JP2017061795A - 建設機械の油圧駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】メインの油圧ポンプとパイロットポンプを用いた油圧ショベル等建設機械の油圧駆動装置において、パイロットポンプとして圧力補償型で可変容量型の油圧ポンプを用い、パイロットポンプの吐出流量不要時にパイロットポンプの吸収トルクを低減するとともに、原動機の制限トルクを維持したまま、メインの油圧ポンプが使用できる最大吸収トルクを増加させることができるようにする。
【解決手段】パイロットポンプ203に圧力補償型で可変容量型の油圧ポンプを用い、メインポンプ201のトルク制御部201Tに、メインポンプの押しのけ容積を増加する方向に作用する増トルクピストン214を設け、パイロットポンプ203の押しのけ容積を変化させる信号圧力を用いて増トルクピストン214を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、油圧ショベル等の建設機械の油圧駆動装置に関わり、特に原動機で駆動されるメインの油圧ポンプの吸収トルクが設定値を超えないようにメインの油圧ポンプの押しのけ容積を制御するトルク制御部を備えた建設機械の油圧駆動装置に関する。
油圧ショベル等の建設機械の油圧駆動装置においては、特許文献1及び特許文献2に記載のように、メインの油圧ポンプはトルク制御装置を備えている。このトルク制御装置は、メインの油圧ポンプの吐出圧力が上昇するとき、メインの油圧ポンプの押しのけ容積(容量)を減少させることで、油圧ポンプの吸収トルクが油圧ポンプを駆動するエンジンの最大出カトルクを基準としてそれよりも所定の余裕分だけ小さくなるように設定されたエンジンの制限トルクを超えないように制御される。
また、特許文献2に記載のように、油圧ショベル等の建設機械の油圧駆動装置には、メインの油圧ポンプとは別に、低圧のパイロット圧を吐出するパイロットポンプが設けられている。このパイロットポンプには、エンジンにメインの油圧ポンプとタンデムに接続され、吐出油の流量がエンジンの回転数に依存する固定容量型の油圧ポンプ(ギヤポンプ)が広く用いられている。
一方、産業用機械の工作機械等の定圧油圧駆動装置として、圧力補償型で可変容量型の油圧ポンプが知られており、例えば特許文献3に記載されている。この油圧ポンプは、あるポンプ吐出圧までは吐出流量がほぼ一定であり、固定容量ポンプと同様であるが、ある吐出圧を過ぎると吐出流量は自動的に減少して、ある吐出圧を保持する特性を有し、吐出流量不要時の吸収トルクを少なくしている。
特開平07−71055号公報 特開2001−193705号公報 実公平4−21030号公報
従来は、上述したように、油圧ショベル等の建設機械の油圧駆動装置におけるパイロットポンプとして固定容量型の油圧ポンプが用いられている。しかし、パイロットポンプに固定容量型の油圧ポンプを使用した場合、油圧ショベルの動作状態に係わらず、エンジン稼働中は、パイロットポンプが原動機の回転数に比例した一定の軸トルクを消費するため、エンジンは常にパイロットポンプが消費する軸トルクの分、燃料を消費し、不経済であった。また、パイロットポンプが常に一定の軸トルクを消費するため、メインの油圧ポンプとパイロットポンプを合わせたポンプ装置の最大吸収トルクの一定割合をパイロットポンプが占めてしまい、その分、メインの油圧ポンプが利用可能な吸収トルクが減少していた。
産業用機械の工作機械等の定圧油圧駆動装置用の油圧ポンプとしては、特許文献3に記載のように圧力補償型で可変容量型のポンプが用いられ、吐出流量不要時の吸収トルクを少なくしている。しかし、従来は、圧力補償型で可変容量型の油圧ポンプは油圧ショベル等の建設機械の油圧駆動装置におけるパイロットポンプに使用されていなかった。
また、圧力補償型で可変容量型の油圧ポンプを油圧ショベル等の建設機械の油圧駆動装置におけるパイロットポンプに使用すれば、吐出流量不要時の吸収トルクが少なくなるためパイロットポンプが吸収するトルクを大きく低減することができる。しかし、ポンプ全体の最大吸収トルクは、メインの油圧ポンプの最大吸収トルクとパイロットポンプの最大吸収トルクの合計がエンジンの制限トルクを超えないように設定されるため、圧力補償型で可変容量型の油圧ポンプをパイロットポンプに使用しただけでは、パイロットポンプの吐出流量が減少して吸収トルクが小さくなったとき、メインの油圧ポンプはパイロットポンプの吸収トルクが減った分を利用することができない。
本発明の目的は、メインの油圧ポンプとパイロットポンプを用いた油圧ショベル等建設機械の油圧駆動装置において、パイロットポンプとして圧力補償型で可変容量型の油圧ポンプを用い、パイロットポンプの吐出流量不要時にパイロットポンプの吸収トルクを低減するとともに、原動機の制限トルクを維持したまま、メインの油圧ポンプが使用できる最大吸収トルクを増加させることができる建設機械の油圧駆動装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明は、原動機と、前記原動機により駆動される少なくとも1つのメインの油圧ポンプと、前記メインの油圧ポンプから吐出された圧油により駆動される複数のアクチュエータと、前記メインの油圧ポンプから複数のアクチュエータに供給される圧油の流量を制御する複数の流量制御弁と、前記原動機により駆動されるパイロットポンプと、前記パイロットポンプから吐出された圧油により前記複数の流量制御弁を制御するための操作パイロット圧を生成する複数のパイロットバルブとを備え、前記メインの油圧ポンプは、前記メインの油圧ポンプの吸収トルクが設定値を超えないように前記メインの油圧ポンプの押しのけ容積を制御するトルク制御ピストンを有するトルク制御部を備えた建設機械の油圧駆動装置において、前記パイロットポンプは、前記パイロットポンプの吐出圧を設定圧に保持するように前記パイロットポンプの押しのけ容積を制御する圧力補償部を有する圧力補償型で可変容量型の油圧ポンプであり、前記メインの油圧ポンプのトルク制御部は、前記パイロットポンプの吐出圧が上昇して吐出流量が減少し前記パイロットポンプの吸収トルクが減少するとき、同時に前記メインの油圧ポンプの押しのけ容積を増加させ前記メインの油圧ポンプが吸収可能な最大トルクを増加させる増トルク装置を有するものとする。
