JP2017054062A - 収差計測方法及び装置、並びに露光方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】互いにピッチの異なる計測用パターンの数を多くすることなく、投影光学系の収差を高精度に計測する。【解決手段】投影光学系POの収差を計測する方法であって、投影光学系POの物体面に周期性を持つ計測用パターン32Aを配置するステップと、計測用パターン32Aを、投影光学系POの光軸AXに対して角度φ1で傾斜した露光光EL1で照明し、投影光学系POによる計測用パターン32Aの像を形成するステップと、角度φ1と異なる角度φ2で傾斜した露光光EL2で計測用パターン32Aを照明し、投影光学系POによる計測用パターン32Aの像を形成するステップと、その第1及び第2の像の位置のシフト量を求めるステップと、そのシフト量から投影光学系POの収差を求めるステップと、を含む。【選択図】図2
Description
本発明は、投影光学系の収差計測技術、収差計測技術を用いる露光技術、及び露光技術を用いるデバイス製造技術に関する。
半導体デバイス等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するためのフォトリソグラフィ工程で使用される露光装置において結像性能を高く維持するためには、例えば定期的に投影光学系の収差を計測する必要がある。従来の収差計測方法として、計測用のレチクル(マスク)に形成された互いにピッチ(周期)の異なる複数の計測用パターンの投影光学系による像の光強度分布を検出し、この検出結果を用いる方法が使用されている(例えば、特許文献1参照)。
また、電子デバイスの微細化の進展に伴い、露光光が短波長化してきており、最近では、露光光として、波長が105nm程度以下の光である極端紫外光(Extreme Ultraviolet Light:以下、EUV光という。)を使用する露光装置(以下、EUV露光装置ともいう)の開発も行われている。EUV光の波長帯では、透過率の高い物質が存在せず、屈折を利用した従来の光学素子は使用できないため、EUV光用の光学部材としては、多層膜の反射面を有する反射部材が用いられ、レチクルも反射型である(例えば、特許文献2参照)。
従来の収差計測方法において計測精度を高めるためには、ピッチが互いに異なる計測用パターンの数を多くして、それらの計測用パターンからの回折光を投影光学系の瞳面でより広い範囲に分布させることが好ましい。
しかしながら、例えば液浸型の露光装置では投影光学系の開口数が大きいため、計測精度を高めるためには、計測用パターンとして、ピッチの大きいパターンからピッチがかなり小さいパターンまで多くのパターンを使用する必要があり、計測用のレチクルの製造コストが高くなるという問題がある。
しかしながら、例えば液浸型の露光装置では投影光学系の開口数が大きいため、計測精度を高めるためには、計測用パターンとして、ピッチの大きいパターンからピッチがかなり小さいパターンまで多くのパターンを使用する必要があり、計測用のレチクルの製造コストが高くなるという問題がある。
第1の態様によれば、投影光学系の収差を計測する方法であって、その投影光学系の物体面に周期性を持つパターンを配置することと、該パターンを、その投影光学系の光軸に対して第1の角度で傾斜した第1の照明光で照明し、その投影光学系を介したその第1の照明光でそのパターンの第1の像を形成することと、その第1の角度と異なる第2の角度で傾斜した第2の照明光でそのパターンを照明し、その投影光学系を介したその第2の照明光でそのパターン第2の像を形成することと、その第1及び第2の像の位置情報を求めることと、該求められた位置情報より、その投影光学系の収差を求めることと、を含む収差計測方法が提供される。
第2の態様によれば、露光光でマスクパターンを照明し、その露光光でそのマスクパターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光方法において、本発明の態様の収差計測方法を用いてその投影光学系の収差を計測する露光方法が提供される。
第3の態様によれば、投影光学系の収差を計測する装置であって、周期性を持つパターンが形成された部材を支持するステージと、そのパターンを、その投影光学系の光軸に対して第1の角度で傾斜した第1の照明光と、その光軸に対してその第1の角度と異なる第2の角度で傾斜した第2の照明光とで照明可能な照明系と、その投影光学系を介したその第1及び第2の照明光によって形成されるそのパターンの第1及び第2の像の位置情報を求める計測部と、その計測部による求められた位置情報より、その投影光学系の収差を求める演算部と、を備える収差計測装置が提供される。
第3の態様によれば、投影光学系の収差を計測する装置であって、周期性を持つパターンが形成された部材を支持するステージと、そのパターンを、その投影光学系の光軸に対して第1の角度で傾斜した第1の照明光と、その光軸に対してその第1の角度と異なる第2の角度で傾斜した第2の照明光とで照明可能な照明系と、その投影光学系を介したその第1及び第2の照明光によって形成されるそのパターンの第1及び第2の像の位置情報を求める計測部と、その計測部による求められた位置情報より、その投影光学系の収差を求める演算部と、を備える収差計測装置が提供される。
第4の態様によれば、露光光でマスクパターンを照明し、その露光光でそのマスクパターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光装置において、本発明の態様の収差計測装置を備え、その収差計測装置を用いて、その投影光学系の収差を計測する露光装置が提供される。
第5の態様によれば、リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、そのリソグラフィ工程で、本発明の態様の露光方法又は露光装置を用いて物体を露光するデバイス製造方法が提供される。
第5の態様によれば、リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、そのリソグラフィ工程で、本発明の態様の露光方法又は露光装置を用いて物体を露光するデバイス製造方法が提供される。
本発明の実施形態の一例につき図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る露光装置EXの要部の構成を概略的に示す。露光装置EXは、露光光(露光用の照明光)ELとして波長が105nm程度以下で、かつ3〜50nm程度の範囲内で例えば11nm又は13nm等のEUV光を用いるEUV露光装置である。図1において、露光装置EXは、露光光ELをパルス発生するレーザプラズマ光源20、露光光ELでレチクルR(マスク)のパターン面の照明領域27Rを照明する照明光学系ILS、レチクルRを保持して移動するレチクルステージRST、及びレチクルRの照明領域27R内のパターンの像をレジスト(感光材料)が塗布された半導体ウエハ(以下、単にウエハという。)Wの表面に投影する投影光学系POを備えている。さらに、露光装置EXは、ウエハWを保持して移動するウエハステージWST、及び装置全体の動作を統括的に制御するコンピュータを含む主制御装置50等を備えている。
図1は、本実施形態に係る露光装置EXの要部の構成を概略的に示す。露光装置EXは、露光光(露光用の照明光)ELとして波長が105nm程度以下で、かつ3〜50nm程度の範囲内で例えば11nm又は13nm等のEUV光を用いるEUV露光装置である。図1において、露光装置EXは、露光光ELをパルス発生するレーザプラズマ光源20、露光光ELでレチクルR(マスク)のパターン面の照明領域27Rを照明する照明光学系ILS、レチクルRを保持して移動するレチクルステージRST、及びレチクルRの照明領域27R内のパターンの像をレジスト(感光材料)が塗布された半導体ウエハ(以下、単にウエハという。)Wの表面に投影する投影光学系POを備えている。さらに、露光装置EXは、ウエハWを保持して移動するウエハステージWST、及び装置全体の動作を統括的に制御するコンピュータを含む主制御装置50等を備えている。
