JP2017052055A - ワーク搬送装置および工作機械 - Google Patents

ワーク搬送装置および工作機械 Download PDF

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Abstract

【課題】ワークの清掃が可能で構造が簡単な搬送ロボットを備えるワーク搬送装置、および当該ワーク搬送装置を備える工作機械を提供することを課題とする。
【解決手段】ワーク搬送装置4は、ワークWを把持、解放可能なチャック413を有しワークWを搬送する搬送ロボット41を備え、チャック413の速度変化を利用して、ワークWから、ワークWに付着した付着物C、Lを、所定の飛散方向に飛散させる清掃動作を実行することを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えば生産ラインなどでワークを搬送するのに用いられるワーク搬送装置、および当該ワーク搬送装置を備える工作機械に関する。
工作機械で加工されたワークには、切粉やクーラントが付着している。このままの状態でワークを搬送すると、搬送経路を汚染してしまう。このため、加工後のワークは、圧縮空気により清掃される。しかしながら、圧縮空気で清掃しても、ワークから切粉やクーラントを完全に除去することは困難である。また、圧縮空気を用いる場合、圧縮空気用の設備(配管など)を、工作機械に配置する必要がある。
この点、特許文献1には、オイルパン付きのワーク搬送装置が開示されている。ワーク搬送装置の搬送ロボットは、オイルパンを備えている。オイルパンは、受け位置と排出位置との間で旋回可能である。搬送ロボットにワークを着脱する際、オイルパンは排出位置に配置されている。このため、オイルパン内のクーラントを排出することができる。一方、ワークを搬送する際、オイルパンは受け位置に配置されている。このため、搬送時にワーク周辺から落下するクーラントを受けることができる。同文献記載のワーク搬送装置によると、搬送経路が汚れにくい。また、圧縮空気用の設備が不要である。
特開平7−251346号公報
しかしながら、同文献記載のワーク搬送装置の場合、搬送ロボットに旋回式のオイルパンを配置する必要がある。このため、搬送ロボットの構造が複雑になる。また、搬送ロボットの軌道を設定する際に、搬送ロボットと隣接部材との干渉のみならず、オイルパンと隣接部材との干渉を回避する必要がある。このため、軌道設定の自由度が低くなる。そこで、本発明は、ワークの清掃が可能で構造が簡単な搬送ロボットを備えるワーク搬送装置、および当該ワーク搬送装置を備える工作機械を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のワーク搬送装置は、ワークを把持、解放可能なチャックを有し前記ワークを搬送する搬送ロボットを備え、前記チャックの速度変化を利用して、前記ワークから、前記ワークに付着した付着物を、所定の飛散方向に飛散させる清掃動作を実行することを特徴とする。
また、本発明の工作機械は、前記ワーク搬送装置と、加工時に前記ワークが取り付けられる主軸台を有する機械本体と、を備える工作機械であって、前記付着物は、加工後の前記ワークに付着する切粉およびクーラントであり、前記ワーク搬送装置は、前記チャックが前記主軸台から加工後の前記ワークを受け取った後に、前記ワークから前記切粉および前記クーラントを所定の飛散方向に飛散させる前記清掃動作を実行することを特徴とする。
本発明のワーク搬送装置および工作機械によると、ワーク把持状態のチャックの速度変化(慣性力)を利用することにより、ワークから付着物を除去することができる。すなわち、ワークを清掃することができる。また、本発明のワーク搬送装置および工作機械によると、付着物のワークからの飛散方向を、制御することができる。このため、飛散した付着物の回収作業が簡単である。