このようにパイロットポンプに圧力補償型で可変容量型の油圧ポンプを用い、メインの油圧ポンプのトルク制御部に増トルク装置を設け、パイロットポンプの吐出圧が上昇して吐出流量が減少しパイロットポンプの吸収トルクが減少するとき、同時にメインの油圧ポンプの押しのけ容積を増加させメインの油圧ポンプが吸収可能な最大トルクを増加させることにより、パイロットポンプの吐出流量不要時にパイロットポンプの吸収トルクを低減するとともに、同時に原動機の制限トルクを維持したまま、メインの油圧ポンプが使用できる最大吸収トルクを増加させることができる。このためアクチュエータの非駆動時は原動機の燃料消費量を減らし、原動機の燃費を向上することができる。また、アクチュエータの駆動時は、アクチュエータの駆動トルクを増加させ、作業効率を向上することができる。
また、アクチュエータを駆動するため操作レバーを操作したときなど、パイロットポンプの吸収トルクが瞬間的に増加した場合、メインポンプの吸収トルクを下げることができ、ポンプ装置全体の吸収トルクがポンプ装置を駆動する原動機の制限トルクを超えないように制御することができる。
本発明によれば、パイロットポンプの吐出流量不要時にパイロットポンプの吸収トルクを低減するとともに、同時に原動機の制限トルクを維持したまま、メインの油圧ポンプが使用できる最大吸収トルクを増加させることができる。このためアクチュエータの非駆動時は原動機の燃料消費量を減らし、原動機の燃費を向上することができる。アクチュエータの駆動時は、アクチュエータの駆動トルクを増加させ、作業効率を向上することができる。
また、アクチュエータを駆動するため操作レバーを操作したときなど、パイロットポンプの吸収トルクが瞬間的に増加した場合、メインポンプの吸収トルクを下げることができ、ポンプ装置全体の吸収トルクがポンプ装置を駆動する原動機の制限トルクを超えないように制御することができる。
本発明の第1実施の形態における建設機械の油圧駆動装置を示す図である。 メインポンプのトルク制御特性を示す図である。 パイロットポンプのトルク制御特性を示す図である。 パイロットポンプから吐出された圧油により複数の流量制御弁を制御するための操作パイロット圧を生成する複数のパイロットバルブを示す図である。 油圧駆動装置が搭載される建設機械の一例である油圧ショベルの外観を示す図である。 本発明の第2の実施の形態における建設機械の油圧駆動装置を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
<第1の実施の形態>
〜構成〜
図1は、本発明の第1実施の形態における建設機械の油圧駆動装置を示す図である。
図1において、本実施の形態の油圧駆動装置は、原動機であるディーゼルエンジン(以下エンジンという)100と、このエンジン100の駆動軸にタンデムに接続され、エンジン100によって駆動される可変容量型でスプリットフロー型のメインの油圧ポンプ(以下メインポンプという)201、固定容量型のギヤポンプ202及びパイロットポンプ203を備えたポンプ装置200と、メインポンプ201とギヤポンプ202のそれぞれの吐出ポート201a,201b,202aから吐出された圧油により駆動される複数のアクチュエータ3a〜3gと、メインポンプ201及びギヤポンプ202のそれぞれの吐出ポート201a,201b,202aに圧油供給路500,501,502を介して接続され、吐出ポート201a,201b,202aから複数のアクチュエータに供給される圧油の流量を制御するオープンセンタ型の複数の流量制御弁15a〜15gを内蔵したコントロールバルブ600と、パイロットポンプ203に圧油供給路503を介して接続され、パイロットポンプ203から吐出された圧油により複数の流量制御弁15a〜15gを制御するための操作パイロット圧を生成する複数のパイロットバルブ16a〜16gとを備えている。
可変容量型でスプリットフロー型のメインポンプ201は2つの吐出ポート201a,201bに対して共通で単一の押しのけ容積変更部材、例えば斜板201cを有し、この斜板201cの傾転角(斜板傾転)を変更することにより押しのけ容積が変化し、吐出流量を変化させる。また、メインポンプ201はポンプ装置200の吸収トルクが設定値(最大吸収トルク)を超えないようにメインポンプ201の斜板傾転(押しのけ容積)を制御するトルク制御部201Tを有している。このトルク制御部201Tは、メインポンプ201の吐出ポート201a,201bの圧油が導かれ、メインポンプ201の斜板傾転(押しのけ容積)が小さくなる方向に作用するトルク制御ピストン210,211と、固定容量型のギヤポンプ202の吐出ポート202aの圧油が導かれ、メインポンプ201の斜板傾転(押しのけ容積)が小さくなる方向に作用するトルク制御ピストン212と、メインポンプ201の斜板傾転(押しのけ容積)が大きくなる方向に作用する基準トルク設定バネ213とを有している。
