JP2017067134A - 電動式パワーステアリング装置用の軸連結機構 - Google Patents

電動式パワーステアリング装置用の軸連結機構 Download PDF

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Shuichi Yamaguchi
修市 山口
昇 中川
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Hiroyuki Kikuchi
宏之 菊池
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Abstract

【課題】回転軸と回転伝達体との径方向の衝突を回避でき、運転者に不快な操舵感覚を与える異音の発生を抑止できる電動式パワーステアリング装置用の軸連結機構を提供すること。【解決手段】電動式パワーステアリング装置用の軸連結機構1は、回転軸2に連結された連結基体3と、回転軸4に連結された連結基体5と、両連結基体3及び5を介して回転軸2と回転軸4との間に配されていると共に回転軸2の軸心線Oを中心とした軸心周りの方向Rの回転を回転軸4に伝達する一対の剛性の回転伝達部材6及び7を有した回転伝達体8と、軸方向Xにおいて回転伝達部材6及び7間に配されていると共に回転伝達部材6及び7に軸方向Xにおいて重ね合わされて当該回転伝達部材6及び7に挟まれた弾性部材9とを具備している。【選択図】図1

Description

本発明は、電動式パワーステアリング装置における電動モータ等の回転源側の回転軸と自動車のステアリング軸等の作動側の回転軸とを連結するに適した軸連結機構に関する。
電動式パワーステアリング装置は、手動操作されるステアリングホイール(ハンドル)の回転に基づく回転力に電動モータの出力回転軸の回転に基づく回転力を付加してステアリングホイールの手動による操舵を容易に行い得るようにするものであって、斯かる電動式パワーステアリング装置においては、ステアリングホイール側のステアリング軸と電動モータの出力回転軸側の回転軸とを軸連結機構(カップリング)を介して連結している。
軸連結機構を介してステアリング軸と回転軸とを連結する場合、電動モータの出力回転軸の反転時の衝撃、電動モータのブラシ振動が軸連結機構及びステアリング軸を介してステアリングホイールに伝達されて運転者に不快な操舵感を生じさせる虞があり、これを回避するために軸連結機構にゴム又は軟質樹脂等のスペーサを設けることが提案されている。
特表2002−518242号公報 特開2004−148990号公報 特開2004−149070号公報 特開2006−183676号公報
ところで、特許文献4には、電動モータ側の回転軸とステアリング側の回転軸との間に配されていると共に電動モータ側の回転軸の回転をステアリング側の回転軸に伝達する回転伝達体の一対の剛性の回転伝達部材とこの一対の回転伝達部材間に配されている弾性部材とが回転軸に装着された軸連結機構が開示されているが、斯かる軸連結機構では、両回転軸間において軸心変位(心ずれ)が生じて回転軸と回転伝達体の回転伝達部材とが径方向において衝突すると、これら回転軸と回転伝達部材とが互いに剛性であるために、異音(衝突音)が生じ、斯かる軸連結機構が自動車の電動式パワーステアリング装置に用いられると、自動車の乗員に不快感、特に、運転者に不快な操舵感覚を与えることになる。
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、回転軸と回転伝達体との径方向の衝突を回避でき、運転者に不快な操舵感覚を与える異音の発生を抑止できる電動式パワーステアリング装置用の軸連結機構を提供することにある。
第一の回転軸の回転を第二の回転軸に伝達するように第一及び第二の回転軸の間に配されて第一及び第二の回転軸を相互に連結する本発明による軸連結機構は、回転伝達体と、この回転伝達体に軸方向において重ね合わされた弾性部材とを具備しており、回転伝達体は、第一の内周面及び第一の外周面を有した第一の基部と、軸心周りの方向において互いに離間していると共に第一の外周面から径方向に伸びた少なくとも一対の第一の径方向突部とを有しており、弾性部材は、軸方向において第一の基部に重ね合わされていると共に第二の内周面及び第二の外周面を有した第二の基部と、軸方向において回転伝達体の第一の径方向突部に重ね合わされていると共に第二の外周面から径方向に伸びた少なくとも一対の第二の径方向突部とを有しており、第二の基部は、第一の基部の剛性よりも小さな剛性を有すると共に弾性変形可能であり、一対の第二の径方向突部の夫々は、一対の第一の径方向突部の剛性よりも小さな剛性を有すると共に弾性変形可能であり、且つ、当該第二の径方向突部に軸方向において重ね合わされている第一の径方向突部における軸心周りの方向の幅よりも大きな幅を有しており、第二の内周面は、第一の内周面の最小径よりも小さな最小径を有しており、第二の外周面は、第一の外周面の最大径よりも大きな最小径を有している。
本発明による軸連結機構によれば、第二の内周面が第一の内周面の最小径よりも小さな最小径を有しているために、第二の内周面の最小径で規定される貫通孔に軸が挿入された場合に、第一の回転軸及び第二の回転軸間において軸心ずれが生じても、第一の内周面への軸の外周面の接触、衝突を第二の内周面で阻止でき、而して、軸と回転伝達体との径方向の衝突を回避でき、運転者に不快な操舵感覚を与える異音の発生を抑止でき、しかも、第二の外周面は、第一の外周面の最大径よりも大きな最小径を有しているために、第一の連結基体の第一の軸方向突部が、軸心周りの方向における一対の第一の径方向突部間のうちの一方の第一の径方向突部間に配される一方、第二の連結基体の第二の軸方向突部が、軸心周りの方向における一対の第一の径方向突部間のうちの他方の第一の径方向突部間に配された場合に、同じく第一の回転軸及び第二の回転軸間において軸心ずれが生じても、第一の外周面への第一及び第二の軸方向突部の内面の接触、衝突を第二の外周面で阻止でき、而して、第一及び第二の軸方向突部の内面と第一の外周面との径方向の衝突を回避でき、これによっても、運転者に不快な操舵感覚を与える異音の発生を抑止できる。
