JP2017048332A - 硬化膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光重合開始剤としてビスアシルホスフィンオキサイド及びα−ヒドロキシケトン系開始剤とを含むインキ組成物に、複数のLED光源から光を照射して硬化膜を製造する方法に関し、表面硬化性及び内部硬化性が非常に優れた硬化膜を製造する方法を提供する。
【解決手段】重合性モノマーと、ビスアシルホスフィンオキサイドと、α−ヒドロキシケトン系開始剤と、を含むインキ組成物の塗膜の硬化膜を製造する方法において、前記インキ組成物の塗膜に、最大ピーク波長が390nm以上440nm以下である光を第一LED光源から照射する長波長光照射工程と、前記インキ組成物の塗膜に、最大ピーク波長が360nm以上370nm以下である光を第二LED光源から照射する短波長光照射工程と、を行う。
【選択図】なし

Description

本発明は、インキ組成物を硬化して得られる硬化膜の製造方法に関する。
従来、各種塗料やインキ等を用いて、金属板やめっき鋼板等の表面に樹脂被覆膜を形成する表面処理が行われている。表面処理の主な目的は、電気絶縁性や耐食性を付与したり、成形加工性や意匠性を高めること等にある(例えば、特許文献1)。また、ボトル等の合成樹脂基材上に、各種塗料やインキを印刷し、樹脂被覆膜を形成することも一般的に行われている。
金属板やめっき鋼板、合成樹脂基材等に樹脂被覆膜を形成する方法の例として、スクリーン印刷法、平板印刷法、フレキソ印刷法、UV硬化型インクジェット印刷法等が挙げられる。中でもUV硬化型インクジェット印刷法は版が不要であり、小ロット生産に適用可能である。さらにコスト面でも有用性が高い。また、UV硬化型のインキ組成物は、有機溶剤を含有しなくともよく、VOC(揮発性有機化合物)の排出量低減との観点でも優れている。
UV硬化型インクジェット印刷法では、印刷装置からインキ組成物を吐出した直後にUV照射し、インキ滴を硬化させる。そして、インキ組成物を繰返し塗布した場合には、基材上に、インキ滴が重なりあった厚膜の硬化膜が形成される。このような硬化膜(厚膜)の強度を十分に高めるためには、硬化膜(厚膜)の表面硬化性と内部硬化性との両方を高めることが必要である。また、硬化膜を、電子回路基板の保護膜等とする場合、曲げ加工しても剥離しない程度に基材と硬化膜との密着性を高める必要がある。さらに、このような用途では、耐傷付き性、耐磨耗性が要求されることもあり、これらを向上させるためには、硬化膜の表面硬化性をさらに高める必要がある。
ここで、UV硬化型のインキ組成物の硬化性を高めること等を目的として、光重合開始剤を2種類以上組み合わせたり、光開始助剤を添加すること等が検討されている。例えば、特許文献1〜3には、光重合開始剤として、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(α−アミノケトン系開始剤、商品名「イルガキュア907」、BASF社製)とイソブチルチオキサントンとを併用したインキ組成物が提案されている。また、光開始助剤としてアミンを添加したインキ組成物も提案されている(特許文献4及び5)。また、α−ヒドロキシケトン系開始剤とアシルフォスフィンオキサイド系開始剤とを併用したインキ組成物(特許文献6)や、α−アミノケトン系開始剤とアシルフォスフィンオキサイド系開始剤とを併用したインキ組成物(特許文献7及び8)も提案されている。さらに、表面硬化性の良好な光重合開始剤と、内部硬化性の良好な光重合開始剤とを併用することも検討されており、例えば、2種類のα−ヒドロキシケトン系開始剤と、アシルフォスフィンオキサイド系開始剤とを併用したインキ組成物(特許文献9)も提案されている。
近年、上記のようなUV硬化型のインキ組成物を硬化させるための光源に、紫外線発光ダイオード(以下、「紫外線LED」とも称する)を適用することが検討されており、紫外線LEDを備えたインクジェットプリンタも開発されている(例えば、特許文献10)。紫外線LEDは、従来の光源より消費電力が少なく、かつ高出力化も可能であるとの利点がある。
特開2001−207098号公報 特開2002−187343号公報 特開2004−18656号公報 特開2001−288387号公報 特開2003−25707号公報 特表2001−525479号公報 特開2002−241647号公報 特開2006−137183号公報 特開2006−282756号公報 特開2004−188920号公報
従来、UV硬化型のインキ組成物を硬化させるために用いられてきた高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等は、主に波長250nm〜600nmの光を照射可能であり、広い発光波長域を有していた。そのため、これらの光源からの光によって、種々の光重合開始剤を活性化させることが可能であった。
これに対し、LED光源は、単一の発光ピーク波長を有し、かつ発光波長域が極めて狭い(半値幅で±5〜10nm)。また、比較的長波長(例えば395nm以上)の光を発するLED光源では、従来の光源の2〜3倍の最大照度が得られる。これに対し、波長365nm程度の光を発するLED光源では、最大照度を高めることが難しく、従来の光源より最大照度が低くなりやすい。さらに波長350nm以下の光を発するLED光源では、最大照度が非常に低いため、インキ組成物硬化用の光源としての使用が難しい。このように、従来の光源と、LED光源とでは、発する光の特性が大きく相違する。したがって、発光波長の異なるLED光源を複数組み合わせたとしても、従来の光源と同様の発光特性を再現することは困難である。
このような状況を鑑み、本発明はなされたものである。本発明は、光重合開始剤としてビスアシルホスフィンオキサイド及びα−ヒドロキシケトン系開始剤とを含むインキ組成物に、複数のLED光源から光を照射して硬化膜を製造する方法に関し、表面硬化性及び内部硬化性が非常に優れた硬化膜を製造する方法を提供する。
本発明によれば、以下の硬化膜の製造方法が提供される。
[1]重合性モノマーと、ビスアシルホスフィンオキサイドと、α−ヒドロキシケトン系開始剤と、を含むインキ組成物の塗膜の硬化膜を製造する方法であって、前記インキ組成物の塗膜に、最大ピーク波長が390nm以上440nm以下である光を第一LED光源から照射する長波長光照射工程と、前記インキ組成物の塗膜に、最大ピーク波長が360nm以上370nm以下である光を第二LED光源から照射する短波長光照射工程と、を含む、硬化膜の製造方法。
[2]前記長波長光照射工程は、前記短波長光照射工程と同時、または前記短波長光照射工程より前に行う、[1]に記載の硬化膜の製造方法。
