JP2017068999A - 近接センサおよび電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】クロストークを低減する。【解決手段】近接センサ(11)は、窓部材(23)が発光部(33)および受光部(34)の前方へ突出した形状であり、側面(23a)、中間面(23b)および天面(23c)を有し、発光部(33)が発する検知光(33a)は、中間面(23b)および天面(23c)へ入射し、中間面(23b)および天面(23c)から外部へ出射する。【選択図】図1

Description

本発明は、発光部と受光部とを備える近接センサおよび電子機器に関する。
近年、スマートフォン等の電子機器には近接センサが備えられている。近接センサは、特許文献1に開示されているように、発光部および受光部を有し、発光部が発した検知光が物体すなわち被検出物にて反射し、受光部へ入射することにより、近接センサすなわち電子機器への被検出物の近接を検出するものである。図9は、従来の一般的な近接センサの構成を示す縦断面図である。
図9に示すように、近接センサ111は、近接センサモジュール121、遮蔽部材122および窓部材123を備え、近接センサモジュール121は、基板131、遮蔽樹脂層132、発光部133、受光部134、透過樹脂層135および透過樹脂層136を備えている。発光部133は、遮蔽樹脂層132の発光部配置領域132a内において透過樹脂層135に埋設され、受光部134は、遮蔽樹脂層132の受光部配置領域132b内において透過樹脂層136に埋設されている。
発光部133が発した検知光133aは、遮蔽部材122の発光通過孔122aを通過し、窓部材123を経て窓部材123の天面123cから外部へ出射する。また、被検出物にて反射した検知光133aの反射光すなわち入射光134aは、窓部材123の天面123cから窓部材123へ入射し、窓部材123を経て遮蔽部材122の受光通過孔122bを通過し、受光部134へ入射する。
図9に示す近接センサ111では、発光部133が発した検知光133aが外部へ出射する窓部材123の面、および受光部134への入射光134aが入射する窓部材123の面は、平坦な天面123cのみとなっている。
国際公開第2015/025591号
上記従来の近接センサ111については、例えばスマートフォンに搭載する上において、小型化が要求されている。図10は、図9に示した近接センサ111を小型化した近接センサ112の構成を示す縦断面図である。
図10に示すように、近接センサ112において、窓部材124は、外周面として、遮蔽部材122から前方へ垂直に立ち上がった側面124a、この側面から窓部材124の中心方向へ傾斜した中間面124b、および窓部材124の底面と平行な天面124cを有している。中間面124bは、窓部材124の成形後のバリ取りなどによって生じる面であり、単純にバリ取りを行った場合、窓部材124の底面に対する中間面124bの傾斜角度は45°となる。
このような近接センサ112では、小型化したことにより、発光部133が発する検知光133aは、窓部材124の側面124a、中間面124bおよび天面124cへ入射する。ここで、窓部材124が一般的な例えばアクリル製である場合、窓部材124の外
周面において光が全反射する入射角は43°となる。したがって、中間面124bの傾斜角度が上記のように45°である場合、中間面124bへ入射した検知光133aの一部は、図10に矢印にて示すように、最初に入射した中間面124bにて全反射して窓部材124内を進行し、反対側の中間面124bにて全反射した後、受光部134へ入射する。このため、近接センサ112では、クロストークが増大し、正確な検出動作を行い難くなるという問題点を有している。
したがって、本発明は、小型化した場合であってもクロストークの増大を抑制することができる近接センサおよび電子機器の提供を目的としている。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る近接センサは、発光部および受光部の前方に窓部材が設けられ、前記発光部が発した検知光が前記窓部材から外部へ出射する一方、被検知物からの前記検知光の反射光が前記窓部材から入射し、前記受光部へ入射する近接センサにおいて、前記窓部材は、前記発光部および前記受光部の前方へ突出した形状であり、外周面として、前記発光部側から前方へ立ち上がった側面、前記窓部材の中心部に位置する天面、および前記天面と前記側面との間に位置する中間面を有し、前記天面および前記中間面へ入射した前記検知光は、前記天面および前記中間面にて全反射することなく、前記天面および前記中間面から外部へ出射するようになっていることを特徴としている。