加えて、本発明による軸連結機構によれば、一対の第二の径方向突部の夫々は、一対の第一の径方向突部の剛性よりも小さな剛性を有すると共に弾性変形可能であり、且つ、当該第二の径方向突部に軸方向において重ね合わされている第一の径方向突部における軸心周りの方向の幅よりも大きな幅を有しているために、一方の回転軸の回転の他方の回転軸への伝達が一対の第二の径方向突部の弾性変形後に行われる結果、一方の回転軸の微小な回転の他方の回転軸への伝達を一対の第二の径方向突部の弾性変形で低減又は阻止できると共に一方の回転軸の他方の回転軸に対する大きな相対回転の他方の回転軸への伝達を一対の第二の径方向突部よりも大きな剛性を有している第一の径方向突部を介してそのまま行い得、しかも、一対の第二の径方向突部における軸心周りの方向の一定以上の弾性変形では大きい剛性をもった一対の第一の径方向突部で一対の第二の径方向突部の大きな変形を阻止できるために、一対の第二の径方向突部の大きな変形による機械的疲労を低減でき、一対の第二の径方向突部に対して柔軟性のある剛性の小さい樹脂材料を用いた場合には、樹脂材料のクリープによる一対の第二の径方向突部の永久的な変形をも低減できる。
本発明において、回転伝達体は、好ましくは、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂等の硬質の樹脂から形成されるが、その他の剛性を呈する硬質の樹脂から形成されていてもよく、一方、弾性部材は、その全体がウレタンゴム、ポリエステルエラストマー等のゴム弾性体から形成されているとよいが、これに代えて、回転伝達体と同様の硬質の樹脂から形成された芯部と、この芯部を覆ていると共にウレタンゴム、ポリエステルエラストマー等のゴムからなる被覆部とを有した、所謂、二色成形体からなっていてもよく、例えば、第二の基部は、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂等の剛性を呈する硬質の樹脂から形成された芯部と、第一の基部の剛性よりも小さな剛性を有すると共に弾性変形可能であるウレタンゴム、ポリエステルエラストマー等のゴム弾性体からなって、芯部を覆う被覆部とを有していてもよく、斯かる第二の基部の被覆部で、剛性の回転伝達体の第一の内周面への一方の回転軸の外周面の接触、衝突を弾性的に阻止するようにしてもよく、同様に、一対の第二の径方向突部の夫々は、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂等の硬質の樹脂から形成された芯部と、第一の径方向突部の剛性よりも小さな剛性を有すると共に弾性変形可能であるウレタンゴム、ポリエステルエラストマー等のゴム弾性体からなって、芯部を覆う被覆部とを有していてもよく、斯かる一対の第二の径方向突部の夫々の被覆部の弾性変形で、一方の回転軸の微小な回転の他方の回転軸への伝達を低減又は阻止するようにしてもよく、また、一対の第二の径方向突部の全体又はその被覆部がウレタンゴム、ポリエステルエラストマー等のゴム弾性体から形成されている必要はなく、例えば、軸心周りの方向で弾性撓み変形できるように、径方向に伸びた隙間をもって一対の第二の径方向突部の夫々が形成されていてもよい。
本発明では、第一の内周面は、軸心周りの方向に配列された複数の円弧状凹面を具備していてもよく、この場合、第一の内周面の最小径は、径方向において対面する一対の円弧状凹面間で規定されていてもよい。
更に本発明では、第二の内周面は、軸心周りの方向において配列された複数対の円弧状凹面と、軸心周りの方向において各対の円弧状凹面間に配された楔状凸面とを具備していてもよく、この場合、第二の内周面の最小径は、径方向において対面する一対の楔状凸面の頂部間で規定されていてもよく、第二の内周面の最小径が斯かる一対の楔状凸面の頂部で規定されていると、軸の外周面の第二の内周面への接触において第二の内周面の弾性変形を効果的に利用できる。
本発明の軸連結機構の好ましい例では、回転伝達体は、一対の回転伝達部材を具備しており、弾性部材は、この一対の回転伝達部材に軸方向において挟まれており、回転伝達部材の夫々は、該第一の内周面及び第一の外周面を有した該第一の基部と、軸心周りの方向において互いに離間していると共に第一の外周面から径方向に伸びた少なくとも一対の該第一の径方向突部とを有しており、弾性部材の第二の基部は、軸方向において一対の回転伝達部材の夫々の第一の基部に挟まれており、弾性部材の一対の第二の径方向突部は、軸方向において一対の回転伝達部材の夫々の第一の径方向突部に挟まれている。
斯かる好ましい例では、弾性部材が軸方向において一対の回転伝達部材に挟まれていると共に第二の内周面が一対の回転伝達部材の夫々の第一の内周面の最小径よりも小さな最小径を有しているために、第二の内周面で規定される貫通孔に軸が挿入された場合に、第一の回転軸及び第二の回転軸間において軸心ずれが生じても、一対の回転伝達部材の第一の内周面への軸の外周面の接触、衝突を第二の内周面で阻止でき、而して、軸の外周面と一対の回転伝達部材の第一の内周面との径方向の衝突を回避でき、運転者に不快な操舵感覚を与える異音の発生を抑止できる上に、一対の回転伝達部材で第一の回転軸の回転を第二の回転軸に伝達でき、耐久性を向上し得る。
上記の好ましい例では、一対の回転伝達部材を軸方向において相互に結合する結合機構を更に具備していてもよく、この結合機構は、好ましい例では、一方の回転伝達部材の一方の第一の径方向突部から他方の回転伝達部材の一方の第一の径方向突部に向かって伸びて当該他方の回転伝達部材の一方の第一の径方向突部の径方向の先端部に引っ掛けられた第一の結合部材と、他方の回転伝達部材の他方の第一の径方向突部から一方の回転伝達部材の他方の第一の径方向突部に向かって伸びて当該一方の回転伝達部材の他方の第一の径方向突部の径方向の先端部に引っ掛けられた第二の結合部材とを具備している。
一対の回転伝達部材を具備した本発明の軸連結機構の好ましい例において、上記のように、一対の回転伝達部材が結合機構を介して相互に結合されていると、組み付け性を向上できると共に弾性部材の弾性変形による一対の回転伝達部材の軸方向の相互の離反をなくし得て一対の回転伝達部材の軸方向の間隔の広がりを一定に抑えることができる。
