JP2017064644A - 空気清浄器 - Google Patents

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博昭 角田
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Abstract

【課題】低出力の送風機であっても、効率的に空気清浄後の除湿ができる空気清浄器を提供することを目的とする。【解決手段】空気清浄器1は、未処理空気を取込口2aから取り込み、送り出す送風機2と、送風機2により送り出された未処理空気に含まれる塵埃や煙を液体により捕捉する捕捉装置3と、捕捉装置3から排出された空気が流れる通風路10と、を有し、通風路10の内部には、該空気が流れる方向を変える張出部11が、通風路10の内側に複数張り出している。【選択図】図1

Description

本発明は、室内等の空間の空気清浄を行う空気清浄器に関する。
従来、執務室やアミューズメント施設、或いは工場等の空間内の汚れた空気を空気清浄器を用いて処理することが試みられている。その一例として、例えば、取込口から取入れた非処理の空気を、噴霧冷却器(捕捉装置)内において水や洗浄液等の液体に接触させ、当該非処理の空気内に含まれるタバコの煙やダスト、或いは汚染物質等を捕捉して除塵した後、前記液体の微粒子を伴い過度に加湿された状態の空気をサイクロン(除湿手段)の入口を介して内部へ導き、サイクロンの遠心力により空気中に含まれる液体を分離して除湿処理した後、サイクロンの中心軸付近で発生する上昇気流によって処理済みの空気をサイクロンの出口から送り出す空気清浄器が開発されている。この空気中から分離された液体は、サイクロンの底部から延びるドレンを介してサイクロン外部へ排出するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭57−197018号公報(第2頁、第1図)
しかしながら、特許文献1の空気清浄器に適用された除湿装置にあっては、サイクロンの内部に発生する遠心力により、空気と空気中に含まれる液体をサイクロンの内周面に押し付け、空気と液体の重さの違いにより分離する構造のため、強い遠心力を発生させるためには圧力が必要であり、空気と空気中に含まれる液体を送風する送風機に大きな負荷がかかっており、圧力と風量を同時に大きくする場合は、送風機の能力が大きくなり、空気を清浄した後の除湿作業が効率的に行えないという問題があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、低出力の送風機であっても、効率的に空気清浄後の除湿ができる空気清浄器を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の空気清浄器は、
未処理空気を取込口から取り込み、送り出す送風機と、
前記送風機により送り出された未処理空気に含まれる塵埃や煙を液体により捕捉する捕捉装置と、
前記捕捉装置から排出された空気が流れる通風路と、を有し、
前記通風路の内部には、該空気が流れる方向を変える張出部が、前記通風路の内側に複数張り出していることを特徴としている。
この特徴によれば、捕捉装置から排出される水分を含んだ空気が通風路を流れる際に、通風路の内側に複数張り出している張出部の先端近傍で局所的に空気の流速が増加し、圧力が低下する。この圧力低下により空気の温度が低下するため張出部の一部が冷却され、後続の空気がこの冷却された張出部の一部に接触することで、空気中の水蒸気が張出部に結露するため、効率的に空気清浄後の空気の除湿を行うことができる。
本発明の空気清浄器は、
前記張出部は、薄平板により構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、張出部が薄平板であるため、熱容量が小さく温度変化しやすいため、効率的に張出部に温度が低下した場所を作りやすく、効率的な除湿作業を行うことができる。
本発明の空気清浄器は、
前記通風路内に蛇行経路を形成するように、複数の張出部が通風路の内部に張り出していることを特徴としている。
この特徴によれば、通風路内に複数の張出部の張り出しにより蛇行経路が形成されているため、空気の流れの抵抗を抑えつつ、張出部での空気の回り込みの回数を多くし、局所的な流速の増加を促すことができるため、効率的な除湿作業を行うことができる。
本発明の空気清浄器は、
前記通風路は、上下方向を向いた直管であって、前記捕捉後の空気は前記直管の上部から排出され、前記直管の下部には前記捕捉後の空気から取り除いた水を排出する排水口を有することを特徴としている。
