JP2017056972A - 包装材料用フィルム、包装袋および包装体 - Google Patents
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Abstract
【課題】内容物に付着、汚染を生じる可能性のある、滑り性付与物質を含有させずに、ヒートシール性、フィルム成形性(滑り性)に優れた包装材料用フィルムを提供すること。
【解決手段】熱可塑性プラスチック1をフィルム化した包装材料用フィルム10であって、滑り性付与物質を含有しておらず、前記熱可塑性プラスチック1の密度が、0.880g/cm3以上0.960g/cm3以下であり、前記包装材料用フィルム10の片面ないし両面に、エンボス加工による凹凸パターンが施されており、前記包装材料用フィルム10の、単位面積あたりの凹部の合計体積VH20と前記単位面積に最大厚みを乗じた該シートの見かけ体積VA21との百分比VH/VA×100が3%以上20%以下である。
【選択図】図1
【解決手段】熱可塑性プラスチック1をフィルム化した包装材料用フィルム10であって、滑り性付与物質を含有しておらず、前記熱可塑性プラスチック1の密度が、0.880g/cm3以上0.960g/cm3以下であり、前記包装材料用フィルム10の片面ないし両面に、エンボス加工による凹凸パターンが施されており、前記包装材料用フィルム10の、単位面積あたりの凹部の合計体積VH20と前記単位面積に最大厚みを乗じた該シートの見かけ体積VA21との百分比VH/VA×100が3%以上20%以下である。
【選択図】図1
Description
本発明はフィルムの滑り性とヒートシール性に優れ、内容物への添加剤の移行の恐れの無い包装材料用フィルム、および包装袋、包装体に関する。
ジュースや酒等の飲料や、お菓子やレトルト食品、フリーズドライ品等の食料品、シャンプーや洗剤等を充填する包装体に用いられる包装材料には一般的にポリエチレン、ポリプロピレン等の、ヒートシール性やその他積層機材との密着性が良く、安価なフィルムが使用されている。
包装材料に求められる物性として、加工時の滑り性、外力が加わった際の耐衝撃性や耐突刺性、包装体が自立するための剛性、包装材料を開封する際の引裂き性などが求められる。
特に、コストに影響を与えるフィルム成形性(滑り性)や、包装材料としての信頼性に影響するヒートシール性が求められ、さらに、食品用途として使用される場合には、内容物への添加剤移行性が無いことは重要な性能である。
これらの包装材料用フィルムは、一般的にフィルム加工時の搬送ロールとの滑りが悪く、シワが発生するという問題がある。これを解決するために、滑り性を向上するための滑り性付与物質として滑剤やブロッキング防止剤を添加して、フィルム表面の滑り性を改質する試みや表面にエンボス加工を実施し、表面に形状を付与することでフィルム表面の滑り性を改質する試みがなされている。
滑り性付与物質の滑剤としては、例えばショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、合成樹脂系としては流動パラフィン、パラフィンワックス、合成ポリエチレンワックスなどの炭化水素系、ステアリルアルコールなどの脂肪酸系、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドなどの脂肪酸アミドなどが使用されるが、滑剤はフィルム表面に存在することで機能を発揮する特性があるために、内容物に付着、汚染を生じることもあり、用途が限定されることがあった。
滑り性付与物質のブロッキング防止剤として、例えば、アクリル系粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子およびその架橋体、ポリウレタン系粒子、ポリエステル系粒子、シリコン系粒子、フッ素系粒子、これらの共重合体、パイロフィライト、タルク、スメクタイト、バーミキュライト、雲母、緑泥岩、カオリン鉱物、セピオライトなどの粘土化合物粒子、シリカ、酸化チタン、アルミナ、シリカアルミナ、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化ストロンチウム、水酸化アルミニウム、炭酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、ガラス粒子等が使用されるが、表面に存在する粒子が脱落し、内容物に付着、汚染する問題が生じることもあり、用途が限定されることがあった。
