JP2017053697A - 無水マレイン酸変性ポリイソプレンの変性率を測定するための方法 - Google Patents

無水マレイン酸変性ポリイソプレンの変性率を測定するための方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 煩雑さから解放され、より効率的に作業を行うことが可能な、無水マレイン酸変性ポリイソプレンの変性率を測定するための方法を提供すること。【解決手段】 本発明は、無水マレイン酸変性ポリイソプレンの変性率を測定するための方法であって、該無水マレイン酸変性ポリイソプレンを含むサンプルから未反応の無水マレイン酸を熱脱着して熱脱着サンプルを作製する工程;該熱脱着サンプルを熱分解して、生成した二酸化炭素量を測定する工程;および該測定した二酸化炭素量を該変性率に換算する工程;を含む、方法である。本発明によれば、原料ポリイソプレンから無水マレイン酸変性ポリイソプレンに変性した割合(変性率)をより簡便な操作で測定することができる。【選択図】 なし

Description

本発明は、無水マレイン酸変性ポリイソプレンの変性率を測定するための方法に関する。
近年、樹脂には高度な機能性を有することが求められている。このような機能性を樹脂単独で達成することは稀であるため、他種の樹脂やフィラーなどの無機成分などと複合化することにより、当該機能性を高めることが一般的である。
しかし、ほとんどの樹脂およびフィラーは相互作用が小さく、複合化によって却ってその機能を低下するおそれがある。そこで、樹脂の構造に官能基などを化学的に付与する変性技術が用いられ、樹脂間の相溶性の改善やフィラーなどとの濡れ性の改善が試みられている。様々な官能基を付与する変性技術が知られており、ポリイソプレンへの無水マレイン酸変性はその代表的な変性技術の一つである。
ポリイソプレンへの無水マレイン酸変性は、無水マレイン酸をベンゾイルパーオキサイドなどの開始剤や高熱などの条件でポリイソプレン主鎖にグラフト化させる技術である。変性は、例えば、溶媒にポリイソプレンを溶解させた状態(非特許文献1)あるいは混練機などでの溶融状態(非特許文献2)で行われる。しかし、このような変性技術では、投入した無水マレイン酸に対し、グラフト化された無水マレイン酸の割合が低く、反応後にも未反応の無水マレイン酸が反応系内に残存することがある。
このため、上記変換技術において、原料となるポリイソプレンから無水マレイン酸変性ポリイソプレンに変換された割合(変性率)を把握することが重要となる。従来では、当該変性率は、反応終了後、反応系内の未反応の無水マレイン酸を適当な溶媒にて除去し、滴定または赤外分光分析により測定されることが一般的であった。
しかし、このような変性率の測定方法は煩雑であり、必ずしも満足し得るものとは言い難い。
本発明は、上記課題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、煩雑さから解放され、より効率的に作業を行うことが可能な、無水マレイン酸変性ポリイソプレンの変性率を測定するための方法を提供することにある。
本発明は、無水マレイン酸変性ポリイソプレンの変性率を測定するための方法であって、
該無水マレイン酸変性ポリイソプレンを含むサンプルから未反応の無水マレイン酸を熱脱着して熱脱着サンプルを作製する工程;
該熱脱着サンプルを熱分解して、生成した二酸化炭素量を測定する工程;および
該測定した二酸化炭素量を該変性率に換算する工程;
を含む、方法である。
1つの実施形態では、上記熱脱着工程は、80℃から120℃の初期温度から、180℃から220℃の最終温度まで昇温することにより行われる。
1つの実施形態では、上記熱分解工程は、500℃から700℃の温度下で行われる。
1つの実施形態では、上記熱脱着工程および上記熱分解工程は、ダブルショット熱分解ガスクロマトグラフィー・質量分析装置内で行われる。
1つの実施形態では、上記無水マレイン酸変性ポリイソプレンは、無水マレイン酸変性トランス型ポリイソプレンである。
1つの実施形態では、上記無水マレイン酸変性ポリイソプレンは、無水マレイン酸変性シス型ポリイソプレンである。