この特徴によれば、空気の流れと除湿された水分の落下方向が同じであるため、空気の流れが阻害されることなく、効率的に除湿作業を行うことができる。
本発明の空気清浄器は、
前記通風路には、前記複数の張出部の先端により規定される通路が形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、通風路に上下方向に貫通する空洞部が形成されているため、通風路を流れる空気の流速を一定以上に保ちやすいため、効率的に除湿を行うことができる。
本発明の空気清浄器は、
前記張出部は、その先端にR形状で構成された曲面部を有することを特徴としている。
この特徴によれば、空気が張出部と接触する際に、先端にR形状で構成された曲面部により空気が円滑に回り込むことができ、これにより先端部で渦が発生しないため、空気の送風に係るエネルギーの損失を抑えることができる。
実施例1における本発明の空気清浄器の概略図である。 実施例1における鉛直管の拡大斜視図である。 図1A部での空気の流れの概念図である。 図1A部での張出部の変形例における空気の流れの概念図である。 実施例1における回転式除湿装置の一部断面斜視図である。 実施例2における本発明の空気清浄器の概略図である。 実施例2における本発明の空気清浄器の斜視図である。 実施例2における空気清浄器から回転式除湿装置を撤去した状態の斜視図である。 (a)は本発明の通風路の変形例を示す斜視図、(b)は断面図である。
本発明に係る空気清浄器を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
なお、以下の説明において、通風路内の空気の流れの上流側を後方側、下流側を前方側と定義する。
実施例1に係る空気清浄器について、図1から図5を参照して説明する。なお、図1において紙面を貫通する方向を通風路の奥行き方向、空気の流れる方向を流下方向、これら二つの方向と直交する方向を幅方向と定義する。
なお、本発明の空気清浄器は、例えば、執務室、アミューズメント施設、工場等の室内(以下、単に室内という。)においてタバコの煙、ダスト、汚染物質等(以下、塵埃や煙ともいう。)を含む汚れた空気P1を洗浄するために、室内の汚れた空気P1を取込んで洗浄し、その洗浄後の空気P2を除湿する。この除湿により得られた空気P3を、回転ブラシを用いた回転式除湿装置によりさらに適度な温度、湿度に調整した空気P4とし、室内に再度送り出す循環式の熱交換機能を有する空気清浄器1に用いられる態様について説明する。
(1)空気清浄器1について説明する。
図1に示されるように、実施例1における空気清浄器1は、室内の汚れた空気P1を室内の取込口2aから取り込む送風機2と、送風機2から送られた空気P1中に含まれる煙、ダスト、汚染物質等を捕捉する捕捉装置3と、捕捉装置3を通過した洗浄後の空気P2を除湿する除湿手段4と、除湿手段4により除湿された空気P3をさらに除湿し、除湿された空気P4を排気口5bから室内に送風する回転式除湿装置5とから主に構成されている。以下、これらの要素について順に説明する。
(2)送風機2について説明する。
送風機2は原動機や電動機により駆動され送風ファンの回転により室内の空気を取り込み、捕捉装置3に送り出すものであり、その形式は特に問わないが、空気P1の汚れ具合や、室内の温度、湿度により、捕捉装置3から要求される風量が異なることから、風量可変型のものが好ましい。また、空気清浄器1は室外に設置されており、室内の取込口2aを図示しないダクトを介して送風機2に接続する。なお、この熱交換機能を有する空気清浄器1は室内に設置されるものであってもよい。
(3)捕捉装置3について説明する。
捕捉装置3は、空気P1を洗浄するための洗浄液を噴霧するスプレー部3bと、スプレー部3bを含み下方に配置された捕捉空間3cと、捕捉空間3cの下方に配置された貯留部3fとから主に構成されている。ここで、空気を洗浄するために用いる洗浄液は、例えば、水、塩素を含む水、所定の処理剤を含む洗浄液が挙げられる。
ここで、本実施例においては、スプレー部3bは高さ方向に4段に構成されている。この構成により、空気P1に洗浄液を噴霧する時間を多く取ることで、噴霧する洗浄液(主に水)を夏場は冷却して、冬場は暖めて噴霧し、空気の洗浄と併せて熱交換を行うとともに、捕捉する塵埃や臭いは洗浄液の噴霧する時間を多く取ることで、処理量を多くすることができる。このように、捕捉装置3のスプレー部3bから噴霧する洗浄液の温度を変えることで、熱交換により、未処理空気の温度を変化させることができる。すなわち、捕捉装置3は未処理空気の熱交換機能を有している。
