中制御ポインタによる分岐判定を行い(ステップS771)、特図当り中制御ポインタが「0」であれば、ウエイト時間(小当り時の可動部材87の2回開きにおいて1回目の開放と2回目の開放との間隔)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップS772)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブし(ステップS773)、小当り動作移行設定処理を終了する。
一方、特図当り中制御ポインタが「1」であれば、小当り開放時間(可動部材87の開放時間)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップS774)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブし(ステップS775)、役物回数信号制御タイマ領域に出力タイマ初期値(例えば、128ms)をセーブし(ステップS776)、小当り動作移行設定処理を終了する。
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り残存球処理(ステップS447)を図78に基づき説明する。
小当り残存球処理においては、まず、残存球カウンタが「0」であるか否かを判定し(ステップS781)、残存球カウンタが「0」でなければ(ステップS781;NO)、小当り残存球処理を終了する。一方、残存球カウンタが「0」であれば(ステップS781;YES)、小当りエンディングコマンドを準備し(ステップS784)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS785)。次いで、処理番号として「6」を設定し(ステップS786)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし(ステップS787)、小当りエンディング時間(例えば、0.1秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップS788)、大入賞口カウント数領域をクリアし(ステップS789)、小当り動作の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップS790)、小当り残存球処理を終了する。
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り終了処理(ステップS448)を図79に基づき説明する。
小当り終了処理においては、まず、「大当り2」情報の出力を制御するための大当り2制御回数が「0」でなければ−1更新し(ステップS801)、遊技球が特定領域128,251,253,255を通過したか否かを判定する(ステップS802)。遊技球の特定領域通過がなければ(ステップS802;NO)、処理番号として「1」を設定し(ステップS803)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし(ステップS804)、小当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップS805)、小当り終了処理を終了する。
一方、遊技球の特定領域通過があれば(ステップS801;YES)、飾り特図コマンド領域からコマンドをロードし、準備する(ステップS806)とともに、演出コマンド設定処理を行う(ステップS807)。次いで、大当りファンファーレコマンドを準備し(ステップS808)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS809)。さらに、大入賞口開放情報に対応する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS810)、大当り2制御回数が「0」であるか否かを判定する(ステップS811)。そして、0ではない場合(ステップS811;NO)には、連続大当りに関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS812)、遊技状態表示番号2領域に連続大当り中の番号をセーブする(ステップS813)。ステップS813の実行後、あるいは、ステップS811において大当り2制御回数が「0」である場合(ステップS811;YES)には、処理番号として「7」を設定し(ステップS814)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップS815)。
次いで、大当りファンファーレ時間(例えば、15秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップS816)、特定領域通過フラグ領域をクリアする(ステップS817)。さらに、小当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップS818)、ラウンド数領域に初期値(例えば、「1」)をセーブし(ステップS819)、小当り終了処理を終了する。
次に、上述の特図ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(ステップS449)を図80に基づき説明する。
ファンファーレ/インターバル中処理においては、まず、特別遊技状態のラウンド数を+1更新し(ステップS821)、特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備して(ステップS82)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS823)。次いで、大入賞口開放情報とラウンド数に対応する大入賞口開放時間値を設定し(ステップS824)、大入賞口開放時間値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップS825)とともに、大入賞口開放情報とラウンド数に対応する制御ポインタのスタート値と上限値をセーブする(ステップS826)。
次いで、特図当り中制御ポインタ領域にスタート値をセーブする(ステップS827)とともに、特図当り中制御ポインタ上限値領域に上限値をセーブする(ステップS828)。さらに、処理番号として「8」を設定し(ステップS831)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップS832)。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブし(ステップS833)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブし(ステップS835)、大入賞口開放開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップS836)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口開放中処理(ステップS450)を図81に基づき説明する。
大入賞口開放中処理においては、まず、特図当り中制御ポインタをロードし、準備する(ステップS841)。次いで、ロードした特図当り中制御ポインタの値を大当り動作終了値と比較し、ロードした特図当り中制御ポインタの値が大当り動作終了値以上であるか否かを判定する(ステップS842)。ロードした特図当り中制御ポインタの値が大当り動作終了値以上でなければ(ステップS842;NO)、特図当り中制御ポインタを+1更新し(ステップS843)、大当り動作移行設定処理を行い(ステップS844)、大入賞口開放中処理を終了する。
一方、ステップS842において、ロードした特図当り中制御ポインタの値が大当り動作終了値以上であれば(ステップS842;YES)、に分岐し、大当りの最終ラウンドであるか否かを判定し(ステップS845)、大当りの最終ラウンドでなければ(ステップS845;NO)、最終ラウンド以外用の残存球処理時間(例えば、796ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップS846)、インターバルコマンドを準備し(ステップS847)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS848)。また、ステップS845において、大当りの最終ラウンドであれば(ステップS845;YES)、最終ラウンド用の残存球処理時間(例えば、1900ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップS850)、大当りエンディングコマンドを準備し(ステップS851)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS851)。
ステップS848の実行後、あるいは、ステップS851の実行後、処理番号として「9」を設定し(ステップS854)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップS855)。次いで、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブし(ステップS856)、大入賞口開放中処理を終了する。
次に、上述の大入賞口開放中処理における大当り動作移行設定処理(ステップS844)を図82に基づき説明する。
大当り動作移行設定処理においては、まず、特図当り中制御ポインタによる分岐判定を行い(ステップS861)、特図当り中制御ポインタが「偶数」であれば、ウエイト時間(例えば、800ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップS862)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブし(ステップS863)、大当り動作移行設定処理を終了する。一方、特図当り中制御ポインタが「3乃至17までの奇数」であれば、大当りランクアップ開放時間(例えば、200ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップS864)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブし(ステップS865)、大当り動作移行設定処理を終了する。なお、大当りランクアップ開放時間は、大当り時に所定のラウンド遊技の最中に突然16R大当りに昇格していくような演出(所謂16R大当りランクアップのゲームになる演出)において、可動部材87が開放動作している期間(つまり、1ラウンド遊技での開放動作期間)のことである。
一方、ステップS861において、特図当り中制御ポインタが「19乃至53までの奇数」であれば、大当りフル開放時間(例えば、800ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップS866)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブし(ステップS867)、大当り動作移行設定処理を終了する。なお、大当りフル開放時間は、前記したフル開放回数で実行される可動部材87の開放動作期間(1ラウンド遊技での開放動作期間)である。
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口残存球処理(ステップS451)を図83に基づき説明する。
大入賞口残存球処理においては、まず、大当り遊技の最終ラウンド(例えば、16R大当りであれば、16ラウンドのこと)であるか否かを判定し(ステップS871)、大当り遊技の最終ラウンドでなければ(ステップS871;NO)、大入賞口動作判定テーブルを設定し(ステップS872)、大入賞口開放情報とラウンド数に対応するインターバル時間を設定する(ステップS873)。次いで、処理番号として「7」を設定し(ステップS875)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし(ステップS876)、大入賞口開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップS877)、大入賞口残存球処理を終了する。
一方、ステップS871において大当り遊技の最終ラウンドであれば(ステップS871;YES)、残存球カウンタが「0」であるか否かを判定する(ステップS878)。残存球カウンタが「0」でなければ(ステップS878;NO)、大入賞口残存球処理を終了する。また、残存球カウンタが「0」であれば(ステップS878;YES)、処理番号として「10」を設定し(ステップS879)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップS880)。
次いで、大当りエンディング時間(例えば、610ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップS881)、大入賞口開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップS882)、大入賞口カウント数領域をクリアし(ステップS883)、ラウンド数領域をクリアする(ステップS884)。次いで、大入賞口開放情報領域をクリアする(ステップS885)とともに、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップS886)、大入賞口残存球処理を終了する。
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップS452)を図84に基づき説明する。
大当り終了処理においては、まず、処理番号として「1」を設定し(ステップS891)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップS892)。次いで、遊技状態表示番号1領域に通常中の番号をセーブし(ステップS893)、遊技状態表示番号2領域に通常中の番号をセーブし(ステップS894)、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップS895)。さらに、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップS896)、大当り2制御回数領域に初期値をセーブし(ステップS897)、大当り終了処理を終了する。
次に、各処理におけるコマンド設定処理を図85に基づき説明する。
