以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、図1を参照して、一実施形態に係る電子機器を含む車両監視システムについて説明する。この電子機器は、車両1から着脱可能な車両監視装置10として実現され得る。この電子機器は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレットコンピュータ、PDAといった携帯端末、パーソナルコンピュータ、または各種電子機器に内蔵される組み込みシステムとして実現されてもよい。
車両監視システムは、例えば、車両1に取り付けられた車両監視装置10と、警備会社や保険会社等によって管理されるサーバー2と、車両1の所有者(以下、ユーザーとも称する)が使用する携帯端末3とによって構成される。車両1は、例えば、自動車、電気自動車、自動二輪車、船舶、等である。また、携帯端末3は、携帯電話機、スマートフォン、タブレットコンピュータ、PDA、等の無線通信機能を有する電子機器である。
車両1に取り付けられた車両監視装置10は、駐車(停泊)されている車両1を監視し、車両1で発生した異常を検知する。車両監視装置10は、異常を検知した場合、3G/LTE通信網4等を介してサーバー2や携帯端末3にその異常を通知する。また、車両監視装置10は、駐車されていた車両1が移動されていることを検知した場合、車両1の位置を追跡し、3G/LTE通信網4等を介してその位置をサーバー2や携帯端末3に随時通知する。
サーバー2の管理者は、通知に応じて、所有者に対する状況の確認、車両1の現在位置への駆けつけ、関係機関への通報等を行う。また、車両1の所有者は、携帯端末3への通知に応じて、車両1の状況の確認や警備会社への連絡等を行う。これにより、車両1の異常に迅速に対処することができる。
車両1の所有者は、携帯端末3を用いて、車両監視装置10を遠隔から操作することもできる。携帯端末3では、例えば、車両監視装置10の遠隔操作のためのアプリケーションプログラムが実行され、車両監視装置10のオン/オフや各種の設定のための画面が表示される。所有者は、表示された画面上のボタン等を操作することにより、3G/LTE通信網4を介して車両監視装置10を操作する。
図2を参照して、車両監視装置10のシステム構成を説明する。車両監視装置10は、SOC(System On a Chip)101、RAM102、フラッシュメモリ103、RTC(Real Time Clock)104、マイコン(マイクロコンピュータ)105、電源切替回路106、電源回路107、内蔵バッテリー(予備バッテリー)108、加速度センサ109、ジャイロセンサ110、GPSモジュール111、リモートコントローラ(RC)モジュール113、3G/LTEモジュール115、SIM(Subscriber Identity Module)117、リセットボタン118、等を備える。また、SOC101には、LEDユニット21、スピーカー(ホーン)ユニット22、GPSユニット23、イグニッション24、メインバッテリー25、等が接続されている。
SOC101は、車両監視装置10内のコンポーネントの動作や、車両監視装置10に接続されたコンポーネントの動作を制御するプロセッサを備える。SOC101は、例えば、フラッシュメモリ103からRAM102にロードされる各種ソフトウェアを実行する。これらソフトウェアには、車両1を監視するための車両監視プログラムが含まれている。この車両監視プログラムは、車両1の異常を検出する機能、異常を通報する機能、警告を発する機能、車両1の位置情報を取得する機能、等を有する。なお、フラッシュメモリ103とRAM102とはSOC101内に設けられてもよい。
RTC104は、計時のためのクロック信号の生成と日時情報を保持する。SOC101は、例えば、起動時にRTC104から日時を取得する。RTC104は、メインバッテリー25や内蔵バッテリー108から電力が供給されない場合には、内蔵される電池(図示せず)から供給される電力で動作させてもよい。
電源切替回路106は、車両1内の各部と車両監視装置10内の各部とに電力を供給するメインバッテリー25(第1バッテリー)に接続されている。電源切替回路106は、メインバッテリー25から電力が供給されない場合に車両監視装置10に電力を供給する内蔵バッテリー108(第2バッテリー)にも接続されている。電源切替回路106は、車両監視装置10内の各部に、車両1のメインバッテリー25と車両監視装置10内の内蔵バッテリー108のいずれか一方から電力が供給されるように制御する。電源切替回路106は、例えば、車両監視装置10内の各部にメインバッテリー25から電力が供給されるように制御し、メインバッテリー25から電力が供給されなくなったこと(例えば、メインバッテリー25の破壊、断線、取り外し、等による使用不能)に応じて、車両監視装置10内の各部に内蔵バッテリー108から電力が供給されるように制御する。
電源回路107は、メインバッテリー25又は内蔵バッテリー108から車両監視装置10に供給される電力の電圧及び電流を制御する。SOC101は、マイコン105を介して電源回路107と通信し、メインバッテリー25又は内蔵バッテリー108から供給される電力の電圧及び電流の値を取得することができる。また、SOC101は、メインバッテリー25が使用可能であるか否かを示す情報(メインバッテリー25からの電力供給の有無を示す情報)を、マイコン105を介して電源回路107から取得することができる。
RCモジュール113は、アンテナ114を介して、リモートコントローラ26によって出力された信号を受信する。ユーザーは、複数のボタンが設けられたリモートコントローラ26を用いて、車両監視装置10のオン/オフ操作やモード切替操作等を行う。RCモジュール113は、リモートコントローラ26からユーザー操作に対応する信号を受信し、その信号に基づく情報(リモコン情報)をSOC101に出力する。
GPSモジュール111は、一定時間毎(例えば、1秒毎)に、複数のGPS衛星の各々から送信されたGPS信号をアンテナ112を介して受信し、それらGPS信号を用いて車両1の現在位置を算出する。GPSモジュール111は、算出された車両1の現在位置(例えば、緯度・経度)をSOC101に出力する。GPSモジュール111は、例えば、車両監視装置10の外部のGPSモジュール23Aが使用できない場合(例えば、GPSモジュール23Aの破壊、断線、取り外し、等により使用できない場合)に用いられる。
加速度センサ109は、一定時間毎(例えば、0.1秒毎)に、車両1の傾きと車両1に対する衝撃(振動)とを計測する。加速度センサ109は、計測された車両1の傾きを示す値と車両1に対する衝撃を示す値とを、SOC101とマイコン105とに出力する。なお、車両1の傾きは、加速度センサ109とジャイロセンサ110とを用いて計測されてもよい。
3G/LTEモジュール115は、SIM117に記録された情報を用いて、アンテナ116を介して3G又はLTEによる無線通信を実行する。3G/LTEモジュール115は、3G/LTE通信網4を介して、SOC101から受け取った情報をサーバー2やユーザーの携帯端末3に送信する。また、3G/LTEモジュール115は、3G/LTE通信網4を介して、サーバー2やユーザの携帯端末3から送信された情報を受信し、SOC101に出力する。
リセットボタン118は、車両監視装置10の保守のための操作ボタンである。SOC101は、例えば、リセットボタン118の操作に応じて、車両監視装置10をリセット(再起動)する。なお、このリセットボタン118は、車両監視装置10のリセットに限らず、車両監視装置10の保守のための他の操作(例えば、設定変更、ソフトウェアのアップデート、等)に用いられてもよい。
また、LEDユニット21は、少なくとも一つのLED21A,21B,21Cを備える。SOC101は、これらLED21A,21B,21Cが、車両1の盗難抑止のための警告表示(車両監視装置10のモードに対応する表示)、車両監視装置10に対するユーザー操作に応答する表示、等の用途に応じて、所定のパターン(頻度、光量、等)で発光するように制御する。LEDユニット21に複数のLED21A,21B,21Cが設けられる場合には、用途に応じて、いずれかのLED21A,21B,21Cを点灯(点滅)させてもよいし、いくつかのLED21A,21B,21Cを組み合わせて点灯(点滅)させてもよい。
スピーカーユニット22は、少なくとも一つのスピーカー22Aを備える。SOC101は、スピーカー22Aで、車両1の盗難抑止のための警告音(トーン)や警告の音声(すなわち、車両監視装置10のモードに対応する音(トーン)や音声)、車両監視装置10に対するユーザー操作に応答する音(トーン)や音声、等が、所定のパターン(期間、音量、等)で出力されるように制御する。
GPSユニット23は、GPSモジュール23Aとアンテナ23Bとを備える。GPSモジュール23Aは、一定時間毎(例えば、1秒毎)に、複数のGPS衛星の各々から送信されたGPS信号をアンテナ23Bを介して受信し、それらGPS信号を用いて車両1の現在位置を算出する。GPSモジュール23Aは、算出された車両1の現在位置をSOC101とマイコン105とに出力する。
なお、LEDユニット21とスピーカーユニット22とGPSユニット23とは、1つのユニットに統合されていてもよい。
イグニッション24は、車両1のキーやスタートボタンを用いた操作に応じて、車両1への通電の開始/停止、エンジンの始動/停止、等を行うために設けられる車両1のコンポーネントである。イグニッション24は、例えば、キーホールに差し込まれたキーの位置(例えば、ロック、オフ、オン、スタート、等)、又は車両1のスタートボタンを用いた操作に応じて、車両1への通電の開始/停止、エンジンの始動/停止、等が行われるように動作する。
また、イグニッション24には、車両1の電子キー24Aと無線(例えば、赤外線)で通信する機能を有するものもある。この通信機能により、イグニッション24は電子キー24Aと車両1との間の距離を検出する。イグニッション24は、例えば、電子キー24Aが車両1から通信可能な距離内にあるか否かを検出することができる。
SOC101は、イグニッション24から、例えば、イグニッション24のオン/オフ、キーホールに差し込まれたキーの位置(キーポジション)、電子キー24Aが車両1から通信可能な距離内にあるか否か、等を取得する。
SOC101は、上述した車両監視プログラムを実行することによって、車両1を監視する。SOC101は、例えば、GPSモジュール23A(又はGPSモジュール111)、加速度センサ109、ジャイロセンサ110、及び電源回路107による出力を用いて車両1の異常を検出し、また、RCモジュール113、リセットボタン118及びイグニッション24による出力を用いて、ユーザー操作を検出する。SOC101は、車両監視装置10を、車両1の異常、ユーザー操作、タイムアウト等に応じたモードに設定することにより、車両1が置かれている状況に応じた監視を行う。
