JP2017052107A - 情報記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性、耐傷性と樹脂基材密着性に優れた保護層を最表面に設けた情報記録媒体を提供する。【解決手段】保護層が、樹脂中に、ポリロタキサン含有アクリル樹脂からなる粒子を含有し、ポリロタキサン含有アクリル樹脂は、(A)と(B)の共重合体であり、(メタ)アクリル系モノマーの(メタ)アクリル基数Aと、ポリロタキサン化合物の(メタ)アクリル基数Bとの比A/Bが80/20〜95/5であり、前記粒子と前記樹脂との配合比が50/50〜5/95であることを特徴とする情報記録媒体。(A):分子中に(メタ)アクリル基を有する1種類以上の(メタ)アクリル系モノマー、(B):分子中に(メタ)アクリル基を有する環状分子と、環状分子を串刺し状に貫通する直鎖状分子と、直鎖状分子の両末端に配置され、環状分子の脱離を防止する封止基とを有するポリロタキサン化合物。【選択図】図1

Description

本発明は、透明性、耐傷性と樹脂基材密着性に優れた保護層を最表面に設けた情報記録媒体に関する。
従来、パスポート、査証/ビザなどの冊子またはカードなどの個人認証媒体には、個人を特定する顔画像や指紋などの画像情報や、その個人の姓名、生年月日などの個人情報を記録している。これらの記録された情報の視認性と認証性を維持するために、最表面に保護層を設けている。さらに、これら情報の不正利用や偽造を防止するために、ホログラムや回折格子などのOVD(Optical Variable Device)貼付や、情報自体の特殊インキ印刷や回折格子での印字などが施されている(特許文献1、2、3参照)。
特に、磁気カードやICカードなどの情報記録媒体の最表面は、長期間の使用や保管の過程で生じる傷を防止するために高硬度の保護層が設けられている。しかしながら、高硬度の保護層は、変形に追従する伸度が不足するため、カード使用時の曲げ変形でクラックが発生したり、極端な場合、保護層が剥離したりするという問題が生じてしまう。
また、これら媒体上に施されるホログラムや回折格子などのOVDにも高硬度の保護層を設けたり、特殊インキのバインダーに高硬度な材料を用いたりする。
保護層に求められる特性は、情報の視認と認証を妨げない透明性と、その情報記録媒体の真正さを証明するため、外部からの物理的および化学的な攻撃に対する耐性と偽造/改ざん防止性である。
一般的に、カードなどの媒体表裏面に使用する保護層には硬い樹脂を用いる。このような樹脂の場合、耐摩擦性が劣るため、多量の滑材を添加し、耐摩擦性を確保する試みが行われている(特許文献4参照)。しかし、滑材成分が析出すると、ATM等のカードリーダー内部を汚染し、カード情報の読み取りエラーや搬送不良などの問題を引き起こす。更に、外観上も白濁したような曇りが生じ、記録した情報の視認性低下やOVDの偽造防止効果を損なってしまう。
最近では、滑材を多用せず、耐摩擦性を得るために紫外線硬化樹脂を用いる。しかし、紫外線硬化樹脂は他の材料との密着性が悪いという欠点も有している。
そのため、耐傷性材料が嘱望され、近年、硬度向上による傷防止から、軽度の傷を自己修復する材料が注目されている。自己修復材料とは、自身の弾性回復範囲の変形を自己修復できるもので、熱硬化タイプと光硬化タイプの2種類に大別される(特許文献5、6参照)。
熱硬化タイプの自己修復材料は、修復性には優れるものの、油性マジックや指紋などの汚れが付着しやすく、汚染に弱いことが問題であった。また、紫外線硬化タイプは耐汚染性があるが、弾性回復範囲が狭く、傷の修復性が劣ることが問題であった。このように物理的および化学的な損傷に対する高い耐性を併せ持つものはなかった。
また、熱硬化タイプや紫外線硬化タイプの自己修復材料は、化学結合による架橋構造を有しており、過剰な負荷がかかると架橋構造が物理的に切断されてしまう。このような問
題に対して、近年、トポロジカルな構造を有する化合物を用いた物理架橋構造が注目されている。この物理架橋構造は負荷を分散して架橋構造を保ち、負荷が解除されると元の状態に戻ることができる。このような構造を持つ材料としては、特にポリロタキサンを挙げることができる。ポリロタキサンとは、直鎖状分子が環状分子を貫通した化合物である。この環状分子間をポリマー等で結合することで、物理架橋構造を形成することができる。他分子と結合して架橋構造を形成しているのは、環状分子であるため、環状分子を貫通している直鎖状分子は架橋構造に関与していない。そのため、負荷が架橋点にかかると、環状分子を貫通している直鎖状分子が動き、負荷力を分散し、架橋構造を保つことが可能になる。このような物理架橋構造が奏する効果を滑車効果といい、環状分子が動くという意味で、環動分子とも呼ばれている(非特許文献1)。
