JP2017051460A - 内視鏡及び内視鏡補助具 - Google Patents

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博成 松本
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Abstract

【課題】先端から吸引した場合でも先端の視界を確保できる内視鏡及び内視鏡補助具を提供する。
【解決手段】本発明に係る内視鏡は、内視鏡本体と、前記内視鏡本体の先端部外周に設けられたリング部材とを有し、前記リング部材の外径が、前記内視鏡本体の外径の1.2〜4倍である。また、本発明に係る内視鏡補助具は、内視鏡本体の先端部外周に着脱自在な内視鏡補助具であって、前記内視鏡本体の先端部外周を覆う筒部材と、前記筒部材の外周に設けられたリング部材とを有し、前記リング部材の外径が、前記筒部材の内径の1.2〜4倍である。
【選択図】図1

Description

本発明は、特に大腸の内部を検査するのに好適な内視鏡、及びそれに装着可能な内視鏡補助具に関する。
<大腸内視鏡の開発の重要性と歴史、その課題>
大腸ガンや直腸ガン、その他炎症性腸疾患と呼ばれる潰瘍性大腸炎やクローン病は北欧人いわゆる西洋人に大変多く、実際に腸管の変化、疾患を観察することは西洋に於いては必須であった。20世紀末から21世紀へ入り、本邦でも大腸ガンや炎症性腸疾患は増え続け、大腸ガンはガン死のうち女性では第一位、男性では第三位を占めるに至った(2013年)。一方、大腸ガンの特徴とし早期に発見することにより完治が期待できる。それゆえ、容易に全大腸が観察できる全大腸内視鏡の開発は喫緊の課題である。
<大腸と食道・胃の解剖学的差異>
大腸は肛門から口側へ、小腸まで続く腹腔内臓器である。その特徴として、縮めると50から70cm伸ばせば200cmから300cmのアコーデオン蛇腹用の構造を持った、伸縮自在の管腔(中央に穴を持った)臓器である。そのため大腸粘膜最薄部では厚さは0.1mm以下となる。食道・胃は3mm、2mm程度の厚さを有し、食道・胃に比べ大変薄い粘膜であり、穿孔しやすい。しかし、実際のアコーデオンの蛇腹とは異なり短縮したからといって節の凹凸が激しく連なることはない。腸管壁全体が均等に縮む性質を持っている。食道・胃は口からほぼ直線状に続く管腔臓器であるが大腸は肛門・直腸と上向し続くS状結腸は多くの屈曲を持ち、あたかもとぐろを巻いているような構造を持つものが多い。食道・胃と大腸は管腔臓器であるという点を除いて、その役割、構造が大きく異なる。
<大腸内視鏡の困難性と危険性>
全大腸内視鏡検査は非常に困難なものであった。その最大の難所はS状結腸である。実際の大腸X線写真をもとにした標準的な大腸正面像を図5に示す。S状結腸が幾重にも屈曲しているのがわかる。なお、図中、Aは肛門、Bは臀部、C〜DはS状結腸、D〜Eは下行結腸、E〜Fは横行結腸、F〜Gは上行結腸、Hは小腸、Iは虫垂である。C〜D及びE〜Fは自由に動き回る部分(腸管自由移動部位)、D〜E及びF〜Gは固定されている部分(腸管固定部位)である。胃食道内視鏡は口、食道、胃とほぼ直線状に続いており、口外からスコープを押し込むことにより、その先端を容易に食道から胃へ進ませることができた。一方、大腸では肛門と直腸はほぼ固定されているがその口側、S状結腸は腹腔内で固定されておらず自由に動くことができる。しかも、同部は人によって1m以上に達する例もある。押し込むことにより肛門から挿入した内視鏡はS状結腸の途中をただ突き上げることとなってしまう。これを回避する方法として、一時期、口から飲ませた紐が肛門から排泄されるのを待ち、この肛門から出た紐先端を内視鏡に結び、この紐を口から引っ張り上げることにより大腸を観察する、という方法が試みられたことさえあった(ロープーウエー法)。
