JP2017060206A - ワイヤハーネス、及びワイヤハーネスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
図1(a)において、引用符号1はハイブリッド自動車を示す。ハイブリッド自動車1は、エンジン2及びモータユニット3の二つの動力をミックスして駆動する車両であって、モータユニット3にはインバータユニット4を介してバッテリー5(電池パック)からの電力が供給される。エンジン2、モータユニット3、及びインバータユニット4は、本実施例において前輪等がある位置のエンジンルーム6に搭載される。また、バッテリー5は、後輪等がある自動車後部7に搭載される(エンジンルーム6の後方に存在する自動車室内に搭載してもよいものとする)。
図1(b)において、車両床下11を通って配索される(車両床下11ではストレートに配索される)長尺なワイヤハーネス15は、ハーネス本体19と、このハーネス本体19の両端末にそれぞれ配設されるコネクタ20とを備えて構成される。また、ワイヤハーネス15は、これ自身を所定位置に配索するための固定部材(例えばクランプ等)と、図示しない止水部材(例えばグロメット等)とを備えて構成される。
図2において、ハーネス本体19は、一本の導電路21と、この導電路21を収容保護する外装部材22と、複数の振動抑制部材23とを備えて構成される。尚、導電路21の本数に関し、本実施例においては一本であるが、これは一例であるものとする(二本及び三本の場合は図9を参照しながら後述する。複数本の場合、高圧のワイヤハーネス9を一緒にしてもよいものとする)。先ず、ハーネス本体19における導電路21の構成及び構造について説明をし、次に、外装部材22の構成及び構造、振動抑制部材23の構成及び構造について説明をする。
図2において、導電路21は、導電性を有する導体と、この導体の外側に設けられる絶縁性の絶縁体(被覆)とを備えて構成される。導体は、銅や銅合金、或いはアルミニウムやアルミニウム合金により断面円形に形成される。導体に関しては、素線を撚り合わせてなる導体構造のものや、断面矩形又は円形(丸形)になる棒状の導体構造(例えば平角単心や丸単心となる導体構造であり、この場合、電線自体も棒状となる)のもののいずれであってもよいものとする。以上のような導体は、この外面に絶縁性の樹脂材料からなる絶縁体が押出成形される。
図2及び図3において、外装部材22は、樹脂成形にて一本の真っ直ぐな管体形状のものに形成される(使用前は真っ直ぐである。尚、樹脂製に限らず金属製であってもよいものとする)。また、外装部材22は、腹割きなしの形状に形成される。別な言い方をすれば、スリットのない形状に形成される(割チューブでない形状に形成される)。さらに、外装部材22は、断面円形状に形成される(本実施例のような真円形状に限らず、例えば断面長円形状や楕円形状、矩形状等であってもよいものとする。断面形状は、収容された導電路21の遊び率が大きくなる形状であれば特に限定されないものとする)。
図3において、可撓管部25は、車両取付形状(ワイヤハーネス配索先の形状。固定対象の形状)に合わせて配置形成される。また、可撓管部25は、車両取付形状に合わせた長さにも形成される。可撓管部25の長さは一定でなく、車両取付形状に合わせて必要な長さにそれぞれ形成される。このような可撓管部25は、ワイヤハーネス15(図1参照)の梱包状態や輸送時、車両への経路配索時に、それぞれ所望の角度で撓ませることができるように形成される。すなわち、可撓管部25は、撓ませて曲げ形状にすることができるとともに、図示のような真っ直ぐな元の状態(樹脂成形時の状態)に戻すことも当然にできるように形成される。
図2ないし図5において、ストレート管部26は、可撓管部25(図3参照)のような可撓性を持たない部分として形成される。また、ストレート管部26は、梱包状態や輸送時、経路配索時において曲がらない部分としても形成される(曲がらない部分とは、可撓性を積極的に持たせない部分という意味である)。図中のストレート管部26は、長い直管形状に形成される。
図3において、貫通孔27は、振動抑制部材23を組み付けるための部分であって、ストレート管部26の管外面28及び管内面29を貫通するような円形の孔として形成される。尚、貫通孔27の開口径は適宜設定されるものとする。貫通孔27は、例えば走行中の振動方向に沿って(図の紙面上下方向に沿って、また、90度ピッチで)配置形成される。また、貫通孔27は、外装部材22の管軸CLの方向に沿って直線的に並ぶように配置形成される。具体的には、所定間隔Pで直線的に並ぶように配置形成される。所定間隔Pに関し、ここでは略200mmが設定される。この200mmとは、上述の図示しない固定部材(例えばクランプ)の取り付け間隔と同じ寸法である。貫通孔27は、上下に、また、所定間隔Pで直線的に並ぶことから、振動抑制部材23もこのような位置で組み付けられる。
図2、図4、及び図5において、振動抑制部材23は、外装部材22内での導電路21の振れを抑制する(吸収する)ための部材であって、弾性変形可能な材料(例えばゴム材)にて例えば図示形状に形成される。また、振動抑制部材23は、図からも分かるように、外装部材22内の所定位置(貫通孔27が形成される位置)で、導電路21の遊び率を減らすような形状に形成される。このような振動抑制部材23には、管内突出部30と、外装貫通部31と、管外突出部32とが形成される。振動抑制部材23は、導電路21の挿通後に外装部材22の管外面28側から組み付けられる。