なお、マイコン105は、SOC101の機能の一部を有し、SOC101がスリープ状態である場合にSOC101の代わりに動作することもできる。マイコン105は、例えば、GPSモジュール23A、加速度センサ109、ジャイロセンサ110、及び電源回路107による出力を用いて車両1の異常を検出し、異常が検出された場合にSOC101をスリープ状態から通常の動作状態に移行させる。マイコン105の消費電力はSOC101の消費電力よりも小さいので、SOC101をスリープ状態にすることによって車両監視装置10全体の消費電力量を低減することができる。SOC101は、スリープ状態から動作状態に移行したことに応じて、車両1の異常の詳細を検出し、その異常に応じた処理を行うことができる。
図3を参照して、車両監視装置10に設定されるモードが遷移する例を説明する。図3に示す遷移には、各種のセンサによる検出結果に応じた遷移T107〜T111,T117,T118と、ユーザー操作に応じた遷移T101〜T104,T113,T114,T116と、ソフトウェア制御による遷移T105,T106,T112とが含まれている。車両監視装置10は、盗難監視オフモード31と盗難監視オンモード32と警告モード33と追跡モード34のいずれかのモードに設定される。
盗難監視オフモード31は、車両1の盗難が監視されないモードであり、例えば、ユーザーが車両1を運転している場合に設定される。盗難監視オンモード32は、車両1の盗難が監視されるモードであり、例えば、車両1が駐車され、ユーザーが車両1から離れている場合に設定される。警告モード33は、音声出力や発光による警告が発せられるモードであり、例えば、車両1の異常が検出された場合に設定される。また、追跡モード34は、盗難された車両1の位置が追跡されるモードであり、例えば、車両1が移動している場合(すなわち、盗難された場合)に設定される。
まず、盗難監視オフモード31と盗難監視オンモード32との間の遷移について説明する。盗難監視オフモード31に設定された車両監視装置10は、盗難の監視が指示された場合、車両1が駐車された場合、ユーザーが車両1から離れた場合、等に、盗難監視オンモード32に遷移する。また、盗難監視オンモード32に設定された車両監視装置10は、盗難の監視の解除が指示された場合、車両1が駆動された場合、ユーザーが車両1に近づいた場合、等に、盗難監視オフモード31に遷移する。
盗難の監視の指示及びその解除は、例えば、リモートコントローラ26を用いたオン/オフ操作によって行われる。したがって、盗難監視オフモード31に設定された車両監視装置10は、リモートコントローラ26を用いたオン操作に応じて、盗難監視オンモード32に設定される(T101)。また、盗難監視オンモード32に設定された車両監視装置10は、リモートコントローラ26を用いたオフ操作に応じて、盗難監視オフモード31に設定される(T102)。
車両1が駐車されているか、それとも駆動されているかは、例えば、イグニッション24のキーホールに差し込まれたキーの位置(キーポジション)によって判定される。盗難監視オフモード31に設定された車両監視装置10は、キーポジションがオンの位置からオフの位置に移動されたことに応じて、盗難監視オンモード32に設定される(T103)。また、盗難監視オンモード32に設定された車両監視装置10は、キーポジションがオフの位置からオンの位置に移動されたことに応じて、盗難監視オフモード31に設定される(T104)。
また、ユーザーと車両1との間の距離として、例えば、イグニッション24によって検出される電子キー24Aまでの距離が用いられる。盗難監視オフモード31に設定された車両監視装置10は、電子キー24Aまでの距離が大きくなったことに応じて(例えば、電子キー24Aと通信不能になったことに応じて)、盗難監視オンモード32に設定される(T105)。また、盗難監視オンモード32に設定された車両監視装置10は、電子キー24Aまでの距離が小さくなったことに応じて(例えば、電子キー24Aと通信可能になったことに応じて)、盗難監視オフモード31に設定される(T106)。
次に、盗難監視オンモード32と警告モード33との間の遷移について説明する。盗難監視オンモード32に設定された車両監視装置10は、車両1の異常が検知された場合に警告モード33に遷移する。また、警告モード33に設定された車両監視装置10は、異常が検知されない期間に基づくタイムアウトやリモートコントローラ26を用いたモード切替操作に応じて、盗難監視オンモード32に遷移する。
より具体的には、盗難監視オンモード32に設定された車両監視装置10は、車両1の傾き(例えば、第1しきい値以上の傾き)が検知されたことに応じて、警告モード33に設定される(T107)。盗難監視オンモード32に設定された車両監視装置10は、車両1に対する衝撃(例えば、第2しきい値以上の衝撃)が検知されたことに応じて、警告モード33に設定される(T108)。盗難監視オンモード32に設定された車両監視装置10は、車両1の移動(例えば、第3しきい値以上の移動)が検知されたことに応じて、警告モード33に設定される(T109)。盗難監視オンモード32に設定された車両監視装置10は、メインバッテリー25が使用できなくなったこと(例えば、バッテリー25の破壊、断線、取り外し、等による使用不能)に応じて、警告モード33に設定される(T110)。また、盗難監視オンモード32に設定された車両監視装置10は、車両監視装置10に接続される各種のコンポーネントとの配線が切断されたことに応じて、警告モード33に設定される(T111)。
そして、警告モード33に設定された車両監視装置10は、車両1の移動が検知されない期間が所定期間(例えば、10秒間)以上継続したこと(タイムアウト)に応じて、盗難監視オンモード32に設定される(T112)。また、警告モード33に設定された車両監視装置10は、リモートコントローラ26を用いたモード切替操作に応じて、盗難監視オンモード32に設定される(T113)。
なお、警告モード33に設定された車両監視装置10は、リモートコントローラ26を用いたオフ操作又はイグニッション24のオンに応じて、盗難監視オフモード31に設定される(T114)。
次いで、警告モード33から追跡モード34への遷移について説明する。警告モード33に設定された車両監視装置10は、車両1の移動(例えば、第4しきい値以上の移動)に応じて、追跡モード34に設定される(T115)。なお、追跡モード34に設定された車両監視装置10は、リモートコントローラ26を用いたオフ操作、イグニッション24のオン、又はリセットボタン118が押し下げられたことに応じて、盗難監視オフモード31に設定される(T116)。
さらに、盗難監視オンモード32に設定された車両監視装置10は、メインバッテリー25が使用できなくなったこと(例えば、バッテリー25の破壊、断線、取り外し、等による使用不能)、又は車両監視装置10に接続される各種のコンポーネントとの配線が切断されたこと(例えば、スピーカー22Aが使用できないこと)に応じて、追跡モード34に設定されてもよい(T117,T118)。
図4は、上述したモードの遷移を実現するためのSOC101の機能構成の例を示す。SOC101は、例えば、このモード遷移の機能を有する車両監視プログラムを実行する。車両監視プログラムは、モード切替部501、イグニッション情報受信部502、リモコン情報受信部503、位置情報受信部504、傾き情報受信部505、衝撃情報受信部506、バッテリー情報受信部507、配線情報受信部508、ボタン情報受信部509、音声制御部510、発光制御部511、通知制御部512、等を備える。
モード切替部501は、車両監視装置10が設定されているモードに応じて、車両1の異常、ユーザーによる操作、タイムアウト等のトリガーを検出し、そのトリガーに応じて車両監視装置10のモードを切り替える。
モード切替部501は、位置情報受信部504、傾き情報受信部505、衝撃情報受信部506、バッテリー情報受信部507、及び配線情報受信部508によって受信される情報を用いて、車両1の異常を検出する。モード切替部501は、車両監視装置10が盗難監視オンモード32(第1モード)に設定されている間に、車両1の第1の異常が検出されたことに応じて、車両監視装置10を警告モード33(第2モード)に設定する。この第1の異常は、例えば、車両1の第1しきい値以上の傾きが検出されたこと、車両1に対する第2しきい値以上の衝撃が検出されたこと、車両1の第3しきい値以上の移動が検出されたこと、車両1のメインバッテリー25が使用できないこと、又は車両監視装置10の配線が切断されたことである。また、モード切替部501は、車両監視装置10が警告モード33に設定されている間に、車両1の第2の異常を検出した場合、車両監視装置10を追跡モード34(第3モード)に設定する。この第2の異常は、車両1の第4しきい値以上の移動が検出されたことを含む。なお、この第4しきい値は、第3しきい値よりも大きい。そして、モード切替部501は、音声制御部510、発光制御部511及び通知制御部512に、切り替えられたモードに応じた処理を要求する。
音声制御部510及び発光制御部511は、車両監視装置10が警告モード33に設定されている間、音声出力と発光の少なくとも一方による警告を発する。そして、音声制御部510及び発光制御部511は、車両監視装置10が追跡モード34に設定される場合(すなわち、車両1の第2の異常が検出された場合)にその警告を停止してもよい。
通知制御部512は、車両監視装置10が警告モード33に設定された場合、車両監視装置10が警告モード33に設定されたことと第1の異常が検出されたことの少なくとも一方を別の電子機器(例えば、サーバー2や携帯端末3)に通知する。なお、第1の異常が検出されたことを示す通知は、その異常の内容(傾き、衝撃、移動、バッテリーの使用不能、断線、等)を含み得る。通知制御部512は、車両監視装置10が追跡モード34に設定されている間、位置情報受信部504により受信される位置情報を用いて、車両1の現在位置を別の電子機器(例えば、サーバー2や携帯端末3)に送信する。
また、モード切替部501は、イグニッション情報受信部502、リモコン情報受信部503及びボタン情報受信部509によって受信される情報を用いて、ユーザー操作を検出する。
イグニッション情報受信部502は、例えば、イグニッション24からの割り込み処理によって、イグニッション24から、イグニッション24のキーホールに差し込まれたキーのキーポジションがオン位置又はオフ位置に変更されたことを示す情報、電子キー24Aとの距離を示す情報、及びイグニッション24のオンを示す情報を受信する。電子キー24Aとの距離を示す情報は、例えば、イグニッション24と電子キー24Aとが無線通信可能な範囲内にあるか否かを示す。モード切替部501は、イグニッション情報受信部502によって受信されるこのような情報を用いて車両監視装置10のモードを切り替える。
より具体的には、車両監視装置10が盗難監視オフモード31に設定されている間に、イグニッション情報受信部502によってキーポジションがオフ位置に変更されたことを示す情報が受信された場合、ユーザーが車両1から離れる可能性があると推定されるので、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オンモード32に切り替える。一方、車両監視装置10が盗難監視オンモード32に設定されている間に、イグニッション情報受信部502によってキーポジションがオン位置に変更されたことを示す情報が受信された場合、ユーザーが車両1に乗車していると推定されるので、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オフモード31に切り替える。