また、既述したように大腸粘膜は極端に薄く、腸管穿孔という事故はたびたびおこり300例から1000例に1回の穿孔が起こるとされている(IARCのデータ)。実際に本邦に於いても事故は頻繁に起こっており、過去には最悪の場合、死亡事故もあった。
<大腸内視鏡の開発の歴史>
現在用いられている大腸内視鏡は日本人によって発明、開発され、したがってその使用法である挿入法も日本人によって発明、開発された。
<直腸・S状結腸硬性鏡>
当初は肛門から硬性の10cm程度の直腸鏡、さらには硬性の30cm程度のS状結腸鏡を挿入することにより大腸の一部のみを、かなりの苦痛と危険性を伴いながら観察した。その状況を図6に示す。S状結腸の途中を激しく突き上げ、また穿孔の危険をともなう。
<S状結腸軟性鏡(ファイバースコープ)>
全大腸内視鏡(大腸すべてが観察可能な内視鏡)が発明される以前は、世界や日本には大腸の遠位端のみを観察するS状結腸鏡しかなく、これは上部消化管検査用のファイバースコープを流用した。その状況を図7に示す。スコープ最先端でS状結腸は図5と同様に鋭角に屈曲してしまう。すなわち、S状結腸のすべては観察できず、また穿孔の危険をともなう。
<全大腸内視鏡(二人法)>
しかし、この押し込むことによりS状結腸を突き上げてしまうという動作を変化させ、大腸の走行を体外からも制御しS状結腸が丸いループを作るように仕向け、突き上げずに円を描いて深部挿入させることができることが分かった。このため有効長1m前後の上部消化管内視鏡を改良し、有効長1.7m全挿入長2m弱の内視鏡が開発され全大腸の観察が可能となった。当初、内視鏡の操作挿入を、操作部を担当する者とスコープの挿入抜去などを担当する者の二人で行っていたため後に二人法と呼称された。この方法では、最小限の送気をし、常に視野を確保し大腸の管腔を捉えて進行方向を見すえ、それにそって内視鏡を押しながら挿入する。したがい、容易で確実な挿入が可能となるが、一方ループを作った腸管は最大限に伸長することとなり被験者に多大の苦痛を強いることもあった。その状況を図8に示す。スコープ先端が腸管を突きあげることはないが、ループを強制的に作っており腸管には多大な張力がかかり苦痛を強いている。
<スライディングチューブ>
その後すぐ、S状結腸で作ったループをスコープの回転と引き抜きなど、体内、体外からの制御により直線化して挿入することができ、被験者の苦痛が軽減できることも分かった。またスコープの直線化を維持する装置(スライディングチューブ)も発明された。また、当初はアルファー様の円を描いているかどうかを短時間のレントゲン照射で確かめながら検査が行われた。その状況を図9に示す。スコープを手前に引き出しながら軸を右回転させることによりS状結腸を略直線化し、S状結腸を吊り下げている腸間膜への過剰な張力、苦痛をへらす。また、S状結腸の再ループを防ぐ目的でスライディングチューブを挿入する。
<全大腸内視鏡(一人法)>
一方、二人法発明の後、ほどなくして、大腸内視鏡を一人で操作し先端の出し入れと先端の回転、アングル操作を微妙にコントロールすることにより、ループを作らずに、あるいは張力がかからないような小さなループをつくりS状結腸をクリアできることもわかった(一人法)。現在の日本ではこの一人で内視鏡を操作して挿入する方法が主流をしめている。このための内視鏡は有効長1.3m最大挿入長1.4mほどであり、二人法のスコープより40cmも短く、一人での取り扱いが容易になるよう設計されている。二人法と異なり、内視鏡のアングル操作部とスコープ挿入部を一人で同時操作することにより、挿入と先端の微細な動きを協調して行い、slide−by the mucosa technique、hooking the fold technique、right−turn shortening techniqueなど各種テクニックを用いて、なるべくループを形成せずに腸管に鋭角部位を作らず挿入していく。術者に多くの経験が必要とされる。その状況を図10に示す。S状結腸から下行結腸にある先端を左手の微妙なアングル操作と右手によるスコープのひねりを用い、屈曲したS状結腸を略直線化し、さらに先端を奥へ進めている。