また、滑性付与物質を含まないシーラントフィルムとして、表面にエンボス形状を付与させる提案がなされている(特許文献1)。
しかしながら、表面にエンボス形状を付与した場合、シーラントフィルム自体を加工する場合の滑り性不足によるシワ対策が十分では無く、製品としての信頼性が十分では無かった。また、ヒートシール性に関して着目されていないため、ヒートシールを行うときに気泡を噛みこむ不良が生じ、ヒートシール性、フィルム成形性(滑り性)の全てを兼ね備えているとは言えない。
そこで本発明は、内容物に付着、汚染を生じる可能性のある滑り性付与物質を含有させずに、ヒートシール性、フィルム成形性(滑り性)に優れた包装材料用フィルムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、熱可塑性プラスチックをフィルム化した包装材料用フィルムであって、
滑り性付与物質を含有しておらず、
前記熱可塑性プラスチックの密度が、0.880g/cm3以上0.960g/cm3以下であり、
前記包装材料用フィルムの片面ないし両面に、エンボス加工による凹部と凸部からなる凹凸パターンが施されており、
前記包装材料用フィルムの、単位面積あたりの凹部の合計体積VHと前記単位面積に最大厚みを乗じた該シートの見かけ体積VAとの百分比VH/VA×100が、3%以上20%以下であることを特徴とする包装材料用フィルムである。
滑り性付与物質を含有しておらず、
前記熱可塑性プラスチックの密度が、0.880g/cm3以上0.960g/cm3以下であり、
前記包装材料用フィルムの片面ないし両面に、エンボス加工による凹部と凸部からなる凹凸パターンが施されており、
前記包装材料用フィルムの、単位面積あたりの凹部の合計体積VHと前記単位面積に最大厚みを乗じた該シートの見かけ体積VAとの百分比VH/VA×100が、3%以上20%以下であることを特徴とする包装材料用フィルムである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の包装材料用フィルムのエンボス加工により凹凸パターンが施された面が向かい合わせにされ、袋の内層となる様に重ね合わせて製袋されていることを特徴とする包装袋である。
また、請求項3に記載の発明は、包装袋に内容物が充填されている包装体であって、
前記包装袋が、請求項2に記載の包装袋であることを特徴とする包装体である。
前記包装袋が、請求項2に記載の包装袋であることを特徴とする包装体である。
本発明により、内容物に付着、汚染を生じる可能性のある滑り性付与物質を含有させずに、ヒートシール性、フィルム成形性(滑り性)、添加剤非移行性を兼ね備えた包装材料用フィルムの提供が可能となる。
以下本発明を実施するための形態を、図面を用いて詳細に説明する。尚、図は、模式的に示した図であり、各部の大きさや形状等は理解を容易にするために適宜誇張して示している。
図1は本発明の包装材料用フィルムの構成を示しており、フィルム状の熱可塑性プラスチック1の片面ないし両面に、エンボス加工による凹凸パターン2が施された構成である。
本発明の包装材料用フィルム10を構成する熱可塑性プラスチックとしては、一般的な
包装材料として使用されるためには適度な柔軟性を持っている必要があるが、オレフィンをベースとしたJISK7112に記載方法で規定された密度0.880〜0.960g/cm3のポリエチレン、あるいはそれらの誘導体等のうち単体並びに複数を選択し、適宜使用することが可能である。
包装材料として使用されるためには適度な柔軟性を持っている必要があるが、オレフィンをベースとしたJISK7112に記載方法で規定された密度0.880〜0.960g/cm3のポリエチレン、あるいはそれらの誘導体等のうち単体並びに複数を選択し、適宜使用することが可能である。
しかし、密度が0.880g/cm3未満では耐ブロッキング性が低下するので好ましく無い。逆に0.960g/cm3を超えた場合も、ヒートシール性が低下するので好ましく無い。
本発明では、内容物への添加剤の汚染を抑え、滑り性とヒートシール性を兼ね備えるために、滑り性付与物質を含まないことが必須であり、エンボス加工実施の際に、保護シートの単位面積あたりの凹部の合計体積VHと前記単位面積に最大厚みを乗じた該シートの見かけ体積VAとの百分比VH/VA×100で規定される空隙率Pが3〜20%となる様に、製膜工程のロールにおける凹凸パターンを選定したり、サンドブラスト加工を施したりして、エンボス加工を実施する。
