JP2017054857A - 負荷時タップ切換装置の診断方法および診断システム - Google Patents

負荷時タップ切換装置の診断方法および診断システム Download PDF

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Abstract

【課題】 接触子の消耗度を、直接的且つ定量的に把握して、高い精度で接触子の消耗度の診断を行い得る診断方法および診断システムを提供すること。【解決手段】 制御部14により、負荷時タップ切換装置100が動作したときに活線浄油機300を起動させ、検知部11により、絶縁油が含む金属粉の濃度を検知し、診断部12により、金属粉濃度に基づき負荷時タップ切換装置100の接触子の消耗度を診断する。また、事前の実機検証または過去の累積データに基づき接触子が使用限界に達したと診断すべき累積金属粉量を設定し、該累積金属粉量から標準偏差の3倍少ない値を診断基準値として設定し、検知された絶縁油の金属粉濃度に基づき今回発生した金属粉量を推定し、前回の診断時の累積金属粉量に該金属粉量を加算した今回の累積金属粉量が診断基準値を超えたときに、接触子が使用限界を超えたと診断する。【選択図】 図1

Description

この発明は、負荷時タップ切換装置の切換開閉器の接触子の消耗度を診断する負荷時タップ切換装置の診断方法および診断システムに関し、特に、接触子の消耗度を直接的且つ定量的に把握して、高い精度で接触子の消耗度の診断を行い得る負荷時タップ切換装置の診断方法および診断システムに関する。
図4は、従来の負荷時タップ切換装置100の概略構造図である。この負荷時タップ切換装置100は、発電所や変電所で使用されているものであり、その内部に備えた切換開閉器101を作動させることで、数段階にタップ選択器102のタップを切換えて電圧を調整するものである。切換開閉器101は、後述するように絶縁油槽103におさめられており、そのタップ切換動作は、電動操作機構104から、外部駆動機構105を介して内部駆動機構106(詳細の図示略)に機械的な力を伝えることによって行われる。
また、図5は切換開閉器101におけるタップ切換動作を説明する説明図である。切換開閉器101の内部では、切換開閉器101のロータリースイッチ内の2種類の接触子(即ち、可動側接触子201および固定側接触子202)の接触パターンを、同図(a)、(b)のように切換えることで、タップ切換を行っている。
切換開閉器101に負荷がかかっている状態(即ち、通電中)でタップを切換えると、可動接触子201と固定側接触子202の間にアーク放電が発生する。これを抑制するために、切換開閉器101は、絶縁油槽103の中に収納されているが、それでも完全にアーク放電を無くすことは実現できていない。そのため、通電中に切換操作を行うと、発生するアーク放電により接触子が僅かずつ溶解して、切換の度に接触子が消耗をする。接触子の消耗部分には、耐弧メタル(銅とタングステンの合金)が使用されており、接触子がアーク放電により消耗すると、銅とタングステンの金属粉が絶縁油中に分散されることとなる(非特許文献1参照)。
現状、切換開閉器101の交換は、使用年数または動作回数を表示するカウンタの数値を基準にして、これが一定以上に達したときに行っている。しかしながら、このカウンタは、無負荷時(停電中)に切換を行った場合でも計数をしてしまうため、負荷時の動作回数を正確に表示しておらず、数値の信頼性が乏しいという問題がある。
この問題に対処するため、特許文献1には、変圧器の一次側に設けられた遮断器からの遮断器状態信号および負荷時タップ切換器からのタップ位置信号を取り込んで、タップ切換器の切り換えが行われたのが負荷時か無負荷時かを判断して、負荷時の切換回数をカウントすると共に、無負荷時の切換回数を低減してカウントして負荷時タップ切換器の電気的寿命を予測する技術が提案されている。