1つの実施形態では、上記無水マレイン酸変性ポリイソプレンは、無水マレイン酸変性天然ゴムである。
本発明によれば、原料ポリイソプレンから無水マレイン酸変性ポリイソプレンに変性した割合(変性率)をより簡便な操作で測定することができる。さらに、本発明によれば、当該変性により得られたサンプルにおける無水マレイン酸変性ポリイソプレンの含有量もより簡単な操作で測定することができる。
参考例1で得られた検体サンプルの一例に対するダブルショット熱分解ガスクロマトグラフィー・質量分析クロマトグラムであって、(A)は所定の熱脱着条件(TIC)にて得られたクロマトグラムであり、(B)は所定の熱脱着条件(m/Z54および98)にて得られたクロマトグラムであり、そして(C)は、所定の熱分解条件にて得られたクロマトグラムである。 参考例1で得られた検体サンプルにおける、無水マレイン酸変性イソプレンの含有率(重量%)に対する、ダブルショット熱分解ガスクロマトグラフィー・質量分析で検出された二酸化炭素の面積値(AreaCO2/Area2−メチル−1−ブテン)の関係を表すグラフである。
以下、本発明について詳述する。
(無水マレイン酸変性ポリイソプレンの変性率の測定方法)
本発明では、まず、無水マレイン酸変性ポリイソプレンを含むサンプルから未反応の無水マレイン酸が熱脱着される。
本発明に用いられる無水マレイン酸変性ポリイソプレンを含むサンプルは、ポリイソプレンを無水マレイン酸で変性することにより得られたものである。
本発明におけるポリイソプレンは、例えば、バイオマスから抽出されたポリマー(ポリイソプレノイド)および化学的に合成されたポリイソプレノイドであり、トランス型ポリイソプレノイド、シス型ポリイソプレノイドおよび天然ゴムが包含される。
ポリイソプレンがバイオマス由来のポリマーである場合、当該バイオマスの例としては、トチュウ、グッタペルカノキおよびゴムノキ(バラタゴムノキ;天然ゴム)が挙げられる。本発明において、バイオマス由来のポリマーは、例えば、自動車産業、家電基板、燃料電池、絶縁性薄膜、免震性素材、防音素材、バイオ燃料などの幅広い分野における工業的汎用性に富むという理由から、トチュウ由来のバイオポリマーであることが好ましい。
トチュウ(Eucommia ulmoides O.)は、木本性の蕎木である。このトチュウは、植物体の全体にトランス型ポリイソプレンを含んでおり、いずれの部位を用いてもよい。トランス型ポリイソプレンを多く含む点で、トチュウの種子、果皮、樹皮、および葉が好適に用いられ得る。上記トチュウ由来のバイオポリマーは、生のトチュウから抽出されたものであってもよく、予め乾燥したものから抽出されたものであってもよく、あるいはこれらの抽出されたものを組み合わせたものであってもよい。
本発明において、例えば、ポリイソプレンとしてトチュウ由来のバイオポリマーが用いられる場合、当該バイオポリマーは市販のものを用いてもよく、あるいは種々の方法、例えば、特開2009−221306号公報に記載の方法を用いて得ることができる。
ポリイソプレンの数平均分子量は、必ずしも限定されないが、例えば、ポリイソプレンがトチュウ由来のバイオポリマーである場合、好ましくは10,000〜500,000、より好ましくは50,000〜500,000、さらにより好ましくは100,000〜500,000である。
ポリイソプレンの重量平均分子量は、必ずしも限定されないが、例えば、トチュウ由来のバイオポリマーである場合、好ましくは1×10〜5×10、より好ましくは1×10〜5×10、さらにより好ましくは1×10〜5×10である。
上記ポリイソプレンへの無水マレイン酸の変性は、当該分野において公知の方法が用いられる。例えば、非特許文献1または2に記載されるような方法が採用され得る。
このような方法を用いることにより、本発明に用いる無水マレイン酸変性ポリイソプレンを含むサンプルが製造され得る。なお、得られたサンプルは、無水マレイン酸変性ポリイソプレン以外に未反応の無水マレイン酸を含有する場合がある。本発明において無水マレイン酸変性ポリイソプレンを含むサンプルは、例えば、予め加熱により溶融したもの、任意量の有機溶媒(例えば、トルエン、キシレン、クロロホルム、およびテトラヒドロフラン、ならびにそれらの組合せ)に溶解したもの、および粉末状(例えば、1μm〜100μmの平均粒子径を有するサイズ)にしたもののいずれを用いてもよい。
