JP2017046366A - 電力用半導体素子制御装置 - Google Patents

電力用半導体素子制御装置 Download PDF

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Tatsuzo Ishihara
達三 石原
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Abstract

【課題】損失演算の温度推定を常に安定して高い再現性で実施すること。【解決手段】CPU(22)は、交流電力が供給されるIGBTの推定温度を算出する低周波用損失演算処理(S102)と、IGBTの平均の推定温度を算出する高周波用損失演算処理(S106)と、IGBTに供給する交流電力の周波数が所定の状態に変化するタイミングで低周波用損失演算処理から高周波用損失演算処理に切替えて推定温度を算出させる切替処理(S103,S104)と、切替えに際し、低周波用損失演算処理で切替え直前に算出した推定温度の最大値と、高周波用損失演算処理で切替え直後に算出した平均の推定温度とから温度差値を取得し(S105)、切替え後に高周波用損失演算処理が算出する平均の推定温度と温度差値とを用いてその時点の最大の推定温度を加算する加算処理(S107)とを実行する。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、例えば電動車両などに好適な電力用半導体素子制御装置に関する。
従来、複数の電力用半導体素子を並列接続して使用する場合において、特定の半導体素子に偏った発熱が生じ難く、電流のアンバランスに起因する電力損失が増大するのを抑制することを目的として、各半導体素子への駆動信号を異ならせてオンオフするタイミングを制御するようにした技術が提案されている。(例えば、特許文献1)
特開2009−017727号公報
前記特許文献に記載された技術を含めて、電力用半導体素子での電力損失を可能な限り低減させるためには、電力用半導体素子での発熱量(温度)を正確に検出することが必要となる。
しかるに電動車両に実装される電力用半導体素子は、温度センサを局所的にしか配置しておらず、例えば半導体素子の複数のモジュールの個々には配置していない。そのため、温度状況を正確に把握するためには、制御系によって熱モデルを用いた温度推定ロジックを実装する必要がある。
その場合、温度推定は電力用半導体素子であるIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)またはダイオードでの熱による電力損失を計算し、その算出値を元に温度上昇を計算することになる。
前記電力損失Wは、次式で表される。これらの式(1),(2)を低周波用損失演算と呼称する。
W_IGBT=I×Vce×Duty+fcarrier×(Eon+Eoff) (IGBTの場合) …(1)
W_DIODE=I×Vf×Duty+fcarrier×Edsw (ダイオードの場合) …(2)
(但し、I:出力電流の平均値、
Vce:コレクタ・エミッタ間飽和電圧、
Vf:順電圧、
fcarrier:電流の周波数[Hz]、
Eon,Eoff:ターンオン,オフ損失、
Edsw:逆回復損失。)
前記式(1)及び式(2)ともに、右辺の第1項が定常損失、第2項がスイッチング損失である。しかし、車両に搭載する装置の演算能力に限界があり、電流がより高周波になるほど、前記式(1)または式(2)により損失の変化をとらえ続けることが困難となる。
そこで、電流が高周波でも適用できるように、振幅を有する温度の推定を停止し、代わって対象を切替えるものとして、以下の過程に基づいて前記の式を変形して使用しているのが現状である。
なお、以下の説明では、電力用半導体素子がIGBTである場合を例にとって説明するが、ダイオードである場合であっても基本的な考え方は同様である。
まず前提条件として、半導体素子に流れる電流は理想的な正弦波状の波形を有するものとし、1周期以上その状態を継続するものとする。
前記の前提条件の下に、電流波形1周期分の平均損失を算出する。ここでは説明を簡略化するために、定常損失のみを記す。
以下、算出した定常損失を高周波用損失と呼称するものとすると、同高周波用損失は、次式
