JP2017069535A - キャパシタ - Google Patents

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Abstract

【課題】用いられる電解液の電位窓を水の電位窓の理論値と比較して広げることにより重量エネルギー密度が高い水溶液系の電解液を用いたキャパシタを提供する。【解決手段】電解液に飽和過塩素酸ナトリウム水溶液、その他の飽和過塩素酸塩水溶液、その他特定の塩の飽和水溶液または特定の複数の塩のそれぞれの飽和水溶液の混合物を用いる。【効果】水の電気分解が抑制され、キャパシタに対してより高い電圧を印加できることとなり、水溶液系の電解液を用いたキャパシタの重量エネルギー密度を非水溶液系の電解液を用いた場合に比肩しうる程度に飛躍的に向上させることができる。【選択図】図4

Description

本発明は、水溶液系の電解液を用いた、いわゆる水系の電気二重層キャパシタ及びレドックスキャパシタ(以下、特に明示がない場合、電気二重層キャパシタ及びレドックスキャパシタを「キャパシタ」という。)に関する。
一般に、キャパシタの電解液としては、水溶液系と非水溶液系とがあることが知られている。水溶液系の電解液は、非水溶液系の電解液と比較して、導電性が高く、電解質の解離、イオンの移動度に優れ、また、溶媒が水であることから安全性が高く、不揮発性で水分管理がしやすく、コストも低いという利点がある。
水溶液系の電解液を用いたキャパシタは、従来より数多く存在し、例えば、特許文献1では水溶液系の電解液を用いたキャパシタが開示されている。
特開昭48−45857号公報
しかし、水溶液系の電解液を用いたキャパシタは、水の電気的な酸化と還元により分解しない電位領域、すなわち電位窓が標準状態で1.23Vであることから、印加できる電圧の上限に制約があり、一般的に3V以上の電圧を印加できる非水溶液系と比較して、印加可能な電圧については著しく不利であった。水溶液系の電解液は、導電性とイオンの溶解性および解離において、非水溶液系の電解液を用いた場合よりも有利であっても、印加可能な電圧が電気分解との関係による制約から低く、貯蔵エネルギーが印加電圧の2乗に比例することからすれば、水溶液系の電解液を用いたキャパシタにとって不利である。そのため、水溶液系の電解液を用いたキャパシタの重量エネルギー密度には限界があったといえる。
そこで、本発明者らは、電解液の酸化還元反応が起こらない電位範囲、すなわち電位窓に着目し、鋭意研究の結果、これを広くすることにより水溶液系の電解液を用いたキャパシタの印加電圧の向上に貢献することを見出した。
すなわち、本発明の目的は、キャパシタの電解液として用いられる水溶液の電位窓を通常の水の電位窓と比較して広げることにより、重量エネルギー密度が高い(単位質量当たりにおいて貯蔵される電気量が多い)水溶液系の電解液を用いたキャパシタを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るキャパシタは、導電性炭素材料を有する正極及び負極と、前記正極と負極との間に介在されるセパレーターと、過塩素酸ナトリウムの飽和水溶液を有する電解液と、前記正極、前記負極、前記セパレーター及び前記電解液が収容される容器と、を備える。
これにより、水溶液系の電解液を用いるキャパシタにおいて、電解液の溶媒の水の電位窓は標準状態では1.23Vであるところ、電解液に飽和過塩素酸ナトリウム水溶液を用いることにより、電位窓を3V以上にまで広げることができる。この帰結として、水の電気分解が抑制され、キャパシタに対してより高い電圧を印加できることとなり、水溶液系の電解液を用いたキャパシタの重量エネルギー密度を非水溶液系の電解液を用いた場合に比肩しうる程度に飛躍的に向上させることができる。
また、本発明の一態様に係るキャパシタは、導電性炭素材料を有する正極及び負極と、前記正極と負極との間に介在されるセパレーターと、過塩素酸リチウム、過塩素酸マグネシウム、過塩素酸カルシウム、過塩素酸バリウム、過塩素酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム及び硫酸ナトリウムからなる群から選ばれる塩の飽和水溶液を有する電解液と、前記正極、前記負極、前記セパレーター及び前記電解液が収容される容器と、を備える。
さらにまた、本発明の一態様に係るキャパシタは、導電性炭素材料を有する正極及び負極と、前記正極と負極との間に介在されるセパレーターと、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸マグネシウム、過塩素酸カルシウム、過塩素酸バリウム、過塩素酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム及び硫酸ナトリウムからなる群から選ばれる複数の塩のそれぞれの飽和水溶液の混合物を有する電解液と、前記正極、前記負極、前記セパレーター及び前記電解液が収容される容器と、を備える。
これらの構成により、上述の構成と同様に、電解液の電位窓を広げることができ、水溶液系の電解液を用い、キャパシタの重量エネルギー密度を飛躍的に向上させることができる。
本発明によれば、キャパシタの電解液として用いられる水溶液の電位窓を通常の水の電位窓と比較して広げることにより、重量エネルギー密度が高い水溶液系の電解液を用いたキャパシタを提供することができる。
条件が異なる水の電位窓に関する参考図である。 飽和過塩素酸ナトリウム水溶液についてのCV測定の結果(掃引速度:50mV/sec)を示す図である。 1Mの過塩素酸ナトリウム水溶液についてのCV測定の結果(掃引速度:100mV/sec)を示す図である。 電解液に飽和過塩素酸ナトリウム水溶液を用いた電気二重層キャパシタにおける、充電された状態での飽和過塩素酸塩の構造を表した模式図である。 飽和過塩素酸ナトリウム水溶液中におけるHOのH NMRスペクトル及び1/100に希釈したHOのH NMRスペクトルを示す図である。 電解液として3M過塩素酸ナトリウム水溶液を用いた場合の印加電圧と時間の関係を示す図である。 電解液として飽和過塩素酸ナトリウム水溶液を用いた場合の印加電圧と時間の関係を示す図である。 電解液として飽和過塩素酸ナトリウム水溶液を用いたキャパシタのcut−off電圧2.0V、電流密度を5mA/cmとした場合の充放電の繰り返し試験の結果を示す図である。 電解液として飽和過塩素酸ナトリウム水溶液を用いたキャパシタのcut−off電圧3.0V、電流密度を10mA/cmとした場合の充放電の繰り返し試験の結果を示す図である。 1M硫酸水溶液、RuOを用いたレドックスキャパシタの充放電曲線を示す図である。なお、図中のキャプション(Figure 5)は引用論文のものである。 過塩素酸ナトリウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧2.0V、電流密度を5mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.0V、電流密度を10mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.2V、電流密度を15mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:10%];負極[添加:0%,活性炭:10%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧2.0V、電流密度を5mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:10%];負極[添加:0%,活性炭:10%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.0V、電流密度を10mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:10%];負極[添加:0%,活性炭:10%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.0V、電流密度を15mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:10%];負極[添加:0%,活性炭:10%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.0V、電流密度を25mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:V10%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.2V、電流密度を10mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:V10%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.5V、電流密度を15mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:V10%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.2V、電流密度を10mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:RuO・nHO10%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.0V、電流密度を10mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.0V、電流密度を10mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:10%];負極[添加:0%,活性炭:10%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.0V、電流密度を10mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:V10%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.2V、電流密度を10mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:RuO・nHO10%,活性炭:0%]を含む構成のレドックスキャパシタのcut−off電圧3.0V、電流密度を10mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;布;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.0V、電流密度を10mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;メンブレンフィルター;正極[添加:0%,活性炭:10%];負極[添加:0%,活性炭:10%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.0V、電流密度を15mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;ポリフェニレンサルファイドからなる湿式不織布;正極[添加:0%,活性炭:10%];負極[添加:0%,活性炭:10%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.0V、電流密度を15mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.2V、電流密度を10mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸リチウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.2V、電流密度を15mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸マグネシウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3V、電流密度を40mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸カルシウム;メンブレンフィルター;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3V、電流密度を15mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸バリウム;メンブレンフィルター;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3V、電流密度を15mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸アルミニウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧2.8V、電流密度を20mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 