なお、本発明の捕捉装置としては、前記構成に限らず、スプレー部3bは一段であってもよいし、その他の複数段であっても問題はないが、装置の設置上の問題により複数の噴霧箇所を設けることが好ましい。
(3−2)捕捉装置3の動作について説明する。
送風機2から送風された室内の空気P1(例えば温度28℃、湿度60%)は、捕捉装置3の導入口3aから取り入れられ、捕捉空間3cに流入するようになる。このとき、空気P1よりも温度の低い洗浄液(例えば液温18℃)が供給ポンプ(図示しない)によりスプレー部3bに供給され、下方の捕捉空間3cに向けて強い圧力で噴霧され、捕捉空間3cを通過する空気P1が捕捉装置3内の洗浄液と対向接触することにより、空気P1中に含まれる塵埃や煙の微粒子が洗浄液に捕捉され、空気P1が洗浄・冷却される。また、塵埃や煙の微粒子を捕捉した洗浄液(廃液)は、貯留部3fに流れ落ち一時的に貯留される。貯留部3fに貯留された洗浄液(廃液)は、図示しないポンプにより送られ汚れを除去し、その後、殺菌液により殺菌され供給ポンプ前に設置されている集合タンクに戻され、供給ポンプよりスプレ−部3bに供給され再利用される。
なお、塵埃や煙の微粒子を捕捉した液体の一部は空気中に取り込まれる場合がある。
(4)除湿手段4について説明する。
除湿手段4は、略矩形状の断面を有する直管状の通風路10と、その内部に設けられ、通風路10を通過する空気に含まれる水分を除去するエリミネータとしての張出部11により構成されている。該通風路10は主に、捕捉装置3により洗浄された空気P2が導入される導入口10aと、略水平に延設され、空気P2が水平に通過する水平管10bと、この水平管10bから連結部10cを介し、略鉛直に垂下され、空気P2が上下方向に通過する鉛直管10dと、鉛直管10dから回転式除湿装置5に繋がる導出口10eとにより構成されている。
次に、図1及び図2に示されるように、通風路10の内部に設けられた複数の張出部11は、略矩形状の薄平板であって、それぞれの先端が通風路の中央部を向くように配設され、空気P2の流下方向に沿って互いに一定間隔離間しながら、通風路10の流下方向に沿って上下又は左右に交互配列されている。さらに、これらの複数の張出部11は、奥行き方向に一様に通風路10を占めており、通風路10の流下断面の内、薄板板が占める部分を遮蔽し、それ以外の部分を空気が流れるように開放している。また、各張出部11は通風路10の奥行き方向の端部に、三角形状のリブ12により通風路10の内壁に固定されている。
このように、複数の張出部11が流下方向に沿って交互配列されていることで、空気が蛇行して流下する蛇行経路を形成することになり、空気と張出部11の接触回数が増え、効率的に除湿を行うことができる構成となっている。
次に、これら複数の張出部11のそれぞれの構成について詳述すると、第一張出部11aは、導入口10aの上に設けられ、水平面に対し略45°傾斜してその先端を斜め上方に向けて配設されており、この傾斜した下面に空気中に含まれる霧状の洗浄液を付着させ、付着した洗浄液を捕捉空間3c内に戻している。次に、第二張出部11bは、第一張出部11aの前方に、一定間隔離間して水平管10bの内壁の上部から、その先端を下方に向けて配設されており、更にその前方に一定間各離間した場所には第三張出部11cがその先端を上方に向けて配設されている。
ここで、第二張出部11bと第三張出部11cは水平管10bの断面積の略半分の面積を占めており、例えば本実施例においては、水平管10bの幅方向の寸法が500mmに対して第二張出部11b及び第三張出部11cの幅方向の寸法は半分の225mmとなっている。なお、奥行き方向の寸法については前述の通り、全ての張出部11は水平管10b及び鉛直管10dの内寸と同一の寸法となっている。
次に、第四張出部11dは、連結部10cの前方の鉛直管10dの内壁の上部より、先端を下方に向けて配設されており、幅方向の寸法としては、後述する連結部10cの幅方向の寸法400mmの半分の200mmとなっている。
次に、第五張出部11eは、鉛直管10dの内壁の右側にその先端を鉛直管10dの内側に向けて配設されており、その前方の第六張出部11f乃至第八張出部11hについても、流下方向に一定間隔離間しながら、鉛直管10dの内壁の左右に交互に配設されている。これら第五張出部11e乃至第八張出部11hの幅方向の寸法については、鉛直管10dの幅方向の寸法の半分よりも小さい面積を有しており、例えば本実施例においては鉛直管10dの幅方向の寸法は400mmであり、第五張出部11e乃至第八張出部11hの幅方向の寸法は150mmとなっている。