本発明の一態様によれば、窓部材の外周面にて全反射した検知光が受光部へ入射される事態を抑制し、クロストークを低減することができる。
本発明の参考例の近接センサの構成を示す縦断面図である。 図1に示した近接センサの分解斜視図である。 図3の(a)は、図1に示した近接センサモジュールの平面図、図3の(b)は、図3の(a)におけるX1−X1矢視断面図、図3の(c)は、図3の(a)におけるY1−Y1矢視断面図である。 図4の(a)は、図1に示した遮蔽部材の平面図、図4の(b)は、図4の(a)におけるX2−X2矢視断面図、図4の(c)は、図4の(a)におけるY2−Y2矢視断面図である。 図5の(a)は、図1に示した窓部材の平面図、図5の(b)は、図5の(a)におけるX3−X3矢視断面図、図5の(c)は、図5の(a)におけるY3−Y3矢視断面図である。 本発明の他の参考例の近接センサの構成を示す縦断面図である。 本発明の実施の形態の近接センサの構成を示す縦断面図である。 本発明の他の実施の形態の近接センサの構成を示す縦断面図である。 従来の一般的な近接センサの構成を示す縦断面図である。 図9に示した近接センサを小型化した近接センサの構成を示す縦断面図である。
〔参考例1〕
本発明の参考例を図面に基づいて以下に説明する。図1は、本発明の参考例の近接センサの構成を示す縦断面図である。図2は、図1に示した近接センサの分解斜視図である。図3の(a)は、図1に示した近接センサモジュールの平面図、図3の(b)は、図3の(a)におけるX1−X1矢視断面図、図3の(c)は、図3の(a)におけるY1−Y
1矢視断面図である。図4の(a)は、図1に示した遮蔽部材の平面図、図4の(b)は、図4の(a)におけるX2−X2矢視断面図、図4の(c)は、図4の(a)におけるY2−Y2矢視断面図である。図5の(a)は、図1に示した窓部材の平面図、図5の(b)は、図5の(a)におけるX3−X3矢視断面図、図5の(c)は、図5の(a)におけるY3−Y3矢視断面図である。
図1から図5に示すように、近接センサ11は、近接センサモジュール21、遮蔽部材22および窓部材23を備えている。
(近接センサモジュール21)
近接センサモジュール21は、基板31、遮蔽樹脂層32、発光部33、受光部34、透過樹脂層35および透過樹脂層36を備えている。
遮蔽樹脂層32は、基板31の上に固定され、発光部配置領域32aおよび受光部配置領域32bを有している。発光部配置領域32aおよび受光部配置領域32bは、それぞれ、遮蔽樹脂層32を上下方向に貫通した貫通孔によって形成され、所定の間隔をおいて並んでいる。発光部配置領域32aには発光部33が配置され、受光部配置領域32bには受光部34が配置されている。本参考例では、発光部配置領域32aの径は、受光部34の径よりも小さい発光部33の径に合わせて、受光部配置領域32bの径よりも小さくなっている場合を一例として示す。しかしながら、これに限定されず、発光部33と受光部34とが同じ径であり、発光部配置領域32aの径と受光部配置領域32bの径とが同じであってもよい。あるいは、発光部33が受光部34よりも大きい径を有し、発光部配置領域32aの径が受光部配置領域32bの径よりも大きくてもよい。
発光部33は、発光素子を有し、前方へ検知光33a(図1参照)を発する。検知光33aは、例えば赤外線である。なお、検知光33aは、赤外線以外の、一般に使用される他の光であってもよく、例えば可視光であってもよい。受光部34は、受光素子を有し、検知光33aの反射光等による近接センサ11への入射光34aを検出する。検知光33aの領域および入射光34aの領域は、図1に示すとおりである。
遮蔽樹脂層32の高さは、発光部33および受光部34の高さより高くなっており、発光部配置領域32aの発光部33の上および周りには透過樹脂層35が設けられ、受光部配置領域32bの受光部34の上および周りには透過樹脂層36が設けられている。これにより、発光部33は透過樹脂層35内に埋設され、受光部34は透過樹脂層36内に埋設されている。透過樹脂層35,36の上面は凸状に湾曲している。
(遮蔽部材22)