硫酸マグネシウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3V、電流密度を20mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 硫酸カリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.2V、電流密度を15mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:40%];負極[添加:0%,活性炭:40%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3V、電流密度を10mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸マグネシウム;メンブレンフィルター;正極[添加:0%,活性炭:30%];負極[添加:0%,活性炭:30%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3V、電流密度を15mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸バリウム;メンブレンフィルター;正極[添加:0%,活性炭:10%];負極[添加:0%,活性炭:10%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3V、電流密度を20mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸アルミニウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:20%];負極[添加:0%,活性炭:20%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3V、電流密度を15mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 硫酸マグネシウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:20%];負極[添加:0%,活性炭:20%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3V、電流密度を20mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム+過塩素酸マグネシウム;メンブレンフィルター;正極[添加:0%,活性炭:10%];負極[添加:0%,活性炭:10%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3V、電流密度を15mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:20%];負極[添加:0%,活性炭:20%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3V、電流密度を15mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:20%];負極[添加:0%,活性炭:20%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3V、電流密度を15mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;メンブレンフィルター;正極[添加:0%,活性炭:20%];負極[添加:0%,活性炭:20%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3V、電流密度を15mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:Fe30%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.2V、電流密度を15mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:Fe30%,活性炭:0%];負極[添加:Fe30%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.2V、電流密度を15mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:Fe30%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.2V、電流密度を20mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:Fe30%,活性炭:0%];負極[添加:Fe30%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.2V、電流密度を15mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:20%];負極[添加:MnO30%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.2V、電流密度を15mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:SnO30%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.2V、電流密度を10mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:TiC30%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.2V、電流密度を15mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:V30%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.2V、電流密度を10mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:V30%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.2V、電流密度を10mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:NiO30%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.2V、電流密度を10mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸リチウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:Fe30%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.2V、電流密度を10mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸リチウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:V30%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.2V、電流密度を15mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸バリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:Fe30%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3V、電流密度を20mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸マグネシウム;紙;正極[添加:MnO30%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:20%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3V、電流密度を20mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸カルシウム;メンブレンフィルター;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:V30%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3.2V、電流密度を20mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:MnO60%,活性炭:0%];負極[添加:Fe60%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3V、電流密度を10mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 硫酸ナトリウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3V、電流密度を20mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。 過塩素酸リチウム+過塩素酸ナトリウム+過塩素酸マグネシウム+過塩素酸カルシウム+過塩素酸バリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:0%]を含む構成のキャパシタのcut−off電圧3V、電流密度を10mA/cmとした場合の充放電曲線を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態について説明する。
(飽和過塩素酸ナトリウム水溶液の電位窓について)
まず、飽和過塩素酸ナトリウム水溶液の電位窓について考察する。前提として、水の電気分解は、還元側では次の(1)式、酸化側では次の(2)式または(3)式のように説明することができる。なお、水は、次の(4)式に示すように酸解離平衡にあるので、(2)式と(3)式とは同じ反応を意味する。
