JP2017059089A - 歩数計測装置、歩数計測方法、およびプログラム - Google Patents
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Description
図16には、着用者の動きが緩慢で体動が小さい歩行動作時における3軸の加速度の合成値の特性1001と、その合成値に基づいて計測された歩数1002とが示されている。
〈実施の形態1に係る歩数計測装置1の構成〉
図1は、実施の形態1に係る歩数計測装置の構成を示す図である。
同図に示される歩数計測装置1は、例えば人に代表される生体に装着され、加速度センサによる加速度の検出結果に基づいて、装着した生体(着用者)の歩行または走行による歩数を計測する装置である。歩数計測装置1は、加速度の検出結果に基づいて歩数を算出する際に、着用者の歩行動作の体動規模に応じて適切な歩数検出を行う機能を有している。
以下、歩数計測装置1の具体的な構成について説明する。
ここで、歩行ピッチとは、単位時間(例えば、1分間)あたりの歩数である。
次に、実施の形態1に係る歩数計測装置1による歩数計測処理について説明する。
図2は、実施の形態1に係る歩数計測装置による歩数計測処理の概要を示す図である。
ステップS1では、合成値算出部12が、記憶部11に記憶されたX軸の加速度ax[n]、Y軸の加速度ay[n]、およびZ軸の加速度az[n]に基づいて、3軸の加速度の合成値a[n]を算出する。具体的には、合成値算出部12は、上述した式(1)を解くことにより、3軸の加速度の合成値a[n]を算出する。
ステップS2では、歩行ピッチ推定部13が着用者の歩行ピッチを推定する。
本願発明者による検討によれば、歩行ピッチと加速度の合成値a[n]の統計量との間に相関関係があることがわかっている。
図3には、被験者11名による歩行または走行時の歩行ピッチ(1分間あたりの歩数)と、歩行動作における加速度の合成値の統計量の一つである、加速度の合成値の平均値からのばらつきの大きさを表す分散S[n] 2の実測結果が示されている。
また、図3において、縦軸は加速度の合成値の分散〔G2〕を表し、横軸は歩行ピッチ〔spm:steps per minute〕を表している。
ここでは、一例として、分散を算出する際の合成値のサンプル数を“25”とし、n番目に計測された加速度の合成値に関する直近の時系列25個の加速度の合成値を用いている。
ステップS3では、歩数算出部14が制限期間Txの長さを決定する。
具体的には、歩数算出部14は、歩行ピッチの増大に応じて制限期間Txが短くなるように設定する。より具体的には、歩数算出部14は、歩行ピッチ推定部13によって算出されたn番目の加速度の合成値の分散S[n] 2に基づいて制限期間Txを決定する。
図4に示されるように、歩数算出部14は、分散S[n] 2の範囲に応じて異なる制限期間Txを定める。例えば、分散S[n] 2が0.26未満の場合には、制限期間Txを320msとし、分散S[n] 2が0.26以上0.6未満の場合には、制限期間Txを240msとし、分散S[n] 2が0.6以上の場合には、制限期間Txを120msとする。
ステップS4では、歩数算出部14が、ステップS3で設定した制限期間Txに従って、ステップS1で算出された加速度の合成値a[n]の時間経過に伴う変動が歩数検出条件を満たした回数をカウントし、その回数を歩数として算出する。
図5は、実施の形態1に係る歩数計測装置1の歩数計測結果を示す図である。
図5には、図16に示した従来の歩数計測装置と同様の各計測軸の加速度のデータを用いることによって、歩数計測装置1が算出した加速度の合成値a[n]の特性2001と、歩数計測装置1が加速度の合成値a[n]に基づいて算出した歩数2002とが示されている。また、比較例として、図16に示した従来の歩数計測装置によって算出した歩数1002も示されている。
すなわち、歩数計測装置1によれば、歩行時のように体動が小さい場合には、制限期間Txが長く設定され、走行時のように体動が大きい場合には、制限期間Txが短く設定されるので、様々な歩行動作に対応した適切な歩数検出を実現することができる。
図6は、実施の形態2に係る歩数計測装置の構成を示す図である。