また、特許文献2には、負荷時タップ切換器の内部に満たされている絶縁媒体をガス分析し、分解生成物の種類と生成量と生成比の変化から負荷時タップ切換装置の内部異常を診断する技術が提案されている。また、この従来技術は、稼働中の負荷時タップ切換装置の異常診断をより軽微な段階で、確実に行うことを目的としており、絶縁媒体より抽出される複数の分解生成物の生成量(生成比)の変化と、固体析出物の生成量に、切換開閉器の動作トルク、動作時間、タップ選択器の動作トルク、動作時間、絶縁媒体温度、絶縁媒体圧力、通電電流値、前記電動操作機構の動作トルク、動作電流、動作時間のうち一部または全部を加えたものを入力層に対する入力データとしたニューラルネットワークを使用している。このニューラルネットワークの学習結果に基づき、切換開閉器の駆動機構部、油密部のガスケット、タップ選択器の通常接点部、タップ選択器の絶縁支持部、電動操作機構の電動機などの異常診断を行うと共に、これらに付随して、切換開閉器の接点部の固渋、脱落、接点消耗過多、絶縁媒体劣化、異物混入、ゆるみによる異常診断を行うものである。
特開2004−23013号公報 特開平7−235436号公報
上記特許文献1に開示された技術では、無負荷状態での切換を除外して計数しているが、装置毎の個体差による消耗の速度の違いや、局所的に消耗が集中することによる不均一性について考慮されておらず、接触子の状態を正しく診断できないという問題があった。
また、上記特許文献2に開示された技術は、諸々の異常内容に応じてガス成分の変化が異なるという性質を利用して、ガス成分のデータを予め蓄積し、異常時のデータと比較をすることで、現在の状態を診断するものであり、切換開閉器の接触子の消耗度合いに関してガス成分の分析データが直接的なものでないことから、切換開閉器の接触子の消耗度を高精度に診断することは難しいと考えられる。
そこでこの発明は、負荷時タップ切換装置の切換開閉器の接触子の消耗度を、直接的且つ定量的に把握して、高い精度で接触子の消耗度の診断を行い得る負荷時タップ切換装置の診断方法および診断システムを提供することを目的とする。またこの発明の他の目的は、装置毎の個体差や、局所的な消耗の集中による不均一性についても的確に対処し得る負荷時タップ切換装置の診断方法および診断システムを提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、絶縁油が封入された絶縁油槽内に配置される切換開閉器と、タップ巻線のタップを選択するタップ選択器と、を備え、前記絶縁油槽と配管によって結ばれた活線浄油機により前記絶縁油の浄化が行われるように構成され、前記切換開閉器の上部と伝達軸により連結する電動機内蔵の電動操作機構から、前記切換開閉器および前記タップ選択器に駆動力が与えられることによりタップ切換動作を行う負荷時タップ切換装置の異常診断方法であって、前記負荷時タップ切換装置が動作したときに前記活線浄油機を起動させる起動ステップと、前記絶縁油槽から前記活線浄油機に供給される絶縁油が含む金属粉の濃度を検知する検知ステップと、前記検知された絶縁油の金属粉濃度に基づき、前記負荷時タップ切換装置の接触子の消耗度を診断する診断ステップと、を有することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の負荷時タップ切換装置の診断方法において、事前の実機検証または過去の累積データに基づき、前記負荷時タップ切換装置の接触子が使用限界に達したと診断すべき累積金属粉量を設定し、該累積金属粉量から標準偏差の2倍乃至3倍少ない値を診断基準値として設定する設定ステップを有し、前記診断ステップは、前記検知された絶縁油の金属粉濃度に基づき今回発生した金属粉量を推定し、前回の診断時の累積金属粉量に該金属粉量を加算した今回の累積金属粉量が前記診断基準値を超えたときに、前記負荷時タップ切換装置の接触子が使用限界を超えたと診断することを特徴とする。