標準状態において、上記の還元と酸化の電位の差は1.23Vになる。これが、標準状態における水の電位窓である。しかし、水の電気化学的な還元と酸化反応は、条件により電位が異なるため、電位窓は一定ではない。条件毎の電位窓に関し参考となる図を図1に引用する(引用元:Akira Fujishima, Toru Inoue, Method of Electrochemical measurement(1984) Gihodo Publishers)。例えば、還元反応は、一般的に、酸性が強くなるほど起こりやすく、電位はより小さくなる。このことは上記(1)式から明らかである。反対に、酸化反応はアルカリ性が強くなるほど起きやすい。このことは、上記(3)式 から分かる。つまり、酸化電位はアルカリ性では1Vよりはるかに小さな値になる。また、図1から分かるように、酸化還元電位は電極の種類によっても異なる。
(CV測定について)
次に、飽和過塩素酸ナトリウム水溶液の電位窓について検討する。一般に、電位窓の決定には、CV(サイクリックボルタンメトリー)測定が用いられる。CVは、電圧を一定速度で上げ下げし、その時の電流変化を測定する。溶液中に酸化還元をする物質Aが存在する場合、負に印加すると、ある電圧でAは還元されてAになる。反対に、正に印加するとある電圧でAは酸化されAになる。その際、ファラデー電流が流れるため、電流が急激に変化する。
(飽和過塩素酸ナトリウム水溶液のCV測定について)
ここで、飽和過塩素酸ナトリウム水溶液についてCV測定を行った。具体的には、陽イオン交換膜を介在してカーボンペーパー(KANEKA Graphite Sheet, 40μm)を正極及び負極としてそれぞれ対向するように配置し、これら正極及び負極とセパレーターとの間に、飽和過塩素酸ナトリウム水溶液に浸したADVANTEC製定量濾紙(型式:No.5C)を配置した上でそれぞれを密着させた装置を用いて、掃引速度を変化させてCV測定を行った。このCV測定の結果を図2に示す。また、これと比較するため、飽和過塩素酸ナトリウム水溶液に代えて1Mの過塩素酸ナトリウム水溶液を用いた場合のCV測定の結果を図3に示す。図2及び図3において、上の曲線は+に印加した場合、つまり酸化を示し、下の曲線は−に印加、つまり還元を示している。飽和過塩素酸ナトリウム水溶液の場合、酸化還元するものは水だけであるため、急激な電流変化の起こらない領域が電位窓となる。図2では、−1.7Vから+1.7Vで急激な電流変化が起こっていないことが確認できる。換言すると、この範囲では水の分解に伴う電流(ファラデー電流)が流れない。つまり、飽和過塩素酸ナトリウム水溶液の電位窓は、この水溶液の電気分解はが生じていない−1.7Vから+1.7Vの電位差である3.4Vあるといえる。図3においては、上の曲線において酸化側ではすぐに急激な電流変化があることが確認でき、水の電気分解が生じていることが確認できる。したがって、飽和過塩素酸ナトリウム水溶液の場合は、1Mの過塩素酸ナトリウム水溶液の場合と比較して、明らかに大きな電位窓を確認することができる。
以上より、水の電位窓は条件によって異なり、条件次第では2Vを超えることもあり得るが、酸化・還元の両方において1Vを超えるほど電位が高くなることはない。これに対し、飽和過塩素酸ナトリウム水溶液の電位窓は3.4Vであることが確認でき、水溶液としては著しく大きいといえる。
次に、飽和過塩素酸ナトリウム水溶液の電位窓が広くなる理由を説明する。過塩素酸ナトリウム (NaClO)の水への溶解度は、25℃の水100gに対して210.6gである。このことは、NaClO1分子に対して水分子は3.3個存在することになる。この値は、通常の陽イオンの第一配位圏の溶媒和数(4以上)よりも少ない。そうすると、水分子がイオンを十分に遮蔽できない。そのため、飽和過塩素酸ナトリウム水溶液中における水分子(HO)は中心のNaとClO に強く引き付けられている。このとき、当然、水分子間の距離は伸び、H−O−H・・・・・O−H(−H)、水分子間の水素結合(H・・・O)もほとんど存在しないと考えられる。電解液に飽和過塩素酸ナトリウム水溶液を用いた電気二重層キャパシタにおける、充電された状態での飽和過塩素酸塩の構造を表した模式図を図4に示す。図4において、水分子が局在していることが表されている。
このことは、HOのH NMR測定により、合理的に説明することができる。
ここで、飽和過塩素酸ナトリウム水溶液中におけるHOの挙動を調べるため、H NMR測定を行った。用いたNMR装置はJNM−ECX400Pである。測定結果を図5に示す。図5において、飽和過塩素酸ナトリウム水溶液中におけるHOのH NMRケミカルシフトは3.68であった。一方、上記溶液を 1/100に希釈したHOのH NMRケミカルシフトは4.75であった。また、半値幅は、飽和過塩素酸ナトリウム水溶液で0.027ppm、希釈過塩素酸ナトリウム水溶液で0.048ppmであった。一般に、水のH NMRケミカルシフトは水同士の水素結合により支配される。水素結合が弱くなると、高磁場側にシフトする。水素結合が非常に弱くなった超臨界水中では、400℃において、1.3ppmと報告されている(M. Nakahara, Netsu Sokutei 31 (1) 2004)。水素結合の希薄な重クロロホルム中では1.55ppmとされている。さらに、水素結合はH間のスピンースピン緩和のため、緩和時間が短く、スペクトルの広幅化が起こる。
図1において、飽和過塩素酸ナトリウム水溶液中のHOのスペクトルの線幅が希釈過塩素酸ナトリウム水溶液中のHOのスペクトルの線幅と比較して狭いのは、水素結合が弱くなっていることを裏付けるものといえる。
また、一般に、水分子は4分子が水素結合で結合してクラスター構造を取るとされているが、飽和過塩素酸ナトリウム水溶液中では、水分子は単独のHOとして存在すると推測できる。そのため、O−H結合は通常の水よりも強く、電気分解に耐え、電気窓が広くなったと推察される。実際に、後で述べるように、飽和過塩素酸ナトリウム水溶液中を電解液とすると、3000回の繰り返し試験に耐え、100時間の連続試験においてもキャパシタの性能に劣化は見られなかった。もし、電気分解が起これば、水分子が減少し、キャパシタの性能は劣化する筈である。
(飽和過塩素酸ナトリウム水溶液の電解液としての特性)
飽和過塩素酸ナトリウム水溶液の電解液としての性能を明らかにするため、以下の試験を行った。紙(キムワイプ)を飽和過塩素酸ナトリウム水溶液で湿らせたものを正極として作成し、さらに同じものを負極として作成した。これらの正極及び負極をセパレーターである陽イオン交換膜(AGF製)を挟むよう相対するように載置した。
電解液として3M過塩素酸ナトリウム水溶液を用い、定電流0.01mAを流した場合の試験結果について、印加電圧と時間の関係を図6のグラフに示す。次いで、電解液として飽和過塩素酸ナトリウム水溶液を用い、定電流0.1mAを流した場合の試験結果について、印加電圧と時間の関係を図7のグラフに示す。なお、飽和過塩素酸ナトリウム水溶液を用いた場合、紙を用いても電気二重層が生じることによる電気の消費があるため、その分余分な電流が流れることとなり、3M過塩素酸ナトリウム水溶液を用いた場合よりも高い電流が必要であることから、定電流を0.1mAとして試験を行ったものである。
図6に示したグラフより、電圧が1.3V未満で飽和していることが確認できる。これは、この電圧で水の分解、すなわち正極における水の酸化反応が起こり、ファラデー電流が流れるため、電圧はそれ以上は上昇しない。一方、図7に示したグラフから、印加電圧は少なくとも3.0Vを超えて飽和に達したことが確認できる。つまり、飽和過塩素酸ナトリウム水溶液において、電位窓は、少なくとも3.0V以上であることを示しているといえる。ただし、留意したいことは、印加電流が少なすぎると、電気二重層が発生することによる電気の消費と平衡になるため低い電圧で飽和してしまい、逆に印加電流が多すぎると、過電圧で電位窓以上に電位は高くなることになる。また、電極材料の選択といった条件が異なれば、この数値も変動するため、本実験で得られた数値そのものが電位窓の電位そのものの数値と完全に一致するとはいえない点には留意すべきである。
しかし、少なくとも、本実験から、飽和過塩素酸ナトリウム水溶液を電解液として用いた場合、3M過塩素酸ナトリウム水溶液を電解液として用いた場合と比較して水溶液系の電解液として、極めて高い電圧を印加できることが裏付けることができたといえる。
(飽和過塩素酸ナトリウム水溶液を電解液として用いたキャパシタの構成について)
キャパシタにおける電解液は、飽和過塩素酸ナトリウム水溶液を用いることができる。
キャパシタの正極及び負極の両方又はいずれか一方に、導電性炭素材料を用いることができる。導電性の高い炭素材料を用いればキャパシタの内部抵抗を低減させ、キャパシタの充放電効率を高めることができ、重量エネルギー密度を大きくすることができる。
導電性炭素材料は、導電性を有する炭素材料であればどのようなものでもよいが、例えば、黒鉛を用いることができる。これに代えて、またはこれとともに活性炭、カーボンブラック、アセチレンブラック、カーボンフェルト、カーボンナノチューブ、フラーレン、グラフェンの少なくとも1つか、これらを組み合わせたものを用いることができる。正極、負極の形態としてはどのようなものでもよいが、例えば、上記導電性炭素材料を加圧成型して固形化したもの、または容器に充填したものも用いることができる。
また、導電性炭素材料に電解液を支持させることもできる。例えば、導電性炭素材料に飽和過塩素酸ナトリウム水溶液を含ませる方法を用いることができる。
本発明で使用するセパレーターは、正極と負極を隔てることができればよく、例えば、陽イオン交換膜を用いることができる。両極での電解液が同じで、セパレーターでイオンを選択する必要がないことから、セパレーターは両極の接触を防ぐ絶縁性能と水の透過性能を備えるだけで良い。すなわち、絶縁性を有するシート状のもので、水を透過する性質を備えていればどのようなものでもよく、例えば、紙に代表されるようなセルロース不織シート、布、また、化学繊維シート、合成樹脂シートを用いることもできる。合成樹脂シートを用いたセパレーターとしては、例えば、合成樹脂からなる多孔質シートを用いることができる。なお、合成樹脂は、単体および複合体のいずれでもよい。合成樹脂からなる多孔質シートとしては、例えば、ポリフェニレンサルファイドからなる湿式不織布を挙げることができる。ポリフェニレンサルファイドからなる湿式不織布は、水を透過し、耐薬品、耐熱に優れ、難燃性で電気特性も安定しており、高分子構造が単純で非常に安価である。そのため、セパレーターとしてポリフェニレンサルファイドからなる湿式不織布を用いることにより、キャパシタ製造の低コスト化に資する。
正極・負極のそれぞれの導電性炭素材料は、充放電のため、導電体によって容器の外側に形成された端子と接続される。端子は正極用、負極用のものがそれぞれ容器外への導電性が確保されるように設けられ、これらを介して、キャパシタと外部の機器とを接続する。
(キャパシタの100回にわたる充放電の繰り返し試験)
上述の構成より、電解液として飽和過塩素酸ナトリウム水溶液を用いた場合のキャパシタとしての性能を確認するため、次のように充放電の繰り返し試験を行った。導電性炭素材料である、日本黒鉛製「J−SP−α」80%、電気化学工業製「カーボンブラック」10%及び東洋紡製「カーボンフェルト」10%を十分に混合させ、油圧装置で加圧してフィルム状に形成して正極とした。負極についてもこれと同じものを作成した。これらのフィルム状の正極及び負極をセパレーターである陽イオン交換膜(AGF製)を挟むよう相対するように載置した。これらを電解液である飽和過塩素酸ナトリウム水溶液で湿らせて、電池ユニット(宝泉製)に入れ、キャパシタを得た。
得られたキャパシタについて、cut−off電圧を2.0V、電流密度を5mA/cmとし、100回にわたる充放電の繰り返し試験を行った場合の測定結果を図8に示す。横軸は時間(分)である。また、同じ構成で、cut−off電圧を3.0V、電流密度を10mA/cmとし、100回にわたる充放電の繰り返し試験を行った場合の測定結果を図9に示す。図8及び図9のグラフより、電解液として飽和過塩素酸ナトリウム水溶液を用いた場合のキャパシタは、cut−off電圧を2.0Vとした場合のみならず、cut−off電圧を3.0Vとした場合でも時間経過による充放電性能の劣化がなく、安定した性能を示すことが確認できた。