第一実施形態の旋盤の透過斜視図である。 同旋盤のブロック図である。 ワークの清掃作業のフローチャートである。 (a)は、同旋盤の右側の工程間中継装置の清掃動作の往動前の前後方向部分断面図である。(b)は、同工程間中継装置の清掃動作の往動後の前後方向部分断面図である。 (a)は、第二実施形態の旋盤の機械本体の清掃動作の往動前の前後方向断面図である。(b)は、同機械本体の清掃動作の往動後の前後方向断面図である。 その他の実施形態の旋盤の右側の工程間中継装置の清掃動作の往動後の前後方向部分断面図である。 清掃動作におけるチャックの速度パターンを示すグラフである。
以下、本発明のワーク搬送装置および工作機械の実施の形態について説明する。以下に示す実施形態においては、本発明の工作機械を旋盤として具現化している。
<第一実施形態>
[旋盤]
まず、本実施形態の旋盤について説明する。図1に、本実施形態の旋盤の透過斜視図を示す。図2に、同旋盤のブロック図を示す。図1、図2に示すように、本実施形態の旋盤1は、機械本体2と、制御装置3と、ワーク搬送装置4と、左右一対の工程間中継装置6と、を備えている。旋盤1は、本発明の「工作機械」の概念に含まれる。
{機械本体2}
図1に示すように、機械本体2は、主軸台20と、工具台21と、ベース23と、カバー24と、チップコンベア25と、を備えている。ベース23は、回収室(図略)と、第一開口230と、第二開口231と、を備えている。回収室は、ベース23の内部に形成されている。第一開口230は、ベース23の上壁前側に開設されている。第一開口230は、回収室に連通している。第一開口230は、金網230aにより、覆われている。第二開口231は、ベース23の上壁後側に開設されている。第二開口231は、回収室に連通している。チップコンベア25は、回収室に配置されている。チップコンベア25の後端(コンベア搬送方向下流端)は、第二開口231を介して、ベース23から外に突出している。チップコンベア25は、図2に示すコンベア駆動用モータ250により、回転駆動される。
主軸台20は、本体200と、主軸201と、チャック202と、を備えている。本体200は、ベース23の上面の前側に配置されている。主軸201は、本体200に対して、左右方向(主軸方向)に延在する軸周りに、回転可能である。チャック202は、主軸201の右側に配置されている。チャック202は、主軸201と共に回転可能である。チャック202は、短軸円筒状のワークWを、径方向内側から把持、解放可能である。
工具台21は、本体210と、タレット211と、ガイド部材212と、スライド213と、を備えている。ガイド部材212は、ベース23の上面の後側に配置されている。スライド213は、ガイド部材212に対して左右方向に移動可能である。本体210は、スライド213に対して前後方向に移動可能である。タレット211は、本体210に対して、左右方向に延在する軸周りに、回転可能である。タレット211の外周には、複数の工具Tが、交換可能に取り付けられている。
図1に透過して示すように、カバー24は、ベース23の上側に配置されている。カバー24は、主軸台20、工具台21を覆っている。なお、第二開口231およびチップコンベア25の後端は、カバー24から突出している。
{ワーク搬送装置4}
図1に示すように、ワーク搬送装置4は、走行台40と、搬送ロボット41と、を備えている。走行台40は、左右一対の支柱部400と、横梁部401と、を備えている。左右一対の支柱部400は、ベース23の上面の左右方向両端に配置されている。横梁部401は、左右一対の支柱部400の上端間を連結している。横梁部401は、左右方向に延在している。横梁部401の左右両端は、各々、工程間中継装置6まで延在している。
搬送ロボット41は、本体410と、第一アーム411と、第二アーム412と、一対のチャック413と、ロボット走行用モータ414と、第一アーム回転用モータ415と、第二アーム揺動用モータ416と、第二アーム回転用モータ417と、を備えている。
ロボット走行用モータ414により、本体410は、走行台40に対して左右方向に移動可能である。第一アーム411は、本体410の下側に配置されている。第一アーム回転用モータ415により、第一アーム411は、自身の軸周りに回転可能である。第二アーム揺動用モータ416により、第二アーム412は、第一アーム411の下端部を中心に、揺動可能である。第二アーム回転用モータ417により、第二アーム412の先端部は、自身の軸周りに回転可能である。一対のチャック413は、第二アーム412の先端部に取り付けられている。チャック413は、いわゆる三つ爪チャックである。