請求項3の発明は、絶縁油が封入された切換開閉器と、タップ巻線のタップを選択するタップ選択器と、を備え、前記切換開閉器と配管によって結ばれた活線浄油機により前記絶縁油の浄化が行われるように構成され、前記切換開閉器の上部と伝達軸により連結する電動機内蔵の電動操作機構から、前記切換開閉器および前記タップ選択器に駆動力が与えられることによりタップ切換動作を行う負荷時タップ切換装置の異常診断システムであって、前記負荷時タップ切換装置が動作したときに前記活線浄油機を起動させる制御部と、前記配管に設置され、前記絶縁油槽から前記活線浄油機に供給される絶縁油が含む金属粉の濃度を検知する検出部と、前記検知された絶縁油の金属粉濃度に基づき、前記負荷時タップ切換装置の接触子の消耗度を診断する診断部と、を有することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3に記載の負荷時タップ切換装置の診断システムにおいて、前記診断部は、事前の実機検証または過去の累積データに基づき、前記負荷時タップ切換装置の接触子が使用限界に達したと診断すべき累積金属粉量を設定し、該累積金属粉量から標準偏差の2倍乃至3倍少ない値を診断基準値として設定し、前記検知された絶縁油の金属粉濃度に基づき今回発生した金属粉量を推定し、前回の診断時の累積金属粉量に該金属粉量を加算した今回の累積金属粉量が前記診断基準値を超えたときに、前記負荷時タップ切換装置の接触子が使用限界を超えたと診断することを特徴とする。
請求項1,3の発明によれば、溶出した金属粉末の量に直接的に関連する絶縁油の金属粉濃度に基づき、負荷時タップ切換装置の接触子の消耗度を診断するので、高い精度で接触子の消耗度の診断をすることが可能となる。また、負荷時タップ切換装置(切換開閉器)の作動と連動して活線浄油機を運転させ、金属粉が沈殿する前に金属粉濃度を検知するので、より高精度での検知が可能となり、精度良く接触子の消耗度の診断をすることが可能となる。
請求項2,4の発明によれば、溶出した金属粉末の量である累積金属粉量に基づいて、接触子の消耗度を、統計的手法を用いて定量的に評価するので、装置毎の個体差による消耗の速度の違いや、局所的に消耗が集中することによる不均一性等についても的確に対処可能であり、精度良く接触子の消耗度の診断をすることが可能となる。特に、負荷時タップ切換装置の内部で何らかの異常が発生して通常よりも早く接触子が消耗しているときであっても、いち早くこれを検知して対処することが可能となり、事故や障害を事前に防止をすることができる。また、過去の累積データに基づき診断基準値を設定することにより、ケース単位での学習効果が期待され、運用を継続しながらも精度を向上させていくことが可能である。さらに、以上のような高精度での接触子の消耗度の診断により、内部点検や接触子の更新の時期を適切に把握することができ、メンテナンスコストの削減が可能である。
本発明の実施の形態に係る負荷時タップ切換装置診断システムの概略構成図である。 事前の実機検証データとして得られる累積金属粉量に対する接触子の消耗度の相関関係を例示する説明図である。 負荷時タップ切換装置の診断方法を説明するフローチャートである。 従来の負荷時タップ切換装置の概略構造図である。 図4の切換開閉器におけるタップ切換動作を説明する説明図である。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る負荷時タップ切換装置の診断システム1の概略構成図である。この実施の形態の負荷時タップ切換装置の診断システム1は、従来と同一構造の負荷時タップ切換装置100(図4参照)の診断システムであって、負荷時タップ切換装置100は、絶縁油が封入された絶縁油槽103内に配置される切換開閉器101と、タップ巻線のタップを選択するタップ選択器102と、を備え、絶縁油槽103と配管301,304によって結ばれた活線浄油機300により絶縁油の浄化が行われるように構成されている。また、負荷時タップ切換装置100のタップ切換動作は、切換開閉器101の上部と伝達軸により連結する電動機内蔵の電動操作機構104から、切換開閉器101およびタップ選択器102に駆動力が与えられることにより行われる。