上記サンプルからの未反応の無水マレイン酸の熱脱着は、例えば、サンプルに付加する温度を所定の初期温度から所定の最終温度まで昇温することにより行われる。例えば、無水マレイン酸の沸点が202℃であり、低温から昇温させると著しく分析時間が増え、極端に高温であるとポリイソプレンの分解が進むことから、この昇温において採用され得る条件(昇温条件)のうち、初期温度は、好ましくは80℃〜120℃であり、より好ましくは90℃〜110℃である。また、この昇温条件に採用され得る最終温度は、好ましくは180℃〜220℃である。初期温度から最終温度への昇温は、温度を連続的に緩やかに上昇させるものであってもよく、段階的に上昇させるもの(すなわち、一定の温度を所定時間維持した後、一定の割合で温度を上昇して当該温度で所定時間維持することの繰り返し)であってもよく、あるいは未反応の無水マレイン酸が脱着したことを確認する必要がなければ、当該昇温に代えて最終温度のみを提供するものであってもよい。
さらに、この昇温条件に採用され得る昇温速度は、使用する装置の仕様以外では、必ずしも限定されないが、連続的に緩やかな温度上昇を行う場合、例えば、50℃/分〜200℃/分である。あるいは、この昇温条件に採用され得る昇温時間は、例えば、0.5分間〜2分間である。
無水マレイン酸変性ポリイソプレンを含むサンプルは、上記のような昇温条件下に曝されることにより、当該サンプルから未反応の無水マレイン酸が脱離し、その結果、無水マレイン酸変性ポリイソプレンを含みかつ未反応の無水マレイン酸を含まない熱脱着サンプルを得ることができる。
次いで、熱脱着サンプルが熱分解され、当該熱分解により生成した二酸化炭素の量が測定される。
具体的には、上記で得られた熱脱着サンプルはさらに加熱され、これにより当該熱脱着サンプル内に含まれる無水マレイン酸変性ポリイソプレンが分解して二酸化炭素を発生する。
熱分解工程において熱脱着サンプルに付加される温度は、好ましくは500℃〜700℃、より好ましくは550℃〜650℃である。熱脱着に付加される温度が500℃未満であると、サンプル中の無水マレイン酸変性ポリイソプレンの熱分解が不充分となり、最終的に得られる測定値の誤差が大きくなる場合がある。サンプルに付加される温度が700℃を越えると、熱脱着温度からの差が大きくなるため、設定値までの待ち時間が長くなり、最終的に分析時間が増えるおそれがある。
熱脱着サンプルの熱分解に要する時間は、使用するサンプルの量などの条件によっても変動するため必ずしも限定されないが、例えば、1分間〜5分間である。
上記熱脱着サンプルの熱分解により発生した二酸化炭素の量は、当該分野において公知の種々の手段(例えば、質量分析装置、炭酸ガスセンサ)を用いて測定される。例えば、操作性が簡便であるという理由から、質量分析装置を用いて測定することが好ましい。
なお、本発明においては、上記無水マレイン酸変性ポリイソプレンを含むサンプルの熱脱着工程(単に「熱脱着工程」ともいう)、および上記熱脱着サンプルを熱分解して二酸化炭素量を測定する工程(単に「熱分解工程」ともいう)の両方を、例えば、1つの装置を用いて行うことができるという利点から、ダブルショット熱分解ガスクトマトグラフィー・質量分析装置内で行うことが好ましい。ダブルショット熱分解ガスクトマトグラフィー・質量分析装置は市販されているものを使用することができる。
その後、上記にて測定された二酸化炭素量が、無水マレイン酸変性ポリイソプレンの変性率に換算される。
この換算は、例えば、既知含有量の無水マレイン酸変性ポリイソプレンおよび無水マレイン酸を混合して作製した検定サンプルと、その検定サンプルの上記熱脱着工程および熱分解工程を経て得られた二酸化炭素量(あるいは、これにより発生する二酸化炭素の測定値)との相関関係を整理した検量線に基づいて行われる。なお、この場合、当該検定サンプルにおける無水マレイン酸変性ポリイソプレンの含有率(例えば、重量%)が当該検定サンプルにおける無水マレイン酸変性ポリイソプレンの変性率に相当する。