車両監視装置10が盗難監視オフモード31に設定されている間に、イグニッション情報受信部502によって電子キー24Aとの距離が大きいことを示す情報(例えば、電子キー24Aと通信不能であることを示す情報)が受信された場合、ユーザーが車両1から離れたと推定されるので、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オンモード32に切り替える。一方、車両監視装置10が盗難監視オンモード32に設定されている間に、イグニッション情報受信部502によって電子キー24Aとの距離が小さいことを示す情報(例えば、電子キー24Aと通信可能であることを示す情報)が受信された場合、ユーザーが車両1の近くにいると推定されるので、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オフモード31に切り替える。
また、車両監視装置10が警告モード33又は追跡モード34に設定されている間に、イグニッション情報受信部502によってイグニッション24のオンを示す情報が受信された場合、ユーザーが車両1に乗車していると推定されるので、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オフモード31に切り替える。
リモコン情報受信部503は、RCモジュール113によってSOC101に出力されるリモコン情報を受信する。リモコン情報受信部503は、例えば、リモートコントローラ26を用いた車両監視装置10のオン/オフ操作を示す情報、モード切替操作(例えば、警告モード33から盗難監視オンモード32への切替操作)を示す情報、等を受信する。
モード切替部501は、リモコン情報受信部503によって受信される情報を用いて車両監視装置10のモードを切り替える。
より具体的には、車両監視装置10が盗難監視オフモード31に設定されている間に、リモコン情報受信部503によってリモートコントローラ26を用いたオン操作を示す情報が受信された場合、ユーザーが監視の開始を指示しているので、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オンモード32に切り替える。一方、車両監視装置10が盗難監視オンモード32、警告モード33又は追跡モード34に設定されている間に、リモコン情報受信部503によってリモートコントローラ26を用いたオフ操作を示す情報が受信された場合、ユーザーが監視、警告又は追跡の終了を指示しているので、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オフモード31に切り替える。
また、車両監視装置10が警告モード33に設定されている間に、リモコン情報受信部503によって、警告モード33から盗難監視オンモード32への切替操作を示す情報が受信された場合、ユーザーがモードの切り替えを指示しているので、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オンモード32に切り替える。
位置情報受信部504は、GPSモジュール23Aによって一定時間毎(例えば、1秒毎)に出力される車両1の現在位置を示す情報を受信する。車両1の現在位置は、例えば、緯度及び経度で示される。なお、位置情報受信部504は、GPSモジュール23Aが使用できない場合には、車両監視装置10内のGPSモジュール111によって一定時間毎(例えば、1秒毎)に出力される車両1の現在位置を示す情報を受信する。
モード切替部501は、車両監視装置10が盗難監視オンモード32に設定されている場合、監視が開始された時点の車両1の位置(すなわち、盗難監視オンモード32に切り替えられた直後に位置情報受信部504によって受信された車両1の位置)と、最新の車両1の位置(すなわち、位置情報受信部504によって最後に受信された車両1の位置)との差(変化量)を算出する。モード切替部501は、算出された差が第3しきい値(例えば、1メートル)以上である場合、車両1が移動していると判定する。モード切替部501は、この車両1が移動しているという判定に応じて、車両監視装置10を盗難監視オンモード32から警告モード33に切り替える。
また、モード切替部501は、車両監視装置10が警告モード33に設定されている場合、監視が開始された時点の車両1の位置と最新の車両1の位置との差を算出する。モード切替部501は、算出された差が第4しきい値(例えば、5メートル)以上である場合、車両1がさらに移動していると判定する。なお、第4しきい値は第3しきい値よりも大きい。車両監視装置10が盗難監視オンモード32から警告モード33に切り替えられた後に車両1がさらに移動している場合、車両1が盗難されていることが推定される。そのため、モード切替部501は、この車両1がさらに移動しているという判定に応じて、車両監視装置10を警告モード33から追跡モード34に切り替える。
なお、モード切替部501は、車両監視装置10が警告モード33に設定されてから、所定時間(例えば、10秒間)以上、車両1が移動していない場合、検出された異常(第1の異常)による危険性が下がったと推定されるので、警告モード33からのタイムアウトを決定する。モード切替部501は、このタイムアウトの決定に応じて、車両監視装置10を盗難監視オンモード32に切り替える。
傾き情報受信部505は、加速度センサ109によって一定時間毎(例えば、0.1秒毎)に出力される車両1の傾きを示す情報を受信する。
モード切替部501は、車両監視装置10が盗難監視オンモード32に設定されている場合、監視が開始された時点の車両1の傾き(すなわち、盗難監視オンモード32に切り替えられた直後に傾き情報受信部505によって受信された車両1の傾き)と、最新の車両1の傾き(すなわち、傾き情報受信部505によって最後に受信された車両1の傾き)との差(変化量)を算出する。モード切替部501は、算出された差が第1しきい値(例えば、10度)以上である場合、車両1が傾いていると判定する。モード切替部501は、この車両1が傾いているという判定に応じて、車両監視装置10を盗難監視オンモード32から警告モード33に切り替える。
衝撃情報受信部506は、加速度センサ109によって一定時間毎(例えば、0.1秒毎)に出力される車両1に対する衝撃を示す情報を受信する。
モード切替部501は、車両監視装置10が盗難監視オンモード32に設定されている場合、受信された車両1に対する衝撃が第2しきい値以上である場合、車両1に対する衝撃があったと判定する。モード切替部501は、この車両1に対する衝撃があったという判定に応じて、車両監視装置10を盗難監視オンモード32から警告モード33に切り替える。
バッテリー情報受信部507は、電源回路107からメインバッテリー25の情報と内蔵バッテリー108の情報とを受信する。バッテリー情報受信部507は、例えば、電源回路107から、メインバッテリー25が使用できなくなったこと(例えば、メインバッテリー25からの電力供給が断たれたこと)を示す情報を受信する。
車両監視装置10が盗難監視オンモード32に設定されている間に、バッテリー情報受信部507によって、メインバッテリー25が使用できなくなったことを示す情報が受信された場合(すなわち、メインバッテリー25が使用できないという異常が検出された場合)、メインバッテリー25の破壊、断線、取り外し等が推定されるので、モード切替部501は車両監視装置10を警告モード33に切り替える。
なお、メインバッテリー25が使用できなくなった場合、車両監視装置10への電力供給はメインバッテリー25から内蔵バッテリー108に切り替えられる。通常、内蔵バッテリー108の充電容量はメインバッテリー25の充電容量よりも小さい。また、音声出力や発光による警告が行われる警告モード33では、そのような警告を行わない追跡モード34よりも消費電力が大きい。そのため、メインバッテリー25が使用できなくなった場合、モード切替部501は、車両監視装置10を警告モード33ではなく追跡モード34に切り替えてもよい。盗難監視オンモード32から追跡モード34に直接切り替えられることによって、警告のために大量の電力が消費されることを回避し、内蔵バッテリー108から供給される電力を有効に利用して長時間の追跡を行うことができる。
配線情報受信部508は、車両監視装置10内の各部の配線や、車両監視装置10に接続される種々のユニットの配線が切断されたことを示す情報を受信する。配線情報受信部508は、例えば、SOC101とLED21A,21B,21Cとを接続する配線、SOC101とスピーカー22Aとを接続する配線、SOC101とGPSモジュール23Aとを接続する配線、SOC101とイグニッション24とを接続する配線、等が切断されたことを示す情報を受信する。
車両監視装置10が盗難監視オンモード32に設定されている間に、配線情報受信部508によって、配線が切断されたことを示す情報が受信された場合、モード切替部501は車両監視装置10を警告モード33に切り替える。なお、SOC101とスピーカー22Aとを接続する配線が切断されたことを示す情報が受信された場合には、警告のための音声をスピーカー22Aから出力することができないので、モード切替部501は車両監視装置10を警告モード33ではなく追跡モード34に切り替えてもよい。同様に、SOC101とLED21A,21B,21Cとを接続する配線が切断されたことを示す情報が受信された場合には、警告のためにLED21A,21B,21Cを発光することができないので、モード切替部501は車両監視装置10を警告モード33ではなく追跡モード34に切り替えてもよい。
なお、配線情報受信部508は、車両監視装置10に接続される種々のユニットとの配線を介した通信や電源回路107との通信によって、それらユニットの使用の可否を示す情報を受信してもよい。配線情報受信部508は、例えば、LED21A,21B,21C、スピーカー22A、GPSモジュール23A、等の使用の可否を示す情報を受信する。
車両監視装置10が盗難監視オンモード32に設定されている間に、配線情報受信部508によって、LED21A,21B,21C、スピーカー22A、又はGPSモジュール23Aが使用できないという情報が受信された場合(すなわち、LED21A,21B,21C、スピーカー22A、又はGPSモジュール23Aが使用できないという異常が検出された場合)、モード切替部501は、LED21A,21B,21C、スピーカー22A、又はGPSモジュール23Aが使用できないという異常が検出されたと判定し、この判定に応じて、車両監視装置10を警告モード33に切り替える。なお、スピーカー22Aが使用できないという情報が受信された場合(すなわち、スピーカー22Aが使用できないという異常が検出された場合)、警告のための音声をスピーカー22Aから出力することができないので、モード切替部501は車両監視装置10を警告モード33ではなく追跡モード34に切り替えてもよい。同様に、LED21A,21B,21Cが使用できないという情報が受信された場合には、警告のためにLED21A,21B,21Cを発光することができないので、モード切替部501は車両監視装置10を警告モード33ではなく追跡モード34に切り替えてもよい