<全大腸内視鏡(一人法)の発展型>
この一人法挿入法の発展型とし、大腸へは気体や液体を極力注入せず、あるいは残存している生理的なガス、残液さえも吸引する方法も提唱されている。スコープ先端のわずかな動きで腸管を引き込み畳み込み、2mの腸管をたぐりよせ、全長を最終的には70cm程度として盲腸までスコープを挿入する。この方法は柔らかいストッキングを履く作業にもたとえられる。ルーメン(管腔)を見つけ出し、わずかずつたぐりよせ進んでゆく、なるべく押し伸ばさないようにおこなう。しかし、大腸内視鏡先端の挿入方向は最低限、知る必要がある。そのためには、ある程度の送気・送水をして、管腔を広げる必要がある。この二律背反を回避するために、先端透明キャップ、内視鏡視野角の拡大、あるいはプップッと瞬間的に送気する、空気よりも腸管から吸収されやすい二酸化炭素を空気の代わりとして送気する、水を多量に用い重力を用いて腸管を引き下げ、視野を確保する方法など機種上やテクニック上での工夫がなされてきた。
従来から、内視鏡先端や内視鏡補助具の先端にバルーン様(球形の風船)物を装着し、その内部を充満させ膨らませ使用する装置はあった。これはバルーンを周囲の腸管に固定しスコープと腸管を安定させ、内視鏡を使った処置を容易にしたり、尺取虫のように腸管内を進む装置の一部として使われ、腸管を手前に引き寄せる作業をする目的に用いられていた。つまり、内視鏡の挿入自体を容易にするための装置ではなかったし、またその様な作業(挿入)はバルーンを膨張させて行うことは不可能である。
特許文献1及び2には、内視鏡前方に設けられた鉗子口を兼ねた吸引口から腸管内の空気を吸引して大腸内に陰圧を形成し、自由腸内壁を内視鏡に密着させて内視鏡を引き戻し、自由腸であるS状結腸部、横行結腸部を折り畳んで手前(肛門側)へ牽引し、自由腸を蛇腹状に折畳するようにして大腸内視鏡を挿入する検査方法に使用できる大腸内視鏡が記載されている。
特許文献3には、大腸内視鏡本体の先端部に設けられ、大腸内へ挿入された場合に大腸内へ陰圧を供給しうる陰圧供給部を有する大腸内視鏡であって、上記陰圧供給部は、上記大腸内視鏡本体の後端部方向に向かって拡開するテーパ状であって上記大腸内視鏡本体の側面部よりも外方へ膨出して形成され、大腸内視鏡後端部方向へ開口する陰圧供給孔部と、上記陰圧供給孔部を介して大腸内部に陰圧を供給する陰圧供給路部とを有し、大腸内部に挿入された場合には、上記陰圧供給路部から上記陰圧供給孔部を介して上記大腸内視鏡後端部方向に向かって陰圧を供給して大腸内部を減圧し、上記大腸内視鏡本体外側面部に大腸壁部を密着させうることを特徴とする大腸内視鏡が記載されている。
特許文献4には、医療用観察装置シャフトに用いるカバーであって、当該カバーは細長い管状部材を備えると共に、前記シャフトの遠位端部の長さの少なくとも一部に沿って延在して前記医療用観察装置シャフトに装着されるように構成され、前記管状部材は、少なくとも一部が前記医療用観察装置シャフトを把持し前記カバーを所定の位置に保持する内面と、先端部と基礎部を有する間隔を置いて配置された複数の突出要素を備える外面とを備え、前記突出要素は、前記医療用観察装置が挿入された体内通路の内腔内で広がって内腔壁を接触支持し、拡張するように、静止位置から、前記突出要素の前記先端部が前記医療用観察装置の長手方向軸に略平行となる位置へ及び前記医療用観察装置シャフトの前記長手方向軸に略直交する角度となる位置へ移動可能であることを特徴とするカバーが記載されている。