ここで、通風路10に対する各張出部11の幅寸法の違いについて整理すると、流下方向が水平である領域に配設された第一張出部11a乃至第四張出部11dの幅寸法については、それらと接触する空気が流下してくる水平管10b及び連結部10cの幅寸法の略半分であり、流下方向が垂直である領域に配設置された第五張出部11e乃至第八張出部11hの幅寸法については、それらと接触する空気が流下してくる鉛直管10dの幅寸法の半分よりも小さくなっている。
このように捕捉装置3と比較的近い水平管10b及び連結部10cのすぐ前方の領域では、未だ微細な水滴としての霧状の水分が多く含まれるため、通風路10を遮蔽する割合を多くし、後述する第一の除湿作用である、各張出部11と空気の接触による水分の除去を促しており、流下方向が垂直に変わる領域では、空気の流速が速くなるように、張出部11により鉛直管10dを遮蔽する割合を小さくし、後述する第二の除湿作用である流速の変化による水分の除去を促す構成となっている。
次に、連結部10cは通風路の水平管10bと鉛直管10dの連結箇所に設けられており、400mmの幅寸法を有する略矩形の断面に形成されている。
更に、導出口10eは、鉛直管10dを上部から下部に流れてきた空気を回転式除湿装置5に案内するために、鉛直管10dの下部に設けられている。
更に、鉛直管10dの底部には、空気中から取り除いた水分を排水する排水口10fが設けられており、排水時の必要に応じて開閉可能となっている。
(4−2)除湿手段4における各張出部11で作用する除湿のメカニズムについて、図3に示される第六張出部11fを通過する空気を例にとって説明する。
図3に示されるように、第一の除湿作用として、鉛直管10dの内面に設けられた第六張出部11fにより、鉛直管10dの流下断面が狭められているため、第六張出部11fの近傍を通過する空気P2の流速が全体的に増加する。このとき、第六張出部11fの周辺では空気の流れの乱れが生じ、第六張出部11fにより遮蔽された空気が第六張出部11fと接触することで、空気中に含まれる霧状の水分が張出部に付着することで空気中から水分が取り除かれる。この除湿作用を本説明においては慣性力捕捉と呼び、空気の流れの方向が変化しても液体粒子は慣性力により直進しようとする性質を利用した捕捉方法であり、慣性力は質量と速度の積に比例するので、大粒径、高速ほど大きな捕捉効果がある。
ここで、液体粒子は第六張出部11fに捕捉されると、粒子としての形状を保つことが出来ないので、張出部11fの全体に広がり、ある程度時間が経過すると一定の間隔で大きな液滴を形成し、時間とともに大きくなる。液滴は常に張出部上で振動し、隣接する液滴同士の衝突により成長し、飛散して落下する。
ここで取り除かれた水分は、後続の空気の流れにより第六張出部11fをつたって第六張出部11fの先端に向かい、鉛直管10dの内側に寄せられ、一定量の水分が集まると自重により水滴として鉛直管10dの底部に落下する。
次に、第二の除湿作用として、第六張出部11fの先端を回り込んだ空気は、その先端近傍で前述の速度の増加により圧力が低下し、この圧力低下により、局所的に圧力低下した空気に後続の空気が引き入れられ温度を奪われ、張出部周辺温度が下がり、この温度の低下により第六張出部11fの先端の一部が冷却される。
その後、後続の空気が更にこの冷却された第六張出部11fの先端の一部と接触し冷却されることで、空気の飽和水蒸気量が低下するため、それ以上の量の水蒸気を空気中に含みきれなくなって空気中に含まれる水蒸気としての水分が結露し、第六張出部11fの先端に水滴が付着する。これらの水滴は前述と同様に、一定量付着した後に、水滴として鉛直管10dの底部に落下する。
すなわち、本発明における除湿作業とは、空気中に含まれる霧状の液体としての水分を物理的に除去する慣性力捕捉による除湿と、空気中に水蒸気として含まれる気体としての水分を結露により除去する結露による除湿を含み、またはそれらのいずれか一方のみを行うものであってもよい。
ここで、第六張出部11fが薄平板であるため、熱容量が小さく温度変化を起こしやすいため、空気の温度が低下した際に、追従して温度低下を起こすことができ、これにより後続の空気が第六張出部11fに接触した際に効率的に空気の温度を下げることができる。
