JP2017066535A - かつら及びかつらの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】毛髪の毛立ちを良好にすることができ、毛髪のスタイリング作業が容易になるとともに、スタイルの自由度を向上させることができ、さらに、毛髪が結び目を形成しない画期的な植毛方法を、かつらベースの広い範囲に適用することが可能となる、かつらを提供する。【解決手段】装着者の頭部に装着されるかつらベースと、かつらベースに植毛される人工毛又は人毛からなる毛髪3とを備え、かつらベースが、人工又は天然素材からなる糸状部材11を交差状又は略平行に配したネットを含むかつらであって、毛髪3は、ネットの糸状部材11が形成する結び目12によって、略V字又は略U字に曲げられた状態でかつらベースに保持され、ネットの結び目12は、糸状部材11の連続する部分によって形成され、毛髪3の曲げ部3aの内側を通過する一対の第1部分と、第1部分に連続し、毛髪3の外側で互いに交差する一対の第2部分12c、12dと、を備えた構成としてある。【選択図】図3

Description

本発明は、かつらベースのネットに毛髪を植毛した構成のかつら及びかつらの製造方法に関し、特に、毛髪が結び目を形成せず、ネットが形成した結び目によって毛髪が保持され、かつらベースに植毛された毛髪の根元を自然な外観にすることが可能なかつら及びかつらの製造方法に関する。
一般的なかつらは、かつらベースに、人工毛又は人毛からなる毛髪が植毛された構成となっている。かつらベースは、人工又は天然素材からなる糸状部材を交差状又は略平行に配したネットを備える。毛髪は、ネットの糸状部材に結び付けられて、かつらベースに植毛される。
しかし、従来の植毛方法は、毛髪をネットに結び付けていたため、毛髪の根元に結び目の塊ができてしまい、かつらの外観が不自然になってしまう課題がある。特に、黒や茶といった暗色の毛髪の結び目は暗色の塊となり、例えば、人工皮膚のような頭皮を模した明るい肌色のネット上で目立ってしまう。
そこで、本出願人は、特開2014−077208号公報(特許文献1)において、毛髪が結び目を形成しない、画期的な構成のかつらを提案した。特許文献1のかつらは、ネットを構成する糸状部材が結び目を形成して、かつらベースに毛髪が保持される構成となっている。
図17及び図18は、特許文献1のかつらにおける、毛髪とネットとの結合部分を二方向から見た状態を示す拡大図である。これら図面において、ネットを構成する糸状部材11は、結び目120を形成する。結び目120は、糸状部材11の連続する部分によって形成され、毛髪3の曲げ部の内側を通過する保持部120a、120bと、毛髪3の外側に巻き付く略環状の曲げ部120cとからなる。このような結び目120により、略V字又は略U字に曲げられた状態でかつらベースに保持される。
このような、特許文献1のかつらによれば、ネットの糸状部材11が結び目120を形成して毛髪3を保持するので、毛髪3の根元を自然な外観にすることができる。特に、ネットが肌色などの明色である場合は、糸状部材11の結び目が目立たず、1つの毛穴から2本の毛髪3が生えているような自然な外観となる。
特開2014−077208号公報
しかし、特許文献1におけるネットの結び目120は、毛髪3の立ち上がりが十分ではなく、かつらベースに植毛された毛髪3に一定の方向性を与えてしまうという課題を内在していた。つまり、かつらベースに植毛された毛髪3は、概ね一方向を向いてしまう。
このため、特許文献1におけるネットの結び目120は、かつらベースのうち、毛髪3の方向性が望まれる箇所、例えば、分け目部分などの限定された範囲にしか適用することができないという課題があった。また、特許文献1におけるネットの結び目120は、毛髪3に一定の方向性を与えてしまうため、例えば、「真ん中分け」、「左分け」又は「右分け」等のスタイルを予め設定して植毛を行う必要があり、植毛工程の完了後に、かつらのスタイルを自由に決めることができない課題があった。さらに、特許文献1におけるネットの結び目120は、毛髪3に一定の方向性を与えてしまうため、スタイルを予め設定して植毛したとしても、スチーマーなどの器具を用いて毛髪3の向きを調整する、スタイリング作業に手間を要するという課題があった。