国際公開第94/10896号パンフレット 特開2002−125921号公報 特開2010−246号公報 特表2013−529958号公報
特許文献1〜3では、内視鏡先端にリング状の出っ張りをつけることが提唱されている。しかし、この吸引キャップはキャップ後方からの吸引を行い、陰圧を供給するためのものである。また、この吸引キャップは、現在まで生体や動物実験で確かめられたことはなく、さらに、市販のコロンモデルでも有効性は確かめられてはいない。
特許文献4では、トゲ状の突出を持った、内視鏡先端に取り付けるオーバーカフを有するカバーが発案されている。医療用観察処置におけるループを避ける方法、内視鏡の視覚化を向上させる方法(これは前記ループを避ける方法同様腸管を遠位端へ引き戻すことにより、襞裏の変化を観察しやすくする試み)、医療用観察処置の間先端位置の維持を向上させる方法である。トゲ状の突起は引くことによる腸管の固定性はバルーをしのぐと推察されるが、そのトゲ状の突起形状から生体をバルーンよりは傷付け易いと推察される。
さらに、特許文献1〜4に記載された大腸内視鏡を用いた場合、先端から吸引した状態では先端の視界が十分ではなく、内視鏡をさらに挿入させることが困難であった。
そこで、本発明は、先端から吸引した場合でも先端の視界を確保できる内視鏡及び内視鏡補助具を提供することを目的とする。
本発明は、内視鏡本体と、前記内視鏡本体の先端部外周に設けられたリング部材とを有し、前記リング部材の外径が、前記内視鏡本体の外径の1.2〜4倍である内視鏡である。
本発明は、内視鏡本体の先端部外周に着脱自在な内視鏡補助具であって、前記内視鏡本体の先端部外周を覆う筒部材と、前記外筒の外周に設けられリング部材とを有し、前記リング部材の外径が、前記筒部材の内径の1.2〜4倍である内視鏡補助具である。
本発明によれば、先端から吸引した場合でも先端の視界を確保できる内視鏡及び内視鏡補助具を提供することができる。
本発明に係る内視鏡の構成を示す模式的斜視図である。 内視鏡で大腸の内部を吸引したときの状態を示す模式的断面図であり、(a)は本発明に係る内視鏡を用いた場合の状態、(b)は従来の内視鏡を用いた場合の状態を示す。 本発明に係る内視鏡補助具を内視鏡本体に装着する様子を示す模式的斜視図である。 本発明に係る内視鏡により大腸を観察している状況を示す図である。 空気など気体を充満させて最大限に膨らませた実際の大腸X線写真をもとにした標準的な大腸の正面像である。 硬性直腸S状結腸鏡により大腸を観察している状況を示す図である。 軟性S状結腸鏡により大腸を観察している状況を示す図である。 全大腸内視鏡二人法(アルファーループ法)により大腸を観察している状況を示す図である。 スライディングチューブにより大腸を観察している状況を示す図である。 全大腸内視鏡一人法により大腸を観察している状況を示す図である。
人体内の管腔臓器の管腔内側の観察には多くの場合、内視鏡が使われる。内視鏡は観察目的部位まで到達させる必要がある。管腔内の目的部位まで到達させるための一つの方法に遠位端から押し込むという方法が使われる。またこの方法が現在の主流である。屈曲した管腔内へ内視鏡を挿入するためにはその視野を確保し、挿入方向を知る必要がある。視野は内視鏡レンズ前面に空間を確保することにより得られる。この空間の確保のためには気体や液体を用いて空間を充満させる方法が主に用いられてきた。一方、多量の気体や液体の充満は人体に不快感や危険をもたらす。本発明は、管腔臓器の張力を利用し、生理的範囲で強制的に管腔を拡大させることにより気体や液体を用いず視野を確保する試みである。
