以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて演出図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、演出図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしてもよい。
演出表示装置5の表示領域には、第1保留記憶数表示エリア5D及び第2保留記憶数表示エリア5Uが配置されている。第1保留記憶数表示エリア5D及び第2保留記憶数表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。第1保留記憶数表示エリア5Dにおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示であり、第2保留記憶数表示エリア5Uにおける保留記憶表示は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示である。
この実施の形態では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示(第1保留記憶数表示エリア5Dに表示される保留記憶表示)とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の赤色表示(第2保留記憶数表示エリア5Uに表示される保留記憶表示)とする。なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示と、の表示態様は、例えば、共に丸型の白色表示等の同一態様であってもよい。
図1に示す例では、第1保留記憶数表示エリア5D及び第2保留記憶数表示エリア5Uとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に変動表示(可変表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの変動表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放大当り状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限回数(例えば2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回数(例えば15回)に比べて少なくなるものであってもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβ、スーパーリーチγといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチαやスーパーリーチβ、スーパーリーチγといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出とは異なり、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、演出図柄の変動表示態様などにより遊技者に報知するための変動表示演出が実行されることがあるようにしてもよい。
演出図柄の変動表示中には、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、演出図柄の変動表示動作とは異なる演出動作により、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rにて演出図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。通常大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せの確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、当該大当り前の遊技状態に応じた変動回数の範囲(後述する10回または100回)において時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(10回または100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、当該大当り前の遊技状態に応じた変動回数の範囲(後述する10回または100回)において上述した時短制御が実施されるとともに、確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定演出図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定演出図柄(短期開放ラウンド大当り状態に対応したチャンス目となる確定演出図柄)が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、確変制御が行われればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて変動表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。ただし、変動表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
演出図柄の変動表示結果として開放チャンス目を構成する確定演出図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となる場合には、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときと、変動表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがある。一方、演出図柄の変動表示結果としてリーチ組合せを構成する確定演出図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となるのは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときのみである。したがって、開放チャンス目を構成する確定演出図柄は、短期開放大当り状態および小当り遊技状態のいずれに制御されることにも対応している一方で、リーチ組合せの確定演出図柄は、短期開放大当り状態に制御されることに対応している。
確定演出図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる演出図柄の変動表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rに通常大当り組合せとなる演出図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の演出図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる演出図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる演出図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定演出図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定演出図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定演出図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せとなる確定演出図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の変動表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の変動表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定演出図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、演出表示装置5の表示領域にて演出図柄を変動表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、演出図柄の変動表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図3(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rで変動表示される演出図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する変動表示結果通知コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、変動表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの判定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの判定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「ハズレ」となる旨の事前判定結果を示す第1変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる旨の事前判定結果及び大当り種別判定結果を通知する第2変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる旨の事前判定結果及び大当り種別判定結果を通知する第3変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる旨の事前判定結果及び大当り種別判定結果を通知する第4変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C04Hは、変動表示結果が「小当り」となる旨の事前判定結果を示す第5変動表示結果通知コマンドである。
コマンド8DXXは、時短回数を指定する時短回数通知コマンドである。コマンド8F00Hは、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前判定結果や大当り種別判定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前判定結果及び大当り種別判定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1保留記憶数表示エリア5Dにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2保留記憶数表示エリア5Uにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。
この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC4XXHおよびコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、変動表示結果が「大当り」となるか否かや「小当り」となるか否か、大当り種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン判定用の乱数値MR4が後述する各種変動パターン判定用テーブルにおけるいずれの判定値の範囲となるかによって判定される変動パターンの判定結果(変動ID)を示す変動パターン判定結果コマンドである。
この実施の形態では、始動入賞判定処理(図18参照)において、始動入賞の発生に基づき、変動表示結果が「大当り」に決定されるか否かや「小当り」に決定されるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4がいずれの判定値の範囲になるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、変動表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されることを指定する値や、大当り種別を指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。また、変動パターン判定結果コマンドのEXTデータに、当該始動入賞時に抽出した乱数値MR4が各種変動パターン判定用テーブルにおけるいずれの判定値の範囲となるかによって判定される変動パターンの判定結果(変動ID)を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、変動表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否か、大当り種別を当該始動入賞による変動表示が開始される前に事前に認識できるとともに、変動パターン判定結果コマンドに設定されている変動IDに基づいて、いずれの変動パターンとなるかを当該始動入賞による変動表示が開始される前に事前に認識できる。
図柄指定コマンドの一例として、コマンドC400Hを変動表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた第1図柄指定コマンドとし、コマンドC401Hを変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる場合に応じた第2図柄指定コマンドとし、コマンドC402Hを変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる場合に応じた第3図柄指定コマンドとし、コマンドC403Hを変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合に応じた第4図柄指定コマンドとし、コマンドC404Hを変動表示結果が「小当り」となる場合に応じた第5図柄指定コマンドとする。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、変動表示結果通知コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4、普図表示結果判定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図13に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、変動表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別判定用の乱数値MR2は、変動表示結果を「大当り」とする場合における演出図柄の変動表示態様である大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかに判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン種別判定用の乱数値MR3は、変動パターンの変動表示における態様を判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン判定用の乱数値MR4は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果判定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける変動表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの判定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図5は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、変動表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「スーパーリーチ」である場合に対応した変動パターンは、スーパーリーチ変動パターン(「スーパーリーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンとスーパーリーチ変動パターンは、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβ、スーパーリーチγといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、変動表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。
この実施の形態においては、図5に示すように、スーパーリーチα、スーパーリーチβ、スーパーリーチγの変動パターンが、ハズレ変動パターンにも、大当り変動パターンにも設定されていることで、変動表示結果が「ハズレ」となる場合にも、変動表示結果が「大当り」なる場合にも、スーパーリーチα、スーパーリーチβ、スーパーリーチγの変動パターンが決定される場合がある。
また、スーパーリーチα、スーパーリーチβ、スーパーリーチγは、いずれも同一の変動時間が設定されており、スーパーリーチα、スーパーリーチβ、スーパーリーチγにおいてはいずれも、桜柄の覆面をしたキャラクタが登場する特別演出が実行されるが、該特別演出が実行されるタイミングが異なっている。
具体的には、スーパーリーチαにおいては、リーチが成立する前のタイミングである変動開始から15秒が経過して時点で特別演出が開始される。また、スーパーリーチβにおいては、リーチが成立した後、スーパーリーチに発展する前のタイミングである変動開始から20秒が経過して時点で特別演出が開始される。また、スーパーリーチγにおいては、スーパーリーチに発展した後のタイミングである変動開始から25秒が経過して時点で特別演出が開始される。
「非リーチ」である場合に対応した変動パターンには、変動時間が短縮されない短縮なしの変動パターンや、合計保留記憶数が「3」〜「4」または「5」〜「8」である場合に対応して変動時間が短縮される変動パターンが用意されている。さらに、遊技状態が確変状態や時短状態といった時短制御が実行される場合に対応した変動パターンも用意されている。合計保留記憶数や遊技状態に応じて、これらのいずれかの変動パターンが選択されることで、合計保留記憶数や遊技状態に応じて、変動時間を短縮する制御が可能になる。
なお、図5に示す各変動パターンは、複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれるようにしてもよい。即ち、各変動パターン種別は、例えば演出図柄の変動表示中に実行される演出動作の態様などに基づいて分類(グループ化)された単一または複数の変動パターンを含むように構成されていてもよい。
本実施例におけるこれら各変動パターンには、それぞれの変動パターン固有の識別情報である変動IDが割り当てられている。具体的には、図5に示すように、変動パターンPA1−1には、変動ID「01」が割り当てられている。変動パターンPA1−2には、変動ID「02」が割り当てられている。変動パターンPA1−3には、変動ID「03」が割り当てられている。変動パターンPA1−4には、変動ID「04」が割り当てられている。変動パターンPA1−5には、変動ID「05」が割り当てられている。変動パターンPB1−1には、変動ID「11」が割り当てられている。変動パターンPB1−2には、変動ID「12」が割り当てられている。変動パターンPB1−3には、変動ID「13」が割り当てられている。変動パターンPB1−4には、変動ID「14」が割り当てられている。変動パターンPB2−1には、変動ID「21」が割り当てられている。変動パターンPB2−2には、変動ID「22」が割り当てられている。変動パターンPB2−3には、変動ID「23」が割り当てられている。変動パターンPB2−4には、変動ID「24」が割り当てられている。変動パターンPBC1−1には、変動ID「31」が割り当てられている。変動パターンPC3−2には、変動ID「32」が割り当てられている。
