JP2017058288A - 非接触型直流電流センサ及び該非接触型直流電流センサを用いてなる直流電流計測システム - Google Patents

非接触型直流電流センサ及び該非接触型直流電流センサを用いてなる直流電流計測システム Download PDF

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Abstract

【課題】小電流から大電流まで広範囲に、電線を流れる直流電流を精度良く測定することができる非接触型直流電流センサを提供する。【解決手段】被測定対象となる電線を流れる直流電流を非接触で測定するための直流電流センサが開示される。直流電流センサは、電線を包囲する略円環形状の磁性材料からなるコアと該コアに巻回された導線からなるトロイダルコイルと、該トロイダルコイルの一方端に交流励磁電流を流す交流励磁回路と、トロイダルコイルの他方端と接地との間に接続される抵抗器とで交流閉回路を構成し、電線を流れる直流電流に対応した交流電圧を抵抗器の両端に発生させる。抵抗器の両端に発生した交流電圧は、電線を流れる直流電流値に変換回路を介して変換され、表示部に表示される。【選択図】図3

Description

本発明は直流電流センサ、より詳しくは、電力配線、ケーブルなどを流れる直流電流を非接触で測定するための直流電流センサ又は直流電流センサユニットに関する。
近年、通信網の進展に伴う基地設備内の直流分電盤の需要の増加や、電気自動車(EV)、ハイブリット自動車の増加や、太陽エネルギー電池の利用の増加などにより、大容量の直流電流を簡単かつ精確に測定し、それを制御することの必要性が益々高まってきている。回路電流を切断してそこに電流センサを挿入して測るのではなく、回路電流が継続して流れているままで、非接触の状態で電流を計測する必要がある。
そのような非接触型電流センサとして、特開2000−97973号公報(特許文献1)に開示されるようなホール素子を用いたものがあり、一般的に広く利用されている。これは、電線の周囲を包囲する円環状形状のコアのギャップ部分にホール素子を挿入して、電線を流れる電流に対応したホール電圧を検出する構成となっている。さらには、ホール素子を用いない非接触型電流センサとして、特開2007−33222号公報(特許文献2)や特開2014−137359号公報(特許文献3)に開示されるものがある。これらは、電線に流れる直流電流により閉磁路コアに生じる発生磁界を、閉磁路コアに巻かれた巻線コイルにフィードバック電流を流すことによって打ち消した上で、電線を流れる直流電流を計測する構成となっている。
上記の従来例のうち、特許文献1のホール素子を用いるものにあっては、ホール素子自体の電気的特性が温度依存性が大きく、電流を精度良く計測することが容易ではなかった。またホール素子の価格も高く、電流センサを低価格に構成することを困難としていた。さらに、ホール素子を挿入するコアのギャップ部分は、隣接する他の電線からの磁界の影響を受け易く、精度の高い電流の測定が難しかった。
特許文献2,3の閉磁路コアにフィードバック電流を流す形式のものにあっては、電流を検出して、発生磁界打消しのための適切なフィードバック電流を発生させるために複雑な回路を必要とし、やはり電流センサを低価格に構成することを困難としていた。
特開2000−097973号公報 特開2007−033222号公報 特開2014−137359号公報
本発明は、従来技術の上述した欠点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、温度依存性の高い部品を用いることなく、また他の電線などからの外来磁界の影響を受けることなく、簡単な構成で直流電流を高精度に計測することができる非接触型直流電流センサを提供することである。
本発明によれば、被測定対象となる電線を流れる直流電流を非接触で測定するための直流電流センサであって、該直流電流センサは、
前記電線を包囲する略円環形状の磁性材料からなるコアと、該コアに巻回された導線からなるトロイダルコイルと、
前記トロイダルコイルの一方端に交流励磁電流を流す交流励磁回路と、
前記トロイダルコイルの他方端と接地との間に接続される抵抗器と、
前記抵抗器の両端に発生する前記直流電流に対応したアナログ電圧の実効値を演算する実効値演算回路と、
前記実効値演算回路からのアナログ実効値出力をデジタル信号に変換するAD変換回路と、
前記AD変換回路からの出力に基づき最小二乗法に基づき前記電線を流れる直流電流を演算する計測値演算回路と、
からなることを特徴とする非接触型直流電流センサが提供される。
本発明の他の形態において、非接触型直流電流センサは、更に、前記計測値演算回路からの演算値を受けてデジタル表示する表示回路を有することを特徴とする。
上記の非接触型直流電流センサにおいて、前記コアは強磁性体であることを特徴とする。
上記の非接触型直流電流センサにおいて、前記交流励磁回路は矩形波発生回路と、該矩形波発生回路が発生した矩形波信号を増幅して前記トロイダルコイルに印加する増幅回路とから成ることを特徴とする。