本実施形態では、露光光ELとしてEUV光が使用されているため、照明光学系ILS及び投影光学系POは、特定のフィルタ等(不図示)を除いて複数のミラー等の反射光学部材より構成され、レチクルRも反射型である。それらの反射光学部材は、例えば、低熱膨張ガラス(又は石英あるいは高耐熱性の金属等)よりなる部材の表面を所定の曲面又は平面に高精度に加工した後、その表面に例えばモリブデン(Mo)とシリコン(Si)との多層膜(EUV光の反射膜)を形成して反射面としたものである。
また、レチクルRは例えば低熱膨張ガラスの基板の表面に多層膜を形成して反射面(反射膜)とした後、その反射面の矩形又は正方形のパターン領域に、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、又はクロム(Cr)等のEUV光を吸収する材料よりなる吸収層によって転写用のパターンを形成したものである。
また、EUV光の気体による吸収を防止するため、露光装置EXのレーザプラズマ光源20、レチクルステージRST、投影光学系PO、及びウエハステージWSTを含む露光本体部は、全体として箱状の真空チャンバCH内に収容され、真空チャンバCH内の空間を真空排気するための大型の真空ポンプ16が備えられている。一例として、真空チャンバCH内の気圧は10-5Pa程度、真空チャンバCH内で投影光学系POを収容するサブチャンバ(不図示)内の気圧は10-5〜10-6Pa程度である。
また、EUV光の気体による吸収を防止するため、露光装置EXのレーザプラズマ光源20、レチクルステージRST、投影光学系PO、及びウエハステージWSTを含む露光本体部は、全体として箱状の真空チャンバCH内に収容され、真空チャンバCH内の空間を真空排気するための大型の真空ポンプ16が備えられている。一例として、真空チャンバCH内の気圧は10-5Pa程度、真空チャンバCH内で投影光学系POを収容するサブチャンバ(不図示)内の気圧は10-5〜10-6Pa程度である。
以下、図1において、ウエハステージWSTが載置される面(真空チャンバ1の底面)の法線方向にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面(本実施形態ではほぼ水平面に平行な面)内で図1の紙面に垂直にX軸を、図1の紙面に平行にY軸を取って説明する。本実施形態では、レチクルR及びウエハWは投影光学系POに対してY方向(走査方向)に同期して走査される。
まず、レーザプラズマ光源20は、高出力のレーザ光源(不図示)と、このレーザ光源から真空チャンバCHの窓部材15を介して供給されるレーザ光を集光する集光レンズ12と、すず(Sn)等のターゲット液滴(droplet)を噴出するノズル14と、回転楕円面状の反射面13aを持つ集光ミラー13とを備えた、ドロプレットターゲット方式の光源である。レーザプラズマ光源20から例えば数kHzの周波数でパルス発光された露光光ELは、集光ミラー13の第2焦点に集光する。その第2焦点に集光した露光光ELは、凹面ミラー(コリメータ光学系)21の反射面21aを介してほぼ平行光束となり、それぞれ複数のミラーよりなる第1フライアイ光学系22及び第2フライアイ光学系23(オプティカルインテグレータ)で順次反射される。
また、第2フライアイ光学系23の反射面の近傍の実質的に面光源が形成される面が照明光学系ILSの瞳面(以下、照明瞳面という)P1である。照明瞳面P1(又はこの近傍の位置でもよい)に、照明条件を通常照明、輪帯照明、2極照明、又は4極照明等に切り換えるための可変の開口絞り(不図示)が配置されている。第2フライアイ光学系23で反射された露光光ELは、曲面ミラー24及び凹面ミラー25よりなるコンデンサ光学系を介して、レチクルRのパターン面Q1の円弧状の照明領域27Rを下方から平均的に小さい入射角で均一な照度分布で照明する。凹面ミラー21、フライアイ光学系22,23、曲面ミラー24、及び凹面ミラー25を含んで照明光学系ILSが構成されている。なお、照明光学系ILSは図1の構成には限定されず、他の種々の構成が可能である。また、照明領域27Rの形状を実質的に規定するために、一例としてレチクルRに近接した位置にレチクルブラインド(可変視野絞り)26が配置されている。
次に、レチクルRは、レチクルステージRSTの底面(下面)にレチクルホルダとしての静電チャックRHを介して吸着保持され、レチクルステージRSTは、真空チャンバCH内の天井部に配置されたレチクルベースRBのXY平面に平行なガイド面(下面)に沿って、例えば磁気浮上型2次元リニアアクチュエータよりなる駆動系によって所定のギャップを隔てて保持されている。
レチクルステージRSTのX方向、Y方向の位置、及びZ軸の回り(θz方向)の傾斜角等はレーザ干渉計(不図示)によって計測されている。その計測値等に基づいて、レチクルステージRSTは不図示の駆動部によってレチクルベースRBのガイド面に沿ってY方向に所定の可動範囲内で駆動されるとともに、X方向及びθz方向等にもある程度の範囲で駆動可能である。
レチクルRの照明領域27Rで反射された露光光ELが、物体面(第1面)のパターンの縮小像を像面(第2面)に形成する投影光学系POに向かう。投影光学系POは、一例として、6枚のミラーM1〜M6を不図示の鏡筒で保持することによって構成され、物体面(パターン面Q1)側に非テレセントリックで、像面(ウエハWの表面)側にほぼテレセントリックの反射光学系であり、投影倍率βは1/5倍等の縮小倍率である。レチクルRの照明領域27Rで反射された露光光ELが、投影光学系POを介してウエハWの一つのショット領域(ダイ)の露光領域27W(照明領域27Rと光学的に共役な領域)に、レチクルRのパターンの一部の縮小像を形成する。
投影光学系POにおいて、レチクルRからの露光光ELは、第1のミラーM1で上方(+Z方向)に反射され、続いて第2のミラーM2で下方に反射された後、第3のミラーM3で上方に反射され、第4のミラーM4で下方に反射される。次に第5のミラーM5で上方に反射された露光光ELは、第6のミラーM6で下方に反射されて、ウエハWの表面にレチクルRのパターンの一部の像を形成する。一例として、投影光学系POは、ミラーM1〜M6の光軸が共通に光軸AXと重なる共軸光学系であり、ミラーM3の反射面の近傍の瞳面P2又はこの近傍に開口絞り(不図示)が配置されている。なお、投影光学系POの構成は任意であり、投影光学系PLは共軸光学系でなくともよい。
また、ウエハWは、静電チャック(不図示)を介してウエハステージWST上に吸着保持されている。ウエハステージWSTは、XY平面に沿って配置されたガイド面上に配置されている。ウエハステージWSTは、レーザ干渉計(不図示)の計測値等に基づいて、不図示の例えば磁気浮上型2次元リニアアクチュエータよりなる駆動部(不図示)を介してX方向及びY方向に所定の可動範囲で駆動され、必要に応じてθz方向等にも駆動される。
露光の際に、ウエハWのレジストから生じる気体が投影光学系PLのミラーM1〜M6に悪影響を与えないように、ウエハWを移動するウエハステージWSTはパーティションCHWの内部に配置されている。パーティションCHWには露光光ELを通過させる開口が形成され、パーティションCHW内の空間は、別の真空ポンプ(不図示)により真空排気されている。