(飽和過塩素酸ナトリウム水溶液以外の飽和水溶液を電解液として用いたキャパシタの構成について)
過塩素酸ナトリウム水溶液以外の飽和水溶液も電解液として用いることができる。例えば、飽和過塩素酸リチウム水溶液、飽和過塩素酸マグネシウム、飽和過塩素酸カルシウム、飽和過塩素酸バリウムまたは飽和過塩素酸アルミニウムといった飽和過塩素酸塩水溶液を用いることができる。また、過塩素酸塩水溶液以外では、例えば、飽和硫酸マグネシウム水溶液、飽和硫酸カリウム水溶液または飽和硫酸ナトリウム水溶液を用いることができる。さらにまた、上述の過塩素酸ナトリウム水溶液、飽和過塩素酸リチウム水溶液、飽和過塩素酸マグネシウム、飽和過塩素酸カルシウム、飽和過塩素酸バリウム、飽和過塩素酸アルミニウム、飽和硫酸マグネシウム水溶液、飽和硫酸カリウム水溶液および飽和硫酸ナトリウム水溶液のうち、複数の飽和水溶液を混合した混合物を電解液として用いることもできる。これは例えば、過塩素酸ナトリウムの飽和水溶液と過塩素酸マグネシウムの飽和水溶液との混合物というような2種の飽和水溶液の組み合わせによる混合物に限られず、例えば、過塩素酸ナトリウムの飽和水溶液、過塩素酸マグネシウムの飽和水溶液および過塩素酸バリウムの飽和水溶液の混合物というような3種以上の飽和水溶液の混合物であってもよい。かかる混合物には、必ずしも過塩素酸ナトリウムの飽和水溶液を含まなくともよく、様々な組み合わせによる混合物を電解液として用いることができる。
(レドックスキャパシタについて)
一般に、負極に金属酸化物を用いると、電子が金属酸化物に貯蔵される。この現象はレドックスキャパシタと呼ばれる。最も代表的なものは、酸化ルテニウム(IV)(RuO)を用いたレドックスキャパシタである。以下に、既存の研究例を示す。RuOに電子が貯蔵される機構は次の(6)式のように説明される。
(引用元:J.P.Zhengand, T.R.Jow: J.Electrochem. Soc., Vol. 142 Nno.1, L6 (1995))
ここで、0≦δ≦2である。
また、酸化ルテニウムn水和物(RuOn・(HO))を用いて次の(7)式のように説明される。
(引用元:Chi−Chung Hu, Wei−Chun Chen, Kuo−sim Chang: J. Electrochem. Soc., 151(2) A281 (2004))
上記の例においては、酸化ルテニウム上に電子が貯蔵される。両反応において、酸化ルテニウムは負に荷電するが、水素イオンが関与することにより電気的中性が保たれている。逆反応では、電子を放出する。
本発明における飽和過塩素酸ナトリウム水溶液を電解液とした系においては、上記の水素イオンが関与する(6)式及び(7)式で示した機構は支持できない。なぜなら、高電圧下では、水素イオンは還元されて水素を発生する筈であるが、実際には水素発生は認められないからである。
1M硫酸水溶液中において、RuOを用いたレドックスキャパシタの充放電曲線を図10に引用する(引用元:Ran Liu, Jonathon Duay, and Sang Bok Lee, PowerMEMS 2009, Washington DC, USA, December 1−4, pp. 467−470 (2009))。cut−off電圧が1Vと低く、ナノチューブを使用しているが、電流密度は本発明より小さい。
(バナジウム酸化物を用いたキャパシタ)
ここで、バナジウム酸化物を用いたキャパシタの充放電性能を確認するため、負極に三酸化バナジウム(V)と黒鉛との混合物を用い、正極に黒鉛のみを使用し、これらの正極及び負極をセパレーターである陽イオン交換膜(AGF製)を挟むよう相対するように載置し、これらを宝泉製の電池ユニットに収容し、蓄電装置を作製し、充放電試験を行ったところ、大きな蓄電効果を有することが明らかになった。詳細は、実施例の項において後述する。一方、正極と負極とを反対にし、正極にVと黒鉛との混合物、負極を黒鉛のみの構成とした場合には蓄電効果は著しく減少した。このことは、負極のVと黒鉛との混合物を含む電極上に電子が貯蔵されたものと理解される。
酸化バナジウムの電子の貯蔵に関して、次の(8)式と(9)式で示される機構を提案する。負極では、充電により、VOnが電子をδ個吸収して、VOnδ−を生成する。放電では、逆に右辺から左辺に電子を放出する。VOnとしたのは酸化バナジウムの構造が特定されていないため、便宜的に表記したものである。
ここで、δは1以下の可能性が高いが、その場合、バナジウムの酸化状態には変化はなく、また酸化物中の酸素の数にも変化はないと推察される。
また、正極では、充電により黒鉛(C)が電子をδ個失い、Cδ+を生成し、正に帯電する。(8)式と(9)式により電気的中性が維持される。
黒鉛が正に帯電してCδ+を生成することを確認することはできないが、黒鉛には多くの不飽和結合があり、電子過剰な状態にあるため、正に帯電することは不合理なことではない。実際に、正極に黒鉛ではなく、キムワイプ(紙)を用いると、全く充電効果は認められなかった。即ち、正極に黒鉛があり、正の帯電体Cδ+が生成しない限りキャパシタは出現しない。(8)式及び(9)式は、見かけ上、レドックス反応に類似する。事実、放電曲線は湾曲してむしろ二次電池の放電曲線に近い。
(バナジウム酸化物以外の金属酸化物を用いたキャパシタ)
バナジウム酸化物以外に、酸化ルテニウム(RuO)について、キャパシタの効果があるかどうか調べたところ、酸化バナジウムと同様大きなキャパシタの効果が見られた。重量エネルギー密度は酸化バナジウムにおけるのと同等か、又はそれ以上である。詳細は、後述の実施例の項において説明する。
水溶液系の電解液を用いたキャパシタとして、電解液として飽和過塩素酸ナトリウムを用いるとともに、正極に導電性炭素材料を用い、負極に、導電性炭素材料と酸化バナジウムとを混合して用いた構成のキャパシタとすることができる。また、これと同様に、正極に導電性炭素材料を用い、負極に、導電性炭素材料と酸化ルテニウムとを混合して用いる構成のキャパシタとすることができる。
上記以外の金属酸化物として、酸化バナジウム、酸化鉄、酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化スズを用いることができ、また炭化チタンも用いることができる。詳細は後述の実施例の項において説明するが、酸化マンガンは負極に添加してもあまり効果が見られないが、正極に添加するとキャパシタの重量エネルギー密度が増加する。また、酸化鉄は、負極に添加しても大きな効果があるが、正極にも同量を添加した構成(symmetric capacitor)においてもさらに大きな効果を示す。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。まず、本発明で用いる電極の製造法について説明する。なお、充放電試験は、全てBioLogic社製VSPを用いて測定を行った。
(実施例1)
(過塩素酸ナトリウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:0%]を含む構成)
導電性炭素材料である日本黒鉛製「J−SP−α」80%、電気化学工業製「カーボンブラック」10%及び東洋紡製「カーボンフェルト」粉末10%を十分に混合させた混合物を作成し、これを油圧装置で加圧してフィルム状に形成して正極とした。負極についてもこれと同じものを作成した。これらのフィルム状の正極及び負極をセパレーターである陽イオン交換膜(AGF製)を挟むよう相対するように載置した。これらを電解液である飽和過塩素酸ナトリウム水溶液で湿らせて、電池ユニット(宝泉製)に入れ、キャパシタを得た。
得られたキャパシタについて、cut−off電圧を2.0V、電流密度を5mA/cmとし、100回にわたる充放電の繰り返し試験を行った。このときの測定結果を図11に示す。横軸は時間(分)である。充放電効率は、曲線の平均値から計算したものである。同じ構成で、cut−off電圧を3.0V、電流密度を10mA/cmとし、3000回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図12に、cut−off電圧を3.2V、電流密度を15mA/cmとし、3000回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図13に示す。図11〜図13のグラフから、いずれの場合でも安定した性能を示すことが確認できた。このときの重量エネルギー密度は、cut−off電圧が2.0V、電流密度5mA/cmのときで0.22Wh/kg、cut−off電圧が3.0V、電流密度が10mA/cmのときで0.41Wh/kg、cut−off電圧が3.2V、電流密度が15mA/cmのときで0.45Wh/kgと増加することが確認できた。
(実施例2)
(過塩素酸ナトリウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:10%];負極[添加:0%,活性炭:10%]を含む構成)
正極及び負極において、実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物に、さらにこれに対し10%の割合で導電性炭素材料である活性炭を加えた以外は実施例1と同構成のキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を2.0V、電流密度を5mA/cmとし、100回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図14に示す。また、同じ構成で、cut−off電圧を3.0Vのまま、電流密度を変えて測定を行った。cut−off電圧を3.0V、電流密度を10mA/cmとし、35回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図15に、cut−off電圧を同じく3.0V、電流密度を15mA/cmとし、20回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図16に、cut−off電圧を同じく3.0V、電流密度を25mA/cmとし、20回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図17に示す。このときの重量エネルギー密度は、cut−off電圧が2.0V、電流密度5mA/cmのときで1.5Wh/kg、cut−off電圧が3.0V、電流密度が10mA/cmのときで4.1Wh/kg、cut−off電圧が3.0V、電流密度が15mA/cmのときで3.1Wh/kg、cut−off電圧が3.0V、電流密度が25mA/cmのときで1.9Wh/kgであることが確認できた。実施例1における電極に活性炭を含まない構成と比較すると、実施例2における構成では、いずれも重量エネルギー密度が大幅に上昇することが確認できた。しかし、同じキャパシタ構成で、電流密度を一定以上に増すと重量エネルギー密度が低下することも確認できた。ただし、出力密度は電流密度が増すとともに増加し、cut−off電圧が3.0V、電流密度が25mA/cmのときに最大値285W/kgであった。
(実施例3)
(過塩素酸ナトリウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:V10%,活性炭:0%]を含む構成)