図1において、負荷時タップ切換装置の診断システム1は、負荷時タップ切換装置100が動作したときに活線浄油機300を起動させる制御部14と、配管301に設置され、絶縁油槽103から活線浄油機300に供給される絶縁油が含む金属粉の濃度を検知する検知部11と、検知部11で検知された絶縁油の金属粉濃度に基づき、負荷時タップ切換装置100の接触子の消耗度を診断する診断部12と、入出力部13と、を備えた構成である。
なお、活線浄油機300は、ポンプ302およびフィルタ303を備えており、運転時にはポンプ302によって絶縁油槽103の絶縁油が配管301を通って吸い上げられ、フィルタ303で浄油された絶縁油が配管304を通って絶縁油槽103に戻される。絶縁油槽103内の絶縁油を1循環させるために要する時間は、例えば30[分](非特許文献1参照)である。
制御部14は、電動操作機構104並びに活線浄油機300のポンプ302と、それぞれ制御信号を介して接続されており、負荷時タップ切換装置100がタップ切換動作(即ち、切換開閉器101が作動)する毎に、電動操作機構104から電気情報を受け取り、それに基づきポンプ302を作動させて、活線浄油機300を起動させる。すなわち、絶縁油槽103から絶縁油を吸い上げて、フィルタ303で浄化し、配管304を通じて絶縁油槽103へ戻す。ここで、負荷時タップ切換装置の診断システム1では、タップの切換動作が行われる度に、金属粉の検知と、絶縁油槽103中の絶縁油の浄化が行われる。
また、配管301に設置される検知部11は、具体的には油中金属粉濃度センサであり、粒径が概ね1[μm]以上の金属粉(銅およびタングステン)を検知可能なものを使用する。また、絶縁油の金属粉濃度の検知は、活線浄油機300が起動した後、絶縁油槽103内の絶縁油を1循環させるために要する時間(例えば30[分])内で、所定時間(例えば、30[秒]または1[分])毎に行い、診断部12に通知する。
また、診断部12には、診断基準値並びに該診断基準値を設定するためのデータ類を保持する記憶部121と、検知部11で検知された絶縁油の金属粉濃度に基づき、記憶部121に保持されている診断基準値を参照して、負荷時タップ切換装置100の接触子の消耗度を診断する解析部122と、を備えている。
記憶部121の診断基準値の設定は、解析部122によって次のようにして行われる。ここで、診断基準値を設定するためのデータ類として、記憶部121には、事前の実機検証データ(若しくは事前のシミュレーション実験データ)または過去の累積データ或いはこれら全てのデータが保持されている。先ず、これら診断基準値を設定するためのデータ類に基づき、負荷時タップ切換装置100の接触子が使用限界に達したと診断すべき累積金属粉量を設定する。図2に、事前の実機検証データとして得られる累積金属粉量に対する接触子の消耗度の相関関係を例示する。図2は、幾つかのケースで、接触子が使用限界に至るまでの累積金属粉量と接触子の消耗度を順次サンプリングして、相対関係をプロットしたものである。
一般に、同一機種の負荷時タップ切換装置100であっても、装置毎の個体差による消耗速度の違いや、局所的に消耗が集中することによる不均一性が存在する。また、絶縁油の金属粉濃度の検知にも測定誤差が存在する。しかしながら、これらの事象に起因する測定ばらつきがあっても、幾つかのケースを集約すれば概ね正規分布になると考えられ、幾つかのケースの平均値(中心値)から標準偏差の3倍(±3σ)の範囲に、概ね99.7%のケースが含まれると考えられる。そこで、この実施の形態では、累積金属粉量Mの平均値E(M)を接触子が使用限界に達したと診断すべき累積金属粉量とし、接触子の使用限界における累積金属粉量Mの平均値E(M)から標準偏差σMLの3倍少ない値(E(M)−3σML)を診断基準値として設定することとした。