ウエハWの露光時の基本的な動作として、ウエハステージWSTのX方向、Y方向への移動(ステップ移動)により、ウエハWの一つのショット領域が走査開始位置に移動する。そして、照明光学系ILSから露光光ELが照明領域27Rに照射され、レチクルRの照明領域27R内のパターンの投影光学系POによる像でウエハWの当該ショット領域の露光領域27Wを露光しつつ、レチクルステージRST及びウエハステージWSTを同期駆動して、レチクルR及びウエハWを投影光学系POに対して投影倍率に応じた速度比でY方向に同期して移動することで、当該ショット領域にレチクルRのパターンの像が走査露光される。そして、ステップ・アンド・スキャン方式でそのステップ移動と走査露光とを繰り返すことで、ウエハWの複数のショット領域に対して順次レチクルRのパターン領域PA内のパターンの像が露光される。
その露光に際して投影光学系POの結像性能を高く維持するためには、露光装置の稼働開始時等及び例えば定期的に投影光学系POの収差を計測し、この計測結果に応じて投影光学系POの調整を行う必要がある。以下、本実施形態において、投影光学系POの収差を計測するための基本的な方法につき説明する。投影光学系POの収差計測時には、図2(A)に示すように、投影光学系POの物体面側に、所定ピッチのライン・アンド・スペースパターン(以下、L&Sパターンという)よりなる計測用パターン32A及び他の様々な計測用パターン(不図示)が形成されたテストレチクルTR(計測用のレチクル)を配置し、計測用パターン32Aの投影光学系POによる像の位置を求める。なお、テストレチクルTRの代わりに、デバイス用パターンが形成されたレチクルのパターン領域の一部に計測用パターン32A等を形成しておいてもよい。計測用パターン32Aが形成されたパターン面Q1が投影光学系POの物体面上にある。
また、説明の便宜上、以下では、投影光学系POを屈折型の投影光学系として、テストレチクルTRも透過型のレチクルとする。本実施形態の投影光学系POは、物体面と像面との間で光軸AXの近傍の光束の一部が遮光される光学系であるため、図3(A)及び(B)において、投影光学系POの瞳面P2の光軸AXを含む領域が遮光部29とされている。また、計測用パターン32Aの周期方向(計測方向)はY方向である。なお、投影光学系POとしては遮光部29がない光学系も使用できる。
このとき、計測用パターン32Aを露光光で照明すると、計測用パターン32Aから発生して投影光学系POの瞳面P2を通過する0次光及び1次回折光の位相は、それぞれの通過位置の収差に応じて変化する。このため、0次光及び1次回折光を用いて投影光学系POによって形成される計測用パターン32Aの像の位置は、その2つの光束の位相の変化量(又は位相差の変化量)に応じてシフトするため、その像のシフト量からその位相の変化量を求めることができる。そして、発生する回折光の瞳面P2上での通過位置が互いに異なる状態で、複数回、その計測用パターンの像のシフト量を求める。さらに、必要に応じて、計測用パターン32Aとはピッチが異なる計測用パターンの像のシフト量も求める。そして、それら複数の像のシフト量(対応する2つの光束の位相の変化量)を、一例として、最小2乗近似により、計測対象の収差に対応するツェルニケ(Zernike) 多項式に対してフィッティングして、そのツェルニケ多項式の係数(ツェルニケ係数)を求めることによって、その収差を求めることができる。
また、計測用パターン32Aからは、±3次等の高次回折光も発生する。このような高次回折光が計測用パターン32Aの像の結像に寄与すると、投影光学系POの収差に依存する高次回折光の位相の変化量が複雑であるため、その像のシフト量とその収差との関係が複雑になる。そこで、本実施形態では、一例として、後述のようにそのような高次回折光は遮光する。また、計測用パターンの像の位置を求める方法としては、例えばウエハステージWSTに設けられたスリットでその像を走査し、そのスリットを通過する光量を求める方法、及びその像でレジストが塗布されたウエハを露光し、そのウエハの現像後に形成されるレジストパターンの位置を計測する方法(テストプリント法)等が考えられる。本実施形態では、一例として、テストプリント法を用いる場合につき説明する。
本実施形態では、まず図2(A)に示すように、計測用パターン32Aの像が投影される位置にレジストが塗布されたウエハWの一つのショット領域を配置する。そして、X軸の回り(θy方向)の入射角が所定の小さい角度φ1となる露光光EL1で、パターン面Q1にある計測用パターン32Aを照明する。この際に、計測用パターン32Aからの0次光D10及び+1次回折光DP11は投影光学系POの瞳面P2を通過するが、一例として−1次回折光DM11は遮光部29で遮光される。また、計測用パターン32Aから発生する±3次等の高次回折光を、瞳面P2上に配置される遮光板30で遮光する。遮光板30は収差計測時のみに配置され、通常の露光時には結像光束の光路外に退避している。なお、遮光板30は、点線で示すように、投影光学系POの物体面(パターン面Q1)と像面との間の任意の位置P3に配置することが可能である。また、遮光板30をパターン面Q1(又は図1のレチクルブラインド26)と投影光学系POとの間に配置することも可能である。また、遮光部29がない投影光学系を使用する場合、遮光板30で−1次回折光DM11をも遮光してもよい。
遮光板30を瞳面P2から離れた位置に配置する場合、テストレチクルTRからの遮光板30の距離をd、露光光の波長をλ、露光対象のパターンサイズ(例えば露光装置EXが露光しようとしている最も微細なデバイスパターンの線幅であり、計測用パターン32Aのピッチより小さい値)をsとすると、距離dは次の条件を満たすことが好ましい。
s2/(λ・d)≪1 …(1)
図2(A)の場合では、+3次回折光は発生することなく(又は仮に+3次回折光が発生しても、その+3次回折光は投影光学系POの鏡筒(不図示)で遮光される)、−3次回折光DM13のみが発生しているため、−3次回折光DM13が遮光板30で遮光される。この結果、ウエハWの表面は、0次光D10及び+1次回折光DP11によって形成される計測用パターン32Aの像32APで露光される。
s2/(λ・d)≪1 …(1)
図2(A)の場合では、+3次回折光は発生することなく(又は仮に+3次回折光が発生しても、その+3次回折光は投影光学系POの鏡筒(不図示)で遮光される)、−3次回折光DM13のみが発生しているため、−3次回折光DM13が遮光板30で遮光される。この結果、ウエハWの表面は、0次光D10及び+1次回折光DP11によって形成される計測用パターン32Aの像32APで露光される。
次に、ウエハステージWSTを駆動してウエハWの別のショット領域を投影光学系POの露光領域に移動する。そして、図2(B)に示すように、θy方向の入射角がφ1よりも大きい所定の角度φ2となる露光光EL2で、パターン面Q1の計測用パターン32Aを照明する。その角度φ2は、瞳面P2において計測用パターン32Aからの0次光及び1次回折光がそれぞれ図2(A)の場合とは異なる位置を通過するように設定される。一例として、計測用パターン32Aからの0次光D20及び−1次回折光DM21は、それぞれ瞳面P2において、図2(A)の場合の+1次回折光DP11及び0次光D10に近い位置を通過している。また、計測用パターン32Aから発生する−3次回折光DM23は遮光板30で遮光される。この結果、ウエハWの表面には、0次光D20及び−1次回折光DM21によって計測用パターン32Aの像32APが形成される。さらに、一例として、計測用パターン32Aの像の露光時に、計測用パターン32Aとはピッチの異なる計測用パターン(不図示)、及び周期方向(計測方向)がX方向の計測用パターン(不図示)の像も露光される。