本発明は、上記の技術的課題に鑑みてなされたものであり、毛髪の毛立ちを良好にすることができ、毛髪のスタイリング作業が容易になるとともに、スタイルの自由度を向上させることができ、さらに、毛髪が結び目を形成しない画期的な植毛方法を、かつらベースの広い範囲に適用することが可能となる、かつら及びかつらの製造方法を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するために、本発明のかつらは、装着者の頭部に装着されるかつらベースと、前記かつらベースに植毛される人工毛又は人毛からなる毛髪とを備え、前記かつらベースが、人工又は天然素材からなる糸状部材を交差状又は略平行に配したネットを含むかつらであって、前記毛髪は、前記ネットの糸状部材が形成する結び目によって、略V字又は略U字に曲げられた状態で前記かつらベースに保持され、前記ネットの結び目は、前記糸状部材の連続する部分によって形成され、前記毛髪の曲げ部の内側を通過する一対の第1部分と、前記第1部分に連続し、前記毛髪の外側で互いに交差する一対の第2部分と、を備えた構成としてある。
上記構成からなる本発明のかつらは、ネットの結び目が、第1部分に連続し、毛髪の外側で交差する一対の第2部分を形成する。これら第2部分が、毛髪の根元を締め付けて、毛髪を上向きに立ち上がらせる。これにより、毛髪の毛立ちが良好となり、毛髪が自由な方向を向くようになる。この結果、毛髪のスタイリング作業が容易となり、また、植毛工程の完了後に、毛髪のスタイルを自由に変更することが可能となる。例えば、毛髪に分け目を付けないフリースタイルのかつらを製造した後、毛髪の分け目を「真ん中分け」、「左分け」又は「右分け」などに自由に変更することができる。さらに、本発明のかつらにおけるネットの結び目は、毛髪に一定の方向性を与えないので、かつらベースの広い範囲に適用することが可能となる。
これに加え、本発明のかつらは、特許文献1のかつらと同様に、毛髪が結び目を形成せず、ネットの糸状部材が形成した結び目によって毛髪を保持するので、毛髪の根元を自然な外観にすることができる。特に、ネットが肌色などの明色である場合は、糸状部材の結び目が目立たず、1つの毛穴から2本の毛髪が生えているような自然な外観となる。また、ネットの糸状部材が形成した結び目によって毛髪を保持するので、植毛された毛髪が糸状部材に沿って動いてしまうことがない。
(2)好ましくは、上記(1)のかつらにおいて、前記ネットが、複数本の前記糸状部材を撚ったマルチフィラメントからなり、前記マルチフィラメントを構成する1本の前記糸状部材が形成する前記結び目によって、前記毛髪が前記かつらベースに保持される構成にするとよい。
上記構成によれば、ネットが太いマルチフィラメントからなる場合でも、このマルチフィラメントを構成する1本の糸状部材に結び目を形成して毛髪を保持することができ、毛髪の根元を自然な外観にすることが可能となる。
(3)好ましくは、上記(1)又は(2)のかつらにおいて、前記ネットの糸状部材が、前記毛髪よりも柔軟な素材からなる構成にするとよい。
上記構成によれば、柔軟な糸状部材で結び目を形成しやすくなり、植毛の作業効率を向上させることが可能となる。
(4)好ましくは、上記(1)〜(3)のいずれかのかつらにおいて、前記ネットの糸状部材が、前記毛髪の直径よりも小さい直径を有する構成にするとよい。
上記構成によれば、ネットの糸状部材の結び目をより目立たなくすることができる。また、上記(3)のかつらと同様に、直径が小さいほど、糸状部材が柔軟となって結び目を形成しやすくなり、植毛の作業効率を向上させることが可能となる。
(5)好ましくは、上記(1)〜(4)のいずれかのかつらにおいて、前記ネットの結び目が、接着剤で固定された構成にするとよい。
上記構成によれば、ネットの糸状部材に結び目を形成して保持した毛髪を、接着剤でより強固に固定することができ、植毛された毛髪の脱落を防止することが可能となる。
(6)好ましくは、上記(1)〜(5)のいずれかのかつらにおいて、前記毛髪を保持した前記ネットの形状が、整形剤によって整えられた構成にするとよい。
上記構成によれば、糸状部材が結び目を形成することによって、ネットに縮みが生じた場合でも、ネット全体の形状を整えることができる。
