JP2017057532A - 合成繊維用処理剤及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】合成繊維の製造工程で繊維オリゴマーの脱落防止性を付与することができる合成繊維処理剤を提供する。【解決手段】アルジトール脂肪酸エステル化合物(A1)及び二無水アルジトールと脂肪酸とのエステル化合物(A2)から選ばれる少なくとも1種であるエステル化合物(A)と平滑剤(B)とを含む合成繊維処理剤であって、前記処理剤の不揮発分に対する前記化合物(A)及び前記平滑剤(B)の合計の重量割合が3〜90重量%であり、前記化合物(A1)を構成するアルジトールの水酸基価数が5以上であり、前記処理剤の不揮発分の25℃における動粘度が100〜250mPa・sである、合成繊維処理剤。【選択図】なし

Description

本発明は、合成繊維用処理剤およびこれを用いた合成繊維の製造方法に関する。
産業資材用の高強度ポリエステル及びナイロン等の合成繊維は、シートベルト、スリング等の細幅織物、伝動ベルト、コンベアベルト、タイヤコード等のゴム補強材、およびテント、ターポリン、重布、バッグ用基布等の広幅織物に広く用いられている。これら用途では、製織または撚糸された後、細幅織物では染色、ゴム補強材では接着剤付与、広幅織物では樹脂コートが行われる。
合成繊維の製造では、該合成繊維に潤滑性を付与するため、潤滑剤を含有する処理剤を付着させる。かかる処理剤には、合成繊維の製造の高速化及び高温化が更に一層図られる近年において、これらの過酷な条件に耐え得る高度の潤滑性が要求され、同時に耐熱性、繊維オリゴマーの脱落防止性が要求される。一旦は合成繊維に付着させた処理剤が該合成繊維から脱落して熱劣化(タール化)したり、合成繊維に付着させた処理剤が合成繊維のオリゴマーを脱落させると、これらに起因して、毛羽や糸切れが発生するからである。
また、合成繊維の後加工では、合成繊維または繊維を含む布帛などの処理を施す際に、織機上で、モノマーやオリゴマーなどの析出により、汚れ(ジェット汚れ)が発生し、該繊維布帛を処理した後も、これらが欠点として品位不良の原因になる。本発明は上記のような要求に応える処理剤及び処理法に関する。
従来、合成繊維用処理剤としては、分子量450〜1000のエステル成分、ポリアミンと脂肪族二塩基酸とのアマイド、カルボン酸のアルカリ金属塩およびポリオキシアルキレン変性シリコーンを含有するポリアミド繊維用処理剤(特許文献1)、アルキレンオキサイド共重合体を主成分とし、これにアルカノールアミン、ポリアミンと二塩基酸とのポリアミド、およびポリオキシアルキレン変性シリコーンを含有するポリアミド繊維用処理剤(特許文献2)、第4級アンモニウム塩と、アニオン・ノニオン活性剤と、カルボキシル基含有ポリマーおよび/またはカルボキシル基の塩含有ポリマーとからなる繊維処理剤を用い、ポリエステル系繊維を含む繊維製品を、繊維用処理剤とアルカリとの混合水溶液を用い60〜140℃で処理する方法(特許文献3)、潤滑剤としてアルコキシアルキルチオアルキルカルボン酸エステルを用いた処理剤(特許文献4)、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルのスルホン化物からなる活性剤と、カルボキシル基含有ポリマーおよび/またはカルボキシル基の塩含有ポリマーとからなる繊維処理剤を用いて、ポリアミド系繊維布帛を、40〜110℃で処理する方法(特許文献5)等が知られている。
しかし、これら従来の合成繊維用処理剤では、オリゴマー脱落抑制が不十分となってきた。
特開平7−3656号公報 特開平7−3657号公報 特開平8−113873号公報 特開平11−181677号公報 特開2000−256966号公報
本発明の目的は、合成繊維の製造工程で繊維オリゴマーの脱落防止性を付与することができる合成繊維処理剤を提供することである。
本発明者らは、前記の課題を解決すべく研究した結果、特定のエステル化合物(A)と平滑剤(B)とを含む特定の粘度を有する合成繊維処理剤が正しく好適であることを見出した。
すなわち、本発明の合成繊維用処理剤は、アルジトール脂肪酸エステル化合物(A1)及び二無水アルジトールと脂肪酸とのエステル化合物(A2)から選ばれる少なくとも1種であるエステル化合物(A)と平滑剤(B)とを含む合成繊維処理剤であって、
前記処理剤の不揮発分に対する前記化合物(A)及び前記平滑剤(B)の合計の重量割合が3〜90重量%であり、
前記化合物(A1)を構成するアルジトールの水酸基価数が5以上であり、
前記処理剤の不揮発分の25℃における動粘度が100〜250mPa・sである。
一無水アルジトールと脂肪酸とのエステル化合物(C)をさらに含むと好ましい。
処理剤の不揮発分に対する前記化合物(A)の重量割合が1〜20重量%であると好ましい。
前記化合物(A)と前記化合物(C)との重量比(A/C)が0.1〜1000であると好ましい。
前記平滑剤(B)が下記多価アルコール脂肪酸エステル(B1)、下記多価カルボン酸脂肪族アルコールエステル(B2)、下記エステル化合物(B3)及び含硫黄エステル化合物(B4)から選ばれる少なくとも1種を含むと好ましい。
多価アルコール脂肪酸エステル(B1):炭素数2〜6の脂肪族2価アルコール、炭素数3若しくは4の脂肪族3価アルコール又は炭素数4の脂肪族4価アルコールと、炭素数4〜24の脂肪酸とのエステル
多価カルボン酸脂肪族アルコールエステル(B2):炭素数2〜6の脂肪族2価カルボン酸と炭素数4〜24の脂肪族アルコールとのエステル
エステル化合物(B3):炭素数4〜24の一価脂肪酸と炭素数4〜24の一価脂肪族アルコールとのエステル
本発明の合成繊維フィラメント糸条は、原料合成繊維フィラメント糸条に、上記合成繊維用処理剤が付与されてなる。
本発明の合成繊維フィラメント糸条の製造方法は、原料合成繊維フィラメント糸条に上記処理剤を付与する工程を含む。
本発明の繊維構造物は、上記合成繊維フィラメント糸条を含む。
本発明の合成繊維用処理剤を付与してなる合成繊維は、合成繊維の製造工程で繊維オリゴマーの脱落が少ない。本発明の合成繊維の処理方法は繊維オリゴマーの脱落が少ないため、本発明の合成繊維の処理方法で製造される合成繊維は品位が優れる。
本発明の合成繊維用処理剤は、特定のエステル化合物(A)と、平滑剤(B)とを含むものである。以下詳細に説明する。
(エステル化合物(A))
エステル化合物(A)は、アルジトール脂肪酸エステル化合物(A1)及び二無水アルジトールと脂肪酸とのエステル化合物(A2)から選ばれる少なくとも1種であり、本発明に必須の成分である。
エステル化合物(A)は、後述する平滑剤(B)と併用した繊維処理剤を繊維に付与すると、合成繊維の製造及び後加工工程にてオリゴマー脱落が少なくなる効果が得られる。