W_IGBT_sat=1/2π∫πI×Vce×Dutydθ
=1/2π∫πIamp×sinθ×Vce×1/2(1+msin(θ+φ))dθ …(3)
(但し、I=Iamp×sinθ、
Vce:コレクタ・エミッタ間飽和電圧、
Vf:順電圧、
m:変調率、
φ:電流と電圧の位相差、(力率:cosφ)。)
で表すことができる。前記式(3)中のVceは電流値Iにより定まる数値である。
図7は、横軸を時間、縦軸を温度とした場合の、複数の電流周波数(20[Hz]、40[Hz]、80[Hz])での温度特性を示すもので、振幅を有する各特性値の略中央を直線状に横切るのが、高周波用の推定演算による推定温度(平均温度)である。
図示するように、電流は周波数が低いほど振幅が大きくなり、高周波用の損失演算では、低周波用の損失演算で顕著に見られる温度差の変化要素、すなわち振幅それ自体が小さくなる。
図8は、電流の周波数が徐々に上昇していく場合に取得される、推定温度の変化を例示するものである。同図に示すように800[msec]近傍のタイミングt1において、低周波用演算から高周波用演算に切替えることで、振幅を有する温度ではなく平均温度を推定するように制御を移行している。ここで、図中に破線で示す振幅温度上の最大値Ttpに対し、タイミングt1以降は振幅のない平均温度を推定する状態に移行するために、それらの温度差ΔTを生じる。
例えば電気自動車の駆動輪が縁石に乗り上げかけていて、モータの回転に当初は負荷がかかっているような場合、高温下のストール状態からゆっくりとモータが回転を始め、高周波用損失演算に切り替わると、切り替わり前の推定温度の最大値に比して高周波用素質演算で用いる平均温度が著しく低いものとなり、その差が埋められない期間が発生する虞がある。
このとき、インバータ回路のハードウェア構成で温度保護を行なう機能が組込まれている場合には、ソフトウェアでの処理よりも早く保護がかかり、モータの回転を不要に制限する事態が生じうる。
このような事態を回避するべく、前述したように周波数が高くなるにつれて温度の振幅は小さくなるため、温度の振幅が充分小さくなるまで、高周波用推定演算の領域でも低周波用と同様の推定演算を続行することが考えられる。
しかしながら、インバータ回路のソフトウェア制御上、モータ制御タスクのような高速タスクを温度推定でも実施することは不可能であり、現状では温度推定を1周期5[ミリ秒]〜10[ミリ秒]程度で行なうことが限界となる。
例えば、電流周波数100[Hz](4極モータで1500[rpm]に相当)で前記低周波用と同等の損失演算を適用する場合、1周期のサンプル数を10点(素子に流れるのは半周期)とすると、1周期の時間は
1/100(周期時間)÷10(サンプル数)÷2=500[マイクロ秒]
となり、当該条件では低周波用と同等の損失演算が実現不可能であることが理解できる。
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、演算速度の制約を受けず、損失演算のための温度推定を安定して高い再現性をもって実施することが可能な電力用半導体素子制御装置を提供することにある。
本発明の一態様は、交流電力が供給される電力用半導体素子の推定温度を算出する第1の演算手段と、前記電力用半導体素子の平均の推定温度を算出する第2の演算手段と、前記電力用半導体素子に供給される交流電力の周波数が所定の状態に変化するタイミングで前記第1の演算手段から前記第2の演算手段に切替えて前記推定温度を算出させる切替制御手段と、前記切替制御手段での切替えに際し、前記第1の演算手段が切替え直前に算出した推定温度の最大値と、前記第2の演算手段が切替え直後に算出した平均の推定温度とから温度差値を取得する温度差取得手段と、前記切替制御手段による切替え後、前記第2の演算手段が算出する平均の推定温度と、前記温度差取得手段で取得した温度差値とを用いてその時点の最大の推定温度を算出する第3の演算手段と、を備える。
本発明によれば、演算速度の制約を受けず、損失演算のための温度推定を安定して高い再現性をもって実施することが可能となる。