(7)上記目的を達成するために、本発明のかつらの製造方法は、装着者の頭部に装着されるかつらベースと、前記かつらベースに植毛される人工毛又は人毛からなる毛髪とを備え、前記かつらベースが、人工又は天然素材からなる糸状部材を交差状又は略平行に配したネットを含むかつらの製造方法であって、前記かつらベースに前記毛髪を植毛する工程が、前記毛髪を略V字又は略U字に曲げ、前記毛髪の2つの自由端の反対側に曲げ部を形成する工程と、前記毛髪の曲げ部を、前記ネットの表側から裏側に挿通し、前記糸状部材の下側を通して、前記ネットの表側に引き出す工程と、前記毛髪の曲げ部の内側に、前記毛髪の2つの自由端側を通す工程と、前記毛髪の曲げ部の内側に通した2つの自由端側を、前記曲げ部の外側から内側に再び通す工程と、前記毛髪の曲げ部の内側に通した2つの自由端側を、互いに反対方向に引っ張ることによって、前記糸状部材に結び目を形成し、前記毛髪を保持する工程と、を含んでいる。
上記方法によれば、上記(1)のかつらにおける、第1及び第2部分を備えたネットの結び目を容易に形成することができる。これにより、毛髪の毛立ちを良好にすることができ、スタイルの自由度を向上させ、さらに、毛髪が結び目を形成しない植毛方法を、かつらベースの広い範囲に適用することが可能となる。
(8)好ましくは、上記(7)のかつらの製造方法において、前記糸状部材に結び目を形成して前記毛髪を保持した後、前記結び目を接着剤で固定する工程を含むようにするとよい。
上記方法によれば、ネットの糸状部材に結び目を形成して保持した毛髪を、接着剤でより強固に固定することができ、植毛された毛髪の脱落を防止することが可能となる。
(9)好ましくは、上記(7)又は(8)のかつらの製造方法において、前記糸状部材に結び目を形成して前記毛髪を保持した後、前記ネットの形状を整形剤で整える工程を含むようにするとよい。
上記方法によれば、糸状部材が結び目を形成することによって、ネットに縮みが生じた場合でも、ネット全体の形状を整えることができる。
本発明のかつら及びかつらの製造方法によれば、毛髪の毛立ちを良好にすることができ、毛髪のスタイリング作業が容易になるとともに、スタイルの自由度を向上させることができ、さらに、毛髪が結び目を形成しない画期的な植毛方法を、かつらベースの広い範囲に適用することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るかつらの毛髪を省略した平面図である。 本実施形態のかつらにおける、毛髪とネットとの結合部分を一方向から見た状態を示す拡大図である。 本実施形態のかつらにおける、毛髪とネットとの結合部分を他方向から見た状態を示す拡大図である。 本発明の一実施形態に係るかつらの製造方法の第1工程を示す模式図である。 本実施形態に係るかつらの製造方法の第2工程を示す模式図である。 本実施形態に係るかつらの製造方法の第3工程を示す模式図である。 本実施形態に係るかつらの製造方法の第4工程を示す模式図である。 本実施形態に係るかつらの製造方法の第5工程を示す模式図である。 本実施形態に係るかつらの製造方法の第6工程を示す模式図である。 本実施形態に係るかつらの製造方法の第7工程を示す模式図である。 本実施形態に係るかつらの製造方法の第8工程を示す模式図である。 本実施形態に係るかつらの製造方法の第9工程を示す模式図である。 本実施形態に係るかつらの製造方法の第10工程を示す模式図である。 本実施形態に係るかつらの製造方法の第11工程を示す模式図である。 本実施形態に係るかつらの製造方法の第12工程を示す模式図である。 本実施形態に係るかつらの製造方法の第13工程を示す模式図である。 従来のかつらにおける、毛髪とネットとの結合部分を一方向から見た状態を示す拡大図である。 従来のかつらにおける、毛髪とネットとの結合部分を他方向から見た状態を示す拡大図である。
以下、本発明の一実施形態に係るかつら及びかつらの製造方法について、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は、かつらベースのネットが形成する結び目の構造、及びこの結び目を形成するための方法に特徴がある。したがって、以下に説明する実施形態において、特許文献1として公開された本出願人の特願2012−224721と共通する箇所については、詳細な説明を省略する。
図1において、本実施形態のかつら1は、主として、ネット10及び人工皮膚20A、20Bを備えたかつらベース2に、人工毛又は人毛である毛髪3を植毛した構成となっている。人工皮膚20Aは、かつらベース2の生え際に対応する箇所に縫着してある。人工皮膚20Bは、かつらベース2の分け目及びつむじに対応する箇所に縫着してある。
<ネット>