また、第六張出部11fの材質としては、熱伝導率が高い材質が良く、アルミニウムやステンレス、その他の金属が好ましいが、これらに限らず熱伝導性の高い材質を採用することができる。
(4−3)除湿手段4における空気の流れについて説明する。
図1に示されるように、導入口10aから入った空気P2(空気P1よりも温度が低く且つ湿度が高い空気であり、例えば温度23℃、湿度100%以上の霧入り空気)は傾きを持って設けられた第一張出部11aにより急激に通風路の断面積を狭められるため、ここである程度の水分が除去されることとなる。更に、通風路の水平管10bは、捕捉装置3の捕捉空間3cと比して断面積が半分以下になっているため、空気P2の流速が増加する。このように流速が増加することで、後方の各張出部との接触による水分の除去が効果的に行われることになる。
次に、水平管10bでの空気P2の流れとして、第一張出部11aを通過した空気P2は第二張出部11b乃至第四張出部11dと干渉しながら通風路10を通過していく。この通過に伴い、前述の第一及び第二の除湿作用により空気に含まれる水分が取り除かれていく。ここで、第一張出部11a乃至第三張出部11cに付着、結露した水分については、その後に水平管10bの底面であり、各張出部の近傍に設けられた排出スリット10gより捕捉空間3cに排出されていく。
次に、鉛直管10dでの空気P2の流れとして、空気P2は上下方向に設けられた鉛直管10d内の通風路を下っていき、第五張出部11e乃至第八張出部11hと接触し、前述の第一及び第二の除湿作用により空気に含まれる水分が取り除かれていく。ここで、鉛直管10dは、前述の水平管10bと比して断面積が狭められているとともに、流下方向が水平から略鉛直に変化することで、水平管を流れてきた空気P2は更に流速を増しながら鉛直管10dを下っていくこととなる。このように流速を増すことで、第一の除湿作用である張出部との接触による除湿作用を効果的なものにすることができる。
また、鉛直管10dは、上部から下部に空気が流れる構造になっているため、第四張出部11d乃至第八張出部11hに付着・結露した水滴を、この空気の流れにより各張出部の先端に効率的に集め、鉛直管10dの下部に向けて落下させることができる。これらの落下した水滴は、鉛直管10dの底部に設けられた排水口10fから定期的に排出することとなる。また、空気P2の流れと付着・結露した水滴の流れが同じ方向であるため、空気の流れが阻害されることなく、効率的に通風路内に空気を送り出すことができるため、効率的な除湿作業を行うことができる。
更に、鉛直管10dに設けられた第五張出部11e乃至第八張出部11hは、鉛直管10dの断面積の半分以下に設けられているため、通風路の中央部に第五張出部11e乃至第八張出部11hの先端によって規定される上下方向に直線状に延びる通路δが存在する(図3参照)。この通路δが存在することで、鉛直管10dの中央部の空気は第五張出部11e乃至第八張出部11hに遮られることなく通過するため、空気の流速を一定の高速に保つことができ、前述の第一及び第二の除湿作用を促すことができるばかりか、第五張出部11e乃至第八張出部11hの先端から落下した水滴が、前方の各張出部に付着することなく、鉛直管10dの底部に到達することとなる。
ここで、張出部の変形例につき、説明する。
図4に示されるように、変形例における第六張出部11f’及び第七張出部11g’は、その先端にR形状を有していると共に、空気の流れる方向に向けて傾斜している。このように先端にR形状を有していることで、先端近傍での空気の回り込みの際に、空気が抵抗なく回り込むことができ、渦の発生を抑えるため、空気を送り出す負荷の損失を抑え、効率的な除湿作業を行うことができる。更に、空気の流れに沿って傾いていることで、各張出部に付着・結露した水分が空気の流れに従い各張出部の中央に集まりやすく、これにより空気中から取り除いた水分を容易に落下させることができるため、除湿作業を効率的に行うことができる。
(5)回転式除湿装置5について説明する。
図1に示されるように、回転式除湿装置5は主に、除湿手段4により一部除湿され空気P2よりも湿度の低い空気P3(例えば温度23度、湿度90%)を吸入する導入口5a、空気P3を除湿した後の空気P4(例えば温度23℃、湿度70%)を排出する排気口5b、略円筒形の開口が設けられた容器5c、容器内に垂直に設けられた回転軸5dを有し、回転可能に設けられた回転ブラシ5e(回転体)、回転ブラシ5eを除湿時に回転させるモータ5fとから構成されている。このモータ5fを駆動させることにより、モータ5fに取付けられたプーリ、Vベルト、回転軸5d側のプーリ(いずれも図示せず)を介して、回転ブラシ5eが回転する。なお、回転ブラシ5eの回転数は固定値として説明するが、除湿する空気の量や目標とする除湿率に応じて可変の回転数としてもよい。