一実施形態に係る車両制御装置の構成を示すブロック図。 同実施形態に係る損失電力演算に用いる温度推定処理の内容を示すフローチャート。 同実施形態に係る図2のステップS106のサブルーチンの処理内容を示すフローチャート。 同実施形態に係る熱回路網の構成モデルを示す図。 同実施形態に係る電流値と推定温度の変化のシミュレーションをプロットした図。 同実施形態に係る電流値と推定温度の変化のシミュレーションをプロットした図。 複数の電流周波数での温度特性を例示する図。 低周波用演算と高周波用演算による温度推定演算の切替状態を例示する図。
以下、電動車両の車両制御装置に適用した場合の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る車両制御装置の構成を示すブロック図である。車両制御装置は、バッテリ11、高圧バッテリ12、インバータ13、検査ECU14、車両ECU15、レゾルバ16、及びモータ17を備える。
バッテリ11は、2次電池で構成され、この電動車両全体の制御等の電源となる。このバッテリ11の発する直流電力がインバータ13内の電源回路21に供給される。電源回路21は、バッテリ11からの直流電力を所定の電圧に変換、安定化して、このインバータ13の動作制御を行なうCPU22の電源部22aに供給する。
また、電源回路21にはセンサ23が設けられ、このセンサ23がバッテリ11から電源回路21に供給される電圧と電流量を検出して、CPU22のA/D変換部(ADC)22bに送出する。
CPU22は、内部のフラッシュROM22jに記録されている動作プログラムや後述するテーブル(電流周波数と温度差ゲインのテーブル、高周波用損失電力のテーブル)等を含む各種固定データを読出して、制御動作を実行する。
前記検査ECU14は、当該車両を構成する多数のハードウェアを検査するためのコントロールユニットであり、CPU22のCAN部22dと接続される。
前記車両ECU15は、当該車両を統括して制御するコントロールユニットであり、CPU22のCAN部22eと接続される。前記CAN部22d及びCAN部22eは、いずれもISO11898及びISO11519に準拠したCAN(Controller Area Network)規格に則った耐ノイズ性を考慮した入出力インタフェースである。
前記レゾルバ16は、当該車両を駆動する前記モータ17の回転角を検出するセンサであり、レゾルバ16での検出結果はCPU22のシリアル入出力インタフェース22fに送出される。
モータ17は、例えばPMSM(永久磁石同期電動機)で構成され、当該車両の図示しない駆動軸と機械的に接続される。
前記高圧バッテリ12は、複数の2次バッテリを接続して当該車両の駆動用電力を供給するものであり、この高圧バッテリ12の発する直流電力が、インバータ13内のIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)回路25にて交流電力に変換されて、前記モータ17に供される。また、モータ17で回生時に生じる交流電力がこのIGBT回路25で直流電力に変換されて、前記高圧バッテリ12に充電される。
IGBT回路25は、前記CPU22内のスイッチング制御部22gによるオン/オフスイッチング動作により、高圧バッテリ12の電力によるモータ17の駆動と、モータ17での回生電力による高圧バッテリ12の充電とを切換える。
IGBT回路25は、インバータ13の主変換素子である、複数のモジュールから構成されたIGBT25aを備え、可変電圧可変周波数制御により前記モータ17を駆動する。IGBT25aの動作状態はセンサ25bにより検出され、前記CPU22の入出力インタフェース(IO)22hに送出される。
加えて、このIGBT回路25での電流、電圧、及び温度の各情報25cがセンサ25dにより検出され、CPU22のA/D変換部(ADC)22iに送出される。
次に前記実施形態の動作について説明する。
図2は、CPU22がモータ17に対して実行する一連の制御処理中、損失電力計算に伴う温度推定の処理内容を抽出して示すフローチャートである。この動作プログラムは、CPU22がフラッシュROM22jから読出してCPU22内部の図示しないワークメモリに展開した上で実行する。
処理当初にCPU22は、その時点でIGBT25aによりモータ17に流れる電流周波数fiが、低周波用演算から高周波用演算に切替えるために予め設定された切替え周波数fthより低いか否かを判断する(ステップS101)。