遮蔽部材22は、図1および図2の例において、板状に形成され、遮蔽樹脂層32の上に固定されている。遮蔽部材22には、発光部配置領域32aおよび受光部配置領域32bに対応する位置に、貫通孔である発光通過孔22aおよび受光通過孔22bが形成されている。発光通過孔22aは、発光部33が発した検知光33aの広がる範囲、すなわち検知光33aが窓部材23の内側から入射する窓部材23の外周面の範囲を規制している。受光通過孔22bは、受光部34へ入射する入射光34aの範囲を規制している。図1では、発光通過孔22aの径は、遮蔽樹脂層32の発光部配置領域32aの径よりも小さく、同様に、受光通過孔22bの経は、遮蔽樹脂層32の受光部配置領域32bの径よりも小さくなっている場合を一例として示している。しかしながら、これに限定する必要は無く、遮蔽部材22は、検知光32aの範囲および入射光34aの範囲を各々制限する機能を有していればよい。
(窓部材23)
本参考例では、窓部材23は、底面が発光通過孔22aと受光通過孔22bとの並び方向、すなわち発光部33と受光部34との並び方向に長い長方形の場合を一例として示している。しかしながら、これに限定する必要はなく、窓部材23は、発光通過孔22aおよび受光通過孔22bを上面から塞ぐように遮蔽部材22の上に形成されていればよい。
窓部材23は、遮蔽部材22から前方へ突出した形状であり、外周面として、遮蔽部材22から前方へ垂直に立ち上がった側面23a、この側面から窓部材23の中心方向へ傾斜した中間面23b、窓部材23の底面と平行な天面23cを有している。中間面23bおよび天面23cは、側面23aよりも窓部材23の中心側に位置する中心側面となっている。中間面23bは、通常、窓部材23の成形後のバリ取りなどによって生じる面である。近接センサ11では、窓部材23の底面に対する中間面23bの傾斜角度は45°よりも大きくなっている。
(窓部材23の外周面への検知光33aの入射)
近接センサ11では、小型化されていることにより、発光部33が発した検知光33aは、窓部材23の側面23a、中間面23bおよび天面23cへ入射する。検知光33aの光軸の光は天面23cへ入射し、天面23cから外部へ出射するようになっている。側面23aへの検知光33aの入射角、および中間面23bへの検知光33aの入射角(図1に示すθ1)は、窓部材23の屈折率で決まる、これら側面23aおよび中間面23bにて検知光33aが全反射する角度以上となっている。また、これら側面23aおよび中間面23bにて窓部材23の内部へ全反射した検知光33aは、天面23cから外部へ出射するようになっている。また、天面23cへ直接入射した検知光33aは、天面23cから外部へ出射するようになっている。
このような構成は、発光部33と発光通過孔22aとの相対的な位置関係(これら両者の前後方向の位置関係(遮蔽樹脂層32および遮蔽部材22の厚さ)、並びにこれら両者の左右方向の位置関係)、発光通過孔22aの開口径、窓部材23の側面23aおよび中間面23bにおける発光部33と受光部34との並び方向の位置、側面23aおよび中間面23bの高さ、窓部材23の厚さ、中間面23bの傾斜角等の条件のうちの一つあるいは複数を調整することに得ることができる。
なお、近接センサ11の取り付け対象装置の構造から、発光部33と発光通過孔22aとの前後方向の位置関係が制限されている場合には、それ以外の条件を調整すればよい。
また、以上に示した基板31、遮蔽樹脂層32、透過樹脂層35,36、遮蔽部材22および窓部材23は、樹脂材料など、従来から一般に使用されている材料にて形成することができる。
(近接センサ11の動作)
上記の構成において、発光部33が発した検知光33aは、透過樹脂層35を経た後、遮蔽部材22の発光通過孔22aに規制されて広がり、窓部材23の内側から外周面に入射する。このうち、窓部材23の側面23aへ入射した検知光33a(図1に実線にて記載)は、側面23aにて全反射した後、天面23cへ入射し、天面23cから外部へ出射する。また、中間面23bへ入射した検知光33a(図1に破線にて記載)は、中間面23bにて同様に全反射した後、天面23cから外部へ出射する。また、天面23cへ入射した検知光33aは天面23cから外部へ出射する。
一方、近接センサ11の近くに被検出物が存在する場合、窓部材23から外部へ出射した検知光33aは、被検出物にて反射し、窓部材23の外周面から窓部材23の内部を入射し、さらに受光通過孔22bを通過し、透過樹脂層36を経て受光部34へ入射する。
これにより、近接センサ11は、近接センサ11の近くの被検出物の存在を検知することができる。
(近接センサ11の利点)