このように、この実施の形態においては、全ての変動パターンに変動IDが割り当てられていて、該変動IDが、前述したように、変動パターン判定結果コマンドに含まれて演出制御基板12に送信されることで、演出制御基板12側において始動入賞時に判定された変動パターンを特定できるようになっている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図6は、ROM101に記憶される特図表示結果判定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、特図表示結果判定テーブルとして、図6(A)に示す第1特図表示結果判定テーブル130Aと、図6(B)に示す第2特図表示結果判定テーブル130Bとが、予め用意されている。第1特図表示結果判定テーブル130Aは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、変動表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて判定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果判定テーブル130Bは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、変動表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて判定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果判定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(時短付と時短なしの双方を含む高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果判定テーブル130Bでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果判定テーブル130Aや第2特図表示結果判定テーブル130Bにおいて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される判定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの判定結果に割り当てられる決定用データとなっている。第1特図表示結果判定テーブル130Aと第2特図表示結果判定テーブル130Bのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果判定テーブル130Aと第2特図表示結果判定テーブル130Bのそれぞれでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、決定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの判定結果に割り当てられている。
図7は、この実施の形態における変動パターン種別を示している。図5に示す各変動パターンは、図7に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。すなわち、各変動パターン種別は、例えば演出図柄の変動表示中に実行される演出動作などに基づいて分類(グループ化)された1つ又は複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチ(スーパーリーチα、スーパーリーチβまたはスーパーリーチγ)を伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。
図7に示す例では、変動表示結果が「ハズレ」で「非リーチ」の変動表示態様となる場合に対応して、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−5が、予め用意されている。また、変動表示結果が「ハズレ」で「リーチ」の変動表示態様となる場合に対応して、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−2が、予め用意されている。変動表示結果が「大当り」で「非確変」又は「確変」の変動表示態様(大当り種別)に対応して、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−2が、予め用意されている。変動表示結果が「大当り」で「突確」の変動表示態様(大当り種別)である場合や変動表示結果が「小当り」である場合に対応して、変動パターン種別CA4−1が、予め用意されている。変動表示結果が「大当り」で「突確」の変動表示態様(大当り種別)である場合のみに対応して、変動パターン種別CA4−2が、予め用意されている。
変動パターン種別CA1−1は、遊技状態が通常状態などの低ベース中であるときに、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮されない「短縮なし(通常状態)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA1−1を含んでいる。変動パターン種別CA1−2は、遊技状態が通常状態などの低ベース中であるときに、合計保留記憶数としての特図保留記憶数が3〜4個であることに対応して、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される「保留3〜4個短縮(通常状態)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA1−2を含んでいる。変動パターン種別CA1−3は、遊技状態が通常状態などの低ベース中であるときに、合計保留記憶数が5〜8個であることに対応して、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される保留5〜8個短縮(通常状態)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA1−3を含んでいる。
変動パターン種別CA1−4は、遊技状態が時短状態などの高ベース中であるときに、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮されない「短縮なし(高ベース中)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA1−4を含んでいる。変動パターン種別CA1−5は、遊技状態が時短状態などの高ベース中であるときに、合計保留記憶数が2〜8個であることに対応して、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される「保留2〜8個短縮(高ベース中)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA1−5を含んでいる。
変動パターン種別CA2−1は、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態とした後に通常のリーチ演出となるノーマルリーチを伴い、リーチ演出が終了したときにリーチ組合せの確定演出図柄を導出表示する「ノーマルリーチ(ハズレ)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPB1−1を含んでいる。変動パターン種別CA2−2は、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチ(スーパーリーチα、スーパーリーチβ又はスーパーリーチγ)を伴い、リーチ演出が終了したときにリーチ組合せの確定演出図柄を導出表示する「スーパールリーチ(ハズレ)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPB1−2〜変動パターンPB1−4を含んでいる。
変動パターン種別CA3−1は、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態とした後にノーマルリーチを伴い、リーチ演出が終了したときに大当り組合せの確定演出図柄を導出表示する「ノーマルリーチ(大当り)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPB2−1を含んでいる。変動パターン種別CA3−2は、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチ(スーパーリーチα、スーパーリーチβ又はスーパーリーチγ)を伴い、リーチ演出が終了したときに大当り組合せの確定演出図柄を導出表示する「スーパーリーチ(大当り)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPB2−2〜変動パターンPB2−4を含んでいる。
変動パターン種別CA4−1は、2回開放チャンス目のいずれかとなる確定演出図柄を導出表示する「2回開放チャンス目停止」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPC1−1を含んでいる。変動パターン種別CA4−2は、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合に演出図柄の変動表示状態をリーチ状態としてからリーチ組合せの確定演出図柄を導出表示する「2回開放時リーチハズレ」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPC1−2を含んでいる。
また、図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、特図表示結果の判定結果や、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターンを、変動パターン種別判定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに判定するために参照される変動パターン種別判定テーブルが記憶される。
図8(A)、図8(B)及び図8(C)は、ROM101に記憶される変動パターン種別判定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン種別判定テーブルとして、図8(A)に示す大当り変動パターン種別判定テーブルと、図8(B)に示す小当り変動パターン種別判定テーブルと、図8(C)に示す突確動パターン種別判定テーブルと、が、予め用意されている。
図8(A)に示す大当り変動パターン種別判定テーブルは、特図表示結果を「大当り」にすると判定(事前決定)されたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに判定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン種別判定テーブルでは、大当り種別の判定結果が「非確変」または「確変」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別判定用の乱数値MR3と比較される数値(判定値)が、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−2のいずれかに割り当てられている。
大当り変動パターン種別判定テーブルでは、大当り種別が複数種類のいずれに判定されたかに応じて、各変動パターン種別に判定される割合が異なるように、判定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じて、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−2に対する判定値の割当てが異なっている。
具体的には、大当り種別が「非確変」である場合、乱数値MR3の1〜100までの範囲が変動パターン種別CA3−1に割り当てられており、乱数値MR3の101〜251までの範囲が変動パターン種別CA3−2に割り当てられている。
一方、大当り種別が「確変」である場合、乱数値MR3の1〜50までの範囲が変動パターン種別CA3−1に割り当てられており、乱数値MR3の51〜251までの範囲が変動パターン種別CA3−2に割り当てられている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの判定結果に応じて、同一の変動パターン種別に判定される割合を異ならせることができる。
このように乱数値MR3を割り当てることにより、この実施の形態においては、確変大当りになる場合には、非確変大当りとなる場合よりも高い割合にて変動パターン種別CA3−2が決定されることにより、変動パターン種別CA3−2に含まれるスーパーリーチが実施されるように設定されている。
なお、大当り種別が「非確変」と「確変」とのいずれかに判定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、各変動パターン種別に対する判定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターン種別に判定される割合を異ならせることができる。また、大当り種別が「非確変」と「確変」とのいずれかに判定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に判定値が割り当てられるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に判定することができる。
上記したように、この実施の形態では、大当り種別が「非確変」と「確変」のいずれに判定されたかに応じて、各変動パターン種別に対する判定値の割当てを異ならせており、これによって、いずれの変動パターン種別に含まれる変動パターンによる変動表示が実行されるかに応じて、変動表示結果が「15R確変大当り」となる期待度を異ならせることができる。例えば、大当り種別が「確変」の場合に多くの判定値が割り当てられる一方、大当り種別が「非確変」の場合に少ない判定値が割り当てられる変動パターン種別に含まれる変動パターンによる変動表示が行われたときには、変動表示結果が「15R確変大当り」となる期待度が高められる。
図8(B)に示す小当り変動パターン種別判定テーブルは、特図表示結果を「小当り」にすると判定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を判定するために参照されるテーブルである。小当り変動パターン種別判定テーブルでは、変動パターン種別判定用の乱数値MR3と比較される全ての数値(判定値)が、変動パターン種別CA4−1に対して割り当てられている。
また、図8(C)に示す突確変動パターン種別判定テーブルは、特図表示結果を「突確」にすると判定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を判定するために参照されるテーブルである。突確変動パターン種別判定テーブルでは、変動パターン種別判定用の乱数値MR3の1〜150までの範囲が変動パターン種別CA4−1に割り当てられており、乱数値MR3の151〜251までの範囲が変動パターン種別CA4−2に割り当てられている。
ここで、変動パターン種別CA4−1は、小当り変動パターン種別判定テーブルと突確変動パターン種別判定テーブルの双方において判定値が割り当てられている。このように、変動パターン種別CA4−1は、特図表示結果が「小当り」となる場合と「突確」となる場合とで、共通の変動パターン種別となっている。すなわち、小当り変動パターン種別判定テーブルを構成するテーブルデータと、突確変動パターン種別判定テーブルを構成するテーブルデータとには、共通の変動パターン種別が含まれるように設定されている。
尚、小当り変動パターン種別判定テーブルは、突確変動パターン種別判定テーブルとは異なる変動パターン種別に対しても、判定値が割り当てられるように設定されてもよい。すなわち、小当り変動パターン種別判定テーブルを構成するテーブルデータと突確変動パターン種別判定テーブルを構成するテーブルデータとには、共通の変動パターン種別が含まれるとともに、それぞれに固有の変動パターン種別が含まれるように設定されてもよい。
図9(A)〜図9(E)は、ROM101に記憶されるはずれ用変動パターン種別判定テーブルの構成例を示している。これらのはずれ用変動パターン種別判定テーブルA〜Eは、変動表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(MR3)に基づいて複数種類のうちのいずれかに判定するために参照されるテーブルである。
この実施の形態では、はずれ用変動パターン種別判定テーブルとして、図9(A)に示す遊技状態が低ベース状態(高確低ベース状態、低確低ベース状態)であるときに、短縮の非リーチ変動パターン以外の変動パターンを含む変動パターン種別が決定されるはずれ用変動パターン種別判定テーブルA(通常用)と、図9(B)に示す遊技状態が低ベース状態(高確低ベース状態、低確低ベース状態)であり、合計保留記憶数としての特図保留記憶数が3〜4個であるときに、短縮の非リーチ変動パターンを含む変動パターン種別が決定されるはずれ用変動パターン種別判定テーブルB(通常用)と、図9(C)に示す遊技状態が低ベース状態(高確低ベース状態、低確低ベース状態)であり、合計保留記憶数が5〜8個であるときに、短縮の非リーチ変動パターンを含む変動パターン種別が決定されるはずれ用変動パターン種別判定テーブルCと、図9(D)に示す遊技状態が高ベース状態(高確高ベース状態、低確高ベース状態)であり、合計保留記憶数としての特図保留記憶数が0〜1個であるときに、短縮の非リーチ変動パターン以外の変動パターンを含む変動パターン種別が決定されるはずれ用変動パターン種別判定テーブルDと、図9(E)に示す遊技状態が低ベース状態(高確低ベース状態、低確低ベース状態)であり、合計保留記憶数が2〜8個であるときに、短縮の非リーチ変動パターンを含む変動パターン種別が決定されるはずれ用変動パターン種別判定テーブルEと、が、予め用意されている。
このうち、はずれ用変動パターン種別判定テーブルAにおいては、乱数値MR3の1〜150までの範囲が変動パターン種別CA1−1に割り当てられており、乱数値MR3の151〜200までの範囲が変動パターン種別CA2−1に割り当てられており、乱数値MR3の201〜251までの範囲が変動パターン種別CA2−2に割り当てられている。このはずれ用変動パターン種別判定テーブルAでは、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンを含む変動パターン種別CA1−2及び変動パターン種別CA1−3に乱数値MR3の範囲に割り当てられていないため、変動表示時に変動パターンとして特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンが選択されて実行されることがない。
はずれ用変動パターン種別判定テーブルBにおいては、乱数値MR3の1〜150までの範囲が変動パターン種別CA1−2に割り当てられており、乱数値MR3の151〜200までの範囲が変動パターン種別CA2−1に割り当てられており、乱数値MR3の201〜251までの範囲が変動パターン種別CA2−2に割り当てられている。このはずれ用変動パターン種別判定テーブルBでは、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンを含む変動パターン種別CA1−2が乱数値MR3の1〜150までの範囲に割り当てられているため、変動表示時に変動パターンとして特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンが選択されて実行される場合がある。
はずれ用変動パターン種別判定テーブルCにおいては、乱数値MR3の1〜150までの範囲が変動パターン種別CA1−3に割り当てられており、乱数値MR3の151〜200までの範囲が変動パターン種別CA2−1に割り当てられており、乱数値MR3の201〜251までの範囲が変動パターン種別CA2−2に割り当てられている。このはずれ用変動パターン種別判定テーブルCでは、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンを含む変動パターン種別CA1−3が乱数値MR3の1〜150までの範囲に割り当てられているため、変動表示時に変動パターンとして特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンが選択されて実行される場合がある。
