JP2017058120A - 冷却装置およびこれを搭載した電子機器 - Google Patents

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誠 杉山
若菜 野上
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若菜 野上
辰乙 郁
Shinitsu Iku
辰乙 郁
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Abstract

【課題】本発明は、冷却性能の高い冷却装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】冷媒の相変化によって冷却する冷却装置1において、受熱部3は、前面または後面の少なくとも一方に発熱体を設置する受熱板を備え、上部に放熱内部経路25と、下部に帰還内部経路24と、フィン部2とを備え、フィン部2には平板状のフィンを、フィン間の冷媒の流路が上下方向となるように設け、流入口30と流出口31とを受熱部3の同一の側面に設け、受熱部3の前面と後面との間に、仕切壁34を設け、仕切壁34と受熱部3の内壁とで囲まれた複数の受熱器11を形成し、仕切壁34には、放熱内部経路開口35と、帰還内部経路開口36を設け、帰還経路6側の最下流の受熱器21に受熱板を介して設置された発熱体は、上流の受熱器11に受熱板を介して設置された発熱体より発熱量が小さいことを特徴とする冷却装置1とした。
【選択図】図3

Description

本発明は、中央演算処理装置(CPU)、大規模集積回路(LSI)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、ダイオード等の電子部品を搭載した電子機器の冷却装置およびこれを搭載した電子機器に関するものである。
従来、この種の冷却装置は、以下のような構成となっていた。
すなわち、図8に示すように、筐体112の管路部130に、発熱体であるインバータ108の熱によって冷媒が沸騰する蒸発器部132と、管路部130において蒸発器部132に隣接して設けられ、冷媒が流入口114から直接流出口116に向かって流通する流通部134とを備える。蒸発器部132には、底壁部120から流通部134の側に向かって突出する複数のフィン140が設けられ、複数のフィン140の間の隙間を冷媒が流通する構成となっていた(例えば特許文献1参照)。
特開2013−016589号公報
特許文献1に示された冷却装置は、発熱体であるインバータ108が水平に設置されているため、筐体112の底壁部120は液相冷媒で満たされ、底壁部120から流通部134の側に向かって突出した複数のフィン140の間の隙間を冷媒が流通する。
このような構成の筐体112(受熱部)の流入口114から流出口116までの距離を長くして複数のインバータ108(発熱体)を冷却しようとした場合、流入口114から近い範囲、すなわち受熱部の上流において多くの液相冷媒が受熱し、受熱部の下流には液相冷媒が充分に供給されず、冷却することができない、いわゆるドライアウトの状態となり、インバータ108の温度が上昇してしまう。また、ドライアウトを抑制するためには、過剰な液相冷媒量を必要とし、結果として厚い液相冷媒層が熱抵抗となり、フィン140を薄い液相冷媒層が覆う理想的な状態を作り出すことができず、冷却性能が低くなる。
そこで本発明は、受熱部の帰還経路側の最下流まで液相冷媒を供給することにより、受熱部の帰還経路側の下流のドライアウトを防ぎ、過剰な液相冷媒量にて受熱部内を満たす必要が無く、薄い液相冷媒の層を受熱部内に形成することができる冷却性能の高い冷却装置を提供することができるものである。
そして、この目的を達成するために、本発明は、冷媒の相変化によって冷却する冷却装置において、受熱部、放熱経路、放熱部、帰還経路を順に連結して前記冷媒の循環経路を形成し、前記受熱部は、前面および後面が最大面積の横長の直方体形状で、前記前面または前記後面の少なくとも一方に複数の発熱体を設置する受熱板を備え、前記受熱部の上部に放熱内部経路と、下部に帰還内部経路と、前記放熱内部経路と前記帰還内部経路との間にフィン部とを備え、前記放熱経路と前記放熱内部経路とを接続する流出口と、前記帰還経路と前記帰還内部経路とを接続する流入口とを有し、前記流入口と前記流出口とは、前記受熱部の同一の側面に設けられ、前記フィン部には前記受熱板から内部に突出する複数の平板状のフィンを、フィン間の隙間により構成される冷媒の流路が上下方向となるように設け、前記受熱部の前記前面と前記後面との間に、前記フィンと平行方向に1または複数の仕切壁を設け、前記仕切壁と前記受熱部の内壁とで囲まれた複数の受熱器を形成し、前記仕切壁は、前記放熱内部経路を貫通させる放熱内部経路開口と、前記帰還内部経路を貫通させる帰還内部経路開口を設け、前記帰還経路側の最下流の前記受熱器に前記受熱板を介して設置された前記発熱体は、上流の前記受熱器に前記受熱板を介して設置された前記発熱体より発熱量が小さいことを特徴とする冷却装置であり、これにより所期の目的を達成するものである。
以上のように本発明は、冷媒の相変化によって冷却する冷却装置において、受熱部、放熱経路、放熱部、帰還経路を順に連結して前記冷媒の循環経路を形成し、前記受熱部は、前面および後面が最大面積の横長の直方体形状で、前記前面または前記後面の少なくとも一方に複数の発熱体を設置する受熱板を備え、前記受熱部の上部に放熱内部経路と、下部に帰還内部経路と、前記放熱内部経路と前記帰還内部経路との間にフィン部とを備え、前記放熱経路と前記放熱内部経路とを接続する流出口と、前記帰還経路と前記帰還内部経路とを接続する流入口とを有し、前記流入口と前記流出口とは、前記受熱部の同一の側面に設けられ、前記フィン部には前記受熱板から内部に突出する複数の平板状のフィンを、フィン間の隙間により構成される冷媒の流路が上下方向となるように設け、前記受熱部の前記前面と前記後面との間に、前記フィンと平行方向に1または複数の仕切壁を設け、前記仕切壁と前記受熱部の内壁とで囲まれた複数の受熱器を形成し、前記仕切壁は、前記放熱内部経路を貫通させる放熱内部経路開口と、前記帰還内部経路を貫通させる帰還内部経路開口を設け、前記帰還経路側の最下流の前記受熱器に前記受熱板を介して設置された前記発熱体は、上流の前記受熱器に前記受熱板を介して設置された前記発熱体より発熱量が小さいことを特徴とする冷却装置であり、受熱部の帰還経路側の最下流まで液相冷媒を供給することにより、受熱部の帰還経路側の下流のドライアウトを防ぎ、過剰な液相冷媒量にて受熱部内を満たす必要が無く、薄い液相冷媒の層を受熱部内に形成することができる冷却性能の高い冷却装置を提供することができるものである。