コマンド設定処理においては、まず、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込み(ステップS901)、演出用シリアル送信バッファは満杯であるか否かを判定する(ステップS902)。演出用シリアル送信バッファが満杯であれば(ステップS902;YES)、ステップS901に戻ってル−プを繰り返し、演出用シリアル送信バッファが満杯でなくなるまで待つ。そして、演出用シリアル送信バッファが満杯でなければ(ステップS902;NO)、コマンドデータ(MODE(上位バイト))をシリアル送信バッファに書き込む(ステップS903)。
次いで、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込み(ステップS904)、演出用シリアル送信バッファが満杯であるか否かを判定する(ステップS905)。演出用シリアル送信バッファが満杯であれば(ステップS905;YES)、ステップS904に戻ってル−プを繰り返し、演出用シリアル送信バッファが満杯でなくなるまで待つ。そして、演出用シリアル送信バッファが満杯でなければ(ステップS905;NO)、コマンドデータ(ACTION(下位バイト))をシリアル送信バッファに書き込み(ステップS906)、演出コマンド設定処理を終了する。
次に、上述の特図ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップS454)を図86に基づき説明する。
図柄変動制御処理においては、まず、対象の図柄の変動制御フラグが変動中か否かをチェックし(ステップS911,S912)、変動中であれば(ステップS912;YES)、対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(変動用)を取得する(ステップS913)。次いで、対象の点滅変動タイマを−1更新し(ステップS914)、タイムアップしたか(点滅変動タイマ=0か)否かをチェックし(ステップS915)、タイムアップしたと判定すると(ステップS915;YES)、点滅制御タイマ初期値(例えば、100ms)を対象の点滅制御タイマ領域にセーブし(ステップS916)、対象の変動図柄番号を+1更新する(ステップS917)。そして、ステップS917の実行後、あるいは、ステップS915において対象の点滅変動タイマがタイムアップしていない場合(ステップS915;NO)には、対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(ステップS918)。
一方、ステップS912において対象の図柄の変動制御フラグが変動中でなく停止中であれば(ステップS912;NO)、対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(停止用)を取得し(ステップS919)、対象の停止図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(ステップS920)。そして、ステップS920の実行後、あるいは、ステップS918の実行後、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブし(ステップS921)、図柄変動制御処理を終了する。
次に、上述の変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(ステップS695)を図87に基づき説明する。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数に基づいて、特図1変動パターン選択テーブルや特図2変動パターン選択テーブル等の選択テーブルから特図変動表示ゲームの変動パターンを選択するための処理である。
2バイト振り分け処理においては、まず、対象の選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしコードか否かをチェックし(ステップS931,S932)、選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードではないと判定すると(ステップS932;NO)、選択テーブルに最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップS933)。さらに、ステップS931にてチェックした乱数値(例えば、変動パターン乱数の値)からステップS933にて取得された振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(ステップS934)、当該算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップS935)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない(ステップS935;NO)と判定すると、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップS936)、ステップS933に戻ってループを繰り返す。
また、ステップS932において選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードであると判定した場合(ステップS932;YES)、あるいは、ステップS935において新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定した場合(ステップS935;YES)には、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップS937)、2バイト振り分け処理を終了する。
次に、上述のタイマ割込み処理におけるセグメントLED編集処理(ステップS73)を図88に基づき説明する。
セグメントLED編集処理においては、まず、特別遊技状態(大当り状態)であるか否かの報知を行うための遊技状態表示テーブル1を設定し(ステップA1)、遊技状態表示番号1に対する表示データを取得し、セグメント領域にセーブする(ステップA2)。さらに、発生監視期間内で特別遊技状態が再発生しているか否かの報知を行うための遊技状態表示テーブル2を設定し(ステップA3)、遊技状態表示番号2に対する表示データを取得し、セグメント領域にセーブする(ステップA4)。次いで、現在の特図2の保留状態を表示させるための特図2保留数表示テーブルを設定し(ステップA3)、特図2保留数に対応する表示データを取得し、セグメント領域にセーブし(ステップA4)、セグメントLED編集処理を終了する。
次に、上述のタイマ割込み処理におけるモータ制御処理(ステップS74)を図89に基づき説明する。
モータ制御処理においては、まず、モータ1(特定入賞駆動モータ136)を制御するためのモータ1制御領域の先頭領域のアドレスを準備する(ステップA11)。次いで、モータ1動作テーブルを準備する(ステップA12)とともに、モータ1制御ポインタをロードし、退避する(ステップA13)。また、モータ1制御ポインタや制御タイマを用いて特定入賞駆動モータ136の球噛み処理動作等を行うためのモータ動作編集処理を行い(ステップA14)、退避したモータ1制御ポインタを復帰させ(ステップA15)、モータ1制御ポインタ領域の値と復帰した制御ポインタを比較し(ステップA16,A17)、復帰した制御ポインタが更新されていれば(ステップA17;YES)、モータ1が開始位置にある状態か否かを判定する。そして、開始位置にある状態であれば(ステップA18;YES)、役物演出フラグ領域に演出中フラグをセーブし(ステップA19)、役物演出コマンドタイマ領域に演出開始待ち時間(例えば、タイマ初期値=100ms)をセーブし(ステップA20)、役物演出制御情報領域に演出開始情報をセーブする(ステップA21)。
ステップA21の実行後、あるいは、ステップA17において復帰した制御ポインタが更新されていない場合(ステップA17;NO)、あるいは、モータ1が開始位置にある状態でない場合(ステップA18;NO)には、モータ2(振分駆動モータ220)を制御するためのモータ2制御領域の先頭領域のアドレスを準備する(ステップA22)。次いで、モータ2動作テーブルを準備する(ステップA23)とともに、モータ2制御テーブルを用いて振分駆動モータ220の球噛み処理動作等を行うためのモータ動作編集処理を行い(ステップA24)、モータ制御処理を終了する。
次に、上述したモータ制御処理におけるモータ動作編集処理(ステップA14、A24)を図90、図91に基づき説明する。
モータ動作編集処理においては、まず、対象の制御ポインタが更新なしコードであるか否かを判定する(ステップA31)。対象の制御ポインタが更新なしコードであれば(ステップA31;YES)、モータ動作編集処理を終了する。一方、対象の制御ポインタが更新なしコードでなければ(ステップA31;NO)、対象の制御タイマが「0」であるか否かを判定する(ステップA32)。そして、対象の制御タイマが「0」でなければ(ステップA32;NO)、対象の制御タイマを−1更新する(ステップA33)。次いで、対象の制御タイマが「0」であるか否かを判定し(ステップA34)、対象の制御タイマが「0」であれば(ステップA34;YES)、対象の制御情報が時間値制御であるか否かを判定する(ステップA35)。時間値の制御でなければ(ステップA35;NO)、対象の球噛み処理回数を+1更新する(ステップA36)。これは、対象の制御情報が時間値制御でない(すなわち、モータスイッチの状態を監視する制御)にもかかわらず、モータスイッチを検出するまでに要する時間値以上に設定された対象の制御タイマが「0」になるまで更新された状態であるので、遊技球が何らかの球噛みを起こしている可能性があるためである。
次いで、対象の球噛み処理回数をエラー発生判定値(例えば、3回)と比較し、対象の球噛み処理回数がエラー発生判定値以上であるか否かを判定する(ステップA37)。対象の球噛み処理回数がエラー発生判定値以上であれば(ステップA37;YES)、既に球噛みがエラー発生しているか否かを判定する(ステップA38)。既に球噛みがエラー発生していなければ(ステップA38;NO)、対象の役物エラー状態フラグ領域に役物エラー発生フラグをセーブする(ステップA39)とともに、対象の役物エラー発生コマンドを準備し(ステップA40)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA41)、対象の球噛み処理回数を上限値(例えば、上限値=エラー発生判定値)に留める(ステップA42)。
ステップA42の実行後、あるいは、ステップA37において対象の球噛み処理回数がエラー発生判定値以上ではない場合(ステップA37;NO)、あるいは、ステップA38において既に球噛みエラーが発生しており場合(ステップA38;YES)には、対象の球噛み処理中フラグをセットし(ステップA43)、制御ポインタとして対象の球噛み時次ポインタをロードする(ステップA44)。
また、ステップA34において対象の制御タイマが「0」でなければ(ステップA34;NO)、対象の制御情報が時間値制御であるか否かを判定し(ステップA45)、対象の制御情報が時間値制御でなければ(ステップA45;NO)、モータ制御情報テーブルを設定する(ステップA46)とともに、制御情報に対応するテーブルアドレスを算出する(ステップA47)。次いで、監視対象となるモータスイッチ(案内樋位置検出スイッチ145、または回転位置検出スイッチ236)のスイッチ制御領域のアドレス、監視ビットデータ、判定データを取得し(ステップA48)、取得したデータを用いて監視対象となるモータスイッチの状態をチェックする(ステップA49)。次いで、次動作移行条件が成立しているか否かを判定する(ステップA50)。これは、対象の制御情報が時間値制御でなく、モータ制御情報テーブルを設定し、制御情報に対応するテーブルアドレスを算出し、監視対象となるモータスイッチのスイッチ制御領域のアドレス、監視ビットデータ、判定データを取得し、取得したデータを用いて監視対象となるモータスイッチの状態をチェックしているので、次の動作への移行が可能かを判定しているものである。
次動作移行条件が成立していれば(ステップA50;YES)、対象の球噛み処理回数を0クリアする(ステップA51)。次いで、既に球噛みエラーが解除されているか否かを判定し(ステップA52)、既に球噛みエラーが解除されていなければ(ステップA52;NO)、ステップA53に進み、対象の役物エラー状態フラグ領域に役物エラー解除フラグをセーブする(ステップA53)とともに、対象の役物エラー解除コマンドを準備し(ステップA54)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA55)。
ステップA55の実行後、あるいは、ステップA32において対象の制御タイマが「0」である場合(ステップA32;YES)、あるいは、ステップA52において既に球噛みエラーが解除されている場合(ステップA52;YES)には、対象の制御ポインタをロードし(ステップA56)、ロードした制御ポインタが球噛み復帰動作を行うものであるか否かを判定する(ステップA57)。制御ポインタが球噛み復帰動作を行うものであれば(ステップA57;YES)、対象の球噛み処理中フラグをクリアする(ステップA58)とともに、制御ポインタとして対象の球噛み復帰ポインタをロードする(ステップA59)。
ステップA59の実行後、あるいは、ステップA44の実行後、あるいは、ステップA57において制御ポインタが球噛み復帰動作を行うものでない場合(ステップA57;NO)には、制御ポインタに対応するモータ動作テーブルのアドレスを算出し(ステップA60)、制御ポインタを取得し(ステップA61)、制御タイマを取得し、対象の制御タイマ領域にセーブする(ステップA62)。次いで、制御情報を取得し、対象の制御情報領域にセーブし(ステップA63)、励磁情報(対象のモータを回転動作させる情報)を取得し、対象の励磁情報領域にセーブし(ステップA64)、対象の励磁タイマ領域をクリアし(ステップA65)、制御情報が時間値制御であるか否かを判定する(ステップA66)。制御情報が時間値制御でなければ(ステップA66;NO)、球噛み時次ポインタを取得し、対象の球噛み時次ポインタ領域にセーブし(ステップA67)、更新前の制御ポインタを対象の球噛み復帰ポインタ領域にセーブする(ステップA68)。一方、ステップA66において対象の制御情報が時間値制御である場合(ステップA66;YES)には、対象の球噛み時次ポインタ領域に更新なしコードをセーブする(ステップA69)。
そして、ステップA68の実行後、あるいはステップA69の実行後、あるいは、ステップA45において対象の制御情報が時間値制御である場合(ステップA45;YES)、あるいは、ステップA50において次動作移行条件が成立していない場合(ステップA50;NO)には、対象の励磁タイマが「0」であるか否かを判定する(ステップA70)。対象の励磁タイマが「0」でなければ(ステップA70;NO)、対象の励磁タイマを−1更新し(ステップA71)、対象の励磁タイマが「0」になったか否かを判定し(ステップA72)、「0」になっていなければ(ステップA72;NO)、モータ動作編集処理を終了する。