はずれ用変動パターン種別判定テーブルDにおいては、乱数値MR3の1〜150までの範囲が変動パターン種別CA1−4に割り当てられており、乱数値MR3の151〜200までの範囲が変動パターン種別CA2−1に割り当てられており、乱数値MR3の201〜251までの範囲が変動パターン種別CA2−2に割り当てられている。このはずれ用変動パターン種別判定テーブルDでは、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンを含む変動パターン種別CA1−5に乱数値MR3の範囲に割り当てられていないため、変動表示時に変動パターンとして特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンが選択されて実行されることがない。
はずれ用変動パターン種別判定テーブルEにおいては、乱数値MR3の1〜150までの範囲が変動パターン種別CA1−5に割り当てられており、乱数値MR3の151〜200までの範囲が変動パターン種別CA2−1に割り当てられており、乱数値MR3の201〜251までの範囲が変動パターン種別CA2−2に割り当てられている。このはずれ用変動パターン種別判定テーブルEでは、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンを含む変動パターン種別CA1−4が乱数値MR3の1〜150までの範囲に割り当てられているため、変動表示時に変動パターンとして特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンが選択されて実行される場合がある。
このように、保留記憶数の合計保留記憶数が多い(例えば3個以上)の場合には、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンを含む変動パターン種別が設けられたはずれ用変動パターン種別テーブルが選択されることで、変動表示が短縮されて実行されやすくなり、保留記憶数が上限値に達することによる無駄な始動入賞を抑えることができるようになっている。
しかしながら、このようにはずれ用変動パターン種別判定テーブルA〜Eが設定されていることにより、始動入賞による保留記憶の変動表示が実行されるまでの間に保留記憶数が変化すると、始動入賞時に判定される変動パターンと、変動表示開始時に判定される変動パターンとが異なる場合があり得る。つまり、始動入賞時に判定した変動パターンと、変動表示実行時に判定される変動パターンとが異なることで、始動入賞時に判定した変動パターンの変動時間と、変動表示実行時に判定される変動パターンの変動時間とが異なる場合がある。
図10(A)〜図10(D)は、ROM101に記憶される変動パターン判定テーブルの構成例を示している。これらの変動パターン判定テーブルのうち、図10(A)に示すハズレ変動パターン判定テーブルは、図9(A)〜図9(E)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルA〜Eにて判定された変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−5、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−2に応じて、変動パターンを変動パターン判定用の乱数値MR4に基づいて判定するために参照されるテーブルである。
このハズレ変動パターン判定テーブルにおいては、変動パターン種別がCA1−1である場合、変動パターン判定用の乱数値MR4と比較される全ての数値(判定値)が、変動パターンPA1−1に対して割り当てられており、変動パターン種別がCA1−2である場合、変動パターン判定用の乱数値MR4と比較される全ての数値(判定値)が、変動パターンPA1−2に対して割り当てられており、変動パターン種別がCA1−3である場合、変動パターン判定用の乱数値MR4と比較される全ての数値(判定値)が、変動パターンPA1−3に対して割り当てられており、変動パターン種別がCA1−4である場合、変動パターン判定用の乱数値MR4と比較される全ての数値(判定値)が、変動パターンPA1−4に対して割り当てられており、変動パターン種別がCA1−5である場合、変動パターン判定用の乱数値MR4と比較される全ての数値(判定値)が、変動パターンPA1−5に対して割り当てられており、変動パターン種別がCA2−1である場合、変動パターン判定用の乱数値MR4と比較される全ての数値(判定値)が、変動パターンPB1−1に対して割り当てられており、変動パターン種別がCA2−2である場合、乱数値MR4の1〜667の範囲が変動パターンPB1−2に割り当てられており、乱数値MR4の668〜900の範囲が変動パターンPB1−3に割り当てられており、乱数値MR4の901〜997の範囲が変動パターンPB1−4に割り当てられている。
図10(B)に示す大当り変動パターン判定テーブルAは、図8(A)に示す大当り変動パターン種別判定テーブルにおける大当り種別が確変大当りである場合に判定された変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−2に応じて、変動パターンを変動パターン判定用の乱数値MR4に基づいて判定するために参照されるテーブルである。この大当り変動パターン判定テーブルAにおいては、変動パターン種別がCA3−1である場合、変動パターン判定用の乱数値MR4と比較される全ての数値(判定値)が、変動パターンPB2−1に対して割り当てられており、変動パターン種別がCA3−2である場合、乱数値MR4の1〜99の範囲が変動パターンPB2−2に割り当てられており、乱数値MR4の100〜250の範囲が変動パターンPB2−3に割り当てられており、乱数値MR4の251〜997の範囲が変動パターンPB2−4に割り当てられている。
図10(C)に示す大当り変動パターン判定テーブルBは、図8(A)に示す大当り変動パターン種別判定テーブルにおける大当り種別が通常(非確変)大当りである場合に判定された変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−2に応じて、変動パターンを変動パターン判定用の乱数値MR4に基づいて判定するために参照されるテーブルである。この大当り変動パターン判定テーブルBにおいては、変動パターン種別がCA3−1である場合、変動パターン判定用の乱数値MR4と比較される全ての数値(判定値)が、変動パターンPB2−1に対して割り当てられており、変動パターン種別がCA3−2である場合、乱数値MR4の1〜199の範囲が変動パターンPB2−2に割り当てられており、乱数値MR4の200〜499の範囲が変動パターンPB2−3に割り当てられており、乱数値MR4の500〜997の範囲が変動パターンPB2−4に割り当てられている。
このように大当り変動パターン判定テーブルA〜Bを設定することで、変動パターン種別が変動パターン種別CA3−2に判定される場合、変動パターンは、スーパーリーチγが実行されて大当りとなる変動パターンPB2−4に判定される割合が最も高く、スーパーリーチαが実行されて大当りとなる変動パターンPB2−2に判定される割合が最も低くなっている(確変大当り時の変動パターン判定割合:スーパーリーチγで大当り>スーパーリーチβで大当り>スーパーリーチαで大当り)。更に、大当り種別が確変大当りである場合に変動パターンPB2−4に判定される割合は、大当り種別が通常(非確変)大当りである場合に変動パターンPB2−4に判定される割合よりも高くなっており、大当り種別が確変大当りである場合に変動パターンPB2−2に判定される割合は、大当り種別が通常(非確変)大当りである場合に変動パターンPB2−2に判定される割合よりも低くなっている。よって、大当り種別が確変大当りである場合は、大当たり種別が通常(非確変)大当りである場合よりも、スーパーリーチγが出現しやすく、逆に、スーパーリーチαが出現し難くなっている。このため、スーパーリーチγが出現した場合には、確変大当りになるのではないかという期待感を遊技者に与えることができる。
図10(D)に示す小当り/突確変動パターン判定テーブルは、図8(B)に示す小当り変動パターン種別判定テーブルにおいて変動パターン種別CA4−1に判定されたとき、及び図8(C)に示す突確変動パターン種別判定テーブルにおいて変動パターン種別CA4−1〜変動パターン種別CA4−2に判定されたときに、変動パターンを変動パターン判定用の乱数値MR4に基づいて判定するために参照されるテーブルである。この小当り/突確変動パターン判定テーブルにおいては、変動パターン種別がCA4−1である場合、変動パターン判定用の乱数値MR4と比較される全ての数値(判定値)が、変動パターンPC1−1に対して割り当てられており、変動パターン種別がCA4−2である場合、変動パターン判定用の乱数値MR4と比較される全ての数値(判定値)が、変動パターンPC1−2に対して割り当てられている。
図11は、ROM101に記憶される大当り種別判定テーブル131の構成例を示している。大当り種別判定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると判定されたときに、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに判定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブル131では、特図ゲームにおいて変動表示が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別判定用の乱数値MR2と比較される数値(判定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
ここで、本実施例のパチンコ遊技機1において発生する大当りの種別「非確変」、「確変」及び「突確」について説明すると、図12に示すように、「非確変」は、5ラウンドの大当り遊技状態に制御され、その大当り遊技状態の終了後に、大当り確率が低い低確率状態で且つ普通可変入賞球装置6Bの開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される高開放制御が行われる。すなわち、大当り種別が「非確変」の場合は、大当り遊技終了後に低確高ベース状態に制御する。尚、この高ベース状態は、大当りに当選した時点での遊技状態が高ベース状態である場合、特図ゲームが100回実行されるか、該100回の特図ゲームの実行中に大当りに当選するまで継続し、大当り遊技となる直前の遊技状態が低ベース状態である場合、特図ゲームが10回実行されるか、該10回の特図ゲームの実行中に大当りに当選するまで継続する。
また、「確変」は、15ラウンドの大当り遊技状態に制御され、その大当り遊技状態の終了後に、大当り確率が高い高確率状態で且つ普通可変入賞球装置6Bの開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される高開放制御が行われる。すなわち、大当り種別が「確変」の場合は、大当り遊技終了後に高確高ベース状態に制御する。尚、この高ベース状態は、大当りに当選した時点での遊技状態が高ベース状態である場合、特図ゲームが100回実行されるか、該100回の特図ゲームの実行中に大当りに当選するまで継続し、大当り遊技となる直前の遊技状態が低ベース状態である場合、特図ゲームが10回実行されるか、該10回の特図ゲームの実行中に大当りに当選するまで継続する。
尚、「突確」は、「2ラウンドの大当り遊技状態に制御され、その大当り遊技状態の終了後に、大当り確率が高い高確率状態となるが、高開放制御は行われない。すなわち、大当り種別が「突確」の場合は、大当り遊技終了後に高確低ベース状態に制御される。但し、突確前の遊技状態が高ベースである場合には、大当り遊技終了後に高確低ベース状態に制御されるのではなく、所定の変動回数(例えば100回)または次の大当りが発生するまで高確高ベース状態に制御するようにしても良い。
この大当り種別判定テーブル131においては、図11に示すように、特図表示結果が「大当り」となる特図が第1特図である場合、乱数値MR2の1〜36の範囲が「非確変」に割り当てられており、乱数値MR2の37〜82が「確変」に割り当てられており、乱数値MR2の83〜99が「突確」に割り当てられている。また、特図表示結果が「大当り」となる特図が第2特図である場合、乱数値MR2の1〜36の範囲が「非確変」に割り当てられており、乱数値MR2の37〜99が「確変」に割り当てられている。
このように、本実施例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の判定値(「83」〜「99」の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「突確」の大当り種別に対して判定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに判定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに判定する場合とで、大当り種別を「突確」に判定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確」として2ラウンド大当り状態に制御すると判定されることがないので、例えば時短状態(低確状態や時短付確変状態といった、普通可変入賞球装置6Bが形成する第3始動口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な2ラウンド大当り状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の判定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない判定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の判定を行うようにしてもよい。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図13に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図13に示す遊技制御用データ保持エリア150は、特図保留記憶部151と、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
特図保留記憶部151は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データと、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、特図保留記憶部151は、第1始動入賞口または第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件または第2始動条件の成立に基づいて、種別(第1始動入賞または第2始動入賞)、CPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、同一種別の記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして特図保留記憶部151に記憶された保留データのうち、種別が「第1」である保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、種別が「第2」である保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、個別の保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、始動入賞順に、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを記憶しておけば良い。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR5を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR1〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図14(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。特図変動時演出制御パターンや各種演出制御パターンといった、それぞれの演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部または外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータに内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータにおいて演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば演出図柄の変動表示中における各演出図柄の変動態様を示すデータといった、演出表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、演出表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば演出図柄の変動表示中における演出図柄の変動表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば操作ボタン30といった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図14(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で演出図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を演出表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図14(B)に示す演出動作は、演出図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、演出図柄の変動表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、演出図柄の変動表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば演出図柄の変動表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(演出表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図15(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図15(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施の形態では、図15(B)に示すような保留記憶バッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。保留記憶バッファ194Aには、合計保留記憶数の最大値(例えば「8」)に対応した格納領域(保留記憶番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)や図柄指定コマンド、変動パターン判定結果コマンドの3つのコマンドを1セットして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。保留記憶バッファ194Aには、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動パターン判定結果コマンド(変動ID)を対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを保留記憶バッファ194Aの空き領域における先頭から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動パターン判定結果コマンドの順にコマンド送信が行われる。したがって、コマンド受信が正常に行われれば、図15(B)に示すように、保留記憶番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動パターン判定結果コマンド(変動ID)の順に格納されていくことになる。なお、図15(B)では、保留記憶番号「1」〜「5」に対応する格納領域にて各コマンドに対応するデータが格納されている。