すなわち、帰還経路の液相冷媒は、流入口から帰還内部経路に流入し、帰還内部経路よりフィン部に流出し、フィン部に流出した液相冷媒は、発熱体から発生した熱をフィンから受熱して気相と液相の二相の冷媒となり、圧力が高い状態となる。これは、冷媒が液相から気相に変化するときに体積が膨張するためである。
帰還経路側の最下流の受熱器に受熱板を介して設置された発熱体は、上流の受熱器に受熱板を介して設置された発熱体より発熱量が小さい構成とするため、最下流の受熱器の温度は、上流側の受熱器の温度より低温となる。そのため、最下流の受熱器においては、上流側の受熱器より受熱する熱量が少ないため、液相冷媒が気相冷媒に変化し膨張する量も少ない。従って、最下流の受熱器内の圧力は、上流側の受熱器内の圧力より低くなる。冷媒は、圧力の低い最下流の受熱器に流れやすくなるため、帰還経路側の下流の受熱器において、液相の冷媒の供給量が少なくなり、発熱体から発生する熱を冷媒で受熱することができず温度が上昇してしまうドライアウトの状態が発生することを抑制することができる。
結果として、帰還経路側の最下流の受熱器に受熱板を介して設置された発熱体は、上流の受熱器に受熱板を介して設置された発熱体より発熱量が小さい構成とすることにより、帰還経路側の下流の受熱器のドライアウトを防ぎ、過剰な液相冷媒量にて受熱部内を満たす必要が無く、薄い液相冷媒の層を受熱部内に形成することができる冷却性能の高い冷却装置を提供することができるものである。
本発明の実施の形態1の冷却装置を搭載した電子機器の概略図 同冷却装置の受熱部の外観を示す図 同冷却装置の受熱部の分解斜視図 同冷却装置の受熱部の分解斜視図 同冷却装置の受熱部のX−X´断面を示す図 本発明の実施の形態2の冷却装置の受熱部の分解斜視図 同冷却装置の受熱部のX−X´断面を示す図 従来の冷却装置を示す概略図
本発明の一実施形態に係る冷却装置は、冷媒の相変化によって冷却する冷却装置において、受熱部、放熱経路、放熱部、帰還経路を順に連結して前記冷媒の循環経路を形成し、前記受熱部は、前面および後面が最大面積の横長の直方体形状で、前記前面または前記後面の少なくとも一方に複数の発熱体を設置する受熱板を備え、前記受熱部の上部に放熱内部経路と、下部に帰還内部経路と、前記放熱内部経路と前記帰還内部経路との間にフィン部とを備え、前記放熱経路と前記放熱内部経路とを接続する流出口と、前記帰還経路と前記帰還内部経路とを接続する流入口とを有し、前記流入口と前記流出口とは、前記受熱部の同一の側面に設けられ、前記フィン部には前記受熱板から内部に突出する複数の平板状のフィンを、フィン間の隙間により構成される冷媒の流路が上下方向となるように設け、前記受熱部の前記前面と前記後面との間に、前記フィンと平行方向に1または複数の仕切壁を設け、前記仕切壁と前記受熱部の内壁とで囲まれた複数の受熱器を形成し、前記仕切壁は、前記放熱内部経路を貫通させる放熱内部経路開口と、前記帰還内部経路を貫通させる帰還内部経路開口を設け、前記帰還経路側の最下流の前記受熱器に前記受熱板を介して設置された前記発熱体は、上流の前記受熱器に前記受熱板を介して設置された前記発熱体より発熱量が小さいことを特徴とする冷却装置であり、帰還経路側の最下流の受熱器まで液相冷媒を供給することにより、帰還経路側の下流の受熱器のドライアウトを防ぎ、過剰な液相冷媒量にて受熱部内を満たす必要が無く、薄い液相冷媒の層を受熱部内に形成することができる冷却性能の高い冷却装置を提供することができるものである。
すなわち、帰還経路の液相冷媒は、流入口から帰還内部経路に流入し、帰還内部経路よりフィン部に流出し、フィン部に流出した液相冷媒は、発熱体から発生した熱をフィンから受熱して気相と液相の二相の冷媒となり、圧力が高い状態となる。これは、冷媒が液相から気相に変化するときに体積が膨張するためである。
帰還経路側の最下流の受熱器に受熱板を介して設置された発熱体は、上流の受熱器に受熱板を介して設置された発熱体より発熱量が小さい構成とするため、最下流の受熱器の温度は、上流側の受熱器の温度より低温となる。そのため、最下流の受熱器においては、上流側の受熱器より受熱する熱量が少ないため、液相冷媒が気相冷媒に変化し膨張する量も少ない。従って、最下流の受熱器内の圧力は、上流側の受熱器内の圧力より低くなる。冷媒は、圧力の低い最下流の受熱器に流れやすくなるため、帰還経路側の下流の受熱器において、液相の冷媒の供給量が少なくなり、発熱体から発生する熱を冷媒で受熱することができず温度が上昇してしまうドライアウトの状態が発生することを抑制することができる。
結果として、帰還経路側の最下流の受熱板に設置する発熱体は、上流に設置する発熱体より発熱量が小さい構成とすることにより、帰還経路側の下流の受熱器のドライアウトを防ぎ、過剰な液相冷媒量にて受熱部内を満たす必要が無く、薄い液相冷媒の層を受熱部内に形成することができる冷却性能の高い冷却装置を提供することができるものである。
また、前記帰還内部経路と前記フィン部との間に前記受熱部の底面と平行に設けた仕切板を備え、前記仕切板は、複数の開口部を有する構成にしてもよい。
帰還内部経路とフィン部との間に設けた仕切板は、複数の開口部を有するので、帰還経路の液相冷媒は、流入口から帰還内部経路に流入し、仕切板に設けた開口部より受熱部内に流出する。