化合物(A1)と平滑剤(B)とを併用した場合に合成繊維の製造及び後加工工程にてオリゴマー脱落が少なくなる効果が得られる要因は定かではないが、化合物(A1)と平滑剤(B)とを併用した場合にオリゴマーの処理剤への溶解度が向上することが確認できることから、合成繊維の製造及び後加工工程における熱処理の際に繊維のポリマーから染み出してくるオリゴマーを処理剤が溶かし込むことにより、オリゴマーの析出を抑制していると推定している。
化合物(A2)と平滑剤(B)とを併用した場合に合成繊維の製造及び後加工工程にてオリゴマー脱落が少なくなる効果が得られる要因は定かではないが、化合物(A2)と平滑剤(B)とを併用した場合にもオリゴマーの処理剤への溶解度が向上することが確認できることから、合成繊維の製造及び後加工工程における熱処理の際に繊維のポリマーから染み出してくるオリゴマーを処理剤が溶かし込むことにより、オリゴマーの析出を抑制していると推定している。
(アルジトール脂肪酸エステル化合物(A1))
前記化合物(A1)を構成するアルジトールの水酸基価数は、5以上である。4以下では、水酸基の数が少ないことにより、平滑剤(B)との併用による相互作用が小さいためか、オリゴマーの処理剤への溶解度向上が見られない。なかでも、オリゴマーの処理剤への溶解度の向上によりオリゴマーの析出が抑制されるとの観点から、5又は6がより好ましい。
前記化合物(A1)は、水酸基を2以上有すると好ましい。水酸基が1以下であると、平滑剤(B)との併用による相互作用が小さく、オリゴマーの処理剤への溶解度向上が見られず、オリゴマーの処理剤への溶解度の向上によるオリゴマーの析出抑制が発揮されない。前記化合物(A1)の水酸基の数は、3以上が好ましく、4以上がより好ましい。
前記化合物(A1)を構成するアルジトールとしては、D−アラビニトール、L−アラビニトール、キシリトール、リビトール、D−イジトール、L−イジトール、ガラクチトール、D−グルシトール、L−グルシトール、D−マンニトール、L−マンニトール、ボレミトール、ペルセイトール、D−エリトロ−D−ガラクト−オクチトール等の水酸基価数5〜8のアルジトールが挙げられる。なかでも、オリゴマーの処理剤への溶解度の向上によりオリゴマーの析出が抑制されるとの観点から、D−アラビニトール、L−アラビニトール、キシリトール、リビトール、D−イジトール、L−イジトール、ガラクチトール、D−グルシトール、L−グルシトール、D−マンニトール、L−マンニトール等の水酸基価数が5又は6のアルジトールが好ましい。
前記化合物(A1)を構成する脂肪酸としては、酪酸、クロトン酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、イソセチル酸、マルガリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、イソエイコサ酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、ドコサン酸、イソドコサン酸、エルカ酸、テトラコサン酸、イソテトラコサン酸、ネルボン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等が挙げられる。
これらの中でも、オリゴマーの処理剤への溶解度の向上によりオリゴマーの析出が抑制されるとの観点から、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸などの飽和脂肪酸が好ましい。
前記化合物(A1)としては、特に限定はされないが、例えば、D−マンニトールモノミリスチレート、D−マンニトールジミリスチレート、D−マンニトールトリミリスチレート、D−グルシトールモノパルミテート、D−グルシトールジパルミテート、D−グルシトールトリパルミテート、キシリトールモノステアテート、キシリトールジステアテート、キシリトールトリステアテート、ソルビトールモノステアレート(D−グルシトールモノステアレートともいう。)、D−マンニトールジパルミテート、ソルビトールジミリスチレート(D−グルシトールジミリスチレートともいう。)等が挙げられる。
前記化合物(A1)は、市販品であっても、公知の方法により合成してもよい。公知の方法により合成する場合には、アルジトールと脂肪酸とをモル比1:1〜1:2でエステル化して得られる。
(二無水アルジトールと脂肪酸とのエステル化合物(A2))
二無水アルジトールと脂肪酸とのエステル化合物(A2)(以後、化合物(A2)ということがある。)は、二無水アルジトールと脂肪酸とがエステル結合した構造を有するエステル化合物である。化合物(A2)は、分子内に酸素原子を含む環状構造を2つ有していることにより、前記平滑剤(B)との併用で繊維のポリマーから染み出してくるオリゴマーを処理剤が溶解しやすく、オリゴマーの析出抑制力が高いものと推定している。
前記化合物(A2)を構成する二無水アルジトールとしては、イソソルバイド、イソマンニド、イソイジドおよびイソガラクチド等のイソへキシドが挙げられる。
前記化合物(A2)を構成する脂肪酸は、前記化合物(A1)を構成する脂肪酸と同じものを挙げることができる。
前記化合物(A2)としては、特に限定されないが、例えば、イソソルビドモノステアレート、イソソルビドモノオレエート、イソソルビドモノラウレート、イソイジドモノステアレート、イソイジドモノオレート、イソイジドモノラウレート、イソマンニドモノパルミテート、イソソルビドモノミリスチレート等が挙げられる。
前記化合物(A2)は、市販品であっても、公知の方法により合成してもよい。
[平滑剤(B)]
本発明の処理剤は、平滑剤(B)を必須に含む。平滑剤(B)は、アルジトール脂肪酸エステル化合物(A1)と併用することにより、処理剤の平滑性を向上させて毛羽や糸切れを抑制することができる。
本発明の処理剤に用いられる平滑剤(B)には、多価アルコール脂肪酸エステル(B1)、多価カルボン酸脂肪族アルコールエステル(B2)、脂肪族一価アルコールと脂肪酸とがエステル結合した構造を有するエステル化合物(B3)及び含硫黄エステル化合物(B4)が挙げられる。
多価アルコール脂肪酸エステル(B1)は、炭素数2〜6の脂肪族2価アルコール又は、炭素数3又は4の脂肪族3価アルコール又は、炭素数4の脂肪族4価アルコールと、炭素数4〜24の脂肪酸とのエステルである。また分子内にポリオキシアルキレン基を有しない化合物である。
多価アルコール脂肪酸エステル(B1)を構成する多価アルコールは、製糸性の点から、炭素数3又は4の脂肪族3価アルコール及び/又は炭素数5の脂肪族4価アルコールが好ましい。
炭素数2〜6の脂肪族2価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。
炭素数3又は4の脂肪族3価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