図15(B)に示す保留記憶バッファ194Aに格納されているコマンドや変動IDは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、1つ目の格納領域(保留記憶番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば図15(B)に示す格納状態において新たな演出図柄の変動表示が開始された場合には、保留記憶番号「1」に格納されている各コマンドや変動IDが削除され、保留記憶番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドが保留記憶番号「1」に対応した領域にシフトされ、保留記憶番号「3」〜「5」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドや変動IDが、保留記憶番号「2」〜「4」に対応した領域にシフトされる。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図16のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図16に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図17は、特別図柄プロセス処理として、図16に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図18は、始動入賞判定処理として、図17のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図18に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS208)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた種別データ(第1または第2)とともに特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、特図保留記憶部151に乱数値MR1〜MR4を示す数値データが、種別データである「第1」とともにセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、特図保留記憶部151に乱数値MR1〜MR4を示す数値データが、種別データである「第2」とともにセットされる。
特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否か、さらには変動表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を判定するために用いられる。変動パターン種別判定用の乱数値MR3は、変動パターンの変動表示の態様を判定するために用いられる。変動パターン判定用の乱数値MR4は、特別図柄の変動表示時間や演出図柄の変動パターンを判定するために用いられる。CPU103は、ステップS209の処理を実行することにより、特別図柄や演出図柄の変動表示結果や変動表示時間を含む変動表示態様の判定に用いられる乱数値を示す数値データを全て抽出する。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図16に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS211の処理に続いて、変動パターン判定処理を実行する(ステップS212)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS213)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図16に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS213の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS214)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS214;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS216)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図19及び図20は、図18の始動入賞判定処理におけるステップS212にて実行される変動パターン判定処理の一例を示すフローチャートである。
図19に示す変動パターン判定処理において、CPU103は、まず、小当りに当選したか否かを判定する(ステップS401)。具体的には、まず、CPU103は、ステップS203またはステップS206にて始動口バッファに格納した格納値を参照する。CPU103は、この参照した格納値に応じて、更に始動口バッファ値に応じた特図表示結果判定テーブル(格納値が「1」ならば第1特図表示結果判定テーブル130A、格納値が「2」ならば第2特図表示結果判定テーブル130B)を選択する。
そして、CPU103は、選択した特図表示結果判定テーブルと乱数値MR1に基づいて、小当りに当選しているか否かを判定し(ステップS401)、小当りに当選していない場合(ステップS401;No)は、現在の遊技状態が通常状態または時短状態か、確変状態かを判定し、該判定した遊技状態に対応する判定値の範囲で大当りに当選しているか否かを判定する(ステップS402)。具体的には、CPU103は、遊技状態が通常状態または時短状態であれば、乱数値MR1が大当りを示す判定値8000〜8189の範囲内であるか否か、確変状態であれば、乱数値MR1が大当りを示す判定値8000〜9899の範囲内であるか否かを判定する。
大当りに当選している場合(ステップS402;Yes)は、CPU103は、図11に示す大当り種別判定テーブルを参照し、乱数値MR2に基づいて、大当り種別が「確変大当り」、「通常(非確変)大当り」または「突確」のいずれであるかを判定し(ステップS403)、突確に当選したか否かを判定する(ステップS404)。突確に当選していない場合(ステップS404;No)、CPU103は、図8(A)に示す大当り変動パターン種別判定テーブルを選択し(ステップS405)、ステップS402において判定した大当り種別が「確変大当り」か「通常(非確変)大当り」か、に応じて、乱数値MR3に基づいて変動パターン種別が変動パターン種別CA3−1と変動パターン種別CA3−2のいずれであるかを判定する(ステップS407)。
次に、CPU103は、ステップS402で判定した大当り種別が「確変大当り」であるか否かを判定する(ステップS408)。大当り種別が「確変大当り」である場合(ステップS408;Yes)は、図10(B)に示す大当り変動パターン判定テーブルAを選択し(ステップS409)、大当り種別が「通常(非確変)大当り」である場合(ステップS408;No)は、図10(C)に示す大当り変動パターン判定テーブルBを選択する(ステップS410)。
一方、ステップS401にて小当りに当選している場合(ステップS401;Yes)は、CPU103は、図8(B)に示す小当り変動パターン種別判定テーブルを選択し(ステップS418)、乱数値MR3に基づいて変動パターン種別を変動パターン種別CA4−1に判定する(ステップS420)。また、ステップS404において突確に当選している場合(ステップS404;Yes)は、CPU103は、図8(C)に示す突確変動パターン種別判定テーブルを選択し(ステップS415)、乱数値MR3に基づいて変動パターンが変動パターン種別CA4−1と変動パターン種別CA4−2のいずれであるかを判定する(ステップS417)。ステップ417において突確変動パターン種別を判定した後、またはステップS420において小当り変動パターン種別を判定した後、CPU103は、図8(C)に示す小当り/突確変動パターン判定テーブルを選択する。
ステップS402において大当りに当選していない場合、つまり、はずれである場合(ステップS402;No)、CPU103は、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定し(ステップS422)、現在の遊技状態が時短中であるか否かを判定する(ステップS423)。現在の遊技状態が時短中であれば(ステップS423;Yes)、CPU103は、更に、例えば特図保留記憶部151に格納されている保留記憶数の合計数を確認することにより、合計保留記憶数が2〜8個であるか否かを判定する。合計保留記憶数が2〜8個であれば(ステップS424;Yes)、CPU103は、図9(E)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルEを選択する。また、合計保留記憶数が0〜1個であれば(ステップS424;No)、CPU103は、図9(D)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルDを選択する。
ステップS423において遊技状態が時短中でない場合、CPU103は、例えば特図保留記憶部151に格納されている保留記憶数の合計数を確認することにより、合計保留記憶数が5〜8個であるか否かを判定する(ステップS429)。合計保留記憶数が5〜8個であれば(ステップS429;Yes)、CPU103は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルCを選択し、合計保留記憶数が0〜4個であれば(ステップS429;No)、CPU103は、合計保留記憶数は3〜4個か否かを判定する(ステップS431)。合計保留記憶数が3〜4個であれば(ステップS431;Yes)、CPU103は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルBを選択し、合計保留記憶数が0〜2個であれば(ステップS431;No)、CPU103は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルAを選択する。
ステップS425、ステップS426、ステップS430、ステップS432またはステップS433においてはずれ用変動パターン種別判定テーブルA〜Eのいずれかを判定した後、CPU103は、乱数値MR3に基づいて変動パターン種別が変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−5、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−2のいずれであるかを判定した後(ステップS427)、図10(A)に示すはずれ用変動パターン判定テーブルを選択する(ステップS428)。
また、ステップS409において大当り変動パターン判定テーブルAを選択した後、ステップS410において大当り変動パターン判定テーブルBを選択した後、ステップS421において小当り/突確変動パターン判定テーブルを選択した後、またはステップS428においてはずれ用変動パターン判定テーブルを選択した後においてCPU103は、選択した各変動パターン判定テーブルを用いて乱数値MR4に基づいて変動パターンを特定する(ステップS412)。その後、該特定した変動パターンに割り当てられた変動IDを含む変動パターン判定結果コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行い(ステップS413)、変動パターン判定処理を終了する。これら変動パターン判定結果コマンドとしては、図21に示す変動パターン判定結果コマンドのいずれかが、ステップS412における変動パターンの特定結果に応じて、演出制御基板12に対して送信される。
図17のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特図保留記憶部151に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される以前に判定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前判定結果や合計保留記憶数、遊技状態などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR4を示す数値データを用いて変動パターンを図5に示す複数種類のいずれかに判定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが判定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を判定する処理を含んでいる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「2回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、変動表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、変動表示結果が「小当り」となったときには、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「2回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図22は、特別図柄通常処理として、図17のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、合算保留記憶数(総保留記憶数)の値を確認する(ステップS230)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であればステップS250に進んで、所定のデモ表示設定を行ってから、特別図柄通常処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU103は、特図保留記憶部151に記憶されている保留データのうち、最上位である保留番号1の保留記憶の種別が「第2」であるか否かを確認する。「第2」であれば、(ステップS231;Yes)、特図保留記憶部151にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、特図保留記憶部151にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「8」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR4を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて「No」であるとき、つまり、保留番号「1」に対応して記憶されている保留データの種別が「第1」である場合には、特図保留記憶部151にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、特図保留記憶部151にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「8」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR4を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
このように、本実施の形態では、始動入賞した順に変動表示を開始するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、種別データとして「第2」が記憶されている第2始動入賞を、種別データとして「第1」が記憶されている第1始動入賞よりも優先して実施するようにしても良い。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の変動表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを判定するための使用テーブルとして、変動特図指定バッファ値に対応する特図表示結果判定テーブルを選択してセットする(ステップS239)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合には第1特図表示結果判定テーブル130Aを使用テーブルにセットする。一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には第2特図表示結果判定テーブル130Bを使用テーブルにセットする。続いて、CPU103は、現在の遊技状態と、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた判定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかを判定する(ステップS240)。
ステップS239では現在の遊技状態に対応した特図表示結果判定用テーブルデータが選択されていることから、ステップS240の処理では、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる判定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが判定される。例えば、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が通常状態又は時短状態であるときには、第1特図表示結果判定テーブル130Aや第2特図表示結果判定テーブル130Bにおいて遊技状態が通常状態又は時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常判定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を判定する。これに対して、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、第1特図表示結果判定テーブル130Aや第2特図表示結果判定テーブル130Bにおいて遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別判定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を判定する。
ステップS240にて特図表示結果を判定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに判定するための使用テーブルとして、大当り種別判定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。こうしてセットされた大当り種別判定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データを、「非確変」、「確変」、「突確」の各大当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを判定する(ステップS244)。
ステップS244の処理にて大当り種別を判定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、変動表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に判定されることになる。こうして判定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、判定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とし、「突確」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合には(ステップS241;No)、その特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS246)。そして、「小当り」であると判定されたときには(ステップS246;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS247)。