近接センサ11では、発光部33が発した検知光33aのうち、窓部材23の側面23aおよび中間面23bへ入射した検知光33aは、それぞれ側面23aおよび中間面23bにて全反射した後、天面23cから外部へ出射する。また、天面23cへ入射した検知光33aは天面23cから外部へ出射する。したがって、近接センサ11では、窓部材23の外周面にて窓部材23の内部へ反射した検知光33aが、窓部材23から外部へ出射することなく受光部34へ入射する事態を抑制し、クロストークの発生を低減することができる。
また、窓部材23の側面23aおよび中間面23bへ入射した光は、側面23aおよび中間面23bにて全反射し、外部へ出射しないので、側面23aあるいは中間面23bの外部近傍に、例えば近接センサ11が装着される装置の筐体が存在する場合であっても、筐体からの検知光33aの反射光によるクロストークの発生を防止することができる。
〔参考例2〕
本発明の他の参考例を図面に基づいて以下に説明する。なお、説明の便宜上、前述した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
(近接センサ12の構成)
図6は、本発明の他の参考例の近接センサの構成を示す縦断面図である。図6に示した近接センサ12の各部の構造の概要は、図2から図5に基づいて上述したとおりである。以下では、近接センサ12が前記近接センサ11と異なる部分について説明する。
近接センサ12では、小型化されていることにより、発光部33が発した検知光33aは、窓部材23の側面23a、中間面23bおよび天面23cへ入射するようになっている。詳細には、近接センサ12は、前記近接センサ11と比較して、側面23aおよび中間面23bが長く、天面23cが短くなっている。これにより、発光部33が発する検知光33aの光軸の光は、中間面23bへ入射し、中間面23bから外部へ出射する。すなわち、中間面23bへの上記光の入射角は、窓部材23の屈折率で決まる、中間面23bにて上記光が全反射する角度よりも小さくなっている。
また、近接センサ12の遮蔽樹脂層32および遮蔽部材22の厚さは、前記近接センサ11の遮蔽樹脂層32および遮蔽部材22の厚さよりも薄くなっている。また、遮蔽部材22の発光通過孔22aの中心は、発光部33の中心よりも発光部33と受光部34との並び方向の外側へずれた位置となっている。
(近接センサ12の動作)
近接センサ12の遮蔽樹脂層32および遮蔽部材22の厚さ、遮蔽部材22の発光通過孔22aの中心と発光部33の中心との位置関係、および窓部材23の側面23aの高さが上記のようになっていることにより、発光部33が発する検知光33aのうち、窓部材23の側面23aの下部へ入射した検知光33a(図6に二点鎖線にて記載)は、側面23aへの入射角が全反射する入射角よりも小さくなり、側面23aから外部へ出射する。また、窓部材23の側面23aの上部へ入射した検知光33a(図6に破線にて記載)は、側面23aへの入射角が全反射する入射角以上となり、側面23aにて全反射する。側面23aにて全反射した検知光33aは、中間面23bから外部へ出射する。すなわち、中間面23bは、側面23aにて全反射して入射する検知光33aの入射角が全反射する入射角より小さくなる傾斜角に設定されている。
一方、発光部33が発する検知光33aのうち、窓部材23の中間面23bへ入射した検知光33a(図6に実線にて記載)、および天面23cへ入射した検知光33aは、中間面23bおよび天面23cから外部へ出射する。
(近接センサ12の利点)
近接センサ12では、窓部材23の側面23aの下部へ入射した検知光33aは側面23aから外部へ出射する。また、窓部材23の側面23aの上部へ入射した検知光33aは側面23aにて全反射した後、中間面23bから外部へ出射する。また、窓部材23の中間面23bへ入射した検知光33aおよび天面23cへ入射した検知光33aは、中間面23bおよび天面23cから外部へ出射する。したがって、近接センサ12では、窓部材23の外周面にて窓部材23の内部へ反射した検知光33aが、窓部材23から出射することなく受光部34へ入射する事態を抑制し、クロストークの発生を低減することができる。
また、近接センサ12では、窓部材23の側面23aの下部からも検知光33aが外部へ出射する。したがって近接センサ12は検出領域が広くなっている。具体的には、近接センサ12は、窓部材23の側方の被検出物も検出するように配置された状態において、窓部材23の側方に被検出物が近接した状態を検出することができる。
なお、以上の参考例に示した近接センサ11,12の構成は、下記のように表現することが可能である。