好ましい例では、第一の結合部材は、一方の回転伝達部材の一方の第一の径方向突部に一体的に設けられていると共に当該一方の回転伝達部材の一方の第一の径方向突部から一方の第二の径方向突部の径方向の先端面を覆って他方の回転伝達部材の一方の第一の径方向突部まで軸方向に伸びた第一の結合板部と、この第一の結合板部の軸方向の先端に一体的に設けられていると共に他方の回転伝達部材の一方の第一の径方向突部の先端部に形成された凹所に嵌合される第一の爪部とを具備しており、第二の結合部材は、他方の回転伝達部材の他方の第一の径方向突部に一体的に設けられていると共に当該他方の回転伝達部材の他方の第一の径方向突部から他方の第二の径方向突部の径方向の先端面を覆って一方の回転伝達部材の他方の第一の径方向突部まで軸方向に伸びた第二の結合板部と、この第二の結合板部の軸方向の先端に一体的に設けられていると共に一方の回転伝達部材の他方の第一の径方向突部の先端部に形成された凹所に嵌合される第二の爪部とを具備している。
本発明の軸連結機構では、一対の回転伝達部材及び弾性部材の相互の位置を決定する位置決定機構を更に具備していてもよく、斯かる位置決定機構を具備していると、一対の回転伝達部材に対して弾性部材の効果を均等に得ることができ、位置決定機構の好ましい例は、一方の回転伝達部材の第一の基部に設けられていると共に軸方向において他方の回転伝達部材の第一の基部に向かって突出して当該他方の回転伝達部材の第一の基部まで伸びた少なくとも一個の突起と、他方の回転伝達部材の第一の基部に設けられている係合凹面と、弾性部材の第二の基部に設けられている係合凹面とを具備しており、突起は、他方の回転伝達部材の第一の基部及び弾性部材の第二の基部に設けられている係合凹面の夫々において当該他方の回転伝達部材の第一の基部及び弾性部材の第二の基部の夫々に係合している。
本発明による軸連結機構は、軸心周りの方向のスペーサとして二つの回転軸の間に配した回転伝達部材と弾性部材とを少なくとも一個具備していればよいのであるが、好ましい例では、第一の回転軸に連結される第一の連結基体と、第二の回転軸に連結される第二の連結基体とを具備しており、第一の連結基体は、第一の連結基部と、この第一の連結基部から軸方向に一体的に突出した第一の軸方向突部とを具備しており、第二の連結基体は、第二の連結基部と、この第二の連結基部から軸方向に一体的に突出した第二の軸方向突部とを具備しており、第一の連結基体及び第二の連結基体のうちの少なくとも一方は、その軸方向の一方の端面の中央部から軸方向に伸びると共に回転伝達部材及び弾性部材の第一の内周面及び第二の内周面で規定される貫通孔に配された軸を具備しており、第一の軸方向突部は、軸心周りの方向における一対の第一の径方向突部間のうちの一方の第一の径方向突部間及び軸心周りの方向における一対の第二の径方向突部間のうちの一方の第二の径方向突部間に配されており、第二の軸方向突部は、軸心周りの方向における一対の第一の径方向突部間のうちの他方の第一の径方向突部間及び軸心周りの方向における一対の第二の径方向突部間のうちの他方の第二の径方向突部間に配されており、この場合、一方の回転軸の他方の回転軸に対する相対的な初期回転で遊びが生じないようにするために、第一及び第二の軸方向突部は、軸心周りの方向のその各側面で、第一及び第二の回転軸の一定以下の相対回転では、軸心周りの方向において対面する第二の径方向突部の軸心周りの方向の側面に接触している一方、軸心周りの方向において対面する第一の径方向突部の軸心周りの方向の側面に、第一及び第二の回転軸の一定以下の相対回転では非接触となり、第一及び第二の回転軸の一定以上の相対回転では接触するようになっているとよく、第一の連結基体は、一方の回転軸に直接的に連結されて固着されていてもよいが、歯車機構等の他の回転伝達機構を介して一方の回転軸に間接的に連結されていてもよく、第二の連結基体の他方の連結基体も同様である。
上記の例で、軸は、第一の連結基体及び第二の連結基体のうちの少なくとも一方の軸方向の端面の中央部に一体的に設けられた軸部からなっていても、第一の回転軸及び第二の回転軸のうちの少なくとも一方の軸方向の軸端部からなっていてもよい。
本発明では、第一の軸方向突部及び第二の軸方向突部の夫々は、第二の外周面に接触する径方向の内面を有していてもよい。
本発明の軸連結機構は、電動式パワーステアリング装置用のものであってもよく、この場合、第一の回転軸は、電動モータの出力回転軸に連結されるようになっており、第二の回転軸は、自動車のステアリング軸に連結されるようになっていてもよい。
本発明によれば、軸と回転伝達部材との径方向の衝突を回避でき、運転者に不快な操舵感覚を与える異音の発生を抑止できる電動式パワーステアリング装置用の軸連結機構を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態の好ましい例の正面説明図である。 図2は、図1に示す例の一方及び他方の連結基体の斜視説明図である。 図3は、図1に示す例のIII−III線矢視断面説明図である。 図4は、図1に示す例の一対の回転伝達部材と弾性部材との組合せ体の正面説明図である。 図5は、図2に示す一方の連結基体の右側面説明図である。 図6は、図2に示す他方の連結基体の左側面説明図である。 図7は、図4に示す組合せ体の右側面説明図である。 図8は、図4に示す一方(左側)の回転伝達部材の正面説明図である。 図9は、図4に示す一方の回転伝達部材の左側面説明図である。 図10は、図4に示す一方の回転伝達部材の右側面説明図である。 図11は、図4に示す一方の回転伝達部材の斜視説明図である。 図12は、図4に示す他方(右側)の回転伝達部材の正面説明図である。 図13は、図4に示す他方の回転伝達部材の左側面説明図である。 図14は、図4に示す他方の回転伝達部材の右側面説明図である。 図15は、図4に示す他方の回転伝達部材の斜視説明図である。 図16は、図4に示す弾性部材の左側面説明図である。 図17は、図4に示す弾性部材の正面説明図である。