ステップS246にて「小当り」ではないと判定された場合や(ステップS246;No)、ステップS245、S247の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前判定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の判定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。一例として、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前判定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前判定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の判定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする判定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする判定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「突確」とする判定結果に応じて、短期開放大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば演出表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図23は、変動パターン設定処理として、図17のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS260)。そして、大当りフラグがセットされている場合には(ステップS260;Yes)、突確大当りであるか否かを更に判定する(ステップS261)。
突確大当りでない場合、つまり、確変大当りまたは非確変大当りである場合には、変動パターン種別を複数種別のいずれかに判定するための使用テーブルとして、大当り変動パターン種別判定テーブルを選択してセットした後(ステップS262)、ステップS272に進む。
一方、突確大当りである場合には、変動パターン種別を複数種別のいずれかに判定するための使用テーブルとして、突確変動パターン種別判定テーブルを選択してセットした後(ステップS265)、ステップS272に進む。
また、ステップS260にて大当りフラグがセットされていない場合には、小当りフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS263)。そして、小当りフラグがオンである場合には(ステップS263;Yes)、変動パターン種別を複数種別のいずれかに判定するための使用テーブルとして、小当り変動パターン種別判定テーブルを選択してセットした後(ステップS264)、ステップS272に進む。
ステップS263にて小当りフラグがオフであるときには(ステップS263;No)、その時点が時短状態であるか否かや、その時点の保留記憶数等の遊技状態を特定し、変動パターン種別を複数種別のいずれかに判定するための使用テーブルとして、特定した遊技状態に対応するはずれ用変動パターンテーブルを選択してセットした後(ステップS266)、ステップS272に進む。
具体的に、ステップS272においては、特定した遊技状態が、時短状態ではなく且つ合計保留記憶数が2以下である場合には、はずれ用変動パターン種別判定テーブルAを選択する。特定した遊技状態が、時短状態ではなく且つ合計保留記憶数が3〜4の範囲である場合には、はずれ用変動パターン種別判定テーブルBを選択する。特定した遊技状態が、時短状態ではなく且つ合計保留記憶数が5〜8の範囲である場合には、はずれ用変動パターン種別判定テーブルCを選択する。特定した遊技状態が、時短状態であって且つ合計保留記憶数が1以下である場合には、はずれ用変動パターン種別判定テーブルDを選択する。特定した遊技状態が、時短状態であって且つ合計保留記憶数が2〜8の範囲である場合には、はずれ用変動パターン種別判定テーブルEを選択する。
ステップS262、S264、S265、S266の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン種別判定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、使用テーブルとしてセットされた変動パターン種別判定テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに判定する(ステップS272)。
ステップS272にて変動パターン種別を判定した後には、特図表示結果が「はずれ」である場合には、変動パターンを複数種類のいずれかに判定するための使用テーブルとして図10(A)に示すハズレ変動パターン判定テーブルを選択し、特図表示結果が確変大当りである場合には、変動パターンを複数種類のいずれかに判定するための使用テーブルとして図10(B)に示す大当り変動パターン判定テーブルAを選択し、特図表示結果が非確変大当りである場合には、変動パターンを複数種類のいずれかに判定するための使用テーブルとして図10(C)に示す大当り変動パターン判定テーブルBを選択し、特図表示結果が突確大当りまたは小当りである場合には、変動パターンを複数種類のいずれかに判定するための使用テーブルとして図10(D)に示す小当り/突確変動パターン判定テーブルを選択する(ステップS273)。続いて、変動パターン判定用の乱数値MR4を示す数値データに基づき、ステップS273にてセットした変動パターン判定テーブルを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに判定する(ステップS275)。変動パターン判定用の乱数値MR4を示す数値データは、第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出された始動入賞時に抽出されて特図保留記憶部151(図13参照)に記憶されているものを、使用すれば良い。
ステップS275の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した演出図柄の変動パターンを判定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した演出図柄の変動パターンを判定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン判定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに判定することができる。また、ステップS275の処理では、ステップS272における変動パターン種別の判定結果にかかわらず、変動パターン判定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに判定することができる。
ステップS275にて変動パターンを判定した後には、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS276)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば変動表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。
そして、その変動パターンの判定結果に応じた特別図柄の変動表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS277)。その後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS278)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。これに対して、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS278の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS279)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS279にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図17に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図24は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS113)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU103は、特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。なお、変動特図指定バッファの格納値が「1」である場合には第1特別図柄表示装置4Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、変動特図指定バッファの格納値が「2」である場合には第2特別図柄表示装置4Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータに図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU103は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS133A)、セットされている場合には、大当り遊技状態において遊技状態を一旦通常状態に移行させるが、後述する大当り終了処理において大当り遊技状態の終了後の時短回数を判定する際に、大当り前の遊技状態が時短状態(高ベース状態)であったか否かが判るようにするために、大当り前の遊技状態が時短状態であったことを示す大当り前時短フラグをセットするとともに(ステップS133B)、時短回数カウンタをリセットした後(ステップS133C)、ステップS134に進む。尚、時短フラグがセットされていない場合には(ステップS133AでNo)、ステップS134に進む。
次いで、確変フラグや時短フラグがあった場合にはそれらをリセットし(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータに当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、大当りの種別が確変大当りである場合には確変大当り開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が非確変大当りである場合には非確変大当り開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が突確大当りである場合には突確大当り開始指定コマンドを送信する。また、CPU103は、演出制御用マイクロコンピュータに通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS136)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS137)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、15回、5回或いは2回)および大当り種別に応じた開放時間をセットする(ステップS138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS114)に対応した値である「4」に更新する(ステップS139)。
ステップS133の判定で、大当りフラグがセットされていない場合にはステップS143Aに移行して、時短回数カウンタが存在するか否か(0以外であるか否か)を判定する。
時短回数カウンタが存在しない場合、つまり時短中でない場合には、ステップS147に移行する。一方、時短回数カウンタが存在する場合、つまり、時短中である場合には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS143B)。そして、CPU103は、減算後の時短回数カウンタの値に基づいて時短回数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する制御を行った後(ステップS143C)、減算後の時短回数カウンタの値が0であるか否かを判定する。
減算後の時短回数カウンタの値が0でない場合にはステップS147に移行する。一方、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS144でYes)、時短フラグをリセットする(ステップS145)。
ステップS145にて時短フラグをリセットした場合、CPU103は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS147)。小当りフラグがセットされていれば、CPU103は、演出制御用マイクロコンピュータに小当り開始を指定する当り開始指定コマンドを送信する(ステップS148)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS149)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)および小当りに対応した開放時間(突確大当りと同じ開放時間)をセットする(ステップS150)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS118)に対応した値である「8」に更新する(ステップS151)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS147のNo)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS110)に対応した値である「0」に更新する(ステップS152)。
図25は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS117)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合、つまり大当り終了表示タイマが動作中である場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットするともに(ステップS161)、当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、確変大当りであった場合には確変大当り終了指定コマンドを送信し、非確変大当りであった場合には非確変大当り終了指定コマンドを送信し、突確変大当りであった場合には突確大当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置5において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。尚、突確大当りであった場合において設定される大当り終了表示時間は、小当り終了処理(ステップS120)において設定される小当り終了表示時間と同様の時間が設定される。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のYes)、CPU103は、大当りの種別が突確大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。具体的には、特別図柄通常処理で大当り種別バッファに設定されたデータを確認することによって判定できる。突確大当りであれば、CPU103は、ステップS167に進んで、遊技状態を確変状態に移行させるために確変フラグと、確変であることを指定する遊技状態指定コマンドを送信する設定を実施した後、ステップS174に移行する。
また、ステップS166において大当りの種別が突確大当りでない場合には、ステップS170に進んで、大当りの種別が確変大当りであるか否かを判定する。具体的には、大当り種別バッファに設定されたデータが確変大当りに対応する値であるか否かを確認することによって判定できる。確変大当りであればステップS170Aに進んで、確変フラグをセットするとともにステップS171に進んで、時短フラグをセットする。確変大当りで無ければ、つまり、非確変大当りであれば、ステップS171に進んで、時短フラグをセットする。
そして、大当り前時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS171A)。大当り前時短フラグがセットされていなければ、ステップS171Cに進んで時短回数カウンタに「10」をセットする一方、大当り前時短フラグがセットされていれば、ステップS171Bに進んで、時短回数カウンタに「100」をセットする。
すなわち、高ベース状態において確変大当りまたは非確変大当りが発生した場合は、時短回数に100がセットされることで確変大当りまたは非確変大当りの終了後に100回の時短状態が付与される一方、低ベース状態において確変大当りまたは非確変大当りが発生した場合は、時短回数に10がセットされることで確変大当りまたは非確変大当りの終了後に10回の時短状態が付与される。
そして、ステップS172においては、ステップS170A、ステップS17においてセットされた確変フラグや時短フラグに応じた遊技状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する制御を行うとともに、大当り前時短フラグがセットされている場合には、該セットされている大当り前確変フラグをリセットし(ステップS174)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS110)に対応した値に更新する(ステップS175)。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図26のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図26に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば演出表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や判定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図29は、演出制御基板12の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図29に示すように、この実施の形態では、演出制御基板12の側において、乱数回路124から抽出されるカウントダウン演出実行判定用の乱数値SR1を示す数値データがカウント可能に制御される。なお、演出効果を高めるために、これらSR1以外の乱数を用いてもよい。カウントダウン演出実行判定用の乱数値SR1は、カウントダウン演出の対象となる変動パターンの保留記憶が存在するときにカウントダウン演出を実行するか否かを判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「10」の範囲の値をとる。
図30は、演出制御基板12におけるROM121に記憶されているカウントダウン演出実行判定用テーブルを示す図である。これらカウントダウン演出実行判定用テーブルは、カウントダウン演出実行判定用の乱数値SR1に基づいてカウントダウン演出を実行するか否かを判定するために使用されるテーブルである。
カウントダウン演出実行判定用テーブルには、カウントダウン演出実行判定用の乱数値SR1の乱数値範囲である1〜10の内、図30に示す判定値数となるように、カウントダウン演出の対象となるスーパーリーチにおいて桜柄の覆面をしたキャラクタが登場するまでの各期間である「60秒未満」、「60〜90秒」、「90秒以上」のそれぞれに対応して、「実行する」場合と「実行しない」場合とに判定値が設定されている。
具体的には、「60秒未満」に対応する判定値として、「実行する」に4個、「実行しない」に6個の判定値が割り当てられており、「60〜90秒」に対応する判定値として、「実行する」に8個、「実行しない」に2個の判定値が割り当てられており、「90秒以上」に対応する判定値として、「実行する」に10個、「実行しない」に0個の判定値が割り当てられている。