各受熱器において、仕切板の開口部からのみ液相冷媒がフィン部供給されるため、帰還内部経路から液相冷媒がフィン部に大量に流出することを抑制し、下流の受熱器においても、液相の冷媒の供給量が少なくなり、発熱体から発生する熱を冷媒で受熱することができず温度が上昇してしまうドライアウトの状態が発生することを抑制することができる。結果として、帰還経路側の下流の受熱器内のドライアウトを防ぎ、過剰な液相冷媒量にて受熱器内を満たす必要が無く、薄い液相冷媒の層を受熱器内に形成することができる冷却性能の高い冷却装置を提供することができるものである。
また、前記帰還内部経路は帰還内部管路、前記帰還内部経路開口は帰還内部管路開口であり、前記帰還内部管路は複数の開口部を有する構成にしてもよい。 これにより、帰還内部管路は、複数の開口部を有するので、帰還経路の液相冷媒は、流入口から帰還内部管路に流入し、帰還内部管路に設けた開口部より受熱部内に流出し、フィン部に流出した液相冷媒は、発熱体から発生した熱をフィンから受熱して気相と液相の二相の冷媒となり、圧力が高い状態となる。これは、冷媒が液相から気相に変化するときに体積が膨張するためである。
帰還経路側の最下流の受熱器に受熱板を介して設置された発熱体は、上流の受熱器に前記受熱板を介して設置された前記発熱体より発熱量が小さい構成とするため、最下流の受熱器の温度は、上流側の受熱器の温度より低温となる。そのため、最下流の受熱器においては、上流側の受熱器より受熱する熱量が少ないため、液相冷媒が気相冷媒に変化し膨張する量も少ない。従って、最下流の受熱器内の圧力は、上流側の受熱器内の圧力より低くなる。冷媒は、圧力の低い最下流の受熱器に流れやすくなるため、帰還経路側の最下流の受熱器において、液相の冷媒の供給量が少なくなり、発熱体から発生する熱を冷媒で受熱することができず温度が上昇してしまうドライアウトの状態が発生することを抑制することができる。
また、帰還内部経路内を液相冷媒が流れるため、受熱器の底面を直接液相冷媒が流れる構成とする場合と比較して、帰還内部経路内に存在する液相冷媒が受熱器内の熱により加熱されにくく帰還内部管路内において液相冷媒が気化することにより帰還経路側に逆流することを抑制することができる。
結果として、帰還経路側の最下流の受熱器に受熱板を介して設置された発熱体は、上流の受熱器に前記受熱板を介して設置された前記発熱体より発熱量が小さい構成とすることにより、帰還経路側の下流の受熱器のドライアウトを防ぎ、過剰な液相冷媒量にて受熱部内を満たす必要が無く、薄い液相冷媒の層を受熱部内に形成することができる冷却性能の高い冷却装置を提供することができるものである。
また、前記各受熱器における前記仕切板の前記開口部の合計開口面積は、最上流の前記受熱器が最も小さく、下流の前記受熱器になるほど大きくなる構成にしてもよい。
帰還内部経路とフィン部との間に設けた仕切板は、複数の開口部を有するので、帰還経路の液相冷媒は、流入口から帰還内部経路に流入し、仕切板に設けた開口部より受熱部内に流出する。
各受熱器における仕切板の開口部の合計開口面積は、最上流の受熱器が最も小さく、下流の受熱器になるほど大きくなるように構成されるため、最上流の受熱器においては合計開口面積が小さいので仕切板の開口部から液相冷媒が大量に流出することを抑制し、下流の受熱器になるほど合計開口面積が大きいので仕切板の開口部から液相冷媒が流出しやすくなる。これにより、下流の受熱器において、液相の冷媒の供給量が少なくなり、発熱体から発生する熱を冷媒で受熱することができず温度が上昇してしまうドライアウトの状態が発生することを抑制することができる。結果として、各受熱器における仕切板の開口部の合計開口面積は、最上流の受熱器が最も小さく、下流の受熱器になるほど大きくなるように構成することにより、帰還経路側の下流の受熱器内のドライアウトを防ぎ、過剰な液相冷媒量にて受熱器内を満たす必要が無く、薄い液相冷媒の層を受熱器内に形成することができる冷却性能の高い冷却装置を提供することができるものである。
また、前記各受熱器における前記帰還内部管路の前記開口部の合計開口面積は、最上流の前記受熱器が最も小さく、下流の前記受熱器になるほど大きくなる構成にしてもよい。
帰還内部管路は、複数の開口部を有するので、帰還経路の液相冷媒は、流入口から帰還内部管路に流入し、帰還内部管路に設けた開口部より受熱部内に流出する。
各受熱器における帰還内部管路の開口部の合計開口面積は、最上流の受熱器が最も小さく、下流の受熱器になるほど大きくなるように構成されるため、最上流の受熱器においては合計開口面積が小さいので仕切板の開口部から液相冷媒が大量に流出することを抑制し、下流の受熱器になるほど合計開口面積が大きいので帰還内部管路の開口部から液相冷媒が流出しやすくなる。これにより、下流の受熱器において、液相の冷媒の供給量が少なくなり、発熱体から発生する熱を冷媒で受熱することができず温度が上昇してしまうドライアウトの状態が発生することを抑制することができる。
結果として、各受熱器における帰還内部管路の開口部の合計開口面積は、最上流の受熱器が最も小さく、下流の受熱器になるほど大きくなるように構成することにより、帰還経路側の下流の受熱器内のドライアウトを防ぎ、過剰な液相冷媒量にて受熱器内を満たす必要が無く、薄い液相冷媒の層を受熱器内に形成することができる冷却性能の高い冷却装置を提供することができるものである。
また、前記各受熱器における前記仕切板の前記開口部の個数は、最上流の前記受熱器が最も少なく、下流の前記受熱器になるほど多くなる構成にしてもよい。これにより、最上流の受熱器における仕切板の開口部の個数が最も少ないので仕切板の開口部から液相冷媒が大量に流出することを抑制し、下流の受熱器になるほど仕切板の開口部の個数が多いので仕切板の開口部から液相冷媒が流出しやすくなる。これにより、下流の受熱器において、液相の冷媒の供給量が少なくなり、発熱体から発生する熱を冷媒で受熱することができず温度が上昇してしまうドライアウトの状態が発生することを抑制することができる。結果として、各受熱器における仕切板の開口部の個数は、最上流の受熱器が最も少なく、下流の受熱器になるほど多くなるように構成することにより、帰還経路側の下流の受熱器内のドライアウトを防ぎ、過剰な液相冷媒量にて受熱器内を満たす必要が無く、薄い液相冷媒の層を受熱器内に形成することができる冷却性能の高い冷却装置を提供することができるものである。
