JP2017057515A - グラシン紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、低坪量であっても十分な強度を有し、高い透明性、良好な地合(均一な透明性)、高い強度を有するグラシン紙を提供することを目的とする。
【解決手段】
パルプ懸濁液中へのノズルまたはオリフィス管からの液体噴流を用いて発生させたキャビテーションによる気泡が崩壊する際の衝撃力をパルプ繊維に与えて得られるパルプを含有させることにより、高い強度を有し、透明度が60%以上であるグラシン紙を得る。
【選択図】 なし

Description

本発明は、窓付き封筒の窓部や、食品あるいは調剤薬の包装、剥離紙等に用いられるグラシン紙に関する。
グラシン紙は、高度に叩解した化学パルプより抄造した紙に水分を付与して、スーパーカレンダー等で仕上げした薄葉紙で、一般の紙より薄く高い透明性を有していることが大きな特徴である。このグラシン紙は、食品包装、薬包用、ラミネート加工紙などに広く使用されている。
グラシン紙は、パルプ繊維間の空隙を一般の紙に比べて少なくすることにより、紙内部での光の乱反射を抑えるため、高い透明性を有している。グラシン紙の透明性を向上させる方法として、叩解度を向上させたパルプ繊維を用いる方法があるが、ワイヤーパートでの脱水能低下による抄造性の悪化、短繊維化することによる強度の低下など問題が発生する。このため、グラシン紙の透明性を向上させる方法としては、表面を膨潤させたカチオン化デンプンを含有する方法(特許文献1)、未糊化デンプンを含有させる方法(特許文献2)、両性化デンプンを含有させる方法(特許文献3)、など、澱粉を添加してパルプ繊維の空隙部分に充填する方法が提案されている。
特開平4−208897号公報 特開平2−6682号公報 特開2014−196571号公報
しかしながら、グラシン紙は、セロファンなどのフィルム類に比べて、透明性が劣っており、更なる透明性の向上が求められている。透明性を高めるためにパルプの叩解をさらに進めると、ワイヤーパートでの脱水能低下によって抄造性が悪化する。また、デンプンを含有させたグラシン紙は、パルプフロックが発生しやすいために地合不良となりやすく、そのため部分的に強度が低下し、また、均一な透明性を得ることが困難になる可能性がある。
そこで、本発明は、高い透明性、良好な地合(均一な透明性)、高い強度を有するグラシン紙を提供することを目的とする。
上記課題は、パルプ懸濁液中へのキャビテーションによる気泡が崩壊する際の衝撃力をパルプ繊維に与えて叩解処理することにより得られるパルプを用いることによって解決された。すなわち、本発明は、パルプ懸濁液中へのノズルまたはオリフィス管からの液体噴流を用いて発生させたキャビテーションによる気泡が崩壊する際の衝撃力をパルプ繊維に与えて得られるパルプを含有する透明度が60%以上であるグラシン紙である。
本発明によれば、低坪量であっても、強度、透明度が向上したグラシン紙が得られる。
本発明のグラシン紙に用いるパルプ原料としては、パルプ懸濁液中へのノズルまたはオリフィス管からの液体噴流を用いて発生させたキャビテーションによる気泡が崩壊する際の衝撃力をパルプ繊維に与えて処理(以下キャビテーション処理という)することにより、所望のろ水度に調製されたパルプである。
本発明においてキャビテーション処理の対象とするパルプは、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹溶解クラフトパルプ、針葉樹溶解クラフトパルプ、広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ等の化学パルプを使用することができる。透明度、強度等を良好にできることから、LBKPとNBKPを混合して使用することが好ましい。
キャビテーション処理について、さらに詳細に述べると、キャビテーションによる気泡が崩壊する際の衝撃力をパルプ繊維に与えて、パルプの外部フィブリル化を促進する一方、内部フィブリル化を抑制して濾水度を調整するものである。キャビテーション処理としては、WO2005/012632号公報に記載されているようなキャビテーション噴流処理が好適である。
なお、キャビテーション処理と機械的な叩解処理を組み合わせて、パルプ繊維を外部フィブリル化してもよい。キャビテーション処理は、パルプ繊維の外部フィブリル化を促進する一方、内部フィブリル化を抑制するので、従来の方法であるリファイナー等の装置を用いた機械力によって叩解処理したパルプと比較すると、同一の濾水度では、強度的に優れたパルプが得られる。このキャビテーション処理で得られた外部フィブリルを有するパルプを含有するグラシン紙は強度が高くなるので、同一強度とした場合、坪量を低減できるので、透明性も向上させることが可能となる。