パイロットポンプ203は可変容量型の油圧ポンプであり、押しのけ容積変更部材、例えば斜板203aを有し、斜板203aの傾転角(斜板傾転)を変更することにより押しのけ容積が変化し、吐出流量が変化する。また、パイロットポンプ203は、パイロットポンプ203の吐出圧を設定圧に保持するようにパイロットポンプ203の押しのけ容積を制御する圧力補償部203Cを有する圧力補償型で可変容量型の油圧ポンプである。圧力補償部203Cは、パイロットポンプ203の吐出圧とタンク圧とを選択的に切り替えて出力する切替弁300と、切替弁300から出力された圧力(以下出力圧という)が導かれ、パイロットポンプ203の斜板傾転(押しのけ容積)が小さくなる方向に作用する傾転制御ピストン(圧力補償制御ピストン)321と、切替弁300の出力圧を傾転制御ピストン321に導く油路320(第1油路)と、パイロットポンプ203の斜板傾転(押しのけ容積)が大きくなる方向に作用するバネ322とを有している。切替弁300は、切替弁300の出力圧をパイロットポンプ203の吐出圧に切り替える方向に作用する受圧部300aと、切替弁300の出力圧をタンク圧に切り替える方向に作用してパイロットポンプ203の吐出圧の設定圧を設定するバネ300bとを有している。
パイロットポンプ203の吐出圧がバネ300bの設定圧以上であるとき、切替弁300は図中で左方向に切り換わり、傾転制御ピストン321にパイロットポンプ203の吐出圧が導かれることで、傾転制御ピストン321はパイロットポンプ203の吐出流量を減少させ、パイロットポンプ203の吐出圧を低下させる。パイロットポンプ203の吐出圧がバネ300bによる設定圧よりも低いとき、切替弁300は図中で右方向に切り換わり、傾転制御ピストン321にタンク圧が導かれることで、傾転制御ピストン321はパイロットポンプ203の吐出流量を増大させ、パイロットポンプ203の吐出圧を増大させる。これにより傾転制御ピストン321と切替弁300は、パイロットポンプ203の吐出圧(圧油供給路503の圧力)=バネ300bの付勢力になるように(パイロットポンプ203の吐出圧がバネ300bの設定圧に保持されるように)パイロットポンプ203の斜板傾転(押しのけ容積)を制御する。
また、メインポンプ201のトルク制御部201Tは、メインポンプ201の斜板傾転(押しのけ容積−ポンプ容量)が大きくなる方向に作用する増トルクピストン214を有し、増トルクピストン214は油路215(第2油路)を介して油路320に接続され、増トルクピストン214に切替弁300の出力圧が導かれる。
基準トルク設定バネ213と増トルクピストン214はメインポンプ201が消費可能な最大吸収トルクを設定する機能を有している。
図2はメインポンプ201のトルク制御特性を示す図であり、図3はパイロットポンプ203のトルク制御特性を示す図である。
図2において、パイロットポンプ203の吐出圧が切替弁300のバネ300bの設定圧よりも低いとき、増トルクピストン214に導かれる切替弁300の出力圧はタンク圧であり、メインポンプ201のトルク制御部201Tは基準トルク設定バネ213によって決まる「パイロットポンプ圧<バネ力」の特性(吸収トルク一定曲線)Aとなる。
パイロットポンプ203の吐出圧が切替弁300のバネ300bの設定圧以上になると、増トルクピストン214に導かれる切替弁300の出力圧はパイロットポンプ203の吐出圧となり、増トルクピストン214の付勢力はパイロットポンプ203の吐出圧に応じて増加し、メインポンプ201のトルク制御特性は基準トルク設定バネ213と増トルクピストン214によって決まる「パイロットポンプ圧≧バネ力」の特性(吸収トルク一定曲線)Bとなる。このときメインポンプ201のトルク制御部201Tは増トルクした状態となり、メインポンプ201が吸収するトルクは図2の「パイロットポンプ圧<バネ力」の特性Aに比べて、ΔT大きくなる。
このように増トルクピストン214と油路215は、パイロットポンプ203の吐出圧が上昇してパイロットポンプ203の押しのけ容積が減少し(したがって吐出流量が減少し)パイロットポンプ203の吸収トルクが減少するとき、同時にメインの油圧ポンプ201の押しのけ容積を増加させメインの油圧ポンプ201が吸収可能な最大トルクを増加させる増トルク装置216を構成する。
図3において、圧力補償型で可変容量型のパイロットポンプ203の吐出圧が切替弁300のバネ300bの設定圧よりも低いとき、傾転制御ピストン321に導かれる切替弁300の出力圧はタンク圧であり、パイロットポンプ203の押しのけ容積が最大となるため、パイロットポンプ203が吸収するトルクは図3の「パイロットポンプ圧<バネ力」の吸収トルク一定曲線C上の点Eで示した最大トルクとなる。
圧力補償型で可変容量型のパイロットポンプ203の吐出圧が切替弁300のバネ300bの設定圧以上になると、傾転制御ピストン321に導かれる切替弁300の出力圧は圧油供給路503の圧力(パイロットポンプ203の吐出圧)となり、傾転制御ピストン321はパイロットポンプ203の吐出圧によってパイロットポンプ203の斜板傾転(押しのけ容積)を減少させる。このためパイロットポンプ203の吸収トルクは図3の「パイロットポンプ圧≧バネ力」の吸収トルク一定曲線D上の点Fで示した最小トルクとなり、パイロットポンプ203が吸収するトルクは図3の点Eの吸収トルクに比べてΔT’小さくなる。
ここで、増トルクピストン214によるメインポンプ201の吸収トルクの変化量ΔTと傾転制御ピストン321によるパイロットポンプ203の吸収トルクの変化量ΔT’は「ΔT≦ΔT’」となるように設定する。
図4は、パイロットポンプ203から吐出された圧油により複数の流量制御弁15a〜15gを制御するための操作パイロット圧を生成する複数のパイロットバルブ16a〜16gを示す図である。