前記発光部33および前記窓部材23と前記窓部材23との間に遮蔽部材22が設けられ、前記遮蔽部材22は、前記遮蔽部材22からの前記検知光33aが通過する発光通過孔22a、および前記受光部34への入射光が通過する受光通過孔22bを有し、前記発光部33の発光点と前記発光通過孔22aの端部とを結んだ直線が前記窓部材23の前記側面23aと交わる第1の点において、前記側面23aの垂線と前記直線とのなす入射角度が前記窓部材23の屈折率で決まる全反射角よりも大きい角度をなす領域を前記側面23aが少なくとも有しており、さらに前記第1の点から前記垂線を挟んで前記入射角度と同じ角度で前記窓部材23の中心側面(天面23cまたは中間面23b)へ延長した直線と前記中心側面の垂線とのなす角度が前記全反射角よりも小さい角度となるように、前記発光通過孔22aの寸法と前記側面23aとの位置を調整して、近接センサの各構成要素が配置されている。これにより、発光部33から発した検知光33aが側面23aで全反射するとともに、この反射光が中心側面(天面23cおよび中間面23b)で全反射しないので、クロストークを防ぐことができる。
〔実施の形態1〕
本発明の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。なお、説明の便宜上、前述した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。なお、以下の各実施の形態においても、中間面23bおよび天面23cは、側面23aよりも窓部材23の中心側に位置する中心側面となっている。
(近接センサ13の構成)
図7は、本発明の実施の形態の近接センサの構成を示す縦断面図である。図7に示した近接センサ13の各部の構造の概要は、図2から図5に基づいて上述したとおりである。以下では、近接センサ13が前記近接センサ11と異なる部分について説明する。
近接センサ13では、小型化されていることにより、発光部33が発した検知光33aは、窓部材23の側面23a、中間面23bおよび天面23cへ入射するようになってい
る。詳細には、近接センサ13は、前記近接センサ11と比較して、窓部材23の厚さが薄く、側面23aが短く、中間面23bが長く、天面23cが短くなっている。これにより、発光部33が発する検知光33aの光軸の光は、中間面23bへ入射するようになっている。この場合の中間面23bへの上記光の入射角は、窓部材23の屈折率で決まる、中間面23bにて上記光が全反射する角度よりも小さくなっている。
また、近接センサ13の遮蔽樹脂層32および遮蔽部材22の厚さは、前記近接センサ11の遮蔽樹脂層32および遮蔽部材22の厚さよりも薄くなっている。また、遮蔽部材22の発光通過孔22aの中心は、発光部33の中心よりも発光部33と受光部34との並び方向の外側へずれた位置となっている。
(近接センサ13の動作)
近接センサ13の遮蔽樹脂層32および遮蔽部材22の厚さ、遮蔽部材22の発光通過孔22aの中心と発光部33の中心との位置関係、および窓部材23の側面23aの高さが上記のようになっていることにより、発光部33が発する検知光33aのうち、窓部材23の側面23aへ入射した検知光33a(図7に二点鎖線にて記載)は、側面23aへの入射角が全反射する入射角よりも小さくなり、側面23aから外部へ出射する。
また、発光部33が発する検知光33aのうち、窓部材23の中間面23bへ入射した検知光33a(図7に実線にて記載)、および天面23cへ入射した検知光33aは、入射角が全反射する入射角よりも小さくなり、中間面23bおよび天面23cから外部へ出射する。
(近接センサ13の利点)
近接センサ13では、窓部材23の側面23a、中間面23bおよび天面23cへ入射した検知光33aは、それぞれ全反射することなく、側面23a、中間面23bおよび天面23cから外部へ出射する。したがって、窓部材23の外周面にて窓部材23の内部へ反射した検知光33aが、窓部材23から外部へ出射することなく受光部34へ入射する事態を抑制し、クロストークの発生を低減することができる。
また、近接センサ13では、窓部材23の側面23aからも検知光33aが外部へ出射する。したがって近接センサ13は検出領域が広くなっている。具体的には、近接センサ13は、窓部材23の側方の被検出物も検出するように配置された状態において、窓部材23の側方に被検出物が近接した状態を検出することができる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。なお、説明の便宜上、前述した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