{制御装置3}
図2に示すように、制御装置3は、演算部30と、記憶部31と、入出力インターフェイス32と、を備えている。記憶部31には、加工後のワークWを清掃する際に実行されるワーク清掃プログラムが格納されている。入出力インターフェイス32は、ロボット走行用モータ414、第一アーム回転用モータ415、第二アーム揺動用モータ416、第二アーム回転用モータ417、コンベア駆動用モータ250に電気的に接続されている。
{工程間中継装置6}
図1に示すように、左右一対の工程間中継装置6は、旋盤1の左右両側に配置されている。工程間中継装置6は、ベース60と、複数のトレイ61と、を備えている。トレイ61は、ベース60の上面を、楕円形の軌道で移動可能である。ワークWは、トレイ61に載置されている。
搬送ロボット41は、左側(ワーク搬送方向上流側)の工程間中継装置6のトレイ61から、加工前のワークWを取り出す。また、搬送ロボット41は、右側(ワーク搬送方向下流側)の工程間中継装置6のトレイ61に、加工後のワークWを払い出す。
右側の工程間中継装置6のベース60は、開口600を備えている。また、ベース60の内部には、オイルパン(図略)が配置されている。開口600は、ベース60の上壁前側に開設されている。開口600は、オイルパンに連通している。オイルパンは、ベース23の回収室に連通している。オイルパンと回収室との間には、オイルパンから回収室に、後述する切粉、クーラントが流れるように、傾斜(高低差)が設定されている。開口600は、金網600aにより、覆われている。
[ワークの清掃作業]
次に、ワークの清掃作業について説明する。図3に、ワークの清掃作業のフローチャートを示す。図4(a)に、本実施形態の旋盤の右側の工程間中継装置の清掃動作の往動前の前後方向部分断面図を示す。図4(b)に、同工程間中継装置の清掃動作の往動後の前後方向部分断面図を示す。
ワークWの清掃作業は、ワークWの加工後に実行される。具体的には、図1に示すように、主軸台20のチャック202に取り付けられたワークWは、工具台21のタレット211の所定の工具Tにより、加工される。図4(a)に示すように、加工後のワークWには、切粉C、クーラント(加工の際に使用される潤滑液)Lが付着している。切粉C、クーラントLを除去するために、ワークWの清掃作業は実行される。ワークWの清掃作業は、移動工程と、清掃工程と、搬出工程と、を有している。
{移動工程}
本工程においては、まず、図3のS1(ステップ1。以下同様)、S2に示すように、図2に示す制御装置3が、搬送ロボット41のチャック413を用いて、主軸台20のチャック202から、加工後のワークWを取り外す。次に、図3のS3に示すように、制御装置3が、記憶部31のワーク清掃プログラムに従って、ロボット走行用モータ414、第一アーム回転用モータ415、第二アーム揺動用モータ416、第二アーム回転用モータ417を適宜駆動し、ワークW付きの搬送ロボット41を、図1に示す右側の工程間中継装置6の真上の位置まで、移動させる。すなわち、ワークWの加工エリアである機内エリアA1から、ワークWの清掃位置である右側の機外エリアA2まで、搬送ロボット41を移動させる。
{清掃工程}
本工程においては、まず、図3のS4〜S6、図4(a)に示すように、図2に示す制御装置3が、記憶部31のワーク清掃プログラムに従って、第二アーム揺動用モータ416を駆動し、垂直方向に対して傾斜角度θだけ、第二アーム412を揺動させる。並びに、制御装置3が、記憶部31のワーク清掃プログラムに従って、第二アーム回転用モータ417を駆動し、一対のチャック413のうち、ワークW付きのチャック413を、下向き(これから揺動する方向)にする。すなわち、ワークW付きのチャック413を、始点αにセットする。また、制御装置3が、コンベア駆動用モータ250つまりチップコンベア25を駆動する。