炭素数4の脂肪族4価アルコールとしては、例えば、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコール脂肪酸エステル(B1)を構成する脂肪酸(脂肪族1価カルボン酸)は、飽和であっても不飽和であってもよい。不飽和結合の数については特に限定はないが、2つ以上有する場合、酸化により劣化が進行して処理剤が増粘して平滑性が損なわれるため、1つが好ましい。脂肪酸の炭素数としては、オリゴマーの処理剤への溶解度の向上によりオリゴマーの析出が抑制されるとの観点から、8〜24が好ましく、10〜20がより好ましく、12〜18がさらに好ましい。脂肪酸は、1種又は2種以上を使用してもよく、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸を併用してもよい。
脂肪酸としては、酪酸、クロトン酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、イソセチル酸、マルガリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、イソエイコサ酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、ドコサン酸、イソドコサン酸、エルカ酸、テトラコサン酸、イソテトラコサン酸、ネルボン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等が挙げられる。
これらの中でも、オリゴマーの処理剤への溶解度の向上によりオリゴマーの析出が抑制されるとの観点から、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸などの炭素数C16以下の飽和脂肪酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸などの不飽和脂肪酸、イソセチル酸、イソステアリン酸、イソエイコサ酸、イソドコサン酸、イソテトラコサン酸などの分岐鎖脂肪酸が好ましい。
多価アルコール脂肪酸エステル(B1)の酸価は、10以下が好ましく、8以下がより好ましく、6以下がさらに好ましい。多価アルコールエステル平滑剤(B1)の酸価が10超の場合、熱処理時に多量の発煙が発生したり、臭気が発生したりして、使用環境を悪化する場合がある。なお、本発明での酸価は、JIS K−0070に基づき測定した。
多価アルコール脂肪酸エステル(B1)の水酸基価は、0.1〜25が好ましく、0.5〜23がより好ましく、1.0〜20がさらに好ましい。多価アルコール脂肪酸エステル(B1)の水酸基価が0.1未満の場合、エステルを得るのは困難な場合がある。一方、多価アルコールエステル平滑剤(B1)の水酸基価が25超の場合、オリゴマーの処理剤への溶解度の向上によるオリゴマーの析出抑制効果が不足する場合がある。なお、本発明での水酸基価は、JIS K−0070に基づき測定した。
多価アルコール脂肪酸エステル(B1)の重量平均分子量は、500〜1000が好ましく、500〜800がより好ましく、500〜700がさらに好ましい。該重量平均分子量が500未満の場合、油膜強度が不足し、毛羽が増加したり、熱処理時の発煙が増加したりする場合がある。一方、該重量平均分子量が1000超の場合、平滑性が不足して毛羽が多発する場合がある。なお、本発明における重量平均分子量は、東ソー(株)製高速ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8220GPCを用い、試料濃度3mg/ccで、昭和電工(株)製分離カラムKF−402HQ、KF−403HQに注入し、示差屈折率検出器で測定されたピークより算出した。
多価アルコール脂肪酸エステル(B1)としては、例えば、トリメチロールプロパントリカプリレート、トリメチロールプロパントリカプリナート、トリメチロールプロパントリラウレート、トリメチロールプロパントリオレエート、トリメチロールプロパン(ラウレート、ミリスチレート、パルミテート)、トリメチロールプロパン(ラウレート、ミリスチレート、オレエート)、トリメチロールプロパン(トリパーム核脂肪酸エステル)、トリメチロールプロパン(トリヤシ脂肪酸エステル)、トリメチロールプロパンジカプリレート、トリメチロールプロパンジカプリナート、トリメチロールプロパンジラウレート、トリメチロールプロパンジオレエート、トリメチロールプロパン(ラウレート、ミリスチレート)、トリメチロールプロパン(ラウレート、オレエート)、トリメチロールプロパン(ミリスチレート、オレエート)、トリメチロールプロパン(ジパーム核脂肪酸エステル)、トリメチロールプロパン(ジヤシ脂肪酸エステル)、ヤシ油、菜種油、パーム油、グリセリントリラウレート、グリセリントリオレエート、グリセリントリイソステアレート、グリセリンジオレエート、グリセリンモノラウレート、ジグリセリンジオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタン(ラウレート、ミリスチレート、オレエート)、ソルビタンジラウレート、ソルビタンモノオレエート、ペンタエリスリトールテトラカプリレート、ペンタエリスリトールテトラカプリナート、ペンタエリスリトールテトララウレート、エリスリトールテトララウレート、ペンタエリスリトール(テトラパーム核脂肪酸エステル)、ペンタエリスリトール(テトラヤシ脂肪酸エステル)、エリスリトールトリオレエート、エリスリトールジパルミテート、1,6ヘキサンジオールジオレエート等が挙げられる。
多価アルコール脂肪酸エステル(B1)は一般的に市販されている脂肪族多価アルコールと脂肪酸を用いて、公知の方法で合成し得られたものを使用してもよい。又、天然の果実、種子又は花など天然より得られる天然エステルであって、多価アルコールエステル平滑剤(B1)の構成を満足する天然エステルをそのまま使用したり、必要に応じて、天然エステルを公知の方法で精製したり、更に精製したエステルを公知の方法で融点差を利用して分離、再精製を行ったエステルを用いたりしてもよい。
多価カルボン酸脂肪族アルコールエステル(B2)は、炭素数2〜6の脂肪族2価カルボン酸と炭素数4〜24の脂肪族アルコールとのエステルであり、また分子内にポリオキシアルキレン基を有しない化合物である。エステル化合物(A3)は1種又は2種以上を使用できる。
多価カルボン酸脂肪族アルコールエステル(B2)を構成する炭素数4〜24の脂肪族アルコールは、特に限定はなく、1種又は2種以上を使用できる。炭素数4〜24の脂肪族アルコールは、飽和であっても不飽和であってもよい。不飽和結合の数については特に限定はないが、2つ以上有する場合、酸化により劣化が進行して処理剤が増粘して潤滑性が損なわれるため、1つが好ましい。炭素数4〜24の脂肪族アルコールの炭素数としては、平滑性と油膜強度の観点から、8〜24が好ましく、14〜24がより好ましく、18〜22がさらに好ましい。炭素数4〜24の脂肪族アルコールは、1種又は2種以上を使用してもよく、飽和脂肪族一価アルコールと不飽和脂肪族1価アルコールを併用してもよい。