本発明の構成とすれば、温度依存性の高いホール素子を用いないので、広い使用環境温度で高い精度の直流電流の計測が可能となる。価格の高いホール素子を必要とせず、簡単な部品構成で、安価な直流電流センサを提供できる。
図1は本発明による直流電流センサを適用した分電盤の一例を示す図である。 図2は本発明による電流計測システムのブロック図である。 図3は本発明による実施の形態に係る直流電流センサの概略図である。 図4は図3に示す実施の形態における電流検出部分の簡易回路図である。 図5は図4に示す簡易回路図の等価回路図である。 図6は図3に示す実施の形態における磁性材料コアの磁化曲線(B−H)曲線とそれに対応する透磁率μを表すグラフである。
以下、本発明の直流電流センサの実施の形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、すべての図面において、同一参照番号又は符号は同一の構成要素又は部材を示すものとする。
図1は本発明による直流電流センサ100a〜100nが用いられた分電盤5の一例を示すものである。分電盤5の裏側には少なくとも直流電流センサ100a〜100nに対応した数の電線(幹線)がある。各直流電流センサ100a〜100nの出力は、分電盤5の裏側にある外部CPU110に送られる。CPU110での処理結果、即ち各直流電流センサ100a〜100nでの計測直流電流値は、分電盤5の前面から読み取れる表示部120に表示される。表示の方法は、数字表示又はグラフ表示など任意で良い。図2は、直流電流センサ100a〜100nと、外部CPU110と、表示部120との接続関係を示すブロック図である。
図3は、直流電流センサ100a〜100nの一つである本発明による直流電流センサ100のブロック図である。被測定対象導電体である電線90には直流電流IDCが矢印の方向に流れている。電線90の周りには磁性体コア30Aが設けられる。磁性体コア30Aには巻線コイル30Bが巻回され、トロイダルコイル30を形成する。電線90はトロイダルコイル30を貫通するように配置される。磁性体コア30Aとしては、強磁性体であるパーマロイコア、フェライトコア、ケイ素鉄コア、スーパーマロイコア、パーメンジュールコア、アモルファスコア等が用いられる。一般的にはフェライトコアが用いられることが多い。コア30Aは完全なる環状のものでも良く、また一部にギャップを有するものでも構わないが、コア30Aに磁気飽和を発生し易くするにはギャップが無いものが好ましい。
トロイダルコア30の巻線コイル30Bの一方端には、信号発生回路10で発生した信号を増幅回路20で増幅された交流信号が加えられる。マルチバイブレータ回路に代表されるような信号発生回路10が発生する信号は、矩形波、正弦波など任意の波形で構わない。その発振周波数は例えば100Hz〜1kHzである。増幅器20は、信号発生回路10からの出力を、例えば波高値5〜10VP-Pに増幅して巻線コイル30Bに加える。増幅回路20は、最も簡単にはnpn型トランジスタとpnp型トランジスタで構成されるプッシュプル回路である。増幅回路20は単電源動作でも両電源動作の何れでも構わない。
トロイダルコア30の巻線コイル30Bの他方端と接地との間には抵抗器40が設けられ、電線90を流れる直流電流値IDCに対応する交流電圧がここに発生する。信号発生回路10、増幅回路20、トロイダルコイル30、そして抵抗器40からなる閉回路が構成され、この閉回路に交流電流IACが流れることになる。この閉回路は、後に簡易回路図及び等価回路図を示して説明する。
抵抗器40の両端に発生する、電線90を流れる直流電流IDCに対応したアナログ交流電圧は、実効値演算回路50にて交流実効値に演算される。実効値演算回路50にて実効値に演算された直流電流IDCに対応した電流値は、次にAD変換回路60にてデジタル値に変換される。
AD変換回路60からのデジタル信号は次に計測値演算部70に送られる。計測値演算部70では、予め校正により求めた近似演算式と最小二乗法を用いて電流値への変換が行われる。そうすることにより、コア間の誤差低減及び小電流の計測が可能となる。計測値演算部70で変換された電流値は、外部CPU110に送られ、他の直流電流センサからの電流値と共に一括処理される。他の方法としては、計測値演算部70で変換された電流値を電流センサ100自体と一体化された表示回路80に表示させても良い。
ここで、上に記した、信号発生回路10、増幅回路20、トロイダルコイル30及び抵抗器40で構成される交流閉回路を、図4に示す簡易回路図と、図5に示すその等価回路図を参照して説明する。図4の簡易回路図から分かるとおり、閉回路は、信号源10,20とトロイダルコイル30の巻線コイル30Bと抵抗器40(RL)の直列回路であることが分かる。図5の等価回路図は、巻線コイル30Bを巻線抵抗RAと誘導性リアクタンスXLに分けて示したものである。巻線抵抗RAの抵抗値は抵抗器40の抵抗値(RL)より通常十分小さいため、閉回路は実質的には、信号源10,20と誘導性リアクタンスXLと抵抗器40のRLとの直列回路と見ることができる。
誘導性リアクタンスXLは、発振周波数をf、トロイダルコイルのインダクタンスをLとしたとき以下の式(1)で表される。