空隙率Pが3%未満であると、充分な滑り性を得られなくなり、フィルム加工時にシワが発生してしまう。また、空隙率Pが20%を超えると、ヒートシール時に気泡を噛みこみ、ヒートシール強度が安定せず、品質に問題が生じる。
上記VH/VA×100%にて定義される空隙率Pは、次の様にして計算により求めることができる。すなわち、エンボス加工を施した包装材料用フィルム10において、包装材料用フィルム10の見掛けの体積VA(mm3)は、包装材料用フィルム10の最大厚みtmax(mm)と単位面積(例えば1m2=1000×1000=106mm2)との積で、VA(mm3)=tmax×106として算出される。
一方、この単位面積の包装材料用フィルム10の実際の体積V0(mm3)は包装材料用フィルム10を構成する樹脂の密度ρ(g/mm3)と単位面積(1m2)当りの包装材料用フィルム10の実際の重さW(g)から、
V0(mm3)=W/ρ
の様に算出される。
一方、この単位面積の包装材料用フィルム10の実際の体積V0(mm3)は包装材料用フィルム10を構成する樹脂の密度ρ(g/mm3)と単位面積(1m2)当りの包装材料用フィルム10の実際の重さW(g)から、
V0(mm3)=W/ρ
の様に算出される。
包装材料用フィルム10における単位面積当りの凹部の合計体積VH(mm3)は、包装材料用フィルム10の見掛けの体積VAから実際の体積V0を差し引いた値として、
VH(mm3)=VA−V0=VA−(W/ρ)
の様に算出される。
VH(mm3)=VA−V0=VA−(W/ρ)
の様に算出される。
従って、空隙率(%)は
空隙率P(%)=(VH/VA)×100=((VA−(W/ρ))/VA)×100=(1−W/(ρ・VA))×100=(1−W/(ρ・tmax・106))×100の様にして、求めることができる。
空隙率P(%)=(VH/VA)×100=((VA−(W/ρ))/VA)×100=(1−W/(ρ・VA))×100=(1−W/(ρ・tmax・106))×100の様にして、求めることができる。
尚、この空隙率(%)は、上記の様な計算式により算出する他、実際の保護シートについて断面やエンボス加工が施された面を顕微鏡撮影し、画像処理を行うことにより求めることもできる。
また、保護シートの最大厚みtmaxとは、保護シートの一方の面にエンボス加工してある場合、凸部の最頂部から裏面までの距離を示し、フィルムの双方の面にエンボス加工してある場合には、双方の面の凸部の先端同士の距離(フィルム厚さ方向の距離)を示す。最大厚みtmaxは20μmから300μmの範囲で使用することが好ましい。
空隙率Pを上述の式で定義することで、加工時のしわの抑制及びヒートシール性向上を
図ることができる。即ち、上述の式は包装材料用フィルム10が薄膜であるほど空隙率を高く設定し、厚膜であるほど空隙率を低く設定することを示している。
図ることができる。即ち、上述の式は包装材料用フィルム10が薄膜であるほど空隙率を高く設定し、厚膜であるほど空隙率を低く設定することを示している。
これにより、加工時のしわに関して、厚膜の場合は剛性(いわゆるコシ)が高いため、しわの発生を抑制できる。また、適度に形成された凹凸からなる空隙率により十分な滑り性が得られる。薄膜の場合は剛性が相対的に低いためしわが発生しやすいが、高い空隙率を有するため、良好な滑り性を持つことによってしわの発生を抑制できる。
また、ヒートシール性に関して、厚膜の場合はヒートシール時に気泡が溶融樹脂中を通って抜けやすいため、空隙率が相対的に小さくてもヒートシール不良が発生しにくい。薄膜の場合であっても空隙率を20%を超えない範囲で設定することで、安定したヒートシール性を備えることが可能となる。
本発明の包装材料用フィルム10を用いて、端部をヒートシール等で封止することで包装袋を得ることができる。包装袋としては、スタンディングパウチや、包装袋、口栓付きパウチ、ラミチューブ、バックインボックス等が挙げられるが、この他に様々な用途に使用できる。
また、本発明の包装材料用フィルム10を用いた包装袋に内容物を充填することにより包装体を得ることができる。包装体の内容物は特に制限されない。例えば、内容物が液状であってもよいし、固形状であってもよいし、粉末状やペースト状であってもよい。さらに、包装体の大きさや形状は特に制限されず、内容物に応じて適宜決定すればよい。
<製造方法>