前記脂肪族アルコールとしては、ブチルアルコール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクチルアルコール、イソオクチルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ミリストレイルアルコール、セチルアルコール、イソセチルアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、バクセニルアルコール、ガドレイルアルコール、アラキジルアルコール、イソイコサニルアルコール、エイコセノイルアルコール、ベヘニルアルコール、イソドコサニルアルコール、エルカニルアルコール、リグノセリニルアルコール、イソテトラコサニルアルコール、ネルボニルアルコール、セロチニルアルコール、モンタニルアルコール、メリシニルアルコール等が挙げられる。これらの中でも、本願効果が得られ易い観点から、オクチルアルコール、イソオクチルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ミリストレイルアルコール、セチルアルコール、イソセチルアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、バクセニルアルコール、ガドレイルアルコール、アラキジルアルコール、イソイコサニルアルコール、エイコセノイルアルコール、ベヘニルアルコール、イソドコサニルアルコール、エルカニルアルコール、リグノセリニルアルコール、イソテトラドコサニルアルコール、ネルボニルアルコールが好ましく、ミリストレイルアルコール、パルミトレイルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、バクセニルアルコール、ガドレイルアルコール、エイコセノイルアルコール、エルカニルアルコール、ネルボニルアルコールがより好ましく、オレイルアルコール、エライジルアルコール、バクセニルアルコール、ガドレイルアルコール、エイコセノイルアルコール、エルカニルアルコールがさらに好ましい。
多価カルボン酸脂肪族アルコールエステル(B2)を構成する脂肪族多価カルボン酸は、2価以上であれば特に限定はなく、1種又は2種以上を使用できる。本発明で用いる脂肪族多価カルボン酸は、チオジプロピオン酸等の含硫黄多価カルボン酸を含まない。脂肪族多価カルボン酸の価数は、2価が好ましい。同様に、分子内にヒドロキシル基を含まないことが好ましい。
脂肪族多価カルボン酸としては、クエン酸、イソクエン酸、リンゴ酸、アコニット酸、オキサロ酢酸、オキサロコハク酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられる。これらの中でも、アコニット酸、オキサロ酢酸、オキサロコハク酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸が好ましく、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸がより好ましい。
多価カルボン酸脂肪族アルコールエステル(B2)としては、例えば、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジラウリル、アジピン酸ジオレイル、アジピン酸次イソセチル、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジラウリル、セバシン酸ジオレイル、セバシン酸ジイソセチル等を挙げることができる。
多価カルボン酸脂肪族アルコールエステル(B2)は、分子内に2個以上のエステル結合を有する化合物である。多価カルボン酸脂肪族アルコールエステル(B2)のヨウ素価については、特に限定はない。
多価カルボン酸脂肪族アルコールエステル(B2)の重量平均分子量は、500〜1000が好ましく、500〜800がより好ましく、500〜700がさらに好ましい。該重量平均分子量が500未満の場合、油膜強度が不足し、毛羽が増加したり、熱処理時の発煙が増加したりする場合がある。一方、該重量平均分子量が1000超の場合、融点が高くなり、製織や編み工程でのスカム発生の原因となり、品位が劣る場合がある。
多価カルボン酸脂肪族アルコールエステル(B2)、は一般的に市販されている脂肪族一価アルコールと脂肪族多価カルボン酸を用いて、公知の方法で合成し、得ることができる。
脂肪族一価アルコールと脂肪酸とがエステル結合した構造を有するエステル化合物(B3)は、炭素数4〜24の一価脂肪酸と炭素数4〜24の一価脂肪族アルコールとのエステルである。
炭素数4〜24までの脂肪酸としては、上記エステル(B1)のものと同じものが挙げられる。炭素数4〜24の一価脂肪族アルコールとしては、上記エステル(B2)のものと同じものが挙げられる。
(含硫黄エステル化合物(B4))
含硫黄エステル化合物は、チオジプロピオン酸と脂肪族アルコールとのジエステル化合物及びチオジプロピオン酸と脂肪族アルコールとのモノエステル化合物から選ばれる少なくとも1種である。
含硫黄エステル化合物は、抗酸化能を有する成分である。該含硫黄エステル化合物を使用することで、処理剤の耐熱性を高めることができる。含硫黄エステル化合物は、1種又は2種以上を使用できる。該含硫黄エステル化合物を構成するチオジプロピオン酸の分子量は、400〜1000が好ましく、500〜900がより好ましく、600〜800がさらに好ましい。該含硫黄エステル化合物を構成する脂肪族アルコールは、飽和であっても不飽和であってもよい。また、脂肪族アルコールは、直鎖状であっても分岐構造を有していてもよいが、分岐構造を有するものが好ましい。脂肪族アルコールの炭素数は8〜24が好ましく、12〜24がより好ましく、16〜24がさらに好ましい。脂肪族アルコールとしては、例えば、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、イソセチルアルコール、オレイルアルコールおよびイソステアリルアルコールなどが挙げられ、これらの中でもオレイルアルコール、イソステアリルアルコールが好ましい。
含硫黄エステル化合物は、チオジプロピオン酸と脂肪族アルコールとのジエステル化合物(本段落において、単にジエステルという)とチオジプロピオン酸と脂肪族アルコールとのモノエステル化合物(本段落において、単にモノエステルという)の混合物であってもよい。その際のジエステルとモノエステルのモル比は、100/0〜70/30が好ましく、100/0〜75/25がより好ましく、100/0〜80/20がさらに好ましい。
(一無水アルジトールと脂肪酸とのエステル化合物(C))
一無水アルジトールと脂肪酸とのエステル化合物(C)(以後、化合物(C)と記載することがある。)は、前記化合物(A)及び平滑剤(B)と併用すると、処理剤を付与してなる合成繊維のオリゴマーの析出がさらに少なくなる成分である。