ボタン情報受信部509は、リセットボタン118が押し下げられたことを示す情報を受信する。モード切替部501は、車両監視装置10が追跡モード34に設定されている間に、ボタン情報受信部509によってリセットボタン118が押し下げられたことを示す情報が受信された場合、ユーザーが車両監視装置10のリセットを指示しているので、車両監視装置10を盗難監視オフモード31に切り替える。
上述したように、モード切替部501は、車両監視装置10のモードの切り替えに応じた処理を音声制御部510、発光制御部511及び通知制御部512に要求する。モード切替部501による要求に応じて、音声制御部510はスピーカー22Aからの音声出力を制御し、発光制御部511はLED21A,21B,21Cの発光を制御し、通知制御部512は3G/LTEモジュール115等による無線通信を用いてサーバー2やユーザーの携帯端末3への通知を制御する。音声制御部510は、各モードに関連付けられた鳴動パターンでスピーカー22Aから音声を出力する。この鳴動パターンは、音声が出力される期間、再生される音声データ、音量、再生回数、等で規定される。発光制御部511は、各モードに関連付けられた発光パターンでLED21A,21B,21Cを発光する。この発光パターンは、例えば、点滅の周期(頻度)、点灯時間、消灯時間、光量、等で規定される。
より具体的には、発光制御部511は、車両監視装置10が盗難監視オンモード32に設定された場合、第1周期でLED21A,21B,21Cを点滅させる。この点滅により、車両監視装置10が盗難監視オンモード32に設定されていることをユーザーが確認できると共に、監視中であることが外部に提示されるので車両の盗難を抑止することができる。なお、通知制御部512は、車両監視装置10が盗難監視オンモード32に設定されたことをサーバー2やユーザーの携帯端末3に通知してもよい。
また、音声制御部510及び発光制御部511は、モード切替部501によって、車両1の第1の異常が検出され、車両監視装置10が警告モード33に設定された場合、警告を発する。車両監視装置10が警告モード33に設定された場合、例えば、音声制御部510は、第1期間、スピーカー22Aから音声を出力し、発光制御部511は、第2周期でLED21A,21B,21Cを点滅させる。この第2周期は、盗難監視オンモード32でLED21A,21B,21Cが点滅する第1周期よりも短い。つまり、発光制御部511は、警告モード33では、盗難監視オンモード32よりも高い頻度でLED21A,21B,21Cを点滅させることによって、強い警告を発する。このような警告により、車両を盗難しようとする人物を威嚇することができる。また、通知制御部512は、車両監視装置10が警告モード33に設定された場合、サーバー2やユーザーの携帯端末3に、車両監視装置10が警告モード33に設定されたことと第1の異常が検出されたことの少なくとも一方を通知する。
車両監視装置10が警告モード33に設定されている間に、モード切替部501によって、車両1の第2の異常が検出され、車両監視装置10が追跡モード34に設定される場合、音声制御部510及び発光制御部511は警告を停止する。車両監視装置10が追跡モード34に設定される場合、音声制御部510はスピーカー22Aからの音声出力を停止し、発光制御部511はLED21A,21B,21Cの点滅を停止する。通知制御部512は、車両監視装置10が追跡モード34に設定されたことをサーバー2やユーザーの携帯端末3に通知してもよい。また、通知制御部512は、車両監視装置10が追跡モード34に設定されている間、位置情報受信部504によってGPSモジュール23A(又はGPSモジュール111)から受信された車両1の現在の位置(緯度・経度等)を取得し、一定時間毎に、サーバー2やユーザーの携帯端末3に取得された車両1の現在の位置を通知する。このように、追跡モード34では、警告(音声出力及びLEDの点滅)に要する電力が不要になるので、メインバッテリー25又は内蔵バッテリー108から供給される電力を用いて車両1の現在位置を長時間通知し続けることができる。
音声制御部510は、車両監視装置10が警告モード33から、盗難監視オフモード31又は盗難監視オンモード32に遷移する場合、スピーカー22Aからの音声出力を停止する。発光制御部511は、車両監視装置10が警告モード33から盗難監視オフモード31に遷移する場合、LED21A,21B,21Cの点滅を停止する。発光制御部511は、車両監視装置10が盗難監視オンモード32から盗難監視オフモード31に遷移する場合、LED21A,21B,21Cの点滅を停止する。また、発光制御部511は、車両監視装置10が警告モード33から盗難監視オンモード32に遷移した場合、LED21A,21B,21Cの第2周期での点滅を第1周期での点滅に変更する。
ところで、車両1は、季節によって長い期間使用されないことがある。例えば、自動二輪車は真夏や真冬には全く使用されない場合がある。そのような場合、車両1に設けられたメインバッテリー25は自然放電により電力が枯渇してしまい、車両1の監視が維持できなくなる可能性がある。そのため、通知制御部512は、車両監視装置10が盗難監視オンモード32に設定されている間に、メインバッテリー25の残量が第5しきい値未満になった場合、ユーザーの携帯端末3にバッテリーの充電を促す通知を送信する。これにより、メインバッテリー25の電力が枯渇する前に、ユーザーに対処を促すことができるので、ユーザーは、例えば、車両1を駆動して、メインバッテリー25を充電することができる。
次いで、図5から図9のフローチャートを参照して、図3のモード遷移に対応する、車両監視装置10によって実行されるモード切替処理の手順の例を説明する。
図5は、車両監視装置10が盗難監視オフモード31に設定されている場合の処理の手順の例を示す。
まず、モード切替部501は、リモートコントローラ26を用いたオン操作が検出されているか否かを判定する(ブロックB11)。モード切替部501は、例えば、リモコン情報受信部503によって、リモートコントローラ26を用いたオン操作を示す情報が受信された場合に、リモートコントローラ26を用いたオン操作が検出されたと判定する。リモートコントローラ26を用いたオン操作が検出されている場合(ブロックB11のYES)、モード切替部501は、車両監視装置10を盗難監視オンモード32に設定する(ブロックB14)。
リモートコントローラ26を用いたオン操作が検出されていない場合(ブロックB11のNO)、モード切替部501は、キーポジションがオフに移動されたか否かを判定する(ブロックB12)。モード切替部501は、例えば、イグニッション情報受信部502によって、キーポジションがオフに移動されたことを示す情報が受信された場合に、キーポジションがオフに移動されたと判定する。キーポジションがオフに移動されている場合(ブロックB12のYES)、ユーザーが車両1から離れる可能性があると推定されるので、モード切替部501は、車両監視装置10を盗難監視オンモード32に設定する(ブロックB14)。
キーポジションがオフに移動されていない場合(ブロックB12のNO)、モード切替部501は、電子キー24Aとの距離が第6しきい値以上であるか否かを判定する(ブロックB13)。モード切替部501は、例えば、イグニッション情報受信部502によって、電子キー24Aとの距離を示す情報が受信された場合に、その距離が第6しきい値以上であるか否かを判定する。また、モード切替部501は、例えば、イグニッション情報受信部502によって、電子キー24Aとの距離を示す情報が受信されていない場合には、電子キー24Aがイグニッション24との通信を行うことができない距離にあると推定されるので、電子キー24Aとの距離が第6しきい値以上であると判定する。電子キー24Aとの距離が第6しきい値以上である場合(ブロックB13のYES)、ユーザーが車両1から離れていると推定されるので、モード切替部501は、車両監視装置10を盗難監視オンモード32に設定する(ブロックB14)。
電子キー24Aとの距離が第6しきい値未満である場合(ブロックB13のNO)、ブロックB11に戻り、盗難監視オフモード31の処理が続行される。
次いで、図6は、車両監視装置10が盗難監視オンモード32に設定されている場合の処理の手順の例を示す。この処理では、盗難監視オンモード32に設定された車両監視装置10は、警告モード33と盗難監視オフモード31のいずれかに切り替えられる。
まず、発光制御部511は、第1周期でLED21A,21B,21Cを点滅させる(ブロックB201)。
次いで、モード切替部501は、車両1の傾きが検出されたか否かを判定する(ブロックB202)。モード切替部501は、例えば、傾き情報受信部505で受信された傾きを示す値が第1しきい値以上である場合に、車両1の傾きが検出されたと判定する。車両1の傾きが検出されている場合(ブロックB202のYES)、モード切替部501は、車両監視装置10を警告モード33に設定する(ブロックB207)。
車両1の傾きが検出されていない場合(ブロックB202のNO)、モード切替部501は、車両1に対する衝撃が検出されたか否かを判定する(ブロックB203)。モード切替部501は、例えば、衝撃情報受信部506で受信された衝撃を示す値が第2しきい値以上である場合に、車両1に対する衝撃が検出されたと判定する。車両1に対する衝撃が検出されている場合(ブロックB203のYES)、モード切替部501は、車両監視装置10を警告モード33に設定する(ブロックB207)。
車両1に対する衝撃が検出されていない場合(ブロックB203のNO)、モード切替部501は、車両1の移動が検出されたか否かを判定する(ブロックB204)。モード切替部501は、例えば、位置情報受信部504で受信された位置に基づいて、車両1の移動量を算出し、算出された移動量が第3しきい値(例えば、1メートル)以上である場合に、車両1の移動が検出されたと判定する。車両1の移動が検出されている場合(ブロックB204のYES)、モード切替部501は、車両監視装置10を警告モード33に設定する(ブロックB207)。
車両1の移動が検出されていない場合(ブロックB204のNO)、モード切替部501は、メインバッテリー25からの電力供給が断たれているか否かを判定する(ブロックB205)。モード切替部501は、例えば、破壊、断線、取り外し等によってメインバッテリー25が使用できない場合に、メインバッテリー25からの電力供給が断たれていると判定する。メインバッテリー25からの電力供給が断たれている場合(ブロックB205のYES)、モード切替部501は、車両監視装置10を警告モード33に設定する(ブロックB207)。メインバッテリー25からの電力供給が断たれた場合、車両監視装置10には内蔵バッテリー108から電力が供給される。
