JP2017057117A

JP2017057117A - 廃石膏ボードの処理方法及び処理装置

Info

Publication number: JP2017057117A
Application number: JP2015183653A
Authority: JP
Inventors: 晃一山上; Koichi Yamagami; 瞬新島; Shun Niijima; 裕己千葉; Hiromi Chiba; 和久吉川; Kazuhisa Yoshikawa
Original assignee: Taiheiyo Cement Corp
Current assignee: Taiheiyo Cement Corp
Priority date: 2015-09-17
Filing date: 2015-09-17
Publication date: 2017-03-23

Abstract

【課題】セメント焼成装置の安定運転を維持しながら、化粧加工が施された石膏ボードの廃材から分離した剥離紙を有効利用する。
【解決手段】化粧加工が施された石膏ボードの廃材Ｗを破砕する第１破砕機及び第１破砕機による破砕物から剥離紙を選別する選別機（破砕・選別機２）と、選別機からの剥離紙Ｐを廃プラスチックＷＰと混合する混合機３と、混合機からの混合物Ｍを破砕する第２破砕機４と、第２破砕機からの破砕物Ｃをセメントキルンに吹き込む窯前バーナ５とを備える廃石膏ボードの処理装置１。第２破砕機として、廃プラスチックを破砕してセメントキルンの窯前に吹き込む既存の廃プラスチック処理装置に設置されたものとすることができる。廃石膏ボードから分離した剥離紙を廃プラスチックと共に処理することで、セメント焼成装置内の塩素濃度を安定運転が維持される程度に抑えながら剥離紙を有効利用することができる。
【選択図】図１

Description

本発明は、廃石膏ボードの処理方法及び処理装置に関し、特に、化粧加工が施された石膏ボードの廃材から分離した剥離紙を処理する方法等に関する。

従来、石膏ボードは、建築物の解体や改装の際に廃材として廃棄され、不燃物として最終処分場に埋め立て処理されていたが、この廃石膏ボードの排出量は年々増加傾向にあるため、最終処分場の逼迫に鑑み、廃石膏ボードを有効利用する技術が提案されている。

例えば、特許文献１には、廃石膏ボードを二水石膏と剥離紙とに分離し、二水石膏をセメントキルンで焼成して無水石膏として回収し、剥離紙をセメントクリンカ焼成における補助燃料としてキルンバーナから主燃料と共にセメントキルン内に吹き込んで処理する方法等が開示される。

特許４８３８４１３号公報

しかし、化粧加工が施された石膏ボードの廃材から分離した剥離紙には、石膏ボードに粘着された塩化ビニル紙が含まれ、これを上記特許文献１に記載の方法で処理すると、塩化ビニル紙に含まれる塩素がセメント焼成装置内に濃縮して、コーティングとして装置内に固着し、セメント焼成装置の安定運転が阻害される虞があった。

そこで、本発明は、上記従来技術における問題点に鑑みてなされたものであって、セメント焼成装置の安定運転を維持しながら、化粧加工が施された石膏ボードの廃材から分離した剥離紙を有効利用することを目的とする。

上記目的を達成するため、本発明は、廃石膏ボードの処理方法であって、化粧加工が施された石膏ボードの廃材を破砕し、該破砕物から剥離紙を選別し、該剥離紙を廃プラスチックと混合し、該混合物を破砕した後、セメントキルンの窯前バーナより吹き込むことを特徴とする。

本発明によれば、化粧加工が施された石膏ボードの廃材から分離した剥離紙を廃プラスチックと共に処理するため、セメント焼成装置内の塩素濃度を安定運転が維持される程度に抑えながら剥離紙を有効利用することができる。

上記廃石膏ボードの処理方法において、前記混合物を粒径５ｍｍ以上２０ｍｍ以下に破砕することができる。また、前記セメントキルンに付設されたプレヒータの最下段サイクロンから排出される原料の塩素濃度に応じて、前記剥離紙と前記廃プラスチックの混合比率を調整することができる。これにより、セメント焼成装置の安定運転をより確実に維持することができる。

また、本発明は、廃石膏ボードの処理装置であって、化粧加工が施された石膏ボードの廃材を破砕する第１破砕機と、該第１破砕機による破砕物から剥離紙を選別する選別機と、該選別機からの剥離紙を廃プラスチックと混合する混合機と、該混合機からの混合物を破砕する第２破砕機と、該第２破砕機からの破砕物をセメントキルンに吹き込む窯前バーナとを備えることを特徴とする。本発明によれば、上述のように、化粧加工が施された石膏ボードの廃材から分離した剥離紙を廃プラスチックと共に処理するため、セメント焼成装置内の塩素濃度を安定運転が維持される程度に抑えながら剥離紙を有効利用することができる。

上記廃石膏ボードの処理装置において、前記第２破砕機を、廃プラスチックを破砕してセメントキルンの窯前に吹き込む既存の廃プラスチック処理装置に設置されたものとすることができ、既存の装置を利用して設備コストを低減することができる。

以上のように、本発明によれば、セメント焼成装置の安定運転を維持しながら、化粧加工が施された石膏ボードの廃材から分離した剥離紙を有効利用することができる。

本発明に係る廃石膏ボードの処理装置の一実施の形態を示す概略図である。

次に、本発明に係る廃石膏ボードの処理装置の一実施の形態について、図１を参照しながら説明する。尚、処理対象の廃石膏ボードＷは、化粧加工が施された石膏ボードの廃材である。