検量線に基づく換算は、測定者が当該検量線から個別に計算したものであってもよく、または予めコンピュータに格納された検量線データに基づいて自動的に算出したものであってもよい。
このようにして、無水マレイン酸変性ポリイソプレンを含むサンプルにおける無水マレイン酸変性ポリイソプレンの変性率を測定することができる。
本発明の方法は、人体に対して毒性の高い溶媒を使用する必要もなく、より簡便かつ効率的な方法として無水マレイン酸変性ポリイソプレンを必要とする種々の技術分野において広範に使用され得る。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(参考例1:検量線の作成)
3つ口フラスコに、トランス型ポリイソプレン(シグマ−アルドリッチ社製)3gおよびトルエン130mLを添加し、窒素雰囲気下で80℃にて溶解させた後、適量の無水マレイン酸およびベンゾイルパーオキサイド(BPO)0.09g(添加したトランス型ポリイソプレンを100重量部としたときの3重量部に相当)を添加し、2時間反応させた。反応後、このフラスコにアセトンを添加し、析出物を濾別して、無水マレイン酸変性トランス型ポリイソプレン(sTPIgMA)サンプルを得た。
このsTPIgMAサンプル約50μgを、ダブルショット熱分解ガスクロマトグラフィー・質量分析装置(DS−PyGC/MS)(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製)のサンプルカップに入れ、同分析装置にて分析に供した。分析にあたり、熱脱着条件(初期温度:100℃、最終温度:200℃、100℃/分の昇温条件)の下で、sTPIgMAサンプルに含まれる未反応の無水マレイン酸を除去し(図1の(A)および(B))、200℃で30秒間保持した後、このサンプルを熱分解条件(600℃)に供することにより、無水マレイン酸変性ポリイソプレンにおけるグラフト化された無水マレイン酸部分を熱分解し(図1の(C))、その際に発生した二酸化炭素の量を同分析装置にて測定した。二酸化炭素の量は、同分析装置より得られたチャートから、対応する二酸化炭素の面積値(なお、当該面積値は、同分析装置で得られたチャートに表される二酸化炭素と2−メチル−1−ブテンとの面積比(AreaCO2/Area2−メチル−1−ブテン)をそのまま使用した。)を算出した。
一方、上記で得られたsTPIgMAサンプル1gをトルエン100mLに溶解し、水0.2mLを添加し、2時間還流した後、フェノールフタレインを指示薬として、0.0025N水酸化カリウム/メタノール・ベンジルアルコール(1:9(v/v))溶液を滴下することにより、このsTPIgMAサンプルに含まれる無水マレイン酸変性ポリイソプレンの含有率(重量%)を算出した。
このような検定サンプルにおけるダブルショット熱分解ガスクロマトグラフィー・質量分析装置により得られた二酸化炭素の面積値(DS−PyGC/MS面積比;(AreaCO2/Area2−メチル−1−ブテン))の測定と、対応する上記滴定とを、検定サンプルに添加する無水マレイン酸の量を変化させることにより、合計で6回行った。これらの滴定により算出された無水マレイン酸変性ポリイソプレンの含有率(重量%)に対する、上記ダブルショット熱分解ガスクロマトグラフィー・質量分析装置により得られた二酸化炭素の面積値(DS−PyGC/MS面積比)の関係を図2に示す。
図2に示すように、これら6回の測定結果をプロットすることにより略直線を示す検量線(y=1.6503x+0.1545,R=0.9901)を得た(ここで、yは「DS−PyGC/MS面積比」であり、xは「無水マレイン酸変性ポリイソプレンの含有率(重量%)」である。
さらに、「無水マレイン酸変性ポリイソプレンの含有率(重量%)」が「無水マレイン酸変性ポリイソプレンの変性率(%)」に相当するため、「無水マレイン酸変性ポリイソプレンの変性率(%)」と「DS−PyGC/MS面積比」との関係について、以下の式(I):
Figure 2017053697