前記化合物(C)を、前記化合物(A)及び平滑剤(B)と併用した際にオリゴマーの析出がさらに少なくなる要因としては定かではないが、前記化合物(C)と平滑剤(B)と併用した処理剤では、オリゴマー溶解性の向上は見られないが、前記化合物(A)及び平滑剤(B)と併用した処理剤に前記化合物(C)を加えると、オリゴマー溶解性がさらに向上することが確認できることから、合成繊維の製造及び後加工工程における熱処理の際に繊維のポリマーから染み出してくるオリゴマーを処理剤が溶かし込むことにより、オリゴマーの析出を抑制していると推定している。
前記化合物(C)は、アルジトールと脂肪酸とをモル比1:1〜1:2でエステル化して得られる際にアルジトール脂肪酸エステル化合物(A)との混合品として得られる。
反応条件によりエステル化合物(A)と前記化合物(C)との比率を調整することが可能であるが、エステル化反応時間を短く、温度を低温にする程エステル化合物(A)の比率が高くなる。
〔合成繊維用処理剤〕
本発明の処理剤は、アルジトール脂肪酸エステル化合物(A1)及び二無水アルジトールと脂肪酸とのエステル化合物(A2)から選ばれる少なくとも1種であるエステル化合物(A)と平滑剤(B)とを含む合成繊維処理剤であって、前記処理剤の不揮発分に対する前記化合物(A)及び前記平滑剤(B)の合計の重量割合が3〜90重量%であり、前記化合物(A1)を構成するアルジトールの価数が5以上であり、前記処理剤の不揮発分の25℃における動粘度が100〜250mPa・sである、合成繊維処理剤である。
このように、特定のエステル化合物を含有し、特定の粘度を有することにより、オリゴマーを低減することができる。
本発明の合成繊維用処理剤の不揮発分の25℃における動粘度は、100〜250mPa・sであり、110〜225mPa・sが好ましく、120〜200mPa・sがより好ましく、130〜175mPa・sがさらに好ましい。100mPa・s未満では、集束性が不足してガイド等でポリマー削れが生じるため本願効果が得られない。一方、250mPa・s超では、熱延伸ロール上に処理剤が残留しやすくなり、処理剤に溶解していたオリゴマーが再析出しやすくなって、熱延伸ロールへの熱劣化物蓄積が加速され、オリゴマー析出抑制効果が発揮されない。本発明における不揮発分とは、処理剤を105℃で熱処理して溶媒等を除去し、恒量に達した時の絶乾成分をいう。
前記処理剤の不揮発分に対する前記化合物(A)及び前記平滑剤(B)の合計の重量割合が3〜90重量%であり、10〜80重量%が好ましく、20〜70重量%がより好ましく、30〜70重量%がさらに好ましい。3重量%未満では、オリゴマーの溶解能力が低下して、オリゴマー析出抑制効果が発揮されない。90重量%超では、集束性が不足してガイド等でポリマー削れが生じるため本願効果が得られない。
処理剤の不揮発分に対する前記化合物(A)の重量割合は、1〜20重量%が好ましく、2〜15重量%がより好ましく、3〜12重量%がさらに好ましく、3〜7重量%が特に好ましい。1重量%未満では、前記平滑剤(B)との併用効果が得られないことがあり、20重量%超では、平滑性が低下して延伸性が低下するため、繊維の強力低下が起こることがある。
本発明の合成繊維用処理剤が前記化合物(C)を含む場合には、前記化合物(A)と前記化合物(C)との重量比(A/C)の下限値は、0.1が好ましく、0.2がより好ましく、0.3がさらに好ましく、0.4が特に好ましい。
本発明の合成繊維用処理剤が前記化合物(C)を含む場合には、前記化合物(A)と前記化合物(C)との重量比(A/C)の上限値は、1000が好ましく、200がより好ましく、10がさらに好ましく、2が特に好ましい。0.1未満及び1000超では前記化合物(A)と前記化合物(C)との相互作用が得にくく、オリゴマーの析出が抑制できない場合がある。
(その他成分)
本発明の合成繊維用処理剤は、処理剤のエマルション化、繊維への付着性補助、繊維からの処理剤の水洗、繊維への制電性、潤滑性、集束性の付与等のために、有機アミン化合物(D)、ノニオン性界面活性剤(E)、アニオン性界面活性剤(F)を含有していてもよい。
有機アミン化合物(D)としては、特に限定されないが、例えば、1)メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン等の、脂肪族アミン化合物、2)モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の、アルカノールアミン化合物、3)N,N−ビス(ヒドロキシエチル)ブチルアミン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)オクチルアミン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)ラウリルアミン等の、脂肪族アルカノールアミン化合物、4)ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレンオレイルアミン等の、脂肪族アミン化合物のアルキレンオキサイド付加物、5)アニリン、2−ナフチルアミン、ベンジルアミン等の、芳香族アミン化合物、6)ピリジン、モルホリン、ピペラジン等の、複素環アミン化合物が挙げられるが、なかでもポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン等の炭素数6〜22の脂肪族アミン化合物及び/又は炭素数6〜22の脂肪族アミン1モルに対してアルキレンオキサイドを1〜50モルの割合で付加させた化合物が好ましい。
ノニオン性界面活性剤(E)としては、脂肪族アルコール1モルに対してアルキレンオキサイドを合計で1〜50モルの割合で付加させた化合物、脂肪酸1モルに対してアルキレンオキサイドを合計で1〜50モルの割合で付加させた化合物、ヒマシ油1モルに対してアルキレンオキサイドを合計で1〜50モルの割合で付加させたヒマシ油誘導体、ヒマシ油1モルに対してアルキレンオキサイドを合計で1〜50モルの割合で付加させたヒマシ油誘導体と炭素数6〜22の脂肪族モノカルボン酸とをエステル化して得られる化合物、ヒマシ油1モルに対してアルキレンオキサイドを合計で1〜50モルの割合で付加させたヒマシ油誘導体と炭素数2〜22のジカルボン酸とをエステル化して得られる化合物、ヒマシ油1モルに対してアルキレンオキサイドを合計で1〜50モルの割合で付加させたヒマシ油誘導体と炭素数2〜22のジカルボン酸とをエステル化して得られる化合物の水酸基を炭素数6〜22の脂肪族モノカルボン酸で封鎖した化合物、硬化ヒマシ油1モルに対してアルキレンオキサイドを合計で1〜50モルの割合で付加させた硬化ヒマシ油誘導体、硬化ヒマシ油1モルに対してアルキレンオキサイドを合計で1〜50モルの割合で付加させた硬化ヒマシ油誘導体と炭素数6〜22の脂肪族モノカルボン酸とをエステル化して得られる化合物、硬化ヒマシ油1モルに対してアルキレンオキサイドを合計で1〜50モルの割合で付加させた硬化ヒマシ油誘導体と炭素数2〜22のジカルボン酸とをエステル化して得られる化合物及び硬化ヒマシ油1モルに対してアルキレンオキサイドを合計で1〜50モルの割合で付加させた硬化ヒマシ油誘導体と炭素数2〜22のジカルボン酸とをエステル化して得られる化合物の水酸基を炭素数6〜22の脂肪族モノカルボン酸で封鎖した化合物から選ばれる一つ又は二つ以上が挙げられる。