図1に、本発明に係る内視鏡の構成を示す模式的斜視図を示す。本発明に係る内視鏡11は、内視鏡本体1と、内視鏡本体1の先端部外周に設けられたリング部材2とを有する。そして、リング部材2の外径d2が、内視鏡本体1の外径d1の1.2〜4倍となっている。このような構成とすることで、先端から吸引した場合でも先端の視界を確保することができる。
ここで、本発明に係る内視鏡を用いた場合の効果発現メカニズムを、図2を用いて詳細に説明する。図2は、内視鏡で大腸の内部を吸引したときの状態を示す模式的断面図である。従来の内視鏡(内視鏡本体1の先端部外周にリング部材が設けられていない)を用いた場合、図2(b)に示すように、大腸20の内部を吸引した際に大腸20の内壁が吸い寄せられて内視鏡本体1にくっついてしまうため、内視鏡本体1の前方の視界が非常に狭くなる。それに対し、本発明に係る内視鏡を用いた場合は、図2(a)に示すように、内視鏡本体1の先端部外周に所定の大きさのリング部材2が設けられているため、大腸20の内部を吸引した際に大腸20の内壁はリング部材2で堰き止められ、内視鏡本体1の前方の視界が拡がる。
内視鏡本体1は、例えば、従来公知の内視鏡の構成とすることができる。すなわち、内視鏡本体1の先端面には、観察レンズ、ライトガイド、洗浄液(水など)や気体(空気や炭酸ガスなど)を噴出させるノズル、各種処置具が出入りする鉗子出口、空気を吸引する吸引口などが適宜配置されている。本発明では、特に、先端面に空気を吸引する吸引口が配置された内視鏡本体1を使用して先端から吸引する場合に好適な内視鏡を提供することを想定しているが、先端面に吸引口が存在しない内視鏡本体1を使用する場合にも適用可能である。
リング状部材2は、上記のように、内視鏡本体1の先端から吸引した際にも内視鏡本体1の視界を確保するために内視鏡本体1の先端部外周に形成されるものであり、その目的を達成できる限りにおいて、形状、大きさ、材質などを適宜選定することができる。
ただし、リング状部材2の外径をd2とし、内視鏡本体1の外径をd1としたとき、本発明では、d2/d1を1.2〜4の範囲に設定する。d2/d1を1.2以上とすることで、大腸の内部を吸引した際に大腸の内壁をリング部材で堰き止める効果が得られる。また、d2/d1を4以下とすることで、内視鏡を大腸の内部に挿入しやすくなる。d2/d1は、1.5〜3.5の範囲に設定することが好ましく、2〜3の範囲に設定することがより好ましい。
内視鏡本体1の外径は5〜15mm(特に大腸内視鏡の場合には10〜15mm)が一般的であることから、リング状部材2の外径は6〜60mm(特に大腸内視鏡の場合には12〜60mm)とすることが好ましく、7.5〜52.5mm(特に大腸内視鏡の場合には15〜52.5mm)とすることがより好ましく、10〜45mm(特に大腸内視鏡の場合には20〜45mm)とすることがさらに好ましい。リング状部材2の幅(厚さ)は、0.1〜20mmとすることが好ましく、0.3〜10mmとすることがより好ましく、0.5〜5mmとすることがさらに好ましく、0.7〜2mmとすることが特に好ましい。なお、リング状部材2の幅(厚さ)が位置によって異なる場合には、その最大幅(最大厚さ)を上記の範囲とすることが好ましい。
リング状部材2の外周縁は、目的に合わせて加工することが好ましい。例えば、通常の観察に用いる場合は、腸管を傷つけることを防止し、かつ挿入性を向上させるため、リング状部材2の外周縁にRを付けることができる(図2(a)参照)。また、処置に用いる場合は、腸管壁を安全に保持するため、腸管収縮に対する保持材をリング状部材2の外周縁に設置することができる。保持材の断面形状は、矩形、三角形、略楕円形などが挙げられる。
リング状部材2の材質は、観察する部位や目的に合わせて適宜選択することができるが、リング状部材2は、ゴム製であることが好ましい。リング状部材2がゴム製であれば、内視鏡を大腸の内部に挿入したり取り出したりする際に、リング状部材2が傘のように折りたたまれて、挿入や取り出しが容易になり、患者への負担が少なくなる。ゴムとしては、例えばシリコーンゴムを用いることができる。