次に本発明の実施の形態を、図に示す好ましい具体例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら具体例に何等限定されないのである。
図1から図17において、本例の電動式パワーステアリング装置用の軸連結機構1は、回転軸2に連結された連結基体3と、回転軸4に連結された連結基体5と、両連結基体3及び5を介して回転軸2と回転軸4との間に配されていると共に回転軸2の軸心線Oを中心とした軸心周りの方向Rの回転を回転軸4に伝達する一対の剛性の回転伝達部材6及び7を有した回転伝達体8と、軸方向Xにおいて回転伝達部材6及び7間に配されていると共に回転伝達部材6及び7に軸方向Xにおいて重ね合わされて当該回転伝達部材6及び7に挟まれた弾性部材9と、互いに同様に形成されている一対の回転伝達部材6及び7の軸方向Xの相互の離反を禁止するように、一対の回転伝達部材6及び7を軸方向Xにおいて相互に結合する結合機構10と、回転伝達部材6及び7並びに弾性部材9の方向R及び軸心線Oを中心とした放射方向の方向である径方向Aにおける相互の位置を決定する位置決定機構11とを具備している。
回転軸2は、電動式パワーステアリング装置の電動モータ側の回転軸であり、例えば、電動モータの出力回転軸に連結されるようになっており、回転軸4は、自動車のステアリング軸側の回転軸であり、例えば、自動車のステアリング軸に連結されるようになっている。
剛性の連結基体3は、円板状の連結基部21と、連結基部21の円筒状の外周面22及び連結基部21の軸方向Xの一方の円形の端面23に、外周面22から径方向Aの外方に且つ端面23から軸方向Xに夫々一体的に突出していると共に方向Rにおいて90°の等角度間隔をもって一体的に設けられた二対(四個)の軸方向突部24と、端面23の中央部に当該端面23の中央部から軸方向Xに突出して一体的に設けられていると共に径r1の円筒状の外周面25を有した軸としての円柱状の軸部26と、連結基部21の軸方向Xの他方の円形の端面27の中央部に、当該端面27の中央部から軸方向Xに突出して一体的に設けられている円筒状の突部28と、連結基部21及び突部28に設けられていると共に回転軸2の一端部29がキー及びキー溝を介して嵌着された凹所30とを具備している。
軸方向突部24の夫々は、方向Rにおいて互いに対向する一対の剛性回転伝達面としての平坦な側面41及び42と、側面41及び42の夫々に連接されていると共に径方向Aにおいて互いに対向する円弧凸状の外面43及び径r1よりも大きい径r2を有した円弧凹状の内面44と、側面41及び42並びに外面43及び内面44に連接されている一方の平坦な軸方向端面55と、側面41及び42並びに外面43及び端面27に連接されていると共に端面27に面一の他方の平坦な軸方向端面56とを有している。
剛性の連結基体5は、円筒状の外周面61を有した円環状の連結基部62と、連結基部62の軸方向Xの一方の平坦な円環状面63に、当該円環状面63から軸方向Xに一体的に突出していると共に方向Rに90°の等角度間隔をもって一体的に設けられた二対(四個)の軸方向突部64と、回転軸4の一端部がキー及びキー溝を介して嵌着された貫通孔65とを具備している。
軸方向突部64の夫々もまた、方向Rにおいて互いに対面する一対の剛性回転伝達面としての平坦な側面71及び72と、外周面61並びに側面71及び72の夫々に連接されていると共に外周面61に面一の円弧凸状の外面73と、径方向Aにおいて外面73と対向すると共に内面44の径r2と同じ径r2を有した円弧凹状の内面74と、側面71及び72並びに外面73及び内面74に連接されている平坦な軸方向端面75とを有している。
ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂等から一体に形成されている剛性の回転伝達部材6は、軸心線Oに関し連結基部21及び62と同心に配されていると共に内周面81及び円筒状の外周面82を有した基部83と、方向Rにおいて45°の等角度間隔で互いに離間して外周面82から径方向Aの外方に伸びて基部83に一体的に設けられていると共に方向Rにおいて幅dを有した四対(八個)の径方向突部84とを有している。
内周面81は、方向Rに配列された四個の円弧状凹面85と、方向Rにおいて90°の角度間隔で離間して円弧状凹面85間に配されていると共に方向Rにおいて隣接する円弧状凹面85の夫々に連接した四個の楔状の係合凹面86とを具備しており、内周面81は、最小径として、径方向Aにおいて互いに対面する一対の円弧状凹面85間で規定されていると共に径r1よりも大きく径r2よりも小さい径r3を有しており、外周面82は、径r3よりも大きく径r2と同径の径r4を有している。
径方向突部84の夫々は、基部83の軸方向Xの一方の平坦な端面91に面一の軸方向Xの一方の平坦な端面92及び基部83の軸方向Xの他方の平坦な端面93に面一の軸方向Xの他方の平坦な端面94に加えて、外周面22及び61と同径であって径方向Aの先端の円弧凸状の外面95と、外面95並びに端面92及び94に連接されていると共に方向Rにおいて一対の剛性回転伝達面としての平坦な側面96及び97とを有しており、幅dは、方向Rにおいて側面96及び97間で規定されている。
回転伝達部材6と同様にポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂等から一体に形成されている剛性の回転伝達部材7は、軸心線Oに関し連結基部21及び62と同心に配されていると共に内周面101及び円筒状の外周面102を有した基部103と、方向Rにおいて45°の等角度間隔で互いに離間して外周面102から径方向Aの外方に伸びて基部103に一体的に設けられていると共に方向Rにおいて径方向突部84の幅dと同一の幅dを有した四対(八個)の径方向突部104とを有している。
内周面101は、方向Rに配列された四個の円弧状凹面105と、方向Rにおいて90°の角度間隔で離間して円弧状凹面105間に配されていると共に方向Rにおいて隣接する円弧状凹面105の夫々に連接し、しかも、係合凹面86と同形の四個の楔状の係合凹面106とを具備しており、内周面101は、最小径として、径方向Aにおいて対面する一対の円弧状凹面105間で規定されていると共に径r1よりも大きく径r2よりも小さく内周面81の最小径としての径r3と同径の径r5を有しており、外周面102は、径r3よりも大きく径r2及びr4と同径の径r6を有している。