アニオン性界面活性剤(F)としては、有機脂肪酸塩、有機スルホン酸塩、有機硫酸エステル塩及び有機リン酸エステル塩から選ばれる一つ又は二つ以上が挙げられ、さらに具体的には、オクタン酸カリウム塩、オレイン酸カリウム塩、アルケニルコハク酸カリウム塩、ペンタデシルスルホン酸ナトリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレンラウリル硫酸エステルナトリウム塩、オクチルリン酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンラウリルリン酸エステルカリウム塩、オレイルリン酸エステルとトリエタノールアミンとの塩、ポリオキシエチレンオレイルリン酸エステルとポリオキシエチレンラウリルアミンとの塩等が挙げられる。
また、本発明の合成繊維用処理剤は、耐熱性を付与するため、さらに酸化防止剤を含有してもよい。酸化防止剤としては、フェノール系、チオ系、ホスファイト系等の公知のものが挙げられる。酸化防止剤は1種又は2種以上を使用できる。酸化防止剤を含有する場合の処理剤の不揮発分に占める酸化防止剤の重量割合は、特に限定はないが、0.1〜5重量%が好ましく、0.1〜3重量%が好ましい。
また、本発明の合成繊維用処理剤は、更に原液安定剤(例えば、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等)を含有してもよい。処理剤に占める原液安定剤の重量割合は、0.1〜30重量%が好ましく、1〜20重量%がさらに好ましい。
本発明の合成繊維用処理剤は、不揮発分のみからなる前述の成分で構成されていてもよく、不揮発分と原液安定剤とから構成されてもよく、不揮発分を低粘度鉱物油で希釈したものでもよく、水中に不揮発分を乳化した水系エマルジョンであってもよい。本発明の合成繊維用処理剤が水中に不揮発分を乳化した水系エマルジョンの場合、不揮発分の濃度は5〜35重量%が好ましく、6〜30重量%がより好ましい。
本発明の合成繊維用処理剤の製造方法については、特に限定はなく、公知の方法を採用することができる。合成繊維用処理剤は、構成する前記の各成分を任意又は特定の順番で添加混合することによって製造される。
[合成繊維フィラメント糸条の製造方法及び繊維構造物]
本発明の合成繊維フィラメント糸条の製造方法は、原料合成繊維フィラメント糸条に、本発明の合成繊維用処理剤を付与する工程を含むものである。発明の製造方法によれば、スカムや糸切れの発生を低減することができ、糸品位に優れた合成繊維フィラメント糸条を得ることができる。なお、本発明における原料合成繊維フィラメント糸条とは、処理剤が付与されていない合成繊維フィラメント糸条をいう。
合成繊維用処理剤を付与する工程としては、特に限定はなく、公知の方法を採用することできる。通常、原料合成繊維フィラメント糸条の紡糸工程で合成繊維用処理剤を付与する。処理剤が付与された後、熱ローラーにより延伸、熱セットが行われ、巻き取られる。このように、処理剤を付与した後、一旦巻き取れられることなく熱延伸する工程を有する場合に、本発明の合成繊維用処理剤は好適に使用することができる。熱延伸する際の温度として一例をあげると、ポリエステル、ナイロンでは、産業資材用であれば190〜260℃、衣料用であれば110〜220℃が想定される。
原料合成繊維フィラメント糸条に付与する際の合成繊維処理剤は、前述したように、不揮発分のみからなる処理剤、不揮発分を低粘度鉱物油で希釈した処理剤、又は水中に不揮発分を乳化した水系エマルジョン処理剤等が挙げられる。付与方法としては、特に限定されるものではないが、ガイド給油、ローラー給油、ディップ給油、スプレー給油等が挙げられる。これらの中ででも、付与量の管理のしやすさから、ガイド給油、ローラー給油が好ましい。
合成繊維用処理剤の不揮発分の付与量は、原料合成繊維フィラメント糸条に対して、0.05〜5重量%が好ましく、0.1〜3重量%がより好ましく、0.1〜2重量%がさらに好ましい。0.05重量%未満の場合、本発明の効果を発揮することができない場合がある。一方、5重量%超の場合、処理剤の不揮発分が糸道に脱落しやすく、本発明の効果を発揮することができない場合がある。
(原料)合成繊維フィラメント糸条としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維等の合成繊維のフィラメント糸条が挙げられる。本発明の合成繊維用処理剤は、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維等の合成繊維に適している。ポリエステル繊維としては、エチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステル(PET)、トリメチレンエチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステル(PTT)、ブチレンエチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステル(PBT)、乳酸を主たる構成単位とするポリエステル(PLA)等が挙げられ、ポリアミド繊維としては、ナイロン6、ナイロン66等が挙げられ、ポリオレフィン繊維としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等が挙げられる。合成繊維フィラメント糸条の製造方法としては、特に限定はなく、公知の手法を採用できる。
(繊維構造物)
本発明の繊維構造物は、上記の本発明の製造方法で得られた合成繊維フィラメント糸条を含むものである。具体的には、本発明の合成繊維用処理剤が付与された合成繊維フィラメント糸条を用いてウォータージェット織機、エアジェット織機、または、レピア織機で織られた織物、および丸編み機、経編み機、または、緯編み機で編まれた編物である。また繊維構造物の用途としては、タイヤコード、シートベルト、エアバッグ、魚網、ロープ等の産業資材、衣料用等が挙げられる。織物、編物を製造する方法としては、特に限定はなく、公知の手法を採用できる。
以下に、実施例により本発明を説明する、本発明はここに記載した実施例に限定されるものではない。なお、文中及び表中の「%」は「重量%」を、意味する。
[エステル化合物(A)の製造]
(製造例1)
(ソルビトールモノステアレートの製造)