つまり、本実施例では、カウントダウン演出の対象となるスーパーリーチにおいて桜柄の覆面をしたキャラクタが登場するまでの期間が長い方が、期間が短い場合よりも「実行する」ことに判定され易くなるように設定されている、すなわち、桜柄の覆面をしたキャラクタが登場するまでの期間が長い方がカウントダウン演出が実行され易く、逆に、桜柄の覆面をしたキャラクタが登場するまでの期間が短い方がカウントダウン演出が実行され難くなるように設定されており、このようにすることにより、桜柄の覆面をしたキャラクタが登場するまでの期間が短くて保留記憶数が少ないときにカウントダウン演出が実行されてしまうことで、カウントダウン演出の対象となる保留記憶が特定され易くなってしまうことを防止できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらキャラクタが登場するまでの期間によってカウントダウン演出を実行する割合が変化しないようにしても良い。
また、本実施例では、桜柄の覆面をしたキャラクタが登場するまでの期間(時間)を用いた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら期間に代えて、例えば、合計保留記憶数が少ないときにはカウントダウン演出が実行され難くなるように設定し、合計保留記憶数が多いときにはカウントダウン演出が実行され易くなるように設定しても良い。
また、上記した期間に代えて、桜柄の覆面をしたキャラクタが登場するまでに実施される変動パターンを特定し、該変動パターンに、変動時間が所定の閾値よりも長い変動パターン、例えば、閾値が20秒であれば、20秒以上の変動時間であるノーマルリーチの変動パターンが含まれている場合には、ノーマルリーチの変動パターンが含まれていない場合よりも高い割合にてカウントダウン演出を実行することを判定するようにしても良い。
図31は、演出制御基板12におけるROM121に記憶されている図柄制御パターンテーブルを示す図である。図31に示す図柄制御パターンテーブルには、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、画像表示動作等の演出動作の制御内容を示すデータが、各変動パターンに応じて格納されている。各図柄変動制御パターンには、例えば、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、並びに音制御実行データといった演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための複数の制御データ(プロセスデータ)が時系列的に設定されている。
本実施例では、図31に示すように、各変動パターンに対応して、当該変動パターンの変動IDと、特図変動時間と、桜柄の覆面をしたキャラクタが登場する特別演出が開始される時点までの時間(特別演出開始時)のデータが記憶されており、変動パターン判定結果指定コマンドに含まれる変動IDに基づいて、該変動表示において実施される変動時間と、当該変動が開始してから特別演出が開始される時点までの時間とを、演出制御基板12側において演出制御用CPU120が特定できるようになっている。
図27は、コマンド解析処理として、図26のステップS74にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図27に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS501)。このとき、受信コマンドがなければ(ステップS501;No)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS501にて受信コマンドがある場合には(ステップS501;Yes)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS502)。そして、第1始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS502;Yes)、第1保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS503)。例えば、ステップS503の処理では、第1保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、演出制御タイマ設定部192に設けられたコマンド受信制御タイマにセットされればよい。
ステップS502にて受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS502;No)、その受信コマンドは第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS504)。そして、第2始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS504;Yes)、第2保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS505)。例えば、ステップS505の処理では、第2保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、コマンド受信制御タイマにセットされればよい。
ステップS504にて受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS504;No)、その受信コマンドは図柄指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドではない場合には(ステップS506;No)、その受信コマンドは変動パターン判定結果コマンドであるか否かを判定する(ステップS507)。ステップS507にて受信コマンドが変動パターン判定結果コマンドではない場合には(ステップS507;No)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(ステップS513)、ステップS501の処理に戻る。
一方、ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドである場合や(ステップS506;Yes)、ステップS507にて受信コマンドが変動パターン判定結果コマンドである場合(ステップS507;Yes)、あるいはステップS503、S505の処理のいずれかを実行した後には、受信コマンドに対応するデータを保留記憶バッファ194Aにおける空き領域の先頭に格納してから(ステップS512)、ステップS501の処理に戻る。
始動口入賞指定コマンドや図柄指定コマンド、変動パターン判定結果コマンドのように、始動入賞が発生したときに主基板11から受信する演出制御コマンドは、始動入賞時のコマンドともいう。また、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数が増加したことを認識可能に指定する演出制御コマンドである第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、保留記憶情報ともいう。保留記憶情報には、始動口入賞指定コマンドも含まれる。始動入賞が発生したときに、乱数値MR1〜MR4などを示す数値データに基づいて、変動表示結果が「大当り」や「小当り」に判定されるか否かの判定結果、大当り種別の判定結果、変動パターンの判定結果を指定する演出制御コマンドである図柄指定コマンドや変動パターン判定結果コマンドは、判定結果情報ともいう。なお、保留記憶バッファ194Aにおける空き領域の先頭から順次に受信コマンドを格納するときには、受信コマンドが始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動パターン判定結果コマンドのいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。
図28は、演出制御プロセス処理として、図26のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、第1保留記憶数表示エリア5D及び第2保留記憶数表示エリア5Uにおける保留記憶表示を更新する保留表示更新処理を実行する(ステップS160)。そして、カウントダウン演出の実施の判定や、判定したカウントダウン演出を行うためのカウントダウン演出処理を実施する。
図28に示すステップS162にてカウントダウン演出処理を実行した後には、演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の変動表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この変動表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、演出表示装置5における演出図柄の変動表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の変動表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この変動表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の変動表示が開始されることに対応して、演出表示装置5における演出図柄の変動表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定演出図柄や各種の演出制御パターンを判定する処理などを含んでいる。
ステップS172の変動表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この変動表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、演出図柄の変動表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから演出図柄の変動表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、演出図柄の変動表示結果となる最終停止図柄としての確定演出図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定演出図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する変動表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定演出図柄を導出表示して変動表示結果を確定させることができる。確定演出図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図32は、ステップS160において実行される保留表示更新処理の処理内容を示すフロー図である。本実施例の保留表示更新処理においては、まず、図15(B)に示す保留記憶バッファの始動口入賞指定データに、第1始動口を示す「B100(H)」のデータが記憶されている数に基づいて、第1始動入賞に対応する保留記憶数(第1保留記憶数)を特定する(ステップS601)。
そして、ステップS601にて特定した第1保留記憶数の保留表示を第1保留記憶数表示エリア5Dに表示する。具体的には、第1保留記憶数が1つであれば1つの「○」の保留表示を第1保留記憶数表示エリア5Dに表示する。第1保留記憶数が2つであれば2つの「○」の保留表示を第1保留記憶数表示エリア5Dに表示する。第1保留記憶数が3つであれば3つの「○」の保留表示を第1保留記憶数表示エリア5Dに表示する。第1保留記憶数が4つであれば4つの「○」の保留表示を第1保留記憶数表示エリア5Dに表示する。
次いで、図15(B)に示す保留記憶バッファの始動口入賞指定データに、第2始動口を示す「B200(H)」のデータが記憶されている数に基づいて、第2始動入賞に対応する保留記憶数(第2保留記憶数)を特定する(ステップS603)。
そして、ステップS603にて特定した第2保留記憶数の保留表示を第2保留記憶数表示エリア5Uに表示する。具体的には、第2保留記憶数が1つであれば1つの「●」の保留表示を第2保留記憶数表示エリア5Uに表示する。第2保留記憶数が2つであれば2つの「●」の保留表示を第2保留記憶数表示エリア5Uに表示する。第2保留記憶数が3つであれば3つの「●」の保留表示を第2保留記憶数表示エリア5Uに表示する。第2保留記憶数が4つであれば4つの「●」の保留表示を第2保留記憶数表示エリア5Uに表示する。
このようにすることにより、遊技者は、新たな始動入賞が発生したときに、その始動入賞が、図11に示すように、確変大当りになり易い第2特図に対応する第2保留記憶であるのか、或いは、第2特図よりも確変大当りになり難く、獲得できる玉数の少ない突確大当りになり易い第1特図であるのかを識別することができるようになっている。
図33は、ステップS161において実行されるカウントダウン演出処理の処理内容を示すフロー図である。本実施例のカウントダウン演出処理においては、まず、既にカウントダウン演出の実行中であるか否かを判定する。カウントダウン演出の実行中であるか否かは、カウントダウンタイマが動作中であるか否かによって判定することができる。
カウントダウン演出の実行中である場合には、ステップS930に進み、カウントダウンタイマを−1した後、該カウントダウンタイマがタイマアップしたか否かを判定する(ステップS931)。
カウントダウンタイマがタイマアップした場合には、ステップS940に進んで、カウントダウン表示を終了する。一方、カウントダウンタイマがタイマアップしていない場合には、残り時間の修正条件が成立したか否か、つまり、カウントダウン演出における残り時間の修正が必要であるか否かを判定する。
具体的に、本実施例では、始動入賞時に判定された変動パターンの変動表示時間が変更される可能性があるのは、保留記憶に基づく新たな変動表示が開始された時点であるので、新たな変動表示が開始されたことが修正条件として設定されており、該修正条件が成立した場合、つまり、新たな変動表示が開始された時点であるとき(具体的には、演出制御プロセスフラグに「1」がセットされているとき)には、ステップS933に進み、修正条件が成立していない場合(演出制御プロセスフラグに「1」がセットされていない場合)には、ステップS936に移行する。
ステップS933においては、実施中のカウントダウン演出の対象となる特別演出が開始される時点までの期間を再特定して、カウントダウン演出にて報知しているその時点の残り時間と照合する。
該照合の結果、再特定した期間(時間)と残り時間とが不一致でない場合(ステップS934でNo)には、ステップS936に移行する一方、再特定した期間(時間)と残り時間とが不一致である場合には、ステップS935に進んで、ステップS933にて再特定した期間(時間)にカウントダウン演出にて報知している残り時間(カウントダウンタイマの値)を修正した後、ステップS936に進む。
ステップS936においては、カウントダウンタイマの値に応じて残り時間を特定し、特定した残り時間に基づいてカウントダウン表示を更新して当該割込における処理を終了する。
一方、カウントダウン演出を実行中でない場合は、ステップS901においてNoと判定されてステップS902に進み、開始前タイマがカウント中であるか否か、つまり、開始前タイマが動作中であるか否かを判定する。
開始前タイマがカウント中(動作中)である場合には、ステップS920に進んで、該動作中の開始前タイマを−1し、開始前タイマがタイマアップしたか否かを判定する。
開始前タイマがタイマアップしていない場合には当該処理を終了する一方、開始前タイマがタイマアップした場合には、セットされているカウントダウンタイマに対応するカウントダウン表示を伴うカウントダウン演出を開始するとともに(ステップS922)、カウントダウンタイマのタイマカウントをスタート(開始)して(ステップS923)、当該割込における処理を終了する。
一方、開始前タイマがカウント中(動作中)でない場合には、ステップ902からステップS903に進み、カウントダウン演出の対象であるスーパーリーチの変動パターンの保留記憶が保留記憶バッファに存在するか否かを判定する。
具体的に、スーパーリーチの変動パターンの保留記憶が保留記憶バッファに存在するか否かは、図15(B)に示す保留記憶バッファの変動パターンの項目に記憶されている変動IDとして、スーパーリーチはずれに対応する「11」、「12」、「13」のデータ、或いはスーパーリーチ大当りに対応する「22」、「23」、「24」のデータのいずれかが記憶されているか否かにより特定すれば良い。
スーパーリーチの変動パターンの保留記憶が保留記憶バッファに存在する場合には、ステップS904に進んで、カウントダウン演出の実行決定を制限するカウントダウン演出実行制限フラグがセットされているか否かを判定する。
スーパーリーチの変動パターンの保留記憶が保留記憶バッファに存在しない場合(ステップS903でNo)、並びにカウントダウン演出実行制限フラグがセットされている場合には、当該割込における処理を終了する一方、スーパーリーチの変動パターンの保留記憶が保留記憶バッファに存在し、且つカウントダウン演出実行制限フラグがセットされていない場合には、ステップS905に進んで、該記憶されているスーパーリーチの変動パターンにおいて特別演出である桜柄の覆面をしたキャラクタが登場するまでの期間を特定する。
具体的に、これらスーパーリーチの変動パターンにおいて特別演出である桜柄の覆面をしたキャラクタが登場するまでの期間Lは、図35に示すように、例えば、スーパーリーチの変動パターンが第5保留記憶の変動パターンである場合には、現在実行中の変動表示の変動表示時間(X秒)と現在実行中の変動時間(Y秒目)と、保留記憶バッファに記憶されている第1保留記憶から第4保留記憶の保留記憶に対応する変動IDに対応付けて、図31に示す図柄制御パターンテーブルに記憶されている変動表示時間(第1保留記憶をA秒、第2保留記憶をB秒、第3保留記憶をC秒、第4保留記憶をD秒)と、スーパーリーチの変動IDに対応付けて図31に示す図柄制御パターンテーブルに記憶されている特別演出開始時の秒数(T)とを用いて、L=X−Y+A+B+C+D+Tにより算出して特定すれば良い。
そして、カウントダウン演出実行判定用の乱数値SR1を抽出し、該抽出した乱数値SR1と、ステップS905で特定した期間Lと、カウントダウン演出実行判定用テーブルとを使用して、カウントダウン演出の実行・非実行を決定する(ステップS906)。
具体的にステップS906においては、抽出した乱数値SR1が、ステップS905で特定した期間L並びに「実行しない」に対応付けてカウントダウン演出実行判定用テーブルに記憶されている判定値に該当する場合には、「実行しない」ことに決定し、ステップS905で特定した期間L並びに「実行する」に対応付けてカウントダウン演出実行判定用テーブルに記憶されている判定値に該当する場合には、「実行する」ことに決定する。
ステップS906にて実行しないことに決定した場合には、ステップS907にてNoと判定されてステップS912に進み、カウントダウン演出実行制限フラグをセットして当該割込における処理を終了する。このようにすることで、ステップS905の処理が繰返し無用に実行されてしまうことを防止できるようにする。尚、該ステップにてセットされたカウントダウン演出実行制限フラグは、新たな保留記憶のデータが保留記憶バッファに記憶された時点、或いは、該時点において保留記憶バッファに記憶されているスーパーリーチの変動表示が終了した時点においてリセットされる。
また、ステップS907にて実行することに決定した場合には、ステップS908に進んで、ステップS905にて特定した期間L内のカウントダウン期間と、カウントダウン前期間とを特定する。
具体的に、本実施例では、特定した期間Lが60秒以上であれば、カウントダウン期間として60秒を決定し、該60秒を期間Lから差し引いた時間(L−60秒)をカウントダウン前期間Zとして決定し、特定した期間Lが60秒未満であって30秒以上であれば、カウントダウン期間として30秒を決定し、該30秒を期間Lから差し引いた時間(L−30秒)をカウントダウン前期間Zとして決定する。尚、図33には記載していないが、期間Lが30秒未満である場合には、カウントダウン演出を実行しないことを決定するようになっている。