実施の形態2に係る歩数計測装置2は、着用者の移動速度に基づいて歩数検出を制限する機能を備える点において、実施の形態1に係る歩数計測装置1と相違し、その他の点においては、実施の形態1に係る歩数計測装置1と同様である。
具体的に、移動速度算出部17は、位置情報取得部16によって取得した緯度および経度の情報の時間変化から移動速度を算出する。より具体的には、移動速度算出部17は、球(地球)の中心からその球面における2つの地点を夫々結んだ2つ直線によって作られる角度を算出し、その角度に基づいて移動速度を算出する。
以下、移動速度算出部17による移動速度の算出方法について詳細に説明する。
式(5)において、経度は,東経を正、西経を負とし、緯度は,北緯を正、南緯を負としている。また、角度dの単位はラジアンである。
扇形の弧の長さは中心角と半径の積で表されることから、角度dに地球の平均半径(=6370km)を乗じることにより、2つ地点間の距離Rを求めることができる。具体的には、移動速度算出部17は、下記式(7)を解くことによって、2つの地点間の距離R〔km〕を算出する。
歩数算出部18は、移動速度vが閾値よりも大きいか否かを判定することにより、歩数検出の有効/無効を決定する。
図8は、実施の形態3に係る歩数計測装置の構成を示す図である。
実施の形態3に係る歩数計測装置3は、着用者の歩行動作時の地面に対して垂直方向の加速度振動を考慮して加速度の合成値を補正し、補正した合成値に基づいて歩数検出を行う点において、実施の形態1に係る歩数計測装置1と相違し、その他の点においては、実施の形態1に係る歩数計測装置1と同様である。
先ず、歩数計測装置3は、実施の形態1に係る歩数計測装置1と同様に、記憶部11に記憶された加速度センサ101による3軸の加速度の計測値を合成して、加速度の合成値を算出する(S1)。次に、歩数計測装置3は、各計測軸の加速度の計測値に基づいて、加速度センサ101の鉛直方向に対する傾斜を算出する(S6)。
ここでは、実施の形態3に係る歩数計測装置3に特有の処理ステップであるステップS6、ステップS7、およびステップS8について詳細に説明し、実施の形態1に係る歩数計測装置1と同様の処理ステップS2〜S4については、説明を省略する。
ステップS6では、傾斜算出部20が、加速度センサ101の鉛直方向に対する傾斜を算出する。
具体的に、傾斜算出部20は、先ず、3軸の加速度の合成値a[n]から高周波成分を除去することにより、重力加速度に基づくベクトル量を抽出する処理を行う。次に、傾斜算出部20は、抽出した重力加速度に基づくベクトル量に基づいて、重力加速度に対する加速度センサ101の各計測軸の傾斜を算出する処理を行う。以下、上記の各処理について具体的に説明する。
図10に示されるように、傾斜算出部20は、ローパスフィルタ201と、角度算出部202とを含む。
本実施の形態では、ローパスフィルタ201として、式(9)で示される帯域制限処理を行うフィルタを例にとり、説明する。
図11において、Z軸は、地面に対して垂直な方向(鉛直方向)の軸である。X軸およびY軸は、互いに直交し、且つZ軸に対しても直交する軸である。また、xa軸、ya軸、およびza軸は、加速度センサ101の計測軸である。
ステップS7では、振動方向判定部21が、ステップS6で算出した傾斜に基づいて、加速度センサ101の着用者の鉛直方向の振動の向きを判定する。
ステップS8では、合成値補正部22が、ステップS7で判定した着用者の鉛直方向の振動の向きに基づいて、各計測軸の加速度の合成値を補正する。
具体的には、ステップS7において、着用者の鉛直方向の振動が鉛直上向きであると判定された場合には、合成値算出部12によって算出された合成値a[n]の符号を“正”とし、着用者の鉛直方向の振動が鉛直下向きであると判定された場合には、合成値算出部12によって算出された合成値a[n]の符号を“負”とする。
図13は、実施の形態3に係る歩数計測装置3の歩数計測結果を示す図である。
また、図13には、図12に示した従来の歩数計測装置と同様の各計測軸の加速度の計測値を用いることによって、実施の形態3に係る歩数計測装置3が算出した補正後の加速度の合成値a´[n]の特性4001と、歩数計測装置3が補正後の加速度の合成値a´[n]とに基づいて算出した歩数4002とが示されている。