このように同じ計測用パターン32Aを互いに異なる入射角の露光光で照明して、計測用パターン32Aからの回折光を瞳面P2上の異なる位置を通過させることによって、2つの互いにピッチの異なる計測用パターンを用いた場合と同様に投影光学系POの収差を計測できる。なお、計測用パターンを3個以上の互いに異なる角度の露光光で照明してもよい。この場合には、3つ以上の互いにピッチの異なる計測用パターンを用いた場合と同様に投影光学系POの収差を計測できる。
図2(A)及び(B)に示すように、計測用パターンを異なる入射角φ1,φ2の露光光で照明するためには、一例として、図1の照明光学系ILSの照明瞳面P1の近傍に、図3(A)及び(B)に示すように、照明光学系ILSの光軸AXIから入射角φ1,φ2に応じた間隔だけ計測方向に対応する方向(ここではY方向)に離れた位置に、計測方向に対応する方向に直交する方向(ここではX方向)に細長いスリット状の開口28Aa,28Baが形成された開口絞り28A,28Bを配置すればよい。また、計測用パターンを例えば入射角φ1,φ2と光軸に関して対称な入射角の露光光で照明することも可能である。このためには、照明瞳面P1の近傍に、図3(C)及び(D)に示すように、光軸AXIに関して開口28Aa,28Baと対称な位置に細長いスリット状の開口28Ca,28Daが形成された開口絞り28C,28Dを配置すればよい。
また、周期方向がX方向の計測用パターンを例えばY軸の回り(θx方向)の入射角がφ1,φ2の露光光で照明するためには、照明瞳面P1の近傍に、図3(E)及び(F)に示すように、光軸AXIの回りに開口28Aa,28Baを90度回転した位置(又は逆方向に90度回転した位置)に細長いスリット状の開口28Ea,28Fa(又は28Eb,28Fb)が形成された開口絞り28E,28Fを配置すればよい。スリット状の開口28Aa等を使用することで、計測用パターンの像の光量(SN比)を大きくすることができ、計測精度を向上できる。なお、露光光の光量を大きい場合には、スリット状の開口28Aa等の代わりに小さい円形又は正方形等の開口を使用してもよい。
また、3次以上の高次回折光を遮光するための遮光板30は、一例として、長方形の平板状である。図2(A)のように傾斜した露光光で計測用パターン32Aを照明する場合、又は図2(A)の場合に対してθz方向に90度回転した方向に傾斜した露光光で周期方向がX方向の計測用パターン(不図示)を照明する場合、図4(A)に示すように、投影光学系POの瞳面P2の近傍で、Y軸に対して45度で傾斜するとともに光軸AXを通る直線にエッジ部が合致するように遮光板30を配置してもよい。この場合、遮光板30によって、計測用パターン32Aから発生する−3次回折光DM13、及び周期方向がX方向の計測用パターン(不図示)から発生する+3次回折光DXP13を遮光できる。その周期方向がX方向の計測用パターンから発生する0次光DX10及び−1次回折光DXM11は瞳面P2を通過する。
また、図2(A)の場合とは対称に傾斜した露光光で計測用パターン32Aを照明する場合、遮光板30では、図2(A)の場合と光軸AXに関して対称な領域を通過する3次回折光を遮光すればよい。この際に、計測用パターン32Aからの0次光及び1次回折光は、瞳面P2において図2(A)の場合とは異なる位置を通過するため、この場合も計測用パターン32Aの像の位置のシフト量も考慮することで、より高精度に投影光学系POの収差を計測できる。同様に、その対称に傾斜した場合に対してθz方向に90度回転した方向に傾斜した露光光で周期方向がX方向の計測用パターン(不図示)を照明することもできる。
図2(A)の場合とは対称に傾斜した露光光で計測用パターン32Aを照明する場合、又はその対称に傾斜した場合に対してθz方向に90度回転した方向に傾斜した露光光でX方向の計測用パターン(不図示)を照明する場合、図4(B)に示すように、投影光学系POの瞳面P2の近傍で、光軸AXに関して図4(A)の場合とは対称な位置に遮光板30を配置してもよい。この配置の遮光板30によって、計測用パターン32Aから発生する+3次回折光DP33、及び周期方向がX方向の計測用パターン(不図示)から発生する−3次回折光DXM33を遮光できる。計測用パターン32Aから発生する0次光D30及び−1次回折光DM31、及びその周期方向がX方向の計測用パターンから発生する0次光DX30及び+1次回折光DXP31は瞳面P2を通過する。このように遮光板30を斜めに配置することで、1枚の遮光板30を用いて周期方向がX方向及びY方向の計測用パターンから発生する高次回折光を遮光できる。
次に、図5(A)、(B)、及び(C)は、遮光板30によって高次回折光を遮光することによる計測用パターンの空間像の変化の一例を、コンピュータのシミュレーションで計算した結果を示す。図5(A)〜(C)は、それぞれ投影光学系POがある収差を持つ場合のピッチp5及びp4の計測用パターンの空間像の光強度分布を示し、図5(A)〜(C)の横軸は計測方向の位置、点線の分布は収差のない理想的な光強度分布を示す。以下では、計測用パターンのピッチは投影像のピッチに換算した値(nm)で示し、計測用パターンに対する露光光の入射角は、投影光学系POから射出されるときの射出角に換算した値(rad)で示す。ピッチp5及びp4は、一例としてそれぞれ78nm及び68nmである。また、図5(A)及び(B)は遮光板30を用いて高次回折光を遮光した場合、図5(C)は、遮光板30を配置することなく、計測用パターンの像の結像光束に高次回折光が含まれる場合を示す。図5(A)及び(C)は、計測用パターンを第1の入射角φ1で傾斜した露光光で照明した場合、図5(B)は、計測用パターンを第2の入射角φ2で傾斜した露光光で照明した場合を示す。一例として、入射角φ1は0.2rad、入射角φ2は0.45radである。
さらに、図5(A)、(B)、(C)において、曲線CA1,CB1,CC1はそれぞれ投影光学系POが所定の小さいディストーション及び小さい球面収差を持つ場合、曲線CA2,CB2,CC2はそれぞれディストーションを大きくした場合、曲線CA3,CB3,CC3はそれぞれ球面収差を大きくした場合を示す。図5(A)及び(B)の空間像の場合には、収差の変化によって空間像が横シフトすることが分かるが、図5(C)の空間像の場合には、収差の変化によって必ずしも空間像が横シフトしていないことが分かる。このことから、遮光板30を用いて高次回折光を遮光することによって、計測用パターンの像の横シフト量から投影光学系POの収差を高精度に計測できることが分かる。
また、上述の開口絞り28A〜28Fを備える照明光学系ILS、テストレチクルTR、テストレチクルTRを支持するレチクルステージRST、投影光学系PO内に退避可能に配置される遮光板30、計測用パターンの像の位置を計測する装置(例えば走査型電子顕微鏡)、及びその位置の計測結果から投影光学系POの収差を求める演算装置としての例えば主制御装置50から、投影光学系POの収差を計測する計測装置52が構成されている。
以下、上述の収差計測方法又は計測装置52を用いて露光装置EXの投影光学系POの収差を高精度に計測する方法の一例につき図9のフローチャートを参照して説明する。まず、図9のステップ102において、図1のレチクルステージRSTに複数の計測用パターンが形成されたテストレチクルTRをロードする。
テストレチクルTRには、図6(A)に示すように、Y方向を周期方向として互いにピッチの異なる複数のL&Sパターンを含むY方向の1組の計測用パターン34Yと、計測用パターン34Yをθz方向に90度回転した形状のX方向の1組の計測用パターン34Xとが形成されている。また、計測用パターン34X,34Yは、テストレチクルTRのパターン領域内の複数の位置に形成されていてもよい。Y方向の1組の計測用パターン34Yは、図6(B)に示すように、Y方向の位置基準となるように、X方向に一定間隔で配列されたピッチp2のL&Sパターンよりなる複数(ここでは7個)の基準パターン33と、その複数の基準パターン33に対してY方向に例えばほぼ同じ間隔(L&Sパターンの計測方向の中央の間隔)で離れて配置されたピッチがp1,p2,p3,p4,p5,p6及びp7の第1〜第7の計測用パターン32A,32B,32C,32D,32E,32F及び32Gとを有する。ピッチはp1からp7まで次第に大きくなるように選択されている。