次に、キャビテーション処理について詳細に説明する。キャビテーションは、加藤の成書(加藤洋治編著、新版キャビテーション基礎と最近の進歩、槙書店、1999)に記載されているように、キャビテーション気泡の崩壊時に数μmオーダーの局所的な領域に数GPaに及ぶ高衝撃力を発生し、また気泡崩壊時に断熱圧縮により微視的にみると数千℃に温度が上昇する。その結果、キャビテーションを発生した場合には温度上昇が伴う。これらのことから、キャビテーションは流体機械に損傷、振動、性能低下などの害をもたらす面があり、発生しないよう制御する必要のある技術課題とされてきた。近年、キャビテーションについて研究が急速に進み、キャビテーション噴流の流体力学的パラメーターを操作因子としてキャビテーションの発生領域や衝撃力まで高精度に制御できるようになった。その結果、気泡の崩壊衝撃力を制御することにより、その強力なエネルギーを有効活用することが期待されている。従って、流体力学的パラメーターに基づく操作・調整を行うことでキャビテーションを高精度に制御することが可能となった。これは技術的作用効果の安定性を保持することが可能であることを示しており、従来のように流体機械で自然発生的に生じる制御不能の害をもたらすキャビテーションではなく、制御されたキャビテーションによって発生する気泡を積極的にパルプ懸濁液に導入し、そのエネルギーを有効利用することが本発明の特徴である。
本発明におけるキャビテーションの発生手段としては、液体噴流による方法であり、キャビテーション気泡の発生効率が高く、より強力な崩壊衝撃力を持つキャビテーション気泡を形成するためパルプ繊維に対する作用効果が大きい。上記の方法によって発生するキャビテーションは、従来の流体機械に自然発生的に生じる制御不能の害をもたらすキャビテーションと明らかに異なるものである。
上述したように、キャビテーション処理としては、WO2005/012632号公報に記載されているような液体噴流によるキャビテーション噴流処理が好適であり、以下、詳細に説明する。
液体噴流とは、液体または液体の中に固体粒子や気体が分散あるいは混在する流体の噴流であり、パルプや無機物粒子のスラリーや気泡を含む液体噴流をいう。ここでいう気体は、キャビテーションによる気泡を含んでいてもよい。
キャビテーションは液体が加速され、局所的な圧力がその液体の蒸気圧より低くなったときに発生するため、流速及び圧力が特に重要となる。このことから、キャビテーション状態を表わす基本的な無次元数、キャビテーション数(Cavitation Number)σは次のように定義される(加藤洋治編著、新版キャビテーション基礎と最近の進歩、槇書店、1999)。
Figure 2017057515
(p:一般流の圧力、U:一般流の流速、pv:流体の蒸気圧、ρ:流体の密度)
ここで、キャビテーション数が大きいということは、その流れ場がキャビテーションを発生し難い状態にあるということを示す。特にキャビテーション噴流のようなノズルあるいはオリフィス管を通してキャビテーションを発生させる場合は、ノズル上流側圧力p1、ノズル下流側圧力p2、試料水の飽和蒸気圧pvから、キャビテーション数σは下記式(2)のように書きかえることができ、キャビテーション噴流では、p1、p2、pv間の圧力差が大きく、p1≫p2≫pvとなることから、キャビテーション数σはさらに以下のように近似することができる(H. Soyama, J. Soc. Mat. Sci. Japan, 47(4), 381 1998)。
Figure 2017057515

本発明におけるキャビテーションの条件は、上述したキャビテーション数σが0.001以上0.5以下であることが望ましく、さらに0.003以上0.2以下であることが好ましく、0.01以上0.1以下であることが特に好ましい。キャビテーション数σが0.001未満である場合、キャビテーション気泡が崩壊する時の周囲との圧力差が低いため効果が小さくなり、0.5より大である場合は、流れの圧力差が低くキャビテーションが発生し難くなる。
また、ノズルまたはオリフィス管を通じて噴射液を噴射してキャビテーションを発生させる際には、噴射液の圧力(ノズル上流側圧力)は0.01MPa(ゲージ圧)以上60MPa(ゲージ圧)以下であることが望ましく、0.7MPa(ゲージ圧)以上30MPa(ゲージ圧)以下であることが好ましく、2MPa(ゲージ圧)以上15MPa(ゲージ圧)以下であることが特に好ましい。ノズル上流側圧力が0.01MPa(ゲージ圧)未満ではノズル下流側圧力との間で圧力差を生じ難く作用効果は小さい。また、ノズル上流側圧力が60MP