図14は、実施の形態4に係る歩数計測装置の構成を示す図である。
実施の形態4に係る歩数計測装置4は、加速度センサ101を含むセンサ部10と、歩行ピッチ推定部13等の歩数を算出するための信号処理部とが別個の端末に形成されている点において、実施の形態1乃至3に係る歩数計測装置1乃至3と相違する。
センサ端末5は、センサ部10と、センサ部10によって計測された各計測軸の加速度の計測値(ax[n]、ay[n]、およびaz[n])を出力する出力部103とを有するウェアラブル装置である。
図15に示すように、センサ端末5は、ユーザ(生体)が身に着けることが可能な衣類7等に装着される。図15では、衣類7としてシャツを例示しているが、衣類7はユーザが身に着けることができるものであればよく、例えば、パンツ、腹まき、サポータ、バンド等であってもよい。
Claims (8)
- 複数の計測軸を有する加速度センサによって計測された、夫々の前記計測軸の加速度の計測値を合成して合成値を算出する合成値算出部と、
所定の条件を満たす前記合成値の変動を検出し、その検出回数に基づいて前記加速度センサの着用者による歩行または走行による歩数を算出する歩数算出部と、を有し、
前記歩数算出部は、所定の条件を満たす前記合成値の変動を検出した後、所定期間内に発生した前記所定の条件を満たす前記合成値の変動を前記歩数としてカウントしない
ことを特徴とする歩数計測装置。 - 請求項1に記載の歩数計測装置において、
前記合成値に基づいて、前記着用者による歩行動作の歩行ピッチを推定する歩行ピッチ推定部を更に有し、
前記歩数算出部は、前記歩行ピッチ推定部によって推定された前記歩行ピッチに基づいて、前記所定期間の長さを変更する
ことを特徴とする歩数計測装置。 - 請求項2に記載の歩数計測装置において、
前記歩行ピッチ推定部は、
前記合成値の平均値からのばらつきの大きさに基づいて、前記歩行ピッチを推定し、
前記歩数算出部は、前記歩行ピッチの増大に応じて前記所定期間が短くなるように設定する
ことを特徴とする歩数計測装置。 - 請求項2または3に記載の歩数計測装置において、
前記着用者の移動速度を算出する移動速度算出部を更に有し、
前記歩数算出部は、前記移動速度が閾値を超えていない場合には、前記所定の条件を満たす前記合成値の変動を前記歩数としてカウントし、前記移動速度算出部によって算出された移動速度が前記閾値を超えている場合には、前記所定の条件を満たす前記合成値の変動を前記歩数としてカウントしない
ことを特徴とする歩数計測装置。 - 請求項2乃至4のいずれか一項に記載の歩数計測装置において、
前記加速度センサを有するセンサ部と、
前記加速度センサによって計測された前記計測軸毎の加速度の計測値を出力する出力部と、
前記出力部から出力された前記計測軸毎の加速度の計測値を記憶する記憶部と、を更に有し、
前記センサ部および前記出力部は、第1端末に形成され、
前記記憶部、前記合成値算出部、前記歩行ピッチ推定部、および前記歩数算出部は、前記第1端末とは異なる第2端末に形成されている
ことを特徴とする歩数計測装置。 - 複数の計測軸を有する加速度センサによって計測された、前記計測軸毎の加速度の計測値を合成して合成値を算出する第1ステップと、
所定の条件を満たす前記合成値の変動を検出し、その検出回数に基づいて前記加速度センサの着用者による歩行または走行による歩数を算出する第2ステップと、
前記第2ステップは、前記合成値の変動を検出してから所定期間内に発生した前記所定の条件を満たす前記合成値の変動を前記歩数としてカウントしないステップを含む
ことを特徴とする歩数計測方法。 - 請求項6に記載の歩数計測方法において、
前記着用者による歩行動作の歩行ピッチを推定する第3ステップを更に含み、
前記第2ステップは、前記第3ステップにおいて推定された前記歩行ピッチに基づいて、前記所定期間の長さを変更するステップを含む
ことを特徴とする歩数計測方法。 - コンピュータに、請求項6または7に記載の歩数計測方法における各ステップを実行させるためのプログラム。
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