ポリロタキサンを樹脂材料中に組み込むことで、物性改質及び機能向上が可能となる。しかし、ポリロタキサンの特異な構造のため、樹脂との相溶性や溶媒溶解性や反応性などに制限があるという欠点もある。しかし、粒子化することで樹脂との相溶性の改善や溶媒溶解性の問題を解決できる。
特許第5565251号公報 特許第3136790号公報 特許第3988458号公報 特開2007−83466号公報 特許第3926461号公報 特許第3676260号公報
Kohzo Ito、Novel entropic elastisity of polymeric Materials、日本、社団法人高分子学会、(2012)44、p.38−41
本発明は、従来の技術の問題点に鑑みてなされた発明であり、透明性、耐傷性と樹脂基材密着性に優れた保護層を最表面に設けた情報記録媒体を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、基材を用いた情報記録媒体において、
少なくとも基材の一方の面に保護層を備えており、
保護層は、樹脂中に、ポリロタキサン含有アクリル樹脂からなる粒子を含有しており、
ポリロタキサン含有アクリル樹脂は、下記の(A)と(B)の共重合体であり、
(メタ)アクリル系モノマーの(メタ)アクリル基数Aと、ポリロタキサン化合物の(メタ)アクリル基数Bを、1g当りのモル数で表した場合の比A/Bが80/20〜95/5であり、
ポリロタキサン含有アクリル樹脂からなる粒子と前記樹脂との配合比が50/50〜5/95であることを特徴とする情報記録媒体。
(A):分子中に(メタ)アクリル基を有する1種類以上の(メタ)アクリル系モノマー。
(B):分子中に(メタ)アクリル基を有する環状分子と、環状分子を串刺し状に貫通する直鎖状分子と、直鎖状分子の両末端に配置され、環状分子の脱離を防止する封止基とを有するポリロタキサン化合物である。
また請求項2に記載の発明は、前記(メタ)アクリル系モノマーが、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートのいずれか1種類または2種類以上を組み合わせたモノマーであることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体である。
また請求項3に記載の発明は、前記ポリロタキサン化合物が、分子中に水酸基を有する環状分子と直鎖状分子から得たポリロタキサンに、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートが反応し、分子中に(メタ)アクリル基を導入したものであることを特徴とする請求項1または2に記載の情報記録媒体である。
また請求項4に記載の発明は、前記樹脂が、汎用樹脂または水溶性樹脂または非水溶性樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の情報記録媒体である。
本発明によれば、透明性、耐傷性と樹脂基材密着性に優れた保護層を最表面に設けた情報記録媒体を提供することが可能となる。
本発明の一態様に係る情報記録媒体の概略断面図である。 本発明の一態様に係る情報記録媒体の概略断面図である。 本発明の一態様に係る情報記録媒体の概略断面図である。
以下、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」と記載する)について、図面を参照しつつ説明する。
(全体構成)
図1は、本実施形態の情報記録媒体の概略構成を示す図であり、情報記録媒体を側方から見た断面図である。図1中に示すように、情報記録媒体10は、基材11と、基材11に一方の面に積層された保護層12とを備える。
図2は、本実施形態の情報記録媒体の概略構成を示す図であり、情報記録媒体を側方から見た断面図である。図2中に示すように、情報記録媒体20は、基材21と、基材21の一方の面に積層された保護層22と、基材21の他方の面に積層された裏面層23とを備える。
図3は、本実施形態の情報記録媒体の概略構成を示す図であり、情報記録媒体を側方から見た断面図である。図3中に示すように、情報記録媒体30は、基材31、32、33と、基材31の表面に印字した個人情報などを記録した情報印刷部36と、基材33の表面に設けられたホログラムなどを使用して形成した偽造防止手段37と、基材31及び情報印刷部36を覆う保護層34と、基材33及びホログラムなどを使用して形成した偽造防止手段37を覆う裏面層35とを備える。