(ゲージ圧)より高い場合、特殊なポンプ及び圧力容器を必要とし、消費エネルギーが大きくなることからコスト的に不利であり、また、パルプ繊維が過度に損傷を受け、製紙原料として使用するには好適ではない。一方、容器内の圧力(ノズル下流側圧力)は静圧で0.05MPa(ゲージ圧)以上2.6MPa(ゲージ圧)以下が好ましい。下流側にも圧力を掛けるのは、被噴射液(パルプ懸濁液)を収める容器を加圧することで、キャビテーション気泡が崩壊する領域の圧力が高くなり、気泡と周囲の圧力差が大きくなるため気泡がより激しく崩壊することにより衝撃力が大きくなるからである。なお、容器内の圧力が高くなりすぎると、キャビテーション自体が発生しづらくなる。また、容器内の圧力と噴射液の圧力との圧力比((ゲージ圧)/(ゲージ圧))は0.001〜0.5の範囲が好ましい。
また、噴射液の噴流の速度は1m/秒以上200m/秒以下の範囲であることが望ましく、20m/秒以上100m/秒以下の範囲であることがより好ましい。噴流の速度が1m/秒未満である場合、圧力低下が低く、キャビテーションが発生し難いため、その効果は弱い。一方、200m/秒より大きい場合、高圧を要し特別な装置が必要であり、コスト的に不利である。
本発明におけるキャビテーション処理はタンクなど任意の容器内若しくは配管内を選ぶことができるが、これらに限定するものではない。また、ワンパスで処理することも可能であるが、必要回数だけ循環させることによって更に効果を増大できる。さらに複数の発生手段を用いて並列で、あるいは、直列で処理することができる。
キャビテーションを発生させるための噴流は、パルパーのような大気開放の容器の中でなされてもよいが、キャビテーションをコントロールするために圧力容器の中でなされるのが好ましい。
本発明において、例えば液体噴流によるキャビテーションの発生方法では、パルプ懸濁液に対して、噴射液体として、例えば、蒸留水、水道水、工業用水、製紙工程で回収される再用水、パルプ搾水、白水、パルプ懸濁液、アルコールなどを噴射することができるが、これらに限定するものではない。好ましくは、パルプ懸濁液自体を噴射することで、噴流周りに発生するキャビテーションによる作用効果に加え、高圧でオリフィスから噴射する際の流体力学的剪断力が得られるため、より大きな作用効果を発揮する。なお、噴射液体としてパルプ懸濁液を用いる場合、処理対象とする全量を循環させて処理することも可能である。
液体噴流によってキャビテーションを発生させて処理する場合、処理対象であるパルプ懸濁液の固形分濃度は5重量%以下であることが好ましく、より好ましくは3重量%以下、さらに好ましくは0.1〜1.5重量%の範囲であることが気泡の発生効率の点から好ましい。
また、キャビテーション処理時のパルプ懸濁液のpHは、好ましくはpH1〜13、より好ましくはpH3〜12、更に好ましくはpH4〜11である。pHが1未満であると装置の腐食などが問題となり、材質及び保守等の観点から不利である。一方、pHが13を超えると、パルプ繊維のアルカリ焼けが生じ、白色度が低下するので好ましくない。アルカリ条件である方がパルプ繊維の膨潤性が良好で、OH活性ラジカルの生成量が増加することから望ましい。
本発明では、液体の噴射圧力を高めることで、噴射液の流速が増大し、より強力なキャビテーションが発生する。更に被噴射液を収める容器を加圧することで、キャビテーション気泡が崩壊する領域の圧力が高くなり、気泡と周囲の圧力差が大きくなるため気泡は激しく崩壊し衝撃力も大きくなる。ここで、噴射液とは、高圧でオリフィスから噴射する液体を指し、被噴射液とは容器内もしくは配管内で噴射される液体を指す。キャビテーションは液体中の気体の量に影響され、気体が多過ぎる場合は気泡同士の衝突と合一が起こるため崩壊衝撃力が他の気泡に吸収されるクッション効果を生じるため衝撃力が弱まる。従って、溶存気体と蒸気圧の影響を受けるため、その処理温度は融点以上沸点以下でなければならない。液体が水を媒質とする場合、好ましくは0〜80℃、更に好ましくは10℃〜60℃の範囲とすることで高い効果を得ることができる。一般には、融点と沸点の中間点で衝撃力が最大となると考えられることから、水溶液の場合、50℃前後が最適であるが、それ以下の温度であっても、蒸気圧の影響を受けないため、上記の範囲であれば高い効果が得られる。80℃よりも高い温度では、キャビテーションを発生するための圧力容器の耐圧性が著しく低下し、容器の損壊を生じ易いため不適である。
