JP2017051199A - ペプチド特異的免疫の評価のための方法 - Google Patents

ペプチド特異的免疫の評価のための方法 Download PDF

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Abstract

【課題】対象の抗原特異的免疫の評価を可能とする方法の提供。
【解決手段】所定の工程を含む、特定の抗原に対する細胞性免疫を持つ対象を識別するための方法。
【選択図】図1B

Description

関連出願
本出願は、その全開示事項が参照により本明細書に組み込まれる2012年9月6日出願の米国特許仮出願第61/697,591号の利益を主張するものである。
本開示のいくつかの実施形態は、対象のT細胞免疫機能の評価のための方法に関する。より詳細には、本開示のいくつかの実施形態は、対象のペプチド特異的T細胞免疫の生体外評価、および/または対象に実施されているペプチドワクチン療法のモニタリングに関する。
免疫系は、病原体を識別および除去、またはそうでなければ阻害することによってホストを疾患および/または感染から保護するために作用する様々なタンパク質、細胞、組織、ならびに関連するプロセスの一式を含む。これを達成するために、免疫系の重要な機能は、外来性の細胞または病原体を内在性の細胞から区別すること、例えば、「自己」と「非自己」とを区別することである。加えて、免疫系の特定の細胞は、ホストが過去に暴露された病原体を識別するように機能し、それによって、免疫系の応答時間、およびホストの予後が改善される。
体液性免疫は、患者からの血清サンプル中のIgG力価を測定することによって評価することができるが、細胞性免疫については、本明細書で開示される方法まで、対応する簡便な診断法は存在しなかった。本明細書で開示される多くの利点の中でも、特定の抗原に対して向けられる細胞性免疫についての生体外診断は、対象の抗原特異的免疫の評価を可能とするものであり、それによって、対象の健康全体のために特に適応され、情報に基づいた決断を下すことが可能となる(例:治療を行うかもしくは行わないか、またはどのような治療が成功する可能性が高いか)。
従って、特定の抗原に対する細胞性免疫を持つ対象を識別するための方法が本明細書で提供され、その方法は、対象から第一の血液サンプルおよび第二の血液サンプルを採取すること、特定の抗原から得られたペプチドに第一の血液サンプルを暴露すること、ならびに溶媒単独に第二の血液サンプルを暴露すること、第一および第二の全血サンプル中での1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルを定量すること、ならびに1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現が、第二のサンプルと比較して、第一のサンプル中にて増加される場合、対象を特定の抗原に対して細胞性免疫を持つとして識別し;または1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現が、第二のサンプルと比較して、第一のサンプル中にて実質的に類似している場合、対象を特定の抗原に対して細胞性免疫を持たないとして識別することを含む。
いくつかの実施形態では、血液サンプルは、全血サンプルである。いくつかの実施形態では、目的の特定の抗原から得られたペプチドが、溶媒に溶解され、この場合、第二の血液サンプルは(同じ条件下にて)、ペプチドなしで溶媒に暴露される。
いくつかの実施形態では、定量は、第一の血液サンプルおよび第二の血液サンプルの各々から単離されたRNAに、プライマーおよび逆転写酵素を添加して、相補DNA(cDNA)を作り出すこと、およびcDNAを、1つ以上のT細胞機能関連マーカーに特異的であるセンスおよびアンチセンスプライマー、DNAポリメラーゼと接触させて、増幅さ
れたDNAを作り出すことを含む方法によって実施される。いくつかの実施形態では、T細胞機能関連マーカーは、CD25、FoxP3、CTLA4、GARP、IL17、アルギナーゼ、PD−1、PDL1、およびグランザイムBのうちの1つ以上を含む。加えて、マーカーは、GMCSF、インターフェロンガンマ、TNFSF2、CXCL10、CCL4、IL2、IL4、IL10、CTLA4、CCL2、およびCXCL3のうちの1つ以上を含んでよい。
いくつかの実施形態では、方法は、対象が特定の抗原に対する細胞性免疫を持つ(または持たない)ことに従って対象を治療することをさらに含む。
また、本明細書にて、対象のペプチド特異的T細胞機能を特徴付ける方法も提供され、その方法は、対象から第一の全血サンプルおよび第二の全血サンプルを採取すること、抗原から得られたペプチドを含む溶媒に第一の全血サンプルを暴露すること、溶媒単独に第二の全血サンプルを暴露すること、ならびに第一および第二の血液サンプル中での1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルを定量することを含む方法であり、第一の全血サンプル中の1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルが、第二の全血サンプルと比較して大きい場合、対象が抗原に対する細胞性免疫を持つことを示し、第一の全血サンプル中の1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルが、第二の全血サンプルと比較した場合の発現レベルと大きく異なってはいない場合、対象が抗原に対する細胞性免疫を持たないことを示す方法である。
いくつかの実施形態では、定量は、第一の全血サンプルおよび第二の全血サンプルの各々から単離されたRNAに、プライマーおよび逆転写酵素を添加して、相補DNA(cDNA)を作り出すこと、およびcDNAを、CD25、FoxP3、CTLA4、GARP、IL17、アルギナーゼ、PD−1、PDL1、およびグランザイムBから成る群より選択される1つ以上のT細胞機能関連マーカーに特異的であるセンスおよびアンチセンスプライマー、ならびにDNAポリメラーゼと接触させて、増幅されたDNAを作り出すことを含む方法によって実施される。加えて、この方法は、所望に応じて、cDNAを、DNAポリメラーゼ、ならびにGMCSF、インターフェロンガンマ、TNFSF2、CXCL10、CCL4、IL2、IL4、IL10、CCL2、およびCXCL3から成る群より選択される1つ以上のT細胞機能関連マーカーに特異的であるセンスおよびアンチセンスプライマーと接触させることをさらに含んでよい。
いくつかの実施形態では、方法は、対象のペプチド特異的T細胞機能の特徴付けに基づいて対象を治療することをさらに含む。
ペプチド特異的療法の有効性の可能性を特定するための方法も提供され、その方法は、第一および第二の血液サンプルを対象から採取すること、ペプチド特異的療法が向けられることになるペプチド抗原を含む溶媒に第一の血液サンプルを暴露すること、溶媒単独に第二の血液サンプルを暴露すること、第一および第二の血液サンプル中における(i)細胞傷害性T細胞もしくは細胞傷害性T細胞機能、または(ii)T−regおよび/もしくはMDSC、またはT−reg機能マーカーおよび/もしくはMDSC機能マーカーのいずれかに関連する1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルを、(i)第一の全血サンプルおよび第二の全血サンプルの各々から単離されたRNAに、プライマーおよび逆転写酵素を添加して、相補DNA(cDNA)を作り出すこと、およびcDNAを、CD25、FoxP3、CTLA4、GARP、IL17、アルギナーゼ、PD−1、PDL1、およびグランザイムBから成る群より選択される1つ以上のT細胞機能関連マーカーに特異的であるセンスおよびアンチセンスプライマー、ならびにDNAポリメラーゼと接触させて、増幅されたDNAを作り出すことを含む方法によって定量すること;ならびにT細胞機能関連マーカーが、細胞傷害性T細胞もしくは細胞傷害性T細胞機能と関連し
、およびT細胞機能関連マーカーの発現が、第二のサンプルと比較して、第一のサンプル中にて増加される場合、ペプチド特異的療法の有効性の可能性が増加されたと識別すること;または(a)T細胞機能関連マーカーが、T−regおよび/もしくはMDSC、またはT−reg機能および/もしくはMDSC機能と関連し、およびT細胞機能関連マーカーの発現が、第二のサンプルと比較して、第一のサンプル中にて増加される場合、もしくは(b)T細胞機能関連マーカーが、細胞傷害性T細胞もしくは細胞傷害性T細胞機能と関連し、およびT細胞機能関連マーカーの発現が、第二のサンプルと比較して、第一のサンプル中にて実質的に類似している場合、ペプチド特異的療法の有効性の可能性が減少されたと識別することを含む。
ワクチンの継続的な有効性をモニタリングするための方法も加えて提供され、その方法は、第一および第二の血液サンプルを、対象が目的の抗原に暴露される前に対象から採取すること、目的の抗原から得られたペプチドを含む溶媒に第一の血液サンプルを暴露すること、溶媒単独に第二の血液サンプルを暴露すること、第一および第二の血液サンプル中における1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルを、(i)第一の全血サンプルおよび第二の全血サンプルの各々から単離されたRNAに、プライマーおよび逆転写酵素を添加して、相補DNA(cDNA)を作り出すこと、および(ii)cDNAを、CD25、FoxP3、CTLA4、GARP、IL17、アルギナーゼ、PD−1、PDL1、およびグランザイムBから成る群より選択される1つ以上のT細胞機能関連マーカーに特異的であるセンスおよびアンチセンスプライマー、ならびにDNAポリメラーゼと接触させて、増幅されたDNAを作り出すことを含む方法によって定量すること、目的の抗原に対して向けられたワクチンが対象に投与された後に対象から第三および第四の血液サンプルを採取すること、目的の抗原から得られたペプチドを含む溶媒に第三の血液サンプルを暴露すること、溶媒単独に第四の血液サンプルを暴露すること、第三および第四の血液サンプル中における1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルを、(i)第一の全血サンプルおよび第二の全血サンプルの各々から単離されたRNAに、プライマーおよび逆転写酵素を添加して、相補DNA(cDNA)を作り出すこと、および(ii)cDNAを、CD25、FoxP3、CTLA4、GARP、IL17、アルギナーゼ、PD−1、PDL1、およびグランザイムBから成る群より選択される1つ以上のT細胞機能関連マーカーに特異的であるセンスおよびアンチセンスプライマー、ならびにDNAポリメラーゼと接触させて、増幅されたDNAを作り出すことを含む方法によって定量すること、所望に応じて、第三および第四の血液サンプル中における1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルを、第一および第二の血液サンプル中における1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルに基づいて標準化すること;ならびにT細胞機能関連マーカーの発現が、第一のサンプルと比較して、第三のサンプル中にて増加される場合、ワクチンの有効性が維持された、もしくは増加されたと識別すること;またはT細胞機能関連マーカーの発現が、第一のサンプルと比較して、第三のサンプル中にて減少される場合、ワクチンの有効性が減少されたと識別することを含む。