径方向突部104の夫々は、基部103の軸方向Xの一方の平坦な端面111に面一の軸方向Xの一方の平坦な端面112及び基部103の軸方向Xの他方の平坦な端面113に面一の軸方向Xの他方の平坦な端面114に加えて、外周面22及び外周面61と同径であって径方向Aの先端の円弧凸状の外面115と、外面115並びに端面112及び114に連接されていると共に方向Rにおいて一対の剛性回転伝達面としての平坦な側面116及び117とを有しており、幅dは、方向Rにおいて側面116及び117間で規定されている。
回転伝達部材6と回転伝達部材7とは、軸方向Xにおいて弾性部材9を間にして、基部83と基部103とが、径方向突部84の夫々と径方向突部104の夫々とが夫々軸方向Xにおいて互いに対面するようにして同心に配されている。
回転伝達部材6及び7よりも小さな剛性を有すると共に弾性変形可能であってウレタンゴム、ポリエステルエラストマー等のゴム弾性体から一体形成されており、しかも、一対の回転伝達部材6及び7に軸方向Xにおいて重ね合わされて挟まれている弾性部材9は、軸方向Xの一方の平坦な端面121で端面93に、軸方向Xの他方の平坦な端面122で端面113に夫々重ね合わされて、軸方向Xにおいて基部83及び103に挟まれて基部83及び103と同心をもって配されていると共に内周面123及び円筒状の外周面124を有し、しかも、基部83及び103の剛性よりも小さな剛性を有すると共に弾性変形可能である基部125と、軸方向Xにおいて対応の径方向突部84及び104に挟まれて対応の径方向突部84及び104に重ね合わされていると共に外周面124から径方向Aに伸びた四対(八個)の径方向突部126とを有している。
内周面123は、方向Rにおいて45°の等角度間隔で互いに離間して配列されていると共に円弧状凹面85及び105と同径の径をもった4対の円弧状凹面131及び132と、方向Rにおいて各対の円弧状凹面131及び132間に配されていると共に円弧状凹面131及び132に連接された四対(八個)の楔状凸面133と、径方向突部126に対応して方向Rにおいて45°の等角度間隔で互いに離間して配列されていると共に円弧状凹面131及び方向Rにおいて円弧状凹面131に隣接する円弧状凹面132の夫々に連接され、しかも、係合凹面86及び106と同形の四個の楔状の係合凹面134とを具備しており、最小径として、径方向Aにおいて対面する一対の楔状凸面133の頂部135間で規定されていると共に内周面81及び101の最小径である径r3及びr5よりも小径であって径r1と同径の径r7を有しており、外周面124は、最小径として、外周面82及び102の最大径であるr4及びr6よりも大きく径r2と同径の径r8を有している。
径方向突部84及び104の夫々の剛性よりも小さな剛性を有すると共に径方向突部84及び104の夫々と同様に方向Rにおいて45°の等角度間隔で互いに離間して配されて、しかも、弾性変形可能である径方向突部126の夫々は、方向Rにおいて幅dよりも大きな幅Dを有していると共に端面121に面一の軸方向Xの一方の平坦な端面141及び端面122に面一の軸方向Xの他方の平坦な端面142に加えて、外周面22及び61並びに外面95及び115と同径であって径方向Aの先端の円弧凸状の外面143と、外面143並びに端面141及び142に連接されていると共に方向Rにおいて平坦な側面144及び145とを有しており、幅Dは、方向Rにおいて側面144及び145間で規定されている。
結合機構10は、一つ置きの径方向突部84から軸方向Xにおいて当該径方向突部84に対面する一つ置きの径方向突部104に向かって伸びて当該径方向突部104の径方向の先端部151に引っ掛けられた四個の結合部材152と、残る一つ置きの径方向突部104から軸方向Xにおいて当該径方向突部104に対面する残る一つ置きの径方向突部84に向かって伸びて当該径方向突部84の径方向の先端部153に引っ掛けられた結合部材154とを具備している。
一方の結合部材152は、一つ置きの径方向突部84の外面95に一体的に設けられていると共に当該径方向突部84から対応の一つ置きの径方向突部126の径方向Aの先端面である外面143を覆って対応の一つ置きの径方向突部104まで軸方向Xに伸びた結合板部161と、当該結合板部161の軸方向Xの先端に一体的に設けられていると共に対応の一つ置きの径方向突部104の先端部の外面115に形成された凹所(切欠き)162に嵌合される爪部163とを具備している。
他方の結合部材154は、残る一つ置きの径方向突部104の外面115に一体的に設けられていると共に当該径方向突部104から対応の残る一つ置きの径方向突部126の径方向Aの先端面である外面143を覆って対応の残る一つ置きの径方向突部84まで軸方向Xに伸びた結合板部165と、当該結合板部165の軸方向Xの先端に一体的に設けられていると共に対応の残る一つ置きの径方向突部84の先端部の外面95に形成された凹所(切欠き)166に嵌合される爪部167とを具備している。
斯かる結合部材152及び154を具備した結合機構10は、回転伝達部材6及び7で弾性部材9を軸方向Xに挟み込んで、弾性部材9の方向Rの弾性変形に起因する弾性部材9の軸方向Xの膨出、即ち、弾性部材9の厚み方向の膨出を許容しつつ回転伝達部材6及び7並びに弾性部材9の軸方向Xの大きな離反を阻止して互いに密接した重なりを保持している。
位置決定機構11は、基部83の端面93に一体的に設けられていると共に軸方向Xにおいて基部103に向かって突出して基部103まで伸びた四個の三角柱状の突起171と、基部103の端面113に一体的に設けられていると共に軸方向Xにおいて基部83に向かって突出して基部83まで伸びた四個の三角柱状の突起172と、係合凹面86、106及び134とを具備している。