一方、ステップA72において対象の励磁タイマが「0」になっている場合(ステップA72;YES)、あるいは、ステップA70において対象の励磁タイマが「0」になっている場合(ステップA70;YES)には、対象の励磁情報が停止の情報であるか否かを判定し(ステップA73)、停止の情報であれば(ステップA73;YES)、対象の励磁データ領域に出力オフデータをセーブし(ステップA74)、モータ動作編集処理を終了する。
一方、対象の励磁情報が停止の情報でなければ(ステップA73;NO)、モータ励磁情報テーブルを設定する(ステップA75)とともに、対象の励磁情報に対応するテーブルのアドレスを算出し(ステップA76)、励磁タイマを取得し、対象の励磁タイマ領域にセーブする(ステップA77)。次いで、励磁カウンタ加算値を取得し、対象の励磁カウンタと加算し(ステップA78)、加算後の値を「0」乃至「3」の範囲に補正する(ステップA79)。ここで、対象のモータが時計回転(CW)の場合には「+1」、「+2」が加算値となり、モータが反時計回転(CCW)の場合には「−1」、「−2」が加算値となる。そして、補正後の値を対象の励磁カウンタ領域にセーブし(ステップA80)、モータ励磁データテーブルを設定する(ステップA81)。次いで、対象の励磁カウンタに対応するテーブルのアドレスを算出し(ステップA82)、続いて、出力データを取得し、対象の励磁データ領域にセーブし(ステップA83)、モータ動作編集処理を終了する。
次に、上述のタイマ割込み処理における役物演出コマンド編集処理(ステップS75)を図92に基づき説明する。
役物演出コマンド編集処理においては、まず、役物演出フラグが演出中であるか否かを判定し(ステップA91)、役物演出フラグが演出中でなければ(ステップA91;NO)、役物演出コマンド編集処理を終了する。一方、役物演出フラグが演出中であれば(ステップA91;YES)、役物演出コマンドタイマを−1更新し(ステップA92)、役物演出コマンドタイマが「0」であるか否かを判定し(ステップA93)、「0」になっていなければ(ステップA93; NO)、役物演出コマンド編集処理を終了する。
一方、役物演出コマンドタイマが「0」であれば(ステップA93; YES)、役物演出制御情報が「演出開始」を指示しているか否かを判定する(ステップA94)。役物演出制御情報が「演出開始」を指示していれば(ステップA94;YES)、役物演出開始コマンドを準備し(ステップA95)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA96)、役物演出コマンドタイマ領域に演出時間(演出時間のタイマ初期値としては、例えば1600msに設定)をセーブする(ステップA97)とともに、役物演出制御情報領域に演出終了待ち情報をセーブし(ステップA98)、役物演出コマンド編集処理を終了する。
また、ステップA94において役物演出制御情報が「演出開始」を指示していなければ(ステップA94;NO)、役物演出終了コマンドを準備し(ステップA99)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA100)、役物演出フラグ領域をクリアし(ステップA101)、役物演出コマンドタイマ領域をクリアする(ステップA102)。次いで、役物演出制御情報領域をクリアし(ステップA103)、役物演出コマンド編集処理を終了する。
次に、上述のタイマ割込み処理における異常排出監視処理(ステップS76)を図93に基づき説明する。
異常排出監視処理においては、まず、左大入賞口スイッチ90Lに入力があるか否かを判定する(ステップA111)。左大入賞口スイッチ90Lに入力があれば(ステップA111;YES)、異常排出カウンタを+1更新する(ステップA112)。ステップA112の実行後、あるいは、ステップA111において左大入賞口スイッチ90Lに入力がなければ(ステップA111;NO)、右大入賞口スイッチ90Rに入力があるか否かを判定する(ステップA113)。右大入賞口スイッチ90Rに入力があれば(ステップA113;YES)、異常排出カウンタを+1更新する(ステップA114)。
ステップA114の実行後、あるいはステップA113において右大入賞口スイッチ90Rに入力がなければ(ステップA113;NO)、左残存球排出口スイッチ(排出球検出スイッチ)178に入力があるか否かを判定する(ステップA115)。左残存球排出口スイッチ(排出球検出スイッチ)178に入力があれば(ステップA115;YES)、異常排出カウンタが「0」であるか否かを判定し(ステップA116)、異常排出カウンタが「0」でなければ(ステップA116;NO)、異常排出カウンタを−1更新する(ステップA117)。ステップA117の実行後、あるいは、ステップA115において左残存球排出口スイッチ(排出球検出スイッチ)178に入力がなければ(ステップA115;NO)、右残存球排出口スイッチ(放出球検出スイッチ)198に入力があるか否かを判定する(ステップA118)。右残存球排出口スイッチ(放出球検出スイッチ)198に入力があれば(ステップA118;YES)、異常排出カウンタが「0」であるか否かを判定し(ステップA119)、異常排出カウンタが「0」でなければ(ステップA119;NO)、異常排出カウンタを−1更新し(ステップA120)、異常排出監視処理を終了する。
また、ステップA116において異常排出カウンタが「0」である場合(ステップA116;YES)、あるいは、ステップA119において異常排出カウンタが「0」である場合(ステップA119;YES)には、異常排出エラーフラグ領域を準備する(ステップA121)とともに、異常排出発生コマンドを準備する(ステップA122)。次いで、遊技停止エラーステータス更新処理を行い(ステップA123)、異常排出監視処理を終了する。このようにして、異常排出監視処理では変動入賞装置25への不正な入賞)を監視する。
次に、上述の異常排出監視処理における遊技停止エラーステータス更新処理(ステップA123)について、図94に基づき説明する。
遊技停止エラーステータス更新処理においては、まず、対象のエラーフラグ領域にエラー発生中フラグをセーブし(ステップA131)、遊技停止するエラーは発生していないか否かを判定する(ステップA132)。遊技停止するエラーが発生していれば(ステップA132;NO)、遊技停止エラーステータス更新処理を終了する。一方、遊技停止するエラーが発生していなければ(ステップA132;YES)、遊技停止エラー状態領域にエラー動作中フラグをセーブする(ステップA133)。次いで、遊技停止エラー制御タイマ領域にタイマ初期値(例えば、10s)をセーブし(ステップA134)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA135)、遊技停止エラーステータス更新処理を終了する。
次に、上述のタイマ割込み処理における不正監視処理(ステップS77)を図95に基づき説明する。
不正監視処理においては、まず、磁気センサ94がオンであるか否かを判定し(ステップA141)、磁気センサ94がオンである場合(ステップA141;YES)、すなわち異常な磁気を検出した場合は、異常な磁気の検出期間を計時する磁石不正監視タイマを+1更新し(ステップA142)、磁気センサ94がオンでなければ(ステップA142;NO)、磁石不正監視タイマ領域を0クリアする(ステップA143)。
また、ステップA142の実行後には、磁石不正監視タイマが規定時間(例えば、32ms)未満であるか否かを判定し(ステップA144)、規定時間未満であれば(ステップA144;YES)、磁石不正フラグ領域を準備する(ステップA145)とともに、磁石不正発生コマンドを準備し(ステップA146)、続いて、遊技停止エラーステータス更新処理を行い(ステップA147)、磁石不正監視タイマ領域に1をセーブする(ステップA148)。
そして、ステップA148の実行後、あるいは、ステップA143の実行後、あるいは、ステップA144において磁石不正監視タイマが規定時間未満ではない場合(ステップA144;NO)には、盤電波センサ294がオンであるか否かを判定する(ステップA148)。盤電波センサ294がオンである場合(ステップA148;YES)、すなわち異常な盤電波を検出した場合は、盤電波不正フラグ領域を準備する(ステップA150)とともに、盤電波不正発生コマンドを準備し(ステップA151)、続いて、遊技停止エラーステータス更新処理を行う(ステップA152)。
ステップA152の実行後、あるいは、盤電波センサ294がオンでなければ(ステップA148;NO)には、ガラス枠(透明部材保持枠8)または本体枠(前面枠3)の開放中であるか否かを判定し(ステップA153)、開放中であれば(ステップA153;YES)、振動不正監視無効タイマ領域にタイマ初期値をセーブし(ステップA154)、振動不正監視タイマ領域を0クリアする(ステップA155)。ステップA155の実行後、あるいは、ステップA153においてガラス枠(透明部材保持枠8)または本体枠(前面枠3)が開放中ではない場合(ステップA153;NO)には、振動不正監視無効タイマが「0」でなければ−1更新し(ステップA156)、振動不正監視無効タイマが「0」であるか否かを判定する(ステップA157)。そして、振動不正監視無効タイマが「0」でなければ(ステップA157;NO)、直ちに不正監視処理を終了する。
一方、振動不正監視無効タイマが「0」であれば(ステップA157;YES)、振動センサ295がオンであるか否かを判定し(ステップA158)、振動センサ295がオンである場合(ステップA158;YES)には、特図小当り中であるか否かを判定する(ステップA159)。そして、特図小当り中であれば(ステップA159;YES)、振動不正監視タイマを+1更新し(ステップA160)、このタイマが規定時間(例えば、20ms)未満であるか否かを判定し(ステップA161)、規定時間未満でなければ(ステップA161;NO)、直ちに不正監視処理を終了する。一方、規定時間未満であれば(ステップA161;YES)、振動不正監視タイマ領域に1をセーブし(ステップA162)、振動不正フラグ領域を準備する(ステップA163)。さらに、振動不正発生コマンドを準備し(ステップA164)、遊技停止エラーステータス更新処理を行い(ステップA165)、不正監視処理を終了する。
また、ステップA158において振動センサ295がオンではない場合(ステップA158;NO)、あるいは、ステップA159において特図小当り中ではない場合(ステップA159;NO)には、不正振動監視タイマ領域を0クリアし(ステップA166)、不正監視処理を終了する。
次に、上述のタイマ割込み処理における発射制御処理(ステップS78)を図96に基づき説明する。
発射制御処理においては、まず、遊技停止するエラーは発生していないか否かを判定する(ステップA171)。遊技停止するエラーが発生していなければ(ステップA171;YES)、特図ゲームは特図電源投入動作処理中であるか否かを判定する(ステップA172)。特図ゲームが特図電源投入動作処理中でなければ(ステップA172;NO)、モータ1である特定入賞駆動モータ136またはモータ2である振分駆動モータ220が球噛み処理中であるか否かを判定し(ステップA173)、球噛み処理中でなければ(ステップA173;NO)、発射許可信号領域に発射許可の出力データをセーブし(ステップA174)、発射制御処理を終了する。
一方、ステップA173において球噛み処理中である場合(ステップA173;YES)、あるいは、ステップA171において遊技停止するエラーが発生している場合(ステップA171;NO)、あるいは、ステップA172において特図電源投入動作処理中である場合(ステップA172;NO)には、発射許可信号領域に発射停止の出力データをセーブし(ステップA175)、発射制御処理を終了する。
次に、上述のタイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップS79)を図97、図98に基づき説明する。
外部情報編集処理においては、払出コマンド送信処理(ステップS65)、入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS67)、残存球監視処理(ステップS68)、不正監視処理(ステップS77)等での監視結果に基づいて、外部装置(遊技店内の管理装置等)や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。具体的に説明すると、まず、ガラス枠(透明部材保持枠8)の開放エラーが発生中であるか否かを判定し(ステップA181)、ガラス枠開放エラーが発生中でなければ(ステップA181;NO)、続いて、本体枠(前面枠3)の開放エラーが発生中であるか否かを判定する(ステップA182)。本体枠開放エラーが発生中でなければ(ステップA182;NO)、扉・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA183)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA184)。
一方、ガラス枠開放エラー発生中である場合(ステップA181;YES)、あるいは、本体枠開放エラー発生中である場合(ステップA182;YES)には、扉・枠開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA185)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA186)。
ステップA184の実行後、あるいは、ステップA186の実行後には、セキュリティ信号制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップA187)。なお、セキュリティ信号制御タイマは、RAMクリアによる電源投入を行った時にセキュリティ信号を所定時間オン出力するためのものであり、メイン処理のステップS27(図42参照)にてタイマ初期値(例えば256ms)がセットされる。次いで、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」となったかを判定し(ステップA188)、「0」となっていれば(ステップA188;YES)、枠電波不正発生中であるか否かを判定し(ステップA189)、枠電波不正発生中でなければ(ステップA189;NO)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA190)。一方、ステップA189において枠電波不正発生中である場合(ステップA189;YES)、あるいは、ステップA188においてセキュリティ信号制御タイマの値が「0」ではない場合(ステップA188;NO)には、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA191)。