細胞性免疫のバイオマーカーを識別するための方法も提供され、その方法は、既知抗原から得られたペプチドを含む溶媒に血液サンプルの第一の部分を暴露すること、溶媒単独に血液サンプルの第二の部分を暴露すること、第一および第二の部分における1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルを、(i)第一の全血サンプルおよび第二の全血サンプルの各々から単離されたRNAに、プライマーおよび逆転写酵素を添加して、相補DNA(cDNA)を作り出すこと、および(ii)cDNAを、CD25、FoxP3、CTLA4、GARP、IL17、アルギナーゼ、PD−1、PDL1、およびグランザイムBから成る群より選択される1つ以上のT細胞機能関連マーカーに特異的であるセンスおよびアンチセンスプライマー、ならびにDNAポリメラーゼと接触させて、増幅されたDNAを作り出すことを含む方法によって定量すること;ならびにT細胞機能関連マーカーの発現が、第二のサンプルと比較して、第一のサンプル中にて増加される場合、また
はT細胞機能関連マーカーの発現が、第二のサンプルと比較して、第一のサンプル中にて減少される場合、細胞性免疫のバイオマーカーを識別することを含む。
加えて、本明細書にて、ペプチド特異的療法の有効性の可能性を特定するための方法も提供され、その方法は、第一および第二の血液サンプルを対象から採取すること、ペプチド特異的療法が向けられることになるペプチド抗原を含む溶媒に第一の血液サンプルを暴露すること、溶媒単独に第二の血液サンプルを暴露すること、第一および第二の血液サンプル中における1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルの定量であって、1つ以上のT細胞機能関連マーカーは、(i)細胞傷害性T細胞もしくは細胞傷害性T細胞機能、または(ii)T−regおよび/もしくはMDSC、またはT−reg機能および/もしくはMDSC機能のいずれかに関連するものである、定量;T細胞機能関連マーカーが、細胞傷害性T細胞もしくは細胞傷害性T細胞機能と関連し、およびT細胞機能関連マーカーの発現が、第二のサンプルと比較して、第一のサンプル中にて増加される場合、ペプチド特異的療法の有効性の可能性が増加されたと識別すること;または(a)T細胞機能関連マーカーが、T−regおよび/もしくはMDSC、またはT−reg機能および/もしくはMDSC機能と関連し、およびT細胞機能関連マーカーの発現が、第二のサンプルと比較して、第一のサンプル中にて増加される場合、もしくは(b)T細胞機能関連マーカーが、細胞傷害性T細胞もしくは細胞傷害性T細胞機能と関連し、およびT細胞機能関連マーカーの発現が、第二のサンプルと比較して、第一のサンプル中にて実質的に類似している場合、ペプチド特異的療法の有効性の可能性が減少されたと識別することを含む。ある実施形態では、有効性の可能性の増加は、特定のT細胞機能関連マーカーの発現が減少される場合に見られる。例えば、いくつかの実施形態では、ペプチド特異的療法の有効性の可能性の増加は、T細胞機能関連マーカーが、細胞傷害性T細胞もしくは細胞傷害性T細胞機能と関連し、および前記T細胞機能関連マーカーの発現が、前記第二のサンプルと比較して、前記第一のサンプル中にて減少される場合に識別される。同様に、特定の実施形態では、有効性の可能性の減少は、T細胞機能関連マーカーが、T−regおよび/もしくはMDSC、またはT−reg機能および/もしくはMDSC機能に関連し、および前記T細胞機能関連マーカーの発現が、前記第二のサンプルと比較して、前記第一のサンプル中にて減少される場合、またはT細胞機能関連マーカーが、細胞傷害性T細胞もしくは細胞傷害性T細胞機能と関連し、および前記T細胞機能関連マーカーの発現が、前記第二のサンプルと比較して、前記第一のサンプル中にて実質的に類似する場合に識別され得る。
本明細書で用いられる場合、「増加される」の用語は、その通常の意味が与えられるものとし、また、約5%超、約10%超、約15%超、約20%超、約25%超、約50%超、またはそれ以上の発現の増加も意味するものとする。同様に、本明細書で用いられる場合、「減少される」の用語は、その通常の意味が与えられるものとし、また、約5%超、約10%超、約15%超、約20%超、約25%超、約50%超、またはそれ以上の発現の減少も意味するものとする。ある実施形態では、増加は、発現の統計的に有意である増加を意味する(例:本技術分野で確立された統計分析に基づいてp<0.05)。ある実施形態では、減少は、発現の統計的に有意である減少を意味する(例:本技術分野で確立された統計分析に基づいてp<0.05)。
また、いくつかの実施形態では、自己免疫疾患の治療に有効であるペプチド特異的療法を識別するための方法も提供され、その方法は、自己免疫疾患のリスクを有するか、または自己免疫疾患に罹患している対象から血液サンプルを採取すること、ペプチド特異的療法に関連する特定のペプチドを含む溶媒に血液サンプルの第一の部分を暴露すること、溶媒単独に血液サンプルの第二の部分を暴露すること、血液サンプルの第一および第二の部分における、自己限定性免疫機能(self-limiting immune function)と関連する1つ以
上のmRNAの発現レベルを定量すること、ならびに血液サンプルの第二の部分と比較し
て、血液サンプルの第一の部分における発現レベルの方が多い場合、ペプチド特異的療法が有効である可能性が高いと判断することを含む。
いくつかの実施形態では、ワクチンの継続的な有効性をモニタリングするための方法が提供され、その方法は、第一および第二の血液サンプルを、対象が目的の抗原に暴露される前に対象から採取すること、目的の抗原から得られたペプチドを含む溶媒に第一の血液サンプルを暴露すること、溶媒単独に第二の血液サンプルを暴露すること、第一および第二の血液サンプル中における1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルを定量すること、目的の抗原に対して向けられるワクチンを対象へ投与すること、投与後に第三および第四の血液サンプルを対象から採取すること、目的の抗原から得られたペプチドを含む溶媒に第三の血液サンプルを暴露すること、溶媒単独に第四の血液サンプルを暴露すること、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法(RT−PCR)、リアルタイムRT−PCR、ノーザンブロッティング、マイクロアレイ遺伝子分析、デジタルPCR、RNAシークエンシング、ナノプレックスハイブリダイゼーション、蛍光励起セルソーティング、ELISA、質量分析、およびウェスタンブロッティングから成る群より選択される方法を用いることなどにより、第三および第四の血液サンプル中における1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルを定量すること、第三および第四の血液サンプル中における1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルを、第一および第二の血液サンプル中における1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルに基づいて標準化すること、ならびにT細胞機能関連マーカーの発現が、第一のサンプルと比較して、第三のサンプル中にて増加される場合、ワクチンの有効性が維持された、もしくは増加されたと識別すること、またはT細胞機能関連マーカーの発現が、第一のサンプルと比較して、第三のサンプル中にて減少される場合、ワクチンの有効性が減少されたと識別することを含む。
追加の実施形態では、特定の抗原に対する細胞性免疫を持つ対象を識別するための方法が提供され、その方法は、対象から第一および第二の血液サンプルを採取すること、特定の抗原から得られたペプチドを含む溶媒に第一の血液サンプルを暴露すること、溶媒単独に第二の血液サンプルを暴露すること、第一および第二の血液サンプル中での1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルを定量すること、ならびにT細胞機能関連マーカーの発現が、第二のサンプルと比較して、第一のサンプル中にて増加される場合、対象を特定の抗原に対して細胞性免疫を持つとして識別すること、またはT細胞機能関連マーカーの発現が、第二のサンプルと比較して、第一のサンプル中にて実質的に類似している場合、対象を特定の抗原に対して細胞性免疫を持たないとして識別することを含む。
さらに、対象のペプチド特異的T細胞機能を特徴付ける方法が提供され、その方法は、対象から第一および第二の血液サンプルを採取すること、抗原から得られたペプチドを含む溶媒に第一の血液サンプルを暴露すること、溶媒単独に第二の血液サンプルを暴露すること、第一および第二の血液サンプル中での1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルを定量することを含む方法であって、第一のサンプル中の1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルが、第二のサンプルと比較して大きい場合、対象が抗原に対する細胞性免疫を持つことを示し、第一のサンプル中の1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルが、第二のサンプルと比較した場合の発現レベルと大きく異なってはいない場合、対象が抗原に対する細胞性免疫を持たないことを示す方法である。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、細胞性免疫のバイオマーカーを識別することを可能とするものであり、その方法は、既知抗原から得られたペプチドを含む溶媒に血液サンプルの第一の部分を暴露すること、溶媒単独に血液サンプルの第二の部分を暴露すること、第一および第二の部分における1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルを定量すること、ならびにT細胞機能関連マーカーの発現が、第二のサンプルと比較して、第一のサンプル中にて増加される場合、細胞性免疫のバイオマーカーを識
別することを含む。