方向Rにおいて90°の等角度間隔で互いに離間して配列されていると共に方向Rにおいて係合凹面86間に配され、しかも、凹所(切欠き)166を具備した径方向突部84に対応して設けられた突起171の夫々は、係合凹面106及び134と相補的な楔状の係合凸面175と、円弧状凹面85と面一の円弧状凹面176とを具備しており、係合凸面175で対応の係合凹面106及び134に接触して基部103及び125の夫々に係合しており、方向Rにおいて90°の等角度間隔で互いに離間して配列されていると共に方向Rにおいて係合凹面106間に配され、しかも、凹所(切欠き)162を具備した径方向突部104に対応して設けられた突起172の夫々は、係合凹面86及び134と相補的な楔状の係合凸面177と、円弧状凹面105と面一の円弧状凹面178とを具備しており、係合凸面177で対応の係合凹面86及び134に接触して基部83及び125の夫々に係合している。
突起171及び突起172を具備した位置決定機構11は、これら突起171及び突起172が係合凹面106及び134並びに係合凹面86及び134に接触して基部83、基部103及び125の夫々に係合することにより、回転伝達部材6及び7並びに弾性部材9の方向R及び径方向Aにおける相互の位置を決定している。
回転軸2の方向Rの回転を回転軸4に伝達するように軸方向Xにおいて回転軸2及び4の間に配されて回転軸2及び4を相互に連結する軸連結機構1では、四個の円弧状凹面85と円弧状凹面178とで規定された径r3を有する貫通孔181、円弧状凹面131及び132、楔状凸面133並びに円弧状凹面176及び178で規定されると共に径r7で規定される最小径をもった貫通孔182並びに四個の円弧状凹面105と円弧状凹面176とで規定された径r5を有する貫通孔183には、軸部26が配されており、貫通孔181には、外周面25と四個の円弧状凹面85及び円弧状凹面178との間に(r3−r1)/2の隙間をもって軸部26が配されており、貫通孔183には、外周面25と四個の円弧状凹面105及び円弧状凹面176との間に(r5−r1)/2=(r3−r1)/2の隙間をもって軸部26が配されており、貫通孔182には、頂部135で外周面25が接触する一方、円弧状凹面131及び132並びに円弧状凹面176及び178との間に(r3−r1)/2と同一の隙間をもって軸部26が配されており、軸方向突部24の夫々は、方向Rにおいて、径方向突部84間、径方向突部104間及び径方向突部126間のうちの一つ置きの径方向突部84間、径方向突部104間及び径方向突部126間に配されており、軸方向突部64の夫々は、方向Rにおいて、径方向突部84間、径方向突部104間及び径方向突部126間のうちの残る一つ置きの径方向突部84間、径方向突部104間及び径方向突部126間に配されており、回転軸2及び4の一定以下の方向Rの相対回転(捩じり)、即ち、(D−d)/2以下の方向Rの相対回転(捩じり)では、各軸方向突部24は、その各側面41及び42で、方向Rにおいて対面する側面144及び145に夫々接触している一方、方向Rにおいて対面する側面97及び96並びに側面116及び117に夫々非接触となっており、各軸方向突部64は、方向Rのその各側面71及び72で、方向Rにおいて対面する側面145及び144に夫々接触している一方、方向Rにおいて対面する側面97及び96並びに側面116及び117に夫々非接触となっており、各軸方向突部24は、その内面44で、外周面124に接触している一方、(r2−r4)/2=(r2−r6)/2の隙間をもって外周面82及び102に夫々非接触となっており、各軸方向突部64は、その内面74で、外周面124に接触している一方、(r2−r4)/2=(r2−r6)/2の隙間をもって外周面82及び102に夫々非接触となっている。
以上の軸連結機構1を具備した電動式パワーステアリング装置では、ステアリングホイールが運転者により手動操作されると、回転軸4が方向Rに回転されて、回転軸4の方向Rの回転は、図示しない歯車等の伝達機構を介してドラッグ・リンク等に往復動として伝達されて操向輪(車輪)に対する操舵力を与える。運転者によるステアリングホイールの手動操作において、ステアリングホイールに加えられるトルクを検出するトルク検出器からの検出信号により制御される電動モータが作動されると、回転軸2が方向Rに回転されて、回転軸4に対して回転軸2が一定以上、すなわち幅Dと幅dとの差の半分程度以上に方向Rに相対回転されようとする場合には、軸方向突部24による径方向突部126の方向Rの変形後における側面97及び116への側面41の接触又は側面96及び117への側面42の接触に基づく軸方向突部24による径方向突部84及び104の方向Rへの押圧を介して連結基体3の方向Rの回転が軸方向突部64に伝達されて、軸方向突部64の方向Rの回転による連結基体5の方向Rの回転で、回転軸4の方向Rの回転力に対して回転軸2の方向Rの回転力を付加して運転者によるステアリングホイールの手動操作を補助するようになっている。
このように、軸連結機構1を具備した電動式パワーステアリング装置では、回転軸4に対して回転軸2が一定以上、すなわち幅Dと幅dとの差の半分程度以上に方向Rに相対回転されようとする場合には、軸方向突部24による径方向突部84及び104の方向Rへの押圧でもって斯かる一定以上の方向Rの相対回転に応答して回転軸2の方向Rの回転を回転軸4に伝達して回転軸4の回転を補助するようになっている。