本発明においては、界面活性剤などの液体の表面張力を低下させる物質を添加することで、キャビテーションを発生させるために必要なエネルギーを低減することができる。添加する物質としては、公知または新規の界面活性剤、例えば、脂肪酸塩、高級アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール、アルキルフェノール、脂肪酸などのアルキレンオキシド付加物などの非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、あるいは、有機溶剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの単一成分からなるものでも2種以上の成分の混合物でも良い。添加量は噴射液及び/または被噴射液の表面張力を低下させるために必要な量であればよい。また、添加場所としてはキャビテーションを発生させる場所よりも前の工程のいかなる場所でもよく、液体を循環させる場合は、キャビテーションを発生させる場所以降であっても構わない。
本発明のグラシン紙には、キャビテーション処理によりショッパーリグラー濾水度(SR)が60°〜90°SR(JIS P 8121−1に規定)に叩解したパルプを使用することが好ましい。60°SR以下であると、十分な強度(引裂強度など)が発現するものの、高い透明性を得ることができない。一方、90°SR以上であると、高い透明性を得ることができるが、ワイヤーパートでの脱水不良が発生し、また、十分な引裂強さを得ることができない。また、上記範囲の濾水度に調整するためには、キャビテーション処理単独のみならず、通常の叩解機で処理を行ったパルプをキャビテーション処理する、あるいはキャビテーション処理を行ったパルプを通常の叩解機で処理してもよい。
本発明のグラシン紙はキャビテーション処理したパルプを使用することが必須であるが、一般的な叩解機、例えば、ディスク型、コニカル型及びドラム型のリファイナーにより叩解されたパルプを併用することもできる。しかしながら、その場合には全パルプ成分において、キャビテーション処理されたパルプの配合率が50質量%以上であることが望ましい。キャビテーション処理されたパルプの配合率が50重量%より少ない場合には十分な強度、不透明度、寸法安定性が得られない。
本発明のグラシン紙は公知の抄紙機にて製造されるが、その抄紙条件は特に規定されるものではない。抄紙機としては、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、円網抄紙機等が使用される。
グラシン紙の抄造に関しては、サイズ剤、紙力増強剤、定着剤、歩留向上剤、濾水性向上剤、染料などの内添薬品を添加することが可能である。
また、透明性を向上させるために、水溶性樹脂または水分散性樹脂を含有させてもよい。透明化剤としては、ポリビニルアルコール、デンプン、酸化デンプン、変性デンプン、カゼイン、カルボキシメチルセルロース;ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイドなどの水溶性高分子や、パラフィン、高級脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸アルコールエステル等のワックス類、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、およびそれらの共重合体の水系溶液や水系エマルジョンなどが挙げられる。
本発明のグラシン紙の製造方法の一例としては、抄紙機で抄紙したシートをウェットの状態で熱圧処理することで得ることができる。
本発明において、抄紙機は限定されるものではなく、長網抄紙機、円網抄紙機、短網抄紙機、コンビネーション抄紙機などを用いることができる。これらの中では、ワイヤーパートで大きな脱水能力が得られる点から長網抄紙機を使用することが好ましい。
また、透明性を向上させるために熱圧処理することが好ましい。熱圧処理する温度は50℃〜120℃、圧力(トータル線圧)は200〜6000kg/cm、熱圧処理に使用できる装置としては、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー、熱プレスロール、多段スーパーカレンダーなどを使用することができ、中でも多段スーパーカレンダーを使用することが高い圧力の得られる点から好ましい。
また、本発明において、熱圧処理する際に水を付与してもよい。熱圧処理する際のシートの水分量は限定されるものではないが、水分量として20〜35%であることが好ましく、より好ましくは25〜30%である。20%以下であると十分な透明性を得られることが困難であり、35%を越えると水分プロファイルの不安定化など操業上の問題を生じる。なお、熱圧処理するシートは、上記水分量の範囲に乾燥することで調整することができる他、上記水分量範囲以下に乾燥させたシートに水分を付与し調整することも可能である。