いくつかの実施形態では、定量は、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法(RT−PCR)、リアルタイムRT−PCR、ノーザンブロッティング、マイクロアレイ遺伝子分析、デジタルPCR、RNAシークエンシング、ナノプレックスハイブリダイゼーション、蛍光励起セルソーティング、ELISA、質量分析、およびウェスタンブロッティングなどの方法を用いて行われる。また、実施形態に応じて、定量的画像処理技術、免疫組織化学的方法、免疫沈降法などのその他の方法が、T細胞機能のマーカーの定量に用いられてもよい。
いくつかの実施形態では、ペプチド特異的T細胞機能は、癌性病状、自己免疫性病状、ウィルス感染、細菌感染、真菌感染、酵母感染、プリオンに起因する感染、および寄生虫に起因する感染のうちの1つ以上に対して向けられるT細胞活性に関する。いくつかの実施形態では、1つ以上のT細胞機能関連マーカーは、GMCSF、インターフェロンガンマ、TNFSF2、CXCL10、CCL4、IL2、IL4、IL10、CTLA4、CCL2、CXCL3、CD25、FoxP3、CTLA4、GARP、IL17、およびアルギナーゼから成る群より選択される。実施形態に応じて、T細胞機能マーカーに加えて、またはその代わりに、アクセサリー免疫機能に関連するその他のマーカーも定量される。加えて、所望に応じて、単一のマーカーまたは一式のマーカーではなく、免疫機能に関連する種々の経路の評価も、本明細書で開示される方法に従って評価されてよい(例:特定の経路の全体または一部が評価されてよい)。
いくつかの実施形態では、溶媒への暴露前、全血サンプルは未処理であるが、いくつかの実施形態では、全血サンプルは、抗凝固剤で処理される。いくつかの実施形態では、抗凝固剤は、ヘパリンを含む。実施形態に応じて、その他の抗凝固剤(例:クエン酸塩)が用いられてもよい。
いくつかの実施形態では、サンプルは、生理学的温度にほぼ等しい温度で、ペプチドに暴露される。例えば、いくつかの実施形態では、暴露は、約30℃から約42℃の温度で実施される。いくつかの実施形態では、暴露は、約37℃の温度で実施される。暴露の継続時間は、実施形態に応じて様々であってよい(例えば、ペプチドの相対的抗原性に基づいて)。いくつかの実施形態では、暴露は、約8時間未満の時間の長さにわたって実施される。いくつかの実施形態では、時間の長さは、約1から約4時間である。他の実施形態では、これよりも長いまたは短い継続時間が用いられてよい。
ペプチド療法の潜在的有効性の特定、自己免疫疾患を治療するためのペプチド特異的療法の識別、ワクチンの継続的な有効性のモニタリング、特定の抗原に対する細胞性免疫を持つ対象の識別、対象のペプチド特異的T細胞機能の特徴付け、および/または細胞性免疫のバイオマーカーの識別を可能とすることに加えて、本明細書で述べる方法はまた、実施形態に応じて、以下のうちの1つ以上も可能とするものである:医療専門家が、ペプチド系または非ペプチド系療法を推奨することを可能とすること、特定の患者にとってペプチド療法が適切であるかどうかについての推奨を、医療専門家が行うことを可能とすること、治療法を必要とする対象が特定のペプチド系療法を受けるようにアドバイスすることを可能とすること、ならびに対象のT細胞免疫機能に基づいて対象を治療する方法。
図1A〜1Lは、コントロール剤またはウィルスペプチドのプールによる 刺激に応答しての、種々の免疫関連mRNAの誘導を示す。 図1A〜1Lは、コントロール剤またはウィルスペプチドのプールによる 刺激に応答しての、種々の免疫関連mRNAの誘導を示す。 図1A〜1Lは、コントロール剤またはウィルスペプチドのプールによる 刺激に応答しての、種々の免疫関連mRNAの誘導を示す。 図1A〜1Lは、コントロール剤またはウィルスペプチドのプールによる 刺激に応答しての、種々の免疫関連mRNAの誘導を示す。 図1A〜1Lは、コントロール剤またはウィルスペプチドのプールによる 刺激に応答しての、種々の免疫関連mRNAの誘導を示す。 図1A〜1Lは、コントロール剤またはウィルスペプチドのプールによる 刺激に応答しての、種々の免疫関連mRNAの誘導を示す。 図1A〜1Lは、コントロール剤またはウィルスペプチドのプールによる 刺激に応答しての、種々の免疫関連mRNAの誘導を示す。 図1A〜1Lは、コントロール剤またはウィルスペプチドのプールによる 刺激に応答しての、種々の免疫関連mRNAの誘導を示す。 図1A〜1Lは、コントロール剤またはウィルスペプチドのプールによる 刺激に応答しての、種々の免疫関連mRNAの誘導を示す。 図1A〜1Lは、コントロール剤またはウィルスペプチドのプールによる 刺激に応答しての、種々の免疫関連mRNAの誘導を示す。 図1A〜1Lは、コントロール剤またはウィルスペプチドのプールによる 刺激に応答しての、種々の免疫関連mRNAの誘導を示す。 図1A〜1Lは、コントロール剤またはウィルスペプチドのプールによる 刺激に応答しての、種々の免疫関連mRNAの誘導を示す。 図2A〜2Iは、フィトヘマグルチニン(PHA)と比較した、ウィルスペプチドのプールによるmRNA誘導の反応速度を示す。 図2A〜2Iは、フィトヘマグルチニン(PHA)と比較した、ウィルスペプチドのプールによるmRNA誘導の反応速度を示す。 図2A〜2Iは、フィトヘマグルチニン(PHA)と比較した、ウィルスペプチドのプールによるmRNA誘導の反応速度を示す。 図2A〜2Iは、フィトヘマグルチニン(PHA)と比較した、ウィルスペプチドのプールによるmRNA誘導の反応速度を示す。 図2A〜2Iは、フィトヘマグルチニン(PHA)と比較した、ウィルスペプチドのプールによるmRNA誘導の反応速度を示す。 図2A〜2Iは、フィトヘマグルチニン(PHA)と比較した、ウィルスペプチドのプールによるmRNA誘導の反応速度を示す。 図2A〜2Iは、フィトヘマグルチニン(PHA)と比較した、ウィルスペプチドのプールによるmRNA誘導の反応速度を示す。 図2A〜2Iは、フィトヘマグルチニン(PHA)と比較した、ウィルスペプチドのプールによるmRNA誘導の反応速度を示す。 図2A〜2Iは、フィトヘマグルチニン(PHA)と比較した、ウィルスペプチドのプールによるmRNA誘導の反応速度を示す。
免疫機能の変化は、機能が減少されるかまたは増加されるかに関わらず、様々な潜在的健康問題の発生源である。例えば、過敏な免疫機能は、場合によっては、自己免疫性疾患に繋がり得る。免疫機能の減少の結果として、感染の発症、特定の疾患に対するリスクの上昇、および/または様々な種類の癌の発症の傾向をもたらし得る場合もある。
従って、対象の現在の免疫状態を知ることは、対象の健康を維持するために、または特定の病について対象を治療するために、非常に重要な情報であり得る。
免疫機能−一般およびペプチド特異的
免疫系は、機能的に相互に関係する様々な細胞型、タンパク質、および経路から構成さ
れる。免疫系の機能は、病原体および/または不要な細胞(例:損傷細胞または腫瘍細胞)を識別し、続いてこれを排除することにより、ホストを疾患から保護することである。感染または疾患を引き起こす病原体および不要な細胞の多くは、ホストにとって外来性であることから(または、「自己」の面の一部を喪失し、ある程度の「非自己」の面を獲得した内在性細胞)、免疫カスケードの第一の工程は、多くの場合、特定の細胞を「非自己」として識別することである。内在性細胞は、クラスI主要組織適合遺伝子複合体(MHC)の発現によって認識される。クラスI MHCを持たないか、または発現のレベルが減少された細胞は、損傷を受けた「自己」、または「非自己」細胞として、免疫系の標的とされ得る。外来性病原体は、免疫系によるプロセッシングを受け、外来性細胞由来の抗原がMHCと複合体形成し、それにより、免疫系の他の細胞が、その後、そのような外来性抗原を持つ細胞を認識し、標的とすることが可能となる。
免疫系は、多くの異なる細胞型から構成されるが、白血球細胞(WBC;白血球)は、重要な機能性免疫細胞クラスの1つである。リンパ球は、WBCのサブタイプであり、これはさらに、ナチュラルキラー(NK)細胞、T細胞、およびB細胞に分類される。ナチュラルキラー(NK)細胞は、中でも腫瘍細胞、ウィルス感染細胞、または損傷を受けた「自己」細胞を標的としてこれを破壊する特殊な細胞傷害性リンパ球である。T細胞は、細胞性免疫(以下でさらに考察する)に関与し、一方B細胞は、主として、体液性免疫(抗体と関連する)を担っている。T細胞は、細胞表面にT細胞受容体が存在することによって、他のリンパ球タイプから区別可能である。T細胞は、感染された体細胞または腫瘍細胞の死滅を誘発することができる。サイトカイン(例:炎症または感染に起因して放出されるもの)または外来性抗原の提示が、NK細胞および細胞傷害性T細胞を活性化し、次にこれが、種々のタンパク質およびプロテアーゼを含有する小顆粒を放出する。そのような放出されたタンパク質の1つであるパーフォリンは、標的細胞の膜に細孔形成を誘発し、グランザイムなどのプロテアーゼが標的細胞内へ進入し、プログラム細胞死(アポトーシス)を誘発することを可能とする。従って、免疫細胞型の中でもT細胞は、継続的な免疫機能および対象の健康全体において重要な役割を担っている。
上述のように、T細胞は、その表面にT細胞受容体を発現し、これが、隣接する細胞の表面に発現された特定の自己MHC分子を認識するように機能する。抗原提示細胞(APC)が、MHCおよびT細胞と共同して作用し、感染または外来性体と戦う。APCは、外来性抗原をプロセシングし(例えば、貪食、およびそれに続く消化により)、MHC分子との複合体中の外来性抗原のペプチド断片を、対象自身の細胞の表面に提示する。次に、APC上のペプチド−MHC複合体は、特定のT細胞(例:CD4陽性T細胞)上のT細胞受容体と相互作用を起こし、これが、ペプチド特異的免疫の確立における第一の工程である。次に、APCと相互作用を起こすT細胞の一部が、エフェクターT細胞およびメモリーT細胞のプールを含む特定のクローンを産生する。
エフェクターT細胞(CD8+T細胞など)は、APCによってプロセシングされた特定の外来性抗原を特異的に認識するように準備されている。これらは、癌、感染細胞など、外来性抗原を発現する細胞を短期から中期的に攻撃するように機能する。これは、一次細胞性免疫応答として知られるものである。
メモリーT細胞は、二次細胞性免疫応答においてより顕著な役割を担っている。メモリー細胞とは、当初、ペプチド−MHC複合体の形態でT細胞に提示された特定の外来性抗原を認識するように感作されている細胞の「プール」を表す。続いて外来性抗原に暴露されると、メモリーT細胞は、迅速に追加のエフェクターT細胞を産生して、外来性抗原を発現する細胞と戦うことができる。
上記で概説した事象のカスケードの結果として、対象は、抗原に対する第一の、より遅
い応答を発生させ(一次細胞性免疫応答)、同時に、自身の免疫系を刺激して、これに続く暴露時により迅速な攻撃を開始するように準備する(二次細胞性免疫応答)。
免疫機能の種類