撹拌翼、温度センサー、窒素ガス導入口、真空ラインを備えた2000mLの四ッ口フラスコに、ソルビトールの80重量%水溶液455gとステアリン酸メチル720gを仕込み、窒素気流下90℃にて常圧で2時間、さらに6.67kPa以下で1時間脱水を行って、系内の水分含量が0.2%となった。そこに20重量%に調製したナトリウムメトキシドのメタノール溶液を15.2g、次亜リン酸ナトリウム0.30gを添加し、窒素気流下160℃まで常圧で2時間かけて昇温、そのまま窒素気流下160℃、常圧で反応を行い、7時間で系内がI相になったことを確認した。その後、窒素気流下160℃にて4.00kPa前後でさらに2時間反応を行い、薄層クロマトグラフィー(TLC)でステアリン酸メチルのスポットが消失したことを確認して反応終了とした。冷却後、80℃でキョーワード#700を1.0重量%添加し、26.7kPa以下で1時間吸着処理した後、ろ過してソルビトールモノステアレート(A1−1)を得た。
(製造例2)
(マンニトール・ジ・パルミテートの製造)
撹拌翼、温度センサー、窒素ガス導入口、サンプリング口を備えた2000mLの四ッ口フラスコに、マンニトール455g(2.5モル)、パルミチン酸1280g(5モル)、触媒として炭酸カリウムを8g、カラメル生成抑制のため酸化防止剤8g(旭電化製アデカスタブAO−70)を仕込み、窒素気流下225℃にて常圧で3時間反応させた。酸価が5.0以下であることを確認して反応終了とした。約1500gのマンニトール・ジ・パルミテート(A1−2)を得た。
(製造例3)
(イソソルビド・モノ・ステアレートの製造)
蒸留器を備えた撹拌装置中に、146g(1モル)のイソソルビド及び284g(1モル)のステアリン酸を、80℃で、0.38gの苛性ソーダ(18重量%濃度)と一緒に投入した。撹拌、窒素置換下で、最初に反応混合物を180℃1時間加熱し、水の留去をしつつ、時間で190℃に加熱し、さらに2時間で210℃に加熱した。210℃に到達後、1mgKOH/gの酸価に達するまでエステル化した。385gの琥珀色のイソソルビドステアレート(A2−1)が得られた。
[化合物(C)の製造]
(製造例4)
(ソルビタン・モノ・ステアレートの製造)
四つ口フラスコに、D−ソルビトール液520g(2.0モル)を仕込み、400Paの減圧下、75℃で約10分間脱水した。次にステアリン酸560g(2.0モル)を仕込み、水酸化ナトリウム10w/v%水溶液10mLを加え、常圧下、窒素ガス気流中220℃で、3時間エステル化反応を行った。得られた反応混合物を170℃まで冷却し、リン酸(85質量%)2.3gを添加して触媒を中和し、次に、反応混合物を約150℃まで冷却し、グリセリン800gを加えて均一に混合後その温度で約1時間放置し、分離したグリセリン相約640gを除去した。得られたソルビタン脂肪酸エステルを、160℃、250Paの条件で減圧蒸留して残留するグリセリンを留去し、ソルビタン・モノ・ステアレート(C)800gを得た(酸価3.1、水酸基価:252)
[実施例1〜20、比較例1〜9]
表1〜3に記載の下記成分を混合して、均一になるまで攪拌し、処理剤を調製した。調製した各処理剤を用いて、下記の方法でオリゴマー脱落防止性及び加熱劣化物の除去性を評価した。その結果を表1〜3に示す。
A1−1 ソルビトールモノステアレート
A1−2 マンニトール・ジ・パルミテート
A1−3 ソルビトール・ジ・ミリスチレート
A2−1 イソソルビド・モノ・ステアレート
A2−2 イソマンニド・モノ・パルミテート
A2−3 イソソルビド・モノ・ミリスチレート
B1−1 トリメチロールプロパン・トリオレエート
B1−2 トリメチロールプロパン・ジオレエート・モノラウレート
B1−3 トリメチロールプロパン・ジラウレート・モノオレエート
B1−4 トリメチロールプロパン・トリラウレート
B1−5 ペンタエリスリトール・テトラカプリレート
B1−6 グリセリン・ジオレエート・モノパルミテート
B1−7 1.6−ヘキサンジオール・ジオレエート
B2−1 ジイソエイコサ・アジペート
B3−1 イソエイコサ・オレエート
B4−1 チオジプロピオン酸ジ(オレイル)エステル
B4−2 チオジプロピオン酸モノ(オレイル)エステル
C−1 ソルビタン・モノ・ステアテート
C−2 マンニタン・モノ・パルミテート
C−3 ソルビタン・モノ・ミリスチレート
D−1 POE(10)ラウリルアミノエーテル
E−1 POE(20)硬化ヒマシ油エーテル
E−2 POE(20)硬化ヒマシ油エーテル・トリオレエート
E−3 POE(20)硬化ヒマシ油のアジピン酸縮合物の水酸基1モル当量あたりステアリン酸1モル当量で封鎖したエステル
E−4 PEG600・モノオレエート
E−5 POE(20)ソルビタン・トリオレエート
F−1 アルカンスルホネートNa塩(C13〜16)
F−2 ジオクチルスルホサクシネートNa塩
F−3 POE(8)オレイルアルコールホスフェート
F−4 トリエチレングリコール−bis−3(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオネート
G−1 グリセリン・モノ・オレエート
G−2 エリスリトール・ジ・カプリレート
(オリゴマー脱落防止性評価方法)
繊維オリゴマーの脱落防止性の評価は、固有粘度1.0のポリエチレンテレフタレートチップを常法により乾燥した後、エクストルーダー型紡糸機を用いて295℃にて溶融紡糸した。紡糸口金から吐出し、冷却固化した後の走行糸条に、表1〜3に示した処理剤の15重量%濃度水性エマルションをガイド給油法にて給油し、処理剤として0.8%付着させた給油糸として、これを80℃の引き取りロールで500m/分の速度で引き取った後、引き続き110℃の第1延伸ロール、130℃の第2延伸ロール、255℃の第3延伸ロール、255℃の第4延伸ロール、255℃の第5伸ロール、150℃の弛緩ロールを介して全延伸倍率5.0倍となる条件で延伸して、1500デニール196フィラメントのポリエステル繊維を得た。24時間連続運転後の弛緩ロールに脱落したオリゴマー量(mg)を溶剤で拭き取り秤量した。尚、拭き取った弛緩ロール脱落物は、赤外吸収スペクトルによる特性吸収及び融点からポリエステルの環状オリゴマーであることを確認した。得られた値を高温、高張力、高速下での繊維オリゴマーの脱落防止性として次の基準で評価した。結果を脱落防止性とした。◎及び○を合格とした。
◎ :オリゴマー量が20mg以下
○ :オリゴマー量が20mg超100mg以下
△ :オリゴマー量が100mg超200mg以下
× :オリゴマー量が200mg超
繊維表面のオリゴマー付着量の測定は、メタノールを用いて繊維1gの繊維表面オリゴマーを抽出し、抽出液を乾燥した後、固形物をクロロホルムに溶解して液体クロマトグラフィーを用い、ポリエステルの3量体および4量体の量を測定し、それを付着量とし、次の4段階で評価した。◎及び○を合格とした。
◎ :オリゴマー付着量が100ppm以下
○ :オリゴマー付着量が100ppm超300ppm以下
△ :オリゴマー付着量が300ppm超500ppm以下
× :オリゴマー付着量が500ppm超
また、目視による判定方法は、走査型電子顕微鏡を用いて撮影し、繊維の表面に存在するオリゴマーの付着状況を確認し、次の4段階で評価し、◎及び○を合格とした。