パイロットバルブ16a〜16gは操作レバーを備えた操作レバー装置17a〜17gの一部であり、それぞれパイロットポンプ203の圧油供給路503に接続された一対の減圧弁を備えている。この一対の減圧弁は、操作レバーの操作方向に応じて選択的に動作し、圧油供給路503の圧力(パイロットポンプ203の吐出圧)を元圧として操作レバーの操作量に応じたパイロット圧を生成する。このパイロット圧はパイロット油路18a1,18a2〜18g1,18g2を介してコントロールバルブ600内の対応する流量制御弁15a〜15gに出力され、流量制御弁15a〜15gを切り換え操作する。
図5は、上述した油圧駆動装置が搭載される建設機械の一例である油圧ショベルの外観を示す図である。
図5において、建設機械としてよく知られている油圧ショベルは、下部走行体101と、上部旋回体109とフロント作業機104を備え、フロント作業機104は、ブーム104a、アーム104b、バケット104cから構成されている。上部旋回体109は下部走行体101に対して旋回モータ3cによって旋回可能である。上部旋回体109は基礎下部構造をなす旋回メインフレーム107を備え、旋回メインフレーム107の前部にフロント作業機104が上下動可能に取り付けられている。フロント作業機104のブーム104a、アーム104b、バケット104cはブームシリンダ3a,アームシリンダ3b,バケットシリンダ3dの伸縮により上下方向に回動可能である。下部走行体101は、走行モータ3f,3g(図2では左側のみ図示)の回転により左右の履帯101a,101b(図2では左側のみ図示)を駆動することによって走行を行う。下部走行体102のトラックフレーム105を支持する中央フレームには、ブレードシリンダ3eの伸縮により上下動作を行うブレード106が取り付けられている。
〜動作〜
(a)エンジン停止時
エンジン停止時は、可変容量型でスプリットフロー型のメインポンプ201及びギヤポンプ202のいずれからも圧油が吐出されないため、トルク制御ピストン210,211,212、増トルクピストン214の圧力は大気圧或いはタンク圧であり、メインポンプ201の斜板傾転(押しのけ容積)は基準トルク設定バネ213の力で最大となっている。
また、圧力補償型で可変容量型のパイロットポンプ203から圧油が吐出されないため、圧力補償制御の傾転制御ピストン321の圧力も大気圧或いはタンク圧であり、パイロットポンプ203の斜板傾転(押しのけ容積)もバネ322の力で最大となっている。
(b)エンジン始動時
エンジン始動時、パイロットポンプ203から圧油が吐出されるとき、閉回路である圧油供給路503は一定の容積を有しているため、圧油供給路503の圧力がバネ力(バネ300bの力)まで上昇するまでの間、パイロットポンプ203の吐出圧<バネ力(バネ300bの力)となる。このため切替弁300はバネ300bの力により図中で右方向に切り替わり、傾転制御ピストン321と増トルクピストン214にタンク圧が導かれる。このとき増トルクピストン214は加圧されず、可変容量型でスプリットフロー型のメインポンプ201の押しのけ容積を大きくする方向の力は基準トルク設定バネ213の力のみとなるので、ギヤポンプ202が無負荷の場合、メインポンプ201のトルク制御特性は増トルクしない状態、つまり図2の「パイロットポンプ圧<バネ力」の特性Aとなる。
また、圧力補償制御の傾転制御ピストン321も加圧されないため、圧力補償型で可変容量型のパイロットポンプ203の斜板傾転(押しのけ容積)はバネ322の力で最大となり、パイロットポンプ203の吸収トルクは図3の曲線C上の点Eで示すように最大となる。
(c)定常時1
エンジン始動後の操作レバーの中立時、パイロットポンプ圧≧バネ力(バネ300bの力)となると、切替弁300が図中で左方向に切り替わり、傾転制御ピストン321と増トルクピストン214に圧油供給路503の圧力(パイロットポンプ203の吐出圧)が導かれる。このとき増トルクピストン214は圧油供給路503の圧力によりメインポンプ201の斜板傾転を大きくする方向に加圧され、メインポンプ201の押しのけ容積を大きくする方向の力は基準トルク設定バネ213の力と増トルクピストン214の力となる。このためギヤポンプ202が無負荷の場合、メインポンプ201のトルク制御特性は増トルクした状態、つまり図2の「パイロットポンプ圧≧バネ力」の特性Bとなり、メインポンプ201が吸収するトルクは図2の「パイロットポンプ圧<バネ力」の特性Aに比べてΔT大きくなる。
一方、圧力補償制御の傾転制御ピストン321は圧油供給路503の圧力によってパイロットポンプ203の斜板傾転(押しのけ容積)を減少させ、吐出流量を減少させる。このためパイロットポンプ203の吸収トルクは図3の点Fで示した最小トルクとなり、パイロットポンプ203が吸収するトルクは図3のE点の吸収トルクに比べてΔT’小さくなる。
なお、ギヤポンプ202の吐出圧、すなわち圧油供給路502の圧力が高い場合、トルク制御ピストン212に圧油供給路502の圧力が導かれ、トルク制御ピストン212がその圧力によってメインポンプ201の斜板傾転(押しのけ容積)を小さくする方向に押すので、図2に示す特性Bはメインポンプ201の吸収トルクが小さくなる方向にシフトする。これは次に説明するパイロットバルブ操作直後、定常時2の場合においても同様である。
また、「定常時1」はエンジン始動後の操作レバーの中立時について説明したが、下記「定常時2」の後に操作レバーが中立に戻された場合の中立時においても、切替弁30及び傾転制御ピストン321並びに増トルクピストン214の動作は「定常時1」と同様である。
(d)定常時1からのパイロットバルブ操作直後