一般的に述べると、上述の免疫カスケードは、関与する様々なタイプの免疫機能によって特徴付けることができる。免疫活性の主たる種類は、機能的に一緒に働いて、免疫系が免疫細胞を、それが必要とされる身体の領域へと効果的に誘導し、そこに到達すると、外来性細胞を阻害および/もしくは死滅させるか、またはそうでなければ、免疫応答の開始を補助するように作用することができることを確保する。これらの種類としては、これらに限定されないが、動員機能、キラー機能、(キラーの)サプレッサー機能、およびヘルパー機能が挙げられる。例えば抗原提示、血管新生の制御、疼痛調節などのその他の様々な機能も挙げられる。
効果的な免疫機能の開始において境界となる工程は、保存領域から外来性細胞または抗原の部位への免疫細胞の送達である。この動員機能は、免疫系の適切な機能のために極めて重要である。免疫細胞が動員されて来る領域としては、これらに限定されないが、全血、骨髄、リンパ系、およびその他の領域が挙げられる。免疫細胞の動員により、外来性抗原(例:腫瘍または感染)の位置で、外来性抗原の認識が可能となる。動員は、多くの場合、外来性細胞からの、またはさらには外来性細胞の領域に存在する内在性細胞からのケモカインの放出によって開始される。動員機能の弱化または機能不全は、免疫細胞に対して、どの部位へ移動して機能するべきかについての適切な指示を行えないことを意味する。ある実施形態では、動員機能は、ケモカインまたはその他の走化性分子によって提供される。ある実施形態では、特定のモチーフのケモカインが、その他の免疫分子を動員するように機能する。例えば、いくつかの実施形態では、CCL−2、CCL−4、CCL−8、またはCCL−20などのCCL分子が、その他の免疫細胞の動員に関与する。他の実施形態では、CXCL−3またはCXCL−10などのCXCL分子が関与する。ある実施形態では、C−CもしくはC−X−Cモチーフ、または別の変種であれ、その他のケモカインエフェクターが関与する。
適切な位置へ動員された後、その他のタイプの免疫細胞は、その指定された機能を行うことができ、それは、ある実施形態では、(1もしくは複数の)標的細胞を死滅させることである。ある実施形態では、標的細胞の死は、アポトーシスを介して発生する。例えば、標的が腫瘍である場合、キラー機能を持つ1つ以上の細胞が、標的部位へ動員される。ある実施形態では、そのようなキラー細胞は、グランザイムB、パーフォリン、TNFSF1(リンホトキシン)、TNFSF2(TNF−アルファ)、TNFSF5(CD40リガンド)、TNFSF6(Fasリガンド)、TNFSF14(LIGHT)、TNFSF15(TL1A)、および/またはCD16などの分子の1つ以上を発現する。従って、これらの細胞の標的部位への動員は、標的細胞の破壊をもたらすカスケードを開始するものであり、従って、外来性体もしくは細胞の破壊および/または除去を例とする免疫系の1つの目的を実現する。
免疫系の別の機能は、免疫系の殺傷機能に負の影響(例:制限)を提供することである。これは、少なくとも部分的に、自己免疫疾患を引き起こす可能性のある過敏免疫機能を防止するためである。この機能の制限に関与する細胞は、IL10、TGF−ベータ、(フォークヘッドボックスp3)FoxP3、CD25、アルギナーゼ、CTLA−4、および/またはPD−1が挙げられるがこれらに限定されないマーカーによって認識可能である。これらの細胞は、免疫系の活性のバランスを保つことによって、適切な免疫機能全体を確保する手助けとなる。
免疫系の殺傷機能、および/または免疫系の自己限定機能には、様々な度合いで、追加
の細胞型が関与し得る。ヘルパーT細胞(Th細胞)は、免疫系の能力の最大化を補助するリンパ球のサブグループである。上述の細胞とは異なり、Th細胞は、細胞傷害活性も貪食活性も持たない。しかし、これらの細胞は、細胞傷害性T細胞などのその他の免疫細胞(例:上述のキラー細胞)の活性化および指向に関与する。Th細胞は、因子の中でも、それが主として活性化する細胞型や、それが産生するサイトカイン、および促進される免疫刺激の種類に応じて、2つの主たるサブカテゴリー(Th1またはTh2)に分けられる。例えば、Th1細胞は、主として、マクロファージをパートナーとし、一方Th2細胞は、主として、B細胞をパートナーとする。Th1細胞は、インターフェロン−ガンマ、TNF−ベータ、およびIL−2を産生し、一方Th2細胞は、IL1、IL5、IL6、IL10、およびIL13を産生する。Th細胞のサブセットのマーカーは公知であり、それを用いて、刺激に応答しての特定のTh細胞サブタイプの誘導を識別することができる。例えば、IL2またはIFNGの誘導は、Th1細胞による刺激への応答を表し、一方IL4またはIL10の誘導は、Th2細胞による刺激への応答を表している。Th17などのその他のサブタイプは、IL17などのその他のマーカーによって表される(例えば、表5および6を参照)。
アクセサリー免疫機能の様々なその他のマーカーも存在する。例えば、抗原提示機能は、GMCSFの測定によって評価することができ、B細胞増殖は、IGH2の測定によって評価することができ、血管新生は、VEGFの測定によって評価することができ(多くの腫瘍が血流需要を増加させることから、腫瘍形成の可能性という意味で特に重要であり得る)、疼痛は、POMCの測定によって評価することができる。
NK細胞および細胞傷害性T細胞の機能などの免疫系の殺傷機能は、いくつかの実施形態において、癌性細胞の破壊、ならびに感染および/または炎症との戦いにおいて重要である(他の適用の中でも特に)。不要な標的細胞ならびに正常な内在性細胞の両方を殺傷する可能性のあるその能力に起因して、NK細胞は、活性化受容体および抑制性受容体という2種類の表面受容体を持つ。これらの受容体は、一緒になって、NK細胞の活性のバランスをとり、従ってNK細胞の細胞傷害活性を制御するように作用する。NK細胞の活性化には、活性化シグナルが必要であり、それには、サイトカイン(インターフェロンなど)、体液性免疫応答が開始された標的細胞に対するFcR受容体の活性化、および/または種々の活性化NK細胞表面受容体と結合する外来性リガンドが含まれ得る。続いて、標的細胞は、上述のアポトーシス機構によって破壊される。
同様に、細胞傷害性T細胞も、細胞傷害性T細胞への外来性(例:非自己)抗原の提示をもたらす2つのシグナルプロセスを介すると考えられている活性化を必要とする。活性化されると、細胞傷害性T細胞は、主として、T細胞に対する増殖および分化因子であるインターロイキン−2(IL−2)に応答して、クローン増殖を起こす。細胞傷害性T細胞は、標的細胞に細孔形成およびアポトーシスを誘発するという点で、NK細胞とある程度類似して機能する。いくつかの実施形態では、対象の特定のT細胞機能を識別することは、特定の外来性抗原への応答を開始する対象の能力を特定するために重要である。加えて、いくつかの実施形態では、T細胞の機能は、少なくとも部分的に、対象の免疫機能の応答速度を決定するものである。
免疫機能の自己限定性(self-limiting nature)は、T−regおよびMDSCによって緩和されると考えられる。胸腺中で発生し、多くのT−regは、フォークヘッドファミリー転写因子FoxP3(フォークヘッドボックスp3)を発現する。多くの疾患状態、特に癌において、T−reg、特にFoxp3を発現するT−regの数の変化が見出される。例えば、腫瘍を持つ患者は、癌性細胞の形成を抑制する身体の能力を阻害するFoxp3陽性T細胞が局所的に相対的に過剰である。MDSCは、有害なT細胞を破壊はしないが、細胞傷害性T細胞の挙動を変化させる。MDSCは、アルギナーゼ(ARG)
を分泌し、これは、アミノ酸であるアルギニンを分解するプロテアーゼである。細胞傷害性T細胞およびNK細胞を含むリンパ球は、活性化をアルギニンに間接的に依存している。MDSCによるARGの分泌は、NK細胞および細胞傷害性T細胞の活性化を制限する。従って、いくつかの実施形態では、ペプチド特異的免疫は、T細胞の活性化の制限によって影響を与えられ得る。いくつかの場合では、T−regおよびMDSCによる自己限定性制御は、局所的組織環境における免疫系の機能の全体としての制限に繋がり得る。これは、殺傷機能の低下に繋がる可能性があり、それは、外来性細胞を完全に根絶するには不充分であり得る。
以下でより詳細に考察するように、ペプチド特異的免疫の評価により、ワクチンの有効性の評価、特定の抗原に対する免疫応答を対象が開始する(または開始しない)可能性の評価、および特定の抗原、または抗原のクラスに関連する免疫機能の経時での追跡が可能となる(他の適用の中でも特に)。さらに、本明細書で開示される方法により、特定の抗原(または抗原のクラス)を、個人においてそれらがいかに免疫機能を刺激するかということに関して評価することができる。
診断手段
対象は、癌性腫瘍を例とする対象中における特定の細胞集団を治療(例:排除)することを指向する免疫療法、またはワクチンを受ける場合がある。免疫療法またはワクチン接種に応答して、特定のIgGの産生が対象中にて誘発され得る。その特定のIgGの力価は、様々な免疫アッセイによって測定することができるが、これらのアッセイは、一般的に、ワクチンが特異的であるT細胞機能に関しての情報を与えない。従って、特定の標的(例:上記で考察したように、外来性抗原またはその抗原のペプチド断片)に対して指向されるT細胞の機能を特定するための日常的に行われる診断試験は、現時点で存在しない。細胞単離、変動する培養条件、および機能を検出または定量するための方法などの技術的な問題が、そのような日常的に行われる診断アッセイを不可能なものとしてきた。例えば、対象のT細胞上でT細胞受容体を刺激するためには、その対象からの生存細胞が必要であり(T細胞は、非自己MHCを認識しない);言い換えると、MHC適合ドナー細胞が必要である。このことは、ペプチド特異的T細胞免疫の評価を行う前に、対象自身の細胞が採取され、培養増殖される必要があるため、診断アッセイの実用的な使用に関する課題を提示するものである。
このような制限に対処し、ペプチド特異的T細胞免疫のより日常的な診断評価を提供するために、本明細書で開示されるいくつかの実施形態は、1つ以上の一連の外来ペプチド(例:それに対する対象の免疫を評価することが所望されるもの)を用いることを可能とする。いくつかの実施形態では、外来ペプチドは、APCによって既にプロセシングを受けたペプチドを補うために用いられ、それによって、その特定の対象のT細胞機能をより完全に特定することが可能となる。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される方法を用いて、特定のペプチド標的に関する対象の免疫機能が経時でモニタリングされる。例えば、ある実施形態では、対象から複数のサンプルが採取されてよく、ペプチド特異的T細胞機能が評価される。ある実施形態では、この経時でのモニタリングの結果から、その対象が、そのペプチドに特異的な免疫活性のレベルが上昇した状態を有していたか、または上昇した状態を継続して有しているかを判断することができる。ある実施形態では、この経時でのモニタリングを用いて、対象が免疫不全(例:先天性または後天性免疫不全)を発症したかどうかを評価することができる。いくつかの実施形態では、この評価は、患者からサンプルを採取し、それを一式の特定のペプチドに暴露することによって行われる。いくつかの実施形態では、この暴露の結果として、特定の免疫関連mRNAが誘導される。続いて経時で採取され、同じ様式で試験されたサンプルから、それまでに誘導されたmRNAが、その誘導の消滅、ま