テストレチクルTRには、図6(A)に示すように、Y方向を周期方向として互いにピッチの異なる複数のL&Sパターンを含むY方向の1組の計測用パターン34Yと、計測用パターン34Yをθz方向に90度回転した形状のX方向の1組の計測用パターン34Xとが形成されている。また、計測用パターン34X,34Yは、テストレチクルTRのパターン領域内の複数の位置に形成されていてもよい。Y方向の1組の計測用パターン34Yは、図6(B)に示すように、Y方向の位置基準となるように、X方向に一定間隔で配列されたピッチp2のL&Sパターンよりなる複数(ここでは7個)の基準パターン33と、その複数の基準パターン33に対してY方向に例えばほぼ同じ間隔(L&Sパターンの計測方向の中央の間隔)で離れて配置されたピッチがp1,p2,p3,p4,p5,p6及びp7の第1〜第7の計測用パターン32A,32B,32C,32D,32E,32F及び32Gとを有する。ピッチはp1からp7まで次第に大きくなるように選択されている。
一例として、投影像に換算したピッチp1,p2,p3,p4,p5,p6及びp7はそれぞれ50nm、54nm、60nm、68nm、78nm、90nm、及び108nmであり、一例として第2の計測用パターン32Bのピッチp2は基準パターン33のピッチと同じである。
次に、ウエハステージWSTにレジストが塗布されたウエハWをロードし、照明瞳面P1にY方向の第1の入射角用の開口絞り28Aを設定し(ステップ104)、第1の入射角の露光光EL1でY方向の1組の計測用パターン34Y(基準パターン33及び計測用パターン32A〜32G)を照明し、計測用パターン34Yの像をウエハWの第1のショット領域に走査露光する(ステップ106)。そして、照明瞳面P1に第2の入射角用の開口絞り28Bを設定し(ステップ108)、第2の入射角の露光光EL2で計測用パターン34Yを照明し、計測用パターン34Yの像をウエハWの第2のショット領域に走査露光する(ステップ110)。なお、ステップ104〜110の動作の間で、照明瞳面P1にX方向の第1及び第2の入射角用の開口絞り28C及び28Dを順次設定し、X方向に第1及び第2の入射角で傾斜した露光光を用いて、順次、ウエハWの異なるショット領域にX方向の1組の計測用パターン34Xの像を走査露光してもよい。また、例えばテストレチクルTRの1箇所にある計測用パターン34Y,34Xのみを露光する場合には、走査露光を行うことなく、静止露光によって計測用パターン34Y,34Xの像をウエハWに露光してもよい。
次に、ウエハステージWSTにレジストが塗布されたウエハWをロードし、照明瞳面P1にY方向の第1の入射角用の開口絞り28Aを設定し(ステップ104)、第1の入射角の露光光EL1でY方向の1組の計測用パターン34Y(基準パターン33及び計測用パターン32A〜32G)を照明し、計測用パターン34Yの像をウエハWの第1のショット領域に走査露光する(ステップ106)。そして、照明瞳面P1に第2の入射角用の開口絞り28Bを設定し(ステップ108)、第2の入射角の露光光EL2で計測用パターン34Yを照明し、計測用パターン34Yの像をウエハWの第2のショット領域に走査露光する(ステップ110)。なお、ステップ104〜110の動作の間で、照明瞳面P1にX方向の第1及び第2の入射角用の開口絞り28C及び28Dを順次設定し、X方向に第1及び第2の入射角で傾斜した露光光を用いて、順次、ウエハWの異なるショット領域にX方向の1組の計測用パターン34Xの像を走査露光してもよい。また、例えばテストレチクルTRの1箇所にある計測用パターン34Y,34Xのみを露光する場合には、走査露光を行うことなく、静止露光によって計測用パターン34Y,34Xの像をウエハWに露光してもよい。
図7は、ステップ106及び110において図6(B)のY方向の計測用パターン32A〜32Gから発生する0次光及び回折光の、投影光学系POの瞳面P2における分布の一例を示す。ここでは、計測用パターン32A〜32Gのパターン番号をそれぞれ1〜7としている。また、図7には、投影光学系POの収差を計測する際に使用するのには適さないピッチp8,p9,p10(それぞれピッチp7より大きい)を持つパターン番号がそれぞれ8〜10の計測用パターン(不図示)からの回折光も示されている。図7の横軸は、瞳面P2を通過して投影光学系POから射出される0次光及び回折光の射出角φ(瞳面P2上の通過位置に対応した角度)を示し、中央の領域36Aは図2(A)の遮光部29で遮光される遮光領域(角度範囲:−φa〜φa)、右側の領域36Cは遮光板30で遮光される領域(角度範囲:−φa〜−φb)、左側の領域36Bは、0次光及び回折光が通過可能な領域(角度範囲:φa〜φb)を示す。一例として、角度φaは0.15rad、角度φbは0.5radである。
また、図7の縦軸の上部の10行は、ステップ106で第1の入射角φ1の露光光でピッチp1〜p7の計測用パターン32A〜32G及びピッチp8〜p10の計測用パターンを照明したときに、それらの計測用パターンから発生する0次光D10、+1次回折光DP11、−1次回折光DM11、及び−3次回折光DM31の射出角(瞳面P2上の通過位置)を示す。同様に、図7の縦軸の下部の10行は、ステップ110で第2の入射角φ2の露光光でピッチp1〜p10の計測用パターン32A〜32G等を照明したときに、それらの計測用パターンから発生する0次光D20、−1次回折光DM21、及び−3次回折光DM23の射出角(瞳面P2上の通過位置)を示す。入射角φ1及びφ2を射出角に換算した角度は、一例としてそれぞれ0.2rad及び0.45radである。なお、説明の便宜上、図7では、各計測用パターンから発生する0次光及び回折光に同じ符号(0次光D10、+1次回折光DP11等)を付している。
また、以下の表1は、図7のパターン番号1〜7(ピッチp1〜p7)の計測用パターンから発生する1次回折光DP11又はDM21の射出角(1次回折光の角度)の例を示す。1次回折光の射出角は瞳面P2上での通過位置に対応するため、表1において、1次回折光の射出角をプローブ位置と呼んでいる。また、表1において、入射角0.2radが第1の入射角であり、入射角0.45radが第2の入射角である。
表1及び図7より、第1の入射角φ1で照明されたピッチp1〜p7の計測用パターン32A〜32Gからの+1次回折光DP11、及び第2の入射角φ2で照明された計測用パターン32A〜32Gからの−1次回折光DM21は、瞳面P2上の光束が通過可能な領域36Bの全面にほぼ均一に分布している。また、第1の入射角φ1で照明された計測用パターンからの+1次回折光によって、投影光学系POの瞳内の外側の領域における位相変化(収差)を計測する(計測対象の位置をプローブする)ことができ、第2の入射角φ2で照明された計測用パターンからの−1次回折光によって、その瞳内の内側の領域における位相変化(収差)を計測することができる。このため、2回の照明でそれぞれ形成された計測用パターン32A〜32Gの像の位置の計測結果から投影光学系POの収差を高精度に計測できる。なお、図7において、比較的大きいピッチp8〜p10の計測用パターンから発生する−3次回折光DM23は光束が通過可能な領域36Bを通過して計測用パターンの結像に寄与するため、ピッチp8〜p10の計測用パターンは投影光学系POの収差計測のためには使用していない。