定常時1から操作レバーのいずれかを操作し、パイロットバルブ16a〜16gのいずれかを動作させたパイロットバルブ操作直後は、パイロットバルブから流量制御弁15a〜15gまでの対応するパイロット油路(パイロット油路18a1,18a2〜18g1,18g2のいずれか)や流量制御弁15a〜15gの受圧部に圧油供給路503の圧油が供給される。このとき、パイロットバルブ16a〜16gから流量制御弁15a〜15gまでのパイロット油路や流量制御弁15a〜15gの受圧部は閉回路で一定の容積を有しているため、エンジン始動時(b)の場合と同様、一時的に圧油供給路503の圧力(パイロットポンプ203の吐出圧)が低減し、パイロットポンプ203の吐出圧<バネ力(バネ300bの力)となる。このため切替弁300はバネ300bの力により図中で右方向に切り替わり、傾転制御ピストン321と増トルクピストン214にタンク圧が導かれる。このときエンジン始動時(b)の場合と同様、ギヤポンプ202が無負荷の場合、メインポンプ201のトルク制御特性は増トルクしない状態、つまり図2の「パイロットポンプ圧<バネ力」の特性Aとなり、パイロットポンプ203の押しのけ容積が最大となり、パイロットポンプ203は最大流量を吐出するとともに、パイロットポンプ203の吸収トルクは図3の曲線C上の点Eで示した最大の値となる。
そしてこのとき、ポンプ装置200(ポンプ全体)が吸収するトルクは図2に示す特性Aの吸収トルクに図3の点Eの吸収トルクを加算したトルクを超えることはない。
(e)パイロットバルブ操作後の定常時(定常時2)
パイロットバルブ操作後、パイロットバルブ16a〜16gから流量制御弁15a〜15gまでのパイロット油路や流量制御弁15a〜15gの受圧部が所定の圧力まで上昇し、パイロットポンプ圧≧バネ力(バネ300bの力)となると、切替弁300が図中で左方向に切り替わり、傾転制御ピストン321と増トルクピストン214に圧油供給路503の圧力(パイロットポンプ203の吐出圧)が導かれる。このときの傾転制御ピストン321と増トルクピストン214の動作はエンジン始動後の定常時1(c)の場合と同様であり、ギヤポンプ202が無負荷の場合、メインポンプ201のトルク制御特性は増トルクした状態、つまり図2の「パイロットポンプ圧≧バネ力」の特性Bとなり、メインポンプ201が吸収するトルクは図2の「パイロットポンプ圧<バネ力」の特性Aに比べてΔT大きくなる。
また、パイロットポンプ203の吸収トルクは図3の点Fで示した最小トルクとなり、パイロットポンプ203が吸収するトルクは図3のE点の吸収トルクに比べてΔT’小さくなる。そしてΔTとΔT’は「ΔT≦ΔT’」となるように設定されているため、このときもポンプ装置200(ポンプ全体)が吸収するトルクは図2に示す特性Aの吸収トルクに図3の点Eの吸収トルクを加算したトルクを超えることはない。
〜効果〜
本実施の形態によれば、パイロットポンプ203に圧力補償型で可変容量型の油圧ポンプを用い、メインの油圧ポンプ201のトルク制御部201Tに増トルク装置216(増トルクピストン3214及び油路215)を設け、パイロットポンプ203の吐出圧が上昇してパイロットポンプ203の押しのけ容積が減少し(したがって吐出流量が減少し)パイロットポンプ203の吸収トルクが減少するとき、同時にメインの油圧ポンプ201の押しのけ容積を増加させメインの油圧ポンプ201が吸収可能な最大トルクを増加させるため、パイロットポンプ203の吐出流量不要時にパイロットポンプ203の吸収トルクを低減するとともに、同時にエンジン100の制限トルクを維持したまま、メインの油圧ポンプ201が使用できる最大吸収トルクを増加させることができる。このため(c)の定常時1のようにアクチュエータ3a〜3gの非駆動時はエンジン100の燃料消費量を減らし、エンジン100の燃費を向上することができる。また、(e)の定常時2のようにアクチュエータ3a〜3gの駆動時は、アクチュエータ3a〜3gの駆動トルクを増加させ、作業効率を向上することができる。
また、(d)の定常時1からのパイロットバルブ操作直後のように、アクチュエータ3a〜3gを駆動するため操作レバーを操作しパイロットポンプ203の吸収トルクが瞬間的に増加した場合、メインポンプ201の吸収トルクを下げることができ、ポンプ装置200全体の吸収トルクがポンプ装置200を駆動するエンジン100の制限トルクを超えないように制御することができる。
また、本実施の形態では、ポンプ装置200のトルク制御部201T(増トルク装置216を含む)やパイロットポンプ203の圧力補償部203Cを油圧的に構成したため、油圧駆動装置全体を純油圧的に構成することができる。その結果、油圧駆動装置の安定した動作を確保できるとともに、油圧駆動装置を安価に製作することができる。
<第2の実施の形態>
〜構成〜
図6は、本発明の第2の実施の形態における建設機械の油圧駆動装置を示す図である。図中、図1に示す部材と同等の部材には同じ符号を付し、説明を簡略化或いは省略する。
図6において、本実施の形態の油圧駆動装置は、図1に示したポンプ装置200に代えポンプ装置200Aを備えている。
また本実施の形態の油圧駆動装置は、メインポンプ204の吐出ポートに圧油供給路500Aを介して接続され、吐出ポートから複数のアクチュエータに供給される圧油の流量を制御するクローズドセンタ型の複数の流量制御弁19a〜19g及びアンロード弁20を内蔵しかつ複数のアクチュエータ3a〜3gの最高負荷圧を検出する機能を有するコントロールバルブ600Aを備えている。