軸連結機構1では、ステアリングホイールが運転者により手動操作されないで回転軸4がR方向に回転されない状態又はステアリングホイールが運転者により手動操作されて回転軸4がR方向に回転される状態のいずれの状態においても、回転軸4に対する回転軸2のR方向の相対回転が幅Dと幅dとの差の半分程度以内の微小なものである場合には、径方向突部126が容易にR方向に圧縮変形する結果、斯かる回転軸4に対する回転軸2の微小なR方向の相対回転は回転軸4には殆ど伝達されず、而して、軸連結機構1及び回転軸4を介する電動モータの反転時の衝撃、ブラシ振動のステアリングホイールへの伝達を低減でき操舵感覚を不快にさせないようにできる上に、径方向突部126の一定以上のR方向の圧縮変形後、側面97及び116への側面41の接触又は側面96及び117への側面42の接触が生じて径方向突部126のそれ以上のR方向の圧縮変形を抑止できる結果、径方向突部126の夫々のクリープによるへたりを防止でき、軸方向突部24及び64と径方向突部126とのR方向における側面41及び42並びに側面71及び72と側面145及び144との互いの接触を長期に亘って維持でき、回転軸4と回転軸2との間にR方向についてのガタが生じ難いことになり、而して、操舵感覚を不快にさせないと共に耐久性に優れ特性の安定したものとし得、加えて、回転伝達部材6及び7は、ステアリングホイールの運転者による手動操作で回転軸4がR方向に回転されると共に電動モータの作動で回転軸2がR方向に回転されて回転軸4に対して回転軸2が一定以上、すなわち幅Dと幅dとの差の半分程度以上にR方向に相対回転されようとする場合には、側面97及び116への側面41の接触又は側面96及び117への側面42の接触に基づく軸方向突部24による径方向突部84及び104のR方向への押圧でもって斯かる一定以上のR方向の相対回転に応答して回転軸2のR方向の回転を回転軸4に伝達して回転軸4の回転を補助するようになる。
即ち、軸連結機構1では、径方向突部126の夫々は、径方向突部84及び104の剛性よりも小さな剛性を有すると共に弾性変形可能であり、且つ、当該径方向突部126に軸方向Xにおいて重ね合わされている径方向突部84及び104における方向Rの幅dよりも大きな幅Dを有しているために、回転軸2の方向Rの回転の回転軸4への伝達が径方向突部126の弾性変形を介して行われる結果、回転軸2の微小な方向Rの回転の回転軸4への伝達を径方向突部126の弾性変形で低減又は阻止できると共に回転軸2の回転軸4に対する大きな方向Rの相対回転の回転軸4への伝達を径方向突部126よりも大きな剛性を有している径方向突部84及び104を介してそのまま行い得、しかも、径方向突部126における方向Rの一定以上の弾性変形では大きい剛性をもった径方向突部84及び104で径方向突部126の夫々の大きな変形を阻止できるために、径方向突部126の大きな変形による機械的疲労を低減でき、径方向突部126に対して柔軟性のある剛性の小さい樹脂材料を用いた場合には、樹脂材料のクリープによる径方向突部126の永久的な変形をも低減できる上に、径方向突部126の弾性変形を介して回転軸2の方向Rの回転の回転軸4への伝達を行うので、径方向突部126を柔軟性のある剛性の小さい樹脂材料を用いることができるので、長期に亘って当該低減又は阻止効果を維持でき、その上、回転伝達部材6及び7並びに弾性部材9が結合機構10を介して相互に連結されているために、組み付け性を向上できる。
しかも、軸連結機構1によれば、内周面81及び101の夫々が内周面123の最小径である径r7よりも大きな径r3及びr5を有しているために、貫通孔181及び183に軸部26が挿入された場合に、回転軸2及び4間において軸心ずれが生じても、四個の円弧状凹面85及び178と四個の円弧状凹面105及び176への外周面25の接触、衝突を頂部135で外周面25に接触する楔状凸面133で阻止でき、而して、軸部26の外周面25と回転伝達部材6の四個の円弧状凹面85及び178と回転伝達部材7の四個の円弧状凹面105及び176との径方向Aの衝突を回避でき、運転者に不快な操舵感覚を与える異音の発生を抑止できる。
また、軸連結機構1によれば、回転伝達部材6及び7並びに弾性部材9が位置決定機構11を介して相互に方向R及び径方向Aに関して位置決めされているために、回転軸2及び4の相対的な方向Rの両方の回転に対して回転伝達部材6及び7並びに弾性部材9による効果を均等に得ることができる。
加えて、軸連結機構1においては、内面44及び74に接触する外周面124が外周面82及び102の径r4及びr5よりも大きな径r8を有しているために、内面44及び74と外周面82及び102との衝突をも回避でき、斯かる衝突による運転者に不快な操舵感覚を与える異音の発生をも抑止できる。
上記の例の軸連結機構1は、一個の弾性部材9からなっているが、これに代えて、二個以上の弾性部材9からなっていてもよく、回転伝達体8は、回転伝達部材6又は回転伝達部材7のいずれかからなっていてもよい一方、三個以上の回転伝達部材からなっていてもよい。軸方向突部24及び64、径方向突部84及び104並びに径方向突部126は、上記の個数に限らないのであり、また、軸部26を連結基部62に設けてもよく、更には、軸部26は、回転軸2又は4のうちの少なくとも一方の軸方向の軸端部からなっていてもよい。
1 軸連結機構
2、4 回転軸
3、5 連結基体
6、7 回転伝達部材
8 回転伝達体
9 弾性部材
10 結合機構
11 位置決定機構

Claims (16)

  1. 第一の回転軸の回転を第二の回転軸に伝達するように第一及び第二の回転軸の間に配されて第一及び第二の回転軸を相互に連結する軸連結機構であって、回転伝達体と、この回転伝達体に軸方向において重ね合わされた弾性部材とを具備しており、回転伝達体は、第一の内周面及び第一の外周面を有した第一の基部と、軸心周りの方向において互いに離間していると共に第一の外周面から径方向に伸びた少なくとも一対の第一の径方向突部とを有しており、弾性部材は、軸方向において第一の基部に重ね合わされていると共に第二の内周面及び第二の外周面を有した第二の基部と、軸方向において回転伝達体の第一の径方向突部に重ね合わされていると共に第二の外周面から径方向に伸びた少なくとも一対の第二の径方向突部とを有しており、第二の基部は、第一の基部の剛性よりも小さな剛性を有すると共に弾性変形可能であり、一対の第二の径方向突部の夫々は、一対の第一の径方向突部の剛性よりも小さな剛性を有すると共に弾性変形可能であり、且つ、当該第二の径方向突部に軸方向において重ね合わされている第一の径方向突部における軸心周りの方向の幅よりも大きな幅を有しており、第二の内周面は、第一の内周面の最小径よりも小さな最小径を有しており、第二の外周面は、第一の外周面の最大径よりも大きな最小径を有している軸連結機構。
  2. 第一の内周面は、軸心周りの方向に配列された複数の円弧状凹面を具備しており、第一の内周面の最小径は、径方向において対面する一対の円弧状凹面間で規定されている請求項1に記載の軸連結機構。