[3]前記長波長光照射工程における光の照射と、前記短波長光照射工程における光の照射との間隔が、0.2秒以内である、[2]に記載の硬化膜の製造方法。
[4]前記第一LED光源の最大照度は、500〜4000mW/cmである、[1]〜[3]のいずれかに記載の硬化膜の製造方法。
[5]前記第二LED光源の最大照度は、2500mW/cm以上である、[1]〜[4]のいずれかに記載の硬化膜の製造方法。
[6]前記インキ組成物をインクジェット装置で塗布する工程をさらに含む、[1]〜[5]のいずれかに記載の硬化膜の製造方法。
本発明の製造方法で得られる硬化膜は、表面硬化性及び内部硬化性が非常に良好である。したがって、本発明の製造方法によれば、例えば高精細で意匠性に優れた樹脂被覆膜を有する金属化粧板や、電子回路基板、各種樹脂基板等が得られる。また、本発明の製造方法で製造される硬化膜は、各種エッチング用のレジストとすることができ、当該硬化膜を用いることにより、金属板等の成形加工性を高めることができる。
本発明の硬化膜の製造方法は、重合性モノマーと、ビスアシルホスフィンオキサイドと、α−ヒドロキシケトン系開始剤と、を含むインキ組成物の硬化膜を製造する方法である。前述のように、LED光源が発する光の特性は、従来の光源が発する光の特性と大きく異なる。そのため、LED光源からの光のみでインキ組成物を硬化させる場合、インキ組成物が含む光重合開始剤の種類や、LED光源の発光波長を新たに調整する必要があるが、従来、このような検討は行われていなかった。
一般的に、インキ組成物の内部硬化性が不十分であると、基材と硬化膜との密着性が低くなりやすい。一方、インキ組成物表面では、光重合開始剤によって生じた活性種が酸素と反応しやすく、重合性モノマーの重合反応が阻害(酸素阻害)されやすい。そして、酸素阻害によって、インキ組成物の表面硬化性が低くなると、塗膜表面のインキ組成物が液だれして、印刷精度が低くなる。
ここで、インキ組成物の表面硬化性を高める光重合開始剤として、α−ヒドロキシケトン系開始剤が知られており、インキ組成物の内部硬化性を高める光重合開始剤として、ビスアシルホスフィンオキサイドが知られている。そして、α−ヒドロキシケトン系開始剤は、波長365nm近傍に光の吸収があり、ビスアシルホスフィンオキサイドは、波長356nm近傍の光の吸収が大きいことが知られている。しかしながら、本発明者らが検証した結果、これらの光重合開始剤を含むインキ組成物は、波長360nm近傍に最大ピーク波長を有するLED光源のみから光を照射しても、内部硬化性が十分に高まり難いことが確認された。一方で、比較的長波長(例えば395nm以上)側に最大ピーク波長を有するLED光源のみから光を照射した場合には、得られる硬化物の表面硬化性が低く、液だれが生じやすいことが確認された。
このような知見に基づき、本発明では、ビスアシルホスフィンオキサイド及び、α−ヒドロキシケトン系開始剤を含むインキ組成物の塗膜に、最大ピーク波長が390nm以上440nm以下である光を第一LED光源から照射する長波長照射工程と、最大ピーク波長が360nm以上370nm以下である光を第二LED光源から照射する短波長照射工程とを行う。本発明でいう「最大ピーク波長」とは、光を分光光度計にて分析した際に、強度が最大となる波長をいう。
本発明では、ビスアシルホスフィンオキサイドに、最大ピーク波長が390nm以上440nm以下である光を照射するため、得られる硬化物の内部硬化性が高まると考えられる。その理由は以下のように推察される。ビスアシルホスフィンオキサイドには、CO−PO結合が2つ含まれ、光反応によって、このCO−PO結合が開裂する。この開裂によって生じるラジカルには、複数の種類があり、照射する光の波長によって、生成しやすいラジカルの種類が異なる。そして、波長390nm以上の光を照射した場合に生じるラジカルの反応性が特に高く、硬化膜の内部硬化性に大きく寄与すると推察される。また、ビスアシルホスフィンオキサイドに光を照射すると、P−O結合が開裂し、共役系が切れるため、光がインキ組成物の塗膜内部まで透過しやすくなる(フォトブリーチング効果)。ただし、波長390nm未満の光の照射により発生するラジカルは、生成したラジカルどうしが再結合しやすいため、十分なフォトブリーチング効果が得られ難い。これに対し、波長390nm以上の光を照射して発生するラジカルでは、このような再結合が生じ難いため、十分なフォトブリーチング効果が十分に得られ、硬化膜の内部硬化性が高まると推察される。
一方で、α−ヒドロキシケトンに、最大ピーク波長360nm以上370nmの光を照射するため、得られる硬化物の表面硬化性が十分に高まり、インキ組成物の液だれ等が抑制される。つまり、本発明では、2種類の光重合開始剤を組み合わせ、さらに最大ピーク波長の異なる2種類の光を照射するため、表面硬化性及び内部硬化性が非常に優れた硬化膜が得られる。そして本発明によれば、高精細で意匠性に優れた樹脂被覆膜を有する金属化粧板や、電子回路基板、各種樹脂基板等を作製することが可能となる。また、本発明の製造方法で製造される硬化膜は、各種エッチング用のレジストとすることもでき、当該硬化膜を用いることにより、金属板等の成形加工性を高めることができる。
以下、まず本発明の製造方法に用いるインキ組成物について説明し、その後、当該インキ組成物を硬化させる方法を説明する。
1.インキ組成物
本発明の硬化膜の製造方法に用いるインキ組成物は、ビスアシルホスフィンオキサイドと、α−ヒドロキシケトンと、重合性モノマーと、を少なくとも含む。インキ組成物は、必要に応じて適宜他の成分を含んでもよく、必要に応じて他の成分を含んでもよい。
(1)ビスアシルホスフィンオキサイド
ビスアシルホスフィンオキサイドは、前述のように、一般的な光重合開始剤と比較して、長波長側に吸収を有する化合物であり、インキ組成物の塗膜の内部硬化性に寄与する化合物である。インキ組成物が、ビスアシルホスフィンオキサイド系開始剤を含むと、インキ滴が重なり合って形成される硬化膜の内部硬化性が良好になる。
インキ組成物は、ビスアシルホスフィンオキサイドを、2〜10質量%含むことが好ましく、4〜8質量%含むことがより好ましい。インキ組成物が、ビスアシルホスフィンオキサイドを上記範囲含むと、硬化膜の内部硬化性が高まりやすくなる。
ビスアシルホスフィンオキサイドの構造は特に制限されず、公知のビスアシルホスフィンオキサイドを適用できる。ビスアシルホスフィンオキサイドの具体例には、下記一般式(1)で表される構造を有する化合物が含まれる。インキ組成物は、ビスアシルホスフィンオキサイドを一種のみ含んでもよく、二種以上含んでもよい。
Figure 2017048332
一般式(1)において、R51〜R53は、それぞれ独立に、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、または置換基を有してもよい芳香族炭化水素基を表す。
51〜R53でありうる脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれの構造を有していてもよいが、直鎖状または分岐状の炭化水素基であることが好ましい。脂肪族炭化水素基の具体例には、炭素数が1〜20の直鎖状、分岐状、または環状のアルキル基;炭素数が2〜20の直鎖状、分岐状、または環状のアルケニル基;炭素数が2〜20の直鎖状、分岐状、または環状のアルキニル基;等が含まれる。これらの中でも、直鎖状または分岐状のアルキル基が好ましい。
一方、R51〜R53でありうる芳香族炭化水素基の具体例には、フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素数が6〜18のアリール基;ナフチル基等の縮合環基;が含まれる。
また、上記炭化水素基または芳香族炭化水素基の置換基の例には、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)等が含まれる。
上記一般式(1)で表される構造を有するビスアシルホスフィンオキサイドの具体例には、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−エチルホスフィンオキサイドなどが含まれる。これらの中でも特に、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドが入手容易性、コスト等の観点から好ましい。
(2)α−ヒドロキシケトン系開始剤
インキ組成物は、α−ヒドロキシケトン系開始剤を含む。α−ヒドロキシケトン系開始剤は、前述のように、光硬化型のインキ組成物の表面硬化性に寄与する光重合開始剤である。
インキ組成物が含むα−ヒドロキシケトン系開始剤の種類は特に制限されないが、α−ヒドロキシケトン系開始剤が、分子中にフェニル基を2つ以上含むと、他の成分と相容し難くなる傾向があり、さらにインキ組成物の粘度が高くなりやすくなる傾向がある。そこで、α−ヒドロキシケトン系開始剤が含むフェニル基の数は1以下であることが好ましい。
分子中のフェニル基の数が1以下であるα−ヒドロキシケトン系開始剤の例には、2−ヒドキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン等が含まれる。
インキ組成物は、α−ヒドロキシケトン系開始剤を、5〜20質量%含むことが好ましく、8〜16質量%含むことがより好ましい。インキ組成物が、α−ヒドロキシケトン系開始剤を上記範囲含むと、得られる硬化膜の表面硬化性が十分に高まる。
また、前述のビスアシルホスフィンオキサイドと、α−ヒドロキシケトン系開始剤との含有比は、ビスアシルホスフィンオキサイドの含有量(A)/α−ヒドロキシケトン系開始剤の量(B)が2/1〜1/3であることが好ましく、(A)/(B)=1/1〜1/2であることがさらに好ましい。成分の含有比が上記範囲であると、硬化膜の表面硬化性と内部硬化性とが両立しやすくなる。
(3)重合性モノマー
重合性モノマーは、重合可能な基を含む化合物であれば特に制限されず、例えばエチレン性二重結合基を有する化合物等とすることができる。重合性モノマーの種類は特に制限されず、公知の紫外線硬化型インキ組成物が含む単官能性モノマーや多官能性モノマー等であってもよい。インキ組成物は、重合性モノマーを一種のみ含んでもよく、二種以上含んでもよい。
インキ組成物は、重合性モノマーを、60〜90質量%含むことが好ましく、70〜85質量%含むことがより好ましい。インキ組成物が、重合性モノマーを上記範囲含むと、硬化膜と基材との密着性が高まり、硬化膜の強度が高まる。
ここで、本発明で製造する硬化膜を、金属板やめっき鋼板等からなる基材の表面に形成する場合、硬化膜には、金属との密着性が高いことが求められる。そこでこのような場合には、重合性モノマーとして、重合性リン酸エステル化合物、多官能性モノマー、単官能性モノマー、及び重合性カルボン酸化合物を含むことが好ましい。インキ組成物が、これらの重合性モノマーを含むと、インキ組成物から得られる硬化膜と金属との密着性が高まりやすくなる。以下、これらの重合性モノマーについて説明するが、インキ組成物が含む重合性モノマーはこれらに限定されない。
(3−1)重合性リン酸エステル化合物
重合性リン酸エステル化合物は、分子内にリン酸エステル基とエチレン性二重結合基を有する化合物である。インキ組成物が重合性リン酸エステル化合物を含むと、得られる硬化膜と金属との密着性が非常に高まる。
重合性リン酸エステル化合物が含む「リン酸エステル基」とは、下記式(a1)〜(a3)のいずれかで表される基をいう。重合性リン酸エステル化合物が含むリン酸エステル基としては、式(a2)または(a3)で表される基、いわゆる酸性リン酸エステル基が好ましい。これらの基は、水酸基を有し、金属表面に存在する水酸基と縮合反応する。したがって、重合性リン酸エステル化合物がこれらの基を有すると、硬化膜と金属との密着性が特に高まりやすくなる。ここで、硬化膜と金属との密着性を非常に高めたい場合には、式(a3)で表される基を有する重合性リン酸エステル化合物を選択することが好ましい。一方で、インキ組成物の粘度を低くしたい場合には、式(a2)で表される基を有する重合性リン酸エステル化合物を選択することが好ましい。なお、硬化膜の形成後、必要に応じて金属から硬化膜をアルカリ剥離する用途では、これらのリン酸エステル基が硬化膜のアルカリ剥離性を向上させる機能も担う。
Figure 2017048332
一方、重合性リン酸エステル化合物が含む「エチレン性二重結合基」とは、エチレンから水素原子を1つ引き抜いた基をいう。このとき、エチレンは置換基を有していてもよく、エチレン性二重結合基の例には、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、及びビニリデン基が含まれる。中でも、入手が容易であることからエチレン性二重結合基は、(メタ)アクリロイル基であることが好ましい。(メタ)アクリロイル基とは、メタアクリロイル基またはアクリロイル基を意味する。
(メタ)アクリロイル基を有する重合性リン酸エステル化合物は、「分子内に(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する化合物」と「リン酸」とをエステル化反応させることにより得られる。「分子内に(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する化合物」の例には、2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート等が含まれる。
「分子内に(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する化合物」と「リン酸」とをエステル化反応させて得られる重合性リン酸エステル化合物の具体例には、下記一般式(A1)〜(A4)で表される化合物が含まれる。これらの化合物は、いずれも金属との密着性やアルカリ剥離性が優れ、さらに入手が容易である。
Figure 2017048332
一般式(A1)において、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは炭素数が1〜4のアルキレン基を表す。インキ組成物の粘度が低くなるとの観点から、Rはメチル基であることが特に好ましい。Rは、硬化膜と金属との密着性が高まり、さらにアルカリ剥離性も良好になるとの観点から、エチレン基であることが特に好ましい。Rがエチレン基である化合物は、2−(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェートまたはリン酸2−(メタ)アクリロイロキシエチルとも呼ばれる。
Figure 2017048332
一般式(A2)において、Rはそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、Rはそれぞれ独立に炭素数が1〜4のアルキレン基を表す。一分子中に含まれる2つのR、及びRは、同一であってもよく、異なっていてもよい。式(A2)で表される化合物において、インキ組成物の粘度が低くなるとの観点から、Rはメチル基であることが特に好ましい。また、硬化膜と金属との密着性が高まり、さらにアルカリ剥離性も良好になるとの観点から、Rはエチレン基であることが特に好ましい。Rがエチレン基である化合物は、ジ{2−(メタ)アクリロイロキシエチル}アシッドホスフェートまたはリン酸ジ2−(メタ)アクリロイロキシエチルとも呼ばれる。
Figure 2017048332
一般式(A3)において、Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、Rは炭素数が1〜4のアルキレン基を表し、Rは炭素数が1〜10のアルキレン基を表す。式(A3)で表される化合物において、インキ組成物の粘度が低くなるとの観点から、Rはメチル基であることが特に好ましい。また、硬化膜と金属との密着性が高まり、さらにアルカリ剥離性も良好になるとの観点から、Rは好ましくはエチレン基であり、Rは好ましくはペンテン基である。
Figure 2017048332
一般式(A4)において、Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、Rはそれぞれ独立に炭素数が1〜4のアルキレン基を表し、Rはそれぞれ独立に炭素数が1〜10のアルキレン基を表す。一分子中に含まれる複数のR、R、及びRは、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。式(A4)で表される化合物において、インキ組成物の粘度が低くなるとの観点から、Rはメチル基であることが特に好ましい。また、硬化膜と金属との密着性が高まり、さらにアルカリ剥離性も良好になるとの観点から、Rは好ましくはエチレン基であり、Rは好ましくはペンテン基である。
インキ組成物は、上記重合性リン酸エステル化合物を、重合性モノマー中に0.5〜13質量%含むことが好ましく、1〜13質量%含むことがより好ましい。重合性リン酸エステル化合物の含有量が、0.5質量%未満であると、インキ組成物の硬化膜の金属との密着性が十分に高まらないことがある。また、前記含有量が13質量%を超えると、硬化膜に耐エッチング液性が要求される場合に、耐エッチング液性が十分でなくなる場合がある。
(3−2)多官能性モノマー
多官能性モノマーとしては、分子内に2個以上のエチレン性二重結合基を有し、リン酸エステル基を有さない化合物が挙げられる。多官能性モノマーの構造は特に制限されないが、多官能性モノマー全体のエチレン性二重結合基量が4×10−3〜8×0−3mol/gであることが好ましい。多官能性モノマー全体のエチレン性二重結合基量が上記範囲であると、硬化膜としたときに、金属板等との密着性が高まりやすい。また硬化膜に、耐エッチング液性やアルカリ剥離性が要求される場合に、これらの特性も良好になりやすい。「エチレン性二重結合基量」とは、一分子が含むエチレン性二重結合基量/分子量で定義され、その単位はmol/gである。
多官能性モノマー全体のエチレン性二重結合基量を上記範囲に収めるため、インキ組成物は、エチレン性二重結合基量が4×10−3〜8×0−3mol/gである多官能性モノマー(以下、「特定多官能性モノマー」とも称する)のみを含んでもよい。また、インキ組成物は、エチレン性二重結合基量が前記範囲にない多官能性モノマーを含んでもよく、多官能性モノマーを二種類以上組み合わせることで、多官能性モノマー全体のエチレン性二重結合基量を上記範囲に収めてもよい。
二種類以上の多官能性モノマーを組み合わせる場合、多官能性モノマー全体のエチレン性二重結合基量は、次のように求められる。例えば、次のモノマーx、y、及びzを多官能性モノマーとして用いる場合、エチレン性二重結合基量は、式(1)で求められる。
モノマーx:エチレン性二重結合基数Nx(個)、分子量Mx(g/mol)、配合比率x(質量%)
モノマーy:エチレン性二重結合基数Ny(個)、分子量My(g/mol)、配合比率y(質量%)
モノマーz:エチレン性二重結合基数Nz(個)、分子量Mz(g/mol)、配合比率z(質量%)
硬化性樹脂のエチレン性二重結合基量=(Nx)/(Mx)×x/100+(Ny)/(My)×y/100+(Nz)/(Mz)×z/100 ・・・(1)
多官能性モノマーは、分子内にエチレン性二重結合基を2〜6個含有する公知の化合物等でありうるが、一般式(B1)または(B2)で表される化合物であることが特に好ましい。
Figure 2017048332
一般式(B1)において、Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。R10はそれぞれ独立に、炭素数が1〜5のアルキル基を表す。Pはベンゼン環に置換するR10の数を示し、0〜4の整数である。Xは、単結合、メチレン基、イソプロピリデン基を表すし、nとmはそれぞれ0〜6の数を表す。
上記一般式(B1)で表される化合物は、エチレングリコール変性ビスフェノールの(メタ)アクリレートとして入手が可能である。また、ビスフェノールをエチレングリコールで変性した化合物と、アクリル酸とを反応させても得られる。上記一般式(B1)におけるn+mは、3〜5であることが好ましく、4であることがより好ましい。
Figure 2017048332
一般式(B2)中、Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、R20は炭素数が3〜9のアルキレン基を表す。アルキレン基は、その異性体も含み、R20は、好ましくはヘキシル基やペンチル基である。
インキ組成物は、多官能性モノマーを、重合性モノマー中に10〜75質量%含むことが好ましく、より好ましくは55〜65質量%である。重合性モノマーを10質量%以上含むと、得られる硬化膜の架橋密度が十分に高まり、硬化膜の強度が向上する。一方、重合性モノマーの量が75質量%以下であれば、硬化膜に耐エッチング耐性や、アルカリ剥離性等が要求される場合において、これらの特性が良好になりやすい。
(3−3)単官能性モノマー
単官能性モノマーは、分子内に1個のエチレン性二重結合基を有し、かつリン酸エステル基を有さないモノマーであれば特に制限されない。インキ組成物が、単官能性モノマーを含むと、インキ組成物の粘度が低くなりやすく、例えばインクジェット装置等から安定して吐出しやすくなる。
単官能性モノマーの例には、2−フェノキシエチルアクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルカプロラクタム、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メチルフェノキシエチルアクリレート、ジプロピレングリコールアクリレート等が含まれる。これらの中でも、入手が容易であり、かつ重合しやすいとの観点から、分子内に(メタ)アクリロイル基を含む化合物が好ましい。インキ組成物は、単官能性モノマーを一種のみ含んでもよく、二種以上含んでもよい。
インキ組成物は、単官能性モノマーを、重合性モノマー中に10〜75質量%含むことが好ましい。単官能性モノマーの量が10質量%に満たないと、インキ組成物の粘度が高くなりやすい。一方、単官能性モノマーの量が75質量%を超えると、得られる硬化膜の耐エッチング液性等が低下することがある。
(3−4)重合性カルボン酸化合物
重合性カルボン酸化合物は、分子内にカルボキシル基とエチレン性二重結合基を有する化合物である。インキ組成物が重合性カルボン酸化合物を含むと、重合性カルボン酸化合物のカルボキシル基と金属表面に存在する水酸基とが反応し、硬化膜と金属との密着性が非常に高まりやすくなる。また、インキ組成物の硬化膜に耐エッチング液性やアルカリ剥離性が要求される場合、これらの特性も高まりやすくなる。
重合性カルボン酸化合物の例には、下記一般式(C)で表される構造を有する化合物が含まれる。
Figure 2017048332
一般式(C)において、Rは、水素原子またはメチル基を表し、Xは炭素数が1〜3のアルキレン基を表し、Yは炭素数が2または3のアルキレン基を表す。
一般式(C)において、Xでありうる炭素数が1〜3のアルキレン基の例には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、及びイソプロピリデン基が含まれる。Xは、好ましくはメチレン基またはエチレン基であり、特に好ましくはエチレン基である。
当該重合性カルボン酸化合物において、Xがメチレン基である化合物はマロン酸エステル化合物、Xがエチレン基である化合物は、コハク酸エステル化合物、Xがプロピレン基である化合物は、グルタル酸エステル化合物とも呼ばれる。
また、一般式(C)において、Yでありうる炭素数が2または3のアルキレン基の例には、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、及びイソプロピリデン基が含まれる。Yは、好ましくはエチレン基である。
上記一般式(C)で表される重合性カルボン酸化合物の具体例には、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシプロピルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルマロン酸、及び2−アクリロイロキシエチルグルタル酸が含まれる。
上記重合性カルボン酸化合物は、市販のものであってもよく、(i)コハク酸等のジカルボン酸とエチレングリコール等のジオールとを反応させてモノエステルを合成し、(ii)当該モノエステルと、アクリル酸またはメタアクリル酸を反応させることにより合成したものであってもよい。
インキ組成物は、重合性カルボン酸化合物を、重合性モノマー中に1〜10質量%含むことが好ましい。重合性カルボン酸化合物を1質量%以上含むと、得られる硬化膜と金属との密着性が高まりやすい。また、重合性カルボン酸化合物を多量に含むと、インキ組成物の粘度が過度に高まることがあるが、重合性カルボン酸化合物の量が10質量%以下であれば、インキ組成物の粘度が所望の範囲に収まりやすい。
(4)その他の成分
インキ組成物は必要に応じて、上記以外の成分を含んでもよい。このような成分の例には、樹脂、無機充填剤、有機充填剤、カップリング剤、粘着付与剤、消泡剤、レベリング剤、可塑剤、酸化防止剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、顔料、染料等が含まれる。
また、インキ組成物は、用途に応じて適宜着色することができる。例えば硬化膜を金属の保護膜等とする場合には、インキ組成物を着色する必要は特にないが、ピンホールチェック等の印字品質の確認のために着色してもよい。その場合に使用する着色料は特に限定されないが、他の成分への分散が必要な顔料より、他の成分に溶解しやすい染料であることが好ましい。
また、インキ組成物は、実質的に溶剤を必要としないが、必要に応じて溶剤を含んでもよい。溶剤の例には、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;エチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチルアルコール等のアルコール;その他公知の有機溶剤を含んでいてもよい。
(5)インキ組成物の物性
以下、上記インキ組成物の物性について説明する。
(5−1)粘度
上記インキ組成物の粘度は、インキ組成物を塗布する方法に応じて適宜選択されるが、インキ組成物をインクジェット装置で塗布する場合には、25℃における粘度が3〜50mPa・であることが好ましい。また、インクジェット装置のインク吐出温度(通常25〜80℃)において、粘度が3〜35mPa・sであることが好ましく、7〜20mPa・sであることがより好ましい。粘度が上記範囲であると、インクジェット装置によって、インキ組成物を安定して吐出することができる。なお、25℃における粘度が3mPa・s未満であると、10〜50kHzの高周波数のピエゾ型インクジェットヘッドにおいて、吐出の追随性の低下が認められることがある。一方、25℃での粘度が、50mPa・sを超えると、加熱装置をインクジェットのヘッドに配置したとしても、吐出が不安定となることがある。インキ組成物の粘度は、重合性モノマーの量(特に重合性リン酸エステル化合物や重合性カルボン酸化合物の量)等によって調整される。インキ組成物の粘度は、コーンプレート型粘度計により測定する。またこのときの測定条件は、せん断速度230(1/s)、回転数:60rpmとする。
(5−2)表面張力
インキ組成物の表面張力は、インキ組成物の各種塗布装置からの吐出性と、得られる硬化膜の印刷精度に影響することから、表面張力が20〜40mN/mであることが好ましい。インキ組成物の表面張力は、各種の界面活性剤の添加等によって調整される。表面張力は、公知の方法、例えば、懸滴法やリング法により測定されるが、プレート法にて測定することが好ましい。表面張力は、例えば、協和界面科学株式会社製 CBVP−Z型等を用いて測定できる。
(6)インキ組成物の製造方法
インキ組成物は、混合機、分散機、撹拌機を用いて各成分を分散または溶解して製造することができる。混合機、分散機、撹拌機の例には、プロペラ型撹拌機や、ディゾルバー、ホモミキサー、ボールミル、サンドミル、超音波分散機、ニーダー、ラインミキサー、プロペラ型撹拌機、ピストン型高圧乳化機、ホモミキサー、超音波式乳化分散機、加圧ノズル式乳化機、高速回転高せん断型撹拌分散機、コロイドミル、メディア型分散機等が含まれる。メディア型分散機とは、ガラスビーズやスチールボール等の媒体を使用して粉砕や分散等を行う装置である。その例には、サンドグラインダーや、アジテーターミル、ボールミル、アトライター等が含まれる。これらの装置は2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、混合機、分散機、及び撹拌機は組み合わせて使用することもできる。インキ組成物は、孔径3μm以下、さらには1μm以下のフィルターにて濾過されることが好ましい。
2.硬化膜の製造方法
本発明の硬化膜の製造方法は、上述のインキ組成物の塗膜を硬化させて、硬化膜を製造する方法であり、最大ピーク波長が390nm以上440nm以下である光(以下、「長波長光」とも称する)を第一LED光源から照射する長波長光照射工程と、最大ピーク波長が360nm以上370nm以下である光(以下、「短波長光」とも称する)を第二LED光源から照射する短波長光照射工程と、を少なくとも含む。
ここで、長波長光照射工程及び短波長光照射工程を行う順序は特に制限されないが、長波長光照射工程を、短波長光照射工程と同時、または短波長光照射工程より前に行うことが好ましい。長波長光照射工程によりインキ組成物の塗布膜(インキ滴)の内部を硬化させてから、短波長光照射工程によりインキ組成物の表面を硬化させることで、インキ滴表面のインキ組成物が液だれし難くなり、硬化膜の印刷精度が高まりやすくなる。
また、長波長光照射工程から短波長光照射工程までの間隔は0.2秒以内であることが好ましく、より好ましくは0.1秒以内であり、特に好ましくは0.05秒以内である。上記間隔が0.2秒以内であると、長波長光照射工程後に液だれがさらに生じ難くなる。本発明の硬化膜の製造方法では、長波長光照射工程及び短波長光照射工程を同時に行うことが最も好ましい。ここで、長波長光照射工程及び短波長光照射工程は、通常、インキ組成物の塗布膜と第一LED光源及び第二LED光源とを相対的に移動させて行う。そして、「インキ組成物の塗膜に対する光の照射」は、各LED光源が発するエネルギー線のスポットの一端に、インキ組成物の塗布膜(インキ滴)の一端が、初めて到達した瞬間から行われるといえる。したがって、「長波長光照射工程から短波長光照射工程までの間隔」とは、「第一LED光源が発するエネルギー線のスポットの一端に、インキ組成物の塗布膜(インキ滴)の一端が初めて到達する時点から、第二LED光源が発するエネルギー線のスポットの一端に、インキ組成物の塗布膜(インキ滴)の一端が初めて到達する時点までの長さ(時間)」とする。
本発明の硬化膜の製造方法は、インキ組成物の塗膜を形成する工程や、硬化膜を熱処理する工程等をさらに含んでもよい。
また、本発明の硬化膜の製造方法で製造する硬化膜(樹脂被覆膜)の総膜厚は、2〜40μmであることが好ましい。前記膜厚が2μm未満であると、硬化膜の耐磨耗性及び耐傷付き性を十分に高めることが難しい。また、硬化膜を絶縁用の膜とする場合、十分な絶縁性を確保できない場合がある。逆に前記膜厚が40μmを超えると、硬化膜の印刷精度が低下することがある。
以下、本発明の硬化膜の製造方法に含まれる、塗膜の形成工程、長波長光照射工程、及び短波長光照射工程について説明する。
(1)塗膜の形成工程
インキ組成物を各種方法により基材上に塗布し、インキ組成物の塗膜を形成する。インキ組成物を塗布する基材は特に制限されず、樹脂製の基材であってもよく、金属板またはめっき鋼板等であってもよい。
樹脂製の基材は、公知の樹脂基材を用途に合わせて適宜選択することができる。当該基材を構成する樹脂の例には、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブタジエンテレフタレート等が含まれる。また、樹脂製の基材の表面は、インキ組成物の硬化膜の密着性を高めるため、コロナ処理やプラズマ処理されていてもよい。
金属板は、公知の金属からなる基材を用途に合わせて適宜選択することができる。金属板を構成する金属の例には、SUS304、SUS316等のオーステナイト系ステンレス鋼;SUS430、SUS444等のフェライト系ステンレス鋼;が含まれる。また、機械的強度が要求される用途では、金属板を構成する金属は、オーステナイト系やフェライト系ステンレス鋼を冷間圧延で加工硬化した材料;SUS410、SUS420系等のマルテンサイト系ステンレス鋼;SUS631等の析出強化型ステンレス鋼;等であることが好ましい。また、金属板を構成する金属の例には、ステンレス鋼板以外の、銅、炭素鋼、鉄−ニッケル系合金等も含まれる。
また、めっき鋼板とは、各種基材の表面の少なくとも一部をめっきで被覆した基材をいう。めっき鋼板におけるめっきの種類は特に制限されず、亜鉛、アルミニウム、コバルト、錫及びニッケル等から選ばれる1種の金属元素からなるめっき、またはこれらの2種以上の金属元素からなるめっき等とすることができる。また、めっきは、前記金属元素と、異種金属元素や非金属元素とを組み合わせた合金めっきであってもよい。異種金属元素の例には、コバルト、モリブデン、タングステン、ニッケル、チタン、クロム、アルミニウム、マンガン、鉄、マグネシウム、鉛、アンチモン、錫、銅、カドミウム、ヒ素等が含まれる。また、非金属元素の例には、シリカ、アルミナ、チタニア等の無機物が含まれる。さらに、めっきは、単層めっきであってもよく、複層めっきであってもよい。
また、インキ組成物の塗布方法、つまり塗膜の形成方法は、所望のパターン状にインキ組成物を塗布可能な方法であれば特に制限されず、スクリーン印刷法、平板印刷法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法等、公知の方法を適用できる。これらの中でも、小ロット生産に適用可能であり、コスト面での有用性が高いとの観点から、インクジェット印刷法が好ましい。以下、インキ組成物を吐出するインクジェット装置や、そのときの印刷条件等を説明するが、インキ組成物の塗膜の形成方法は当該方法に制限されない。
インキ組成物を吐出するインクジェット装置は、インキ組成物供給手段、及び温度センサ、を含むことが好ましい。インキ組成物供給手段は、インキ組成物を充填するための元タンク、供給配管、インクジェットヘッドの手前に配置されたインク供給タンク、フィルター、及びピエゾ型のインクジェットヘッドを含むことが好ましい。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、1〜100plのマルチドットが好ましい。解像度は320×320〜4000×4000dpiが好ましい。dpiとは2.54cm当たりのドット数である。
インキ組成物の吐出は、インクジェットヘッド及びインキ組成物を35〜100℃に加熱して行うことが好ましい。インキ組成物の温度変化による粘度の変化が、印刷精度に影響を与える。そのため、インキ組成物の温度を上げながらその温度を一定に保つことが好ましい。インキ組成物の温度の制御幅は、設定温度に対して±5℃であることが好ましく、±2℃であることがより好ましく、±1℃であることが更に好ましい。
(2)長波長光照射工程
長波長光照射工程では、基材上に形成された塗膜に、最大ピーク波長が390nm以上440nm以下である光(長波長光)を第一LED光源から照射する。第一LED光源は、長波長光を照射可能な光源であれば特に制限されず、公知の光源を用いることができる。なお、塗膜の形成を、インクジェット装置を用いて行う場合、インキ滴の吐出後、すぐに上記波長の光を照射し、インキ滴(インキ組成物)を硬化させることが好ましい。
長波長光の照射は、塗膜の形成、つまりインキ組成物が基材に付着してから、0.01〜2.0秒の間に行うことが好ましく、0.01〜1.0秒の間に行うことがより好ましい。照射タイミングをできるだけ早くすると、液だれが生じ難く、塗膜の印刷精度が高まる。
またこのとき、第一LED光源の最大照度は、500〜4000mW/cmであることが好ましく、より好ましくは800〜3500mW/cmであり、特に好ましくは1500〜3000mW/cmである。第一LED光源の最大照度が500mW/cm未満であると、照度不足により、長波長光が硬化膜内部まで透過せず、内部硬化性を十分に高められないことがある。
一方、第一LED光源の最大照度が4000mW/cmを超えると、内部硬化性が低くなる傾向にある。前述のように、ビスアシルホスフィンオキサイドは、光を照射すると、P−O結合が開裂して共役系が切れ、光がインキ組成物の塗膜内部まで透過しやすくなる(フォトブリーチング効果)。しかしながら、第一LED光源の最大照度が4000mW/cmを超えると大量に開裂したラジカル同士が再結合しやすくなる。そして、ラジカルが失活すると同時に、ラジカル同士の再結合によって生成した化合物よってフォトブリーチング効果が低くなるため(長波長光の透過率が低下)、十分な内部硬化性が得られなくなると推察される。
本発明において、第一LED光源の「最大照度」とは、米国 Electronic Instrumentation & Technology社製の紫外線光量計 製品名UV Power PuckIIにて測定される、UVVセンサの値とする。このとき、紫外線光量計の計測センサ部とLED光源底面との距離は1mmとする。また、LED光源と計測センサ部との相対速度は50mm/secとする。
(3)短波長光照射工程
短波長光照射工程では、塗膜の形成工程で、基材上に形成された塗膜に、最大ピーク波長が360nm以上370nm以下である光(以下、「短波長光」とも称する)を第二LED光源から照射する。第二LED光源は、短波長光を照射可能な光源であれば特に制限されず、公知の光源を用いることができる。また前述のように、短波長光の照射は、長波長光の照射後、または同時に行うことが好ましく、長波長光の照射から0.2秒以内に行うことが好ましい。
また、第二LED光源の最大照度は、は2500mW/cm以上であることが好ましく、より好ましくは3500mW/cm以上である。第二LED光源の最大照度が高いほど、得られる硬化膜の表面硬化性が向上し、酸素阻害による液だれが生じ難くなる。
本発明において、第二LED光源の「最大照度」とは米国 Electronic Instrumentation & Technology社製の紫外線光量計 製品名UV Power PuckIIにて測定される、UVAセンサの値とする。このとき、紫外線光量計の計測センサ部とLED光源底面との距離は1mmとする。また、LED光源と計測センサ部との相対速度は50mm/secとする。
(4)その他の工程
本発明の硬化膜の製造方法では、長波長光照射及び短波長光照射工程後、必要に応じて硬化膜に熱処理を行なってもよい。熱処理を行うと、硬化膜の内部応力緩和等の効果により密着性が向上する場合がある。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されない。
1.インキ組成物の調製
表1に示す光重合開始剤以外の成分をホモミキサーに入れて、遮光下、ドライエア雰囲気、35℃にて1時間攪拌した。その後、ホモミキサー内に光重合開始剤をさらに添加し、光重合開始剤が溶解するまで穏やかに攪拌した。
得られた混合物を、孔径2μmのメンブランフィルターにて加圧濾過し、インキ組成物を得た。得られたインキ組成物の25℃における粘度を、東機産業社製コーンプレート粘度計(TVE−22L)にて測定した。測定条件は、せん断速度230(1/s)、回転数:60rpmとした。粘度を表1に示す。
Figure 2017048332
2.塗膜の形成及び塗膜の硬化
[実施例1〜20]
インキ組成物を、ピエゾ型インクジェットヘッド(コニカミノルタ社製、KM1024SHB、インク液滴量6pl)を搭載したインクジェットプリンタにて、ヘッド温度50℃、解像度1,440dpi、1パスのみ印刷の条件で基材(ステンレス鋼板またはポリエステルフィルム)上に塗布した。具体的には、インキ組成物を、予めアルカリ脱脂した0.5mm厚みのステンレス鋼板(SUS304 BA)の表面、またはフタムラ化学社製ポリエステルフィルム(品種FE2001、22番手)のコロナ処理面に吐出し、ドット形状(インク液滴量6pl)の塗膜を得た。また、8パス印刷の条件で、基材(ステンレス鋼板またはポリエステルフィルム)上に5cm×5cmのベタ画像からなる塗膜も形成した。
そして、これらの塗膜に、インクジェットプリンタに装着したLEDユニットから光を照射し、塗膜を硬化させた。LEDユニットは、LEDモジュールを2列配置可能な英国 Integration Technology社製のUV照射幅120mmのLEDユニットSolidcure2HDとし、最大ピーク波長405nmのLEDモジュールと、最大ピーク波長365nmのLEDモジュールとを配置した。また最大ピーク波長405nmの光の最大照度、及び最大ピーク波長365nmの光の最大照度を、それぞれ表2及び表3に示す値に設定した。LED照射ユニットの最大照度は、米国 Electronic Instrumentation&Technology社製の紫外線光量計(製品名UV Power PuckII)にて測定した。このとき、紫外線光量計の計測センサ部とLED照射ユニット底面との距離は1mmとした。また、LED照射ユニットと計測センサ部との相対速度は50mm/secとした。なお、最大ピーク波長が365nmであるLEDユニットの最大照度は、紫外線光量計のUVAセンサの値を最大照度とした。一方、最大ピーク波長が405nmであるLEDユニットの最大照度は、紫外線光量計のUVVセンサの値を最大照度とした。また2つのLEDユニットのUV照射タイムラグはLEDユニットとインクジェットヘッドの走査速度によって、表2及び表3に示すように0.05〜0.21秒の間に調整した。
[比較例1〜4]
最大ピーク波長405nmのLEDモジュール、もしくは最大ピーク波長365nmのLEDモジュールのいずれか一方のみを用いた以外は、実施例1〜20と同様に、塗膜の形成及び硬化を行った。
3.評価
[ダレ幅の評価]
ドット形状の硬化膜を観察し、酸素阻害によるダレ幅から、印刷精度を評価した。評価基準は以下の通りである。結果を表2及び表3に示す。△以上が実用状問題ないレベルである。
◎:ドットダレなし
〇:ダレ幅が5μm以下
△:ダレ幅が5μm超、30μm以下
×:ダレ幅が30μm超
[硬化膜の内部硬化性の評価]
各実施例及び比較例で作製したべた画像からなる硬化膜の内部硬化性を、ナノインデンテーション測定法による複合弾性率Er(GPa)から評価した。具体的には、MTS Systems社製のNano Indenter XPを用いて、Berkovich(三角錐形)圧子で連続剛性測定(MTS Systems社の特許技術(米国特許第4848141号に記載の方法)に準拠して測定)した。そして、各測定位置における5回の値の平均値(複合弾性率)を求め、複合弾性率を以下の基準で評価した。結果を表2及び表3に示す。△以上が、実用状問題ないレベルである。
◎:複合弾性率が3.0GPa以上
〇:複合弾性率が2.7GPa以上3.0GPa未満
△:複合弾性率が2.0GPa以上2.7GPa未満
×:複合弾性率が2.0GPa未満
Figure 2017048332
Figure 2017048332
上記表3に示されるように、長波長光照射工程のみを行うと、内部硬化性は良好になるものの、表面硬化性が不十分となりやすく、ドットダレが生じた(比較例1及び2)。一方、短波長光照射工程のみを行うと、ドットダレは生じ難くなるものの、内部硬化性が不十分であった(比較例3及び4)。これに対し、表2及び表3に示されるように、2段階の光照射(長波長光照射工程及び短波長光照射工程)を行うと、表面硬化性(ドットダレ)及び内部硬化性のいずれもが良好になった(実施例1〜20)。また特に、長波長光照射工程の直後(0.2秒以内)に、短波長光照射工程を行うと、特にダレ幅が狭くなりやすかった(実施例3及び4)。また、長波長光照射工程から短波長光照射工程までの間隔が長くなるにつれて、ダレ幅が広くなる傾向にあった(例えば実施例15及び16)。長波長光照射工程から、短波長光照射工程までに時間がかかると、表面のインキ組成物が流れ落ちやすく、ドットダレが生じやすくなったと推察される。さらに、短波長光照射時の最大照度が低くなると、ダレ幅が広くなる傾向にあった(例えば実施例17〜20)。短波長光の最大照度が低いと、表面硬化性が低くなったと推察される。
本発明の硬化膜の製造方法で得られる硬化膜は、表面硬化性及び内部硬化性が非常に良好である。したがって、本発明の製造方法によれば、例えば高精細で意匠性に優れた樹脂被覆膜を有する金属化粧板や、電子回路基板、各種樹脂基板等が得られる。また、本発明の製造方法で製造される硬化膜は、各種エッチング用のレジストとすることができ、金属板等の成形加工性を高めることができる。

Claims (6)

  1. 重合性モノマーと、ビスアシルホスフィンオキサイドと、α−ヒドロキシケトン系開始剤と、を含むインキ組成物の塗膜の硬化膜を製造する方法であって、
    前記インキ組成物の塗膜に、最大ピーク波長が390nm以上440nm以下である光を第一LED光源から照射する長波長光照射工程と、
    前記インキ組成物の塗膜に、最大ピーク波長が360nm以上370nm以下である光を第二LED光源から照射する短波長光照射工程と、を含む、
    硬化膜の製造方法。
  2. 前記長波長光照射工程は、前記短波長光照射工程と同時、または前記短波長光照射工程より前に行う、
    請求項1に記載の硬化膜の製造方法。
  3. 前記長波長光照射工程における光の照射と、前記短波長光照射工程における光の照射との間隔が、0.2秒以内である、
    請求項2に記載の硬化膜の製造方法。
  4. 前記第一LED光源の最大照度は、500〜4000mW/cmである、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化膜の製造方法。
  5. 前記第二LED光源の最大照度は、2500mW/cm以上である、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化膜の製造方法。
  6. 前記インキ組成物をインクジェット装置で塗布する工程をさらに含む、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化膜の製造方法。
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