メインバッテリー25からの電力供給が断たれていない場合(ブロックB205のNO)、モード切替部501は、車両監視装置10の配線が切断されているか否かを判定する(ブロックB206)。この配線は、例えば、車両監視装置10と、LED21A,21B,21C、スピーカー22A、GPSモジュール23A、イグニッション24、等の外部コンポーネントとを接続する配線や、車両監視装置10内の各種コンポーネント間を接続する配線を含む。車両監視装置10の配線が切断されている場合(ブロックB206のYES)、モード切替部501は、車両監視装置10を警告モード33に設定する(ブロックB207)。
車両監視装置10の配線が切断されていない場合(ブロックB206のNO)、モード切替部501は、リモートコントローラ26を用いたオフ操作が検出されているか否かを判定する(ブロックB208)。モード切替部501は、例えば、リモコン情報受信部503によって、リモートコントローラ26を用いたオフ操作を示す情報が受信された場合に、リモートコントローラ26を用いたオフ操作が検出されたと判定する。リモートコントローラ26を用いたオフ操作が検出されている場合(ブロックB208のYES)、ユーザーが監視のオフを指示しているので、発光制御部511はLED21A,21B,21Cの点滅を停止し(ブロックB211)、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オフモード31に設定する(ブロックB212)。
リモートコントローラ26を用いたオフ操作が検出されていない場合(ブロックB208のNO)、モード切替部501は、キーポジションがオンに移動されたか否かを判定する(ブロックB209)。モード切替部501は、例えば、イグニッション情報受信部502によって、キーポジションがオンに移動されたことを示す情報が受信された場合に、キーポジションがオンに移動されたと判定する。キーポジションがオンに移動されている場合(ブロックB209のYES)、ユーザーが車両1に乗車していると推定されるので、発光制御部511はLED21A,21B,21Cの点滅を停止し(ブロックB211)、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オフモード31に設定する(ブロックB212)。
キーポジションがオンに移動されていない場合(ブロックB209のNO)、モード切替部501は、電子キー24Aとの距離が第6しきい値未満であるか否かを判定する(ブロックB210)。モード切替部501は、例えば、イグニッション情報受信部502によって、電子キー24Aとの距離を示す情報が受信された場合に、その距離が第6しきい値未満であるか否かを判定する。また、モード切替部501は、例えば、イグニッション情報受信部502によって、電子キー24Aとの距離を示す情報が受信されていない場合には、電子キー24Aがイグニッション24との通信を行うことができない距離にあると推定されるので、電子キー24Aとの距離が第6しきい値未満でないと判定する。電子キー24Aとの距離が第6しきい値未満である場合(ブロックB210のYES)、ユーザーが車両1の近くにいると推定されるので、発光制御部511はLED21A,21B,21Cの点滅を停止し(ブロックB211)、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オフモード31に設定する(ブロックB212)。
電子キー24Aとの距離が第6しきい値以上である場合(ブロックB210のNO)、通知制御部512は、メインバッテリー25の残量が第5しきい値未満であるか否かを判定する(ブロックB213)。電源回路107は、メインバッテリー25の電流及び電圧の値を監視することにより、メインバッテリー25の残量を検出する。バッテリー情報受信部507は、マイコン105を介して、電源回路107によって検出されたメインバッテリー25の残量を示す情報を受信する。そして、通知制御部512は、受信されたメインバッテリー25の残量を示す情報を用いて、メインバッテリー25の残量が第5しきい値未満であるか否かを判定する。メインバッテリー25の残量が第5しきい値未満である場合(ブロックB213のYES)、通知制御部512は、車両監視装置10の動作が維持できるように、メインバッテリー25の残量が少ないことをユーザーの携帯端末3に通知する(ブロックB214)。この通知に応じてユーザーが、例えば、車両1を駆動することにより、メインバッテリー25に電力が充電され、車両監視装置10の動作を維持することができる。
メインバッテリー25の残量が第5しきい値以上である場合(ブロックB213のNO)、ブロックB202に戻り、盗難監視オンモード32の処理が続行される。
図7は、車両監視装置10が盗難監視オンモード32に設定されている場合の処理の手順の別の例を示す。この処理では、盗難監視オンモード32に設定された車両監視装置10は、警告モード33と盗難監視オフモード31と追跡モード34のいずれかに切り替えられる。この例では、車両監視装置10は、メインバッテリー25からの電力供給が断たれた場合や、車両監視装置10の配線が切断された場合に、盗難監視オンモード32から、警告モード33ではなく追跡モード34に遷移する。
まず、発光制御部511は、第1周期でLED21A,21B,21Cを点滅させる(ブロックB301)。
次いで、モード切替部501は、車両1の傾きが検出されたか否かを判定する(ブロックB302)。車両1の傾きが検出されている場合(ブロックB302のYES)、モード切替部501は、車両監視装置10を警告モード33に設定する(ブロックB305)。
車両1の傾きが検出されていない場合(ブロックB302のNO)、モード切替部501は、車両1に対する衝撃が検出されたか否かを判定する(ブロックB303)。車両1に対する衝撃が検出されている場合(ブロックB303のYES)、モード切替部501は、車両監視装置10を警告モード33に設定する(ブロックB305)。
車両1に対する衝撃が検出されていない場合(ブロックB303のNO)、モード切替部501は、車両1の移動が検出されたか否かを判定する(ブロックB304)。車両1の移動が検出されている場合(ブロックB304のYES)、モード切替部501は、車両監視装置10を警告モード33に設定する(ブロックB305)。
車両1の移動が検出されていない場合(ブロックB304のNO)、モード切替部501は、メインバッテリー25からの電力供給が断たれているか否かを判定する(ブロックB306)。メインバッテリー25からの電力供給が断たれている場合(ブロックB306のYES)、発光制御部511はLED21A,21B,21Cの点滅を停止し(ブロックB308)、モード切替部501は車両監視装置10を追跡モード34に設定する(ブロックB309)。メインバッテリー25からの電力供給が断たれた場合、車両監視装置10には内蔵バッテリー108から電力が供給される。
メインバッテリー25からの電力供給が断たれていない場合(ブロックB306のNO)、モード切替部501は、車両監視装置10の配線が切断されているか否かを判定する(ブロックB307)。車両監視装置10の配線が切断されている場合(ブロックB307のYES)、発光制御部511はLED21A,21B,21Cの点滅を停止し(ブロックB308)、モード切替部501は車両監視装置10を追跡モード34に設定する(ブロックB309)。
車両監視装置10の配線が切断されていない場合(ブロックB307のNO)、モード切替部501は、リモートコントローラ26を用いたオフ操作が検出されているか否かを判定する(ブロックB310)。リモートコントローラ26を用いたオフ操作が検出されている場合(ブロックB310のYES)、ユーザーが監視のオフを指示しているので、発光制御部511はLED21A,21B,21Cの点滅を停止し(ブロックB313)、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オフモード31に設定する(ブロックB314)。
リモートコントローラ26を用いたオフ操作が検出されていない場合(ブロックB310のNO)、モード切替部501は、キーポジションがオンに移動されたか否かを判定する(ブロックB311)。キーポジションがオンに移動されている場合(ブロックB310のYES)、ユーザーが車両1に乗車していると推定されるので、発光制御部511はLED21A,21B,21Cの点滅を停止し(ブロックB313)、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オフモード31に設定する(ブロックB314)。
キーポジションがオンに移動されていない場合(ブロックB311のNO)、モード切替部501は、電子キー24Aとの距離が第6しきい値未満であるか否かを判定する(ブロックB312)。電子キー24Aとの距離が第6しきい値未満である場合(ブロックB312のYES)、ユーザーが車両1の近くにいると推定されるので、発光制御部511はLED21A,21B,21Cの点滅を停止し(ブロックB313)、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オフモード31に設定する(ブロックB314)。
電子キー24Aとの距離が第6しきい値以上である場合(ブロックB312のNO)、通知制御部512は、メインバッテリー25の残量が第5しきい値未満であるか否かを判定する(ブロックB315)。メインバッテリー25の残量が第5しきい値未満である場合(ブロックB315のYES)、車両監視装置10の動作が維持できるように、メインバッテリー25の残量が少ないことをユーザーの携帯端末3に通知する(ブロックB316)。
メインバッテリー25の残量が第5しきい値以上である場合(ブロックB315のNO)、ブロックB302に戻り、盗難監視オンモード32の処理が続行される。
次いで、図8は、車両監視装置10が警告モード33に設定されている場合の処理の手順の例を示す。この処理では、警告モード33に設定された車両監視装置10は、盗難監視オフモード31と盗難監視オンモード32と追跡モード34のいずれかに切り替えられる。
まず、通知制御部512は、車両1の異常をサーバー2や携帯端末3に通知する(ブロックB401)。発光制御部511は、第2周期でLED21A,21B,21Cを点滅させる(ブロックB402)。この第2周期は、盗難監視オンモード32でLED21A,21B,21Cが点滅する第1周期よりも短い。つまり、警告モード33では、盗難監視オンモード32よりも高い頻度でLED21A,21B,21Cが点滅する。また、音声制御部510は、第1期間、スピーカー22Aから音声を出力する(ブロックB403)。このような発光と音声出力により、警告モード33では、盗難監視オンモード32よりも強い警告を発することができる。