なお、記憶部121には、現在診断中(使用中)の負荷時タップ切換装置100について、切換開閉器101の交換以降から現在までに発生した累積金属粉量Mも記憶されている。
次に、解析部122は、検知部(油中金属粉濃度センサ)11から送られてきた金属粉濃度データから、発生した金属粉の量を計算する。すなわち、絶縁油槽103内の絶縁油を1循環させるために要する時間内での金属粉濃度の平均値、並びに、絶縁油槽103の容積に基づき、発生金属粉量を算出する。
なお、非特許文献1で報告されているように、金属粉は発生後の初期段階で沈降し、一度沈降した金属粉は再度浮遊しないので、絶縁油槽103内の絶縁油を1循環させるために要する時間内でも、所定時間毎の金属粉濃度データは、初期段階で相対的に高く、その後徐々に減少していくと考えられる。そこで、所定時間毎の金属粉濃度データの単純平均ではなく、シミュレーション実験または実機検証データに基づく重み付き加算平均の(初期段階で相対的に大きく、その後徐々に減少させた重みの)計算式を予め用意して重み付き加算平均値を求める方が、より正確に発生金属粉量を算出できると考えられる。
そして、この発生金属粉量と、記憶部121に記憶されている現在までに発生した累積金属粉量Mのデータとを足し合わせて、累積金属粉量Mのデータを更新し、該更新された累積金属粉量Mと、記憶部121に記憶されている診断基準値(E(M)−3σML)とを照合し、現在の接触子の消耗度合を診断する。すなわち、累積金属粉量Mが診断基準値以上「M≧E(M)−3σML」のときに、接触子の消耗度が使用限界を超えたと診断し、診断結果を入出力部13に送信する。また、累積金属粉量Mが診断基準値未満「M<E(M)−3σML」のときには、接触子の消耗度は使用限界に至っていないと診断し、診断結果を入出力部13に送信する。
また、入出力部13は、ユーザーとの入出力インタフェースを司り、種々の入力手段および出力手段を備える。例えば、各種出力手段により、診断部12から送られてきた診断結果をパソコン画面に表示したり、またプリンタで出力したりすると共に、スピーカーから警報音または警報メッセージを発して、診断結果をユーザーに報知する。また、各種入力手段は、事前の実機検証データ(若しくは事前のシミュレーション実験データ)または過去の累積データのそれぞれのケースについて、接触子が使用限界に達したときの接触子の消耗度、並びに、累積金属粉量M等を記憶部121に入力する際に使用され、各種データまたは計算式等を設定するためにも使用する。
次に、この実施の形態の負荷時タップ切換装置の診断システム1における診断方法について、図3のフローチャートを参照して説明する。
予め、診断部12の解析部122(設定ステップ)により、記憶部121には、接触子が使用限界に達したと診断すべき累積金属粉量として累積金属粉量Mの平均値E(M)が、また、診断基準値として接触子の使用限界における累積金属粉量Mの平均値E(M)から標準偏差σMLの3倍少ない値(E(M)−3σML)が、それぞれ設定されているものとする。
先ず、負荷時タップ切換装置が動作し(て、切換開閉器101が作動し、タップが切り換えられ)たとき、電動操作機構104から制御部14に制御信号を介して電気情報が送られる(ステップS1)。このとき、制御部14は、活線浄油機300を起動させるべく(起動ステップ)、活線浄油機300のポンプ302を作動させ、絶縁油槽103中の絶縁油をフィルタ303に供給して浄油を行う(ステップS2)。
