JP2017067039A - ターボ形ポンプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】羽根車3を支持する主軸4がポンプケーシング1を貫通する部分にメカニカルシール5を備え、主軸4とモータのモータ軸7とをポンプ側軸継手10とモータ側軸継手11を用いて連結したターボ形ポンプであって、主軸4とポンプ側軸継手10との嵌め合い状態から主軸4を単独で移動させてポンプ側軸継手10との嵌め合いを解除できるように構成し、主軸4とポンプ側軸継手10との嵌め合い部分の寸法は、主軸4の軸端4eとポンプケーシング1の内面との対向距離に略等しいか又は短く設定されている。
【選択図】図2
Description
このようなターボ形ポンプの一種である遠心式ポンプでは、メンテナンス時に電動機を取り外さずにメカニカルシールを交換するため、2つ割りカップリング構造を採用し、メカニカルシール交換スペースを設けているものがある(特許文献1)。
上記2つ割りカップリング構造のような問題点が少なく、メンテナンス時に電動機を取り外さずにメカニカルシールを交換できる構造として、特許文献2には、羽根車を支持するポンプ軸にポンプ側軸継手を固定し、モータのモータ軸にモータ側軸継手を固定し、ポンプ側軸継手とモータ側軸継手との間にスペーサを介在せしめたポンプが記載されている。
特許文献2に記載されているようなモータ側軸継手とポンプ側軸継手との間にスペーサを介在せしめたカップリング構造は、長尺のメカニカルシールを交換するためのスペースをスペーサのみによって確保しているために、スペーサはメカニカルシール以上の長さを必要とする。そのため、スペーサが長尺で大型化することは勿論のこと、カップリング構造の外周側に配置されモータを支持するためのモータ台が長尺で大型化するという問題がある。
本発明の好ましい態様は、前記ねじ機構は、前記スペーサの中央部に形成された凹部に頭部を嵌合させたボルトと、前記主軸の軸方向に形成された雌ねじとからなることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記主軸と前記ポンプ側軸継手との嵌め合いを解除させたときに、前記主軸の軸端は前記ポンプケーシングの内面に当接することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記主軸と前記ポンプ側軸継手との嵌め合いを解除させた状態で、前記ポンプ側軸継手と前記スペーサとを取り外し、前記モータ側軸継手と前記主軸との間に前記メカニカルシール交換用のスペースを形成したことを特徴とする。
上記実施形態によれば、ポンプ側軸継手とスペーサとモータ側軸継手とを結合している締結具を取り外し、ボルトを緩める方向に回転させることにより、ボルトと主軸に形成された雌ねじとの螺合を解除してスペーサと主軸との連結を解けば、ポンプ側軸継手とスペーサとをモータ側軸継手および主軸から取り外すことができる。
本発明の実施形態によれば、前記締結具を取り外した状態で、前記スペーサを回転させることにより前記ボルトをスペーサとともに回転させることが可能である。
本発明の実施形態によれば、前記ボルトの頭部が前記モータ側軸継手の下端面に当接した状態で、前記スペーサを回転させることにより、ねじの推力により前記主軸を下降させる。
本発明の実施形態によれば、前記主軸の下降時に前記羽根車が下降しないように、前記羽根車は前記ポンプケーシングにより保持されている。
本発明の実施形態によれば、前記ボルトと前記主軸の雌ねじとの螺合が解除されたときに、前記主軸は前記ポンプ側軸継手から離脱する。
本発明の実施形態によれば、前記主軸を前記ポンプ側軸継手から離脱させた状態で、前記ポンプ側軸継手と前記スペーサとを取り外し、前記モータ側軸継手と前記主軸との間に前記メカニカルシール交換用のスペースを形成した。
(1)メカニカルシールは、モータおよびモータ側軸継手を取り外さずに、ポンプ側軸継手を取り外すことにより交換可能である。
(2)モータ側軸継手とポンプ側軸継手との間にスペーサを介在せしめたカップリング構造において、スペーサの厚さ(軸方向の長さ)を最小にすることによりカップリング構造の小型化を図ることができ、またカップリング構造の外周側に配置されモータを支持するためのモータ台の小型化を図ることができる。
(3)羽根車を支持する主軸を、主軸の軸方向に延びる1本のボルトで吊下する構造であるため、主軸に高い軸方向荷重が掛かっても、主軸が脱落する恐れはない。また、ポンプ側軸継手の半径方向から、ポンプ側軸継手とポンプ軸とを固定するためのビスや止めネジ等は不要な構造となる。
図1は、本発明の一実施形態に係るターボ形ポンプを示す断面図である。図1に示すように、ターボ形ポンプは、吸込み口1aと吐出し口1bを有するケーシング1と、ケーシング1に固定されたモータ台6とを備えている。ケーシング1およびモータ台底部6aにより構成されるポンプケーシング内には羽根車3が配置されている。
図2に示すように、ポンプ側軸継手10とモータ側軸継手11とスペーサ12とは、複数のボルト21およびナット22によって結合されている。モータ側軸継手11のボルト孔11hとボルト21とは、嵌め合いになっており、ポンプ側軸継手10のボルト孔10hとボルト21とは、嵌め合いになっている。そして、スペーサ12のボルト孔12hは、ボルト21の直径より大きい孔径を有する、いわゆるバカ孔になっている。なお、ボルト孔12hは、ボルト21の直径より大きい溝幅の円弧状の長孔であってもよい。