また、前記各受熱器における前記帰還内部管路の前記開口部の個数は、最上流の前記受熱器が最も少なく、下流の前記受熱器になるほど多くなる構成にしてもよい。これにより、最上流の受熱器における帰還内部管路の開口部の個数が最も少ないので帰還内部管路の開口部から液相冷媒が大量に流出することを抑制し、下流の受熱器になるほど帰還内部管路の開口部の個数が多いので帰還内部管路の開口部から液相冷媒が流出しやすくなる。これにより、下流の受熱器において、液相の冷媒の供給量が少なくなり、発熱体から発生する熱を冷媒で受熱することができず温度が上昇してしまうドライアウトの状態が発生することを抑制することができる。
結果として、各受熱器における帰還内部管路の開口部の個数は、最上流の受熱器が最も少なく、下流の受熱器になるほど多くなるように構成することにより、帰還経路側の下流の受熱器内のドライアウトを防ぎ、過剰な液相冷媒量にて受熱器内を満たす必要が無く、薄い液相冷媒の層を受熱器内に形成することができる冷却性能の高い冷却装置を提供することができるものである。
また、前記冷却装置において、前記受熱部の底面から距離を置いて前記発熱体を前記受熱板に設置する構成にしてもよい。
これにより、受熱部の底面から距離を置いて発熱体を受熱板に設置する構成とするため、受熱部の下部に設けた帰還内部経路内を流れる液相冷媒、すなわち、受熱部の底面を流れる液相冷媒は、発熱体から距離を置くこととなるため、発熱体から受熱しにくくなる。そのため、帰還内部経路内を流れる液相冷媒が受熱して気相冷媒となり、フィン部に流出して帰還内部経路の下流まで液相冷媒が行き渡らず、帰還経路側の受熱部の下流において、液相の冷媒の供給量が少なくなり、発熱体から発生する熱を冷媒で受熱することができず温度が上昇してしまうドライアウトの状態が発生することを抑制することができる。
結果として、受熱部の底面から距離を置いて発熱体を受熱板に設置する構成とすることにより、帰還経路側の受熱部の下流のドライアウトを防ぎ、過剰な液相冷媒量にて受熱部内を満たす必要が無く、薄い液相冷媒の層を受熱部内に形成することができる冷却性能の高い冷却装置を提供することができるものである。 また、本発明の冷却装置を搭載した電子機器にしてもよい。帰還経路側の下流の受熱器内のドライアウトを防ぎ、過剰な液相冷媒量にて受熱器内を満たす必要が無く、薄い液相冷媒の層を受熱器内に形成することができる冷却性能の高い冷却装置を搭載した電子機器を提供することができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態1の冷却装置を搭載した電子機器の概略図である。
図1に示すように、電子機器50は、ケース51内に複数の発熱体である発熱体群A28、発熱体群B29となる複数の電力用半導体素子と冷却装置1とが備えられている。
冷却装置1は、発熱体群A28、発熱体群B29を冷却するための受熱部3と、放熱部4を備えており、放熱経路5と帰還経路6とにより受熱部3と放熱部4が連結されている。この構成により、冷却装置1は内部が密閉空間となり、図1では図示していないが、冷却装置1内は、減圧した上で、冷媒が封入されている。冷媒としては、フロン類、フッ素系溶剤類などが用いられるが、これらに限られない。受熱部3、放熱部4および後述するフィンであるフィンA22、フィンB23の材質は、アルミニウムが適しているが、これらに限られない。
冷却装置1は、放熱部4に冷媒により輸送した熱を冷却するための水冷チラー(図示なし)に接続されている。水冷チラーで冷却された冷却水を冷却水供給経路7から放熱部4に供給し、放熱部4において冷媒により輸送した熱を冷却水と熱交換することにより冷媒が冷却されて液相冷媒となる。受熱した冷却水は冷却水戻り経路8を経て水冷チラーに戻り水冷チラーにおいて冷却される。
本実施の形態では、水冷チラーによる水冷式としたが、冷却ファンによる空冷式、その他の方式であってもよい。
次に、上記構成における冷却装置1の基本的な仕組みについて説明する。
冷却装置1は、内部を減圧した後に冷媒を封入したものであり、冷却装置1内は、冷媒の作用により外部温度に応じた冷媒の飽和圧力となる。発熱体群A28、発熱体群B29の熱は受熱部3を介して冷媒に伝わり、冷媒が液相から気相へと変化することで、発熱体群A28、発熱体群B29が冷却される。受熱部3内にて気化した冷媒は、未沸騰の液相の冷媒との気液二相の混相流となって、受熱部3から放熱経路5を通り放熱部4へと移動し、冷却水供給経路7より供給された冷却水により冷やされ再び液化し液相の冷媒となり帰還経路6を経て受熱部3に戻る。
よって、受熱部3内にて冷媒が気化し、気化した冷媒が放熱経路5を通過し放熱部4にて液化し、液化した冷媒が帰還経路6を通過し再び受熱部3内に供給されるサイクルが繰り返されることで、発熱体群A28、発熱体群B29を冷却している。
帰還経路6は、放熱経路5より、経路の径を小さくする。これにより、帰還経路6の流路圧損が、放熱経路5の流路圧損より、高くなるので、冷媒が受熱部3から帰還経路6に逆流するのを抑制することができる。
図2は、本実施の形態の冷却装置1の受熱部3の外観を示す図である。
図3および図4は、本実施の形態の冷却装置1の受熱部3の分解斜視図である。
図5は、本実施の形態の冷却装置の受熱部のX−X´断面を示す図である。
図2、図3、図4に示すように、受熱部3は、前面および後面が最大面積の横長の直方体形状とする。
受熱部3は、前面および後面が垂直方向となるように設置する。前面には、発熱体群A28を設置する受熱板A15を設け、後面には、発熱体群B29を設置する受熱板B16を設ける。 なお、発熱体、受熱板、フィン他をそれぞれA,Bに分けているが、これは、各々が2つあることを意味し、特に記載がないかぎりA,Bに違いはない。