次いで、モード切替部501は、車両1の移動が検出されたか否かを判定する(ブロックB404)。モード切替部501は、例えば、位置情報受信部504で受信された位置に基づいて、車両1の移動量を算出し、算出された移動量が第4しきい値(例えば、5メートル)以上である場合に、車両1の移動が検出されたと判定する。車両1の移動が検出されている場合(ブロックB404のYES)、音声制御部510はスピーカー22Aからの音声出力を停止し(ブロックB405)、発光制御部511はLED21A,21B,21Cの点滅を停止し(ブロックB406)、モード切替部501は車両監視装置10を追跡モード34に設定する(ブロックB407)。これにより、追跡モード34ではLED21A,21B,21Cの点滅とスピーカー22Aからの音声出力のための電力が消費されないので、メインバッテリー25又は内蔵バッテリー108から供給される電力を有効に利用して、長時間の追跡が可能になる。
車両1の移動が検出されていない場合(ブロックB404のNO)、モード切替部501は、警告モード33からのタイムアウトであるか否かを判定する(ブロックB408)。モード切替部501は、所定時間以上、車両1の移動が検出されていない場合(例えば、移動量がしきい値未満である場合)にタイムアウトと判定する。警告モード33からのタイムアウトである場合(ブロックB408のYES)、音声制御部510はスピーカー22Aからの音声出力を停止し(ブロックB410)、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オンモード32に設定する(ブロックB411)。
警告モード33からのタイムアウトでない場合(ブロックB408のNO)、モード切替部501は、リモートコントローラ26を用いたモード切替操作が検出されているか否かを判定する(ブロックB409)。モード切替部501は、例えば、リモコン情報受信部503によって、リモートコントローラ26を用いたモード切替操作を示す情報が受信された場合に、リモートコントローラ26を用いたモード切替操作が検出されたと判定する。リモートコントローラ26を用いたモード切替操作が検出されている場合(ブロックB409のYES)、音声制御部510はスピーカー22Aからの音声出力を停止し(ブロックB410)、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オンモード32に設定する(ブロックB411)。
リモートコントローラ26を用いたモード切替操作が検出されていない場合(ブロックB409のNO)、モード切替部501は、リモートコントローラ26を用いたオフ操作が検出されているか否かを判定する(ブロックB412)。モード切替部501は、例えば、リモコン情報受信部503によって、リモートコントローラ26を用いたオフ操作を示す情報が受信された場合に、リモートコントローラ26を用いたオフ操作が検出されたと判定する。リモートコントローラ26を用いたオフ操作が検出されている場合(ブロックB412のYES)、音声制御部510はスピーカー22Aからの音声出力を停止し(ブロックB414)、発光制御部511はLED21A,21B,21Cの点滅を停止し(ブロックB415)、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オフモード31に設定する(ブロックB416)。
リモートコントローラ26を用いたオフ操作が検出されていない場合(ブロックB412のNO)、モード切替部501は、イグニッション24がオンであるか否かを判定する(ブロックB413)。モード切替部501は、例えば、イグニッション情報受信部502によって、イグニッション24がオンであることを示す情報が受信された場合に、イグニッション24がオンであると判定する。イグニッション24がオンである場合(ブロックB413のYES)、音声制御部510はスピーカー22Aからの音声出力を停止し(ブロックB414)、発光制御部511はLED21A,21B,21Cの点滅を停止し(ブロックB415)、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オフモード31に設定する(ブロックB416)。
イグニッション24がオンでない場合(ブロックB413のNO)、ブロックB403に戻り、警告モード33の処理が続行される。
図9は、車両監視装置10が追跡モード34に設定されている場合の処理の手順の例を示す。
まず、通知制御部512は、車両1の現在位置をサーバー2や携帯端末3に通知する(ブロックB51)。通知制御部512は、位置情報受信部504で受信された位置を、車両1の現在の位置として通知する。
そして、モード切替部501は、リモートコントローラ26を用いたオフ操作が検出されているか否かを判定する(ブロックB52)。リモートコントローラ26を用いたオフ操作が検出されている場合(ブロックB52のYES)、モード切替部501は、車両監視装置10を盗難監視オフモード31に設定する(ブロックB55)。
リモートコントローラ26を用いたオフ操作が検出されていない場合(ブロックB52のNO)、モード切替部501は、イグニッション24がオンであるか否かを判定する(ブロックB53)。イグニッション24がオンである場合(ブロックB53のYES)、モード切替部501は、車両監視装置10を盗難監視オフモード31に設定する(ブロックB55)。
イグニッション24がオンでない場合(ブロックB53のNO)、モード切替部501は、リセットボタン118が押し下げられたか否かを判定する(ブロックB54)。モード切替部501は、例えば、ボタン情報受信部509によって、リセットボタン118が押し下げられたことを示す情報が受信されている場合に、リセットボタン118が押し下げられたと判定する。リセットボタン118が押し下げられている場合(ブロックB54のYES)、モード切替部501は、車両監視装置10を盗難監視オフモード31に設定する(ブロックB55)。
リセットボタン118が押し下げられていない場合(ブロックB54のNO)、ブロックB51に戻り、追跡モード34の処理が続行される。
なお、図5から図9の各フローチャートで示したモード切替のための判定の順序は一例であって、判定の順序を適宜変更することができ、例えば、盗難監視オンモード32から警告モード33や追跡モード34への切替では、緊急性の高い条件(例えば、メインバッテリー25からの電力供給が断たれたか否か)が優先して判定されるようにすることもできる。
次いで、図10を参照して、車両監視装置10に設定されるモードが遷移する別の例を説明する。この例では、車両監視装置10は、図3の例で示した盗難監視オフモード31、盗難監視オンモード32、警告モード33、及び追跡モード34に加えて、さらに警報モード35にも遷移し得る。
警報モード35は、警告モード33と同様に、音声出力や発光による警報が発せられるモードであるが、この例では、警告モード33よりも危険度が高い場合に遷移するモードとして規定されている。車両監視装置10は、例えば、人や動物の単なる接触や近傍での他の車両の動きのような危険度が低い異常が推測される場合にも警告モード33に遷移し、盗難のための動作のような危険度が高い異常がさらに推測される場合に警報モード35に遷移する。警報モード35では、警告モード33の場合よりも長い時間、スピーカー22Aから音声が出力され、警告モード33の場合よりも高い頻度でLED21A,21B,21Cが点滅する。このような警告モード33と警報モード35とを設けることにより、危険度に応じたパターンの音声出力や発光を行うことができる。そのため、例えば、危険度が低い場合には、短い音声出力や低い頻度の発光により消費電力を抑制することができる一方、危険度が高い場合には、長い音声出力や高い頻度の発光により緊急性を効果的に伝達することができ、電力を危険度に応じて適切に利用することができる。なお、車両監視装置10には、危険度に応じたさらに多くの段階のモードを設けることもできる。
図10に示す盗難監視オフモード31と盗難監視オンモード32との間の遷移T201〜T206については、図3を参照して上述した遷移T101〜T106と同様である。
盗難監視オンモード32と警告モード33との間の遷移については以下の通りである。盗難監視オンモード32に設定された車両監視装置10は、危険度が低い異常に応じて警告モード33に遷移する。より具体的には、盗難監視オンモード32に設定された車両監視装置10は、車両1の単発の傾きが検知されたこと(例えば、加速度センサ109によって第1しきい値以上の傾きを示す値が一度検出されたこと)に応じて、警告モード33に設定される(T207)。盗難監視オンモード32に設定された車両監視装置10は、車両1に対する単発の衝撃が検知されたこと(例えば、加速度センサ109によって第2しきい値以上の衝撃を示す値が一度検出されたこと)に応じて、警告モード33に設定される(T208)。警告モード33から盗難監視オンモード32への遷移T209及びT210は、図3に示した遷移T112及びT113とそれぞれ同様である。
また、警告モード33から盗難監視オフモード31への遷移T211は、図3に示した遷移T114と同様である。
次いで、盗難監視オンモード32と警報モード35との間の遷移について説明する。盗難監視オンモード32に設定された車両監視装置10は、危険度が高い異常に応じて警報モード35に遷移する。盗難監視オンモード32に設定された車両監視装置10は、車両1の移動(例えば、第3しきい値以上の移動)が検知されたことに応じて、警報モード35に設定される(T214)。盗難監視オンモード32に設定された車両監視装置10は、メインバッテリー25が使用できなくなったこと(例えば、バッテリー25の破壊、断線、取り外し、等による使用不能)に応じて、警報モード35に設定される(T215)。盗難監視オンモード32に設定された車両監視装置10は、車両監視装置10に接続される各種のコンポーネントとの配線が切断されたことに応じて、警報モード35に設定される(T216)。警報モード35に設定された車両監視装置10は、車両1の移動が検知されない期間が所定期間(例えば、30秒間)以上継続したこと(タイムアウト)に応じて、盗難監視オンモード32に設定される(T217)。また、警報モード35に設定された車両監視装置10は、リモートコントローラ26を用いたモード切替操作に応じて、盗難監視オンモード32に設定される(T218)。
次いで、警告モード33から警報モード35への遷移について説明する。警告モード33に設定された車両監視装置10は、危険度が低い異常であっても、その異常が継続する場合、警報モード35に遷移する。より具体的には、盗難監視オンモード32に設定された車両監視装置10は、継続した車両1の傾きが検知されたこと(例えば、加速度センサ109によって第1しきい値以上の傾きを示す値が所定回数以上継続して検出されたこと)に応じて、警報モード35に設定される(T212)。盗難監視オンモード32に設定された車両監視装置10は、継続した車両1に対する衝撃が検知されたこと(例えば、加速度センサ109によって第2しきい値以上の衝撃を示す値が所定回数以上継続して検出されたこと)に応じて、警報モード35に設定される(T213)。
警報モード35に設定された車両監視装置10は、リモートコントローラ26を用いたオフ操作又はイグニッション24のオンに応じて、盗難監視オフモード31に設定される(T219)。
また、警報モード35に設定された車両監視装置10は、車両1の移動(例えば、第4しきい値以上の移動)に応じて、追跡モード34に設定される(T220)。なお、追跡モード34に設定された車両監視装置10は、リモートコントローラ26を用いたオフ操作、イグニッション24のオン、又はリセットボタン118が押し下げられたことに応じて、盗難監視オフモード31に設定される(T221)。
さらに、警報モード35に設定された車両監視装置10は、メインバッテリー25が使用できなくなったこと、又は車両監視装置10に接続される各種のコンポーネントとの配線が切断されたことに応じて、追跡モード34に設定されてもよい(T222,T223)。
図11から図14のフローチャートを参照して、図10の遷移に対応する、車両監視装置10によって実行されるモード切替処理の手順の例を説明する。なお、盗難監視オフモード31に設定された車両監視装置10によって実行される処理の手順は、図5のフローチャートを参照して上述した通りである。また、追跡モード34に設定された車両監視装置10によって実行される処理の手順は、図9のフローチャートを参照して上述した通りである。
図11は、車両監視装置10が盗難監視オンモード32に設定されている場合の処理の手順の例を示す。この処理では、盗難監視オンモード32に設定された車両監視装置10は、警告モード33と警報モード35と盗難監視オフモード31のいずれかに切り替えられる。
まず、発光制御部511は、第1周期でLED21A,21B,21Cを点滅させる(ブロックB601)。
次いで、モード切替部501は、車両1の傾きが検出されたか否かを判定する(ブロックB602)。車両1の傾きが検出されている場合(ブロックB602のYES)、モード切替部501は、車両監視装置10を警告モード33に設定する(ブロックB604)。車両1の傾きが検出されていない場合(ブロックB602のNO)、モード切替部501は、車両1に対する衝撃が検出されたか否かを判定する(ブロックB603)。車両1に対する衝撃が検出されている場合(ブロックB603のYES)、モード切替部501は、車両監視装置10を警告モード33に設定する(ブロックB604)。
車両1に対する衝撃が検出されていない場合(ブロックB603のNO)、モード切替部501は、車両1の移動が検出されたか否かを判定する(ブロックB605)。車両1の移動が検出されている場合(ブロックB605のYES)、モード切替部501は、車両監視装置10を警報モード35に設定する(ブロックB608)。
車両1の移動が検出されていない場合(ブロックB605のNO)、モード切替部501は、メインバッテリー25からの電力供給が断たれているか否かを判定する(ブロックB606)。メインバッテリー25からの電力供給が断たれている場合(ブロックB606のYES)、モード切替部501は、車両監視装置10を警報モード35に設定する(ブロックB608)。メインバッテリー25からの電力供給が断たれている場合、車両監視装置10には内蔵バッテリー108から電力が供給される。
メインバッテリー25からの電力供給が断たれていない場合(ブロックB606のNO)、モード切替部501は、車両監視装置10の配線が切断されているか否かを判定する(ブロックB607)。車両監視装置10の配線が切断されている場合(ブロックB607のYES)、モード切替部501は、車両監視装置10を警報モード35に設定する(ブロックB608)。
車両監視装置10の配線が切断されていない場合(ブロックB607のNO)、モード切替部501は、リモートコントローラ26を用いたオフ操作が検出されているか否かを判定する(ブロックB609)。リモートコントローラ26を用いたオフ操作が検出されている場合(ブロックB609のYES)、ユーザーが監視のオフを指示しているので、発光制御部511はLED21A,21B,21Cの点滅を停止し(ブロックB612)、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オフモード31に設定する(ブロックB613)。
リモートコントローラ26を用いたオフ操作が検出されていない場合(ブロックB609のNO)、モード切替部501は、キーポジションがオンに移動されたか否かを判定する(ブロックB610)。キーポジションがオンに移動されている場合(ブロックB610のYES)、ユーザーが車両1に乗車していると推定されるので、発光制御部511はLED21A,21B,21Cの点滅を停止し(ブロックB612)、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オフモード31に設定する(ブロックB613)。
キーポジションがオンに移動されていない場合(ブロックB610のNO)、モード切替部501は、電子キー24Aとの距離が第6しきい値未満であるか否かを判定する(ブロックB611)。電子キー24Aとの距離が第6しきい値未満である場合(ブロックB611のYES)、ユーザーが車両1の近くにいると推定されるので、発光制御部511はLED21A,21B,21Cの点滅を停止し(ブロックB612)、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オフモード31に設定する(ブロックB613)。
電子キー24Aとの距離が第6しきい値以上である場合(ブロックB611のNO)、通知制御部512は、メインバッテリー25の残量が第5しきい値未満であるか否かを判定する(ブロックB614)。メインバッテリー25の残量が第5しきい値未満である場合(ブロックB614のYES)、通知制御部512は、車両監視装置10の動作が維持できるように、メインバッテリー25の残量が少ないことをユーザーの携帯端末3に通知する(ブロックB615)。
メインバッテリー25の残量が第5しきい値以上である場合(ブロックB614のNO)、ブロックB602に戻り、盗難監視オンモード32の処理が続行される。
図12は、車両監視装置10が盗難監視オンモード32に設定されている場合の処理の手順の別の例を示す。この処理では、盗難監視オンモード32に設定された車両監視装置10は、警告モード33と警報モード35と盗難監視オフモード31と追跡モード34のいずれかに切り替えられる。
まず、発光制御部511は、第1周期でLED21A,21B,21Cを点滅させる(ブロックB701)。
次いで、モード切替部501は、車両1の傾きが検出されたか否かを判定する(ブロックB702)。車両1の傾きが検出されている場合(ブロックB702のYES)、モード切替部501は、車両監視装置10を警告モード33に設定する(ブロックB704)。車両1の傾きが検出されていない場合(ブロックB702のNO)、モード切替部501は、車両1に対する衝撃が検出されたか否かを判定する(ブロックB703)。車両1に対する衝撃が検出されている場合(ブロックB703のYES)、モード切替部501は、車両監視装置10を警告モード33に設定する(ブロックB704)。
車両1に対する衝撃が検出されていない場合(ブロックB703のNO)、モード切替部501は、車両1の移動が検出されたか否かを判定する(ブロックB705)。車両1の移動が検出されている場合(ブロックB705のYES)、モード切替部501は、車両監視装置10を警報モード35に設定する(ブロックB706)。
車両1の移動が検出されていない場合(ブロックB705のNO)、モード切替部501は、メインバッテリー25からの電力供給が断たれているか否かを判定する(ブロックB707)。メインバッテリー25からの電力供給が断たれている場合(ブロックB707のYES)、発光制御部511はLED21A,21B,21Cの点滅を停止し(ブロックB709)、モード切替部501は車両監視装置10を追跡モード34に設定する(ブロックB710)。メインバッテリー25からの電力供給が断たれている場合、車両監視装置10には内蔵バッテリー108から電力が供給される。
メインバッテリー25からの電力供給が断たれていない場合(ブロックB707のNO)、モード切替部501は、車両監視装置10の配線が切断されているか否かを判定する(ブロックB708)。車両監視装置10の配線が切断されている場合(ブロックB708のYES)、発光制御部511はLED21A,21B,21Cの点滅を停止し(ブロックB709)、モード切替部501は車両監視装置10を追跡モード34に設定する(ブロックB710)。
車両監視装置10の配線が切断されていない場合(ブロックB708のNO)、モード切替部501は、リモートコントローラ26を用いたオフ操作が検出されているか否かを判定する(ブロックB711)。リモートコントローラ26を用いたオフ操作が検出されている場合(ブロックB711のYES)、ユーザーが監視のオフを指示しているので、発光制御部511はLED21A,21B,21Cの点滅を停止し(ブロックB714)、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オフモード31に設定する(ブロックB715)。
リモートコントローラ26を用いたオフ操作が検出されていない場合(ブロックB711のNO)、モード切替部501は、キーポジションがオンに移動されたか否かを判定する(ブロックB712)。キーポジションがオンに移動されている場合(ブロックB712のYES)、ユーザーが車両1に乗車していると推定されるので、発光制御部511はLED21A,21B,21Cの点滅を停止し(ブロックB714)、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オフモード31に設定する(ブロックB715)。
キーポジションがオンに移動されていない場合(ブロックB712のNO)、モード切替部501は、電子キー24Aとの距離が第6しきい値未満であるか否かを判定する(ブロックB713)。電子キー24Aとの距離が第6しきい値未満である場合(ブロックB713のYES)、ユーザーが車両1の近くにいると推定されるので、発光制御部511はLED21A,21B,21Cの点滅を停止し(ブロックB714)、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オフモード31に設定する(ブロックB715)。
電子キー24Aとの距離が第6しきい値以上である場合(ブロックB713のNO)、通知制御部512は、メインバッテリー25の残量が第5しきい値未満であるか否かを判定する(ブロックB716)。メインバッテリー25の残量がしきい値未満である場合(ブロックB716のYES)、車両監視装置10の動作が維持できるように、メインバッテリー25の残量が少ないことをユーザーの携帯端末3に通知する(ブロックB717)。
メインバッテリー25の残量が第5しきい値以上である場合(ブロックB716のNO)、ブロックB702に戻り、盗難監視オンモード32の処理が続行される。
図13は、車両監視装置10が警告モード33に設定されている場合の処理の手順の例を示す。この処理では、警告モード33に設定された車両監視装置10は、盗難監視オフモード31と盗難監視オンモード32と警報モード35のいずれかに切り替えられる。