(基材)
基材11、21、31、32、33は、樹脂基材であって、基材の材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)、ポリアミド系樹脂(例えば、ナイロン6、ナイロン66の脂肪族系ポリアミド、ポリメタキシリレンアジパミドなどの芳香族ポリアミドなど)、ビニル系樹脂(例えば、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体など)、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体などのポリC2−10オレフィン系樹脂など)、アクリル系樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリルなどの(メタ)アクリル系単量体の単独又は共重合体)、セロファンなどが例示できる。これらの樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
基材は、主に、複数のシート基材を熱融着する熱ラミネート法、または、射出成形により作製される。基材の厚みは100〜1000μmが一般的であるが、ISOやJIS規格で規定されているものが多い。尚、図1及び2に示した基材11、21は射出成形により作製した例であり、図3に示した基材31、32、33は熱ラミネート法により作製した例である。
熱ラミネート法で基材を作製する場合は、単一の樹脂で成形された単層シートや複数の樹脂を用いた単層又は積層シートを用いることができる。また、これらの樹脂を他の基材(金属、木材、紙、セラミックスなど)に積層した積層シートを用いてもよい。シートの厚みは10〜1000μmが一般的であるが、20〜800μmが好ましい。
射出成形で基材を作製する場合も、単一の樹脂や複数の樹脂を用いることができる。
(粒子)
粒子は、ポリロタキサン含有アクリル樹脂を主成分とし、(A)(メタ)アクリル系モノマーと(B)ポリロタキサン化合物からなる。
(A)(メタ)アクリル系モノマーは、分子中に(メタ)アクリル基を有するモノマーである。分子中に(メタ)アクリル基を有する(メタ)アクリル系モノマーとしては、特に限定することなく公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートを単独で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いることも可能である。
(B)ポリロタキサン化合物は、分子中に(メタ)アクリル基を有する環状分子と、その環状分子を串刺し状に貫通する直鎖状分子と、直鎖状分子の両末端に配置された環状分子の脱離を防止する封止基を有するポリロタキサン化合物である。このポリロタキサン化合物は、分子中に水酸基を有する環状分子と直鎖状分子から得たポリロタキサンに、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートを反応させ、分子中に(メタ)アクリル基を導入して得る。
分子中に水酸基を有する環状分子には、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ジメチル−シクロデキストリンなどのシクロデキストリン類、クラウンエーテル類などがある。なかでも、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンなどのシクロデキストリン類が好ましい。また、環状分子の有する水酸基は、−NH基や−NCO基との反応性を有することが好ましい。また、これらのシクロデキストリンの水酸基の少なくとも一つが、他の有機基(疎水基)によって置換された修飾デキストリン類は、その溶剤への溶解性が向上するため、さらに好ましく用いられる。疎水基の具体例として、例えばアルキル基、ベンジル基、ベンゼン誘導体含有基、アシル基、シリル基、トリチル基、硝酸エステル基、トシル基、光硬化部位としてアルキル置換エチレン性不飽和基、熱硬化部位としてアルキル置換エポキシ基などを挙げることができるが、これに限定されるものではない。また、上記の疎水性修飾ポリロタキサンにおいては、上述の疎水基の1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて、有していてもよい。更に機能層が反射防止機能を付与されている場合には、疎水基がフッ素化合物(置換されていてもよいフッ化アルキル基など)で形成されていることが好ましい。