また、第2の計測用パターン32Bを第1の入射角の露光光で照明したときの0次光及び+1次回折光と、第2の計測用パターン32Bを第2の入射角の露光光で照明したときの0次光及び−1次回折光とは、瞳面P2上の通過位置が互いに逆であり、収差の影響によるパターンの像のシフト量が互いに等しくなる。このため、第2の計測用パターン32Bの像のシフト量は、第1及び第2の入射角でそれぞれ露光される計測用パターン32A〜32Gの像のシフト量の計測結果の間のオフセットを除去するために使用する(詳細後述)。
次に、ステップ112において、ウエハWを現像し、次のステップ114において、現像後のウエハWを例えば走査型電子顕微鏡(以下、SEMという)(不図示)に搬送し、現像によって形成された計測用パターンの像(レジストパターン)の位置ずれ量をSEMを用いて計測する。
図8は、例えば第1の入射角の露光光の照明によって形成された計測用パターン34Yの像(レジストパターン)34YRを示す。
図8は、例えば第1の入射角の露光光の照明によって形成された計測用パターン34Yの像(レジストパターン)34YRを示す。
図8において、基準パターン33の像33Rの中心と、計測用パターン32A〜32Gの像32AR〜32GRの中心との計測方向(ここではY方向とする)の距離y1,y2,y3,y4,y5,y6,y7を計測する。そして、基準となる第2の計測用パターン32Bの像32BRの距離y2を基準値として、次のように計測用パターン32A〜32Gの像のY方向のシフト量δyi(i=1〜7)を計算する。
δyi=yi−y2 …(2)
同様に、第2の入射角の露光光の照明によって形成された計測用パターン34Yの像のシフト量も求めることができる。同様に、X方向の計測用パターン34Xの像のシフト量も求めることができる。次のステップ116において、そのシフト量(位置ずれ量)の計測値を用いて投影光学系POの収差を求める。
同様に、第2の入射角の露光光の照明によって形成された計測用パターン34Yの像のシフト量も求めることができる。同様に、X方向の計測用パターン34Xの像のシフト量も求めることができる。次のステップ116において、そのシフト量(位置ずれ量)の計測値を用いて投影光学系POの収差を求める。
図10は、投影光学系POが所定の収差を持つ場合に、ステップ114で求められる計測用パターン32A〜32Gのシフト量δy(nm)と対応する計測用パターンのピッチp(nm)との関係をコンピュータによるシミュレーションで計算した結果を示す。収差は一例として1nmRMS(root mean square)の球面収差とした。図10において、曲線C1は、第1の入射角の露光光で照明した場合のシフト量、曲線C2は、第2の入射角の露光光で照明した場合のシフト量である。なお、説明の便宜上、図10のシフト量δyはわずかに+方向にシフトされている。
実際には、図10の曲線C1,C2のようなシフト量が得られたときには、予め想定している互いに独立な複数の収差成分(例えばディストーション及び球面収差等)を表す関数の線形結合と、それらの曲線との誤差の自乗和が最小になるようにそれらの関数の係数を求めることによって、それらの複数の収差成分の値を投影光学系POの収差として求めることができる。この際に、計測用パターン32A等を第1及び第2の入射角の露光光で照明したときに、瞳面P2の広い範囲に分布する0次光及び回折光によって形成される像のシフト量を用いているため、少ない数の計測用パターン32A〜32Gを用いて投影光学系POの収差を高精度に計測できる。
なお、図10の曲線C1,C2の他に、さらに計測用パターンを図2(A)の露光光EL1及びEL2とは光軸AXに関して対称に傾斜した第3の入射角及び第4の入射角の露光光で順次照明して得られる計測用パターンの像のシフト量を示す曲線(不図示)を用いてもよい。これによって、より高精度に投影光学系POの収差を求めることができる。
そして、ステップ118において、計測された投影光学系POの収差が許容範囲内であるときにはステップ122に移行してレチクルステージRSTにデバイス用のレチクルRをロードして、露光を行う(ステップ124)。一方、ステップ118において、計測された投影光学系POの収差が許容範囲を超えている場合には、ステップ120に移行して投影光学系POの調整を行い、その後ステップ122に移行する。なお、ステップ120の後で、ステップ102〜118を実行し、投影光学系POの収差が許容範囲内に収まっているときにステップ122に移行するようにしてもよい。
そして、ステップ118において、計測された投影光学系POの収差が許容範囲内であるときにはステップ122に移行してレチクルステージRSTにデバイス用のレチクルRをロードして、露光を行う(ステップ124)。一方、ステップ118において、計測された投影光学系POの収差が許容範囲を超えている場合には、ステップ120に移行して投影光学系POの調整を行い、その後ステップ122に移行する。なお、ステップ120の後で、ステップ102〜118を実行し、投影光学系POの収差が許容範囲内に収まっているときにステップ122に移行するようにしてもよい。
この実施形態によれば、投影光学系POの収差を高精度に計測することができ、その計測結果に基づいて投影光学系POの収差を目標範囲内に高精度に維持できるため、レチクルRのパターンを高精度にウエハWに露光できる。さらに、テストレチクルTRに形成する計測用パターン32A〜32G等の数をあまり多くする必要がないため、テストレチクルTRの製造コストを低減できる。
上述のように、本実施形態の露光装置EXは投影光学系POの収差を計測する計測装置52を備えている。計測装置52は、周期性を持つ計測用パターン32Aが形成されたテストレチクルTRを支持するレチクルステージRSTと、計測用パターン32Aを、投影光学系POの光軸AXに対して第1の角度で傾斜した露光光EL1(第1の照明光)と、光軸AXに対してその第1の角度と異なる第2の角度で傾斜した露光光EL2(第2の照明光)とで照明可能な照明光学系ILSと、投影光学系POを介したその露光光EL1,EL2によって形成されるそのパターンの第1及び第2の像の位置情報を求める走査型電子顕微鏡(計測部)と、その計測部による求められた位置情報より、投影光学系POの収差を求める主制御装置50(演算部)と、を備えている。
また、本実施形態の投影光学系POの収差を計測する方法は、投影光学系POの物体面(パターン面Q1)に周期性を持つ計測用パターン32Aを配置するステップ102と、計測用パターン32Aを、投影光学系POの光軸AXに対して第1の角度φ1で傾斜した露光光EL1で照明し、投影光学系POによる計測用パターン32Aの像(第1の像)を形成するステップ106と、第1の角度φ1と異なる第2の角度φ2で傾斜した露光光EL2で計測用パターン32Aを照明し、投影光学系POによる計測用パターン32Aの像(第2の像)を形成するステップ110と、その第1及び第2の像の位置情報(計測方向のシフト量)を求めるステップ114と、このように求められた位置情報より、投影光学系POの収差を求めるステップ116とを含んでいる。
本実施形態によれば、一つの計測用パターン32Aを用いて、2回の照明によって計測用パターン32Aから発生し、投影光学系POの瞳面P2の異なる位置を通過する回折光を用いて投影光学系POの収差を計測できる。このため、計測用パターン32Aの数を多くすることなく、投影光学系POの瞳面の広い範囲に計測用パターン32Aからの回折光を分布させて、投影光学系POの収差を高精度に計測できる。
また、本実施形態では、複数の互いに異なるピッチの計測用パターン32A〜32Gを使用して、第1及び第2の入射角の露光光でそれらの計測用パターン32A〜32Gを照明して、それらの計測用パターンの投影光学系POによる像のシフト量を求めている。この場合、その計測用パターン32A〜32Gのほぼ2倍の数の計測用パターンを用いる場合とほぼ同じ計測精度で投影光学系POの収差を計測できる。言い換えると、計測用パターン32A〜32Gの数を多くすることなく、投影光学系POの収差の計測精度を向上できる。