また、リング状部材2の可塑性や弾性も、観察する部位や目的に合わせて適宜選択することができる。例えば、食道の観察に使用する場合は堅い材質でリング状部材2を形成することができ、小腸の観察に用いる場合は柔らかい材質でリング状部材2を形成することができる。また、例えば、外周側は柔らかく内周側は堅くするといったように、目的に合わせてリング状部材2の位置によって弾性を変化させてもよい。
特に、リング状部材2は、前後2種類の弾性度の異なる2枚の板を貼り合わせた合板とすることができる。リング状部材2を構成する2枚の板(前板、後板)の弾性度の相違により、挿入時には小さく畳まれ(すぼみ)、一方引き抜き時には適切なやや大きな直径を持たせることができる。リング状部材2として表面と裏面で剛性を変化させた1枚の板を用いることで、同様の効果を持たせてもよい。また、リング状部材2の間に空間をつくり、外部から流体を供給することにより、リング状部材2の表面側と裏面側の曲率を挿入時・抜去時に最適に変化させることができるものとしてもよい。また、リング状部材の根本取付け部に剛性を適切に持たせた接合剤を用い、ヒンジ様の作用を担わせることで、上記の作用を発現させてもよい。リング状部材に適切な放射状切り込みを入れ、挿入時にはより畳まれやすくすることもできる。
リング状部材2の色も、観察する部位や目的に合わせて適宜選択することができる。例えば、一般観察用途の場合はリング状部材2を透明から白色系の色とすることができ、写真撮影用途の場合はリング状部材2を黒色とすることができる。また、光量が必要な場合には、リング状部材2全体をライトガイドとして発光させることも有効である。
リング状部材2の位置は、図1に示すように内視鏡本体1の最先端外周でもよく、内視鏡本体1の最先端外周より少し後方であってもよい。リング状部材2の最前面の位置は、内視鏡本体1の先端面から0〜10mmの位置とすることが好ましく、1〜5mmの位置とすることもできる。
本発明に係る内視鏡は、リング部材2の外径を変える機構をさらに有することが好ましい。こうすることで、例えば、内視鏡を大腸の内部に挿入したり取り出したりする際にはリング部材2の外径を小さくするとともに、大腸の内部を吸引する際にはリング部材2の外径を大きくするといった使い方をすることができる。リング部材2の外径を変える機構としては、リング部材2の内部を空洞にしてそこに空気を送り込むことでバルーンのように膨らませる機構などが挙げられる。
リング部材2は、内視鏡本体1と一体に形成されていてもよいが、内視鏡本体1の先端部外周に着脱自在なものであってもよく、例えば、内視鏡本体1の先端部外周に着脱自在な内視鏡補助具の外周に設けられていてもよい。
本発明に係る内視鏡補助具12は、その模式的斜視図を図3に示すように、内視鏡本体1の先端部外周を覆う筒部材3と、筒部材3の外周に設けられたリング部材2とを有する。そして、内視鏡補助具12の筒部材3に内視鏡本体1を挿入することで、内視鏡本体1の先端部外周に設置することができ、また容易に取り外すこともできる。
この場合、リング状部材2の外径をd2とし、筒部材3の外径をd3としたとき、d2/d3を1.2〜4の範囲に設定することになる。その他の構成については、本発明に係る内視鏡と同様とすることができる。
筒部材3は、例えばプラスチック製やゴム製とすることができる。リング部材2は、筒部材3と一体に形成されていてもよく、分離可能な状態で形成されていてもよい。なお、図3では、筒部材3の幅がリング部材2の幅より大きくなっているが、筒部材3の幅とリング部材2の幅は同じでもよい。外径がd2で内径がd3のリング部材2を形成し、その内径に近い部分を筒部材3としてもよい。