L=ωL=2πfL (1)

また、トロイダルコイルのインダクタンスLは、コア30Aの比透磁率をμ、巻線30Bの巻数をN、コア30の断面積をS、コア30Aの磁路長をlとしたとき以下の式(2)で表される。

L=μ(N2S/l) (2)
図6は磁性体コア30Aの磁化(B−H)曲線とそれに対応する透磁率μの変化を示すグラフである。同グラフにおいて、磁界の強さ(H)は電線90を流れる直流電流の大きさに比例するため、直流電流によりトロイダルコイル30の磁性体コア30Aに磁気飽和が発生し、磁束密度(B)はほぼ一定(飽和)になるのに対して、透磁率μ(=B/H)は低下し、上記(2)式より巻線コイル30Bのインダクタンス値が低下する。その結果、誘導性リアクタンスXLと抵抗器RLの交流直列回路では、抵抗器40(RL)に発生する交流電圧が誘導性リアクタンスXLに比して大きくなる。この特性を本発明では利用し、抵抗器40の両端に発生する交流電圧から、適当な変換を経て電線90を流れる直流電流IDCを計測するものである。
以上、本発明による直流電流センサの好適実施例を、図面を参照しつつ説明してきたが、本願発明は上記に限られることなく、以下の特許請求の範囲に含まれる限り、あらゆる改変及び改造が含まれることは言うまでもない。
たとえば、分電盤のように1つの装置に複数個の電流センサを用いる場合には、事前に個々の電流センサの特性を測定しこれをデータ蓄積し、電流値をCPUにて補正して各ラインの計測結果を得るようにしてもよい。
例えば、0Aから約50A程度の直流電流が、通信設備内の分電盤の中の数多くの幹線に流れている場合に、その電流を活線状態で精確に計測することが要求される技術分野で利用できる。
5 分電盤
10 信号発生回路
20 増幅回路
30 トロイダルコイル
30A 磁性体コア
30B 巻線コイル
40 抵抗器
50 実効値演算回路
60 AD変換回路
70 計測値演算部
80 表示回路
100 直流電流センサ
110 外部CPU
120 表示部
本発明は直流電流センサ、より詳しくは、電力配線、ケーブルなどを流れる直流電流を非接触で測定するための直流電流センサ又は直流電流センサユニットに関する。
近年、通信網の進展に伴う基地設備内の直流分電盤の需要の増加や、電気自動車(EV)、ハイブリット自動車の増加や、太陽エネルギー電池の利用の増加などにより、大容量の直流電流を簡単かつ精確に測定し、それを制御することの必要性が益々高まってきている。回路電流を切断してそこに電流センサを挿入して測るのではなく、回路電流が継続して流れているままで、非接触の状態で電流を計測する必要がある。
そのような非接触型電流センサとして、特開2000−97973号公報(特許文献1)に開示されるようなホール素子を用いたものがあり、一般的に広く利用されている。これは、電線の周囲を包囲する円環状形状のコアのギャップ部分にホール素子を挿入して、電線を流れる電流に対応したホール電圧を検出する構成となっている。さらには、ホール素子を用いない非接触型電流センサとして、特開2007−33222号公報(特許文献2)や特開2014−137359号公報(特許文献3)に開示されるものがある。これらは、電線に流れる直流電流により閉磁路コアに生じる発生磁界を、閉磁路コアに巻かれた巻線コイルにフィードバック電流を流すことによって打ち消した上で、電線を流れる直流電流を計測する構成となっている。
上記の従来例のうち、特許文献1のホール素子を用いるものにあっては、ホール素子自体の電気的特性が温度依存性が大きく、電流を精度良く計測することが容易ではなかった。またホール素子の価格も高く、電流センサを低価格に構成することを困難としていた。さらに、ホール素子を挿入するコアのギャップ部分は、隣接する他の電線からの磁界の影響を受け易く、精度の高い電流の測定が難しかった。