本工程においては、次に、図4(b)に示すように、図2に示す制御装置3が、記憶部31のワーク清掃プログラムに従って、第二アーム揺動用モータ416を駆動し、第二アーム412を前側に所定角度だけ揺動させる。そして、第二アーム揺動用モータ416を急停止する。第二アーム412は、第一アーム411の真下の位置で急停止する。すなわち、ワークW付きのチャック413は、終点βで急停止する。このため、急停止に起因する慣性力、および重力により、ワークWに付着した切粉C、クーラントLは、ワークWから分離し、前側かつ下側に飛散する。飛散した切粉C、クーラントLは、開口600の金網600aを通過し、オイルパン601に進入する。オイルパン601と回収室との間には傾斜が設定されているため、切粉C、クーラントLは、オイルパン601から回収室に流れ込む。クーラントLは、回収室に貯留される。一方、切粉Cは、図1に示すチップコンベア25により、タンク(図略)に回収される。このように、クーラントLと切粉Cとは、別々に回収される。
本工程においては、続いて、図2に示す制御装置3が、記憶部31のワーク清掃プログラムに従って、第二アーム揺動用モータ416を駆動し、垂直方向に対して傾斜角度θだけ、第二アーム412を後側に揺動させる。そして、第二アーム揺動用モータ416を緩停止する。ワークW付きのチャック413は、始点αで緩停止する。本工程においては、制御装置3が、予め設定された回数だけ、清掃動作(往動(図4(a)の始点α→図4(b)の終点β)と復動(図4(b)の終点β→図4(a)の始点α))を繰り返し実行する。
{搬出工程}
本工程においては、図3のS7に示すように、図2に示す制御装置3が、記憶部31のワーク清掃プログラムに従って、第一アーム回転用モータ415、第二アーム揺動用モータ416、第二アーム回転用モータ417を適宜駆動し、清掃後のワークWを、右側の工程間中継装置6の最前のトレイ61(ワーク搬出位置)に、載置する。
[作用効果]
次に、本実施形態の旋盤の作用効果について説明する。図4(a)、図4(b)に示すように、清掃動作の往動時に、加工後のワークWを把持した状態のチャック413は、後側から前側に向かって揺動し、急停止する。本実施形態の旋盤1によると、急停止の際のチャック413の速度変化(慣性力)を利用して、ワークWから、切粉C、クーラントLを除去することができる。すなわち、ワークWを清掃することができる。
また、図4(a)、図4(b)に示すように、清掃動作の往動時に、チャック413は、第一アーム411の真下の位置で急停止する。このため、切粉C、クーラントLを、前側(チャック413の揺動方向前側、チャック413の揺動軌道の接線方向)であって下側(切粉C、クーラントLの自重が作用する方向)に、飛散させることができる。すなわち、切粉C、クーラントLのワークWからの飛散方向を、前側かつ下側に制御することができる。このため、飛散した切粉C、クーラントLを、開口600に誘導することができる。したがって、飛散した切粉C、クーラントLの回収作業が簡単である。
また、清掃動作において、ワークW付きのチャック413の往動の停止時の減速度(負の加速度)の絶対値は、復動の停止時の減速度の絶対値よりも、大きい。このため、ワークWに付着した切粉C、クーラントLを、復動の停止時ではなく、往動の停止時に、ワークWから分離させ、前側かつ下側に飛散させることができる。
また、図1に示す搬送ロボット41が図1に示す機外エリア(本発明の「機外」に対応)A2から機内エリア(本発明の「機内」に対応)A1に向かう方向を外内方向、機内エリアA1から機外エリアA2に向かう方向を内外方向として、搬送ロボット41が内外方向への移動時に用いる加減速度(加速度、減速度)の絶対値は、搬送ロボット41が外内方向への移動時に用いる加減速度の絶対値よりも、小さい。加減速度の絶対値が大きい方が切粉C、クーラントLは飛散しやすい。このため、切粉C、クーラントLは、外内方向への移動時に、飛散しやすくなる。すなわち、機内エリアA1に飛散しやすくなる。したがって、機内エリアA1よりも切粉C、クーラントLの回収設備が整いにくい機外エリアA2に、切粉C、クーラントLが飛散するのを抑制することができる。