また、本実施の形態では、発熱体群A28、発熱体群B29と受熱板A15、受熱板B16とを受熱部3の前面および後面の両方に設けているが、前面または後面のいずれか一方に発熱体群A28と受熱板A15とを設ける構成としてもよい。(図示せず)
図5に示すように、発熱体群B29を構成する発熱体Ba43、発熱体Bb44、発熱体Bc45を、受熱板B16に接触させて熱的に接続する。図示しないが、発熱体群A28を構成する発熱体Aa40、発熱体Ab41、発熱体Ac42を、受熱板A15に接触させて熱的に接続する。受熱板A15と受熱板B16には、発熱体を固定するための固定用ネジ孔19を適宜設けて、受熱板A15に発熱体群A28(発熱体Aa40、発熱体Ab41、発熱体Ac42)を、受熱板B16に発熱体群B29(発熱体Ba43、発熱体Bb44、発熱体Bc45)をネジで固定する。2つの発熱体群A28と発熱体群B29との間に、受熱部3が挟まれるように垂直方向に設置する。
横長の直方体形状である受熱部3の上部には放熱内部経路25として空間を設け、下部には帰還内部経路24として空間を設ける。
受熱部3の放熱内部経路25と帰還内部経路24との間の中央部をフィン部2とする。
受熱部3には、放熱経路5と放熱内部経路25とを接続する流出口31と、帰還経路6と帰還内部経路24とを接続する流入口30を設ける。
流出口31と流入口30とは、受熱部3の同一の側面に設ける。流出口31と流入口30とを設ける側面は、受熱板A15、受熱板B16を設ける前面、後面をつなぐ側面である。
フィン部2には受熱板A15から、受熱部3の内部に突出する複数の平板状のフィンA22を平行に並べて設け、受熱板B16から、受熱部3の内部に突出する複数の平板状のフィンB23を並行に並べて設ける。フィン間の冷媒の流路が上下方向となるようにフィンA22およびフィンB23を配置する。
帰還内部経路24とフィン部2の間に仕切板32を受熱部3の底面と平行に設ける。
仕切板32には、複数の開口部33設ける。
受熱部3の前面と後面、すなわち、受熱板A15と受熱板B16との間に、フィンA22およびフィンB23と平行方向に1または複数の仕切壁34を設ける。本実施の形態では、仕切壁34を2つ設けている。仕切壁34は、受熱部3の長手方向を略等分に区切るように配置する。仕切壁34と受熱部3の内壁で囲まれた区画である受熱部3内のエリアを受熱器11とする。本実施の形態では、3つの受熱器11が形成される。
仕切壁34には、受熱部3の上部にある放熱内部経路25を貫通させる放熱内部経路開口35と、下部にある帰還内部経路24を貫通させる帰還内部経路開口36を設ける。放熱内部経路開口35および帰還内部経路開口36は、仕切壁34に開口部を実際に設けたものであっても、放熱内部経路25および帰還内部経路24を避けて仕切壁34を設ける構造としたものであってもよい。
仕切板32に設ける開口部は、1つの受熱器11に少なくとも1つ以上設ける。
次に、仕切壁34について説明する。
流入口30および流出口31を設置した側面側は流出口31に続く放熱部4の作用により圧力が低くなるため、受熱部3内においてフィン部2に流出した冷媒は、圧力が低い流入口30および流出口31を設置した側面側に流れやすい。本実施の形態のように1つの受熱板に複数の発熱体を設ける場合は、受熱部3の横幅を大きくする場合がある。このような場合、流入口30および流出口31を設置した側面と、その対向する側面まのでの距離が長くなるため、受熱部3の横幅が小さい場合と比較して、流入口30および流出口31を設置した側面から遠い領域が多くなり、ドライアウトしやすい領域が多くなってしまう。そこで、受熱部3内を仕切壁34により仕切ることにより、仕切られた空間内である受熱器11に供給された冷媒は、その受熱器11内のフィンA22、フィンB23を流れ、フィンA22、フィンB23と熱交換した後に放熱内部経路25および仕切壁34に設けた放熱内部経路開口35を通って放熱経路5側に流れることとなる。従って、受熱部3の横幅が大きい場合であっても、流入口30および流出口31を設置した側面から遠い領域のドライアウトを抑制することができるものである。
次に、本実施の形態における特徴的な構成について説明する。
図5に示すように、受熱板B16には発熱体群B29(発熱体Ba43、発熱体Bb44、発熱体Bc45)を設置し、図示しないが、受熱板A15には発熱体群A28(発熱体Aa40、発熱体Ab41、発熱体Ac42を設置するが、帰還経路6側の最下流の受熱器21に受熱板B16を介して設置された発熱体Bc45は、上流の受熱器11(最上流の受熱器20を含む)に受熱板B16を介して設置された発熱体Ba43および発熱体Bb44より発熱量が小さいものとする。
すなわち、受熱板A15において、帰還経路6側から見た冷媒の流れの最下流に設置する発熱体Bc45は、最下流よりも上流に設置する発熱体Ba43および発熱体Bb44より発熱量が小さいものである。
帰還内部経路24とフィン部2との間に受熱部3の底面と平行に設けた仕切板32は、複数の開口部33を有するので、帰還経路6の液相冷媒は、流入口30から帰還内部経路24に流入し、仕切板32に設けた開口部33よりフィン部2に流出し、フィン部2に流出した液相冷媒は、上流側に設置した発熱体Ba43から発生した熱をフィンB23から受熱して気相と液相の二相の冷媒となり、圧力が高い状態となる。これは、冷媒が液相から気相に変化するときに体積が膨張するためである。
帰還経路6側の最下流の受熱器21に受熱板B16を介して設置された発熱体Bc45は、上流の受熱器11(最上流の受熱器20を含む)に受熱板B16を介して設置された発熱体Ba43および発熱体Bb44より発熱量が小さい構成とするため、最下流の受熱器21の温度は、上流側の受熱器11(最上流の受熱器20を含む)の温度より低温となる。そのため、最下流の受熱器21においては、上流側の受熱器11(最上流の受熱器20を含む)より受熱する熱量が少ないため、液相冷媒が気相冷媒に変化し膨張する量も少ない。従って、最下流の受熱器21内の圧力は、上流側の受熱器11内(最上流の受熱器20を含む)の圧力より低くなる。冷媒は、圧力の低い最下流の受熱器21に流れやすくなるため、帰還経路6側の最下流の受熱器21において、液相の冷媒の供給量が少なくなり、発熱体Ac42から発生する熱を冷媒で受熱することができず温度が上昇してしまうドライアウトの状態が発生することを抑制することができる。