特許文献2,3の閉磁路コアにフィードバック電流を流す形式のものにあっては、電流を検出して、発生磁界打消しのための適切なフィードバック電流を発生させるために複雑な回路を必要とし、やはり電流センサを低価格に構成することを困難としていた。
特開2000−097973号公報 特開2007−033222号公報 特開2014−137359号公報
本発明は、従来技術の上述した欠点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、温度依存性の高い部品を用いることなく、また他の電線などからの外来磁界の影響を受けることなく、簡単な構成で直流電流を高精度に計測することができる非接触型直流電流センサを提供することである。
本発明によれば、被測定対象となる電線を流れる直流電流を非接触で測定するための直流電流センサであって、該直流電流センサは、
前記電線を包囲する略円環形状の磁性材料からなるコアと、該コアに巻回された導線からなる単一のトロイダルコイルと、
前記トロイダルコイルの一方端に、前記直流電流の大きさに応じて半周期中の所定時間、前記コアを磁気飽和させるための交流励磁電流を流す交流励磁回路と、
前記トロイダルコイルの他方端と接地との間に接続される抵抗器と、
前記抵抗器の両端に発生する前記直流電流の大きさに対応し、前記コアの磁気飽和期間に対応したアナログ電圧の実効値を演算する実効値演算回路と、
前記実効値演算回路からのアナログ実効値出力をデジタル信号に変換するAD変換回路と、
前記AD変換回路の出力から最小二乗法に基づき前記電線を流れる直流電流を演算する計測値演算回路と、
からなることを特徴とする非接触型直流電流センサが提供される。
本発明の他の形態において、非接触型直流電流センサは、更に、前記計測値演算回路からの演算値を受けてデジタル表示する表示回路を有することを特徴とする。
上記の非接触型直流電流センサにおいて、前記コアは強磁性体であることを特徴とする。
上記の非接触型直流電流センサにおいて、前記交流励磁回路は矩形波発生回路と、該矩形波発生回路が発生した矩形波信号を増幅して前記トロイダルコイルに印加する増幅回路とから成ることを特徴とする。
本発明の構成とすれば、温度依存性の高いホール素子を用いないので、広い使用環境温度で高い精度の直流電流の計測が可能となる。価格の高いホール素子を必要とせず、簡単な部品構成で、安価な直流電流センサを提供できる。
図1は本発明による直流電流センサを適用した分電盤の一例を示す図である。 図2は本発明による電流計測システムのブロック図である。 図3は本発明による実施の形態に係る直流電流センサの概略図である。 図4は図3に示す実施の形態における電流検出部分の簡易回路図である。 図5は図4に示す簡易回路図の等価回路図である。 図6は図3に示す実施の形態における磁性材料コアの磁化曲線(B−H)曲線とそれに対応する透磁率μを表すグラフである。
以下、本発明の直流電流センサの実施の形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、すべての図面において、同一参照番号又は符号は同一の構成要素又は部材を示すものとする。
図1は本発明による直流電流センサ100a〜100nが用いられた分電盤5の一例を示すものである。分電盤5の裏側には少なくとも直流電流センサ100a〜100nに対応した数の電線(幹線)がある。各直流電流センサ100a〜100nの出力は、分電盤5の裏側にある外部CPU110に送られる。CPU110での処理結果、即ち各直流電流センサ100a〜100nでの計測直流電流値は、分電盤5の前面から読み取れる表示部120に表示される。表示の方法は、数字表示又はグラフ表示など任意で良い。図2は、直流電流センサ100a〜100nと、外部CPU110と、表示部120との接続関係を示すブロック図である。