ポンプ装置200Aは、エンジン100の駆動軸にタンデムに接続され、エンジン100によって駆動される可変容量型でシングルフロー型のメインの油圧ポンプ(以下メインポンプという)204と、圧力補償型で可変容量型のパイロットポンプ203を備えている。可変容量型でシングルフロー型のメインポンプ204は押しのけ容積変更部材、例えば斜板204aを有し、この斜板204aの傾転角(斜板傾転)を変更することにより押しのけ容積が変化し、吐出流量を変化させる。また、メインポンプ204は、ポンプ装置200Aの吸収トルクが設定値(最大吸収トルク)を超えないようにメインポンプ204の斜板傾転(押しのけ容積)を制御するトルク制御部204Tと、メインポンプ204の吐出圧が複数のアクチュエータの最高負荷圧よりも所定の圧力だけ高くなるようメインポンプ204の斜板傾転(押しのけ容積)を制御するLS制御部204Lとを有している。
トルク制御部204Tは、メインポンプ204の圧油が導かれ、メインポンプ204の斜板傾転(押しのけ容積)が小さくなる方向に作用するトルク制御ピストン220と、メインポンプ204の斜板傾転(押しのけ容積)が大きくなる方向に作用する基準トルク設定バネ213及び増トルクピストン214とを有している。
LS制御部204Lは、メインポンプ204の斜板傾転(押しのけ容積)が小さくなる方向に作用するLS制御の傾転制御ピストン221と、パイロットポンプ203の吐出圧とタンク圧とを選択的に切り替えて傾転制御ピストン221に出力するLS制御弁244とを有している。
LS制御弁244は、メインポンプ204の吐出圧が油路601を介して導かれ、LS制御弁244の出力圧をパイロットポンプ203の吐出圧に切り替える方向に作用する受圧部244aと、コントロールバルブ600Aによって検出される複数のアクチュエータ3a〜3gの最高負荷圧が油路602を介して導かれ、LS制御弁244の出力圧をタンク圧に切り替える方向に作用する受圧部244bと、受圧部244bと同じ側に位置しロードセンシング制御の目標差圧(所定の圧力)を設定するバネ244cとを有している。このように構成したLS制御の傾転制御ピストン221とLS制御弁244は、メインポンプ204の吐出圧(圧油供給路500Aの圧力)−最高負荷圧(油路602の圧力)=バネ244cの力(所定の圧力)になるようにメインポンプ204の斜板傾転(押しのけ容積)を制御する。
圧力補償型で可変容量型のパイロットポンプ203の構成は第1の実施の形態と同じであり、切替弁300、油路320、傾転制御ピストン321、バネ322を有し、パイロットポンプ203の吐出圧を切替弁300のバネ300bによって設定された値に保持するようにパイロットポンプ203の斜板傾転(押しのけ容積)を制御する圧力補償部203Cを有している。
また、第1の実施の形態と同様、増トルクピストン214によるメインポンプ201の吸収トルクの変化量ΔTと傾転制御ピストン321によるパイロットポンプ203の吸収トルクの変化量ΔT’は「ΔT≦ΔT’」となるように設定する。
〜動作〜
(a)エンジン停止時
エンジン停止時は、メインポンプ204及びパイロットポンプ203のいずれからも圧油が吐出されないため、第1の実施の形態と同様、トルク制御ピストン220,LS制御の傾転制御ピストン221、増トルクピストン214、圧力補償制御の傾転制御ピストン321の圧力は大気圧或いはタンク圧であり、メインポンプ201及びパイロットポンプ203の斜板傾転(押しのけ容積)はそれぞれバネ213,322の力で最大となっている。
(b)エンジン始動時
エンジン始動時、パイロットポンプ203から圧油が吐出されるとき、閉回路である圧油供給路503は一定の容積を有しているため、圧油供給路503の圧力がバネ力(バネ300bの力)まで上昇するまでの間、パイロットポンプ203の吐出圧<バネ力(バネ300bの力)となる。このため切替弁300はバネ300bの力により図中で右方向に切り替わり、傾転制御ピストン321と増トルクピストン214にタンク圧が導かれる。このとき増トルクピストン214は加圧されず、メインポンプ201の押しのけ容積を大きくする方向の力は基準トルク設定バネ213の力のみとなるので、メインポンプ201のトルク制御特性は増トルクしない状態、つまり図2の「パイロットポンプ圧<バネ力」の特性Aとなる。
一方、LS制御の傾転制御ピストン221とLS制御弁244は、メインポンプ204の吐出圧(圧油供給路500Aの圧力)−最高負荷圧(油路602の圧力)=バネ244cの力(所定の圧力)になるようにメインポンプ204の斜板傾転(押しのけ容積)を制御する。つまり、メインポンプ204は図2の「パイロットポンプ圧<バネ力」の特性Aの範囲で、複数のアクチュエータ3a〜3gの最高負荷圧よりもバネ244cの設定圧だけメインポンプ204の吐出圧が高くなるように、いわゆるロードセンシング制御を行う。
また、圧力補償制御の傾転制御ピストン321も加圧されないため、圧力補償型で可変容量型のパイロットポンプ203の斜板傾転(押しのけ容積)はバネ322の力で最大となり、パイロットポンプ203の吸収トルクは図3の曲線C上の点Eで示すように最大となる。
(c)定常時1
エンジン始動後の操作レバーの中立時、パイロットポンプ圧≧バネ力(バネ300bの力)となると、切替弁300が図中で左方向に切り替わり、傾転制御ピストン321と増トルクピストン214に圧油供給路503の圧力(パイロットポンプ203の吐出圧)が導かれる。このとき増トルクピストン214は圧油供給路503の圧力によりメインポンプ201の斜板傾転を大きくする方向に加圧され、メインポンプ201の押しのけ容積を大きくする方向の力は基準トルク設定バネ213の力と増トルクピストン214の力となる。このためメインポンプ201のトルク制御特性は増トルクした状態、つまり図2の「パイロットポンプ圧≧バネ力」の特性Bとなり、メインポンプ201が吸収するトルクは図2の「パイロットポンプ圧<バネ力」の特性Aに比べてΔT大きくなる。