本発明の包装材料用フィルム10を作製する方法は特に制限されるものでは無く、公知の方法を使用することが可能である。例えば、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶解又は分散混合後、溶剤を加熱除去する方法等を用いることができる。作業性を考慮した場合、単軸スクリュー押出機または2軸スクリュー押出機を使用することが好ましい。
本発明の包装材料用フィルム10を作製する方法は特に制限されるものでは無く、公知の方法を使用することが可能である。例えば、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶解又は分散混合後、溶剤を加熱除去する方法等を用いることができる。作業性を考慮した場合、単軸スクリュー押出機または2軸スクリュー押出機を使用することが好ましい。
単軸押出機を用いる場合には混練性が高いミキシングエレメントを持つスクリューを用いる方が好ましい。2軸混練装置については、同方向回転2軸スクリュー押出機、異方向回転2軸スクリュー押出機、またスクリュー形状もフルフライトスクリュー、ニーディングディスクタイプと特に限定されるものでは無い。
以上、本発明の実施形態を例示したが、本発明は前記実施形態に限定されるものでは無く、本実施形態の技術的思想を逸脱しない限り、包装材料としての用途を考慮し、要求されるその他の物性である引裂き性、剛性等を向上する目的で、他の層を任意に形成できることはいうまでもない。
<実施例1>
包装材料用フィルム10の主材料の樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン:SP2040(プライムポリマー社製)密度0.918g/cm3を用いた。単軸押出機に投入し、240℃に加熱、溶融し、Tダイにて、フィルム厚み100μmのフィルムを製膜し、空隙率が3%となる様に、凹凸深さ5(μm)にエンボス加工を施し、実施例1の幅500mm、巻き長1000mの包装材料用フィルムを得た。
包装材料用フィルム10の主材料の樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン:SP2040(プライムポリマー社製)密度0.918g/cm3を用いた。単軸押出機に投入し、240℃に加熱、溶融し、Tダイにて、フィルム厚み100μmのフィルムを製膜し、空隙率が3%となる様に、凹凸深さ5(μm)にエンボス加工を施し、実施例1の幅500mm、巻き長1000mの包装材料用フィルムを得た。
<実施例2>
エンボスロールの凹凸深さを変えて、空隙率を10%とした以外は実施例1と同様に行い、実施例2の包装材料用フィルムを得た。
エンボスロールの凹凸深さを変えて、空隙率を10%とした以外は実施例1と同様に行い、実施例2の包装材料用フィルムを得た。
<実施例3>
エンボスロールの凹凸深さを変えて、空隙率を20%とした以外は実施例1と同様に行い、実施例3の包装材料用フィルムを得た。
エンボスロールの凹凸深さを変えて、空隙率を20%とした以外は実施例1と同様に行い、実施例3の包装材料用フィルムを得た。
<比較例1>
エンボスロールの凹凸深さを変えて、空隙率を2%とした以外は実施例1と同様に行い、比較例1の包装材料用フィルムを得た。
エンボスロールの凹凸深さを変えて、空隙率を2%とした以外は実施例1と同様に行い、比較例1の包装材料用フィルムを得た。
<比較例2>
エンボスロールの凹凸深さを変えて、空隙率を21%とした以外は実施例1と同様に行い、比較例2の包装材料用フィルムを得た。
エンボスロールの凹凸深さを変えて、空隙率を21%とした以外は実施例1と同様に行い、比較例2の包装材料用フィルムを得た。
<評価試験>
実施例1、2、3及び比較例1、2で得られた包装材料用フィルムに関して、シワの発生確認及びヒートシール強度試験を実施した。
実施例1、2、3及び比較例1、2で得られた包装材料用フィルムに関して、シワの発生確認及びヒートシール強度試験を実施した。
<シワの発生>
幅500mm、巻き長1000mの実施例1、2、3及び比較例1、2の包装材料用フィルムを目視で確認し、フィルム巻き取り時の滑り性不足によるシワの発生の有無を評価し○:シワの発生の無い場合
×:シワの発生があった場合
とした。
幅500mm、巻き長1000mの実施例1、2、3及び比較例1、2の包装材料用フィルムを目視で確認し、フィルム巻き取り時の滑り性不足によるシワの発生の有無を評価し○:シワの発生の無い場合
×:シワの発生があった場合