(近接センサ14の構成)
図8は、本発明の他の実施の形態の近接センサの構成を示す縦断面図である。図8に示した近接センサ14の各部の構造の概要は、図2から図5に基づいて上述したとおりである。以下では、近接センサ14が前記近接センサ11と異なる部分について説明する。
近接センサ14は、従来の近接センサ111と比較して小型化されている。近接センサ14は、前記近接センサ11と比較して、窓部材23の厚さが薄く、側面23aが短く、中間面23bが長く、天面23cが短くなっている。これにより、発光部33が発する検知光33aの光軸の光は、中間面23bへ入射するようになっている。
また、近接センサ14の遮蔽樹脂層32および遮蔽部材22の厚さは、前記近接センサ
11の遮蔽樹脂層32および遮蔽部材22の厚さよりも薄くなっている。さらに、発光部33と遮蔽部材22の発光通過孔22aとの位置関係、および発光通過孔22aの径を調整することにより、発光部33が発する検知光33aは、窓部材23の側面23aへは入射せず、中間面23bおよび天面23cへ入射するようになっている。この場合の中間面23bおよび天面23cへの検知光33aの入射角は、検知光33aが全反射する入射角よりも小さくなっている。
(近接センサ14の動作)
近接センサ14の発光部33が発した検知光33aは、窓部材23の側面23aへは入射せず、中間面23bおよび天面23cへ入射する。この場合、中間面23bおよび天面23cへの検知光33aの入射角は、検知光33aが全反射する入射角よりも小さくなる。したがって、中間面23bおよび天面23cへ入射した検知光33aは、中間面23bおよび天面23cから外部へ出射する。
(近接センサ14の利点)
近接センサ14では、発光部33が発した検知光33aは、窓部材23の側面23aへは入射せず、中間面23bおよび天面23cへ入射し、中間面23bおよび天面23cから外部へ出射する。したがって、窓部材23の外周面にて窓部材23の内部へ反射した検知光33aが、窓部材23から出射することなく受光部34へ入射する事態を抑制し、クロストークの発生を低減することができる。
また、近接センサ14では、発光部33が発した検知光33aが窓部材23の側面23aへは入射しないので、側面23aの外部近傍に、例えば近接センサ11が装着される装置の筐体が存在する場合であっても、筐体からの検知光33aの反射光によるクロストークの発生を防止することができる。
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施の形態を以下に説明する。
上記の近接センサ11,12では、窓部材23の外周面は、側面23a、中間面23bおよび天面23cを有し、それぞれが平坦面である構成となっている。しかしながら、窓部材23の外周面の形状はこれに限定されない。例えば、傾斜角度が異なる複数の中間面23bを有する構成であってもよい。あるいは、中心側面が凸状の湾曲面にて形成されたドーム形状(各面が湾曲面)であってもよい。この場合、例えば、ドーム形状に外接する、窓部材23の底面に垂直な接線に対応する範囲を側面23aと見なし、窓部材23の底面に平行な接線に対応する範囲を天面23cと見なし、底面に垂直な上記接線と底面に平行な上記接線とを結ぶ接線に対応する範囲を中間面23bと見なしてもよい。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る近接センサは、発光部33および受光部34の前方に窓部材23が設けられ、前記発光部33が発した検知光33aが前記窓部材23から外部へ出射する一方、被検知物からの前記検知光33aの反射光が前記窓部材23から入射し、前記受光部34へ入射する近接センサにおいて、前記窓部材23は、前記発光部33および前記受光部34の前方へ突出した形状であり、外周面として、前記発光部33側から前方へ立ち上がった側面23a、および前記側面23aよりも前記窓部材23の中心側の中心側面(中間面23b、天面23c)を有し、前記中心側面へ入射した前記検知光33aは、前記中心側面にて全反射することなく、前記中心側面から外部へ出射するようになっている。
上記の構成によれば、発光部33が発した検知光33aは窓部材23から外部へ出射する一方、被検知物からの検知光33aの反射光は窓部材23から入射し、受光部34へ入