なお、この実施形態は、現在よく使われている「透明先端キャップ」に円盤状の先端をつけたものに相当する。それゆえに、これまでの先端キャップと同様に、容易に使用することができ、大腸内視鏡検査の簡易化が期待できる。
以上のような本発明によれば、先端から吸引した場合でも先端の視界を確保することができ、内視鏡をさらに挿入させる際の危険度を低下させることが可能となる。
全大腸内視鏡の最終的な挿入長は日本人の場合80cm以下である。送気や注水により進むべき管腔を見つけ出す必要がなく、さらに自然貯留している腸管残液や気体までも吸引してしまい、襞をかき分け手前に引き込み畳み込みながらスコープが挿入できれば、穿孔の心配はなく、また腸間膜に張力もかからず患者にとって優しい挿入法となる(松本式引き込み畳み込み大腸内視鏡(登録商標))。また、この方法によれば、下行結腸、横行結腸、上行結腸でも、引き込み畳み込み大腸内視鏡が可能となる。大腸内視鏡にとって最難関であるS状結腸のクリア(安全、苦痛のない通過)に重点を置くのは当然である。しかし、肝彎曲部もクリアするのが大変難しい症例がある。最難関のS状結腸をクリアした後、前方が見渡せ、比較的易しく挿入できる横行結腸を、管腔を保ったまま(気体を満たした状態のまま)押し進め、押し込むことで肝彎曲部の屈曲が強くなるためと考えられる。本発明に係る内視鏡を用いることで、図4に示すように、横行結腸をも完全に虚脱した状態で引き込み畳み込むことができる。
なお、本発明は、無送気で大腸内視鏡挿入時の視界確保を主目的とするが、例えば、外気と通じているため気体が漏れ出てしまって視界を確保できない食道の観察、特に、5mm細径経鼻内視鏡での食道内腔粘膜の観察、腸管の蠕動による内視鏡自体の推進力を得るために先端付近にバルーンを取り付けた経口式小腸内視鏡など、送気や気体充満による観察が不可能な管腔部位での管腔内面の観察のための視界確保を可能にする。また、内視鏡処置には、管腔内側に処置空間及び視界が必要である。一般には、気体や液体を貯留させることにより、つまり同部位を陽圧にすることにより処置空間を確保している。しかし、本発明を適用することにより、陽圧にすることなく処置空間を確保することができる。
1 内視鏡本体
2 リング部材
3 筒部材
11 内視鏡
12 内視鏡補助具
20 大腸
d1 内視鏡本体の外径
d2 リング部材の外径
d3 筒部材の内径

Claims (7)

  1. 内視鏡本体と、
    前記内視鏡本体の先端部外周に設けられたリング部材と
    を有し、
    前記リング部材の外径が、前記内視鏡本体の外径の1.2〜4倍である内視鏡。
  2. 前記リング部材が、ゴム製である請求項1に記載の内視鏡。
  3. 前記リング部材の外径を変える機構をさらに有する請求項1又は2に記載の内視鏡。
  4. 前記リング部材は、前記内視鏡本体の先端部外周に着脱自在な内視鏡補助具の外周に設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の内視鏡。
  5. 内視鏡本体の先端部外周に着脱自在な内視鏡補助具であって、
    前記内視鏡本体の先端部外周を覆う筒部材と、
    前記筒部材の外周に設けられたリング部材と
    を有し、
    前記リング部材の外径が、前記筒部材の内径の1.2〜4倍である内視鏡補助具。
  6. 前記リング部材が、ゴム製である請求項5に記載の内視鏡補助具。
  7. 前記リング部材の外径を変える機構をさらに有する請求項5又は6に記載の内視鏡補助具。
JP2015178204A 2015-09-10 2015-09-10 内視鏡及び内視鏡補助具 Pending JP2017051460A (ja)

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