ステップA190の実行後、あるいは、ステップA191の実行後には、スイッチ異常発生中であるか否かを判定し(ステップA192)、スイッチ異常発生中でなければ(ステップA192;NO)、役物エラー発生中(特定入賞駆動モータ136または振分駆動モータ220でエラー発生中)であるか否かを判定し(ステップA193)、役物エラー発生中でなければ(ステップA193;NO)、続いて、残存球エラー発生中であるか否か(変動入賞装置25内に所定期間以上経過しても残存球があるか否か)を判定する(ステップA194)。そして、ステップA192においてスイッチ異常発生中である場合(ステップA192;YES)、あるいは、ステップA193において役物エラー発生中である場合(ステップA193;YES)、あるいはステップA194において残存球エラー発生中である場合(ステップA194;YES)には、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA195)。
ステップA195の実行後、あるいは、ステップA194において残存球エラー発生中ではない場合(ステップA194;NO)には、異常排出発生中(変動入賞装置25からの不正な遊技球の排出が発生中)であるか否かを判定し(ステップA196)、異常排出発生中でなければ(ステップA196;NO)、磁石不正発生中(遊技盤6に対する異常な磁気を磁気センサ94により検出中)であるか否かを判定し(ステップA197)、磁石不正発生中でなければ(ステップA197;NO)、盤電波不正発生中(遊技盤6に対する異常な電波を盤電波センサ294により検出中)であるか否かを判定する(ステップA198)。
そして、盤電波不正発生中でなければ(ステップA198;NO)、振動不正発生中(遊技盤6に対する不正な振動を振動センサ295により検出中)であるか否かを判定し(ステップA199)、振動不正発生中でなければ(ステップA199;NO)、大入賞口不正発生中(大入賞口83(変動入賞装置25)への遊技球の不正な入賞が発生中)であるか否かを判定する(ステップA200)。さらに、大入賞口不正発生中でなければ(ステップA200;NO)、始動口異常入賞発生中(始動入賞口37,38への遊技球の不正な入賞が発生中)であるか否かを判定し(ステップA201)、始動口異常入賞発生中でなければ(ステップA201;NO)、始動口球詰まり発生中(始動入賞口37,38において遊技球の球詰まりが発生中)であるか否かを判定し(ステップA202)、始動口球詰まり発生中でなければ(ステップA202;NO)、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA203)。
一方、ステップA196において異常排出発生中である場合(ステップA196;YES)、あるいは、ステップA197において磁石不正発生中である場合(ステップA197;YES)、あるいは、ステップA198において盤電波不正発生中である場合(ステップA198;YES)、あるいは、ステップA199において振動不正発生中である場合(ステップA199;YES)、あるいは、ステップA200において大入賞口不正発生中である場合(ステップA200;YES)、あるいは、ステップA201において始動口異常入賞発生中である場合(ステップA201;YES)、あるいは、ステップA202において始動口球詰まり発生中である場合(ステップA202;YES)には、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA204)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA205)。
ステップA203の実行後、あるいは、ステップA205の実行後には、メイン賞球信号制御領域のアドレスを準備する(ステップA206)とともに、メイン賞球信号(入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(例えば、10個)になる毎に発信させるパルス信号)のオンデータを準備し(ステップA207)、続いて、パルス信号編集処理を行う(ステップA208)。また、役物入賞個数信号制御領域のアドレスを準備する(ステップA209)とともに、役物入賞個数信号(大入賞口83への入賞球数を示すパルス信号)のオンデータを準備し(ステップA210)、続いて、パルス信号編集処理を行う(ステップA211)。
次いで、始動口1信号制御領域のアドレスを準備する(ステップA212)とともに、始動口1信号(第1始動入賞口37への入賞に対応するパルス信号)のオンデータを準備し(ステップA213)、続いて、パルス信号編集処理を行う(ステップA214)。また、始動口2信号制御領域のアドレスを準備する(ステップA215)とともに、始動口2信号(第2始動入賞口38への入賞に対応するパルス信号)のオンデータを準備し(ステップA216)、続いて、パルス信号編集処理を行う(ステップA217)。
さらに、役物回数制御タイマ(小当り状態の発生に伴う大入賞口83の開放毎に所定時間(例えば128ms)信号を出力する制御を行うためのタイマ)が「0」でなければ、−1更新し(ステップA218)、役物回数制御タイマが「0」であるか否かを判定し(ステップA219)、役物回数制御タイマが「0」であれば(ステップA219;YES)、役物回数信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA220)、外部情報編集処理を終了する。一方、役物回数制御タイマが「0」でなければ(ステップA219;NO)、役物回数信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA221)、外部情報編集処理を終了する。
次に、上述の外部情報編集処理におけるパルス信号編集処理(ステップA208、ステップA211、ステップA214、ステップA217)を図99に基づき説明する。
パルス信号編集処理においては、まず、対象の信号(メイン賞球信号、役物入賞個数信号、始動口1信号、始動口2信号のいずれか)の出力制御タイマが「0」でなければ、−1更新する(ステップA231)。次いで、対象の信号の出力制御タイマの値が「0」であるか否かを判定し(ステップA232)、対象の信号の出力制御タイマの値が「0」であれば(ステップA232;YES)、続いて、対象の信号の出力回数が「0」であるか否かを判定する(ステップA233)。対象の信号の出力回数が「0」でなければ(ステップA233;NO)、対象の信号の出力回数を−1更新し(ステップA234)、対象の信号の出力制御タイマ領域にメイン賞球信号出力制御タイマ初期値をセーブする(ステップA235)。なお、メイン賞球信号出力制御タイマ初期値は、メイン賞球信号のオン状態(例えば、ハイレベル)の時間(例えば、128ms)とオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間(例えば、64ms)を加算した時間(例えば、192ms)となっている。
また、ステップA232において対象の信号の出力制御タイマの値が「0」でない場合(ステップA232;NO)は、対象の信号の出力制御タイマが出力オン区間中であるか否か(対象の信号の出力制御タイマの値が所定時間(例えば64ms)以上であるか否か)を判定する(ステップA236)。そして、ステップA235の実行後、あるいは、ステップA236において出力オン区間中である場合(ステップA236;YES)には、対象の信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA237)、パルス信号編集処理を終了する。また、ステップA233において対象の信号の出力回数が「0」である場合(ステップA233;YES)、あるいは、ステップA236において出力オン区間中ではない場合(ステップA236;YES)には、対象の信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA238)、パルス信号編集処理を終了する。
次に、演出制御装置52の主制御用マイコンによって実行される制御について説明する。この制御は、主にメイン処理(図100参照)とタイマ割込み処理(図示せず)とからなる。
メイン処理においては、図100に示すように、まず、割込みを禁止し(ステップB1)、CPUの初期設定を行って(ステップB2)、VDPの初期設定を行う(ステップB3)。次いで、割込みを許可し(ステップB4)、表示用データの生成を許可し(ステップB5)、乱数シードを設定して(ステップB6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップB7)。さらに、WDT(watch dog timer)をクリアして(ステップB8)、遊技演出ボタン17の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB9)、ホール・遊技者設定モード処理(ステップB10)、特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB11)、遊技制御装置51からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップB12)、演出表示編集処理(ステップB13)を行って、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップB14)。次いで、画面更新のためのフレーム切替タイミングが到来しているか否かを判定し(ステップB15)、フレーム切替タイミングが到来していない場合(ステップB15;NO)には、ステップB15を繰り返して行い、フレーム切替タイミングが到来した場合(ステップB15;YES)には、画面描画を指示する(ステップB16)。さらに、スピーカ11,16からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB17)、盤装飾装置306、枠装飾装置307のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB18)、特定入賞駆動モータ136、振分駆動モータ220、大入賞口ソレノイド88等の制御を行う可動体制御処理(ステップB19)を行って、ステップB8に戻る。
次に、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理(ステップB11)を図101に基づき説明する。
受信コマンドチェック処理においては、まず、何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップB21)、ロードしたコマンド受信数が「0」でないか否か判定する(ステップB22)。コマンド受信数が「0」であると判定した場合(ステップB22;NO)には、受信コマンドチェック処理を終了し、受信コマンド数が「0」でないと判定した場合(ステップB22;YES)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップB23)。次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーし(ステップB24)、コマンド読出インデックスを「0」〜「31」の範囲で+1更新し(ステップB25)、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否か判定する(ステップB26)。コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定した場合(ステップB26;NO)には、ステップB24に戻る。
一方、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップB26;YES)には、コマンド領域の内容をロードして(ステップB27)、ロードしたコマンドを解析する受信コマンド解析処理(ステップB28)を行う。次いで、コマンド領域のアドレスを更新して(ステップB29)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップB30)。コマンド受信数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップB30;NO)には、ステップB27に戻り、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと判定した場合(ステップB30;YES)には、受信コマンドチェック処理を終了する。
次に、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理(ステップB28)を図102に基づき説明する。
受信コマンド解析処理においては、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離する(ステップB41)。次いで、MODEは正常範囲であるか否か判定し(ステップB42)、MODEは正常範囲でないと判定した場合(ステップB42;NO)には、受信コマンド解析処理を終了する。一方、MODEは正常範囲であると判定した場合(ステップB42;YES)には、ACTは正常範囲であるか否か判定し(ステップB43)、ACTは正常範囲でないと判定した場合(ステップB43;NO)には、受信コマンド解析処理を終了する。一方、ACTは正常範囲であると判定した場合(ステップB43;YES)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否か判定する(ステップB44)。
ステップB44においてMODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップB44;NO)には、受信コマンド解析処理を終了する。一方、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(ステップB44;YES)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否か判定し(ステップB45)、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップB45;YES)には、変動系コマンド処理(ステップB46)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