そして、ステップS908にて特定したカウントダウン期間をカウントダウンタイマにセットするとともに(ステップS909)、開始前タイマにステップS908にて特定したカウントダウン前期間をセットし(ステップS910)、該セットした開始前タイマのタイマカウントを開始して(ステップS911)、当該割込における処理を終了する。
このようにすることにより、保留記憶バッファに特別演出である桜柄の覆面をしたキャラクタが登場するスーパーリーチの変動パターンが記憶されている場合には、該特別演出が開始されるまでの期間Lが特定されて、期間Lが長い方が高い割合にてカウントダウン演出を実施することが決定され、カウントダウン演出を実施することが決定された場合には、期間Lの範囲内のカウントダウン時間前である例えば60秒になった時点でカウントダウン表示によるカウントダウン演出が開始される。
図34は、変動表示開始設定処理として、図28のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図34に示す変動表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された変動表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS522)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS522;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが演出図柄の変動表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS523)。
ステップS523にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS523;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定演出図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち演出表示装置5の表示領域における「左」の演出図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定演出図柄を決定する。次に、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち演出表示装置5の表示領域における「右」の演出図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定演出図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定演出図柄の図柄番号が左確定演出図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち演出表示装置5の表示領域における「中」の演出図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定演出図柄を決定する。なお、ステップS524の処理では、変動図柄予告を実行中である場合に対応して、所定のチャンス目図柄となる非リーチ組合せの確定演出図柄を決定すればよい。
ステップS523にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS523;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定演出図柄の組合せを決定する(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち演出表示装置5の表示領域における「左」と「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の演出図柄を決定する。さらに、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち演出表示装置5の表示領域における「中」の演出図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定演出図柄を決定する。ここで、例えば中確定演出図柄の図柄番号が左確定演出図柄及び右確定演出図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定演出図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定演出図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定演出図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定演出図柄を決定するときには、左確定演出図柄及び右確定演出図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定演出図柄を設定してもよい。
ステップS522にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS522;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、または、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS526)。「突確」または「小当り」であると判定されたときには(ステップS526;Yes)、例えば開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した最終停止図柄となる確定演出図柄の組合せを決定する(ステップS527)。一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1〜PC1−2のいずれかが指定された場合に対応して、複数種類の開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定演出図柄の組合せを決定する。この場合には、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目のいずれかを構成する確定演出図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS526にて「突確」または「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(ステップS526;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定演出図柄の組合せを決定する(ステップS528)。一例として、ステップS528の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、演出表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の演出図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無などに応じて、異なる演出図柄を確定演出図柄とする決定が行われるようにしてもよい。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちいずれか1つの演出図柄を選択して、非確変大当り組合せを構成する確定演出図柄に決定すればよい。また、大当り種別が「確変」である場合には、複数種類の通常図柄または確変図柄のうちからいずれか1つの演出図柄を選択して、非確変大当り組合せまたは確変大当り組合せを構成する確定演出図柄に決定すればよい。このとき、非確変大当り組合せの確定演出図柄に決定された場合には、変動表示中の再抽選演出において確変状態に制御される旨の報知が行われず、大当り遊技状態に対応して実行される大当り中昇格演出などにより確変状態に制御される旨が報知されればよい。他方、確変大当り組合せの確定演出図柄に決定された場合には、変動表示中の再抽選演出において、あるいは再抽選演出を実行することなく、確変状態に制御される旨の報知が行われる。
ステップS524、S525、S527、S528の処理のいずれかを実行した後には、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS531)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターン(図31参照)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS531の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS532)。続いて、演出表示装置5における演出図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS533)。このときには、例えばステップS531にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、演出表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて演出図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を変動表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS534)、変動表示開始設定処理を終了する。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1においてスーパーリーチを実行して大当りとなる場合において、カウントダウン演出実行開始までの開始前タイマの設定時間の特定方法について図35を参照して説明する。まず、図35は、開始前タイマの設定時間の特定方法の説明図である。図35(a)〜図35(c)に示すように、現在実行されている変動表示の変動表示時間がX秒であり、特図保留記憶部151に記憶されている保留記憶の合計(合計保留記憶数)が複数(本実施例では4つ)であるとする。更に、これら保留記憶のうち、現在実行されている変動表示の次に変動表示が実行される第1保留記憶の変動表示時間がA秒であり、第1保留記憶の変動表示の次に変動表示が実行される第2保留記憶の変動表示時間がB秒であり、第2保留記憶の変動表示の次に変動表示が実行される第3保留記憶の変動表示時間がC秒であり、第3保留記憶の次に変動表示が実行される第4保留記憶の変動表示時間がD秒であるとする。
このとき、図35(a)に示すように、変動表示時間がX秒である変動表示のY秒目に新たな始動入賞がなされ、該始動入賞の保留記憶の変動表示が第5保留記憶の変動表示としてスーパーリーチαを実行しての大当りであると判定された場合、演出制御用CPU120は、開始前タイマの設定時間Z1として、現在の変動表示の変動表示時間X秒から、変動表示開始から始動入賞がなされるまでの時間であるY秒を減算するとともに、第1保留記憶の変動表示時間A、第2保留記憶の変動表示時間B、第3保留記憶の変動表示時間C、第4保留記憶の変動表示時間D及び第5保留記憶の変動表示の開始時からカウントダウン演出が終了するまでの15秒を加算し、最後にカウントダウン演出の演出時間である60秒を減算する(Z1=(X−Y+A+B+C+D+15)−60)。
また、図35(b)に示すように、変動表示時間がX秒である変動表示のY秒目に新たな始動入賞がなされ、該始動入賞の保留記憶が第5保留記憶の変動表示としてスーパーリーチβを実行しての大当りであると判定された場合、演出制御用CPU120は、開始前タイマの設定時間Z2として、現在の変動表示の変動表示時間X秒から、変動表示開始から始動入賞がなされるまでの時間であるY秒を減算するとともに、第1保留記憶の変動表示時間A、第2保留記憶の変動表示時間B、第3保留記憶の変動表示時間C、第4保留記憶の変動表示時間D及び第5保留記憶の変動表示開始時からカウントダウン演出が終了するまでの20秒を加算し、最後にカウントダウン演出の演出時間である60秒を減算する(Z2=(X−Y+A+B+C+D+20)−60)。
更に、図35(c)に示すように、変動表示時間がX秒である変動表示のY秒目に新たな始動入賞がなされ、該始動入賞の保留記憶が第5保留記憶の変動表示としてスーパーリーチγを実行しての大当りであると判定された場合、演出制御用CPU120は、開始前タイマの設定時間Z3として、現在の変動表示の変動表示時間X秒から、変動表示開始から始動入賞がなされるまでの時間であるY秒を減算するとともに、第1保留記憶の変動表示時間A、第2保留記憶の変動表示時間B、第3保留記憶の変動表示時間C、第4保留記憶の変動表示時間D及び第5保留記憶の変動表示開始時からカウントダウン演出が終了するまでの25秒を加算し、最後にカウントダウン演出の演出時間である60秒を減算する(Z3=(X−Y+A+B+C+D+25)−60)。
尚、図35、図36においては、いずれも第5保留記憶においてカウントダウン演出の対象であるスーパーリーチが実行する場合を例として説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図43(a)に示すように、第5保留記憶においてスーパーリーチを実行される場合の他、図43(b)に示すように、第4保留記憶においてスーパーリーチが実行される場合や、図43(c)に示すように、第3保留記憶においてスーパーリーチが実行される場合にもカウントダウン演出が実行される場合がある。
例えば、図43(b)に示すように、第4保留記憶においてスーパーリーチβが実行される場合には、第1保留記憶の変動表示時間をA2秒、第2保留記憶の変動表示時間をB2秒、第3保留記憶の変動表示時間をC2秒とすると、演出制御用CPU120は、開始前タイマの設定時間Z2を、現在の変動表示の変動表示時間X秒から、変動表示開始から始動入賞がなされるまでの時間であるY秒を減算するとともに、第1保留記憶の変動表示時間A2、第2保留記憶の変動表示時間B2、第3保留記憶の変動表示時間C2、及び第4保留記憶の変動表示開始時からカウントダウン演出が終了するまでの20秒を加算し、最後にカウントダウン演出の演出時間である60秒を減算して特定する(Z2=(X−Y+A2+B2+C2+20)−60)。
また、図43(c)に示すように、第3保留記憶においてスーパーリーチγが実行される場合には、第1保留記憶の変動表示時間をA3秒、第2保留記憶の変動表示時間をB3秒、とすると、演出制御用CPU120は、開始前タイマの設定時間Z3を、現在の変動表示の変動表示時間X秒から、変動表示開始から始動入賞がなされるまでの時間であるY秒を減算するとともに、第1保留記憶の変動表示時間A3、第2保留記憶の変動表示時間B3及び第3保留記憶の変動表示開始時からカウントダウン演出が終了するまでの25秒を加算し、最後にカウントダウン演出の演出時間である60秒を減算して特定する(Z3=(X−Y+A3+B3+25)−60)。
よって、特定されたZ1〜Z3<Xであれば、図43に示すように、いずれもその時点の変動表示中の同様のタイミングにてカウントダウン演出が開始されるものの、カウントダウンの残り時間が無くなって特別演出である桜柄マスクのキャラクタが登場する演出が、第5保留記憶に対応する変動表示において実施される場合も、第4保留記憶に対応する変動表示において実施される場合も、第3保留記憶に対応する変動表示において実施される場合もあり得ることになるので、遊技者は、どの保留記憶に対応する変動表示にてカウントダウンの残り時間が無くなって特別演出である桜柄マスクのキャラクタが登場するのかに注目するようになる。
次に、カウントダウン演出中に実行される場合のあるカウントダウン時間の修正について、図35(b)に示す第5保留記憶の変動表示がスーパーリーチβを実行しての大当りであると判定された場合を例に説明する。先ず図36(a)に示すように、カウントダウン演出は、第1保留記憶の変動表示の実行中に開始されると決定されおり、第1保留記憶の変動表示は、カウントダウン演出が開始される直前まで実行されている。
この状態から、カウントダウン演出が実行されるとともに、第1保留記憶の変動表示と第2保留記憶の変動表示が実行される。これら第1保留記憶の変動表示及び第2保留記憶の変動表示において新たな始動入賞がなされることで保留記憶数が増加すると、図36(b)に示すように、変動表示時間Cと判定された第3保留記憶の変動表示時間は、変動表示の開始時に改めて変動表示時間Cよりも短時間である変動表示時間C’に決定される。このとき、演出制御用CPU120は、第3保留記憶の変動表示時間Cが変動表示時間C’に短縮されることで第5保留記憶の変動表示開始時からの20秒目からカウントダウン演出の終了タイミングが前倒しされないよう、残りのカウントダウン演出の時間を(C−C’)秒短縮する。尚、本実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβ、スーパーリーチγにおいては、スーパーリーチγが実行されることで最も大当り期待度が高くなるように設定されており、スーパーリーチαが実行されることで最も大当り期待度が低くなるように設定されている(大当り期待度:スーパーリーチγ>スーパーリーチβ>スーパーリーチα)。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1において実行されるカウントダウン演出の態様について、図37及び図38を参照して説明する。まず、図37(A)に示すように、演出表示装置5の表示画面において、演出図柄の変動表示が実施されている状態を示す。演出表示装置5の表示領域における第1保留記憶数表示エリア5Dには、第1始動入賞口を遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶が3つ表示されている。また、演出表示装置5の表示領域における第2保留記憶数表示エリア5Uには、第2始動入賞口を遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶が1つ表示されている。また、第1保留記憶数表示エリア5Dと第2保留記憶数表示エリア5Uとの間には、第1保留記憶数表示エリア5Dと第2保留記憶数表示エリア5Uとに表示されている保留記憶が始動入賞口への入賞順に投入される演出が実行される投入口5Hが表示されている。本実施例では、この投入口5Hに保留記憶が投入されることで、演出図柄の変動表示が開始されるようになっている。
この状態において、図37(B)に示すように、第2始動入賞口に遊技球が新たに始動入賞することで、第2保留記憶数表示エリア5Uに新たに保留記憶が1つ追加表示される。このときの始動入賞による保留記憶が、本実施例におけるカウントダウン演出の対象保留としてスーパーリーチを実行して大当りとなると判定されると、図37(C)に示すように、開始前タイマで設定された設定時間Z1〜Z3の何れかの経過後、演出表示装置5にカウントダウン演出を実行する旨が表示され、図37(D)に示すように、カウントダウンが開始される。
そして、図37(E)及び図37(F)に示すように、カウントダウンの進行とともに、カウントダウン演出の対象保留である保留記憶よりも以前に始動入賞がなされた保留記憶の変動表示が実行されていく。更に、図37(G)に示すように、カウントダウン演出の対象保留である保留記憶が投入口5Hに投入されて変動表示が開始され、所定時間が経過(スーパーリーチαを実行して大当りとなる変動表示ならば変動表示開始から15秒、スーパーリーチβを実行して大当りとなる変動表示ならば変動表示開始から20秒、スーパーリーチγを実行して大当りとなる変動表示ならば変動表示開始から25秒)することで、演出表示装置5に高期待度演出として、大当りを示唆する桜柄のマスクを被ったキャラクタが表示される演出が実行される。桜柄のマスクをかぶったキャラクタが表示された後は、演出図柄が大当りとなる組合せで導出表示されることにより、図37(H)に示すように、15ラウンドの確変大当りとなる。