直鎖状分子としては、ポリエチレングリコール、ポリピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリロビニルアセタール、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリシロキサンなどがある。なかでもポリエチレングリコールが好ましい。直鎖状分子の分子量は1,000,000以下が好ましく、更には、10,000〜30,000がより好ましい。
直鎖状分子の両末端の封止基は、環状分子が直鎖状分子から脱離することを防ぐ役割をするため、嵩高い構造を有していることが必要である。そのため、ジニトロフェニル基、ピレン基、アダマンタン基、シクロデキストリン類がある。なかでも、アダマンタン基がより好ましい。
粒子は、上述した各成分を有機溶媒に溶解し、水系媒体中に懸濁/乳化させ、反応させることにより製造することが可能である。反応方法としては、懸濁反応法、乳化反応法、シード反応法、分散反応法などが挙げられる。
ここで、反応温度は、通常10℃以上100℃以下の範囲内であり、さらに、60℃以上80℃以下の範囲内とすることが好ましい。また、反応時間は、通常10分間から24時間の範囲内であり、さらに、1時間以上6時間以下の範囲内とすることが好ましい。
粒子の平均粒子径は、動的光散乱式粒子径分布計(日機装製UPA−EX150)を用いて測定した体積平均径とした。また、粒子形状は透過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製S4800)を用いて観察した。
粒子の平均粒子径は通常100nm以上20μm以下の範囲であり、さらに、500nm以上5μm以下の範囲とすることが好ましい。平均粒子径が100nm未満の場合、保護層中のみかけの粒子比率が大きくなり、保護層の耐性が低下してしまうなどの問題が生じる。一方、20μmより大きい場合、保護層厚を20μm以下の保護層を形成した場合、保護層表面に粒子の凹凸がでてしまい、保護層の透明性が低下したりなどの問題が生じる。
(保護層)
保護層は、ポリロタキサン含有アクリル樹脂からなる粒子と汎用樹脂材料を有機溶媒に分散/溶解させた保護層溶液をカード基材表裏面に塗布して、熱乾燥することで形成することができる。あるいは、保護層はポリロタキサン含有アクリル樹脂からなる粒子を、水溶性樹脂または非水溶性樹脂を水に溶解/分散させた樹脂水溶液中に分散させ、カード基材表裏面に塗布して、熱乾燥することで形成することができる。またあるいは、保護層は
、ポリロタキサン含有アクリル樹脂からなる粒子を光硬化性樹脂中に分散させた保護層溶液を基材表裏面に塗布して、紫外線照射することで形成することができる。
前記汎用樹脂材料としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂などの熱可塑性樹脂を一種類または二種類以上組み合わせて用いることが可能である。または、エポキシ基を有するエポキシ樹脂や、グリシジル基を有する(メタ)アクリレートにポリアミドを添加して架橋させたエポキシ樹脂やアクリル樹脂、反応性水酸基を有するアクリルポリオールやポリエステルポリオール等にポリイソシアネートやポリアミドを添加して架橋させたウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂を用いることが可能である。
水溶性樹脂としては、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどを一種類または二種類以上組み合わせて用いることができる。また、樹脂分散溶液としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、水溶性ウレタン樹脂などの熱可塑性樹脂を水性媒体中に分散した状態で形成され、水性媒体としては、水、水溶性又は親水性溶媒(例えば、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;テトラヒドロフランなどのエーテル類;セロソルブ類;カルビトール類;アセトニトリルなどのニトリル類など)、又はこれらの混合溶媒が例示できる。水性媒体とは、通常、水、又は水を主成分として含む水性溶媒である。