図2に示すように、ポンプ軸4の端部には羽根車3が嵌合されている。ポンプ軸4と羽根車3との間にはキー19が介装されている。ポンプ軸4の軸端部には雄ねじ4fが形成されており、雄ねじ4fにナット20が螺合されることにより、羽根車3はポンプ軸4に固定されている。
図2に示すように、ポンプ側軸継手10とモータ側軸継手11とスペーサ12とが一体に結合され、ボルト15がポンプ軸4の雌ねじ4sに螺合されている状態においては、羽根車3の吸込口下端3eと、ケーシング1においてライナーリング8を収容している部分の上端面1eとの間には、スキマ(隙間)が形成されている。
図2は、メカニカルシール5がポンプ軸4に装着されていてメカニカルシール5を交換する前の初期状態(正規状態)を示す断面図である。図2に示すように、ポンプ側軸継手10とモータ側軸継手11とスペーサ12とは複数のボルト21およびナット22によって結合されている。モータ側軸継手11はモータ軸7に止めネジ16およびキー17を介して固定されている。ポンプ軸4とスペーサ12とは、ポンプ軸4の軸方向に延びるボルト15によって連結されている。すなわち、ボルト頭部15aがスペーサ12の凹部12aに嵌合され、ねじ部15bがポンプ軸4の軸方向に形成された雌ねじ4sに螺合されることにより、ポンプ軸4とスペーサ12とはボルト15によって連結されている。
一方、ボルト頭部15aの下面とスペーサ12の凹部12aの上面との間にスキマ(隙間)があることで、組立時にスペーサ12を回転させれば、ボルト15のねじ部15bの下端がポンプ軸4の雌ねじ4sの上端に螺合し、ポンプ軸4を引き上げることが可能である。
次に、メカニカルシール5のフランジ部5bの上に設置された支えピース24を側方にずらして取り外した後に、メカニカルシール5の穴部5aとフランジ部5bとに工具を引っ掛けてメカニカルシール5を上に抜く。このとき、メカニカルシール5の下部にあるOリング5cとポンプ軸4との嵌合部が密着しているが、この嵌合部の距離10mm程度上に動かせば、あとはメカニカルシール5をポンプ軸4から容易に引き抜くことができる。
図10(a)に示す本発明のカップリング構造によれば、スペーサ12とポンプ側軸継手10とをポンプ軸4から一体に取り外し、この取り外したスペースを長尺のメカニカルシール5を交換するためのスペースとして利用することができる。ポンプ側軸継手10は、メカニカルシール5を交換するためのスペースを確保できる程度に軸方向に長尺である。そのため、スペーサの厚さ(軸方向の長さ)hは、ボルト頭部15aを収容できる厚さで且つポンプ軸4に加わる軸方向荷重に耐える強度を確保できる厚さがあれば充分であり、スペーサの厚さ(軸方向の長さ)hを最小限とすることができる。したがって、カップリング構造の外周側に配置されモータを支持するためのモータ台6の高さ(軸方向の長さ)Hを低く(短く)することができる。
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内において、種々の異なる形態で実施されてよいことは勿論である。
1a 吸込み口
1b 吐出し口
1e 上端面
1t 凸部
3 羽根車
3e 吸込口下端
3g キー溝
4 ポンプ軸(主軸)
4e 軸端
4f 雄ねじ
4s 雌ねじ
5 メカニカルシール
5a 穴部
5b フランジ部
5c Oリング
6 モータ台
6a モータ台底部
6b 上部
6c 側部
7 モータ軸
8 ライナーリング
10 ポンプ側軸継手
11 モータ側軸継手
12 スペーサ
12a 凹部
15 ボルト
15a ボルト頭部
15b ねじ部
18 キー
19 キー
20 ナット
21 ボルト
22 ナット
23 ボルト
24 支えピース
Claims (6)
- 羽根車を支持する主軸がポンプケーシングを貫通する部分にメカニカルシールを備え、前記主軸とモータのモータ軸とをポンプ側軸継手とモータ側軸継手を用いて連結したターボ形ポンプであって、
前記主軸と前記ポンプ側軸継手との嵌め合い状態から前記主軸を単独で移動させて前記ポンプ側軸継手との嵌め合いを解除できるように構成し、
前記主軸と前記ポンプ側軸継手との嵌め合い部分の寸法は、前記主軸の軸端と前記ポンプケーシングの内面との対向距離に略等しいか又は短く設定されていることを特徴とするターボ形ポンプ。 - 前記ポンプ側軸継手とモータ側軸継手間にスペーサを介在させ、前記スペーサに前記主軸を移動させるねじ機構を設け、前記スペーサを回転させることにより前記主軸を移動させることを特徴とする請求項1記載のターボ形ポンプ。
- 前記ねじ機構は、前記スペーサの中央部に形成された凹部に頭部を嵌合させたボルトと、前記主軸の軸方向に形成された雌ねじとからなることを特徴とする請求項2記載のターボ形ポンプ。
- 前記主軸と前記ポンプ側軸継手との嵌め合いを解除させたときに、前記主軸の軸端は前記ポンプケーシングの内面に当接することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のターボ形ポンプ。
- 前記主軸と前記ポンプ側軸継手との嵌め合いを解除させたときに、前記主軸と前記羽根車との間に介装されたキーの端部は、羽根車側のキー溝の端部に嵌合した状態にあることを特徴とする請求項4記載のターボ形ポンプ。
- 前記主軸と前記ポンプ側軸継手との嵌め合いを解除させた状態で、前記ポンプ側軸継手と前記スペーサとを取り外し、前記モータ側軸継手と前記主軸との間に前記メカニカルシール交換用のスペースを形成したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のターボ形ポンプ。
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