たは減少を示す場合、一式の特定のペプチドのうちの1つ以上に対する免疫応答の欠損が実証されることになる。有利には、そのような特定により、対象の免疫低下状態を初期段階で検出することができ、それによって、必要である場合は、適切な医療介入が可能となる。ある実施形態では、一式の特定のペプチドではなく、個々のペプチドが用いられる。
いくつかの実施形態では、ペプチド特異的T細胞機能のモニタリングを用いて、ワクチン療法の有効性を評価することができる。抗原への暴露の前には、対象は、その抗原から得られたペプチドへのその血液サンプルの暴露に応答して誘導されるmRNAを持たない。その対象が、その特定の抗原を含むワクチンを続いて受ける場合、対象の免疫系は、本明細書で述べるようにしてその抗原のプロセシングを行う。その後、対象からの血液サンプルを、抗原から得られたペプチドに暴露することで、mRNAが誘導される(なぜなら、対象は、そのペプチド/抗原を認識する免疫細胞を作り出したからである)。この方法で、対象におけるワクチン療法の有効性をモニタリングすることができる。例えば、最初のワクチン接種後、ペプチドへの暴露後のmRNAの誘導を、継続的なモニタリングのためのベースラインとして用いることができる。それ以降のサンプルの採取、および本明細書の開示の通りのそれらの試験の後、経時での誘導レベルの低下が、ワクチンの有効性の喪失を示す。このことは、いくつかの実施形態において、ワクチンの新たな「追加免疫」、または別の選択肢としてのワクチンが必要であり得ることを示唆している。ある実施形態では、初期サンプルにおけるmRNA誘導の特定が、閾値として用いられる。言い換えると、特定のmRNAの誘導が、特定のレベルへ到達するのに充分でない場合、ある実施形態では、追加の用量(another dose)のワクチンが投与される。次に、患者の応答性の試験が繰り返され、誘導の閾値が満たされる場合、追加のワクチン投与が行われる必要はない(上述のように、「追加免疫」が必要とされる時まで)。
ある実施形態では、本明細書で開示される方法を用いて、対象がこれまでに特定のペプチドに暴露されたことがあるかどうかが特定される。例えば、いくつかの実施形態では、対象がこれまでに特定の抗原に暴露されたことがない場合、免疫関連mRNAの誘導が検出されない可能性が高い。これは、少なくとも部分的には、上記で考察したように、メモリーT細胞の相対的な欠乏に起因する。対照的に、対象がこれまでに特定のペプチドに実際に暴露されたことがある場合、免疫関連mRNAの誘導が得られることになり、それは、最初の暴露が、メモリーT細胞のプールの産生に繋がったからである。従って、いくつかの実施形態では、そのペプチドへの続いての暴露に基づいて、対象が機能亢進免疫応答(hyperactive immune response)のリスクを有するかどうかを特定することができる。
いくつかの実施形態では、対象のペプチド特異的免疫の評価により、対象が、特定の種類の癌を例とする特定の種類の外来性細胞に対する効果的な応答を開始することができるかどうかを特定することができる。例えば、特定の癌細胞が、その癌細胞に特有の(正常細胞と比較して)マーカー(例:ペプチド)を産生し、対象からのサンプルをその特定のペプチドに暴露する結果として、殺傷機能(例:細胞傷害性T細胞)に関連する免疫関連mRNAが誘導される場合、対象が、その癌細胞に対する免疫応答を開始することができる可能性が高い。対照的に、対象からのサンプルを癌細胞の特定のペプチドに暴露し、殺傷に関連する免疫機能関連mRNAの誘導が起こらない場合、それは、対象が、癌細胞を排除するための免疫応答を開始することができる可能性が低いことを示す。そのような場合、補助的な治療法(例:外科手術、化学または放射線療法)が推奨され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される方法を用いて、特定の抗原に対する細胞性免疫を持つ対象が識別され、それに応じてその対象が治療される。いくつかの実施形態では、そのような方法は、対象から少なくとも2つの生物学的サンプル(例:血液サンプル)を採取すること、前記そのようなサンプルのうちの1つを、目的の特定の抗原から得られたペプチドに暴露すること、および第二のサンプルを同じ条件(ペプチドなし)で
処理すること、ならびにサンプル中の1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルを定量することを含む。T細胞機能マーカーの発現が分析されると、前記1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現が、ペプチドに対して暴露されていないサンプルと比較して、ペプチドに対する前記サンプル中にて増加される場合、特定の抗原に対する細胞性免疫を持つとして対象を識別することができる。同様に、前記1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現が、2つのサンプル(ペプチドに暴露されたサンプル対暴露されていないサンプル)中において実質的に類似している場合、対象は、前記特定の抗原に対する細胞性免疫を持たないとして識別される。この識別に基づき、対象をそれに応じて治療することができる。従って、対象が細胞性免疫を示す実施形態では、免疫に基づく治療法を対象に実施することができる。細胞性免疫が検出されない場合、免疫に基づかない治療法の方が、その対象にとって効果的であることが示され得る。いくつかの実施形態では、対象は、対象が開始する細胞性免疫応答の追加免疫のために、目的の抗原からのペプチドで「ワクチン接種」されてよい。
いくつかの実施形態では、対象のペプチド特異的T細胞機能に基づいて対象を治療する方法も提供される。上記と同様に、対象から複数の血液サンプルが採取され、そのうちの少なくとも1つが、目的の抗原から得られるペプチドに暴露され、少なくとも1つが、暴露されない。暴露および非暴露サンプル中の1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルが定量され、非暴露サンプルと比較して、暴露サンプル中に存在するT細胞機能関連マーカーの発現レベルが大きい場合、対象は、その特定の抗原に対する細胞性免疫を持つ。逆に、非暴露サンプルに対して暴露サンプル中において、発現のレベルが大きく異なっていない場合、対象は、前記抗原に対する細胞性免疫を持たない。その後、特定の治療法が実施され、対象が細胞性免疫を持つ場合は、免疫に基づく治療法、対象が細胞性免疫を持たない場合は、免疫に基づかない治療法である。
いくつかの実施形態では、定量は、本明細書で述べる方法に従って実施される。例えば、1つの実施形態では、定量は、サンプルの各々(暴露および非暴露)から単離されたRNAに、プライマーおよび逆転写酵素を添加して、相補DNA(cDNA)を作り出すこと、および前記cDNAを、1つ以上のT細胞機能関連マーカーに特異的であるセンスおよびアンチセンスプライマー、ならびにDNAポリメラーゼと接触させて、増幅されたDNAを作り出すことを含む。
さらに、いくつかの実施形態は、ペプチド特異的療法の有効性の可能性を特定し、次に、必要に応じて、その治療法を実施することに関する。いくつかの実施形態では、その方法は、第一および第二の血液サンプルを対象から採取すること、前記ペプチド特異的療法が向けられることになるペプチド抗原を含む溶媒に前記第一の血液サンプルを暴露すること、および前記溶媒単独に前記第二の血液サンプルを暴露することを含む。その後、1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルが定量される。これらのマーカーは、実施形態に応じて、細胞傷害性T細胞もしくは細胞傷害性T細胞機能のマーカー、またはT−reg機能マーカーおよび/もしくはMDSC機能マーカーであってよい。次に、前記T細胞機能関連マーカーが、細胞傷害性T細胞もしくは細胞傷害性T細胞機能と関連し、および前記T細胞機能関連マーカーの発現が、前記第二のサンプルと比較して、前記第一のサンプル中にて増加される場合、ペプチド特異的療法は、有効性の可能性が増加されたとして識別される。別の選択肢として、定量は、(a)前記T細胞機能関連マーカーが、T−regおよび/もしくはMDSC、またはT−reg機能および/もしくはMDSC機能と関連し、および前記T細胞機能関連マーカーの発現が、前記第二のサンプルと比較して、前記第一のサンプル中にて増加される場合、または(b)前記T細胞機能関連マーカーが、細胞傷害性T細胞もしくは細胞傷害性T細胞機能と関連し、および前記T細胞機能関連マーカーの発現が、前記第二のサンプルと比較して、前記第一のサンプル中にて実質的に類似している場合、ペプチド特異的療法の有効性の可能性が減少されたと識別される結
果となり得る。次に、ペプチド特異的療法が有効であるかどうかの識別に基づいて、治療法が対象に実施されてよく(有効である可能性が高いと判断される場合)、または実施が見送られてよい(有効である可能性が低いと判断される場合)。いくつかの実施形態では、ペプチド特異的療法は、抗癌療法である。
また、1つの実施形態では、対象における自己免疫疾患の治療に有効であるペプチド特異的療法を識別し、その後に対象を治療する方法が提供される。その方法は、いくつかの実施形態では、自己免疫疾患のリスクを有するか、または自己免疫疾患に罹患している前記対象から血液サンプルを採取すること、前記ペプチド特異的療法に関連する特定のペプチドを含む溶媒に前記血液サンプルの第一の部分を暴露すること、前記溶媒単独に前記血液サンプルの第二の部分を暴露すること、ならびに前記血液サンプルの前記第一および前記第二の部分における自己限定性免疫機能と関連する1つ以上のmRNAの発現レベルを定量すること、血液サンプルの第二の部分と比較して、血液サンプルの第一の部分における発現レベルの方が多い場合、ペプチド特異的療法が有効である可能性が高いと判断すること、ならびにペプチド特異的療法が有効である可能性が高いと判断される場合、そのペプチド特異的療法を対象へ実施することを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される方法を用いて、特定のタイプのペプチドワクチンの潜在的有効性を特定することができる。例えば、特定の自己免疫性の状態では、対象の体内において、他の内在性細胞を攻撃する細胞またはタンパク質が存在する(I型糖尿病で発生するように)。本明細書で開示される方法のいくつかの実施形態は、推定上のペプチドワクチンの潜在的有効性を特定するのに有用である。言い換えると、対象からのサンプルを推定上のペプチドワクチンへ暴露した結果、上記で考察した自己限定性免疫機能に関連するmRNAが誘導された場合、この推定上のペプチドワクチンは、自己免疫性の状態の治療に有効である可能性が高い。これは、診断試験により、このペプチドが、対象の免疫機能の自己限定に関連する一式の細胞を誘導することが示されたからである。さらに、これらの細胞は、やはりその特定のペプチドを持っている細胞に対して特異的に指向され、内在性細胞を攻撃する(例:「責任(culprit)」細胞)。
