<銅のエッチング液>
本発明の銅のエッチング液は、酸と、酸化性金属イオンと、臭化物イオンと、脂肪族非環式化合物、脂肪族複素環式化合物、及び複素芳香族化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物とを含む水溶液である。前記脂肪族非環式化合物は、ヘテロ原子として窒素のみを2つ以上有する炭素数2〜10の飽和の脂肪族非環式化合物(A)であり、前記脂肪族複素環式化合物は、環を構成するヘテロ原子として窒素を1つ以上有する5〜7員環を含む脂肪族複素環式化合物(B)であり、前記複素芳香族化合物は、環を構成するヘテロ原子として窒素を1つ以上有する複素芳香6員環を含む複素芳香族化合物(C)である。
図1は本発明のエッチング液によりエッチングした後の銅配線の一例を示す断面図である。銅配線1上には、エッチングレジスト2が形成されている。そして、エッチングレジスト2の端部の直下における銅配線1の側面に、保護皮膜3が形成されている。一般的な塩化銅系エッチング液又は塩化鉄系エッチング液で銅配線を形成すると、エッチングの進行とともに、第一銅イオン及びその塩が生成する。配線間では液の入れ替わりが遅くなるため、特に微細配線では第一銅イオン及びその塩による影響で、垂直方向のエッチングが次第に進行しにくくなり、結果としてサイドエッチングが大きくなる。
本発明のエッチング液によれば、エッチングの進行とともに生成する第一銅イオン及びその塩を、前記脂肪族非環式化合物、前記脂肪族複素環式化合物、及び前記複素芳香族化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物が捕捉することで垂直方向のエッチングを速やかに進行させると同時に、スプレーの衝撃を直接受けにくい銅配線1の側面に第一銅イオン及びその塩と前記脂肪族非環式化合物、前記脂肪族複素環式化合物、及び前記複素芳香族化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物から構成される保護皮膜3が均一に形成されるものと考えられる。前記脂肪族非環式化合物、前記脂肪族複素環式化合物、及び前記複素芳香族化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物により形成される保護皮膜3は均一なため、銅配線1の直線性を低下させることなくサイドエッチングを抑制できると考えられる。
さらに、本発明のエッチング液によれば、臭化物イオンが前記保護皮膜3をより強固にするとともに銅配線底部まで均一に形成するため、サイドエッチングをさらに抑制できる上に、エッチング後の銅配線底部の配線幅のばらつきを抑制できると考えられる。
よって、本発明のエッチング液によれば、プリント配線板の製造工程における歩留まりを改善できる。なお、保護皮膜3はエッチング処理後に除去液による処理で簡単に除去することができる。前記除去液としては、希塩酸水溶液や希硫酸水溶液等の酸性水溶液等が好ましい。
<酸>
本発明のエッチング液に用いられる酸は、無機酸及び有機酸から適宜選択可能である。前記無機酸としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸等が挙げられる(但し、臭化水素酸を除く)。前記有機酸としては、ギ酸、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、安息香酸、グリコール酸等が挙げられる。前記酸の中では、エッチング速度の安定性及び銅の溶解安定性の観点から、塩酸が好ましい。
前記酸の濃度は、好ましくは5〜180g/Lであり、より好ましくは7〜150g/Lである。酸の濃度が5g/L以上の場合は、エッチング速度が速くなるため、銅を速やかにエッチングすることができる。また、酸の濃度が180g/L以下の場合は、銅の溶解安定性が維持されるとともに、作業環境の悪化を抑制できる。
<酸化性金属イオン>
本発明のエッチング液に用いられる酸化性金属イオンは、金属銅を酸化できる金属イオンであればよく、例えば第二銅イオン、第二鉄イオン等が挙げられる。サイドエッチングを抑制する観点、及びエッチング速度の安定性の観点から、酸化性金属イオンとして第二銅イオンを用いることが好ましい。
前記酸化性金属イオンは、酸化性金属イオン源を配合することによって、エッチング液中に含有させることができる。例えば、酸化性金属イオン源として第二銅イオン源を用いる場合、その具体例としては、塩化銅、硫酸銅、臭化銅、有機酸の銅塩、水酸化銅等が挙げられる。例えば、酸化性金属イオン源として第二鉄イオン源を用いる場合、その具体例としては、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄、有機酸の鉄塩等が挙げられる。
前記酸化性金属イオンの濃度は、好ましくは10〜300g/Lであり、より好ましくは10〜250g/Lであり、更に好ましくは15〜220g/Lであり、更により好ましくは30〜200g/Lである。酸化性金属イオンの濃度が10g/L以上の場合は、エッチング速度が速くなるため、銅を速やかにエッチングすることができる。また、酸化性金属イオンの濃度が300g/L以下の場合は、銅の溶解安定性が維持される。
<臭化物イオン>
本発明のエッチング液に用いられる臭化物イオンは、臭化物イオン源を配合することによって、エッチング液中に含有させることができる。例えば、臭化水素酸、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化リチウム、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化バリウム、臭化銅、臭化亜鉛、臭化アンモニウム、臭化銀、臭素等が挙げられる。銅配線の直線性の低下及びサイドエッチングをより抑制でき、かつ、エッチング後の銅配線底部の配線幅(W1)のばらつきをより抑制できることができる観点から、臭化水素酸、臭化ナトリウム、臭化カリウムが好ましい。
前記臭化物イオンの濃度は、好ましくは10〜150g/Lであり、より好ましくは20〜120g/Lであり、さらに好ましくは、30〜110g/Lである。臭化物イオンの濃度が10g/L以上の場合は、サイドエッチングを効果的に抑制することができる。また、臭化物イオンの濃度が150g/L以下の場合は、エッチング後の銅配線底部の配線幅(W1)のばらつきを効果的に抑制することができる。
本発明のエッチング液には、銅配線の直線性を低下させることなくサイドエッチングを抑制するために、脂肪族非環式化合物、脂肪族複素環式化合物、及び複素芳香族化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物が配合される。
<脂肪族非環式化合物>
本発明の脂肪族非環式化合物は、ヘテロ原子として窒素のみを2つ以上有する炭素数2〜10の飽和の脂肪族非環式化合物(A)である。前記脂肪族非環式化合物は、直鎖又は分岐鎖構造を有する。前記脂肪族非環式化合物(A)は、構造安定性及び酸性液に対する溶解性の観点から、脂肪族非環式化合物(A)の末端基の1つ以上が、NH2基であることが好ましい。また、前記脂肪族非環式化合物(A)は、構造安定性及び酸性液に対する溶解性の観点から、炭素数が2〜9が好ましく、炭素数が2〜8がより好ましく、炭素数が2〜7がさらに好ましい。本発明のエッチング液には、これらの脂肪族非環式化合物の1種又は2種以上を配合できる。
前記脂肪族非環式化合物(A)としては、1,3-ジアミノプロパン、1,2-ジアミノプロパン、N,N-ビス(3-アミノプロピル)メチルアミン、2-ジエチルアミノエチルアミン、2,2’-ジアミノ-N-メチルジエチルアミン、1,6-ジアミノヘキサン、1,4-ジアミノブタン、1,7-ジアミノヘプタン、1,10-ジアミノデカン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、3,6,9,12,15-ペンタアザヘプタデカン-1,17-ジアミン等が挙げられる。上記脂肪族非環式化合物(A)としては、銅配線の直線性をより低下させることなくサイドエッチングをより抑制する観点から、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチルペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンが好ましい。
<脂肪族複素環式化合物>
本発明の脂肪族複素環式化合物は、環を構成するヘテロ原子として窒素を1つ以上有する5〜7員環を含む脂肪族複素環式化合物(B)である。前記脂肪族複素環式化合物の具体例としては、ピロリジン骨格を有するピロリジン化合物、ピペリジン骨格を有するピペリジン化合物、ピペラジン骨格を有するピペラジン化合物、ホモピペラジン骨格を有するホモピペラジン化合物、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン骨格を有するヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン化合物等が例示できる。前記列挙した化合物は、脂肪族複素環が、アミノ基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ニトロ基、ニトロソ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、アルコキシ基、ハロゲン基、アゾ基、シアノ基、イミノ基、ホスフィノ基、チオール基、スルホ基等の置換基で置換されていてもよい。本発明のエッチング液には、これらの脂肪族複素環式化合物の1種又は2種以上を配合できる。
前記脂肪族複素環式化合物(B)は、銅配線の直線性を低下させることなくサイドエッチングを抑制するために、環を構成するヘテロ原子として窒素のみを1つ以上を有する5〜7員環を含む脂肪族複素環式化合物(b1)であることが好ましい。
前記化合物(b1)は、環を構成するヘテロ原子として窒素のみを有し、かつ5〜7員環の脂肪族複素環を含む脂肪族複素環式化合物であるため、構造安定性及び酸性液に対する溶解性が高い。
前記化合物(b1)は、環を構成するヘテロ原子として窒素のみを1つ以上有する5〜7員環の脂肪族複素環を含む脂肪族複素環式化合物の中から適宜選択することができるが、エッチング液中の安定性の観点から、環を構成する窒素の数が3以下の脂肪族複素環式化合物が好ましい。
なかでも、銅配線の直線性向上の観点、及びサイドエッチングを効果的に抑制する観点から、化合物(b1)として、ピロリジン化合物、ピペリジン化合物、ピペラジン化合物、ホモピペラジン化合物及びヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン化合物から選ばれる1種以上を配合することが好ましい。
前記ピロリジン化合物は、ピロリジン骨格を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば下記式(I)に示すピロリジン化合物が例示できる。
[式中、R
1〜R
5は、それぞれ独立に水素、アミノ基含有置換基、又はアミノ基含有置換基を除く炭素数1〜10の炭化水素誘導基を示す。これら置換基は互いに結合して環構造を形成していてもよい。]
前記アミノ基とは、−NH2、−NHR、及び−NRR’の何れかを示し、前記R、R’はそれぞれ独立に炭素数1〜10の炭化水素誘導基を示し、RとR’は互いに結合して飽和環構造を形成していてもよい。前記アミノ基含有置換基とは、アミノ基からなる置換基、及び炭素数1〜10の炭化水素誘導基にて一部の水素がアミノ基に置き換わった置換基の何れかを示す。サイドエッチングを効果的に抑制し、かつ銅配線の直線性をより向上させる観点から、アミノ基からなる置換基、又は炭素、水素及び窒素からなるアミノ基含有置換基が好ましい。以下のアミノ基、及びアミノ基含有置換基も同様である
前記炭化水素誘導基とは、炭化水素基にて一部の炭素又は水素が他の原子又は置換基に置き換わっていてもよいものを示す。炭化水素誘導基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、アリル基、アセチル基、フェニル基、ヒドロキシエトキシメチル基、ヒドロキシエトキシエチル基、ヒドロキシエトキシプロピル基等が例示でき、サイドエッチングを効果的に抑制し、かつ銅配線の直線性をより向上させる観点から、炭素及び水素からなる炭化水素誘導基が好ましい。以下の炭化水素誘導基も同様である。
前記ピロリジン化合物の具体例としては、ピロリジン、1-メチルピリミジン、2-ピロリドン、1-(2-ヒドロキシエチル)ピロリジン、インドリン、1-イソピロピル-3-ヒドロキシピロリジン、1,2-シクロヘキサンジカルボキシイミド、1-ブチルピロリジン、1-エチルピロリジン、2-(2-ヒドロキシエチル)-1-メチルピロリジン、2-メチルピロリジン、1-(2-ヒドロキシエチル)ピロリジン、1-(3-アミノプロピル)ピロリジン、1-(2-アミノエチル)ピロリジン、3-アミノピロリジン、2-アミノメチル-1-エチルピロリジン、2-(2-アミノエチル)-1-メチルピロリジン、3-(ジメチルアミノ)ピロリジン、3-(メチルアミノ)ピロリジン、1-(2-ピロリジニルメチル)ピロリジン、3-(ジエチルアミノ)ピロリジン、1,1’-ジメチル-3-アミノピロリジン、3-(エチルアミノ)ピロリジン、1-メチル-2-(1-ピペリジノメチル)ピロリジン、4-(1-ピロリジニル)ピペリジン、3-(N-アセチル-N-メチルアミノ)ピロリジン、3-(N-アセチル-N-エチルアミノ)ピロリジン、2-ピロリジンカルボキサミド、3-ピロリジンカルボキサミド、3-アセトアミドピロリジン、1-エチル-2-ピロリジンカルボキサミド、3-アミノ-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン、3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジン、1-アミノ-2-(メトキシメチル)ピロリジン、1-ベンジル-3-アミノピロリジン、1-ベンジル-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン、1-ベンジル-3-(メチルアミノ)ピロリジン、1-ベンジル-3-(エチルアミノ)ピロリジン、3,4-ジアミノ-1-ベンジルピロリジン、1-ベンジル-3-アセトアミドピロリジン、(1s,6s)-2,8-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナン等が挙げられる。
前記ピペリジン化合物は、ピペリジン骨格を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば下記式(II)に示すピペリジン化合物が例示できる。
[式中、R
6〜R
11は、それぞれ独立に水素、アミノ基含有置換基、又はアミノ基含有置換基を除く炭素数1〜10の炭化水素誘導基を示す。これら置換基は互いに結合して環構造を形成していてもよい。]
前記ピペリジン化合物の具体例としては、ピペリジン、2-ピペリドン、1-メチルピペリジン、2-メチルピペリジン、3-メチルピペリジン、4-メチルピペリジン、4-メチルピペリジン、3,5-ジメチルピペリジン、2-エチルピペリジン、4-ピペリジンカルボン酸、1,2,3,4-テトラヒドロキノリン、デカヒドロイソキノリン、2,6-ジメチルピペリジン、2-ピペリジンメタノール、3-ピペリジンメタノール、4-ピペリジンメタノール、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-アミノピペリジン、1-アミノピペリジン、3-アミノピペリジン、4-(アミノメチル)ピペリジン、4-アミノ-1-メチルピペリジン、2-(アミノメチル)ピペリジン、3-(アミノメチル)ピペリジン、4-ピペリジンカルボキサミド、2-ピペリジンカルボキサミド、1-(2-アミノエチル)ピペリジン、4-アセトアミドピペリジン、3-アセトアミドピペリジン、4-アミノ-1-イソプロピルピペリジン、1-(3-アミノプロピル)-2-メチルピペリジン、4-アミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、2,2’-ビピペリジン、4,4’-ビピペリジン、4-ピペリジノピペリジン、4-アミノ-1-ピペリジンカルボン酸エチル、4-アミノ-1-ベンジルピペリジン、4-(2-アミノエチル)-1-ベンジルピペリジン、4-アセトアミド-1-ベンシルピペリジン、3-アミノキヌクリジン等が挙げられる。
前記ピペラジン化合物は、ピペラジン骨格を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば下記式(III)に示すピペラジン化合物が例示できる。
[式中、R
12〜R
17は、それぞれ独立に水素、アミノ基含有置換基、又はアミノ基含有置換基を除く炭素数1〜10の炭化水素誘導基を示す。これら置換基は互いに結合して環構造を形成していてもよい。]
前記ピペラジン化合物の具体例としては、ピペラジン、1-メチルピペラジン、2-メチルピペラジン、1-アリルピペラジン、1-イソブチルピペラジン、1-ヒドロキシエトキシエチルピペラジン、1-フェニルピペラジン、1-アミノエチルピペラジン、1-アミノ-4-メチルピペラジン、1-エチルピペラジン、1-ピペラジンエタノール、1-ピペラジンカルボン酸エチル、1-ホルミルピペラジン、1-プロピルピペラジン、1-アセチルピペラジン、1-イソプロピルピペラジン、1-シクロペンチルピペラジン、1-シクロヘキシルピペラジン、1-(2-メトキシエチル)ピペラジン、1-ピペロニルピペラジン、1-(ジフェニルメチル)ピペラジン、2-ピペラジノン、1,4-ジメチルピペラジン、1-メチル-3-フェニルピペラジン、1,4-ビス(3-アミノプロピル)ピペラジン、1-(2-ジメチルアミノエチル)-4-メチルピペラジン、1-(2-アミノエチル)ピペラジン、1,4-ビス(3-アミノプロピル)ピペラジン、2,5-ジメチルピペラジン、2,6-ジメチルピペラジン、1,4-ジホルミルピペラジン、1-(4-アミノフェニル)-4-メチルピペラジン、1,4-ジアセチル-2,5-ピペラジンジオン、1-メチル-4-(1,4'-ビピペリジン-4-イル)ピペラジン、1-(4-アミノフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)ピペラジン、1,4-ジメチルピペラジン-2-オン、1,4-ジエチルピペラジン-2-オン、1,4-ジメチルピペラジン-2,3-ジオン、2-ピペラジンカルボン酸、トリエチレンジアミン等が挙げられる。
前記ホモピペラジン化合物は、ホモピペラジン骨格を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば下記式(IV)に示すホモピペラジン化合物が例示できる。
[式中、R
18〜R
24は、それぞれ独立に水素、アミノ基含有置換基、又はアミノ基含有置換基を除く炭素数1〜10の炭化水素誘導基を示す。これら置換基は互いに結合して環構造を形成していてもよい。]
前記ホモピペラジン化合物の具体例としては、ホモピペラジン、1-メチルホモピペラジン、1-ホルミルホモピペラジン、1,4-ジメチルホモピペラジン、4-メチル-1-ホモピペラジンジチオカルボン酸、1-アセチルホモピペラジン、1-ブチリルホモピペラジン等が挙げられる。
前記ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン化合物は、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン骨格を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば下記式(V)に示すヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン化合物が例示できる。
[式中、R
25〜R
30は、それぞれ独立に水素、アミノ基含有置換基、又はアミノ基含有置換基を除く炭素数1〜10の炭化水素誘導基を示す。これら置換基は互いに結合して環構造を形成していてもよい。]
前記ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン化合物の具体例としては、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリメチル-1,3,5-トリアジン、ヘキサヒドロ-2,4,6-トリメチル-1,3,5-トリアジン、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリス(3-ジメチルアミノプロピル)-1,3,5-トリアジン、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリプロピル-1,3,5-トリアジン、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリエチル-1,3,5-トリアジン、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリイソプロピル-1,3,5-トリアジン、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリベンジル-1,3,5-トリアジン、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリス(2-ヒドロキシエチル)-1,3,5-トリアジン、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリニトロ-1,3,5-トリアジン、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリニトロソ-1,3,5-トリアジン、ヘキサヒドロ-2,4,6-トリメチル-1,3,5-トリニトロ-1,3,5-トリアジン、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアクリロイル-1,3,5-トリアジン、ヘキサメチレンテトラミン等が挙げられる。
前記化合物(b1)としては、銅配線の直線性をより低下させることなくサイドエッチングをより抑制する観点から、1-メチルピペラジン、1-アミノエチルピペラジン、1,4-ビス(3-アミノプロピル)ピペラジンが好ましい。
<複素芳香族化合物>
本発明の複素芳香族化合物は、環を構成するヘテロ原子として窒素を1つ以上有する複素芳香6員環を含む複素芳香族化合物(C)である。6員環複素芳香族化合物としては、構造安定性及び酸性液に対する溶解性の観点から、環を構成するヘテロ原子として窒素のみを有するものが好ましい。なお、前記複素芳香族化合物は、アミノ基含有置換基で置換されたピリジン化合物、ピリミジン化合物、ピラジン化合物、ピリダジン化合物、1,3,5-トリアジン化合物等が例示できる。また、複素芳香環が、アミノ基含有置換基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ニトロ基、ニトロソ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、アルコキシ基、ハロゲン基、アゾ基、シアノ基、イミノ基、ホスフィノ基、チオール基、スルホ基等の置換基で置換されていてもよい。本発明のエッチング液には、これらの6員環複素芳香族化合物の1種又は2種以上を配合できる。
前記アミノ基含有置換基で置換されたピリジン化合物は、アミノ基含有置換基で置換され、ピリジン環を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、下記式(VI)に示すピリジン化合物が例示できる。
[式中、R
31〜R
35は、それぞれ独立に水素、アミノ基含有置換基、又はアミノ基含有置換基を除く炭素数1〜10の炭化水素誘導基を示す。ただし、R
31〜R
35の少なくとも1つはアミノ基含有置換基を示す。これら置換基は互いに結合して環構造を形成していてもよい。]
前記アミノ基含有置換基で置換されたピリジン化合物の具体例としては、3-アミノピリジン、2-アミノピリジン、4-アミノピリジン、2-アミノ-3-メチルピリジン、2-アミノ-4-メチルピリジン、2-アミノ-5-メチルピリジン、2-(アミノメチル)ピリジン、3-アミノ-4-メチルピリジン、5-アミノ-2-メチルピリジン、4-アミノ-3-メチルピリジン、3-アミノ-2-メチルピリジン、4-アミノ-2-メチルピリジン、3-アミノ-5-メチルピリジン、2-(メチルアミノ)ピリジン、4-(メチルアミノ)ピリジン、3-(アミノメチル)ピリジン、4-(アミノメチル)ピリジン、2,3-ジアミノピリジン、3,4-ジアミノピリジン、2,6-ジアミノピリジン、2-アミノ-5-シアノピリジン、2-アミノ-3-シアノピリジン、2-アミノピリジン-3-カルボキシアルデヒド、ピリジン-2-カルボキシアミド、2-アミノ-4,6-ジメチルピリジン、4-(2-アミノエチル)ピリジン、3-(2-アミノエチル)ピリジン、2-(2-アミノエチル)ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、2-ジメチルアミノピリジン、2-(エチルアミノ)ピリジン、2-アミノ-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン、4-アセトアミドピリジン、2-アセトアミドピリジン、3-アセトアミドピリジン、4-(エチルアミノメチル)ピリジン、2-アミノキノリン、3-アミノキノリン、5-アミノキノリン、6-アミノキノリン、8-アミノキノリン、4-ジメチルアミノ-1-ネオペンチルピリジニウムクロリド等が挙げられる。
前記ピリミジン化合物は、ピリミジン環を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、下記式(VII)に示すピリミジン化合物が例示できる。
[式中、R
36〜R
39は、それぞれ独立に水素、アミノ基含有置換基、又はアミノ基含有置換基を除く炭素数1〜10の炭化水素誘導基を示す。これら置換基は互いに結合して環構造を形成していてもよい。]
前記ピリミジン化合物の具体例としては、ピリミジン、4-メチルピリミジン、2-アミノピリミジン、4-アミノピリミジン、5-アミノピリミジン、2-シアノピリミジン、4,6-ジメチルピリミジン、2-アミノ-4-メチルピリミジン、2,4-ジアミノピリミジン、4,6-ジアミノピリミジン、4,5-ジアミノピリミジン、4-メトキシピリミジン、4-アミノ-6-ヒドロキシピリミジン、4,6-ジヒドロキシピリミジン、2-メルカプトピリミジン、2-クロロピリミジン、2-アミノ-4,6-ジメチルピリミジン、4-アミノ-2,6-ジメチルピリミジン、ピリミジン-5-カルボン酸、4,6-ジメチル-2-ヒドロキシピリジン、2,4-ジメチル-6-ヒドロキシピリジン、2-アミノ-4-ヒドロキシ-6-メチルピリジン、4-アミノ-6-ヒドロキシ-2-メチルピリジン、2,4,6-トリアミノピリミジン、2,4-ジアミノ-6-ヒドロキシピリミジン、4,6-ヒドロキシ-2-メチルピリジン、4,5-ジアミノ-6-ヒドロキシピリミジン、2-アミノ-4,6-ジメチルピリミジン、2-クロロ-4-メチルピリミジン、4-クロロ-2-メチルピリミジン、2-クロロ-5-メチルピリミジン、2-アミノ-5-メチルピリミジン、4-アミノ-6-クロロピリミジン、4-アミノ-2-クロロピリミジン、5-アミノ-4-クロロピリミジン、4-クロロ-6-ヒドロキシピリミジン、ピリミジン-2-カルボン酸メチル、4-アミノ-2-メチル-5-ピリミジンメタノール、2-アミノ-5-ニトロピリミジン、4,6-ジメチル-2-メルカプトピリミジン、4,6-ジアミノ-2-メチルピリミジン、2-クロロ-5-エチルピリミジン、4-アミノ-2-ジメチルアミノ-6-ヒドロキシピリミジン、4,5-ピリミジンジアミン、2-フェニルピリミジン、キナゾリン等が挙げられる。
前記ピラジン化合物は、ピラジン環を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、下記式(VIII)に示すピラジン化合物が例示できる。
[式中、R
40〜R
43は、それぞれ独立に水素、アミノ基含有置換基、又はアミノ基含有置換基を除く炭素数1〜10の炭化水素誘導基を示す。これら置換基は互いに結合して環構造を形成していてもよい。]
前記ピラジン化合物の具体例としては、ピラジン、2,5-ジメチルピラジン、2-メチルピラジン、2,3-ジメチルピラジン、2,6-ジメチルピラジン、2,3,5-トリメチルピラジン、2,3,5,6-テトラメチルピラジン、2-シアノピラジン、2-tert-ブチルピラジン、2-エチルピラジン、2,3-ジシアノピラジン、2-エチル-3-メチルピラジン、2-ビニルピラジン、2,3-ジエチルピラジン、2,3-ジシアノ-5-メチルピラジン、5-エチル-2,3-ジメチルピラジン、2-プロピルピラジン、2,3-ジエチル-5-メチルピラジン、2-メチル-3-プロピルピラジン、2-アセチルピラジン、2-メチル-3-イソブチルピラジン、2-アセチル-3-メチルピラジン、(2-メルカプトエチル)ピラジン、2-アセチル-3-エチルピラジン、ピラジンカルボン酸、5-メチルピラジン-2-カルボン酸、2-ピラジンカルボン酸メチル、2,3-ピラジンジカルボン酸、5-メチル-2,3-シクロペンテノピラジン、5,6,7,8-テトラヒドロキノキサリン、2-メチルキノキサリン、2,3-ジメチルキノキサリン、2-アミノピラジン、2-(アミノメチル)-5-メチルピラジン、5,6-ジアミノ-2,3-ジシアノピラジン、3-アミノピラジン-2-カルボン酸、3-アミノカルボニルピラジン-2-カルボン酸、2-アミノ-5-フェニルピラジン等が挙げられる。
前記ピリダジン化合物は、ピリダジン環を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、下記式(IX)に示すピリダジン化合物が例示できる。
[式中、R
44〜R
47は、それぞれ独立に水素、アミノ基含有置換基、又はアミノ基含有置換基を除く炭素数1〜10の炭化水素誘導基を示す。これら置換基は互いに結合して環構造を形成していてもよい。]
前記ピリダジン化合物の具体例としては、ピリダジン、2-メチルピリダジン、3-メチルピリダジン、4-メチルピリダジン、ピリダジン-4-カルボン酸、4,5-ベンゾピリダジン、3-アミノピリダジン等が挙げられる。
前記1,3,5-トリアジン化合物は、1,3,5-トリアジン環を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、下記式(X)に示す1,3,5-トリアジン化合物が例示できる。
[式中、R
48〜R
50は、それぞれ独立に水素、アミノ基含有置換基、又はアミノ基含有置換基を除く炭素数1〜10の炭化水素誘導基を示す。これら置換基は互いに結合して環構造を形成していてもよい。]
前記1,3,5-トリアジン化合物の具体例としては、1,3,5-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-メチル-1,3,5-トリアジン、2-メチル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(ペンタフルオロエチル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリフェニル-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(フラン-2-イル)ビニル]-1,3,5-トリアジン、4,6-ビス(トリクロロメチル)-2-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(3,4-ジメトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(フラン-2-イル)ビニル]-1,3,5-トリアジン、2-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリ(4-ピリジル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(2-ピリジル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジアミノ-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリアミノ-1,3,5-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-ジメチルアミノ-1,3,5-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-ジエチルアミノ-1,3,5-トリアジン、4,6-ジアミノ-2-ビニル-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス[ビス(メトキシメチル)アミノ]-1,3,5-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-ジアリルアミノ-1,3,5-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-ブチルアミノ-1,3,5-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-(シクロプロピルアミノ)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-フェニル-1,3,5-トリアジン等が挙げられる。
前記複素芳香族化合物(C)としては、銅配線の直線性をより低下させることなくサイドエッチングをより抑制する観点から、4-メチルピリミジン、3-アミノピリジン、2-アミノ-4,6-ジメチルピリミジン、2,4-ジアミノ-6-メチル-1,3,5-トリアジン、4-ジメチルアミノピリジンが好ましい。
前記複素芳香族化合物(C)は、銅配線の直線性を低下させることなくサイドエッチングを効果的に抑制する効果が高い観点から、さらに、環を構成するヘテロ原子として窒素を1つ以上有する複素芳香5員環を含む複素芳香族化合物(c1)であることが好ましい。
前記複素芳香6員環及び前記複素芳香5員環は、いずれもヘテロ原子として窒素を1つ以上有していればよく、窒素以外のヘテロ原子を有していてもよい。銅配線の直線性を低下させることなくサイドエッチングを効果的に抑制するためには、前記複素芳香6員環及び前記複素芳香5員環は、ヘテロ原子として窒素のみを有するもの、又は、ヘテロ原子として窒素及び硫黄のみを有するものが好ましい。なお、前記複素芳香6員環及び前記複素芳香5員環は、いずれも、アミノ基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ニトロ基、ニトロソ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルデヒド基、アルコキシ基、ハロゲン基、アゾ基、シアノ基、イミノ基、ホスフィノ基、チオール基、スルホ基等の置換基で置換されていてもよい。
前記複素芳香族化合物が前記複素芳香6員環及び前記複素芳香5員環を分子内に含むとは、例えば下記式(XI)に示すアデニンのように複素芳香6員環と複素芳香5員環とが縮合して縮合環を形成した複素芳香族化合物(以下、複素芳香族化合物(c1−1)ともいう)であってもよいし、複素芳香6員環と複素芳香5員環とが単結合又は二価の連結基で連結した複素芳香族化合物(以下、複素芳香族化合物(c1−2)ともいう)であってもよい。
ただし、本発明で用いられる前記複素芳香族化合物には、下記式(XII)に示すグアニンのように、複素環を構成する原子としてカルボニル基の炭素を含む環状化合物は含まれない。
前記複素芳香6員環と前記複素芳香5員環とが単結合で連結した複素芳香族化合物(c1−2)としては、例えば下記式(XIII)に示す2-(4-ピリジル)ベンゾイミダゾール等が例示できる。
前記複素芳香6員環と前記複素芳香5員環とが二価の連結基で連結した複素芳香族化合物(c1−2)としては、例えば下記式(XIV)に示す2,4-ジアミノ-6-[2-(2-メチル−1−イミダゾリル)エチル]-1,3,5-トリアジン等が例示できる。二価の連結基としては、二価の炭化水素誘導基、−O−、−S−等が例示できる。なお、前記炭化水素誘導基とは、炭化水素基にて一部の炭素又は水素が他の原子又は置換基に置き換わっていてもよいものを示す。
前記二価の炭化水素誘導基としては、アルキレン基だけでなく、アルケニレン基、アルキニレン基等であってもよい。また、前記二価の炭化水素誘導基の炭素数は、特に限定されないが、溶解性の観点から1〜6が好ましく、1〜3がより好ましい。
また、前記複素芳香族化合物(c1−1)と前記複素芳香族化合物(c1−2)の双方の構造的特徴を備えた化合物の具体例としてはアザチオプリン等が挙げられる。
前記複素芳香族化合物(c1)の具体例としては、アデニン、6-ベンジルアデニン、アデノシン、2-アミノアデノシン、2-(4-ピリジル)ベンゾイミダゾール、2,4-ジアミノ-6-[2-(2-メチル−1−イミダゾリル)エチル]-1,3,5-トリアジン、3-(1-ピロリルメチル)ピリジン、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン、2,6-ビス(2-ベンゾイミダゾリル)ピリジン、イミダゾ[1,2-b]ピリダジン、プリン、6-クロロプリン、6-クロロ-7-デアザプリン、アザチオプリン、6-(ジメチルアミノ)プリン、7-ヒドロキシ-5-メチル-1,3,4-トリアザインドリジン、イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-カルボキシアルデヒド、6-メルカプトプリン、6-メトキシプリン、1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジン、チアミン、1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン、1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン、1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン、7-メチル-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン、6-クロロ-3-[(4-メチル-1-ピペラジニル)メチル]-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン、2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン、3-(ピペリジノメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン、3-(1-メチル-1H-ピロール-2-イル)ピリジン、1-メチル-2-(3-ピリジニル)-1H-ピロール、3-(2-ピロリル)ピリジン、2-(1-ピロリル)ピリジン、3H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン、1-(2-フェニルエチル)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン、2-アザインドリジン、2-フェニル-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン、3-(3-ピリジニル)-1H-1,2,4-トリアゾール、7-メチル-1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピリジン、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン、3-ニトロ-5-(3-ピリジル)-1H-ピラゾール、1-(2-ピリジル)-1H-ピラゾール-4-アミン、2,3-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリジン、2,3,7-トリメチルピラゾロ[1,5-a]ピリジン、8-アミノ-2-フェニル[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン、5-(2-ピリジル)-2H-テトラゾール、2-(2-ピリジル)ベンゾチアゾール、2-(2-ピリジル)-4-チアゾール酢酸、4-(ベンジルアミノ)-2-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン、7-デアザアデニン、5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、2,5-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン、4-アミノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン、1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン、4-[(3-メチル-2-ブテニル)アミノ]-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン、4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-アミン、イミダゾ[1,2-a]ピリミジン、5,7-ジメチル[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン、8-tert-ブチル-7,8-ジヒドロ-5-メチル-6H-ピロロ[3,2-e][1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン、5,7-ジアミノ-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン、8-アザプリン、5-アミノ-2-(メチルチオ)チアゾロ[5,4-d]ピリミジン、2,5,7-トリクロロチアゾロ[5,4-d]ピリミジン、6-クロロ-2-[4-(メチルスルホニル)フェニル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン、2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン、1H-イミダゾ[4,5-d]ピリダジン、1,2,4-トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン、6-クロロ-1,2,4-トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン、6-メチル-1,2,4-トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン、6,7-ジメチル-1,2,4-トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン、テトラゾロ[1,5-b]ピリダジン、6-クロロテトラゾロ[1,5-b]ピリダジン、8-メチルテトラゾロ[1,5-b]ピリダジン、6-クロロ-7-メチルテトラゾロ[1,5-b]ピリダジン、6-メトキシテトラゾロ[1,5-b]ピリダジン、テトラゾロ[1,5-b]ピリダジン-6-アミン、7-メチルピラゾロ[1,5-a]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン、ピラゾロ[5,1-c][1,2,4]ベンゾトリアジン-8-オール、6,7-ジメチルピラゾロ[5,1-c][1,2,4]トリアジン-2(6H)-アミン、4,6-ジヒドロ-3,4-ジメチルピラゾロ[5,1-c][1,2,4]トリアジン、3-ヒドラジノ-7-メチル-5-フェニル-5H-ピラゾロ[3,4-e]-1,2,4-トリアジン、イミダゾ[5,1-f][1,2,4]トリアジン-2,7-ジアミン、4,5-ジメチルイミダゾ[5,1-f][1,2,4]トリアジン-2,7-ジアミン、2-アザアデニン、7,8-ジヒドロ-5-メチルイミダゾ[1,2-a][1,2,4]トリアゾロ[1,5-c][1,3,5]トリアジン、7,8-ジヒドロイミダゾ[1,2-a][1,2,4]トリアゾロ[1,5-c][1,3,5]トリアジン、1,2,4-トリアゾロ[4,3-a][1,3,5]トリアジン-3,5,7-トリアミン、5-アザアデニン、7,8-ジヒドロイミダゾ[1,2-a][1,2,4]トリアゾロ[1,5-c][1,3,5]トリアジン等が例示できる。前記複素芳香族化合物は塩酸塩又は硫酸塩等の塩の形態であってもよく、水和物であってもよい。本発明のエッチング液には、前記複素芳香族化合物(c1)の1種又は2種以上を配合できる。
前記複素芳香族化合物(c1)としては、銅配線の直線性をより低下させることなくサイドエッチングをより抑制する観点から、前記式(XI)に示すアデニン及び下記式(XV)に示すチアミン塩酸塩が好ましい。
前記脂肪族非環式化合物、前記脂肪族複素環式化合物、前記複素芳香族化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物の濃度は、サイドエッチングを抑制し、かつ銅配線の直線性を向上させる観点から0.01〜100g/Lの範囲が好ましく、0.02〜80g/Lがより好ましく、0.05〜30g/Lの範囲がさらに好ましい。
本発明のエッチング液には、上述した成分以外にも、本発明の効果を妨げない程度に他の成分を添加してもよい。例えば、界面活性剤、成分安定剤、消泡剤等を添加してもよい。前記他の成分を添加する場合、その濃度は0.001〜5g/L程度である。
前記エッチング液は、前記の各成分を水に溶解させることにより、容易に調製することができる。前記水としては、イオン性物質及び不純物を除去した水が好ましく、例えばイオン交換水、純水、超純水等が好ましい。
前記エッチング液は、各成分を使用時に所定の濃度になるように配合してもよく、濃縮液を調製しておき使用直前に希釈して使用してもよい。前記エッチング液の使用方法は、特に限定されないが、サイドエッチングを効果的に抑制するには、後述するようにスプレーを用いてエッチングすることが好ましい。また、使用時のエッチング液の温度は、特に制限はないが、生産性を高く維持した上で、サイドエッチングを効果的に抑制するには20〜60℃で使用することが好ましい。
本発明の補給液は、本発明のエッチング液を連続又は繰り返し使用する際に、前記エッチング液に添加する補給液であって、前記脂肪族非環式化合物、前記脂肪族複素環式化合物、及び前記複素芳香族化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物を含む水溶液である。前記補給液中の各成分は、上述した本発明のエッチング液に配合できる成分と同様である。前記補給液を添加することにより、前記エッチング液の各成分比が適正に保たれるため、上述した本発明のエッチング液の効果を安定して維持できる。
また、本発明の補給液には、塩酸等の酸が360g/Lの濃度を超えない範囲で含まれていてもよい。また、前記補給液には、塩化第二銅等の第二銅イオン源が第二銅イオン濃度で14g/Lの濃度を超えない範囲で含まれていてもよい。また、前記補給液には、臭化ナトリウム等の臭化物イオン源が臭化物イオン濃度で800g/Lの濃度を超えない範囲で含まれていてもよい。また、前記補給液には、前記成分以外に、エッチング液に添加する成分が配合されていてもよい。尚、これらの前記補給液に含まれていてもよい成分は、前記補給液に含ませずに、本発明のエッチング液を連続又は繰り返し使用する際に、本発明のエッチング液に直接添加することもできる。
前記補給液中の各成分の濃度は、エッチング液中の各成分の濃度に応じて適宜設定されるが、上述した本発明のエッチング液の効果を安定して維持するという観点から、前記脂肪族非環式化合物、前記脂肪族複素環式化合物、及び前記複素芳香族化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物の濃度が0.05〜800g/Lであることが好ましい。
本発明の銅配線の形成方法は、銅層のエッチングレジストで被覆されていない部分をエッチングする銅配線の形成方法において、上述した本発明のエッチング液を用いてエッチングすることを特徴とする。これにより、上述したように、銅配線の直線性を低下させることなくサイドエッチングを抑制でき、かつ、銅配線底部の配線幅(W1)のばらつきを抑制できる。また、本発明の銅配線の形成方法を採用した銅配線形成工程において、本発明のエッチング液を連続又は繰り返し使用する場合は、上述した本発明の補給液を添加しながらエッチングすることが好ましい。前記エッチング液の各成分比が適正に保たれるため、上述した本発明のエッチング液の効果を安定して維持できるからである。
本発明の銅配線の形成方法では、前記銅層のエッチングレジストで被覆されていない部分に、前記エッチング液をスプレーにより噴霧することが好ましい。サイドエッチングを効果的に抑制できるからである。スプレーする際、ノズルは特に限定されず、扇形ノズル、充円錐ノズル、2流体ノズル等が使用できる。
スプレーでエッチングする場合、スプレー圧は、0.04MPa以上が好ましく、0.08MPa以上がより好ましい。スプレー圧が0.04MPa以上であれば、保護皮膜を適切な厚みで銅配線の側面に形成できる。これにより、サイドエッチングを効果的に防止できる。なお、前記スプレー圧は、エッチングレジストの破損防止の観点から0.30MPa以下が好ましい。
次に、本発明の実施例について比較例と併せて説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定して解釈されるものではない。
表1〜2に示す組成の各エッチング液を調製し、後述する条件でエッチングを行い、後述する評価方法により各項目について評価した。なお、表1〜2に示す組成の各エッチング液において、残部はイオン交換水である。また、表1〜2に示す塩酸の濃度は、塩化水素としての濃度である。
(使用した試験基板)
厚み12μmの電解銅箔(三井金属鉱業社製、商品名3EC−III)を積層した銅張積層板を用意し、前記銅箔をパラジウム触媒含有処理液(奥野製薬社製、商品名:アドカッパーシリーズ)で処理した後、無電解銅めっき液(奥野製薬社製、商品名:アドカッパーシリーズ)を用いて無電解銅めっき膜を形成した。次いで、電解銅めっき液(奥野製薬社製、商品名:トップルチナSF)を用いて、前記無電解銅めっき膜上に厚み10μmの電解銅めっき膜を形成し、銅層の総厚みを22.5μmとした。得られた電解銅めっき膜の表面を厚み25μmのドライフィルムレジストで被覆した。その後、ライン/スペース(L/S)=36μm/24μmのガラスマスクを使用して露光し、現像処理により未露光部を除去することでL/S=36μm/24μmのエッチングレジストパターンを作製した。
(エッチング条件)
エッチングは扇形ノズル(いけうち社製、商品名:ISVV9020)を使用して、スプレー圧0.20MPa、処理温度45℃の条件で行った。エッチング加工時間は、エッチング後の銅配線底部の配線幅(W1)が30μmに至る時点を目標に設定した。エッチング後、水洗、乾燥を行って、以下に示す評価を行った。
(サイドエッチング量)
エッチング処理した各試験基板を50℃の3重量%水酸化ナトリウム水溶液に60秒間浸漬し、エッチングレジストを除去した。その後、塩酸(塩化水素濃度:7重量%)を用い、扇形ノズル(いけうち社製、商品名:ISVV9020)で、スプレー圧0.12MPa、処理温度30℃、処理時間10秒で保護皮膜を除去した。そして、各試験基板の一部を切断し、これをポリエステル製冷間埋め込み樹脂に埋め込み、銅配線の断面を観察できるように研磨加工を行った。そして、光学顕微鏡を用いて200倍で前記断面を観察し、銅配線頂部の配線幅(W2)を計測して、銅配線底部の配線幅(W1)との差(W1−W2)をサイドエッチング量(μm)とした(図1参照)。結果を表1〜2に示す。サイドエッチング量は、10μm以下が好ましく、7μm以下がより好ましい。
(頂部幅直線性)
サイドエッチング量の評価と同様に、エッチングレジスト除去し、保護被膜除去した。そして、光学顕微鏡を用いて200倍で試験基板上面を観察し、銅配線頂部の配線幅(W2)を40μm間隔で8列の配線を1配線に対して5箇所、計40箇所計測し、その標準偏差を頂部幅直線性(μm)とした。結果を表1〜2に示す。頂部幅直線性は、1.0μm以下が好ましく、0.7μm以下がより好ましい。
(底部幅ばらつき)
サイドエッチング量の評価と同様に、エッチングレジスト除去し、保護被膜除去した。そして、光学顕微鏡を用いて200倍で試験基板上面を観察し、銅配線底部の配線幅(W1)を40μm間隔で8列の配線を1配線に対して5箇所、計40箇所計測し、その標準偏差を底部幅ばらつき(μm)とした。底部幅ばらつきは、1.5μm以下が好ましく、1.2μm以下がより好ましい。
表1に示すように、本発明の実施例によれば、いずれの評価項目についても良好な結果が得られた。一方、表2に示すように、比較例については、一部の評価項目で実施例に比べ劣る結果が得られた。この結果から、本発明によれば、銅配線の直線性を低下させることなくサイドエッチングを抑制でき、かつ、銅配線底部の配線幅(W1)のばらつきを抑制できることが分かった。