また、絶縁油槽103中の絶縁油が活線浄油機300に供給されるとき、配管301に設置される検知部11が、絶縁油槽103から活線浄油機300に供給される絶縁油が含む金属粉の濃度を検知する(検知ステップ;ステップS3)。絶縁油の金属粉濃度の検知は、活線浄油機300が起動した後、絶縁油槽103内の絶縁油を1循環させるために要する時間内で所定時間毎に行われ、金属粉濃度データが診断部12に通知される。
次に、診断部12の解析部122は、検知部11から送られてきた金属粉濃度データから例えば重み付き加算平均を求め、絶縁油槽103内の絶縁油を1循環させるために要する時間内での金属粉濃度の平均値、並びに、絶縁油槽103の容積に基づき、発生金属粉量を算出する。そして、この発生金属粉量と、記憶部121に記憶されている現在までに発生した累積金属粉量Mのデータとを足し合わせて、累積金属粉量Mのデータを更新する(ステップS4)。
次に、解析部122は、ステップS4で更新された累積金属粉量Mと、記憶部121に記憶されている診断基準値(E(M)−3σML)とを照合し、現在の接触子の消耗度合を診断する(診断ステップ;ステップS5)。ここで、累積金属粉量Mが診断基準値以上「M≧E(M)−3σML」のときには、接触子の消耗度が使用限界を超えた(異常あり)と診断し、また、累積金属粉量Mが診断基準値未満「M<E(M)−3σML」のときには、接触子の消耗度は使用限界に至っていない(異常なし)と診断する。
ステップS5の診断の結果、接触子の消耗度に異常が無い、即ち、接触子の消耗度が使用限界内である診断とされた場合には、記憶部121内の累積金属粉量Mを、解析部122で計算された新しい累積金属粉量Mのデータに更新し(ステップS6)、入出力部13を介して診断結果をユーザーに報知する。
また、ステップS5の診断の結果、接触子の消耗度に異常あり、即ち、接触子の消耗度が使用限界を超えたと診断された場合には、入出力部13を介して警報を発すると共に診断結果を出力してユーザーに報知する(ステップS8)。さらに、現時点の累積金属粉量Mを、当該ケースにおける接触子の使用限界の金属粉累積量Mとして、記憶部121に登録する(ステップS9)。なお、接触子の消耗度が使用限界を超えたとの診断を受けて、目視確認、点検または切換開閉器101の交換を行う際には、別途接触子の消耗度を計測し、金属粉累積量Mと共に過去の累積データとして記憶部121に登録する。
以上説明したように、この実施の形態の負荷時タップ切換装置の診断方法および診断システムによれば、制御部14により、負荷時タップ切換装置100が動作したときに活線浄油機300を起動させ(起動ステップ)、配管301に設置されている検知部11により、絶縁油槽103から活線浄油機300に供給される絶縁油が含む金属粉の濃度を検知し(検知ステップ)、診断部12により、検知された絶縁油の金属粉濃度に基づき、負荷時タップ切換装置100の接触子の消耗度を診断する(診断ステップ)ようにしている。
このように、溶出した金属粉末の量に直接的に関連する絶縁油の金属粉濃度に基づき、負荷時タップ切換装置100の接触子の消耗度を診断するので、高い精度で接触子の消耗度の診断をすることが可能となる。また、負荷時タップ切換装置100(切換開閉器101)の作動と連動して活線浄油機300を運転させ、金属粉が沈殿する前に金属粉濃度を検知するので、より高精度での検知が可能となり、精度良く接触子の消耗度の診断をすることが可能となる。
また、この実施の形態によれば、診断部12により、事前の実機検証または過去の累積データに基づき、負荷時タップ切換装置100の接触子が使用限界に達したと診断すべき累積金属粉量Mを設定し、該累積金属粉量Mから標準偏差の3倍少ない値(−3σ)を診断基準値として設定し(設定ステップ)、検知された絶縁油の金属粉濃度に基づき今回発生した金属粉量を推定し、前回の診断時の累積金属粉量に該金属粉量を加算した今回の累積金属粉量Mが診断基準値を超えたときに、負荷時タップ切換装置100の接触子が使用限界を超えたと診断する(診断ステップ)。