車両の発進直後など、まだその時点の電流周波数fiが前記切替え周波数fthより小さいと判断した場合(ステップS101のYes)、CPU22は低周波用演算による電流周波数の振幅を有する温度推定処理を実行する(ステップS102)。
その後にCPU22は、その時点の電流周波数fiが、前記切替え周波数fth以上となったか否かを判断し(ステップS103)、なっていなければ前記ステップS102に戻ることで、以後、前記ステップS102,S103を繰返し実行し、低周波用演算による温度推定処理を実行しながら、電流周波数fiが切替え周波数fthまで上昇するのを待機する。
そして、電流周波数fiが上昇し、前記切替え周波数fth以上となったと判断すると(ステップS103のYes)、次にCPU22は低周波用の損失演算により算出する損失Qoutが、高周波用の損失演算により算出する、平均電流値に応じた損失Qinと略等しくなるタイミングとなるのを待機する(ステップS104)。
図4は、熱回路網の構成モデルを示す。図示する如く電力用半導体素子PSCに直列RC回路を多段接続した構成を考えた場合、ターゲット温度Ttを高周波用の損失演算から算出する場合の損失をQinとする。ターゲット温度Tt周辺の節点方程式は、次式
Qout=(Tt−T1)/R1=Qin−C1・dTt/dt …(4)
で表される。したがって、dTt/dt=0のとき、Qin=Qoutとなる。
高周波用損失演算で算出されるQinは一定であるため、低周波用損失演算によって算出される、振幅を有するQoutがQinに等しくなるタイミングで高周波用損失演算に切替えることで、切替え直後の推定温度が不要に変動するのを抑え、低周波用損失演算から高周波用損失演算に円滑に移行できる。
前述したように前記ステップS104において「Qin=Qout」となるタイミングを待機し、当該タイミングとなった時点で、CPU22は前記高周波用の損失演算に移行するべく、まずその時点で直前の低周波用損失演算で用いていた振幅を有する推定温度の最大値と、「Qin=Qout」であると判断した時点での高周波用損失演算で算出する平均の推定温度との差ΔT_baseを取得する(ステップS105)。
このΔT_baseは、前記図8における低周波用損失演算から高周波用損失演算への切替えタイミングt1を、前述したように「Qin=Qout」となるタイミングとして実行した場合の、温度差ΔTに相当する。
実際の算出に際してCPU22は、一部後述の説明と相前後するが、切替え直前の低周波用損失演算時の最大温度T_maxを取得しておき、一方で切替え直後の高周波用演算による平均の推定温度T_aveを取得し、次式
ΔT_base=T_max−T_ave …(5)
により取得する。この温度差ΔT_baseは、以後の高周波用損失演算が一旦終了して低周波用損失演算に切り替わらない限り、同値を使用し続ける。
その後にCPU22は、高周波用損失演算による平均の温度推定を実行する(ステップS106)。そして、算出した推定温度を用い、前記ステップS105で取得した温度差ΔT_baseを用いた下記演算を実行して、その時点での振幅を有する推定温度の最大値を算出する(ステップS107)。
図3は、このステップS107のより詳細な処理内容を示すサブルーチンである。
その処理当初にCPU22は、現在の電流周波数に対応する電流周波数補正係数K_Hzを算出する(ステップS301)。
この補正係数K_Hzに関しては、温度推定に必要な前記図4で示したような熱回路網モデルから、切替時電流値時の温度差の周波数特性を下記の条件下で、予め算出し、テーブル化してフラッシュROM22jに記憶させておく。
すなわち、損失演算の切替え周波数、例えば10[Hz]の温度差を基準値「1」として、他の電流周波数時の温度差の割合を算出しておく。切替時電流値は、温度差推定値の精度を上げるためにも、最大電流値とすることが望ましい。
表1は、力率m=1、変調率cosφ=1、切替時電流値Iamp=300[A]、基準キャリア周波数fc=5[kHz]とした条件下での電流周波数と温度差ゲインのテーブル内容を例示する図である。
CPU22は前記表1中により、低周波用損失演算から高周波用損失演算に切替えた直後のゲインgain_baseと、現在の電流周波数に対応するゲインgain_nowとを取得して、次式
K_Hz=gain_now/gain_base …(6)
により電流周波数補正係数K_Hzを算出する。
なお上記表1において、参照しようとする電流周波数がテーブル中に記述されていない中間値である場合には、その中間値を挟んだ2値の直線補間により、一次式を用いて対応する温度差ゲインを取得することで、演算を簡略化できる。
次にCPU22は、現在の電流周波数に対応する平均損失補正係数K_wを算出する(ステップS302)。
本実施形態の前提条件として、高周波用損失演算は、各電流振幅値に対し、下記の式で展開できる損失値を予めテーブル化して前記フラッシュROM22jに記憶しておくものとする。すなわち、次式
W=Wsat_ave+mcosφ×Wsat_mp+fcarrier×Wsw …(7)
(但し、Wsat_ave:定常損失平均値中の力率及び変調率に依存しない項、
mcosφ:力率と変調率の積、
Wsat_mp:定常損失平均値中の力率及び変調率に依存する項、
fcarrier:電流のキャリア周波数[kHz]、
Wsw:キャリア周波数でのスイッチング損失。)
で表され、次の表2に示すようなテーブルの記憶内容となる。
CPU22は、フラッシュROM22jに記憶される前記表2で示したテーブルを用いて前記式(7)で算出し、その結果を切替え時点の損失値で次の除算
K_w=Wnow/Wbase …(8)
(但し、Wnow:現時点平均損失値(現時点のIamp,mcosφ,fcarrier用いて算出)、
Wbase:切替時平均損失値(切替時のIamp,mcosφ,fcarrier用いて算出)。)
を実行する。
この式(8)中の切替時損失値Wbaseも、前記温度差ΔT_baseと同様に、以後の高周波用損失演算が一旦終了して低周波用損失演算に切り替わらない限り、同値を使用し続ける。
CPU22は、前記ステップS105で取得、保持した温度差ΔT_baseと、前記直前のステップS301で算出した電流周波数補正係数K_Hz、及び平均損失補正係数K_wを用いて次式
ΔT_base×K_Hz×K_w …(9)
を実行し、その積を温度差推定値ΔTnowとする。
そしてCPU22は、直前の前記ステップS106で得た、高周波用損失演算での平均温度推定値T_aveに前記温度差推定値ΔTnowを加算することで、その時点での最大温度推定値T_ave+を算出し(ステップS304)、以上で図3のサブルーチンを終了すると共に、図2のメインルーチンで前記ステップS101からの処理に戻る。
以後、IGBT25aによりモータ17に流れる電流周波数fiが切替え周波数fth以上である間、ステップS101,S106,S107の処理を繰返し実行し、高周波用損失演算による平均の温度推定と、その平均の温度推定に基づく最大温度推定とを続行する。
図5は、前提条件として、電流周波数を徐々に上昇させた正弦波電流を入力した場合の、推定温度と電流値とをシミュレーションしてプロットした例を示す。
同図で、電流周波数fI[Hz]が切替え周波数fth(=10[Hz])となるタイミングt21を境に、それ以前の低い電流周波数では、低周波用損失演算による振幅を有する推定温度Temp_lowを得ている。
一方で前記タイミングt21以降では、高周波用損失演算に切替えることで平均の推定温度Tempm_aveを得るとともに、本来の振幅を有する推定温度Temp_norが得られないことに代えて、前記温度差推定値ΔTnowを平均の推定温度に加算した最大推定値Temp_low(Temp_est)を得ることができるため、低周波用損失演算を行なっていた状態と同様に、最大温度の推定に基づく各種運転制御が続行できる。
図6は、前提条件として、電流周波数を徐々に上昇させ(回転数rpm)、周期的(6000[ミリ秒]強)に振幅値を増減する正弦波電流Iを入力し、加えてキャリア周波数Fc0.1が三角波状に周期的(2000[ミリ秒])に一定の範囲内で周波数を増減するようにした場合の、推定温度の変化をシミュレーションしてプロットした例を示す。
同図で、切替え周波数fth(=10[Hz]=150[rpm])となるタイミングt22を境に、それ以前の低い電流周波数では、低周波用損失演算による振幅を有する推定温度Temp_ave_allを得ている。