◎:繊維表面にオリゴマーは全くない
○:繊維表面に僅かに付着している
△:繊維表面に疎らに付着している
×:繊維表面全体に付着している
処理剤加熱劣化物の除去性評価法は、調製した処理剤を市販のナイロンエアバッグ糸(462dtx)に処理剤(純分)として10.0重量%となるように付着させた試験糸を、温度20℃、湿度65%の雰囲気下で、温度255℃の摩擦体(表面梨地クロムメッキ、直径5cm)に初期荷重300g、糸速度4.0m/min、接触角180°で8時間接触させ、接触後の摩擦体に堆積した加熱劣化物の粒子径及び個数を走査電子顕微鏡(SEM)にて測定し、次の基準で判定した。なお、測定面積は7mmとした。値が低い程、処理剤劣化物の除去性が良好であり、紡糸、延伸工程で毛羽が発生し難く、掃除周期が延長でき生産性が向上することを示す。◎及び○を合格とした。
なお、処理剤加熱劣化物の除去性評価は、オリゴマー脱落評価の一環である。市販のナイロンエアバッグ糸を洗浄して付着しているオリゴマーを除去すると、本評価後の処理剤の加熱劣化物が減少することから、延伸工程での加熱による合成繊維からのオリゴマーの生成量が多いほど、摩擦体の合成繊維との接触面上へのオリゴマーの析出及び脱落が多くなり、脱落オリゴマーが核となり処理剤の加熱劣化物が増加すると考えられる。そのため、処理剤加熱劣化物の除去性評価は、オリゴマー脱落の抑制と関連する。
[判定基準]
◎ : 平均粒子径が5μm未満かつ個数が99個以下
○ : 平均粒子径が5μm以上10μm未満かつ個数が99個以下
△ : 平均粒子径が10μm以上30μm未満かつ個数が99個以下
× : 平均粒子径が30μm以上または個数が100個以上
Figure 2017057532
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表1及び2から分かるように、実施例1〜20は、アルジトール脂肪酸エステル化合物(A1)及び二無水アルジトールと脂肪酸とのエステル化合物(A2)から選ばれる少なくとも1種であるエステル化合物(A)と平滑剤(B)とを含む合成繊維処理剤であって、前記処理剤の不揮発分に対する前記エステル化合物(A)及び前記平滑剤(B)の合計の重量割合が3〜90重量%であり、前記化合物(A1)を構成するアルジトールの水酸基価数が5以上であり、前記処理剤の不揮発分の25℃における動粘度が100〜250mPa・sであるので、本願の課題であるオリゴマー除去性が解決できている。
一方、比較例では、エステル化合物(A)がない場合(比較例1、3〜7)、アルジトールの価数が5以上でない場合(比較例8及び9)、不揮発分の粘度が100〜250mPa・sの範囲にない場合(比較例2、4〜6)には、本願の課題であるオリゴマー除去性が解決できていない。
すなわち、本発明の合成繊維用処理剤は、アルジトール脂肪酸エステル化合物(A1)及び二無水アルジトールと脂肪酸とのエステル化合物(A2)から選ばれる少なくとも1種であるエステル化合物(A)と平滑剤(B)とを含む合成繊維処理剤であって、
前記処理剤の不揮発分に対する前記化合物(A)及び前記平滑剤(B)の合計の重量割合が3〜90重量%であり、
前記化合物(A1)を構成するアルジトールの水酸基価数が5〜8であり、
前記化合物(A1)の水酸基の数は3〜5であり、
前記化合物(A2)を構成する二無水アルジトールがイソソルバイド、イソマンニド、イソイジドおよびイソガラクチドから選ばれる少なくとも1種であり、
前記平滑剤(B)が、下記多価アルコール脂肪酸エステル(B1)、下記多価カルボン酸脂肪族アルコールエステル(B2)、下記エステル化合物(B3)及び含硫黄エステル化合物(B4)から選ばれる少なくとも1種を含み、
前記処理剤の不揮発分の25℃における粘度が100〜250mPa・sである。
多価アルコール脂肪酸エステル(B1):炭素数2〜6の脂肪族2価アルコール、炭素数3若しくは4の脂肪族3価アルコール又は炭素数4の脂肪族4価アルコールと、炭素数4〜24の脂肪酸とのエステル
多価カルボン酸脂肪族アルコールエステル(B2):炭素数2〜6の脂肪族2価カルボン酸と炭素数4〜24の脂肪族アルコールとのエステル
エステル化合物(B3):炭素数4〜24の一価脂肪酸と炭素数4〜24の一価脂肪族アルコールとのエステル
一無水アルジトールと脂肪酸とのエステル化合物(C)をさらに含むと好ましい。
処理剤の不揮発分に対する前記化合物(A)の重量割合が1〜20重量%であると好ましい。
前記化合物(A)と前記化合物(C)との重量比(A/C)が0.1〜1000であると好ましい

Claims (8)

  1. アルジトール脂肪酸エステル化合物(A1)及び二無水アルジトールと脂肪酸とのエステル化合物(A2)から選ばれる少なくとも1種であるエステル化合物(A)と平滑剤(B)とを含む合成繊維処理剤であって、
    前記処理剤の不揮発分に対する前記化合物(A)及び前記平滑剤(B)の合計の重量割合が3〜90重量%であり、
    前記化合物(A1)を構成するアルジトールの水酸基価数が5以上であり、
    前記処理剤の不揮発分の25℃における動粘度が100〜250mPa・sである、合成繊維処理剤。
  2. 一無水アルジトールと脂肪酸とのエステル化合物(C)をさらに含む、請求項1に記載の合成繊維処理剤。
  3. 処理剤の不揮発分に対する前記化合物(A)の重量割合が1〜20重量%である、請求項1又は2に記載の合成繊維処理剤。
  4. 前記化合物(A)と前記化合物(C)との重量比(A/C)が0.1〜1000である、請求項2又は3に記載の合成繊維処理剤。
  5. 前記平滑剤(B)が下記多価アルコール脂肪酸エステル(B1)、下記多価カルボン酸脂肪族アルコールエステル(B2)、下記エステル化合物(B3)及び含硫黄エステル化合物(B4)から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の合成繊維処理剤。
    多価アルコール脂肪酸エステル(B1):炭素数2〜6の脂肪族2価アルコール、炭素数3若しくは4の脂肪族3価アルコール又は炭素数4の脂肪族4価アルコールと、炭素数4〜24の脂肪酸とのエステル
    多価カルボン酸脂肪族アルコールエステル(B2):炭素数2〜6の脂肪族2価カルボン酸と炭素数4〜24の脂肪族アルコールとのエステル
    エステル化合物(B3):炭素数4〜24の一価脂肪酸と炭素数4〜24の一価脂肪族アルコールとのエステル
  6. 原料合成繊維フィラメント糸条に、請求項1〜5のいずれかに記載の合成繊維用処理剤が付与されてなる、合成繊維フィラメント糸条。
  7. 原料合成繊維フィラメント糸条に、請求項1〜5のいずれかに記載の処理剤を付与する工程を含む、合成繊維フィラメント糸条の製造方法。
  8. 請求項6に記載の合成繊維フィラメント糸条を含む、繊維構造物。
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