さらに、光硬化性樹脂としては、単官能、または、多官能アクリレートなどの反応性希釈剤と、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレートなどのオリゴマーと、ベンゾフェノン系、アセトフェノン系、チオチサントン系などの光重合開始剤とともに、3級アミン系などの光重合促進剤を使用することも可能である。
保護層の膜厚は、通常0.2〜50.0μmの範囲、好ましくは1.0〜20.0μmの範囲である。膜厚が0.2μm未満であると、保護層の弾性回復範囲が狭くなり、傷の自己修復機能が低くなるなどの問題が生じる。一方、膜厚が50.0μmより厚いと、保護層の下部に設けた情報を機械で読み取る場合に読み取りエラーなどの問題が生じる。
保護層塗布液の塗布方法としては一般的な湿式コーティング方法を用いることができる。例えば、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ダイコート、スクリーン印刷、スプレーコートなどを挙げることができる。これらの湿式コーティング方法を用いて、基材の片面に塗布する。乾燥方法は、熱風乾燥、熱ロール乾燥、赤外線照射など、公知の乾燥法で乾燥することが可能である。さらに、紫外線硬化は、一般的な紫外線照射装置を用いることができる。
以下に、具体的な実施例について記す。
(粒子合成)
まず、ポリロタキサン化合物として、修飾ポリロタキサン(アドバンストソフトマテリアル社製:セルムスーパーポリマーSM3405P、SA3405P)、また(メタ)アクリル系モノマーとして、ポリエチレングリコールジアクリレート(東洋ケミカルズ製:Miramer M284)およびトリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成製:アロニックスM−309M−309)を用意した。
次に、(メタ)アクリル系モノマーとポリロタキサン化合物とラジカル反応の開始剤(AIBN;azobisisobutyronitile)をトルエンに溶解させた。次に、ビーカーに水と界面活性剤(CTAB、Cetyltrimethylammonium Bromide、和光純薬社製)を投入し、60℃に加温溶解させた後、10℃に冷却した。冷却後、トルエン溶液を静かに注ぎ、ホモジナイザイで乳化分散させた。均一に乳化分散したことを確認後、乳化液を丸底フラスコに移し、攪拌子で攪拌しながら80℃に加温し、6時間反応させ、ポリロタキサン含有アクリル樹脂からなる粒子を得た。反応溶液を用いて、粒度分布を測定した。
(A)(メタ)アクリル系モノマーの(メタ)アクリル基数と、(B)ポリロタキサン化合物の(メタ)アクリル基数との比(A)/(B)は、1g当りのモル(mol)数を重量で表した場合の比は、次の通りである。
実施例1・・・95/5
実施例2・・・70/30
実施例3・・・80/20
比較例1・・・100/0(ポリロタキサン化合物を含有せず)
比較例2・・・30/70
比較例3・・・15/85
表1に示したように、実施例1ではモノマーM284とポリロタキサンSM3405Pを配合比A/B=95/5(秤量値で表すと、102g/55g)で、実施例2では、同様にモノマーM−309とポリロタキサンSA3405Pを配合比70/30(秤量値で表すと、87g/71g)で、実施例3ではモノマー(M284+M−309)とポリロタキサン(SM3405P+SA3405P)を配合比80/20(秤量値で表すと、74g/86g)で、混合したものを分散質とした。
次に比較例について説明する。比較例1ではポリロタキサンを含まないモノマーM284のみで塗布液を調整した。M284、158gに対して開始剤(AIBN)8gとした。比較例2はモノマーM−309とポリロタキサンSA3405Pを配合比A/B=30/70(秤量値で表すと、29g/128g)で、比較例3はモノマー(M284+M−309)とポリロタキサン(SM3405P+SA3405P)を配合比A/B=15/85(秤量値で表すと、5g/159g)で混合したものを分散質とした。いずれも、開始剤(AIBN)、8gとした。
(保護層)
表1の粒子と各種樹脂材料と有機溶剤を用いて、表2の配合比で保護層塗布液を調整した。開始剤は、ラジカル重合型光重合開始剤イルガキュア184(BASF社製)を使用した。調整した塗布液をロールコータで印刷後、オーブンで乾燥させ、実施例4〜5及び比較例4〜7は、さらに、紫外線照射装置で紫外線を照射して光反応させ、基材上に保護層を設けた。一方、実施例6及び比較例8は50℃のオーブン中で24時間のエージングを行い、保護層を形成した。上記のようにして情報記録媒体を得た。