(5−2)回転ブラシ5e(回転体)について説明する。
図5に示されるように、回転ブラシ5eは、線状のナイロンの毛材(回転軸から放射状に延びる部材)を中心から放射状に多数設けたものであり、断面形状としては、非円形のものがふさわしい。これは単位断面積あたりの表面積を増やすことで、空気中の水分や塵埃との接触面積を増やし、回転ブラシの回転による後述する除湿効果を促すためである。ここで、毛材の材質は、樹脂、金属等問わないが、軽量で耐腐食性に優れるものが好ましく、ナイロンの他、ポリプロピレン、ステンレスが好適である。
(5−3)回転ブラシ5eの周辺構造について説明する。
図5に示されるように、回転体である回転ブラシ5eは、容器5c内に垂直に設けられた回転軸5dにより軸支されている。このように、回転軸5dが垂直に設けられているため、回転ブラシ5eは水平方向に拡がりながら回転することになる。これにより回転ブラシ5eの毛材が捕捉し、その先端から外部に放出した水分及び塵埃は、水平方向に飛ばされるため、仮に回転軸が水平に設けられている場合のように、重力により再度回転ブラシ5e側に落下してくることはなく、確実に回転ブラシ5eから離れていくことになる。
次に、本実施例においては、容器5cの外形は略矩形であり、内部に略円筒形の空間を有している。この円筒形の空間は、回転ブラシ5eと僅かに隙間を有しており、この隙間により回転ブラシ5eと容器の干渉が起こらないようになっていると共に、回転ブラシ5eから外部に放出された水分や塵埃が容器5cの内周面をつたって、回転式除湿装置5の下部に落ちることになっている。なお、容器の内部空間については、略円筒形に限られず、略矩形の空間を有するものであってもよい。
更に、当該容器5cの回転ブラシの外側には、アルミ製のヒートスプレッダ5gが複数設けられており、ヒートスプレッダ5gに向けてファン5hによる送風がされている。(図1参照)。これらの構成により、容器5cの熱交換性が向上されており、回転ブラシ5eが高速で回転し、空気を攪拌することによる発熱を抑えるとともに、空気清浄器1から排気される空気の温度を調整する調温効果を発揮することができる。なお、本実施例においては、ヒートスプレッダ5gとファン5hが放熱部を構成しているが、これらの構成に限らず、どちらか一方のみを有する構成であっても良い。更になお、ヒートスプレッダ5gの材質については、アルミ製でなくても良く、熱交換性の良いものであればよい。
また、空気P4は排気口5bから排出されることで室温28℃に戻されることになるため、これにより飽和水蒸気量が上がり、湿度を相対的に下げることができる(例えば温度28℃、湿度54%)。
次に、図5に示されるように、本実施例においては、回転ブラシ5eは回転式除湿装置5の導入口5aと高さ方向に重なる位置に設けられている。この位置関係の理由として、例えば回転ブラシ5eが回転すると、発生する遠心力により回転ブラシ5eの端部には外側に向かう流れが発生するため、この外側に向かう流れが、回転ブラシ5eの端部から除湿対象となる水分と塵埃を含む空気を回転ブラシ5eの内部に入れることを阻害し、容器5cと回転ブラシ5eの間の隙間を流れて上方に空気が流れることで、除湿の効果が低減することがあった。
このような回転ブラシ5eの端部に発生する外側に向かう流れを打ち消すために、導入口5aと回転ブラシ5eが高さ方向に重なるように設けられており、これにより高さ方向に重なり合う領域に空気が入り乱れることで、容器5cと回転ブラシ5eとの間にエアカーテンAcが生成される。この結果、回転ブラシ5eの端部に発生する外側に向かう流れを打ち消すことができ、容器5cと回転ブラシ5eの間の隙間から上方に流れる空気を減らすことができるため、効率的に除湿作業を行うことができる。
本発明に係る第2の実施例につき、図6乃至図8を用いて説明する。なお、図6において紙面を貫通する方向を奥行き方向、上下方向及び奥行き方向と直交する方向を幅方向と定義する。また、実施例1と同一の構成については説明を省略する。
(1)空気清浄器1’について説明する。
図6及び図7に示されるように、本実施例における空気清浄器1’は、捕捉装置3と除湿手段4’と回転式除湿装置5’が高さ方向に積み上げられている。なお、捕捉装置3については実施例1で用いたものと同じものである。
(2)除湿手段4’について説明する。