図3は、直流電流センサ100a〜100nの一つである本発明による直流電流センサ100のブロック図である。被測定対象導電体である電線90には直流電流 DC が矢印の方向に流れている。電線90の周りには磁性体コア30Aが設けられる。磁性体コア30Aには巻線コイル30Bが巻回され、トロイダルコイル30を形成する。電線90はトロイダルコイル30を貫通するように配置される。磁性体コア30Aとしては、強磁性体であるパーマロイコア、フェライトコア、ケイ素鉄コア、スーパーマロイコア、パーメンジュールコア、アモルファスコア等が用いられる。一般的にはフェライトコアが用いられることが多い。コア30Aは完全なる環状のものでも良く、また一部にギャップを有するものでも構わないが、巻線コイル30Bを流れる励磁電流により、コア30Aに磁気飽和を発生し易くするにはギャップが無いものが好ましい。
トロイダルコア30の巻線コイル30Bの一方端には、信号発生回路10で発生した信号を増幅回路20で増幅された交流信号が加えられる。マルチバイブレータ回路に代表されるような信号発生回路10が発生する信号は、矩形波、正弦波など任意の波形で構わない。その発振周波数は例えば100Hz〜1kHzである。増幅器20は、信号発生回路10からの出力を、コア30Aに磁気飽和が発生する程度まで、例えば波高値5〜10VP-Pに増幅して巻線コイル30Bに加える。増幅回路20は、最も簡単にはnpn型トランジスタとpnp型トランジスタで構成されるプッシュプル回路である。増幅回路20は単電源動作でも両電源動作の何れでも構わない。
トロイダルコア30の巻線コイル30Bの他方端と接地との間には抵抗器40が設けられ、電線90を流れる直流電流値IDCに対応する交流電圧がここに発生する。信号発生回路10、増幅回路20、トロイダルコイル30、そして抵抗器40からなる閉回路が構成され、この閉回路に交流電流IACが流れることになる。この閉回路は、後に簡易回路図及び等価回路図を示して説明する。
抵抗器40の両端に発生する、電線90を流れる直流電流IDCに対応したアナログ交流電圧は、実効値演算回路50にて交流実効値に演算される。実効値演算回路50にて実効値に演算された直流電流IDCに対応した電流値は、次にAD変換回路60にてデジタル値に変換される。
AD変換回路60からのデジタル信号は次に計測値演算部70に送られる。計測値演算部70では、予め校正により求めた近似演算式と最小二乗法を用いて電流値への変換が行われる。そうすることにより、コア間の誤差低減及び小電流の計測が可能となる。計測値演算部70で変換された電流値は、外部CPU110に送られ、他の直流電流センサからの電流値と共に一括処理される。他の方法としては、計測値演算部70で変換された電流値を電流センサ100自体と一体化された表示回路80に表示させても良い。
ここで、上に記した、信号発生回路10、増幅回路20、トロイダルコイル30及び抵抗器40で構成される交流閉回路を、図4に示す簡易回路図と、図5に示すその等価回路図を参照して説明する。図4の簡易回路図から分かるとおり、閉回路は、信号源10,20とトロイダルコイル30の巻線コイル30Bと抵抗器40(RL)の直列回路であることが分かる。図5の等価回路図は、巻線コイル30Bを巻線抵抗RAと誘導性リアクタンスXLに分けて示したものである。巻線抵抗RAの抵抗値は抵抗器40の抵抗値(RL)より通常十分小さいため、閉回路は実質的には、信号源10,20と誘導性リアクタンスXLと抵抗器40のRLとの直列回路と見ることができる。
誘導性リアクタンスXLは、発振周波数をf、トロイダルコイルのインダクタンスをLとしたとき以下の式(1)で表される。