このように、溶出した金属粉末の量である累積金属粉量Mに基づいて、接触子の消耗度を、統計的手法を用いて定量的に評価するので、装置毎の個体差による消耗の速度の違いや、局所的に消耗が集中することによる不均一性等についても的確に対処可能であり、精度良く接触子の消耗度の診断をすることが可能となる。特に、負荷時タップ切換装置100の内部で何らかの異常が発生して通常よりも早く接触子が消耗しているときであっても、いち早くこれを検知して対処することが可能となり、事故や障害を事前に防止をすることができる。また、過去の累積データに基づき診断基準値を設定することにより、ケース単位での学習効果が期待され、運用を継続しながらも精度を向上させていくことが可能である。さらに、以上のような高精度での接触子の消耗度の診断により、内部点検や接触子の更新の時期を適切に把握することができ、メンテナンスコストの削減が可能である。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記実施の形態では、診断基準値を、接触子の使用限界における累積金属粉量Mの平均値E(M)から標準偏差σMLの3倍少ない値(E(M)−3σML)に設定したが、接触子の使用限界における累積金属粉量Mの平均値E(M)から標準偏差σMLの2倍少ない値(E(M)−2σML)に設定しても良い。正規分布では、幾つかのケースの平均値(中心値)から標準偏差の2倍(±2σ)の範囲に概ね95.4%のケースが含まれると考えられ、実施上問題の発生するケース(使用限界を超えての使用となるケース等)は極めて稀であると考えられる。また、診断基準値を、接触子の使用限界における累積金属粉量Mの平均値E(M)から標準偏差σMLのN倍少ない値(E(M)−NσML)に設定するものとして、N(=2〜3)の値をユーザー設定できるようにしても良い。
また、上記実施の形態では、診断部12の解析部122により、接触子の消耗度が使用限界を超えたか否かの診断のみ行っているが、接触子が使用限界に達するに至るまでの金属粉量や切換回数を推定して、入出力部13を介してこれら推定値をユーザー報知するようにしても良い。これら推定値をユーザーが認識可能となることにより、負荷時タップ切換装置の適切な運用・保守を支援することができる。
また、絶縁油槽103内の絶縁油を1循環させるために要する時間内での金属粉濃度の平均値に基づき、タップ切換動作が負荷時(通電中)に行われたか否かを判断し、負荷時の切換回数のみを計数する(ソフトウェア)カウンタを、診断部12の解析部122に設ける構成としても良い。予め、タップ切換が負荷時または無負荷時の何れであるかを判断するための金属粉濃度の所定閾値を(ユーザー)設定しておき、金属粉濃度の平均値が所定閾値未満であれば無負荷時の切換であると判断して、カウントアップしないようにすることで容易に実現できる。また、このように負荷時切換回数を計数するカウンタを付加した構成とすることにより、上記接触子が使用限界に達するに至るまでの切換回数の推定をより正確に行うことができる。
また、上記実施の形態の説明では言及していないが、接触子の消耗度が使用限界を超えたとの診断・報知を受けて、切換開閉器101の交換を行うか否かはユーザー任意となる。上述したように、診断基準値を、接触子の使用限界における累積金属粉量Mの平均値から標準偏差の2倍乃至3倍少ない値に設定しているので、接触子の消耗度が使用限界を超えたとの診断・報知を受けたとしても、目視確認、点検を行うと実際には未だ使用可能であると判断されるケースが想定される。このような場合には、累積金属粉量Mの値をリセットせずにそのまま使用して、診断基準値を、接触子の使用限界における累積金属粉量Mの平均値から標準偏差のP倍少ない値(E(M)−PσML)として、Pを「3〜−3」の範囲でユーザー設定できるようにしても良い。これにより、再設定された診断基準値に達するまで切換開閉器101を使用可能となり、より実際的な接触子の使用限界近くまで切換開閉器101の使用が可能となる。なお、このユーザー設定の補助情報として、図2と同様の相関関係の図を表示して、ユーザー判断の助けとなるようにしても良い。