図6及び図8に示されるように、除湿手段4’は上下に対向するそれぞれ二枚の第一張出部21a,21aと第二張出部21b,21bが通風路20内に設けられている。
これらの各張出部21の内、第一張出部21a,21aは、二枚の薄平板が、通風路20の幅方向の両端を開放した状態で、それぞれがその先端を奥行き方向の中央に向けて奥行き方向の側壁に対称に配設されると共に、奥行き方向の中央部を開放する構成となっている。
次に、第二張出部21b,21bは、二枚の薄平板が、通風路20の奥行き方向の両端を開放した状態で、それぞれがその先端を幅方向の中央に向けて幅方向の側壁に対称に配設されると共に、幅方向の中央部を開放する構成となっている。
このように、第一張出部21a,21aと第二張出部21b,21bが上下に対向して設けられていることで、通風路20を通過する空気の蛇行経路が形成されるため、空気の流れの抵抗を抑えつつ、各張出部での空気の回り込みの回数を多くし、局所的な流速の増加を促すことができるため、効率的な除湿作用を得ることができる。
また、後方の第二張出部21b,21bについては、通風路内に設けられた梁部22にて固定されており、このように梁部により固定することで、第二張出部21b,21bのたわみを防止している。なお、除湿手段4’での除湿のメカニズムについては、実施例1と原理的には同様であるが、除湿手段4’においては、空気の流れが下から上に向かっているため、各張出部に付着・結露した水分はそのまま重力により下方の捕捉装置3内に落下することになり、第一実施例における排水口10fといった排水手段が不要となっている。
(2−2)除湿手段4’での空気の流れについて説明する。
図6に示されるように、捕捉装置3の導入口3aから取り入れられた空気は、捕捉空間3cに流入するようになる。このとき、洗浄液が供給ポンプ(図示しない)によりスプレー部3bに供給され、下方の捕捉空間3cに向けて強い圧力で噴霧され、捕捉空間3cを通過する空気P1が捕捉装置3内の洗浄液と対向接触することにより、空気P1中に含まれる塵埃や煙の微粒子が洗浄液に捕捉され、空気P1が洗浄される。
その後、捕捉装置3の上部に設けられた除湿手段4’に空気P2として上昇していき、除湿手段4’に設けられた対向するそれぞれ二枚の第一張出部21a,21aと第二張出部21b,21bと接触し、前述の第一及び第二の除湿作用により空気P2中の水分が取り除かれることになる。ここで取り除かれた水分は前述の通り、自重により捕捉装置3に向けて落下してゆく。その後、更に上部に位置する回転式除湿装置5’内に上昇していく。
ここで、本実施例における特徴としては、それぞれ二枚の第一張出部21a,21aと第二張出部21b,21bが幅方向又は奥行き方向に通風路20の中央部のみを一部遮蔽しているため、各張出部21において中央部から回り込む空気の他、両端部から回り込む空気の経路が形成されることになる(図8参照)。このため、第一実施例と比して空気の回り込む量が増え、前述の第二の除湿作用が頻繁に起こるため、除湿作業を効率的に行うことが可能となっている。
また、通風路20の幅方向中央かつ奥行き方向中央に第一張出部21a,21a及び第二張出部21b,21bのいずれにも遮蔽されずに回転式除湿装置5’に連通し、各張出部の先端によって規定される上下方向に直線状に延びる通路δ’が存在する。この通路δ’が存在することで、通風路20の中央部の空気は第一張出部21a,21a及び第二張出部21b,21bのいずれにも遮られることなく上昇するため、空気の流速を一定の高速に保つことができ、前述の第一及び第二の除湿作用を促すことができる。
(3)回転式除湿装置5’について説明する。
図6及び図7に示されるように、回転式除湿装置5’は、除湿手段4’の上部に設けられており、主に除湿手段4の上部に位置し、回転ブラシ5e’を内部に有する容器5c’と、容器の左右に広げられた拡径部5h’が設けられている。この拡径部5h’があることで、除湿手段4’から上昇してきた空気の一部は、拡径部5h’を通過して回転ブラシ5e’の内部に入ることになる(図6参照)。
(3−2)回転ブラシの周辺構造について説明する。
図6及び図7に示されるように、回転ブラシ5e’は拡径部5h’と高さ方向に重なるように配置されている。このように、回転ブラシ5e’と拡径部5h’の一部が重なることで、拡径部5h’を通過して回転ブラシ5e’の内部に入る空気は、回転ブラシ5e’の外周面から入る流れができるため、回転ブラシ5e’の回転時に遠心力により端面に発生する回転ブラシ5e’の外側に向かう流れを打ち消すことができるため、上昇してきた空気が回転ブラシ5e’の内部に入りやすくなるため、効率的に除湿作業を行うことができる。