また、図2に示す制御装置3は、図3に示すワークWの清掃作業を、自動的に実行する。このため、加工後のワークWを自動的に清掃することができる。また、加工後のワークWから、切粉C、クーラントLを、自動的に分離、回収することができる。また、搬送ロボット41の通常のワークWの搬送作業(詳しくは、図1に示す左側の工程間中継装置6から加工前のワークWを取り出し、当該ワークWを主軸台20に渡し、加工後のワークWを主軸台20から取り出し、当該ワークWを右側の工程間中継装置6に渡す作業)に、自動的に、ワークWの清掃作業を組み込むことができる。
また、図4(a)、図4(b)に示すように、ワークWは、揺動方向前側(図4(a)における前下側、図4(b)における前側)を向いている。このため、ワークWの開口は、揺動方向前側に開放されている。したがって、本来、清掃困難なワークWの内周面を、簡単に清掃することができる。また、揺動時に、チャック413の揺動軌道の接線方向、つまりワークWの傾斜角度は、刻一刻と変化する。このため、ワークWの内周面から、切粉C、クーラントLが分離しやすい。
また、清掃動作に要するスペース(清掃位置)は、図1に示す機外エリアA2に設定されている。機内エリアA1と比較して、機外エリアA2には、配置されている部材が少ない。このため、広い清掃位置を確保することができる。したがって、チャック413の移動距離(特に水平方向の移動距離)を大きくすることができる。
<第二実施形態>
本実施形態の旋盤と、第一実施形態の旋盤との相違点は、ワーク搬送装置がガントリータイプの搬送ロボットを備えている点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。図5(a)に、本実施形態の旋盤の機械本体の清掃動作の往動前の前後方向断面図を示す。図5(b)に、同機械本体の清掃動作の往動後の前後方向断面図を示す。なお、図1、図4(a)、図4(b)と対応する部位については、同じ符号で示す。図5(a)、図5(b)に示すように、第一アーム411は、本体410から下側に伸縮可能である。このため、チャック413つまりワークWは、上下方向に移動可能である。
ワークWの清掃作業中、移動工程においては、図2に示す制御装置3が、搬送ロボット41のチャック413を用いて、主軸台20のチャック202から、加工後のワークWを取り外す。次に、制御装置3が、記憶部31のワーク清掃プログラムに従って、ワークW付きの搬送ロボット41を、主軸台20の前側の位置(真下に、主軸台20、工具台21が配置されておらず、第一開口230が配置されている位置)まで、移動させる。すなわち、ワークW付きの搬送ロボット41を、図1に示す機内エリアA1内の清掃位置まで移動させる。
ワークWの清掃作業中、清掃工程においては、まず、図5(a)に示すように、図2に示す制御装置3が、第一アーム411を駆動して、ワークW付きのチャック413を上昇させる。並びに、制御装置3が、第二アーム412を駆動して、ワークW付きのチャック413を、下向きにする。すなわち、ワークW付きのチャック413を、始点αにセットする。また、制御装置3が、チップコンベア25を駆動する。次に、図5(b)に示すように、制御装置3が、第一アーム411を駆動して、ワークW付きのチャック413を下降させる。そして、ワークW付きのチャック413を、終点βで急停止させる。急停止に起因する慣性力、および重力により、ワークWに付着した切粉C、クーラントLは、ワークWから分離し、下側に飛散する。飛散した切粉C、クーラントLは、第一開口230の金網230aを通過し、回収室26に進入する。クーラントLは、回収室26に貯留される。一方、切粉Cは、チップコンベア25により、タンク(図略)に回収される。このように、クーラントLと切粉Cとは、別々に回収される。
本工程においては、続いて、図2に示す制御装置3が、第一アーム411を駆動して、ワークW付きのチャック413を始点αまで上昇させる。制御装置3は、予め設定された回数だけ、清掃動作(往動(図5(a)の始点α→図5(b)の終点β)と復動(図5(b)の終点β→図5(a)の始点α))を繰り返し実行する。