結果として、帰還経路6側の最下流の受熱器21に受熱板B16を介して設置された発熱体Bc45は、上流の受熱器11(最上流の受熱器20を含む)に受熱板B16を介して設置された発熱体Ba43および発熱体Bb44より発熱量が小さい構成とすることにより、最下流の受熱器21のドライアウトを防ぎ、過剰な液相冷媒量にて受熱部3内を満たす必要が無く、薄い液相冷媒の層を受熱部3内に形成することができる冷却性能の高い冷却装置1を提供することができるものである。
また、各受熱器11における仕切板32の開口部33の合計開口面積は、最上流の受熱器20が最も小さく、下流の受熱器11になるほど大きくなる構成にしてもよい。
仕切板32には、複数の開口部33を設ける。放熱部4で冷却され液相となった液相冷媒は、帰還経路6を流れ、帰還経路6側の最上流の受熱部3の流入口30から帰還内部経路24に流入し、帰還内部経路24に流入した液相冷媒は、発熱体群A28、発熱体群B29から発生した熱を受熱部3から受熱して気相と液相の二相の冷媒となり、圧力が高い状態となる。これは、冷媒が液相から気相に変化するときに体積が膨張するためである。この圧力の高い二相の冷媒は、仕切板32の複数の開口部33からフィン部に流出し、フィンA22およびフィンB23の上下方向の隙間を上方向に流れて、フィンA22およびフィンB23の表面に液相冷媒を供給してフィンA22およびフィンB23から受熱しながら、放熱部4の作用で圧力の低い流出口31に放熱内部経路25を通って流れ込む。
最上流の受熱器20より下流の受熱器11(最下流の受熱器21を含む)においては、液相冷媒は、帰還経路6から供給されるのではなく、1つ上流の受熱器11で受熱器11内に供給されずに残った液相冷媒が、仕切壁34に設けた帰還内部経路開口36より受熱器11に供給される。それ以降は、最上流の受熱器20における作用と同様である。
各受熱器11における仕切板32の開口部33の合計開口面積は、最上流の受熱器20が最も小さく、下流の受熱器11になるほど大きくなるように設けるので、最上流の受熱器20においては合計開口面積が小さいので仕切板32の開口部33から液相冷媒が大量に流出することを抑制し、下流の受熱器11になるほど合計開口面積が大きいので仕切板32の開口部33から液相冷媒が流出しやすくなる。これにより、下流の受熱器11において、液相の冷媒の供給量が少なくなり、発熱体群A28、発熱体群B29から発生する熱を冷媒で受熱することができず温度が上昇してしまうドライアウトの状態が発生することを抑制することができる。
結果として、各受熱器11における仕切板32の開口部33の合計開口面積は、最上流の受熱器20が最も小さく、下流の受熱器11になるほど大きくなるように構成することにより、帰還経路6側の下流の受熱器11内のドライアウトを防ぎ、過剰な液相冷媒量にて受熱器11内を満たす必要が無く、薄い液相冷媒の層を受熱器11内に形成することができる冷却性能の高い冷却装置を提供することができるものである。
また、各受熱器11における仕切板32の開口部33の個数は、最上流の受熱器20が最も少なく、下流の受熱器11になるほど多くなる構成にしてもよい。これにより、最上流の受熱器20における仕切板32の開口部33の個数が最も少ないので帰還内部管路37の開口部33から液相冷媒が大量に流出することを抑制し、下流の受熱器11になるほど開口部33の個数が多いので帰還内部管路37の開口部33から液相冷媒が流出しやすくなる。これにより、下流の受熱器11において、液相の冷媒の供給量が少なくなり、発熱体群A28、発熱体群B29から発生する熱を冷媒で受熱することができず温度が上昇してしまうドライアウトの状態が発生することを抑制することができる。結果として、各受熱器11における開口部33の個数は、最上流の受熱器20が最も少なく、下流の受熱器11になるほど多くなるように構成することにより、帰還経路6側の下流の受熱器11内のドライアウトを防ぎ、過剰な液相冷媒量にて受熱器11内を満たす必要が無く、薄い液相冷媒の層を受熱器11内に形成することができる冷却性能の高い冷却装置を提供することができるものである。
また、冷却装置1において、受熱部3の底面から距離を置いて発熱体群A28と発熱体群B29とを、それぞれ受熱板A15と受熱板B16とに設置する構成にしてもよい。
これにより、受熱部3の下部に設けた帰還内部経路24内を流れる液相冷媒、すなわち、受熱部3の底面を流れる液相冷媒は、発熱体群A28、発熱体群B29から距離を置くこととなるため、発熱体群A28、発熱体群B29から受熱しにくくなる。そのため、帰還内部経路24内を流れる液相冷媒が受熱して気相冷媒となり、フィン部2に流出して帰還内部経路24の下流まで液相冷媒が行き渡らず、帰還経路6側の受熱部3の下流において、液相の冷媒の供給量が少なくなり、発熱体群A28、発熱体群B29から発生する熱を冷媒で受熱することができず温度が上昇してしまうドライアウトの状態が発生することを抑制することができる。
結果として、受熱部3の底面から距離を置いて発熱体群A28と発熱体群B29とを、それぞれ受熱板A15と受熱板B16とに設置する構成とすることにより、帰還経路6側の受熱部3の下流のドライアウトを防ぎ、過剰な液相冷媒量にて受熱部3内を満たす必要が無く、薄い液相冷媒の層を受熱部3内に形成することができる冷却性能の高い冷却装置1を提供することができるものである。
(実施の形態2)
図6は、本実施形態の冷却装置1の受熱部3の分解斜視図である。
図7は、本実施形態の冷却装置1の受熱部3のX−X´断面を示す図である。
実施の形態1と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図6、図7に示すように、受熱部3の下部には、流入口30に接続された帰還内部管路37を設ける。放熱内部経路25と帰還内部管路37との間にフィン部2を設ける。放熱経路5と放熱内部経路25とを接続する流出口31と、帰還経路6と帰還内部管路37とを接続する流入口とを設ける。