[変形例]
本発明の通風路の変形例につき、図9を用いて説明する。
図9に示されるように、通風路30は薄肉の略円筒状に構成されており、その内部に傾きを有してスパイラル状に設けられた張出部31を複数設けられている。これらの張出部31は円筒部材の一部に外力を加え、塑性変形させることで形成されており、本変形では180°等配されているが、必要に応じてその他の角度で等配されているものであっても良いし、傾きや深さについても任意に変更することが可能である。
次に、通風路30内の空気の流れとしては、図9(b)に示すように、上部から流れてきた空気の流れに対して、各張出部が設けられていることで、前述の実施例と同様に除湿作用が得られると共に、各張出部がスパイラル状に設けられていることで空気全体の流動抵抗が低いため、送風に必要な負荷を抑えることができ、効率的に除湿を行うことができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成、数値はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、上記実施例においては、除湿手段の後に回転式除湿装置を用いているが、回転式除湿装置を用いずに、室内等に排気する態様であってもよく、更には除湿手段の後に、再度他方式の除湿装置により除湿を行うものであってもよい。
また、上記実施例においては、本発明の捕捉装置は、洗浄液を噴霧する態様であったが、これに限らず洗浄液が充満する液槽に取り込んだ空気を通過させるようなものであっても良い。
更に、上記実施例1においては、通風路10は水平管10b及び鉛直管10dの順で延設される構造を有し、実施例2においては、通風路20は鉛直方向のみに延設される構造を有していたが、通風路が延設される方向は、上記した実施例に限られず、例えば水平方向のみに延設されてもよいし、水平方向、鉛直方向又は傾斜方向等を適宜の順に延設されてもよい。
また、張出部は上記実施例における薄平板に限らず、流下方向に厚みを有していても良いし、先端のR形状を有する曲面部については、空気が張出部を回り込みやすい形状であれば、上記実施例における球状の形状の他、薄平板を曲げたものでもよいし、楕円や複合Rにより形成されたものであってもよい。
1 空気清浄器
2 送風機
3 捕捉装置
4,4’ 除湿手段
10,20,30 通風路
10f 排水口
11,21,31 張出部
δ,δ’ 通路

Claims (6)

  1. 未処理空気を取込口から取り込み、送り出す送風機と、
    前記送風機により送り出された未処理空気に含まれる塵埃や煙を液体により捕捉する捕捉装置と、
    前記捕捉装置から排出された空気が流れる通風路と、を有し、
    前記通風路の内部には、該空気が流れる方向を変える張出部が、前記通風路の内側に複数張り出していることを特徴とする空気清浄器。
  2. 前記張出部は、薄平板により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の空気清浄器。
  3. 前記通風路内に蛇行経路を形成するように、複数の張出部が通風路の内部に張り出していることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気清浄器。
  4. 前記通風路は、上下方向を向いた直管であって、前記捕捉後の空気は前記直管の上部から排出され、前記直管の下部には前記捕捉後の空気から取り除いた水を排出する排水口を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の空気清浄器。
  5. 前記通風路には、前記複数の張出部の先端により規定される通路が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の空気清浄器。
  6. 前記張出部は、その先端にR形状で構成された曲面部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の空気清浄器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114259832A (zh) * 2021-12-24 2022-04-01 四会市澳华饲料有限公司 一种隔尘用通风装置

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