また、図38(A)に示すように、演出表示装置5の表示領域における第1保留記憶数表示エリア5Dに、第1始動入賞口を遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶が1つ表示されており、演出表示装置5の表示領域における第2保留記憶数表示エリア5Uに、第2始動入賞口を遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶が3つ表示されている状態で、図38(B)に示すように、第1始動入賞口に遊技球が新たに始動入賞することで、第1保留記憶数表示エリア5Dに新たに保留記憶が1つ追加表示される。このときの始動入賞による保留記憶が、本実施例におけるカウントダウン演出の対象保留としてスーパーリーチを実行して大当りとなると判定されると、図38(C)に示すように、開始前タイマで設定された設定時間Z1〜Z3の何れかの経過後、演出表示装置5にカウントダウン演出を実行する旨が表示され、図38(D)に示すように、カウントダウンが開始される。
そして、図38(E)及び図38(F)に示すように、カウントダウンの進行とともに、カウントダウン演出の対象保留である保留記憶よりも以前に始動入賞がなされた保留記憶の変動表示が実行されていく。更に、図38(G)に示すように、カウントダウン演出の対象保留である保留記憶が投入口5Hに投入されて変動表示が開始され、所定時間が経過(スーパーリーチαを実行して大当りとなる変動表示ならば変動表示開始から15秒、スーパーリーチβを実行して大当りとなる変動表示ならば変動表示開始から20秒、スーパーリーチγを実行して大当りとなる変動表示ならば変動表示開始から25秒)することで、演出表示装置5に高期待度演出として、大当りを示唆する桜柄のマスクを被ったキャラクタが表示される演出が実行される。桜柄のマスクをかぶったキャラクタが表示された後は、演出図柄が大当りとなる組合せで導出表示されることにより、図38(H)に示すように、5ラウンドの確変大当りとなる。
このように、本実施例では、カウントダウン演出のカウントダウンが終了したときの変動表示が、第1始動入賞口になされた始動入賞にもとづく保留記憶の変動表示であるか、第2始動入賞口になされた始動入賞にもとづく保留記憶の変動表示であるか、によって、大当り種別が確変大当りに判定される割合が高いか、通常(非確変)大当りに判定される割合が高いか、を報知することができるため、遊技者に対してカウントダウンが第1始動入賞口になされた始動入賞にもとづく保留記憶の変動表示か、第2始動入賞口になされた始動入賞にもとづく保留記憶の変動表示にて終了するのかを注視させることができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例においては、カウントダウン演出のカウントダウンが終了した時の変動表示が第1始動入賞口になされた始動入賞にもとづく保留記憶の変動表示か、第2始動入賞口になされた始動入賞にもとづく保留記憶の変動表示か、に応じて大当り種別が確変大当りに判定される割合が高いか、通常(非確変)大当りに判定される割合が高いかを報知する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、カウントダウンが高ベース中に終了するか、低ベース中に終了するかによって、大当り遊技終了後の高ベース(時短)状態は、特図ゲームが100回実行されるまで継続するか、特図ゲームが10回実行されるまで継続するか、を報知するようにしてもよい。
この場合、保留表示更新処理においては、変形例としての図39に示すように、まず、RAM122の所定領域に記憶されている時短回数データを参照し、時短回数が0回であるか否かを判定する(ステップS611)。時短回数が0回でなければ(ステップS611;No)、時短回数と、図15(B)に示す保留記憶バッファの始動口入賞指定データに第1始動口を示す「B100(H)」または第2始動口を示す「B200(H)」のデータが記憶されている保留記憶番号と、に基づいて、高ベース中に属する保留記憶(第1保留記憶数及び第2保留記憶数)を特定する(ステップS612)。そして、ステップS612にて特定した保留記憶の保留表示を、第1保留記憶と第2保留記憶とが始動入賞順に連続して表示される保留記憶数表示エリア5Cに赤色にて表示する(ステップS613)。
具体的には、時短回数と保留記憶番号とから特定される高ベースに属する保留記憶数が1つであれば、1つの丸型の赤色の保留表示を保留記憶数表示エリア5Cに表示する。時短回数と保留記憶番号とから特定される高ベースに属する保留記憶数が2つであれば、2つの丸型の赤色の保留表示を保留記憶数表示エリア5Cに連続して表示する。時短回数と保留記憶番号とから特定される高ベースに属する保留記憶数が3つであれば、3つの丸型の赤色の保留表示を保留記憶数表示エリア5Cに連続して表示する。時短回数と保留記憶番号とから特定される高ベースに属する保留記憶数が4つであれば、4つの丸型の赤色の保留表示を保留記憶数表示エリア5Cに連続して表示する。時短回数と保留記憶番号とから特定される高ベースに属する保留記憶数が5つであれば、5つの丸型の赤色の保留表示を保留記憶数表示エリア5Cに連続して表示する。時短回数と保留記憶番号とから特定される高ベースに属する保留記憶数が6つであれば、6つの丸型の赤色の保留表示を保留記憶数表示エリア5Cに連続して表示する。時短回数と保留記憶番号とから特定される高ベースに属する保留記憶数が7つであれば、7つの丸型の赤色の保留表示を保留記憶数表示エリア5Cに連続して表示する。そして、時短回数と保留記憶番号とから特定される高ベースに属する保留記憶数が8つであれば、8つの丸型の赤色の保留表示を保留記憶数表示エリア5Cに表示する。
次いで、時短回数と、図15(B)に示す保留記憶バッファの始動口入賞指定データに第1始動口を示す「B100(H)」または第2始動口を示す「B200(H)」のデータが記憶されている保留記憶番号と、に基づいて、低ベース中に属する保留記憶(第1保留記憶数及び第2保留記憶数)を特定する(ステップS614)。そして、ステップS612にて特定した保留記憶の保留表示を、第1保留記憶と第2保留記憶とが始動入賞順に連続して表示される保留記憶数表示エリア5Cに青色にて表示する(ステップS615)。
具体的には、時短回数と保留記憶番号とから特定される低ベースに属する保留記憶数が1つであれば、1つの丸型の赤色の保留表示を保留記憶数表示エリア5Cに表示する。時短回数と保留記憶番号とから特定される低ベースに属する保留記憶数が2つであれば、2つの丸型の赤色の保留表示を保留記憶数表示エリア5Cに連続して表示する。時短回数と保留記憶番号とから特定される低ベースに属する保留記憶数が3つであれば、3つの丸型の赤色の保留表示を保留記憶数表示エリア5Cに連続して表示する。時短回数と保留記憶番号とから特定される低ベースに属する保留記憶数が4つであれば、4つの丸型の赤色の保留表示を保留記憶数表示エリア5Cに連続して表示する。時短回数と保留記憶番号とから特定される低ベースに属する保留記憶数が5つであれば、5つの丸型の赤色の保留表示を保留記憶数表示エリア5Cに連続して表示する。時短回数と保留記憶番号とから特定される低ベースに属する保留記憶数が6つであれば、6つの丸型の赤色の保留表示を保留記憶数表示エリア5Cに連続して表示する。時短回数と保留記憶番号とから特定される低ベースに属する保留記憶数が7つであれば、7つの丸型の赤色の保留表示を保留記憶数表示エリア5Cに連続して表示する。そして、時短回数と保留記憶番号とから特定される低ベースに属する保留記憶数が8つであれば、8つの丸型の赤色の保留表示を保留記憶数表示エリア5Cに表して処理を終了する。
また、ステップS611において時短回数が0回であれば(ステップS611;Yes)、図15(B)に示す保留記憶バッファの始動口入賞指定データに第1始動口を示す「B100(H)」または第2始動口を示す「B200(H)」のデータが記憶されている保留記憶番号に基づいて、保留記憶の合計保留数を特定する(ステップS616)。そして、ステップS616において特定した合計保留数の保留表示を、保留記憶数表示エリア5Cに表示して処理を終了する(ステップS617)。
次に、本変形例のパチンコ遊技機1において実行されるカウントダウン演出の態様について、図40及び図41を参照して説明する。図40(A)に示すパチンコ遊技機1は、大当り遊技後の高ベース状態(時短モード)に制御されている状態であり、演出表示装置5の右上部には、高ベース状態が継続する特図ゲームの残り実行回数が表示されている。また、保留記憶数表示エリア5Cには、5つの保留記憶の保留表示が表示されている。これら保留記憶数表示エリア5Cの先頭側に表示されている3つの保留記憶の保留表示は、高ベースに属する保留記憶を示す丸型の赤色表示で表示されており、保留記憶数表示エリア5Cの後方側に表示されている2つの保留記憶の保留表示は、低ベースに属する保留記憶を示す丸型の青色表示で表示されている。
この状態で、高ベースに属する保留記憶を示す3つの丸型の赤色表示内にカウントダウン演出の対象保留としてスーパーリーチを実行して大当りとなると判定されている保留記憶が存在する場合、図40(A)及び図40(B)に示す演出図柄の変動表示が終了し、図40(C)に示すように、最初の丸型の赤色表示の保留記憶が消費されて次の演出図柄の変動表示が開始されると、演出表示装置5にカウントダウン演出を実行する旨が表示され、図40(D)に示すように、カウントダウンが開始される。
そして、図40(E)に示すように、高ベースに属する保留記憶を示す丸型の赤色表示が消化されていくことで高ベースに属する保留記憶の変動表示が実行される。このとき、この高ベースに属する保留記憶がカウントダウン演出の対象保留としてスーパーリーチを実行して大当りとなると判定されている保留記憶であれば、所定時間が経過(スーパーリーチαを実行して大当りとなる変動表示ならば変動表示開始から15秒、スーパーリーチβを実行して大当りとなる変動表示ならば変動表示開始から20秒、スーパーリーチγを実行して大当りとなる変動表示ならば変動表示開始から25秒)することで、演出表示装置5に高期待度演出として、大当りを示唆する桜柄のマスクを被ったキャラクタが表示される演出が実行される。桜柄のマスクをかぶったキャラクタが表示された後は、図40(F)に示すように、演出図柄が大当りとなる組合せで導出表示されることにより大当りが報知され、図40(G)に示すように、大当り遊技終了後に特図ゲームが100回実行されるまで高ベース状態が継続する旨が表示される。
一方、低ベースに属する保留記憶を示す2つの丸型の赤色表示内にカウントダウン演出の対象保留としてスーパーリーチを実行して大当りとなると判定されている保留記憶が存在する場合、図41(A)及び図41(B)に示す演出図柄の変動表示が終了し、図41(C)に示すように、最初の丸型の赤色表示の保留記憶が消費されて次の演出図柄の変動表示が開始されると、演出表示装置5にカウントダウン演出を実行する旨が表示され、図41(D)に示すように、カウントダウンが開始される。
そして、図41(E)に示すように、高ベースに属する保留記憶を示す丸型の赤色表示が消化されていくことで高ベースに属する保留記憶の変動表示が全て終了し、次いで低ベースに属する保留記憶の変動表示が実行される。このとき、この低ベースに属する保留記憶がカウントダウン演出の対象保留としてスーパーリーチを実行して大当りとなると判定されている保留記憶であれば、所定時間が経過(スーパーリーチαを実行して大当りとなる変動表示ならば変動表示開始から15秒、スーパーリーチβを実行して大当りとなる変動表示ならば変動表示開始から20秒、スーパーリーチγを実行して大当りとなる変動表示ならば変動表示開始から25秒)することで、演出表示装置5に高期待度演出として、大当りを示唆する桜柄のマスクを被ったキャラクタが表示される演出が実行される。桜柄のマスクをかぶったキャラクタが表示された後は、図41(F)に示すように、演出図柄が大当りとなる組合せで導出表示されることにより大当りが報知され、図41(G)に示すように、大当り遊技終了後に特図ゲームが10回実行されるまで高ベース状態が継続する旨が表示される。
また、前記実施例では、第1保留記憶の保留表示を第1保留記憶数表示エリア5Dに「○」で表示し、第2保留記憶の保留表示を第2保留記憶数表示エリア5Uに「●」で表示し、カウントダウン演出のカウントダウンが終了する変動表示が第1保留記憶の変動表示か第2保留記憶の変動表示かによって大当り種別が確変大当りに判定される割合が高いか、通常(非確変)大当りに判定される割合が高いか、を報知したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図42に示すように、変形例として、第1保留記憶の保留表示と第2保留記憶の保留表示とを保留記憶数表示エリア5Cに始動入賞順に連続して表示し、更に、確変大当り(15ラウンド大当り)を示唆する保留記憶を「☆」の保留表示で保留記憶数表示エリア5Cに表示し、通常(非確変)大当り(5ラウンド大当り)を示唆する保留記憶を「◇」の保留表示で保留記憶数表示エリア5Cに表示するようにしてもよい。
このようにすることにより、図42に示すように、確変大当り(15ラウンド大当り)を示唆する保留記憶の保留表示「☆」と通常(非確変)大当り(5ラウンド大当り)を示唆する保留記憶の保留表示「◇」とが共に保留記憶数表示エリア5Cに表示されている場合、カウントダウン演出のカウントダウンが実行されることで、遊技者に確変大当り(15ラウンド大当り)を示唆する保留記憶の保留表示「☆」の変動表示と通常(非確変)大当り(5ラウンド大当り)を示唆する保留記憶の保留表示「◇」の変動表示とのいずれかでカウントダウンが終了するかを注視させることができる。
また、この変形例においては、保留記憶数表示エリア5Cにスーパーリーチを実行して通常(非確変)大当り(5ラウンド大当り)となる保留記憶の保留表示がなされる場合、演出制御用CPU120は、通常(非確変)大当り(5ラウンド大当り)となる保留記憶の保留表示を「◇」として表示させるとともに、該保留表示の1つ前に表示されている保留記憶の保留表示を「☆」に変更させることで、カウントダウン演出のカウントダウン実行時に、遊技者に確変大当り(15ラウンド大当り)を示唆する保留記憶の保留表示「☆」の変動表示と通常(非確変)大当り(5ラウンド大当り)を示唆する保留記憶の保留表示「◇」の変動表示とのいずれかでカウントダウンが終了するかを注視させることができる。
同様に、保留記憶数表示エリア5Cにスーパーリーチを実行して確変大当り(15ラウンド大当り)となる保留記憶の保留表示がなされる場合、演出制御用CPU120は、通常確変大当り(15ラウンド大当り)となる保留記憶の保留表示を「☆」として表示させるとともに、該保留表示の1つ前に表示されている保留記憶または1つ後に表示される保留記憶の保留表示を「◇」に変更させることで、カウントダウン演出のカウントダウン実行時に、遊技者に確変大当り(15ラウンド大当り)を示唆する保留記憶の保留表示「☆」の変動表示と通常(非確変)大当り(5ラウンド大当り)を示唆する保留記憶の保留表示「◇」の変動表示とのいずれかでカウントダウンが終了するかを注視させることができる。
尚、本変形例においては、前述したように、保留記憶数表示エリア5Cにスーパーリーチを実行して通常(非確変)大当り(5ラウンド大当り)となる保留記憶の保留表示がなされる場合、通常(非確変)大当り(5ラウンド大当り)となる保留記憶の保留表示を「◇」として表示させるとともに、該保留表示の1つ前に表示されている保留記憶の保留表示を「☆」に変更させ、保留記憶数表示エリア5Cにスーパーリーチを実行して確変大当り(15ラウンド大当り)となる保留記憶の保留表示がなされる場合、通常確変大当り(15ラウンド大当り)となる保留記憶の保留表示を「☆」として表示させるとともに、該保留表示の1つ前に表示されている保留記憶または1つ後に表示される保留記憶の保留表示を「◇」に変更させることで、保留記憶の保留表示「☆」と「◇」のいずれか一方で必ずカウント断演出のカウントダウンが終了して大当りとなるようになっているが、演出制御用CPU120は、保留記憶数表示エリア5Cに表示されている「はずれ」となる保留記憶の保留表示を「☆」または「◇」に変更してカウントダウン演出を実行し、カウントダウンが「☆」と「◇」とのいずれの保留記憶の変動表示においても終了せず「はずれ」となるような制御を実行するようにしてもよい。
また、前記実施例では、スーパーリーチが実行されて大当りとなる場合、必ず高期待度演出として桜柄のマスクを被ったキャラクタが表示されて大当りを報知したが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチが実行されて大当りとなる場合であっても、高期待度演出として桜柄のマスクを被ったキャラクタで表示されない変動パターンを設け、スーパーリーチが実行されて大当りとなる場合にこの高期待度演出が実行されない変動パターンを所定の割合で判定するようにしてもよい。
また、前記実施例では、特別演出となる桜柄のマスクをしたキャラクタによる演出がスーパーリーチのみにおいて実施されるために、カウントダウン演出の対象をスーパーリーチのみとしているが、本発明はこれに限定されるものではなくこれら桜柄のマスクをしたキャラクタによる演出を、変動パターンに関係なく、大当りとなる場合と大当りとらない場合とで異なる割合にて、1の変動期間中の任意のタイミングにて予告演出として実施するようにしても良い。
以上、本実施例におけるパチンコ遊技機1にあっては、カウントダウン演出により報知される残期間が無くなって高期待度演出が実行されるときには、高期待度演出が実行されないときよりも大当り遊技状態となり易いとともに、これら高期待度演出が実行される変動表示が、第1保留記憶として示唆された保留表示であるのか、或いは、第2保留情報として示唆された保留表示であるのかによって遊技者に付与される15ラウンド大当り及び5ラウンド大当りの期待値が異なるため、遊技者は、第1保留記憶或いは第2保留記憶のどちらの変動表示において残期間が無くなるのかに注目するようになるので、どちらの保留記憶による変動表示において残りカウントダウン演出にて報知した終了時点となるのかについて遊技者に関心を持たせることが可能となり、よって、パチンコ遊技機1の興趣を向上できる。
また、1の変動表示において高期待度演出が実行されるタイミングによって大当りとなる割合が異なるため、これら高期待度演出が実行されるタイミングにも遊技者に注目させることができるようになるので、パチンコ遊技機1の興趣を向上できる。
また、一度、高期待度演出が実行されるタイミングまでの期間が特定された後に、変動表示時間が変更する等によって高期待度演出が実行されるタイミングまでの期間が変化しても、適切な残り期間を報知することができる。
また、演出制御用CPU120にて特定された期間が長いときにカウントダウン演出が実行され易くなるため、いずれの保留記憶の変動表示において報知された時点となるのかを分かり難くできるので、パチンコ遊技機1の興趣を向上できる。
また、演出制御用CPU120にて特定された期間に含まれる保留記憶の数が多いときにカウントダウン演出が実行され易くなるため、いずれの保留記憶の変動表示において報知された時点となるのかを分かり難くできるので、パチンコ遊技機1の興趣を向上できる。
また、演出制御用CPU120にて特定された期間に含まれる保留記憶に、他の保留記憶の変動表示の時間と異なる変動表示である閾値よりも長い変動表示が実行される保留記憶が含まれているときにカウントダウン演出が実行され易くなるため、閾値よりも長い可変動表示が実行される保留記憶が含まれていないとき、例えば、閾値よりも短いほぼ同じ時間の変動表示が実行されるときにカウントダウン演出が実行される場合に比較して、いずれの保留記憶の変動表示において報知された時点となるのかを分かり難くできるので、パチンコ遊技機1の興趣を向上できる。
また、成立した始動条件が、第1始動入賞口への始動入賞であるか或いは第2始動入賞口への始動入賞であるのかによって、有利価値が大きい15ラウンド大当りが判定される割合が異なるため、第1始動入賞口への始動入賞と第2始動入賞口への始動入賞のどちらに対応する変動表示において報知された時点となるのかに注目させることができるようになるので、パチンコ遊技機1の興趣を向上できる。
また、低ベース状態であるか或いは高ベース状態であるのかによって、高ベース状態に制御される回数が大きい大当り遊技状態が判定される割合が異なるため、低ベース状態または高ベース状態のいずれに属する保留記憶の変動表示において報知された時点となるのかに注目させることができるようになるので、パチンコ遊技機1の興趣を向上できる。