図2、図4、及び図5において、管内突出部30は、導電路21の挿通後に外装部材22の管外面28側から振動抑制部材23が組み付けられると、管内面29に突出するような形状に形成される。尚、本実施例においては円柱形状に形成されるが、この形状に限定されないものとする。管内突出部30は、この先端が導電路21の外周面24に対し軽く接するような長さに、又は、押し付けられて弾性変形するような長さに、或いは、上側に組み付けられる振動抑制部材23の場合、外周面24の近傍に位置するような長さに形成される。本実施例においては、押し付けるような長さに形成される。すなわち、導電路21を上下で挟み込むことにより保持するような長さに形成される。
図2、図4、及び図5において、外装貫通部31は、外装部材22の貫通孔27に対し貫通する部分として形成される。外装貫通部31は、貫通孔27が円形であることから、これと同様の円形に形成される。本実施例の外装貫通部31は、貫通孔27を完全に塞ぐことができるような大きさに形成される(一例であるものとする。図8の例に関しては後述する)。
図2、図4、及び図5において、管外突出部32は、外装部材22の管外面28の側に配設される部分として形成される。このような管外突出部32は、貫通孔27を覆う形状に形成される。また、管外突出部32は、係止凸部33と共に貫通孔27の縁部を挟み込んで係止する形状に形成される。
図1において、ワイヤハーネス15は、先ずハーネス本体19の部分が製造される。図2に示すようなハーネス本体19の部分は、第一工程と第二工程とを順に経て製造される。
図1ないし図6を参照しながら説明してきたように、本発明に係るワイヤハーネス15は、管体形状の外装部材22と、この外装部材22に挿通される導電路21と、複数の振動抑制部材23とを備えて構成される。本発明では、導電路21の挿通後に振動抑制部材23が外装部材22に組み付けられることから、導電路21の挿通に係る作業性は良好である。
次に、図6ないし図9を参照しながら本発明の変形例について説明をする。
図6(a)において、振動抑制部材23は、千鳥状に組み付けてもよいものとする。また、図6(b)に示すように、上側に直線的に並ぶように組み付けて導電路21を外装部材22の下側の管内面29に押し付けるようにしてもよいものとする。この他、必要に応じて任意の箇所に追加するように組み付けてもよいものとする。
図7(a)において、上下の振動抑制部材23同士は、連結部34を管外突出部32に一体形成することにより連結にしてもよいものとする。また、図7(b)に示すように、管軸CL(図2参照)に沿って連結部34にて振動抑制部材23同士を連結してもよいものとする。
図8において、外装部材22の貫通孔27を図示のように例えば長円形状に形成すれば、水抜き孔として使用することができるのは勿論である。すなわち、外装部材22内に仮に水分が溜まったとしても、貫通孔27と外装貫通部31との間の隙間35を介して排水することができる。
図9(a)において、導電路21が二本、外装部材22に挿通されても、この二本の導電路21は振動抑制部材23により外装部材22との相対的な振動が抑制されるのは勿論である。また、図9(b)に示すように、導電路21が三本の場合も同様に外装部材22との相対的な振動が抑制されるのは勿論である。
Claims (11)
- 管体形状の外装部材と、該外装部材に挿通・保護される一又は複数本の導電路とを備えるワイヤハーネスにおいて、
当該ワイヤハーネスは、前記外装部材の内部所定位置での前記導電路の遊び率を減らして振れを抑制する一又は複数の振動抑制部材を更に備え、
該振動抑制部材は、前記導電路の挿通後に前記外装部材の管外面側から組み付けられて管内面に突出する管内突出部を有する
ことを特徴とするワイヤハーネス。 - 請求項1に記載のワイヤハーネスにおいて、
少なくとも当該ワイヤハーネスをストレートに配索する部分を含んで前記振動抑制部材を前記外装部材に組み付ける
ことを特徴とするワイヤハーネス。 - 請求項2に記載のワイヤハーネスにおいて、
前記ストレートに配索する部分の前記外装部材の断面形状を丸形にする
ことを特徴とするワイヤハーネス。 - 請求項2又は3に記載のワイヤハーネスにおいて、
自動車の車両床下に前記ストレートに配索する部分を配置する
ことを特徴とするワイヤハーネス。 - 請求項1、2、3又は4に記載のワイヤハーネスにおいて、
前記振動抑制部材を複数備え、且つ前記外装部材の管軸方向に沿って所定間隔で直線的に、又は千鳥状に、或いは管軸回りで等ピッチ位置に前記振動抑制部材を組み付ける
ことを特徴とするワイヤハーネス。 - 請求項5に記載のワイヤハーネスにおいて、
前記所定間隔を略200mmとする
ことを特徴とするワイヤハーネス。 - 請求項1、2、3、4、5又は6に記載のワイヤハーネスにおいて、
前記振動抑制部材を弾性変形可能な材料にて形成する
ことを特徴とするワイヤハーネス。 - 請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載のワイヤハーネスにおいて、
前記振動抑制部材は、前記外装部材に形成される貫通孔に対し貫通する外装貫通部と、前記外装部材の前記管外面に配設される管外突出部とを有し、前記貫通孔を前記管外突出部にて覆う形状に形成する
ことを特徴とするワイヤハーネス。 - 請求項8に記載のワイヤハーネスにおいて、
前記貫通孔を水抜き孔として使用可能に形成する
ことを特徴とするワイヤハーネス。 - 請求項8又は9に記載のワイヤハーネスにおいて、
前記振動抑制部材同士を連結するための連結部を前記管外突出部に一体形成する
ことを特徴とするワイヤハーネス。 - 管体形状の外装部材に一又は複数本の導電路を挿通する第一工程と、
該第一工程の後、管内突出部を有する振動抑制部材を前記外装部材の管外面側から組み付けて前記管内突出部を管内面に突出させる第二工程と
を含んで製造する
ことを特徴とするワイヤハーネスの製造方法。
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