一方、ステップB45においてMODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップB45;NO)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否か判定し(ステップB47)、MODEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップB47;YES)には、大当り系コマンド処理(ステップB48)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。一方、ステップB47においてMODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップB47;NO)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否か判定する(ステップB49)。ステップB49においてMODEは図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップB49;YES)には、図柄系コマンド処理(ステップB50)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
一方、ステップB49においてMODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップB49;NO)には、MODEは単発系コマンドの範囲であるか否か判定し(ステップB51)、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップB51;YES)には、単発系コマンド処理(ステップB52)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。一方、ステップB51においてMODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップB51;NO)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ところで、上記第1実施形態では、特別遊技発生振分装置30において決定された特別遊技状態の発生態様を特別遊技発生報知装置31において報知したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図103に示す球揚送ユニットの変形例では、球揚送部材311が特別遊技状態の態様を示唆することができるように構成されている。具体的に説明すると、変形例である球揚送ユニット310の球揚送部材(可動部)311は、図103に示すように、円筒状の外側揚送構成材(第1可動構成材)312の内部に球状の内側表示構成材(第2可動構成材)313を外側揚送構成材312とは別個に回動可能な状態で配設して構成されており、外側揚送構成材312の表面部に永久磁石314を備えている。また、一側(図103中、左側)の揚送支持部316に備えられた揚送駆動機構317により外側揚送構成材312を回動可能とし、他側(図103中、右側)の揚送支持部316に備えられた表示駆動機構318により内側表示構成材313を回動可能としている。さらに、内側表示構成材313の表面には、発生する特別遊技状態の態様を示唆するための複数の発光表示部320を特別遊技状態の態様毎に対応して互いに異なる状態で備え、各発光表示部320を当該内側表示構成材313の回転中心の周りに位相をずらした状態で配置している。
そして、外側揚送構成材312のうち各発光表示部320に重なり得る箇所には発光表示窓部321を備え、発光表示部320からの発光が該発光表示窓部321を介して遊技者側へ透過するように構成されている。なお、図103では、「16R大当り」や「16Rフルオープン」態様を示唆する発光表示部320および発光表示窓部321のみを図示しており、それぞれ「B」の文字形状で構成している。また、図示していない他の発光表示部320および発光表示窓部321(「8R大当り」態様や「3R大当り」態様の特別遊技状態を示唆するための発光表示部320および発光表示窓部321)は、「B」の文字形状とは異なる形状(例えば「S」の文字形状)で構成されている。さらに、発光表示窓部321は、外側揚送構成材312の一部を薄肉に形成したりレーザーカット加工したりして半透明になる処理を施し、表示を行わない常態では非発光状態の発光表示部320が遊技者側から見え難いが、表示を行う発光状態では発光表示部320が遊技者側から見えるように構成されている。
このような構成の球揚送ユニット310を備えたパチンコ遊技機1においては、特別遊技発生振分装置30または球誘導機構61に設けられたいずれかの特定領域128,251,253,255に遊技球が入賞すると、遊技制御装置51が演出制御装置52へ指令信号を送信し、演出制御装置52が球揚送ユニット310を制御して、入賞した特定領域128,251,253,255に対応する発光表示部320および発光表示窓部321を遊技者側に向いた状態に設定するとともに、この発光表示部320を発光して示唆演出(特別遊技状態の態様を示唆する演出)を行う。このことから、変形例の球揚送ユニット310を備えたパチンコ遊技機1は、「16Rフルオープン」態様の特別遊技状態(第1特別遊技状態)を発生するか否かを球揚送部材(可動部)311を介して決定する第1補助構成遊技を実行し、球揚送部材311の内側表示構成材(第2可動構成材)313は、特別遊技状態の態様を示唆する示唆演出を発光により実行可能である。したがって、特別遊技状態の態様を示唆する構成を球揚送ユニット310とは別個に備える必要がなく、限られた遊技盤6のスペースを有効に活用することができる。なお、特別遊技状態の発生を決定する可動部として、遊技球を揚送可能な球揚送部材311を例示したが、本発明はこれに限定されない。要は、可動部を介して特別遊技状態の発生を決定することができれば、可動部の構造や作用はどのように設定してもよい。
ところで、上記第1実施形態では、図7に示すように、変動入賞装置25の上部に形成された連通空間部75内に1つの球流下変化部材77を突設したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図104に示す変形例のように、連通空間部75内に複数の球流下変化部材77を突設してもよい。そして、球流下変化部材77の球衝接面77aの傾斜姿勢を設定することにより、球衝接面77aに衝接した遊技球がケース装飾パネル76の前方から外れた位置、言い換えると特別遊技発生報知装置31の報知発光装飾部55の前方から外れた位置へ移動するように構成すれば、報知演出を実行中の報知発光装飾部55(特別遊技発生報知装置31)の前方を遊技球が横切ること、ひいては遊技球が報知演出の邪魔をしてしまう不都合を抑えることができる。さらに、球流下変化部材77の球衝接面77aを大入賞口83側へ臨ませた姿勢に設定すれば、球衝接面77aに衝接した遊技球が弾んで大入賞口83へ入賞するかもしれないという期待を遊技者に持たせることができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、図105に示すように、第1球流下路68と第2球流下路72との間を遊技球が移動可能な流下路連通部325を切り欠いて備えてもよい。流下路連通部325を備えれば、遊技者が所謂右打ちをして遊技球を第1球流下路68へ流入させたとしても、この遊技球が流下路連通部325を通って第2球流下路72へ流入すれば、必ずアウト口39へ誘導されてしまうとは限らず、始動入賞口等への入賞のチャンスが発生する。したがって、遊技者が第1球流下路68内の遊技球の挙動に注目し易くなり、遊技の興趣を高めることができる。なお、流下路連通部325に風車等の球振分具を配置すれば、流下路連通部325を通過する遊技球の挙動が一層複雑になり、遊技の興趣を一層高めることができて好適である。また、変動入賞装置25を遊技板21へ止着するための止着穴(図示せず)を流下路連通部325に開設すれば、流下路連通部325を利用して止着用の工具や止着具を通しやすくなり、変動入賞装置25の止着作業の効率の向上、ひいては遊技盤6の組立作業の効率の向上を図ることができる。
ところで、上記第1実施形態では、所謂第2種のパチンコ遊技機1の遊技盤6に第1球流下路68および第2球流下路72の構成を適用したが、本発明はこれに限定されない。要は、遊技球を遊技領域内に流下させて遊技を行う構成であれば、どのようなパチンコ遊技機に第1球流下路および第2球流下路の構成を適用してもよい。例えば、図106に示すように、所謂第1種のパチンコ遊技機(始動入賞口への入賞に基づきセンターケース内の表示部にて図柄変動表示ゲームが実行され、このゲームの結果が予め定められた態様となったことを条件として大入賞口を開放する等して遊技を行うパチンコ遊技機)の遊技盤に第1球流下路および第2球流下路を備えてもよい。
具体的に説明すると、第1種のパチンコ遊技機の遊技盤340は、遊技領域341の中央部分にセンターケース342を配設し、該センターケース342の開口部分から表示部343を前方へ臨ませ、複数の識別情報を変動表示させる飾り特図変動表示ゲーム(一括表示装置にて行われる第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームに対応する演出表示)を表示部343で表示可能としている。さらに、センターケース342の下辺部には、遊技球が転動可能なステージ部344を備え、該ステージ部344の一側端(図106中、左側端)には、遊技領域341からステージ部344へ遊技球を導入する球導入流路(ワープ流路)345を設けている。
また、センターケース342の一側方(図2中、右側方)には普図始動ゲート346を配設し、遊技球の普図始動ゲート346への入賞(通過)を始動条件(普図始動条件)として普図変動表示ゲームを実行可能としている。さらに、センターケース342の下方には、上側の第1始動入賞口347と下側の第2始動入賞口348とが上下に並べて配設し、第2始動入賞口348には普通電動役物(開閉部材)348aを備え、普図変動表示ゲームの結果に応じて普通電動役物348aを開閉可能としている。また、遊技球の第1始動入賞口347への入賞を始動条件として第1特図変動表示ゲームを実行可能とし、第2始動入賞口348への入賞を始動条件として第2特図変動表示ゲームを実行可能としている。さらに、始動入賞口347,348の一側方(図106中、左側方)には複数の一般入賞口349を配設し、他側方(図106中、右側方)には、大入賞口350および一般入賞口351を配設し、遊技領域341の下端にはアウト口352を開設している。
そして、遊技領域341のうちセンターケース342の一側縁(図106中、右側縁)とサイドケース354との間には第1球流下路356を備え、センターケース342の一側縁には第2球流下路357を第1球流下路356に沿って備え、第1球流下路356を通過した遊技球がアウト口352に向かって流下し、第2球流下路357を通過した遊技球が普図始動ゲート346、一般入賞口351、大入賞口350、アウト口352のいずれかに向かって流下するように構成されている。これにより、第1種のパチンコ遊技機の遊技盤340においても、遊技者が遊技領域341の右側を狙って遊技球を発射する操作(所謂「右打ち」)を行った場合と、左側を狙って遊技球を発射する操作(所謂「左打ち」)を行った場合とで、遊技進行の差が生じやすい。したがって、遊技の興趣を高めることができる。さらに、遊技店の営業終了後等に店員が発射装置から遊技球を取り出す作業をする場合には、発射装置を操作して右打ちを行い、遊技球を第1球流下路356へ流下させれば、前面枠を開放せずに発射装置から遊技球を効率よく取り出すことができて好適である。なお、第1種のパチンコ遊技機の遊技盤340においても、第1球流下路356と第2球流下路357との間を遊技球が移動可能な流下路連通部を備えてもよい。
ところで、上記第1実施形態では、特別遊技発生振分装置30により特別遊技状態の態様を決定するパチンコ遊技機として所謂第2種のパチンコ遊技機を挙げたが、本発明はこれに限定されない。図107に示す第2実施形態の遊技盤340′は、所謂第1種のパチンコ遊技機の遊技盤であり、基本的には図106に示す遊技盤340と同じ構成であるが、第1球流下路356および第2球流下路357を備えていない点、および特別遊技状態の態様を決定する特別遊技発生振分装置を備えている点で異なる。具体的に説明すると、図107に示すように、センターケース342のステージ部344の後方には、特図変動表示ゲームの結果に基づいて生じる特別遊技状態(大当り状態)の態様を遊技球の振り分けにより決定する特別遊技発生振分装置360を備えている。特別遊技発生振分装置360は、ステージ部344の左右方向の中央部の後方に配置された球振分ユニット185と、センターケース342の側部から球振分ユニット185の間に延在する球受入通路362とを備えて構成されている。なお、球振分ユニット185は、第1実施形態における球振分ユニット185と同じ構成であるので、詳細な説明を省略する。
球受入通路362は、センターケース342の側部から中央側へ屈曲した状態で延在する遊技球の通路であり、センターケース342の中央側に位置する下流開口(球出口)を球振分ユニット185の球転動通路218へ接続し、センターケース342の側方へ向けて開放された上流開口(球入口)には、規制駆動ソレノイド364により駆動して当該上流開口への遊技球の進入を規制(阻止)する球受入規制部材365と、球受入通路362に進入した遊技球を検出可能な進入球検出スイッチ366とを備えている。
このような構成を備えた第1種のパチンコ遊技機においては、通常遊技(特別遊技状態(大当り状態)や補助遊技状態(小当り状態)が発生していないデフォルトの遊技)では、遊技制御装置370(図111参照)が規制駆動ソレノイド364を非動作状態に設定して、球受入規制部材365が遊技球の球受入通路362への進入を規制(阻止)する規制状態に維持する。そして、特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム)の結果が大当りとなって特別遊技状態の発生が決定すると、図108(a)に示すように、遊技制御装置370が規制駆動ソレノイド364を動作状態(ON)にして球受入規制部材365の規制状態を解除し、遊技球の球受入通路362への進入を許容する。この許容状態で1個の遊技球がセンターケース342の側方から球受入通路362内へ進入し、進入球検出スイッチ366がこの遊技球を検出すると、遊技制御装置370がこの検出信号に基づいて規制駆動ソレノイド364を直ちに非動作状態(OFF)へ戻し、別の遊技球が新たに球受入通路362へ進入することを阻止する。