射する。窓部材23は、発光部33および受光部34の前方へ突出した形状であり、外周面として、発光部33側からへ立ち上がった側面23a、および前記側面23aよりも窓部材23の中心側の中心側面(中間面23b、天面23c)を有する。前記中心側面へ入射した検知光33aは、前記中心側面にて全反射することなく、前記中心側面から外部へ出射する。
これにより、窓部材23の外周面における、発光部33が発した検知光33aの入射領域内に、中心側面が存在した場合であっても、前記中心側面にて全反射した検知光33aが受光部34へ入射される事態を抑制し、クロストークを低減することができる。
本発明の態様2に係る近接センサは、上記態様1において、前記検知光33aは、前記側面23aへ入射し、前記側面23aにて全反射することなく前記側面23aから外部へ出射するようになっている。
上記の構成によれば、発光部33が発し、側面23aへ入射した検知光33aは、前記側面23aにて全反射することなく前記側面23aから外部へ出射する。
これにより、発光部33が発した検知光33aが窓部材23の外周面にて全反射し、受光部34へ入射する事態を抑制でき、クロストークを低減することができる。
本発明の態様3に係る近接センサは、上記態様1において、前記検知光33aは、前記側面23aへは入射せず、前記中心側面のみへ入射するようになっている。
上記の構成によれば、発光部33が発した記検知光33aは、側面23aへは入射せず、中心側面のみへ入射し、前記中心側面にて全反射することなく、前記中心側面から外部へ出射する。
これにより、発光部33が発した検知光33aが窓部材23の外周面にて全反射し、受光部34へ入射する事態を抑制でき、クロストークを低減することができる。
本発明の態様4に係る近接センサは、上記態様1から3のいずれかにおいて、前記発光部33および前記受光部34と前記窓部材23との間に遮蔽部材22が設けられ、前記遮蔽部材22は、前記発光部33からの前記検知光33aが通過する発光通過孔22a、および前記受光部34への入射光34aが通過する受光通過孔22bを有している。
上記の構成によれば、発光部33が発した検知光33aは、遮蔽部材22の発光通過孔22aを通過して、窓部材23の外周面へ入射し、前記窓部材23から入射した入射光34aは受光通過孔22bを通過して受光部34へ入射する。
これにより、発光部33と発光通過孔22aとの位置関係、前記発光通過孔22aの径、あるいは側面23aの高さを調整することにより、窓部材23の外周面に対する検知光33aの入射領域を容易に設定することができる。
本発明の態様5に係る近接センサは、上記態様1において、前記発光部33および前記受光部34と前記窓部材23との間に遮蔽部材22が設けられ、前記遮蔽部材22は、前記発光部33からの前記検知光33aが通過する発光通過孔22a、および前記受光部34への入射光が通過する受光通過孔22bを有し、前記発光部33の発光点と前記発光通過孔22aの端部とを結んだ直線が前記窓部材23の前記側面23aと交わる第1の点において、前記側面23aの垂線と前記直線とのなす入射角度が前記窓部材23の屈折率で決まる全反射角よりも小さい角度となる高さまでに前記側面23aの高さが制限され、前
記発光部33の前記発光点から前記中心側面(天面23c、中間面23b)へ伸びる直線と前記中心側面の垂線とのなす角度が、前記窓部材23の屈折率で決まる全反射角よりも小さい角度となるように、前記中心側面の位置が決定されている。
上記の構成によれば、発光部33から発した検知光33aが窓部材23の側面23aにて全反射することなく前記側面23aから外部へ出射する。また、中心側面に入射した前記検知光33aは全反射することなく前記中心側面から外部へ出射する。これにより、前記発光部33が発した前記検知光33aが前記窓部材23の外周面にて全反射し、受光部34へ入射する事態を抑制でき、クロストークを低減することができる。
本発明の態様6に係る近接センサは、上記態様1において、前記発光部33および前記受光部34と前記窓部材23との間に遮蔽部材22が設けられ、前記遮蔽部材22は、前記発光部33からの前記検知光33aが通過する発光通過孔22a、および前記受光部34への入射光が通過する受光通過孔22bを有し、前記発光部33の発光点と前記発光通過孔22aの端部とを結んだ直線が前記窓部材23の前記側面23aと交わることがないように、前記発光通過孔22aの開口部寸法および前記側面23aの高さが設定され、前記発光部33の前記発光点から前記中心側面(天面23cおよび中間面23b)へ伸びる直線と前記中心側面の垂線とのなす角度が、前記窓部材23の屈折率で決まる全反射角よりも小さい角度となるように、前記中心側面の位置が決定されている。