本発明のグラシン紙は透明度が60%以上であり、好ましくは70%以上である。透明度が60%未満であると、窓付き封筒に使用した場合に文字の読み取りが困難となる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって何等制約を受けるものではない。なお、例中の部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を示す。
<キャビテーションによるパルプの叩解>
ダブルディスクリファイナー(DDR)を用いて、広葉樹晒クラフトパルプ25質量%と針葉樹晒クラフトパルプ75質量%の混合パルプに対して叩解を行い、ろ水度を70°SRに調整した。得られたパルプ懸濁液に対して、キャビテーション噴流式処理装置(ノズル径1.5mm)を用いて、噴射液及び容器内のパルプ懸濁液の濃度を1%として、キャビテーション処理によるパルプの叩解を行い、ろ水度を81°SRに調整した。尚、噴射液の圧力は8MPa、被噴射容器内の圧力は0.3MPaとした。
<ダブルディスクリファイナーによる叩解>
DDRを用いて、広葉樹晒クラフトパルプ25質量%と針葉樹晒クラフトパルプ75質量%の混合パルプに対して叩解を行い、ろ水度を81°SRに調整した。
[実施例1]
キャビテーション噴流式処理装置により叩解した広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)25質量%と針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)75質量%からなるパルプスラリーに、ポリアミドエピクロロヒドリン系湿潤紙力剤を絶乾パルプ重量当たり2.0%となるように添加して原料スラリーを形成し、JIS P 8222に従って、坪量22.5g/mの手抄紙を作成し、温度90℃、トータル線圧1560kgf/cmでスーパーカレンダー処理を行ってグラシン紙を得た。
[実施例2]
坪量を25.8g/mとした以外は、実施例1と同様にしてグラシン紙を得た。
[比較例1]
DDRにより叩解した広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)75質量%と針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)25質量%からなるパルプスラリーに、湿潤紙力剤(WS4024、 製)を絶乾パルプ重量当たり2.0%となるように添加して原料スラリーを形成し、JIS P 8222に従って、坪量22.5g/mの手抄紙を作成し、線圧30kgf/cm、速度5m/分でスーパーカレンダー処理を行ってグラシン紙を得た。
[比較例2]
坪量を25.8g/mとした以外は、比較例1と同様にしてグラシン紙を得た。
[比較例3]
坪量を28.1g/mとした以外は、比較例1と同様にしてグラシン紙を得た。
<評価>
1.ろ水度
各例で得た原料パルプをJIS P 8121−1に規定されるショッパー・リーグラー法によりろ水度を測定した。
2.坪量
JIS P 8124に準じて測定した。
3.密度
JIS P 8118に準じて坪量と紙厚から求めた。
4.透明度
サーチユニットを反射型から透過型に変更したデンシトメーター(MODEL TC-6MC、(有限会社 東京電色製)を用いて、23℃、50%RHの条件下で調湿したグラシン紙1枚の透明度を測定した。
5.引張強さ
各例で得たグラシン紙の引張強さをJIS P 8113に規定された方法に基づいて測定した。
Figure 2017057515
表1から明らかなようにキャビテーション処理により叩解を進めた実施例1、2のグラシン紙は、DDRによって叩解を進めた同一坪量の比較例1、2に比べて引張強さが高かった。また、実施例2と引張強さが同等である坪量が大きい比較例3を比較すると、実施例2は透明度が高かった。すなわち、本発明のグラシン紙は同等の引張強さの場合、坪量を低減できるので、結果的に透明度を高くすることができる。

Claims (2)

  1. パルプ懸濁液中へのノズルまたはオリフィス管からの液体噴流を用いて発生させたキャビテーションによる気泡が崩壊する際の衝撃力をパルプ繊維に与えて得られるパルプを含有し、透明度が60%以上であることを特徴とするグラシン紙。
  2. パルプ懸濁液中へのノズルまたはオリフィス管からの液体噴流を用いてキャビテーションを発生させる際において、ノズルまたはオリフィス管の上流側圧力が2MPa以上30MPa以下であり、ノズルまたはオリフィス管の下流側圧力と上流側圧力の比が0.001〜0.5である請求項1記載のグラシン紙の製造方法。
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