そして、球受入通路362内を流下した遊技球が球振分ユニット185内に進入していずれかの特定領域251,253,255へ振り分けられると、遊技制御装置370は、遊技球が振り分けられた(入賞した)特定領域251,253,255に対応して設定される態様(「3R大当り」、「8R大当り」、「16R大当り」のいずれかの態様)で特別遊技状態を発生させる旨を決定し、当該態様に対応して設定された報知演出(ラウンド報知)を実行した後、決定された態様で特別遊技状態を発生させる。このようにして特別遊技発生振分装置360により特別遊技状態の態様を決定すれば、この決定の過程を演出動作として遊技者に見せて楽しませることができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。なお、図108(a)にて二点鎖線で示すように、特別遊技状態の発生中には、規制駆動ソレノイド364のON・OFFを繰り返して球受入規制部材365が球受入通路362内への遊技球の進入を規制したり許容したりしてもよい。
また、第2実施形態の遊技盤340′においては、球振分ユニット185内の各特定領域251,253,255を始動入賞領域に代えることにより特別遊技発生振分装置360を始動入賞装置として機能させ、始動入賞装置内に進入した遊技球がいずれかの始動入賞領域に入賞したことに基づき、特図変動表示ゲームが実行されるように設定してもよい。このとき、図108(b)に示すように、規制駆動ソレノイド364のON・OFFを繰り返して球受入規制部材365が球受入通路362内への遊技球の進入を規制したり許容したりするように設定してもよい。
そして、球受入通路362を流入する遊技球が球振分ユニット185には到達せず、センターケース342の外方に排出されて遊技領域341に戻るように構成してもよい。例えば、図109および図110に示す変形例においては、球受入通路362の下流側を分岐して分岐流路371を延設し、該分岐流路371の下流開口371aをセンターケース342の下部に開放している。また、球受入通路362の分岐箇所には、切換駆動ソレノイド372により駆動されて遊技球を球振分ユニット185側あるいは分岐流路371側に振り分ける振分切換部材373を備え、遊技球を検出可能な進入球検出スイッチ366を球受入通路362の上流開口には配置せず、その代わりに振分切換部材373よりも球振分ユニット185側の下流箇所に配置している。
このような構成の球受入通路362を備えた遊技盤340′では、遊技制御装置370が規制駆動ソレノイド364のON・OFFを常時繰り返して球受入規制部材365が球受入通路362内への遊技球の進入の規制と許容とを繰り返す動作を実行しておき、さらに、切換駆動ソレノイド372を非動作状態(OFF)にすることにより振分切換部材373を常態(球受入通路362内の遊技球が分岐流路371側へ流下することを許容するが、球振分ユニット185側へ流下することを阻止する状態)に設定しておく。そして、特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム)の結果が大当りとなって特別遊技状態の発生が決定すると、遊技制御装置370が切換駆動ソレノイド372を駆動(ON)して振分切換部材373を操作し、球受入通路362内の遊技球が球振分ユニット185側へ流下することを許容するが、分岐流路371側へ流下することを阻止する状態に変換する。この変換状態で1個の遊技球がセンターケース342の側方から球受入通路362内へ進入して分岐流路371を流下し、進入球検出スイッチ366がこの遊技球を検出すると、遊技制御装置370がこの検出信号に基づいて切換駆動ソレノイド372を直ちに非動作状態(OFF)へ戻し、別の遊技球が新たに分岐流路371内へ進入すること、ひいては球振分ユニット185側へ流下することを阻止する。
そして、分岐流路371内を流下した遊技球が球振分ユニット185内に進入していずれかの特定領域251,253,255へ振り分けられると、遊技制御装置370は、遊技球が振り分けられた(入賞した)特定領域251,253,255に対応して設定される態様(「3R大当り」、「8R大当り」、「16R大当り」のいずれかの態様)で特別遊技状態を発生させる旨を決定し、この決定された態様で特別遊技状態を発生させる。このようにして球受入通路362内の遊技球を球振分ユニット185へ導入したり、あるいはセンターケース342の外方に排出して遊技領域341に戻したりすれば、球受入通路362内の遊技球の挙動に遊技者を注目させることができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。また、遊技球が球受入通路362から遊技領域341に戻されたとしても大入賞口350や始動入賞口347,348の上方に排出されるので、この遊技球が入賞するかもしれないという期待を遊技者に持たせることができ、遊技の興趣を一層高めることができる。また、特別遊技状態の振り分けだけではなく、入賞口(第1始動入賞口347,第2始動入賞口348,大入賞口350,一般入賞口349等)への入賞期待度の高いルートに行くか否かの振り分け、遊技のモードの移行の際にどのモードに移行するかの振り分け、遊技中に獲得できるポイント(カスタマイズ用のポイント等)の振り分けというように、様々な振り分けを実行するために、球振分ユニット185を用いてもよい。
次に、第1種のパチンコ遊技機の遊技制御装置370について、検査用信号(試験信号)の増減に対応可能となる構成を第3実施形態として説明する。
まず、説明の便宜上、従来の構成として第2実施形態における遊技制御装置370のうち試射試験に関連する構成について説明しておくと、第2実施形態の遊技制御装置370は、図111に示すように、遊技制御を司る遊技用マイコン376を備え、該遊技用マイコン376には、入力ポート377および出力ポート378を接続している。また、入力ポート377にはスイッチ入力回路379を接続し、遊技球の通過(入賞)を検出する検出スイッチ380からの検出信号をスイッチ入力回路379および入力ポート377を介して遊技用マイコン376へ送信できるように構成されている。さらに、出力ポート378にはドライバ回路381を接続し、遊技用マイコン376からの駆動制御信号をドライバ回路381および出力ポート378を介してソレノイド382(演出役物等を駆動するためのソレノイド382)へ送信できるように構成されている。
そして、試射試験を行うときには、遊技制御装置370と遊技機検定機関の試射試験装置(図示せず)とを試験端子を介して接続し、遊技制御装置370内の信号を検査用信号として試射試験装置へ出力できるように構成されている。具体的には、遊技用マイコン376に予め接続された試射試験出力ポート384から検査用信号を出力したり(図111(a)および(b)参照)、入力ポート377とスイッチ入力回路379との間の配線や出力ポート378とドライバ回路381との間の配線から検査用信号を出力したり、(図111(a)参照)、遊技用マイコン376から直接試験端子へ検査用信号を出力したりしている(図111(c)参照)。
しかしながら、パチンコ遊技機の開発中に検出スイッチ380やソレノイド382の数が増減した場合、遊技制御装置370の主基板を新たに作成し直す必要があり、開発コストが増大してしまう場合がある。
そこで、第3実施形態においては、図112に示すように、遊技用マイコン376に接続された試射試験出力ポート384(本実施形態では7つの試射試験出力ポート384)のみから検査用信号を出力する構成とし、検出スイッチ380やソレノイド382を遊技制御装置370に直接接続するのではなく、中継端子板386を介して接続している。したがって、検査用信号として出力する予定でなかった検出スイッチ380またはソレノイド382における信号を、仕様変更等によって出力するようになった場合であっても、基板を改版することなく変更に対応することができる。また、パチンコ遊技機の開発中に検出スイッチ380やソレノイド382の数が増減した場合でも、遊技用マイコン376のプログラムを変更するとともに中継端子板386が備える端子のうち短絡させる端子の数を変更するだけで、当該増減に対応できるため、開発コストの増大を抑制することが可能となる。
すなわち、遊技用マイコン376が、遊技を統括的に制御する演算処理手段を構成する。また、第1始動入賞口347に入賞した遊技球を検出する始動口1スイッチ、および、第2始動入賞口348に入賞した遊技球を検出する始動口2スイッチ(いずれも図示せず)が、始動条件を成立させる起因となる事象を検出する検出手段を構成する。また、スイッチ入力回路379と入力ポート377とを接続する配線と、入力ポート377と、入力ポート377と遊技用マイコン376とを接続する配線と、遊技用マイコン376が備える入力端子(入力ポート377からの信号が入力される端子)とが、検出手段での検出結果を演算処理手段に伝達するための入力伝達手段を構成する。
また、遊技用マイコン376が備える出力端子(試射試験出力ポート384への信号を出力する端子)と、遊技用マイコン376と試射試験出力ポート384とを接続する配線と、試射試験出力ポート384とが、入力伝達手段により伝達された検出手段での検出結果を、検査用信号(試験信号)として演算処理手段から所定の検査端子(試験端子)に伝達するための出力伝達手段を構成する。なお、試射試験出力ポート384や、試射試験装置に接続するために遊技制御装置370に設けられた検査端子(試験端子)などは、パチンコ遊技機の量産時等に取り外してもよく、試射試験出力ポート384を取り外した状態のパチンコ遊技機においては、遊技用マイコン376が備える出力端子(試射試験出力ポート384への信号を出力する端子)と、遊技用マイコン376と試射試験出力ポート384とを接続する配線とが、出力伝達手段を構成する。
ここで、第3実施形態のパチンコ遊技機は、遊技用マイコン376が備える入力端子(入力ポート377からの信号が入力される端子)のうち、始動口1スイッチの検出信号が入力される入力端子と、遊技用マイコン376が備える出力端子(試射試験出力ポート384への信号を出力する端子)のうち、始動口1スイッチの検出信号を出力する出力端子とで、同一のビットとなるように構成されている。また、遊技用マイコン376が備える入力端子(入力ポート377からの信号が入力される端子)のうち、始動口2スイッチの検出信号が入力される入力端子と、遊技用マイコン376が備える出力端子(試射試験出力ポート384への信号を出力する端子)のうち、始動口2スイッチの検出信号を出力する出力端子とで、同一のビットとなるように構成されている。
すなわち、第3実施形態において、入力伝達手段は、ビット毎に設けられた複数の入力端子(遊技用マイコン376が備える入力端子(入力ポート377からの信号が入力される端子))を備え、出力伝達手段は、ビット毎に設けられた複数の出力端子(遊技用マイコン376が備える出力端子(試射試験出力ポート384への信号を出力する端子))を備え、入力伝達手段と出力伝達手段とで、検出手段での検出結果を伝達する信号のビットが同一となるように構成されている。
なお、第3実施形態において、遊技制御装置370は、試射試験出力ポート384を介さずに遊技用マイコン376と中継基板(図示せず)とを直接接続するように構成されていてもよい。この場合、検査信号を伝達するためのデータバス「D0〜D7」と、試射試験出力ポート384を選択するためのセレクト信号「SEL1〜7」とを中継基板に接続し、中継基板には試射試験出力ポート384を設け、セレクト信号1〜7は図113の試射試験出力ポート384に対応させるようにする。これにより、検査の際以外に使用することのない試射試験出力ポート384を遊技制御装置370に設ける必要がないため、遊技制御装置370にかかるコストを削減することができる。
また、中継端子板386を設けずに検出スイッチ380やソレノイド382を遊技制御装置370に直接接続するようにしてもよい。また、図112では全ての検出スイッチ380やソレノイド382における信号を、遊技用マイコン376を介して出力する場合を例示したが、一部の検出スイッチ380またはソレノイド382における信号のみを遊技用マイコン376を介して出力するようにし、その他の信号については遊技用マイコン376を介さずに出力するようにしてもよい。
図113および図114には、遊技制御装置370の主基板上から試験装置へ出力する試験信号専用の出力ポート(試射試験出力ポート384)へのビット割付け例と、試験装置へ出力する主基板の入出力信号および兼用試験信号の例と、が示されている。図113および図114における(A)〜(G)が第2実施形態(図111に示す遊技制御装置370)に対応し、図113および図114における(A)〜(E)、(H)、および(I)が第3実施形態に対応する。すなわち、第3実施形態では、第2実施形態における入力ポート377および出力ポート378の割り付けと同じように、試験信号出力ポート(試射試験出力ポート384)に割り付けるようにしている。ここで、「兼用試験信号」とは、主基板へ入力される信号(入力系信号)をそのまま試験装置へ出力したり、主基板からソレノイド382等の周辺デバイスへ出力される信号(出力系信号)をそのまま試験装置へ出力したりする信号のことである。これらの信号は、波形を整形する必要がないので、そのまま試験装置へ出力できる。
なお、図113および図114において、*印が付されているビット(図113の出力ポート1のbit3,bit6や図114の出力ポート5のbit3〜bit7)は、機種の仕様によっては出力されることがない信号であり、出力しない場合には、プログラムによって対応するビットが「0」に固定されるようになっている。これにより、例えば「小当り」のある遊技機と「小当り」のない遊技機とで、主基板を共通に設計することができ、コストの低減や遊技機検定機関への申請書類の作成工数を減らすことができるという利点がある。
ここで、図113および図114に示す信号の内容の一部を簡単に説明する。なお、以下の説明において、「オン出力」とは論理H(ハイレベル)の信号を出力することを、「オフ出力」とは論理L(ロウレベル)の信号を出力することを意味する。
・条件装置作動中信号: 条件装置作動開始時にオンとなり、作動終了時にオフとなる信号で、大当りファンファーレ開始〜エンディング終了(大当り終了処理終了)までオン出力される。
・役物連続作動装置作動中信号: 役物連続作動装置作動開始時にオンとなり、作動終了時にオフとなる信号で、大当りファンファーレ開始〜エンディング終了(大当り終了処理終了)までオン出力される。
・普通図柄1当り信号: 普通図柄が当りの間にオンとなる信号で、普図が変動し、停止が確定した時に当り図柄だった時にオンとなり、普図当り終了処理の終了時にオフとなる。遊技機の仕様によっては普通図柄を4個まで設けることができるが、1種タイプの遊技機では1個しか設けられないため、「1」を使用する(特別電動役物がある遊技機は、普通図柄は1個まで)。
・普通電動役物1作動中信号: 当該入賞口の作動中、及び当該入賞口の開放終了後の入賞有効時間中にオンとなる信号で、普図が変動し、停止が確定した時に当り図柄だった時にオン、普電残存球処理の終了時にオフとなる。