標的条件
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される方法および組成物を用いて、様々な異なる特定の抗原に対する免疫応答を開始する対象の能力が評価される。例えば、いくつかの実施形態では、外来性抗原が、癌性細胞(またはその他の変異細胞)から得られてよい。実施形態に応じて、種々の癌に対して特異的であるマーカーが試験されてよい。例えば、いくつかの実施形態では、リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、副腎皮質癌、カポジ肉腫、リンパ腫、胃腸癌、虫垂癌、中枢神経系癌、基底細胞癌、胆管癌、膀胱癌、骨癌、脳腫瘍(星細胞腫、脊髄腫瘍、脳幹部神経膠腫、頭蓋咽頭腫、脳室上衣芽細胞腫、脳室上衣腫、髄芽腫、髄上皮腫が挙げられるがこれらに限定されない)、乳癌、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、子宮頚癌、結腸癌、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄増殖性障害、腺管癌、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞白血病、腎細胞癌、白血病、口腔癌、肝癌、肺癌、リンパ腫、メラノーマ、眼癌、卵巣癌、膵癌、前立腺癌、下垂体癌、子宮癌、および膣癌が挙げられるがこれらに限定されない種々の癌に対する特異的免疫について対象を試験することができる。
別の選択肢として、いくつかの実施形態では、細菌、ウィルス、真菌、および/または寄生虫から得られる感染細胞に対して特異的である免疫について対象を試験することができる。ある実施形態では、本明細書で開示される方法のいくつかの実施形態により、細菌起源の感染(例:感染性細菌は、ボルデテラ(Bordetella)、ボレリア(Borrelia)、ブルセラ(Brucella)、カンピロバクター(Campylobacter)、クラミジア(Chlamydia)お
よびクラミドフィラ(Chlamydophila)、クロストリジウム(Clostridium)、コリネバクテリウム(Corynebacterium)、エンテロコッカス(Enterococcus)、エシェリキア(Escherichia)、フランシセラ(Francisella)、ヘモフィルス(Haemophilus)、ヘリコバクター(Helicobacter)、レジオネラ(Legionella)、レプトスピラ(Leptospira)、リステリア(Listeria)、マイコバクテリア(Mycobacterium)、マイコプラズマ(Mycoplasma)、ナイセリア(Neisseria)、シュードモナス(Pseudomonas)、リケッチア(Rickettsia)、サルモネラ(Salmonella)、シゲラ(Shigella)、スタフィロコッカス(Staphylococcus)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、トレポネーマ(Treponema)、ビブ
リオ(Vibrio)、およびエルシニア(Yersinia)、ならびにこれらの変異体または組み合わせから成る属の群より選択される)に応答性であるT細胞を識別することができる。
ある実施形態では、ウィルス起源の感染病原体に対する特異的応答を開始する対象の能力を評価することができる。ウィルスとしては、これらに限定されないが、アデノウィルス、コクサッキーウィルス、エプスタイン−バールウィルス、A型肝炎ウィルス、B型肝炎ウィルス、C型肝炎ウィルス、単純ヘルペスウィルス1型、単純ヘルペスウィルス2型、サイトメガロウィルス、エボラウィルス、ヒトヘルペスウィルス8型、HIV、インフルエンザウィルス、麻疹ウィルス、ムンプスウィルス、ヒトパピローマウィルス、パラインフルエンザウィルス、ポリオウィルス、狂犬病ウィルス、呼吸器多核体ウィルス、風疹ウィルス、および水痘帯状疱疹ウィルス、ならびにこれらの組み合わせが挙げられ得る。エキソソームを用いて、広範な様々な細胞型を治療することもでき、これらに限定されないが、血管細胞、上皮細胞、間質細胞、筋系(骨格筋、平滑筋、および/または心筋)、骨格細胞(例:骨、軟骨、および結合組織)、神経細胞(例:ニューロン、グリア細胞、アストロサイト、シュワン細胞)、肝細胞、腎細胞、腸細胞、肺細胞、皮膚細胞、または身体のその他のいずれの細胞をも挙げられる。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される方法は、対象が、代謝機能が変化した細胞に対する免疫応答を開始することができる(または開始した)かどうかの特定に有用である。ある実施形態では、代謝上相違のある(metabolic discrepancy)細胞(正常細
胞と比較して)は、特定の識別マーカーを発現する。対象は、機能不全細胞に基づく有害な影響の可能性を回避する目的で、そのような細胞に対する免疫応答を開始し得る。例えば、細胞代謝の崩壊は、正常細胞から前癌性細胞への変換を細胞に引き起こし得る。従って、免疫応答は、細胞が癌性となる前に細胞を排除することができる。いくつかの実施形態では、自己免疫性への傾向を検出することができる。いくつかの実施形態では、本明細書で開示される方法を用いて、対象がこれまでに、特定の代謝不全細胞を実際に発生させたかどうかを特定することができる。例えば、本明細書で開示される方法は、ある実施形態では、特定の種類の代謝機能不全に対して特異的であるペプチドの検出を可能とする。
方法
いくつかの実施形態では、請求される方法で用いられるサンプルは、全血サンプルである。いくつかの実施形態では、血液サンプルは、ヘパリン処置されてよい。採取された後、血液サンプルは、少なくとも1つの特定の抗原に暴露される。上記で考察したように、抗原は、様々な源のいずれから得られてもよい(癌細胞、ウィルス、細菌など)。ある実施形態では、暴露は、生理学的温度にほぼ等しい温度で行われる。いくつかの実施形態では、暴露は、約30℃から約40℃の範囲の温度で実施される。いくつかの実施形態では、暴露は、およそ37℃で実施される。実施形態に応じて、暴露の継続時間は、約1時間から約8時間までで様々であってよい。ある実施形態では、暴露は、約1から約2時間、約2時間から約3時間、約3時間から約4時間、約4時間から約5時間、約5時間から約6時間、または約6時間から約8時間にわたって継続される。実施形態に応じて、これよりも長いまたは短い継続時間の暴露も用いられる。ある実施形態では、単一のペプチドが用いられ、一方他の実施形態では、複数の、または一式のペプチドが用いられる。いくつ
かの実施形態では、この一式を成すペプチドはすべて、共通の一般源から得られ、例えば、すべてのペプチドは、単一の癌細胞型に由来する。ある実施形態では、一式を成すペプチドは、異なる源から得られ、例えば、いくつかのペプチドは、癌細胞に由来し、いくつかのペプチドは、細菌などの感染病原体に由来する。一式のペプチドの設計におけるこの柔軟性により、試験される特定の対象の必要性に応じて、ペプチド特異的T細胞機能の特定の個別化が可能となる。
ある実施形態では、ペプチドは、所望される度合いのシグナルゲインが達成されるように(例:シグナル−ノイズ比が、正確な定量を可能とするのに充分である)、検出される誘導量を調整する目的で、非反応性溶媒(例:リン酸緩衝生理食塩水)で希釈される。従って、いくつかの実施形態では、方法は、血液サンプル(例:全血サンプル)を、目的の抗原から得られたペプチドに暴露することを含み、そのペプチドは、溶媒に分散(例:希釈)されたものである。いくつかの実施形態では、血液サンプルは、全血サンプルである。いくつかの実施形態では、追加の抗原提示細胞は、サンプルに添加されない。いくつかの実施形態においてペプチドを希釈するために溶媒が用いられるにも拘わらず、他の実施形態では、溶媒は用いられない(例:凍結乾燥ペプチドによるなど、ペプチドが乾燥されていた場合)。
mRNAレベルが特定される実施形態では、所望に応じて、赤血球、および白血球以外の血液成分が、全血サンプルから除去されてよい。他の実施形態では、全血は、特定のいずれの細胞型の除去または単離をも行わずに用いられる。好ましい実施形態では、mRNAの単離および増幅のためのデバイスを用いて白血球が単離される。このデバイスの実施形態は、各々その全内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,745,180号、同第7,968,288号、同第7,939,300号、同第7,981,608号、および同第8,076,105号により詳細に記載されている。
簡潔に述べると、デバイスの特定の実施形態は、複数のサンプル導入ウェル、およびウェルの下にある白血球捕捉フィルター、およびフィルターの下にあって固定化オリゴ(dT)を含有するmRNA捕捉ゾーンを有するマルチウェルプレートを含む。特定の実施形態では、デバイスはまた、フィルタープレートを受けてプレートとボックスとの間にシールを作り出すように適合された真空ボックスも含有し、それによって、真空圧が適用された場合、血液がサンプル導入ウェルから白血球捕捉フィルターを通って引き出され、それにより、白血球が捕捉されて、非白血球血液成分を、フィルターを洗浄することによって除去することができる。他の実施形態では、遠心分離または陽圧など、サンプルウェルおよび白血球捕捉フィルターを通して血液サンプルを引き出すその他の手段が用いられる。デバイスの好ましい実施形態では、白血球は、一緒に層形成する複数のフィルター膜上に捕捉される。いくつかの実施形態では、捕捉された白血球は、次に、溶解バッファーで溶解され、それによって、捕捉された白血球からmRNAが放出される。次にこのmRNAは、mRNA捕捉ゾーンに固定化されたオリゴ(dT)にハイブリダイズされる。いくつかの実施形態で用いられてよい溶解バッファーの組成に関するさらなる詳細は、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,101,344号に見出すことができる。いくつかの実施形態では、cDNAが、オリゴ(dT)固定化mRNAから合成される。好ましい実施形態では、cDNAは、次に、感染関連マーカーの増幅用に特に設計されたプライマーによるリアルタイムPCRを用いて増幅される。いくつかの実施形態では、mRNAを定量するその他の方法が用いられ、これらに限定されないが、ノーザンブロッティング、二次元RT−qPCR、リボヌクレアーゼプロテクションなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、その他の評価項目(endopoints)が用いられ、例えば、タンパク質レベルおよび/または機能性アッセイなどである。