L=ωL=2πfL (1)

また、トロイダルコイルのインダクタンスLは、コア30Aの比透磁率をμ、巻線30Bの巻数をN、コア30Aの断面積をS、コア30Aの磁路長をlとしたとき以下の式(2)で表される。

L=μ(N2S/l) (2)
図6は磁性体コア30Aの磁化(B−H)曲線とそれに対応する透磁率μの変化を示すグラフである。同グラフにおいて、磁界の強さ(H)は電線90を流れる直流電流の大きさに比例するため、直流電流と励磁電流との相互作用によりトロイダルコイル30の磁性体コア30Aに磁気飽和が発生し、磁束密度(B)はほぼ一定(飽和)になるのに対して、透磁率μ(=B/H)は低下し、上記(2)式より巻線コイル30Bのインダクタンス値が低下する。その結果、誘導性リアクタンスXLと抵抗器RLの交流直列回路では、抵抗器40(RLの両端に発生する交流電圧が誘導性リアクタンスXL (トロイダルコイル30)の両端に発生する交流電圧に比して大きくなる。この特性を本発明では利用し、抵抗器40の両端に発生する交流電圧から、適当な変換を経て電線90を流れる直流電流IDCを計測するものである。
以上、本発明による直流電流センサの好適実施例を、図面を参照しつつ説明してきたが、本願発明は上記に限られることなく、以下の特許請求の範囲に含まれる限り、あらゆる改変及び改造が含まれることは言うまでもない。
たとえば、分電盤のように1つの装置に複数個の電流センサを用いる場合には、事前に個々の電流センサの特性を測定しこれをデータ蓄積し、電流値をCPUにて補正して各ラインの計測結果を得るようにしてもよい。
例えば、0Aから約50A程度の直流電流が、通信設備内の分電盤の中の数多くの幹線に流れている場合に、その電流を活線状態で精確に計測することが要求される技術分野で利用できる。
5 分電盤
10 信号発生回路
20 増幅回路
30 トロイダルコイル
30A 磁性体コア
30B 巻線コイル
40 抵抗器
50 実効値演算回路
60 AD変換回路
70 計測値演算部
80 表示回路
100 直流電流センサ
110 外部CPU
120 表示部

Claims (6)

  1. 被測定対象となる電線を流れる直流電流を非接触で測定するための直流電流センサであって、該直流電流センサは、
    前記電線を包囲する略円環形状の磁性材料からなるコアと、該コアに巻回された導線からなるトロイダルコイルと、
    前記トロイダルコイルの一方端に交流励磁電流を流す交流励磁回路と、
    前記トロイダルコイルの他方端と接地との間に接続される抵抗器と、
    前記抵抗器の両端に発生する前記直流電流に対応したアナログ電圧の実効値を演算する実効値演算回路と、
    前記実効値演算回路からのアナログ実効値出力をデジタル信号に変換するAD変換回路と、
    前記AD変換回路からの出力に基づき最小二乗法に基づき前記電線を流れる直流電流を演算する計測値演算回路と、
    からなることを特徴とする非接触型直流電流センサ。
  2. 請求項1に記載の非接触型直流電流センサであって、更に、前記計測値演算回路からの演算値を受けてデジタル表示する表示回路を有することを特徴とする非接触型直流電流センサ。
  3. 請求項1に記載の非接触型直流電流センサにおいて、前記コアは強磁性体からなることを特徴とする非接触型直流電流センサ。
  4. 請求項1に記載の非接触型直流電流センサにおいて、前記交流励磁回路は矩形波発生回路と、該矩形波発生回路が発生した矩形波信号を増幅して前記トロイダルコイルに印加する増幅回路とから成ることを特徴とする非接触型直流電流センサ。
  5. 請求項1に記載の非接触型直流電流センサにおいて、前記交流励磁回路は正弦波発生回路と、該正弦波発生回路が発生した正弦波信号を増幅して前記トロイダルコイルに印加する増幅回路とから成ることを特徴とする非接触型直流電流センサ。
  6. 請求項1に記載の複数個の非接触型直流電流センサと、各電流センサの前記計測値演算回路からの出力を一括して受ける外部CPUと、該外部CPUの演算値を表示する表示部とからなる直流電流計測システム。
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