また、投影光学系がEUV露光装置用の投影光学系である場合、その投影光学系の開口数は小さいが、露光波長が短いため、従来の計測方法でその投影光学系の収差を高精度に計測するためには、ピッチの異なる計測用パターンの数を多くする必要がある。さらに、その計測用パターンは多層反射膜に形成する必要があるため、計測用パターンの数を多くしようとすると、計測用のレチクルの製造コストが高くなるという問題がある。しかしながら、本実施形態では、投影光学系がEUV露光装置用の投影光学系であっても、計測用パターン32A〜32Gの数を多くすることなく、投影光学系POの収差の計測精度を向上できる。
なお、上述の実施形態では、第1及び第2の入射角の露光光で計測用パターン32A等を照明しているが、3個以上の互いに異なる入射角の露光光で順次計測用パターン32A等を照明し、これによって形成される像のシフト量から投影光学系POの収差を求めてもよい。また、θy方向の複数の入射角の露光光で計測用パターンを照明することを、複数のθz方向でそれぞれ行ってもよい。
また、上述の実施形態では、計測装置52は、走査型電子顕微鏡で計測用パターンの像のシフト量を求めているが、例えばウエハステージWSTに設けた光電検出器によって計測用パターンの空間像の位置(シフト量)を計測してもよい。
また、上述の実施形態では、計測装置52は、走査型電子顕微鏡で計測用パターンの像のシフト量を求めているが、例えばウエハステージWSTに設けた光電検出器によって計測用パターンの空間像の位置(シフト量)を計測してもよい。
また、上記の実施形態の露光装置EX又は露光方法を用いて半導体デバイス等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造する場合、この電子デバイスは、図11に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ221、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ222、デバイスの基材である基板(ウエハ)を製造するステップ223、前述した実施形態の露光装置又は露光方法によりマスクのパターンを基板に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ224、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)225、並びに検査ステップ226等を経て製造される。
言い替えると、上記のデバイスの製造方法は、上記の実施形態の露光装置又は露光方法を用いて、マスクのパターンを介して基板(ウエハW)を露光する工程と、その露光された基板を処理する工程(即ち、基板のレジストを現像し、そのマスクのパターンに対応するマスク層をその基板の表面に形成する現像工程、及びそのマスク層を介してその基板の表面を加工(加熱及びエッチング等)する加工工程)と、を含んでいる。
このデバイス製造方法によれば、安価なテストレチクルTRを用いて、露光装置EXの投影光学系POの結像性能(収差)を高精度に目標とする範囲内に設定できるため、電子デバイスの製造コストを低減できる。
また、本発明は、半導体デバイスの製造プロセスへの適用に限定されることなく、例えば、液晶表示素子、プラズマディスプレイ等の製造プロセスや、撮像素子(CMOS型、CCD等)、マイクロマシーン、MEMS(Microelectromechanical Systems:微小電気機械システム)、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイス(電子デバイス)の製造プロセスにも広く適用できる。
また、本発明は、半導体デバイスの製造プロセスへの適用に限定されることなく、例えば、液晶表示素子、プラズマディスプレイ等の製造プロセスや、撮像素子(CMOS型、CCD等)、マイクロマシーン、MEMS(Microelectromechanical Systems:微小電気機械システム)、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイス(電子デバイス)の製造プロセスにも広く適用できる。
なお、上記の実施形態では、露光光としてレーザプラズマ光源で発生したX線(EUV光)を使用しているが、露光光としては例えば放電プラズマ光源やシンクロトロン放射光(Synchrotron Radiation)よりなるX線を使用することもできる。
また、上記の実施形態では露光光としてEUV光を用い、6枚のミラーのみから成るオール反射の投影光学系を用いる場合について説明したが、これは一例である。例えば、4枚等のミラーのみから成る投影光学系を備えた露光装置は勿論、光源に波長100〜160nmの真空紫外光(Vacuum Ultra-Violet Light: VUV光)を発生するVUV光源を備える露光装置、例えば露光光源としてAr2 レーザ(波長126nm)を用い、4〜8枚等のミラーを有する投影光学系を備えた露光装置などにも本発明を適用することができる。
また、上記の実施形態では露光光としてEUV光を用い、6枚のミラーのみから成るオール反射の投影光学系を用いる場合について説明したが、これは一例である。例えば、4枚等のミラーのみから成る投影光学系を備えた露光装置は勿論、光源に波長100〜160nmの真空紫外光(Vacuum Ultra-Violet Light: VUV光)を発生するVUV光源を備える露光装置、例えば露光光源としてAr2 レーザ(波長126nm)を用い、4〜8枚等のミラーを有する投影光学系を備えた露光装置などにも本発明を適用することができる。
また、上述の実施形態の収差計測方法は、ArF又はKrFのエキシマレーザ等の露光光を使用する露光装置の投影光学系の収差を計測する場合にも適用できる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
EX…露光装置、ILS…照明光学系、PO…投影光学系、28A〜28F…開口絞り、30…遮光板、32A〜32G…計測用パターン、33…基準パターン、52…計測装置
Claims (20)
- 投影光学系の収差を計測する方法であって、
前記投影光学系の物体面に周期性を持つパターンを配置することと、
前記パターンを、前記投影光学系の光軸に対して第1の角度で傾斜した第1の照明光で照明して、前記投影光学系を介した前記第1の照明光で前記パターンの第1の像を形成することと、
前記第1の角度と異なる第2の角度で傾斜した第2の照明光で前記パターンを照明して、前記投影光学系を介した前記第2の照明光で前記パターン第2の像を形成することと、
前記第1及び第2の像の位置情報を求めることと、
前記求められた位置情報より、前記投影光学系の収差を求めることと、
を含むことを特徴とする収差計測方法。 - 前記第1の照明光及び前記第2の照明光は、前記パターンの周期方向に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の収差計測方法。
- 前記第2の角度は前記第1の角度よりも大きく設定され、
前記第1の照明光によって前記パターンから発生する0次光と、前記第1の照明光によって前記パターンから発生する1次回折光とが前記投影光学系を通過し、
前記第2の照明光によって前記パターンから発生する0次光と、前記第2の照明光によって前記パターンから1次回折光とが前記投影光学系を通過し、
前記第1の照明光によって前記パターンから発生する1次回折光は、前記第1の照明光によって前記パターンから発生する0次光よりも前記光軸に対して外側を進行し、