本実施形態のかつらベース2は、装着者の頭部に合わせた椀状のネット10で構成してある。ネット10は、人工又は天然素材からなる糸状部材11、11、11…を格子状に交差させた構成となっている。ネット10を構成する糸状部材11の素材としては、成型性及び耐熱性等に優れたナイロン、ポリエステル、アクリルなどの合成繊維が好ましい。但し、綿、麻、絹等の天然繊維からなる糸状部材11を用いてネット10を構成してもよい。
糸状部材11は、1本のフィラメント(線状の構造体)からなるものであってもよいし、複数本の糸状部材11、11、11…を撚ったマルチフィラメントからなるものであってもよい。また、本実施形態では、ネット10を、糸状部材11、11、11…を格子状に交差させた構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、複数本のマルチフィラメントを縦又は横方向に略平行に配したネットを用いることもできる。
ここで、図2及び図3に示すように、本実施形態のかつら1は、ネット10、又は後述する人工皮膚20A、20Bの糸状部材11が形成する結び目12によって、毛髪3を保持する構成となっている。後に詳述するが、本実施形態では、糸状部材11に巻き付けた毛髪3を引っ張ることで(図14〜図16を参照)、毛髪3の巻き付きを解きつつ、この過程で毛髪3に誘導された糸状部材11が、毛髪3に巻き付いて結び目12を形成するようになっている。このため、糸状部材11は、毛髪3よりも柔軟な素材であることが好ましく、例えば、糸状部材11の直径を、毛髪3の直径よりも小さくすることが好ましい。
糸状部材11の色は、特に限定されるものではない。例えば、ネット10の糸状部材11は、毛髪3の色と近似した黒色、茶色又は白色などにするとよい。人工皮膚20A、20Bの糸状部材11は、頭皮の色と近似した肌色にするとよい。また、ネット10を構成する糸状部材11のうち、少なくとも人工皮膚20A、20Bと重複する箇所の色を肌色にしてもよい。糸状部材11の色を、毛髪3や頭皮の色と近似させることで、糸状部材11によって形成される結び目12が、より目立たなくなる効果がある。
<人工皮膚>
人工皮膚20A、20Bは、例えば、ナイロン、ポリエステル、アクリル等の合成繊維、綿、麻、絹等の天然繊維からなる目の細かい肌色の織布(メッシュ又はネットを含む)により構成してある。つまり、本実施形態の人工皮膚20A、20Bも、極めて細い糸状部材11、11、11…を格子状に交差させ、ネット10よりも、さらに微細な網目を形成したネットである。したがって、人工皮膚20A、20Bの糸状部材11によっても、本実施形態の結び目12を形成することが可能である。
各人工皮膚20A、20Bは、その周縁部をネット10に縫着してあり、毛髪3の生え際、分け目及びつむじの部分で地肌のように見える役割を果たす。合成繊維又は天然繊維の織布からなる各人工皮膚20A、20Bは、かつら1の通気性を良好とし、かつら1の耐久性を向上させる利点もある。
<毛髪>
毛髪3は、人工毛又は人毛のいずれを用いてもよい。人工毛の素材としては、例えば、ポリエステル、ナイロン、アクリル又は塩化ビニル系の合成繊維が用いられる。毛髪3の太さは、例えば、細い毛髪として約0.03又は0.04mm程度、太い毛髪として約0.05〜0.10mm程度のものを用いる。また、毛髪3の強度の指標としては、結んでいない直線状態のときの引っ張り強度で約0.80N以上、結んだ状態の引っ張り強度で約0.60N以上のものが好ましい。
<結び目の構成>
図2及び図3に示すように、本実施形態のかつら1は、ネット10又は人工皮膚20A、20Bの糸状部材11が、結び目12を形成し、毛髪3を略V字又は略U字に曲げられた状態でかつらベース2に保持している。以下、本実施形態のかつら1における、糸状部材11の結び目12の構成について、図2及び図3を参照しつつ説明する。
糸状部材11の結び目12は、一対の第1部分12a、12bと、一対の第2部分12c、12dと、単一の第3部分12eとを備える。これら第1〜第3部分12a〜12eは、糸状部材11の連続する部分によって形成されている。具体的に、第1部分12aは、第2部分12cに連続する。一方、第1部分12bは、第2部分12dに連続する。そして、第2部分12c、12dは、それぞれ第3部分12eに連続する。
図2に示すように、結び目12の第1部分12a、12bは、それぞれ毛髪3の曲げ部3aの内側を通過する。図3に示すように、結び目12の第2部分12c、12dは、それぞれ第1部分12a、12bに連続し、毛髪3の外側で互いに交差する。図2に示すように、第3部分12eは、第2部分12c、12dのそれぞれに連続し、毛髪3の外側に巻き付く。