とした。
<ヒートシール強度試験>
ヒートシール強度試験を行うために実施例1、2、3及び比較例1、2で得られた包装材料用フィルムを、二液硬化型ウレタン系接着剤を用いて、厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムにドライラミネーションし、ヒートシール強度試験用サンプルを作製した。
ヒートシール強度試験を行うために実施例1、2、3及び比較例1、2で得られた包装材料用フィルムを、二液硬化型ウレタン系接着剤を用いて、厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムにドライラミネーションし、ヒートシール強度試験用サンプルを作製した。
ヒートシール強度の測定は、ヒートシーラー:TP−701−B(テスター産業社製)を用いてシール圧力0.2MPa、シール時間を1秒、シール幅を10mmとし、シール温度を150℃でシール層同士をシールした。
シールしたフィルムを15mm幅×80mmに切り出し、チャック間距離を20mm、引張り速度を300mm/minとして引張試験機:AGS−500NX(島津製作所社製)を用いて、T字剥離法にて5回測定を実施した。
ヒートシール性評価として、
○:安定して10N/15mm以上の結果であった場合
×:気泡噛みこみの不具合により10N/15mmを下回る場合
として評価した。
○:安定して10N/15mm以上の結果であった場合
×:気泡噛みこみの不具合により10N/15mmを下回る場合
として評価した。
<評価試験結果>
実施例1、2、3および比較例1、2に記載のフィルムに関して物性評価を実施した結果を表1に記載する。
実施例1、2、3および比較例1、2に記載のフィルムに関して物性評価を実施した結果を表1に記載する。
実施例1、2、3は、比較例より滑り性を有しているために加工時のシワが発生しないこととが分かる。ヒートシール性に関しては、実施例1:20N/15mm、実施例2:19N/15mm、実施例3:15N/15mm、比較例1:21N/15mm、比較例2:8N/15mmであり、実施例1、2、3は、いずれも安定したヒートシール性を有していることが分かった。尚、滑り性付与物質を含まないので、添加剤非移行性をも兼ね備えている。
比較例1は空隙率が本発明の範囲の3%未満であるために滑り性が不十分であり、加工時のシワが見られ、比較例2は空隙率が本発明の20%を超えるため、ヒートシール性が安定しなかった。
以上、本発明で規定した包装材料用フィルムはヒートシール性、フィルム成形性(滑り性)の安定した向上が見られた。
本発明のシートを用いることにより、ヒートシール性、フィルム成形性(滑り性)、添加剤非移行性に優れる包装材料用フィルムを提供することができる。
1・・・熱可塑性プラスチック
2・・・凹凸パターン
3・・・空隙
10・・・包装材料用フィルム
20・・・凹部の合計体積VH
21・・・見掛けの体積VA
2・・・凹凸パターン
3・・・空隙
10・・・包装材料用フィルム
20・・・凹部の合計体積VH
21・・・見掛けの体積VA
Claims (3)
- 熱可塑性プラスチックをフィルム化した包装材料用フィルムであって、
滑り性付与物質を含有しておらず、
前記熱可塑性プラスチックの密度が、0.880g/cm3以上0.960g/cm3以下であり、
前記包装材料用フィルムの片面ないし両面に、エンボス加工による凹部と凸部からなる凹凸パターンが施されており、
前記包装材料用フィルムの、単位面積あたりの凹部の合計体積VHと前記単位面積に最大厚みを乗じた該シートの見かけ体積VAとの百分比VH/VA×100が3%以上20%以下であることを特徴とする包装材料用フィルム。 - 請求項1に記載の包装材料用フィルムのエンボス加工により凹凸パターンが施された面が向かい合わせにされ、袋の内層となる様に重ね合わせて製袋されていることを特徴とする包装袋。
- 包装袋に内容物が充填されている包装体であって、
前記包装袋が、請求項2に記載の包装袋であることを特徴とする包装体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015182967A JP2017056972A (ja) | 2015-09-16 | 2015-09-16 | 包装材料用フィルム、包装袋および包装体 |
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