粒子と樹脂材料の配合比は次の通りである。
実施例4・・・50/50(実施例1の粒子)
実施例5・・・20/80(実施例2の粒子)
実施例6・・・ 5/95(実施例3の粒子)
比較例4・・・ 0/100(ポリロタキサン化合物の粒子を含有せず)
比較例5・・・80/20(実施例1の粒子)
比較例6・・・20/80(比較例1の粒子)
比較例7・・・20/80(比較例2の粒子)
比較例8・・・15/85(比較例3の粒子)
上記で作製した情報記録媒体の透明性と傷の修復性を以下の方法で評価した。
透明性は、紫外可視分光光度計(日本分光製 V−750)で透過率を測定した。傷の修復性については、スクラッチ試験機を用いて、真鍮製ブラシを荷重0.2〜10gfで10往復させてスクラッチ傷を付けた。その後、スクラッチした情報記録媒体の表面を光学顕微鏡による顕微観察と、分子間力プローブ顕微鏡(アサイラムリサーチ製MFP-3D-SA)による傷深さ測定で評価した。基材密着性は、JISZ5600を参考にクロスカット法によるセロテープ(登録商標)剥離により評価した。評価結果を表3に示す。
表3から分かるように、(A)光重合性(メタ)アクリル系モノマーと、(B)光重合性ポリロタキサン化合物の(メタ)アクリル基数の比(A)/(B)が50/50〜95/5となるように合成した粒子を使用した実施例4〜6では、透明性、傷修復性と基材密着性がいずれも良好な結果を示し、保護層としての機能を発揮できる。一方、(メタ)アクリル基数の比(A)/(B)が95/5より大きい実施例1の粒子を使用した比較例5では、透明性と基材密着性は良好であるが、傷修復性で劣る結果である。また、ポリロタキサンを含まない比較例1を使用した比較例6と(A)/(B)が80/20より低い比較例6〜8の粒子を使用した比較例7〜8では、傷修復性、透明性、基材密着性が低下し、保護層としての機能を発揮できなくなる。
10、20、30・・・情報記録媒体
11、21、31、32、33・・・基材
12、22、34・・・保護層
23、35・・・裏面層
36・・・情報印刷部
37・・・偽造防止手段

Claims (4)

  1. 基材を用いた情報記録媒体において、
    少なくとも基材の一方の面に保護層を備えており、
    保護層は、樹脂中に、ポリロタキサン含有アクリル樹脂からなる粒子を含有しており、
    ポリロタキサン含有アクリル樹脂は、下記の(A)と(B)の共重合体であり、
    (メタ)アクリル系モノマーの(メタ)アクリル基数Aと、ポリロタキサン化合物の(メタ)アクリル基数Bを、1g当りのモル数で表した場合の比A/Bが80/20〜95/5であり、
    ポリロタキサン含有アクリル樹脂からなる粒子と前記樹脂との配合比が50/50〜5/95であることを特徴とする情報記録媒体。
    (A):分子中に(メタ)アクリル基を有する1種類以上の(メタ)アクリル系モノマー。
    (B):分子中に(メタ)アクリル基を有する環状分子と、環状分子を串刺し状に貫通する直鎖状分子と、直鎖状分子の両末端に配置され、環状分子の脱離を防止する封止基とを有するポリロタキサン化合物。
  2. 前記(メタ)アクリル系モノマーが、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートのいずれか1種類または2種類以上を組み合わせたモノマーであることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
  3. 前記ポリロタキサン化合物が、分子中に水酸基を有する環状分子と直鎖状分子から得たポリロタキサンに、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートが反応し、分子中に(メタ)アクリル基を導入したものであることを特徴とする請求項1または2に記載の情報記録媒体。
  4. 前記樹脂が、汎用樹脂または水溶性樹脂または非水溶性樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の情報記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018030928A (ja) * 2016-08-23 2018-03-01 横浜ゴム株式会社 高分子微粒子

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