正極に実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物を用い、負極に実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物に、さらにこれに対し10%の割合で三酸化バナジウム(V)を添加したものを用いた以外は実施例1と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3.2V、電流密度を10mA/cmとし、5回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図18に示す。また、同じ構成で、cut−off電圧を3.5V、電流密度を15mA/cmとし、3回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図19に示す。このときの重量エネルギー密度は、cut−off電圧が3.2V、電流密度10mA/cmのときで8.26Wh/kg、cut−off電圧が3.5V、電流密度が15mA/cmのときで11.3Wh/kgであることが確認できた。
(実施例4)
(過塩素酸ナトリウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:V10%,活性炭:0%]を含む構成)
正極に実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物を用い、負極に実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物に、さらにこれに対し10%の割合で五酸化バナジウム(V)を添加したものを用いた以外は実施例1と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3.2V、電流密度を10mA/cmとし、50回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図20に示す。このときの重量エネルギー密度は、7.13Wh/kgであることが確認できた。
(実施例5)
(過塩素酸ナトリウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:RuO・nHO10%,活性炭:0%]を含む構成)
正極に実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物を用い、負極に実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物に、さらにこれに対し10%の割合で酸化ルテニウム(RuO・nHO)を添加したものを用いた以外は実施例1と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3.0V、電流密度を10mA/cmとし、13回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図21に示す。このときの重量エネルギー密度は、11.9Wh/kgであることが確認できた。ここで、図21に示したように、飽和過塩素酸ナトリウム水溶液を用いたRuOキャパシタの放電曲線は、実施例3及び実施例4において図18〜図20に示した酸化バナジウムキャパシタの放電曲線と同様に湾曲し、実施例1及び実施例2において図11〜図17に示した線形の黒鉛キャパシタの放電曲線とは異なることが確認できた。電子の貯蔵機構は、バナジウムの場合と同様、次の(10)式で示すことができるものと推測できる。
(実施例6)
(過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:0%]を含む構成)
セパレーターをセルロース不織シートの1つである紙、具体的にはADVANTEC製定量濾紙(型式:No.5C)とした以外は実施例1と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3.0V、電流密度を10mA/cmとし、5回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図22に示す。このときの重量エネルギー密度は、6.8Wh/kgであることが確認できた。実施例1で、セパレーターとして陽イオン交換膜を用いた以外は同じ構成で、同条件で測定したときの重量エネルギー密度0.41Wh/kgと比較すると、16倍以上良好な結果が得られた。
(実施例7)
(過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:10%];負極[添加:0%,活性炭:10%]を含む構成)
セパレーターをセルロース不織シートの1つである紙、具体的にはADVANTEC製定量濾紙(型式:No.5C)とした以外は実施例2と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3.0V、電流密度を10mA/cmとし、5回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図23に示す。このときの重量エネルギー密度は、11.4Wh/kgであることが確認できた。実施例2で、セパレーターとして陽イオン交換膜を用いた以外は同じ構成で、同条件で測定したときの重量エネルギー密度4.1Wh/kgと比較すると、2倍以上良好な結果が得られた。
(実施例8)
(過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:V10%,活性炭:0%]を含む構成)
セパレーターをセルロース不織シートの1つである紙、具体的にはADVANTEC製定量濾紙(型式:No.5C)とした以外は実施例3と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3.2V、電流密度を10mA/cmとし、6回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図24に示す。このときの重量エネルギー密度は、24.2Wh/kgであることが確認できた。実施例3で、セパレーターとして陽イオン交換膜を用いた以外は同じ構成で、同条件で測定したときの重量エネルギー密度8.26Wh/kgと比較すると、3倍近くの良好な結果が得られた。
(実施例9)
(過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:RuO・nHO10%,活性炭:0%]を含む構成)
セパレーターをセルロース不織シートの1つである紙、具体的にはADVANTEC製定量濾紙(型式:No.5C)とした以外は実施例5と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3.0V、電流密度を10mA/cmとし、3回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図25に示す。このときの重量エネルギー密度は、24.7Wh/kgであることが確認できた。実施例5で、セパレーターとして陽イオン交換膜を用いた以外は同じ構成で、同条件で測定したときの重量エネルギー密度11.9Wh/kgと比較すると、2倍の良好な結果が得られた。
(実施例10)
(過塩素酸ナトリウム;布;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:0%]を含む構成)
セパレーターを綿の布とした以外は実施例1と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3.0V、電流密度を10mA/cmとし、5回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図26に示す。このときの重量エネルギー密度は、7.3Wh/kgであることが確認できた。実施例6の場合よりもさらに良好な結果が得られた。
(実施例11)
(過塩素酸ナトリウム;メンブレンフィルター;正極[添加:0%,活性炭:10%];負極[添加:0%,活性炭:10%]を含む構成)
セパレーターをメンブレンフィルター、具体的にはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)メンブレンを親水化処理したものである、Millipore製メンブレンフィルター(Type:JVWP、孔径:0.1μm)とした以外は実施例2と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3.0V、電流密度を15mA/cmとし、20回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図27に示す。このときの重量エネルギー密度は、4.7Wh/kgであることが確認できた。また、図27に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例12)
(過塩素酸ナトリウム;ポリフェニレンサルファイドからなる湿式不織布;正極[添加:0%,活性炭:10%];負極[添加:0%,活性炭:10%]を含む構成)
セパレーターとしてポリフェニレンサルファイドからなる湿式不織布、具体的には、東レ株式会社製「トルコン」(登録商標)紙を用いた以外は実施例2と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3.0V、電流密度を15mA/cmとし、10回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図28に示す。このときの重量エネルギー密度は、2.4Wh/kgであることが確認できた。また、図28に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例13)
(過塩素酸リチウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:0%]を含む構成)
電解液として、飽和過塩素酸リチウム水溶液を用いた以外は実施例1と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3.2V、電流密度を10mA/cmとし、1000回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図29に示す。このときの重量エネルギー密度は、0.42Wh/kgであることが確認できた。また、図29に示すように、充放電が安定し、飽和過塩素酸リチウム水溶液が、飽和過塩素酸ナトリウム水溶液と同様に電解液として優れていることも確認できた。
(実施例14)
(過塩素酸ナトリウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:0%]を含む構成)
実施例1と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3.2V、電流密度を15mA/cmとし、10000回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図30に示す。このときの重量エネルギー密度は、0.45Wh/kgであることが確認できた。また、図30に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例15)
(過塩素酸マグネシウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:0%]を含む構成)
電解液として、飽和過塩素酸マグネシウム水溶液を用いた以外は実施例1と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3V、電流密度を40mA/cmとし、300回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図31に示す。このときの重量エネルギー密度は、1.2Wh/kgであることが確認できた。また、図31に示すように、充放電が安定し、飽和過塩素酸マグネシウム水溶液も電解液として優れた性能を示すことも確認できた。
(実施例16)
(過塩素酸カルシウム;メンブレンフィルター;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:0%]を含む構成)