図2及び図3に示すように、結び目12の第2及び第3部分12c、12d及び12eは、共同して毛髪3の根元を締め付け、毛髪3の2つの自由端側3b、3cを上向きに立ち上がらせる。これにより、かつらベース2に植毛された毛髪3の毛立ちが良好となり、毛髪3が自由な方向を向くようになる。この結果、毛髪3のスタイリング作業が容易となり、また、植毛工程の完了後に、毛髪3のスタイルを自由に変更することが可能となる。例えば、毛髪3に分け目を付けないフリースタイルのかつら1を製造した後、毛髪3の分け目を「真ん中分け」、「左分け」又は「右分け」などに自由に変更することができる。
さらに、本実施形態の結び目12は、毛髪3に一定の方向性を与えないので、かつらベース2の広い範囲に適用することが可能となる。例えば、図1に示す人工皮膚20A及び/又は20Bの全範囲に、本実施形態の結び目12を適用すれば、かつら1の外観に影響を与える重要な部分において、毛髪3の毛立ちを良好にすることができる。これにより、かつら1の製造過程における技術者のスタイリング作業が容易となり、さらに、使用時におけるユーザのスタイリングも良好に行えるようになる。
これに加え、本実施形態のかつら1は、毛髪3が結び目を形成せず、ネット10又は人工皮膚20A、20Bの糸状部材11が結び目12を形成して毛髪3を保持する。これにより、毛髪3の根元を自然な外観にすることができる。特に、ネット10又は人工皮膚20A、20Bが白や肌色などの明色である場合は、糸状部材11の結び目12が目立たず、1つの毛穴から2本の毛髪3が生えているような自然な外観となる。また、糸状部材11が結び目12を形成して毛髪3を保持するので、植毛された毛髪3が糸状部材11に沿って動いてしまうことがない。
<かつらの製造方法>
図2及び図3に示す糸状部材11の結び目12は、図4〜図16に示す一連の植毛工程を経て形成される。以下、図4〜図16を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るかつらの製造方法について説明する。
本実施形態では、かつらベース2の分け目及びつむじの部分を構成する人工皮膚20Bの織布に、毛髪3を植毛する工程を例示する。以下に説明する植毛工程は、一般に、かつら製造メーカの熟練した技術者によって行われる。なお、説明の便宜上、技術者の各作業工程を図4〜図16に模式的に示し、各作業工程の詳細は、以下の文章により特定する。
図4に示すように、技術者は、毛髪3を略V字又は略U字に曲げ、毛髪3の2つの自由端3b、3cの反対側に、略環状の曲げ部3aを形成する。次いで、技術者は、一の糸状部材11により区画された、人工皮膚20Bの隣り合う2つの網目に鈎針100を通す。その後、技術者は、毛髪3の曲げ部3aに鈎針100を引っ掛ける。
図5に示すように、技術者は、2つの網目から鈎針100を順に引き抜く。これにより、毛髪3の曲げ部3aが、人工皮膚20Bの一の網目に挿通され、一の糸状部材11の下側を通って、隣り合う他の網目から引き出される。
図6に示すように、技術者は、毛髪3の曲げ部3aの内側に鈎針100を挿通し、毛髪3の2つの自由端側3b、3cに鈎針100を引っ掛ける。次いで、図7に示すように、技術者は、毛髪3の曲げ部3aの内側から鈎針100を引き抜き、図8に示すように、曲げ部3aの内側に、毛髪3の2つの自由端側3b、3cを通す。
図9に示すように、技術者は、毛髪3の曲げ部3aの内側に通した2つの自由端側3b、3cを、曲げ部3aの外側に位置させる。次いで、図10に示すように、技術者は、毛髪3の曲げ部3aの内側に鈎針100を挿通する。その後、図11に示すように、技術者は、毛髪3の曲げ部3aの外側に位置する2つの自由端側3b、3cに鈎針100を引っ掛ける。そして、図12に示すように、技術者は、毛髪3の曲げ部3aの内側から鈎針100を引き抜く。これにより、図13に示すように、毛髪3の曲げ部3aの内側に通された2つの自由端側3b、3cが、曲げ部3aの外側から内側に再び通される。これにより、毛髪3の2つの自由端側3b、3cが、曲げ部3aに巻き付いた状態になる。