一方で前記タイミングt22以降では、高周波用損失演算に切替えることで平均の推定温度Tempm_aveを得るとともに、本来の振幅を有する推定温度Temp_fullが得られないことに代えて、前記温度差推定値ΔTnowを平均の推定温度に加算した最大推定値Tempm_ave+を得ることができるため、低周波用損失演算を行なっていた状態と同様に、最大温度の推定に基づく各種運転制御が続行できる。
以上詳述した如く本発明によれば、演算速度の制約を受けず、損失演算のための温度推定を常に安定して高い再現性をもって実施することが可能となる。
また前記実施形態においては、低周波用損失演算から高周波用損失演算への切替え時に、両損失演算で算出する推定温度が略等しくなるタイミングで切替えを行なうものとしたので、切替え直後の推定温度が不要に変動するのを抑え、低周波用損失演算から高周波用損失演算に円滑に移行できる。
さらに前記実施形態においては、前記式(7)〜式(9)で説明した如く、高周波用損失演算で得る平均の推定温度と、前記切替え時の温度差値に加え、その時点の電流周波数に応じた補正係数と、その時点の力率、変調率、キャリア周波数、及び電流値に応じた補正係数を用いてその時点の最大の推定温度を算出するようにしたので、その時点での最大の推定温度をより高い再現性をもって取得可能となる。
なお前記実施形態は、電力用半導体素子としてIGBTを用いる場合について説明したが、本発明はこれに限らず、ダイオードを用いる場合にも同様に適用可能となる。
また前記各実施形態では、CPU22が損失電力の演算を実行し、得た結果を上位の前記車両ECU15に送信して、車両ECU15側で損失電力W_IGBTからIGBT25aにおける発熱状態を推定するものとして説明したが、これに限らず、CPU22側で損失電力からIGBT25aにおける発熱状態を推定した上で、その推定結果を車両ECU15に送出するものとしても良い。
本発明の実施形態を説明したが、前記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11…バッテリ、12…高圧バッテリ、13…インバータ、14…検査ECU、15…車両ECU、16…レゾルバ、17…モータ、21…電源回路、22…CPU、22a…電源部、22b…A/D変換部(ADC)、22c…シリアルインタフェース(SIO)、22d…CAN部、22e…CAN部、22f…シリアル入出力インタフェース(SIO)、22g…スイッチング制御部、22h…入出力インタフェース(IO)、22i…A/D変換部(ADC)、23…センサ、24…EEPROM(登録商標)、25…IGBT回路、25a…IGBT、25b…センサ、25c…電圧・電流・温度情報、25d…センサ、PSC…電力用半導体素子。

Claims (3)

  1. 交流電力が供給される電力用半導体素子の推定温度を算出する第1の演算手段と、
    前記電力用半導体素子の平均の推定温度を算出する第2の演算手段と、
    前記電力用半導体素子に供給される交流電力の周波数が所定の状態に変化するタイミングで前記第1の演算手段から前記第2の演算手段に切替えて前記推定温度を算出させる切替制御手段と、
    前記切替制御手段での切替えに際し、前記第1の演算手段が切替え直前に算出した推定温度の最大値と、前記第2の演算手段が切替え直後に算出した平均の推定温度とから温度差値を取得する温度差取得手段と、
    前記切替制御手段による切替え後、前記第2の演算手段が算出する平均の推定温度と、前記温度差取得手段で取得した温度差値とを用いてその時点の最大の推定温度を算出する第3の演算手段と、
    を備える電力用半導体素子制御装置。
  2. 前記切替制御手段は、前記第1及び第2の演算手段が算出する両推定温度の差に応じたタイミングで前記第1の演算手段から前記第2の演算手段に切替えて前記推定温度を算出させる請求項1記載の電力用半導体素子制御装置。
  3. 前記第3の演算手段は、前記第2の演算手段が算出する平均の推定温度と、前記温度差取得手段で取得した温度差値とに加え、その時点の電流周波数に応じた第1の補正係数、その時点の力率、変調率、キャリア周波数、及び電流値に応じた第2の補正係数の少なくとも一つを用いてその時点の最大の推定温度を算出する請求項1または2記載の電力用半導体素子制御装置。
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