電解液として、飽和過塩素酸カルシウム水溶液を用い、セパレーターをメンブレンフィルター、具体的にはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)メンブレンを親水化処理したものである、Millipore製メンブレンフィルター(Type:JVWP、孔径:0.1μm)とした以外は実施例1と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3V、電流密度を15mA/cmとし、100回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図32に示す。このときの重量エネルギー密度は、0.85Wh/kgであることが確認できた。また、図32に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例17)
(過塩素酸バリウム;メンブレンフィルター;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:0%]を含む構成)
電解液として、飽和過塩素酸バリウム水溶液を用いた以外は実施例16と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3V、電流密度を15mA/cmとし、200回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図33に示す。このときの重量エネルギー密度は、0.64Wh/kgであることが確認できた。また、図33に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例18)
(過塩素酸アルミニウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:0%]を含む構成)
電解液として、飽和過塩素酸アルミニウム水溶液を用い、セパレーターをセルロース不織シートの1つである紙、具体的にはADVANTEC製定量濾紙(型式:No.5C)とした以外は実施例1と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を2.8V、電流密度を20mA/cmとし、50回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図34に示す。このときの重量エネルギー密度は、0.81Wh/kgであることが確認できた。また、図34に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例19)
(硫酸マグネシウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:0%]を含む構成)
電解液として、飽和硫酸マグネシウム水溶液を用いた以外は実施例18と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3V、電流密度を20mA/cmとし、30回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図35に示す。このときの重量エネルギー密度は、0.36Wh/kgであることが確認できた。また、図35に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例20)
(硫酸カリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:0%]を含む構成)
電解液として、飽和硫酸カリウム水溶液を用いた以外は実施例18と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3.2V、電流密度を15mA/cmとし、20回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図36に示す。このときの重量エネルギー密度は、0.65Wh/kgであることが確認できた。また、図36に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例21)
(過塩素酸ナトリウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:40%];負極[添加:0%,活性炭:40%]を含む構成)
正極及び負極において、実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物に、さらにこれに対し40%の割合で導電性炭素材料である活性炭を加えた以外は実施例2と同構成のキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3V、電流密度を10mA/cmとし、10回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図37に示す。このときの重量エネルギー密度は、18.7Wh/kgであることが確認できた。また、図37に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例22)
(過塩素酸マグネシウム;メンブレンフィルター;正極[添加:0%,活性炭:30%];負極[添加:0%,活性炭:30%]を含む構成)
電解液として、飽和過塩素酸マグネシウム水溶液を用い、正極及び負極において、実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物に、さらにこれに対し40%の割合で導電性炭素材料である活性炭を加えた以外は実施例11と同構成のキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3V、電流密度を15mA/cmとし、10回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図38に示す。このときの重量エネルギー密度は、8.0Wh/kgであることが確認できた。また、図38に示すように、充放電が安定し、飽和過塩素酸マグネシウム水溶液も電解液として優れた性能を示すことも確認できた。
(実施例23)
(過塩素酸バリウム;メンブレンフィルター;正極[添加:0%,活性炭:10%];負極[添加:0%,活性炭:10%]を含む構成)
電解液として、飽和過塩素酸バリウム水溶液を用いた以外は実施例11と同構成のキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3V、電流密度を20mA/cmとし、20回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図39に示す。このときの重量エネルギー密度は、4.2Wh/kgであることが確認できた。また、図39に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例24)
(過塩素酸アルミニウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:20%];負極[添加:0%,活性炭:20%]を含む構成)
電解液として、飽和過塩素酸アルミニウム水溶液を用い、正極及び負極において、実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物に、さらにこれに対し20%の割合で導電性炭素材料である活性炭を加えた以外は実施例7と同構成のキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3V、電流密度を15mA/cmとし、10回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図40に示す。このときの重量エネルギー密度は、5.7Wh/kgであることが確認できた。また、図40に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例25)
(硫酸マグネシウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:20%];負極[添加:0%,活性炭:20%]を含む構成)
電解液として、飽和過塩素酸マグネシウム水溶液を用いた以外は実施例24と同構成のキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3V、電流密度を20mA/cmとし、40回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図41に示す。このときの重量エネルギー密度は、1.9Wh/kgであることが確認できた。また、図41に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例26)
(過塩素酸ナトリウム+過塩素酸マグネシウム;メンブレンフィルター;正極[添加:0%,活性炭:10%];負極[添加:0%,活性炭:10%]を含む構成)
電解液として、飽和過塩素酸ナトリウム水溶液と飽和過塩素酸マグネシウム水溶液との混合物を用いた以外は実施例23と同構成のキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3V、電流密度を15mA/cmとし、20回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図42に示す。このときの重量エネルギー密度は、8.5Wh/kgであることが確認できた。また、図42に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例27)
(過塩素酸ナトリウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:20%];負極[添加:0%,活性炭:20%]を含む構成)
正極及び負極において、実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物に、さらにこれに対し20%の割合で導電性炭素材料である活性炭を加えた以外は実施例2と同構成のキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3V、電流密度を15mA/cmとし、10回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図43に示す。このときの重量エネルギー密度は、8.3Wh/kgであることが確認できた。また、図43に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例28)
(過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:20%];負極[添加:0%,活性炭:20%]を含む構成)
正極及び負極において、実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物に、さらにこれに対し20%の割合で導電性炭素材料である活性炭を加えた以外は実施例7と同構成のキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3V、電流密度を15mA/cmとし、10回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図44に示す。このときの重量エネルギー密度は、7.3Wh/kgであることが確認できた。また、図44に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例29)
(過塩素酸ナトリウム;メンブレンフィルター;正極[添加:0%,活性炭:20%];負極[添加:0%,活性炭:20%]を含む構成)