・特別図柄1小当り信号: 特図1が小当りしている間にオンとなる信号(条件装置が作動せず、特別電動役物が作動する当り中)で、特図1が変動し、停止が確定した時に小当り図柄だった時(小当りファンファーレの開始時)にオンになり、小当り終了処理の終了時にオフとなる。
・特別図柄1当り信号: 特図1が大当りしている間にオンとなる信号(条件装置が作動して、特別電動役物が作動する当り中)で、特図1が変動し、停止が確定した時に大当り図柄だった時(大当りファンファーレの開始時)にオンになり、大当り終了処理の終了時にオフとなる。
・特別電動役物1作動中信号: 大入賞口の作動中、及び当該大入賞口の開放終了後の入賞有効時間中にオンとなる信号で、特図が変動し、停止が確定した時に大当り図柄だった時にオンとなり、最終ラウンドでの大入賞口残存球処理の終了時にオフとなる(普図と異なり、特図1と特電1が1対1とは限らない。特図が2個で大入賞口が1個のパターンの仕様もある。)。
・普通図柄1変動中信号: 普図が変動している間にオンとなる信号。
・普通図柄1高確率状態信号: 普図の当り確率が高確率となっている間にオンとなる信号。
・普通図柄1変動時間短縮状態信号: 普図の変動時間が短縮状態となっている間にオンとなる信号。
・普通電動役物1開放延長状態信号: 普電の開放等の時間が延長されている間にオンとなる信号。普通図柄1高確率状態信号、普通図柄1変動時間短縮状態信号、普通電動役物開放延長状態信号は、同一期間出力される仕様がスタンダードであるが、例えば変動時間短縮、開放時間延長はされるが、確率は変わらないといった仕様などにも対応できるように、各々を独立した割付としたことで異なる仕様でも共通の基板を使用できる。
・特別図柄1高確率状態信号: 特図1が高確率となっている間にオンとなる信号。
・特別図柄1変動時間短縮状態信号: 特図1が高確率となっている間にオンとなる信号。「低確率・時短なし」「低確率・時短あり」「高確率・時短あり」「高確率・時短なし」の仕様が考えられるので信号を独立。また、特図2がある場合は、上記2つの信号は同一名称のものは特図1、2共に同一状態の出力となる。特図2がない仕様も考えられるので、特図1と2で信号を分けている。
・特別図柄1図柄データbit0〜5: 特別図柄1(本特図1)の停止図柄番号を出力する信号。ビットの組み合わせで番号を意味する。特図1の変動開始時に停止図柄番号に対応する値が出力され、次の特図1の変動開始まで状態はずっと保持される。試験装置に出力するデータは8ビットだが、主制御基板で出力するのは下位6ビット分、残りは中継基板上で、0固定で出力する。故に主制御プログラムで制御できる図柄番号は64通りとなる。
・遊技機エラー状態信号: 遊技機にエラーが発生している間にオンとなる信号で、何か1つでも要因が発生している限りオン出力を継続する。(主制御基板での要因:磁石不正発生中、盤電波不正発生中、大入賞口不正発生中、普電不正発生中、枠電波不正発生中など機種により、振動不正等が追加されたりする。また、払出制御基板からも遊技機エラー状態信号が出力され、主制御基板との2信号が中継基板上で合成(OR)されて試験装置に出力される。払出制御基板での要因:シュート球切れエラー発生中、オーバーフローエラー発生中、枠電波不正発生中、スイッチ異常エラー発生中、払出不足エラー発生中、払出過剰エラー発生中、カードユニット未接続エラー発生中など、主制御基板と払出制御基板の双方で枠電波不正で出力する。)
・普通図柄1図柄データbit0〜2: 上記特図のものとほぼ同様。こちらも8ビット中の3ビットまでをソフト制御しているので、最大で8通りの図柄を持つことができる。
・発射位置指定信号1: 盤面上に発射する遊技球の位置を通常遊技(左打ち等)とは異なる位置に指定したい間(右打ち等)にオンとなる信号で、大入賞口が右にあり、右打ちしなくては入賞しないような時に指定信号としてオンする(右大入賞口が開くこととなる大当りのファンファーレ開始〜エンディング終了までオン出力し、さらにその後の遊技で右の普電を狙わせる場合はオンを継続し、普電の開放延長等が終了するまでオンが続く)。遊技の状態等によって位置を変えたりする必要がない(常時同じ位置を狙えばよい等、狙う場所を指定する必要がない)場合は、この信号は使用しない(常時オフ)。更に異なる位置に球を打たせたい場合には、発射位置指定信号2、3を設けてもよい。
・入賞容易状態信号1〜4: 入賞容易状態(普通図柄1高確率状態信号、普通図柄1変動時間短縮状態信号、普通電動役物1開放延長状態信号の何れかがオンの遊技状態)を複数持つ遊技機において、各入賞容易状態の期間中オンとなる信号で、4ビットの信号の組み合わせで0〜15の数値で表す。本割付では下位3ビットをソフト制御しているので8種類まで制御可能である。ただし、本実施例では、1通りの入賞容易状態しか持たないので、当該信号は未使用となり、常時オフである。
・入賞容易状態確定信号: 入賞容易状態信号が変化するときにオンとなる信号で、変化点を試験装置に通知するためのストローブ信号のように働く。例えば128msオン。本実施例では未使用で、常時オフである。試験装置が対応しやすいように、普通図柄1高確率状態信号等が変化するのと同時以前(同時も可)に出力を開始する。
また、特別電動役物内に特定領域を設け、始動条件の成立に伴い特別電動役物を開放させ、特定領域に遊技球が入球したことを条件に条件装置を作動(特別遊技状態を付与)するような2種タイプの遊技機では、条件装置作動中信号よりも先に特定領域に入球したことを示す特定領域通過信号を検査装置に出力するようにすると外部の検査装置で適切に判断することができる。
ところで、上記第3実施形態では、遊技制御装置370と検出スイッチ380やソレノイド382との間を中継端子板386により接続する構成を第1種のパチンコ遊技機に適用したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記第1実施形態で例示された第2種のパチンコ遊技機において、遊技制御装置51と検出スイッチ(特定領域スイッチ128,252,254,256等)やソレノイド(大入賞口ソレノイド88等)との間を中継端子板386により接続して、検査用信号(試験信号)の増減に対応可能となる構成を実現してもよい。なお、第2種のパチンコ遊技機では、試射試験に出力が必要とされる信号(試験時に監視対象となる信号)の数が第1種のパチンコ遊技機とは異なることがあり得る場合には、予め遊技用マイコンに接続される試射試験出力ポートを信号の出力に十分なポート数(例えば8つ)に設定しておくことが望ましい。
そして、第2種のパチンコ遊技機においても遊技制御装置と検出スイッチやソレノイドとの間を中継端子板により接続すれば、検査用信号として出力する予定でなかった検出スイッチまたはソレノイドにおける信号を、仕様変更等によって出力するようになった場合であっても、基板を改版することなく変更に対応することができる。また、パチンコ遊技機の開発中に検出スイッチやソレノイドの数が増減した場合でも、遊技用マイコンのプログラムを変更するとともに中継端子板が備える端子のうち短絡させる端子の数を変更するだけで、当該増減に対応できるため、開発コストの増大を抑制することが可能となる。
図115および図116には、第2種のパチンコ遊技機における遊技制御装置(例えば、上記第1実施形態の遊技制御装置51)の主基板上から試験装置へ出力する試験信号専用の出力ポート(試射試験出力ポート)へのビット割付け例と、試験装置へ出力する主基板の入出力信号および兼用試験信号の例と、が示されている。図115および図116における(A)〜(G)、(J)が中継端子板を適用しない従来の第2種のパチンコ遊技機における遊技制御装置に対応し、図115および図116における(A)〜(E)、(H)、(I)、(K)が中継端子板を適用する第2種のパチンコ遊技機における遊技制御装置に対応している。なお、図115および図116において、*印が付されているビット(図115の出力ポート2のbit0〜bit4や図116の出力ポート5のbit0〜bit5)は、機種の仕様によっては出力されることがない信号であり、出力しない場合には、プログラムによって対応するビットが「0」に固定されるようになっている。これにより、例えば「小当り」のある遊技機と「小当り」のない遊技機とで、主基板を共通に設計することができ、コストの低減や遊技機検定機関への申請書類の作成工数を減らすことができるという利点がある。
ここで、図115および図116に示す信号の内容の一部を簡単に説明する。
・条件装置作動領域N有効信号/連続差動装置作動領域N有効信号: 第2種のパチンコ遊技機の特定領域スイッチ(上記第1実施形態においては特定領域スイッチ129,252,254,256)が有効であることを示す信号。
・条件装置作動領域M通過信号N/役物連続作動領域M通過信号N: 第2種のパチンコ遊技機の特定領域スイッチ(上記第1実施形態においては特定領域スイッチ129,252,254,256)が遊技球の通過を検出したか否かを示す信号。
ところで、上記第1実施形態では、振分装置(特別遊技発生振分装置30)により態様が決定される賞特典として特別遊技状態を例示したが、本発明はこれに限定されない。要は、遊技者にとって有利な遊技価値を付与する賞特典であれば、どのような賞特典であってもよい。
さらに、振分装置に設けられた意匠接続部として窪み部を例示したが、本発明はこれに限定されない。要は、互いに隣り合う意匠部同士の間に配設されていればどのような態様の意匠接続部であってもよい。例えば、意匠接続部を外方に膨出させた態様に設定してもよい。また、視線基準部として穴部を例示したが、本発明はこれに限定されない。要は、意匠接続部に向けられる遊技者の視線の基準となれば、どのような態様(形状や大きさ)の視線基準部であってもよく、例えば、意匠接続部から突出した突起でもよいし、意匠接続部に表示された記号でもよい。そして、互いに隣り合う球導入部の球受入口同士の間隔に応じて各視線基準部の態様をそれぞれ異ならせて設定してもよい。なお、各視線基準部の態様を互いに異ならせた場合でも、意匠接続部の大きさと、該意匠接続部に設けられた視線基準部の大きさとの比率をいずれの意匠接続部においても同じに設定すれば、意匠接続部内での視線基準部の見え方の印象が意匠接続部に拘らず同じに感じられるように構成することができて好適である。
ところで、上記特許文献1(特開2010−094325号公報)に開示されたような遊技機では、振分装置内の特定領域への入賞に基づいて特別遊技状態が発生中であるにも拘らず、別個の遊技球が振分装置内へ進入してしまう不都合、ひいては特別遊技状態の態様の決定が不必要な場面で遊技球が振分装置内で振り分けられるという不都合が生じる虞がある。
そこで、特別遊技状態の態様の決定が不必要な場面で遊技球が振分装置内で振り分けられることがない遊技機を提供するべく、上記実施形態に記載の内容から次の第1発明が挙げられる。
すなわち、第1発明は、補助遊技における遊技球の入賞に基づいて、遊技者にとって有利な遊技価値を付与する複数の特別遊技状態が発生可能な遊技機において、
前記複数の特別遊技状態の中から一の特別遊技状態の発生を決定可能な特別遊技発生振分装置を備え、
前記特別遊技発生振分装置は、前記特別遊技状態の発生中に当該特別遊技発生振分装置内への遊技球の進入を規制する振分進入規制部材を備え、
該振分進入規制部材は、前記補助遊技の結果に基づいて前記特別遊技発生振分装置内への遊技球の進入の規制を解除することを特徴とする遊技機である。
この第1発明によれば、特別遊技状態の発生中には特別遊技発生振分装置内への遊技球の進入を規制する一方、補助遊技中においては、該補助遊技の結果に基づいて特別遊技発生振分装置内への遊技球の進入の規制を解除するので、特別遊技状態の発生中であるにも拘らず遊技球が特別遊技発生振分装置内へ進入してしまう不都合、ひいては特別遊技状態の態様の決定が不必要な場面で遊技球が特別遊技発生振分装置内で振り分けられるという不都合を避けることができる。
ところで、補助遊技において特別遊技状態が発生するか否かを決定するための可動部と、特別遊技状態の態様を示唆するための示唆部とを別個に備えようとすると、それぞれの配置スペースを別個に確保しなければならず、限られた遊技盤のスペースを有効に活用することができない。
そこで、限られた遊技盤のスペースを有効に活用することができる遊技機を提供するべく、上記実施形態に記載の内容から次の第2発明が挙げられる。
すなわち、第2発明は、始動入賞口と、該始動入賞口への入賞に基づいて可動部材を開動作可能な変動入賞装置と、可動部材の開動作を行うことで補助遊技を行い、該補助遊技における遊技球の入賞に基づいて、遊技者にとって有利な遊技価値を付与する複数の特別遊技状態を発生可能な制御手段を備えた遊技機において、
前記複数の特別遊技状態には、第1特別遊技状態と第2特別遊技状態があり、
前記補助遊技は、前記特別遊技状態の一種である第1特別遊技状態を発生可能な第1補助構成遊技と、前記特別遊技状態の一種である第2特別遊技状態を発生可能な第2補助構成遊技と、により構成され、
前記第1補助構成遊技では、前記第1特別遊技状態が発生するか否かを可動部を介して決定し、
該可動部は、第1可動構成材と、該第1可動構成材の内側に配設された第2可動構成材と、を備え、
該第2可動構成材は、前記特別遊技状態の態様を示唆する示唆演出を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この第2発明によれば、特別遊技状態の態様を示唆する構成を可動部とは別個に備える必要がなく、限られた遊技盤のスペースを有効に活用することができる。
ところで、上記各実施形態の上皿ユニット13に備えられた遊技演出ボタン17は、遊技者が押したり触れたりして操作を行う入力装置として構成されており、この操作に基づく信号が演出制御装置52へ入力されると(図39参照)、演出制御装置52が遊技演出の態様を変化し得るが、本発明はこれに限定されない。例えば、図117に示す第4実施形態の上皿ユニット13′には、遊技演出の態様を変化させるための入力装置としてのみ機能する遊技演出ボタン17の代わりに、入力装置として機能するだけではなく音や振動を出力する出力装置としても機能する遊技演出操作ユニット400を備えている。
第4実施形態について具体的に説明すると、上皿ユニット13′は、図117に示すように、前面枠3に止着される横長な上皿本体部402と、該上皿本体部402の前面に装着される上皿装飾部403と、該上皿装飾部403の前側部に装着される上皿装飾パネル404とを備えて構成されている。そして、上皿ユニット13′の上部のうち上皿装飾部403と上皿装飾パネル404との境界部分に遊技演出操作ユニット400を配置し、上皿装飾部403と遊技演出操作ユニット400とをビス等の止着部材405により止着している。