上記の構成によれば、発光部33が発した検知光33aは、窓部材23の側面23aへは入射せず、中心側面のみへ入射し、前記中心側面から外部へ出射する。これにより、前記発光部33が発した前記検知光33aが前記窓部材23の外周面にて全反射し、受光部34へ入射する事態を抑制でき、クロストークを低減することができる。
本発明の態様7に係る電子機器は、上記態様1から6のいずれかの近接センサを備えているので、前記近接センサによりクロストークの少ない検出動作を行うことができる。
本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
11〜14 近接センサ
21 近接センサモジュール
22 遮蔽部材
22a 発光通過孔
22b 受光通過孔
23 窓部材
23a 側面
23b 中間面
23c 天面
31 基板
32 遮蔽樹脂層
32a 発光部配置領域
32b 受光部配置領域
33 発光部
33a 検知光
34 受光部
35 透過樹脂層
36 透過樹脂層

Claims (7)

  1. 発光部および受光部の前方に窓部材が設けられ、前記発光部が発した検知光が前記窓部材から外部へ出射する一方、被検知物からの前記検知光の反射光が前記窓部材から入射し、前記受光部へ入射する近接センサにおいて、
    前記窓部材は、前記発光部および前記受光部の前方へ突出した形状であり、外周面として、前記発光部側から前方へ立ち上がった側面、および前記側面よりも前記窓部材の中心側の中心側面を有し、
    前記中心側面へ入射した前記検知光は、前記中心側面にて全反射することなく、前記中心側面から外部へ出射するようになっていることを特徴とする近接センサ。
  2. 前記検知光は、前記側面へ入射し、前記側面にて全反射することなく前記側面から外部へ出射するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の近接センサ。
  3. 前記検知光は、前記側面へは入射せず、前記中心側面のみへ入射するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の近接センサ。
  4. 前記発光部および前記受光部と前記窓部材との間に遮蔽部材が設けられ、
    前記遮蔽部材は、前記発光部からの前記検知光が通過する発光通過孔、および前記受光部への入射光が通過する受光通過孔を有していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の近接センサ。
  5. 前記発光部および前記受光部と前記窓部材との間に遮蔽部材が設けられ、
    前記遮蔽部材は、前記発光部からの前記検知光が通過する発光通過孔、および前記受光部への入射光が通過する受光通過孔を有し、
    前記発光部の発光点と前記発光通過孔の端部とを結んだ直線が前記窓部材の前記側面と交わる第1の点において、前記側面の垂線と前記直線とのなす入射角度が前記窓部材の屈折率で決まる全反射角よりも小さい角度となる高さまでに前記側面の高さが制限され、
    前記発光部の前記発光点から前記中心側面へ伸びる直線と前記中心側面の垂線とのなす角度が、前記窓部材の屈折率で決まる全反射角よりも小さい角度となるように、前記中心側面の位置が決定されていることを特徴とする請求項1に記載の近接センサ。
  6. 前記発光部および前記受光部と前記窓部材との間に遮蔽部材が設けられ、
    前記遮蔽部材は、前記発光部からの前記検知光が通過する発光通過孔、および前記受光部への入射光が通過する受光通過孔を有し、
    前記発光部の発光点と前記発光通過孔の端部とを結んだ直線が前記窓部材の前記側面と交わることがないように、前記発光通過孔の開口部寸法および前記側面の高さが設定され、
    前記発光部の前記発光点から前記中心側面へ伸びる直線と前記中心側面の垂線とのなす角度が、前記窓部材の屈折率で決まる全反射角よりも小さい角度となるように、前記中心側面の位置が決定されていることを特徴とする請求項1に記載の近接センサ。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の近接センサを備えていることを特徴とする電子機器。
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