帰還内部管路37には、複数の開口部38を設ける。
受熱部3の前面と後面、すなわち、受熱板A15と受熱板B16との間に、フィンA22およびフィンB23と平行方向に1または複数の仕切壁34を設ける。本実施の形態では、仕切壁34を2つ設けている。仕切壁34は、受熱部3の長手方向を略等分に区切るように配置する。仕切壁34と受熱部3の内壁で囲まれた区画である受熱部3内のエリアを受熱器11とする。本実施の形態では、3つの受熱器11が形成される。
仕切壁34には、受熱部3の上部にある放熱内部経路25を貫通させる放熱内部経路開口35と、下部にある帰還内部管路37を貫通させる帰還内部管路開口39を設ける。放熱内部経路開口35および帰還内部管路開口39は、仕切壁34に開口部を実際に設けたものであっても、放熱内部経路25および帰還内部管路37を避けて仕切壁34を設ける構造としたものであってもよい。
帰還内部管路37に設ける開口部38は、1つの受熱器11に少なくとも1つ以上設ける。
図7に示すように、受熱板B16には発熱体群B29(発熱体Ba43、発熱体Bb44、発熱体Bc45)を設置し、図示しないが、受熱板A15には発熱体群A28(発熱体Aa40、発熱体Ab41、発熱体Ac42を設置するが、帰還経路6側の最下流の受熱器21に受熱板A15を介して設置された発熱体Ac42は、上流の受熱器11(最上流の受熱器20を含む)に受熱板A15を介して設置された発熱体Aa40および発熱体Ab41より発熱量が小さいものとする。
すなわち、受熱板B16において、帰還経路6側から見た冷媒の流れの最下流に設置する発熱体Bc45は、最下流よりも上流に設置する発熱体Ba43および発熱体Bb44より発熱量が小さいものである。
帰還内部管路37は、複数の開口部38を有するので、帰還経路6の液相冷媒は、流入口30から帰還内部管路37に流入し、帰還内部管路37に設けた開口部38よりフィン部2に流出し、フィン部2に流出した液相冷媒は、上流側に設置した発熱体Ba43から発生した熱をフィンB23から受熱して気相と液相の二相の冷媒となり、圧力が高い状態となる。これは、冷媒が液相から気相に変化するときに体積が膨張するためである。
帰還経路6側の最下流の受熱器21に受熱板B16を介して設置された発熱体Bc45は、上流の受熱器11(最上流の受熱器20を含む)に受熱板B16を介して設置された発熱体Ba43および発熱体Bb44より発熱量が小さい構成とするため、最下流の受熱器21の温度は、上流側の受熱器11(最上流の受熱器20を含む)の温度より低温となる。そのため、最下流の受熱器21においては、上流側の受熱器11(最上流の受熱器20を含む)より受熱する熱量が少ないため、液相冷媒が気相冷媒に変化し膨張する量も少ない。従って、最下流の受熱器21内の圧力は、上流側の受熱器11内(最上流の受熱器20を含む)の圧力より低くなる。冷媒は、圧力の低い最下流の受熱器21に流れやすくなるため、帰還経路6側の最下流の受熱器21において、液相の冷媒の供給量が少なくなり、発熱体Bc45から発生する熱を冷媒で受熱することができず温度が上昇してしまうドライアウトの状態が発生することを抑制することができる。
また、帰還内部管路37内を液相冷媒が流れるため、受熱器11の底面を直接液相冷媒が流れる構成とする場合と比較して、帰還内部管路37内に存在する液相冷媒が受熱器11内の熱により加熱されにくく帰還内部管路37内において液相冷媒が気化することにより帰還経路6側に逆流することを抑制することができる。
結果として、帰還経路6側の最下流の受熱器21に受熱板B16を介して設置された発熱体Bc45は、上流の受熱器11(最上流の受熱器20を含む)に受熱板B16を介して設置された発熱体Ba43および発熱体Bb44より発熱量が小さい構成とすることにより、最下流の受熱器21のドライアウトを防ぎ、過剰な液相冷媒量にて受熱部3内を満たす必要が無く、薄い液相冷媒の層を受熱部3内に形成することができる冷却性能の高い冷却装置1を提供することができるものである。
また、各受熱器11における帰還内部管路37の開口部38の合計開口面積は、最上流の受熱器20が最も小さく、下流の受熱器11になるほど大きくなる構成にしてもよい。
帰還内部管路37には、複数の開口部38を設ける。放熱部4で冷却され液相となった液相冷媒は、帰還経路6を流れ、帰還経路6側の最上流の受熱部3の流入口30から帰還内部管路37に流入し、帰還内部管路37に流入した液相冷媒は、発熱体群A28、発熱体群B29から発生した熱を受熱部3から受熱して気相と液相の二相の冷媒となり、圧力が高い状態となる。これは、冷媒が液相から気相に変化するときに体積が膨張するためである。この圧力の高い二相の冷媒は、帰還内部管路37の複数の開口部38からフィン部に流出し、フィンA22およびフィンB23の上下方向の隙間を上方向に流れて、フィンA22およびフィンB23の表面に液相冷媒を供給してフィンA22およびフィンB23から受熱しながら、放熱部4の作用で圧力の低い流出口31に放熱内部経路25を通って流れ込む。
最上流の受熱器20より下流の受熱器11(最下流の受熱器21を含む)においては、液相冷媒は、帰還経路6から供給されるのではなく、1つ上流の受熱器11で受熱器11内に供給されずに帰還内部管路37残った液相冷媒が、仕切壁34に設けた帰還内部管路開口39を介して下流の受熱器11の帰還内部管路37に供給される。それ以降は、最上流の受熱器20における作用と同様である。
各受熱器11における帰還内部管路37の開口部38の合計開口面積は、最上流の受熱器20が最も小さく、下流の受熱器11になるほど大きくなるように設けるので、最上流の受熱器20においては合計開口面積が小さいので帰還内部管路37の開口部38から液相冷媒が大量に流出することを抑制し、下流の受熱器11になるほど合計開口面積が大きいので帰還内部管路37の開口部38から液相冷媒が流出しやすくなる。これにより、下流の受熱器11において、液相の冷媒の供給量が少なくなり、発熱体群A28、発熱体群B29から発生する熱を冷媒で受熱することができず温度が上昇してしまうドライアウトの状態が発生することを抑制することができる。