遊技演出操作ユニット400は、図118および図119に示すように、上皿ユニット13′の上皿装飾部403に止着される有底円筒状のユニットベース410と、該ユニットベース410の上側開口縁に備えられた円環状の装飾フランジ部411と、該装飾フランジ部411内に挿通されて上下方向へ移動可能な操作変換部(押しボタン)412と、ユニットベース410の底部と操作変換部412との間に配置され、操作変換部412を上方へ付勢するコイルばね等の操作付勢部材413とを備えて構成されている。
操作変換部412は、ユニットベース410に上下方向へ移動可能な状態で係合される有底円筒状の操作変換基部416を備え、該操作変換基部416の上側開口を円筒蓋形状の操作変換カバー417で閉成し、該操作変換カバー417の上面部である円形状の操作接触部417aを遊技演出操作ユニット400の上方へ露出し、遊技者が操作付勢部材413の付勢力に抗して操作接触部417aを押し下げて操作変換部412を操作するように構成されている。詳しくは、遊技者が操作を行っていない常態では、操作変換部412が操作付勢部材413に付勢されて予め設定された非操作状態(上死位置での停止状態)を維持し(図120(a)参照)、遊技者が操作を行うと、操作変換部412が非操作常態から操作付勢部材413の付勢力に抗して下降して操作状態へ変換(下死位置へ移動)するように構成されている。また、操作変換部412の内部(詳しくは、操作変換基部416と操作変換カバー417との間に区画形成される空間部)には、通電により振動を発生させる振動発生装置420と、該振動発生装置420の上部に重なって配置される薄肉円板状の振動部材421とを収納している。
振動発生装置420は、円環状の鉄芯に導線を巻き付けて構成されたコイル部420aと、該コイル部420aの中空部分に振動可能な状態で配置された永久磁石(振動源)420bとを備えており、演出制御装置52に接続されて駆動信号(演出音出力信号)を受信可能としている(図121参照)。そして、当該振動発生装置420のうちコイル部420a側(詳しくは、内部にコイル部420aを保持するケーシング(図示せず))を操作変換基部416へ止着する一方、永久磁石420bを振動部材421へ止着して、振動部材421が永久磁石420bとともに振動することができるように構成されている。また、振動部材421は、図120(b)に示すように、操作変換カバー417の操作接触部417aから下方のユニットベース410側へ離間した位置に配置されており、振動部材421の外周部を操作変換基部416の内周面に係止し、振動部材421の中央部に永久磁石420bを止着している。なお、振動部材421のうち操作接触部417a側を向いた上面には装飾模様を施し、操作接触部417aの一部または全体を透明な部材で形成する等して操作透光部417bを設け、振動部材421の装飾模様が操作透光部417bを通して視認できるように構成されている。
このような構成の遊技演出操作ユニット400を備えたパチンコ遊技機1において、演出制御装置52が遊技の進行に伴って振動発生装置420へ駆動信号(演出音出力信号)を送信すると、この駆動信号に基づき、コイル部420aの導線への通電の強弱が変化してコイル部420aにて発生する磁界が変化する。すると、この磁界の変化により永久磁石420bが振動するとともに振動部材421が振動する。そして、振動部材421の振動が操作変換部412内の空気や操作変換部412自体に伝播し、この結果、操作変換部412が演出音を出したり振動したりする演出を実行する。したがって、音と振動によって従来にない斬新な演出(言い換えると、遊技者が聴覚と触覚で感じることができる演出)を実行可能な遊技演出操作ユニット400を実現することができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。また、操作変換部412の操作接触部417aと振動部材421とを離間させているので、遊技者が操作変換部412を操作している最中でも振動部材421を支障なく振動させることができ、操作変換部412から音や振動を滞りなく出力することができる。さらに、操作変換部412が遊技者の押圧操作によって上下動する押しボタンであるので、演出音や振動を出力可能な遊技演出操作ユニット400を簡単な構成で実現することができる。
なお、振動発生装置420への駆動信号の設定により振動部材421の振動の周波数を調整して、遊技者が操作変換部412から演出音のみを感じ得るようにしてもよいし、振動のみを感じ得るようにしてもよい。さらに、遊技演出操作ユニット400において演出音や振動の演出を実行するタイミングは、どのように設定してもよい。例えば、遊技者が遊技演出操作ユニット400を操作していない状態で振動発生装置420を駆動することにより操作変換部412から演出音や振動を出力して、遊技者に遊技演出操作ユニット400の操作を促すように設定してもよい。あるいは、遊技者が遊技演出操作ユニット400を操作したこと(言い換えると、演出ボタンスイッチ303(図121参照)から出力された信号が演出制御装置52により受信されたこと)に基づいて、演出制御装置52が振動発生装置420へ駆動信号を出力して演出音や振動の演出を実行するように設定してもよい。
また、操作変換部412に発光部材を内蔵して、発光による演出も実行できるように構成してもよい。例えば、図122に示す操作変換部412の変形例(操作変換部412′)では、振動部材に発光部材を実装している。具体的に説明すると、当該変形例における振動部材426は、振動発生装置420側(下側)から順に、LED等の発光部材427aが実装された発光基板427、遊技者が操作変換部412に触れたことを静電容量の変化に基づいて検出可能なタッチ検出基板428、透光性部材で形成されて発光部材427aからの光を誘導するレンズプレート429、装飾模様が施された透光性板材からなる装飾プレート430を積層して構成されており、当該振動部材426の表層(操作接触部417a側に位置する構成部材)となる装飾プレート430と操作接触部417aとが離間する状態で操作変換部412′内に配置されている(図122(b)参照)。そして、発光基板427のうち操作接触部417a側となる上面に発光部材427aを実装し、操作変換基部416側となる下面には振動発生装置420の永久磁石420bを止着して、振動発生装置420の駆動により永久磁石420bを振動すると、積層構成の振動部材426が一体となって振動するように構成されている。また、レンズプレート429のうち発光部材427aに対向する下面には導光突起429aを突設し、タッチ検出基板428には、導光突起429aが挿通される導光挿通孔428aを開設している。さらに、振動部材426を被覆する操作変換カバー417には、操作接触部417aの一部または全体を透光性部材(例えば、透明樹脂)で構成する等して操作透光部417bを設け、発光部材427aからの光がレンズプレート429、装飾プレート430、操作透光部417bを通って操作変換部412′の外方(詳しくは上方)へ透過するように構成されている。
このようにして振動部材426に発光部材427aを備え、発光部材427aからの光を操作変換部412′の外方へ透過可能とすれば、遊技演出操作ユニット400が遊技の進行に伴って振動や音による演出だけではなく、発光による演出をも行うことができる。したがって、音と振動と光によって一層斬新な演出(言い換えると、遊技者が聴覚と触覚と視覚で感じることができる演出)を実行可能な遊技演出操作ユニット400を実現することができ、遊技の興趣を更に高めることができる。
なお、遊技者の押圧操作により操作変換部412,412′が上下動する遊技演出操作ユニット400においては、非操作状態における操作変換部412,412′の位置を昇降可能とする操作昇降装置(図示せず)を備えてもよい。そして、遊技の進行に伴って操作昇降装置を駆動して、非操作状態における操作変換部412,412′の位置を操作昇降装置の駆動前よりも上方や下方へずらして変更すれば、遊技者に操作変換部412,412′の位置の設定変更を見せることで、遊技の進行に変化が発生するかもしれないという期待を持たせようとすることができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。
ところで、上記第4実施形態およびその変形例では、上下動可能な押しボタンである操作変換部412,412′の内部に振動発生装置420および振動部材421,426を備えたが、本発明はこれに限定されない。要は、予め設定された非操作状態から遊技者の操作により操作状態へ変換する操作変換部であれば、振動発生装置および振動部材が備えられる操作変換部の操作は、押圧操作に限らず、回転操作、スライド操作、引き出し操作など、どのような態様の操作であってもよい。例えば、図123に示す第5実施形態の遊技演出操作ユニット435においては、予め設定された非操作状態(図123(a)中、実線で示す起立状態)から遊技者の操作により遊技者側へ傾いた操作状態(図123(a)中、二点鎖線で示す傾倒状態)へ変換するレバータイプの操作変換部436を備え、該操作変換部436内に振動発生装置420および振動部材426を備えている(図123(b)参照)。
具体的に説明すると、第5実施形態における操作変換部436は、縦向き短冊形状を呈する一対の変換アーム438を左右方向に離間した状態で備え、該変換アーム438の下部をユニットベース439へ回動可能な状態で軸着し、各変換アーム438の上部同士の間には、外周面が操作接触部441aとして機能する横向き円筒状の操作把持部441を架設し、遊技者が操作変換部436を操作(非操作状態から操作状態へ変換)するときには、操作把持部441を手で握って操作する(遊技者側へ引く)ように構成されている。そして、操作把持部441の内部には、図123(b)に示すように、振動発生装置420と振動部材426とを備え、操作把持部441の一部または全体を透光性部材(例えば、透明樹脂)で構成する等して操作透光部441bを設け、振動部材426に実装された発光部材427aからの光が操作透光部441bを通って操作把持部441の外方へ透過するように構成されている。
このような操作把持部441を操作変換部436に備えて遊技演出操作ユニット400を構成すれば、遊技者が操作変換部436(操作把持部441)を握って十分に接触し易くなり、振動発生装置420から伝達される振動を感じ取り易くなる。したがって、振動による演出を遊技者に十分楽しませることができ、遊技の興趣を一層高めることができる。
なお、上記第5実施形態では、操作把持部441内に振動部材426および振動発生装置420を備えたが、本発明はこれに限定されない。要は、振動による演出動作を実行可能な操作変換部に操作把持部を備えていればよい。例えば、操作変換部のうち操作把持部から外れた箇所に振動部材および振動発生装置を備えてもよい。また、本発明における操作把持部は、上記したレバータイプの操作変換部436に適用することに限定されない。要は、遊技者が操作把持部を把持して操作する構成であれば、どのような操作変換部に操作把持部備えてもよい。例えば、第4実施形態の操作変換部(押しボタンタイプの操作変換部)412において、操作接触部417aの表面の一部から遊技者が手で握ることが可能な大きさの膨出部を膨出する等して操作把持部を設けてもよい。
ところで、上記第4,5実施形態、および第4実施形態の変形例では、操作変換部内に振動発生装置と振動部材とを備えたが、本発明はこれに限定されない。例えば、操作変換部内に振動部材を備えず、その代わりに振動発生装置の永久磁石を操作接触部へ止着し、操作接触部を振動させて音と振動の演出を実行するようにしてもよい。しかしながら、遊技者が遊技演出操作ユニットを操作する時には、遊技者の操作に基づいて作用する力が操作接触部を介して永久磁石(振動源)へ伝達してしまう虞、ひいては永久磁石の振動が抑えられて振動や音による演出効果が十分に得られない虞が考えられる。したがって、演出操作部内に振動部材を操作接触部から離間した状態で配置して、遊技者の操作に基づく外力が振動部材へ伝達し難い状態に設定し、この振動部材を振動発生装置により振動させて振動や音による演出を実行することが好ましい。
さらに、上記した振動発生装置420は、円環状のコイル部420aと永久磁石420bとで構成されたが、本発明に適用可能な振動発生装置の構成はこれに限定されない。要は、振動を発生可能であり、この振動を操作変換部へ伝達することができればどのような構成であってもよい。例えば、厚肉円板状の鉄芯に導線を巻き付けたコイル部を振動源とし、このコイル部を円環状の永久磁石の中空部に挿通して振動発生装置を構成してもよい。また、振動部材が予め装着されている振動発生装置として、コーン紙等の振動部材(振動板)が備えられた市販のスピーカを採用してもよい。しかしながら、市販のスピーカを採用しようとすると、例えば、既存の操作変換部の限られた内部空間に収納するためには小型のスピーカしか選定することができず、演出に十分な振動や音の出力を期待し難い。これに対し、上記したように振動部材と振動発生装置とを別体として収納する設計を採用すれば、既存の操作変換部内に予め配置されている構成部材(例えば、装飾用のシート材)を振動部材として兼用することができ、振動部材を新設せずに済ませることができる。これにより、振動部材が新設される空間の確保が必要なくなり、その分だけ振動発生装置のサイズを大きくすることができる。したがって、演出に十分な振動や音を出力可能な操作変換部(遊技演出操作ユニット)を設計することができて好適である。
なお、本発明の操作変換部から出力される音は、振動発生装置により操作変換部を振動したことに基づいて発生する音であれば、どのような音であってもよい。例えば、演出制御装置52等に予め記憶された演出音(メロディを有する音や効果音)でもよいし、操作変換部が振動したことにより当該操作変換部が他の部材に当たったり、当該操作変換部の構成部材同士が当たったりして発生する音(「カタカタ」等と鳴る音)でもよい。
そして、上記実施形態毎や変形例毎に構成を異ならせて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、一の実施形態や一の変形例の構成内容の全部または一部を他の実施形態や他の変形例に適用してパチンコ遊技機を構成してもよい。
また、上記実施形態では、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例にして説明したが、本発明はこれに限らず、遊技者が操作する遊技演出操作ユニットを備え、該遊技演出操作ユニットが操作されたことに基づいて遊技演出の態様が変化し得る遊技機であればどのような態様の遊技機でもよい。例えば、封入球式パチンコ機、アレンジボール式遊技機、雀球式遊技機等の遊技機であってもよいし、あるいは、メダルを使用して遊技を行うスロットマシン等の遊技機であってもよい。
なお、前記した実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は、上記した説明に限らず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれるものである。