JP2017048722A - 燃料噴射ノズル - Google Patents

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Abstract

【課題】 小型エンジンにおいて、ニードルの軸方向後端側への移動量に係わらず、高分散特性の燃料噴霧を実現することのできる燃料噴射ノズルを提供することにある。
【解決手段】 ニードル2の先端孔5内にガイドピン6の摺動部51が摺動自在に保持されている。このガイドピン6の括れ部52および当接部53は、サック室15内に突き出している。ガイドピン6の先端は、スプリング7の付勢力によって、常時、サック室15の底面24に突き当たり続けている。また、サック室15内において常に同じ位置に括れ部52が存在している。
これによって、サック室15内において常に同じ位置に括れ部52が存在することにより、括れ部52により強い渦を形成し、ニードル2のリフト量が変化してもその強い渦を持続させることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エンジンの燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射ノズルに係わる。
従来より、ノズルボディおよびニードルを備え、ノズルボディの内壁に対しニードルを離着座させることで、燃料の噴射を開始したり停止したりする燃料噴射ノズルが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、シリンダ容積に対して表面積が小さい大型エンジンの場合には、燃料噴射ノズルの噴孔から噴射される燃料の噴霧特性として、強貫徹特性の燃料噴霧が求められている。このように燃料の噴霧貫徹力を強くすることにより、燃料噴霧がより遠くまで到達するので、燃焼室内の空気利用率が上がり、良好な燃焼状態が得られる。よって、エンジンの高出力化を図ることができる。
ところが、シリンダ容積に対して表面積が大きい小型エンジンの場合には、強貫徹特性の燃料噴霧によって燃焼室壁面に燃料噴霧が衝突すると、冷却損失が増加し燃費が悪化するという問題があった。
冷却損失を低減するには、燃料の噴霧貫徹力を弱くすることが必要である。これにより、燃料噴霧が燃焼室壁面に到達し難くなり、燃焼室壁面から冷却媒体への放熱量が少なくなる。よって、エンジンの冷却損失を低減できる。
したがって、小型エンジンにおいては、高分散特性の燃料噴霧を実現することが要望されている。
なお、特許文献1には、ニードルの軸方向後端側への移動量に係わらず、噴霧貫徹力を強くすることが開示されているが、上記の要望や課題について何ら示唆していない。
特開2015−034486号公報
本発明は、上記問題点に鑑みて成されたものであり、その目的は、小型エンジンにおいて、ニードルの軸方向後端側への移動量に係わらず、高分散特性の燃料噴霧を実現することのできる燃料噴射ノズルを提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、ニードルが軸方向後端側に移動しても、サック室の底面に先端部品が突き当たり続け、サック室内において常に同じ位置に括れ部が存在する。 これによって、ニードルがノズルボディの内壁から離座して開弁すると、サック室内に流入した燃料がニードルの壁面および先端部品の括れ部の壁面に沿って流れる。そして、括れ部の壁面から剥離した燃料は、サック室内で渦を形成する。
一方、サック室内に流入し、直接噴孔の入口に到達した燃料は、サック室内に形成された渦の一部を取り込み、螺旋状の流れを噴孔内に形成する。そして、噴孔内の螺旋状の流れの中で、複数の噴孔それぞれの噴孔軸に対して直交する成分は、噴孔の出口において噴流を広げる運動に変換される。このため、噴孔から噴射された燃料は、高分散特性の燃料噴霧となる。
したがって、小型エンジンにおいて、ニードルの軸方向後端側への移動量に係わらず、高分散特性の燃料噴霧を実現することができる。
燃料噴射ノズルの要部を示した断面図である(実施形態1)。 燃料噴射ノズルの要部を示した断面図である(実施形態1)。 燃料噴射ノズルの要部を示した断面図である(実施形態1)。 図3のIV−IV断面図である(実施形態1)。 ニードルの低リフト時におけるサック室内の燃料流れの様子を模式的に示した説明図である(実施形態1)。 ニードルの高リフト時におけるサック室内の燃料流れの様子を模式的に示した説明図である(実施形態1)。 燃料噴射ノズルの要部を示した断面図である(実施形態2)。 図7のVIII−VIII断面図である(実施形態2)。 燃料噴射ノズルの要部を示した断面図である(実施形態3)。
以下、図面を参照しながら、発明を実施するための形態を説明する。
[実施形態1の構成]
図1ないし図6は、本発明を適用した実施形態1を示したものである。
本実施形態の燃料噴射弁は、自動車等の車両走行用のエンジンの各気筒毎に対応して搭載されている。
ここで、エンジンは、直噴ディーゼルエンジンが採用されている。
燃料噴射弁は、エンジンの燃焼室内に直接燃料を噴射する燃料噴射ノズル1を備えている。この燃料噴射ノズル1は、軸方向に往復移動可能なニードル2と、このニードル2を往復移動可能に嵌合支持する有底円筒形状のノズルボディ3とを備えている。
本実施形態の燃料噴射ノズル1は、特にシリンダ容積に対して表面積が大きい小型エンジンに有効である。この燃料噴射ノズル1は、ニードル2の先端面で開口した先端孔5と、この先端孔5の内周面に摺動自在に保持された先端部品(以下、ガイドピンと呼ぶ)6と、このガイドピン6を軸方向先端側に付勢するコイルバネ(以下スプリングと呼ぶ)7とを備えている。
なお、先端孔5、ガイドピン6およびスプリング7の詳細は、後述する。
ニードル2は、軸方向後端側にノズルボディ3の摺動孔に往復摺動可能に支持される摺動部を有している。なお、ニードル2の摺動部およびノズルボディ3の摺動孔の図示は省略している。
ニードル2は、ノズルボディ3の内壁に着座可能な円環形状のシート部9を備えている。このニードル2は、シート部9よりも軸方向後端側に円柱形状の本体部11を備えている。また、ニードル2は、シート部9よりも軸方向先端側に円錐台形状の縮径部12を備えている。
また、ニードル2には、リターンスプリングの付勢力が作用している。
なお、リターンスプリングの図示は省略している。
ノズルボディ3の軸方向先端側には、有底円筒形状のサック部13が設けられている。このサック部13には、複数の噴孔14およびサック室15が設けられている。
また、ノズルボディ3の内壁には、シート面16が設けられている。また、ニードル2とノズルボディ3との間には、サプライポンプまたはコモンレール等の高圧発生部から高圧燃料が導入される燃料流路17が設けられている。
複数の噴孔14は、円周方向に等間隔で形成されている。これらの噴孔14は、サック部13の内外を連通している。噴孔14は、例えば6〜10個設けられている。
複数の噴孔14は、サック部13の内壁で噴孔入口21が開口している。これらの噴孔14は、各噴孔出口22からエンジンの気筒内に燃料を噴射する。また、各噴孔14は、噴孔入口21から噴孔出口22に向かって流路面積が変化しないストレート噴孔である。また、各噴孔14は、ノズルボディ3の軸(以下ノズル軸と呼ぶ)Yに対して垂直な半径方向に対して図示下向きに所定の角度分だけ傾斜している。
サック室15は、燃料流路17の下流側に位置している。このサック室15は、燃料流路17にて環状に流れる燃料を集合させて一時的に貯留した後、各噴孔14に均等に分配供給する分配室である。
また、サック室15は、サック部13の内壁として、ノズル軸Yを中心とする円筒形状の周壁面23、およびノズル軸Y上のサック中心を中心とする球面形状の底面24を有している。
サック室15は、シート面16の下流端に形成される円環形状の稜線25に入口側開口が設けられている。
また、サック室15の入口径は、図2に示したように、φdsである。
シート面16は、下流側に向かう程、内径が徐々に減少する円錐形状を呈する。このシート面16には、ニードル2のシート部9が離着座する。
燃料流路17は、ニードル2の外周面とノズルボディ3の内周面との間に形成されている。この燃料流路17は、ノズルボディ3の燃料溜まり室と噴孔14とを連通する。
また、ノズルボディ3には、ニードル2を開弁駆動するアクチュエータが接続されている。アクチュエータとしては、ソレノイドアクチュエータやピエゾアクチュエータが採用されている。
なお、アクチュエータの図示は省略している。
ニードル2は、シート面16に離着座して燃料流路17を開閉する。
シート部9は、本体部11と縮径部12との間に形成されている。
本体部11は、ノズルボディ3との間に燃料流路17を形成する外周面を有している。また、本体部11の軸方向先端側の外周面には、軸方向先端側に向かう程、外径が徐々に減少する円錐面31が形成されている。
縮径部12の外周面には、軸方向先端側に向かう程、外径が徐々に減少する円錐面32、33が形成されている。
円錐面31は、下流側に向かってシート面16との隙間が徐々に小さくなる傾斜角度に設定されている。
円錐面32、33は、下流側に向かってシート面16との隙間が徐々に大きくなる傾斜角度に設定されている。
円錐面31〜33は、シート部9がシート面16に着座する際に、シート面16との干渉を防止するための逃がし面である。
円錐面32は、円錐面31よりも傾斜角度が急であり、円錐面33よりも傾斜角度が緩やかである。
円錐面31〜33は、互いに異なる傾斜角度を有している。
また、ニードル2の縮径部12の逃がし部径は、図2に示したように、φdnである。 また、ニードル2の縮径部12の逃がし角θは、90°よりも大きい。例えばθ=150°〜160°である。なお、逃がし角θとは、ニードル2の先端の円錐面33の傾斜角度のことである。
燃料噴射ノズル1は、シート部9がシート面16に着座した場合、燃料流路17が遮断される。これにより、複数の噴孔14から燃焼室内への燃料噴射は成されない。
また、燃料噴射ノズル1は、シート部9がシート面16からリフトした場合、燃料流路17が開放される。これにより、燃料流路17からサック室15へ燃料が導入される。このため、複数の噴孔14から燃焼室内へ燃料が噴射される。
また、燃料噴射ノズル1は、燃料の噴射期間全域で、全閉位置からフルリフト位置までニードル2のリフト量が変化する。
[実施形態1の特徴]
ここで、ニードル2が軸方向後端側に移動する側を上側、ニードル2が軸方向先端側に移動する側を下側と呼ぶ場合がある。
ニードル2の先端には、軸方向後端側に窪む先端孔5が形成されている。この先端孔5は、ガイドピン6の軸方向後端側が摺動する摺動孔である。また、先端孔5の内部には、スプリング7を軸方向に圧縮した状態で収容する収容室41が形成されている。
収容室41内には、ガイドピン6を軸方向先端側に付勢するスプリング7が収容されている。このスプリング7は、先端孔5の底面とガイドピン6との間にセットされている。
先端孔5内には、ガイドピン6の軸方向後端側が往復摺動可能に保持されている。
ガイドピン6は、ノズルボディ3とは別体部品で設けられている。このガイドピン6は、円柱形状を呈し、軸方向に垂直な断面形状が円形状である。また、ガイドピン6は、円柱形状の金属材に切削加工を施すことで、所定の形状に形成されている。これにより、ガイドピン6を、ノズルボディ3と別体部品で形成することで、複雑形状の切削加工を容易にしている。
ニードル2の内壁には、ニードル2の軸方向の移動時におけるサック室15と収容室41の間の燃料流動を確保するために、サック室15と収容室41とを連通する複数の燃料通路42が形成されている。これにより、収容室41内に燃料が容易に出入りするようになり、収容室41内の燃圧とサック室15内の燃圧とは同等に保たれる。また、ガイドピン6に対するニードル2の軸方向後端側への移動がスムーズとなる。
ガイドピン6は、先端孔5の内周面に摺接する摺動部51、この摺動部51の軸方向先端側に設けられる括れ部52、およびこの括れ部52の軸方向先端側に設けられる当接部53を有している。
摺動部51の摺動長αは、図1に示したように、ニードル2のフルリフト量よりも大きくなっている。つまり摺動部51がニードル2の先端から抜けることを防止している。
また、摺動部51の軸方向後端側には、スプリング7の内径をガイドする円柱状の軸部55が設けられている。
括れ部52は、摺動部51よりも径方向内側に向かって括れている。この括れ部52は、ニードル2が軸方向後端側に移動しても、サック室15内において常に同じ位置に存在する。
ここで、図5に示したように、括れ部52の軸方向長さをL、噴孔入口21の孔径における、軸方向に沿った軸方向成分をφDyとしたとき、L>φDyの関係を満たしている。
ガイドピン6は、括れ部52の中で軸方向に垂直な断面積が最小となる最小径部56を有している。この最小径部56は、図5に示したように、摺動部51の摺動径φdoよりも細くなっている。
また、ガイドピン6は、当接部53の中で軸方向に垂直な断面積が最大となる最大径部57を有している。この最大径部57は、噴孔入口21の下端よりも下側の底面24に接触している。
ガイドピン6は、括れ部52の上端から当接部53の最大径部57までの凹曲面が、サック室15内において噴孔14に向かう燃料流れに渦を発生させる渦形成ガイド59となっており、括れ部52の内部に最小径部56を内包している。また、括れ部52は、噴孔入口21の開口断面を複数の噴孔14それぞれの噴孔軸方向に投影した際に形成される噴孔入口21の投影形状を内包する。
当接部53は、ガイドピン6の先端に設けられている。この当接部53の接触面形状は、サック室15の底面24の底面形状に対応した半球面形状である。
当接部53は、スプリング7の付勢力によってサック室15の底面24に常に突き当てられている。この当接部53は、括れ部52の軸方向の両端よりもさらに拡径している。また、当接部53の壁面は、括れ部52の凹曲面に滑らかに繋がる凹曲面となっている。また、括れ部52の凹曲面の曲率と当接部53の凹曲面の曲率とは異なっている。また、当接部53の凹曲面の曲率を連続的に変更しても良い。なお、凹曲面の曲率を拡大する程、サック室15内に強い縦渦を形成できる。
ニードル2の縮径部12には、シート面16との干渉を防ぐための逃がし部があり、逃がし部径dnは、サック室15の入口径dsよりも大きく、逃がし角は、90°よりも大きい。
これにより、燃料噴射の初期からニードル2のシート部9を通過した燃料の流れは、サック室15の入口にてニードル2の円錐面32から剥離し、サック室15の壁面に沿って噴孔14に到達する。また、シート部9を通過した流れの一部は、括れ部52の壁面に沿って流れ、括れ部52の壁面から剥離して渦を形成する。
ここで、シート部9がシート面16に着座している閉弁状態からニードル2が軸方向後端側に移動する動作をリフトと呼ぶ。また、サック室15内に形成される渦を、サック内渦と呼ぶ場合がある。また、縮径部12の円錐面32、33を、ニードル表面と呼ぶ場合がある。
次に、ニードル2のリフト量が低リフト時におけるサック室15内の燃料流れの様子を図5に基づいて説明する。
低リフト時には、燃料流路17からサック室15内に流れ込む燃料の流速が高リフト時よりも速くなる。燃料流路17からサック室15内に流れ込んだ大部分の燃料は、サック室15の入口でニードル表面から剥離し、サック室15の周壁面23に沿ってサック室15の軸方向先端側へ流れる。この際、サック室15内に流れ込む燃料の流速が高いため、ニードル表面から剥離して噴孔14に流入する際の抵抗が大きく、高リフト時に比べて、サック室15の周壁面23に沿って流れる燃料の割合は、小さくなる。
一方、燃料流路17からサック室15内に流れ込んだ燃料の一部は、ガイドピン6の渦形成ガイド59、特に括れ部52の壁面に沿った流れを形成する。このとき、括れ部52は、サック室15内において常に同じ位置に存在している。
そして、燃料は、括れ部52よりも下流側の当接部53の凹曲面から剥離して、曲がりの小さい縦方向の渦を形成する。
ここで、従来形状の燃料噴射ノズルでも、このようなサック内渦は形成される。しかし、本実施形態の燃料噴射ノズル1では、渦形成ガイド59が存在することにより、従来形状の燃料噴射ノズルと比べてより強い渦が形成される。
また、高リフト状態に比べてサック室15内への流入速度が大きく、サック室15の周壁面23に沿った流れの割合が小さいため、より強い渦が形成される。
サック室15内に形成された渦の一部は、サック室15の周壁面23に沿った流れに取り込まれながら噴孔入口21から噴孔14内に流れ込む。
これによって、各噴孔14内を通過する燃料は、複数の噴孔14それぞれの噴孔軸に平行な速度成分と、各噴孔断面内で回転する2つの渦状流れを合成した、螺旋状の速度ベクトルを持つ流れを形成する。このうち、各噴孔断面内で回転する2つの渦状流れは、サック室15内に形成された渦がサック室15の周壁面23に沿った流れに取り込まれることに由来する。この際、サック室15内に形成される渦が強いため、各噴孔断面内で回転する2つの渦状流れは、従来形状の燃料噴射ノズルに比べて強くなる。
また、各噴孔14内の螺旋状流れの噴孔軸に対して直交する成分は、噴孔出口22において噴流を広げる運動に変換される。
したがって、各噴孔14内を通過する燃料は、噴孔出口22において従来形状の燃料噴射ノズルにより形成される噴流に比べて噴射方向に対して直交する速度成分を多く有する噴流となり、各噴孔14から燃焼室内へ噴霧角が大きく、高分散特性の燃料噴霧が噴射される。
次に、ニードル2のリフト量が高リフト時におけるサック室15内の燃料流れの様子を図6に基づいて説明する。
高リフト時には、燃料流路17からサック室15内に流れ込む燃料の流速が低リフト時よりも遅くなる。このとき括れ部52は、サック室15内において常に同じ位置に存在している。このため、燃料は、サック室15の入口でニードル表面から剥離し、サック室15の周壁面23に沿った流れと、燃料流路17からの燃料がニードル2の円錐面32の下端で剥離し、ガイドピン6の渦形成ガイド59に沿った流れとに分岐する。この際、分岐する流れの割合は、低リフト状態に比べて周壁面23に沿った流れの方が大きくなる。
ガイドピン6の渦形成ガイド59、特に括れ部52の壁面に沿って流れる燃料は、括れ部52よりも下流側の当接部53の凹曲面から剥離して、曲がりの小さい縦方向の渦を形成する。従来形状の燃料噴射ノズルでは、高リフト状態では渦形成に寄与する壁面ガイドがサック底面しか存在しなくなるため、サック内渦は非常に弱くなる。一方、本実施形態の燃料噴射ノズル1は、渦形成ガイド59がサック室15内に存在するため、高リフト状態でもサック室15内に渦流れが形成され易い。
一方、サック室15の入口でニードル表面から剥離した大部分の燃料は、サック室15の周壁面23に沿ってサック室15の軸方向先端側へ流れる。そして、燃料は、低リフト時と同様に、サック室15内に形成された渦の一部を取り込みながら、噴孔入口21から噴孔14内に流れ込む。
これによって、各噴孔14内を通過する燃料は、螺旋状の速度ベクトルを持つ流れを形成する。この螺旋状の流れは、高リフト状態でも依然サック内渦が存在するため、従来形状の燃料噴射ノズルに対して噴孔断面内で回転する2つの渦状流れ成分が大きくなる。
したがって、各噴孔14内を通過して噴出する燃料の噴射方向に対して直交する速度成分が多くなることにより、各噴孔14から燃焼室内へ噴霧角が大きく、高分散特性の燃料噴霧が噴射される。
[実施形態1の効果]
以上のように、本実施形態の燃料噴射ノズル1においては、ニードル2の先端孔5内にガイドピン6を摺動自在に保持している。そして、当接部53は、スプリング7の付勢力によって、常時、サック室15の底面24に突き当たり続けている。括れ部52は、常時、サック室15内において同じ位置に存在している。
これにより、ガイドピン6の括れ部52がニードル2のリフト量に係わらず、常に同じ位置にあることで、渦が安定して形成される。また、従来形状に比べてニードル2のリフト中のサック空間の容積増加分が小さいため、小さな空間で強い渦が形成される。
ここで、括れ部52の壁面に沿って流れる渦の流れ、つまり渦の中心から最も外側に形成される流れは、噴孔入口21に到達する間に括れ部52の壁面から剥離する。このような渦の流れを強い渦と呼ぶ。
これによって、サック室15内において常に同じ位置に括れ部52が存在することにより、括れ部52により強い渦を形成し、ニードル2のリフト量が変化してもその強い渦を持続させることができる。
したがって、小型エンジンにおいて、ニードル2の軸方向後端側への移動量に係わらず、高分散特性の燃料噴霧を実現することができる。
また、ニードル2の円錐面33とガイドピン6の摺動面とは、滑らかに連続的に継続している。これにより、サック室15の入口から安定して燃料の流れが供給され、ニードル2の円錐面33やガイドピン6の摺動面から急激に剥離するポイントがないため、燃料噴射ノズル1の1噴射毎の燃料噴霧ばらつきを抑制できる。また、各噴孔14毎の燃料噴霧ばらつきも抑制できる。
ガイドピン6の摺動部51の摺動長αは、ニードル2のフルリフト量よりも大きい。これにより、燃料の噴射期間中、ニードル2の先端は常にガイドピン6の摺動面にある。よって、サック室15の入口から安定して燃料の流れが供給され、ニードル2の円錐面33やガイドピン6の摺動部51の摺動面から急激に剥離するポイントがないため、燃料噴射ノズル1の1噴射毎の燃料噴霧ばらつきを抑制できる。また、各噴孔14毎の燃料噴霧ばらつきも抑制できる。
[実施形態2の構成]
図7および図8は、本発明を適用した実施形態2を示したものである。ここで、実施形態1と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
本実施形態の摺動部51の外周には、ニードル2の軸方向の移動時におけるサック室15と収容室41の間の燃料流動を確保するために、サック室15と収容室41とを連通する複数の燃料通路43が形成されている。
以上のように、本実施形態の燃料噴射ノズル1においては、実施形態1と同様な効果を奏する。
[実施形態3の構成]
図9は、本発明を適用した実施形態3を示したものである。ここで、実施形態1及び2と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
本実施形態のガイドピン6は、当接部53の軸方向先端側に結合部54を有している。結合部54は、ガイドピン6の先端に設けられている。
また、サック部13には、サック室15の底面24で開口し、軸方向先端側に窪む嵌合孔63が形成されている。
嵌合孔63内には、結合部54が圧入嵌合されている。これにより、ガイドピン6がサック室15の底面24に固定される。
なお、ノズルボディ3に対するガイドピン6の接続作業は、ガイドピン6の切削加工後に行われる。また、スプリング7は不要となる。
以上のように、本実施形態の燃料噴射ノズル1においては、実施形態1及び2と同様な効果を奏する。
[変形例]
本実施形態では、本発明を、サプライポンプまたはコモンレールから導入された高圧燃料をエンジンの燃焼室内に直接噴射する燃料噴射ノズル1に適用した例を説明したが、本発明を、列型燃料ポンプや分配型燃料ポンプ等の燃料噴射ポンプから燃料溜まり室の内部に燃料が圧送され、燃料溜まり室の燃料圧がリターンスプリングの付勢力よりも上回るとニードルが開弁して、直接噴射式のエンジンの燃焼室内に直接噴射する燃料噴射ノズルに適用しても良い。
本実施形態では、本発明を、燃料噴射時に、全閉位置からフルリフト位置までニードル2がリフトするタイプの燃料噴射ノズル1に適用した例を説明したが、本発明を、エンジンの要求噴射量が所定値よりも小さい小噴射量の場合、全閉位置から低リフト位置までニードル2がリフトし、また、エンジンの要求噴射量が所定値よりも大きい大噴射量の場合、全閉位置から高リフト位置までニードル2がリフトするリフト量可変型の燃料噴射ノズルに適用しても良い。あるいは、燃料の噴射期間中に最大リフト量が変化するリフト量可変型の燃料噴射ノズルに適用しても良い。
なお、全閉位置からフルリフト位置までニードル2がリフトするタイプの燃料噴射ノズル1の場合でも、アクチュエータへの通電時間が短い場合には、全閉位置からフルリフト位置まで軸方向後端側に移動しても低リフト位置までしかニードル2がリフトしない場合も有り得る。
また、燃料噴射ノズル1のニードル2を開弁駆動するアクチュエータとして、ニードルの直上に設けられる制御室内の燃料圧を調整し、ニードル2の開閉動作を制御するピエゾアクチュエータを採用しても良い。また、制御室内の燃料圧を調整し、ニードル2の開閉動作を制御するソレノイドバルブを採用しても良い。
また、燃料噴射ノズル1のニードル2を開弁駆動するアクチュエータとして、ニードル2を、ソレノイドアクチュエータやピエゾアクチュエータの駆動力によって直接開弁駆動し、リターンスプリングの付勢力によって閉弁するように構成しても良い。
本実施形態では、直接噴射式のエンジンとして、直噴ディーゼルエンジンを採用しているが、直接噴射式のエンジンとして、直噴ガソリンエンジンを採用しても良い。
本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
1 燃料噴射ノズル
2 ニードル
3 ノズルボディ
5 先端孔
6 ガイドピン(先端部品)
7 スプリング(バネ)
13 サック部
14 噴孔
15 サック室

Claims (5)

  1. 噴孔(14)、およびこの噴孔の入口(21)が開口したサック室(15)を先端に有する筒状のノズルボディ(3)と、
    このノズルボディ内に軸方向に移動可能に収容されるニードル(2)と
    を備え、
    前記ノズルボディの内壁(16)に対し前記ニードルが離着座して軸方向に移動することで、燃料の噴射を開始したり、停止したりする燃料噴射ノズル(1)において、
    前記ニードルの先端(12)に設けられて、軸方向後端側に窪む孔(5)と、
    この孔の内周面に摺動自在に保持されて、前記サック室に突き出る先端部品(6)と
    を備え、
    前記先端部品は、前記孔の内周面に摺接する摺動部(51)、およびこの摺動部の軸方向先端側に設けられて、前記摺動部よりも径方向内側に向かって括れる括れ部(52)を有し、
    前記ニードルが軸方向に移動しても、前記先端部品は、前記サック室の底面(24)に突き当たり続け、前記括れ部は、前記サック室内において常に同じ位置に存在していることを特徴とする燃料噴射ノズル。
  2. 請求項1に記載の燃料噴射ノズルにおいて、
    前記孔内に収容されて、前記先端部品を軸方向先端側に付勢するバネ(7)と
    を備え、
    前記先端部品は、軸方向先端側が前記サック室内に突き出して配置され、且つ軸方向後端側が前記孔に摺動自在に保持されており、
    前記先端部品の先端(53)は、前記バネの付勢力によって前記サック室の底面に突き当てられていることを特徴とする燃料噴射ノズル。
  3. 請求項1に記載の燃料噴射ノズルにおいて、
    前記先端部品は、軸方向先端側が前記サック室内に突き出して配置され、且つ軸方向後端側が前記孔に摺動自在に保持されており、
    前記先端部品の先端(54)は、前記サック室の底面に固定されていることを特徴とする燃料噴射ノズル。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の燃料噴射ノズルにおいて、
    前記括れ部の軸方向長さをL、
    前記噴孔の入口の孔径における、軸方向に沿った軸方向成分をφDyとしたとき、
    L>φDyの関係を満たすことを特徴とする燃料噴射ノズル。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載の燃料噴射ノズルにおいて、
    前記先端部品は、前記括れ部の中で軸方向に垂直な断面積が最小となる最小径部(56)を有し、
    前記最小径部を含む前記括れ部は、前記噴孔の入口の開口断面を前記複数の噴孔それぞれの噴孔軸方向に投影した際に形成される前記噴孔の入口の投影形状を内包することを特徴とする燃料噴射ノズル。
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