結果として、各受熱器11における帰還内部管路37の開口部38の合計開口面積は、最上流の受熱器20が最も小さく、下流の受熱器11になるほど大きくなるように構成することにより、帰還経路6側の下流の受熱器11内のドライアウトを防ぎ、過剰な液相冷媒量にて受熱器11内を満たす必要が無く、薄い液相冷媒の層を受熱器11内に形成することができる冷却性能の高い冷却装置を提供することができるものである。
また、各受熱器11における帰還内部管路37の開口部38の個数は、最上流の受熱器20が最も少なく、下流の受熱器11になるほど多くなる構成にしてもよい。これにより、最上流の受熱器20における帰還内部管路37の開口部38の個数が最も少ないので帰還内部管路37の開口部38から液相冷媒が大量に流出することを抑制し、下流の受熱器11になるほど開口部38の個数が多いので帰還内部管路37の開口部38から液相冷媒が流出しやすくなる。これにより、下流の受熱器11において、液相の冷媒の供給量が少なくなり、発熱体A28、発熱体B29から発生する熱を冷媒で受熱することができず温度が上昇してしまうドライアウトの状態が発生することを抑制することができる。結果として、各受熱器11における開口部38の個数は、最上流の受熱器20が最も少なく、下流の受熱器11になるほど多くなるように構成することにより、帰還経路6側の下流の受熱器11内のドライアウトを防ぎ、過剰な液相冷媒量にて受熱器11内を満たす必要が無く、薄い液相冷媒の層を受熱器11内に形成することができる冷却性能の高い冷却装置を提供することができるものである。
以上のように本発明にかかる冷却装置は、冷却性能が高いので、中央演算処理装置(CPU)、大規模集積回路(LSI)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、ダイオード等の電子部品を搭載した電子機器等の冷却装置として有用である。
1 冷却装置
2 フィン部
3 受熱部
4 放熱部
5 放熱経路
6 帰還経路
7 冷却水供給経路
8 冷却水戻り経路
9 接触面A
10 接触面B
11 受熱器
15 受熱板A
16 受熱板B
19 固定用ネジ孔
20 最上流の受熱器
21 最下流の受熱器
22 フィンA
23 フィンB
24 帰還内部経路
25 放熱内部経路
28 発熱体群A
29 発熱体群B
30 流入口
31 流出口
32 仕切板
33 開口部
34 仕切壁
35 放熱内部経路開口
36 帰還内部経路開口
37 帰還内部管路
38 開口部
39 帰還内部管路開口
40 発熱体Aa
41 発熱体Ab
42 発熱体Ac
43 発熱体Ba
44 発熱体Bb
45 発熱体Bc
50 電子機器
51 ケース

Claims (9)

  1. 冷媒の相変化によって冷却する冷却装置において、
    受熱部、放熱経路、放熱部、帰還経路を順に連結して前記冷媒の循環経路を形成し、
    前記受熱部は、
    前面および後面が最大面積の横長の直方体形状で、
    前記前面または前記後面の少なくとも一方に複数の発熱体を設置する受熱板を備え、
    前記受熱部の上部に放熱内部経路と、下部に帰還内部経路と、前記放熱内部経路と前記帰還内部経路との間にフィン部とを備え、
    前記放熱経路と前記放熱内部経路とを接続する流出口と、前記帰還経路と前記帰還内部経路とを接続する流入口とを有し、
    前記流入口と前記流出口とは、前記受熱部の同一の側面に設けられ、
    前記フィン部には前記受熱板から内部に突出する複数の平板状のフィンを、フィン間の隙間により構成される冷媒の流路が上下方向となるように設け、
    前記受熱部の前記前面と前記後面との間に、前記フィンと平行方向に1または複数の仕切壁を設け、
    前記仕切壁と前記受熱部の内壁とで囲まれた複数の受熱器を形成し、
    前記仕切壁は、前記放熱内部経路を貫通させる放熱内部経路開口と、前記帰還内部経路を貫通させる帰還内部経路開口を設け、
    前記帰還経路側の最下流の受熱器に前記受熱板を介して設置された前記発熱体は、上流の受熱器に前記受熱板を介して設置された前記発熱体より発熱量が小さいことを特徴とする冷却装置。
  2. 前記帰還内部経路と前記フィン部との間に前記受熱部の底面と平行に設けた仕切板を備え、
    前記仕切板は、複数の開口部を有することを特徴とする請求項1に冷却装置。
  3. 前記帰還内部経路は帰還内部管路、前記帰還内部経路開口は帰還内部管路開口であり、前記帰還内部管路は複数の開口部を有することを特徴とする請求項1に冷却装置。
  4. 前記各受熱器における前記仕切板の前記開口部の合計開口面積は、最上流の前記受熱器が最も小さく、下流の前記受熱器になるほど大きくなることを特徴とする請求項2に冷却装置。
  5. 前記各受熱器における前記帰還内部管路の前記開口部の合計開口面積は、最上流の前記受熱器が最も小さく、下流の前記受熱器になるほど大きくなることを特徴とする請求項3に冷却装置。
  6. 前記各受熱器における前記仕切板の前記開口部の個数は、最上流の前記受熱器が最も少なく、下流の前記受熱器になるほど多くなることを特徴とする請求項2または4に記載の冷却装置。
  7. 前記各受熱器における前記帰還内部管路の前記開口部の個数は、最上流の前記受熱器が最も少なく、下流の前記受熱器になるほど多くなることを特徴とする請求項3または5に記載の冷却装置。
  8. 前記冷却装置において、前記受熱部の底面から距離を置いて前記発熱体を前記受熱板に設置することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の冷却装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか一つに記載の冷却装置を搭載した電子機器。
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