PCR反応の完了後、1つ以上の白血球機能関連マーカーに対する種々のmRNA(P
CR増幅cDNAの検出量で表される)が定量される。特定の実施形態では、定量は、1つ以上のマーカーをコードするmRNAの量を参照値と比較することによって算出される。他の実施形態では、参照値は、ハウスキーピング遺伝子を例とする、刺激剤によって誘導されない遺伝子の発現レベルである。特定のそのような実施形態では、ベータ−アクチンが参照値として用いられる。本技術分野にて公知である数多くのその他のハウスキーピング遺伝子も、参照値として用いられてよい。他の実施形態では、ハウスキーピング遺伝子は、最終的な比較が、1つ以上の白血球機能関連マーカーの誘導された発現レベルを、非誘導(コントロール)サンプルからの同じマーカーと比較したものとなるように、補正因子として用いられる。なお他の実施形態では、参照値は、1つ以上の白血球機能関連マーカーの定量が絶対値で表されるように、ゼロである。いくつかの実施形態では、2、3、または4つ以上の白血球機能関連マーカーが定量される。いくつかの実施形態では、定量は、リアルタイムPCRを用いて実施され、データは、増加倍率(適切なコントロールに対して)として表される。特定の実施形態では、1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルは、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法(RT−PCR)、リアルタイムRT−PCR、ノーザンブロッティング、マイクロアレイ遺伝子分析、デジタルPCR、RNAシークエンシング、ナノプレックスハイブリダイゼーション、蛍光励起セルソーティング、ELISA、質量分析、およびウェスタンブロッティングから成る群より選択される方法を用いて定量される。ある実施形態では、特定のT細胞機能関連マーカーの発現が減少される場合、有効性の可能性の増加が見られる。例えば、いくつかの実施形態では、T細胞機能関連マーカーが、細胞傷害性T細胞もしくは細胞傷害性T細胞機能と関連し、および前記T細胞機能関連マーカーの発現が、前記第二のサンプルと比較して、前記第一のサンプル中にて減少される場合、ペプチド特異的療法の有効性の可能性が増加されたと識別される。同様に、特定の実施形態では、T細胞機能関連マーカーが、T−regおよび/もしくはMDSC、またはT−reg機能および/もしくはMDSC機能と関連し、および前記T細胞機能関連マーカーの発現が、前記第二のサンプルと比較して、前記第一のサンプル中にて減少される場合、またはT細胞機能関連マーカーが、細胞傷害性T細胞もしくは細胞傷害性T細胞機能と関連し、および前記T細胞機能関連マーカーの発現が、前記第二のサンプルと比較して、前記第一のサンプル中にて実質的に類似している場合、有効性の可能性が減少されたと識別することができる。
本明細書で用いられる場合、「増加される」の用語は、その通常の意味が与えられるものとし、また、約5%超、約10%超、約15%超、約20%超、約25%超、約50%超、またはそれ以上の発現の増加も意味するものとする。同様に、本明細書で用いられる場合、「減少される」の用語は、その通常の意味が与えられるものとし、また、約5%超、約10%超、約15%超、約20%超、約25%超、約50%超、またはそれ以上の発現の減少も意味するものとする。ある実施形態では、増加は、発現の統計的に有意である増加を意味する(例:本技術分野で確立された統計分析に基づいてp<0.05)。ある実施形態では、減少は、発現の統計的に有意である減少を意味する(例:本技術分野で確立された統計分析に基づいてp<0.05)。
具体的な実施形態を、限定的な意味ではなく説明的な意味として見なされるべきである以下の実施例を参照して記載する。
実施例1−ペプチド暴露に応答しての免疫機能関連mRNAの誘導
MHC上のペプチドが、APC中の消化されたタンパク質に由来することは知られているが、本実施例は、内在性ペプチドの外来性ペプチドによる置き換え(または追加)を評価するものである。市販のペプチドプール(CEFペプチドプール;マブテック(Mabtech)、www.mabtech.com)を用いたが、上記で考察したように、単一のペプチドまたは個別化された一式のペプチドも用いられる。このプールは、23の異なるクラスI拘束性ペプ
チドを含有しており、すべて、サイトメガロウィルス、エプスタイン−バールウィルス、およびインフルエンザウィルスから得られた共通のCD8+T細胞エピトープとして定められる。この一式は、コーカサス人種のほぼ90%において、ウィルス特異的CD8+T細胞によるIFN−γ産生を誘導し、また、多くの個人において、パーフォリン、グランザイムB、およびMIB−1β応答も誘導する。
ストックペプチド(200μg/mL)を、PBSにより1:3、1:10、1:10、および1:100に希釈し、37℃にて4時間、ヘパリン処置全血へ適用した。追加の細胞は添加しなかった。ポジティブおよびネガティブコントロールとしては、それぞれ、白血球凝集素(PHA−L)およびPBSを用いた。
図1に示されるように、ポジティブコントロールPHA−Lは、GMCSF、IFNG、TNFSF2、CXCL10、CCL4、IL4、IL10、CTLA4、およびCXCL3を誘導し、一方、コントロールハウスキーピング遺伝子ベータアクチン(ACTB)は、誘導されなかった。このことにより、その適切な性能が確認される。CEFペプチドプールは、用量依存的に、GMCSF、IFNG、TNFSF2、CXCL10、およびCCL4を誘導した。
図2は、CEF一式への暴露に応答してのmRNA誘導の反応速度を示す。暴露は、1、2、4、8、および24時間の継続時間にわたって上述のようにして実施し、mRNAの発現は、リアルタイムPCRによって評価した(黒丸は、CEFによる誘導を表し、白三角は、PBSコントロールである)。種々のmRNAの誘導が類似していることは、外来性ペプチドが、細胞によって取り込まれてプロセシングされることによってMHCと複合体形成するのではなく(この場合、CEF暴露における反応速度曲線が右方向へシフトすることになる)、MHC上の既存のペプチドに置き換わる(または追加される)ことを示唆している。
これらのデータは、白血球の外来性ペプチドへの暴露により、免疫機能関連mRNAの誘導が可能となることを示している。従って、この実験は、本明細書で開示される生体外方法により、ペプチド特異的T細胞免疫を評価することができることを実証するものである。

Claims (16)

  1. 特定の抗原に対する細胞性免疫を持つ対象を識別するための方法であって:
    前記特定の抗原から得られた主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスI拘束性の外来性ペプチドを含む溶媒に対象から採取された第一の血液サンプルを暴露すること;
    前記溶媒単独に前記対象から採取された第二の血液サンプルを暴露すること;
    前記第一および前記第二の血液サンプル中での1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルを:
    (i)前記第一の血液サンプルおよび前記第二の血液サンプルの各々から単離されたRNAに、プライマーおよび逆転写酵素を添加して、相補DNA(cDNA)を作り出すこと、および
    (ii)前記cDNAを、GMCSF、インターフェロンガンマ、TNFSF2、CXCL10、CCL4、IL2、IL4、IL10、CTLA4、CCL2、およびCXCL3から成る群より選択される1つ以上のT細胞機能関連マーカーに特異的であるセンスおよびアンチセンスプライマー、ならびにDNAポリメラーゼと接触させて、増幅されたDNAを作り出すこと、
    を含む方法によって定量すること;ならびに
    前記1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現が、前記第二の血液サンプルと比較して、前記第一の血液サンプル中にて増加される場合、前記対象を前記特定の抗原に対して細胞性免疫を持つとして識別すること;または
    前記1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現が、前記第二の血液サンプルと比較して、前記第一の血液サンプル中にて実質的に類似している場合、前記対象を前記特定の抗原に対して細胞性免疫を持たないとして識別すること
    を含む方法。
  2. 前記特定の抗原が、癌性病状、ウィルス感染、細菌感染、真菌感染、酵母感染、プリオンに起因する感染、および寄生虫に起因する感染のうちの1つ以上に関連する、請求項1に記載の方法。
  3. 対象のペプチド特異的T細胞機能を特徴付ける方法であって:
    抗原から得られた主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスI拘束性の外来性ペプチドを含む溶媒に対象から採取された第一の血液サンプルを暴露すること;
    前記溶媒単独に前記対象から採取された第二の血液サンプルを暴露すること;
    前記第一および前記第二の血液サンプル中での1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルを:
    (i)前記第一の血液サンプルおよび前記第二の血液サンプルの各々から単離されたRNAに、プライマーおよび逆転写酵素を添加して、相補DNA(cDNA)を作り出すこと、および
    (ii)前記cDNAを、GMCSF、インターフェロンガンマ、TNFSF2、CXCL10、CCL4、IL2、IL4、IL10、CTLA4、CCL2、およびCXCL3から成る群より選択される1つ以上のT細胞機能関連マーカーに特異的であるセンスおよびアンチセンスプライマー、ならびにDNAポリメラーゼと接触させて、増幅されたDNAを作り出すこと、
    を含む方法によって定量すること、
    を含む方法であり、
    前記第一の血液サンプル中の前記1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルが、前記第二の血液サンプルと比較して大きい場合、前記対象が前記抗原に対する細胞性免疫を持つことを示し、および
    前記第一の血液サンプル中の前記1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルが、前記第二の血液サンプルと比較した場合の発現レベルと大きく異なってはいない場合、前
    記対象が前記抗原に対する細胞性免疫を持たないことを示す
    方法。