前記第2の照明光によって前記パターンから発生する1次回折光は、前記第2の照明光によって前記パターンから発生する0次光よりも前記光軸側を進行することを特徴とする請求項1または2に記載の収差計測方法。 - 前記第1の像及び前記第2の像を投影する際に、前記0次光及び前記1次回折光以外の回折光を遮光することを特徴とする請求項3に記載の収差計測方法。
- 前記0次光及び前記1次回折光以外の回折光を遮光することは、前記パターンの配置面と前記投影光学系の瞳面との間に遮光部材を配置することを含むことを特徴とする請求項4に記載の収差計測方法。
- 前記第1の角度は0度より大きく設定され、
前記光軸に関して前記第1の角度と対称な第3の角度で傾斜した第3の照明光で前記パターンを照明し、前記投影光学系を介した前記第3の照明光で前記パターンの第3の像を形成することと、
前記光軸に関して前記第2の角度と対称な第4の角度で傾斜した第4の照明光で前記パターンを照明し、前記投影光学系を介した前記第4の照明光で前記パターンの第4の像を形成することと、
前記第3及び第4の像の位置情報を求めることと、を含み、
前記第3の照明光および前記第4の照明光は、前記パターンの周期方向に傾斜しており、
前記第1、第2、第3、及び第4の像の位置情報より、前記投影光学系の収差を求めることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の収差計測方法。 - 前記パターンは前記周期方向の周期が互いに異なる複数の周期パターンを含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の収差計測方法。
- 前記パターンは、互いに周期方向が異なる複数の周期パターンを含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の収差計測方法。
- 露光光でマスクパターンを照明し、前記露光光で前記マスクパターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光方法において、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の収差計測方法を用いて前記投影光学系の収差を計測することを特徴とする露光方法。 - 投影光学系の収差を計測する装置であって、
周期性を持つパターンが形成された部材を支持するステージと、
前記パターンを、前記投影光学系の光軸に対して第1の角度で傾斜した第1の照明光と、前記光軸に対して前記第1の角度と異なる第2の角度で傾斜した第2の照明光とで照明可能な照明系と、
前記投影光学系を介した前記第1及び第2の照明光によって形成される前記パターンの第1及び第2の像の位置情報を求める計測部と、
前記計測部による求められた位置情報より、前記投影光学系の収差を求める演算部と、
を備えることを特徴とする収差計測装置。 - 前記第1の照明光及び前記第2の照明光は、前記パターンの周期方向に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の収差計測装置。
- 前記第2の角度は前記第1の角度よりも大きく設定され、
前記第1の照明光によって前記パターンから発生する0次光と、前記第1の照明光によって前記パターンから発生する1次回折光とが前記投影光学系を通過し、
前記第2の照明光によって前記パターンから発生する0次光と、前記第2の照明光によって前記パターンから発生する1次回折光とが前記投影光学系を通過し、
前記第1の照明光によって前記パターンから発生する1次回折光は、前記第1の照明光によって前記パターンから発生する0次光よりも前記光軸に対して外側を進行し、
前記第2の照明光によって前記パターンから発生する1次回折光は、前記第2の照明光によって前記パターンから発生する0次光よりも前記光軸側を進行することを特徴とする請求項10または11に記載の収差計測装置。 - 前記第1の像及び前記第2の像を投影する際に、前記0次光及び前記1次回折光以外の回折光を遮光する遮光部材を備えることを特徴とする請求項12に記載の収差計測装置。
- 前記遮光部材は、前記パターンの配置面と前記投影光学系の瞳面との間に配置されることを特徴とする請求項13に記載の収差計測装置。
- 前記第1の角度は0度より大きく設定され、
前記照明系は、
前記光軸に関して前記第1の角度と対称な第3の角度で傾斜した第3の照明光と、前記光軸に関して前記第2の角度と対称な第4の角度で傾斜した第4の照明光とで前記パターンを照明可能であり、
前記計測部は、
前記投影光学系を介した前記第3及び第4の照明光で形成された前記パターンの第3及び第4の像の位置情報を求め、
前記第3の照明光および前記第4の照明光は、前記パターンの周期方向に傾斜していることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか一項に記載の収差計測装置。 - 前記パターンは前記周期方向の周期が互いに異なる複数の周期パターンを含むことを特徴とする請求項10乃至15のいずれか一項に記載の収差計測装置。
- 前記パターンは、互いに周期方向が異なる複数の周期パターンを含むことを特徴とする請求項10乃至16のいずれか一項に記載の収差計測装置。
- 露光光でマスクパターンを照明し、前記露光光で前記マスクパターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光装置において、
請求項10乃至17のいずれか一項に記載の収差計測装置を備え、
前記収差計測装置を用いて、前記投影光学系の収差を計測することを特徴とする露光装置。 - リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、
前記リソグラフィ工程で、請求項9に記載の露光方法を用いて物体を露光することを特徴とするデバイス製造方法。 - リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、
前記リソグラフィ工程で、請求項18に記載の露光装置を用いて物体を露光することを特徴とするデバイス製造方法。
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---|---|---|---|
JP2015179428A JP2017054062A (ja) | 2015-09-11 | 2015-09-11 | 収差計測方法及び装置、並びに露光方法及び装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019053136A1 (de) * | 2017-09-14 | 2019-03-21 | Carl Zeiss Microscopy Gmbh | Bestimmung von aberrationen mittels winkel-variabler beleuchtung |
JP2022184816A (ja) * | 2021-05-31 | 2022-12-13 | カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー | 測定される入射瞳内で照明光によって照明されたときの光学系の結像品質を決定するための方法 |
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2015
- 2015-09-11 JP JP2015179428A patent/JP2017054062A/ja active Pending
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