一方、エンジン始動時(b)と同様、LS制御の傾転制御ピストン221とLS制御弁244は、メインポンプ204の吐出圧(圧油供給路500Aの圧力)−最高負荷圧(油路602の圧力)=バネ244cの力(所定の圧力)になるようにメインポンプ204の斜板傾転(押しのけ容積)を制御する。つまり、メインポンプ204は図2の「パイロットポンプ圧≧バネ力」の特性Bの範囲で、複数のアクチュエータ3a〜3gの最高負荷圧よりもバネ244cの設定圧だけメインポンプ204の吐出圧が高くなるように、いわゆるロードセンシング制御を行う。
このとき、アクチュエータ3a〜3gは駆動されていないため、最高負荷圧(油路602の圧力)はタンク圧であり、メインポンプ204の吐出圧は、コントロールバルブ600Aに内蔵したアンロード弁20の公知の機能によって、バネ244cによって設定された所定の圧力(ロードセンシング制御の目標差圧)よりも少し高い圧力に保持される。このため、LS制御の傾転制御ピストン221とLS制御弁244のロードセンシング制御によりメインポンプ204の斜板傾転(押しのけ容積)は最小となる。
また、圧力補償制御の傾転制御ピストン321は圧油供給路503の圧力によってパイロットポンプ203の斜板傾転(押しのけ容積)を減少させる。このためパイロットポンプ203の吸収トルクは図3の点Fで示した最小トルクとなり、パイロットポンプ203が吸収するトルクは図3のE点の吸収トルクに比べてΔT’小さくなる。
(d)定常時1からのパイロットバルブ操作直後
定常時1から操作レバーを操作したパイロットバルブの操作直後は、パイロットバルブ16a〜16g(図4参照)から流量制御弁19a〜19gまでのパイロット回路18a1,18a2〜18g1,18g2(図4参照)や流量制御弁19a〜19gの受圧部に圧油供給路503の圧油が供給される。このとき、パイロットバルブから流量制御弁19a〜19gまでのパイロット回路や流量制御弁19a〜19gの受圧部は閉回路で一定の容積を有しているため、パイロットポンプ203から吐出された圧油が当該閉回路部分に満たされるまでの間、一時的に圧油供給路503の圧力(パイロットポンプ203の吐出圧)が低減し、パイロットポンプ203の吐出圧<バネ力(バネ300bの力)となる。このため切替弁300はバネ300bの力により図中で右方向に切り替わり、傾転制御ピストン321と増トルクピストン214にタンク圧が導かれる。
このときエンジン始動時(b)の場合と同様、メインポンプ201のトルク制御特性は増トルクしない状態、つまり図2の「パイロットポンプ圧<バネ力」の特性Aとなる。また、LS制御の傾転制御ピストン221とLS制御弁244は、メインポンプ204の吐出圧(圧油供給路500Aの圧力)−最高負荷圧(油路602の圧力)=バネ244cの力(所定の圧力)になるようにメインポンプ204の斜板傾転(押しのけ容積)を制御する。つまり、メインポンプ204は図2の「パイロットポンプ圧<バネ力」の特性Aの範囲で、複数のアクチュエータ3a〜3gの最高負荷圧よりもバネ244cの設定圧だけメインポンプ204の吐出圧が高くなるように、いわゆるロードセンシング制御を行う。
また、エンジン始動時(b)の場合と同様、パイロットポンプ203の押しのけ容積が最大となり、パイロットポンプ203は最大流量を吐出するとともに、パイロットポンプ203の吸収トルクは図3の曲線C上の点Eで示した最大の値となる。そしてこのとき、ポンプ装置200(ポンプ全体)が吸収するトルクは図2に示す特性Aの吸収トルクに図3の点Eの吸収トルクを加算したトルクを超えることはない。
(e)パイロットバルブ操作後の定常時(定常時2)
パイロットバルブ操作後、パイロットバルブから流量制御弁までのパイロット回路や流量制御弁の受圧部が所定の圧力まで上昇し、パイロットポンプ圧≧バネ力(バネ300bの力)となると、切替弁300が図中で左方向に切り替わり、傾転制御ピストン321と増トルクピストン214に圧油供給路503の圧力(パイロットポンプ203の吐出圧)が導かれる。このときの傾転制御ピストン321と増トルクピストン214の動作はエンジン始動後の定常時1(c)の場合と同様であり、メインポンプ201のトルク制御特性は増トルクした状態、つまり図2の「パイロットポンプ圧≧バネ力」の特性Bとなり、メインポンプ201が吸収するトルクは図2の「パイロットポンプ圧<バネ力」の特性Aに比べてΔT大きくなる。
一方、エンジン始動時(b)と同様、LS制御の傾転制御ピストン221とLS制御弁244は、メインポンプ204の吐出圧(圧油供給路500Aの圧力)−最高負荷圧(油路602の圧力)=バネ244cの力(所定の圧力)になるようにメインポンプ204の斜板傾転(押しのけ容積)を制御する。つまり、メインポンプ204は図2の「パイロットポンプ圧<バネ力」の特性Bの範囲で、複数のアクチュエータ3a〜3gの最高負荷圧よりもバネ244cの設定圧だけメインポンプ204の吐出圧が高くなるように、いわゆるロードセンシング制御を行う。
また、エンジン始動後の定常時1(c)の場合と同様、パイロットポンプ203の吸収トルクは図3の点Fで示した最小トルクとなり、パイロットポンプ203が吸収するトルクは図3のE点の吸収トルクに比べてΔT’小さくなる。そしてこの場合も、ΔTとΔT’は「ΔT≦ΔT’」となるように設定されているため、ポンプ装置200(ポンプ全体)が吸収するトルクは図2に示す特性Aの吸収トルクに図3の点Eの吸収トルクを加算したトルクを超えることはない。
〜効果〜
本実施の形態によれば、ロードセンシング制御を適用したものにおいて、第1の実施の形態と同様、パイロットポンプ203及びポンプ装置200Aの吸収トルクに係わる効果が得られる。