図14に示すように、技術者は、毛髪3の曲げ部3aの内側に2回通過させた2つの自由端側3b、3cを、互いに反対方向に引っ張る。すると、図15に示すように、毛髪3の曲げ部3aと、2つの自由端側3b、3cの曲げ部3aに巻き付いた部分と(以下「曲げ部3a等」いう)が徐々に集約される。このような毛髪3の曲げ部3a等の集約に伴って、糸状部材11が曲げ部3aの周辺に徐々に巻き付いていく。
図16に示すように、技術者が、毛髪3の2つの自由端側3b、3cを完全に引っ張ると、毛髪3の曲げ部3a等が消失し、1本の毛髪3は、真っ直ぐな状態となる。毛髪3の曲げ部3a等が消失すると、糸状部材11には、図2及び図3に示す結び目12が形成される。この結び目12により、毛髪3は、略V字又は略U字に曲げられた状態で人工皮膚20Bに保持される。
<毛髪の脱落防止、ネットの整形>
好ましくは、糸状部材11の結び目12を接着剤で固定するとよい。これにより、糸状部材11に結び目12を形成して保持した毛髪3を、接着剤でより強固に固定することができ、植毛した毛髪3の脱落を防止することが可能となる。
また、好ましくは、毛髪3を保持したネット10又は人工皮膚20A、20Bの形状を整形剤で整えるとよい。これにより、糸状部材11が結び目12を形成することによって、ネット10等に縮みが生じた場合でも、ネット10等の全体の形状を整えることができる。
1 かつら
2 かつらベース
3 毛髪
3a 曲げ部
3b、3c 自由端側(自由端)
10 ネット
11 糸状部材
12 結び目
12a、12b 第1部分
12c、12d 第2部分
12e 第3部分
20A、20B 人工皮膚(ネット)
100 鉤針

Claims (9)

  1. 装着者の頭部に装着されるかつらベースと、前記かつらベースに植毛される人工毛又は人毛からなる毛髪とを備え、前記かつらベースが、人工又は天然素材からなる糸状部材を交差状又は略平行に配したネットを含むかつらであって、
    前記毛髪は、前記ネットの糸状部材が形成する結び目によって、略V字又は略U字に曲げられた状態で前記かつらベースに保持され、
    前記ネットの結び目は、前記糸状部材の連続する部分によって形成され、前記毛髪の曲げ部の内側を通過する一対の第1部分と、前記第1部分に連続し、前記毛髪の外側で互いに交差する一対の第2部分と、を備えたかつら。
  2. 前記ネットが、複数本の前記糸状部材を撚ったマルチフィラメントからなり、前記マルチフィラメントを構成する1本の前記糸状部材が形成する前記結び目によって、前記毛髪が前記かつらベースに保持される請求項1に記載のかつら。
  3. 前記ネットの糸状部材が、前記毛髪よりも柔軟な素材からなる請求項1又は2のいずれか1項に記載のかつら。
  4. 前記ネットの糸状部材が、前記毛髪の直径よりも小さい直径を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のかつら。
  5. 前記ネットの結び目が、接着剤で固定された請求項1〜4のいずれか1項に記載のかつら。
  6. 前記毛髪を保持した前記ネットの形状が、整形剤によって整えられた請求項1〜5のいずれか1項に記載のかつら。
  7. 装着者の頭部に装着されるかつらベースと、前記かつらベースに植毛される人工毛又は人毛からなる毛髪とを備え、前記かつらベースが、人工又は天然素材からなる糸状部材を交差状又は略平行に配したネットを含むかつらの製造方法であって、
    前記かつらベースに前記毛髪を植毛する工程が、
    前記毛髪を略V字又は略U字に曲げ、前記毛髪の2つの自由端の反対側に曲げ部を形成する工程と、
    前記毛髪の曲げ部を、前記ネットの表側から裏側に挿通し、前記糸状部材の下側を通して、前記ネットの表側に引き出す工程と、
    前記毛髪の曲げ部の内側に、前記毛髪の2つの自由端側を通す工程と、
    前記毛髪の曲げ部の内側に通した2つの自由端側を、前記曲げ部の外側から内側に再び通す工程と、
    前記毛髪の曲げ部の内側に通した2つの自由端側を、互いに反対方向に引っ張ることによって、前記糸状部材に結び目を形成し、前記毛髪を保持する工程と、
    を含む、かつらの製造方法。
  8. 前記糸状部材に結び目を形成して前記毛髪を保持した後、前記結び目を接着剤で固定する工程を含む、請求項7に記載のかつらの製造方法。
  9. 前記糸状部材に結び目を形成して前記毛髪を保持した後、前記ネットの形状を整形剤で整える工程を含む、請求項7又は8に記載のかつらの製造方法。
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