1 負荷時タップ切換装置診断システム
11 検知部
12 診断部
121 記憶部
122 解析部
13 入出力部
14 制御部
100 負荷時タップ切換装置
101 切換開閉器
102 タップ選択器
103 絶縁油槽
104 電動操作機構
105 外部駆動機構
106 内部駆動機構
201 可動側接触子
202 固定側接触子
300 活線浄油機
301,304 配管
302 ポンプ
303 フィルタ

Claims (4)

  1. 絶縁油が封入された絶縁油槽内に配置される切換開閉器と、タップ巻線のタップを選択するタップ選択器と、を備え、前記絶縁油槽と配管によって結ばれた活線浄油機により前記絶縁油の浄化が行われるように構成され、前記切換開閉器の上部と伝達軸により連結する電動機内蔵の電動操作機構から、前記切換開閉器および前記タップ選択器に駆動力が与えられることによりタップ切換動作を行う負荷時タップ切換装置の診断方法であって、
    前記負荷時タップ切換装置が動作したときに前記活線浄油機を起動させる起動ステップと、
    前記絶縁油槽から前記活線浄油機に供給される絶縁油が含む金属粉の濃度を検知する検知ステップと、
    前記検知された絶縁油の金属粉濃度に基づき、前記負荷時タップ切換装置の接触子の消耗度を診断する診断ステップと、
    を有することを特徴とする負荷時タップ切換装置の診断方法。
  2. 事前の実機検証または過去の累積データに基づき、前記負荷時タップ切換装置の接触子が使用限界に達したと診断すべき累積金属粉量を設定し、該累積金属粉量から標準偏差の2倍乃至3倍少ない値を診断基準値として設定する設定ステップを有し、
    前記診断ステップは、前記検知された絶縁油の金属粉濃度に基づき今回発生した金属粉量を推定し、前回の診断時の累積金属粉量に該金属粉量を加算した今回の累積金属粉量が前記診断基準値を超えたときに、前記負荷時タップ切換装置の接触子が使用限界を超えたと診断することを特徴とする請求項1に記載の負荷時タップ切換装置の診断方法。
  3. 絶縁油が封入された絶縁油槽内に配置される切換開閉器と、タップ巻線のタップを選択するタップ選択器と、を備え、前記絶縁油槽と配管によって結ばれた活線浄油機により前記絶縁油の浄化が行われるように構成され、前記切換開閉器の上部と伝達軸により連結する電動機内蔵の電動操作機構から、前記切換開閉器および前記タップ選択器に駆動力が与えられることによりタップ切換動作を行う負荷時タップ切換装置の診断システムであって、
    前記負荷時タップ切換装置が動作したときに前記活線浄油機を起動させる制御部と、
    前記配管に設置され、前記絶縁油槽から前記活線浄油機に供給される絶縁油が含む金属粉の濃度を検知する検知部と、
    前記検知された絶縁油の金属粉濃度に基づき、前記負荷時タップ切換装置の接触子の消耗度を診断する診断部と、
    を有することを特徴とする負荷時タップ切換装置の診断システム。
  4. 前記診断部は、事前の実機検証または過去の累積データに基づき、前記負荷時タップ切換装置の接触子が使用限界に達したと診断すべき累積金属粉量を設定し、該累積金属粉量から標準偏差の2倍乃至3倍少ない値を診断基準値として設定し、
    前記検知された絶縁油の金属粉濃度に基づき今回発生した金属粉量を推定し、前回の診断時の累積金属粉量に該金属粉量を加算した今回の累積金属粉量が前記診断基準値を超えたときに、前記負荷時タップ切換装置の接触子が使用限界を超えたと診断することを特徴とする請求項3に記載の負荷時タップ切換装置の診断システム。
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