正極及び負極において、実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物に、さらにこれに対し20%の割合で導電性炭素材料である活性炭を加えた以外は実施例11と同構成のキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3V、電流密度を15mA/cmとし、10回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図45に示す。このときの重量エネルギー密度は、7.7Wh/kgであることが確認できた。また、図45に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例30)
(過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:Fe30%,活性炭:0%]を含む構成)
正極に実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物を用い、負極に実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物に、さらにこれに対し30%の割合で酸化鉄(III)(Fe)を添加したものを用いた以外は実施例8と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3.2V、電流密度を15mA/cmとし、10回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図46に示す。このときの重量エネルギー密度は、18.3Wh/kgであることが確認できた。また、図46に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例31)
(過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:Fe30%,活性炭:0%];負極[添加:Fe30%,活性炭:0%]を含む構成)
正極及び負極において、実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物に、さらにこれに対し30%の割合で酸化鉄(III)(Fe)を添加したものを用いた以外は実施例30と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3.2V、電流密度を15mA/cmとし、10回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図47に示す。このときの重量エネルギー密度は、28.7Wh/kgであることが確認できた。また、図47に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例32)
(過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:Fe30%,活性炭:0%]を含む構成)
正極に実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物を用い、負極に実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物に、さらにこれに対し30%の割合で酸化鉄(II, III)(Fe)を添加したものを用いた以外は実施例30と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3.2V、電流密度を20mA/cmとし、10回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図48に示す。このときの重量エネルギー密度は、実施例30と同様に18.3Wh/kgであることが確認できた。また、図48に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例33)
(過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:Fe30%,活性炭:0%];負極[添加:Fe30%,活性炭:0%]を含む構成)
正極及び負極において、実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物に、さらにこれに対し30%の割合で酸化鉄(II, III)(Fe)を添加したものを用いた以外は実施例31と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3.2V、電流密度を15mA/cmとし、20回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図49に示す。このときの重量エネルギー密度は、11.2Wh/kgであることが確認できた。また、図49に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例34)
(過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:20%];負極[添加:MnO30%,活性炭:0%]を含む構成)
正極において、実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物に、さらにこれに対し20%の割合で導電性炭素材料である活性炭を加え、負極において、実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物に、さらにこれに対し30%の割合で酸化マンガン(IV)(MnO)を添加したものを用いた以外は実施例6と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3.2V、電流密度を15mA/cmとし、10回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図50に示す。このときの重量エネルギー密度は、16.9Wh/kgであることが確認できた。また、図50に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例35)
(過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:SnO30%,活性炭:0%]を含む構成)
正極に実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物を用い、負極に実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物に、さらにこれに対し30%の割合で酸化スズ(IV)(SnO)を添加したものを用いた以外は実施例30と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3.2V、電流密度を10mA/cmとし、10回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図51に示す。このときの重量エネルギー密度は、1.1Wh/kgであることが確認できた。また、図51に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例36)
(過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:TiC30%,活性炭:0%]を含む構成)
正極に実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物を用い、負極に実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物に、さらにこれに対し30%の割合で炭化チタン(TiC)を添加したものを用いた以外は実施例30と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3.2V、電流密度を15mA/cmとし、50回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図52に示す。このときの重量エネルギー密度は、1.6Wh/kgであることが確認できた。また、図52に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例37)
(過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:V30%,活性炭:0%]を含む構成)
正極に実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物を用い、負極に実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物に、さらにこれに対し30%の割合で三酸化バナジウム(V)を添加したものを用いた以外は実施例8と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3.2V、電流密度を10mA/cmとし、10回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図53に示す。このときの重量エネルギー密度は、20.1Wh/kgであることが確認できた。また、図53に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例38)
(過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:V30%,活性炭:0%]を含む構成)
正極に実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物を用い、負極に実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物に、さらにこれに対し30%の割合で五酸化バナジウム(V)を添加したものを用いた以外は実施例37と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3.2V、電流密度を10mA/cmとし、10回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図54に示す。このときの重量エネルギー密度は、27.8Wh/kgであることが確認できた。また、図54に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例39)
(過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:NiO30%,活性炭:0%]を含む構成)
正極に実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物を用い、負極に実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物に、さらにこれに対し30%の割合で酸化ニッケル(II)(NiO)を添加したものを用いた以外は実施例30と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3.2V、電流密度を10mA/cmとし、10回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図55に示す。このときの重量エネルギー密度は、3.7Wh/kgであることが確認できた。また、図55に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例40)
(過塩素酸リチウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:Fe30%,活性炭:0%]を含む構成)
電解液として、飽和過塩素酸リチウム水溶液を用いた以外は実施例30と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3.2V、電流密度を10mA/cmとし、10回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図56に示す。このときの重量エネルギー密度は、6.6Wh/kgであることが確認できた。また、図56に示すように、充放電が安定し、飽和過塩素酸リチウム水溶液が、飽和過塩素酸ナトリウム水溶液と同様に電解液として優れていることも確認できた。