本実施形態の旋盤と、第一実施形態の旋盤とは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態の旋盤によると、図1に示す機内エリアA1に、清掃位置を設定することができる。このため、機内エリアA1よりも切粉C、クーラントLの回収設備が整いにくい機外エリアA2に、切粉C、クーラントLが飛散するのを抑制することができる。
また、図5(b)に示すように、本実施形態の旋盤によると、切粉C、クーラントLのワークWからの飛散方向を、チャック413が急停止した位置の真下方向に制御することができる。このため、飛散した切粉C、クーラントLを、第一開口230に誘導することができる。したがって、飛散した切粉C、クーラントLの回収作業が簡単である。また、切粉C、クーラントLの飛散方向を真下方向に設定すると、切粉C、クーラントLの飛散範囲を狭くすることができる。このため、切粉C、クーラントLが、第一開口230の周囲に飛散するのを抑制することができる。また、第一開口230の面積を小さくすることができる。
また、清掃動作において、ワークW付きのチャック413の往動の停止時の減速度の絶対値は、復動の停止時の減速度の絶対値よりも、大きい。このため、ワークWに付着した切粉C、クーラントLを、復動の停止時ではなく、往動の停止時に、ワークWから分離させ、下側に飛散させることができる。
また、清掃動作において、チャック413は上下方向にのみ移動し、水平方向には移動しない。このため、清掃動作に要するスペース(清掃位置)を、狭小化することができる。したがって、搬送ロボット41が、隣接部材(主軸台20、工具台21など)に干渉しにくい。また、機内エリアA1に清掃位置を確保しやすい。
<その他>
以上、本発明のワーク搬送装置および旋盤の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
図6に、その他の実施形態の旋盤の右側(下流側)の工程間中継装置の清掃動作の往動後の前後方向部分断面図を示す。なお、図4(b)と対応する部位については、同じ符号で示す。図6に示すように、開口600の前側に板状のガイド部材602を配置してもよい。こうすると、切粉C、クーラントLが、ベース60の前側に飛散するのを抑制することができる。また、切粉C、クーラントLを、開口600に誘導することができる。また、切粉C、クーラントLのベース60前側への飛散が抑制されるため、チャック413の揺動速度を大きくすることができる。このため、より確実に、ワークWから切粉C、クーラントLを除去することができる。
図7に、清掃動作におけるチャックの速度パターンを示す。図7のパターンaのように、往動時において、チャック413(つまりワークW)を、まず始点αから緩加速し、次に定速移動させ、最後に急減速させることにより、終点βにチャック413を急停止させてもよい。続いて、復動時において、チャック413を、まず終点βから急加速し、次に定速移動させ、最後に緩減速させることにより、始点αにチャック413を緩停止させてもよい。
図7のパターンbのように、往動時において、チャック413を、まず始点αから緩加速し、次に急減速させることにより、終点βにチャック413を急停止させてもよい。続いて、復動時において、チャック413を、まず終点βから急加速し、次に緩減速させることにより、始点αにチャック413を緩停止させてもよい。
図7のパターンcのように、チャック413の加速度、減速度は一定でなくてもよい。このように、チャック413を急停止させる速度パターンは、特に限定しない。
また、図4(b)→図4(a)、図5(b)→図5(a)の復動時に、チャック413を、急発進させることにより、ワークWに慣性力を付与し、ワークWから切粉C、クーラントLを分離してもよい。