また、本実施の形態においても、ポンプ装置200Aのトルク制御部204T(増トルク装置216を含む)やパイロットポンプ203の圧力補償部203Cを油圧的に構成したため、油圧駆動装置全体を純油圧的に構成することができ、油圧駆動装置の安定した動作を確保できるとともに、油圧駆動装置を安価に製作することができる。
<その他>
以上の実施の形態は本発明の精神の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、メインポンプ201,204のトルク制御部201T,204T(増トルク装置216を含む)やパイロットポンプ203の圧力補償部203cを油圧的に構成したが、圧力センサ、電磁弁やコントローラなどを設け、それらを電気的に構成してもよい。
また、メインポンプ201がスプリットフロータイプの油圧ポンプである場合について説明したが、メインポンプ201は、単一の吐出ポートを有する2つの可変容量型の油圧ポンプと、この2つ油圧ポンプの斜板を同時に駆動する単一のトルク制御部を有するものであってもよい。また、メインポンプ201は単一の吐出ポートを有する通常の油圧ポンプであってもよい。
また、建設機械が油圧ショベルである場合について説明したが、メインポンプとパイロットポンプを備えた建設機械であれば、油圧走行クレーン等、油圧ショベル以外の建設機械に本発明を適用してもよい。
更に、上記実施の形態では、メインポンプ201はトルク制御のみを行う構成としたが、アクチュエータの操作レバーの操作量を検出し、この操作量に応じてメインポンプ201の流量が増加するよう容量を制御するポジコン制御を行う構成としてもよい。
3a〜3g アクチュエータ
15a〜15g 流量制御弁
16a〜16g パイロットバルブ
19a〜19g 流量制御弁
20 アンロード弁
100 エンジン(原動機)
201,204 メインポンプ(メインの油圧ポンプ)
201c,204a 押しのけ容積変更部材(例えば斜板)
201T,204T トルク制御部
203 パイロットポンプ
203a 押しのけ容積変更部材(例えば斜板)
203C 圧力補償部
210,211,212,220 トルク制御ピストン
221 傾転制御ピストン
213 基準トルク設定バネ
214 増トルクピストン(増トルク装置)
215 油路(第2油路)(増トルク装置)
216 増トルク装置
300 切替弁
300a 受圧部
300b バネ
320 油路(第1油路)
321 傾転制御ピストン
322 バネ
600 コントロールバルブ

Claims (3)

  1. 原動機と、
    前記原動機により駆動される少なくとも1つのメインの油圧ポンプと、
    前記メインの油圧ポンプから吐出された圧油により駆動される複数のアクチュエータと、
    前記メインの油圧ポンプから複数のアクチュエータに供給される圧油の流量を制御する複数の流量制御弁と、
    前記原動機により駆動されるパイロットポンプと、
    前記パイロットポンプから吐出された圧油により前記複数の流量制御弁を制御するための操作パイロット圧を生成する複数のパイロットバルブとを備え、
    前記メインの油圧ポンプは、前記メインの油圧ポンプの吸収トルクが設定値を超えないように前記メインの油圧ポンプの押しのけ容積を制御するトルク制御ピストンを有するトルク制御部を備えた建設機械の油圧駆動装置において、
    前記パイロットポンプは、前記パイロットポンプの吐出圧を設定圧に保持するように前記パイロットポンプの押しのけ容積を制御する圧力補償部を有する圧力補償型で可変容量型の油圧ポンプであり、
    前記メインの油圧ポンプのトルク制御部は、前記パイロットポンプの吐出圧が上昇して吐出流量が減少し前記パイロットポンプの吸収トルクが減少するとき、同時に前記メインの油圧ポンプの押しのけ容積を増加させ前記メインの油圧ポンプが吸収可能な最大トルクを増加させる増トルク装置を有することを特徴とする建設機械の油圧駆動装置。
  2. 請求項1記載の建設機械の油圧駆動装置において、
    前記パイロットポンプの圧力補償部は、前記パイロットポンプの吐出圧とタンク圧とを選択的に切り替えて出力する切替弁と、前記切替弁の出力圧が導かれ、前記パイロットポンプの押しのけ容積が小さくなる方向に作用する圧力補償制御ピストンと、前記切替弁の出力圧を前記圧力補償制御ピストンに導く第1油路と、前記切替弁に設けられ、前記切替弁の出力圧を前記パイロットポンプの吐出圧に切り替える方向に作用する受圧部と、前記切替弁に設けられ、前記切替弁の出力圧を前記タンク圧に切り替える方向に作用し前記パイロットポンプの吐出圧の設定圧を設定するバネとを有し、前記パイロットポンプの吐出圧が前記バネの設定圧以上であるとき、前記圧力補償制御ピストンの働きで前記パイロットポンプの押しのけ容積を減少させて前記パイロットポンプの吸収トルクを減少させるよう構成し、
    前記メインの油圧ポンプのトルク制御部の増トルク装置は、前記メインの油圧ポンプの押しのけ容積を増加する方向に作用する増トルクピストンと、前記切替弁の出力圧を前記増トルクピストンに導く第2油路とを有し、前記圧力補償制御ピストンの働きで前記パイロットポンプの押しのけ容積を減少させ、前記パイロットポンプの吸収トルクを減少させるとき、同時に前記増トルクピストンの働きで、前記メインの油圧ポンプの押しのけ容積を増加する方向に力が加えられ、前記メインの油圧ポンプが吸収可能な最大トルクを増加させるよう構成したことを特徴とする建設機械の油圧駆動装置。
  3. 請求項1記載の建設機械の油圧駆動装置において、
    前記メインの油圧ポンプが吸収可能な最大トルクの変化量が、前記パイロットポンプが吸収するトルクの変化量より小さいことを特徴とする建設機械の油圧駆動装置。
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