廃石膏ボードの処理装置１は、廃石膏ボードＷを破砕して破砕物から剥離紙Ｐを選別する破砕・選別機２（第１破砕機及び選別機）と、破砕・選別機２からの剥離紙Ｐを廃プラスチックＷＰと混合する混合機３と、混合機３からの混合物Ｍを破砕する破砕機４（第２破砕機）と、破砕機４からの破砕物Ｃをセメントキルン内に吹き込む窯前バーナ５とを備える。

破砕・選別機２は、粉砕ロールやハンマーを用いた破砕機と、スクリーン等を用いた選別機を組み合わせたものであって、廃石膏ボードＷの破砕と、破砕物からの剥離紙Ｐの選別を順次又は略々同時に行う。

混合機３は、水平円筒型混合機等の容器回転型や、機械的・気流撹拌型混合機等の容器固定型、複合型混合機等種々のものを用いることができる。また、混合機３を用いずに、重機で剥離紙Ｐと廃プラスチックＷＰとを混合することもできる。

破砕機４は、回転刃に破砕対象物を押しつけて削り取るように破砕する一軸破砕機等を用いることができる。この破砕機４によって混合機３からの混合物Ｍを破砕し、窯前バーナ５からの吹き込みに適した粒径５ｍｍ以上２０ｍｍ以下の破砕物Ｃを得る。本発明に係る廃石膏ボードの処理装置を設置するセメントキルンの窯前に既に廃プラスチック処理装置が存在する場合には、破砕機４として廃プラスチック用の破砕機を流用することができる。

窯前バーナ５は、セメントキルンに設けられた微粉炭等を燃焼させるための主バーナを用いてもよく、別途破砕物Ｃをセメントキルンに吹き込むための専用のバーナを設けてもよい。上記破砕機４と同様、既に廃プラスチック処理装置が存在し、廃プラスチック専用のバーナが存在する場合には、既存のバーナを流用することもできる。

次に、上記構成を有する廃石膏ボードの処理装置１の動作について、図１を参照しながら説明する。

受け入れた廃石膏ボードＷを破砕・選別機２に供給して破砕・選別する。ここで、廃石膏ボードＷの二水石膏Ｇの大部分を回収し、選別した剥離紙Ｐを混合機３へ供給する。

混合機３において、剥離紙Ｐを廃プラスチックＷＰと混合する。混合機３における剥離紙Ｐと廃プラスチックＷＰの混合比率は、セメントキルンに付設されたプレヒータの最下段サイクロン原料の塩素濃度に応じて調整する。最下段サイクロン原料の塩素濃度が高い場合には、剥離紙Ｐの混合比率を低くし、最下段サイクロン原料の塩素濃度が低い場合には、剥離紙Ｐの混合比率を高くする。

次に、混合物Ｍを破砕機４にて粒径５ｍｍ以上２０ｍｍ以下に破砕し、窯前バーナ５によって破砕物Ｃをセメントキルン内に吹き込んでセメント燃料として再利用する。

以上説明したように、本実施の形態によれば、化粧加工が施された石膏ボードの廃材から分離した剥離紙Ｐを廃プラスチックＷＰと共に処理するため、セメント焼成装置内の塩素濃度を安定運転が維持される程度に抑えながら剥離紙Ｐを有効利用することができる。

尚、破砕・選別機２、混合機３及び破砕機４には、上記実施の形態で例示したもの以外にも種々の型式の装置を用いることができる。

１廃石膏ボードの処理装置
２破砕・選別機
３混合機
４破砕機
５窯前バーナ
Ｃ破砕物
Ｇ二水石膏
Ｍ混合物
Ｐ剥離紙
Ｗ廃石膏ボード
ＷＰ廃プラスチック

Claims

化粧加工が施された石膏ボードの廃材を破砕し、
該破砕物から剥離紙を選別し、
該剥離紙を廃プラスチックと混合し、
該混合物を破砕した後、セメントキルンの窯前バーナより吹き込むことを特徴とする廃石膏ボードの処理方法。
前記混合物を粒径５ｍｍ以上２０ｍｍ以下に破砕することを特徴とする請求項１に記載の廃石膏ボードの処理方法。
前記セメントキルンに付設されたプレヒータの最下段サイクロンから排出される原料の塩素濃度に応じて、前記剥離紙と前記廃プラスチックの混合比率を調整することを特徴とする請求項１又は２に記載の廃石膏ボードの処理方法。
化粧加工が施された石膏ボードの廃材を破砕する第１破砕機と、
該第１破砕機による破砕物から剥離紙を選別する選別機と、
該選別機からの剥離紙を廃プラスチックと混合する混合機と、
該混合機からの混合物を破砕する第２破砕機と、
該第２破砕機からの破砕物をセメントキルンに吹き込む窯前バーナとを備えることを特徴とする廃石膏ボードの処理装置。
前記第２破砕機は、廃プラスチックを破砕してセメントキルンの窯前に吹き込む既存の廃プラスチック処理装置に設置されたものであることを特徴とする請求項４に記載の廃石膏ボードの処理装置。