なお、本明細書において、「急停止」とは、図7の往動(始点α→終点β)に示すように、発進時の加速度(パターンcのように加速度が変化する場合は、加速度の最大値)の絶対値よりも、停止時の減速度(パターンcのように減速度が変化する場合は、減速度の最小値)の絶対値の方が、大きいことをいう。反対に、「急発進」とは、図7の復動(終点β→始点α)に示すように、停止時の減速度の絶対値よりも、発進時の加速度の絶対値の方が、大きいことをいう。チャック413を急停止、急発進させると、より大きな慣性力をワークWに与えることができる。このため、ワークWから切粉C、クーラントLを除去しやすくなる。
また、チャック413を、停止させずに加減速させることにより、ワークWに慣性力を付与し、ワークWから切粉C、クーラントLを除去してもよい。加速度により慣性力を加える場合は、絶対値で減速度を上回る加速度を、チャック413に加えればよい。反対に、減速度により慣性力を加える場合は、絶対値で加速度を上回る減速度を、チャック413に加えればよい。
また、清掃動作は特に限定しない。垂直面内における揺動(上下方向、前後方向)、水平面内における揺動(前後方向、左右方向)、直線動(上下動、前後動、左右動)、回転動(例えば、図4(a)、図4(b)に示す第二アーム412の先端部412aを第二アーム412の軸周りに回転させる動作)などであってもよい。また、複数の動作(揺動、直線動、回転動など)を適宜組み合わせてもよい。また、複数の動作を実行するタイミングは、同時でも、同時でなくてもよい。また、清掃動作におけるチャック413の移動距離は特に限定しない。例えば、図4(a)の傾斜角度θは、45°、90°120°180°などであってもよい。
また、図4(a)、図4(b)、図5(a)、図5(b)に示す清掃動作におけるチャック413の加速度、減速度は特に限定しない。例えば、チャック413の加速度の絶対値を、(A)往動(始点α→終点β)<復動(終点β→始点α)、または(B)復動<往動としてもよい。あるいは、チャック413の減速度の絶対値を、(C)往動<復動、または(D)復動<往動としてもよい。
(A)によると、主に復動時の加速により、ワークWから切粉C、クーラントLを除去することができる。(B)によると、主に往動時の加速により、ワークWから切粉C、クーラントLを除去することができる。(C)によると、主に復動時の減速により、ワークWから切粉C、クーラントLを除去することができる。(D)によると、主に往動時の減速により、ワークWから切粉C、クーラントLを除去することができる。
また、図4(a)、図4(b)、図5(a)、図5(b)に示す清掃動作においては、往動と復動とがセット(ペア)になっていなくてもよい。清掃動作は、往動単独でもよい。また、復動後にチャック413が始点αに復帰しなくてもよい。例えば、復動後にチャック413が始点αに到達していなくてもよい。また、復動後にチャック413が始点αを通り過ぎていてもよい。
また、除去対象となるワークWの付着物は特に限定しない。例えば、ゴミ、埃、錆、金属粉などであってもよい。また、図1に示す左側の工程間中継装置6に、右側の工程間中継装置6同様の清掃位置を設定してもよい。また、生産ラインに、工程間中継装置6を介して、複数の機械本体2が並んでいる場合、任意の機械本体2の下流側に隣接する工程間中継装置6に、当該機械本体2で加工されたワークWの清掃位置を設定してもよい。また、ワークWは、柱状、板状などであってもよい。
また、搬送ロボット41の通常のワークWの搬送作業の一環として、ワークWの清掃動作を実行してもよい。例えば、図5に示す加工後のワークWを主軸台20から取り出し、当該ワークWを図1に示す右側(下流側)の工程間中継装置6に渡す作業を想定する。当該作業中、清掃動作として、主軸台20からワークW付きのチャック413を上昇させる際、チャック413を急発進させてもよい。また、清掃動作として、ワークW付きのチャック413を右側の工程間中継装置6のベース60に下降させる際、チャック413を急停止させてもよい。こうすると、ワークWを搬送しながら清掃することができる。このため、ワークWの搬送作業に、搬送とは無関係の清掃動作を組み込む場合と比較して、ワークWの搬送および清掃に要する時間を短縮することができる。