  4. 前記ペプチド特異的T細胞機能が、癌性病状、自己免疫性病状、ウィルス感染、細菌感染、真菌感染、酵母感染、プリオンに起因する感染、および寄生虫に起因する感染のうちの1つ以上に対して向けられる、請求項3に記載の方法。
  5. ペプチド特異的療法の有効性の可能性を特定するための方法であって:
    前記ペプチド特異的療法が向けられることになる主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスI拘束性の外来性ペプチド抗原を含む溶媒に対象から採取された第一の血液サンプルを暴露すること;
    前記溶媒単独に前記対象から採取された第二の血液サンプルを暴露すること;
    前記第一および前記第二の血液サンプル中における(I)細胞傷害性T細胞もしくは細胞傷害性T細胞機能、または(II)T−regおよび/もしくはMDSC、またはT−reg機能マーカーおよび/もしくはMDSC機能マーカーのいずれかに関連する1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルを:
    (i)前記第一の血液サンプルおよび前記第二の血液サンプルの各々から単離されたRNAに、プライマーおよび逆転写酵素を添加して、相補DNA(cDNA)を作り出すこと、および
    (ii)前記cDNAを、GMCSF、インターフェロンガンマ、TNFSF2、CXCL10、CCL4、IL2、IL4、IL10、CTLA4、CCL2、およびCXCL3から成る群より選択される1つ以上のT細胞機能関連マーカーに特異的であるセンスおよびアンチセンスプライマー、ならびにDNAポリメラーゼと接触させて、増幅されたDNAを作り出すこと;
    を含む方法によって定量すること;ならびに
    前記T細胞機能関連マーカーが、細胞傷害性T細胞もしくは細胞傷害性T細胞機能と関連し、および前記T細胞機能関連マーカーの発現が、前記第二の血液サンプルと比較して、前記第一の血液サンプル中にて増加される場合、前記ペプチド特異的療法の有効性の可能性が増加されたと識別すること;または
    (a)前記T細胞機能関連マーカーが、T−regおよび/もしくはMDSC、またはT−reg機能および/もしくはMDSC機能と関連し、および前記T細胞機能関連マーカーの発現が、前記第二の血液サンプルと比較して、前記第一の血液サンプル中にて増加される場合、もしくは
    (b)前記T細胞機能関連マーカーが、細胞傷害性T細胞もしくは細胞傷害性T細胞機能と関連し、および前記T細胞機能関連マーカーの発現が、前記第二の血液サンプルと比較して、前記第一の血液サンプル中にて実質的に類似している場合、
    前記ペプチド特異的療法の有効性の可能性が減少されたと識別すること
    を含む方法。
  6. 前記ペプチド特異的療法が抗癌療法である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記ペプチド抗原が、ウィルス、細菌、および癌細胞から成る群より選択される源から得られる、請求項5又は6に記載の方法。
  8. 自己免疫疾患の治療に有効であるペプチド特異的療法を識別するための方法であって:
    前記ペプチド特異的療法に関連する主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスI拘束性の特定の外来性ペプチドを含む溶媒に、自己免疫疾患のリスクを有するか、または自己免疫疾患に罹患している対象から採取された血液サンプルの第一の部分を暴露すること;
    前記溶媒単独に前記血液サンプルの第二の部分を暴露すること;
    前記血液サンプルの前記第一および前記第二の部分における、自己限定性免疫機能(se
    lf-limiting immune function)と関連する1つ以上のmRNAの発現レベルの、逆転写
    ポリメラーゼ連鎖反応法(RT−PCR)、リアルタイムRT−PCR、ノーザンブロッティング、蛍光励起セルソーティング、ELISA、質量分析、およびウェスタンブロッティングから成る群より選択される方法を用いることによる定量であって、
    前記自己限定性免疫機能と関連する1つ以上のmRNAは、GMCSF、インターフェロンガンマ、TNFSF2、CXCL10、CCL4、IL2、IL4、IL10、CTLA4、CCL2、およびCXCL3から成る群より選択される定量;ならびに、
    前記血液サンプルの前記第二の部分と比較して、前記血液サンプルの前記第一の部分における発現レベルの方が多い場合、前記ペプチド特異的療法が有効である可能性が高いと特定すること
    を含む方法。
  9. ワクチンの継続的な有効性をモニタリングするための方法であって:
    目的の抗原から得られた主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスI拘束性の外来性ペプチドを含む溶媒に、対象が前記目的の抗原に暴露される前に前記対象から採取された第一の血液サンプルを暴露すること;
    前記溶媒単独に、前記対象が前記目的の抗原に暴露される前に前記対象から採取された第二の血液サンプルを暴露すること;
    前記第一および前記第二の血液サンプル中における1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルを:
    (i)前記第一の血液サンプルおよび前記第二の血液サンプルの各々から単離されたRNAに、プライマーおよび逆転写酵素を添加して、相補DNA(cDNA)を作り出すこと、および
    (ii)前記cDNAを、GMCSF、インターフェロンガンマ、TNFSF2、CXCL10、CCL4、IL2、IL4、IL10、CTLA4、CCL2、およびCXCL3から成る群より選択される1つ以上のT細胞機能関連マーカーに特異的であるセンスおよびアンチセンスプライマー、ならびにDNAポリメラーゼと接触させて、増幅されたDNAを作り出すこと、
    を含む方法によって定量すること;ならびに、
    前記目的の抗原から得られた前記ペプチドを含む前記溶媒に、前記目的の抗原に対して向けられたワクチンが前記対象に投与された後に前記対象から採取された第三の血液サンプルを暴露すること;
    前記溶媒単独に、前記目的の抗原に対して向けられたワクチンが前記対象に投与された後に前記対象から採取された第四の血液サンプルを暴露すること;
    前記第三および前記第四の血液サンプル中における1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルを:
    (i)前記第一の血液サンプルおよび前記第二の血液サンプルの各々から単離されたRNAに、プライマーおよび逆転写酵素を添加して、相補DNA(cDNA)を作り出すこと、および
    (ii)前記cDNAを、GMCSF、インターフェロンガンマ、TNFSF2、CXCL10、CCL4、IL2、IL4、IL10、CTLA4、CCL2、およびCXCL3から成る群より選択される1つ以上のT細胞機能関連マーカーに特異的であるセンスおよびアンチセンスプライマー、ならびにDNAポリメラーゼと接触させて、増幅されたDNAを作り出すこと、
    を含む方法によって定量すること;ならびに、
    前記第三および前記第四の血液サンプル中における1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルを、前記第一および前記第二の血液サンプル中における1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルに基づいて標準化すること;ならびに、
    前記T細胞機能関連マーカーの発現が、前記第一の血液サンプルと比較して、前記第三の血液サンプル中にて増加される場合、前記ワクチンの有効性が維持された、もしくは増
    加されたと識別すること;または
    前記T細胞機能関連マーカーの発現が、前記第一の血液サンプルと比較して、前記第三の血液サンプル中にて減少される場合、ワクチンの有効性が減少されたと識別すること を含む方法。
  10. 前記目的の抗原が、癌性病状、ウィルス感染、細菌感染、真菌感染、酵母感染、プリオンに起因する感染、および寄生虫に起因する感染のうちの1つ以上に関連する、請求項9に記載の方法。
  11. ワクチンの有効性の減少が検出された場合に、ワクチンの追加免疫が所望に応じて投与されることをさらに含む、請求項9又は10に記載の方法。
  12. 細胞性免疫のバイオマーカーを識別するための方法であって:
    既知抗原から得られた主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスI拘束性の外来性ペプチドを含む溶媒に血液サンプルの第一の部分を暴露すること;
    前記溶媒単独に前記血液サンプルの第二の部分を暴露すること;
    前記第一および前記第二の部分における1つ以上のT細胞機能関連マーカーの発現レベルを、
    (i)前記血液サンプルの前記第一および前記第二の部分の各々から単離されたRNAに、プライマーおよび逆転写酵素を添加して、相補DNA(cDNA)を作り出すこと、および
    (ii)前記cDNAを、GMCSF、インターフェロンガンマ、TNFSF2、CXCL10、CCL4、IL2、IL4、IL10、CTLA4、CCL2、およびCXCL3から成る群より選択される1つ以上のT細胞機能関連マーカーに特異的であるセンスおよびアンチセンスプライマー、ならびにDNAポリメラーゼと接触させて、増幅されたDNAを作り出すこと、
    を含む方法によって定量すること;ならびに、
    T細胞機能関連マーカーの発現が、前記第二の部分と比較して、前記第一の部分中にて増加される場合、またはT細胞機能関連マーカーの発現が、前記第二の部分と比較して、前記第一の部分中にて減少される場合、細胞性免疫のバイオマーカーを識別すること
    を含む方法。
  13. 前記(ii)において、前記cDNAを、DNAポリメラーゼ、ならびにCD25、FoxP3、CTLA4、GARP、IL17、アルギナーゼ、PD−1、PDL1、およびグランザイムBから成る群より選択される1つ以上のT細胞機能関連マーカーに特異的であるセンスおよびアンチセンスプライマーと接触させることをさらに含む、請求項1〜7、9〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記血液サンプルが抗凝固剤で処理される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記暴露が約30℃から約42℃の温度で実施される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記暴露が約8時間未満の長さの時間にわたって実施される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
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