まず、通知制御部512は、車両1の異常をサーバー2や携帯端末3に通知する(ブロックB801)。発光制御部511は、第2周期でLED21A,21B,21Cを点滅させる(ブロックB802)。この第2周期は、盗難監視オンモード32でLED21A,21B,21Cが点滅する第1周期よりも短い。つまり、警告モード33では、盗難監視オンモード32よりも高い頻度でLED21A,21B,21Cが点滅する。また、音声制御部510は、第1期間、スピーカー22Aから音声を出力する(ブロックB803)。
次いで、モード切替部501は、継続した車両1の傾きが検出されたか否かを判定する(ブロックB804)。モード切替部501は、例えば、傾き情報受信部505で受信された傾きを示す値を用いて、第1しきい値以上の傾きが所定期間(例えば、3秒)以上継続した場合に、継続した車両1の傾きが検出されたと判定する。継続した車両1の傾きが検出されている場合(ブロックB804のYES)、モード切替部501は車両監視装置10を警報モード35に設定する(ブロックB806)。
継続した車両1の傾きが検出されていない場合(ブロックB804のNO)、モード切替部501は、継続した車両1に対する衝撃が検出されたか否かを判定する(ブロックB805)。モード切替部501は、例えば、衝撃情報受信部506で受信された衝撃を示す値を用いて、第2しきい値以上の衝撃が所定期間(例えば、3秒)以上継続した場合に、継続した車両1に対する衝撃が検出されたと判定する。継続した車両1に対する衝撃が検出されている場合(ブロックB805のYES)、モード切替部501は車両監視装置10を警報モード35に設定する(ブロックB806)。
継続した車両1に対する衝撃が検出されていない場合(ブロックB805のNO)、モード切替部501は、リモートコントローラ26を用いたモード切替操作が検出されたか否かを判定する(ブロックB807)。モード切替部501は、例えば、リモコン情報受信部503によって、リモートコントローラ26を用いたモード切替操作が受信された場合に、リモートコントローラ26を用いたモード切替操作が検出されたと判定する。リモートコントローラ26を用いたモード切替操作が検出されている場合(ブロックB807のYES)、音声制御部510はスピーカー22Aからの音声出力を停止し(ブロックB809)、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オンモード32に設定する(ブロックB810)。
リモートコントローラ26を用いたモード切替操作が検出されていない場合(ブロックB807のNO)、モード切替部501は、警告モード33からのタイムアウトであるか否かを判定する(ブロックB808)。モード切替部501は、所定時間以上、車両1の移動が検出されていない場合にタイムアウトと判定する。警告モード33からのタイムアウトである場合(ブロックB808のYES)、音声制御部510はスピーカー22Aからの音声出力を停止し(ブロックB809)、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オンモード32に設定する(ブロックB810)。
警告モード33からのタイムアウトでない場合(ブロックB808のNO)、モード切替部501は、リモートコントローラ26を用いたオフ操作が検出されているか否かを判定する(ブロックB811)。モード切替部501は、例えば、リモコン情報受信部503によって、リモートコントローラ26を用いたオフ操作を示す情報が受信された場合に、リモートコントローラ26を用いたオフ操作が検出されたと判定する。リモートコントローラ26を用いたオフ操作が検出されている場合(ブロックB811のYES)、音声制御部510はスピーカー22Aからの音声出力を停止し(ブロックB813)、発光制御部511はLED21A,21B,21Cの点滅を停止し(ブロックB814)、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オフモード31に設定する(ブロックB815)。
リモートコントローラ26を用いたオフ操作が検出されていない場合(ブロックB811のNO)、モード切替部501は、イグニッション24がオンであるか否かを判定する(ブロックB812)。モード切替部501は、例えば、イグニッション情報受信部502によって、イグニッション24がオンであることを示す情報が受信された場合に、イグニッション24がオンであると判定する。イグニッション24がオンである場合(ブロックB812のYES)、音声制御部510はスピーカー22Aからの音声出力を停止し(ブロックB813)、発光制御部511はLED21A,21B,21Cの点滅を停止し(ブロックB814)、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オフモード31に設定する(ブロックB815)。
イグニッション24がオンでない場合(ブロックB812のNO)、ブロックB803に戻り、警告モード33の処理が続行される。
図14は、車両監視装置10が警報モード35に設定されている場合の処理の手順の例を示す。この処理では、警報モード35に設定された車両監視装置10は、盗難監視オフモード31と盗難監視オンモード32と追跡モード34のいずれかに切り替えられる。
まず、通知制御部512は、車両1の異常をサーバー2や携帯端末3に通知する(ブロックB901)。発光制御部511は、第3周期でLED21A,21B,21Cを点滅させる(ブロックB902)。この第3周期は、警告モード33でLED21A,21B,21Cが点滅する第2周期よりも短い。つまり、警報モード35では、警告モード33よりも高い頻度でLED21A,21B,21Cが点滅する。また、音声制御部510は、第2期間、スピーカー22Aから音声を出力する(ブロックB903)。この第2期間は、警告モード33で音声が出力される第1期間よりも長い。つまり、警報モード35では、警告モード33よりも長い期間、音声が出力される。なお、警報モード35で出力される音声の音圧(音量)を、警告モード33で出力される音声の音圧(音量)よりも大きくしてもよい。このようなLED21A,21B,21Cの点滅と音声出力により、警報モード35では警告モード33よりも強い警告(警報)を発することができる。
次いで、モード切替部501は、車両1の移動が検出されたか否かを判定する(ブロックB904)。モード切替部501は、例えば、位置情報受信部504で受信された位置に基づいて車両1の移動量を算出し、第4しきい値(例えば、5メートル)以上の移動が検出されている場合に、車両1の移動が検出されたと判定する。車両1の移動が検出されている場合(ブロックB904のYES)、音声制御部510はスピーカー22Aからの音声出力を停止し(ブロックB905)、発光制御部511はLED21A,21B,21Cの点滅を停止し(ブロックB906)、モード切替部501は車両監視装置10を追跡モード34に設定する(ブロックB907)。
車両1の移動が検出されていない場合(ブロックB904のNO)、モード切替部501は、警報モード35からのタイムアウトであるか否かを判定する(ブロックB908)。モード切替部501は、所定時間以上、車両1の移動が検出されていない場合にタイムアウトと判定する。警報モード35からのタイムアウトである場合(ブロックB908のYES)、音声制御部510はスピーカーからの音声出力を停止し(ブロックB910)、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オンモード32に設定する(ブロックB911)。
警報モード35からのタイムアウトでない場合(ブロックB908のNO)、モード切替部501は、リモートコントローラ26を用いたモード切替操作が検出されたか否かを判定する(ブロックB909)。リモートコントローラ26を用いたモード切替操作が検出されている場合(ブロックB909のYES)、音声制御部510はスピーカーからの音声出力を停止し(ブロックB910)、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オンモード32に設定する(ブロックB911)。
リモートコントローラ26を用いたモード切替操作が検出されていない場合(ブロックB909のNO)、モード切替部501は、リモートコントローラ26を用いたオフ操作が検出されているか否かを判定する(ブロックB912)。リモートコントローラ26を用いたオフ操作が検出されている場合(ブロックB912のYES)、音声制御部510はスピーカー22Aからの音声出力を停止し(ブロックB914)、発光制御部511はLED21A,21B,21Cの点滅を停止し(ブロックB915)、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オフモード31に設定する(ブロックB916)。
リモートコントローラ26を用いたオフ操作が検出されていない場合(ブロックB912のNO)、モード切替部501は、イグニッション24がオンであるか否かを判定する(ブロックB913)。イグニッション24がオンである場合(ブロックB913のYES)、音声制御部510はスピーカー22Aからの音声出力を停止し(ブロックB914)、発光制御部511はLED21A,21B,21Cの点滅を停止し(ブロックB915)、モード切替部501は車両監視装置10を盗難監視オフモード31に設定する(ブロックB916)。
イグニッション24がオンでない場合(ブロックB913のNO)、ブロックB903に戻り、警報モード35の処理が続行される。
以上説明したように、本実施形態によれば、バッテリーから供給される電力を効果的に利用して、盗難前と盗難後で車両を継続して監視することができる。モード切替部501は、車両監視装置10が盗難監視オンモード32に設定されている間に車両の第1の異常が検出されたことに応じて、車両監視装置10を警告モード33に設定し、車両監視装置10が警告モード33に設定されている間に車両1の第2の異常が検出されたことに応じて、車両監視装置10を追跡モード34に設定する。音声制御部510及び発光制御部511は、車両監視装置10が警告モード33に設定されている間、警告を発し、車両監視装置10が追跡モード34に設定される場合にその警告を停止する。通知制御部512は、車両監視装置10が追跡モード34に設定されている間、車両1の現在位置をサーバー2や携帯端末3に送信する。
このように、警告モード33では大きな電力を消費する可能性がある警告を発し、追跡モード34ではその警告を停止して、消費電力が小さい車両1の位置の送信を行うことにより、メインバッテリー25又は内蔵バッテリー108から供給される電力を効果的に利用して、盗難前と盗難後で車両1を継続して監視することができる。
なお、図5から図9及び図11から図14のフローチャートで説明した本実施形態の処理手順は全てソフトウェアによって実行することができる。このため、この処理手順を実行するプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を通じてこのプログラムを通常のコンピュータにインストールして実行するだけで、本実施形態と同様の効果を容易に実現することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。