(実施例41)
(過塩素酸リチウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:V30%,活性炭:0%]を含む構成)
電解液として、飽和過塩素酸リチウム水溶液を用いた以外は実施例38と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3.2V、電流密度を15mA/cmとし、30回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図57に示す。このときの重量エネルギー密度は、5.7Wh/kgであることが確認できた。また、図57に示すように、充放電が安定し、飽和過塩素酸リチウム水溶液が、飽和過塩素酸ナトリウム水溶液と同様に電解液として優れていることも確認できた。
(実施例42)
(過塩素酸バリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:Fe30%,活性炭:0%]を含む構成)
電解液として、飽和過塩素酸バリウム水溶液を用いた以外は実施例32と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3V、電流密度を20mA/cmとし、10回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図58に示す。このときの重量エネルギー密度は、14.1Wh/kgであることが確認できた。また、図58に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例43)
(過塩素酸マグネシウム;紙;正極[添加:MnO30%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:20%]を含む構成)
電解液として、飽和過塩素酸マグネシウム水溶液を用い、正極において、実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物に、さらにこれに対し30%の割合で酸化マンガン(IV)(MnO)を添加し、負極において、実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物に、さらにこれに対し20%の割合で導電性炭素材料である活性炭を加えたものを用いた以外は実施例30と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3V、電流密度を20mA/cmとし、10回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図59に示す。このときの重量エネルギー密度は、14.7Wh/kgであることが確認できた。また、図59に示すように、充放電が安定し、飽和過塩素酸マグネシウム水溶液も電解液として優れた性能を示すことも確認できた。
(実施例44)
(過塩素酸カルシウム;メンブレンフィルター;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:V30%,活性炭:0%]を含む構成)
正極に実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物を用い、負極に実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物に、さらにこれに対し30%の割合で三酸化バナジウム(V)を添加したものを用いた以外は実施例16と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3.2V、電流密度を20mA/cmとし、10回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図60に示す。このときの重量エネルギー密度は、17.9Wh/kgであることが確認できた。また、図60に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例45)
(過塩素酸ナトリウム;紙;正極[添加:MnO60%,活性炭:0%];負極[添加:Fe60%,活性炭:0%]を含む構成)
正極において、実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物に、さらにこれに対し30%の割合で酸化マンガン(IV)(MnO)を添加し、負極において、実施例1と同様の配合比率の導電性炭素材料の混合物に、さらにこれに対し60%の割合で酸化鉄(II, III)(Fe)を添加したものを用いた以外は実施例6と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3V、電流密度を10mA/cmとし、10回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図61に示す。このときの重量エネルギー密度は、36.3Wh/kgであることが確認できた。また、図61に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例46)
(硫酸ナトリウム;陽イオン交換膜;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:0%]を含む構成)
電解液として、飽和硫酸ナトリウム水溶液を用いた以外は実施例6と同構成とするキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3V、電流密度を20mA/cmとし、350回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図62に示す。このときの重量エネルギー密度は、0.52Wh/kgであることが確認できた。また、図62に示すように、充放電が安定していることも確認できた。
(実施例47)
(過塩素酸リチウム+過塩素酸ナトリウム+過塩素酸マグネシウム+過塩素酸カルシウム+過塩素酸バリウム;紙;正極[添加:0%,活性炭:0%];負極[添加:0%,活性炭:0%]を含む構成)
電解液として、飽和過塩素酸リチウム水溶液、飽和過塩素酸ナトリウム水溶液、飽和過塩素酸マグネシウム水溶液、飽和過塩素酸カルシウム水溶液および飽和過塩素酸バリウム水溶液の混合物を用いた以外は実施例6と同構成のキャパシタを作成した。得られたキャパシタについて、cut−off電圧を3V、電流密度を10mA/cmとし、50回にわたる充放電の繰り返し試験を行ったときの測定結果を図63に示す。このときの重量エネルギー密度は、0.41Wh/kgであることが確認できた。また、図63に示すように、充放電が安定していることも確認できた。すなわち、電解液として、複数の塩のそれぞれの飽和水溶液の混合物を用いる場合、実施例26のような2種の飽和水溶液の組み合わせのみならず、3種以上の飽和水溶液を組み合わせた混合物を用いた場合もキャパシタとして機能することが確認できた。
上述の通り、飽和過塩素酸ナトリウム水溶液、その他の飽和過塩素酸塩水溶液、その他特定の塩の飽和水溶液または特定の複数の塩のそれぞれの飽和水溶液の混合物を電解液として用いた場合、いずれもキャパシタとして十分に機能することが確認できた。また、飽和過塩素酸ナトリウムと他の飽和過塩素酸塩水溶液の混合物も電解液として機能することも確認できた。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものでは無く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えることができる。
例えば、本発明を構成するキャパシタに用いられるセパレーターは、上述の通り、絶縁性及び透水性を備えたシート状のものであればどのようなものでもよい。また、本発明に係るキャパシタは、蓄電容量の大小も問わない。さらにまた、キャパシタの機構において、酸化・還元反応が生じているかどうかも問わない。
以上、説明したように、電解液として飽和過塩素酸ナトリウム水溶液、その他の飽和過塩素酸塩水溶液、その他特定の塩の飽和水溶液または特定の複数の塩のそれぞれの飽和水溶液の混合物を用いることにより、重量エネルギー密度を非水溶液系の電解液を用いた場合に比肩しうる程度に飛躍的に向上させた水溶液系の電解液を用いたキャパシタを構成することができる。
二次電池と比較して高速な充放電が可能であり、高出力特性に優れているキャパシタは、エネルギー問題に対するより一層の問題意識の高まりより、新エネルギーの蓄電等、様々な利用分野への応用が期待されている。水溶液系の電解液を用いた、いわゆる水系のキャパシタは、導電性が高く、電解質の解離、イオンの移動度に優れ、また、溶媒が水であることから安全性が高く、不揮発性で水分管理がしやすく、コストも低いという利点がありながら、水溶液の溶媒である水の電気分解という現象から、非水溶液系のキャパシタと比較すると利用分野に制約があったところ、本発明のキャパシタは、水の電気分解の制約を克服することができ、様々な分野での活用が期待できる。

Claims (6)

  1. 導電性炭素材料を有する正極及び負極と、
    前記正極と負極との間に介在されるセパレーターと、
    過塩素酸ナトリウムの飽和水溶液を有する電解液と、
    前記正極、前記負極、前記セパレーター及び前記電解液が収容される容器と、
    を備えることを特徴とするキャパシタ。
  2. 導電性炭素材料を有する正極及び負極と、
    前記正極と負極との間に介在されるセパレーターと、
    過塩素酸リチウム、過塩素酸マグネシウム、過塩素酸カルシウム、過塩素酸バリウム、過塩素酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム及び硫酸ナトリウムからなる群から選ばれる塩の飽和水溶液を有する電解液と、
    前記正極、前記負極、前記セパレーター及び前記電解液が収容される容器と、
    を備えることを特徴とするキャパシタ。
  3. 導電性炭素材料を有する正極及び負極と、
    前記正極と負極との間に介在されるセパレーターと、
    過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸マグネシウム、過塩素酸カルシウム、過塩素酸バリウム、過塩素酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム及び硫酸ナトリウムからなる群から選ばれる複数の塩のそれぞれの飽和水溶液の混合物を有する電解液と、
    前記正極、前記負極、前記セパレーター及び前記電解液が収容される容器と、
    を備えることを特徴とするキャパシタ。
  4. 前記負極は、酸化バナジウム、酸化鉄、酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化スズ及び炭化チタンからなる群から選ばれる金属化合物と導電性炭素材料との混合物を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のキャパシタ。
  5. 前記正極は、酸化鉄または酸化マンガンと導電性炭素材料との混合物を有する
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のキャパシタ。
  6. 前記セパレーターは、セルロース不織シート、メンブレンフィルター及びポリフェニレンサルファイドの湿式不織布からなる群から選ばれるシート状物であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のキャパシタ。

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