工作機械の種類は特に限定しない。例えば、横型旋盤、正面旋盤、立型旋盤、フライス盤、ボール盤、ミーリングセル、マシニングセンタ、ターニングセンタなどとして、本発明の工作機械を具現化してもよい。
1:旋盤(工作機械) 2:機械本体 20:主軸台 200:本体 201:主軸 202:チャック 21:工具台 210:本体 211:タレット 212:ガイド部材 213:スライド 23:ベース 230:第一開口 230a:金網 231:第二開口 24:カバー 25:チップコンベア 250:コンベア駆動用モータ 26:回収室 3:制御装置 30:演算部 31:記憶部 32:入出力インターフェイス 4:ワーク搬送装置 40:走行台 400:支柱部 401:横梁部 41:搬送ロボット 410:本体 411:第一アーム 412:第二アーム 412a:先端部 413:チャック 414:ロボット走行用モータ 415:第一アーム回転用モータ 416:第二アーム揺動用モータ 417:第二アーム回転用モータ 6:工程間中継装置 60:ベース 600:開口 600a:金網 601:オイルパン 602:ガイド部材 61:トレイ θ:傾斜角度 A1:機内エリア(機内) A2:機外エリア(機外) C:切粉 L:クーラント T:工具 W:ワーク α:始点 β:終点

Claims (7)

  1. ワークを把持、解放可能なチャックを有し前記ワークを搬送する搬送ロボットを備え、前記チャックの速度変化を利用して、前記ワークから、前記ワークに付着した付着物を、所定の飛散方向に飛散させる清掃動作を実行するワーク搬送装置。
  2. 前記チャックの発進時の加速度の絶対値よりも、停止時の減速度の絶対値の方が、大きいことを、急停止とし、
    前記チャックの停止時の減速度の絶対値よりも、発進時の加速度の絶対値の方が、大きいことを、急発進として、
    前記速度変化は、前記急停止および前記急発進の少なくとも一方により、設定される請求項1に記載のワーク搬送装置。
  3. 前記速度変化は、揺動中の前記チャックの前記急停止により設定され、
    前記飛散方向は、前記チャックが停止した位置の揺動方向前側である請求項2に記載のワーク搬送装置。
  4. 前記速度変化は、下降中の前記チャックの前記急停止により設定され、
    前記飛散方向は、前記チャックが停止した位置の下側である請求項2に記載のワーク搬送装置。
  5. 前記清掃動作は、前記チャックを始点から終点まで移動させる往動と、前記チャックを前記終点から前記始点に向かう方向に移動させる復動と、からなり、
    前記往動の加減速度と前記復動の加減速度とは、以下の(A)ないし(D)のいずれかの関係を有する請求項1または請求項2に記載のワーク搬送装置。
    (A)前記チャックの加速度の絶対値は、前記往動よりも前記復動の方が大きい。
    (B)前記チャックの加速度の絶対値は、前記復動よりも前記往動の方が大きい。
    (C)前記チャックの減速度の絶対値は、前記往動よりも前記復動の方が大きい。
    (D)前記チャックの減速度の絶対値は、前記復動よりも前記往動の方が大きい。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のワーク搬送装置と、
    加工時に前記ワークが取り付けられる主軸台を有する機械本体と、
    を備える工作機械であって、
    前記付着物は、加工後の前記ワークに付着する切粉およびクーラントであり、
    前記ワーク搬送装置は、前記チャックが前記主軸台から加工後の前記ワークを受け取った後に、前記ワークから前記切粉および前記クーラントを所定の飛散方向に飛散させる前記清掃動作を実行する工作機械。
  7. 前記搬送ロボットが前記機械本体の機外から機内に向かう方向を外内方向、前記搬送ロボットが前記機械本体の機内から機外に向かう方向を内外方向として、
    前記搬送ロボットが内外方向への移動時に用いる加減速度の絶対値は、前記搬送ロボットが外内方向への移動時に用いる加減速度の絶対値よりも、小さい請求項6に記載の工作機械。
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