  3. 第二の内周面は、軸心周りの方向において配列された複数対の円弧状凹面と、軸心周りの方向において各対の円弧状凹面間に配された楔状凸面とを具備しており、第二の内周面の最小径は、径方向において対面する一対の楔状凸面の頂部間で規定されている請求項1又は2に記載の軸連結機構。
  4. 回転伝達体は、一対の回転伝達部材を具備しており、弾性部材は、この一対の回転伝達部材に軸方向において挟まれており、回転伝達部材の夫々は、該第一の内周面及び該第一の外周面を有した該第一の基部と、軸心周りの方向において互いに離間していると共に第一の外周面から径方向に伸びた少なくとも一対の該第一の径方向突部とを有しており、弾性部材の第二の基部は、軸方向において一対の回転伝達部材の夫々の第一の基部に挟まれており、弾性部材の一対の第二の径方向突部は、軸方向において一対の回転伝達部材の夫々の第一の径方向突部に挟まれている請求項1から3のいずれか一項に記載の軸連結機構。
  5. 一対の回転伝達部材を軸方向において相互に結合する結合機構を更に具備している請求項4に記載の軸連結機構。
  6. 結合機構は、一方の回転伝達部材の一方の第一の径方向突部から他方の回転伝達部材の一方の第一の径方向突部に向かって伸びて当該他方の回転伝達部材の一方の第一の径方向突部の径方向の先端部に引っ掛けられた第一の結合部材と、他方の回転伝達部材の他方の第一の径方向突部から一方の回転伝達部材の他方の第一の径方向突部に向かって伸びて当該一方の回転伝達部材の他方の第一の径方向突部の径方向の先端部に引っ掛けられた第二の結合部材とを具備している請求項5に記載の軸連結機構。
  7. 第一の結合部材は、一方の回転伝達部材の一方の第一の径方向突部に一体的に設けられていると共に当該一方の回転伝達部材の一方の第一の径方向突部から一方の第二の径方向突部の径方向の先端面を覆って他方の回転伝達部材の一方の第一の径方向突部まで軸方向に伸びた第一の結合板部と、この第一の結合板部の軸方向の先端に一体的に設けられていると共に他方の回転伝達部材の一方の第一の径方向突部の先端部に形成された凹所に嵌合される第一の爪部とを具備している請求項6に記載の軸連結機構。
  8. 第二の結合部材は、他方の回転伝達部材の他方の第一の径方向突部に一体的に設けられていると共に当該他方の回転伝達部材の他方の第一の径方向突部から他方の第二の径方向突部の径方向の先端面を覆って一方の回転伝達部材の他方の第一の径方向突部まで軸方向に伸びた第二の結合板部と、この第二の結合板部の軸方向の先端に一体的に設けられていると共に一方の回転伝達部材の他方の第一の径方向突部の先端部に形成された凹所に嵌合される第二の爪部とを具備している請求項6又は7に記載の軸連結機構。
  9. 一対の回転伝達部材及び弾性部材の径方向における相互の位置を決定する位置決定機構を更に具備している請求項4から8のいずれか一項に記載の軸連結機構。
  10. 位置決定機構は、一方の回転伝達部材の第一の基部に設けられていると共に軸方向において他方の回転伝達部材の第一の基部に向かって突出して当該他方の回転伝達部材の第一の基部まで伸びた少なくとも一個の突起と、他方の回転伝達部材の第一の基部に設けられている係合凹面と、弾性部材の第二の基部に設けられている係合凹面とを具備しており、突起は、他方の回転伝達部材の第一の基部及び弾性部材の第二の基部に設けられている係合凹面の夫々において当該他方の回転伝達部材の第一の基部及び弾性部材の第二の基部の夫々に係合している請求項9に記載の軸連結機構。
  11. 第一の回転軸に連結される第一の連結基体と、第二の回転軸に連結される第二の連結基体とを更に具備しており、第一の連結基体は、第一の連結基部と、この第一の連結基部から軸方向に一体的に突出した第一の軸方向突部とを具備しており、第二の連結基体は、第二の連結基部と、この第二の連結基部から軸方向に一体的に突出した第二の軸方向突部とを具備しており、第一の連結基体及び第二の連結基体のうちの少なくとも一方は、その軸方向の一方の端面の中央部から軸方向に伸びると共に弾性部材の第二の内周面で規定される貫通孔に配された軸を具備しており、第一の軸方向突部は、軸心周りの方向における各対の第一の径方向突部間のうちの一方の第一の径方向突部間及び軸心周りの方向における一対の第二の径方向突部間のうちの一方の第二の径方向突部間に配されており、第二の軸方向突部は、軸心周りの方向における各対の第一の径方向突部間のうちの他方の第一の径方向突部間及び軸心周りの方向における一対の第二の径方向突部間のうちの他方の第二の径方向突部間に配されている請求項1から10のいずれか一項に記載の軸連結機構。
  12. 第一及び第二の軸方向突部は、軸心周りの方向のその各側面で、第一及び第二の回転軸の一定以下の相対回転では、軸心周りの方向において対面する第二の径方向突部の軸心周りの方向の側面に接触している一方、軸心周りの方向において対面する第一の径方向突部の軸心周りの方向の側面に、第一及び第二の回転軸の一定以下の相対回転では非接触となり、第一及び第二の回転軸の一定以上の相対回転では接触するようになっている請求項11に記載の軸連結機構。
  13. 軸は、第一の連結基体及び第二の連結基体のうちの少なくとも一方の軸方向の端面の中央部に一体的に設けられた軸部からなっている請求項11又は12に記載の軸連結機構。
  14. 軸は、第一の回転軸及び第二の回転軸のうちの少なくとも一方の軸方向の軸端部からなっている請求項11又は12に記載の軸連結機構。
  15. 第一の軸方向突部及び第二の軸方向突部の夫々は、第二の外周面に接触する径方向の内面を有している請求項11から14のいずれか一項に記載の軸連結機構。
  16. 電動式パワーステアリング装置用の軸連結機構であって、第一の回転軸は、電動モータの出力回転軸に連結されるようになっており、第二の回転軸は、自動車のステアリング軸に連結されるようになっている請求項1から15のいずれか一項に記載の軸連結機構。
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