で表されることを確認した。
(実施例1および2)
異なる未知量の無水マレイン酸を用いたこと以外は、参考例1と同様にして、2種類の無水マレイン酸変性トランス型ポリイソプレンサンプルを得た(これらをそれぞれ、sTPIgMA−V1およびsTPIgMA−V2と称する)。
これらのsTPIgMA−V1サンプルおよびsTPIgMA−V2サンプル各約50μgを、それぞれダブルショット熱分解ガスクロマトグラフィー・質量分析装置(DS−PyGC/MS)(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製)のサンプルカップに入れ、同分析装置にて分析に供した。分析にあたり、熱脱着条件(初期温度:100℃、最終温度:200℃、100℃/分の昇温条件)の下で、sTPIgMAサンプルに含まれる未反応の無水マレイン酸を除去し、200℃で30秒間保持した後、このサンプルを熱分解条件(600℃)に供することにより、無水マレイン酸変性ポリイソプレンにおけるグラフト化された無水マレイン酸部分を熱分解し、その際に発生した二酸化炭素の量を同分析装置にて測定した。二酸化炭素の量は、同分析装置より得られたチャートから、対応する二酸化炭素の面積値(AreaCO2/Area2−メチル−1−ブテン)を算出した。
得られた二酸化炭素の面積値(AreaCO2/Area2−メチル−1−ブテン
を用いて、上記参考例1で得られた式(I)から、sTPIgMA−V1サンプルおよびsTPIgMA−V2サンプルのそれぞれについての無水マレイン酸変性ポリイソプレンの変性率(%)を算出した。得られた結果を表1に示す。
次いで、上記sTPIgMA−V1サンプルおよびsTPIgMA−V2サンプルについて、それぞれ参考例1に記載の方法と同様の滴定を行うことにより、無水マレイン酸変性ポリイソプレンの変性率(%)を算出した。得られた結果を表1に示す。
Figure 2017053697
表1に示すように、上記sTPIgMA−V1サンプルおよびsTPIgMA−V2サンプルのいずれについても、ダブルショット熱分解ガスクロマトグラフィー・質量分析装置で得られた結果は、滴定で得られた結果と比較して同等の結果(変性率)が得られていた。このことから、例えば、ダブルショット熱分解ガスクロマトグラフィー・質量分析装置により上記のような操作を行うと、滴定に代えて、無水マレイン酸変性ポリイソプレンの変性率が測定できることがわかる。
本発明の方法は、無水マレイン酸変性ポリイソプレンを必要とする種々の技術分野(例えば、自動車産業、家電基板、燃料電池、絶縁性薄膜、免震性素材、防音素材、バイオ燃料などの幅広い分野)において有用である。

Claims (5)

  1. 無水マレイン酸変性ポリイソプレンの変性率を測定するための方法であって、
    該無水マレイン酸変性ポリイソプレンを含むサンプルから未反応の無水マレイン酸を熱脱着して熱脱着サンプルを作製する工程;
    該熱脱着サンプルを熱分解して、生成した二酸化炭素量を測定する工程;および
    該測定した二酸化炭素量を該変性率に換算する工程;
    を含む、方法。
  2. 前記熱脱着工程が、80℃から120℃の初期温度から、180℃から220℃の最終温度まで昇温することにより行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記熱分解工程が、500℃から700℃の温度下で行われる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記熱脱着工程および前記熱分解工程が、ダブルショット熱分解ガスクロマトグラフィー・質量分析装置内で行われる、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記無水マレイン酸変性ポリイソプレンが、無水マレイン酸変性トランス型ポリイソプレンである、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
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